JP6729893B2 - 薬液漏出防止用バルーンカテーテル - Google Patents

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この発明は、薬液漏出防止用バルーンカテーテルに関し、さらに詳しくは外科手術で患部である血管等の吻合部(目的部位)に糊等の薬液を噴霧・塗布する際に目的部位以外に薬液が漏出するのを防止することができる技術に係るものである。
従来より虚血性心疾患の外科的治療においては、狭窄部よりも末梢側の動脈にグラフト血管を吻合し、新たな血液の流路を作る冠動脈バイパス術(CABG)が行われている。このCABG手術では吻合不全を防止する目的で、生体接着剤(フィブリン糊)の薬液をスプレーで噴霧して吻合部を覆うことが行われる。そしてこの際、吻合部に生体糊をある程度の厚さに積層させ接着剤の強度を高め、血液の漏れを防止するが、薬液を塗布してから硬化するまでの間に糊の粘性により塗布部から自然に流れ広がり十分な厚みが得られないことがある。そこで糊を積層させるために長時間にわたりスプレーで噴霧していると、スプレーの噴霧力で糊が流れてしまい、目的部位以外の部分まで広がってしまったりしてうまく糊を積層させることが困難であった。
前記のような薬液が塗布部以外に漏出するのを防止する先行技術として、シーリングテスト用鉗子(特許文献1)が提案されている。この鉗子は肺の部分切除手術の際に患部のシーリングテスト(肺内部からのエアリークの有無を確認)に用いられる肺を押圧するための器具であり、環状、あるいは、一部を欠損した環状の枠体を形成させ、その枠体を柔らかなチューブで被覆している。また、外筒管も設けているため、ロッドを外筒管側に引き込むことで、枠体が変形し外筒管内に収納可能となっている。また、この鉗子は、シーリングテストでエアリークしている部分に押し当てリーク部分を見易くするものであり、環内部の空間でリーク部の再処置を可能としている。
しかし、特許文献1の鉗子は、枠体が肺に押し当てやすいように、傾斜角度(30度以上、60度以下程度)を設けてロッド先端に取り付けられているため、角度を調整することができない。そのため、鉗子の挿入部位と患部が同一平面上に位置している場合には、患部に枠体を押し当てることが難しいため、枠体と患部との間に隙間が生まれてしまい薬液が漏れ出してしまうという問題があった。
また、他の先行技術として、整形外科領域(脊椎板再建術など)で使用するバルーンカテーテル(特許文献2)も提案されている。このカテーテルは、整形外科領域の損傷した椎間板に代わり骨形成性の成分を含むゲル(薬液)に置き換える手術などで使用するカニューレであり、本体カニューレの先端に弓形環状(バルーンの環内側の形状が椎間板の形状となっている)のバルーンを設けたものである。このカニューレは、椎骨の間などの目的部位の隙間にバルーンを挿入して膨張させた後、バルーンの環内側に薬液を注入し、硬化させることで椎間板を形成させる。そのため、薬液がバルーンの環内側に留められ、目的形状以外に硬化するのを防止している。
しかし、特許文献2のバルーンカテーテルは、カテーテルの先端に弓形環状のバルーンを設け、該バルーンの環内側に椎間板の元となる薬液を注入することで、目的部位にのみ椎間板を再建することが可能としている。また、このバルーンカテーテルは、骨などの土台となる隙間(椎間孔など)にバルーンを留置することのみを想定している。そのため、柔軟組織で、かつ拍動している心臓などでは、バルーン留置部位周囲にバルーンを圧着固定させる支持体が無いため、このバルーンカテーテルを用いても、バルーンを心臓壁に押し当てることが困難であり、心臓壁とバルーンとの間に隙間が生じ、その隙間より薬液が漏出してしまうという問題があった。
特許第5677718号公報 特表2006−517842号公報
そこで、この発明は、前記のような従来の問題を解決することができ、薬液を目的部位に噴霧・塗布する際に目的部位以外に薬液が漏出するのを防止することができるバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、所定長さからなるカテーテル本体と、このカテーテル本体の前端部に取り付けられた環状バルーンと、前記カテーテル本体の外周に相対的に前後方向に摺動自在に嵌挿された外筒管と、この外筒管の前端部にそれぞれ基端部が枢支機構によって回動自在に枢支され、先端部が前記バルーンに取り付けられた複数のバルーン支持脚と、を具え、前記カテーテル本体の前端部及びバルーン支持脚の先端部は、前記バルーンの一方の側面に円周方向に所定間隔で取り付けられており、前記バルーンは、カテーテル本体又は外筒管に対して外筒管又はカテーテル本体を一方の側に摺動させると支持脚で支持された部位がカテーテル本体から離れて所定角度傾いて起立した状態になり、他方の側に摺動させるとカテーテル本体に接近して倒伏した状態になるように構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、枢支機構は、外筒管に嵌挿固定された基部と、該基部にカテーテル本体と直交する向きに設けられた軸受部と、該軸受部に支持された回動軸とからなり、前記回動軸の軸受部から突出した両端部に支持脚の基端部が連結され、支持脚は前記回動軸を支点として揺動可能になっている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、複数の支持脚は、互いに等しい長さからなっているとともに、それらの先端部は、カテーテル本体の前端部が取り付けられたバルーンの取り付け部と円周方向に等間隔で取り付けられている。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、カテーテル本体は、バルーンルーメンを有し、このバルーンルーメンは一端開口側がバルーン内と連通し、他端開口側がカテーテル本体の後端部に連結された開閉弁付きコネクタ内と連通しており、該コネクタに接続される流体供給部から送られる流体によりバルーンが膨張又は収縮可能になっている。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、カテーテル本体と外筒管の相対的な摺動を阻止するストッパ機構が設けられている。請求項6に記載の発明は、請求項5において、ストッパ機構は、外筒管の外周に嵌挿されたシリコーンゴムなどの材質からなる雄筒及び雌筒と、カテーテル本体の外周と外筒管の内周間に配設された同材質の薄肉状のチューブ体とからなり、雄筒と雌筒が嵌合するとチューブ体が挟圧されて圧縮変形し、カテーテル本体と外筒管との摺動が阻止されるようになっている。請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、カテーテル本体と外筒管は、フレキシブル性を有し、これらフレキシブル性を有するカテーテル本体と外筒管をそれぞれ任意の形状に変形させる手段と、変形された状態を保持する手段を具えている。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、前記構成からなるので、患部である目的部位が軟組織で、かつ拍動している心臓等であっても環状バルーンを押し当てることができ、しかも噴霧した薬液の漏出防止を確実に行え、従来の問題を解決することができる。更に、近年、低侵襲性を目的に小切開創から手術を行う低侵襲心臓手術(MICS)などが盛んに行なわれているが、このようなMICS手術であっても、外筒管又はカテーテル本体を前後に摺動してバルーンを倒伏状態にさせ小切開創から体腔内へ挿入することができるとともに、体腔内への挿入が完了した後には、バルーンを起立状態にさせ、心臓等の表面に押し当て密着させることができる。その上、低侵襲心臓手術では内視鏡を併用して行うこともあるが、この発明であればこれらの手技にも応用することができる。したがって、使用に際してきわめて操作性が良いのに加え、心臓等の表面に押し付けても心拍動に悪影響を及ぼす恐れもなく、環状バルーンの環内側に薬液を噴霧することで目的部位以外をマスキングし薬液の広がりを抑え、薬液を積層させることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、前記構成からなるので、枢支機構として簡素な構造とすることができ、起伏動作を行うバルーン支持脚の円滑な作動を行うことができる。請求項3に記載の発明によれば、カテーテル本体の前端部の取り付け部とバルーン支持脚の取付部がバルーンの円周方向に均等の間隔となるので、バルーンが起伏する際に、バルーンの動作をバランスよく行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、カテーテル本体に設けたバルーンルーメンを経て供給する流体によりバルーンの膨張又は収縮を行うことができる。請求項5,6に記載の発明によれば、ストッパ機構によりカテーテル本体と外筒管の相対的な摺動を阻止することができるので、使用時における不意の摺動によって起こるバルーンの起伏を防止することができる。請求項7に記載の発明によれば、カテーテル本体と外筒管をそれぞれ変形させることが可能となり、かつ変形により任意の形状にもたらされたその変形した状態を保持することができるので、低侵襲心臓手術において邪魔になったり、小切開創から挿入される複数の機器と干渉し合うこともなく施術を行うことができる。
この発明の一実施の形態に係る薬液漏出防止用バルーンカテーテルをカテーテル本体の一部を省略して示す正面図である。 同上の平面図である。 同上の右側面図である。 同上のバルーン側の拡大正断面図である。 ストッパ機構を示す拡大正断面図である。 バルーンの起伏動作を説明する図面で、(A)はバルーンが下向きに倒伏した状態、(B)はバルーンが起立した状態、(C)はバルーンが上向きに倒伏した状態、をそれぞれ示す。 カテーテル本体と外筒管が湾曲状に変形された一態様を示す図面である。 作用説明図である。 作用説明図である。
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る薬液漏出防止用バルーンカテーテルについて説明する。
図1〜3において、1はバルーンカテーテルで、このカテーテル1は、所定長さからなる中空チューブ状のカテーテル本体2と、このカテーテル本体の前端部に取り付けられた環状バルーン3と、カテーテル本体2の外周に相対的に前後方向に摺動自在に嵌挿された外筒管5と、この外筒管の前端部に固定された枢支機構としての固定具6と、この固定具にそれぞれ基端部が回動自在に枢支され、先端部がバルーン3に取り付けられた複数(この例では2つ)のバルーン支持脚7と、を具えている。カテーテル本体2と外筒管5、及びバルーン支持脚7は、アルミ製からなり、カテーテル本体2は、カテーテル1の操作機構を司るメインシャフトとしての役割を果たしている。バルーン3と、固定具6の主要部は、シリコーンゴムなど生体に適する柔軟な材質からなり、バルーン3は、収縮した状態では扁平であるが、膨張した状態では図示のように環状に膨らむ。
図4にも示すように、固定具6は、外筒管5に嵌挿固定された基部8と、該基部の外周面にカテーテル本体2と直交する向きに設けられた軸受部9と、該軸受部に支持された回動軸10とからなっている。回動軸10は軸受部9から突出した両端部が屈曲して外向きに延びる連結部10aを有し、該連結部と支持脚7の基端部は連結筒11で連結されている。この連結筒11による連結により、支持脚7は正面視、カテーテル本体2に接近した位置と、該位置から所定角度傾いた位置とに揺動可能になっている。固定具6の連結部10aと連結筒11を介してそれぞれ基端部が連結された支持脚7は、互いに等しい長さからなっている。そして、この支持脚7の先端部とカテーテル本体2の前端部は、バルーン3の一方の側面に円周方向に等間隔で取り付けられている。バルーン3の一方の側面への取り付けに際して、バルーン3を損傷しないように取り付け部となるバルーン3の表面に接着剤等で肉厚のボス部12が形成され、該ボス部で支持脚7の先端部とカテーテル本体2の前端部を受け入れて固着されている。ボス部12には支持脚7の先端部とカテーテル本体2の前端部を受け入れる受孔が設けられている。また、カテーテル本体2の前端部を受け入れる受孔13の底部にはバルーン3内と連通する連通孔14が形成されている。
固定具6より後端側となるカテーテル本体2と外筒管5にはストッパ機構16が設けられ、カテーテル本体2と外筒管5の相対的な摺動を阻止して固定することが可能になっている。すなわち、ストッパ機構16は、外筒管5の外周に嵌挿されたシリコーンゴムなどの材質からなる雄筒17及び雌筒18と、カテーテル本体2の外周と外筒管5の内周との間に配設された同材質の薄肉状のチューブ体19とからなっている。この例ではカテーテル本体2に対して外筒管5を摺動するようになっているため、外筒管5の摺動を阻止するときには図4の状態から図5に示すように雌筒18を雄筒17に接近させるようにして嵌合する。すると、この嵌合により接近する両筒によってチューブ体19が挟圧されて圧縮変形し、ブレーキシュー的な役割を果たしてカテーテル本体2に対する外筒管5の摺動を阻止する。なお、嵌合に際し、その材質から雌筒18の先端部が雄筒17の後端部の環状凸部を乗り越えて包み込むようになるため、簡単に外れることはない。ただここに示すストッパ機構16はあくまでも好ましい一例にすぎず、同効のものであれば他の機構で代替してもよい。
カテーテル本体2は、軸方向内部にバルーンルーメン20が設けられている。この例ではカテーテル本体2の内腔がバルーンルーメン20となっている。バルーンルーメン20は、一端開口側が受孔の連通孔14を経てバルーン3内と連通し、他端開口側がカテーテル本体2の後端部に連結された開閉弁付き接続コネクタ21内と連通しており、該コネクタに接続される図示しない流体注入源から送る空気や生理食塩水などの流体によりバルーン3を膨張又は収縮可能にしている。
バルーン3は、外径が60mm程度、内径が40mm程度のものからなり、膨張した状態でカテーテル本体2に対して起立し、ほぼ直角に傾斜した状態で心臓の表面組織を押さえつけるようにして密着し、この密着した状態でスプレーで噴霧することを可能とする。
バルーンカテーテル1は、前記のような構成からなるので、カテーテル本体2に対して外筒管5を矢印で示すように一方の側に前進させると、バルーン3は、カテーテル本体2に接近して倒伏した状態になり(図6A参照)、この状態から他方の側に後退させるとバルーン3はその中間位置でカテーテル本体2から離れて所定角度傾いて起立した状態になり(図6B参照)、さらに後退させるとバルーン3は再びカテーテル本体2に接近して図6Aとは反対向きに倒伏した状態になる(図6C参照)。
また、カテーテル本体2と外筒管5は、図7に示すようにフレキシブル性を有し、任意の形状に変形可能となっている。カテーテル本体2と外筒管5をそれぞれ変形させる手段と、変形により任意の形状にもたらされたその変形した状態を保持する手段については図示省略している。変形される任意の形状の一例としては図示のような湾曲状がある。
<作用説明>
次に、バルーンカテーテル1の作用について説明する。
図8に示すように、冠動脈バイパス術において、心臓A近くの冠動脈Bとグラフト血管Cの吻合部Dに薬液をスプレーで噴霧して新たな血液の流路を作る処置を行う場合、まずカテーテル本体2の接続コネクタ21に取り付けた図示しないシリンジ等流体注入源から流体を注入し、バルーン3を膨張させる。このときバルーン3は図6Aに示すように下向きに倒伏した状態にしておく。しかる後、心臓近くの胸壁に明けた小切開創(図示省略)からバルーンカテーテル1を、バルーン3を先頭にして体腔内へ挿入してやる。挿入に際してのバルーン3の向きとしては、吻合部Dの配置によっては図6Cに示すように上向きに倒伏した状態でもよい。
この挿入時に小切開創がバルーン3の外径より小さいときはそのままでは挿入ができないので、そのようなときはバルーン3の膨張を半膨張程度にしておき、術者が径小となるように折り曲げて変形する。このようにすると、挿入するバルーン部がコンパクトな形になり、小切開創からの挿入が容易になる。そして、この場合には体腔内へ挿入後にバルーン3を完全な形に膨張させる。
次に、体腔内へ挿入したバルーンカテーテル1のバルーン3が、所定位置に達したところで、カテーテル本体2を把持し、外筒管5を前進させてバルーン3を前記の倒伏した状態から90度近くまで起立させて、吻合部Dに押し当てやすいように調整するとともに、ストッパ機構16で摺動を阻止して固定する。しかる後に、図9に示すように吻合部Dにバルーン3を押し当て、バルーン3の環内側にスプレーEで薬液(フィブリン糊)を噴霧する。噴霧された薬液はバルーン3の環内側にプールされて溜まり、積層されて固定化される。吻合部Dへのバルーン3の押し当て、及び噴霧に際して、カテーテル本体2と外筒管5はストッパ機構16によってその摺動が阻止されているため、不意な力により摺動が起きてバルーン3が倒伏する等の事故が起こることもなく、安全である。この吻合部Dへの押し当てに際しては、前記のようにバルーンを90度近くまで必ず起立させる必要はなく、30度など任意の起立状態で押し当ててもよい。すなわち、狭い体腔のスペースでも外筒管5を適度に動かしバルーン3に所定の角度を付けることで、心臓等の表面に対し必ずしも垂直に立てなくてもバルーン3を膨らまして心臓等の表面を押さえることが可能となる。
そして、吻合部Dでの薬液が固定化したことを確認した後、外筒管5に対して前記の作動と逆の操作を行い、ストッパ機構16による固定を解除してカテーテル本体2に対して外筒管5を後退させ、バルーン3を倒伏状態にするとともに、バルーン3を膨張から収縮状態にしたうえ、バルーンカテーテル1を小切開創を通して体外に取り外す。
前記のようであって、バルーンカテーテル1を用いれば、起伏可能な環状バルーン3を小切開創から体腔内へ挿入して患部である吻合部Dに押し当て、薬液をスプレーEで噴霧することができるとともに、噴霧した薬液の漏出もバルーン3により確実に防止することができる。この漏出防止効果は、患部が吻合部Dのように軟組織で、かつ拍動している心臓等であっても可能である。また、MICS手術などであっても、バルーン3を小切開創から体腔内へ挿入することにより、使用を可能とするため、きわめて操作性が良い。
低侵襲心臓手術において小切開創から鑷子や内視鏡など複数の機器が挿入される場合には、図示はしていないが、例えば外筒管5のある位置のカテーテル本体2と外筒管5を湾曲状に変形させ、この変形させた部分を小切開創の縁部に沿うようにさせてバルーンカテーテル1のバルーン3のある先頭側を挿入する。そのため、従前に機器の干渉等があり、挿入に困難性を伴っていた作業を能率的に行うことができる。なお、湾曲度は図7に示すものより大きい場合もあるし、小さい場合もある。
前記実施の形態ではバルーンカテーテル1の操作において、カテーテル本体2に対して外筒管5を前後に摺動させたが、逆に外筒管5に対してカテーテル本体2を前後に摺動させてもよい。
また、前記実施の形態では、枢支機構として固定具6を示したが、このような固定具に限らないことは前述した通りである。また、バルーン支持脚7をはじめとする構成部材も一例であり、同効のものであればほかの任意の部材としてもよい。また、患部として心臓近くの冠動脈とグラフト血管の吻合部Dを挙げたが、ほかに肺近くの血管の吻合部等、薬液を噴霧して固定する必要のある任意の患部に適用することができ、この発明は特許請求の範囲に記載した範囲内であれば細部の設計等は任意に変更、修正が可能であることは言うまでもない。
1 バルーンカテーテル
2 カテーテル本体
3 環状バルーン
5 外筒管
6 固定具(枢支機構)
7 バルーン支持脚
8 基部
9 軸受部
10 回動軸
11 連結筒
12 ボス部
13 受孔
14 連通孔
16 ストッパ機構
17 雄筒
18 雌筒
19 チューブ体
20 バルーンルーメン
21 接続コネクタ
A 心臓
B 冠動脈
C グラフト血管
D 吻合部(目的部位)
E スプレー

Claims (7)

  1. 所定長さからなるカテーテル本体と、このカテーテル本体の前端部に取り付けられた環状バルーンと、前記カテーテル本体の外周に相対的に前後方向に摺動自在に嵌挿された外筒管と、この外筒管の前端部にそれぞれ基端部が枢支機構によって回動自在に枢支され、先端部が前記バルーンに取り付けられた複数のバルーン支持脚と、を具え、前記カテーテル本体の前端部及びバルーン支持脚の先端部は、前記バルーンの一方の側面に円周方向に所定間隔で取り付けられており、前記バルーンは、カテーテル本体又は外筒管に対して外筒管又はカテーテル本体を一方の側に摺動させると支持脚で支持された部位がカテーテル本体から離れて所定角度傾いて起立した状態になり、他方の側に摺動させるとカテーテル本体に接近して倒伏した状態になるように構成されていることを特徴とする薬液漏出防止用バルーンカテーテル。
  2. 枢支機構は、外筒管に嵌挿固定された基部と、該基部にカテーテル本体と直交する向きに設けられた軸受部と、該軸受部に支持された回動軸とからなり、前記回動軸の軸受部から突出した両端部に支持脚の基端部が連結され、支持脚は前記回動軸を支点として揺動可能になっている請求項1に記載の薬液漏出防止用バルーンカテーテル。
  3. 複数の支持脚は、互いに等しい長さからなっているとともに、それらの先端部は、カテーテル本体の前端部が取り付けられたバルーンの取り付け部と円周方向に等間隔で取り付けられている請求項1又は2に記載の薬液漏出防止用バルーンカテーテル。
  4. カテーテル本体は、バルーンルーメンを有し、このバルーンルーメンは一端開口側がバルーン内と連通し、他端開口側がカテーテル本体の後端部に連結された開閉弁付きコネクタ内と連通しており、該コネクタに接続される流体供給部から送られる流体によりバルーンが膨張又は収縮可能になっている請求項1ないし3のいずれかに記載の薬液漏出防止用バルーンカテーテル。
  5. カテーテル本体と外筒管の相対的な摺動を阻止するストッパ機構が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の薬液漏出防止用バルーンカテーテル。
  6. ストッパ機構は、外筒管の外周に嵌挿されたシリコーンゴムなどの材質からなる雄筒及び雌筒と、カテーテル本体の外周と外筒管の内周間に配設された同材質の薄肉状のチューブ体とからなり、雄筒と雌筒が嵌合するとチューブ体が挟圧されて圧縮変形し、カテーテル本体と外筒管との摺動が阻止されるようになっている請求項5に記載の薬液漏出防止用バルーンカテーテル。
  7. カテーテル本体と外筒管は、フレキシブル性を有し、これらフレキシブル性を有するカテーテル本体と外筒管をそれぞれ任意の形状に変形させる手段と、変形された状態を保持する手段を具えている請求項1ないし6のいずれかに記載の薬液漏出防止用バルーンカテーテル。
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