本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.第5実施形態:
F.第6実施形態:
G.他の構成への適用:
H.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32として、3つの一般入賞口32a、32b、32cが設けられている。以下では、一般入賞口32aを第1入賞口32a、一般入賞口32bを第2入賞口32b、一般入賞口32cを第3入賞口32cとも呼ぶ。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、普通電動役物としての電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
なお、本実施形態では、第1始動口33、第2始動口34、第1入賞口32a、第2入賞口32b、第3入賞口32c、大入賞口36a及びアウト口43に入球した遊技球は、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に合流するように構成されており、当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。後述するように、本実施形態では、排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図4(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図4(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、第1実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、入出力ポート62aとを備えている。MPU62は、さらに、遊技履歴管理チップ300と、検査用端子65とを備えている。
遊技履歴管理チップ300は、始動口や入賞口、ゲート(以下ではこれらをまとめて「入球口」とも呼ぶ)への遊技球の入球情報に基づいて、後述する各種の遊技履歴情報を算出する。検査用端子65は、遊技履歴管理チップ300に記憶された遊技履歴情報を後述する検査機に送信するための端子である。遊技履歴管理チップ300及び検査用端子65の詳細については後述する。
MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。
MPU62の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、本実施形態では、電源装置85は、コンデンサ87を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチがOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、MPU62の入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続されている。具体的には、大入賞口36aに入球した遊技球を検知する大入賞口検知センサー44aと、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー44bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー44cと、第1入賞口32aに入球した遊技球を検知する第1入賞口検知センサー44dと、第2入賞口32bに入球した遊技球を検知する第2入賞口検知センサー44eと、第3入賞口32cに入球した遊技球を検知する第3入賞口検知センサー44fと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー44gと、上述した排出通路を通過した遊技球を検知する排出通路検知センサー44hとが接続されている。MPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が始動口や入賞口に入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートや排出通路を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリアを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタは、RAM64の各種カウンタエリアに設けられており、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図4(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリアに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図7は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図7(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図7(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図7(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図7(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図8(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図8(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図8(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図9は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図9(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図9(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図9(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図9(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
図10は、第1実施形態のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。以下では、MPU62、CPU62x、ROM63及びRAM64を、それぞれ主側MPU62、主側CPU62x、主側ROM63及び主側RAM64とも呼ぶ。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、演算実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。本実施形態では、賞球数データ記憶エリアには、以下の賞球数データが記憶されている。
・第1始動口33に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1始動口賞球数P1):3
・第2始動口34に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2始動口賞球数P2):3
・第1入賞口32aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1入賞口賞球数PN1):10
・第2入賞口32bに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2入賞口賞球数PN2):10
・第3入賞口32cに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第3入賞口賞球数PN3):10
・大入賞口36aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(大入賞口賞球数PS):15
主側MPU62は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを参照することによって、遊技球が各入球部に入球した場合に賞球として払い出す遊技球の個数を決定する。
さらに、本実施形態では、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
演算実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である演算実行条件が記憶されている。本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが演算実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された演算実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている演算実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、各入球口への遊技球の入球情報に基づいて各種の遊技履歴情報を算出するとともに、算出した遊技履歴情報を記憶する半導体チップである。遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した演算実行条件を記憶する演算実行条件記憶用メモリ307と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るとともに、演算実行条件の成立を契機として各入球口への遊技球の入球個数と各入球口に設定された賞球数とに基づいて遊技履歴情報を算出するCPU308と、算出された遊技履歴情報を記憶する演算結果記憶用メモリ309とを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。本実施形態では、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報が検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、遊技履歴管理チップ300から受信した遊技履歴情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
図11は、遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302は、主側MPU62のCPU62xとレジスタ304との間に設けられており、各入球口における入球情報をCPU62xから取得する。具体的には、バッファ302には、各入球口に対応した複数のビットが設けられており、CPU62xは、遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にする。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したと判定すると、バッファ302の第1始動口33に対応したビットをON(「1」)にする。
また、バッファ302には、遊技球が各入球口に入球した際の遊技モードやパチンコ機10の状態(以下では、遊技状態とも呼ぶ)を把握するためのビットも設けられている。本実施形態では、通常モード中(高確率モード中でもなく、高頻度サポートモード中でもなく、開閉実行モード中でもないモード)であるか否かを判定するためのビットと、高確率モード中であるか否かを判定するためのビットと、高頻度サポートモード中であるか否かを判定するためのビットと、開閉実行モード中であるか否かを判定するためのビットと、第1保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、第2保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、前扉枠14が開放中であるか否かを判定するためのビットと、パチンコ機10に故障等のトラブルが発生しているエラー中であるか否かを判定するためのビットとが設けられている。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングにおいて通常モード中であると判定すると、バッファ302の通常モード中であるか否かを判定するためのビットをON(「1」)にする。
レジスタ304は、各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。具体的には、レジスタ304は、各入球口に対応した複数のカウンタによって構成されており、バッファ302のビットに入球情報があると判定した場合(すなわち、ビットがONになっている場合)には、入球情報があると判定されたビットに対応したカウンタの値に1が加算される。なお、本実施形態では、レジスタ304は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のレジスタによって構成されている。
本実施形態では、レジスタ304は、各入球口に対応した各カウンタによって、下記の値を記憶している。
・大入賞口36aに入球した遊技球の個数=大入賞口入球個数NS
・第1始動口33に入球した遊技球の個数=第1始動口入球個数N1
・第2始動口34に入球した遊技球の個数=第2始動口入球個数N2
・第1入賞口32aに入球した遊技球の個数=第1入賞口入球個数NN1
・第2入賞口32bに入球した遊技球の個数=第2入賞口入球個数NN2
・第3入賞口32cに入球した遊技球の個数=第3入賞口入球個数NN3
・スルーゲート35を通過した遊技球の個数=スルーゲート通過個数NG
・排出通路を通過した遊技球の個数=排出通路通過個数NOUT
なお、上述したように、排出通路通過個数NOUTは、遊技盤30に発射された遊技球の個数と一致する。
さらに、本実施形態では、レジスタ304は、遊技状態毎に各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。
・通常モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高確率モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高頻度サポートモード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・開閉実行モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34に入球した遊技球の個数
・前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数
・エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数
例えば、バッファ302の第1始動口33に対応したビットに入球情報がある(ビットがONになっている)と判定し、かつ、通常モード中であるか否かを判定するビットに情報がある(ビットがONになっている)と判定した場合には、第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算されるとともに、通常モード中に第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである通常モード中の第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算される。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。本実施形態では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
演算実行条件記憶用メモリ307は、パチンコ機10に設定されている演算実行条件を記憶するためのメモリである。演算実行条件は、上述したように、遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である。本実施形態のパチンコ機10においては、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に遊技履歴情報を算出するための演算を開始するように設定されている。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている演算実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される。したがって、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される演算実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている演算実行条件の内容と同一となる。なお、演算実行条件として、排出通路以外を通過または入球した遊技球の個数が基準として記憶されていてもよく、また500個以外の個数が基準として記憶されていてもよい。
CPU308は、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出する。本実施形態では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、遊技履歴情報として下記の値を算出する。
・役物比率
=役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(役物賞球数)/賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)
=(N2×P2+NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)
・連続役物比率
=連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(連続役物賞球数)/賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)
=(NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)
・出玉率(トータル)
=賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)/遊技盤30に発射された遊技球の個数
=(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)/NOUT
なお、上記の値の算出根拠は以下の通りである。
・役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(役物賞球数)
=普通電動役物としての電動役物34a及び特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=N2×P2+NS×PS
・連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数(連続役物賞球数)
=特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NS×PS
・第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3
・賞球として払い出された遊技球の合計個数(総賞球数)
=第1〜第3入賞口32a〜32c、第1始動口33、第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS
さらに、本実施形態では、遊技状態毎にカウントされた各入球部への遊技球の入球個数に基づいて、下記の遊技履歴情報を算出する。
・払出比率(通常モード中)
=通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
・出玉率(通常モード中)
=通常モード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・出玉率(高頻度サポートモード中)
=高頻度サポートモード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/高頻度サポートモード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BY(通常モード中)
=通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BYMIN(通常モード中)
=通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・前扉枠開放中入球率
=前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
・エラー中入球率
=エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
なお、上記の遊技履歴情報は一例であり、これら以外の遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
CPU308は、上記の各種の遊技履歴情報を算出すると、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された各種の遊技履歴情報をまとめて「短期遊技履歴情報群」とも呼ぶ。
演算結果記憶用メモリ309は、CPU308によって算出された遊技履歴情報を記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。演算結果記憶用メモリ309には、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、算出した短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、算出した短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、演算結果記憶用メモリ309は、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。
本実施形態では、演算結果記憶用メモリ309は、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された短期遊技履歴情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期遊技履歴情報群が演算結果記憶用メモリ309に記憶されることになる。したがって、演算結果記憶用メモリ309は、直近の10日間分の短期遊技履歴情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、遊技履歴情報の送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。これにより、検査機320は、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を取得するとともに、取得した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
このように、本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に、すなわち、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に、役物比率等の遊技履歴情報が算出されて演算結果記憶用メモリ309に記憶される。そして、算出された遊技履歴情報が検査機320の表示部328に表示されることになる。
A3.遊技機において実行される各種処理の詳細:
次に、MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
先ず、図12のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
図12は、主側MPU62にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS10101では、初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などを実行する。さらに、本実施形態では、初期設定処理において、演算用データを遊技履歴管理チップ300に送信する処理を実行する。具体的には、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を遊技履歴管理チップ300に送信する。後述するように、当該演算用データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データ及び演算実行条件を賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307にそれぞれ記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信する。ステップS10101を実行した後、ステップS10102に進む。
ステップS10102では、設定完了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS10102において、設定完了コマンドを受信していると判定した場合には(S10102:YES)、ステップS10103に進み、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。一方、ステップS10102において、設定完了コマンドを受信していないと判定した場合には(S10102:NO)、再びステップS10102の処理を実行する。すなわち、設定完了コマンドを受信するまでは、ステップS10103に進まず、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわない。
ステップS10103を実行した後、ステップS10104〜ステップS10107の残余処理に進む。つまり、主側MPU62は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS10104〜ステップS10107の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS10104〜ステップS10107の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS10104では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS10105では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS10106では、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS10107にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS10107の処理を実行した後は、ステップS10104に戻り、ステップS10104〜ステップS10107の処理を繰り返す。
次に、主側MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図13は、主側MPU62において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、特定の周期(本実施形態では4msec周期)で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS10201にて抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS10202に進む。
ステップS10202では、乱数初期値更新処理において乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS10203に進み、変動種別カウンタ更新処理において変動種別カウンタCSの更新を実行する。その後、ステップS10204に進む。
ステップS10204では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS10205に進む。
ステップS10205では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS10206に進む。
ステップS10206では、各入球検知センサー44a〜44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。当該入球検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。その後、ステップS10207に進む。
ステップS10207では、入球検知情報を遊技履歴管理チップ300のバッファ302のビットに出力する。具体的には、ステップS10206の入球検知処理において遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にするとともに、パチンコ機10の遊技状態に対応したビットをON(「1」)にする。その後、ステップS10208に進む。
ステップS10208では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS10209に進み、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。その後、ステップS10210に進む。
ステップS10210では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS10210を実行した後、ステップS10211に進む。
ステップS10211では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS10211を実行した後、ステップS10212に進む。
ステップS10212では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS10212を実行した後、ステップS10213に進む。
ステップS10213では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS10213を実行した後、ステップS10214に進む。
ステップS10214では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS10214を実行した後、ステップS10215に進む。
ステップS10215では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS10215を実行した後、ステップS10216に進む。
ステップS10216では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS10216を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図13)のステップS10206にて実行される入球検知処理について説明する。
入球検知処理では、入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU62の入出力ポート62aのうちの入力ポート62bが確認される。ここで、入球検知処理の説明に先立ち、図14を参照しながら、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する。
図14は、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する説明図である。入力ポート62bは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート62bには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート62bへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入球検知処理では、入力ポート62bへの入力対象となる信号群が各入球検知センサー44a〜44hに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサー44aからの入球信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第1始動口検知センサー44bからの入球信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第2始動口検知センサー44cからの入球信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサー44dからの入球信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサー44eからの入球信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサー44fからの入球信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はスルーゲート検知センサー44gからの入球信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は排出通路検知センサー44hからの入球信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入球検知センサー44a〜44hは、遊技球の通過を検知していない場合には入球信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入球信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板151には反転回路が設けられており、入力ポート62bに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート62bでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入球検知センサー44a〜44hにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入球検知センサー44a〜44hは、遊技球の通過を検知していない間は入球信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入球信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
図15は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を説明する説明図である。図15(a)は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。図15(b)は、入球検知処理において利用される入球判定エリアを模式的に示す説明図である。入球検知処理では、図15(a)のフローチャートに示すように、まずステップS10301にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第1入球判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入球判定エリアWA1は、図15(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入球判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入球判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS10302では、入球検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU62において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS10302の処理が設定されていなくても、ステップS10301とステップS10303との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS10302では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS10301の処理とステップS10303の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS10303では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第2入球判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート62bにおける情報の更新はステップS10301が完了してからステップS10303が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS10303にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS10301の場合と異なるものとなり得る。
第2入球判定エリアWA2は、第1入球判定エリアWA1と同様に、図15(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入球判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入球判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS10304にて、入球判定処理を実行した後に、本入球検知処理を終了する。当該入球判定処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
図16は、主側MPU62にて実行される入球判定処理を示すフローチャートである。入球判定処理では、先ずステップS10401にて、主側RAM64に設けられた入球判定カウンタに8をセットする。なお、入球判定カウンタの数値情報は、8個の各入球口のビットに対応している。具体的には、本実施形態では、入球判定カウンタの数値情報の「8」は大入賞口36aの第0ビットD0、「7」は第1始動口33の第1ビットD1、「6」は第2始動口34の第2ビットD2、「5」は第1入賞口32aの第3ビットD3、「4」は第2入賞口32bの第4ビットD4、「3」は第3入賞口32cの第5ビットD5、「2」はスルーゲート35の第6ビットD6、「1」は排出通路の第7ビットD7に、それぞれ対応している。続くステップS10402では、第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2における現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート62bにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS10403では、ステップS10402にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS10404にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図15(b−3)及び図15(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入球判定エリアWA1の各ビットと第2入球判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS10405にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS10406にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS10407にて、ステップS10403におけるAND処理結果の情報と、ステップS10406における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS10408にて、そのAND処理の結果が入球検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。ステップS10408にてAND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS10409以降の処理に進む。
ステップS10409では、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1始動口33及び第2始動口34のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1始動口33及び第2始動口34のいずれかに対応している場合には、ステップS10410にて、主側RAM64に設けられた始動口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10411にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
始動口入球フラグは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1始動口33と第2始動口34とのそれぞれに入球検知センサー44b,44cが設けられているため、第1始動口33への入球と第2始動口34への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、始動入球フラグは、始動口33,34の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10409にて否定判定をした場合には、ステップS10412にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が大入賞口36a(可変入賞装置36)に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置36に対応している場合には、ステップS10413にて、主側RAM64に設けられた大入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10414にて、主側RAM64に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞口入球フラグは、可変入賞装置36への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、可変入賞装置36への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS10412にて否定判定をした場合には、ステップS10415にて、現状の入球判定カウンタの数値情報がスルーゲート35に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート35に対応している場合には、ステップS10416にて、主側RAM64に設けられたスルー通過フラグに「1」をセットする。
スルー通過フラグは、遊技球がスルーゲート35を通過したことを主側MPU62にて特定するとともに、スルーゲート35への遊技球の入球に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10415にて否定判定をした場合には、ステップS10417にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応している場合には、ステップS10418にて、主側RAM64に設けられた一般入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10419にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
一般入賞口入球フラグは、第1入賞口32a、第2入賞口32b又は第3入賞口32cへの遊技球の入球を主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのそれぞれに入球検知センサー44d,44e,44fが設けられているため、第1入賞口32aへの入球と第2入賞口32bへの入球と第3入賞口への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、一般入賞口入球フラグは、一般入賞口32a,32b,32cの数に対応させて設けられており、具体的には3個設けられている。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10417にて否定判定をした場合には、今回の入球が排出通路に対応していることを意味するため、ステップSAD20にて、主側RAM64に設けられた排出通路通過フラグに「1」をセットする。排出通路通過フラグは、遊技球が排出通路を通過したことを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10408にて否定判定をした場合、又はステップS10411、ステップS10414、ステップS10416、ステップS10419、ステップS10420のいずれかの処理を実行した後は、ステップS10421に進む。ステップS10421では、入球判定カウンタを1減算し、その後、ステップS10422にて入球判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
入球判定カウンタが「0」でない場合には、ステップS10421にて更新した入球判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS10402〜ステップS10420の処理を実行する。かかるステップS10402〜ステップS10420の処理を、ステップS10401にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS10422にて肯定判定をすることとなり、本入球判定処理を終了する。
次に、上記入球検知処理(図15)が実行されることにより、一般入賞口32、可変入賞装置36、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び排出通路への入球の有無が検知される様子について図17を参照しながら説明する。
図17は、入球の有無が検知される様子を説明する説明図である。まず、図17(A)を参照しながら、入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果(以下、入球情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図17(A)は各入球情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図17(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図13)が起動される構成において、入球情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS10301,ステップS10303)行われる。各1組の入球情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入球情報を監視する処理(ステップS10301)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入球検知処理が実行されるタイミングは遊技回制御処理及び電役サポート用処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入球検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入球情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理(ステップS10301)と後側の入球情報を監視する処理(ステップS10303)との間では、入球検知用のウェイト処理(ステップS10302)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、後側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図17(B)を参照しながら、入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図17(B)は入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図17(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図17(B1)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち第3入賞口検知センサー44fの入球情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入球有り情報ともいう)となっており、他のセンサーの入球情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入球無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では、図17(B2)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h及び第3入賞口検知センサー44fのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図17(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n−1回目のタイマ割込み処理にて入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n−1回目における入球情報の監視結果とn回目における入球情報の監視結果とを利用して入球判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図17(B4)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f、第2始動口検知センサー44c及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており他のセンサーは入球無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理にて、図17(B5)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図17(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入球判定処理(図16)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図17(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果をAND処理する。これにより、図17(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入球判定処理では、排出通路検知センサー44hにて遊技球の入球が検知されたと判定するとともに、第1始動口検知センサー44bにて遊技球の入球が検知されたと判定する。
また、図17(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて第2始動口検知センサー44cが入球有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入球無し情報から入球有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入球発生と特定するのではなく、入球有り情報が複数回に亘って確認された場合に入球発生と特定する構成である。したがって、図17(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では第2始動口検知センサー44cが入球無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入球と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサー44fではn回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理のそれぞれにて入球有り情報となっているが、これは既に入球の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が「0」であることを条件に入球の発生を特定しているため、1個の遊技球の入球を複数個の入球として扱ってしまわない。
上記のように入球検知処理が実行されることにより、各入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果の監視が実行されることともに、遊技球の付与に対応した入球が発生している場合には、その入球箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図13)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS10209)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出制御装置70に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。
また、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタのそれぞれが「1」以上となっている場合も考えられるが、この場合、賞球個数の多い賞球コマンドの出力が優先される。つまり、15個賞球コマンドの出力が10個賞球コマンドの出力や3個賞球コマンドの出力よりも優先され、10個賞球コマンドの出力が3個賞球コマンドの出力よりも優先される。
15個賞球カウンタが「1」以上の場合に15個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該15個賞球カウンタは1減算される。また、10個賞球カウンタが「1」以上の場合に10個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該10個賞球カウンタは1減算される。また、3個賞球カウンタが「1」以上の場合に3個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該3個賞球カウンタは1減算される。
次に、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行する処理について説明する。本実施形態では、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、パチンコ機10の電源投入に伴い下記のメイン処理を実行する。
図18は、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS10501では、賞球数データ及び演算実行条件を含む演算用データを受信しているか否かを判定する。ステップS10501において、演算用データを受信していると判定した場合には(S10501:YES)、ステップS10502に進む。一方、ステップS10501において、演算用データを受信していないと判定した場合には(S10501:NO)、再びこのステップS10501の処理を実行する。すなわち、演算用データを受信するまでは、次のステップS10502の処理に進まずに無限ループを継続する。
ステップS10502では、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させる。その後、ステップS10503に進み、受信した演算実行条件を演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる。その後、ステップS10504に進む。
ステップS10504では、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了し、かつ、演算実行条件の演算実行条件記憶用メモリ307への記憶が完了したことを意味する設定完了コマンドを主側CPU62xに送信する。その後、ステップS10505に進む。
ステップS10505では、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がある(ビットに「1」が格納されている)か否かを判定する。ステップS10505において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報があると判定した場合には(S10505:YES)、ステップS10506に進み、バッファ302のビットに対応したレジスタのカウンタに1を加算する。具体的には、例えば、バッファ302の第1始動口入球情報に対応したビットが「1」であり、通常モード中に対応したビットが「1」である場合には、レジスタ304の大入賞口入球個数NSに対応したカウンタに1を加算するとともに、通常モード中の大入賞口入球個数に対応したカウンタに1を加算する。その後、ステップS10507に進む。一方、ステップS10505において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がないと判定した場合には(S10505:NO)、ステップS10506を実行することなく、ステップS10507に進む。
ステップS10507では、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500であるか否か、すなわち、遊技盤30に発射された遊技球の個数が500個に達したか否かを判定する。ステップS10507において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したと判定した場合には(S10507:YES)、ステップS10508に進む。
ステップS10508では、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行する。その後、ステップS10509に進み、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させる。その後、ステップS10510に進み、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を0にクリアする。その後、ステップS10511に進む。
一方、ステップS10507において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立していないと判定した場合には(S10507:NO)、ステップS10508からステップS10510を実行することなく、ステップS10511に進む。
ステップS10511では、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信しているか否かを判定し、送信要求コマンドを受信していると判定した場合には(S10511:YES)、ステップS10512に進み、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を検査機320に対して送信する。検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。ステップS10512を実行した後、ステップS10505に戻り、ステップS10505以下の処理を繰り返す。一方、ステップS10511において、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信していないと判定した場合には(S10511:NO)、ステップS10512の処理を実行することなく、ステップS10505に戻り、ステップS10505以下の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報である遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、算出した遊技履歴情報を不揮発的に記憶する演算結果記憶用メモリ309を備える。遊技履歴情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報はパチンコ機10毎に異なるとともに、パチンコ機10の固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、パチンコ機10の特性が反映された情報である。本実施形態によれば、当該パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶する。よって、例えば、当該パチンコ機10の特性を検査する場合には、当該パチンコ機10本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該パチンコ機10の特性を検査することができる。パチンコ機10は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによってパチンコ機10の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、パチンコ機10は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来のパチンコ機10では、当該パチンコ機10の特性に関する情報を保持することができない。本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶するので、パチンコ機10がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該パチンコ機10本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、本実施形態のパチンコ機10は、当該パチンコ機10がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、遊技履歴管理チップ300及び主側CPU62xは、共に主側MPU62に搭載されており、これらは同一の電源によって動作するように構成されている。したがって、例えば、当該パチンコ機10が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによってパチンコ機10の遊技履歴情報を算出していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、パチンコ機10に電源が供給されている状況であれば、遊技履歴情報を算出することができる。仮に、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが異なる電源によって動作している場合、遊技履歴管理チップ300の電源供給に不具合があった場合に、パチンコ機10によって遊技が実行されているにも関わらず遊技履歴情報を算出できないといった不具合が生じる。これに対して、本実施形態によれば、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず遊技履歴情報を算出することができる。よって、遊技履歴情報の信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、開閉の痕跡が残る基板ボックスの内部に、演算結果記憶用メモリ309を格納している。したがって、演算結果記憶用メモリ309に対して物理的な接触をした場合には、基板ボックスを開いた痕跡が残る。よって、仮に、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が演算結果記憶用メモリ309への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを基板ボックスの痕跡から把握することが可能となる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。パチンコ機10は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る基板ボックスの内部に演算結果記憶用メモリ309を格納するので、パチンコ機10が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いてパチンコ機10の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正にパチンコ機10を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得するので、払い出した賞球に関するパチンコ機10の特性を算出することができる。さらに、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる賞球数データが設定されていても、遊技履歴管理チップ300は、パチンコ機10の種類毎に設定された賞球数データを用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、正しい遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xは、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を遊技履歴管理チップ300に送信するので、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xのメイン処理において、設定完了コマンドを受信するまでは、タイマ割込み処理の割り込みが許可されず、タイマ割込み処理に含まれる遊技球発射制御処理が実行されない構成となっている。すなわち、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、遊技履歴管理チップ300による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、排出通路検知センサー44hによって500個の遊技球が検知されるまでの期間毎の遊技履歴情報を算出して記憶するので、各パチンコ機10によって500個の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出、記憶することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出、記憶することができる。また、各入球口への入球情報をそのまま記憶する構成と比較して、必要な記憶容量を低減することができる。
パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に遊技履歴情報を算出するための演算を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300のCPU308が遊技履歴情報を算出するための演算を実行した後に、レジスタ304に記憶されている各入球口への遊技球の入球個数(カウンタ値)を消去するので、再びレジスタ304に遊技球の入球個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、レジスタ304に必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技履歴情報が検査機320に送信されるので、検査機320は、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、パチンコ機10の検査者は、検査機320に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
A4.第1実施形態の他の態様:
<態様1>
上記第1実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、演算を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、演算を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。パチンコ機10の検査者は、1時間毎に算出された詳細な遊技履歴情報を確認することができ、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件(時間的間隔)も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。したがって、この態様1においても、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
また、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、演算が実行されてからの経過時間を計測するとともに、遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定し、遊技が行なわれていないと判定している期間は、経過時間の計測を中断する構成としてもよい。具体的には、例えば、バッファ302のビットに入球情報がない状態が所定時間(例えば3分)経過した場合に、遊技が行なわれていないと判定して経過時間の計測を中断し、バッファ302のビットに入球情報が確認された場合に、遊技が再開されたと判定して経過時間の計測を再開する構成としてもよい。この構成によれば、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
なお、経過時間の計測は、タイマカウンタを用いる構成としてもよく、RTC(Real‐Time Clock)を設けてRTCの日時情報を用いる構成としてもよい。また、所定の時刻毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
<態様2>
上記第1実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する。当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、遊技履歴情報を算出する。そして、この構成ではレジスタ304は揮発性のメモリによって構成されており、入球個数情報が消去されることになる。このような構成によれば、パチンコ機10への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、電源の遮断が発生した後においても遊技履歴管理チップ300に対して電源を供給するコンデンサ87を備える構成とすれば、CPU308による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の演算結果記憶用メモリ309への記憶を確実に完了させることができる。
<態様3>
上記第1実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技履歴情報がパチンコ機10の図柄表示装置41に表示されるので、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置(検査機320等)を用いることなく、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様4>
上記第1実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを報知するためのLEDランプをパチンコ機10の前面(例えば、メイン表示部45の所定の箇所)に備える構成としてもよい。例えば、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))が所定の範囲に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなったパチンコ機10を容易に発見することができる。そして、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。特に、第1始動口33や一般入賞口(第1〜第3入賞口32a〜32c)の近傍の釘に不正が施されていると、上述した払出比率(通常モード中)がパチンコ機の設計時に想定された所定の範囲(例えば、0.60〜0.70)から外れることになる。したがって、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(例えば、0.60〜0.70)に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成とすることによって、第1始動口33や一般入賞口(第1〜第3入賞口32a〜32c)の近傍の釘に不正が施されていないかを適切に判断することができる。
さらに、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))の所定の範囲からの乖離度に応じてLEDランプの発光態様(色)を決定する構成としてもよい。例えば、役物比率が所定の範囲(0.70以下)に含まれている場合には第1LEDランプは青色に発光し、役物比率が0.71〜0.80の場合には第1LEDランプは紫色に発光し、役物比率が0.81〜1.00の場合には第1LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。連続役物比率が所定の範囲(0.60以下)に含まれている場合には第2LEDランプは青色に発光し、連続役物比率が0.61〜0.70の場合には第2LEDランプは紫色に発光し、連続役物比率が0.71〜1.00の場合には第2LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。また、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(0.60〜0.70)に含まれている場合には第3LEDランプは青色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.71〜0.80の場合には第3LEDランプは紫色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.81〜1.00の場合には第3LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様5>
上記第1実施形態では、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)は主側MPU62(CPU62x)が実行する初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される構成としたが、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリア及び演算実行条件記憶エリアにアクセス可能な構成とし、パチンコ機10の電源投入直後に遊技履歴管理チップ300が当該主側ROM63にアクセスして演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を取得し、取得した演算用データを賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる構成としてもよい。このような構成によれば、主側MPU62の処理負荷を低減することができる。
<態様6>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、レジスタに記憶された500個毎の入球個数をそのまま記憶し、検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様6の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図19は、第1実施形態の態様6のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、記憶実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、上記第1実施形態と同様に、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第1実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
記憶実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が後述する記憶処理を実行する条件である記憶実行条件が記憶されている。この態様6では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが記憶実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された記憶実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した記憶実行条件を記憶する記憶実行条件記憶用メモリ307aと、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を順次記憶する入球個数記憶用メモリ309aとを備えている。上述した記憶処理は、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる処理である。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様6では、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様6では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球個数情報及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球個数情報と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図20は、第1実施形態の態様6の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302及びレジスタ304における処理の内容は、上述した第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様6では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
記憶実行条件記憶用メモリ307aは、パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を記憶するためのメモリである。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される。したがって、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される記憶実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件の内容と同一となる。
CPU308は、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶されている記憶実行条件が成立したか否かを判定するとともに、記憶実行条件が成立したと判定した場合には、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。この態様6では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、当該レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
入球個数記憶用メモリ309aは、レジスタ304に記憶された入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。入球個数記憶用メモリ309aには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球個数記憶用メモリ309aは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様6では、入球個数記憶用メモリ309aは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が入球個数記憶用メモリ309aに記憶されることになる。したがって、入球個数記憶用メモリ309aは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して短期入球個数情報群及び賞球数データを検査機320に送信する。そして、検査機320は、短期入球個数情報群及び賞球数データに基づいて、役物比率等の遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様6では、検査機320は、上記の第1実施形態のCPU308と同様に、1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を算出することが可能であるとともに、複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、この態様6の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。
なお、この態様6において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した短期入球個数情報群を表示部328に表示可能な構成としてもよい。また、検査機320は、レジスタ304に記憶されている各カウンタ値を受信するとともに、受信した各カウンタ値を表示部328に表示可能な構成としてもよい。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、記憶処理を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、記憶処理を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する構成とし、当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、態様6では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様7>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、バッファにおける入球情報をそのまま記憶し、当該入球情報に基づいて検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様7の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図21は、第1実施形態の態様7のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
この態様7では、主側MPU62には、年月日情報及び時刻情報を遊技履歴管理チップ300に対して出力するRTC96(RTC:Real‐Time Clock)が設けられている。RTC96は、バックアップ電源を備えており、パチンコ機10の電源遮断時においても年月日情報及び時刻情報を更新することができる。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアが設けられている。なお、この態様7では、演算開始条件記憶エリアは設けられていない。
賞球数データ記憶エリアには、上記第1実施形態と同様に、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第1実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、バッファ302に記憶された各入球口への遊技球の入球情報等を順次記憶する入球情報記憶用メモリ309bとを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様7では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球情報等と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図22は、第1実施形態の態様7の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の概要を模式的に示す説明図である。
バッファ302における処理の内容は、上述した第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
入球情報記憶用メモリ309bは、バッファ302に記憶された入球情報及び遊技球が入球した際の遊技状態に関する情報を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。さらに、本実施形態では、入球情報及び遊技状態に関する情報が記憶される際に、遊技球が各入球口に入球した日時情報が付加されて記憶される。また、入球情報記憶用メモリ309bには、入球情報等が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、入球情報等を書き込むための空きエリアがない場合には、入球情報等を、書き込まれた順番が最も古い入球情報等が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球情報記憶用メモリ309bは、最も古い入球情報等から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の入球情報等が記憶されている状態となる。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様7では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。さらに、この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データが当該検査機320に送信される。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報、遊技状態に関する情報及び日時情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信したこれらの情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様7の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(短期遊技履歴情報群)を算出することだけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、任意の期間における遊技履歴情報を算出することが可能である。
さらに、この態様7では、入球情報等に日時情報(年月日情報及び時刻情報)が付加されているので、検査機320は、受信した入球情報等に付加されている日時情報の範囲内において、遊技履歴情報の算出対象となる日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することも可能である。したがって、パチンコ機10の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。
なお、この態様7において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した入球情報等を表示部328に表示可能な構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の検査者は、各入球検知センサーによって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、態様7では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様8>
上記第1実施形態及び上記の他の態様では、主側ROM63に演算実行条件又は記憶実行条件が記憶されており、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を主側ROM63から取得する構成としたが、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を不揮発性のメモリに当初から記憶している構成としてもよい。この構成によれば、不適切な演算実行条件又は記憶実行条件が主側ROM63に記憶されてしまっており、遊技履歴情報又は入球個数情報を適切に記憶できないといった事態の発生を抑制することができる。例えば、演算実行条件又は記憶実行条件として極端に短い期間(例えば、排出通路通過個数NOUT=5)が記憶されてしまっており、演算結果記憶用メモリ309又は入球個数記憶用メモリ309aには極端に短い期間分(例えば、1時間分程度)の遊技履歴情報又は入球個数情報しか記憶されないといった事態の発生を抑制することができる。
<態様9>
上記第1実施形態及び上記の他の態様では、各入球口への遊技球の入球個数を記憶する機能や、役物比率等の遊技履歴情報を算出する機能、算出した遊技履歴情報を記憶する機能を遊技履歴管理チップ300が備える構成としたが、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の一部を備える構成としてもよい。また、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の全部を備える構成としてもよい。このような構成によれば、別途に遊技履歴管理チップ300を設ける必要がないため、製造コストの低減を図ることができる。ただし、遊技履歴管理チップ300を設ける構成によれば、主側CPU62xの処理負荷を低減することができる。
<態様10>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴管理チップ300以外の機能部(例えば、検査機320や主側CPU62x)が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300が備える構成としてもよく、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300以外の機能部が備える構成としてもよい。例えば、検査機320が備える機能の一部を遊技履歴管理チップ300が備える構成とすれば、検査機320の処理負荷や製造コストをさらに低減することができ、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部を検査機320が備える構成とすれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷や製造コストをさらに低減することができる。
<態様11>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62xが遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。以下、態様11の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図23は、第1実施形態の態様11におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様11では、遊技履歴管理チップ300が設けられていない点と、主側RAM64に入球個数記憶エリアと演算結果記憶エリアが設けられている点が、上記第1実施形態(図5)と異なっている。
主側CPU62xは、入出力ポート62aから受信した遊技球の入球情報に基づいて、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球口への遊技球の入球個数を更新する。そして、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立した場合には、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データと、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球部における遊技球の入球個数とに基づいて演算を実行して遊技履歴情報を算出し、当該遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。以下、具体的に説明する。
図24は、第1実施形態の態様11の主側MPU62における処理の概要を模式的に示す説明図である。主側CPU62xは、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、主側CPU62xのキャッシュに記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。この態様11では、主側CPU62xは、主側CPU62xのキャッシュに記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。なお、上述したように、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
主側RAM64の入球個数記憶エリアは、入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するエリアである。主側RAM64の入球個数記憶エリアには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに書き込み対象となった短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様11では、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されることになる。したがって、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
そして、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を新たに算出する。さらに、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出する。すなわち、この態様11の主側CPU62xは、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。そして、算出したこれらの遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。
主側RAM64の演算結果記憶エリアは、短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアと、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアとによって構成されている。短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアには、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに算出された短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアは、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、演算実行条件が成立する毎に新たに算出された長期遊技履歴情報群が上書きされる。すなわち、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、最新の短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群に基づいて算出された最新の長期遊技履歴情報群が記憶されることになる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを主側CPU62xに送信する。主側CPU62xは、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
また、この態様11では、遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させるための所定の操作が実行されると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報が入出力ポート62xを介して音声発光制御装置90に出力され、図柄表示装置41に表示される。
また、この態様11では、パチンコ機10への電源の供給が絶たれても、コンデンサ87から供給されるバックアップ電源によって、主側RAM64に記憶された短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が数日間保持されるように構成されている。
このような構成によれば、単一の処理部である主側CPU62xが、大当たり抽選処理等の遊技を進行するための処理と、遊技履歴情報を算出、記憶する処理とを実行するので、遊技履歴情報を算出、記憶するための専用の遊技履歴管理チップ300を設ける必要がなく、パチンコ機10の製造コストを低減させることができる。
さらに、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を主側RAM64に記憶するように構成されているので、遊技球の入球情報をそのままの形式で記憶する構成(例えば、図22の入球情報記憶用メモリ309bに記憶されている入球情報の形式で記憶する構成)と比較して、主側RAM64に必要なメモリ容量を大幅に低減しつつ、直近の短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を算出することが可能となる。
なお、主側CPU62xは、遊技履歴情報として短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群の両方を算出する構成に限らず、これらの一方のみを算出する構成としてもよい。
<態様12>
図25は、第1実施形態の態様12におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した態様11(図23)との違いは、主側MPU62に、書き換え可能であるとともに電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ64xが設けられている点である。このフラッシュメモリ64xには、上述した態様11における短期入球個数情報群を記憶するための入球個数記憶エリアと、上述した態様11における短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を記憶するための演算結果記憶エリアとが設けられている。
この態様12の主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、短期入球個数情報群及び算出した遊技履歴情報をフラッシュメモリ64xに記憶するように構成されている。
このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300を備える構成と比較して、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。さらに、パチンコ機10への電源の供給が長期間にわたって絶たれても、短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が保持されるので、当該パチンコ機10がいかなる状態(例えば、長期間にわたってパチンコ機10に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。
また、主側RAM64に短期入球個数情報群及び遊技履歴情報を記憶させるためのエリアを設けなくてもよいため、主側RAM64の記憶容量を抑えることができ、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
<態様13>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、主制御装置60は、遊技を進行するための処理である遊技進行処理を実行可能なモードである遊技モードと、遊技履歴情報を検査機320に出力するモードである検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。遊技進行処理は、入球検知センサー44a〜44hによって遊技球が検知されたことに基づいて実行される処理であり、大当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等が含まれる。
そして、検査モードでは、遊技球が入球検知センサー44a〜44hによって検出される領域を通過した場合であっても、遊技進行処理を実行しない構成としてもよい。
具体的には、例えば、検査モードに移行すると、主制御装置60において検査モードであるか否かを判定するための検査モードフラグがONになる。そして、主制御装置60は、検査モードフラグがONであるか否かを判定し、検査モードフラグがONであると判定した場合には、通常の遊技進行処理を実行する処理フローには進まず、検査モード用の処理フローに進む。この結果、主制御装置60は、入球検知センサー44a〜44hから遊技球が検知されたことを示す信号を受信した場合であっても、当該信号を受信したことに基づく処理(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値を取得する処理や、賞球の払出処理、音声発光制御装置90にコマンドを送信する処理等)を実行しないように構成されている。
このような構成によれば、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を検査モードにおいて実行することができる。また、このような構成によれば、検査モードにおいては遊技進行処理を実行しないので、検査モードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、検査モードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
また、遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、パチンコ機10の検査者が遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、この態様13の構成によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない検査モードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、パチンコ機10の検査者は円滑に検査を実施することができる。
なお、検査モードにおいて遊技履歴情報を出力する態様は、遊技履歴情報を検査機320に出力して表示させる態様に限らず、他の様態であってもよい。例えば、遊技履歴情報を図柄表示装置41に出力して表示させる構成としてもよい。
また、検査モードにおいて出力する情報は、遊技履歴情報に限らず、他の情報であってもよい。例えば、遊技球の入球情報や入球個数情報等のように、入球検知センサー44a〜44hによって遊技球が検知されたことに基づく他の情報であってもよい。
<態様14>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、遊技モードから検査モードに移行させるための所定の操作(以下では「モード切替操作」とも呼ぶ)が検査者によって実行された場合には、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。
具体的には、例えば、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するというモード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理(大当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)毎に予め定められた処理段階まで処理を完了させる。そして、予め定められた処理段階まで遊技進行処理が完了すると、当該処理段階の後の処理は実行されずに待機状態となる。そして、実行中の各遊技進行処理の全てが予め定められた処理段階まで処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する。
このような構成によれば、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成と比較して、検査モードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成を採用した場合において、遊技モードにおいて遊技進行処理としてのメイン表示部45における図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、メイン表示部45における図柄の変動表示の途中で検査モードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、この態様14の構成によれば、例えば、遊技モードにおいて図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、図柄の変動表示処理が終了して図柄が停止したという処理段階まで処理が完了したタイミングで検査モードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
なお、検査モードから遊技モードに移行(復帰)した際には、検査モードに移行する前において実行予定であった残りの処理段階の遊技進行処理を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、期待していた遊技進行処理が不完全な状態で終了するといった不快感を遊技者に与えてしまうことを抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技進行処理を再開させる場合における処理上の不具合の発生を抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、遊技実行処理を中断させるとともに、中断させた遊技進行処理の再開を可能とする情報を主側RAM64に記憶し、当該記憶が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10は、遊技モードから検査モードに速やかに移行するので、短期間で多くのパチンコ機10を検査することが可能となる。
また、遊技モードから検査モードに移行させるためのモード切替操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。また、検査用端子65に検査機320が接続された場合に、モード切替操作が実行された場合と同様の処理を実行する構成としてもよい。
<態様15>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、検査モード中に、当該検査モードに移行した時点から10分が経過したという自動復帰条件が成立した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作(例えば、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行する構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行した時点から10分が経過した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに遊技モードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、パチンコ機10の検査者が検査モードにおいて出力される遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、検査モードに移行した時点から10分が経過すれば遊技モードに復帰するので、パチンコ機10が遊技進行処理を実行可能な遊技モードに復帰せずに遊技者が当該パチンコ機10で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
なお、自動復帰条件は、検査モードに移行した時点から10分が経過したという条件に限らず、他の態様であってもよい。例えば、検査モードに移行した時点から5分が経過したという条件であってもよく、検査用端子65から検査機320が取り外された時点から10分が経過したという条件であってもよい。
また、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様16>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、主側RAM64を初期化するためのRAMクリアボタンを主制御装置60に設け、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作(以下では「消去用操作」とも呼ぶ)が実行された場合に、主側RAM64に記憶されている情報を消去する(初期化する)構成としてもよい。
さらに、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。そして、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態、例えば、検査モード中の状態や、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態では、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しない構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しないので、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤って消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、遊技モードと検査モードとの間でモードを移行させるための操作が、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、検査モードから遊技モードに移行させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、遊技モードから検査モードに移行する際に、遊技モードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を検査モードへの復帰後に再開させるための情報を主側RAM64に記憶させる構成を採用した場合において、検査モードから遊技モードに復帰させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、検査モードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、主側RAM64に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、主側RAM64に遊技履歴情報を記憶する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を記憶するための専用のメモリを別途設けなくてもよいため、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
また、消去用操作が実行された場合には、パチンコ機10の状態(電源のオン、オフの状態や、遊技モードか検査モードかといった状態)に関わらず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報は消去されず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報以外の情報(遊技進行処理を再開するために記憶されている情報等)のみが消去される(初期化される)構成としてもよい。このような構成によれば、所定の規定範囲から逸脱した遊技履歴情報が意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。
なお、消去用操作は、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、RAMクリアボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様17>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行する際には、検査モードに移行して遊技進行処理が一時的に停止することを示すコマンドである遊技停止コマンドを音声発光制御装置90に対して送信するとともに、実行中であった遊技進行処理を検査モードにおいて一時的に停止させる構成としてもよい。具体的には、例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示を実行中に検査モードに移行した場合には、メイン表示部45における表示を消灯させ、メイン表示部45における図柄の変動時間のカウントを停止する。また、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行する際には、遊技モードに移行して遊技進行処理が再開することを示すコマンドである遊技再開コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する構成としてもよい。
そして、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合には、実行中の演出を一時的に停止させ、その後、遊技再開コマンドを受信した場合には、一時的に停止させていた演出を再開させる構成とする。このような構成によれば、主制御装置60が遊技モードと検査モードとの間で移行する場合であっても、主制御装置60が実行する遊技進行処理(例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示処理)と、音声発光制御装置90が制御する演出(例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示処理)とを同期させることが可能となり、遊技モードへの移行後に遊技者が違和感を感じてしまうことを抑制することができる。
なお、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合であっても、実行中の演出を停止させない構成としてもよい。具体的には、例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示中に遊技停止コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御を継続したまま、図柄の変動表示のレイヤーの上に別の画像(例えば、黒色の画像)のレイヤーを表示させる構成とする。ただし、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御は継続しているため、黒色の画像のレイヤーの下では、図柄の変動表示が継続している。そして、図柄表示装置41における図柄の変動時間が経過した場合には、黒色の画像のレイヤーの下で図柄の変動表示は終了するが、図柄は停止せずに小さく揺れている態様となる。
そして、遊技再開コマンドを主制御装置60から受信した場合には、図柄の変動表示のレイヤーよりも上に表示されていた黒色の画像のレイヤーを取り除き、再び、図柄のレイヤーを表示させる。このとき、主制御装置60は、検査モードから遊技モードに移行(復帰)し、停止していた遊技進行処理(メイン表示部45における図柄の変動表示)を再開する。
そして、主制御装置60は、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示を再開し、残りの変動時間が経過した場合、すなわち、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合には、音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信する。当該図柄停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、表示制御装置100に対して図柄停止コマンドを送信し、表示制御装置100は、図柄表示装置41において小さく揺れた態様で表示されていた図柄を完全に停止させる。
このような構成によれば、主制御装置60が検査モード中には、メイン表示部45における表示は消灯し、図柄表示装置41における表示は黒色の画像となる。そして、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行すると、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示が再開され、図柄表示装置41における図柄は変動表示している態様又は小さく揺れている表示態様となる。そして、メイン表示部45における図柄が停止するタイミングで図柄表示装置41における図柄も停止することになる。すなわち、メイン表示部45における図柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とを同期させることが可能となる。また、遊技停止コマンドを受信した場合であっても実行中の演出の制御を停止させないので、実行中の演出の制御を一時的に停止させることによる不具合の発生を抑制することができる。不具合としては、例えば、一時的に演出の制御を停止させた状態から演出の制御を再開すると、複数の演出を実行していた場合において当該複数の演出のタイミングにずれが生じたり、図柄表示装置41に表示される動画とスピーカー46から出力される音声とにずれが生じたりすること等が挙げられる。
なお、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合であっても主制御装置60が音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信しない構成を採用した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示は、小さく揺れている態様が継続することになり、その後に主制御装置60から送信される変動コマンドや、保留情報が記憶されていない場合に送信される待機コマンドを受信することによって図柄表示装置41における図柄が停止することになる。
<態様18>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、所定時刻になったことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。具体的には、例えば、午後11時10分になったことを契機として遊技モードから検査モードに移行するとともに、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技ホールの閉店後である午後11時10分頃に、各パチンコ機10の遊技履歴情報が図柄表示装置41に表示された状態となるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、遊技ホールの閉店後に、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
また、ホールコンピュータから所定の信号を受信したことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、例えば、遊技ホールに設置された全てのパチンコ機10を一斉に検査モードに移行させるとともに、各パチンコ機10の遊技履歴情報をそれぞれの図柄表示装置41に表示させることができるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
<態様19>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴情報を常に図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者や検査者は常に遊技履歴情報を確認することができるので、遊技履歴情報が所定の範囲から逸脱している等の異変が生じた場合に、早急に当該異変に気付くことが可能となる。この結果、遊技の健全性を早急に確保することが可能となる。
<態様20>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、7つの発光ダイオードによって構成された7セグメント表示器をパチンコ機10の背面に設け、当該7セグメント表示器に当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を表示する構成としてもよい。例えば、主制御装置60が上述した遊技モードから検査モードに移行した際に、当該パチンコ機10に記憶されている役物比率や払出比率(通常モード時)等が所定の範囲内であるか否かを7セグメント表示器に表示させる構成としてもよい。
より具体的には、例えば、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行すると、役物比率に関する表示を行なうことを示す「1」が7セグメント表示器に表示された後、当該役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、役物比率が0.700以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。役物比率に関する表示を行なった後、連続役物比率に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該連続役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、連続役物比率が0.600以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該連続役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。連続役物比率に関する表示を行なった後、払出比率(通常モード時)に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内である場合(具体的には、払出比率(通常モード時)が0.60から0.70の範囲内である場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。
このような構成によれば、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、7セグメント表示器は消費電力が少ないため、パチンコ機10の電源がオフの状態であっても、パチンコ機10の内部に設けられたコンデンサやバッテリー等による少ない電力のみで遊技履歴情報を検査することが可能となる。
また、パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を7セグメント表示器に常に表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、遊技モードから検査モードに切り替えることなく、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、検査モードを有さないパチンコ機10においても、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。さらに、当該7セグメント表示器がパチンコ機10の背面に設けられている構成とすれば、当該7セグメント表示器が遊技者の視界に入らないので、遊技者が当該7セグメント表示器の表示が気になってしまい、遊技に集中できなくなってしまうことを抑制することができる。一方、パチンコ機10の検査者が当該パチンコ機10の遊技履歴情報を検査する場合には、ヒンジ15によって支持されているパチンコ機本体12を手前に回動させ、パチンコ機本体12の背面に設けられた7セグメント表示器の表示を確認すればよいため、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。なお、7セグメント表示器の代わりに、7つ以外の個数の発光ダイオードによって構成されたセグメント表示器など、遊技履歴情報を認識可能な態様で表示可能な他の表示器を採用してもよい。
<態様21>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。具体的には、例えば、主制御装置60の主側CPU62xが初期設定処理において主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を音声発光制御装置90に送信する構成とし、音声発光制御装置90は、取得した賞球数データと、主制御装置60から送信される遊技球の入球情報とに基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。
このような構成によれば、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となり、遊技履歴情報を算出することが可能となる。また、主制御装置60の代わりに音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出するので、主制御装置60の処理負荷を大幅に低減させることができる。
<態様22>
上記第1実施形態及び上記の他の態様は、遊技モードから検査モードに移行可能なパチンコ機10に限らず、遊技モードから他のモードに移行可能な遊技機に対しても適用することができる。例えば、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグの状態、記憶されている保留情報の内容等、遊技に関する処理の状態を表示可能な遊技状態表示モードを備える遊技機に対しても適用することができる。
<態様23>
図26は、第1実施形態の態様23におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様23では、遊技履歴管理チップ300は設けられておらず、上述した遊技履歴情報を主側CPU62xが算出するように構成されている。また、主側RAM64は、2つのエリア(第1エリア及び第2エリア)に区分されており、主側RAM64の第1エリアは、遊技の進行に関する処理を実行するためのプログラム等を展開する領域として用いられ、主側RAM64の第2エリアは、遊技履歴情報を算出・表示するための処理(以下、遊技履歴用処理ともいう。)を実行するためのプログラム等を展開する領域として用いられる。そして、主側CPU62xは、遊技の進行に関する処理(遊技履歴用処理以外の処理)の実行時には、情報の書き込みを主側RAM64の第1エリアに対してのみ実行し、遊技履歴用処理の実行時には、情報の書き込みを主側RAM64の第2エリアに対してのみ実行する。
また、主側RAM64の第1エリアは、後述する8ビットの入球検知情報記憶エリア、スタック領域等としても用いられる。また、主側RAM64の第2エリアは、後述する8ビットのバッファエリア、賞球集計用バッファ、演算用バッファ、演算結果用バッファ、スタック領域等としても用いられる。これらの詳細については後述する。
また、入出力ポート62aには、遊技履歴情報表示部45zが接続されている。遊技履歴情報表示部45zは、4つの7セグメント表示器によって構成されており、パチンコ機10の背面に設けられている。後述するように、主側CPU62xによって算出された遊技履歴情報は、この遊技履歴情報表示部45zに表示される。
図27は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本態様においても、タイマ割込み処理は、上記第1実施形態と同様に、4msec周期で起動される。上述した第1実施形態のタイマ割込み処理(図13)との違いは、ステップS10606に示した入球検知処理の内容が異なっている点と、遊技履歴情報を算出・表示するための遊技履歴用処理が本タイマ割込み処理の最後の処理(ステップS10616)として追加されている点と、遊技履歴管理チップに入球検知情報を出力する処理である入球検知情報出力処理(図13におけるステップS10207の処理)が省略されている点であり、その他の処理については、上述した第1実施形態のタイマ割込み処理(図13)において説明した処理と同じである。以下では、図27に示したステップS10606の入球検知処理と、ステップS10616に示した遊技履歴用処理について説明する。
図28は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する入球検知処理を示すフローチャートである。この態様23の入球検知処理では、前回(1回前)のタイマ割込み処理において入力ポート62bのビットに情報が無し(「0」)と判定され、今回のタイマ割り込み処理において入力ポート62bのビットに情報が有り(「1」)と判定され、かつ、当該タイマ割込み処理においてその後再び当該ビットに情報が有り(「1」)と判定された場合に、当該ビットに対応する入球口に遊技球が入球したと判定する。以下、入球検知処理の一例について説明する。
ステップS10701では、上述した入力ポート62bの上記第0〜第7ビットD0〜D7(図14)に現状格納されている情報(以下、入球判定用情報とも呼ぶ)を読み込み、ステップS10702として、読み込んだ入球判定用情報を8ビットのバッファである第1バッファに格納する。すなわち、第1バッファは、今回のタイマ割込み処理において入力ポート62bの各ビットから読み込んだ入球判定用情報を格納するためのバッファである。なお、後述する第2バッファは、前回のタイマ割込み処理において入力ポート62bの各ビットから読み込んだ入球判定用情報を格納する8ビットのバッファである。また、本態様では、第1バッファ及び第2バッファは、主側RAM64の第1エリアに設けられている。ステップS10702を実行した後、ステップS10703に進む。
ステップS10703では、主側RAM64に設けられた入球判定カウンタに8をセットする。その後、10704に進む。なお、入球判定カウンタの数値情報は、上述した第1実施形態の入球判定処理(図16)にて用いられた入球判定カウンタ(ステップS10401)と同様に、8個の各入球口のビットに対応している。具体的には、本態様では、入球判定カウンタの数値情報の「8」は大入賞口36aの第0ビットD0、「7」は第1始動口33の第1ビットD1、「6」は第2始動口34の第2ビットD2、「5」は第1入賞口32aの第3ビットD3、「4」は第2入賞口32bの第4ビットD4、「3」は第3入賞口32cの第5ビットD5、「2」はスルーゲート35の第6ビットD6、「1」は排出通路の第7ビットD7に、それぞれ対応している。
ステップS10704では、第2バッファにおける入球判定カウンタの数値情報に対応したビットに入球判定用情報があるか否か、すなわち当該ビットに格納されている入球判定用情報が「1」であるか否かを判定する。ステップS10704において、当該入球判定用情報が「1」ではないと判定した場合には(S10704:NO)、ステップS10705に進む。一方、ステップS10704において、当該入球判定用情報が「1」であると判定した場合には(S10704:YES)、後述するステップS10705からステップS10709までの処理を実行せずに、ステップS10710に進む。
ステップS10705では、第1バッファにおける入球判定カウンタの数値情報に対応したビットに入球判定用情報があるか否か、すなわち当該ビットに格納されている入球判定用情報が「1」であるか否かを判定する。ステップS10705において、当該入球判定用情報が「1」であると判定した場合には(S10705:YES)、ステップS10706に進む。一方、ステップS10705において、当該入球判定用情報が「1」ではないと判定した場合には(S10705:NO)、後述するステップS10706からステップS10709までの処理を実行せずに、ステップS10710に進む。
ステップS10706では、現状の入力ポート62bにおける入球判定カウンタの数値情報に対応したビットに入球判定用情報あるか否か、すなわち当該ビットに格納されている入球判定用情報がが「1」であるか否かを判定する。ステップS10706において、当該入球判定用情報が「1」であると判定した場合には(S10706:YES)、ステップS10707に進む。一方、ステップS10706において、当該入球判定用情報が「1」ではないと判定した場合には(S10706:NO)、後述するステップS10707からステップS10709までの処理を実行せずに、ステップS10710に進む。
ステップS10707では、現状の入球判定カウンタの数値情報がどの種別の入球口に対応したビットを示す情報であるのかを判定し、当該ビットに対応する入球口に遊技球が入球したことを示す入球フラグをONにする。具体的には、例えば、現状の入球判定カウンタの数値情報が大入賞口36aに対応したビットを示す情報であると判定した場合には、大入賞口36aに遊技球が入球したことを示す大入賞口入球フラグをONにする。また、例えば、現状の入球判定カウンタの数値情報が第2始動口34に対応したビットを示す情報であると判定した場合には、第2始動口34に遊技球が入球したことを示す第2始動口入球フラグをONにする。ステップS10707を実行した後、ステップS10708に進む。
ステップS10708では、ステップS10707において入球フラグがONにされた、すなわち、遊技球が入球したと判定された入球口に対応した賞球カウンタの数値情報を1加算する。具体的には、例えば、大入賞口入球フラグがONにされた場合には15個賞球カウンタを1加算し、第2始動口入球フラグがONにされた場合には3個賞球カウンタを1加算する。ステップS10708を実行した後、ステップS10709に進む。
ステップS10709では、入球判定カウンタを1減算し、その後、ステップS10710において、入球判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
ステップS10710において、入球判定カウンタが「0」ではないと判定した場合には(S10710:NO)、ステップS10709において更新した入球判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS10704〜ステップS10708の処理を実行する。かかるステップS10704〜ステップS10708の処理を、ステップS10703においてセットした数値情報分実行した場合には、入球判定カウンタが「0」となり、ステップS10710において肯定判定(S10710:YES)をすることとなり、ステップS10711に進む。
ステップS10711では、第1バッファに格納されている8ビットの入球判定用情報を第2バッファに格納(コピー)する。これにより、今回のタイマ割込み処理において入力ポート62bから取得された入球判定用情報が次回のタイマ割込み処理における入球検知処理において参照されることになる。ステップS10711を実行した後、ステップS10712に進む。
ステップS10712では、今回のタイマ割込み処理の入球検知処理において遊技球の入球が検知されたことを示す入球検知情報を、8ビットの情報を記憶可能な入球検知情報記憶エリアに記憶する。具体的には、入球検知情報記憶エリアは、上記の8個の入球口のそれぞれに対応する各ビット毎に、入球フラグがONになっている場合には「1」を、入球フラグがOFFになっている場合には「0」を入球検知情報として記憶する。例えば、今回のタイマ割込み処理において入球検知処理を実行した結果、大入賞口入球フラグ及び第2始動口入球フラグがONであり、他の入球口に対応する入球フラグがOFFである場合には、入球検知情報記憶エリアには、「00000101」という8ビットの入球検知情報が記憶される。この入球検知情報記憶エリアに記憶された8ビットの入球検知情報は、後述する遊技履歴処理において参照される。ステップS10712を実行した後、本入球検知処理を終了する。
図29は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する遊技履歴用処理を示すフローチャートである。この遊技履歴用処理では、役物比率及び連続役物比率を算出し、これらを遊技履歴情報表示部45zに表示させるための処理を実行する。具体的には、役物比率を算出し、算出した役物比率を遊技履歴情報表示部45zに5秒間表示させる。その後、連続役物比率を算出し、算出した連続役物比率を遊技履歴情報表示部45zに5秒間表示させる。その後、再び役物比率を算出し、算出した役物比率を遊技履歴情報表示部45zに5秒間表示させる。このように、役物比率、連続役物比率を遊技履歴情報表示部45zに交互に表示させる。以下、具体的な処理の一例について説明する。
ステップS10801では、主側CPU62x内のレジスタに格納されている情報(以下、レジスタ情報ともいう)を主側RAM64の第2エリアのスタック領域に退避させる退避処理を実行する。この態様23では、タイマ割込み処理(図27)において、遊技履歴用処理(図27のステップS10616)が実行される前には、遊技履歴用処理以外の処理である遊技の進行に関する処理(図27のステップS10601〜10615の処理)が実行されているため、当該退避処理では、遊技の進行に関するレジスタ情報が主側RAM64の第2エリアのスタック領域に退避されることになる。具体的には、主側CPU62xにおけるスタックポインタの値(第1エリアのスタック領域の最上段を示すアドレス値)を主側RAM64の第2エリアのスタック領域の底に退避させる(Pushする)。そして、主側CPU62xのスタックポインタに、主側RAM64の第2エリアのスタック領域の最上段を示すアドレス値を設定する。その後、主側CPU62xに設定されたスタックポインタに示されたスタック領域(主側RAM64の第2エリアのスタック領域の最上段)に、主側CPU62x内のレジスタに格納されているレジスタ情報を順次退避させる(Pushする)。この退避処理を実行することにより、主側CPU62xのスタックポインタには、主側RAM64の第2エリアのスタック領域のアドレス値が設定されるので、主側CPU62xは、以下に説明する遊技履歴情報を算出・表示する処理を、主側RAM64の第2エリアを利用して実行することが可能となる。ステップS10801を実行した後、ステップS10802に進む。
ステップS10802では、主側RAM64の第2エリアに格納されている異常フラグがONであるか否かを判定する。異常フラグは、後述する賞球集計値が異常な値である場合にONにされるフラグである。ステップS10802において、異常フラグがONであると判定した場合には(S10802:YES)、ステップS10803に進み、賞球集計値を0クリアする。その後、ステップS10804に進み、異常フラグをOFFにする。その後、ステップS10805に進む。一方、ステップS10802において、異常フラグがONではないと判定した場合には(S10802:NO)、ステップS10803及びステップS10804の処理を実行することなく、ステップS10805に進む。
ステップS10805では、入球検知情報記憶エリア及びバッファエリアの対応するビット毎にOR処理を実行し、各OR処理の結果(論理和)をバッファエリアの対応するビットに記憶(上書き)する。この処理の詳細については後述する。なお、バッファエリアは、入球検知情報記憶エリアと同じ8ビットの情報を記憶可能な領域であり、主側RAM64の第2エリアに設けられている。ステップS10805を実行した後、ステップS10806に進む。
ステップS10806では、バッファエリアの8個のビットのうちの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有るか否か(1個以上のビットに「1」が格納されているか否か)を判定する。ステップS10806において、バッファエリアの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有ると判定した場合には(S10806:YES)、ステップS10807に進む。
ステップS10807では、バッファエリアの8個のビットのうち、後述する賞球集計処理の対象とするビットを設定する対象設定処理を実行する。本態様では、1回の対象設定処理では、賞球集計処理の対象として連続する2個のビットを設定する。また、後述するように、次回または次回以降のタイマ割込み処理において対象設定処理が実行された場合には、前回の対象設定処理において設定した2個のビットの隣に位置する2個の連続するビットを賞球集計処理の対象として設定する。このように、賞球集計処理の対象の2個のビットを順次隣にシフトしていく。なお、8個のビットのうち最後の2個のビットが賞球集計処理の対象として設定された後は、次に実行される対象設定処理において、先頭の2個のビットを賞球集計処理の対象として再び設定する。このように、本態様では、バッファエリアの8個のビットの中から賞球集計処理の処理対象として設定する2個のビットの順序が予め定められている。ステップS10807を実行した後、ステップS10808に進み、設定されたビットに対応した賞球集計処理を実行する。ここで、ステップS10805からステップS10808までの処理の具体的な一例について、図30を用いて説明する。
図30は、第1実施形態の態様23の主側MPU62(主側CPU62x)が実行する具体的な処理の一例を示す説明図である。上述したように、入球検知情報記憶エリアは、主側RAM64の第1エリアに設けられた8ビットの記憶領域であり、各ビットは、各入球口に対応している。具体的には、本態様では、入球検知情報記憶エリアの第0ビットD0は大入賞口36a、第1ビットD1は第1始動口33、第2ビットD2は第2始動口34、第3ビットD3は第1入賞口32a、第4ビットD4は第2入賞口32b、第5ビットD5は第3入賞口32c、第6ビットD6はスルーゲート35、第7ビットD7は排出通路にそれぞれ対応している。
バッファエリアは、主側RAM64の第2エリアに設けられた8ビットの記憶領域であり、各ビットは、各入球口に対応している。具体的には、本態様では、バッファエリアの第0ビットD0は大入賞口36a、第1ビットD1は第1始動口33、第2ビットD2は第2始動口34、第3ビットD3は第1入賞口32a、第4ビットD4は第2入賞口32b、第5ビットD5は第3入賞口32c、第6ビットD6はスルーゲート35、第7ビットD7は排出通路にそれぞれ対応している。すなわち、バッファエリアの各ビットは、入球検知情報記憶エリアの各ビットにそれぞれ対応している。
上述した入球検知処理(図28)において、大入賞口36a等の入球口に遊技球が入球したと判定されると、入球検知情報記憶エリアの8個のビットのうち、遊技球が入球したと判定された入球口に対応したビットがON(「1」)にされる。
図30(A1)には、n回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、第2始動口34及び第1入賞口32aに遊技球が入球したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「00001100」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、「00000000」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「00001100」となる。これにより、タイマ割込み処理が実行される毎に更新される入球検知情報記憶エリアにおける入球検知情報が、後述する賞球集計処理の処理対象として設定されて当該処理が実行されるまでバッファエリアに保持されることになる。
n回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0〜D7のうち、第0ビットD0と第1ビットD1の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第0ビットD0(大入賞口36aに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数及び連続役物賞球数に「15」を加算する。一方、第0ビットD0が「0」である場合には、当該加算を行わない。なお、本態様では、賞球集計用バッファはリングバッファとして構成されており、直近の所定期間に払い出された賞球数が記憶されるように構成されている。また、連続役物賞球数は、連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数であり、大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数を意味する。
さらに、賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第1ビットD1(第1始動口33に対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「3」を加算する。一方、第1ビットD1が「0」ある場合には、当該加算を行わない。
この図30(A1)に示した例では、第0ビットD0は「0」であり、第1ビットD1も「0」であるため、上述した加算は行わない。
賞球集計処理が実行された後は、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第0ビットD0及び第1ビットD1)は0にクリアされる。
図30(A2)には、n+1回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn+1回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、第2入賞口32bに遊技球が入球したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「00010000」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、上述したn回目のタイマ割込み処理における賞球集計処理後のバッファエリアと同じ「00001100」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「00011100」となる。
n+1回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0〜D7のうち、第2ビットD2と第3ビットD3の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第2ビットD2(第2始動口34に対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数及び役物賞球数に「3」を加算する。一方、第2ビットD2が「0」である場合には、当該加算を行わない。なお、役物賞球数は、役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数であり、第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数を意味する。
さらに、賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第3ビットD3(第1入賞口32aに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「10」を加算する。一方、第3ビットD3が「0」ある場合には、当該加算を行なわない。
この図30(A2)に示した例では、第2ビットD2は「1」であるため、総賞球数及び役物賞球数に「3」を加算する。また、第3ビットD3は「1」であるため、総賞球数に「10」を加算する。
賞球集計処理が実行された後は、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第2ビットD2及び第3ビットD3)は0にクリアされる。
図30(A3)には、n+2回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn+2回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「01000000」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、上述したn+1回目のタイマ割込み処理における賞球集計処理後のバッファエリアと同じ「00010000」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「01010000」となる。
n+2回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0〜D7のうち、第4ビットD4と第5ビットD5の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第4ビットD4(第2入賞口32bに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「10」を加算する。一方、第4ビットD4が「0」である場合には、当該加算を行なわない。
さらに、賞球集計処理では、賞球集計処理の処理対象として設定された第5ビットD5(第3入賞口32cに対応するビット)が「1」である場合には、賞球集計用バッファに記憶されている総賞球数に「10」を加算する。一方、第5ビットD5が「0」ある場合には、当該加算を行なわない。
この図30(A3)に示した例では、第4ビットD4は「1」であるため、総賞球数に「10」を加算する。また、第5ビットD5は「0」であるため、上述した加算を行なわない。
賞球集計処理が実行された後は、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第4ビットD4及び第5ビットD5)は0にクリアされる。
図30(A4)には、n+3回目のタイマ割込み処理が実行された場合における処理の一例が示されている。このn+3回目のタイマ割込み処理では、入球検知処理において、大入賞口36aに遊技球が入球したと判定されており、入球検知情報記憶エリアの8個のビットの値は、「00100001」となっている。また、OR処理を実行する前のバッファエリアの8個のビットの値は、上述したn+2回目のタイマ割込み処理における賞球集計処理後のバッファエリアと同じ「01000000」となっている。したがって、OR処理を実行した後のバッファエリアの8個のビットの値は、「01100001」となる。
n+3回目のタイマ割込み処理では、OR処理が実行された後のバッファエリアの8個のビットD0〜D7のうち、第6ビットD6と第7ビットD7の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
ただし、本態様では、第6ビットD6はスルーゲート35に対応しており、第7ビットD7は排出通路に対応している。そして、スルーゲート35及び排出通路には賞球は設定されていない。したがって、本態様では、第6ビットD6及び第7ビットD7が賞球集計処理の対象として設定された場合には、賞球集計処理において総賞球数等への加算を行なわない。その後、バッファエリアの賞球集計処理の対象として設定された2個のビット(第6ビットD6及び第7ビットD7)は0にクリアされる。
その後、n+4回目のタイマ割込み処理では、再び第0ビットD0及び第1ビットD1を賞球集計処理の処理対象として設定する。以降、同様の処理を繰り返し実行する。ただし、後述するように、バッファエリアのビットに入球検知情報が1つも無い(全てのビットが「0」である)場合には、対象設定処理(ステップS10807)及び賞球集計処理(ステップS10808)は実行されない。また、本態様では、バッファエリアのビットに入球検知情報が1つも無い(全てのビットが「0」である)状態から、再び、バッファエリアの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有る状態となり、対象設定処理が実行された場合には、前回の対象設定処理において賞球集計処理の処理対象として設定された2個のビットを記憶しており、当該2個のビットの隣に位置する連続する2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。なお、前回の対象設定処理において賞球集計処理の処理対象として設定された2個のビットが第6ビットD6及び第7ビットD7である場合には、第0ビットD0及び第1ビットD1の2個の連続するビットを賞球集計処理の処理対象として設定する。
以上説明したように、本態様では、1回のタイマ割込み処理においてバッファエリアの8個のビットのうち2個のビットを賞球集計処理の対象として設定するので、バッファエリアの少なくとも1個のビットに入球検知情報が有る場合には、タイマ割込み処理が4回実行されることによって、バッファエリアの8個のビットの全てに対して賞球集計処理が実行されることになる。
図29の説明に戻る。ステップS10808の賞球集計処理を実行した後、ステップS10809に進む。
ステップS10809では、演算結果表示制御処理を実行する。具体的には、後述する演算結果用バッファに保存されている値(算出した遊技履歴情報である役物比率又は連続役物比率)を遊技履歴情報表示部45zに表示させる制御を実行する。ステップS10809を実行した後、ステップS10810に進む。
ステップS10810では、遊技履歴情報を算出する演算処理の実行タイミングであるか否かを判定する。具体的には、パチンコ機10の電源投入から所定時間(本態様では30分)が経過した場合、または、演算処理の前回の実行から5秒が経過した場合に、演算処理を実行するタイミングであると判定する。ステップS10810において、演算処理を実行するタイミングであると判定した場合には(S10810:YES)、ステップS10811に進む。一方、ステップS10810において、演算処理を実行するタイミングではないと判定した場合には(S10810:NO)、後述するステップS10811及びステップS10812の処理を実行せずに、ステップS10813に進む。
ステップS10811では、演算処理(後述するタスク1及びタスク2)において算出する遊技履歴情報の種別を設定する。本態様では、演算対象の遊技履歴情報の種別として、役物比率及び連続役物比率を交互に設定する。その後、ステップS10812に進み、後述するタスク処理(ステップS10814)において実行する次回のタスクとして、タスク1を指定する。ステップS10812を実行した後、ステップS10813に進む。
ステップS10813では、上述した退避処理において主側RAM64の第2エリアのスタック領域に退避されていたレジスタ情報を、主側CPU62xのレジスタに復帰させる処理を実行する。具体的には、主側CPU62xに設定されたスタックポインタに示されたスタック領域(主側RAM64の第2エリアのスタック領域の最上段)から、順次、退避されていたレジスタ情報を、主側CPU62x内のレジスタに復帰させる(Popする)。その後、第2エリアのスタック領域の底に退避されていたスタックポインタの値(第1エリアのスタック領域の最上段を示すアドレス値)を主側CPU62xのスタックポインタに復帰させる(Popする)。この復帰処理を実行することにより、主側CPU62xのスタックポインタには、主側RAM64の第1エリアのスタック領域のアドレス値が設定されるので、主側CPU62xは、再び、主側RAM64の第1エリアを利用して遊技の進行に関する処理を実行することが可能となる。その後、本遊技履歴用処理を終了する。
ステップS10806の説明に戻る。ステップS10806において、バッファエリアのビットに入球検知情報が1つも無い(全てのビットが「0」である)と判定した場合には(S10806:NO)、ステップS10814に進む。
ステップS10814では、下記の3つのタスクのうち、指定されているいずれか1つのタスクを実行する。タスクが指定されていない場合には、タスク3を実行する。すなわち、1回のタイマ割込み処理において3つのタスクを順次実行するのではなく、1回のタイマ割込み処理では3つのタスクのうちの指定されたいずれか1つのタスクのみを実行する。
[タスク1]
演算対象として設定された遊技履歴情報を算出するために必要となる被除数及び除数を演算用バッファに保存する。具体的には、例えば、役物比率を算出するように設定されている場合には、被除数として役物賞球数を、除数として総賞球数を演算用バッファに保存する。また、例えば、連続役物比率を算出するように設定されている場合には、被除数として連続役物賞球数を、除数として総賞球数を演算用バッファに保存する。その後、次回以降のタイマ割込み処理においてステップS10806の処理に進んだ場合に実行する次回タスクとしてタスク2を指定する。
[タスク2]
演算用バッファに保存されている被除数を除数で割る演算を実行し、当該演算結果(商)を演算結果用バッファに保存する。その後、次回以降のタイマ割込み処理においてステップS10806の処理に進んだ場合に実行する次回タスクとしてタスク3を指定する。
[タスク3]
賞球集計値(役物賞球数、連続役物賞球数、総賞球数)が有効であるか否かを判定し、有効ではないと判定した場合には異常フラグをONにし、その後、次回以降のタイマ割込み処理においてステップS10806の処理に進んだ場合に実行する次回タスクとしてタスク3を指定する。一方、賞球集計値が有効であると判定した場合には、異常フラグはONにせず、次回タスクとしてタスク3を指定する。ここで、賞球集計値が有効ではない場合とは、役物賞球数が総賞球数を超えている場合や、連続役物賞球数が総賞球数を超えている場合、連続役物賞球数が役物賞球数を超えている場合など、賞球集計値に矛盾が生じている場合である。
上述した3つのタスクのうちの指定されたタスクを実行した後、上述したステップS10809に進み、演算結果用バッファに保存されている値(役物比率又は連続役物比率)を遊技履歴情報表示部45zに表示させる処理を実行する。本態様では、遊技履歴情報表示部45zを構成する1つ目の7セグメント表示器に遊技履歴情報の種別を示す情報を表示し、残りの3つの7セグメント表示器に遊技履歴情報の値を表示する。
以上説明した本態様のパチンコ機10では、タイマ割込み処理に含まれる遊技の進行に関する処理(遊技履歴用処理以外の処理)は、次のタイマ割込み処理が開始されるまでの時間(本態様では4msec)よりも短い時間で終了するようにプログラムされているが、当該遊技の進行に関する処理が終了するまでに要する時間は、遊技の進行の状況に応じて変化する。一方、遊技履歴用処理は、遊技の進行には関係のない処理であるため、1回のタイマ割込み処理において、遊技履歴用処理を実行するための時間よりも、遊技の進行に関する処理を実行するための時間を優先して確保することが好ましい。また、遊技履歴用処理に含まれる各種処理(例えば、各ビットに対する賞球集計処理や演算処理等)を1回のタイマ割込み処理において連続的に実行して完結させる構成としなくても、遊技の進行には影響がない。したがって、本態様では、遊技の進行に関する処理の実行時間が遊技の進行の状況に応じて最大となった場合であっても、1回のタイマ割込み処理の実行時間(遊技の進行に関する処理の実行時間+遊技履歴用処理の実行時間)が次のタイマ割込み処理が開始されるまでの時間よりも短い時間となるように、遊技履歴用処理に含まれる各種処理を複数の処理に分割し、1回のタイマ割込み処理では当該分割された処理を実行し、タイマ割込み処理を複数回実行することによって各種処理が完結する構成とした。この結果、本態様によれば、1回のタイマ割込み処理における遊技の進行に関する処理の実行に要する時間を確保しつつ、遊技履歴用処理を実行することが可能となる。
具体的には、本態様によれば、タイマ割込み処理の1回の実行においては、遊技履歴情報を算出する処理である演算処理を構成する2つのタスク(タスク1及びタスク2)のうちの一のタスクを実行可能であり、タイマ割込み処理を2回実行することによって、演算処理を構成する2つのタスクの全てを実行するので、タイマ割込み処理の1回の実行において2つのタスクの両方を実行する構成に比べて、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が、タイマ割込み処理の実行を開始する間隔(以下では、割込み間隔ともいう)である4msecよりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を4msecの間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
また、本態様によれば、実行する順序が定められた一連の処理を複数のタスクに分割し、タイマ割込み処理の1回の実行においては、複数のタスクのうちの一のタスクを実行した後、当該一のタスクの次に実行するタスクを指定するので、タイマ割込み処理に組み込んだ場合に当該タイマ割込み処理の実行に要する時間がタイマ割込み処理の割込み間隔よりも長くなってしまうような一連の処理であっても、タイマ割込み処理に組み込んで実行することができる。具体的には、本態様によれば、遊技履歴情報を算出する演算処理をタイマ割込み処理に組み込んだ場合に当該タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が4msecよりも長くなってしまうような構成の遊技機においても、4msecの間隔で実行されるタイマ割込み処理に当該演算処理を組み込んで実行することができる。また、遊技履歴情報を算出するための演算処理は、タイマ割込み処理の1回の実行において全てのタスクを実行しなくても遊技の進行に影響はないため、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を、当該タイマ割込み処理に含まれる他の処理の実行時間に割り振ることができ、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。
また、本態様によれば、タイマ割込み処理の1回の実行においては、バッファエリアの8個のビットD0〜D7の中から2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定し、当該設定した処理対象のビットに対して賞球集計処理を実行可能であり、タイマ割込み処理を複数回実行することによって、バッファエリアの8個のビットD0〜D7の全てに対して賞球集計処理を実行する。したがって、タイマ割込み処理の1回の実行において8個のビットD0〜D7の全てに対して賞球集計処理を実行する構成に比べて、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の実行に要する時間が、タイマ割込み処理の実行を開始する間隔である4msecよりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を4msecの間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
また、本態様によれば、バッファエリアの8個のビットD0〜D7の中から2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定する際に、予め定められた順序で設定するので、賞球集計処理の処理対象をいずれのビットに設定するかの判定処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、判定処理を実行するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
また、本態様によれば、主側CPU62xは、1つの入球口に2個の遊技球が連続して入球して検知される最短の間隔(本態様では18msec程度)よりも短い時間でタイマ割込み処理を4回実行することができるので、当該最短の間隔よりも短い時間で8個の処理対象候補(バッファエリアのビットD0〜D7)の全てに対して賞球集計処理(図29のステップS10808)を実行することができる。したがって、同一の入球口に2個の遊技球が連続して入球した場合であっても、最初の1個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されることに基づいて更新された入球検知情報が処理対象として設定されて賞球集計処理が実行され、さらにその後に残りの他の入球口に対応した入球検知情報が処理対象として設定されて賞球集計処理が実行されたとしても、次の2個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されるよりも先にこれら全ての入球検知情報に対して賞球集計処理を終了することができる。すなわち、2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されることに基づいて更新された入球検知情報が処理対象として設定されて賞球集計処理が実行された時点においては、既に、1個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されることに基づいて更新された入球検知情報に対する賞球集計処理は終了していることになる。この構成による効果を以下に説明する。
本態様のように、入球検知情報として、遊技球の入球の有無を示す「0」または「1」の2値の情報を採用した構成において、仮に、ある入球口への2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知されるまでに、当該入球口への1個目の遊技球の入球に基づいて「0」から「1」に更新された入球検知情報に対して賞球集計処理が実行されない場合には、当該2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知された時点ではまだ当該入球口に対応する入球検知情報が「1」のままとなっており、当該2個目の遊技球の入球を記録することができない。すなわち、当該入球口には2個の遊技球が連続して入球した状況であるにも関わらず、当該入球口に対応した入球検知情報は、当該入球口に1個の遊技球しか入球していない状況と区別することができず、賞球集計処理においては1個の遊技球が当該入球口に入球した状況として扱われてしまう。この結果、賞球集計処理において正確な賞球数を記録することができない場合がある。
これに対して、本態様によれば、当該2個目の遊技球の入球が当該入球口において検知された時点において既に当該入球口への1個目の遊技球の入球によって更新された入球検知情報に対して賞球集計処理が実行され、当該入球検知情報が「0」になっているため、当該2個目の遊技球の入球を記録することが可能となる。この結果、賞球集計処理において正確な賞球数を記録することが可能となる。これにより、賞球集計処理における正確性を担保しつつ、入球検知情報として、遊技球の入球の有無を示す「0」または「1」の2値の情報を採用することが可能となり、入球検知情報を記憶するための記憶容量を小さくすることができるとともに、賞球集計処理の処理速度を向上させることができる。
また、本態様によれば、遊技履歴用処理(図29)は、主側CPU62x内のレジスタが保持する情報であって遊技の進行に関する処理の実行のための情報を主側RAM64の第2エリアのスタック領域に書き込む退避処理(図29のステップS10801)を含むので、主側CPU62xが遊技履歴用処理の開始時に、主側CPU62x内のレジスタが遊技履歴用処理の開始直前に実行していた遊技の進行に関する処理の実行のための情報を保持している場合には、当該情報を主側RAM64の第2エリアのスタック領域に書き込むことによって一時的に移動(退避)させることができる。よって、主側CPU62x内のレジスタに保持されていた遊技の進行に関する処理の実行のための情報を消去し、主側CPU62xによる遊技履歴用処理の実行時には、主側CPU62x内のレジスタに遊技履歴用処理の実行のための情報を保持させることができる。
また、本態様によれば、遊技履歴用処理(図29)は、退避処理において主側RAM64の第2エリアのスタック領域に書き込まれた情報を主側CPU62xのレジスタに保持させる復帰処理(図29のステップS10813)を含むので、遊技履歴用処理を終了する際に、遊技の進行に関する処理の実行のための情報を主側CPU62xのレジスタに再び保持させ、遊技履歴用処理の開始以前に実行していた遊技の進行に関する処理を、遊技履歴用処理の開始直前の状態から再び実行することができる。
また、本態様によれば、退避処理と復帰処理は遊技履歴用処理に含まれるので、遊技履歴用処理を実行するためのプログラムのみを削除しても遊技履歴用処理以外の遊技の進行に関する処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、遊技履歴用処理以外の遊技の進行に関する処理を実行するためのプログラムを改変せずに、遊技履歴用処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、遊技履歴用処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、当該遊技機に基づいて遊技履歴用処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
また、本態様によれば、主側CPU62xは、遊技履歴用処理における情報の書き込みを、主側RAM64の第2エリアに対してのみ実行するので、主側RAM64の第1エリアに書き込まれている情報が、遊技履歴用処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、遊技の進行に関する処理が主側RAM64の第1エリアを用いて実行される構成において、当該遊技の進行に関する処理に対して遊技履歴用処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、主側CPU62xは、遊技の進行に関する処理における情報の書き込みを、主側RAM64の第1エリアに対してのみ実行するので、主側RAM64の第2エリアに書き込まれている情報が、遊技の進行に関する処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、遊技履歴用処理が主側RAM64の第2エリアを用いて実行される構成において、当該遊技履歴用処理に対して遊技の進行に関する処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、入球検知情報を記憶可能な8ビットのバッファエリアを備えるので、タイマ割込み処理が実行される毎に更新される入球検知情報記憶エリアにおける入球検知情報を、賞球集計処理の処理対象として設定されて当該処理が実行されるまで保持することができる。
また、本態様によれば、図29に示すように、1回のタイマ割込み処理において賞球集計処理(ステップS10808)を実行する場合には演算処理(ステップS10814のタスク1及びタスク2)を実行しない。すなわち、1回のタイマ割込み処理においては賞球集計処理と演算処理の両方の処理を実行することはないので、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が、タイマ割込み処理の割込み間隔よりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を当該割込み間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。さらに、本態様によれば、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関する賞球集計処理を、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関しない演算処理よりも優先して実行するので、賞球集計処理の実行の間隔が大きくなることを抑制し、その結果として当該賞球集計処理の処理結果である賞球集計値が遊技球の入球状況を正確に反映することができなくなってしまうことを抑制することができる。具体的には、例えば、バッファエリアのあるビットに対して賞球集計処理が実行されるよりも前に次の遊技球が当該ビットに対応する入球口に入球してしまい、2個の遊技球の入球を1個の遊技球の入球として扱ってしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、図29に示すように、賞球集計処理(ステップS10808)を実行しない場合であって、演算処理の実行のタイミングであると判定した場合(ステップS10810:YES)に演算処理(ステップS10814のタスク1及びタスク2)を実行するので、1回のタイマ割込み処理において賞球集計処理も演算処理も実行せずに、当該状況において、賞球集計処理及び演算処理の代わりに、これらの処理とは独立した他の処理(本態様では賞球集計値の有効性を判定する処理(ステップS10814のタスク3))を実行することが可能となる。さらに、本態様では、1回のタイマ割込み処理において賞球集計処理または演算処理のいずれかを実行した場合に当該タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が割込み間隔よりも短くなるように構成されているので、賞球集計処理も演算処理も実行しない状況において、賞球集計処理及び演算処理よりも処理時間の短い処理を実行することによって、当該タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が割込み間隔よりも長くなってしまうことを確実に抑制することができる。
また、本態様によれば、役物比率及び連続役物比率の2個の種別の遊技履歴情報を算出可能であるにも関わらず、1回のタイマ割込み処理における演算処理においては、役物比率または連続役物比率のいずれか一方の算出についての処理を実行するので、1回のタイマ割込み処理における演算処理において2個の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を実行する構成と比較して、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、タイマ割込み処理の1回の実行に要する時間が、割込み間隔よりも長くなってしまい、タイマ割込み処理を所定の割込み間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。また、算出した遊技履歴情報を一時的に記憶するための主側RAM64の記憶容量を削減することができる。
また、本態様によれば、入球検知処理において、各入球口に対応したビットの入球判定用情報が「0」→「1」→「1」となった場合に、当該ビットに対応した入球口に遊技球が入球したと判定するので、上述した第1実施形態と同様に、電気的なノイズによる誤検知の発生を抑制することができる。
<態様24>
上記態様23では、遊技履歴情報として、役物比率及び連続役物比率を算出する構成としたが、算出する遊技履歴情報はこれらに限られず、第1実施形態に示した種々の遊技履歴情報を算出する構成とすることができる。例えば、第1実施形態に示した出球率や、払出比率等を算出する構成としてもよい。この場合には、上述した賞球集計処理(図29のステップS10808)と同様にして、排出通路を通過した遊技球の個数(遊技盤30に発射された遊技球の個数)も集計する構成とすればよい。
<態様25>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)では、ステップS10802において異常フラグがONであると判定した場合には、賞球集計値をクリアし(ステップS10803)、異常フラグをOFFにする(ステップS10804)構成としたが、所定期間内に異常フラグが所定回数ONになった場合には、異常が発生していることを示す情報を遊技履歴情報表示部45zに表示する構成としてもよい。
<態様26>
上記態様23では、遊技履歴情報を算出する処理である演算処理を複数のタスクに分割して実行する構成としたが、複数のタスクに分割する処理の種別は当該演算処理に限らず、種々の処理を複数のタスクに分割して実行する構成とすることができる。例えば、実行する演出の内容を音声発光制御装置90の音光側MPU92が設定する構成において、当該演出の内容を設定する処理を複数のタスクに分割して実行する構成としてもよい。
<態様27>
上記態様23では、賞球集計処理の処理対象として、バッファエリアの8個のビットのうち、2個ずつのビットを処理対象として設定する構成としたが、処理対象とするビットの個数は2個に限らず、他の個数であってもよい。例えば、1回のタイマ割込み処理において5個のビットを処理対象として設定する構成としてもよい。また、1回のタイマ割込み処理において、8個のビットの全てを処理対象として設定する構成としてもよい。また、8個のビットのうちの所定のビット(例えば、賞球が設定されている第0ビットD0〜第5ビットD5の6個のビット)のみを処理対象として設定可能であり、1回のタイマ割込み処理においては2個のビットを処理対象として設定する構成としてもよい。
<態様28>
上記態様23では、遊技の進行に関する処理を実行するための記憶領域として主側RAM64の第1エリアが割り当てられ、遊技履歴用処理を実行するための記憶領域として主側RAM64の第2エリアが割り当てられている構成としたが、主側RAM64の第2エリアが、遊技履歴用処理以外の他の処理を実行するための記憶領域として割り当てられている構成としてもよい。
また、主側RAM64が3つ以上のエリアに区分されている構成としてもよい。そして、例えば、主側RAM64の3つ目のエリアである第3エリアが、遊技履歴情報を外部に出力するための処理を実行するための記憶領域として割り当てられている構成としてもよい。
<態様29>
上記態様23では、遊技履歴用処理に退避処理及び復帰処理が含まれる構成としたが、遊技履歴用処理以外の他の処理が退避処理及び復帰処理を含む構成としてもよい。例えば、遊技機の設計変更時には削除することが予定されている処理が退避処理及び復帰処理を含んでいる構成としてもよい。
<態様30>
上記態様23では、遊技履歴用処理がタイマ割込み処理(図27)に組み込まれている構成としたが、遊技履歴用処理がメイン処理(図12)に組み込まれている構成としてもよい。また、上記態様23では、タイマ割込み処理(図27)に、遊技の進行に関する処理とは異なる処理として遊技履歴用処理が組み込まれている構成としたが、遊技の進行に関する処理とは異なる処理として、遊技履歴用処理以外の他の処理がタイマ割込み処理に組み込まれている構成としてもよい。例えば、遊技ホールに設置されているホールコンピュータに対して遊技の状況に関する情報を所定のタイミングで送信する送信処理が、遊技の進行に関する処理とは異なる処理として、タイマ割込み処理に組み込まれている構成としてもよい。また、遊技の進行に関する処理とは異なる種々の処理が、メイン処理に組み込まれている構成としてもよい。
<態様31>
上記態様23では、遊技履歴管理チップ300を備えない構成とした上で、主側CPU62xが遊技履歴用処理(図29)を実行して遊技履歴情報を算出する構成としたが、遊技履歴管理チップ300を備える構成とした上で、主側CPU62xが遊技履歴用処理(図29)を実行して遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を2系統で算出することができるので、1系統に不具合が生じても、遊技履歴情報を算出することが可能となる。また、2系統から算出された遊技履歴情報を比較し、これらの値が一致しているか否かを報知(表示)する構成とすれば、算出された遊技履歴情報の信頼性、正確性を確認することが可能となる。
また、遊技履歴管理チップ300が、上記態様23において説明した遊技履歴用処理(図29)を実行して遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
<態様32>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10805では、主側RAM64の第1エリアに設けられている入球検知情報記憶エリア(図30)の各ビットに格納されている情報をOR処理において読み出す構成としたが、この構成に代えて、当該入球検知情報記憶エリアに対応した8ビットの記憶エリア(以下、第2入球検知情報記憶エリアとも呼ぶ)を主側RAM64の第2エリアに設ける構成とした上で、主側RAM64の第1エリアに設けられている入球検知情報記憶エリアの各ビットに格納されている情報を、主側RAM64の第2エリアに設けられている第2入球検知情報記憶エリアに複製(コピー)し、当該複製された各ビットの情報を、ステップS10805のOR処理において読み出す構成としてもよい。
また、入球検知情報記憶エリアが主側RAM64の第2エリアに設けられている構成としてもよい。
<態様33>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10814では、遊技履歴情報を算出する演算処理(タスク1またはタスク2)を実行しない場合には、タスク3に含まれる賞球集計値の有効性を判定する処理を常に実行する構成としたが、賞球集計値の有効性を判定する処理は、遊技履歴情報が新たに算出される毎に1回のみ実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、タスク3において賞球集計値の有効性を判定した後に、判定済みであることを示す判定済みフラグをONにし、次にタスク3を実行する際に、当該判定済みフラグがONである場合には、当該賞球集計値の有効性を判定する処理を実行しない構成とする。そして、再び実行されたタスク1において、当該判定済みフラグをOFFにする構成とすればよい。このような構成によれば、遊技履歴情報の算出の基礎となる賞球集計値の有効性を判定して当該遊技履歴情報の有効性を担保しつつ、1回の遊技履歴用処理が完了するまでに要する処理時間をさらに短縮することが可能となる。
<態様34>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10810では、パチンコ機10の電源投入から所定時間(例えば30分)が経過した場合、または、演算処理の前回の実行から5秒が経過した場合に、演算処理を実行するタイミングであると判定し、遊技履歴情報を算出する構成としたが、この構成に代えて、電源投入から所定時間の経過を待たずに、電源投入直後に1回目の演算処理を実行するタイミングであると判定し、その後、演算処理の前回の実行から5秒が経過する毎に、演算処理を実行するタイミングであると判定する構成としてもよい。この構成において、賞球集計値における総賞球数が60000個に達するまでは、算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに表示させる際に点滅表示とし、総賞球数が60000個に達した後は、算出した遊技履歴情報を遊技履歴情報表示部45zに表示させる際に点灯表示とする構成としてもよい。このような構成によれば、表示されている遊技履歴情報の算出の基礎となる賞球集計値として十分な量の統計データが蓄積されているか否かを容易に把握することが可能となる。なお、総賞球数に代えて、排出通路を通過した遊技球の個数(遊技盤30に発射された遊技球の個数)の集計値を基準として、点滅表示から点灯表示に切り替える構成としてもよい。
<態様35>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)のステップS10807では、賞球集計処理の複数の処理対象候補は、バッファエリアの8個のビットとして予め固定されている構成としたが、バッファエリアの8個のビットを4個ずつの2つのグループに分け、賞球集計処理の複数の処理対象の候補として、2つのグループのうちの一のグループを選択し、選択したグループに属する4個のビットの中から2個のビットを賞球集計処理の処理対象として設定する構成としてもよい。ただし、上記態様23のように、賞球集計処理の複数の処理対象候補がバッファエリアの8個のビットとして予め固定されている構成とした方が、2つのグループのうちの一のグループを選択する処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、2つのグループのうちの一のグループを選択するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
<態様36>
上記態様23の遊技履歴用処理(図29)において、次のタイマ割込み処理が開始されるまでの残時間に基づいて、今回のタイマ割込み処理における遊技履歴用処理において実行するタスク(各種処理)の数や種別を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、次のタイマ割込み処理が開始されるまでの残時間を有効に活用してタスクを実行することが可能となる。
<態様37>
上記第1実施形態及び上記の他の態様は、パチンコ機10に限らず、他の種別の遊技機に対しても適用することができる。例えば、パチンコ型スロットマシン等の回胴式遊技機に対しても適用することができる。具体的には、例えば、ボーナス時に当選して得た遊技メダルの枚数と、通常区間中に引いた子役で得られる遊技メダルの枚数と、ボーナスとは別の有利区間(AT、ART)中に得られる遊技メダルの枚数との比率を算出し、当該比率を液晶表示装置に表示する構成や、当該比率を検査機に出力し、当該検査機の表示部に当該比率を表示させる構成に対して適用することができる。
<態様38>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、ソフトウェアによって実現(CPUがプログラムを実行することによって実現)されている機能の一部又は全部をハードウェアによって実現する構成としてもよい。例えば、遊技履歴管理チップ300は、遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行するために設計された専用のハードウェアを備える構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を算出するための演算処理を高速化することができるとともに、演算用のプログラムが不正に改竄されて正しい遊技履歴情報が算出されない等といった不正の発生を抑制することができる。なお、当該ハードウェアは、デジタル回路で構成されていてもよく、アナログ回路で構成されていてもよい。アナログ回路で構成されていれば、デジタル回路よりもさらに演算処理を高速化することができる。
<態様39>
上記第1実施形態及び上記の態様1から態様38に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様38に含まれる1又は複数の構成と第1実施形態以外の実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様38に含まれる構成のうち、必須でない構成は、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜省略することが可能である。
B.第2実施形態:
B1.遊技機の構造:
図31は、第2実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図32は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。ただし、以下の説明では、一般入賞口32、可変入賞装置36、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図33は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図33(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図33(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図33(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図33(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図33(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図33(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。
また、図33(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、液晶用普図表示領域NA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
B2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図34は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検知センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図35は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図33(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図36は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図36(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図36(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図36(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図36(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図37は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図37(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図37(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図37(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図37(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図38は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図38(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図38(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図38(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図38(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
B3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図39は、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。パチンコ機10は、大当たり抽選において大当たりに当選すると、開閉実行モードに移行する。本実施形態では、開閉実行モードは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が開始するまでの期間であるオープニング期間と、開閉扉36bの開閉処理を実行する期間である開閉処理期間と、開閉扉36bの開閉処理が終了した後の期間であるエンディング期間とによって構成されている。本実施形態では、開閉処理期間の開始直後に開閉扉36bの1回目の開放が開始される。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図39の(A)を参照して説明する。
図39の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。オープニング演出は、開閉実行モードに移行したことによって可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が開始することを遊技者に対して示唆する演出である。右打ち報知演出は、遊技者に対して「右打ち」を推奨することを示唆する演出である。右打ち報知演出を認識した遊技者は、「左打ち」から「右打ち」に変更した方がよいことを理解することができる。
ここで、「右打ち」とは、操作ハンドル25の回動操作量を所定以上とすることによって遊技球を遊技球発射機構81から所定以上の速さ(発射強度、勢い)で発射させ、発射させた遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である。一方、「左打ち」とは、操作ハンドル25の回動操作量を所定未満とすることによって遊技球を遊技球発射機構81から所定未満の速さ(発射強度、勢い)で発射させ、発射させた遊技球を遊技領域PAの左側の領域に流通させる打ち方である。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技領域PAの右側の領域に可変入賞装置36が設けられている。開閉実行モード中は、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉するので、可変入賞装置36の内部に設けられた大入賞口36aに遊技球を入球させることが可能となる。したがって、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉する開閉実行モード中においては、遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である「右打ち」が推奨される。このため、オープニング演出の後に右打ち報知演出が実行される。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。このように、オープニング演出は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100が協働することによって実行される。以下に説明する右打ち報知演出やラウンド演出等の他の演出も同様に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100が協働することによって実行される。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。ラウンド演出は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が実行されていることを遊技者に対して示唆する演出である。
音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。エンディング演出は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が終了したことを遊技者に対して示唆する演出である。
音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
なお、本実施形態では、開閉実行モードが終了すると、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。本実施形態では、遊技領域PAの右側の領域にスルーゲート35、電動役物34a、及び第2始動口34が設けられている。高頻度サポートモード中に遊技球がスルーゲート35を通過すると、電役開放抽選に高確率で当選して電動役物34aが開放状態となるため、第2始動口34に遊技球を入球させることが容易となる。したがって、本実施形態においては、電動役物34aが高確率で開放状態となる高頻度サポートモード中においても、遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である「右打ち」が推奨される。本実施形態では、開閉実行モードにおいて右打ち報知演出を実行するため、多くの遊技者は、右打ち報知演出を認識して「右打ち」を実行することになる。そして、開閉実行モードにおいて「右打ち」を実行していた遊技者は、開閉実行モードが終了しても、高頻度サポートモード中においてそのまま「右打ち」を継続することになる。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図39の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、主制御装置60がオープニング期間の長さを6.95秒に設定し、開放開始コマンドの送信をオープニングコマンドの送信から6.95秒後に実行する点と、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90がオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定するという図39の(A)の場合(低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合)と同じ処理を実行するにも関わらず、オープニング演出の実行中であって右打ち報知演出の実行を開始する前に開放開始コマンドが受信されることによって当該右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する点である。以下、具体的な処理について説明する。
図39の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを7秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、上述したように、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始するように構成されている。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始するように構成されている。ただし、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には、主制御装置60は、6.95秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。この結果、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を実行中であって右打ち報知演出に対応した制御を開始する前に主制御装置60から開放開始コマンドを受信することになる。開放開始コマンドを受信した音声発光制御装置90は、実行中のオープニング演出に対応した制御を終了し、ラウンド演出を実行するように設定する。すなわち、右打ち報知演出が実行されるように設定されていたにも関わらず、音声発光制御装置90による右打ち報知演出の制御の開始がキャンセルされることになる。
音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を実行中であって右打ち報知演出に対応した制御を開始する前に音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信する。ラウンド演出コマンドを受信した表示制御装置100は、実行中のオープニング演出に対応した制御を終了し、ラウンド演出を実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。すなわち、右打ち報知演出が実行されるように設定されていたにも関わらず、表示制御装置100による右打ち報知演出の制御の開始がキャンセルされることになる。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
このように、本実施形態では、遊技者が「左打ち」を実行している低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合にはオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するので、開閉実行モードに移行したこと及び「右打ち」を推奨することを遊技者に示唆することができるとともに、遊技者が既に「右打ち」を実行している高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には右打ち報知演出を実行しないので、遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、開閉実行モード中ではなく、かつ、高頻度サポートモード中でもない状態では、可変入賞装置36の開閉扉36bは開放せず、また、電動役物34aもほとんど開放しないので、遊技球を第1始動口33に入球させることが可能な「左打ち」が推奨される。したがって、本実施形態では、開閉実行モードが終了し、その後、高頻度サポートモードが終了して低頻度サポートモードに移行した際に、「右打ち」から「左打ち」に変更することを推奨する左打ち報知演出を実行する。
次に、比較例のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図40は、比較例のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した実施形態のパチンコ機10が実行する処理との主な違いは、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信した場合にオープニング演出のみを実行するように設定する点と、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させる場合には主制御装置60が右打ち報知コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する点である。以下、具体的に説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図40の(A)を参照して説明する。
図40の(A)に示すように、比較例のパチンコ機10の主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、オープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定するとともに、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、オープニング期間が開始してから7秒が経過したタイミングにおいて、音声発光制御装置90に対して、右打ち報知演出を実行するタイミングであることを示す右打ち報知コマンドを送信する。なお、後述するように、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主制御装置60は、右打ち報知コマンドを送信しない。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から右打ち報知コマンドを受信すると、3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、右打ち報知演出を実行するように設定させるための右打ち報知演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90から右打ち報知演出コマンドを受信すると、3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するとともに、右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図40の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、主制御装置60がオープニング期間の長さを7秒に設定する点と、主制御装置60が右打ち報知コマンドを音声発光制御装置90に対して送信しない点と、開放開始コマンドの送信をオープニングコマンドの送信から7秒後に実行する点である。以下、具体的な処理について説明する。
図40の(B)に示すように、比較例のパチンコ機10の主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを7秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、オープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定するとともに、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。なお、主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合であるため、上述した図40の(A)に示した場合と異なり、音声発光制御装置90に対して、右打ち報知コマンドを送信しない。このため、図40の(B)に示した例では、右打ち報知演出が実行されない。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
以上説明したように、この比較例のパチンコ機10では、図40の(B)に示したように、オープニング演出及びラウンド演出の2つの演出を実行する場合には、主制御装置60は、オープニングコマンド及び開放開始コマンドの2つのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信すればよいが、一方で、図40の(A)に示したように、オープニング演出、右打ち報知演出及びラウンド演出の3つの演出を実行する場合には、主制御装置60は、オープニングコマンド、右打ち報知コマンド及び開放開始コマンドの3つのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信する必要がある。すなわち、比較例のパチンコ機10では、右打ち報知演出を実行する場合には、主制御装置60は、右打ち報知コマンドを送信する必要がある。
これに対して、上述した第2実施形態のパチンコ機10では、図39の(A)に示したように、オープニング演出、右打ち報知演出及びラウンド演出の3つの演出を実行する場合であっても、また、図39の(B)に示したように、右打ち報知演出は実行せずにオープニング演出及びラウンド演出の2つの演出を実行する場合であっても、主制御装置60は、オープニングコマンド及び開放開始コマンドの2つのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信すればよい。すなわち、第2実施形態のパチンコ機10では、右打ち報知演出を実行する場合であっても、実行しない場合であっても、主制御装置60は、右打ち報知コマンドを送信しなくてよい。したがって、第2実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置60のコマンドの送信頻度を低減することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。そして、本実施形態によれば、図40の比較例に示した右打ち報知コマンドが不要となるため、主側ROM63のデータROMから、右打ち報知コマンドを記憶するために必要なデータ容量を削減することができる。さらに、主制御装置60が大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態(遊技状態)を判定し、当該判定結果に基づいて右打ち報知コマンドを送信するか否かを判定する処理が不要となるので、主制御装置60の処理時間を短縮することができるとともに、当該処理のためのプログラムが不要となるので、主側ROM63のプログラムROMから、当該処理を実現するプログラムを記憶するために必要な容量を削減することができる。
B4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。主側MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図41は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS20101では、各種検知センサー67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサー67a〜67eの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS20102に進む。
ステップS20102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20103に進む。
ステップS20103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20104に進む。
ステップS20104では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS20104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS20104を実行した後、ステップS20105に進む。
ステップS20105では、スルーゲート35への遊技球の入球に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。ステップS20105におけるスルーゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップS20105を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図41:S20104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図42は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS20201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S20201:YES)、ステップS20202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20203に進む。
ステップS20203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20204に進む。
ステップS20204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S20201:NO)、ステップS20205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S20205:YES)、ステップS20206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20207に進む。一方、ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S20205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS20207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20208に進む。
ステップS20208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20209では、上述したステップS20204又はステップS20208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満ではない場合(S20209:NO)、すなわち、始動保留個数Nが上限値以上である場合には、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S20209:YES)、ステップS20210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS20211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS20212に進む。
ステップS20212では、ステップS20103(図41)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS20210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20103(図41)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20103(図41)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS20212を実行した後、ステップS20213に進む。
ステップS20213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS20213を実行した後、ステップS20214に進む。
ステップS20214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図45:ステップS20503)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS20214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図42:S20213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図43は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS20301では、始動口用の入球処理(図42)における始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS20302に進み、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS20302において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S20302:YES)、ステップS20303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS20305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS20302において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S20302:NO)、ステップS20304に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS20305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS20305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S20305:YES)、ステップS20306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS20307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS20307を実行した後、ステップS20308に進む。
ステップS20308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS20308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S20308:YES)、ステップS20309に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS20308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S20308:NO)、ステップS20310に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS20305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S20305:NO)、ステップS20311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS20312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS20313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS20313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S20313:YES)、ステップS20314に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS20313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S20313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルーゲート用の入球処理>
次に、スルーゲート用の入球処理について説明する。スルーゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図41:S20105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図44は、スルーゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20401では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップS20401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S20401:YES)、ステップS20402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS20401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S20401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS20402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S20402:YES)、ステップS20403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS20404に進む。
ステップS20404では、ステップS20103(図41)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S20402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図45は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS20501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS20502に進む。
ステップS20502では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS20503に進む。
ステップS20503では、ステップS20502において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS20503を実行した後、ステップS20504に進む。
ステップS20504では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20505に進む。
ステップS20505では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS20506に進む。ステップS20506では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS20506を実行した後、ステップS20507に進む。
ステップS20507では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS20508に進む。
ステップS20508では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS20509に進む。
ステップS20509では、待機状態が所定時間経過した場合にサブ側の各制御装置にデモ動画を開始させるための待機用処理を実行する。その後、ステップS20510に進む。
ステップS20510では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS20503のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS20510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S20510:NO)、ステップS20511及びステップS20512において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS20511において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS20512において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS20510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S20510:YES)、ステップS20503に戻り、ステップS20503からステップS20508までの各処理を実行する。
なお、ステップS20503からステップ507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図45:S20506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図46は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS20601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。
ステップS20601において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S20601:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS20602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS20601において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S20601:NO)、ステップS20602に進む。
ステップS20602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS20602において、メイン表示部45が変動表示中ではないと判定した場合には(S20602:NO)、ステップS20603〜ステップS20605の遊技回開始用処理に進む。ステップS20603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS20603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S20603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS20603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S20603:NO)、ステップS20604に進む。
ステップS20604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS20605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS20605では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS20606に進む。
ステップS20606では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS20606を実行した後、ステップS20607に進む。
一方、ステップS20602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S20602:YES)、ステップS20607に進む。
ステップS20607では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS20607では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図49)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS20607において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S20607:NO)、ステップS20608に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS20608を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップS20607において、変動時間が経過していると判定した場合には(S20607:YES)、ステップS20609に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理では、後述する変動開始処理(図48)において決定された停止図柄を、今回の遊技回の結果としてメイン表示部45に停止表示させる。ステップS20609を実行した後、ステップS20610に進む。
ステップS20610では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに記憶されているいずれかの大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグは、後述する変動開始処理(図48)において大当たりに当選した場合にONにされるフラグである。ステップS20610において、いずれかの大当たりフラグがONであると判定した場合には(S20610:YES)、ステップS20611に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS20610において、いずれの大当たりフラグもONではないと判定した場合には(S20610:NO)、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図46:S20604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図47は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS20701では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図35)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図35)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRa(図35)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRb(図35)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS20701の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS20701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS20701:YES)、ステップS20702〜ステップS20707の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS20701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS20701:NO)、ステップS20708〜ステップS20713の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS20702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS20703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS20704に進む。ステップS20704では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS20705に進む。
ステップS20705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS20705を実行した後、ステップS20706に進む。
ステップS20706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS20707へ進む。
ステップS20707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS20707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図45)におけるステップS20503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS20701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS20701:NO)、ステップS20708に進む。
ステップS20708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS20709に進む。ステップS20709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS20710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS20711に進む。
ステップS20711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS20711を実行した後、ステップS20712に進む。
ステップS20712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS20713に進む。
ステップS20713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS20713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図45)におけるステップS20503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図46:S20605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図48は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS20801では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS20801において、高確率モードであると判定した場合には(S20801:YES)、ステップS20802に進む。
ステップS20802では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図36(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20804に進む。一方、ステップS20801において高確率モードではないと判定した場合には(S20801:NO)、ステップS20803に進む。
ステップS20803では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図36(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20804に進む。
ステップS20804では、ステップS20802又はステップS20803における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS20804において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S20804:YES)、ステップS20805〜ステップS20812において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS20805では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS20805において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S20805:NO)、ステップS20806に進み、第1始動口用の振分テーブル(図37(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS20805において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S20805:YES)、ステップS20807に進み、第2始動口用の振分テーブル(図37(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS20806又はステップS20807の処理を実行した後。ステップS20808に進む。
ステップS20808では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS20808において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S20808:YES)、ステップS20809に進む。
ステップS20809では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20809を実行した後、ステップS20810に進む。
ステップS20810では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS20814に進む。
ステップS20808において、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S20808:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS20811に進む。
ステップS20811では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20811を実行した後、ステップS20812に進む。
ステップS20812では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS20814に進む。
ステップS20804において、ステップS20802又はステップS20803における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S20804:NO)、ステップS20813に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20813を実行した後、ステップS20814に進む。
ステップS20814では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS20814を実行した後、ステップS20815に進む。
ステップS20815では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS20815において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S20815:NO)、ステップS20816に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS20814で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS20815において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S20815:YES)、ステップS20817に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS20814で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS20816又はステップS20817を実行した後、ステップS20818に進む。
ステップS20818では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS20816〜ステップS20818にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図45)におけるステップS20503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS20818を実行後、ステップS20819に進む。
ステップS20819では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS20819を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図48:S20814)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図49は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS20901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS20902に進む。
ステップS20902では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S20902:YES)、ステップS20903に進む。
ステップS20903では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20902において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S20902:NO)、ステップS20905に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS20902において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S20905)を実行することから、ステップS20905においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S20905:YES)、ステップS20906に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS20906では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20905において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S20905:NO)、ステップS20907に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図45:S20507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図50は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS21001では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、エンディング期間の開始時にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS21001において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21001:NO)、ステップS21002に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉処理期間の開始時にONにされ、開閉処理期間の終了時にOFFにされる。
ステップS21002において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S21002:NO)、ステップS21003に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。オープニング期間は、開閉実行モードにおいてオープニング演出を実行するための期間である。
ステップS21003において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21003:NO)、ステップS21004に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS21004において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S21004:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21004において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S21004:YES)、ステップS21005に進み、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S21005:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21005において、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S21005:YES)、ステップS21006に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS21007に進む。なお、ステップS21006において、高確率モードフラグがOFFであった場合には、そのままステップS21007に進む。
ステップS21007では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、オープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に所定の値を設定する。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。オープニング時間設定処理の詳細については後述する。ステップS21007を実行した後、ステップS21008に進む。
ステップS21008では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図45)におけるステップS20503にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信したことに基づいて、オープニング演出及右打ち報知演出を実行するように設定し、これらの演出が順次実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21008を実行した後、ステップS21009に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21003において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S21003:YES)、ステップS21010に進む。
ステップS21010では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21010において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S21010:YES)、ステップS21011に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21012に進む。
ステップS21012では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS21012を実行した後、ステップS21013に進む。
ステップS21013では、今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認するとともに、フラグに対応するラウンド数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。ステップ13913を実行した後、ステップS21014に進む。
ステップS21014では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、ステップS21015に進み、開放開始コマンドを設定する。設定された開放開始コマンドは、通常処理(図45)におけるステップS20503にて、音声発光制御装置90に送信される。この開放開始コマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信した開放開始コマンドに基づいて、ラウンド数に対応した内容のラウンド演出を実行するように設定し、設定した内容のラウンド演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21015を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21002において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(S21002:YES)、ステップS21016に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数の遊技球が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS21016を実行した後、ステップS21017に進む。
ステップS21017では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21016:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21017:YES)、ステップS21018に進み、開閉処理期間フラグをOFFにする。ステップS21018を実行した後、ステップS21019に進む。
ステップS21019では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS21019を実行した後、ステップS21020に進む。
ステップS21020では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、エンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)を設定する。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS21020を実行した後、ステップS21021に進む。
ステップS21021では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図45)におけるステップS20503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、エンディングコマンドを受信したことに基づいて、エンディング演出を実行するように設定し、エンディング演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21021を実行した後、ステップS21022に進む。
ステップS21022では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21001において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S21001:YES)、ステップS21023に進む。
ステップS21023では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S21019)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S21023:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS21023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S21023:YES)、ステップS21024に進む。
ステップS21024では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21025に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS21025を実行した後、ステップS21026に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図50:S21007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図51は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS21101では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS21101において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合、すなわち、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S21101:NO)、ステップS21102に進み、第3タイマカウンタエリアT3に10秒に相当する「5000」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS21101において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合、すなわち、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S21101:YES)、ステップS21103に進み、第3タイマカウンタエリアT3に6.95秒に相当する「3475」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図50:S21016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図52は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS21201では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS21201において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S21201:NO)、ステップS21202に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21202:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21202:NO)、ステップS21203に進む。
ステップS21203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S21203:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S21203:YES)、ステップS21204に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS21205に進む。
ステップS21205では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS21205を実行した後、ステップS21206に進む。
ステップS21206では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図45:ステップS20503)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS21201において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS21201:YES)、ステップS21207に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS21207において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S21207:NO)、ステップS21208に進む。
ステップS21208では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS21208において、入球が発生していないと判定した場合には(S21208:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21208において、入球が発生していると判定した場合には(S21208:YES)、ステップS21209に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS21210に進む。
ステップS21210では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21210において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S21210:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS21207において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S21207:YES)、又は、ステップS21210において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S21210:YES)、ステップS21211に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS21212に進む。
ステップS21212では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS21213に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21213:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21213:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS21214を実行した後、ステップS21215に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図45:ステップS20503)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図50:S21024)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図53は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS21301では、大当たり種別フラグとしての確変大当たりに対応するフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS21301において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S21301:YES)、ステップS21302に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS21302を実行した後、ステップS21303に進む。
ステップS21303では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS21304に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS21305に進む。
ステップS21305では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS21309に進む。
一方、ステップS21301において、RAM64の16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S21301:NO)、ステップS21306に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS21307に進む。
ステップS21307では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS21308に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS21309に進む。
ステップS21309では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図45:S20508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図54は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS21401では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS21401において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S21401:NO)、ステップS21402に進む。
ステップS21402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS21402において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S21402:NO)、ステップS21403に進む。
ステップS21403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS21403において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21403:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21403:YES)、ステップS21404に進む。
ステップS21404では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS21404において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S21404:YES)、ステップS21405に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS21404において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S21404:NO)、ステップS21406に進む。
ステップS21406では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS21406において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S21406:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21406において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S21406:YES)、ステップS21407に進む。
ステップS21407では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS21408に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS21407において開閉実行モードではなく(S21407:NO)、且つ、ステップS21408において高頻度サポートモードである場合には(S21408:YES)、ステップS21409に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS21410に進む。
ステップS21410では、ステップS21409の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS21410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S21410:YES)、ステップS21411に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS21412に進む。一方、ステップS21410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S21410:NO)、ステップS21411の処理を実行することなく、ステップS21412に進む。
ステップS21412では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS21412において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S21412:YES)、ステップS21413に進む。一方、ステップS21412において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S21412:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21413では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS21413において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S21413:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21413において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS21414に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS21415に進む。
ステップS21415では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS21415にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図45:ステップS20503)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS21407において開閉実行モードであると判定した場合(S21407:YES)、又は、ステップS21418において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S21408:NO)、ステップS21416に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS21417に進む。
ステップS21417では、ステップS21416の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS21417において、サポート当選でないと判定した場合には(S21417:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21417において、サポート当選であると判定した場合には(S21417:YES)、ステップS21418に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21402において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S21402:YES)、ステップS21419に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21419において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21419:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21419において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21419:YES)、ステップS21420に進む。
ステップS21420では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS21421に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21401において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S21401:YES)、ステップS21422に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図54:S21422)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図55は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS21501では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S21501:YES)、ステップS21502に進む。
ステップS21502では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21502:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS21502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21502:YES)、ステップS21503に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS21503を実行した後、ステップS21504に進む。
ステップS21504では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS21505に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S21505:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS21505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S21505:YES)、ステップS21506に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS21501において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S21501:NO)、ステップS21507に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S21507:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S21507:YES)、ステップS21508に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS21509に進む。
ステップS21509では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S21509:NO)、ステップS21510に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS21510において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S21510:YES)、ステップS21511に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS21509において開閉実行モードであると判定した場合(S21509:YES)、又は、ステップS21510において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S21510:NO)、ステップS21512に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
B5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図56は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
B6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図57は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS21601では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS21601を実行した後、ステップS21602に進む。
ステップS21602では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理は、主側MPU62から受信したコマンドに対応して実行される処理である。コマンド対応処理の詳細は後述する。ステップS21602を実行した後、ステップS21603に進む。
ステップS21603では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS21602のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS21603を実行した後、ステップS21604に進む。
ステップS21604では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS21602のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS21604を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図57:S21602)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図58は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS21701では、主側MPU62から高頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21701において、高頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S21701:YES)、ステップS21702に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、音光側MPU92が主制御装置60におけるサポートモードの種別の状態を把握するためのフラグである。ステップS21702を実行した後、ステップS21703に進む。一方、ステップS21701において、高頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S21701:NO)、ステップS21702の処理を実行せずに、ステップS21703に進む。
ステップS21703では、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21703において、低頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S21703:YES)、ステップS21704に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS21705に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS21706に進み、表示制御装置100に対して、左打ち報知演出を実行するように設定させるための左打ち報知演出コマンドを送信する。その後、ステップS21707に進む。
一方、ステップS21703において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S21703:NO)、ステップS21704〜ステップS21706の処理を実行せずに、ステップS21707に進む。
ステップS21707では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21707において、オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S21707:YES)、ステップS21708に進み、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS21709に進み、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS21710に進む。
一方、ステップS21707において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S21707:NO)、ステップS21708及びステップS21709の処理を実行せずに、ステップS21710に進む。
ステップS21710では、主側MPU62から開放開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21710において、開放開始コマンドを受信していると判定した場合には(S21710:YES)、ステップS21711に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。このとき、オープニング演出に対応した制御が実行中であり、また、既に右打ち報知演出を実行するように設定されていた場合には、オープニング演出に対応した制御を終了し、右打ち報知演出の設定を取り消し、ラウンド演出に対応した制御を開始するように設定する。したがって、オープニングコマンドを受信してから6.95秒後に開放開始コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されないこととなり、一方、オープニングコマンドを受信してから10秒後に開放開始コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されることとなる。ステップS21711を実行した後、ステップS21712に進み、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、ステップS21713に進む。
一方、ステップS21710において、開放開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S21710:NO)、ステップS21711及びステップS21712の処理を実行せずに、ステップS21713に進む。
ステップS21713では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21713において、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S21713:YES)、ステップS21714に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS21715に進み、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、ステップS21716に進む。
一方、ステップS21713において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S21713:NO)、ステップS21714及びステップS21715の処理を実行せずに、ステップS21716に進む。
ステップS21716では、その他のコマンドを受信している場合において、当該コマンドに対応した処理を実行する。例えば、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、これらのコマンドに基づいて、当該遊技回において実行する演出の種別を決定し、決定した演出を実行するように設定する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図59は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS21801では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS21802に進む。
ステップS21802では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図60は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS21901では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図61は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS22001では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図60)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。
なお、コマンド対応処理(S22001)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS22002では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S22001)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS22003に進む。
ステップS22003では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S22002)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS22004に進む。
ステップS22004では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S22003)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS22005に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、V割込み処理のサブルーチン(図61:S22001)として表示制御装置100のMPU102によって実行される。
図62は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS22101では、音光側MPU92から左打ち報知演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに左打ち報知演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22101において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22101:YES)、ステップS22102に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22102を実行した後、ステップS22103に進む。一方、ステップS22101において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22101:NO)、ステップS22102の処理を実行せずに、ステップS22103に進む。
ステップS22103では、音光側MPU92からオープニング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22103において、オープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22103:YES)、ステップS22104に進み、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22104を実行した後、ステップS22105に進む。一方、ステップS22103において、オープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22103:NO)、ステップS22104の処理を実行せずに、ステップS22105に進む。
ステップS22105では、音光側MPU92からラウンド演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにラウンド演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22105において、ラウンド演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22105:YES)、ステップS22106に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。このとき、オープニング演出に対応した制御が実行中であり、また、既に右打ち報知演出を実行するように設定されていた場合には、オープニング演出に対応した制御を終了し、右打ち報知演出の設定を取り消し、ラウンド演出に対応した制御を開始するように設定する。したがって、オープニング演出コマンドを受信してから6.95秒後にラウンド演出コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されないこととなり、一方、オープニング演出コマンドを受信してから10秒後にラウンド演出コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されることとなる。ステップS22106を実行した後、ステップS22107に進む。一方、ステップS22105において、ラウンド演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22105:NO)、ステップS22106の処理を実行せずに、ステップS22107に進む。
ステップS22107では、音光側MPU92からエンディング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにエンディング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22107において、エンディング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22107:YES)、ステップS22108に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22108を実行した後、ステップS22109に進む。一方、ステップS22107において、エンディング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22107:NO)、ステップS22108の処理を実行せずに、ステップS22109に進む。
ステップS22109では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに他のコマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されているコマンドに対応した処理を実行する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
通常のパチンコ機10では、音声発光制御装置90に複数の演出を順次実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にそれぞれの演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90にそれぞれ送信する。したがって、音声発光制御装置90に実行させる演出の数が多くなるほど、主制御装置60が音声発光制御装置90にコマンドを送信する回数が多くなる。
具体的には、図40の比較例に示したように、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後、右打ち報知演出を実行させ、さらにその後にラウンド演出を実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドを送信した後、右打ち報知コマンドを送信し、さらに開放開始コマンドを送信する。この場合、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを3回送信することになる。また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後、右打ち報知演出は実行させずにラウンド演出を実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドを送信した後、右打ち報知コマンドは送信せずに、開放開始コマンドを送信する。この場合、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信することになる。すなわち、通常のパチンコ機10では、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させない場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信すればよいが、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを3回送信することになる。
これに対して、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信したことによって設定した複数の演出を順次実行中に開放開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を終了してラウンド演出を実行するので、複数の演出のうちの全ての演出を実行させた後にラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、また、複数の演出のうちの一部の演出は実行させずにラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信すればよい。すなわち、主制御装置60は、いずれの場合であっても、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信すればよい。
具体的には、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出と右打ち報知演出とを順次実行するように設定する。そして、オープニング演出を実行中であって右打ち報知演出を実行する前のタイミングで開放開始コマンドを受信した場合には、実行中のオープニング演出を終了し、当該オープニング演出の後に実行するように設定されている右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する。すなわち、本実施形態の音声発光制御装置90は、オープニング演出を実行中に開放開始コマンドを受信した場合には、並行処理でもなく、待機処理でもなく、無効処理でもなく、上書き処理を実行する。上書き処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該実行中の演出を終了し、さらに、当該実行中の演出の後に実行するように設定されている演出が存在する場合には、当該設定を消去し、新たに受信したコマンドに対応した演出を実行するように上書きして設定し、当該設定した演出を実行する処理である。なお、並行処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該実行中の演出と、当該受信したコマンドに対応した演出とを同時に並行して実行する処理である。待機処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該実行中の演出及び当該実行中の演出の後に実行するように設定されている演出が終了するまで待機し、これらの演出が終了した後に、当該受信したコマンドに対応した演出を実行する処理である。無効処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該受信したコマンドを無効にし、当該受信したコマンドに対応した演出を実行しない処理である。
本実施形態によれば、オープニング演出と右打ち報知演出とを実行させた後にラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、また、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出は実行させずにラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信すればよい。すなわち、主制御装置60は、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させる場合であっても実行させない場合であっても、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信すればよい。したがって、本実施形態によれば、主制御装置60のコマンドの送信頻度を低減することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、本実施形態によれば、図40の比較例に示した右打ち報知コマンドが不要となるため、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに右打ち報知コマンドを記憶しておかなくてもよい。したがって、主側ROM63の記憶容量のうち、右打ち報知コマンドを記憶するために必要であった記憶容量を他の用途に有効活用することができる。
また、本実施形態によれば、主制御装置60がオープニングコマンドを送信した後に開放開始コマンドを送信する際における当該送信の間隔が異なることによって、音声発光制御装置90が実行する演出の態様が異なるように構成されているので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本実施形態によれば、主制御装置60は、オープニングコマンドを送信した後、10秒経過後に、開放開始コマンドを送信する第1の送信態様(図39の(A))と、オープニングコマンドを送信した後、6.95秒経過後に、開放開始コマンドを送信する第2の送信態様(図39の(B))とを実行可能である。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60が第1の送信態様を実行した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行する演出態様となり、主制御装置60が第2の送信態様を実行した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行しない演出態様となる。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させない場合であっても、主制御装置60は、オープニングコマンドを送信した後に開放開始コマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信するとともに、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させる場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信し、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させない場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信しないといった制御を実行する構成(図40に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60が第1の送信態様(図39の(A))を実行した場合には、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行した後にラウンド演出を実行する演出態様となり、主制御装置60が第2の送信態様(図39の(B))を実行した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する演出態様となる。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させ、その後にラウンド演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させずにラウンド演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、オープニングコマンドを送信した後に開放開始コマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信するとともに、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させる場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信し、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させない場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信せず、オープニング演出または右打ち報知演出を実行させた後にラウンド演出を実行させる場合には当該ラウンド演出を実行させるための開放開始コマンドを送信するといった制御を実行する構成(図40に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、大当たりに当選した大当たり抽選が実行された際のサポートモードの状態に基づいて、オープニングコマンド及び開放開始コマンドを順次送信する際の当該送信の間隔を決定し、当該オープニングコマンド及び開放開始コマンドを受信した音声発光制御装置90は、これらのコマンドを受信した間隔が異なることに基づいて、当該大当たり抽選が実行された際のサポートモードの状態に対応した演出を実行する。したがって、サポートモードの状態に対応した演出を音声発光制御装置90に実行させるために内容の異なる種々のコマンドを主制御装置60が音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、推奨される遊技球の発射態様(打ち方)が開閉実行モードの開閉処理期間の開始によって「左打ち」から「右打ち」に変化する場合(「左打ち」中である低頻度サポートモード中に大当たりに当選した場合)には右打ち報知演出が実行され、推奨される遊技球の発射態様(打ち方)が開閉実行モードの開閉処理期間の開始によっても「右打ち」のまま変化しない場合(「右打ち」中である高頻度サポートモード中に大当たりに当選した場合)には右打ち報知演出が実行されない。したがって、主制御装置60の処理負荷を低減しつつ、大当たりに当選した際のサポートモードの状態に対応した適切な態様の演出を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、オープニング期間の長さをサポートモードの状態に基づいて決定し、音声発光制御装置90は、サポートモードの状態に関わらずオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定するという同一の処理を実行するにも関わらず、当該オープニング期間において実行する演出の内容が当該サポートモードの状態に応じて異なるように構成されている。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、サポートモードの状態に応じて異なる処理を実行することなく、当該オープニング期間の長さに適した内容の演出を実行することができる。すなわち、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握して当該サポートモードの状態に応じた処理を実行しなくても、サポートモードの状態に応じて変化するオープニング期間の長さに適した内容の演出を実行することができるので、音声発光制御装置90の処理負荷を低減することができる。
具体的には、本実施形態では、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合には、サポートモードの状態に関わらず、複数の演出(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定する処理を実行し、オープニングコマンドを受信したことによって設定した複数の処理を順次実行中に開放開始コマンドを受信した場合には、当該実行中の演出を終了してラウンド演出を実行する。本実施形態では、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの間隔は、サポートモードの状態に応じて異なることになるので、オープニングコマンドを受信することによって設定された複数の演出のうち、実際に実行される演出は、当該間隔が短いほど少なく、当該間隔が長いほど多くなる。すなわち、本実施形態によれば、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信した場合にサポートモードの状態に関わらず複数の演出を順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、オープニング期間において実行される演出の内容をサポートモードの状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
さらに具体的には、本実施形態では、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合には、サポートモードの状態に関わらず、複数の演出として、オープニング演出と右打ち報知演出とを順次実行するように設定し、オープニングコマンドを受信した後、右打ち報知演出を実行する前に開放開始コマンドを受信した場合には、右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの間隔がサポートモードの状態に応じて異なることによって、右打ち報知演出が実行される場合とされない場合とがある。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信した場合にサポートモードの状態に関わらずオープニング演出と右打ち報知演出とを順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、オープニング期間において右打ち報知演出が実行されるか否かをサポートモードの状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主制御装置60は、オープニング期間の長さを、オープニング演出が開始してから右打ち報知演出が開始されるまでの時間(オープニング演出の時間)である7秒よりも短い時間(本実施形態では6.95秒)に設定するので、仮に主制御装置60の高負荷時に開放開始コマンドの送信が遅れてしまった場合であっても、音声発光制御装置90による開放開始コマンドの受信が右打ち報知演出の実行が開始された後になってしまうことを抑制することができる。したがって、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合(図39の(B))であるにも関わらず右打ち報知演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、仮に音声発光制御装置90が開放開始コマンドを受信しない不具合が生じた場合であっても、オープニング演出の後に右打ち報知演出が実行されるだけである。遊技者は開閉処理期間中においては「右打ち」を行なえばよいため、右打ち報知演出が制御上意図しない状況で実行されても、遊技者に不利な状況は生じない。したがって、本実施形態によれば、不具合が生じても遊技者に不利な状況が生じない制御を実行するパチンコ機10を提供することができる。
B7.第2実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成及び処理については、説明を省略する。
B7−1.変形例1:
図63は、第2実施形態の変形例1のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した第2実施形態との主な違いは、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主制御装置60がオープニング期間の長さを4秒に設定する点と、音声発光制御装置90がサポートモードの種別を把握しており、オープニングコマンドを受信した際に、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するのか、それともオープニング演出よりも短い時間(本変形例では4秒)で完結(終了)するショートオープニング演出を実行するように設定するのかをサポートモードの種別に基づいて決定する点である。以下、具体的な処理について説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図63の(A)を参照して説明する。
図63の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。後述するように、主制御装置60は、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した際に、音声発光制御装置90に対して、高頻度サポートモードに移行したことを示す高頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、主制御装置60から高頻度サポートモードコマンドを受信すると、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。そして、主制御装置60は、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した際に、音声発光制御装置90に対して、低頻度サポートモードに移行したことを示す低頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、主制御装置60から低頻度サポートモードコマンドを受信すると、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。したがって、音声発光制御装置90は、音光側サポートモードフラグを参照することによって、主制御装置60のサポートモードの種別を常に把握することができる。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードではないと判定した場合には、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
なお、本変形例1においても、上記実施形態と同様に、開閉実行モードが終了すると、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。本変形例1においても、高頻度サポートモード中は、遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である「右打ち」が推奨される。本変形例1においても、開閉実行モードにおいて右打ち報知演出を実行するため、多くの遊技者は、右打ち報知演出を認識して「右打ち」を実行することになる。そして、開閉実行モードにおいて「右打ち」を実行していた遊技者は、開閉実行モードが終了しても、高頻度サポートモード中においてそのまま「右打ち」を継続することになる。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図63の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、主制御装置60がオープニング期間の長さを4秒に設定し、開放開始コマンドの送信をオープニングコマンドの送信から4秒後に実行する点と、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90が高頻度サポートモードではないと判定してショートオープニング演出を実行するように設定し、右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する点である。以下、具体的に説明する。
図63の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを4秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであると判定した場合には、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ショートオープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ショートオープニング演出を実行するように設定させるためのショートオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ショートオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ショートオープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ショートオープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からショートオープニング演出コマンドを受信すると、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定するとともに、ショートオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ショートオープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、4秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、4秒間のショートオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、4秒間のショートオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
このように、本変形例では、遊技者が「左打ち」を実行している低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合にはオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するので、開閉実行モードに移行したこと及び「右打ち」を推奨することを遊技者に示唆することができるとともに、遊技者が既に「右打ち」を実行している高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合にはオープニング演出より短いショートオープニング演出を実行するとともに右打ち報知演出を実行しないので、上述した第2実施形態に比べてさらに遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例1の主制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例1の主制御装置60のMPU62において実行される処理について説明する。以下では、第2実施形態と異なる処理について説明し、第2実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<オープニング時間設定処理>
変形例1におけるオープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図50:S21007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。上述した第2実施形態におけるオープニング時間設定処理との主な違いは、高頻度サポートモードフラグがONである場合におけるオープニング時間の長さを4秒に設定する点である。以下、具体的に説明する。
図64は、変形例1の主制御装置60のMPU62において実行されるオープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS22201では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS22201において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合、すなわち、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S22201:NO)、ステップS22202に進み、第3タイマカウンタエリアT3に10秒に相当する「5000」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS22201において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合、すなわち、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S22201:YES)、ステップS22203に進み、第3タイマカウンタエリアT3に4秒に相当する「2000」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
<変形例1の音声発光制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例1の音声発光制御装置90のMPU92において実行される処理について説明する。以下では、第2実施形態と異なる処理について説明し、第2実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<コマンド対応処理>
変形例1の音声発光制御装置90のMPU92において実行されるコマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図57:S21602)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。上述した第2実施形態におけるコマンド対応処理(図58)との主な違いは、音光側高頻度サポートモードフラグがONである場合にはショートオープニング演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図65は、変形例1の音声発光制御装置90のMPU92において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS22301では、主側MPU62から高頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22301において、高頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S22301:YES)、ステップS22302に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、音光側MPU92が主制御装置60におけるサポートモードの種別の状態を把握するためのフラグである。ステップS22302を実行した後、ステップS22303に進む。一方、ステップS22301において、高頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S22301:NO)、ステップS22302の処理を実行せずに、ステップS22303に進む。
ステップS22303では、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22303において、低頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S22303:YES)、ステップS22304に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS22305に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22306に進み、表示制御装置100に対して、左打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22307に進む。
一方、ステップS22303において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S22303:NO)、ステップS22304〜ステップS22306の処理を実行せずに、ステップS22307に進む。
ステップS22307では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22307において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S22307:NO)、後述するステップS22308からステップS22312の処理を実行せずに、ステップS22313に進む。一方、ステップS22307において、オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S22307:YES)、ステップS22308に進み、音光側高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS22308において、音光側高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(S22308:NO)、ステップS22309に進み、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22310に進み、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22313に進む。一方、ステップS22308において、音光側高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S22308:YES)、ステップS22311に進み、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。具体的には、ショートオープニング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22310に進み、表示制御装置100に対して、ショートオープニング演出を実行するように設定させるためのショートオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22313に進む。
ステップS22313では、主側MPU62から開放開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22313において、開放開始コマンドを受信していると判定した場合には(S22313:YES)、ステップS22314に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。ここで、本変形例1において、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、主制御装置60のMPU62は、オープニングコマンドを送信してから10秒後に開放開始コマンドを送信する。そして、音声発光制御装置90のMPU92は、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、オープニングコマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。したがって、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、7秒間のオープニング演出が実行された後、3秒間の右打ち報知演出が実行され、その後、ラウンド演出が実行されることになる。一方、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、主制御装置60のMPU62は、オープニングコマンドを送信してから4秒後に開放開始コマンドを送信する。そして、音声発光制御装置90のMPU92は、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、オープニングコマンドを受信すると、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。したがって、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、4秒間のショートオープニング演出が実行された後、ラウンド演出が実行されることになる。ステップS22314を実行した後、ステップS22315に進み、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、ステップS22316に進む。
一方、ステップS22313において、開放開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S22313:NO)、ステップS22314及びステップS22315の処理を実行せずに、ステップS22316に進む。
ステップS22316では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22316において、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S22316:YES)、ステップS22317に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22318に進み、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22319に進む。
一方、ステップS22316において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S22316:NO)、ステップS22317及びステップS22318の処理を実行せずに、ステップS22319に進む。
ステップS22319では、その他のコマンドを受信している場合において、当該コマンドに対応した処理を実行する。例えば、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、これらのコマンドに基づいて、当該遊技回において実行する演出の種別を決定し、決定した演出を実行するように設定する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
<変形例1の表示制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例1の表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。以下では、第2実施形態と異なる処理について説明し、第2実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<コマンド対応処理>
変形例1の表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、V割込み処理のサブルーチン(図61:S22001)として表示制御装置100のMPU102によって実行される。上述した第2実施形態におけるコマンド対応処理(図62)との主な違いは、ショートオープニング演出コマンドを受信した場合にはショートオープニング演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図66は、変形例1の表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS22401では、音光側MPU92から左打ち報知演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに左打ち報知演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22401において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22401:YES)、ステップS22402に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22402を実行した後、ステップS22403に進む。一方、ステップS22401において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22401:NO)、ステップS22402の処理を実行せずに、ステップS22403に進む。
ステップS22403では、音光側MPU92からオープニング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22403において、オープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22403:YES)、ステップS22404に進み、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22404を実行した後、ステップS22405に進む。一方、ステップS22403において、オープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22403:NO)、ステップS22404の処理を実行せずに、ステップS22405に進む。
ステップS22405では、音光側MPU92からショートオープニング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにショートオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22405において、ショートオープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22405:YES)、ステップS22406に進み、ショートオープニング演出を実行するように設定する。具体的には、ショートオープニング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22406を実行した後、ステップS22407に進む。一方、ステップS22405において、ショートオープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22405:NO)、ステップS22406の処理を実行せずに、ステップS22407に進む。
ステップS22407では、音光側MPU92からラウンド演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにラウンド演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22407において、ラウンド演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22407:YES)、ステップS22408に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ここで、本変形例1において、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、音声発光制御装置90のMPU92は、オープニング演出コマンドを送信してから10秒後にラウンド演出コマンドを送信する。そして、表示制御装置100のMPU102は、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、オープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。したがって、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、7秒間のオープニング演出が実行された後、3秒間の右打ち報知演出が実行され、その後、ラウンド演出が実行されることになる。一方、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、音声発光制御装置90のMPU92は、ショートオープニング演出コマンドを送信してから4秒後にラウンド演出コマンドを送信する。そして、表示制御装置100のMPU102は、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、ショートオープニング演出コマンドを受信すると、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。したがって、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、4秒間のショートオープニング演出が実行された後、ラウンド演出が実行されることになる。ステップS22408を実行した後、ステップS22409に進む。一方、ステップS22407において、ラウンド演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22407:NO)、ステップS22408の処理を実行せずに、ステップS22409に進む。
ステップS22409では、音光側MPU92からエンディング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにエンディング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22409において、エンディング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22409:YES)、ステップS22410に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22410を実行した後、ステップS22411に進む。一方、ステップS22409において、エンディング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22409:NO)、ステップS22410の処理を実行せずに、ステップS22411に進む。
ステップS22411では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに他のコマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されているコマンドに対応した処理を実行する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
以上説明した本変形例1によれば、上述した第2実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本変形例1によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であるとともに、主制御装置60から同一の内容のコマンドを受信した場合であっても、主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本変形例1によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合にはオープニング演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、ショートオープニング演出を実行する。したがって、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にショートオープニング演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、同一の内容のオープニングコマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信し、音声発光制御装置90にショートオープニング演出を実行させる場合には当該ショートオープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例1によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行するので、例えば、主制御装置60が、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信し、さらに右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信する構成(図40に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例1によれば、主制御装置60は、サポートモードが変化する際に高頻度サポートモードコマンド又は低頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、高頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをONにし、低頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。そして、音声発光制御装置90は、音光側高頻度サポートモードフラグを参照することによって主制御装置60のサポートモードの状態を把握することができる。したがって、主制御装置60は、サポートモードの状態を音声発光制御装置90に把握させるために当該サポートモードの状態に関する情報をオープニングコマンドに含めなくてもよいため、主制御装置60がオープニングコマンドを送信する際における処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例1によれば、低頻度サポートモード中に大当たり抽選の結果が大当たりとなった場合には、当該大当たりとなった遊技回(図柄の変動)が終了してから10秒間のオープニング期間の経過後に開閉処理期間を開始し、高頻度サポートモード中に大当たり抽選の結果が大当たりとなった場合には、当該大当たりとなった遊技回(図柄の変動)が終了してから4秒間のオープニング期間の経過後に開閉処理期間を開始するので、高頻度サポートモード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、遊技者に有利な高頻度サポートモード中は、大当たり抽選が頻繁に実行されることになるので、大当たり抽選において大当たりに当選し、開閉処理期間が開始されることになる期待感が高くなる。したがって、遊技者は、開閉処理期間が開始されること自体よりも、開閉処理期間が早期に開始されることを期待しながら遊技を行なっている。すなわち、高頻度サポートモード中は、遊技者は、遊技にスピード感を求めることになる。本変形例1によれば、高頻度サポートモード中は、低頻度サポートモード中に比べて、大当たり抽選の結果が大当たりとなった遊技回が終了してから短い時間で開閉処理期間が開始されるので、高頻度サポートモード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本変形例1によれば、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、10秒間のオープニング期間において7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、4秒間のオープニング期間において4秒間のショートオープニング演出を実行するので、10秒間のオープニング期間または4秒間のオープニング期間のそれぞれに適した長さの演出を実行することができる。
B7−2.変形例2:
図67は、第2実施形態の変形例2のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した第2実施形態の変形例1との主な違いは、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず主制御装置60がオープニング期間の長さを10秒に設定する点と、音声発光制御装置90がサポートモードの種別を把握しており、オープニングコマンドを受信した際に、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するのか、それともオープニング演出よりも長い時間(本変形例では10秒)で完結(終了)するロングオープニング演出を実行するように設定するのかをサポートモードの種別に基づいて決定する点である。なお、本実施形態では、10秒間のロングオープニング演出における開始から7秒までの7秒間の演出の内容は、7秒間のオープニング演出の内容と同一であり、7秒から10秒までの3秒間の演出の内容は、新たに追加された別の内容の演出(例えば、7秒間のオープニング演出には登場していない別のキャラクターが登場する演出)である。以下、具体的な処理について説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図67の(A)を参照して説明する。
図67の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードではないと判定した場合には、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図67の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90が高頻度サポートモードではないと判定してロングオープニング演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図67の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであると判定した場合には、10秒間のロングオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ロングオープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ロングオープニング演出を実行するように設定させるためのロングオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ロングオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ロングオープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ロングオープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からロングオープニング演出コマンドを受信すると、10秒間のロングオープニング演出を実行するように設定するとともに、ロングオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ロングオープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、10秒間のロングオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、10秒間のロングオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
以上説明した本変形例2によれば、上述した実施形態及び変形例1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であるとともに、主制御装置60から同一の内容のコマンドを受信した場合であっても、主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合にはオープニング演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、ロングオープニング演出を実行する。したがって、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にロングオープニング演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、同一の内容のオープニングコマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信し、音声発光制御装置90にロングオープニング演出を実行させる場合には当該ロングオープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行するので、例えば、主制御装置60が、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信し、さらに右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信する構成(図40に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、主制御装置60は、サポートモードが変化する際に高頻度サポートモードコマンド又は低頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、高頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをONにし、低頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。そして、音声発光制御装置90は、音光側高頻度サポートモードフラグを参照することによって主制御装置60のサポートモードの状態を把握することができる。したがって、主制御装置60は、サポートモードの状態を音声発光制御装置90に把握させるために当該サポートモードの状態に関する情報をオープニングコマンドに含めなくてもよいため、主制御装置60がオープニングコマンドを送信する際における処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であり、主制御装置60のサポートモードの状態に基づいて、オープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの期間であるオープニング期間において実行する演出の内容を決定するので、主制御装置60は、自身のサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する態様を変化させる必要がなく、毎回、同じ送信態様でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信することができる。したがって、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する送信態様を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。また、本変形例2によれば、サポートモードの状態に応じた種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードであっても、高頻度サポートモードであっても、オープニング期間の長さを10秒に設定する。すなわち、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が異なっていても同一の間隔でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する。したがって、本変形例2によれば、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する間隔を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。
さらに、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出を実行し、オープニング期間の後部分において右打ち報知演出を実行する。そして、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が高頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出の内容と同一の内容のロングオープニング演出の0秒から7秒までの部分を実行し、オープニング期間の後部分においてロングオープニング演出の7秒から10秒までの部分を実行する。したがって、本変形例2によれば、オープニング期間の前部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に関わらず同一の内容の演出が実行され、オープニング期間の後部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出が実行されることになるので、オープニング期間の前部分から後部分にわたって演出の内容がどのように変化するのかといった期待感を遊技者に与えることができる。また、本変形例2によれば、オープニング期間の後部分において、主制御装置60のサポートモードの状態に適した内容を含む演出を実行することができる。
B7−1.変形例3:
図68は、第2実施形態の変形例3のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した第2実施形態の変形例1との主な違いは、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず主制御装置60がオープニング期間の長さを10秒に設定する点と、音声発光制御装置90がサポートモードの種別を把握しており、オープニングコマンドを受信した際に、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するのか、それとも7秒間のオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定するのかをサポートモードの種別に基づいて決定する点である。以下、具体的な処理について説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図68の(A)を参照して説明する。
図68の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードではないと判定した場合には、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、既にラウンド演出に対応した制御が実行中であるか否かを判定し、ラウンド演出に対応した制御が実行中ではないと判定した場合には、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図68の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90が高頻度サポートモードではないと判定してオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図68の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであると判定した場合には、7秒間のオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定させるためのオープニング‐ラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング‐ラウンド演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されているラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されているラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、既にラウンド演出に対応した制御が実行中であるか否かを判定し、ラウンド演出に対応した制御が実行中であると判定した場合には、当該開放開始コマンドを破棄し、既に実行中のラウンド演出に対応した制御を継続する。したがって、この場合には、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドは送信されない。ただし、表示制御装置100は、既に実行中のラウンド演出に対応した制御を継続する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
以上説明した本変形例3によれば、上述した実施形態、変形例1及び変形例2の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であるとともに、主制御装置60から同一の内容のコマンドを受信した場合であっても、主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合にはオープニング演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後にラウンド演出を実行する。したがって、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後にラウンド演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、同一の内容のオープニングコマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信し、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後にラウンド演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させた後に当該ラウンド演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行するので、例えば、主制御装置60が、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信し、さらに右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信する構成(図40に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であり、主制御装置60のサポートモードの状態に基づいて、オープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの期間であるオープニング期間において実行する演出の内容を決定するので、主制御装置60は、自身のサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する態様を変化させる必要がなく、毎回、同じ送信態様でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信することができる。したがって、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する送信態様を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。また、本変形例3によれば、サポートモードの状態に応じた種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例3によれば、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードであっても、高頻度サポートモードであっても、オープニング期間の長さを10秒に設定する。すなわち、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が異なっていても同一の間隔でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する。したがって、本変形例3によれば、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する間隔を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。
さらに、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出を実行し、オープニング期間の後部分において右打ち報知演出を実行する。そして、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が高頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出を実行し、オープニング期間の後部分においてラウンド演出を実行する。したがって、本変形例3によれば、オープニング期間の前部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に関わらず同一の内容の演出が実行され、オープニング期間の後部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出が実行されることになるので、オープニング期間の前部分から後部分にわたって演出の内容がどのように変化するのかといった期待感を遊技者に与えることができる。また、本変形例3によれば、オープニング期間の後部分において、主制御装置60のサポートモードの状態に適した内容を含む演出を実行することができる。
B7−4.変形例4:
上記実施形態及び上記各変形例では、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合に2つの演出(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定する構成としたが、3つ以上の演出を順次実行するように設定する構成としてもよい。この構成によれば、音声発光制御装置90が開放開始コマンドを受信したタイミングが変化することによって、設定された3つ以上の演出のうち、実際に実行する演出の数が変化することになる。したがって、主制御装置60が開放開始コマンドを送信するタイミングを制御して変化させることによって、音声発光制御装置90に実行させる演出の数を変化させることができる。
B7−5.変形例5:
上記実施形態及び上記各変形例では、主制御装置60は、開閉処理期間の開始を契機として音声発光制御装置90に対して開放開始コマンドを送信する構成としたが、主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bが実際に開放したことを契機として音声発光制御装置90に対して開放開始コマンドを送信する構成としてもよい。
B7−6.変形例6:
上記実施形態及び上記各変形例では、音声発光制御装置90及び表示制御装置100は、右打ち報知演出を実行する場合には、オープニング演出が終了した後に右打ち報知演出を実行する構成としたが、オープニング演出の表示や音声の出力を継続したまま右打ち報知演出の表示や音声の出力を重畳させて実行する構成としてもよい。例えば、オープニング演出の表示を継続したまま当該表示の上位のレイヤーに「右打ち!」といった文字を画面の端に小さく表示して右打ち報知演出を実行する構成としてもよい。
B7−7.変形例7:
上記実施形態及び上記変形例1では、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さを、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さよりも短くなるように設定する構成としたが、高確率モード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さを、低確率モード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さよりも短くなるように設定する構成としてもよい。
B7−8.変形例8:
上記実施形態及び上記各変形例において、音声発光制御装置90は、主制御装置60から複数のコマンドを受信した場合に、当該複数のコマンドの受信間隔を計測するとともに、当該計測した受信間隔に基づいて、実行する演出の種別を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、主制御装置60は、各演出に対応した種々のコマンドを送信しなくてもよいため、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。
B7−9.変形例9:
上記実施形態及び上記各変形例において、音声発光制御装置90及び表示制御装置100は、演出を実行中に、他の演出を実行することになるコマンドを受信した場合には、当該実行中の演出を終了して、当該受信したコマンドに対応した演出を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、関連しない複数の演出が重複して実行され、遊技者が各演出を認識するのが困難となってしまうことを抑制することができる。
B7−10.変形例10:
上記実施形態及び上記各変形例では、開閉実行モードが終了した後は高頻度サポートモードに移行する構成としたが、開閉実行モードが終了した後であっても高頻度サポートモードに移行しない構成としてもよい。また、開閉実行モードが終了した後に高頻度サポートモードに移行することになる大当たり種別と、高頻度サポートモードに移行しない大当たり種別とを含む構成としてもよい。
B7−11.変形例11:
上記実施形態及び上記各変形例の構成は、2つの装置間でコマンドの送受信を行なう他の構成に対しても適用することができる。
例えば、主制御装置60が音声発光制御装置90に対して、変動時間に関する情報等を含む変動用コマンド(変動パターンコマンド)を送信し、その後、図柄を停止(確定)させるための確定コマンドを送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、変動用コマンドを受信した音声発光制御装置90は、予告演出、リーチ演出、スーパーリーチ演出等の複数の演出を順次実行するように設定し、当該複数の演出を順次実行中に確定コマンドを受信した場合には、当該実行中の演出を終了し、図柄を停止させる確定演出を実行する構成としてもよい。
また、例えば、主制御装置60が音声発光制御装置90に対して、ラウンドの開始を示す開放コマンド(例えば、1ラウンド目開放コマンド)を送信し、その後、次のラウンドの開始を示す開放コマンド(例えば、2ラウンド目開放コマンド)を送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、1ラウンド目開放コマンドを受信した音声発光制御装置90は、1ラウンド目に対応した1ラウンド目演出を実行するように設定し、当該1ラウンド目演出を実行中に2ラウンド目開放コマンドを受信した場合には、当該実行中の1ラウンド目演出を終了し、2ラウンド目演出を実行する構成としてもよい。なお、1ラウンド目演出及び2ラウンド目演出等は、音声発光制御装置90が複数の処理を順次実行することによって実現される。
また、例えば、音声発光制御装置90が表示制御装置100に対して、所定の演出の実行を指示する演出コマンドを送信し、その後、遊技者によって演出操作ボタン24が押下されたことを示す演出操作コマンドを送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、パネル選択演出コマンドを受信した表示制御装置100は、複数のパネルの中から一のパネルを選択するためのパネル選択演出(例えば、複数のパネルが回転、移動する演出や、パネルの枠が移動する演出)を実行するように設定し、当該パネル選択演出を実行中に演出操作コマンドを受信した場合には、当該実行中のパネル選択演出を終了し、当該複数のパネルの中に含まれる所定のパネルに対応した内容の演出を実行する構成としてもよい。なお、パネル選択演出は、表示制御装置100が複数の処理を順次実行することによって実現される。
また、例えば、主制御装置60が音声発光制御装置90に対して、変動時間に関する情報等を含む変動用コマンド(変動パターンコマンド)と、大当たり抽選の結果に関する情報等を含む種別コマンドとを送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、変動用コマンドと種別コマンドとを受信した間隔に基づいて、遊技回において実行する演出の内容や、オープニング期間において実行する演出の内容を決定する構成としてもよい。
B7−12.変形例12:
上記実施形態では、オープニングコマンド及び開放開始コマンドの受信間隔が異なることによって、音声発光制御装置90が右打ち報知演出を実行する場合と実行しない場合とが生じる構成であったが、オープニングコマンドに含まれる情報の内容が異なることによって、音声発光制御装置90が右打ち報知演出を実行する場合と実行しない場合とが生じる構成としてもよい。
C.第3実施形態:
C1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。
図69は、第3実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図70は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
図71は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞機構KHが設けられている。図示するように可変入賞機構KHは、第1可変入賞装置57と第2可変入賞装置58とを含む機構である。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
第1可変入賞装置57は、遊技盤30の背面側へと通じる第1大入賞口57aと、当該第1大入賞口57aを開閉する第1開閉扉57bとを備えている。第1開閉扉57bは、通常は遊技球が第1大入賞口57aに入球できない閉鎖状態となっている。後述する大当たり抽選において大当たりになった場合に、第1開閉扉57bは開放状態となり、第1大入賞口57aに遊技球が入球可能な状態となる。
第2可変入賞装置58は、遊技盤30の背面側へと通じる第2大入賞口58aと、当該第2大入賞口58aを開閉する第2開閉扉58bとを備えている。第2開閉扉58bは、通常は遊技球が第2大入賞口58aに入球できない閉鎖状態となっている。大当たり抽選において大当たりになった場合に、第2開閉扉58bは開放状態となり、第2大入賞口58aに遊技球が入球可能な状態となる。
第2可変入賞装置58の第2大入賞口58aは、V入賞領域FVと、非V入賞領域FNVとを有する。V入賞領域FVおよび非V入賞領域FNVについては後述する。
第2可変入賞装置58は、第1可変入賞装置57の下流に配置されている。第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bが閉鎖状態のタイミングで第1可変入賞装置57に到達した遊技球は、第1開閉扉57bの上を通過して第2可変入賞装置58に到達する。このとき、第2開閉扉58bが開放状態である場合には、当該遊技球は第2大入賞口58aに入球する。
以下、第1可変入賞装置57および第2可変入賞装置58を単に「可変入賞装置」とも呼ぶ。また、第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aを単に「大入賞口」、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bを単に「開閉扉」とも呼ぶ。
第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bおよび第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、開閉実行モードに移行すると、所定の開閉パターンで、遊技球が第1大入賞口57a、第2大入賞口58aに入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされると、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1大入賞口57aに遊技球が入球した場合に払出装置71によって払い出される賞球の数と、第2大入賞口58aに遊技球が入球した場合に払出装置71によって払い出される賞球の数とが異なる構成を採用してもよい。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。ただし、以下の説明では、一般入賞口32、第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が第1可変入賞装置57または第2可変入賞装置58に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図72は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図72(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図72(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図72(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図72(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図72(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図72(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。
また、図72(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、液晶用普図表示領域NA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
C2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図73は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bを開閉動作させる第1可変入賞駆動部57cと、第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bを開閉動作させる第2可変入賞駆動部58cと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bが開閉されるように、第1可変入賞駆動部57cおよび第2可変入賞駆動部58cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図74は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図72(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図75は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図75(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図75(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図75(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図75(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
図76は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図76(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図76(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図76(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図76(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉扉の開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様として、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57b、および、第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開閉パターン(以下、単に「開閉パターン」とも呼ぶ)を複数種類設け、大当たりの種類毎に1種類の開閉パターンが対応して設定されてもよい。本実施形態においては、大当たりの種類毎に1種類の開閉パターンが対応して設定されており、開閉パターン毎に、第1開閉扉57bの開閉の態様および第2開閉扉58bの開閉の態様が異なる。本実施形態における第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンについては後述する。
その他、開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は5秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が7個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が7個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)への入賞が発生しない構成としてもよい。なお、本実施形態においては、低頻度入賞モードは設けておらず、全ての大当たりにおいて高頻度入賞モードが設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図77は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図77(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図77(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図77(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、8R第1種大当たり、及び、8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が8R第1種大当たりに対応し、「28〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
8R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第1種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。そして、V入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
なお、本実施形態においては、8R第1種大当たりにおいては、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、すなわち、1ラウンド中に第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bのいずれか一方が一回開放する態様としたが、他の態様として、1ラウンド中に開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)が複数回開放する態様を採用してもよい。本実施形態においては、制御上、開閉実行モード中のラウンド数は、後述するラウンドカウンタエリアに設定された数値を1ラウンドが終了する毎に1減算(デクリメント)させることによって制御している。よって、本実施形態においては、ラウンドカウンタエリアに設定された数値を1回デクリメントするまでに、第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bのいずれか一方が一回開放するように制御している。他の態様として、ラウンドカウンタエリアに設定された数値を1回デクリメントするまでに、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)が複数回開放する態様を採用してもよい。
8R第2種大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第2種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。しかしながら、仮にV入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
このように、第1種大当たりは、第2種大当たりと比較して、ラウンド遊技中にV入賞領域FVに遊技球が入球しやすいため、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる確率が高い。一方、第2種大当たりは、第1種大当たりと比較して、ラウンド遊技中にV入賞領域FVに遊技球が入球しにくいため、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる確率が低い。
図77(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R第1種大当たり、及び、8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R第1種大当たりに対応し、「27〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
16R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、16R第1種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。そして、V入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
8R第2種大当たりは、上述のように、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第2種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。しかしながら、仮にV入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図78は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図78(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図78(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図78(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図78(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
C3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図79は、可変入賞機構KHを説明する説明図である。上述のように、可変入賞機構KHは、第1可変入賞装置57および第2可変入賞装置58を備える。図79(a)には、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bが閉鎖状態である場合の可変入賞機構KHの斜視図を示した。説明の便宜上、図示するように、遊技盤30の右側に発射された遊技球が可変入賞機構KHに最初に到達する地点を基準点P0と呼び、基準点P0を含む可変入賞機構KH上の平面部を平面部SFと呼ぶ。
第1開閉扉57b、第2開閉扉58bおよび平面部SFを含む平面は、遊技盤30の右側から中心に向かって下方向に傾斜している。遊技球発射機構81から遊技盤30の右方向に向けて発射された遊技球は、遊技盤30の右側を流下し、平面部SFの基準点P0に到達する。第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bが閉鎖状態である場合、基準点P0に到達した遊技球は、基準点P0→第1開閉扉57b→第2開閉扉58bの順に流下する。なお、図示するように、説明の便宜上、基準点P0から遊技球の流下する方向をX方向と定義付ける。図示するように、遊技球は、閉鎖状態の第1開閉扉57bの上面をX方向に約0.4秒で通過する。
また、第2開閉扉58bの上面には、柱状の凸部59が6つ配置されている。凸部59は、その長手方向がX方向と略垂直になるように第2開閉扉58bの上面に配置されている。第2開閉扉58bの上面に配置されている凸部59は、第2開閉扉58bの上面を流下する遊技球の速度を調整し、結果として、凸部59は、遊技球が第2開閉扉58bの上面を通過するために要する時間(通過時間)を調整する。
第2開閉扉58bの上面のうち非V入賞領域FNVに対応する領域には、凸部59が2つ配置されている。また、第2開閉扉58bの上面のうちV入賞領域FVに対応する領域には、凸部59が4つ配置されている。このように凸部59が配置されることによって、遊技球は、閉鎖状態の第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を約2秒で通過し、閉鎖状態の第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を約4秒で通過する。
図79(b)は、第1開閉扉57bが開放状態である場合の可変入賞機構KHを示している。図79(c)は、第2開閉扉58bが開放状態である場合の可変入賞機構KHを示している。パチンコ機10における開閉実行モードが実行されている期間においては、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、所定の開閉パターンに従って、開放状態と閉鎖状態との間を遷移する。なお、開閉実行モードが実行されている期間において、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bとが同時に開放状態となることはなく、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、図79(a)に示した状態、図79(b)に示した状態、または、図79(c)に示した状態のいずれか1つの状態となる。すなわち、第1開閉扉57bが開放状態となる場合と、第2開閉扉58bが開放状態となる場合とは排他的な関係である。
図80は、第1大入賞口57aに遊技球が入球する場合について説明する説明図である。図80(a)は、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bの上面を流通する遊技球GB1と、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bより上流を流通する遊技球GB2とを示している。
図80(b)は、第1開閉扉57bが開放した直後の様子を示している。第1開閉扉57bが開放すると、第1開閉扉57bの開放直前に第1開閉扉57bの上面を流通していた遊技球GB1は第1大入賞口57aに入球する。その後、図80(c)に示すように、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bより上流を流通していた遊技球GB2が流下し、第1大入賞口57aに入球する。
このように、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bの上面を流通する遊技球と、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bより上流を流通する遊技球とが、第1開閉扉57bが開放後に第1大入賞口57aに入球する。
図81は、第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに遊技球が入球する場合について説明する説明図である。図81(a)は、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球GB3と、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bより上流を流通する遊技球GB4とを示している。
図81(b)は、第2開閉扉58bが開放した直後の様子を示している。第2開閉扉58bが開放すると、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通していた遊技球GB3は第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球する。その後、図81(c)に示すように、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bより上流を流通していた遊技球GB4が流下し、第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球する。
このように、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球と、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bより上流を流通する遊技球とが、第2開閉扉58bが開放後に第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球する。
図82は、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入球する場合について説明する説明図である。図82(a)は、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通する遊技球GB5と、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球GB6とを示している。
図82(b)は、第2開閉扉58bが開放した直後の様子を示している。第2開閉扉58bが開放すると、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通していた遊技球GB5は第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入球する。一方、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通していた遊技球GB6は第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球し、V入賞領域FVには入球しない。
このように、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通していた遊技球は、第2開閉扉58bが開放後に第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入球するが、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通していた遊技球は、第2開閉扉58bが開放後に第2大入賞口58aのV入賞領域FVには入球しない。
図83は、第1種大当たりを契機として実行される開閉実行モードにおける第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図83の下部には、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図83の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図83の下部に示したタイムチャートと、図83の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図83の下部に示すように、第1種大当たりを契機とする開閉実行モードにおける開閉パターンでは、ラウンド遊技の1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉動作が1回実行される。その後、第2開閉扉58bの開閉動作が当該大当たりのラウンド数に達するまで実行される。例えば、8R第1種大当たりの場合、1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉が1回実行された後、2ラウンド目〜8ラウンド目として第2開閉扉58bの開閉動作が7回実行される。また、16R第1種大当たりの場合、1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉動作が1回実行された後、2ラウンド目〜16ラウンド目として第2開閉扉58bの開閉動作が15回実行される。図示の便宜上、図84には、第2開閉扉58bの開閉動作を4回目まで示した。
また、本実施形態においては、第1種大当たりおよび第2種大当たりを契機とした開閉実行モードにおいては、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)が開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)は、以下のとおりである。
・開放状態の開閉扉に対応する大入賞口に7個の遊技球が入球したこと
・開閉扉が開放状態で10秒間が経過したこと
上記2つの項目のいずれか1つが成立した場合に、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)は開放状態から閉鎖状態に移行する。
さらに、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御は、上述の閉鎖条件に加え、開閉扉を開放状態に移行する条件が記録されたプログラムである開放シナリオによって制御される。開放シナリオは、大当たりの種別毎に用意されており、本実施形態においては、16R第1種大当たり用開放シナリオ、8R第1種大当たり用開放シナリオ、8R第2種大当たり用開放シナリオの3つのプログラムが用意されている。また、大当たりの種別毎に用意された各開放シナリオには、開閉扉を閉鎖状態から開放状態に移行するまでの時間、および、開放する開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の順番が、開閉実行モードにおける各ラウンド毎に記録されている。例えば、8R第1種大当たりにおける開閉実行モードにおいては、第1開閉扉57bが開放状態から閉鎖状態に移行して1ラウンド目が終了し、次に2ラウンド目として第2開閉扉58bが開放状態に移行するが、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行してから第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの時間が8R第1種大当たり用開放シナリオに設定されている。
大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主側CPU62は当該大当たりの種別に対応した開放シナリオを読み込み、読み込んだ開放シナリオに従って第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bを開放状態にすべきか否かの判断を行う。このように、閉鎖条件と開放シナリオとに基づいた開閉扉の開閉制御が主側CPU62によって実行される。
上述のように、第1種大当たりに当選した場合には、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。本実施形態においては、開放シナリオに基づいて開閉扉を開放状態に移行するタイミングを制御することによって、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいようにしている。
具体的には、第2開閉扉58bが閉鎖してから第2開閉扉58bの次の開放までの期間(以下、「第2開閉扉閉鎖期間CLT」とも呼ぶ)を、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を遊技球が通過するまでの時間(本実施形態では2秒)以上、かつ、第2開閉扉58bの上面全面(V入賞領域FVに対応する領域と非V入賞領域FNVに対応する領域を合わせた領域)を遊技球が通過するまでの時間(本実施形態では6秒)未満に設定することによって、第1種大当たりに対応する開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすくなるように制御している。以下、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を遊技球が通過するまでの時間を、「非V入賞領域通過時間NVT」とも呼ぶ。また、第2開閉扉58bの上面全面を遊技球が通過するまでの時間を、「全面通過時間ALT」とも呼ぶ。すなわち、本実施形態においては、第1種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、第2開閉扉閉鎖期間CLTを、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTとなるように設定することで、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすくなるように制御している。以下、その原理について説明する。
非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLTに設定することによって、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球を、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過させ、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域まで流下させることができる。よって、遊技球発射機構81から0.6秒間隔で発射された遊技球が、可変入賞機構KHの基準点P0に0.6秒毎に到達し、第2開閉扉58bの上面の最上流部を0.6秒の間隔で通過する場合、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLTに設定することによって、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの最上流部に最先に到達した遊技球を、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過させ、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域まで流通させることができる。すなわち、第2開閉扉58bが閉鎖している期間中に、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域に少なくとも1個の遊技球が存在することになる。よって、第2開閉扉閉鎖期間CLTを非V入賞領域通過時間NVT以上の値に設定して第2開閉扉58bを開放状態に移行することで、遊技球をV入賞領域FVに入球しやすくすることができる。
また、第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTに設定することによって、当該遊技球が第2開閉扉58bの上面の最下流部を通過してしまう前に第2開閉扉58bを開放状態にして、当該遊技球をV入賞領域FVに入球させることができる。すなわち、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの最上流部に最先に到達した遊技球を第2大入賞口58a(V入賞領域FV)に入球させることができる。その結果、開閉実行モードにおいて、2ラウンド目において開閉扉の開放が開始された時点から最後のラウンドにおいて開放状態である開閉扉が閉鎖状態に移行するまでの期間において、可変入賞機構KHに到達した遊技球が第1大入賞口57aにも第2大入賞口58aにも入球せずに、可変入賞機構KHを通過してしまいアウト口43に入球してしまうことを抑制することができる。換言すれば、開閉実行モードにおいて、2ラウンド目において開閉扉の開放が開始された時点から最後のラウンドにおいて開放状態である開閉扉が閉鎖状態に移行するまでの期間において、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球を第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球させることができる。従って、遊技者は、第1種大当たり(8R第1種大当たり、16R第1種大当たり)に対応するラウンド遊技中に右打ちをした場合、可変入賞機構KHに到達した遊技球をほぼ取りこぼし無く大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)に入球させることができる。よって、遊技者は、ラウンド遊技中に効率良く特典(賞球)を得ることができる。
本実施形態においては、上記条件を満たす第2開閉扉閉鎖期間CLTの値として、第2開閉扉閉鎖期間CLT=3秒が開放シナリオに設定されている。また、1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した時点から、第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの期間も、開放シナリオによって3秒に設定されている。1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後に第1開閉扉57bの上面に最先に到達した遊技球が第2開閉扉58bの上面の最下流を通過するまでに第2開閉扉58bを開放状態に移行することによって、1ラウンド目の終了後から2ラウンド目の開始までに第2開閉扉58bの上面に到達した遊技球も、第2大入賞口58aに入球させることができる。結果として、開閉実行モードにおいて、1ラウンド目において開閉扉の開放が開始された時点から最後のラウンドにおいて開放状態である開閉扉が閉鎖状態に移行するまでの期間において、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球を第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球させることができる。このような理由により、本実施形態においては、1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した時点から、第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの期間は、開放シナリオによって3秒に設定されている。
また、第1種大当たりにおけるラウンド遊技の1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放させる理由は、後述する第2種大当たりの開閉実行モードにおける開閉扉の開閉パターンと、上記説明した第1種大当たりの開閉実行モードにおける開閉扉の開閉パターンとを類似させ、遊技者に対して、開閉扉の挙動から第1種大当たりであるか第2種大当たりであるかを判別させにくくするためである。なお、第2種大当たりにおけるラウンド遊技の1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放させる理由については後述する。
次に、第1種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動について説明する。上述のように、図83の上部に第1種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。当該グラフの縦軸は、可変入賞機構KHの基準点P0(図79(a)参照)を原点としたX方向の距離を示している。また、縦軸には、X方向における第1大入賞口57a(第1開閉扉57bの上面)に対応する領域および第2大入賞口58a(第2開閉扉58bの上面)に対応する領域を示した。
上述のように当該グラフの横軸は時間(秒)である。当該グラフに示した実線および破線は、1個の遊技球の挙動を示している。すなわち、当該実線および破線は、時間の経過とともに可変入賞機構KHの基準点P0からX方向に流下する遊技球の挙動を示している。本説明で示したグラフは、遊技球発射機構81から0.6秒間隔で発射された遊技球が、可変入賞機構KHの基準点P0に0.6秒毎に到達し、可変入賞機構KHをX方向に流通する場合の、当該遊技球の挙動について示した。
当該グラフに示した実線の太線の矩形領域は、第1種大当たりの第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンにおける、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開放状態に対応する領域(以下、開放領域とも呼ぶ)を示している。遊技球の挙動を示す実線が開放領域と重なる場合には、当該遊技球は、当該開放領域に対応する大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)に入球したことを示す。遊技球の挙動を示す破線は、当該遊技球が大入賞口に入らなかったとした場合の遊技球のX方向の挙動を示している。
また、遊技球の挙動を示す実線と開放領域との交点に示した点「・」は、大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)への遊技球の入球を示している。すなわち、1つの開放領域に接する点「・」の数が、当該開放領域に対応する開閉扉(第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58b)の開閉によって大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)に入球した遊技球の入球数である。上述のように、本実施形態においては、閉鎖条件として、開放状態の開閉扉に対応する大入賞口に7個の遊技球が入球した場合には開閉扉が開放状態から閉鎖状態に移行するため、第1開閉扉57bの1回の開放に対応する開放領域および第2開閉扉58bの1回の開放に対応する開放領域には、各々、7個の点「・」が接している。
また、各開放領域に接する点「・」のうち、開放領域を示す矩形の縦辺に接する点「・」は、開閉扉を開放状態にする前に既に開放扉の上面を流通しており、開閉扉の開放と同時に、開閉扉に対応する大入賞口(または入賞領域)に入球したことを示す。すなわち、図80に示した遊技球GB1、図81に示した遊技球GB3、図82に示した遊技球GB5および遊技球GB6の挙動に対応する。
一方、各開放領域に接する点「・」のうち、開放領域を示す矩形の横辺に接する点「・」は、開閉扉を開放状態にする前に各開閉扉より上流を流通しており、開閉扉の開放後に、開閉扉に対応する大入賞口(または入賞領域)に到達して大入賞口(または入賞領域)に入球したことを示す。すなわち、図80に示した遊技球GB2、図81に示した遊技球GB4の挙動に対応する。
本実施形態においては、第1種大当たり用(16R1種大当たり用、8R第1種大当たり用)の開放シナリオにおいて、第2開閉扉閉鎖期間CLT=3秒に設定した。従って、上述した「非V入賞領域通過時間NVT(2秒)≦第2開閉扉閉鎖期間CLT(3秒)」の条件を満たす。よって、当該グラフから分かるように、2ラウンド以降の毎ラウンドにおいて、第2大入賞口58aのV入賞領域FV領域に少なくとも1個の遊技球が入球している。
また、上述した「第2開閉扉閉鎖期間CLT(3秒)<全面通過時間ALT(6秒)」の条件を満たす。よって、図示の便宜上、5ラウンド目までしか示すことができないが、2ラウンド目の開始以降、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球が第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球していることが分かる。
なお、本実施形態においては、第1種大当たり用(16R1種大当たり用、8R第1種大当たり用)の開放シナリオにおいて第2開閉扉閉鎖期間CLT=3秒に設定したが、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値をさらに長くすることによって、2ラウンド以降の毎ラウンドにおいて、より一層多くの遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FV領域に入球するように制御することができる。例えば、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTを満たす第2開閉扉閉鎖期間CLTの値として、例えば、4秒や5秒といった値を設定することができる。
図84は、第2種大当たりを契機として実行される開閉実行モードにおける第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図84の下部には、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図84の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図84の下部に示したタイムチャートと、図84の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図84の下部に示すように、第2種大当たりを契機とする開閉実行モードにおける開閉パターンは、上述の第1種大当たりを契機とする開閉実行モードにおける開閉パターンと同様に、ラウンド遊技の1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉動作が1回実行される。その後、第2開閉扉58bの開閉動作が当該大当たりのラウンド数に達するまで実行される。
また、第2種大当たりを契機とした開閉実行モードにおいては、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開放状態から閉鎖状態への移行する条件である閉鎖条件が適用される。また、開放シナリオとして、8R第2種大当たり用開放シナリオが適用される。
上述のように、第2種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。本実施形態においては、開放シナリオに基づいて開閉扉を開放状態に移行するタイミングを制御することによって、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいようにしている。
まず、2ラウンド目以降における第2開閉扉58bの開閉制御について説明する。2ラウンド目以降において、第2開閉扉58bを複数回開閉しつつ、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入りにくいようにするために、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTに設定する。このように設定すると、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球が、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過する前に、第2開閉扉58bが開放する。さらに、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球は、非V入賞領域FNVに入球する。第2開閉扉58bが開放状態である期間においては、第2開閉扉58bの上面に到達した遊技球は、非V入賞領域FNVに入球する。そして、再び、第2開閉扉58bを閉鎖した場合、第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球が、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通するが、当該遊技球が非V入賞領域FNVに対応する領域を通過する前に第2開閉扉58bが開放するので、当該遊技球は非V入賞領域FNVに入球することとなる。よって、2ラウンド目以降においては、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTに設定することによって遊技球をV入賞領域FVに入球しにくくすることができる。本実施形態においては、上記条件を満たす第2開閉扉閉鎖期間CLTの値として、第2開閉扉閉鎖期間CLT=1.8秒が開放シナリオに設定されている。
次に、1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放する理由について説明する。上述のように、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、第2開閉扉58bを複数回開閉しつつ、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入りにくいように制御する。このとき、仮に、遊技者が開閉実行モードが開始される前から右打ちをしていた場合、1ラウンド目から第2開閉扉58bの開放を行うと、1ラウンド目の第2開閉扉58bの開放時に、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに遊技球が存在する可能性があり、この場合、第2種大当たりに対応する開閉実行モードであるにも関わらず、遊技球がV入賞領域FVに入球してしまう。そこで、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、最初に第2開閉扉58bの開放を行う際に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに遊技球が存在しない状態を確保するために、1ラウンド目に第1開閉扉57bの開放を行う。
第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後に、第1開閉扉57bの上面の最上流部に最先に到達した遊技球が、第1開閉扉57bの上面を通過し、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過する前に、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放することで、当該遊技球を第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球させることができる。すなわち、第1開閉扉57bを閉鎖状態に移行してから2ラウンド目に第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの時間は、第1開閉扉57bの上面の最上流部に最先に到達した遊技球が第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域の最下流部を進出するために必要な時間より短い時間(本実施形態においては2.6秒未満)であることが必要である。
また、1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放する前に第1開閉扉57bの上面の最下流を通過した遊技球(例えば、1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放する前に図81(a)に示した遊技球GB4の位置を流通する遊技球)が、1ラウンド目が終了し2ラウンド目が開始される時点において第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通している場合、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放してしまうと、遊技球がV入賞領域FVに入球してしまう。よって、1ラウンド目として第1開閉扉57bを開放状態に移行してから、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放状態に移行するまでの時間は、遊技球が第1開閉扉57bの上面の最下流を流通し第2開閉扉58bの上面の最下流を通過するために必要な時間より長い時間(本実施形態においては6.2秒以上)であることが必要である。
本実施形態においては、1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行してから2ラウンド目に第2開閉扉58bが開放するまでの期間として、2.5秒を開放シナリオに設定している。このように設定することで、第1開閉扉57bを閉鎖状態に移行してから2ラウンド目に第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの時間は2.5秒で、第1開閉扉57bの上面を通過するために必要な時間より短い時間(本実施形態においては2.6秒未満)となる。また、1ラウンド目として第1開閉扉57bを開放状態に移行してから、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放状態に移行するまでの時間は6.2秒以上となり、遊技球が第1開閉扉57bの上面の最下流を流通し第2開閉扉58bの上面の最下流を通過するために必要な時間より長い時間となる。よって、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいて、最初に第2開閉扉58bの開放を行う際に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域に遊技球が存在しない状態を確保することができる。
次に、第2種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動について説明する。上述のように、図84の上部に第2種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図83と同様に、本説明で示したグラフは、遊技球発射機構81から0.6秒間隔で発射された遊技球が、可変入賞機構KHの基準点P0に0.6秒毎に到達し、可変入賞機構KHをX方向に流通する場合の、当該遊技球の挙動について示した。
本実施形態においては、第2種大当たり用(8R第2種大当たり用)の開放シナリオにおいて、第2開閉扉閉鎖期間CLT=1.8秒に設定した。従って、上述した「第2開閉扉閉鎖期間CLT(1.8秒)<非V入賞領域通過時間NVT(2秒)」の条件を満たす。よって、当該グラフから分かるように、開閉実行モードの開始以降、第2開閉扉58bが複数回開閉しているにもかかわらず、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入球していない。また、図示の便宜上、5ラウンド目までしか示すことができないが、1ラウンド目の開始以降、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球が第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球していることが分かる。
なお、本実施形態においては、第2種大当たり用の開放シナリオにおいて第2開閉扉閉鎖期間CLT=1.8秒に設定したが、第2種大当たりにおける第2開閉扉閉鎖期間CLTの値は、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTであればよいので、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値をさらに短くすることができる。以上、遊技機による処理の概要について説明した。
C4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図85は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS30101では、各種検知センサーの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS30102に進む。
ステップS30102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30103に進む。
ステップS30103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図91)において、その値を更新する。
ステップS30104では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS30104の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS30104を実行した後、ステップS30105に進む。
ステップS30105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS30105におけるスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS30105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図85:S30104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図86は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS30201では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS30201において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S30201:YES)、ステップS30202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30203に進む。
ステップS30203では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS30204に進む。
ステップS30204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS30209に進む。
ステップS30201において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S30201:NO)、ステップS30205に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS30205において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S30205:YES)、ステップS30206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30207に進む。一方、ステップS30205において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S30205:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS30207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS30208に進む。
ステップS30208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS30209に進む。
ステップS30209では、上述したステップS30204又はステップS30208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS30209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S30209:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS30209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S30209:YES)、ステップS30210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS30211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS30212に進む。
ステップS30212では、ステップS30103(図85)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図91)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS30210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS30103(図85)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS30210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS30103(図85)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS30210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS30212を実行した後、ステップS30213に進む。
ステップS30213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS30213を実行した後、ステップS30214に進む。
ステップS30214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図91:ステップS30703)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS30214を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図86:S30213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図87は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS30301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップS30301を実行した後、ステップS30302に進む。
ステップS30302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップS30302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図87:S30301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図88は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS30401では、始動口用の入賞処理(図86)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS30402に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に実行される大当たり抽選の抽選結果を判定することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS30402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S30402:YES)、ステップS30403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS30405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS30402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S30402:NO)、ステップS30404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS30405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S30405:YES)、ステップS30406に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS30407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS30407を実行した後、ステップS30408に進む。
ステップS30408では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、第1種大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS30408において、第1種大当たりに対応していると判定した場合には(S30408:YES)、ステップS30409に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに第1種大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS30408において、第1種大当たりに対応していないと判定した場合には(S30408:NO)、ステップS30410に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに第2種大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S30405:NO)、ステップS30411に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS30412に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS30413に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS30413において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S30413:YES)、ステップS30414に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS30413において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S30413:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図87:S30302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図89は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS30501では、始動口用の入賞処理(図86)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS30502に進む。
ステップS30502では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した大当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(S30502:YES)、ステップS30503に進む。
ステップS30503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS30503を実行した後、ステップS30507に進む。
ステップS30507では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS30502において、大当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS30502:NO)、ステップS30504に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップS30504において、リーチが発生すると判定した場合には(S30504:YES)、ステップS30505に進む。
ステップS30505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS30507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS30504において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS30504:NO)、ステップS30506に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS30507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。先判定処理の一処理として変動時間取得処理を実行する時点、すなわち、先判定処理の対象となっている保留遊技回の変動時間を取得する時点においては、当該処理の対象となっている保留遊技回が遊技回として実行される時点における保留個数は不明である。そこで、本実施形態においては、第1始動保留個数RaN=0(および、第2始動保留個数RbN=0)と仮定した場合における変動時間を取得する。よって、本変動時間取得処理によって取得した変動時間は、先判定処理の対象となった保留遊技回が遊技回として実行される際の実際の変動時間とは値が異なる場合がある。本実施形態においては、先判定処理の一処理として実行する変動時間取得処理において取得した変動時間を「仮変動時間Th」とも呼ぶ。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、第1種大当たり用の変動時間テーブル、第2種大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図85:ステップS30105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図90は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS30601では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS30601において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S30601:YES)、ステップS30602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS30601において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S30601:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS30602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S30602:YES)、ステップS30603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS30604に進む。
ステップS30604では、ステップS30103(図85)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS30602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S30602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図91は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS30701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS30702に進む。
ステップS30702では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS30703に進む。
ステップS30703では、ステップS30702において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS30703を実行した後、ステップS30704に進む。
ステップS30704では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30705に進む。
ステップS30705では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS30706に進む。ステップS30706では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS30706を実行した後、ステップS30707に進む。
ステップS30707では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS30708に進む。
ステップS30708では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS30709に進む。
ステップS30709では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS30703のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS30709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S30709:NO)、ステップS30710及びステップS30711において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS30710において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS30711において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS30709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S30709:YES)、ステップS30703に戻り、ステップS30703からステップS30708までの各処理を実行する。
なお、ステップS30703からステップS30708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図91:S30706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図92は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS30801では、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの開始時にONにされ、開閉実行モードの終了時にOFFにされるフラグである。
ステップS30801において開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S30801:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS30802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS30801において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S30801:NO)、ステップS30802に進む。
ステップS30802では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS30802において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S30802:NO)、ステップS30803〜ステップS30806の遊技回開始用の処理に進む。ステップS30803では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS30803において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S30803:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30803において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S30803:NO)、ステップS30804に進む。
ステップS30804では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS30805に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS30805では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS30806に進む。
ステップS30806では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS30806を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS30802において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S30802:YES)、ステップS30807〜ステップS30811の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップS30807では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS30807では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図95)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS30807において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S30807:NO)、ステップS30808に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS30808を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS30807において、変動時間が経過していると判定した場合には(S30807:YES)、ステップS30809に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図94)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。ステップS30809を実行した後、ステップS30810に進む。
ステップS30810では、いずれかの大当たりフラグ(16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグ)がONであるか否かを判定する。ステップS30810において、いずれかの大当たりフラグがONである場合には(S30810:YES)、ステップS30811に進む。
ステップS30811では、開閉実行フラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30810において、いずれの大当たりフラグもONではない場合には(S30810:NO)、ステップS30811を実行せずに、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図92:S30804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図93は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS30901では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図74)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図74)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS30901の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS30901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS30901:YES)、ステップS30902〜ステップS30907の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS30901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS30901:NO)、ステップS30908〜ステップS30913の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS30902では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS30903に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS30904に進む。ステップS30904では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS30905に進む。
ステップS30905では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS30905を実行した後、ステップS30906に進む。
ステップS30906では、各種大当たりフラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS30907へ進む。
ステップS30907では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS30907において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図91)におけるステップS30703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS30901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS30901:NO)、ステップS30908に進む。
ステップS30908では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS30909に進む。ステップS30909では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS30910に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS30911に進む。
ステップS30911では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS30911を実行した後、ステップS30912に進む。
ステップS30912では、各種大当たりフラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS30913に進む。
ステップS30913では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS30913において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図91)におけるステップS30703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図92:S30805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図94は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS31001では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、第1種大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に第2種大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS31001において、高確率モードであると判定した場合には(S31001:YES)、ステップS31002に進む。
ステップS31002では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、当該変動開始処理が第1始動口33への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図75(b)に示す第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。また、当該変動開始処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図76(b)に示す第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS31004に進む。一方、ステップS31001において高確率モードではないと判定した場合には(S31001:NO)、ステップS31003に進む。
ステップS31003では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、当該変動開始処理が第1始動口33への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図75(a)に示す第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。また、当該変動開始処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図76(a)に示す第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS31004に進む。
ステップS31004では、ステップS31002又はステップS31003における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS31004において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S31004:YES)、ステップS31005〜ステップS31012において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS31005では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS31005において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S31005:NO)、ステップS31006に進み、第1始動口用の振分テーブル(図77(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、8R第1種大当たりの数値範囲、8R第2種大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS31005において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S31005:YES)、ステップS31007に進み、第2始動口用の振分テーブル(図77(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R第1種大当たりの数値範囲、8R第2種大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS31006又はステップS31007の処理を実行した後。ステップS31008に進む。
ステップS31008では、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別が第1種大当たりであるか否かを判定する。ステップS31008において、遊技結果が第1種大当たりであると判定した場合には(S31008:YES)、ステップS31009に進む。
ステップS31009では、第1種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。第1種大当たり用の停止結果設定処理とは、第1種大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第1種大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31009を実行した後、ステップS31010に進む。
ステップS31010では、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R第1種大当たりである場合には16R第1種大当たりフラグをONにし、8R第1種大当たりである場合には8R第1種大当たりフラグをONにする。その後、ステップS31016に進む。
一方、ステップS31008において、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別が第1種大当たりでないと判定した場合には(S31008:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が第2種大当たりである場合には、ステップS31011に進む。
ステップS31011では、第2種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。第2種大当たり用の停止結果設定処理とは、第2種大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第2種大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31011を実行した後、ステップS31012に進む。
ステップS31012では、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。本実施形態においては、第2種大当たりの種別は、8R第2種大当たりのみであるので、8R第2種大当たりフラグをONにする。なお、第2種大当たりの種別が複数設定されている場合には、対応する第2種大当たりフラグをONにする。その後、ステップS31016に進む。
ステップS31004において、ステップS31002又はステップS31003における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S31004:NO)、ステップS31013に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS31013において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(S31013:YES)、ステップS31014に進む。
ステップS31014では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31014を実行した後、ステップS31016に進む。
ステップS31013において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S31013:NO)、ステップS31015に進む。
ステップS31015では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31015を実行した後、ステップS31016に進む。
ステップS31016では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS31016を実行した後、ステップS31017に進む。
ステップS31017では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS31017において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S31017:NO)、ステップS31018に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS31016で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップS31017において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S31017:YES)、ステップS31019に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS31016で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS31018又はステップS31019を実行した後、ステップS31020に進む。
ステップS31020では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R第1種大当たりの情報、8R第1種大当たりの情報、8R第2種大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップS31018〜ステップS31020にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図91)におけるステップS30703によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS31020を実行後、ステップS31021に進む。
ステップS31021では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS31021を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図94:S31016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図95は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS31101では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS31102に進む。
ステップS31102では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、いずれかの大当たりフラグ(16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグ)がONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S31102:YES)、ステップS31103に進む。
ステップS31103では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS31107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS31102において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S31102:NO)、ステップS31104に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS31102において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S31104)を実行することから、ステップS31104においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S31104:YES)、ステップS31105に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS31105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS31107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS31104において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S31104:NO)、ステップS31106に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS31107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、第1種大当たり用の変動時間テーブル、第2種大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図91:S30707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図96は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS31201では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS31201において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S31201:NO)、ステップS31202に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bおよび第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉動作が終了するタイミングでOFFにされる。
ステップS31202において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S31202:NO)、ステップS31203に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS31203において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S31203:NO)、ステップS31204に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS31204において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S31204:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31204において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S31204:YES)、ステップS31205に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS31205において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S31205:YES)、ステップS31205に進む。一方、ステップS31205において、開閉実行モードフラグがOFFであると判定した場合には(S31205:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31206では、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS31207に進む。
ステップS31207では大当たり種別に対応した開放シナリオを設定する。具体的には、16R第1種大当たりである場合には、16R第1種大当たり用の開放シナリオを設定し、8R第1種大当たりである場合には、8R第1種大当たり用の開放シナリオを設定し、8R第2種大当たりである場合には、8R第2種大当たり用の開放シナリオを設定する。ステップS31207を実行した後、ステップS31208に進む。
ステップS31208では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS31208を実行した後、ステップS31209に進む。
ステップS31209では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図91)におけるステップS30703にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS31209を実行した後、ステップS31210に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31203において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S31203:YES)、ステップS31211に進む。
ステップS31211では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31211において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S31211:YES)、ステップS31212に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS31213に進む。
ステップS31213では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS31213を実行した後、ステップS31214に進む。
ステップS31214では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31202において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S31202:YES)、ステップS31215に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップS31215を実行した後、ステップS31216に進む。
ステップS31216では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(S31216:YES)、ステップS31217に進む。一方、ステップS31216において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(S31216:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS31217では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップS31218に進む。
ステップS31218では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS31218を実行した後、ステップS31219に進む。
ステップS31219では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS31219を実行した後、ステップS31220に進む。
ステップS31220では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図91)におけるステップS30603において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS31220を実行した後、ステップS31221に進む。
ステップS31221では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31201において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S31201:YES)、ステップS31222に進む。
ステップS31222では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S31219)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31222において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S31222:YES)、ステップS31223に進む。
ステップS31223では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS31224に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS31224を実行した後、ステップS31225に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS31222において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S31222:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図96:S31215)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図97は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS31301では、開閉扉が開放中であるか否かを判定する。すなわち、第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bが開放中であるか否かを判定する。ステップS31301において、開閉扉が開放中ではないと判定した場合には(S31301:NO)、ステップS31302に進む。
ステップS31302では、設定された開放シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、実行されるラウンド数をカウントするとともに、実行中のラウンドにおいて開閉扉の閉鎖状態を維持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマーカウンタでカウントすることによって、各開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)を開放状態に移行する条件が成立したか否かを判定する。ステップS31302において、開放シナリオの開放条件が成立してないと判定した場合には(S31302:NO)、本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS31302において、開放シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(S31302:YES)、ステップS31303に進む。
ステップS31303では、開放条件が成立したと判定された開放扉((第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)を開放する。ステップS31303を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS31301において、開閉扉が開放中であると判定した場合には(S31301:YES)、ステップS31304に進む。ステップS31304では、第2大入賞口58aのV入賞領域FVへの遊技球の入球を検知したか否かを判定する。ステップS31304において、第2大入賞口58aのV入賞領域FVへの遊技球の入球を検知した場合には(S31304:YES)、ステップS31305に進む。
ステップS31305では、V入賞フラグをONにする。V入賞フラグは、V入賞領域FVに遊技球が入球したことを示すフラグであって、当該ラウンド遊技の終了後に実行される通常の遊技回における抽選モードを高確率モードまたは低確率モードのいずれに設定するかの判定に用いられる。ステップS31305を実行した後、ステップS31306に進む。
ステップS31306では、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図91:ステップS30703)において音声発光制御装置90に送信される。V入賞コマンドを受信した音声発光装置は、V入賞演出を実行するための設定を実行する。V入賞演出はV入賞領域FVに遊技球が入球したことを遊技者に報知するための演出である。ステップS31306を実行した後、ステップS31307に進む。一方、ステップS31304において、第2大入賞口58aのV入賞領域FVへの遊技球の入球を検知しない場合には(S31304:NO)、ステップS31305およびステップS31306を実行せずに、ステップS31307へ進む。
ステップS31307では、閉鎖条件が成立したか否かを判定する。上述のように、閉鎖条件は、「開放状態の開閉扉に対応する大入賞口に7個の遊技球がしたこと」または「開放状態で10秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。ステップS31307において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S31307:NO)、本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS31307において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S31307:YES)、ステップS31308に進む。
ステップS31308では、開閉扉を閉鎖状態に移行する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図96:S31226)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図98は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS31401では、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS31401において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(S31401:YES)、ステップS31402に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。また、V入賞フラグをOFFにする。ステップS31402を実行した後、ステップS31403に進む。
ステップS31403では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS31404に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS31405に進む。
ステップS31405では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS31406に進む。
ステップS31406では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS31410に進む。
一方、ステップS31401において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には、(S31401:NO)、ステップS31407に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8第2種大当たりフラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS31408に進む。
ステップS31408では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS31409に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS31410に進む。
ステップS31410では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図91:S30708)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図99は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS31501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS31501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S31501:NO)、ステップS31502に進む。
ステップS31502では、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS31502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S31502:NO)、ステップS31503に進む。
ステップS31503では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS31503において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31503:YES)、ステップS31504に進む。
ステップS31504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS31504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S31504:YES)、ステップS31505に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS31504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S31504:NO)、ステップS31506に進む。
ステップS31506では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS31506において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S31506:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31506において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S31506:YES)、ステップS31507に進む。
ステップS31507では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS31508に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS31507において開閉実行モードではなく(S31507:NO)、且つ、ステップS31508において高頻度サポートモードである場合には(S31508:YES)、ステップS31509に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図78(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS31510に進む。
ステップS31510では、ステップS31509の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS31510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S31510:YES)、ステップS31511に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS31512に進む。一方、ステップS31510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S31510:NO)、ステップS31511の処理を実行することなく、ステップS31512に進む。
ステップS31512では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS31512において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S31512:YES)、ステップS31513に進む。一方、ステップS31512において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S31512:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS31513では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS31513において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S31513:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31513において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS31514に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS31515に進む。
ステップS31515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS31515にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、通常処理の外部出力処理(図91:ステップS30703)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS31507において開閉実行モードであると判定した場合(S31507:YES)、又は、ステップS31518において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S31508:NO)、ステップS31516に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS31517に進む。
ステップS31517では、ステップS31516の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS31517において、サポート当選でないと判定した場合には(S31517:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31517において、サポート当選であると判定した場合には(S31517:YES)、ステップS31518に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS31502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S31502:YES)、ステップS31519に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS31519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31519:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31519:YES)、ステップS31520に進む。
ステップS31520では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS31521に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS31501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S31501:YES)、ステップS31522に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図99:S31522)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図100は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS31601では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S31601:YES)、ステップS31602に進む。
ステップS31602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS31602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31602:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS31602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31602:YES)、ステップS31603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS31603を実行した後、ステップS31604に進む。
ステップS31604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS31605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S31605:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS31605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S31605:YES)、ステップS31606に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS31601において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S31601:NO)、ステップS31607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS31607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S31607:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS31507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S31607:YES)、ステップS31608に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS31609に進む。
ステップS31609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S31609:NO)、ステップS31610に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS31610において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S31610:YES)、ステップS31611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS31609において開閉実行モードであると判定した場合(S31609:YES)、又は、ステップS31610において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S31610:NO)、ステップS31612に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
C5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図101は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種大当たりフラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
C6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図102は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS31701では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS31701を実行した後、ステップS31702に進む。
ステップS31702では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS31702を実行した後、ステップS31703に進む。
ステップS31703では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS31702のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS31703を実行した後、ステップS31704に進む。
ステップS31704では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS31702のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS31704を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図102:S31702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図103は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS31801では、主側CPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドは、大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行する開閉実行モードのオープニング期間の開始時(図96:S31209)に、主側CPU62から音光側MPU92に送信されるコマンドである。ステップS31801において、主側CPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S31801:YES)、ステップS31802に進む。
ステップS31802では、オープニング演出および右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出用および右打ち報知用の各種ランプの発光データの設定および音声出力データの設定を行う。オープニング演出および右打ち報知演出は、開閉実行モードのオープニング期間に実行する演出である。本実施形態においては、オープニング演出として、開閉実行モードが開始されたことを遊技者に報知するための演出を実行する。また、右打ち報知演出として、遊技盤30の右側に遊技球を発射させることを促す演出と、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球を入球させることを促す演出とを実行する。ステップS31802を実行した後、ステップS31703に進む。
ステップS31703では、オープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。なお、表示側MPU102は、オープニング演出コマンドを受信すると、オープニング演出用および右打ち報知用の画像データを設定し、図柄表示装置41に当該画像データに基づいた映像を表示させる。ステップS31803を実行した後、ステップS31804に進む。
ステップS31804では、主側CPU62からV入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。V入賞コマンドは、開閉実行モードの大入賞口開閉処理の実行中に、遊技球がV入賞領域FVに入球した場合に、主側CPU62から音光側MPU92に送信されるコマンドである。ステップS31804を実行した後、ステップS31805に進む。
ステップS31805では、V入賞演出を実行するように設定する。具体的には、V入賞演出用の各種ランプの発光データの設定および音声出力データの設定を行う。V入賞領域FVに遊技球が入球したことを遊技者に報知する演出である。ステップS31805を実行した後、ステップS31806に進む。
ステップS31806では、V入賞演出コマンドを表示側MPU102に送信する。なお、表示側MPU102は、V入賞演出コマンドを受信すると、V入賞演出用の画像データを設定し、図柄表示装置41に当該画像データに基づいた映像を表示させる。ステップS31806を実行した後、ステップS31807に進む。
ステップS31807では、主側CPU62から受信したその他のコマンドに対応するための処理を実行する。ステップS31807を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図104は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS31901では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS31902に進む。
ステップS31902では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図105は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS32001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図106は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS32101では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図105)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S32101)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS32102では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S32101)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS32103に進む。
ステップS32103では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S32102)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS32104に進む。
ステップS32104では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S32103)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS32105に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、第2大入賞口58aを、V入賞領域FVと非V入賞領域FNVとが隣接した構成とし、第2大入賞口58aの開放および閉鎖を第2開閉扉58bで行うので、V入賞領域FVと非V入賞領域FNVの2つの入賞領域への遊技球の入球制御を、1つの開閉扉(第2大入賞口58a)の開閉制御によって行うことができる。
第1種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLTとなるように第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を設定することによって、第2大入賞口58aのV入賞領域FV領域に遊技球を入球させることができる。さらに、第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTとなるように第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を設定することによって、2ラウンド目の開始以降、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球を第2大入賞口58aに入球させることができる。
また、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTとなるように第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を設定することによって、第2開閉扉58bが複数回開閉しているにもかかわらず、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球を入球させないようにすることができる。
このように、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を制御することによって、V入賞領域FVおよび非V入賞領域FNVへの遊技球の入球を制御することができる。
ここで一般的な遊技機と比較した場合、一般的な遊技機においては、V入賞領域に遊技球を入球させる制御を実行するために、遊技球をV入賞領域に誘導するための誘導レバーを設置し、当該誘導レバーの動作制御を行うことで、V入賞領域への遊技球の入球を制御している。よって、大入賞口の開閉扉の動作制御とは別に誘導レバーの動作制御を行う必要があり、制御が複雑になる。
一方、本実施形態における遊技機は、第2開閉扉58bの動作制御によってV入賞領域FVへの遊技球の入球を制御することができるため、制御を簡易化することができる。その結果、制御プログラムを簡易化することができるため、プログラムを記録するための記憶容量も縮小することができる。
また、流路の上流側に大入賞口、下流側にV入賞領域FVを有する大入賞口(V入賞口)を備える一般的な遊技機の場合、遊技球がV入賞領域FVに入球しにくい開閉実行モードを実行する場合には、V入賞領域FVに遊技球が入らないようにするために、V入賞口の開閉扉をほとんど(又は全く)開放状態に遷移させないように制御したり、開放状態の時間を極端に短い時間に設定したりする必要がある。その他、下流側のV入賞口の内部に遊技球をV入賞領域FVに入球させるか否かを制御するための誘導弁を備える必要がある。このような遊技機の場合、開閉扉を開放状態と閉鎖状態との間で状態遷移させるための動作制御が複雑になるとともに、当該動作制御とは別に、上述した誘導弁の動作制御を行う必要があるため、制御が一層複雑になるとともに、当該制御を実行するためのプログラムを記憶させるための記憶領域も確保する必要がある。さらに、V入賞口の開閉扉をほとんど(又は全く)開放状態に遷移しない場合や、開放状態の時間が極端に短い場合には、遊技者から見ても、当該開放実行モードにおける期待感が減少してしまう。
一方、本実施形態における遊技機の場合、流路の上流側に大入賞口(第1大入賞口57a)、下流側にV入賞領域FVを有する大入賞口(第2大入賞口58a)を備え、上記の一般的な遊技機と似た構成であるが、本実施形態における遊技機の場合には、V入賞領域FVの上流側に非V入賞領域FNVを備えるので、非V入賞領域FNVとV入賞領域FVのどちらに遊技球を入球させるかの制御を第2開閉扉58bの動作制御で実現することができる。よって、上記した一般的な遊技機と比較して、制御を簡易化できるとともに、誘導弁の動作制御を実行するためのプログラムを記憶させるために必要な記憶領域を削減することができる。また、V入賞領域FVに遊技球が入球しにくいように設定された開閉実行モードであっても、第2開閉扉58bをある程度の期間は開放させることができるので、遊技者に対して、期待感や緊迫感を付与することができる。
さらに、本実施形態の遊技機は、第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整するための調整手段として、凸部59を備える。よって、第2開閉扉58bの上面に配置する凸部59の数を調整することによって第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整することができる。上述のように、本実施形態においては、V入賞領域FVへの遊技球の入球を制御するために、第1種大当たりにおける開閉実行モードにおいては、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLT、および、第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTの条件を満たすように制御をする必要があるが、第2開閉扉58bの上面に配置する凸部59の数を調整することによって非V入賞領域通過時間NVTおよび全面通過時間ALTを調整することができる。よって、当該条件を満たすための調整として、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値の調整に加えて、第2開閉扉58bの上面に配置する凸部59の数の調整も可能となるので、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値の設定幅を広げることができる。
また、本実施形態においては、第2大入賞口58aの上流側に第1大入賞口57aを備える。そして、開閉実行モードにおける1ラウンド目に第1開閉扉57bの開放を行うことによって、最初に第2開閉扉58bの開放を行う際に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに遊技球が存在しない状態を確保することができる。その結果、第2種大当たりに対応する開閉実行モードであるにも関わらず、遊技球がV入賞領域FVに入球してしまうことを回避することができる。
C7.変形例
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C7−1.変形例1:
図107は、第3実施形態の変形例1における可変入賞機構KHを説明する説明図である。図107(a)に示すように、変形例1における可変入賞機構KHは、第2大入賞口58aの上部に板状部材MD1を備える。さらに、可変入賞機構KHは、遊技球が流通する流通面上であって第2開閉扉58bより上流側に、磁性体部材MD2を備える。
図107(b)を用いて、板状部材MD1および磁性体部材MD2の機能を説明する。板状部材MD1は、遊技球が第2大入賞口58aの上流側に到達した時点において、第2開閉扉58bが開放状態であり、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球可能であるにも関わらず、流路に沿って進行する遊技球が何らかの要因によって、第2大入賞口58aより上流側において流路から浮いてしまい、非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制する機能を有する。図107(b)に示すように、仮に、遊技球が第2大入賞口58aより上流側において流路から浮いてしまった場合であっても、遊技球を板状部材MD1に衝突させ、遊技球の進路方向を非V入賞領域FNVの方向に変更し、遊技球を非V入賞領域FNVに入球させることができる。よって、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球可能であるにも関わらず非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
なお、板状部材MD1として、ゴム材や、樹脂、クッション性を有する緩衝部材等を採用してもよい。また、板状部材MD1に代えて、板状部材MD1の位置に、複数本の釘を配置してもよい。また、板状部材MD1の形状は、遊技球との衝突する面が波型であってもよいし、凹面であってもよいし、凹凸を有する形状であってもよい。
磁性体部材MD2は、板状部材MD1と同様に、遊技球が第2大入賞口58aの上流側に到達した時点において、第2開閉扉58bが開放状態であり、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVの入球可能であるにも関わらず、流路に沿って進行する遊技球が何らかの要因によって、第2大入賞口58aより上流側において流路から浮いてしまい、非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制する機能を有する。磁性体部材MD2は、磁性体からなる部材であり、その磁力によって遊技球を磁性体部材MD2側に引き寄せる。よって、遊技球が流路面から浮くことを抑制する。その結果、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球可能であるにも関わらず非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
なお、磁性体部材MD2に代えて、磁性体部材MD2の位置に、樹脂や、ゴム材など、遊技球と流路との間の衝撃を緩衝する緩衝部材を配置してもよい。緩衝部材を配置した場合、遊技球と流路との間の衝撃を緩衝することによって遊技球が流路から浮く方向の力を低減し、遊技球が流路から浮いてしまうことを抑制することができる。
C7−2.変形例2:
図108は、第3実施形態の変形例2における可変入賞機構KHを説明する説明図である。変形例2においては、図108(a)に示すように、第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aは、遊技球が流通する流路の側面に設けられている。また、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、遊技球が流通する流路の流路面に設けられている。第1開閉扉57bは、第1開閉扉57bが閉鎖状態の時に遊技球が第1大入賞口57aに入球することを防止するための第1入球防止部材57dを備える。また、第2開閉扉58bは、第2開閉扉58bが閉鎖状態の時に遊技球が第2大入賞口58aに入球することを防止するための第2入球防止部材58dを備える。
第1入球防止部材57dは、第1開閉扉57bが閉鎖状態のときに、第1大入賞口57aの開口部に遊技球が入球しない大きさに当該開口部を狭める機能を有する。また、第2入球防止部材58dは、第2開閉扉58bが閉鎖状態のときに、第2大入賞口58aの開口部に遊技球が入球しない大きさに当該開口部を狭める機能を有する。
図108(b)に示すように、第1開閉扉57bは、第1大入賞口57aの方向に傾斜することによって、閉鎖状態から開放状態に遷移する。第1開閉扉57bが第1大入賞口57aの方向に傾斜することによって、第1大入賞口57aの開口部は遊技球が入球するために十分な大きさとなる。また、第1開閉扉57bが第1大入賞口57aの方向に傾斜することによって、開放状態の第1開閉扉57bを流通する遊技球は、第1大入賞口57aの方向に誘導され、第1大入賞口57aに入球する。
さらに、第1開閉扉57bが傾斜することによって、第1開閉扉57bの上面と流路面との間に段差D1が生じるので、比較的速い速度で第1開閉扉57bを流通する遊技球であっても、当該段差に衝撃させることによって速度を低減させ第1大入賞口57aの方向に誘導することが可能であり、結果として、遊技球が開放状態の第1大入賞口57aに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
図108(c)に示すように、第2開閉扉58bは、第2大入賞口58aの方向に傾斜することによって、閉鎖状態から開放状態に遷移する。第2開閉扉58bが第2大入賞口58aの方向に傾斜することによって、第2大入賞口58a(非V入賞領域FNVおよびV入賞領域FV)の開口部は遊技球が入球するために十分な大きさとなる。また、第2開閉扉58bが第2大入賞口58aの方向に傾斜することによって、開放状態の第2開閉扉58bを流通する遊技球は、第2大入賞口58aの方向に誘導され、第2大入賞口58aに入球する。
さらに、第2開閉扉58bが傾斜した場合、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域と第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域との間に介在する壁部材Wは、第2開閉扉58bのように傾斜はせず、傾斜した第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域と、傾斜した第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域とを隔てる壁の機能を有する。よって、第2開閉扉58bが傾斜している場合には、比較的速い速度で第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球であっても、壁部材Wに衝撃させることによって速度を低減させ第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVの方向に誘導することが可能であり、結果として、遊技球が非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
また、第2開閉扉58bが傾斜した場合、傾斜した第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域と流路面との間に段差D2が生じるので、比較的速い速度で第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通する遊技球であっても、当該段差D2に衝撃させることによって速度を低減させ第2大入賞口58aのV入賞領域FVの方向に誘導することが可能であり、結果として、遊技球がV入賞領域FVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
さらに、変形例2における可変入賞機構KHは、第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整するための調整手段として、第2開閉扉58bの上面に磁性体部材59aが配置されている。磁性体部材59aは、その磁力によって遊技球の速度を減速させるので、第2開閉扉58bの上面に配置する磁性体部材59aの数を調整することによって、第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整することができる。また、磁性体部材59aが遊技球に及ぼす磁力の作用によって、第2開閉扉58bの上面を流通する遊技球が特異な動きをするため、遊技の興趣向上を図ることができる。
C7−3.変形例3:
開閉実行モードにおける開閉扉の開閉パターンは、上記第3実施形態において示した開閉パターンに限らず、種々の開閉パターンを採用することができる。
図109は、変形例3として、第1種大当たりを契機として実行される開閉実行モードにおける第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図109の下部には、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図109の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図109の下部に示したタイムチャートと、図109の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図示するように、変形例3の開閉パターンでは、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bとが交互に開閉する。この開閉パターンの場合、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間を制御することによって、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球を入球させるか否かを制御することができる。第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間は、開放シナリオに設定することができる。
例えば、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間を、遊技球が第1開閉扉57bの最上流部に進入してから第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域の最下流部を進出するまでに必要な時間より短く設定した場合には、図109の2ラウンド目の第2開閉扉58bの開放に示したように、遊技球をV入賞領域FVに入球させないようにすることができる。一方、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間を、遊技球が第1開閉扉57bの最上流部に進入してから第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域の最下流部を進出するまでに必要な時間より長く設定した場合には、図109の4ラウンド目の第2開閉扉58bの開放に示したように、遊技球をV入賞領域FVに入球させないようにすることができる。
このように、1連の開放パターンの中に第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉動作を種々に組み合わせることが可能である。さらに、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bとを開放させるタイミングを開放シナリオに設定して制御することによって、V入賞領域FVへの遊技球の入球を制御することが可能である。
その他、開閉扉の開閉パターンとして、第1開閉扉57bのみが開閉する開閉パターンや、第2開閉扉58bのみが開閉する開閉パターンを開放シナリオに設定してもよい。
また、上記第3実施形態においては、V入賞領域FVに遊技球が入球しやすい開閉パターンと、V入賞領域FVに遊技球が入球しにくい開閉パターンとが開放シナリオに設定されているが、開閉モードの実行中にV入賞領域FVに遊技球が入球する確率とV入賞領域FVに遊技球が入球しない確率が略等しい開閉パターンや、開閉モードの実行中にV入賞領域FVに遊技球が入球する確率が70%程度の開閉パターンを開放シナリオに設定してもよい。このような開閉パターンの場合、遊技球の挙動によって、V入賞領域FVに入球する場合と、V入賞領域FVに入球しない場合とが生じるので、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
C7−4.変形例4:
上記第3実施形態においては、非V入賞領域FNVとV入賞領域FVの2つの入球領域を1つの開閉扉(第2開閉扉58b)で開閉制御したが、そのような構成に限らず、1つの開閉扉で任意の数の入球領域の開閉を制御する構成を採用し、開閉扉の開閉パターンを制御することによって、各入球領域への遊技球の入球を制御することができる。また、遊技球が入球する領域は、大入賞口に限らず、種々の入球口を適用してもよい。本変形例においては、遊技球が入球可能な入球領域として一般化して説明をする。
図110は、変形例4としての、可変入賞機構KHを説明する説明図である。図示するように、可変入賞機構KHは、流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、流路の上流から下流に向けて隣接する3つの入球領域(入球領域U1、入球領域U2、入球領域U3)を有する。また、可変入賞機構KHは、3つの入球領域の開閉制御を行う開閉扉Rを備える。すなわち、開閉扉Rが開閉することによって、3つの入球領域が、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で同期して遷移する。なお、開閉扉Rの動作は、上記第3実施形態における第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bと同様に、主制御装置60によって制御されている。
図111は、第3実施形態の変形例4として、開閉扉Rの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図111の下部には、開閉扉Rの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図111の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図111の下部に示したタイムチャートと、図111の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図111に示した開閉パターンの場合、開閉扉Rが閉鎖状態に移行した後から次に開閉扉Rが開放するまでの時間を制御することによって、各入球領域への遊技球の入球の制御を行うことができる。なお、開閉扉Rが閉鎖状態に移行した後から次に開閉扉Rが開放するまでの時間は、開放シナリオに設定することができる。
図示するように、本変形例においては、開閉扉Rの1回目の開放で入球領域U1のみに遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの2回目の開放で入球領域U1および入球領域U2に遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの3回目の開放で入球領域U1、入球領域U2および入球領域U3に遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの4回目の開放で1回目の開放と同様に、入球領域U1のみに遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの5回目の開放で2回目の開放と同様に、入球領域U1および入球領域U2に遊技球が入球するように制御した。
このように、1つの開閉扉で任意の数の入球領域の開閉を制御する構成を採用し、開閉扉の開閉パターンを制御することによって、各入球領域への遊技球の入球を制御することができる。さらに、複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するので、各入球領域毎に状態の遷移を制御する場合と比較して、制御を簡易化することができる。
また、入球領域U1、入球領域U2および入球領域U3は流路の上流から下流に向けて隣接して配置されているので、流路を流通する遊技球の挙動に対応して複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行する場合に、少ない数の遊技球の挙動に対応して制御を実行することが可能となる。具体的に説明すると、流路を流通する遊技球の挙動に対応して複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動を把握する必要がある。例えば、比較例として、複数の入球領域が各々離れた位置に配置されている場合、流通する遊技球の挙動に対応して当該複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、離れて位置する各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動に対応した制御をする必要があり、制御が複雑化してしまう。すなわち、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が比較的大きく、当該全体の領域を流通する遊技球の数も比較的多くなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が多くなり、制御が複雑化する。一方、本変形例における複数の入球領域は隣接して配置されているため、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が上記比較例よりも小さくなり、当該全体の領域を流通する遊技球の数も少なくなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が少なくなり、制御を簡易化することができる。さらに、本変形例では、複数の入球領域は、流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の挙動を把握しやすく、制御をより簡易化することができる。具体的には、複数の入球領域は流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の方向がある程度一定の方向であるとともに、各入球領域に到達する遊技球の速度も各遊技球ごとのばらつきが小さい等、各入球領域に到達する各遊技球ごとの挙動のばらつきを小さくすることができる。結果として、各入球領域に到達する遊技球の挙動が把握しやすくなり、制御をより簡易化することができる。
C7−5.変形例5:
第2大入賞口58aに入球した遊技球が第2大入賞口58aの内部から排出されるのを遅延させる排出遅延手段を設ける構成を採用してもよい。以下、具体的に説明する。
第2大入賞口58aの内部には、当該第2大入賞口58aに入球した遊技球が第2大入賞口58aの内部から全て排出されたか否かを判定するための検知センサが設けられている。そして、1回のラウンドとして第2大入賞口58aが開放状態に遷移した後に閉鎖状態に遷移した場合には、第2大入賞口58aの内部から遊技球が全て排出されたか否かを当該検知センサを用いて判定する。その後、第2大入賞口58aから遊技球が全て排出されたことを条件として、次のラウンドを実行する。通常は、第2大入賞口58aが閉鎖状態に遷移した後から次の開放状態に遷移するまでの期間よりも、第2大入賞口58aの内部から遊技球が全て排出されるまでの期間の方が短いため、開放シナリオに設定した開放のタイミングで第2大入賞口58aを開放状態に遷移させることが可能である。
本変形例においては、第2大入賞口58aの内部に、遊技球が第2大入賞口58aの内部から排出されるのを遅延させる排出遅延手段を設ける。排出遅延手段としては、上面に凹面形状を有する円形のクルーンや、第2大入賞口58aの排出口の手前に設けられた迂回流路などを採用することができる。その他、遊技球が第2大入賞口58aの内部から排出されるのを遅延させる構成であれば、どのような構成を採用してもよい。
排出遅延手段が機能することによって、第2大入賞口58aの内部から遊技球が全て排出されるタイミングの方が、開放シナリオに設定された第2大入賞口58aを開放状態に遷移させるタイミングよりも後の場合、開放シナリオに設定されたタイミングより遅れたタイミングで58aが開放状態に遷移する場合が生じる。すなわち、排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度によって、第2大入賞口58aが開放シナリオに設定されたタイミングで開放状態に遷移する場合や、開放シナリオに設定されたタイミングより遅れて開放状態に遷移する場合がある。よって、第2大入賞口58aを開放状態に遷移させるタイミングを、予め設定されたタイミングとは異なるタイミングに変更することが可能である。
その結果、例えば、大当たり抽選において第2種大当たりに当選し、開閉実行モードにおいて、V入賞領域FVに遊技球が入球しにくいタイミングで第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aの開閉動作が実行されるような開放シナリオが設定されていた場合であっても、排出遅延手段が機能することによって、遊技球がV入賞領域FVに入球しやすいタイミングで第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aの開閉動作が実行される場合があり、遊技者に対して、期待感や緊張感を付与することができる。すなわち、排出遅延手段を設けることにより、どのような種別の大当たり(または小当たり)を契機として開閉実行モードが開始された場合であっても、遊技者に対して、期待感や緊張感を付与することができる。
なお、本変形例においては、排出遅延手段は第2大入賞口58aの内部に設けられているとしたが、第1大入賞口57aに設けられているとしてもよいし、第1大入賞口57aと第2大入賞口58aのいずれにも設けられているとしてもよい。
C7−6.変形例6:
上記第3実施形態においては、V入賞領域FVは、遊技球の入球が高確率モードを実行するための条件として設定された入球領域であったが、その他の構成を採用してもよい。例えば、V入賞領域FVが、遊技球の入球が大当たりに当選する条件として設定された入球領域であってもよい。例えば、大当たり抽選によって所定の小当たりに当選し、当該小当たりを契機として実行される開閉実行モードにおいてV入賞領域FVに遊技球が入球した場合に大当たりへの当選となる遊技機(所謂、1種2種混合機)におけるV入賞領域として採用してもよい。
C7−7.変形例7:
図112は、第3実施形態の変形例7における可変入賞機構KHを説明する説明図である。図示するように、変形例7における可変入賞機構KHは、遊技球が流通する流通面上であって第2開閉扉58bより上流側に、流通する遊技球を跳躍させる機能を有する跳躍促進部材JPを備える。
可変入賞機構KHを流通する遊技球が所定の速度以上で跳躍促進部材JPを流通することによって、当該遊技球は浮かび上がり、第2開閉扉58bが開放状態である場合には、非V入賞領域FNVを飛び越えて、V入賞領域FVに入球させることができる。よって、開閉実行モードにおいてV入賞領域FVに入球しにくい開閉パターンが開放シナリオとして設定されている場合であっても、跳躍促進部材JPの機能によってV入賞領域FVに遊技球が入球する可能性があり、その結果、どのような種別の大当たり(または小当たり)を契機として開閉実行モードが開始された場合であっても、遊技者に対して、期待感や緊張感を付与することができる。
さらに、変形例7における遊技機は、可変入賞機構KHに遊技球が到達するまでの流通経路上に遊技球の速度を遅らせる速度低減機構LTを備える。速度低減機構LTを通過した遊技球は、可変入賞機構KHを流通する際の速度が、速度低減機構LTを流通せずに可変入賞機構KHを流通する遊技球より遅く、跳躍促進部材JPを流通し浮かび上がった場合であっても、非V入賞領域FNVを飛び越えることができず、非V入賞領域FNVに入球する。
このように、速度低減機構LTを備えることによって、遊技球が速度低減機構LTを流通するか否かに遊技者の注目を集めることができる。よって、より一層、遊技の興趣向上を図ることができる。
D.第4実施形態:
D1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。
図113は、第4実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図114は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図115は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図115(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図115(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図115(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図115(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図115(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図115(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第1保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第2保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。
さらに、図柄表示装置41の表示面41aには、第1実行遊技回表示領域J1、第2実行遊技回表示領域J2、および、ステージStが表示される。第1実行遊技回表示領域J1および第2実行遊技回表示領域J2は、実行される遊技回(実行中の遊技回)が、第1始動口33への入賞に基づく遊技回か、第2始動口34への入賞に基づく遊技回かを示す。第1実行遊技回表示領域J1には第1始動口33への入賞に基づく遊技回が表示され、第2実行遊技回表示領域J2には第2始動口34への入賞に基づく遊技回が表示される。また、第1保留表示領域Ds1に表示されていた保留遊技回が遊技回として実行される場合には、第1保留表示領域Ds1に表示されていた保留遊技回を示す画像が第1実行遊技回表示領域J1に移動する。第2保留表示領域Ds2に表示されていた保留遊技回が遊技回として実行される場合には、第2保留表示領域Ds2に表示されていた保留遊技回を示す画像が第2実行遊技回表示領域J2に移動する。以下、第1実行遊技回表示領域J1に示す表示を第1実行遊技回表示とも呼び、第2実行遊技回表示領域J2に示す表示を第2実行遊技回表示とも呼ぶ。
ステージStは、後述するポイント付与演出に用いられる。ポイント付与演出およびステージStの用いられ方については、後で詳しく説明する。
また、図115(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1実行遊技回表示領域J1、第2実行遊技回表示領域J2、ステージSt、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
D2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図116は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図117は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図115(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図118は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図118(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図118(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図118(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図118(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
図119は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図119(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図119(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図119(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図119(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図120は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図120(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図120(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図120(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、8R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜24」が8R確変大当たりに対応しており、「25〜39」が8R通常大当たりに対応している。
図120(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、16R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜24」が16R確変大当たりに対応しており、「25〜39」が16R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図121は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図121(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図121(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図121(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図121(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
D3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図122は、本実施形態のパチンコ機10が実行するポイント付与演出(ケース1)を説明するタイムチャートである。ポイント付与演出は、遊技回の実行中に、所定のタイミングでポイントを付与する演出である。そして、付与されたポイントが10ポイント蓄積する毎に、ボタン押下演出が実行される。ボタン押下演出は、遊技者に演出操作ボタン24を押下することを促す演出である。そして、ボタン押下演出が実行されている期間に遊技者が演出操作ボタン24を押下することによって、または、ボタン押下演出が実行されている期間の経過後に、当該遊技回に係る大当たり抽選において大当たりに当選している可能性(期待度)を示唆する演出が実行される。なお、ボタン押下演出が実行されている期間に遊技者が演出操作ボタン24を押下することによってのみ、当該遊技回に係る大当たり抽選において大当たりに当選している可能性(期待度)を示唆する演出が実行されるとしてもよい。以下、ポイント付与演出(ケース1)をタイムチャートに沿って具体的に説明する。
図122には、1回の遊技回において実行されるポイント付与演出およびボタン押下演出がタイムチャートとして示されている。図122に示した遊技回においては、図柄の変動が開始されると同時に演出a1が実行される。演出a1が実行されることによって、表示面41aに液晶用図柄の変動を示す画像が表示されたり、所定のキャラクタ画像が表示される。また、これらの画像の表示に伴って、音声の出力やランプの点灯も実行される。変動の開始後、図示するように、所定のタイミングにおいて、ポイント付与演出X1が実行される。図示した[+4P]は、当該ポイント付与演出において4ポイントが付与されることを示す。
図123は、ポイント付与演出X1が実行される様子を示す説明図である。図123(a)に示すように、表示面41aのメイン表示領域MAにおいては演出a1に対応する画像が表示されている。その後、演出a1の実行中に、表示面41aの上部を、カメのキャラクタが右から左に向かって通過する。図123(b)に示すように、表示面41aの上部中央にカメのキャラクタが位置したタイミングで、付与されるポイント数が表示された真珠が投下される。その後、図123(c)に示すように、投下された真珠に対応する画像は、表示面41aの下部中央のステージStに到達したタイミングで、付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像に変化し蓄積される。すなわち、ステージStに表示されている真珠の数は、蓄積しているポイント数に対応する。このとき、ステージStの色は白色から赤色に変化する。ステージStの色の変化については、後で詳しく説明する。
当該ポイント付与演出において付与されるポイント数は、カメのキャラクタが表示面41aの上部中央を通過し、付与されるポイント数が表示された真珠の画像が表示されたタイミングで初めて遊技者に報知される。よって、ポイント付与演出が開始されカメのキャラクタが表示面41aの上部中央を通過するまでの期間に、遊技者に対して、付与されるポイント数に対する期待感を与えることができる。なお、変形例として、カメのキャラクタが投下する真珠の画像に、付与されるポイント数が表示されない構成を採用してもよい。このようにすることで、投下された真珠がステージSt上に到達して付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像が表示されるまでの期間、遊技者に対してポイント数に対する期待感を付与することができる。また、後述するが、本実施形態においては、ポイントが付与されないポイント付与演出が実行される場合がある(図130参照)。この場合は、カメのキャラクタは、ポイントの付与を意味する真珠の投下をせずに表示面41aの右端から左端に通過する。よって、本変形例のように、カメのキャラクタが投下する真珠の画像に、付与されるポイント数が表示されない構成を採用した場合、第1段階として、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現した時点で、ポイント付与演出が実行されることを遊技者に認識させることができ期待感を付与することができる。そして、第2段階として、カメのキャラクタが真珠を投下した時点で、実行されたポイント付与演出が、ポイントが付与されないポイント付与演出ではないことを遊技者に認識させることができ、さらに遊技者に期待感を付与することができる。その後、カメが投下した真珠がステージStに到達し、付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像が表示された時点で、付与されたポイント数を認識した遊技者に対して期待感や高揚感を付与することができる。すなわち、本変形例を採用した場合には、カメのキャラクタが出現したタイミング、カメのキャラクタからポイントの付与を意味する真珠が投下されたタイミング、投下された真珠がステージStに到達して付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像が表示されたタイミングの3つのタイミングにおいて段階的に遊技者に期待感を付与することができる。
説明を図122に戻す。図122には、ポイント付与演出が実行されることによって蓄積したポイント数を「蓄積ポイント」として示した。4ポイントを付与するポイント付与演出X1が実行されたことによって4ポイントが蓄積されたため、蓄積ポイントとして<4P>を図示している。
ポイント付与演出X1が実行された後、所定のタイミングでポイント付与演出X2が実行される。図122に示すように当該ポイント付与演出においては3ポイントが付与される。
図124は、ポイント付与演出X2が実行される様子を示す説明図である。図124(a)に示すように、ポイント付与演出X2においては、ポイント付与演出X1と同様に、演出a1の実行中に、表示面41aの上部を、カメのキャラクタが右から左に向かって通過する。そして、表示面41aの上部中央にカメのキャラクタが位置したタイミングで、付与されるポイント数が表示された真珠が投下される。その後、図124(c)に示すように、投下された真珠に対応する画像は、ステージStに到達したタイミングで、付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像に変化し蓄積される。ポイント付与演出X2が実行されることによって、3ポイントが付与され、蓄積ポイントは7ポイントとなり、ステージStには蓄積ポイント数に対応した7個の真珠が表示される。
図122に示すように、ポイント付与演出X2が実行された後、所定のタイミングでポイント付与演出X3が実行される。図示するように当該ポイント付与演出においては5ポイントが付与される。
図125は、ポイント付与演出X3が実行される様子を示す説明図である。図125(a)に示すように、ポイント付与演出X3においては、ポイント付与演出X1およびポイント付与演出X2と同様に、演出a1の実行中に、表示面41aの上部を、カメのキャラクタが右から左に向かって通過する。そして、表示面41aの上部中央にカメのキャラクタが位置したタイミングで、付与されるポイント数が表示された真珠が投下される。その後、図125(c)に示すように、ステージSt上の画像は、投下された真珠に対応する画像がステージStに到達したタイミングで、1個の貝の画像と、2ポイントを示す2個の真珠の画像に変化して表示される。蓄積されたポイントの合計は12ポイントとなるが、蓄積ポイントが10ポイント以上となっているため、本実施形態においては、10ポイント分の蓄積ポイントは1個の貝の画像として表示する。また、貝の画像の下には、ボタン押下演出が実行されるまでの時間を示すタイマを表示する。貝およびタイマが表示される演出をタイマ演出とも呼ぶ。
図126は、タイマ演出およびボタン押下演出を説明する説明図である。図126(a)にはタイマ演出が実行される様子を示した。図示するように、ステージStの近傍に、蓄積ポイントの10ポイント分を示す貝の画像が表示される。当該貝の画像は、後にボタン押下演出が実行されることを示す。また、貝の画像の下には、ボタン押下演出が実行されるまでの時間を示すタイマが表示される。当該タイマは、時間の経過とともにカウントダウンされる。また、ポイント付与演出X3が実行されたことによって12ポイントとなった蓄積ポイントのうち、貝に変化した10個の真珠に相当する10ポイント以外の残りの2ポイント分は、ステージStに2個の真珠として表示される。
タイマ演出が実行されている期間中も、表示面41aのメイン表示領域MAでは、演出a1が実行される。そして、タイマ演出によって示されているタイマの残時間が0(ゼロ)になるとボタン押下演出が実行される。
図126(b)には、ボタン押下演出が実行される様子を示した。ボタン押下演出は、遊技者に対して演出操作ボタン24を押下することを促す演出である。具体的には、タイマ演出において表示されていた貝が開いた画像が表示されると共に、「押せ!」と言う文字が表示される。
また、本例においては、ボタン押下演出が開始される直前、すなわち、タイマ演出によるタイマの残時間が0になる直前に、演出a1としてメイン表示領域MAにおいて変動表示している液晶用図柄が擬似的に停止した状態(以下、擬似停止状態とも呼ぶ)となる。そして、液晶用図柄が擬似停止状態で、ボタン押下演出が実行され、遊技者が所定のタイミングで演出操作ボタン24を押下すると、図126(c)に示すように、演出a2が開始されるとともに、再び液晶用図柄が変動を開始する。
なお、擬似停止状態においては、液晶用図柄は完全には停止しておらず、わずかに変動しており、パチンコ機10の内部処理においては液晶用図柄が変動表示している状態である。液晶用図柄の擬似停止状態は、演出上、液晶用図柄があたかも停止表示に移行したかのように遊技者に認識させるための表示状態である。このように1遊技回の中で図柄の擬似的な停止と、再度の変動開始を行うことにより、あたかも遊技回を跨いで連続的に予告演出を実行しているかのように遊技者に認識させるための演出を、本実施形態においては擬似連続予告演出とも呼ぶ。
すなわち、本説明においては、ボタン押下演出は、擬似連続予告演出から演出a2の実行に切り替える契機として用いられている。ボタン押下演出をこのように用いることによって、擬似的に停止した液晶用図柄を視認することによって、大当たり抽選が外れであったと一時的に認識した遊技者に対して、ボタン押下演出の実行中に自らが演出操作ボタン24を押下することによって、大当たり抽選の外れ結果を一時的に回避できたように感じさせることができ、遊技者に安堵感や期待感を付与することができる。
また、遊技回の実行中に、ポイント付与演出が実行されると、ポイントが付与されるとともに、当該ポイントは蓄積される。そして、10ポイントが蓄積される毎にタイマ演出が開始され、タイマの残時間が0になるタイミングでボタン押下演出が実行される。よって、ポイント付与演出を遊技回において実行する毎に、遊技者に対して、期待感を付与することができる。また、10ポイントが蓄積されるとボタン押下演出が実行され、ボタン押下演出が実行されたタイミングで遊技者がボタンを押下することによって、その後に、擬似停止した外れ結果を示す液晶用図柄を再び変動させる演出や、当該遊技回の期待度を示唆する演出など、種々の演出が実行されるので、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
なお、ボタン押下演出が実行された後は、タイマ演出およびボタン演出に対応する貝の画像の表示は消えて、残りの2ポイント分の蓄積ポイントを示す2個の真珠の画像が表示された状態となる。
ポイント付与演出が実行されポイントが蓄積された状態であるにも関わらず、10ポイント以上の蓄積がない状態で当該遊技回が終了した場合には、当該蓄積ポイントがリセット(蓄積ポイント:0)される場合と、次の遊技回に繰り越される場合とがある。蓄積ポイントが遊技回の終了時にリセットされるか繰り越されるかは、パチンコ機10による所定の処理によって決定される。当該処理については、後で詳しく説明する。
また、パチンコ機10は、全ての遊技回においてポイント付与演出を実行するのではなく、一部の遊技回においてポイント付与演出を実行する。特に、リーチ(大当たり抽選は「外れ」)である遊技回や、大当たりである遊技回において高い頻度で実行する。
図127は、本実施形態のパチンコ機10が実行するポイント付与演出(ケース2)を説明するタイムチャートである。本説明においては、ポイント付与演出において付与された蓄積ポイントが遊技回を跨いで蓄積される場合について説明する。
図示するように、遊技回U1では、変動が開始されるとともに、演出b1が実行される。演出b1では、表示面41aに液晶用図柄の変動を示す画像が表示されたり、所定のキャラクタ画像が表示される。その後、所定のタイミングにおいて、ポイント付与演出Y1が実行される。図示するように、当該ポイント付与演出においては5ポイントが付与される。よって、蓄積ポイントは5ポイントとなる。その後、遊技回U1の変動は終了する。この時、ポイント付与演出(ケース2)においては、遊技回U1の変動終了時に、蓄積ポイントは、リセットされずに、次に実行される遊技回U2に繰り越される。
また、本実施形態においては、図127の「ステージStの色」の欄に示したように、当該遊技回において当該蓄積ポイントが繰り越されるのか、繰り越されないのかを遊技者に示唆するために、ステージStの色を以下のように制御する。
(1)ポイントが蓄積されていない場合には、ステージStは白色に設定する。
(2)ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越される場合には、ステージStは黄色に設定する。
(3)ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越されない場合には、ステージStは橙色に設定する。
ステージStの色を上記(1)〜(3)のように制御する。
図127の「ステージStの色」の欄に示したように、ポイント付与演出(ケース2)の場合、遊技回U1において最初にポイントが蓄積された時点で、ステージStが白色から黄色に変化する。その後、遊技回U2においても、蓄積ポイントは遊技回U3に繰り越されるため、ステージStの色は黄色の状態が維持される。そして、遊技回U3が開始されると、遊技回U3では蓄積ポイントは次回の遊技回に繰り越されないため、ステージStの色は黄色から橙色に変化する。その後、遊技回U3では、最後までポイントが蓄積された状態で終了するため、遊技回U3が実行されている期間はステージStの色は橙色が維持される。
図128は、ステージStの色を説明する説明図である。図128(a)には、ポイントが蓄積されていない場合のステージStを示した。ステージStの色は白色に設定されている。図128(b)には、ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越される場合のステージStを示した。ステージStの色は黄色に設定されている。図128(c)には、ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越されない場合のステージStを示した。ステージStの色は橙色に設定されている。このように、蓄積ポイントが繰り越されるのか繰り越されないかを、ステージStの色を用いて遊技者に認識可能に示唆する。
蓄積ポイントが繰り越されるか繰り越されないかを遊技者に示唆することで、例えば、ステージStの色が蓄積ポイントが繰り越されることを示す黄色である場合には、実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上とならなかったとしても、当該遊技回から繰り越される蓄積ポイントと、次回の遊技回において付与されるポイントとによって、次回の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上となる可能性が高くなったと遊技者に推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
説明を図127に戻す。遊技回U1が終了し、遊技回U2が開始されると、演出b2が実行される。その後、所定のタイミングでポイント付与演出Y2が実行される。図示するように、当該ポイント付与演出においては6ポイントが付与される。よって、蓄積ポイントは11ポイントとなる。このとき、蓄積ポイントが10ポイント以上となったため、10個分の真珠の画像は貝の画像に変化するが、遊技回U2の実行中には、ボタン押下演出までの時間を示すタイマは表示されず、「待機中」の文字が表示される。以下、「待機中」の文字が表示される演出を待機中演出とも呼ぶ。
図129は、待機中演出を説明する説明図である。図示するように、待機中演出が実行されると、貝の画像の下に「待機中」の文字が表示される。待機中演出は、当該遊技回ではボタン押下演出は実行されず、次回以降の遊技回において、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対応するボタン押下演出が実行されることを示す。そして、10ポイント分の蓄積ポイントに対応するボタン押下演出が実行される遊技回に移行した時点で、待機中演出に代わってタイマ演出が実行され、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対応するボタン押下演出が実行されるまでの時間のカウントダウンが実行される。
図127に示すように、ポイント付与演出Y2が終了したのち、所定のタイミングでポイント付与演出Y3が実行される。当該ポイント付与演出においては0ポイントが付与される。すなわち、ポイント付与演出は実行されるにも関わらず、ポイントは付与されない。よって、蓄積ポイントは11ポイントのままとなる。
図130は、ポイントが付与されないポイント付与演出を説明する説明図である。図130では、遊技回U2で実行されるポイント付与演出Y3を示した。
ポイント付与演出が開始されると、通常のポイント付与演出と同様に、カメのキャラクタが表示面41aの上部の右端から現れ、中央に向かって進行する。そして、図130(b)に示すように、カメのキャラクタが表示面41aの上部中央に位置したタイミングであっても、カメのキャラクタは何もせずに、図130(c)に示すように、そのまま左側に進行し表示面41aの上部左端に進出していく。このようにポイント付与演出[0P]を実行することによって、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。その後、図柄が停止し、遊技回U2は終了する。なお、遊技回U2における蓄積ポイントは次回の遊技回(遊技回U3)に繰り越されるように設定されている。
遊技回U3が開始されると、演出b3が実行されるとともに、遊技回U2において実行されていた待機中演出に代わって、タイマ演出が実行される。図127では、後に実行される別のタイマ演出と区別するためタイマ演出1と表記する。タイマ演出1は、直近に実行されるボタン押下演出1に対応する演出である。すなわち、タイマ演出1におけるタイマに表示される時間は、ボタン押下演出1が実行されるまでの時間である。
図127に示すように、遊技回U3が開始されてから所定のタイミングでポイント付与演出Y4[+3P]およびポイント付与演出Y5[+7P]が実行される。当該2回のポイント付与演出によって合計で10ポイントが付与される。よって、蓄積ポイントは21ポイントとなる。上述のように、ボタン押下演出は10ポイント分の蓄積ポイント毎に1回実行されるので、遊技回U3では、ボタン押下演出1に加え、ボタン押下演出2が実行される。よって、ポイント付与演出Y5が実行され21ポイントの蓄積ポイントが蓄積された時点で、ボタン押下演出2に対応するタイマ演出2が実行される。
図131は、遊技回U3で実行されるタイマ演出およびボタン押下演出を説明する説明図である。図131(a)には、タイマ演出1およびタイマ演出2が実行される様子を示した。図示するように、タイマ演出2に対応する貝の画像およびタイマは、タイマ演出1に対応する貝の画像およびタイマの左側に表示される。上述のように、タイマ演出1に対応するタイマには、ボタン押下演出1が実行されるまでの時間がカウントダウンされて表示される。タイマ演出2に対応するタイマには、ボタン押下演出2が実行されるまでの時間がカウントダウンされて表示される。よって、タイマ演出1に対応するタイマに表示されている時間と、タイマ演出2に対応するタイマに表示されている時間とは異なる。このように、タイマ演出に対応する画像を複数表示することによって、遊技者に対して、ボタン押下演出が2回実行されることを示すことができるとともに、より一層期待感を付与することができる。
その後、図127に示すように、ボタン押下演出1が実行される。図131(b)には、ボタン押下演出1が実行される様子を示した。ボタン押下演出1が開始されると、タイマ演出1において表示されていた貝が開いた画像が表示されると共に、「押せ!」と言う文字が表示される。なお、タイマ演出2に対応する画像はそのまま表示される。
図127に示すように、ボタン押下演出1が終了した後、演出b4が実行される。演出b4の実行中も、タイマ演出2は、ボタン押下演出2が実行されるまでの時間をカウントダウンして表示する。その後、タイマ演出2においてカウントダウンしていた時間が0を表示すると、ボタン押下演出2が実行される。図131(c)には、ボタン押下演出2が実行される様子を示した。ボタン押下演出2が実行されると、タイマ演出2において表示されていた貝が開いた画像が表示されると共に、「押せ!」と言う文字が表示される。
図127に示すように、ボタン押下演出2が実行された後、演出b5が実行され、その後、図柄が停止し遊技回U3は終了する。以上、ポイント付与演出(ケース2)について説明した。
なお、本実施形態においては、遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりではない場合より、大当たりである場合の方が、当該遊技回においてボタン押下演出が実行される確率が高くなるように設定されている。
以上説明したように、本実施形態においては、ボタン押下演出を実行することによって、ボタン押下演出が実行された場合に大当たり抽選の結果が「大当たり」、または、「外れ(リーチ発生)」となる確率が高いことを遊技者に推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。また、ポイント付与演出を実行することによって、蓄積ポイントが10ポイント以上となった場合にボタン押下演出が実行されることを認識した遊技者に対して、ポイント付与演出を実行する毎に期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、遊技回において蓄積した蓄積ポイントを、当該遊技回の終了の契機としてリセットする場合と、リセットせずに次回の遊技回に繰り越す場合とがある。蓄積ポイントが当該遊技回の終了の契機としてリセットする場合があることによって、遊技回が終了するまでに蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積するように遊技者に所望させ、ポイント付与演出に対する遊技者の期待感をより一層増加させることができる。さらに、遊技回が開始され、ポイント付与演出の実行の実行によってポイントが蓄積されたことを認識した遊技者に対して、蓄積ポイントがリセットしてしまうかもしれない当該遊技回の終了する時期を意識させ、蓄積ポイントの蓄積する態様、すなわちポイント付与演出の実行の態様に注目させることができる。
また、蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越す場合があることによって、仮に実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しなかった場合であっても、次回遊技回まで繰り越せば当該遊技回において蓄積したポイントは有効であるので、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しないことに対する遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
D4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図132は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS40101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS40102に進む。
ステップS40102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS40103に進む。
ステップS40103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS40104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図138)において、その値を更新する。
ステップS40104では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS40104の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS40104を実行した後、ステップS40105に進む。
ステップS40105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS40105におけるスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS40105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図132:S40104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図133は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS40201では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS40201において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S40201:YES)、ステップS40202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS40203に進む。
ステップS40203では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS40204に進む。
ステップS40204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS40209に進む。
ステップS40201において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S40201:NO)、ステップS40205に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS40205において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S40205:YES)、ステップS40206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS40207に進む。一方、ステップS40205において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S40205:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS40207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS40208に進む。
ステップS40208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS40209に進む。
ステップS40209では、上述したステップS40204又はステップS40208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS40209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S40209:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS40209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S40209:YES)、ステップS40210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS40211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS40212に進む。
ステップS40212では、ステップS40103(図132)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図138)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS40210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS40103(図132)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS40210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS40103(図132)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS40210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS40212を実行した後、ステップS40213に進む。
ステップS40213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS40213を実行した後、ステップS40214に進む。
ステップS40214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図138:ステップS40703)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS40214を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図133:S40213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図134は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS40301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップS40301を実行した後、ステップS40302に進む。
ステップS40302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップS40302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図134:S40301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図135は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS40401では、始動口用の入賞処理(図133)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS40402に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS40402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S40402:YES)、ステップS40403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS40405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS40402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S40402:NO)、ステップS40404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS40405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS40405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S40405:YES)、ステップS40406に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS40407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS40407を実行した後、ステップS40408に進む。
ステップS40408では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS40408において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S40408:YES)、ステップS40409に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS40408において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S40408:NO)、ステップS40410に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS40405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S40405:NO)、ステップS40411に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS40412に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS40413に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS40413において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S40413:YES)、ステップS40414に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS40413において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S40413:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図134:S40302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図136は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS40501では、始動口用の入賞処理(図133)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS40502に進む。
ステップS40502では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した大当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(S40502:YES)、ステップS40503に進む。
ステップS40503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS40503を実行した後、ステップS40507に進む。
ステップS40507では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS40502において、大当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS40502:NO)、ステップS40504に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップS40504において、リーチが発生すると判定した場合には(S40504:YES)、ステップS40505に進む。
ステップS40505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS40507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS40504において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS40504:NO)、ステップS40506に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS40507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。先判定処理の一処理として変動時間取得処理を実行する時点、すなわち、先判定処理の対象となっている保留遊技回の変動時間を取得する時点においては、当該処理の対象となっている保留遊技回が遊技回として実行される時点における保留個数は不明である。そこで、本実施形態においては、第1始動保留個数RaN=0(および、第2始動保留個数RbN=0)と仮定した場合における変動時間を取得する。よって、本変動時間取得処理によって取得した変動時間は、先判定処理の対象となった保留遊技回が遊技回として実行される際の実際の変動時間(後述する変動時間設定処理において取得される変動時間)とは値が異なる場合がある。本実施形態においては、先判定処理の一処理として実行する変動時間取得処理において取得した変動時間を「仮変動時間」とも呼ぶ。本実施形態においては、ポイント付与演出を実行するにあたって行われる処理において、当該仮変動時間の値を用いる。仮変動時間を用いた処理については後述する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図132:ステップS40105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図137は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS40601では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS40601において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S40601:YES)、ステップS40602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS40601において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S40601:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS40602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S40602:YES)、ステップS40603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS40604に進む。
ステップS40604では、ステップS40103(図132)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS40602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S40602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図138は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS40701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS40702に進む。
ステップS40702では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS40703に進む。
ステップS40703では、ステップS40702において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS40703を実行した後、ステップS40704に進む。
ステップS40704では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS40705に進む。
ステップS40705では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS40706に進む。ステップS40706では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1結果表示部37a,第2結果表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS40706を実行した後、ステップS40707に進む。
ステップS40707では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS40708に進む。
ステップS40708では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS40709に進む。
ステップS40709では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS40703のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS40709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S40709:NO)、ステップS40710及びステップS40711において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS40710において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS40711において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS40709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S40709:YES)、ステップS40703に戻り、ステップS40703からステップS40708までの各処理を実行する。
なお、ステップS40703からステップS40708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図138:S40706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図139は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS40801では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS40801においてオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S40801:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップS40802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS40801において、特別遊技状態中でないと判定した場合には(S40801:NO)、ステップS40802に進む。
ステップS40802では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS40802において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S40802:NO)、ステップS40803〜ステップS40805の遊技回開始用の処理に進む。ステップS40803では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS40803において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S40803:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS40803において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S40803:NO)、ステップS40804に進む。
ステップS40804では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS40805に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS40805では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS40806に進む。
ステップS40806では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS40806を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS40802において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S40802:YES)、ステップS40807〜ステップS40809の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップS40807では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS40807では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図142)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS40807において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S40807:NO)、ステップS40808に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS40808を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS40807において、変動時間が経過していると判定した場合には(S40807:YES)、ステップS40809に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図141)において決定された結果表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。ステップS40809を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図139:S40804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図140は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS40901では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図117)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図117)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS40901の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS40901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS40901:YES)、ステップS40902〜ステップS40907の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS40901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS40901:NO)、ステップS40908〜ステップS40913の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS40902では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS40903に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS40904に進む。ステップS40904では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS40905に進む。
ステップS40905では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS40905を実行した後、ステップS40906に進む。
ステップS40906では、各種フラグ記憶エリア64gの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS40907へ進む。
ステップS40907では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS40907において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図138)におけるステップS40703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS40901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS40901:NO)、ステップS40908に進む。
ステップS40908では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS40909に進む。ステップS40909では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS40910に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS40911に進む。
ステップS40911では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS40911を実行した後、ステップS40912に進む。
ステップS40912では、各種フラグ記憶エリア64gの第2結果表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS40913に進む。
ステップS40913では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS40913において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図138)におけるステップS40703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図139:S40805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図141は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS41001では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS41001において、高確率モードであると判定した場合には(S41001:YES)、ステップS41002に進む。
ステップS41002では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図118(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS41004に進む。一方、ステップS41001において高確率モードではないと判定した場合には(S41001:NO)、ステップS41003に進む。
ステップS41003では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図118(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS41004に進む。
ステップS41004では、ステップS41002又はステップS41003における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS41004において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S41004:YES)、ステップS41005〜ステップS41012において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS41005では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS41005において、第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S41005:NO)、ステップS41006に進み、第1始動口用の振分テーブル(図120(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS41005において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S41005:YES)、ステップS41007に進み、第2始動口用の振分テーブル(図120(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS41006又はステップS41007の処理を実行した後。ステップS41008に進む。
ステップS41008では、ステップS41006又はステップS41007において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS41008において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S41008:YES)、ステップS41009に進む。
ステップS41009では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS41006又はステップS41007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS41009を実行した後、ステップS41010に進む。
ステップS41010では、ステップS41006又はステップS41007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS41016に進む。
一方、ステップS41008において、ステップS41006又はステップS41007において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S41008:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS41011に進む。
ステップS41011では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS41006又はステップS41007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS41011を実行した後、ステップS41012に進む。
ステップS41012では、ステップS41006又はステップS41007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS41016に進む。
ステップS41004において、ステップS41002又はステップS41003における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S41004:NO)、ステップS41013に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS41013において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(S41013:YES)、ステップS41014に進む。
ステップS41014では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS41014を実行した後、ステップS41016に進む。
ステップS41013において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S41013:NO)、ステップS41015に進む。
ステップS41015では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS41015を実行した後、ステップS41016に進む。
ステップS41016では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS41016を実行した後、ステップS41017に進む。
ステップS41017では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS41017において、RAM64の第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S41017:NO)、ステップS41018に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS41016で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップS41017において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S41017:YES)、ステップS41019に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS41016で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS41018又はステップS41019を実行した後、ステップS41020に進む。
ステップS41020では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップS41018〜ステップS41020にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図138)におけるステップS40703によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS41020を実行後、ステップS41021に進む。
ステップS41021では、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2結果表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2結果表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS41021を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図141:S41016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図142は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS41101では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS41102に進む。
ステップS41102では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S41102:YES)、ステップS41103に進む。
ステップS41103では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS41107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS41102において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S41102:NO)、ステップS41104に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS41102において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S41104)を実行することから、ステップS41104においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S41104:YES)、ステップS41105に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS41105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS41107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS41104において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S41104:NO)、ステップS41106に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS41107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図138:S40707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図143は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS41201では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS41201において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S41201:NO)、ステップS41202に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉実行モードフラグは、遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS41202において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S41202:NO)、ステップS41203に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS41203において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S41203:NO)、ステップS41204に進み、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS41204において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S41204:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41204において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S41204:YES)、ステップS41205に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S41205:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41205において、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S41205:YES)、ステップS41206に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS41207に進む。
ステップS41207では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS41207を実行した後、ステップS41208に進む。
ステップS41208では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図138)におけるステップS40703にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS41208を実行した後、ステップS41209に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41203において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S41203:YES)、ステップS41210に進む。
ステップS41210では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41210において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S41210:YES)、ステップS41211に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS41212に進む。
ステップS41212では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS41212を実行した後、ステップS41213に進む。
ステップS41213では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認する。ステップS41213において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変フラグ又は16R通常フラグであると判定した場合には(S41213:YES)、ステップS41214に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
一方、ステップS41213において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変フラグ又は8R通常フラグであると判定した場合には(S41213:NO)、ステップS41215に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS41214又はステップS41215を実行した後、ステップS41216に進む。
ステップS41216では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41202において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S41202:YES)、ステップS41217に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS41217を実行した後、ステップS41218に進む。
ステップS41218では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S41219:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S41218:YES)、ステップS41219に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップS41219を実行した後、ステップS41220に進む。
ステップS41220では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS41220を実行した後、ステップS41221に進む。
ステップS41221では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、特別遊技状態におけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS41221を実行した後、ステップS41222に進む。
ステップS41222では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図138)におけるステップS40603において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS41222を実行した後、ステップS41223に進む。
ステップS41223では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41201において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S41201:YES)、ステップS41224に進む。
ステップS41224では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S41223)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41224において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S41224:YES)、ステップS41225に進む。
ステップS41225では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS41226に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS41226を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS41224において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S41224:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図143:11217)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図144は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS41301では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS41301において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S41301:NO)、ステップS41302に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41302において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S41302:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS41302において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S41302:NO)、ステップS41303に進む。
ステップS41303では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41303において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S41303:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS41303において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S41303:YES)、ステップS41304に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS41305に進む。
ステップS41305では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS41305を実行した後、ステップS41306に進む。
ステップS41306では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図138:ステップS40703)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS41301において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS41301:YES)、ステップS41307に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS41307において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S41307:NO)、ステップS41308に進む。
ステップS41308では、大入賞口36aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS41308において、入賞が発生していないと判定した場合には(S41308:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS41308において、入賞が発生していると判定した場合には(S41308:YES)、ステップS41309に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS41310に進む。
ステップS41310では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41310において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S41310:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS41307において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S41307:YES)、又は、ステップS41310において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S41310:YES)、ステップS41311に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS41312に進む。
ステップS41312では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS41313に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41313において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S41313:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS41313において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S41313:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS41314を実行した後、ステップS41315に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図138:ステップS40703)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図143:S41226)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図145は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS41401では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS41401において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S41401:YES)、ステップS41402に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS41402を実行した後、ステップS41403に進む。
ステップS41403では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS41404に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS41405に進む。
ステップS41405では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS41406に進む。
ステップS41406では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS41410に進む。
一方、ステップS41401において、RAM64に、16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S41401:NO)、ステップS41407に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS41408に進む。
ステップS41408では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS41409に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS41410に進む。
ステップS41410では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図138:S40708)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図146は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS41501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS41501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S41501:NO)、ステップS41502に進む。
ステップS41502では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS41502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S41502:NO)、ステップS41503に進む。
ステップS41503では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS41503において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S41503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S41503:YES)、ステップS41504に進む。
ステップS41504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS41504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S41504:YES)、ステップS41505に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS41504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S41504:NO)、ステップS41506に進む。
ステップS41506では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS41506において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S41506:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS41506において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S41506:YES)、ステップS41507に進む。
ステップS41507では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS41508に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS41507において開閉実行モードではなく(S41507:NO)、且つ、ステップS41508において高頻度サポートモードである場合には(S41508:YES)、ステップS41509に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図121(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS41510に進む。
ステップS41510では、ステップS41509の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS41510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S41510:YES)、ステップS41511に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS41512に進む。一方、ステップS41510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S41510:NO)、ステップS41511の処理を実行することなく、ステップS41512に進む。
ステップS41512では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS41512において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S41512:YES)、ステップS41513に進む。一方、ステップS41512において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S41512:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS41513では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS41513において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S41513:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS41513において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS41514に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS41515に進む。
ステップS41515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS41515にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図138:ステップS40703)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS41507において開閉実行モードであると判定した場合(S41507:YES)、又は、ステップS41518において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S41508:NO)、ステップS41516に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS41517に進む。
ステップS41517では、ステップS41516の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS41517において、サポート当選でないと判定した場合には(S41517:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS41517において、サポート当選であると判定した場合には(S41517:YES)、ステップS41518に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS41502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S41502:YES)、ステップS41519に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S41519:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS41519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S41519:YES)、ステップS41520に進む。
ステップS41520では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS41521に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS41501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S41501:YES)、ステップS41522に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図146:S41522)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図147は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS41601では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S41601:YES)、ステップS41602に進む。
ステップS41602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S41602:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS41602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S41602:YES)、ステップS41603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS41603を実行した後、ステップS41604に進む。
ステップS41604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS41605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S41605:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS41605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S41605:YES)、ステップS41606に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS41601において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S41601:NO)、ステップS41607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S41607:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS41507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S41607:YES)、ステップS41608に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS41609に進む。
ステップS41609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S41609:NO)、ステップS41610に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS41610において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S41610:YES)、ステップS41611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS41609において開閉実行モードであると判定した場合(S41609:YES)、又は、ステップS41610において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S41610:NO)、ステップS41612に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
D5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図148は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種大当たりフラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
D6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図149は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS41701では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS41701を実行した後、ステップS41702に進む。
ステップS41702では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理は、主側MPU62から受信したコマンドに対応して実行される処理である。コマンド対応処理の詳細は後述する。ステップS41702を実行した後、ステップS41703に進む。
ステップS41703では、ポイント付与演出実行処理を実行する。ポイント付与演出実行処理は、遊技回の実行中におけるポイント付与演出に関する各種処理を実行するための処理である。ポイント付与演出実行処理の詳細は後述する。ステップS41703を実行した後、ステップS41704に進む。
ステップS41704では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS41702のコマンド対応処理およびステップS4703のポイント付与演出実行処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS41704を実行した後、ステップS41705に進む。
ステップS41705では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS41702のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS41705を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図149:S41702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図150は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS41801では、主側MPU62から保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS41801において、保留コマンドを受信していると判定した場合には(S41801:YES)、ステップS41802に進む。一方、ステップS41801において、保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S41801:NO)、ステップS41806に進む。
ステップS41802では、入賞時の更新処理を実行する。入賞時の更新処理では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS41802の入賞時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS41802を実行した後、ステップS41803に進む。
ステップS41803では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS41802において特定された第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示領域Ds1および第2保留表示領域Ds2の表示態様を制御する。ステップS41803を実行した後、ステップS41804に進む。
ステップS41804では、保留コマンドの内容を遊技回設定情報記憶エリア94dに格納する。すなわち、主側MPU62によって実行された先判定処理によって取得された情報が保留コマンドによって音光側MPU92に送信され、当該送信された保留コマンドに含まれる先判定処理の情報を遊技回設定情報記憶エリア94dに格納する。
図151は、遊技回設定情報記憶エリア94dの構成を説明する説明図である。遊技回設定情報記憶エリア94dは、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアと第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアとを有する。図151(a)には第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアを示し、図151(b)には第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアを示した。なお、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアと第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアとは構成が同じであるので、図151(a)に示した第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアについて説明し、図151(b)に示した第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアについての説明は省略する。
図示するように、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアは、先判定情報エリアと、演出情報エリアとに区分されている。また、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている各情報は、各保留遊技回毎に記憶されている。第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに示された保留遊技回(n=1〜4)は、第1始動口の保留遊技回(n=1)から第1始動口の保留遊技回(n=4)の順に保留遊技回が実行される。
第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの先判定情報エリアには、第1始動口用の保留遊技回(n)毎に、主側MPU62が実行した先判定処理によって取得された情報(以下、先判定情報とも呼ぶ)が記憶される。先判定情報は、主側MPU62が実行した先判定処理によって取得された情報であり、保留コマンドによって主側MPU62から音光側MPU92に送信された情報である。音光側MPU92は、保留コマンドに含まれる情報を、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの先判定情報エリアに記憶する。
第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアは、先判定情報エリアに記憶された情報に基づいて、後述する演出情報設定処理によって設定された情報が記憶される記憶エリアである。演出情報エリアについては後述する。
第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの先判定情報エリアには、各保留遊技回毎に、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、仮変動時間が記憶されている。上述のように、仮変動時間は、当該保留遊技回が遊技回として実行される時点において第1始動保留個数RaN=0および、第2始動保留個数RbN=0と仮定した場合における当該保留遊技回の変動時間である。
先判定情報エリアに記憶された先判定情報および演出情報エリアに記憶された演出情報は、各保留遊技回自体に紐付けされており、遊技回が実行される毎に、記憶されるエリアが隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。例えば、図151(a)に示したように、遊技回が1回実行されると、保留遊技回(n=2)の記憶エリアに記憶されていた先判定情報および演出情報は保留遊技回(n=1)の記憶エリアにシフトし、保留遊技回(n=3)の記憶エリアに記憶されていた先判定情報および演出情報は保留遊技回(n=2)の記憶エリアにシフトし、保留遊技回(n=4)の記憶エリアに記憶されていた先判定情報および演出情報は保留遊技回(n=3)の記憶エリアにシフトする。
説明を図150に戻す。ステップS41804を実行した後、ステップS41805に進む。ステップS41805では、演出情報設定処理を実行する。演出情報設定処理は、遊技回設定情報記憶エリアに記憶された情報に基づいて種々の判定を行い、各遊技回において実行する演出に関する各種事項を設定する処理である。演出情報設定処理の詳細については後述する。ステップS41805を実行した後、ステップS41806に進む。
ステップS41806では、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS41806において、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信したと判定した場合には(S41806:YES)、ステップS41807に進む。
ステップS41807では、演出設定処理を実行する。演出設定処理は、当該遊技回において実行する演出を設定する処理である。演出設定処理については後述する。ステップS41807を実行した後、ステップS41808に進む。
一方、ステップS41806において、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S41806:NO)、ステップS41807を実行しないでステップS41808に進む。
ステップS41808では、主側MPU62から受信したその他のコマンドに対応するための処理を実行する。ステップS41808を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
<入賞時の更新処理>
次に、入賞時の更新処理について説明する。入賞時の更新処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図150:S41802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図152は、入賞時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS41901では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS41901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S41901:YES)、ステップS41902に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS41902を実行した後、ステップS41904に進む。
ステップS41901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S41901:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS41903に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS41903を実行した後、ステップS41904に進む。
ステップS41902及びステップS41903の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS41904では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS41904を実行した後、本入賞時の更新処理を終了する。
<演出情報設定処理>
次に、演出情報設定処理について説明する。演出情報設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図150:S41805)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
上述のように、演出情報設定処理は、遊技回設定情報記憶エリアに記憶された情報に基づいて種々の判定を行い、各遊技回において実行する演出に関する各種事項を設定する処理である。そして、設定した各種事項は、遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアに記憶される。説明の便宜上、先に、遊技回設定情報記憶エリア(第1始動口用遊技回設定情報記憶エリア、第2始動口用遊技回設定情報記憶エリア)の演出情報エリア(図151参照)について説明をする。その後、演出情報設定処理について説明をする。
図151(a)に示すように、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアは、各保留遊技回毎に、ポイント付与演出フラグ、連続演出最終遊技回フラグ、繰越遊技回フラグ、合計付与ポイント数、演出シナリオNo、ポイント付与シナリオNoの記憶エリアを有する。
ポイント付与演出フラグについて説明する。ポイント付与演出フラグは、遊技回がポイント付与演出を実行する遊技回に設定された場合にONになるフラグである。
連続演出最終遊技回フラグについて説明する。本実施形態において連続演出とは、蓄積ポイントが遊技回を跨いで繰り越され、蓄積ポイントが複数の遊技回に亘って用いられる場合のポイント付与演出である。そして、連続演出を実行する遊技回のうちの最後の遊技回を連続演出最終遊技回とも呼ぶ。連続演出最終遊技回フラグは、遊技回が連続演出最終遊技回に設定された場合にONとなるフラグである。
繰越遊技回フラグについて説明する。本実施形態において繰越遊技回とは、連続演出を実行する遊技回のうち連続演出最終遊技回より先に実行される遊技回、すなわち、蓄積ポイントが繰り越される遊技回である。繰越遊技回フラグは、遊技回が繰越遊技回に設定された場合にONとなるフラグである。
なお、演出情報エリアに記憶されている上記のポイント付与演出フラグ、連続演出最終遊技回フラグ、繰越遊技回フラグは、後述する演出設定処理において、これらのフラグに対応する遊技回の演出が設定された後に、遊技回設定情報記憶エリアの更新(図163:S42112)によって、OFFにされる(リセットされる)。
連続演出最終遊技回および繰越遊技回について、より具体的に説明すると、例えば図127のポイント付与演出(ケース2)の場合、蓄積ポイントは遊技回U1〜遊技回U3の一連の連続した3つの遊技回で用いられるため、当該ポイント付与演出は3つの遊技回に亘って実行される連続演出である。そして、遊技回U1および遊技回U2は、蓄積ポイントが繰り越される遊技回であるので繰越遊技回である。遊技回U3は、連続演出を実行する遊技回のうちの最後の遊技回であるので連続演出最終遊技回である。また、本実施形態においては、連続演出を実行する遊技回の数を実行遊技回数Npと呼ぶ。図127のポイント付与演出(ケース2)の場合、3回の遊技回を用いて連続演出を実行するのでNp=3となる。実行遊技回数Npは、当該処理(演出情報設定処理)において用いられる。
演出シナリオナンバー(以下、演出シナリオNoとも表記する)について説明する。本実施形態においては、演出シナリオとは、処理対象遊技回において実行する動画の種類や、当該動画を実行するタイミング、ポイント付与演出を実行するタイミング等、処理対象遊技回において実行される演出に関する種々の事項が設定されたプログラムである。音光側ROM93には、複数の演出シナリオが記憶されている。演出シナリオNoは、各演出シナリオに対応して付された符号であり、一の演出シナリオを特定するために用いられる。
ポイント付与シナリオナンバー(以下、ポイント付与シナリオNoとも表記する)について説明する。本実施形態においては、ポイント付与シナリオとは、各演出シナリオに設定されたポイント付与演出において付与されるポイント数が設定されたプログラムである。音光側ROM93には、複数のポイント付与シナリオが記憶されている。ポイント付与シナリオNoは、各ポイント付与シナリオに対応して付された符号であり、一のポイント付与シナリオを特定するために用いられる。以上、遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアについて説明をした。
次に演出情報設定処理について説明をする。演出情報設定処理では、処理対象となっている保留遊技回に対応する演出情報エリアに記憶されている演出情報(ポイント付与演出フラグ、連続演出最終遊技回フラグ、繰越遊技回フラグ、合計付与ポイント数、演出シナリオNo、ポイント付与シナリオNo)を設定する処理である。
図153は、演出情報設定処理を示すフローチャートである。演出情報設定処理において実行される処理は、大きく3つの処理群から構成される。
ステップS42003〜ステップS42008の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
ステップS42011〜ステップS42015の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、当該処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
ステップS42016〜ステップS42018の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、処理対象遊技回において他の遊技回との連続性を有さないポイント付与演出を実行する場合(連続演出を実行しない場合)、または、ポイント付与演出を実行しない場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
以下に、演出情報設定処理の詳細を説明するが、説明の便宜上、上記の3つの処理群のいずれを実行するかの判断処理(ステップS42001、ステップS42002、ステップS42010)について説明した後、先に、ステップS42016〜ステップS42018の処理群について説明し、次に、ステップS42003〜ステップS42008の処理群について説明し、最後に、ステップS42011〜ステップS42015の処理群について説明する。
ステップS42001では、遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている情報の読み込みを実行する。処理対象遊技回が第1始動口33への遊技球の入球に基づく場合には、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記録されている情報を読み込み、処理対象遊技回が第2始動口34への遊技球の入球に基づく場合には、第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記録されている情報を読み込む。ステップS42001を実行した後、ステップS42002に進む。
ステップS42002では、遊技回設定情報記憶エリアの処理対象遊技回に対応する先判定情報エリアの情報に基づいて、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であるかを判定する。ステップS42002において、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」および「外れ(リーチ発生)」のいずれでもないと判定した場合、すなわち、「外れ(リーチ非発生)」であると判定した場合には(S42002:NO)、ステップS42010に進む。
ステップS42010では、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)の連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かを判定する。当該処理を実行することによって、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)を繰越遊技回に設定し、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出が実行可能であるか否かを判定する。本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出を実行する場合は、連続演出を実行する遊技回の回数(実行遊技回数Np)を2に設定しているため、連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かの判定の対象となる先行遊技回は、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回のみとなる。
処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回においてポイント付与演出を実行しない設定となっている場合、または、当該先行保留遊技回の1回でポイント付与演出を実行する(連続演出を実行しない)設定となっている場合に、先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグはOFFに設定されている。なお、処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回が連続演出における繰越遊技回に設定されている場合はなく、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回が繰越遊技回であることによって先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがOFFに設定されている場合はない。以下、その理由を説明する。
処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点においては、既に、先行保留遊技回の演出情報が設定されているが、本実施形態においては、処理対象遊技回における演出情報設定処理の実行に伴って、既に設定された先行保留遊技回の演出情報が修正(再設定)される場合がある。本実施形態においては、連続演出最終遊技回が設定された後に、当該設定に伴って当該連続演出最終遊技回より先に実行される先行保留遊技回が繰越遊技回として設定(再設定)される。よって、処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点(つまり、処理対象遊技回の演出情報が未だ設定されていない時点)において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回が連続演出における繰越遊技回に設定されていることはない。なお、既に設定された先行保留遊技回の演出情報が修正(再設定)される場合については、ステップS42003〜ステップS42008の処理群およびステップS42011〜ステップS42015の処理群について述べる際に詳しく説明する。
ステップS42010において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONであると判定した場合には(S42010:YES)、ステップS42016に進む。すなわち、上記のステップS42016〜ステップS42018の処理群に進む。上述したように、ステップS42016〜ステップS42018の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、処理対象遊技回において他の遊技回との連続性を有さないポイント付与演出を実行する場合(連続演出を実行しない場合)、または、ポイント付与演出を実行しない場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。本実施形態においては、処理対象遊技回の演出を設定する時点において、既に連続演出最終遊技回に設定されている先行保留遊技回については、当該連続演出最終遊技回の設定が優先され、後で連続演出における繰越遊技回に修正(再設定)されることはない。よって、ステップS42010において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONある場合には、処理対象遊技回において先行保留遊技回との連続性を有さない演出を設定する処理群(ステップS42016〜ステップS42018の処理群)を実行する。
ステップS42016では、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行するか否かを抽選によって決定する。当該処理におけるポイント付与演出は、他の遊技回との連続性を有さず処理対象遊技回1回で実行するポイント付与演出である。本実施形態においては、本処理における抽選は、所定の乱数を用いて実行し、ポイント付与演出を実行するという抽選結果になる確率が50%になるように設定されている。ステップS42016を実行した後、ステップS42017に進む。
ステップS42017では、ステップS42016の抽選の結果を判定し、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行するという抽選結果と判定した場合には(S42017:YES)、ステップS42018に進む。
ステップS42018では、処理対象遊技回1回で実行するポイント付与演出において付与するポイントの合計(合計付与ポイント)を決定する。本処理では、合計付与ポイントは、所定の抽選によって決定し、合計付与ポイントが0ポイントから9ポイントの間になるように設定されている。すなわち、当該処理対象遊技回において蓄積ポイントが10ポイント分蓄積されてボタン押下演出が実行されることのないように設定されている。大当たり抽選の結果が「大当たり」でもなく「外れ(リーチ発生)」でもない遊技回においてボタン押下演出を実行させて遊技者に不要な期待感を付与してしまうことを抑制するためである。ステップS42018を実行した後、ステップS42009に進む。
一方、ステップS42017においてステップS42016の抽選の結果を判定し、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行しないという抽選結果であると判定した場合には(S42017:NO)、ステップS42018を実行しないで、ステップS42009に進む。
ステップS42009では、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新する。具体的には、ステップS42016〜ステップS42018において決定した事項を、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアに記録する。例えば、処理対象遊技回1回でポイント付与演出を実行すると決定した場合には、ポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、ステップS42018において決定した合計付与ポイントの値に設定する。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoはNULLに設定する。本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを生成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。処理対象遊技回1回でポイント付与演出を実行する場合に設定する演出パターンテーブルについては後述する。
また、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行しないと決定した場合には、ポイント付与演出フラグをOFF、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、設定せずNULLとなる。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoは、設定せずNULLとなる。
ステップS42009において、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新した後、当該演出情報設定処理を終了する。
次に、ステップS42003〜ステップS42008の処理群について説明する。上述のように、ステップS42003〜ステップS42008の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
上記したように、ステップS42002では、遊技回設定情報記憶エリアの処理対象遊技回に対応する先判定情報エリアの情報に基づいて、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であるか否かを判定する。そして、ステップS42002において、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であると判定した場合には(S42002:YES)、ステップS42003に進む。
ステップS42003では、遊技回設定情報記憶エリアにおける処理対象遊技回より前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグを読み込み、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数を特定する。本処理においては、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数を特定することによって、処理対象遊技回より前の先行保留遊技回を繰越遊技回として用いるとともに、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回として用いた連続演出が実行可能か判定をする。処理対象遊技回より前の先行保留遊技回の演出情報は既に設定されているが、本実施形態においては、当該処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回は、繰越遊技回として再設定可能な遊技回と判断する。以下、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数を再設定可能遊技回数Fnとも呼ぶ。
例えば、図151(a)に示した第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの場合、処理対象遊技回が保留遊技回(n=4)である場合には、保留遊技回(n=4)から見て連続する遊技回である保留遊技回(n=3)と保留遊技回(n=2)の連続演出最終遊技回フラグが連続してOFFであるので、この場合、再設定可能遊技回数Fn=2である。なお、図151(a)に示した第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアは、保留遊技回(n=4)が演出情報設定処理の処理対象遊技回である場合を示しているので、保留遊技回(n=4)の演出情報エリアの情報は未設定である。すなわち、本演出情報設定処理によって演出情報エリアの情報が設定される。
また、仮に、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数が0である場合には、再設定可能遊技回数Fn=0に設定する。
ステップS42003を実行した後、ステップS42004に進む。
ステップS42004では、ステップS42003で特定した再設定可能遊技回数Fnに基づいて、連続演出に用いることができる遊技回の数(以下、実行遊技回数Np)を決定する。本実施形態においては、乱数を用いた抽選によって実行遊技回数Npを決定する。上述のように、再設定可能遊技回数Fnは、繰越演出として用いることが可能な遊技回の数であるので、実行遊技回数Npとして取り得る最大値は、再設定可能遊技回数Fnに連続演出最終遊技回として1を加えた値となる。よって、ステップS42004では、Fn+1以下の値となる実行遊技回数Npを所定の抽選によって決定する。当該抽選に用いる乱数は、当該処理対象遊技回に対応する始動口への遊技球の入球の際に取得してもよいし、当該抽選を実行する際に取得してもよい。なお、再設定可能遊技回数Fn=0の場合は、実行遊技回数Npは必然的に1となる。ステップS42004を実行した後、ステップS42005に進む。
ステップS42005では、処理対象遊技回の仮変動時間に基づいて、演出シナリオを決定する。上述したように、演出シナリオは、処理対象遊技回において実行する動画の種類や、当該動画を実行するタイミング、ポイント付与演出を実行するタイミング等、処理対象遊技回において実行される演出に関する種々の事項が設定されたプログラムである。本実施形態においては、音光側ROM93に記憶されている大当たり用演出シナリオテーブルまたはリーチ用の演出シナリオテーブルを参照して演出シナリオを決定する。処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」の場合には大当たり用演出シナリオテーブルを用いて演出シナリオを決定し、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ発生)の場合にはリーチ用演出シナリオテーブルを用いて演出シナリオを決定する。
図154は、大当たり用演出シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、大当たり用演出シナリオテーブルは、処理対象遊技回に設定され得る1つの変動時間(仮変動時間)に対して4種類の演出シナリオが対応している。図155は、リーチ用演出シナリオテーブルを説明する説明図である。大当たり用演出シナリオテーブルと同様に、処理対象遊技回に設定され得る1つの変動時間(仮変動時間)に対して4種類の演出シナリオが対応している。
図156は、一例として大当たり用演出シナリオテーブルの仮変動時間T=t4に対応する演出シナリオを説明する説明図である。図156(a)には、仮変動時間T=t4に対応する大当たり用の演出シナリオ(演出シナリオEsc(D1)〜演出シナリオEsc(D4))を示した。図示するように、4種類の各演出シナリオは、仮変動時間T=t4の長さに対応して設定されており、実行される演出の種類や、ポイント付与演出およびボタン押下演出が実行されるタイミング等が各々異なる。なお、図に示した「擬似連」は擬似連続演出を示し、「Bt」はボタン押下演出を示し、「Pe」はポイント付与演出を示す。
また、演出シナリオに対応する遊技回が実行される時点における保留遊技回の数によって、当該遊技回の変動時間は異なる。本実施形態においては、保留遊技回の数が多いほど、当該遊技回の変動時間は短くなる。よって、本実施形態においては、各演出シナリオは、保留遊技回の数毎に用意されている。
図156(b)には、1種類の演出シナリオ(演出シナリオEsc(D1))が、保留遊技回の数毎(第1始動保留個数RaN:0〜4)に用意されていることを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオは、実行される演出動画やポイント付与演出の実行回数等は同じであるが、保留遊技回の数が多い場合に適応される演出シナリオの方が実行時間が短くなるように設定されている。
ステップS42005(図153)においては、大当たり用演出シナリオテーブル(またはリーチ用演出シナリオテーブル)から、処理対象遊技回の仮変動時間に対応する演出シナリオを4種類特定し、特定した4種類の演出シナリオの中から1つの演出シナリオを、乱数を用いた所定の抽選によって決定する。なお、図156(b)に示した5つの演出シナリオから1つを選択する処理は、当該演出シナリオに対応する遊技回が実行される直前に保留遊技回の数に応じて選択される。ステップS42005を実行した後、ステップS42006に進む。
ステップS42006では、決定した演出シナリオに基づいて、実行遊技回数Npに対応したポイント付与シナリオを決定する。ポイント付与シナリオは、各演出シナリオに設定されたポイント付与演出において付与されるポイント数が設定されたプログラムである。本処理においては、音光側ROM93に記憶された大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルに基づいて、ポイント付与シナリオを決定する。
図157は、大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオとステップS42004で決定された各実行遊技回数Np(1〜4)に対して2つのポイント付与シナリオが対応して設定されている。本処理においては、決定した演出シナリオと実行遊技回数Npに基づいて2つのポイント付与シナリオを特定し、特定した2つのポイント付与シナリオの中から1つのポイント付与シナリオを乱数を用いた所定の抽選によって決定する。実際には、図157に示すように、大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルは、各実行遊技回数Npに対して2つのポイント付与シナリオNoが対応して設定されており、実行するポイント付与シナリオのポイント付与シナリオNoが決定すると、当該ポイント付与シナリオNoに対応したポイント付与シナリオを音光側ROM93から読み出す。
図158は、大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオを説明する説明図である。図示するように、各ポイント付与シナリオには、処理対象遊技回で実行する演出シナリオに適合した付与ポイントの値が、演出シナリオに設定されたポイント付与演出の実行順に設定されるとともに、実行遊技回数Npに対応して、各先行遊技回において付与する合計ポイント数が設定されている。例えば、図157に示すように、ポイント付与シナリオPsc(A2g)は、処理対象遊技回で設定された演出シナリオがEsc(A2)である場合であって、実行遊技回数Np=4である場合に選択される。そして、Psc(A2g)は、処理対象遊技回において付与されるポイント数が、実行されるポイント付与演出毎に設定されている。具体的には、図158に示したように、処理対象遊技回における1回目のポイント付与演出では1ポイント、2回目のポイント付与演出では2ポイント、3回目のポイント付与演出では3ポイント、4回目のポイント付与演出では1ポイント、5回目のポイント付与演出では2ポイントが、各々付与される。
また、各ポイント付与シナリオには、先行遊技回1〜3において実行されるポイント付与演出において付与される合計付与ポイント数が設定されている。なお、図158においては、当該遊技回(処理対象遊技回)の1つ前に実行される遊技回を先行遊技回1と表記し、先行遊技回1の1つ前に実行される遊技回を先行遊技回2と表記し、先行遊技回2の1つ前に実行される遊技回を先行遊技回3と表記している。先ほど例に挙げた図158のポイント付与シナリオPsc(A2g)の場合、処理対象遊技回の1つ前に実行される先行遊技回1における合計付与ポイント数は5ポイントであり、先行遊技回1の1つ前に実行される先行遊技回2における合計付与ポイント数は4ポイントであり、先行遊技回2の1つ前に実行される先行遊技回3における合計付与ポイント数は1ポイントである。各先行遊技回1〜先行遊技回3におけるポイント付与演出を実行するタイミングや1回のポイント付与演出で付与するポイント数は、後述する演出設定処理において、各先行遊技回の変動時間と合計付与ポイント数に基づいて決定される。ステップS42006を実行した後、ステップS42007に進む。
ステップS42007では、ステップS42004で決定した実行遊技回数Npが2以上であるか否かの判定を行う。すなわち、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定し先行遊技回を繰越遊技回に設定した連続演出が実行されるか否かを判定する。より具体的に説明すると、先行遊技回を繰越遊技回に設定した連続演出が実行される場合には、既に設定されている先行遊技回の演出情報を再設定(修正)する必要があるため、実行遊技回数Npが2以上であるか否かの判定を行うことによって、再設定の必要があるか否かの判定をしている。ステップS42007において、実行遊技回数Npが2以上であると判定した場合には(S42007:YES)、ステップS42008に進む。
ステップS42008では、処理対象遊技回に設定したポイント付与シナリオに記憶されている各先行遊技回の合計付与ポイントを読み込む。すなわち、各先行遊技回で実行するポイント付与演出における合計付与ポイントを読み込む。ステップS42008を実行した後、ステップS42009に進む。
一方、ステップS42007において、実行遊技回数Npが2以上ではないと判定した場合には(S42007:NO)、ステップS42008を実行せずにステップS42009に進む。
ステップS42009では、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新する。具体的には、ステップS42003〜ステップS42008において決定した事項を、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアに記録する。例えば、処理対象遊技回より前の先行保留遊技回を繰越遊技回として用いるとともに、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回として用いた連続演出を実行すると決定した場合には、繰越遊技回として用いる先行遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをONに再設定する。合計付与ポイントは、ステップS42008において読み込んだ各先行遊技回における合計付与ポイントを再設定する。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoは、NULLとして再設定する。上述のように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを作成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出のために用意された演出パターンテーブルについては後述する。
そして、連続演出最終遊技回として用いる処理対象遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをON、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、NULLに設定する。合計付与ポイントは、連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出を決定する際に用いるパラメータであり、連続演出最終遊技回においては、各ポイント付与演出に対して演出シナリオおよびポイント付与シナリオが設定されているため、合計付与ポイントの設定は不要である。演出シナリオNoは、ステップS42005で決定した演出シナリオに対応した演出シナリオNoを設定する。ポイント付与シナリオNoは、ステップS42006で決定したポイント付与シナリオに対応したポイント付与シナリオNoを設定する。
なお、本実施形態においては、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合には、当該遊技回が連続演出を実行する際の連続演出最終遊技回に設定されていない場合、すなわち、実行遊技回数Np=1であっても、実行遊技回数Np=1の連続演出が実行されるとみなし、当該遊技回を連続演出最終遊技回として扱う。すなわち、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合には、必ず、当該遊技回に対応する演出情報エリアの連続演出最終遊技回フラグはONに設定される。このようにすることで、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である遊技回が、当該遊技回より後に実行される遊技回の演出情報を決定する際に、繰越遊技回として再設定されることを回避している。よって、本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である遊技回における蓄積ポイントが、後に実行される遊技回まで繰り越されることはない。
ステップS42009において、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新した後、当該演出情報設定処理を終了する。
次に、ステップS42011〜ステップS42015の処理群について説明する。上述のように、ステップS42011〜ステップS42015の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、当該処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
上記したように、ステップS42010では、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)の連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かを判定する。そして、ステップS42010において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONではないと判定した場合に(S42010:NO)、ステップS42011に進む。すなわち、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)を繰越遊技回に設定し、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出が実行可能であると判定した場合に、ステップS42011に進む。
なお、上述のように、本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出を実行する場合は、連続演出を実行する遊技回の回数(実行遊技回数Np)を2に設定する。これは、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合に連続演出を実行する遊技回の回数を少なくすることで、遊技者に不要な期待感を付与しないためである。また、連続演出が実行される遊技回が3回以上になった時点で、連続演出最終遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であることを遊技者に認識させ、遊技者に対して、連続演出が実行される回数を数える楽しみを付与し、連続演出の実行回数の増加とともに遊技者の期待感を増幅させることができる。また、本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出を実行する場合は、連続演出を実行する遊技回の回数(実行遊技回数Np)を2に設定する構成を採用したが、そのような構成に限らず、実行遊技回数Npを3または4に設定する構成を採用してもよい。
ステップS42011では、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)を繰越遊技回に設定し、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出、すなわち、実行遊技回数Np=2の連続演出を実行するか否かを決定する。本実施形態においては、乱数を用いた所定の抽選によって決定する。本実施形態においては、連続演出を実行するという抽選結果となる確率が20%になるように設定する。つまり、連続演出の実行(蓄積ポイントの繰越し)は、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」の場合に高い確率で実行され、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」の場合には低い確率で実行されるように設定する。このように設定することによって、遊技回の実行中に蓄積ポイントが繰り越されたことを認識した遊技者に強い期待感を付与することができる。ステップS42011を実行した後、ステップS42012に進む。
ステップS42012では、ステップS42011で連続演出(Np=2)を実行すると決定されたか否かを判定する。
ステップS42011において、連続演出(Np=2)を実行しないと判定した場合には(S42012:NO)、ステップS42016に進む。すなわち、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、処理対象遊技回において他の遊技回との連続性を有さないポイント付与演出を実行することが可能な場合であるので、ステップS42016〜ステップS42018の処理群による処理を実行する。ステップS42016〜ステップS42018の処理群については上述したので、説明を省略する。
一方、ステップS42011において、連続演出(Np=2)を実行すると判定した場合には(S42012:YES)、ステップS42013に進む。
ステップS42013では、処理対象遊技回の仮変動時間に基づいて、演出シナリオを決定する。本実施形態においては、音光側ROM93に記憶されている非リーチ用の演出シナリオテーブルを参照して演出シナリオを決定する。
図159は、非リーチ用演出シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、非リーチ用演出シナリオテーブルは、処理対象遊技回に設定され得る1つの変動時間(仮変動時間)に対して2種類の演出シナリオが対応している。
図160は、一例として、非リーチ用演出シナリオテーブルの仮変動時間T=t24に対応する演出シナリオを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオは、変動時間がT=t24に対応して設定されており、実行される演出の種類や、ポイント付与演出が実行されるタイミング等が各々異なる。また、非リーチ用演出シナリオには、ボタン押下演出は設定されていない。すなわち、ポイント付与演出によって付与されるポイントが10ポイント以上蓄積されることがないように、後述するポイント付与シナリオに設定されている。換言すれば、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積されるのは、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」の場合に限定される。このようにすることで、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に、遊技者に強い期待感を付与することができる。
また、上述した大当たり用の演出シナリオおよびリーチ用の演出シナリオと同様に、演出シナリオに対応する遊技回が実行される時点における保留遊技回の数によって、当該遊技回の変動時間は異なる。本実施形態においては、保留遊技回の数が多いほど、当該遊技回の変動時間は短くなる。よって、本実施形態においては、各演出シナリオは、保留遊技回の数毎に用意されている。ステップS42013を実行した後、ステップS42014に進む。
ステップS42014では、決定した演出シナリオに基づいて、ポイント付与シナリオを決定する。本処理においては、音光側ROM93に記憶された非リーチ用ポイント付与シナリオテーブルに基づいて、ポイント付与シナリオを決定する。
図161は、非リーチ用ポイント付与シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオに対応してポイント付与シナリオが1つ設定されている。実際には、図161に示すように、非リーチ用ポイント付与シナリオテーブルは、各演出シナリオに対して1つのポイント付与シナリオNoが対応して設定されており、実行するポイント付与シナリオのポイント付与シナリオNoに対応したポイント付与シナリオを音光側ROM93から読み出す。
図162は、非リーチ用の各ポイント付与シナリオを説明する説明図である。図示するように、各ポイント付与シナリオには、処理対象遊技回で実行する演出シナリオに適合した付与ポイントの値が、演出シナリオに設定されたポイント付与演出の実行順に設定されるとともに、1つ前に実行される先行遊技回において付与する合計ポイント数が設定されている。
ステップS42014を実行した後、ステップS42015に進む。
ステップS42015では、処理対象遊技回に設定したポイント付与シナリオに記憶されている先行遊技回の合計付与ポイントを読み込む。すなわち、先行遊技回で実行するポイント付与演出における合計付与ポイントを読み込む。ステップS42015を実行した後、ステップS42009に進む。
ステップS42009では、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新する。具体的には、ステップS42011〜ステップS42015において決定した事項を、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアに記録する。すなわち、処理対象遊技回より1つ前の先行保留遊技回を繰越遊技回として用いるとともに、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回として用いた連続演出を実行するので、繰越遊技回として用いる先行遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをONに再設定する。合計付与ポイントは、ステップS42015において読み込んだ先行遊技回における合計付与ポイントを再設定する。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoは、NULLとして再設定する。上述のように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを作成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。
そして、連続演出最終遊技回として用いる処理対象遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをON、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、NULLに設定する。上述のように、合計付与ポイントは、連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出を決定する際に用いるパラメータであり、連続演出最終遊技回においては、各ポイント付与演出に対して演出シナリオおよびポイント付与シナリオが設定されているため、合計付与ポイントの設定は不要である。演出シナリオNoは、ステップS42013で決定した演出シナリオに対応した演出シナリオNoを設定する。ポイント付与シナリオNoは、ステップS42014で決定したポイント付与シナリオに対応したポイント付与シナリオNoを設定する。
ステップS42009において、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新した後、当該演出情報設定処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図150:S41807)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図163は、演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS42101では、遊技回設定情報記憶エリア(図151)に基づいて、本処理の処理対象遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS42101において、処理対象遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONであると判定した場合には(S42101:YES)、ステップS42102に進む。
ステップS42102では、遊技回設定情報記憶エリア(図151)に基づいて、処理対象遊技回に設定された演出シナリオおよびポイント付与シナリオを読み込む。この際、演出シナリオは本処理時における保留遊技回の数に対応した演出シナリオを読み込む(図156(b)参照)。ステップS42102を実行した後、ステップS42103に進む。
ステップS42103では、処理対象遊技回に設定された演出シナリオとポイント付与シナリオとに基づいて演出パターンを生成する。
図164は、処理対象遊技回に設定された演出シナリオとポイント付与シナリオとに基づいて生成される演出パターンのイメージ図である。演出シナリオには、各ポイント付与演出の実行されるタイミングや、ボタン押下演出が実行されるタイミングが記録されている。ポイント付与シナリオには、当該演出シナリオに設定された各ポイント付与演出毎に付与されるポイント数が記録されている。音光側MPU92は、処理対象遊技回に設定された演出シナリオとポイント付与シナリオとを読み込みことによって、演出パターンを生成し、当該処理対象遊技回における演出パターンとして設定する。なお、上述したように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを生成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。ステップS42103を実行した後、ステップS42107に進む。
一方、ステップS42101において、処理対象遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S42101:NO)、ステップS42104に進む。
ステップS42104では、遊技回設定情報記憶エリア(図151)に基づいて、本処理の処理対象遊技回のポイント付与演出フラグがONであるか否かを判定する。ステップS42104において、処理対象遊技回のポイント付与演出フラグがONであると判定した場合には(S42104:YES)、ステップS42105に進む。すなわち、処理対象遊技回が、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合、または、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合に、ステップS42105に進む。
ステップS42105では、処理対象遊技回の変動時間と合計付与ポイント数とに基づいて当該処理対象遊技回における演出パターンを決定する。具体的には、音光側ROM93に予め記憶されたポイント付与演出用演出パターンテーブルから、変動時間と合計付与ポイント数に対応した演出パターンを特定し、当該処理対象遊技回における演出パターンに設定する。
図165は、ポイント付与演出用演出パターンテーブルを説明する説明図である。図示するように、ポイント付与演出用演出パターンテーブルには、遊技回の変動時間と合計付与ポイントに対応して一の演出パターン(ポイント付与演出用演出パターン)が対応して記憶されている。
図166は、ポイント付与演出用演出パターンテーブルに記録されているポイント付与演出用演出パターンの一例を示す説明図である。図示するように、ポイント付与演出用演出パターンテーブルに記録されている演出パターンには、ポイント付与演出が実行されるタイミングに加え、当該各ポイント付与演出において付与されるポイント数も設定されている。本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回においては、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを生成することによって、各ポイント付与演出において付与されるポイント数が設定されるが、連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回においては、図166に示すように、各ポイント付与演出において付与されるポイント数が予め設定された演出パターンが用意されている。
このように、処理対象遊技回が、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合、または、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合に、同じ演出パターンテーブルを用いることができるので、データ容量を低減することができる。なお、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合には蓄積ポイントを次回の遊技回に繰り越し、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合には蓄積ポイントは当該遊技回の終了時にリセットする必要があるが、蓄積ポイントを繰り越す際の表示制御および繰り越さない場合の表示制御は、後に説明するポイント蓄積処理において繰越遊技回フラグを用いて実現するので、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合と、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合とで、同じ演出パターンを適用することができる。ステップS42105(図163)を実行した後、ステップS42107に進む。
一方、ステップS42104において、処理対象遊技回のポイント付与演出フラグがONではないと判定した場合には(S42104:NO)、ステップS42106に進む。すなわち、処理対象遊技回が、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」であり、かつ、ポイント付与演出を実行しない遊技回である場合にステップS42106に進む。
ステップS42106では、当該処理対象遊技回の変動時間に基づいて、演出パターンを決定する。具体的には、音光側ROM93に予め記憶された通常演出用演出パターンテーブルから、変動時間に対応した演出パターンを特定し、当該処理対象遊技回における演出パターンに設定する。通常演出用演出パターンテーブルには、遊技回の変動時間毎に1つの演出パターンが対応して記憶されている。ステップS42016を実行した後、ステップS42107に進む。
ステップS42107では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS42107を実行した後、ステップS42108に進む。
ステップS42108では、変動表示パターンの設定処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS42107において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS42108を実行した後、ステップS42109に進む。
ステップS42109では、ステップS42103、ステップS42105、S42106の処理において設定した演出パターン、停止する液晶用図柄、変動表示パターンを演出コマンドに設定し、ステップS42110に進む。
ステップS42110では、設定した演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。その後、ステップS42111に進む。
ステップS42111では、保留情報の更新処理を行う。具体的には、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS42111を実行した後、ステップS42112に進む。
ステップS42112では、遊技回設定情報記憶エリア94d(図151)の更新処理を実行する。処理対象である遊技回が第1始動口33への入球を契機とした遊技回の場合には、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている遊技回設定情報(先判定情報および演出情報)を図151(a)で図示したように隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。処理対象である遊技回が第2始動口34への入球を契機とした遊技回の場合には、第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている遊技回設定情報(先判定情報および演出情報)を図151(b)で図示したように隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。ステップS42110を実行した後、演出設定処理を終了する。
<ポイント付与演出実行処理>
次に、ポイント付与演出実行処理について説明する。上述のように、ポイント付与演出実行処理は、遊技回の実行中におけるポイント付与演出に関する各種処理を実行するための処理である。ポイント付与演出実行処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図149:S41703)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図167は、ポイント付与演出実行処理を示すフローチャートである。ステップS42201では、ポイント蓄積処理を実行する。ポイント蓄積処理は、ポイント付与演出の実行の開始の制御、および、ポイント付与演出において付与されたポイントを、蓄積ポイントを示す真珠の画像として、ステージSt上に表示するための表示制御を行う処理である。ポイント蓄積処理の詳細は後述する。ステップS42201を実行した後、ステップS42202に進む。
ステップS42202では、ポイント充填時制御処理を実行する。ポイント充填時制御処理は、蓄積ポイントが10個分蓄積(充填)された場合に、当該充填を契機として待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかを判定し、いずれかの演出を実行するように制御する処理である。ポイント充填時制御処理の詳細は後述する。ステップS42202を実行した後、ステップS42203を実行する。
ステップS42203では、ボタン押下演出処理を実行する。ボタン押下演出処理は、ボタン押下演出の実行を制御する処理である。ボタン押下演出処理の詳細は後述する。ステップS42203を実行した後、ステップS42204に進む。
ステップS42204では、ポイントリセット処理を実行する。ポイントリセット処理は、遊技回が終了するときに、蓄積ポイントをリセットするのか又は繰り越すのかを判定し、蓄積ポイントのリセットの実行を制御する処理である。ポイントリセット処理の詳細は後述する。ステップS42204を実行した後、ステップS42205に進む。
ステップS42205では、ステージ表示制御処理を実行する。ステージ表示制御処理は、ステージStの色を制御する処理である。ステージ表示制御処理の詳細は後述する。ステップS42205を実行した後、本ポイント付与演出実行処理を終了する。
<ポイント蓄積処理>
次に、ポイント蓄積処理について説明する。ポイント蓄積処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図167:S42201)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図168は、ポイント蓄積処理を示すフローチャートである。ステップS42301では、ポイント付与演出フラグがONであるか否かを判定する。ポイント付与演出フラグは、遊技回の実行中に1回のポイント付与演出の実行が開始されたことを契機としてONとなり、当該ポイント付与演出が終了したことを契機としてOFFとなるフラグである。ステップS42301において、ポイント付与演出フラグがONではないと判定した場合、すなわち、ポイント付与演出が開始されていないと判定した場合には(S42301:NO)、ステップS42302に進む。
ステップS42302では、処理対象遊技回に設定された演出パターンに基づいて、ポイント付与演出の開始のタイミングであるか否かを判定する。ステップS42302において、ポイント付与演出の開始のタイミングであると判定した場合には(S42302:YES)、ステップS42303に進む。一方、ステップS42302において、ポイント付与演出の開始のタイミングではないと判定した場合には(S42302:NO)、本ポイント蓄積処理を終了する。
ステップS42303では、処理対象遊技回に設定された演出パターンから、開始するポイント付与演出において付与するポイント数を読み込む。ステップS42303を実行した後、ステップS42304に進む。
ステップS42304では、付与するポイント数に対応したポイント付与演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、付与するポイント数に対応したポイント付与演出の演出動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS42304を実行した後、ステップS42305に進む。
ステップS42305では、付与するポイント数に対応したポイント付与演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該ポイント付与演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS42305を実行した後、ステップS42306に進む。
ステップS42306では、ポイント付与演出実行フラグをONにする。ステップS42306を実行した後、本ポイント蓄積処理を終了する。
一方、ステップS42301において、ポイント付与演出フラグがONであると判定した場合、すなわち、ポイント付与演出が開始されていると判定した場合には(S42301:YES)、ステップS42307に進む。
ステップS42307では、開始されたポイント付与演出において、ポイントの付与が完了したタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ポイント付与演出において、付与ポイント数が表示された真珠がカメのキャラクタによって投下された後(図123参照)、当該付与ポイント数が表示された真珠がステージStに到達したタイミングであるか否かを判定する。ステップS42307において、開始されたポイント付与演出において、ポイントの付与が完了したタイミングではないと判定した場合には(S42307:NO)、本ポイント蓄積処理を終了する。一方、ステップS42307において、開始されたポイント付与演出において、ポイントの付与が完了したタイミングであると判定した場合には(S42307:YES)、ステップS42308に進む。
ステップS42308では、付与ポイント数に応じて蓄積ポイントカウンタCpntの値を更新する。蓄積ポイントカウンタCpntは、蓄積ポイントの値をカウントするためのカウンタである。ステップS42308においては、ポイント付与演出においてポイントの付与が生じた場合に、当該付与されたポイント数に対応した値を蓄積ポイントカウンタCpntに加算する。ステップS42308を実行した後、ステップS42309に進む。
ステップS42309では、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10以上であるか否かを判定する。すなわち、ポイント付与演出によってポイントが付与され、蓄積ポイントが10ポイント以上であるか否かを判定する。ステップS42309において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10ポイント以上ではないと判定した場合には(S42309:NO)、ステップS42310に進む。
ステップS42310では、蓄積ポイントカウンタCpntの値に対応したポイント蓄積動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。ポイント蓄積動画は、蓄積ポイントに対応した数の真珠の画像をステージStに表示する動画である。表示側MPU102は、当該ポイント蓄積動画表示開始コマンドを受信すると、蓄積ポイントカウンタCpntに対応した数の真珠の画像をステージStに表示する演出動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS42310を実行した後、ステップS42311に進む。
ステップS42311では、ポイント蓄積動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該ポイント蓄積動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS42311を実行した後、ステップS42312に進む。
ステップS42312では、ポイント付与演出実行フラグをOFFにする。その後、本ポイント蓄積処理を終了する。
一方、ステップS42309において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10ポイント以上であると判定した場合には(S42309:YES)、ステップS42313に進む。
ステップS42313では、充填済カウンタCwの値を1加算(インクリメント)する。充填済カウンタCwは、蓄積ポイントが10ポイント蓄積される毎に1加算されるカウンタである。ステップS42313を実行した後、ステップS42314に進む。
ステップS42314では、蓄積ポイントカウンタCpntの値を10減算する。ステップS42314を実行した後、ステップS42315に進む。
ステップS42315では、未処理フラグをONにする。未処理フラグは、蓄積ポイントが10ポイント分蓄積された場合に、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断処理が未だされていない場合にONにされ、当該判断処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。なお、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断処理は、後述するポイント充填時制御処理において実行される。ステップS42315を実行した後、再び、ステップS42309に進む。
すなわち、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10未満となるまで、ステップS42313〜ステップS42315の処理が繰り返される。そして、ステップS42313〜ステップS42315の実行された回数だけ充填済カウンタCwの値は増加する。すなわち、10ポイント分の蓄積ポイントを1つの蓄積ポイント群と見た場合、ポイント付与演出によってポイントが付与された後の蓄積ポイントの中に含まれる蓄積ポイント群の数をカウントし、当該蓄積ポイント群の数を充填済カウンタCwとして加算し(S42313)、充填済カウンタCwに加算した蓄積ポイント群の数に対応する蓄積ポイントを蓄積ポイントカウンタCpntから減算(S42314)する。
そして、ステップS42313〜ステップS42315の処理を実行した後、再び、ステップS42309に進み、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10ポイント以上ではないと判定した場合に(S42309:NO)、ステップS42310に進む。ステップS42310以降の処理については上述したので説明は省略する。
<ポイント充填時制御処理>
次に、ポイント充填時制御処理について説明をする。ポイント充填時制御処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図167:S42202)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図169は、ポイント充填時制御処理を示すフローチャートである。ステップS42401では、未処理フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、未処理フラグは、蓄積ポイントが10ポイント分蓄積された場合に、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断処理が未だされていない場合にONにされ、当該判断処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。
ステップS42401において、未処理フラグがONであると判定した場合には(S42401:YES)、ステップS42404に進む。ステップS42404〜ステップS42411の処理は、10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断をし、いずれかの演出の実行を制御する処理である。よって、未処理フラグがONであると判定した場合、すなわち、蓄積ポイントが10ポイント分蓄積されたと判定された場合には、ステップS42404〜ステップS42411の処理を実行することによって、10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断をし、いずれかの演出の実行を制御する。
一方、ステップS42401において、未処理フラグがONではないと判定した場合には(S42401:NO)、ステップS42402に進む。
ステップS42402では、変動用コマンド・種別コマンドを受信したか否かの判定をする。すなわち、新たな遊技回が開始されるタイミングであるか否かを判定している。ステップS42402において、変動用コマンド・種別コマンドを受信したと判定した場合、すなわち、新たな遊技回が開始されるタイミングであると判定した場合には(S42402:YES)、ステップS42403に進む。
ステップS42403では、充填済カウンタCw=0であるか否かを判定する。ステップS42403において、充填済カウンタCw=0ではないと判定した場合には(S42403:NO)、ステップS42404に進む。すなわち、上述した10ポイント分の蓄積ポイントに相当する蓄積ポイント群が1つ以上存在する場合に、ステップS42404に進む。
ここで、ステップS42402において変動用コマンド・種別コマンドを受信したと判定をした場合であって(S42402:YES)、ステップS42403において充填済カウンタCw=0ではないと判定した場合に(S42403:NO)、ステップS42404に進む理由を説明する。
本実施形態においては、待機中演出またはタイマ演出のいずれかを実行する契機となるのは、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積されたタイミングに加えて、新たな遊技回が開始されたタイミングである。待機中演出が実行されている遊技回が終了し、次の新たな遊技回が開始されたタイミングであって、当該新たな遊技回が連続演出最終遊技回である場合に、当該待機中演出に代えてタイマ演出が実行される。図127を用いて説明すると、繰越遊技回である遊技回U2において実行が開始された待機中演出は、連続演出最終遊技回である遊技回U3が開始されたタイミングで、タイマ演出1に切り替わる。
従って、ステップS42401において未処理フラグがONではないと判定した場合であっても(S42401:NO)、ステップS42402を実行することによって新たな遊技回が開始されたタイミングであると判定し(S42402:YES)、かつ、ステップS42403を実行することによって蓄積ポイント群(10ポイント分の蓄積ポイント)が1つ以上存在すると判定した場合には(S42403:NO)、ステップS42404に進み、ステップS42404〜ステップS42411の処理を実行することによって、10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断をする必要がある。よって、ステップS42402において変動用コマンド・種別コマンドを受信したと判定をした場合であって(S42402:YES)、ステップS42403において充填済カウンタCw=0ではないと判定した場合には(S42403:NO)、ステップS42404に進む。
一方、ステップS42402において変動用コマンド・種別コマンドを受信していないと判定をした場合(S42402:NO)、および、ステップS42403において充填済カウンタCw=0であると判定した場合には(S42403:YES)、本ポイント充填時制御処理を終了する。
ステップS42404では、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS42404において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであると判定した場合には(S42404:YES)、ステップS42405に進む。
ステップS42405では、充填済カウンタCwの値に対応した待機中演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該待機中演出用動画表示開始コマンドを受信すると、充填済カウンタCwの値に対応した待機中演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。例えば、充填済カウンタCw=1の場合には、待機中演出を示す画像(図129参照)を1つ表示する。充填済カウンタCw=2の場合には、待機中演出を示す画像を2つ表示する。ステップS42405を実行した後、ステップS42406に進む。
ステップS42406では、待機中演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該待機中演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS42406を実行した後、ステップS42411に進む。
ステップS42411では、未処理フラグがONの場合には、当該未処理フラグをOFFにする。その後、本ポイント充填時制御処理を終了する。
一方、ステップS42404において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S42404:NO)、ステップS42407に進む。
ステップS42407では、処理対象遊技回の演出パターンに基づいてボタン演出を実行するまでの時間を取得する。例えば、処理対象遊技回において1回のボタン押下演出が実行される場合には、当該ボタン押下演出を実行するまでの時間を取得し、処理対象遊技回において2回のボタン押下演出を実行する場合には、当該2回のボタン押下演出を実行するまでの時間を各々取得する。ステップS42407を実行した後、ステップS42408に進む。
ステップS42408では、各ボタン押下演出までの残時間に対応したタイマ演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該タイマ演出用動画表示開始コマンドを受信すると、各ボタン押下演出までの残時間に対応したタイマ演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。例えば、処理対象遊技回において1回のボタン押下演出が実行される場合には、当該ボタン押下演出を実行するまでの時間がカウントダウンされて表示されるタイマ演出用動画を表示する。処理対象遊技回において2回のボタン押下演出を実行する場合には、1回目のボタン押下演出を実行するまでの時間がカウントダウンされて表示されるタイマ演出用動画を表示するとともに、2回目のボタン押下演出を実行するまでの時間がカウントダウンされて表示されるタイマ演出用動画を表示する(図131(a)参照)。ステップS42408を実行した後、ステップS42409に進む。
ステップS42409では、各タイマ演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該タイマ演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS42409を実行した後、ステップS42410に進む。
ステップS42410では、充填済カウンタCwの値を0にリセットする。ステップS42410を実行した後、ステップS42411に進む。
上述のように、ステップS42411では、未処理フラグがONの場合には、当該未処理フラグをOFFにする。その後、本ポイント充填時制御処理を終了する。
<ボタン押下演出処理>
次に、ボタン押下演出処理について説明する。ボタン押下演出処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図167:S42203)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図170は、ボタン押下演出処理を示すフローチャートである。ステップS42501では、処理対象遊技回に設定されている演出パターンに基づいて、ボタン押下演出開始のタイミングであるか否かを判定する。ステップS42501において、ボタン押下演出開始のタイミングであると判定した場合には(S42501:YES)、ステップS42502に進む。一方、ステップS42501において、ボタン押下演出開始のタイミングではないと判定した場合には(S42501:NO)、本ボタン押下演出処理を終了する。
ステップS42502では、ボタン押下演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ボタン押下演出用動画表示開始コマンドを受信すると、ボタン押下演出用動画(図126(b)参照)を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS42502を実行した後、ステップS42503に進む。
ステップS42503では、ボタン押下演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該ボタン押下演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS42503を実行した後、本ボタン押下演出処理を終了する。
<ポイントリセット処理>
次に、ポイントリセット処理について説明する。ポイントリセット処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図167:S42204)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図171は、ポイントリセット処理を示すフローチャートである。ステップS42601では、処理対象遊技回に設定されている演出パターンに基づいて、遊技回終了のタイミングであるか否かを判定する。ステップS42601において、遊技回終了のタイミングであると判定した場合には(S42601:YES)、ステップS42602に進む。
ステップS42602では、繰越遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS42602において、繰越遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S42602:NO)、ステップS42603に進む。
ステップS42603では、蓄積ポイントカウンタCpntをリセット(Cpnt←0)する。すなわち、蓄積ポイントを繰り越す遊技回である繰越遊技回以外の遊技回は、蓄積ポイントを繰り越さないので、当該遊技回の終了時に当該遊技回における蓄積ポイントに対応する蓄積ポイントカウンタCpntを0にする。ステップS42603を実行した後、本ポイントリセット処理を終了する。
一方、ステップS42601において遊技回終了のタイミングではないと判定した場合(S42601:NO)、および、ステップS42602において繰越遊技回フラグがONであると判定した場合には(S42602:YES)、蓄積ポイントカウンタCpntをリセットせずに、本ポイントリセット処理を終了する。
<ステージ表示制御処理>
次に、ステージ表示制御処理について説明する。ステージ表示制御処理は、ステージStの色の制御をする処理である。ステージ表示制御処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図167:S42205)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図172は、ステージ表示制御処理を示すフローチャートである。ステップS42701では、蓄積ポイントカウンタCpntの値が0であるか否かを判定する。ステップS42701において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が0であると判定した場合には(S42701:YES)、ステップS42702に進む。
ステップS42702では、ステージStの色を白色に設定したステージ用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ステージ用動画表示開始コマンドを受信すると、ステージStの色が白色に設定されたステージ用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。本実施形態においては、ポイントが蓄積されていない場合には、処理対象遊技回が繰越遊技回や連続演出最終遊技回であってもステージStを白色に設定する。ステップS42702を実行した後、本ステージ表示制御処理を終了する。
一方、ステップS42701において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が0ではないと判定した場合には(S42701:NO)、ステップS42703に進む。
ステップS42703では、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS42703において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであると判定した場合には(S42703:YES)、ステップS42704に進む。
ステップS42704では、ステージStの色を黄色に設定したステージ用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ステージ用動画表示開始コマンドを受信すると、ステージStの色が黄色に設定されたステージ用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。上述のように、本実施形態においては、繰越遊技回においてポイントが蓄積されている場合にはステージStの色を黄色に設定する。ステップS42704を実行した後、本ステージ表示制御処理を終了する。
ステップS42703において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S42703:NO)、ステップS42705に進む。
ステップS42705では、ステージStの色を橙色に設定したステージ用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ステージ用動画表示開始コマンドを受信すると、ステージStの色が橙色に設定されたステージ用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。上述のように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回においてポイントが蓄積されている場合にはステージStの色を橙色に設定する。ステップS42705を実行した後、本ステージ表示制御処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図173は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS42801では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS42802に進む。
ステップS42802では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図174は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS42901では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図175は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS43001では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図174)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S43001)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS43002では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S43001)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS43003に進む。
ステップS43003では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S43002)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS43004に進む。
ステップS43004では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S43003)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS43005に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が「大当たり」、または、「外れ(リーチ発生)」の場合に、ボタン押下演出が実行されるように、演出シナリオによって設定している。よって、ボタン押下演出を実行することによって、ボタン押下演出が実行された場合に大当たり抽選の結果が「大当たり」、または、「外れ(リーチ発生)」となる確率が高いことを認識した遊技者に対して、期待感を付与することができる。
さらに、本実施形態においては、演出シナリオにボタン押下演出の実行が設定されている場合には、当該ボタン押下演出が実行されるまでに、ポイント付与演出を実行することによって、蓄積ポイントが10ポイント以上となるようにポイントの付与を行う。よって、ポイント付与演出を実行することによって、蓄積ポイントが10ポイント以上となった場合にボタン押下演出が実行されることを認識した遊技者に対して、ポイント付与演出を実行する毎に期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、遊技回において蓄積した蓄積ポイントを、当該遊技回の終了を契機としてリセットする場合と、リセットせずに次回の遊技回に繰り越す場合とがある。蓄積ポイントが当該遊技回の終了を契機としてリセットする場合があることによって、遊技回が終了するまでに蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積するように遊技者に所望させ、ポイント付与演出に対する遊技者の期待感をより一層増加させることができる。さらに、遊技回が開始され、ポイント付与演出の実行によってポイントが蓄積されたことを認識した遊技者に対して、蓄積ポイントがリセットされてしまうかもしれない当該遊技回の終了する時期を意識させ、蓄積ポイントの蓄積する態様、すなわちポイント付与演出の実行の態様に注目させることができる。
また、蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越す場合があることによって、仮に実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しなかった場合であっても、次回遊技回まで繰り越せば当該遊技回において蓄積したポイントは有効であるので、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しないことに対する遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
本実施形態においては、ステージStの色によって、蓄積ポイントが繰り越すか否かを遊技者に対し示唆するので、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しない遊技回においても、次回の遊技回で蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積する可能性があるといった期待感を付与することができ、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しない遊技回における遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
本実施形態においては、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積した場合に実行する処理としてボタン押下演出を採用している。蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積し遊技者に対して達成感を付与したタイミングでさらにボタン押下演出の実行によって遊技者に能動的に遊技に関与させ、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
本実施形態においては、蓄積ポイントはステージSt上の真珠の画像として遊技者に示唆するので、常に遊技者に蓄積ポイントを意識させることができる。
本実施形態においては、タイマ演出を実行するので、タイマ演出が実行されてからボタン押下演出が実行されるまでの期間中、継続的に、タイマ演出に示唆された時間の経過後に実行されるボタン押下演出について期待感を付与することができる。また、タイマ演出によって、ボタン押下演出までの残時間がカウントダウンされるので、示唆される残時間が減少し、ボタン押下演出が実行されるタイミングが近づくにつれ、遊技者の期待感を増大させることができる。
また、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されても、待機中演出が開始され、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した直後にタイマ演出が実行されない場合があるので、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した直後にタイマ演出が実行されるか否かを認識することによって、ボタン押下演出の実行されるタイミングを推測させる楽しみを遊技者に付与することができる。
さらに、本実施形態においては、ボタン押下演出を実行する遊技回においてタイマ演出を実行するので、遊技回においてタイマ演出を実行した場合には、当該遊技回に遊技者を注目させることができ、期待感を付与することができる。
本実施形態においては、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した場合であって、タイマ演出が次回以降の遊技回において実行される場合には、タイマ演出の実行に先立って待機中演出を実行する。よって、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した時点からタイマ演出が実行されるまでに生じた期間においても、待機中演出の実行によって、後の遊技回においてタイマ演出が実行されることを意識させ、タイマ演出に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
本実施形態においては、所定の遊技回におけるポイント付与演出の実行の有無、ポイント付与演出において付与するポイント数、蓄積ポイントの繰越の有無、待機中演出の実行の有無、タイマ演出の実行の有無、ボタン押下演出をいずれの遊技回で実行するか等、当該遊技回における各処理内容は、当該遊技回より後に実行される遊技回(以下、後発遊技回とも呼ぶ)の特別情報に基づいて決定する。より具体的には、後発遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」の場合には、当該後発遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出が実行される場合があり、その場合には、当該遊技回は繰越遊技回に設定される。すなわち、後発遊技回の特別情報に基づいて当該遊技回の処理内容を決定する。このようにすることで、ポイント付与演出の実行の有無、ポイント付与演出において付与するポイント数、蓄積ポイントの繰越の有無、待機中演出の実行の有無、タイマ演出の実行の有無、ボタン押下演出等の各処理に関して、複数の遊技回に亘って関連性を持たせることができる。各遊技回の処理内容と他の遊技回の処理内容とに関連性を持たせることで、例えば、実行中の遊技回において所定の処理を実行した場合に、当該所定の処理と当該遊技回の進行との関連性について遊技者に推測をさせるだけでなく、当該所定の処理と後発遊技回の進行との関連性についても遊技者に推測をさせる。すなわち、実行中の遊技回において遊技がどのように進行したとしても、後発遊技回の進行に様々な可能性を残し、遊技者の期待感を持続させることができる。
また、本実施形態において、連続演出においてボタン押下演出が実行される回数が多いほど、各ボタン押下演出後に実行される演出が発展する(演出が示唆する大当たり抽選に当選していることの期待度が高くなる)ように設定された演出シナリオを用意することによって、ボタン押下演出において遊技者に演出操作ボタン24を押下させる毎に、遊技者の遊技に対する期待感を増加させることができる。よって、連続演出の実行期間が長い場合でも、当該連続演出の実行期間の長さに応じてボタン押下演出の回数を増やすことによって、遊技者の集中力の低下を抑制し、期待感をより一層増加させることができる。
D7.第4実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成及び処理については、説明を省略する。
D7−1.変形例1:
第4実施形態において、特定の演出を実行する場合には必ずポイントを付与する構成を採用してもよい。当該構成を実現する一例として、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことで実現することができる。
具体的には、所定の演出(例えば、ノーマルリーチ演出)の後に、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行する場合と、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する場合とを、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定する。この場合、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行する場合と、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する場合とを1つの演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定してもよいし、各々別の演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定してもよい。また、所定の演出の後に付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する構成に代えて、所定の演出の後にポイント付与演出を実行しない構成を採用してもよいし、その両方を採用してもよい。
一方、特定の演出(例えば、スーパーリーチ演出)の後には必ず付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行するように演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定する。特定の演出として、特定のリーチ演出や、特定のカットイン演出を採用してもよいし、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行することを示唆するための専用の演出を採用してもよい。
このようにすることで、遊技回において特定の演出が実行された場合には、当該遊技回において、必ずポイントが付与されるので、ポイントの付与を望む遊技者に対して、特定の演出の実行に対する期待感を付与することができるとともに、遊技に注目させることができる。また、特定の演出が実行された場合には、ポイントの付与を望んでいた遊技者に対して高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
例えば、蓄積ポイントが9ポイントであり、あと1回、ポイントが付与されれば蓄積ポイントが10ポイント以上となりボタン押下演出が実行される場合に、特定の演出が実行されることに対して遊技者に強い期待感を付与することができる。また、このような状況で、特定の演出を実行しポイントを付与した場合には、遊技者に対して強い達成感を付与することができる。
D7−2.変形例2:
第4実施形態において、実行中の遊技回における蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越された場合には、当該遊技回より後の遊技回で必ずポイントが付与される構成を採用してもよい。当該構成を実現する一例として、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことで実現することができる。
具体的には、連続演出最終遊技回に設定する演出シナリオおよびポイント付与シナリオに必ず付与ポイントが0ではないポイント付与演出を設定する。また、ポイント付与シナリオにおいて、連続演出における繰越遊技回のうち最初に実行される繰越遊技回以降の繰越遊技回に対して必ず合計付与ポイントが0ではないポイント数を設定する。
このようにすることで、ポイントの付与を望む遊技者に対して、遊技回の終了を契機として蓄積ポイントが繰り越されることについて期待感を付与することがきる。よって、遊技者に対して、当該遊技回の終了時点においても遊技に注目させることができる。また、遊技回の終了を契機として蓄積ポイントが繰り越された場合には、ポイントの付与を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回でポイントが付与されることについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
例えば、蓄積ポイントが繰り越せば必ず次回以降の遊技回においてポイントが付与されることを遊技者が認識している場合であって、蓄積ポイントが9ポイントでありながら遊技回が終了しそうな状況である場合には、仮に蓄積ポイントが繰り越せば後の遊技回において必ずポイントが付与されてボタン押下演出が実行されるので、遊技者に対して、蓄積ポイントが繰り越すことへの強い期待感を付与することができ、実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイントに達しないことに対しての期待感の低下を抑制することができる。また、このような状況で、蓄積ポイントが繰り越された場合には、遊技者に強い達成感を付与することができる。
また、実行中の遊技回における蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越された場合に、実行中の遊技回より後の遊技回で必ずポイントが付与される構成に限らず、実行中の遊技回において所定の演出(例えば、青色のザリガニのキャラクタが出現する演出)が実行された場合に、当該遊技回より後の遊技回で必ずポイントが付与される構成を採用してもよい。このようにすることで、実行中の遊技回において所定の演出が実行された遊技者に対して、後の遊技回への期待感を付与することができる。
D7−3.変形例3:
第4実施形態において、連続演出が実行される一連の遊技回において実行されるポイント付与演出において、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する回数に制限を設ける構成を採用してもよい。または、遊技回1回のみで実行されるポイント付与演出において、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する回数に制限を設ける構成を採用してもよい。当該構成を実現する一例として、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことで実現することができる。
具体的に説明する。上述のように、ポイント付与シナリオには連続演出最終遊技回で実行する各ポイント付与演出ごとに、付与ポイント数が設定されている。よって、各ポイント付与演出ごとに設定する付与ポイント数の値として「0」を設定する数に制限を設ける。例えば、付与ポイント数として、「0」という値を3回以下で設定するように制限する。
また、繰越遊技回および遊技回1回のみでポイント付与演出を実行する遊技回に対して用いられる演出パターンにおいて、各ポイント付与演出に設定する付与ポイント数の値として「0」を設定する数に制限を設ける。
このようにすることで、付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達したことを認識した遊技者に対して、ポイント付与演出が実行されることについて強い期待感を付与することができる。なぜなら、付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達した場合には、その後にポイント付与演出が実行された場合には、必ず、ポイントが付与されるからである。よって、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行した場合であっても、遊技者に対して、付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達することについての期待感を付与することができる。
すなわち、ポイント付与演出が実行された場合において、付与ポイントが0ではなかった場合にはポイントが付与されるので遊技者に高揚感を付与することができ、また、付与ポイントが0であった場合であっても遊技者に期待感(付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達することについての期待感)を付与することができる。その結果、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行した場合、および、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行した場合のいずれの場合であっても、遊技者の期待感を増大させることができる。
D7−4.変形例4:
所定の遊技回において蓄積ポイントが10ポイントに達しない場合に実行する演出(以下、未充填演出とも呼ぶ)を、遊技回において実行可能な構成としてもよい。また、未充填演出を、蓄積ポイントが10ポイントに達しない場合において、所定の割合で実行する構成としてもよい。
さらに、未充填演出が実行された場合には、当該未充填演出が実行される直前における蓄積ポイントが多ければ多いほど、当該遊技回における大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高くなる構成としてもよい。
具体的には、当該遊技回において大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合に、未充填演出が実行される演出シナリオが選択されやすくなるように設定する。例えば、演出シナリオを、抽選用乱数と抽選用テーブルデータを用いた抽選によって選択する場合には、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合に、未充填演出が実行されるように抽選用テーブルデータを設定する。そして、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合以外で当該演出シナリオが選択される確率が低く(例えば30パーセント未満)なるように抽選用テーブルデータを設定する。さらに、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合には、当該演出シナリオに適用するポイント付与シナリオは、未充填演出が実行される直前の蓄積ポイントが比較的多く(例えば、8ポイントや9ポイント)なるように設定されたポイント付与シナリオを適用する。逆に、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ発生)」である場合には、当該演出シナリオに適用するポイント付与シナリオは、未充填演出が実行される直前の蓄積ポイントが比較的少なく(例えば、4ポイントや5ポイント)なるように設定されたポイント付与シナリオを適用する。
このようにすることで、所定の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上に達せずボタン押下演出が実行されない場合であっても、未充填演出が実行された場合には、蓄積ポイントが多いほど、当該所定の遊技回において、大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高く、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、所定の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上に達せずボタン押下演出が実行されない場合であって、蓄積ポイントが比較的多い場合には、未充填演出が実行されることについて遊技者に期待感を付与することができる。
また、未充填演出は、当該未充填演出が実行される前における蓄積ポイントの量に応じて、演出内容が異なる構成を採用してもよい。
このようにすることで、蓄積ポイントの量がどのような場合であっても当該未充填演出の内容に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、以下の構成を採用してもよい。すなわち、未充填演出が実行された後に実行する演出(以下、未充填発展演出とも呼ぶ)を、遊技回において実行可能な構成としてもよい。また、蓄積ポイントが10ポイント以上となりボタン押下演出が実行される場合よりも、蓄積ポイントが10ポイント未満であり、未充填演出が実行された後に未充填発展演出が実行される場合の方が、当該遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高くなる構成を採用してもよい。例えば、演出シナリオを、乱数と抽選用テーブルデータを用いた抽選によって選択する場合には、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合に、未充填演出および未充填発展演出が実行されるように抽選用テーブルデータを設定する。そして、大当たり抽選の結果が「大当たり」以外の場合には、当該演出シナリオが選択される確率が低く(例えば5パーセント未満)なるように抽選用テーブルデータを設定する。さらに、大当たり抽選の結果が「大当たり」以外の場合には、当該演出シナリオが選択される確率がボタン押下演出を含む演出シナリオが選択される確率よりも低くなるように抽選用テーブルデータを設定することで当該構成を実現することができる。
このようにすることで、ボタン押下演出が実行される場合よりも、未充填発展演出が実行される場合の方が、当該遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高い構成となる。よって、遊技回において蓄積ポイントが10ポイントに達せずボタン押下演出が実行されない場合であっても、未充填演出が実行された場合には、遊技者に対して、その後、未充填発展演出が実行されることについて強い期待感を付与することができる。さらに、未充填発展演出が実行された場合には、ボタン押下演出が実行される場合よりも遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高いので、未充填発展演出が実行されたことを認識した遊技者に、より一層強い期待感を付与することができる。まとめると、蓄積ポイントが10ポイント以上に達した場合にはボタン押下演出が実行されるので遊技者に対して期待感を付与することができ、蓄積ポイントが10ポイントに達しない場合であっても、未充填演出が実行されることについて遊技者に期待感を付与し、さらに、未充填演出が実行された場合には、未充填発展演出が実行されることについて遊技者に強い期待感を付与することができる。よって、遊技がどのような状況であっても、遊技者に期待感を付与することができる。
D7−5.変形例5:
第4実施形態において、第1実行遊技回表示領域J1に示した第1実行遊技回表示、第1保留表示領域Ds1に示した第1保留遊技回表示、第2実行遊技回表示領域J2に示した第2実行遊技回表示、および、第2保留表示領域Ds2に示した第2保留遊技回表示の、各表示(以下、まとめて遊技回表示とも呼ぶ)の表示態様を変化させる構成を採用してもよい。さらに、ポイントを付与するタイミング(すなわち、ポイント付与演出を実行するタイミング)と、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングとに時間的な相関関係を有する構成を採用してもよい。
この場合、遊技回表示の表示態様は、各遊技回表示に対応する遊技回に係る大当たり抽選において大当たりに当選している可能性(期待度)を示唆するとしてもよい。
このように遊技回表示の表示態様の変化と、ポイントの付与とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
例えば、遊技回の実行中に、遊技回表示の表示態様を変化させてから、所定時間内(例えば、1秒以内)に、ポイント付与演出を実行する構成を採用してもよい。この場合、遊技回表示の表示態様が変化したことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内にポイント付与演出が実行されたことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。なお、遊技回表示の表示態様を変化させる対象の遊技回が、実行中の遊技回であれば、さらに強い期待感や高揚感を遊技者に付与することができる。
また、遊技回の実行中に、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと、ポイント付与演出を実行するタイミングとを同時にする構成を採用してもよい。この場合、遊技回表示の表示態様の変化とポイント付与演出の実行とを遊技者に同時に認識させることで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。なお、遊技回表示の表示態様を変化させる対象の遊技回が、実行中の遊技回であれば、さらに強い期待感や高揚感を遊技者に付与することができる。
その他、遊技回の実行中に、ポイント付与演出を実行してから、所定時間内(例えば、1秒以内)に、遊技回表示の表示態様を変化させる構成を採用してもよい。この場合、ポイント付与演出が実行されたことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内に遊技回表示の表示態様が変化したことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。なお、遊技回表示の表示態様を変化させる対象の遊技回が、実行中の遊技回であれば、さらに強い期待感や高揚感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技回表示の変化後の表示態様と、ポイント付与演出によって付与するポイント数とが相関関係を有する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技回表示の変化後の表示態様が遊技者の期待に沿う態様であった場合、すなわち、遊技回表示の変化後の表示態様が期待度が高いことを示唆する表示態様であった場合、および、ポイント付与演出によって付与されたポイント数が比較的多かった場合に、遊技者に対して、より一層強い期待感や優越感を付与することができる。
さらに、遊技回表示の変化後の表示態様が示唆する期待度が高いほど、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数が多い構成を採用してもよい。すなわち、遊技回表示の変化後の表示態様が第1の表示態様である場合に、当該表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数を第1のポイント数とし、遊技回表示の変化後の表示態様が第1の表示態様が示す期待度よりも高い期待度を示唆する第2の表示態様である場合に、当該表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数を第2のポイント数とした場合に、第2のポイント数の平均値が第1のポイント数の平均値よりも大きくなる構成を採用してもよい。
このようにすることで、遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高い場合には遊技回表示の表示態様を第2の表示態様に変化させる確率が高く、さらに、遊技回表示が第2の表示態様に変化した場合には、第1の表示態様に変化した場合よりも、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数が多い場合が多いので、遊技回表示の表示態様の変化と、ポイント付与演出の実行とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、大当たり抽選の結果に対する遊技者の期待感を相乗的に増大させることができる。
なお、上記構成は、いずれも遊技回表示の表示態様を演出シナリオに設定することで実現可能である。例えば、ポイント付与演出の実行と同時に遊技回表示の表示態様が白色から赤色に変化するように設定された演出シナリオを用いることで、上記した構成の一つである、遊技回の実行中に、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと、ポイント付与演出を実行するタイミングとを同時にする構成を実現することができる。
また、期待度が高いことを示唆する表示態様に遊技回表示を変化させることが設定された演出シナリオに対して、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数の値が大きい値に設定されたポイント付与シナリオを適用することで、上記した構成の一つである、遊技回表示の変化後の表示態様が示唆する期待度が高いほど、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数が多い構成を実現することができる。なお、遊技回表示の表示態様として、形状、模様、色、キャラクタなどを採用することができる。
また、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと時間的な相関関係を有する演出がポイント付与演出である構成に限定されず、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと、遊技回において実行される所定の演出(例えば、リーチ演出)の実行されるタイミングとが、時間的な相関関係を有する構成を採用してもよい。このようにしても、大当たり抽選の結果に対する遊技者の期待感を相乗的に増大させることができる。
D7−6.変形例6:
第4実施形態においては、ポイント付与シナリオ(図158参照)に、連続演出最終遊技回において実行される各ポイント付与演出毎に、付与ポイント数が予め設定されていたが、連続演出最終遊技回の実行中に、各ポイント付与演出において付与するポイント数をリアルタイムに設定する構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与シナリオには、連続演出最終遊技回において実行されるポイント付与演出の実行回数と、連続演出最終遊技回において付与するポイント数の合計値が情報として設定されており、連続演出最終遊技回の開始後に当該情報に基づいて抽選を行い、各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定する構成としてもよい。このようにすることで、ポイントが付与されるパターンを遊技者に推測されにくく、遊技者を遊技に注目させることができる。
D7−7.変形例7:
第4実施形態において、蓄積ポイントを減らす演出を実行する構成としてもよい。このようにすることで、遊技者の遊技に対する期待感に抑揚を付与することができる。また、本実施形態においては、ポイントを増加させていき10ポイントに達したらボタン押下演出が実行される構成を採用したが、遊技回の開始時点から所定数のポイントが蓄積されており、ポイントが減算される演出が実行され、蓄積ポイントが所定のポイント数以下に達したらボタン押下演出が実行される構成を採用してもよい。例えば、遊技回の開始時に10ポイントが蓄積されており、ポイントが減算される演出によって随時ポイントが減っていき、0ポイントに達したらボタン押下演出が実行される構成を採用してもよい。
D7−8.変形例8:
上記実施形態においては、ポイント付与演出を実行するタイミングは、予め演出シナリオに設定されている構成を採用したが、そのような構成に限らず、他の構成を採用してもよい。以下、詳しく説明する。
上記第4実施形態においては、連続演出最終遊技回の演出を設定する際に、ポイント付与演出を実行するタイミングが予め設定されている演出シナリオを用いる構成を採用したが、本変形例においては、ポイント付与演出を実行することが可能なタイミング、すなわちポイント付与演出を実行するタイミングの候補となるタイミング(以下、候補タイミングとも呼ぶ)が一または複数設定された演出シナリオを用いる構成を採用する。また、上記第4実施形態においては、1回の遊技回のみを用いてポイント付与演出を実行する遊技回の演出を設定する際、および、繰越遊技回の演出を設定する際に、ポイント付与演出を実行するタイミングおよび各ポイント付与演出において付与するポイント数が予め設定された演出パターンを用いる構成を採用したが、本変形例においては、連続演出最終遊技回の演出を設定する場合と同様に、候補タイミングが一または複数設定された演出シナリオを用いる構成を採用する。
図176は、変形例8における連続演出最終遊技回の演出シナリオおよびポイント付与シナリオを説明する説明図である。図176には、一例として、実行遊技回数(Np)=2である連続演出に係る繰越遊技回と連続演出最終遊技回との演出シナリオおよびポイント付与シナリオを示した。本変形例においても上記第4実施形態と同様に、連続演出最終遊技回に設定された遊技回の仮変動時間に基づいて連続演出最終遊技回の演出シナリオが設定される。上述のように、本変形例における演出シナリオには、ボタン押下演出を実行するタイミングは設定されているが、ポイント付与演出を実行するタイミングは設定されておらず、ポイント付与演出を実行するタイミングの候補となる候補タイミングが複数設定されている。図176の演出シナリオには、候補タイミングを破線の矢印で示した。音光側MPU92は、後述するポイント付与シナリオに基づいて、演出シナリオに設定された複数の候補タイミングの中から、遊技回の実行時に実際にポイント付与演出を実行する一または複数のタイミング(以下、実行タイミングとも呼ぶ)を決定する。
また、上記第4実施形態においては、図157の大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルに示すように、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに2つのポイント付与シナリオが設定されており、連続演出の実行回数の決定後に、当該実行回数に対応して設定されている2つのポイント付与シナリオから1つを抽選によって決定した。一方、本変形例においては、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに1つのポイント付与シナリオが設定されている。図176には、連続演出の実行遊技回数が2回(すなわち、実行遊技回数Np=2)のポイント付与シナリオを示した。図示するように、本変形例におけるポイント付与シナリオには、連続演出最終遊技回については、演出シナリオに設定されている各ボタン押下演出までの期間毎に付与すべきポイント数の合計値(以下、期間合計付与ポイントとも呼ぶ)が設定されており、繰越遊技回については、上記実施形態と同様に当該遊技回において付与すべきポイント数の合計値である合計付与ポイントの値が設定されている。
音光側MPU92は、連続演出最終遊技回については、期間合計付与ポイントと、演出シナリオに設定された各ボタン押下演出の期間までの複数の候補タイミングとに基づいて、ポイント付与演出の実行タイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを決定する。図176に示した例の場合、連続演出最終遊技回の開始からボタン押下演出1(図のBt1)までの期間合計付与ポイントとして13ポイントがポイント付与シナリオに設定されており、当該期間内に候補タイミングが10箇所、演出シナリオに設定されている。よって、例えば、10箇所の候補タイミングから一または複数の実行タイミングを決定し、その後、決定した各実行タイミングにおいて実行するポイント付与演出において付与するポイント数を決定し、最後に、実行する各ポイント付与演出において付与するポイント数を乱数を用いた抽選によって決定する構成を採用する。
その他、種々の方法によって、各ポイント付与演出の実行タイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定することができる。例えば、連続演出最終遊技回の開始からボタン押下演出1までの期間の期間合計付与ポイントである13ポイントを上限とした任意の値を抽選により決定し、当該決定した値を1回目のポイント付与演出において付与するポイント数に決定する。次に、期間合計付与ポイントの13ポイントから1回目のポイント付与演出において付与するポイント数を減算した値を上限とした任意の値を抽選により決定し、当該決定した値を2回目のポイント付与演出によって付与するポイント数に決定する。このように、順に、抽選によってポイント付与演出において付与するポイント数を決定していき、決定したポイント数を期間合計付与ポイントの13ポイントから減算をしていき、最終的に残りのポイント数が0になるまで抽選を行う。連続演出最終遊技回の開始からボタン押下演出1までの候補タイミングの数は10箇所なので、仮に、9回目の抽選が終わった時点で残りの付与ポイントが0になっていない場合には、最後の10回目のポイント付与演出での付与ポイント数を自動的に当該残りのポイント数に決定する。このようにして、ポイント付与演出の実行回数と各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定した後、ポイント付与演出の実行回数に対応する数の実行タイミングを、演出シナリオの候補タイミングの中から抽選によって決定する。
本変形例のように、ポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを、抽選によって決定することによって、同じ演出シナリオであってもポイント付与演出の実行タイミングと付与されるポイント数とがパターン化しないため、遊技者が退屈するのを抑制するとともに、種々の推測をさせることが可能であり、期待感を付与することができる。このような理由から、本変形例においては、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに1つのポイント付与シナリオしか設定されていない。すなわち、本変形例においては、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに1つのポイント付与シナリオしか設定されていなくても、複数のポイント付与のパターンを設定することが可能である。
また、上記説明においては、連続演出最終遊技回におけるポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数との決定方法について述べたが、当該決定方法は、連続演出における繰越遊技回においても採用することができる。上記第4実施形態においては、繰越遊技回においてポイント付与演出を実行する場合、および、1回の遊技回においてポイント付与演出を実行する場合におけるポイント付与演出の実行タイミングは、予め演出パターンに設定されていたが、本変形例のように、ポイント付与演出の実行タイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数を、抽選によって決定してもよい。この場合、まず、繰越遊技回の変動時間に基づいて演出シナリオを決定する。図176に示すように、繰越遊技回用に用意された演出シナリオには、上記した連続演出最終遊技回における演出シナリオと同様に、複数の候補タイミングが設定されている。そして、当該遊技回の演出パターンに設定された候補タイミングと、当該遊技回に設定された合計付与ポイントとに基づいて、上記の連続演出最終遊技回と同様に、抽選によって、ポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを決定する。上記の第4実施形態においては、予めポイント付与演出の実行タイミングと各ポイント付与演出において付与するポイント数が予め設定された演出パターンを用いたが本変形例のようにポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを抽選によって決定することで、第4実施形態のような演出パターンを用いなくとも、本変形例の連続演出最終遊技回と同様に、複数の候補タイミングが設定されている演出シナリオを用いることができる。このようにすることで、同じ演出が実行される演出シナリオであってもポイント付与演出の実行タイミングと付与されるポイント数とがパターン化しないため、遊技者が退屈するのを抑制するとともに、遊技者に種々の推測をさせることが可能であり、期待感を付与することができる。
また、上記第4実施形態においては、繰越遊技回の演出パターンは、連続演出最終遊技回に基づいて決定されたポイント付与シナリオに設定された合計付与ポイントと繰越遊技回における変動時間とに対応する演出パターンを、ポイント付与演出パターンテーブルを参照して決定していた。一方、本変形例においては、合計付与ポイントに関わらず、繰越遊技回における変動時間に基づいて演出パターンを決定し、決定した当該演出パターンに設定されている候補タイミングと、合計付与ポイントとに基づいて、ポイント付与演出の実行タイミングと各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定する。従って、繰越遊技回の変動時間と合計付与ポイントとに対応したポイント付与演出パターンテーブルを備える必要がなく、変動時間のみに対応したポイント付与演出パターンテーブルを備えることができる。すなわち、合計付与ポイントを考慮しない変動時間のみに適合した演出パターンを複数種類備えることが可能である。そして、各演出パターンに対して、ポイントの付与のタイミングは抽選によって決定されるので、演出パターンとポイントの付与されるタイミングとがパターン化せず、常に遊技者に期待感を付与することができる。
D7−9.変形例9:
上記変形例8においては、ポイント付与シナリオには、繰越遊技回に対応する期間については当該遊技回において付与する合計付与ポイントが記録されており、連続演出最終遊技回については、各ボタン押下演出が実行されるまでの期間合計付与ポイントが記録されていたが、そのような構成に限らず、例えば以下のような構成を採用することができる。
図177は、変形例9を説明する説明図である。本変形例においては、ポイント付与シナリオには、繰越遊技回に対応する期間についての合計付与ポイントは設定されておらず、繰越遊技回が開始されてから直近に実行されるボタン押下演出までに付与すべきポイント数、または、ボタン押下演出から次に実行されるボタン押下演出までに付与すべきポイント数、すなわち期間合計付与ポイントが設定されている。よって、図177に示した例の場合、繰越遊技回の開始から連続演出最終遊技回のボタン押下演出(Bt1)が実行されるまでの期間合計付与ポイントが設定されている。
演出シナリオの構成については上記変形例8と同じである。すなわち、繰越遊技回の演出シナリオ、および、連続演出最終遊技回の演出シナリオには、一または複数の候補タイミングが設定されている。そして、ポイント付与演出を実行するタイミングおよび各ポイント付与演出において付与するポイント数は、ポイント付与シナリオに設定されている各ボタン押下演出までに付与するポイント数と、演出シナリオに設定されている各ボタン押下演出までの候補タイミングに基づいて、上記変形例8と同様に抽選によって決定する。このようにすることで、繰越遊技回と連続演出最終遊技回とを跨いでポイント付与演出を実行するタイミングおよび各ポイント付与演出において付与するポイント数を抽選によって決定するので、上記変形例8と比較してより一層、ポイント付与演出の実行タイミングと付与されるポイント数とのパターン化を抑制することができる。
D7−10.変形例10:
ポイント付与演出は、上記第4実施形態で示した演出の態様(カメのキャラクタがポイントを付与する演出)に限定されず、種々の態様を採用することができる。
図178は、変形例10におけるポイント付与演出を説明する説明図である。図178(a)に示すように、例えば、付与されるポイントを決定するためのルーレットを示す画像を表示面41aに表示してもよい。ルーレットには、付与される可能性のあるポイント数に対応する数字(例えば、0〜19)が表示されている。ルーレットを回転させた後、図178(b)に示すように、ルーレットの回転を停止させ、図178(c)に示すように、ルーレット上に停止した矢印が指し示す数字に対応するポイント数を付与する。ポイント付与演出をこのような態様にすることによって、ルーレットが回転している期間において、遊技者に対して、付与されるポイントに対する期待感を付与することができる。また、ルーレットには、付与されるポイント数として「0(ゼロ)」が含まれるので、遊技者に対して、期待感に加え、緊迫感を付与することができる。
さらに、ポイント付与演出が複数の遊技回を跨ぐ構成を採用してもよい。例えば、ルーレットの回転を開始した遊技回においてはルーレットの回転を停止させず、当該遊技回より後の遊技回においてルーレットの回転を停止させる構成を採用してもよい。このように複数の遊技回を跨ぐポイント付与演出(以下、繰越ポイント付与演出とも呼ぶ)を実行することによって、遊技回を跨いで長期間、遊技者に付与されるポイントに対する期待感や緊迫感を付与することができる。
例えば、遊技回が保留されている場合において、当該遊技回においてポイントを付与することが決定した場合に、当該遊技回より先に実行される遊技回(先行遊技回)において、繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画を表示面41aに表示するように先行遊技回の演出シナリオに設定する処理を実行する。保留されている遊技回(保留遊技回)においてポイントを付与することが決定した時点において、先行遊技回がまだ実行されていない場合には、当該先行遊技回において繰越ポイント付与演出を実行するように演出シナリオに設定する。また、保留されている遊技回(保留遊技回)においてポイントを付与することが決定した時点において、既に当該保留遊技回より先に実行される先行遊技回が実行されている場合には、その時点からリアルタイムに、実行中の先行遊技回において繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画の表示を開始する。繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画レイヤを、先行遊技回における演出の動画レイヤより上位のレイヤとして表示することでポイント付与演出を先行遊技回から開始することができる。この場合、例えば、繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画を、表示面41aの周縁に近い位置に表示することで、先行遊技回における演出用動画の表示を遊技者が視認しにくくなることを抑制することができる。
なお、本変形例の繰越ポイント付与演出において、ルーレットを回転させて、その後にルーレットの回転が停止するまでの演出、すなわち、ポイントが付与されることを示唆する演出を第1の演出とし、ルーレットの回転が停止して付与されるポイントが報知され、ステージStの蓄積ポイントを示す真珠の画像が変化してポイントの付与がされた後の蓄積ポイントが表示される演出、すなわち、ポイントが付与されることを示す演出を第2の演出とした場合に、先行遊技回において第1の演出を開始し、先行遊技回より後に実行される遊技回において第2の演出を実行する構成であれば、種々の態様を採用することができる。
先行遊技回において第1の演出を開始し、先行遊技回より後に実行される遊技回において第2の演出を実行する構成を採用することによって以下のような効果を創出することができる。第1の演出は、遊技者に対して、ポイントが付与される可能性があるという期待感を付与することができる。第2の演出は、ポイントを付与することを示す演出であるので、第2の演出を認識した遊技者に対して、ポイントが付与されたことを認識させ、優越感や満足感を付与することができる。また、上記第4実施形態の構成と本変形例の構成とを組み合わせることによって、以下のような効果を創出することができる。先行遊技回を第1の遊技回、先行遊技回より後に実行される遊技回を第2の遊技回とすると、第2の遊技回において付与するポイントに対応する第1の演出を、第1の遊技回において開始する場合と、第2の遊技回において開始する場合とが生じる。換言すれば、所定の遊技回において、第1の演出が実行された場合には、ポイントが、当該所定の遊技回において付与される場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において付与される場合とがあり、第1の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、そのいずれの場合であるのかといった推測をさせ、期待感を付与することができる。
なお、先行遊技回において第1の演出を開始し、先行遊技回より後に実行される遊技回において第2の演出を実行する構成としては、第1の演出の開始から終了までを第1の遊技回において実行し、第2の演出の開始から終了までを第2の遊技回において実行する構成を採用してもよいし、第1の演出におけるルーレットが回転している様子の演出を第1の遊技回において開始し、第1の演出における回転中のルーレットが停止する演出、および第2の演出の開始から終了までを第2の遊技回において実行する構成を採用してもよい。また、そのいずれの構成も同時に採用してもよい。いずれの構成も採用し、かつ、ポイント付与演出が遊技回を跨がない構成も組み合わせると、所定の遊技回において第1の演出が開始されたことを認識した遊技者に対して、まず、ルーレットの回転が当該遊技回において停止するのか否かを推測する楽しみや期待感を付与する。仮に、当該遊技回においてルーレットが停止した場合には、ルーレットが停止することによって示された付与ポイント数に対応するポイントが、当該遊技回において付与されるのか、当該遊技回より後の遊技回において付与されるのかを推測する楽しみや期待感を付与する。従って、遊技者に対して、段階的な楽しみや期待感を付与することができる。
また、上記第4実施形態で述べたように、蓄積ポイントは、遊技回の終了を契機としてリセットされる場合と、リセットされない場合とがあるので、遊技回の終了時点においても、遊技者に蓄積ポイントについて注目させることができる。さらに、本変形例によって、第1の演出が実行された場合に、ポイントが当該所定の遊技回において付与される場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において付与される場合とがあり、遊技者に遊技回の移行時に注目をさせることができる。よって、遊技回の移行時における様々な期待感を遊技者に付与することができる。
なお、本変形例における第1の演出および第2の演出は、本変形例において説明した構成に限ることなく、種々の演出を採用することができる。例えば、上記第4実施形態におけるポイント付与演出のうち、表示面41aの右端からカメのキャラクタが表れて、付与されるポイント数が表示された真珠を投下するまでの演出を第1の演出として採用し、付与されるポイント数が表示された真珠をカメのキャラクタが投下し、当該真珠がステージStに到達して蓄積ポイントに対応する真珠の画像に変化しポイント付与演出が終了するまでの演出を第2の演出として採用してもよい。
D7−11.変形例11:
上記第4実施形態において、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じて、当該ポイント付与演出の態様が異なる構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出において表示するキャラクタであるカメの甲羅の色を、付与されるポイントが0〜2ポイントの場合には白色で表示し、付与されるポイントが3〜6ポイントの場合には黄色で表示し、付与されるポイントが7〜9ポイントの場合には青色で表示し、付与されるポイントが10〜15ポイントの場合には緑色で表示し、付与されるポイントが16〜20ポイントの場合には赤色で表示する構成を採用してもよい。このような構成は例えば以下のような処理によって実現することが可能である。ポイント蓄積処理(図168)のステップS42303において、付与ポイント数の読み込みを実行した後に、読み込んだ付与ポイントの大きさに応じてポイント付与演出に表示させるカメの甲羅の色を判断する。そして、ステップS42304において、ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに、ポイント付与演出に表示させるカメの甲羅の色の情報を含め、表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに含まれるカメの甲羅の色の情報を読み込み、当該情報に応じた甲羅の色をしたカメを表示させたポイント付与演出の演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。このようにすることで本構成を実現することができる。このような構成にすることで、ポイント付与演出において表示されるポイント数の表示に加え、カメの甲羅の色によって遊技者に期待感や優越感を付与することができる。
その他、例えば、上記第4実施形態においては、ポイント付与演出においてカメのキャラクタが投下する真珠には、当該ポイント付与演出によって付与されるポイント数が表示される構成を採用したが、当該真珠にポイント数を表示せず、さらに、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じてカメが投下する真珠の色が異なる構成を採用してもよい。このような構成も、上述の、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じてカメの甲羅の色を異なる色で表示する処理と同様の処理によって実現することができる。すなわち、ポイント蓄積処理(図168)のステップS42303において、付与ポイント数の読み込みを実行した後に、読み込んだ付与ポイントの大きさに応じてポイント付与演出に表示させる真珠の色を判断する。そして、ステップS42304において、ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに、ポイント付与演出に表示させる真珠の色の情報を含め、表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに含まれる真珠の色の情報を読み込み、当該情報に応じた色の真珠を表示させたポイント付与演出の演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。なお、本変形例の場合、ポイント付与演出においてカメのキャラクタが投下する真珠にポイント数を表示しないので、表示側MPU102は、カメのキャラクタが投下する真珠にポイント数を表示しないポイント付与演出の演出動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。このようにすることで、ポイント付与演出の実行が開始されても遊技者は、付与されるポイントを明確に把握ことができないため、遊技者に対して付与されるポイント数について期待感を付与することができる。さらに、付与されるポイント数の大きさに応じて、カメが投下する真珠の色が異なるため、当該真珠の色に基づいて付与されるポイント数を推測する楽しみを遊技者に対して付与することができる。
また、その他、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じて、ポイント付与演出において表示されるキャラクタが異なる構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出において表示するキャラクタを、付与されるポイントが0〜2ポイントの場合にはカメのキャラクタに設定し、付与されるポイントが3〜6ポイントの場合にはタコのキャラクタに設定し、付与されるポイントが7〜9ポイントの場合にはカニのキャラクタに設定し、付与されるポイントが10〜15ポイントの場合にはサメのキャラクタに設定し、付与されるポイントが16〜20ポイントの場合にはクジラのキャラクタに設定する構成を採用してもよい。当該構成も、上述した構成、すなわち、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じて、カメの甲羅の色、カメが投下する真珠の色を変化させる構成と同様の処理によって実現することができる。
その他、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超える場合に、当該実行されるポイント付与演出の態様を、それ以外の場合に実行するポイント付与演出と異なる態様に設定する構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントが3ポイントである状態において、9ポイントが付与されるポイント付与演出が実行される場合には、蓄積ポイントが10ポイントを超えるので、当該ポイント付与演出において表示するキャラクタを、通常のポイント付与演出の際に表示するカメのキャラクタに代えてクジラのキャラクタに設定する構成を採用てもよい。また、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超える場合であって、かつ、当該ポイント付与演出によって付与されるポイント数が所定の大きさ以上の場合に、それ以外の場合に実行するポイント付与演出と異なる態様に設定する構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超える場合であって、かつ、当該ポイント付与演出によって付与されるポイント数が8ポイント以上の場合に、当該ポイント付与演出において表示するキャラクタをカメのキャラクタに代えて、カニのキャラクタに設定し、かつ、当該カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するように設定する構成を採用してもよい。
このような構成は例えば以下のような処理によって実現することが可能である。ポイント蓄積処理(図168)において、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに基づいて、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であるかを判定し、かつ、当該ポイント付与演出において付与されるポイントが所定の大きさ(例えば、8ポイント)以上であるかを判定することによって実現することができる。すなわち、ポイント蓄積処理(図168)において、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに基づいて、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であり、かつ、当該ポイント付与演出において付与されるポイントが所定の大きさ(例えば、8ポイント)以上であると判定した場合に、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するように設定されたポイント付与演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するポイント付与演出の演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。このようにすることで本構成を実現することができる。このような構成にすることで、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するポイント付与演出を実行した場合に、通常のポイント付与演出が実行された場合よりも、より一層遊技者に期待感と優越感を付与することができる。また、遊技中に、ポイント付与演出が実行されないかといった期待感を遊技者に付与することができるとともに、さらに、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するポイント付与演出が実行されないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
その他、以下のような構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後にスーパーリーチ演出が実行される場合に、当該スーパーリーチ演出が実行される前に実行されるポイント付与演出の態様を、それ以外の場合に実行されるポイント付与演出の態様と異なる態様に設定する構成を採用してもよい。より具体的には、蓄積ポイントが5ポイントである状態において、9ポイントが付与されるポイント付与演出が実行されて蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、かつ、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後にスーパーリーチ演出が実行される場合に、当該スーパーリーチ演出が実行される前に実行されるポイント付与演出において表示されるキャラクタを通常のポイント付与演出の際に表示するカメのキャラクタに代えてクジラのキャラクタに設定する構成を採用してもよい。なお、ノーマルリーチ演出は、図柄がリーチ状態になった際に実行される演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。なお、後述するスペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合、および、ノーマルリーチ演出に加えスーパーリーチ演出が実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。
また、本構成は、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に実行される演出がスーパーリーチ演出である場合に限らず、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に実行される演出がスペシャルリーチ演出である場合や、大当たり抽選に当選したことを即時に告知する演出(以下、一発告知演出とも呼ぶ)である場合等に適用してもよい。すなわち、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に、スペシャルリーチ演出が実行される場合や、一発告知演出が実行される場合には、当該実行されるポイント付与演出の態様を、それ以外の場合に実行されるポイント付与演出の態様と異なる態様に設定する構成を採用する。
このような構成は例えば以下のような処理によって実現することが可能である。ポイント蓄積処理(図168)において、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに基づいて、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であるかを判定する。そして、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であると判定した場合に、演出シナリオに基づいて、当該ポイント付与演出後のボタン押下演出が実行された後の演出の種類を判定し、当該演出が、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、スペシャルリーチ演出、および、一発告知演出など、特定の種類の演出であると判定した場合には、各演出の種類に応じて、それ以外の場合とは異なる特別な態様のポイント付与演出を、ボタン押下演出前のポイント付与演出として設定する。このようにすることで上記構成を実現することができる。
このように、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に実行される演出の種類に応じて、当該演出が実行される前に実行されるポイント付与演出の態様が、それ以外の場合に実行されるポイント付与演出と異なる構成を採用することによって、ポイントが付与されるといった期待感を遊技者に付与するだけでなく、その他の期待感や、その後の遊技を推測する楽しみを遊技者に付与することができる。また、ポイント付与演出の態様が複数種類存在することで、毎回実行されるポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができる。
すなわち、本変形例においては、遊技回に設定される演出シナリオは、当該遊技回に対応する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSに基づいて決定される。そして、遊技回に対応する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSに基づいて決定された演出シナリオに基づいて、ポイント付与シナリオが決定され、当該演出シナリオとポイント付与シナリオに基づいて、当該遊技回において実行されるポイント付与演出の態様が決定される。
D7−12.変形例12:
上記第4実施形態において、ポイントの付与の態様が、その後の遊技の進行を示唆する構成を採用してもよい。例えば、3回の各ポイント付与演出よって、3ポイント、4ポイント、1ポイントが付与されるポイントの付与の態様が、その後に実行されるボタン押下演出後に、スペシャルリーチ演出が実行されることを示唆する構成や、3回の各ポイント付与演出よって、7ポイント、7ポイント、7ポイントが付与されるポイントの付与の態様が、その後に実行されるボタン押下演出後に、一発告知演出が実行されることを示唆する構成を採用することができる。このような構成は例えば以下のようにすることで実現することが可能である。
スペシャルリーチ演出や一発告知演出など特定の演出が実行されることが設定されている演出シナリオに対して紐付けされているポイント付与シナリオについて、当該ポイント付与シナリオに設定される各ポイント付与演出の付与ポイント数に、例えば、3、4、1の値を予め設定しておくことによって、当該構成を実現することができる。このようにすることで、各ポイント付与演出において付与されるポイント数に対して、より一層、遊技者を注目させることができる。また、ポイントの付与の態様に基づいて、その後の遊技の進行について遊技者に種々の推測をさせることができ、遊技者により一層期待感を付与することができる。
なお、ポイントの付与の態様によって示唆する内容は、その後に実行される演出に限定されず、例えば、さらにその後に実行されるポイント付与演出において付与されるポイント数を示唆するとしてもよいし、大当たり抽選の結果を示唆するとしてもよいし、蓄積ポイントの繰越を示唆するとしてもよい。
D7−13.変形例13:
上記第4実施形態において、既に付与されたポイントの付与の態様に関する情報(以下、ポイント付与態様情報とも呼ぶ)を表示する構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与態様情報として、ポイントが付与された態様の履歴を表示してもよい。そして、当該ポイントが付与された態様の履歴を色やキャラクタ等によって表示してもよい。
図179は、変形例13を説明する説明図である。図179は、ポイント付与演出においてステージStに蓄積したポイントを示す真珠の画像が、ポイントが付与された態様の履歴を表示している様子を示している。
図179(a)には、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から最初(1回目)のポイント付与演出が実行され4ポイントが付与された後のステージStの蓄積ポイントを示した。本変形例においては、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から1回目のポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントは、ステージStに白色の真珠の画像として表示する。
図179(b)には、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から2回目のポイント付与演出が実行され2ポイントが付与された後のステージStの蓄積ポイントを示した。本変形例においては、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から2回目のポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントは、ステージStに黄色の真珠の画像として表示する。
図179(c)には、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から3回目のポイント付与演出が実行され3ポイントが付与された後のステージStの蓄積ポイントを示した。本変形例においては、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から3回目のポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントは、ステージStに黄緑色の真珠の画像として表示する。
このように、各ポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントを示す画像を、当該蓄積ポイントが付与される契機となったポイント付与演出ごとに色によって区別することによって、ポイントが付与された態様の履歴を表示することができる。例えば、図179(c)のステージStに示した蓄積ポイントを示す真珠の画像を遊技者が視認することで、遊技者は、4ポイント→2ポイント→3ポイントの順で、ポイントが付与されたことを認識することができる。
本変形例は、例えば、第4実施形態におけるパチンコ機10が付与されたポイントの履歴を記憶する記憶エリアである付与履歴記憶エリアを音声発光制御装置90の音光側RAM94に備えることによって実現することができる。
図180、図181は、付与履歴エリアを説明する説明図である。図180(a)に示すように、付与履歴記憶エリアには、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態からのポイントの付与回数(ポイント付与演出の実行回数)と、各付与回数に対応するポイント付与演出によって蓄積されたポイントに対応する真珠の画像を表示する色(表示食)とが予め設定されており、実際にポイント付与演出が実行される毎に、付与ポイントの記憶エリア(以下、付与ポイント記憶エリアとも呼ぶ)に付与されたポイントを示す値が記憶される。図180(a)に示した付与履歴エリアの場合、1回目のポイント付与演出によって4ポイントが付与され、2回目のポイント付与演出によって2ポイントが付与され、3回目のポイント付与演出によって3ポイントが付与されたことがことがわかる。
図180(b)には、図180(a)の状態から、さらにポイント付与演出が1回実行され、6ポイントが付与された場合の付与履歴記憶エリアを示している。本変形例の付与履歴記憶エリアは、蓄積ポイントが10ポイント蓄積される毎に、付与ポイント記憶エリアの中で一つ右の記憶エリアに、付与されたポイントが記憶される。付与回数が1〜3回目において既にポイントが9ポイント蓄積されていたので、図180(b)に示すように、付与回数の4回目においては、付与された6ポイントのうち1ポイントは付与回数が1〜3回目と同列の記憶エリアに記憶され、残りの5ポイントは、一つ右の列の記憶エリアに記憶される。そして、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示する際には、付与ポイント記憶エリアの最も右の列の付与ポイントと、付与回数に対応する表示色を読み込み、ステージStに真珠の画像を表示する。このように、10ポイント毎に記憶エリアを区分することで、ポイントが10ポイント蓄積したことによってタイマ演出(または待機中演出)が実行され、蓄積ポイントが10ポイント分減算され、ステージStに新たにポイントが蓄積される場合であっても、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から実際に実行されたポイントの付与回数に対応した表示色で、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示することができる。また、本変形例に示した付与履歴記憶エリアは、1回のポイント付与演出において10ポイント以上のポイントが付与された場合にも対応することができる。
図181には、図180(b)の状態から、さらにポイント付与演出が1回実行され、17ポイントが付与された場合の付与履歴記憶エリアを示している。この場合、17ポイントのうち、5ポイントが付与ポイント記憶エリアの2列目に記憶されることによって、2列目の記憶エリアは10ポイントとなる。そして、残りの12ポイントのうち10ポイントは付与ポイント記憶エリアの3列目に記憶され、さらに残りの2ポイントは付与ポイント記憶エリアの4列目に記憶される。このように、1回のポイント付与演出において10ポイント以上のポイントが付与された場合であっても、付与ポイント記憶エリアの最も右の列の付与ポイントと、付与回数に対応する表示色を読み込むことによって、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から実際に実行されたポイントの付与回数に対応した表示色で、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示することができる。
また、当該付与履歴記憶エリアに付与されるポイントを記憶するタイミング、読み込むタイミング、および、リセットするタイミングについて説明する。付与されるポイントを付与履歴記憶エリアに記憶する場合には、例えば、ポイント蓄積処理(図168)のステップS42302において、実行される付与ポイント数を読み込んだときに、付与されるポイントを付与履歴記憶エリアに記憶する構成を採用することができる。このとき、上記説明したように、蓄積ポイントが10ポイント蓄積される毎に、付与ポイント記憶エリアの中で一つ右の記憶エリアに、付与されたポイントを記憶する。
付与履歴記憶エリアの読み込みについては、例えば、ポイント蓄積処理(図168)のステップS42310において、付与履歴記憶エリアにおける付与ポイント記憶エリアの最も右の列の付与ポイントと、付与回数に対応する表示色を読み込み、ポイントの付与回数に対応した表示色の真珠の画像(ポイント蓄積動画)を表示するためのポイント蓄積動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。当該ポイント蓄積動画表示開始コマンドを受信した表示側MPU102は、ポイントの付与回数に対応した表示色で、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示する。
付与履歴記憶エリアのリセットについては、例えば、ポイントリセット処理(図171)のステップS42603において蓄積ポイントカウンタCpntをリセットした後に、付与履歴記憶エリアをリセットする。このような処理を実行することで当該変形例における構成を実現することができる。
当該変形例の構成を採用することによって、ポイント付与演出の実行回数や1回のポイント付与演出における付与ポイント数等、ポイントが付与された態様の履歴を遊技者が確認することを可能にする。また、ポイントが付与された態様の履歴を確認した遊技者に対して、その後に実行されるポイント付与演出の回数や付与されるポイント数等を推測させ、遊技に対する期待感を付与することができる。また、上記変形例12のように、ポイントの付与の態様が、その後の遊技の進行を示唆する構成を採用した場合には、本変形例のようにポイントが付与された態様の履歴を遊技者が確認することを可能にすることで、遊技者に対して、より一層、その後の遊技の進行についての推測を促し、遊技者を遊技に注目させることができるとともに、遊技者に期待感を付与することができる。
なお、本変形例においては、ポイントが付与された態様の履歴を、蓄積ポイントを示す真珠の画像の色によって表示したが、各ポイント付与演出毎に付与されたポイントを区別するキャラクタによって表示してもよいし、マーク、模様等によって区別してもよい。また、各ポイント付与演出毎に付与されたポイントを、数字によって直接表示してもよい。例えば、3回の各ポイント付与演出によって、3ポイント、4ポイント、1ポイントが付与された場合には、表示面41aに、「3・4・1」と表示する。このように、ポイントが付与された態様の履歴が遊技者が認識可能であれば、種々の表示態様を採用することができる。
また、ポイント付与態様情報として、直近に実行されたポイント付与演出の実行時に付与されたポイント数のみが識別可能な情報が表示されるとしてもよい。例えば、ステージStに蓄積ポイントとして表示される真珠の画像のうち、直近に実行されたポイント付与演出の実行時に付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像のみが、他の真珠の画像と色や模様や形などが異なる構成を採用してもよい。
D7−14.変形例14:
上記第4実施形態におけるポイント付与演出として、1回のポイント付与演出で複数回ポイントを付与する態様を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出のうち、表示面41aの右端からカメのキャラクタが表れて、付与されるポイント数が表示された真珠を投下するまでの演出をポイント付与示唆演出と呼び、付与されるポイント数が表示された真珠をカメのキャラクタが投下し、当該真珠がステージStに到達して蓄積ポイントに対応する真珠の画像に変化しポイント付与演出が終了するまでの演出をポイント付与実行演出と呼ぶ場合において、ポイント付与示唆演出を1回実行した後に、ポイント付与実行演出を2回実行する。
図182は、変形例14におけるポイント付与演出の一例を示す説明図である。図示するように、図182(a)は、ポイント付与演出のうち、ポイント付与示唆演出が実行されている様子を示している。すなわち、表示面41aの右端からカメのキャラクタが表れて、付与されるポイント数が表示された真珠の投下を開始するまでの演出が実行される様子を示している。図182(b)は、ポイント付与示唆演出が実行された後、1回目のポイント付与実行演出が実行される様子を示している。図示するように、当該ポイント付与実行演出は、4ポイントが付与されることを示す演出である。図182(c)は、1回目のポイント付与実行演出が実行された後、2回目のポイント付与実行演出が実行される様子を示している。図示するように、当該ポイント付与実行演出は、5ポイントが付与されることを示す演出である。図182(d)は、2回目のポイント付与実行演出が終了するとともに当該ポイント付与演出が終了する様子を示している。
このような構成を採用することによって、ポイント付与示唆演出を認識した遊技者に対して、その後に、ポイント付与実行演出が何回実行されるのかといった期待感、すなわち、ポイントが何回付与されるのかといった期待感を付与することができる。また、ポイント付与示唆演出が1回実行された後にポイント付与実行演出が複数回実行された場合には、ポイント付与示唆演出が実行されたことを認識し、その後にポイント付与実行演出が1回実行されると推測していた遊技者に対して、意外性や驚きを付与することができる。
なお、図182においては、1回のポイント付与示唆演出に対して2回のポイント付与実行演出が実行される例について説明したが、1回のポイント付与示唆演出に対してN(N≧2の整数)回のポイント付与実行演出が実行されるとしてもよい。また、Nの値は、ポイント付与演出ごとに毎回異なっていてもよい。
本変形例におけるポイント付与演出は、例えば、以下のようにして実現することができる。例えば、1回のポイント付与示唆演出に対して2回のポイント付与実行演出を実行する場合には、上記第4実施形態において適用したポイント付与シナリオにおいて、1回のポイント付与演出に対応するポイントの値(例えば9ポイント)を2分割し(例えば、4ポイントと5ポイント)、1回目のポイント付与実行演出で分割したポイント値の一方のポイント(4ポイント)を付与し、2回目のポイント付与実行演出で分割したポイント値の他方のポイント(5ポイント)を付与することで実現することができる。このような処理によれば、実行するポイント付与示唆演出に対応してポイント付与シナリオに設定されているポイントの値を1つ取得すればよい。すなわち、1回のポイント付与示唆演出に対してポイント付与実行演出をN回実行する場合であっても、ポイント付与シナリオに設定されているポイントの値を1つ取得すればよい。そして、取得したポイントの値をN分割し、各ポイント付与実行演出に用いる。よって、1回のポイント付与演出においてポイント付与実行演出がN回実行される場合であっても、ポイント付与シナリオから付与するポイントの値を取得する処理までは、Nの値に関係無く同じであるので、処理を簡易化することができる。また、予めポイント付与シナリオに設定するポイントの値も、Nの値に関係無く設定することができ、ポイント付与シナリオへのポイント数の設定を簡易化することができる。
その他、本変形例におけるポイント付与演出は、例えば、以下のようにして実現することができる。例えば、1回のポイント付与示唆演出に対して2回のポイント付与実行演出を実行する場合には、上記第4実施形態において適用したポイント付与シナリオにおいて、2回分のポイント付与演出に対応するポイントの値を取得する。例えば、ポイント付与シナリオにおいて1回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数が4ポイントであり、ポイント付与シナリオにおいて2回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数が5ポイントである場合には、その2回分のポイント付与演出に対応するポイントの値を取得する。そして、1回のポイント付与示唆演出を実行した後に、ポイント付与シナリオにおいて1回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数の4ポイントを用いて1回目のポイント付与実行演出を実行し、その後に、ポイント付与シナリオにおいて2回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数の5ポイントを用いて2回目のポイント付与実行演出を実行する。このようにしても上記構成を実現することができる。このような処理によれば、1回のポイント付与示唆演出に対してN回のポイント付与実行演出を実行する場合には、ポイント付与シナリオから、実行するポイント付与実行演出の回数(N回)に応じた個数(N個)のポイントの値を取得すればよいので、上記の構成のように、1回のポイント付与演出に対応するポイントの値をN分割するといった処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができる。
D7−15.変形例15:
上記第4実施形態においては、ポイント付与演出の態様は、既にステージStに蓄積されている蓄積ポイントに加算処理が実行されることを示唆する態様であった。例えば、図124に示したポイント付与演出を例に説明すると、蓄積ポイントとして既にステージStに4ポイントが蓄積されており、さらに、ポイント付与演出が実行された場合には、カメが投下した真珠に表示されたポイント数(3ポイント)を、既に蓄積されているポイント数(4ポイント)に加算することを示す態様のポイント付与演出が実行される。このように、上記第4実施形態におけるポイント付与演出の態様は、既にステージStに蓄積されている蓄積ポイントに、新たに付与されるポイントが加算されることを示唆する態様(以下、加算態様とも呼ぶ)であった。そして加算態様のポイント付与演出が実行された場合には、蓄積ポイントとして表示されているポイントに、加算態様のポイント付与演出によって付与されるポイントが加算された結果のポイント数が、新たな蓄積ポイントとして表示される。しかしながら、ポイント付与演出の態様として、加算態様に限らず、他の態様を採用してもよい。例えば、既にステージStに蓄積されている蓄積ポイントに乗算処理が実行されることを示唆する態様(以下、乗算態様とも呼ぶ)のポイント付与演出を採用してもよい。
図183は、乗算態様のポイント付与演出を説明する説明図である。乗算態様のポイント付与演出は、図183(a)に示すように、表示面41aの右端からカメのキャラクタが出現した後、図183(b)に示すように、カメのキャラクタが真珠を投下するが、当該真珠には乗算処理を示す「×2」と表示されている。そして、図183(c)に示すように、「×2」と表示された真珠がステージStに到達すると、真珠に表示されていた「×2」に対応して、蓄積ポイントとして既にステージStに表示されている4ポイントに対して2が乗算された結果のポイント数(8ポイント)が、新たな蓄積ポイントとして表示される。
このような構成は以下のようにして実現することができる。例えば、ポイント付与シナリオにおいて、乗算態様のポイント付与演出に対応するポイントの値を設定する。このとき、当該乗算態様のポイント付与演出までの蓄積ポイントの値をXとし、当該乗算態様のポイント付与演出において蓄積ポイントに乗算する値をAとし、ポイント付与シナリオに設定する乗算態様のポイント付与演出に対応するポイントの値をYとした場合、Y=XA−Xとして算出したYの値を乗算態様のポイント付与演出に対応するポイントの値としてポイント付与シナリオに設定する。また、演出シナリオには、乗算態様のポイント付与演出が実行されるように設定する。このようにすることによって上記構成を実現することができる。
このような構成とすることで、乗算態様のポイント付与演出を認識した遊技者に対して、蓄積ポイントに乗算する値に対する期待感を付与することができ、乗算態様のポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができる。また、乗算態様のポイント付与演出が実行された場合には、表示面41aにカメのキャラクタが出現したことを認識し加算態様のポイント付与演出が実行されると推測していた遊技者に対して、驚きを付与し、期待感を大きく向上させることができる。
また、乗算態様のポイント付与演出の態様を、蓄積ポイントに乗算する値の大きさに応じた態様に制御する(変化させる)構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントに乗算する値の大きさに応じて、カメが投下する真珠の色が異なる構成や、出現するキャラクタが異なる構成(例えば、カメに代えてタコが出現する構成)を採用してもよい。このようにすることで、より一層、乗算態様のポイント付与演出に遊技者を注目させることができる。
さらに、乗算態様のポイント付与演出を実行した場合に、既に蓄積されている蓄積ポイントに乗算した結果のポイント数より多いポイント数を、新たな蓄積ポイントとして表示する構成を採用してもよい。例えば、既に4ポイントが蓄積されている場合において、乗算態様のポイント付与演出を実行する。乗算態様のポイント付与演出においては、カメが投下する真珠に乗算処理を示す「×2」と表示されている。この場合、通常であれば、乗算処理を示す「×2」がステージStに到達した時点で、新たな蓄積ポイントとして8ポイント(4ポイント×2)が表示されるが、本ポイント付与演出においては、蓄積ポイントが8ポイントより多いポイント数(例えば10ポイント)が表示される。このようにすることで、既に蓄積されている蓄積ポイントに乗算した結果の蓄積ポイントより多い新たな蓄積ポイントを認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
また、ポイント付与演出の態様として、加算態様のポイント付与演出を実行する場合と、乗算態様のポイント付与演出を実行する場合とがあることで、遊技者に対して、加算態様のポイント付与演出が実行されるのか乗算態様のポイント付与演出が実行されるのかといった緊迫感や緊張感を付与することができる。
さらに、加算態様のポイント付与演出を実行した場合に、既に蓄積されている蓄積ポイントに加算した結果のポイント数より多いポイント数を、新たな蓄積ポイントとして表示する構成を採用してもよい。このようにすることで、既に蓄積されている蓄積ポイントに加算した結果の蓄積ポイントより多い新たな蓄積ポイントを認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
なお、ポイント付与演出の態様は、加算態様や乗算態様に限らず、減算態様や除算態様のポイント付与演出など、種々の演算態様のポイント付与演出を実行する構成を採用してもよい。このようにすることで、実行されるポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができるとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
その他、1回のポイント付与演出の実行中に、当該ポイント付与演出の態様が変化する構成を採用してもよい。例えば、1回のポイント付与演出の実行中に、加算態様から乗算態様に変化したり、乗算態様から加算態様に変化したり、または、1回のポイント付与演出の実行中に当該ポイント付与演出の態様が複数回変化する構成を採用してもよい。このように、ポイント付与演出によって実行される演算方法が変化したと認識させることができ、遊技者に意外性を付与することができる。また、ポイント付与演出によって実行される演算方法によって、演算処理が実行された後の新たな蓄積ポイントの値が大きく異なる場合があることから、ポイント付与演出の態様を変化させることによって、遊技者に対して緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
図184は、一例として、1回のポイント付与演出の実行中に加算態様と乗算態様との間で態様が変化する場合における、カメが投下した真珠の画像(以下、単に真珠の画像とも呼ぶ)の表示態様を説明する説明図である。図184(a)には、ポイント付与演出の態様が加算態様である場合における、真珠の画像を示している。当該真珠の画像には、加法を示す算術記号である「+」が表示されることによって、ポイント付与演出が加算態様であることを示唆している。図184(b)には、ポイント付与演出の態様が乗算態様である場合における、真珠の画像を示している。当該真珠の画像には、乗法を示す算術記号である「×」が表示されることによって、ポイント付与演出が乗算態様であることを示唆している。
例えば、ポイント付与演出の実行中に加算態様から乗算態様に態様を変化させる場合には、図184(a)の真珠の画像に表示されている加法を示す算術記号である「+」を回転させて、図184(b)の真珠の画像に表示されている乗法を示す算術記号である「×」に変化させる。逆に、ポイント付与演出の実行中に乗算態様から加算態様に態様を変化させる場合には、図184(b)の真珠の画像に表示されている乗法を示す算術記号である「×」を回転させて、図184(a)の真珠の画像に表示されている加法を示す算術記号である「+」に変化させる。このような構成を採用することによって、「+」と「×」といった、ほぼ同じ線画の記号を回転させる処理により、その意味を大きく変えることができ、簡易な処理にも関わらず、遊技者に対して大きな緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
なお、1回のポイント付与演出の実行中に加算態様と乗算態様との間で態様を複数回変化させる場合には、カメが投下し落下中の真珠の画像に表示されている算術記号である「+」(または「×」)を継続的に回転させてもよい。そして、所定のタイミング(例えば、真珠がステージStに到達したタイミング)で当該算術記号の回転を停止させ、停止時に算術記号が示す演算(加算または乗算)によって、蓄積ポイントに演算を実行した量に相当するポイント(蓄積ポイントを示す真珠の画像)を、ステージStに表示する。このようにすることで、より一層、ポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができる。
D7−16.変形例16:
上記第4実施形態においては、蓄積されるポイントの表示態様として、1ポイント分をステージSt上の1個の真珠の画像として表示したが、そのような構成に限定されず、蓄積されるポイントを種々の態様によって表示することができる。
図185は、蓄積されるポイントの表示態様の一例を示す説明図である。本変形例において示した蓄積されるポイントの表示態様は、蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)となる表示態様である。図185(a)〜図185(j)の順に、ポイントが1ポイント〜10ポイントまで蓄積される様子を示している。図185に示した表示態様の場合、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して初めて1つの真珠の画像となる表示態様である。このような表示態様を採用することによって、遊技者に対して、部分的な画像から、1つの意味のある画像を形成していくという向上心を付与することや、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して1つの意味のある画像が形成された場合に、遊技者に達成感を付与することができる。
その他、図185においては、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線(輪郭線)を表示したが、そのような表示態様に限定されることなく、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線を表示しない表示態様を採用してもよい。
図186は、蓄積されるポイントの表示態様として、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線を表示しない表示態様を説明する説明図である。図示するように、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線を表示しないので、蓄積しているポイント数を遊技者が認識しにくい。よって、遊技者が無意識のうちに蓄積ポイントが閾値に達する場合があり、遊技者に驚きを付与することができる。
その他、蓄積されるポイントの表示態様として、図185や図186において説明したように、蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)を表示する態様を採用するが、当該蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)を、所定のタイミングで変更する態様を採用してもよい。例えば、図185に示すように、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して初めて1つの真珠の画像となる表示態様で蓄積ポイントを表示し、その後、蓄積ポイントが閾値に達したことにより当該真珠の画像がタイマ演出を示す貝の画像または待機中演出を示す貝の画像に変化しステージSt上の蓄積ポイントが再び0ポイントの状態に移行し、当該0ポイントの状態から新たに蓄積ポイントを蓄積する場合に、図187に示すように、当該新たな蓄積ポイントの表示態様として、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して初めて1頭のクジラの画像となる表示態様で蓄積ポイントを表示する構成を採用してもよい。このようにすることで、ステージStの蓄積ポイントに対して遊技者を注目させることができる。また、蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)が変更されるごとに、どのような形状(画像)が形成されるのかを遊技者に想像させ、遊技者に新たな期待感を付与することができる。
また、例えば、遊技回において大当たり抽選に当選する期待度(確率)に応じて、当該蓄積ポイントが蓄積する過程で形成されていく形状(画像)が異なる構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントが閾値に達しボタン押下演出が実行された後に一発告知演出が実行される場合には、当該蓄積ポイントが蓄積する過程で形成されていく形状として1匹のマンボ―の画像を採用する。そして、例えば、蓄積ポイントが閾値に達しボタン押下演出が実行された後にスペシャルリーチ演出が実行される場合には、当該蓄積ポイントが蓄積する過程で形成されていく形状として1匹のサメの画像を採用する。このような構成を採用することによって、ステージStの蓄積ポイントに対して、より一層遊技者を注目させることができるとともに、蓄積ポイントを示す画像が形成されていく過程において遊技者の期待感を増加させることができる。
D7−17.変形例17:
第4実施形態においては、付与する対象として、「ポイント」という数えることのできる量を採用したが、数えることのできない量を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出に代えて、ステージSt上に表示された容器に液体が追加される演出を採用してもよい。
D7−18.変形例18:
第4実施形態においては、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値を10ポイントとする構成を採用したが、そのような構成に限らず、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値として任意の正の値を採用することができる。
D7−19.変形例19:
第4実施形態においては、蓄積ポイントが閾値に達した場合には、ボタン押下演出を実行する構成を採用したが、ボタン押下演出に限らず、他の演出を実行する構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントが閾値に達した場合に、ボタン押下演出に代えて、所定のリーチ演出が実行されるとしてもよい。すなわち、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した場合には必ずリーチになるので、ポイントが付与されるごとに遊技者に対してリーチへの期待感を付与することができる。また、蓄積ポイントが閾値に達しても、ボタン押下演出などの特定の処理を実行しない構成を採用してもよい。このようにすることで、蓄積ポイントが閾値に達した後に、ボタン押下演出などの特定の処理が実行されるか否かを遊技者に推測させ、遊技者に緊迫感を付与することができる。
D7−20.変形例20:
第4実施形態においては、蓄積ポイントが繰り越すか否かの示唆をステージStの色の変化によって行ったが、ステージStの点灯、点滅、形状の変化など、他の方法によって行ってもよい。その他、蓄積ポイントが繰り越すか否かを示唆するための専用のランプ等を設けてもよい。
D7−21.変形例21:
上記第4実施形態において、ボタン押下演出に割り振られている期間(以下、ボタン押下演出期間とも呼ぶ)において、遊技者が演出操作ボタン24を押下するタイミングに応じて、演出操作ボタン24が操作された後からボタン押下演出期間が終了するまでの期間に実行される演出を変更する態様を採用してもよい。ボタン押下演出期間の開始のタイミングから遊技者が演出操作ボタン24を押下するタイミングまでの時間を計測し、当該計測した値に応じて、演出操作ボタン24が操作された後からボタン押下演出期間が終了するまでの期間に対応した演出が記録されている演出用記憶エリアからに演出用の画像データを読み出して実行することにより実現することができる。このようにすることによって、ボタン押下演出がパターン化することを抑制し、遊技者をボタン押下演出に注目させることができる。
D7−22.変形例22:
上記第4実施形態においては、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)は、表示面41aに表示されるステージStのみであったが、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)が表示面41aに複数個(複数箇所)表示される構成を採用してもよい。
図188は、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)が表示面41aに複数個(複数箇所)表示される構成を説明する説明図である。図188(a)に示すように、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)として、第1ステージSt1と、第2ステージSt2と、第3ステージSt3とが、表示面41aに表示されている。本変形例においては、各ステージStは、各々、演出上の機能が異なる。具体的には、各ステージStに蓄積されるポイント数が閾値に達したことを契機として実行される演出が、各々異なる。
第1ステージSt1に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行される。そして、当該ボタン押下演出が実行された後に、一発告知演出が実行される。上述のように、一発告知演出は、大当たり抽選に当選したことを即時に告知する演出である。従って、第1ステージSt1に蓄積されるポイントが閾値に達したことを認識した遊技者は、第1ステージSt1に蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機とするボタン押下演出が実行される遊技回における大当たり抽選に当選していることを認識することができる。
第2ステージSt2に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行される。そして、当該ボタン押下演出が実行された後に、スペシャルリーチ演出が実行される。上述のように、スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合、および、ノーマルリーチ演出に加えスーパーリーチ演出が実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。従って、第2ステージSt2に蓄積されるポイントが閾値に達したことを認識した遊技者は、第2ステージSt2に蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機とするボタン押下演出が実行される遊技回における大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを認識することができる。
第3ステージSt3に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行される。そして、当該ボタン押下演出が実行された後に、ノーマルリーチ演出が実行される。ノーマルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出が実行されない場合と比較して、大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。従って、第3ステージSt3に蓄積されるポイントが閾値に達したことを認識した遊技者は、第3ステージSt3に蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機とするボタン押下演出が実行される遊技回において、少なくともノーマルリーチ演出が実行されること認識することができる。
このような各ステージStの特性から、遊技者は、ポイントが付与される場合には、3つのステージStのうち、第1ステージSt1に最もポイントが蓄積されることを所望し、次に、第2ステージSt2にポイントが蓄積されることを所望し、最後に、第3ステージSt3にポイントが蓄積されることを所望する。
図188に示したポイント付与演出においては、表示面41aの右端からカメのキャラクタが出現した際には、付与されるポイント数が表示された真珠の画像は表示されない。当該カメのキャラクタは、表示面41aを右端から左端に進行する。
その後、図188(b)に示すように、当該カメのキャラクタは、当該ポイント付与演出において付与するポイントを蓄積させる対象のステージStの上を通過する際に、付与されるポイント数が表示された真珠を投下する。投下された真珠は、図188(c)に示すように、当該ポイント付与演出において付与するポイントを蓄積させる対象のステージStに到達した後に、蓄積ポイントを示す真珠の画像に変化し、当該ステージStに蓄積ポイントとして蓄積される。
このような演出は、当該演出を実行する遊技回に設定される演出シナリオとポイント付与シナリオに、当該遊技回において実行される各ポイント付与演出においてポイントを蓄積させる対象のステージSt(第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3)を、予め設定しておくことで実現することができる。
このような構成を採用することによって、ポイント付与演出において、ポイントが蓄積される位置(ステージSt)についても、遊技者に注目させることができ、遊技者に新たな楽しみを提供することができる。より具体的には、図188(a)に示したように、ポイント付与演出においてカメのキャラクタが表示面41aに出現したことを認識した遊技者に対して、いずれのステージStにポイントが蓄積されるのかといった期待感を付与することができるとともに、付与されるポイント数についての期待感を付与することができる。その後、図188(b)に示したように、カメのキャラクタが各ステージStの上部を通過している様子を認識した遊技者に対して、ポイントが蓄積される位置(ステージSt)についての期待感および緊迫感を付与し、さらに、付与されるポイント数に対する期待感も付与することができる。さらに、例えば、カメのキャラクタから付与されるポイント数が表示された真珠が、遊技者が期待していたステージSt(例えば、第1ステージSt1)に投下された場合には、遊技者に対して、優越感を付与することができる。
なお、図188に説明したポイント付与演出においては、図188(a)に示したように、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現する際に、付与されるポイント数が表示された真珠の画像が表示されない構成であったが、そのような構成に限らず、例えば、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現する際に、付与されるポイント数が表示された真珠の画像が表示される構成を採用してもよい。
図189は、開始時に付与ポイント数が表示されるポイント付与演出について説明する説明図である。図189(a)に示すように、本ポイント付与演出においては、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現する際に、付与されるポイント数が表示された真珠が表示される。その後、図189(b)に示すように、カメのキャラクタが各ステージStの上部を通過する際に、付与されるポイント数が表示された真珠が、3つのステージSt(第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3)のいずれかに投下される。そして、図189(c)に示すように、付与されるポイント数が表示された真珠が当該ポイント付与演出において付与するポイントを蓄積させる対象のステージStに到達した後に、蓄積ポイントを示す真珠の画像に変化し、当該ステージStに蓄積ポイントとして蓄積される。
このような演出は、図188に示したポイント付与演出と異なって、ポイント付与演出の開始時に付与ポイント数が表示される。この場合、当該付与ポイント数を認識した遊技者は、第1ステージSt1にポイントが蓄積されることを所望するとは限らず、今回実行されるポイント付与演出によって、蓄積ポイントが閾値に達するステージStがある場合には(例えば、図189に示した第2ステージSt2)、当該ステージStにポイントが蓄積されることを所望する場合がある。このように、図189に示したポイント付与演出の場合、遊技者は、蓄積ポイントが閾値に達した場合に大当たり抽選に当選している期待度(確率)が高いステージStがいずれであるのかを考慮することに加えて、現時点における各ステージStのポイントの蓄積状況についても考慮して、ポイントが蓄積されることを所望するステージStを決定する。よって、このようなポイント付与演出を実行することによって、遊技者に対して、遊技の状態を多角的に把握する楽しみを付与することができる。
その他、ポイントを付与する演出(ポイント付与演出)に加え、ポイントに関する他の演出を実行する構成を採用してもよい。例えば、実行された場合に3つのステージStのいずれかの蓄積ポイントを必ず閾値に到達させる演出(以下、閾値到達演出とも呼ぶ)を実行してもよい。
図190は、閾値到達演出の一例を説明する説明図である。図190(a)に示すように、閾値到達演出が開始されると、カニのキャラクタが真珠を持って表示面41aの右端から左端に通過する。その後、図190(b)に示すように、カニのキャラクタは、蓄積ポイントを閾値に到達させる対象のステージSt上で真珠を投下する。投下された真珠がステージStに到達すると、図190(c)に示すように、蓄積ポイントを閾値に到達させる対象のステージStの蓄積ポイントは閾値に到達した表示に変化する。その後、図190(d)に示すように、閾値に達したステージStに対応するタイマ演出が実行される。図190の例では、第1ステージSt1の蓄積ポイントが閾値に到達し、第1ステージSt1用に用意されたタイマ演出画像(クジラのキャラクタとタイマの画像)が表示される。上述のように、第1ステージSt1に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行され、当該ボタン押下演出が実行された後に、一発告知演出が実行される。
このような構成は、閾値到達演出を実行する遊技回に設定される演出シナリオとポイント付与シナリオに、予め、閾値到達演出に関する設定をしておくことで実現することができる。
このような構成を採用することによって、ポイント付与演出に加え、ポイントに関する新たな期待感を遊技者に付与することができる。具体的には、実行された閾値到達演出が閾値に到達させる対象のステージStがいずれであるのかによって、遊技の結果が大きく異なるので、遊技者に対して、大きな期待感や緊迫感を付与することができる。
なお、第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3は、当該ステージStに蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機として実行される演出が、各々、一発告知演出、スペシャルリーチ演出、ノーマルリーチ演出であったが、そのような構成に限定されず、他の演出や処理が実行される構成を採用してもよい。
また、第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3の各々に蓄積されたポイントは、上記第4実施形態と同様に、遊技回を跨いで繰り越す場合と繰り越さない場合とがある構成を採用してもよい。第4実施形態と同様に、蓄積ポイントが繰り越さない場合があることによって、遊技回が終了するまでに各ステージ上の蓄積ポイントが閾値に達するように遊技者に期待感を付与することができる。また、各ステージの少なくとも一つにポイントの蓄積が開始されたことを認識した遊技者に対して、遊技回の終了する時期を意識させ、各ステージ上の蓄積ポイントの付与される態様に注目させることができる。また、蓄積ポイントが遊技回を跨いで繰り越す場合があることによって、遊技回において3つのステージ上の蓄積ポイントのうちの少なくともいずれかのステージ上の蓄積ポイントが閾値に達しなかった場合であっても、当該蓄積ポイントが遊技回の終了時にリセットされずに次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、3つのステージ上の各蓄積ポイントに対して、このような期待感を付与することができ、上記第4実施形態に増して、遊技者に対して期待感を付与することができる機会を増やすことができる。
D7−23.変形例23:
上記第4実施形態において、実行中の遊技回が繰越遊技回ではない遊技回から繰越遊技回に変更されたように見せる演出(以下、繰越変更演出とも呼ぶ)を実行してもよい。
図191は、繰越変更演出の一例を説明する説明図である。図191(a)に示した遊技回においては、ステージStの色が橙色であり、当該遊技回が繰越遊技回ではないことを示している。当該遊技回において繰越変更演出が実行されると、黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが、表示面41aの右端から出現する。なお、黄色のステージは、表示面41aのステージStの位置に表示されている場合には、当該遊技回が繰越遊技回であることを示す。
黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが出現した後、図191(b)に示すように、黄色のステージおよびタコのキャラクタがステージStの上部を通過するタイミングにおいて、黄色のステージが落下する。その後、図191(c)に示すように、黄色のステージの画像は、橙色のステージStに重畳し、その後、ステージStの色が橙色から黄色に変化する。すなわち、繰越変更演出が実行されることによって、ステージStの色が、繰越遊技回ではないことを示す色(橙色)から、繰越遊技回であることを示す色(黄色)に変化する。
このような構成を採用することによって、繰越変更演出の実行を認識した遊技者に対して、当該遊技回が繰越遊技回ではない遊技回から繰越遊技回に変更されたと認識させ、驚きと、次回の遊技回への期待感を付与することができる。
また、本変形例においては、繰越変更演出と同様に黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが出現し、黄色のステージおよびタコのキャラクタがステージStの上部を通過するが、黄色のステージが落下せずに、黄色のステージおよびタコのキャラクタが表示面41aの右端から左端に通過するだけの演出、すなわち、繰越変更演出に見せかけたダミーの演出も実行する。繰越変更演出に見せかけたダミーの演出を実行することで、黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが出現したことを認識した遊技者に対して、黄色のステージの画像が落下するのかしないのかを推測させることによって、当該遊技回が繰越遊技回に変化するのか変化しないのかを推測させ、緊迫感を付与することができる。そして、黄色のステージが落下した場合には、遊技者に対して、優越感や期待感を付与することができる。
このような構成は、繰越変更演出を実行する遊技回に設定される演出シナリオとポイント付与シナリオに、予め、繰越変更演出に関する設定をし、かつ、ステージ表示制御処理(図172)において、繰越変更演出が実行される場合には、ポイントの蓄積が開始されたときのステージStの色を繰越遊技回ではない場合のステージStの色(橙色)に設定する処理を実行することで実現することができる。
D7−24.変形例24:
上記第4実施形態において、タイマ演出が示す残時間が延長される演出(以下、タイマ時間延長演出とも呼ぶ)を実行してもよい。
図192は、タイマ時間延長演出の一例を示す説明図である。図192(a)に示した遊技回においては、タイマ演出が実行中である。タイマ時間延長演出が開始されると、図192(a)に示すように、タイマ(以下、延長用タイマとも呼ぶ)をぶら下げた魚のキャラクタが表示面41aの右端から出現する。そして、図192(b)に示すように、延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタが、タイマ演出を示す貝とタイマの画像の上部を通過する際に、魚のキャラクタがぶら下げていた延長用タイマが落下し、タイマ演出を示すタイマの画像と重畳する。その後、図192(c)に示すように、タイマ演出を表すタイマの画像が示すボタン押下演出までの残時間が延長される。
すなわち、処理上、延長される前のボタン押下演出までの残時間は、ダミーの残時間として設定された時間(以下、ダミー残時間とも呼ぶ)である。そして、ダミー残時間の残り時間が0(ゼロ)に近づいたタイミング、または、0(ゼロ)になった後に、タイマ時間延長演出を実行し、タイマ演出のタイマが示す残時間を、真の残時間に更新する。このようにすることで、本変形例の構成を実現することができる。
このようなタイマ時間延長演出は、ダミー残時間が示す残時間が、実行中の演出の中間的な区切れ部分や、実行中の演出の終端部分までの時間を示すことによって、当該ダミー残時間に対する信憑性を付与することができ、ダミー残時間に対して遊技者を信用させることができる。そして、タイマ時間延長演出を実行し、タイマ演出のタイマが示す残時間をダミー残時間から真の残時間に更新することによって、遊技者に意外性や、期待感を付与することができる。
また、本変形例においては、タイマ時間延長演出と同様に延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタが出現し、当該延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタがステージStの上部を通過するが、延長用タイマが落下せずに、延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタが表示面41aの右端から左端に通過するだけの演出、すなわち、タイマ時間延長演出に見せかけたダミーの演出も実行する。タイマ時間延長演出に見せかけたダミーの演出を実行することで、タイマをぶら下げた魚のキャラクタが出現したことを認識した遊技者に対して、タイマが落下するのかしないのかを推測させることによって、タイマ演出が示す残時間が延長するのかしないのかを推測させ、緊迫感を付与することができる。そして、延長用タイマが落下した場合には、遊技者に対して、優越感や期待感を付与することができる。
D7−25.変形例25:
上記第4実施形態において、蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越す回数、すなわち、繰越遊技回が連続して実行される回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなる制御を実行してもよい。具体例としては、1回の繰越遊技回が実行された後に連続演出最終遊技回が実行される場合と比較して、3回の繰越遊技回が継続して実行された後に連続演出最終遊技回が実行される場合の方が、当該連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなるように制御する。
例えば、先判定処理によって保留遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合に、当該保留遊技回より先に実行される遊技回(先行遊技回)の数が多いほど、当該先判定処理によって保留遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選していると判定した以降に実行される遊技回から当該保留遊技回にかけて連続演出が実行されやすくなるように制御する。具体的には、演出情報設定処理において、再設定可能遊技回数Fnに基づいて実行遊技回数Npを抽選によって決定する際に、当該保留遊技回(処理対象遊技回)が大当たりである場合の方が、外れ(リーチ発生)の場合と比較して、実行遊技回数Npの値が大きくなる確率が高くなるように、実行遊技回数Npを決定するための抽選用のテーブルデータを設定する。このようにすることで、繰越遊技回が連続して実行される回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなるように制御することができる。このような構成を採用することによって、繰越遊技回が連続して実行されるほど、遊技者の期待感を増大させることができる。
さらに、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)まで達しない状態を維持したまま蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越す回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなる制御を実行してもよい。例えば、先判定処理によって保留遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合であって、演出情報設定処理において、実行遊技回数Npに対応した演出シナリオおよびポイント付与シナリオを決定する際に、当該保留遊技回(処理対象遊技回)が大当たりである場合の方が、外れ(リーチ発生)の場合と比較して、繰越遊技回から連続演出最終遊技回に亘って、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)に達しない演出シナリオおよびポイント付与シナリオに決定される確率が高くなるように、演出シナリオおよびポイント付与シナリオを決定するための抽選用のテーブルデータを設定する。このようにすることで、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)まで達しない状態を維持したまま蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越す回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなる制御を実行することができる。
このようにすることで、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)まで達しない状態を維持したまま蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越していることを認識した遊技者に期待感を付与することができる。その結果、蓄積ポイントが閾値に達していない状態において遊技者の期待感が減退してしまうことを抑制することができる。
D7−26.変形例26:
上記第4実施形態において、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が変更される構成を採用してもよい。具体的には、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されたにも関わらずタイマ演出または待機中演出が実行されず、10ポイントを超えて蓄積ポイントが蓄積され、10ポイントを超えた所定のポイント数が蓄積されたタイミング(例えば15ポイント)でタイマ演出、待機中演出またはボタン押下演出が実行される構成や、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されていない状態にも関わらずタイマ演出、待機中演出またはボタン押下演出が実行される構成を採用してもよい。また、この場合、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が変更されたことは遊技者には報知しない構成を採用することが好ましい。このような構成は、閾値を変更した処理に特化した演出シナリオおよびポイント付与シナリオを予め用意し、さらに、当該処理を実行する場合にのみ、各種処理において閾値として設定している値(通常は「10」)を、変更後の閾値の値(例えば「15」)に設定し実行することによって当該処理を実行することができる。このような構成を採用することによって、遊技者が予想しないタイミングでボタン押下演出を実行することができ、その結果、遊技者に意外性を付与することができる。
また、このような閾値を変更した処理を、当該処理を実行する遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりまたは外れ(リーチ発生)である場合に実行する構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、閾値が変更されたことを認識した遊技者、すなわち、10ポイントを超えて蓄積ポイントが蓄積されていることを認識した遊技者、および、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されていない状態にも関わらずボタン押下演出が実行されたことを認識した遊技者に対して期待感を付与することができる。
その他、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が変更されることを演出によって遊技者に報知する構成を採用してもよい。例えば、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントから5ポイントに変更されることを示唆する演出を実行する。このようにすることで、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントである場合よりも容易にボタン押下演出が実行されることを遊技者に期待させることができる。また、既に所定ポイント数のポイントが蓄積されている状態(例えば6ポイントが蓄積されている状態)で、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントから5ポイントに変更されることを示唆する演出が実行された場合には、既に、ボタン押下演出が実行されるために必要なポイント数が蓄積されていることになる。この場合、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントから5ポイントに変更されることを示唆する演出が実行された後すぐに当該ボタン押下演出に先立ってタイマー演出を実行した場合、遊技者に意外性と期待感を付与することができる。このような構成は、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことによって実現することができる。
D7−27.変形例27:
上記第4実施形態において、第1実行遊技回表示領域J1に示した第1実行遊技回表示、第1保留表示領域Ds1に示した第1保留遊技回表示、第2実行遊技回表示領域J2に示した第2実行遊技回表示、および、第2保留表示領域Ds2に示した第2保留遊技回表示の、各表示(以下、まとめて遊技回表示とも呼ぶ)に対応付けて、各遊技回において付与される付与ポイント数を表示する構成を採用してもよい。より具体的には、所定の遊技回においてポイントの付与が実行される場合に、当該所定の遊技回に対応する遊技回表示の近傍(例えば、当該遊技回表示の真上)に当該遊技回において付与されるポイント数に対応する表示(付与ポイント示唆表示)を表示してもよい。この場合、表示されている全ての遊技回表示に対応して、付与ポイント示唆表示を表示してもよいし、表示されている一部の遊技回表示に対応して、付与ポイント示唆表示を表示してもよい。このような構成を採用することによって、付与ポイント示唆表示を認識した遊技者に対して、表示された付与ポイント示唆表示に対応する遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。例えば、保留中の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて付与ポイント示唆表示が表示された場合、当該付与ポイント示唆表示を認識した遊技者に対して、保留中の遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。また、例えば、実行中の遊技回において10ポイント未満の範囲でポイントが付与されており、次に実行される遊技回に対応する遊技回表示に対応して表示されている付与ポイント示唆表示に対応するポイント数と現在付与されているポイント数とを合算すると10ポイント以上になる場合、次に実行される遊技回に対応する遊技回表示に対応して表示されている付与ポイント示唆表示が表示されない場合と比較して、より一層、次回の遊技回までポイントを繰り越して欲しいと遊技者に切望させることができ、仮にポイントが繰り越された場合には、遊技者に大きな期待感を遊技者に付与することができる。
また、所定の遊技回に対応する付与ポイント示唆表示を、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した後に、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示する構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用の保留遊技回(n=1)に対応する遊技回表示の真上に、付与ポイント示唆表示として表示していた数字の画像を、所定のタイミングで、保留遊技回(n=2)に対応する遊技回表示の真上に移動させる。
このような構成を採用することによって、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した付与ポイント示唆表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができる。
このような構成は、所定の遊技回に対応する付与ポイント示唆表示を、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した後に、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示するように、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことによって実現することができる。
その他、所定の遊技回において付与するポイント数とは異なるポイント数に対応する付与ポイント示唆表示を表示した後に、所定の遊技回において付与するポイント数に対応する付与ポイント示唆表示を表示する構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用の保留遊技回(n=1)に対応する遊技回表示の真上に、付与ポイント示唆表示として表示していた数字「5」の画像を、所定のタイミングで、数字「7」の画像に変化させる。
所定の遊技回において付与するポイント数とは異なるポイント数に対応する付与ポイント示唆表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができるともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
このような構成も、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことによって実現することができる。
E.第5実施形態:
E1.遊技機の構造:
図193は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図194は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図195は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(大当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1結果表示部37aと、第2結果表示部37bとを備えている。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1結果表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1結果表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
第2結果表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2結果表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
特図ユニット37は、さらに、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置によって構成されている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1結果表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2結果表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図196は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図196(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図196(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図196(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図196(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図196(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図196(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
E2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図197は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、各種検知センサ67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61は、各種検知センサ67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61の主側MPU62は、遊技中に遊技領域PAを流下する遊技球が各入賞口に入賞したか否かの入賞判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図198は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1結果表示部37a及び第2結果表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には保留情報記憶エリア64bが設けられている。保留情報記憶エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブルとして記憶されている。
図199は、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。図199(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図199(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図199(a)に示すように、大当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、図199(b)に示すように、大当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに記憶される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う確変抽選モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う通常抽選モードとを設定することができる。図199を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図200は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図200(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図200(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図200(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図200(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R確変大当たりに対応している。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10では、第2始動口34への入賞に基づく大当たりは、全て確変大当たりとなる。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、当否抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに記憶される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、大当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図196(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに記憶される。そして、所定のタイミングで、その記憶された電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
E3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図201は、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の一例を説明するタイムチャートである。本説明においては、ケースa1およびケースa2の2つの場合を例にして、パチンコ機10が実行する処理の特徴を説明する。
図201(a)は、ケースa1として、第1の遊技回において大当たり抽選に当選し(以下、単に「大当たり」とも呼ぶ)、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回において大当たり抽選に外れた場合に、パチンコ機10が実行する処理を示している。本実施形態においては、第1の遊技回の直前の遊技回の大当たり抽選は外れであるとともに、第1の遊技回と第2の遊技回との間には他の遊技回は存在しない場合について説明をする。なお、第1の遊技回と第2の遊技回との間に、他の遊技回が存在するとしてもよい。第1の遊技回と第2の遊技回との間に、他の遊技回が存在する場合にパチンコ機10が実行する処理については後述する。
図201(a)に示すように、第1の遊技回において大当たり抽選に当選した場合、パチンコ機10は、予告演出とリーチ演出とを実行する。予告演出は、図柄の変動の開始直前または開始後に実行される演出であって、大当たり抽選に当選する期待度を遊技者に示唆するための演出である。リーチ演出は、リーチ後に実行される演出であって、大当たり抽選に当選する期待度を遊技者に示唆する演出である。リーチ演出を実行後、パチンコ機10は、第1の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を遊技者に報知する結果告知演出を実行する。第1の遊技回では、結果告知演出として、大当たりの告知を行う。
その後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。特別遊技状態は、遊技者に特典を付与する状態である。図示するように、パチンコ機10は、特別遊技状態において、オープニング演出、開閉実行モード、エンディング演出を実行する。パチンコ機10は、オープニング演出として、開閉実行モードを開始することを示唆する演出を実行する。その後、パチンコ機10は、開閉扉36bの開放と閉鎖とを繰り返す開閉実行モードを実行する。開閉実行モードの実行期間中は、開閉実行モード用の所定の演出を実行する。開閉実行モードの終了後、パチンコ機10は、エンディング演出を実行する。図201(a)に示すように、本説明においては、エンディング演出を実行するための期間をエンディング期間と言う。
ここで、パチンコ機10は、エンディング期間において、示唆演出、特別遊技状態再現演出、特定終了演出を実行する。示唆演出は、既に実行された演出を再現することを示唆する演出である。本実施形態においては、示唆演出は、第1の遊技回において複数種類の中から選択および実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する内容の演出である。また、特別遊技状態再現演出は、特別遊技状態において、既に実行された演出の少なくとも一部を再現する演出である。
図202は、示唆演出、特定終了演出、および、後述する特定開始演出の一例を示す説明図である。図202(a)は示唆演出を示し、図202(b)は特定終了演出を示し、図202(c)は特定開始演出を示している。図202(a)に示した示唆演出は、女性キャラクターが、第1の遊技回において実行された演出、すなわち、予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する演出である。
図201(a)に示すように、パチンコ機10は、エンディング期間において示唆演出を実行した後、特別遊技状態再現演出として、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現実行する。本実施形態においては、特別遊技状態再現演出として、第1の遊技回で実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現するが、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出又は結果告知演出の一部のみを再現してもよい。例えば、特別遊技状態再現演出として予告演出、リーチ演出および結果告知演出を実行する際に、リーチ演出および結果告知演出を優先的に再現し、予告演出の一部または全部を省略して実行してもよい。通常時に高い頻度で実行される予告演出については一部または全部を省略し、リーチ時または大当たり時にしか実行されないリーチ演出および結果告知演出(大当たり告知)を優先的に再現することによって、遊技者が再現を強く望む演出に絞って特別遊技状態再現演出を実行することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特別遊技状態再現演出として図柄の変動表示および停止表示を再現実行する場合、特別遊技状態再現演出の実行時に表示面41aに表示する図柄の内容については、第1の遊技回において実際に表示した図柄の内容とは一部異なっている。
特別遊技状態再現演出を実行した後、パチンコ機10は、特定終了演出を実行する。図202(b)は、特定終了演出の一例を示している。図示するように、本実施形態における特定終了演出は、女性キャラクターが、特別遊技状態再現演出が終了したことを示唆する内容の演出である。
説明を図201(a)に戻す。パチンコ機10は、特定終了演出の終了とともに、エンディング期間および特別遊技状態を終了する。その後、第2の遊技回を実行する。第2の遊技回に係る大当たり抽選は外れである。パチンコ機10は、第2の遊技回においては、大当たり抽選の結果を予告する通常の予告演出(通常予告演出とも呼ぶ)と、結果告知演出(外れ告知)とを実行する。以上、ケースa1について説明した。
次に、ケースa2について説明する。図201(b)は、ケースa2として、第1の遊技回において大当たり抽選に当選するとともに、第2の遊技回においても大当たり抽選に当選する場合に、パチンコ機10が実行する処理を示している。
図201(b)に示すように、第1の遊技回において大当たり抽選に当選した場合、パチンコ機10は、予告演出およびリーチ演出を実行する。そして、リーチ演出を実行後、パチンコ機10は、第1の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を遊技者に報知する結果告知演出を実行する。第1の遊技回では、結果告知演出として、大当たりの告知を行う。
その後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。図示するように、パチンコ機10は、特別遊技状態において、オープニング演出、開閉実行モード、エンディング演出を実行する。パチンコ機10は、オープニング演出として、開閉実行モードを開始することを示唆する演出を実行する。その後、パチンコ機10は、開閉扉36bの開放と閉鎖とを繰り返す開閉実行モードを実行する。開閉実行モードの終了後、パチンコ機10は、エンディング期間においてエンディング演出を実行する。
ケースa2の場合、ケースa1と異なり、パチンコ機10は、エンディング期間において示唆演出のみ実行する。示唆演出の内容は、ケースa1において実行する示唆演出の内容と同じである。パチンコ機10は、示唆演出の終了とともに、特別遊技状態を終了する。すなわち、ケースa2の場合のエンディング期間は、ケースa1の場合のエンディング期間より短い。
パチンコ機10は、示唆演出の終了とともに、特別遊技状態を終了する。その後、第2の遊技回を実行する。ケースa2においては、第2の遊技回においても大当たり抽選に当選する。パチンコ機10は、第2の遊技回における演出として、遊技回再現演出を実行する。遊技回再現演出は、遊技回において、既に実行された演出の少なくとも一部を再現する演出である。本実施形態においては、遊技回再現演出として、第1の遊技回において実行した演出の再現をする。すなわち、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出(大当たり告知)を実行する。この場合、この結果告知演出(大当たり告知)が、遊技回再現演出の一部としての機能を有すると共に、第2の遊技回の大当たり抽選についての結果告知としての機能を有する。そして、遊技回再現演出の終了とともに、第2の遊技回を終了する。
なお、後にフローチャートを用いて説明するが、本実施形態においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。すなわち、ケースa2の場合、第1の遊技回と第2の遊技回とは、いずれも大当たり抽選に当選した遊技回であるので、第1の遊技回の変動時間と第2の遊技回の変動時間は同じである。従って、第1の遊技回で実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出を、第2の遊技回において遊技回再現演出として実行することができる。
なお、本実施形態においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間はいずれも一定になるように制御するが、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間を、乱数を用いて設定することにより、大当たり時の遊技回の変動時間が毎回異なっているとしてもよい。この場合、第1の遊技回より第2の遊技回の方が長い場合には、第2の遊技回の開始時に、第2の遊技回と第1の遊技回の各変動時間の差分の時間(余剰時間)を用いて、予め用意した示唆演出を行うとしてもよい。余剰時間の長さ毎に、複数種類の示唆演出を用意することによって、余剰時間が毎回異なる場合であっても、第2の遊技回の開始時に示唆演出を実行することができる。余剰時間を用いて実行する示唆演出は、第1の遊技回後の特別遊技状態において実行する示唆演出後に実行されることになる。従って、特別遊技状態において実行する示唆演出と、余剰時間を用いて実行する示唆演出とが、連続性を持った内容になるように、余剰時間を用いて実行する示唆演出の内容を設定するとしてもよい。このようにすることで、第1の遊技回より第2の遊技回の方が長い場合でも、第2の遊技回において遊技回再現演出を遊技者に違和感を与えることなく実行することができる。
また、第1の遊技回より第2の遊技回の方が短い場合には、第1の遊技回で実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出の一部のみを遊技回再現演出として実行するとしてもよい。例えば、遊技回再現演出として予告演出、リーチ演出および結果告知演出を実行する際に、リーチ演出および結果告知演出を優先的に再現し、予告演出の一部または全部を省略して遊技回再現演出を実行してもよい。通常時に高い頻度で実行される予告演出については一部または全部を省略し、リーチ時または大当たり時にしか実行されないリーチ演出および結果告知演出(大当たり告知)を優先的に再現することによって、遊技者が再現を強く望む演出を優先的に再現することができる。
図201(b)に示すように、第2の遊技回の終了後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。パチンコ機10は、特別遊技状態のオープニング演出において、特定開始演出を実行する。特定開始演出は、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選であり、かつ、第2の遊技回において遊技回再現演出を実行した場合に、その後の特別遊技状態のオープニング演出として実行される。
図202(c)は、特定開始演出の一例を示している。図に示した特定開始演出は、女性キャラクターが、第2の遊技回における大当たり抽選に当選していること示唆する演出であるとともに、第2の遊技回の大当たりに起因して特別遊技状態(開閉実行モード)が開始されることを示唆する演出である。パチンコ機10は、特定開始演出を実行した後、開閉実行モード、および、エンディング演出を実行する。この場合の、開閉実行モード時に実行される演出およびエンディング演出(通常エンディング演出)は、通常の大当たり時に実行される演出である。エンディング演出として実行される通常エンディング演出は、特別遊技状態が終了することを示唆する演出である。
以上、パチンコ機10が実行する処理について、ケースa1、ケースa2の2つのケースを用いて説明した。ケースa1で説明したように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が外れの場合には、示唆演出の後に実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、第1の遊技回で実行した演出を再現する特別遊技状態再現演出として実行され、遊技者も既に実行された演出を再現する演出であると認識する。一方、ケースa2のように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選している場合には、示唆演出の後に実行される予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、演出上は既に実行された演出を再現する演出として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行された遊技回再現演出である。先にケースa1における特別遊技状態再現演出を鑑賞していた場合、遊技者は、ケースa2の第2の遊技回における遊技回再現演出を、ケースa1と同様に、第1の遊技回において実行された演出の再現にすぎないと認識するとともに、第2の遊技回に係る大当たり抽選において当選していることを予期しにくい。このような状態において、第2の遊技回において予告演出およびリーチ演出が実行された後に、結果告知演出によって第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることが告知されると、遊技者は、その時点ではじめて、第2の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出が、単なる第1の遊技回で実行された演出が再現されたものではなく、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行されたものであることを認識する。このようにケースa1における特別遊技状態再現演出およびケースa2における遊技回再現演出を実行することによって、遊技に意外性を付与するとともに、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する演出について、遊技者に期待感を付与することができる。また、ケースa2における第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、ケースa2の場合、第2の遊技回における大当たり抽選が当選しているにも関わらず、第1の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する示唆演出を実行するので、より一層、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることを遊技者に予期させにくい。従って、さらに遊技に意外性を付与することができる。
また、ケースa2のように、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出をそのまま再現して第2の遊技回において実行すると、第2の遊技回における結果告知演出が実行されても、第2の遊技回における大当たり抽選に当選していることに遊技者が気付かない可能性があるが、第2の遊技回の終了後に、特別遊技状態において特定開始演出を実行するので、当該特定開始演出を実行した時点で、遊技者に、第2の遊技回における大当たり抽選に当選したことを認識させることができる。
E4.待機状態における処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が待機状態において実行する処理の概要について説明する。待機状態とは、遊技回が終了した後の状態であって特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されていない状態をいう。
図203は、本実施形態のパチンコ機10が待機状態において実行する処理の一例を示すタイミングチャートである。この図203には、メイン表示部45に表示される図柄が変動中であるか否かを示す状態図と、図柄表示装置41の表示態様と、音声発光制御装置90から出力される音声の出力内容と、音声の出力レベル(音量)とが示されている。また、図203には、主制御装置60における待機状態フラグのON、OFFの状態と、主制御装置60における移行条件成立フラグのON、OFFの状態と、音声発光制御装置90における頭出し判定フラグのON、OFFの状態とが示されている。これらのフラグについては後述する。
図柄表示装置41の表示態様に記載されている「01」等の数字は、動画データの時間的位置を示しており、「01」は、動画データの先頭位置を示している。動画データの時間的位置とは、時間的長さをもって表示される動画の各時間に対応した動画データの位置であり、動画データを時間的な長さでとらえた場合における動画の時間的位置に対応した動画データの位置である。動画データの時間的位置として、例えば、動画データに記録されたタイムコードを用いることができる。本実施形態では、背景動画の動画データは、「30」の時間的位置まで表示されると、再び「01」の時間的位置に戻って先頭から表示される。
音声の出力内容に記載されている「01」等の数字は、音楽データの時間的位置を示しており、「01」は、音楽データの先頭位置を示している。音楽データの時間的位置とは、時間的長さをもって出力される音楽の各時間に対応した音楽データの位置であり、音楽データを時間的な長さでとらえた場合における音楽の時間的位置に対応した音楽データの位置である。音楽データの時間的位置として、例えば、音楽データに記録されたタイムコードを用いることができる。本実施形態では、背景音楽の音楽データは、「30」の時間的位置まで出力されると、再び「01」の時間的位置に戻って先頭から出力される。
表示制御装置100は、大当たり抽選の結果に対応した表示を行なう遊技回において背景動画を図柄表示装置41に表示させるとともに、遊技回が終了した後の待機状態においても、図柄表示装置41に背景動画を継続して表示させる。背景動画は、図柄表示装置41において図柄の背景側に表示される動画であり、上述した予告演出やリーチ演出等の画像や動画が表示された場合には、これらの画像や動画の背景側に表示される。本実施形態の背景動画は、後述する背景音楽のリズムに合わせてキャラクターが踊っている動画である。
音声発光制御装置90は、遊技回において上述した背景動画に対応した背景音楽(BGM:Background Music)をスピーカー46から出力させるとともに、遊技回が終了した後の待機状態においても、スピーカー46から背景音楽を継続して出力させる。本実施形態では、背景音楽は、背景動画に対応して継続して出力される音楽であり、背景動画と同じ時間的長さを有している。したがって、本実施形態では、例えば、時間的位置「10」の背景動画が表示されているタイミングにおいて時間的位置「10」の背景音楽が出力されることによって、背景動画の表示と背景音楽のリズムとが一対一に対応した演出が実現される。
図203に示すように、主制御装置60は、遊技回が終了すると、すなわち、メイン表示部45における図柄の変動が停止すると、待機状態フラグをONにする(時刻t1)。そして、主制御装置60は、メイン表示部45における図柄の変動が停止して待機状態となった後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに15秒が経過した場合、すなわち、待機状態フラグがONになってから15秒が経過した場合に、移行条件が成立したと判定し、移行条件成立フラグをONにするとともに、待機状態フラグをOFFにする(時刻t2)。
移行条件は、音声の出力態様を、遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様から、背景音楽の音量がゼロである態様(消音状態)に移行させるとともに、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様から、デモ動画を表示する態様に移行させる条件である。すなわち、移行条件が成立すると、音声の出力態様は、背景音楽の連続性が断たれた態様に移行し、図柄表示装置41の表示態様は、背景動画の連続性が断たれた態様に移行する。なお、デモ動画(デモンストレーション動画)は、背景動画とは異なる動画であって、当該パチンコ機10の魅力を遊技者に伝えるための動画である。例えば、デモ動画では、パチンコ機10の機種名が表示されたり、パチンコ機10の遊技方法が説明されたり、パチンコ機10に登場するキャラクターやストーリー等が説明される。なお、デモ動画は、アトラクト動画と呼ばれる場合もある。
図203に示すように、時刻t2において移行条件が成立した場合には、音声発光制御装置90は、音声の出力態様を、遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様(時刻t2までの態様)から、背景音楽の出力を継続しつつ当該背景音楽の音量を時間の経過と共に低減(フェードアウト)する態様(時刻t2から時刻t3までの態様)を経て、背景音楽の音量がゼロである態様(時刻t3以降の態様)に移行させる。なお、本実施形態では、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量がゼロになってから5秒が経過するまでは背景音楽の出力自体は継続し、背景音楽の音量がゼロになってから5秒が経過したタイミング(時刻t4)で、背景音楽の出力を停止する。また、図203に示した例では、遊技球によって予め設定された音量は、最大の音量となっている。
表示制御装置100は、移行条件が成立した場合には、図柄表示装置41の表示態様を、背景音楽の音量がゼロになってから5秒経過後に、デモ動画を表示する態様に移行させる(時刻t4)。音声発光制御装置90は、デモ動画の表示が開始されるタイミングにおいて、頭出し判定フラグをONにする(時刻t4)。頭出し判定フラグは、後述する復帰条件が成立した場合に、背景動画および背景音楽を、これらの時間的な先頭位置「01」から表示および出力を開始させるか否かを判定するためのフラグである。本実施形態では、頭出し判定フラグは、音声の出力態様が背景音楽の連続性が断たれた態様に移行し、かつ、図柄表示装置41の表示態様が背景動画の連続性が断たれた態様に移行した場合にONにされる。
主制御装置60は、移行条件が成立した後において、遊技球が第1始動口33または第2始動口34に入球して遊技回(図柄の変動表示)が開始されると、復帰条件が成立したと判定するとともに、移行条件成立フラグをOFFにする。復帰条件は、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様に復帰させるとともに、音声の出力態様を、遊技者によって予め設定された音量で背景音楽が出力されている態様に復帰させる条件である。
図203に示すように、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後(時刻t5)に復帰条件が成立した場合には、頭出し判定フラグがONであるため、表示制御装置100および音声発光制御装置90は、背景動画および背景音楽の頭出し処理を実行する。具体的には、表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を図柄表示装置41に表示させる際に、当該背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するとともに、背景音楽を出力する際に、当該背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。したがって、背景動画および背景音楽は、共に時間的な先頭位置から表示および出力が開始される。
なお、音声発光制御装置90は、複数種類の背景音楽を出力可能であり、背景音楽および背景動画について頭出し処理(時間的な先頭位置「01」から音楽の出力または動画の表示を開始する処理)を実行する際には、頭出し処理を実行する対象の背景音楽の種類を抽選によってランダムに選択する構成とし、表示制御装置100は、複数種類の背景音楽に対応した複数種類の背景動画を表示可能であり、選択された背景音楽に対応した背景動画を選択して頭出し処理を実行する構成としてもよい。このような構成とすれば、複数種類の背景音楽および背景動画を遊技者に鑑賞させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
図204は、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前に復帰条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。図204に示すように、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前(時刻t4)に復帰条件が成立した場合には、頭出し判定フラグがOFFであるため、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行する。このようにして、図柄表示装置41の表示態様および音声の出力態様は、移行条件が成立する前の態様に復帰する。
図205は、背景音楽の音量を低減中に復帰条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。図205に示すように、背景音楽の音量を低減中(時刻t3)に復帰条件が成立した場合には、頭出し判定フラグがOFFであるため、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行する。このようにして、図柄表示装置41の表示態様および音声の出力態様は、移行条件が成立する前の態様に復帰する。
以上説明したように、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図203)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を図柄表示装置41に表示させる際に、当該背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するとともに、背景音楽を出力する際に、当該背景音楽の予め定められた時間的位置から出力を開始する。したがって、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合に、デモ動画を表示する態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた背景動画の時間的位置から当該背景動画の表示を開始する構成や、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる際に、表示を開始する背景動画の時間的位置をデモ動画を表示する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、背景動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行した後においても背景動画の再生を内部処理として継続するとともに、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰する際には内部処理として継続して再生している背景動画を表示する構成等が挙げられる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図203)に、表示制御装置100は、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。したがって、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、復帰条件が成立した後、背景動画および背景音楽を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景動画および背景音楽のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、当該遊技者に対して背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前に復帰条件が成立した場合(図204)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量を低減中に復帰条件が成立した場合(図205)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技回が終了した後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに15秒が経過した場合に移行条件が成立したと判定するので、遊技者が遊技を行なっていない可能性の高い状態において背景音楽の音量を時間の経過と共に低減させることができる。
さらに、本実施形態によれば、待機状態において遊技回が開始される場合に復帰条件が成立したと判定し、図柄表示装置41の表示態様が背景動画を表示する態様に復帰するとともに、音声の出力態様が遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様に復帰するので、遊技回が開始されたという期待感を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
E5.主制御装置において実行される各種処理:
次に、ケースa1およびケースa2に示した処理をパチンコ機10において実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図206は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS50101では、各種検知センサ67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a〜67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS50102に進む。
ステップS50102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS50103に進む。
ステップS50103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS50104に進む。
ステップS50104では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS50104の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS50104を実行した後、ステップS50105に進む。
ステップS50105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS50105におけるスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS50105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図206:S50104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図207は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS50201では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS50201において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S50201:YES)、ステップS50202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS50203に進む。
ステップS50203では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS50204に進む。
ステップS50204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS50209に進む。
ステップS50201において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S50201:NO)、ステップS50205に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS50205において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S50205:YES)、ステップS50206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS50207に進む。一方、ステップS50205において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S50205:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS50207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS50208に進む。
ステップS50208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS50209に進む。
ステップS50209では、上述したステップS50204又はステップS50208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS50209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S50209:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS50209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S50209:YES)、ステップS50210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS50211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS50212に進む。
ステップS50212では、ステップS50103(図206)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS50210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS50103(図206)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS50210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS50103(図206)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS50210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS50212を実行した後、ステップS50213に進む。
ステップS50213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS50213を実行した後、ステップS50214に進む。
ステップS50214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図210:ステップS50503)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS50214を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図207:S50213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図208は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS50301では、始動口用の入賞処理(図207)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS50302に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS50302において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S50302:YES)、ステップS50303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS50305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS50302において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S50302:NO)、ステップS50304に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS50305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS50305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S50305:YES)、ステップS50306に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS50307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS50307を実行した後、ステップS50308に進む。
ステップS50308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS50308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S50308:YES)、ステップS50309に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS50308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S50308:NO)、ステップS50310に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS50305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S50305:NO)、ステップS50311に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS50312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS50313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS50313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S50313:YES)、ステップS50314に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS50313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S50313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図206:S50105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図209は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS50401では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS50401において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S50401:YES)、ステップS50402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS50401において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S50401:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS50402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S50402:YES)、ステップS50403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS50404に進む。
ステップS50404では、ステップS50103(図206)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS50402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S50402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図210は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS50501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS50502に進む。
ステップS50502では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS50503に進む。
ステップS50503では、ステップS50502において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS50503を実行した後、ステップS50504に進む。
ステップS50504では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS50505に進む。
ステップS50505では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS50506に進む。ステップS50506では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1結果表示部37a,第2結果表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS50506を実行した後、ステップS50507に進む。
ステップS50507では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS50508に進む。
ステップS50508では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS50509に進む。
ステップS50509では、待機状態が所定時間経過した場合にサブ側の各制御装置にデモ動画を開始させるための待機用処理を実行する。待機用処理の詳細は後述する。その後、ステップS50510に進む。
ステップS50510では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS50503のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS50510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S50510:NO)、ステップS50511及びステップS50512において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS50511において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS50512において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS50510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S50510:YES)、ステップS50503に戻り、ステップS50503からステップS50508までの各処理を実行する。
なお、ステップS50503からステップ507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図210:S50506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図211は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS50601では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS50601においてオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S50601:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップS50602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS50601において、特別遊技状態中でないと判定した場合には(S50601:NO)、ステップS50602に進む。
ステップS50602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS50602において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S50602:NO)、ステップS50603〜ステップS50605の遊技回開始用処理に進む。ステップS50603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS50603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S50603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS50603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S50603:NO)、ステップS50604に進む。
ステップS50604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS50605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS50605では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS50606に進む。
ステップS50606では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS50606を実行した後、ステップS50607に進む。
ステップS50607では、待機状態フラグをOFFにする。待機状態フラグは、待機状態が開始されたタイミングでONにされ、メイン表示部45の変動表示が開始されたタイミング又は待機状態が開始されてから15秒が経過したタイミングでOFFにされるフラグである。ステップS50607を実行した後、ステップS50608に進む。
ステップS50608では、移行条件成立フラグがONであるか否かを判定する。移行条件成立フラグは、待機状態が開始されてから15秒が経過したタイミングでONにされ、メイン表示部45の変動表示が開始されたタイミングでOFFにされるフラグである。ステップS50608において、移行条件成立フラグがONであると判定した場合には(S50608:YES)、ステップS50609に進む。一方、ステップS50608において、移行条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S50608:NO)、遊技回制御処理を終了する。
ステップS50609では、復帰条件成立コマンドを設定する。復帰条件成立コマンドは、メイン表示部45の変動表示が開始されたこと、すなわち復帰条件が成立したことをサブ側の各制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップS50609を実行した後、ステップS50610に進む。
ステップS50610では、移行条件成立フラグをOFFにする。その後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS50602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S50602:YES)、ステップS50611〜ステップS50615の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS50611では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS50611では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図214)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS50611において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S50611:NO)、ステップS50612に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS50612を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS50611において、変動時間が経過していると判定した場合には(S50611:YES)、ステップS50613に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図213)において決定された結果表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。ステップS50613を実行した後、ステップS50614に進む。
ステップS50614では、待機状態フラグをOFFにする。その後、ステップS50615に進み、待機状態時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア64dに記憶されている待機状態タイマカウンタTwに「7500」(すなわち、15.0sec)をセットする。待機状態タイマカウンタTwは、待機状態が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS50615を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図211:S50604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図212は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS50701では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図198)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図198)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRa(図198)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRb(図198)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS50701の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS50701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS50701:YES)、ステップS50702〜ステップS50707の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS50701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS50701:NO)、ステップS50708〜ステップS50713の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS50702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS50703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS50704に進む。ステップS50704では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS50705に進む。
ステップS50705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS50705を実行した後、ステップS50706に進む。
ステップS50706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS50707へ進む。
ステップS50707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS50707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図210)におけるステップS50503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS50701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS50701:NO)、ステップS50708に進む。
ステップS50708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS50709に進む。ステップS50709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS50710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS50711に進む。
ステップS50711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS50711を実行した後、ステップS50712に進む。
ステップS50712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS50713に進む。
ステップS50713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS50713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図210)におけるステップS50503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図211:S50605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図213は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS50801では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS50801において、高確率モードであると判定した場合には(S50801:YES)、ステップS50802に進む。
ステップS50802では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図199(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS50804に進む。一方、ステップS50801において高確率モードではないと判定した場合には(S50801:NO)、ステップS50803に進む。
ステップS50803では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図199(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS50804に進む。
ステップS50804では、ステップS50802又はステップS50803における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS50804において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S50804:YES)、ステップS50805〜ステップS50812において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS50805では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS50805において、第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S50805:NO)、ステップS50806に進み、第1始動口用の振分テーブル(図200(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS50805において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S50805:YES)、ステップS50807に進み、第2始動口用の振分テーブル(図200(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS50806又はステップS50807の処理を実行した後。ステップS50808に進む。
ステップS50808では、ステップS50806又はステップS50807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS50808において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S50808:YES)、ステップS50809に進む。
ステップS50809では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS50806又はステップS50807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS50809を実行した後、ステップS50810に進む。
ステップS50810では、ステップS50806又はステップS50807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS50814に進む。
ステップS50808において、ステップS50806又はステップS50807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S50808:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS50811に進む。
ステップS50811では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS50806又はステップS50807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS50811を実行した後、ステップS50812に進む。
ステップS50812では、ステップS50806又はステップS50807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS50814に進む。
ステップS50804において、ステップS50802又はステップS50803における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S50804:NO)、ステップS50813に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS50813を実行した後、ステップS50814に進む。
ステップS50814では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS50814を実行した後、ステップS50815に進む。
ステップS50815では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS50815において、RAM64の第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S50815:NO)、ステップS50816に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS50814で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS50815において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S50815:YES)、ステップS50817に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS50814で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS50816又はステップS50817を実行した後、ステップS50818に進む。
ステップS50818では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS50816〜ステップS50818にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図210)におけるステップS50503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS50818を実行後、ステップS50819に進む。
ステップS50819では、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2結果表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2結果表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS50819を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図213:S50814)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図214は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS50901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS50902に進む。
ステップS50902では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S50902:YES)、ステップS50903に進む。
ステップS50903では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS50904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS50902において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S50902:NO)、ステップS50905に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS50902において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S50905)を実行することから、ステップS50905においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S50905:YES)、ステップS50906に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS50906では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS50904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS50905において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S50905:NO)、ステップS50907に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS50904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図210:S50507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図215は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS51001では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、図201で説明したように、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS51001において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S51001:NO)、ステップS51002に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉実行モードフラグは、遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS51002において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S51002:NO)、ステップS51003に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS51003において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S51003:NO)、ステップS51004に進み、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS51004において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S51004:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51004において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S51004:YES)、ステップS51005に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S51005:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51005において、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S51005:YES)、ステップS51006に進み、待機状態フラグをOFFにするとともに、ステップS51007に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS51008に進む。
ステップS51008では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS51008を実行した後、ステップS51009に進む。
ステップS51009では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図210)におけるステップS50503にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS51009を実行した後、ステップS51010に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51003において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S51003:YES)、ステップS51011に進む。
ステップS51011では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51011において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S51011:YES)、ステップS51012に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS51013に進む。
ステップS51013では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS51013を実行した後、ステップS51014に進む。
ステップS51014では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R確変フラグ)を確認する。ステップS51014において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変フラグ又は16R通常フラグであると判定した場合には(S51014:YES)、ステップS51015に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
一方、ステップS51014において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変フラグ又は8R通常フラグであると判定した場合には(S51014:NO)、ステップS51016に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS51015又はステップS51016を実行した後、ステップS51017に進む。
ステップS51017では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51002において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S51002:YES)、ステップS51018に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS51018を実行した後、ステップS51019に進む。
ステップS51019では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S51019:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S51019:YES)、ステップS51020に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップS51020を実行した後、ステップS51021に進む。
ステップS51021では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS51021を実行した後、ステップS51022に進む。
ステップS51022では、条件判定処理を実行する。条件判定処理は、図201に示したケースa2の場合に該当するか否かを判定する処理である。具体的には、次回の遊技回において大当たり抽選に当選することにより、エンディング期間において示唆演出を実行し、次回の遊技回の変動時間において今回の遊技回において実行した演出(予告演出、リーチ演出および結果告知演出(大当たり告知))の再現を実行する処理を行うか否かを判定する。条件判定処理については、後述する。ステップS51022を実行した後、ステップS51023に進む。
ステップS51023では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、特別遊技状態におけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。エンディング時間設定処理については後述する。ステップS51023を実行した後、ステップS51024に進む。
ステップS51024では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図210)におけるステップS50503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS51024を実行した後、ステップS51025に進む。
ステップS51025では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51001において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S51001:YES)、ステップS51026に進む。
ステップS51026では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S51023)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。なお、第4タイマカウンタエリアT4の値は、後述するエンディング時間設定処理(図217)において設定される。ステップS51026において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S51026:YES)、ステップS51027に進む。
ステップS51027では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS51028に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS51028を実行した後、ステップS51029に進む。
ステップS51029では、待機状態フラグをONにする。その後、ステップS51030に進み、待機状態時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア64dに記憶されている待機状態タイマカウンタTwに「7500」(すなわち、15.0sec)をセットする。ステップS51030を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS51026において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S51026:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図215:S51017)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図216は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS51101では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS51101において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S51101:NO)、ステップS51102に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51102において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S51102:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS51102において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S51102:NO)、ステップS51103に進む。
ステップS51103では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51103において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S51103:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS51103において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S51103:YES)、ステップS51104に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS51105に進む。
ステップS51105では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS51105を実行した後、ステップS51106に進む。
ステップS51106では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図210:ステップS50503)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS51101において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS51101:YES)、ステップS51107に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS51107において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S51107:NO)、ステップS51108に進む。
ステップS51108では、大入賞口36aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS51108において、入賞が発生していないと判定した場合には(S51108:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS51108において、入賞が発生していると判定した場合には(S51108:YES)、ステップS51109に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS51110に進む。
ステップS51110では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51110において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S51110:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS51107において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S51107:YES)、又は、ステップS51110において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S51110:YES)、ステップS51111に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS51112に進む。
ステップS51112では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS51113に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51113において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S51113:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS51113において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S51113:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS51114を実行した後、ステップS51115に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図210:ステップS50503)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<条件判定処理>
次に、条件判定処理について説明する。条件判定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図215:S51022)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上記のように、条件判定処理は、図201に示したケースa2の場合に該当するか否かを判定する処理である。ケースa2の処理を実行可能とする条件は、第1の遊技回における大当たり抽選に当選するとともに、第2の遊技回における大当たり抽選にも当選することである。本条件判定処理は、遊技回で大当たり抽選に当選した後の開閉実行モードの終了直前に実行され、次回の遊技回において大当たり抽選に当選するか否かを判定する処理である。
図217は、条件判定処理を示すフローチャートである。ステップS51201では、保留個数CRN>0であるか否かを判定する。本処理を実行することによって、第1の遊技回後の特別遊技状態を実行時において、当該特別遊技状態の直後に遊技回が存在するか否かを確認する。遊技回が存在しない場合には、示唆演出の直後に遊技回再現演出を実行可能な第2の遊技回に相当する遊技回が存在しないことになり、ケースa2の処理の実行は不可能となる。
ステップS51201において、保留個数CRN>0であると判定した場合には(S51201:YES)、ステップS51202に進む。一方、ステップS51201において、保留個数CRN>0ではないと判定した場合には(S51201:NO)、そのまま本条件判定処理を終了する。
ステップS51202では、次の遊技回に係る大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。具体的には、始動口用の入賞処理(図207)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS51203に進む。
ステップS51203では、通常大当たりフラグがONであるか否かを判定する。当該処理を実行することによって、次の遊技回に係る大当たり抽選が高確率モードにおいて実行されるのか、低確率モードにおいて実行されるのかを判定する。
ステップS51203において、通常大当たりフラグがONであると判定した場合には(S51203:YES)、ステップS51204に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS51206に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS51203において、通常大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S51203:NO)、ステップS51205に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている高確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS51206に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS51206において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S51206:YES)、ステップS51207に進む。
ステップS51207では、演出重複回避フラグがONであるか否かを判定する。演出重複回避フラグは、ケースa2(図201)の場合に、第2の遊技回の後の特別遊技状態のエンディング期間において、第2の遊技回で実行した遊技回再現演出を、さらに再現して実行しないようにするために用いられるフラグである。ステップS51207において、演出重複回避フラグがONではないと判定した場合には(S51207:NO)、ステップS51208に進み、条件成立フラグをONにする。その後、ステップS51209に進む。
ステップS51209では、条件成立コマンドを設定する。条件成立コマンドは、条件成立フラグがONであることをサブ側である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。条件成立コマンドは、通常処理の外部出力処理(図210:ステップS50503)によって、音声発光制御装置90に送信される。その後、条件判定処理を終了する。
一方、ステップS51206において今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していないと判定した場合には(S51206:NO)、または、ステップS51207において演出重複回避フラグがONであると判定した場合には(S51207:YES)、そのまま本条件判定処理を終了する。
<エンディング時間設定処理>
次に、エンディング時間設定処理について説明する。エンディング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図215:S51023)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図218は、エンディング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS51301では、演出重複回避フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS51301において、演出重複回避フラグがONではないと判定した場合には(S51301:NO)、ステップS51302に進み、条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS51302において、条件成立フラグがONであると判定した場合には(S51302:YES)、ステップS51303に進む。
ステップS51303では、エンディング時間のタイマである第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(6sec)をセットする。ステップS51303の処理は、図201のケースa2の場合の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング時間を設定する処理である。ケースa2の場合は、エンディング期間で示唆演出のみを実行し、第1の遊技回で実行した演出の再現は実行しない。よって本実施形態では、示唆演出の実行に必要なエンディング時間として6秒を確保する。ステップS51303を実行した後、ステップS51304に進み、条件成立フラグをOFFにする。その後、ステップS51305に進む。
ステップS51305では、演出重複回避フラグをONにする。その後、本エンディング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS51302において、条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S51302:NO)、ステップS51306に進む。
ステップS51306では、第4タイマカウンタエリアT4に「15000」(30sec)をセットする。ステップS51306の処理は、図201のケースa1の場合の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング時間を設定する処理である。ケースa1の場合は、エンディング期間で示唆演出および特別遊技状態再現演出を実行する。よって本実施形態では、示唆演出および特別遊技状態再現演出の実行に必要なエンディング時間として30秒を確保する。なお、本実施形態においては、示唆演出に必要な時間は6秒で一定であり、特別遊技状態再現演出に必要な時間は24秒で一定である。ステップS51303を実行した後、本エンディング時間設定処理を終了する。
ステップS51301において、演出重複回避フラグがONであると判定した場合には(S51301:YES)、ステップS51307に進み、演出重複回避コマンドを設定する。演出重複回避コマンドは、演出重複回避フラグがONであることをサブ側である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。演出重複回避コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図210:ステップS50503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS51307を実行した後、ステップS51308に進む。
ステップS51308では、第4タイマカウンタエリアT4に「4000」(8sec)をセットする。ステップS51308の処理は、図201のケースa2の場合の、第2の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング時間を設定する処理である。ケースa2の場合は、エンディング期間で、通常のエンディング演出を実行する。よって本実施形態では、通常エンディング演出の実行に必要なエンディング時間として8秒を確保する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図215:S51028)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図219は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS51401では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS51401において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S51401:YES)、ステップS51402に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS51402を実行した後、ステップS51403に進む。
ステップS51403では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS51404に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS51405に進む。
ステップS51405では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS51406に進む。
ステップS51406では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS51410に進む。
一方、ステップS51401において、RAM64に、16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S51401:NO)、ステップS51407に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS51408に進む。
ステップS51408では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS51409に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS51410に進む。
ステップS51410では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図210:S50508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図220は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS51501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS51501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S51501:NO)、ステップS51502に進む。
ステップS51502では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS51502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S51502:NO)、ステップS51503に進む。
ステップS51503では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS51503において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S51503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S51503:YES)、ステップS51504に進む。
ステップS51504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS51504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S51504:YES)、ステップS51505に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS51504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S51504:NO)、ステップS51506に進む。
ステップS51506では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS51506において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S51506:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS51506において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S51506:YES)、ステップS51507に進む。
ステップS51507では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS51508に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS51507において開閉実行モードではなく(S51507:NO)、且つ、ステップS51508において高頻度サポートモードである場合には(S51508:YES)、ステップS51509に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS51510に進む。
ステップS51510では、ステップS51509の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS51510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S51510:YES)、ステップS51511に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS51512に進む。一方、ステップS51510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S51510:NO)、ステップS51511の処理を実行することなく、ステップS51512に進む。
ステップS51512では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS51512において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S51512:YES)、ステップS51513に進む。一方、ステップS51512において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S51512:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS51513では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS51513において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S51513:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS51513において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS51514に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS51515に進む。
ステップS51515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS51515にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図210:ステップS50503)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS51507において開閉実行モードであると判定した場合(S51507:YES)、又は、ステップS51518において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S51508:NO)、ステップS51516に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS51517に進む。
ステップS51517では、ステップS51516の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS51517において、サポート当選でないと判定した場合には(S51517:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS51517において、サポート当選であると判定した場合には(S51517:YES)、ステップS51518に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS51502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S51502:YES)、ステップS51519に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S51519:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS51519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S51519:YES)、ステップS51520に進む。
ステップS51520では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS51521に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS51501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S51501:YES)、ステップS51522に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図220:S51522)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図221は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS51601では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S51601:YES)、ステップS51602に進む。
ステップS51602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S51602:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS51602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S51602:YES)、ステップS51603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS51603を実行した後、ステップS51604に進む。
ステップS51604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS51605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S51605:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS51605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S51605:YES)、ステップS51606に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS51601において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S51601:NO)、ステップS51607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S51607:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS51507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S51607:YES)、ステップS51608に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS51609に進む。
ステップS51609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S51609:NO)、ステップS51610に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS51610において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S51610:YES)、ステップS51611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS51609において開閉実行モードであると判定した場合(S51609:YES)、又は、ステップS51610において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S51610:NO)、ステップS51612に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
<待機用処理>
次に、待機用処理について説明する。待機用処理は、通常処理のサブルーチン(図210:S50509)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図222は、待機用処理を示すフローチャートである。ステップS51701では、待機状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップS51701において、待機状態フラグがONであると判定した場合には(S51701:YES)、ステップS51702に進む。一方、ステップS51701において、待機状態フラグがONではないと判定した場合には(S51701:NO)、本待機用処理を終了する。
ステップS51702では、待機状態フラグがONになってから15秒が経過したか否かを判定する。具体的には、待機状態タイマカウンタTwの値が0であるか否かを判定し、待機状態タイマカウンタTwの値が0であれば、待機状態フラグがONになってから15秒が経過したと判定する。ステップS51702において、待機状態フラグがONになってから15秒が経過したと判定した場合には、ステップS51703に進む。一方、ステップS51702において、待機状態フラグがONになってから15秒が経過していないと判定した場合には、本待機用処理を終了する。
ステップS51703では、待機状態フラグをOFFにするとともに、ステップS51704に進み、移行条件成立フラグをONにする。その後、ステップS51705に進み、移行条件成立コマンドを設定する。移行条件成立コマンドは、待機状態が開始されてから15秒が経過したこと、すなわち移行条件が成立したことをサブ側の各制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップS51705を実行した後、本待機用処理を終了する。
E6.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図223は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
E7.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図224は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS51801では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS51801を実行した後、ステップS51802に進む。
ステップS51802では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS51802を実行した後、ステップS51803に進む。
ステップS51803では、待機状態において音声の出力レベル(音量)を低減したり、デモ動画を開始させるための待機状態移行処理を実行する。待機状態移行処理の詳細については後述する。ステップS51803を実行した後、ステップS51804に進む。
ステップS51804では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS51802のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS51804を実行した後、ステップS51805に進む。
ステップS51805では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS51802のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS51805を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図224:S51802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図225は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS51901では、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51901において、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信していると判定した場合には(S51901:YES)、ステップS51902に進み、立ち上げコマンド対応処理を実行する。立ち上げコマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS51902を実行した後、ステップS51903に進む。一方、ステップS51901において、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信していないと判定した場合には(S51901:NO)、ステップS51902を実行せずにステップS51903に進む。
ステップS51903では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51903において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(S51903:YES)、ステップS51904に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS51904を実行した後、ステップS51905に進む。一方、ステップS51903において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S51903:NO)、ステップS51904を実行せずにステップS51905に進む。
ステップS51905では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51905において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S51905:YES)、ステップS51906に進む。一方、ステップS51905において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S51905:NO)、ステップS51907に進む。
ステップS51906では、演出設定処理を実行する。演出設定処理では、今回の遊技回において実行される予告演出や、リーチ演出、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。演出設定処理の詳細については後述する。ステップS51906を実行した後、ステップS51907に進む。
ステップS51907では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51907において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S51907:YES)、ステップS51908に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS51909に進む。
ステップS51909では、開閉実行モード演出設定処理を実行する。開閉実行モード演出設定処理では、オープニングコマンドに含まれているラウンド数の情報や大当たり種別の情報に基づいて、開閉実行モードにおいて実行する演出の内容を設定する。ステップS51909を実行した後、ステップS51910に進む。
ステップS51907において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S51907:NO)、ステップS51908およびステップS51909を実行せずにステップS51910に進む。
ステップS51910では、主側MPU62から条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51910において、主側MPU62から条件成立コマンドを受信していると判定した場合には(S51910:YES)、ステップS51911に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている音光側条件成立フラグをONにする。ステップS51911を実行した後、ステップS51912に進む。一方、ステップS51910において、条件成立コマンドを受信していないと判定した場合には(S51910:NO)、ステップS51911を実行せずにステップS51912に進む。
ステップS51912では、主側MPU62から演出重複回避コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51912において、主側MPU62から演出重複回避コマンドを受信していると判定した場合には(S51912:YES)、ステップS51913に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている音光側演出重複フラグをONにする。ステップS51913を実行した後、ステップS51914に進む。一方、ステップS51912において、演出重複回避コマンドを受信していないと判定した場合には(S51912:NO)、ステップS51913を実行せずにステップS51914に進む。
ステップS51914では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51914おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S51914:YES)、ステップS51915に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれているエンディング時間に関する情報や、音光側条件成立フラグのON/OFFの情報に基づいて、エンディング期間におけるエンディング演出の内容を設定する処理である。エンディング演出設定処理については後述する。ステップS51915を実行した後、ステップS51920に進む。
ステップS51914において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S51914:NO)、ステップS51915を実行せずにステップS51916に進む。
ステップS51916では、主側MPU62から移行条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51916において、主側MPU62から移行条件成立コマンドを受信していると判定した場合には(S51916:YES)、ステップS51917に進み、音量低減フラグをONにする。音量低減フラグは、各種フラグ記憶エリア94aに記憶されており、音声の出力レベル(音量)を低減する処理を開始させるタイミングでONにされ、音声の出力レベル(音量)がゼロになったタイミングでOFFにされるフラグである。ステップS51917を実行した後、ステップS51918に進む。一方、ステップS51916において、主側MPU62から移行条件成立コマンドを受信していないと判定した場合には(S51916:NO)、ステップS51917を実行せずにステップS51918に進む。
ステップS51918では、主側MPU62から復帰条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51918において、主側MPU62から復帰条件成立コマンドを受信していると判定した場合には(S51918:YES)、ステップS51919に進み、復帰条件成立フラグをONにする。復帰条件成立フラグは、各種フラグ記憶エリア94aに記憶されており、音声の出力レベル(音量)を復帰させる処理や、デモ動画を終了させる処理を開始させる場合にONにされ、音声の出力レベル(音量)が復帰し、デモ動画が終了した場合にOFFにされるフラグである。ステップS51919を実行した後、ステップS51920に進む。一方、ステップS51918において、主側MPU62から復帰条件成立コマンドを受信していないと判定した場合には(S51918:NO)、ステップS51919を実行せずにステップS51920に進む。
ステップS51920では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド、開放コマンド及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。ステップS51920を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
<立ち上げコマンド対応処理>
次に、立ち上げコマンド対応処理について説明する。立ち上げコマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図225:S51902)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図226は、立ち上げコマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、立ち上げコマンド対応処理は、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、立ち上げコマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS52001では、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドは、表示側MPU102にデモ動画の表示を開始させるためのコマンドである。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS52001を実行した後、ステップS52002に進む。
ステップS52002では、デモ動画表示中フラグをONにする。デモ動画表示中フラグは、デモ動画が図柄表示装置41に表示されていることを示すフラグであり、デモ動画の表示が開始された場合にONにされ、デモ動画の表示が終了した場合にOFFにされるフラグである。ステップS52002を実行した後、ステップS52003に進む。
ステップS52003では、頭出し判定フラグをONにする。頭出し判定フラグは、上述したように、復帰条件が成立して背景音楽の出力および背景動画の表示を開始する際に、背景音楽および背景動画の時間的な先頭位置から出力および表示を開始するか否かを判定するためのフラグである。復帰条件が成立したタイミングにおいて頭出し判定フラグがONの場合には、背景音楽の出力および背景動画の表示を開始する際に、背景音楽および背景動画の時間的な先頭位置から出力および表示を開始する。ステップS52003を実行した後、本立ち上げコマンド対応処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図225:S51904)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図227は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS52101では、入賞時の更新処理を実行する。入賞時の更新処理では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS52101の入賞時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS52101を実行した後、ステップS52102に進む。
ステップS52102では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS52101において特定された第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップS52102を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入賞時の更新処理>
次に、入賞時の更新処理について説明する。入賞時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図227:S52101)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図228は入賞時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS52201では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS52201において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S52201:YES)、ステップS52202に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS52202を実行した後、ステップS52204に進む。
ステップS52201において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S52201:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS52203に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS52203を実行した後、ステップS52204に進む。
ステップS52202及びステップS52203の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS52204では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS52204を実行した後、本入賞時の更新処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図225:S51906)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図229は、演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップS52301では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS52302に進む。
ステップS52302では、音光側条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52302において、音光側条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S52302:NO)、ステップS52303に進む。
ステップS52303では、演出種別の設定処理を実行する。ステップS52303において実行する演出種別の設定処理は、遊技回における予告演出およびリーチ演出の内容を設定する処理である。演出種別の設定処理については後述する。ステップS52303を実行した後、ステップS52304に進む。
ステップS52304では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS52304を実行した後、ステップS52305に進む。
ステップS52305では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS52304において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップS52306に進む。
ステップS52306では、今回の遊技回に係る大当たり抽選に当選している否かを判定する。具体的には、受信した変動用コマンドに基づいて大当たりの有無を判定する。ステップS52306において、今回の遊技回に係る大当たり抽選に当選していると判定した場合には(S52306:YES)、ステップS52307に進む。
ステップS52307では、今回の遊技回において設定された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を記憶する。具体的には、ステップS52303の演出設定処理における設定内容を記憶する。本処理は、大当たり抽選に当選した遊技回における演出を再現するために行われる。ステップS52307を実行した後、ステップS52312に進む。一方、ステップS52306において、今回の遊技回に係る大当たり抽選に当選していないと判定した場合には(S52306:NO)、ステップS52307を実行せずにステップS52312に進む。
ステップS52302において、音光側条件成立フラグがONであると判定した場合には(S52302:YES)、ステップS52308に進む。すなわち、図201で説明したケースa2に相当する処理を実行すると判定した場合に、ステップS52308に進む。
ステップS52308では、前回の遊技回に係る演出設定処理のステップS52307で記憶された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を読み出す。その後、ステップS52309に進む。
ステップS52309では、ステップS52308で読み出した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報に基づいて、演出種別の設定処理を実行する。すなわち、前回の遊技回において実行された演出と同じ内容の演出を設定する。その後、ステップS52310に進む。
ステップS52310では、ステップS52308で読み出した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報に基づいて、停止図柄の設定処理を実行する。すなわち、前回の遊技回において表示した停止図柄と同じ内容の停止図柄を設定する。その後、ステップS52311に進む。
ステップS52311では、ステップS52308で読み出した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報に基づいて、変動表示パターンの設定処理を実行する。すなわち、前回の遊技回において表示した変動表示パターンと同じ内容の変動表示パターンを設定する。その後、ステップS52312に進む。
ステップS52312では、今回の遊技回において設定された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップS52313に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS52313を実行した後、ステップS52314に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、演出設定処理のサブルーチン(図229:S52314)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図230は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS52401では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップS52401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(S52401:YES)、ステップS52402に進み、音光側RAM94に記憶されている第1保留個数カウンタを1減算する。その後、ステップS52404に進む。
一方、ステップS52401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(S52401:NO)、ステップS52403に進み、音光側RAM94に記憶されている第2保留個数カウンタを1減算する。その後、ステップS52404に進む。
ステップS52404では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<オープニング演出設定処理>
次に、オープニング演出設定処理について説明する。オープニング演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図225:S51908)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図231は、オープニング演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS52501では、音光側条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52501において、音光側条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S52501:NO)、ステップS52502に進む。
ステップS52502では、通常の開始演出をオープニング演出として設定する。本実施形態においては、図201のケースa2において説明したように、特別遊技状態におけるオープニング演出として、特定開始演出(図202(c)参照)のように特別な場合にのみ実行するオープニング演出を用意している。ステップS52502においては、このようなケースa2のような特別な場合以外に実行する開始演出(通常の開始演出)をオープニング演出として設定する。ステップS52502を実行した後、ステップS52505に進む。
ステップS52501において、音光側条件成立フラグがONであると判定した場合には(S52501:YES)、ステップS52503に進む。ステップS52503では、特定開始演出をオープニング演出として設定する。ステップS52503を実行した後、ステップS52504に進み、音光側条件成立フラグをOFFにする。その後、ステップS52505に進む。
ステップS52505では、オープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。オープニング演出コマンドには、ステップS52502またはステップS52503において設定したオープニング演出の情報が含まれる。表示側MPU102は、受信したオープニング演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS52505を実行した後、本オープニング演出設定処理を終了する。
<エンディング演出設定処理>
次に、エンディング演出設定処理について説明する。エンディング演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図225:S51915)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図232は、エンディング演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS52601では、音光側演出重複フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52601において、音光側演出重複フラグがONではないと判定した場合には(S52601:NO)、ステップS52602に進む。
ステップS52602では、音光側条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52602において、音光側条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S52602:NO)、ステップS52603に進む。すなわち、図201のケースa1の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間に相当する演出(示唆演出、特別遊技状態再現演出および特定終了演出)を実行すると判定した場合に、ステップS52603に進む。
ステップS52603では、演出設定処理(図229)のステップS52307において記憶された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を読み出す。その後、ステップS52604に進む。
ステップS52604では、ステップS52603において読み出した情報から、特別遊技状態再現演出を構築する。その後、ステップS52605に進み、示唆演出、特別遊技状態再現演出、特定終了演出をエンディング演出として設定する。すなわち、図201のケースa1における第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間で実行する演出を設定する。その後、ステップS52609に進む。
一方、ステップS52602において、音光側条件成立フラグがONであると判定した場合には(S52602:YES)、ステップS52606に進む。すなわち、図201のケースa2の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間に相当する演出(示唆演出)を実行すると判定した場合に、ステップS52606に進む。
ステップS52606では、示唆演出をエンディング演出として設定する。その後、ステップS52609に進む。
ステップS52601において、音光側演出重複フラグがONであると判定した場合には(S52601:YES)、ステップS52607に進む。すなわち、図201のケースa2の第2の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間に相当する演出(通常エンディング演出)を実行すると判定した場合に、ステップS52607に進む。
ステップS52607では、通常エンディング演出をエンディング演出として設定する。上述のように、通常エンディング演出は、特別遊技状態が終了することを示唆する演出である。その後、ステップS52608に進む。
ステップS52608では、音光側演出重複フラグをOFFにして、その後、ステップS52609に進む。
ステップS52609では、ステップS52605、ステップS52606またはステップS52607で設定した演出内容に対応した情報を含むエンディング演出コマンドを、表示制御装置100の表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信したエンディング演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS52609を実行した後、本エンディング演出設定処理を終了する。
なお、本実施形態においては、特別遊技状態再現演出を実行する場合には、ステップS52603〜S52605、S52609に示すように、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示す情報を音声発光制御装置90が記憶し、特別遊技状態再現演出を実行する際に、再度、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示すコマンドをエンディングコマンドの一部として音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信することによって、図柄表示装置41に、特別遊技状態再現演出に対応した画像を表示させる。具体的には、表示制御装置100のMPU102は、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示すコマンドをエンディングコマンドの一部として音声発光制御装置90から受信すると、受信したコマンドが示す演出種別、停止図柄、変動表示パターンの組み合わせに対応したパターン用データテーブルをプログラムROM103から読み出し、ワークRAM104に書き込む。パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置41の表示面41aに表示させる場合において、画像の更新のタイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレームに対応した情報群が定められている。
表示制御装置100のMPU102は、各フレームに対応した情報群を読み出し、1フレーム分の画像を表示させるためにVDP105に描画指示を行う。VDP105は、MPU102からの描画指示に従い、キャラクタROM106から画像を読み出して、表示面41aに表示させる画像データをビデオRAM107に生成し、当該生成した画像データを図柄表示装置41に出力することによって、表示面41aに1フレームの画像を表示させる。表示制御装置100のMPU102は、パターン用データテーブルに記憶されている各フレームの情報群に対して、順次、VDP105に描画指示を行うことによって、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを特別遊技状態再現演出として実行することができる。
本実施形態においては、上記処理を実行することによって、特別遊技状態再現演出を実行するが、その他、特別遊技状態再現演出を実行する処理として、音声発光制御装置90および表示制御装置100において、他の処理を採用してもよい。例えば、本実施形態のように、第1の遊技回で実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示す情報を音声発光制御装置90において記憶する処理に代えて、音声発光制御装置90から表示制御装置100に対して、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの組み合わせに対応したパターン用データテーブルを一時的に記憶しておくことを指示するコマンドを送信する。表示制御装置100は、当該コマンドに従って、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの組み合わせに対応したパターン用データテーブルを一時的に記憶する。
その後、特別遊技状態再現演出を実行する場合に、音声発光制御装置90から表示制御装置100に対して、一時的に記憶したパターン用データテーブルに従ってVDP105に描画指示を行うことを示すコマンドを出力する。表示制御装置100は、当該コマンドに従って、一時的に記憶したパターン用データテーブルに従ってVDP105に描画指示を行うことで、特別遊技状態再現演出を実行することができる。このように、特別遊技状態再現演出を実行する処理として、音声発光制御装置90および表示制御装置100において、種々の処理を採用することができる。
<待機状態移行処理>
次に、待機状態移行処理について説明する。待機状態移行処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図224:S51803)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図233は、待機状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS52701では、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52701において、復帰条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S52701:NO)、ステップS52702に進む。
ステップS52702では、デモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52702において、デモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S52702:NO)、ステップS52703に進む。一方、ステップS52702において、デモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S52702:YES)、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS52703では、デモ動画開始待ちフラグがONであるか否かを判定する。デモ動画開始待ちフラグは、デモ動画の開始を待機している期間であることを音声発光制御装置90において特定するためのフラグであり、音声の出力レベル(音量)がゼロになったタイミングでONにされ、音声の出力レベル(音量)がゼロになってから復帰条件が成立しないまま5秒が経過したタイミングにおいてOFFにされるフラグである。ステップS52703において、デモ動画開始待ちフラグがONではないと判定した場合には(S52703:NO)、ステップS52704に進む。
ステップS52704では、音量低減フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52704において、音量低減フラグがONであると判定した場合には(S52704:YES)、ステップS52705に進む。一方、ステップS52704において、音量低減フラグがONではないと判定した場合には(S52704:NO)、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS52705では、音声の出力レベル(音量)を低減する処理を実行する。具体的には、本実施形態では、音声の出力レベル(音量)は3000段階に設定されており、音声の出力レベルを1段階下げる処理を実行する。本実施形態では、2msec周期で待機状態移行処理が実行されるので、音声の出力レベル(音量)は、6秒程度で最大値からゼロになる。ステップS52705を実行した後、ステップS52706に進む。
ステップS52706では、音声の出力レベル(音量)がゼロになったか否かを判定する。ステップS52706において、音声の出力レベル(音量)がゼロになったと判定した場合には(S52706:YES)、ステップS52707に進み、音量低減フラグをOFFにするとともに、ステップS52708に進み、デモ動画開始待ちフラグをONにする。その後、ステップS52709に進む。一方、ステップS52706において、音声の出力レベル(音量)がゼロになっていないと判定した場合には(S52706:NO)、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS52709では、デモ動画開始待ち時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア94bに記憶されているデモ動画開始待ちタイマカウンタTxに「2500」(すなわち、5.0sec)をセットする。デモ動画開始待ちタイマカウンタTxは、音声の出力レベル(音量)がゼロになってからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS52709を実行した後、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS52703において、デモ動画開始待ちフラグがONであると判定した場合には(S52703:YES)、ステップS52710に進む。
ステップS52710では、5秒間のデモ動画開始待ち期間が終了したか否かを判定する。具体的には、デモ動画開始待ちタイマカウンタTxの値が0であるか否かを判定し、デモ動画開始待ちタイマカウンタTxの値が0であれば、5秒間のデモ動画開始待ち期間が終了したと判定する。ステップS52710において、デモ動画開始待ち期間が終了したと判定した場合には、ステップS52711に進む。一方、ステップS52710において、デモ動画開始待ち期間が終了していないと判定した場合には、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS52711では、背景音楽の出力停止処理を実行する。その後、ステップS52712に進み、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS52712を実行した後、ステップS52713に進む。
ステップS52713では、デモ動画開始待ちフラグをOFFにするとともに、ステップS52714に進み、デモ動画表示中フラグをONにする。その後、ステップS52715に進み、頭出し判定フラグをONにして、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS52701において、復帰条件成立フラグがONであると判定した場合には(S52701:YES)、ステップS52716に進み、頭出し判定フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52716において、頭出し判定フラグがONではないと判定した場合には(S52716:NO)、ステップS52717に進み、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。本実施形態では、遊技者によって予め設定された値は最大値であるので、音声の出力レベル(音量)を最大値に復帰させる。ステップS52717を実行した後、ステップS52718に進む。
ステップS52718では、音量低減フラグがONであるか否かを判定する。ステップS52718において、音量低減フラグがONであると判定した場合には(S52718:YES)、ステップS52719に進み、音量低減フラグをOFFにする。その後、ステップS52720に進む。一方、ステップS52718において、音量低減フラグがONではないと判定した場合には(S52718:NO)、ステップS52719を実行せずにステップS52720に進む。
ステップS52720では、デモ動画開始待ちフラグがONであるか否かを判定する。ステップS52720において、デモ動画開始待ちがONであると判定した場合には(S52720:YES)、ステップS52721に進み、デモ動画開始待ちフラグをOFFにする。その後、ステップS52722に進み、復帰条件成立フラグをOFFにする。一方、ステップS52720において、デモ動画開始待ちフラグがONではないと判定した場合には(S52720:NO)、ステップS52721を実行せずにステップS52722に進み、復帰条件成立フラグをOFFにする。ステップS52722を実行した後、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS52716において、頭出し判定フラグがONであると判定した場合には(S52716:YES)、ステップS52723に進み、デモ動画終了コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画終了コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画の表示を終了させるための処理を実行する。ステップS52723を実行した後、ステップS52724に進み、デモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS52725に進む。
ステップS52725では、背景動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。背景動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、背景動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS52726に進む。
ステップS52726では、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。本実施形態では、遊技者によって予め設定された値は最大値であるので、音声の出力レベル(音量)を最大値に復帰させる。ステップS52726を実行した後、ステップS52727に進む。
ステップS52727では、背景音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、頭出し判定フラグがONであるため、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、ステップS52728に進み、頭出し判定フラグをOFFにする。その後、ステップS52729に進み、復帰条件成立フラグをOFFにして、本待機状態移行処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図234は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS52801では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS52802に進む。
ステップS52802では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図235は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS52901では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図236は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS53001では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図235)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S53001)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS53002では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S53001)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS53003に進む。
ステップS53003では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S53002)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS53004に進む。
ステップS53004では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S53003)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS53005に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、V割込み処理のサブルーチン(図236:S53001)として表示制御装置100のMPU102によって実行される。
図237は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS53101では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS53101において、演出コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS53102に進み、当該演出コマンドに対応した演出の表示開始処理を実行する。具体的には、当該演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS53102を実行した後、ステップS53103に進む。一方、ステップS53101において、演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS53102を実行せずにステップS53103に進む。
ステップS53103では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS53103において、オープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS53104に進み、当該オープニング演出コマンドに対応したオープニング演出の表示開始処理を実行する。具体的には、当該オープニング演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、オープニング演出が終了した後には、開閉実行モード演出が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS53104を実行した後、ステップS53105に進む。一方、ステップS53103において、オープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS53104を実行せずにステップS53105に進む。
ステップS53105では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにエンディング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS53105において、エンディング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS53106に進み、当該エンディング演出コマンドに対応したエンディング演出の表示開始処理を実行する。具体的には、当該エンディング演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS53106を実行した後、ステップS53107に進む。一方、ステップS53105において、エンディング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS53106を実行せずにステップS53107に進む。
ステップS53107では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにデモ動画開始コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS53107において、デモ動画開始コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS53108に進み、デモ動画の表示開始処理を実行する。具体的には、当該デモ動画開始コマンドによって指定されたデモ動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。なお、本実施形態では、後述するデモ動画終了コマンドを受信するまでは、デモ動画の表示を繰り返す。ステップS53108を実行した後、ステップS53109に進む。一方、ステップS53107において、デモ動画開始コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS53108を実行せずにステップS53109に進む。
ステップS53109では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにデモ動画終了コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS53109において、デモ動画終了コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS53110に進み、デモ動画の表示を終了させる処理を実行する。その後、ステップS53111に進む。一方、ステップS53109において、デモ動画終了コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS53110を実行せずにステップS53111に進む。
ステップS53111では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに背景動画開始コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS53111において、背景動画開始コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS53112に進み、背景動画の表示を開始させる処理を実行する。具体的には、背景動画が時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS53112を実行した後、ステップS53113に進む。一方、ステップS53111において、背景動画開始コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS53112を実行せずにステップS53113に進む。
ステップS53113では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに他のコマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されているコマンドに対応した処理を実行する。例えば、上述した演出操作コマンドが記憶されていた場合には、上述した演出操作コマンドが記憶されていた場合における処理を実行する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10においては、ケースa1のように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が外れの場合には、示唆演出の後に実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、第1の遊技回で実行した演出を再現する特別遊技状態再現演出として実行され、遊技者も既に実行された演出を再現する演出であると認識する。一方、ケースa2のように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選している場合には、示唆演出の後に実行される予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、演出上は既に実行された演出を再現する演出として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行された遊技回再現演出である。先にケースa1における特別遊技状態再現演出を鑑賞していた場合、遊技者は、ケースa2の第2の遊技回における遊技回再現演出を、ケースa1と同様に、第1の遊技回において実行された演出の再現にすぎないと認識するとともに、第2の遊技回に係る大当たり抽選において当選していることを予期しにくい。このような状態において、第2の遊技回において予告演出およびリーチ演出が実行された後に、結果告知演出によって第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることが告知されると、遊技者は、その時点ではじめて、第2の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出が、単なる第1の遊技回で実行された演出が再現されたものではなく、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行されたものであることを認識する。このようにケースa1における特別遊技状態再現演出およびケースa2における遊技回再現演出を実行することによって、遊技に意外性を付与するとともに、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する演出について、遊技者に期待感を付与することができる。また、ケースa2における第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、ケースa2の場合、第2の遊技回における大当たり抽選が当選しているにも関わらず、第1の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する示唆演出を実行するので、より一層、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることを遊技者に予期させにくい。従って、さらに遊技に意外性を付与することができる。
また、ケースa2において第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選した場合には、示唆演出の後に実行されたリーチ演出は、演出上は既に実行された演出の再現として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行される。従って、リーチ演出が実行される場合として、大当たり抽選の当否に関する期待度を遊技者に示唆するという本来的な機能として実行される場合と、既に実行された演出の再現として実行される場合と、演出上は既に実行された演出の再現として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行される場合との、少なくとも3つの場合を設定することができる。従って、リーチ演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図203)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を図柄表示装置41に表示させる際に、当該背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するとともに、背景音楽を出力する際に、当該背景音楽の予め定められた時間的位置から出力を開始する。したがって、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図203)に、表示制御装置100は、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。したがって、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、復帰条件が成立した後、背景動画および背景音楽を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景動画および背景音楽のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、当該遊技者に対して背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前に復帰条件が成立した場合(図204)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量を低減中に復帰条件が成立した場合(図205)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技回が終了した後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに15秒が経過した場合に移行条件が成立したと判定するので、遊技者が遊技を行なっていない可能性の高い状態において背景音楽の音量を時間の経過と共に低減させることができる。
さらに、本実施形態によれば、待機状態において遊技回が開始される場合に復帰条件が成立したと判定し、図柄表示装置41の表示態様が背景動画を表示する態様に復帰するとともに背景音楽を出力する態様が遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様に復帰するので、遊技回が開始されたという期待感を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
E8.第5実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成及び処理については、説明を省略する。
E8−1.変形例1:
図238は、第5実施形態の変形例1におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本変形例と上述した第5実施形態との違いは、年月日情報及び時刻情報を出力するRTC96(RTC:Real‐Time Clock)が音声発光制御装置90に設けられている点である。RTC96は、バックアップ電源を備えており、パチンコ機10の電源遮断時においても年月日情報及び時刻情報を更新することができる。
音声発光制御装置90のMPU92は、RTC96から出力された年月日情報及び時刻情報を取得するとともに、取得した年月日情報及び時刻情報に基づいた演出であるRTC演出を実行する。本変形例では、音声発光制御装置90は、取得した時刻情報がRTC演出開始条件として設定されている所定の時刻と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合には、RTC演出を実行するための処理を開始する。本変形例のRTC演出は、300秒間のRTC演出動画と、当該RTC演出動画に対応したRTC演出音楽とによって構成されており、毎時00分に実行される。
図239は、図柄表示装置41が背景動画を表示中にRTC演出開始条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。図中に示したRTC演出中フラグは、RTC演出開始条件が成立してRTC演出が開始される際にONにされ、RTC演出が終了する際にOFFにされるフラグである。
表示制御装置100は、図柄表示装置41が背景動画を表示中に時刻が毎時00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、背景音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
表示制御装置100は、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本変形例では300秒)が終了した場合には(時刻t2)、図柄表示装置41の表示態様を、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を表示する態様に移行させる際に、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様に移行する際には(時刻t2)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
なお、音声発光制御装置90は、複数種類の背景音楽を出力可能であり、背景音楽の頭出し処理(時間的な先頭位置「01」から出力または表示を開始する処理)を実行する際には、頭出し処理を実行する対象の背景音楽の種類を抽選によってランダムに選択する構成とし、表示制御装置100は、複数種類の背景音楽に対応した複数種類の背景動画を表示可能であり、選択された背景音楽に対応した背景動画を選択して頭出し処理を実行する構成としてもよい。このような構成とすれば、複数種類の背景音楽および背景動画を遊技者に鑑賞させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。後述する図242において、音声発光制御装置90および表示制御装置100が背景音楽および背景動画の頭出し処理を実行する場合においても同様に、複数種類の中から背景音楽および背景動画を選択する構成を採用することができる。
図240は、図柄表示装置41がデモ動画を表示中にRTC演出開始条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がデモ動画を表示中に時刻が00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始するとともに、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された出力レベルに復帰させる。
表示制御装置100は、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本変形例では300秒)が終了した場合には(時刻t2)、図柄表示装置41の表示態様を、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行させる。そして、表示制御装置100は、デモ動画を表示する態様に移行させる際に、デモ動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様に移行する際には(時刻t2)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、音声の出力レベル(音量)を0に低減する。
図241は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中に移行条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。なお、移行条件は、上述したように、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様に移行させるとともに、音声の出力態様を、音量がゼロである態様(消音状態)に移行させる条件である。
表示制御装置100は、図柄表示装置41が背景動画を表示中に時刻が00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、背景音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中にメイン表示部45における図柄の変動が停止し(時刻t2)、図柄の変動が停止してから15秒が経過して移行条件が成立した場合には(時刻t3)、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本変形例では300秒)が終了した後に、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様に移行させる(時刻t4)。そして、表示制御装置100は、デモ動画を表示する態様に移行させる際に、デモ動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様に移行する際には(時刻t4)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、音声の出力レベル(音量)を0に低減する。
図242は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中に復帰条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。なお、復帰条件は、上述したように、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様に復帰させるとともに、音声の出力態様を、予め設定された音量で背景音楽が出力されている態様に復帰させる条件である。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がデモ動画を表示中に時刻が00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始するとともに、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された出力レベルに復帰させる。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中にメイン表示部45における図柄の変動が開始して復帰条件が成立した場合には(時刻t2)、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本変形例では300秒)が終了した後に、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様に復帰させる(時刻t3)。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様に復帰する際には(時刻t3)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
次に、本変形例のパチンコ機10が実行する処理の一例を説明する。以下では、上記の第5実施形態と異なる処理について説明し、上記の第5実施形態と同一の処理については説明を省略する。
図243は、第5実施形態の変形例1の音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。第5実施形態の音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理(図224)との違いは、コマンド対応処理(ステップS51802)を実行した後であって、待機状態移行処理(ステップS51803)を実行する前に、RTC演出用処理(ステップS51802a)を実行する点であり、他の処理は第5実施形態と同じである。RTC演出用処理では、RTC演出を実行するための処理を実行する。RTC演出用処理の詳細について以下に説明する。
図244は、第5実施形態の変形例1の音光側MPU92において実行されるRTC演出用処理を示すフローチャートである。ステップS53401では、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定する。RTC演出中フラグは、RTC演出が実行されているか否かを音光側MPU92が認識するためのフラグである。ステップS53401において、RTC演出中フラグがONではないと判定した場合には(S53401:NO)、ステップS53402に進み、RTC96から出力された時刻情報を読み込む。その後、ステップS53403に進む。
ステップS53403では、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致するか否かを判定する。本変形例では、読み込んだ時刻情報が毎時00分と一致するか否かを判定する。ステップS53403において、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致しないと判定した場合には(S53403:NO)、そのまま本RTC演出用処理を終了する。一方、ステップS53403において、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致すると判定した場合には(S53403:YES)、ステップS53404に進む。
ステップS53404では、RTC演出時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア94bに記憶されているRTC演出時間タイマカウンタTrに「150000」(すなわち、5.0min)をセットする。RTC演出時間タイマカウンタTrは、RTC演出が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS53404を実行した後、ステップS53405に進む。
ステップS53405では、RTC演出動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。RTC演出動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、RTC演出動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS53405を実行した後、ステップS53406に進む。
ステップS53406では、RTC演出音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、RTC演出音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。なお、背景音楽を出力している場合には、当該背景音楽の出力を停止するとともに、RTC演出音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、ステップS53407に進み、RTC演出中フラグをONにする。その後、ステップS53408に進む。
ステップS53408では、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONである状況とは、上述した移行条件が成立しているとともに音声の出力レベル(音量)が低減されている状況を意味している。ステップS53408において、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S53408:YES)、ステップS53409に進む。
ステップS53409では、低減されていた音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。その後、ステップS53410に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをONにする。RTC演出後デモ動画開始フラグは、RTC演出が終了した後にデモ動画を開始させるためのフラグであり、RTC演出の開始前に移行条件が成立している場合や、RTC演出の実行中に移行条件が成立した場合にONにされるフラグである。ステップS53410を実行した後、ステップS53411に進み、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのうち、ONになっていたフラグをOFFにする。その後、ステップS53412に進む。一方、ステップS53408において、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグの全てがOFFであると判定した場合には(S53408:NO)、ステップS53409からステップS53411の処理を実行することなく、ステップS53412に進む。
ステップS53412では、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS53412において、復帰条件成立フラグがONであると判定した場合には(S53412:YES)、ステップS53413に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをOFFにするとともに、ステップS53414に進み、復帰条件成立フラグをOFFにする。一方、ステップS53412において、復帰条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S53412:NO)、ステップS53413及びステップS53414の処理を実行することなく、そのまま本RTC演出用処理を終了する。
ステップS53401において、RTC演出中フラグがONであると判定した場合(S53401:YES)、すなわち、RTC演出が実行されている場合には、ステップS53415に進む。
ステップS53415では、RTC演出が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ステップS53403においてセットされたRTC演出時間タイマカウンタTrが0であるか否かを判定する。ステップS53415において、RTC演出が終了するタイミングであると判定した場合には(S53415:YES)、ステップS53416に進み、RTC演出が終了する場合における処理に進む。一方、ステップS53415において、RTC演出が終了するタイミングではないと判定した場合には(S53415:NO)、上述したステップS53408からステップS53414の処理に進む。この理由は、RTC演出が実行されている期間中においても、移行条件や復帰条件が成立する可能性があり、ステップS53408からステップS53414の処理を実行する必要があるためである。
ステップS53416では、RTC演出中フラグをOFFにする。その後、ステップS53417に進み、RTC演出音楽の出力停止処理を実行する。その後、ステップS53418に進む。
ステップS53418では、RTC演出後デモ動画開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS53418において、RTC演出後デモ動画開始フラグがONではないと判定した場合には(S53418:NO)、ステップS53419に進み、背景動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。背景動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、背景動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS53420に進み、背景音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、本RTC演出用処理を終了する。
ステップS53418において、RTC演出後デモ動画開始フラグがONであると判定した場合には(S53418:YES)、ステップS53421に進み、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS53422に進み、デモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS53423に進む。
ステップS53423では、音声の出力レベル(音量)を0に低減する。本変形例では、デモ動画と共に出力する音楽は設定されていないからである。ステップS53423を実行した後、ステップS53424に進み、頭出し判定フラグをONにする。この処理によって、デモ動画の表示中において頭出し判定フラグをONにすることができる。ステップS53424を実行した後、ステップS53425に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをOFFにする。その後、本RTC演出用処理を終了する。
図245は、第5実施形態の変形例1の音光側MPU92において実行される待機状態移行処理を示すフローチャートである。第5実施形態の音光側MPU92において実行される待機状態移行処理(図233)との違いは、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する処理(ステップS52701)を実行する前に、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定する処理(ステップS52700)を実行する点であり、他の処理は第5実施形態と同じである。
ステップS52700では、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定し、RTC演出中フラグがONであると判定した場合には(S52700:YES)、そのまま本待機状態移行処理を終了する。すなわち、RTC演出が実行されている期間中は待機状態に移行しないように構成されている。一方、ステップS52700において、RTC演出中フラグがONではないと判定した場合には(S52700:NO)、ステップS52701に進み、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する。以下の処理は、第5実施形態と同じであるので、説明を省略する。
図246は、第5実施形態の変形例1の表示側MPU102において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。第5実施形態の表示側MPU102において実行されるコマンド対応処理(図237)との違いは、背景動画の表示を開始させる処理(ステップS53112)を実行した後であって、その他の処理(ステップS53113)を実行する前に、後述するステップS53112a及びステップS53112bの処理を実行する点であり、他の処理は第5実施形態と同じである。
ステップS53112aでは、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにRTC演出動画開始コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS53112aにおいて、RTC演出動画開始コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS53112bに進み、RTC演出動画の表示を開始させる処理を実行する。具体的には、RTC演出動画が時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS53112bを実行した後、ステップS53113に進む。一方、ステップS53112aにおいて、RTC演出動画開始コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS53112bを実行せずにステップS53113に進む。以下の処理は、第5実施形態と同じであるので、説明を省略する。
以上説明したように、本変形例によれば、図239に示したように、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行し、その後、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合には、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行するとともに、背景動画を表示する態様に移行する際に、背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する。したがって、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、制御を簡易化することができる。なお、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合に、RTC演出動画を表示する態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた背景動画の時間的位置から当該背景動画の表示を開始する構成や、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行させる際に、表示を開始する背景動画の時間的位置をRTC演出動画を表示する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行した後においても背景動画の再生を内部処理として継続するとともに、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行する際には内部処理として継続して再生している背景動画を図柄表示装置41に表示させる構成等が挙げられる。
さらに、本変形例によれば、図240に示したように、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行し、その後、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合には、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行するとともに、デモ動画を表示する態様に移行する際に、デモ動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する。したがって、デモ動画を表示する態様に移行する際にデモ動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、制御を簡易化することができる。なお、デモ動画を表示する態様に移行する際にデモ動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合に、RTC演出動画を表示する態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていたデモ動画の時間的位置から当該デモ動画の表示を開始する構成や、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行させる際に、表示を開始するデモ動画の時間的位置をRTC演出動画を表示する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行した後においてもデモ動画の再生を内部処理として継続するとともに、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行する際には内部処理として継続して再生しているデモ動画を図柄表示装置41に表示させる構成等が挙げられる。
さらに、本変形例によれば、図241に示したように、RTC演出動画を表示中に移行条件が成立した場合であっても、RTC演出動画は予め定められた表示期間の途中で中断せず、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した後にデモ動画を表示する態様に移行するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本変形例によれば、図242に示したように、RTC演出動画を表示中に復帰条件が成立した場合であっても、RTC演出動画は予め定められた表示期間の途中で中断せず、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した後に背景動画を表示する態様に復帰するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本変形例のパチンコ機10が複数台設置されている場合には、図239および図242に示したように、各パチンコ機10において実質的に同時にRTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行するとともに、各パチンコ機10は、背景動画を表示する際に、背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各パチンコ機10において表示される背景動画を同期させることができる。すなわち、各パチンコ機10において表示される背景動画が同期した壮観な状況を創出することができる。このため、本変形例のパチンコ機10が複数台設置されている遊技ホールに訪れた遊技者は、各パチンコ機10において表示される背景動画が同期した壮観な状況を目の当たりにすることになる。この結果、当該パチンコ機10に対する興味を遊技者に抱かせることが可能となる。
さらに、本変形例によれば、図239および図242に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行する際に、背景動画の時間的な先頭位置から表示を開始するので、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は、背景動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本変形例によれば、当該遊技者に対して背景動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本変形例によれば、図239および図242に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行する際に、予め定められた時間的位置から背景音楽の出力を開始するので、背景音楽の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、背景音楽の出力を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、図239において、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合に、RTC演出音楽を出力する態様に移行する直前のタイミングにおいて出力されていた背景音楽の時間的位置から当該背景音楽の出力を開始する構成や、RTC演出音楽を出力する態様から背景音楽を出力する態様に移行する際に、出力を開始する背景音楽の時間的位置をRTC演出音楽を出力する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、背景音楽を出力する態様からRTC演出音楽を出力する態様に移行した後においても背景音楽の再生を内部処理として継続するとともに、RTC演出音楽を出力する態様から背景音楽を出力する態様に移行する際には内部処理として継続して再生している背景音楽を出力する構成等が挙げられる。
さらに、本変形例によれば、図239および図242に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行する際に、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始するので、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、背景音楽を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景音楽のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本変形例によれば、当該遊技者に対して背景音楽を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景音楽を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本変形例のパチンコ機10が複数台設置されている場合には、図240および図241に示したように、各パチンコ機10において実質的に同時にRTC演出動画の表示期間が終了してデモ動画を表示する態様に移行するとともに、各パチンコ機10は、デモ動画を表示する際に、デモ動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各パチンコ機10において表示されるデモ動画を同期させることができる。すなわち、各パチンコ機10において表示されるデモ動画が同期した壮観な状況を創出することができる。このため、本変形例のパチンコ機10が複数台設置されている遊技ホールに訪れた遊技者は、各パチンコ機10において表示されるデモ動画が同期した壮観な状況を目の当たりにすることになる。この結果、当該パチンコ機10に対する興味を遊技者に抱かせることが可能となる。
さらに、本変形例によれば、図240および図241に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了してデモ動画を表示する態様に移行する際に、デモ動画の時間的な先頭位置から表示を開始するので、デモ動画を表示する態様に移行してデモ動画を表示する際にデモ動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、デモ動画を表示する態様に移行してデモ動画を表示する際にデモ動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は、デモ動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、デモ動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本変形例によれば、当該遊技者に対してデモ動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、デモ動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
E8−2.変形例2:
上記実施形態及び上記変形例では、移行条件が成立した場合に、音声の出力態様を、背景音楽の出力を継続しつつ当該背景音楽の音量を時間の経過と共に低減する態様を経て、背景音楽の音量がゼロである態様に移行させる構成としたが、この代わりに、移行条件が成立した場合に、音声の出力態様を、背景音楽の出力を継続しつつ当該背景音楽の音量を時間の経過と共に低減する態様を経ずに、背景音楽の音量がゼロである態様に移行させる構成としてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例では、移行条件が成立した場合に、図柄表示装置41の表示態様を、背景音楽の音量がゼロになってから5秒経過後に、デモ動画を表示する態様に移行させる構成としたが、この代わりに、図柄表示装置41の表示態様を、背景音楽の音量がゼロになったタイミングでデモ動画を表示する態様に移行させる構成としてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例では、背景音楽の音量がゼロになってから5秒が経過するまでは背景音楽の出力自体は継続し、5秒が経過した後に背景音楽の出力を停止する構成としたが、この代わりに、背景音楽の音量がゼロになったタイミングで背景音楽の出力を停止する構成としてもよい。
E8−3.変形例3:
上記実施形態及び上記変形例では、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図203)には、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させるとともに、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始させる構成としたが、背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から表示および出力を開始させる構成に限定されない。例えば、背景動画および背景音楽を、予め定められた最も盛り上がる時間的位置(いわゆるサビの開始位置)から表示および出力を開始させる構成としてもよい。すなわち、背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始させ、背景音楽の予め定められた時間的位置であって背景動画の予め定められた時間的位置に対応した時間的位置から出力を開始させる構成とすればよい。このような構成としても、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
E8−4.変形例4:
上記実施形態及び上記変形例では、移行条件が成立した場合に、背景音楽の音量をゼロにする構成としたが、背景音楽の音量を完全にゼロにする構成でなくてもよい。例えば、移行条件が成立した場合に、背景音楽の音量を遊技者が認識することのできない大きさの音量以下にする構成としてもよい。このような構成としても、移行条件が成立したことを遊技者に認識させることができる。
また、移行条件が成立する前における音声の出力態様を、背景音楽を第1の大きさの音量で出力する態様とし、移行条件が成立した後に移行する音声の出力態様を、背景音楽を第1の大きさの音量よりも小さい第2の大きさの音量で出力する態様としてもよい。このような構成としても、移行条件が成立したことを遊技者に認識させることができる。
E8−5.変形例5:
上記実施形態及び上記変形例では、移行条件が成立した場合に、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行させる構成としたが、移行条件が成立する前における図柄表示装置41の表示態様および移行条件が成立した後に移行する図柄表示装置41の表示態様は、背景動画を表示する態様およびデモ動画を表示する態様に限定されない。例えば、移行条件が成立する前における図柄表示装置41の表示態様が、所定の動画を表示する態様であった場合には、移行条件が成立した後に移行する図柄表示装置41の表示態様は、当該所定の動画とは異なる画像を表示する態様または画像の表示を停止している態様であってもよい。例えば、移行条件が成立した後に移行する図柄表示装置41の表示態様は、当該所定の動画とは異なる動画を表示する態様、当該所定の動画の少なくとも一部を停止して表示する態様、当該所定の動画を非表示とする態様、当該所定の動画とは異なる静止画像を表示する態様、または動画及び静止画像を非表示とする態様であってもよい。
E8−6.変形例6:
上記実施形態及び上記変形例において、遊技球が遊技盤30に射出されたことを検出する検出センサーを設け、当該検出センサーによって遊技球が所定時間(例えば30秒)検出されない場合に、移行条件が成立したと判定する構成としてもよい。このようにすれば、遊技球が遊技盤30に射出されていれば移行条件が成立しないので、遊技者が遊技中であるにも関わらず移行条件が成立してしまうといった遊技者にとって不快な状況の発生を低減することができる。
さらに、移行条件が成立した後であって当該検出センサーによって遊技球が検出された場合に、復帰条件が成立したと判定する構成としてもよい。このようにすれば、移行条件が成立した後であっても、遊技球が遊技盤30に射出されれば復帰条件が成立するので、遊技者が遊技を開始しているにも関わらず復帰条件が長時間(例えば、1分)に亘って成立しないといった遊技者にとって不快な状況を低減することができる。
E8−7.変形例7:
上記実施形態及び上記変形例において、複数種類の中から背景動画および当該背景動画に対応した背景音楽が選択される構成としてもよい。この場合には、抽選モードが高確率モードであるか否かや、遊技者の選択等によって背景動画および当該背景動画に対応した背景音楽が選択される構成としてもよい。
E8−8.変形例8:
上記実施形態及び上記変形例において具体的に設定された時間や数値等は、あくまで一例であり、適宜他の時間や数値等に設定することができる。例えば、図柄の変動が停止してから移行条件が成立するまでの時間は15秒以外に設定されていてもよく、背景音楽の音量がゼロになってからデモ動画が開始されるまでの時間は5秒以外に設定されていてもよい。
E8−9.変形例9:
上記実施形態及び上記変形例では、図柄表示装置41の表示態様がデモ動画を表示する態様である場合には、音声の出力態様は音楽が出力されず音量がゼロである態様となるように構成されているが、この代わりに、図柄表示装置41の表示態様がデモ動画を表示する態様である場合には、音声の出力態様はデモ動画に対応した音楽であるデモ音楽を遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)で出力する態様となるように構成されていてもよい。
このような構成において、RTC演出動画の表示期間が終了してデモ動画を表示する態様に移行する際に、デモ音楽の予め定められた時間的位置から出力を開始する構成としてもよい。このような構成とすれば、デモ音楽の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、デモ動画の表示とデモ音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、デモ音楽の予め定められた時間的位置を、デモ音楽の時間的な先頭位置としてもよい。このような構成によれば、デモ音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。
E8−10.変形例10:
上記変形例1では、音声発光制御装置90のMPU92は、時刻に関する情報である時刻情報をRTC96から取得するとともに、取得した時刻情報がRTC演出開始条件として設定されている所定の時刻と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に、RTC演出を実行するための処理を開始する構成としたが、この代わりに、音声発光制御装置90は、RTC演出を一度実行した後は、前回のRTC演出が開始されてからの経過時間を計測し、前回のRTC演出が開始されてから所定時間(例えば、1時間)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合に、RTC演出を実行するための処理を開始する構成としてもよい。
E8−11.変形例11:
上記変形例1では、音声発光制御装置90は、遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)でRTC演出音楽を出力する構成としたが、この代わりに、音声発光制御装置90は、遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)に関わらず、最大の出力レベル(音量)でRTC演出音楽を出力する構成としてもよい。このような構成によれば、RTC演出の迫力や注目度を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
E8−12.変形例12:
上記変形例11の構成を採用した上で、最大の出力レベル(音量)によるRTC演出音楽の出力が終了して背景音楽を出力する際に、最大の出力レベル(音量)を維持する構成としてもよい。このような構成による効果について説明する。最大の出力レベル(音量)で出力されたRTC演出音楽を鑑賞した遊技者は、最大の出力レベル(音量)によって実行された演出の迫力に魅了されるため、RTC演出が終了した後においても最大の出力レベル(音量)で遊技を継続したいといった要望を持つことがある。したがって、このような構成によれば、RTC演出が終了した後においても最大の出力レベル(音量)で遊技を継続したいといった遊技者の要望を満たすことが可能となる。
また、上記変形例11の構成を採用した上で、最大の出力レベル(音量)によるRTC演出音楽の出力が終了して背景音楽を出力する際に、遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)に復帰する構成としてもよい。このような構成によれば、実行されていたRTC演出の特別感をさらに際立たせることができるので、次回のRTC演出に対する期待感をさらに向上させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、上記変形例11の構成を採用した上で、最大の出力レベル(音量)によるRTC演出音楽の出力が終了して背景音楽を出力する際に、音声の出力レベル(音量)を遊技者が設定するための音量設定画面を図柄表示装置41に表示し、遊技者によって指定された音声の出力レベル(音量)で背景音楽を出力する構成としてもよい。このような構成による効果について説明する。最大の出力レベル(音量)で出力されたRTC演出音楽を鑑賞した遊技者は、大きい音量に慣れるため、RTC演出音楽を鑑賞する前とは好みの出力レベル(音量)が変わることがある。このため、RTC演出が終了した後に、音声の出力レベル(音量)を好みの出力レベルに設定し直したいといった要望を持つことがある。したがって、このような構成によれば、RTC演出が終了した後のタイミングにおいて、音声の出力レベル(音量)を好みの出力レベルに設定し直したいといった遊技者の要望を満たすことが可能となる。
F.第6実施形態:
F1.遊技機の構造:
図247は、第6実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図248は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。ただし、以下の説明では、一般入賞口32、可変入賞装置36、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図249は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図249(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図249(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図249(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図249(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図249(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図249(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。
また、図249(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、液晶用普図表示領域NA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
F2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図250は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検知センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図251は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図249(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図252は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図252(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図252(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図252(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図252(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図253は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図253(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図253(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図253(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図253(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図254は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図254(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図254(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図254(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図254(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
F3.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図255は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、音声発光制御装置90の全体の制御を司る演算装置であるMPU92と、音信号を生成するとともに生成した音信号に基づいてスピーカー46を駆動して音を出力する音出力LSI97と、種々の音声データが格納されたメモリである音声データ用ROM98とが搭載されている。音声データ用ROM98は、音出力LSI97に接続され、音出力LSI97は、信号線を介してMPU92と接続されている。
MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
音出力LSI97は、MPU92からの指示に基づいて再生すべき音を生成し、生成した音をスピーカー46から出力するDSP(Digital Signal Processor)である。具体的には、音出力LSI97は、MPU92から再生開始指令を受信すると、その再生開始指令によって指示された再生を開始すべき音を特定し、その特定した音に対応する音声データを音声データ用ROM98から読み出し、再生すべき音を生成する。そして、音出力LSI97は、生成した音をスピーカー46から出力する。また、音出力LSI97は、MPU92から再生終了指令を受信すると、その再生終了指令により指示された再生を終了すべき音を特定し、その特定した音の再生を終了する。
音出力LSI97は、16チャンネル分の音声チャンネルを有しており、最大16の音を同時に生成し、合成(ミキシング)した上で、スピーカー46から出力する。また、音出力LSI97は、MPU92からの指示に従って、音声チャンネル毎に再生中の音の出力を消音(ミュート)に設定し、また、その消音設定を解除することができる。消音に設定された音声チャンネルは、音出力LSI97にて該当する音声データを読み出して再生すべき音を生成するものの、他の音声チャンネルの音とミキシングする場合は、消音設定の対象の音声チャンネルの音のレベルを0にするか、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシング回路に非入力とすることによって、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシングしないようにしている。これにより、消音設定の対象の音声チャンネルの音がスピーカー46から出力されない。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されており、MPU92は、主制御装置60から各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
図256は、音声データ用ROMに記憶されているデータのデータ構造を模式的に示す説明図である。本実施形態の音声データ用ROM98には、各種演出の内容に対応した音声データや、効果音や各種キャラクターの台詞等の音声データを記憶する演出用音声データ記憶エリア98aと、演出の内容に関わらずにBGM(Back Ground Music)として再生するためのBGM用楽曲データを記憶するBGM用楽曲データ記憶エリア98bとが設けられている。
本実施形態では、音声データ用ROM98には、MP3(MPEG Audio Layer−3)形式の音声データが記憶されている。ただし、音声データとしては、任意の形式を採用することができる。すなわち、音声データは、音の波形をリニアパルス符号変動方式によってサンプリングしたデータ形式であってもよいし、MP3やAAC(Advanced Audio Coding)等の各種音声圧縮方式によってデータ圧縮されたものであってもよい。また、各種の音声を発音させるためのMIDI(Musical Instrulment Digital Interface)規格に準拠したMIDIファイルが、音声データとして音声データ用ROM98に記憶されていてもよい。この場合、音出力LSI97は、MIDI音源を備え、MPU92から再生開始を指示された種別の音を再生するためのMIDIファイルを音声データ用ROM98から読み出し、読み出したMIDIファイルに従って、MIDI音源を発音させることで、その音の再生を実行する構成としてもよい。以下、本実施形態の説明に戻る。
図256に示した例では、BGM用楽曲データ記憶エリアには、15種類のBGM用楽曲M1〜M15を構成する音声データ群が記憶されている。本実施形態では、1つのBGM用楽曲は、当該BGM用楽曲の前奏部分に相当する前奏部と、当該前奏部分に続くメインメロディに相当する主要部とに分割されて記憶されている。さらに、BGM用楽曲を構成する前奏部は複数の音声データに分割されて記憶されており、主要部も複数の音声データに分割されて記憶されている。
例えば、図256に示すように、BGM用楽曲M1の前奏部は、2個の音声データ(第1前奏部音声データ、第2前奏部音声データ)に分割されて記憶されており、BGM用楽曲M1の主要部は、4個の音声データ(第1主要部音声データ、第2主要部音声データ、第3主要部音声データ、第4主要部音声データ、)に分割されて記憶されている。そして、BGM用楽曲M1を構成する6個の各音声データの再生時間は、それぞれ16秒となっている。すなわち、BGM用楽曲M1は、全体で96秒(=16秒×6)の再生時間の楽曲であり、前奏部は32秒の再生時間、メインメロディである主要部は64秒の再生時間として構成されている。
ここで、BGM用楽曲M1の1小節の時間的長さは2秒間となっている。したがって、BGM用楽曲M1を構成する各音声データの再生時間は、8小節分の長さとなっている。換言すれば、BGM用楽曲M1を構成する各音声データの時間的な先頭の位置は、BGM用楽曲M1の小節の切れ目と一致している。一般的に、楽曲は8小節分または16小節分で一区切りとして構成されている。このため、本実施形態では、BGM用楽曲M1を構成するどの音声データから再生を開始しても、遊技者が違和感を感じにくいように構成されている。具体的には、例えば、BGM用楽曲M1の一部を構成する第2主要部音声データから再生を開始しても、ボーカルの歌声が途中から再生されることがないように構成されている。このように、1つのBGM用楽曲が遊技者にとって違和感を感じにくい区切り方で複数の音声データに分割されている効果については後述する。
なお、図256に示したBGM用楽曲M1を構成する各音声データの再生時間や分割数は例示であり、1つのBGM用楽曲を構成する各音声データの再生時間や分割数は、遊技者が違和感を感じないように分割されていれば、BGM用楽曲の小節の時間的長さや内容に応じて任意に設定することができる。また、1つのBGM用楽曲を構成する各音声データの再生時間がそれぞれ異なるように分割されていてもよく、さらに、前奏部及び主要部の分割数を任意に設定してもよい。
本実施形態のパチンコ機10は、後述するように、複数のBGM用楽曲の中から一のBGM用楽曲を再生対象として設定し、設定したBGM用楽曲の再生を開始すると、最初に当該BGM用楽曲の前奏部を構成する音声データを順次再生し、その後連続して主要部を構成する音声データを順次再生する。そして、主要部を構成する最後の音声データ(BGM用楽曲M1の場合には第4主要部音声データ)の再生が終了した後は、再び当該BGM用楽曲の主要部を構成する先頭の音声データ(第1主要部音声データ)から再生を開始する。すなわち、本実施形態のパチンコ機10は、BGM用楽曲をリピート再生する場合には、メインメロディに相当する主要部をリピート対象として繰り返し再生する。したがって、BGM用楽曲がリピート再生される場合において、当該BGM用楽曲の前奏部がリピートの度に再生されないので、当該BGM用楽曲のメインメロディに相当する主要部を聞いていて盛り上がっていた遊技者の気分が、前奏部が再び再生されてしまうことによって低下してしまうことを抑制することができる。なお、図256に示した例では、BGM用楽曲M1の前奏部は2個の前奏部音声データによって構成され、主要部は4個の主要部音声データによって構成されているが、前奏部及び主要部は、それぞれ1個の音声データによって構成されていてもよい。
F4.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図257は、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイミングチャートである。図257には、音声チャンネル1において再生される音声データの内容と、音声チャンネル1における消音設定の状態と、音声チャンネル2において再生される音声データの内容とが示されている。
本実施形態のパチンコ機10の音声発光制御装置90は、複数のBGM用楽曲の中から一のBGM用楽曲を音声チャンネル1における再生対象として設定し、設定したBGM用楽曲を構成する音声データを、音声データ用ROM98のBGM用楽曲データ記憶エリア98bから順次読み出して再生する。また、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2において、実行する演出の内容に対応した音声データを音声データ用ROM98の演出用音声データ記憶エリア98aから読み出して再生する。すなわち、本実施形態では、音声チャンネル1はBGM用として利用され、音声チャンネル2は演出用として利用されている。この図257に示した例では、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1の再生対象としてBGM用楽曲M1を設定しており、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する音声データを順次読み出して再生している。
図257に示すように、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第1前奏部音声データを再生中に、予告演出Y1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該予告演出Y1に対応する音声データの再生を開始する。ただし、この場合、後述するリーチ演出R1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定しない。したがって、スピーカー46からは当該予告演出Y1に対応する音声とBGM用楽曲M1の両方の音声が合成されてスピーカー46から出力される。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第2前奏部音声データを再生中に、リーチ演出R1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生を開始する。この場合は、上記の予告演出Y1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定する。したがって、当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生中はBGM用楽曲M1がスピーカー46から出力されない。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生が終了したことを契機として、音声チャンネル1において再生中のBGM用楽曲M1の第2主要部音声データの次の音声データである第3主要部音声データの再生を開始し、チャンネル1の消音設定を解除する。すなわち、本実施形態の音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出に対応した音声データの再生が終了したことを契機として、音声チャンネル1において再生中の音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する。
ただし、音声チャンネル1の消音設定が解除されるタイミング(音声チャンネル2におけるリーチ演出に対応した音声データの再生が終了したタイミング)において、再生中の音声データの次の音声データが存在しない場合(BGM用楽曲M1の第4主要部音声データを再生中であった場合)には、当該BGM用楽曲の主要部を構成する最初の音声データ(BGM用楽曲M1の第1主要部音声データ)から再生を開始するように構成されている。
また、図257に示すように、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1において、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データの再生が終了した後は、BGM用楽曲M1の第1主要部音声データから再生を開始する。すなわち、本実施形態の音声発光制御装置90は、設定されたBGM用楽曲を構成する最後の音声データ(BGM用楽曲M1の第4主要部音声データ)の再生が終了した後は、当該BGM用楽曲の先頭の音声データ(BGM用楽曲の第1前奏部音声データ)から再生を開始するのではなく、当該BGM用楽曲の主要部を構成する最初の音声データ(BGM用楽曲M1の第1主要部音声データ)から再生を開始するように構成されている。
なお、この図257には示していないが、音声チャンネル1、2以外の他の音声チャンネルにおいては、効果音やキャラクターによるセリフ等の短い音声データが演出の内容に応じて再生され、スピーカー46から出力される。本実施形態では、効果音等の音声データが音声チャンネル1、2以外の他の音声チャンネルにおいて再生されている場合であっても、音声チャンネル1を消音に設定しないので、BGM用楽曲は効果音等と合わせてスピーカー46から出力される。
このように、本実施形態によれば、予告演出に対応した音声データの再生中はBGM用楽曲もスピーカー46から出力されるが、リーチ演出に対応した音声データの再生中はBGM用楽曲がスピーカー46から出力されないので、リーチ演出に対応した音声を際立たせることができ、遊技者をリーチ演出により一層注目させることができる。さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が終了し、音声チャンネル1の消音設定が解除された際には、BGM用楽曲を構成する音声データの先頭から再生が開始される。上述したように、本実施形態では、BGM用楽曲を構成するどの音声データから再生を開始しても、遊技者が違和感を感じにくいように構成されている。したがって、リーチ演出が終了した際に遊技者に与える違和感を低減しつつBGM用楽曲を復帰させることができる。
ここで、仮に、本実施形態の制御を実行しない構成とした場合、すなわち、音声チャンネル1の消音設定が解除された際に、BGM用楽曲を構成する音声データの先頭から再生を開始せず、音声チャンネル1の消音設定が解除された際にも音声チャンネル1において再生中の音声データの再生をそのまま継続する構成とした場合には、音声チャンネル1の消音設定が解除された際に、遊技者はBGM用楽曲を構成する音声データの途中(例えば、BGM用楽曲に含まれるボーカルの歌声の途中)から当該BGM用楽曲を聴くことになり、違和感や不快感を感じてしまう場合がある。これに対して、本実施形態では、上述したように、音声チャンネル1の消音設定が解除された際には、BGM用楽曲を構成する音声データの先頭から再生を開始するので、例えば、BGM用楽曲に含まれるボーカルの歌声の途中から当該BGM用楽曲が再生されてしまうことを回避し、遊技者に違和感や不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、音声チャンネル1の消音設定が解除されるタイミングにおいて再生中の音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始するので、BGM用楽曲がリーチ演出の実行の開始から終了後も継続して再生されていた場合に近い時間的位置から当該BGM用楽曲の再生が再開されるので、リーチ演出の実行の開始から終了後もBGM用楽曲が継続して再生されている様子をイメージしていた遊技者に対して与える違和感を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、BGM用楽曲を繰り返し再生(リピート再生)する際に、当該BGM用楽曲の前奏部分は繰り返して再生しないので、当該BGM用楽曲の主要部分を聴いて盛り上がっていた遊技者の気分が、再び当該BGM用楽曲の前奏部分が再生されることによって低下してしまうことを抑制することができる。
F5.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。主側MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図258は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS60101では、各種検知センサー67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサー67a〜67eの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS60102に進む。
ステップS60102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS60103に進む。
ステップS60103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS60104に進む。
ステップS60104では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS60104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS60104を実行した後、ステップS60105に進む。
ステップS60105では、スルーゲート35への遊技球の入球に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。ステップS60105におけるスルーゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップS60105を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図258:S60104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図259は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS60201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS60201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S60201:YES)、ステップS60202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS60203に進む。
ステップS60203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS60204に進む。
ステップS60204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS60209に進む。
ステップS60201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S60201:NO)、ステップS60205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS60205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S60205:YES)、ステップS60206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS60207に進む。一方、ステップS60205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S60205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS60207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS60208に進む。
ステップS60208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS60209に進む。
ステップS60209では、上述したステップS60204又はステップS60208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS60209において、始動保留個数Nが上限値未満ではない場合(S60209:NO)、すなわち、始動保留個数Nが上限値以上である場合には、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS60209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S60209:YES)、ステップS60210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS60211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS60212に進む。
ステップS60212では、ステップS60103(図258)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS60210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS60103(図258)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS60210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS60103(図258)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS60210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS60212を実行した後、ステップS60213に進む。
ステップS60213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS60213を実行した後、ステップS60214に進む。
ステップS60214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図262:ステップS60503)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS60214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図259:S60213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図260は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS60301では、始動口用の入球処理(図259)における始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS60302に進み、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS60302において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S60302:YES)、ステップS60303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS60305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS60302において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S60302:NO)、ステップS60304に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS60305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS60305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S60305:YES)、ステップS60306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS60307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS60307を実行した後、ステップS60308に進む。
ステップS60308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS60308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S60308:YES)、ステップS60309に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS60308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S60308:NO)、ステップS60310に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS60305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S60305:NO)、ステップS60311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS60312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS60313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS60313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S60313:YES)、ステップS60314に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS60313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S60313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルーゲート用の入球処理>
次に、スルーゲート用の入球処理について説明する。スルーゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図258:S60105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図261は、スルーゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS60401では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップS60401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S60401:YES)、ステップS60402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS60401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S60401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS60402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S60402:YES)、ステップS60403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS60404に進む。
ステップS60404では、ステップS60103(図258)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップS60402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S60402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図262は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS60501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS60502に進む。
ステップS60502では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS60503に進む。
ステップS60503では、ステップS60502において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS60503を実行した後、ステップS60504に進む。
ステップS60504では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS60505に進む。
ステップS60505では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS60506に進む。ステップS60506では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS60506を実行した後、ステップS60507に進む。
ステップS60507では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS60508に進む。
ステップS60508では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS60509に進む。
ステップS60509では、待機状態が所定時間経過した場合にサブ側の各制御装置にデモ動画を開始させるための待機用処理を実行する。その後、ステップS60510に進む。
ステップS60510では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS60503のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS60510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S60510:NO)、ステップS60511及びステップS60512において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS60511において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS60512において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS60510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S60510:YES)、ステップS60503に戻り、ステップS60503からステップS60508までの各処理を実行する。
なお、ステップS60503からステップ507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図262:S60506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図263は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS60601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。
ステップS60601において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S60601:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS60602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS60601において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S60601:NO)、ステップS60602に進む。
ステップS60602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS60602において、メイン表示部45が変動表示中ではないと判定した場合には(S60602:NO)、ステップS60603〜ステップS60605の遊技回開始用処理に進む。ステップS60603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS60603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S60603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS60603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S60603:NO)、ステップS60604に進む。
ステップS60604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS60605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS60605では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS60606に進む。
ステップS60606では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS60606を実行した後、ステップS60607に進む。
一方、ステップS60602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S60602:YES)、ステップS60607に進む。
ステップS60607では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS60607では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図266)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS60607において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S60607:NO)、ステップS60608に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS60608を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップS60607において、変動時間が経過していると判定した場合には(S60607:YES)、ステップS60609に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理では、後述する変動開始処理(図265)において決定された停止図柄を、今回の遊技回の結果としてメイン表示部45に停止表示させる。ステップS60609を実行した後、ステップS60610に進む。
ステップS60610では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに記憶されているいずれかの大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグは、後述する変動開始処理(図265)において大当たりに当選した場合にONにされるフラグである。ステップS60610において、いずれかの大当たりフラグがONであると判定した場合には(S60610:YES)、ステップS60611に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS60610において、いずれの大当たりフラグもONではないと判定した場合には(S60610:NO)、ステップS60612に進む。
ステップS60612では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。ステップS60612において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S60612:YES)、ステップS60613に進み、客待ちコマンドを設定する。客待ちコマンドは、図柄の変動(遊技回)が終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていないことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS60613において設定された客待ちコマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503において、音声発光制御装置90に送信される。一方、ステップS60612において、合計保留個数CRNが「0」ではないと判定した場合には(S60612:NO)、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図263:S60604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図264は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS60701では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図251)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図251)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRa(図251)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRb(図251)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS60701の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS60701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS60701:YES)、ステップS60702〜ステップS60707の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS60701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS60701:NO)、ステップS60708〜ステップS60713の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS60702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS60703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS60704に進む。ステップS60704では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS60705に進む。
ステップS60705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS60705を実行した後、ステップS60706に進む。
ステップS60706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS60707へ進む。
ステップS60707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS60707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS60701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS60701:NO)、ステップS60708に進む。
ステップS60708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS60709に進む。ステップS60709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS60710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS60711に進む。
ステップS60711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS60711を実行した後、ステップS60712に進む。
ステップS60712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS60713に進む。
ステップS60713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS60713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図263:S60605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図265は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS60801では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS60801において、高確率モードであると判定した場合には(S60801:YES)、ステップS60802に進む。
ステップS60802では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図252(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS60804に進む。一方、ステップS60801において高確率モードではないと判定した場合には(S60801:NO)、ステップS60803に進む。
ステップS60803では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図252(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS60804に進む。
ステップS60804では、ステップS60802又はステップS60803における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS60804において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S60804:YES)、ステップS60805〜ステップS60812において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS60805では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS60805において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S60805:NO)、ステップS60806に進み、第1始動口用の振分テーブル(図253(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS60805において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S60805:YES)、ステップS60807に進み、第2始動口用の振分テーブル(図253(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS60806又はステップS60807の処理を実行した後。ステップS60808に進む。
ステップS60808では、ステップS60806又はステップS60807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS60808において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S60808:YES)、ステップS60809に進む。
ステップS60809では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS60806又はステップS60807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS60809を実行した後、ステップS60810に進む。
ステップS60810では、ステップS60806又はステップS60807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS60814に進む。
ステップS60808において、ステップS60806又はステップS60807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S60808:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS60811に進む。
ステップS60811では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS60806又はステップS60807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS60811を実行した後、ステップS60812に進む。
ステップS60812では、ステップS60806又はステップS60807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS60814に進む。
ステップS60804において、ステップS60802又はステップS60803における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S60804:NO)、ステップS60813に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS60813を実行した後、ステップS60814に進む。
ステップS60814では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS60814を実行した後、ステップS60815に進む。
ステップS60815では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS60815において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S60815:NO)、ステップS60816に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS60814で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS60815において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S60815:YES)、ステップS60817に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS60814で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS60816又はステップS60817を実行した後、ステップS60818に進む。
ステップS60818では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS60816〜ステップS60818にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS60818を実行後、ステップS60819に進む。
ステップS60819では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS60819を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図265:S60814)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図266は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS60901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS60902に進む。
ステップS60902では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S60902:YES)、ステップS60903に進む。
ステップS60903では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS60904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS60902において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S60902:NO)、ステップS60905に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS60902において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S60905)を実行することから、ステップS60905においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S60905:YES)、ステップS60906に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS60906では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS60904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS60905において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S60905:NO)、ステップS60907に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS60904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図262:S60507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図267は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS61001では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、エンディング期間の開始時にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS61001において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S61001:NO)、ステップS61002に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉処理期間の開始時にONにされ、開閉処理期間の終了時にOFFにされる。
ステップS61002において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S61002:NO)、ステップS61003に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。オープニング期間は、開閉実行モードにおいてオープニング演出を実行するための期間である。
ステップS61003において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S61003:NO)、ステップS61004に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS61004において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S61004:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS61004において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S61004:YES)、ステップS61005に進み、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S61005:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS61005において、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S61005:YES)、ステップS61006に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS61007に進む。なお、ステップS61006において、高確率モードフラグがOFFであった場合には、そのままステップS61007に進む。
ステップS61007では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、オープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に所定の値を設定する。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。オープニング時間設定処理の詳細については後述する。ステップS61007を実行した後、ステップS61008に進む。
ステップS61008では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信したことに基づいて、オープニング演出及右打ち報知演出を実行するように設定し、これらの演出が順次実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS61008を実行した後、ステップS61009に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS61003において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S61003:YES)、ステップS61010に進む。
ステップS61010では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS61010において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S61010:YES)、ステップS61011に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS61012に進む。
ステップS61012では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS61012を実行した後、ステップS61013に進む。
ステップS61013では、今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認するとともに、フラグに対応するラウンド数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。ステップ13913を実行した後、ステップS61014に進む。
ステップS61014では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、ステップS61015に進み、開放開始コマンドを設定する。設定された開放開始コマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503にて、音声発光制御装置90に送信される。この開放開始コマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信した開放開始コマンドに基づいて、ラウンド数に対応した内容のラウンド演出を実行するように設定し、設定した内容のラウンド演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS61015を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS61002において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(S61002:YES)、ステップS61016に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数の遊技球が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS61016を実行した後、ステップS61017に進む。
ステップS61017では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S61016:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S61017:YES)、ステップS61018に進み、開閉処理期間フラグをOFFにする。ステップS61018を実行した後、ステップS61019に進む。
ステップS61019では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS61019を実行した後、ステップS61020に進む。
ステップS61020では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、エンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)を設定する。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS61020を実行した後、ステップS61021に進む。
ステップS61021では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、エンディングコマンドを受信したことに基づいて、エンディング演出を実行するように設定し、エンディング演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS61021を実行した後、ステップS61022に進む。
ステップS61022では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS61001において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S61001:YES)、ステップS61023に進む。
ステップS61023では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S61019)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS61023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S61023:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS61023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S61023:YES)、ステップS61024に進む。
ステップS61024では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS61025に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS61025を実行した後、ステップS61026に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップS61027に進む。
ステップS61027では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。ステップS61027において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S61027:YES)、ステップS61028に進み、客待ちコマンドを設定する。客待ちコマンドは、開閉実行モードが終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていないことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS61028において設定された客待ちコマンドは、通常処理(図262)におけるステップS60503において、音声発光制御装置90に送信される。一方、ステップS61027において、合計保留個数CRNが「0」ではないと判定した場合には(S61028:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図267:S61007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図268は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS61101では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS61101において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合、すなわち、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S61101:NO)、ステップS61102に進み、第3タイマカウンタエリアT3に10秒に相当する「5000」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS61101において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合、すなわち、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S61101:YES)、ステップS61103に進み、第3タイマカウンタエリアT3に7秒に相当する「3500」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図267:S61016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図269は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS61201では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS61201において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S61201:NO)、ステップS61202に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS61202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S61202:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS61202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S61202:NO)、ステップS61203に進む。
ステップS61203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS61203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S61203:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS61203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S61203:YES)、ステップS61204に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS61205に進む。
ステップS61205では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS61205を実行した後、ステップS61206に進む。
ステップS61206では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図262:ステップS60503)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS61201において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS61201:YES)、ステップS61207に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS61207において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S61207:NO)、ステップS61208に進む。
ステップS61208では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS61208において、入球が発生していないと判定した場合には(S61208:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS61208において、入球が発生していると判定した場合には(S61208:YES)、ステップS61209に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS61210に進む。
ステップS61210では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS61210において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S61210:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS61207において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S61207:YES)、又は、ステップS61210において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S61210:YES)、ステップS61211に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS61212に進む。
ステップS61212では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS61213に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS61213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S61213:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS61213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S61213:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS61214を実行した後、ステップS61215に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図262:ステップS60503)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図267:S61024)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図270は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS61301では、大当たり種別フラグとしての確変大当たりに対応するフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS61301において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S61301:YES)、ステップS61302に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS61302を実行した後、ステップS61303に進む。
ステップS61303では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS61304に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS61305に進む。
ステップS61305では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、後述するステップS61310に進む。
一方、ステップS61301において、RAM64の16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S61301:NO)、ステップS61306に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS61307に進む。
ステップS61307では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS61308に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS61309に進む。
ステップS61309では、当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS61310に進む。
ステップS61310では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図262:S60508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図271は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS61401では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS61401において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S61401:NO)、ステップS61402に進む。
ステップS61402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS61402において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S61402:NO)、ステップS61403に進む。
ステップS61403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS61403において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S61403:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S61403:YES)、ステップS61404に進む。
ステップS61404では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS61404において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S61404:YES)、ステップS61405に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS61404において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S61404:NO)、ステップS61406に進む。
ステップS61406では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS61406において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S61406:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS61406において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S61406:YES)、ステップS61407に進む。
ステップS61407では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS61408に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS61407において開閉実行モードではなく(S61407:NO)、且つ、ステップS61408において高頻度サポートモードである場合には(S61408:YES)、ステップS61409に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS61410に進む。
ステップS61410では、ステップS61409の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS61410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S61410:YES)、ステップS61411に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS61412に進む。一方、ステップS61410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S61410:NO)、ステップS61411の処理を実行することなく、ステップS61412に進む。
ステップS61412では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS61412において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S61412:YES)、ステップS61413に進む。一方、ステップS61412において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S61412:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS61413では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS61413において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S61413:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS61413において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS61414に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS61415に進む。
ステップS61415では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS61415にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図262:ステップS60503)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS61407において開閉実行モードであると判定した場合(S61407:YES)、又は、ステップS61418において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S61408:NO)、ステップS61416に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS61417に進む。
ステップS61417では、ステップS61416の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS61417において、サポート当選でないと判定した場合には(S61417:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS61417において、サポート当選であると判定した場合には(S61417:YES)、ステップS61418に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS61402において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S61402:YES)、ステップS61419に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS61419において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S61419:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS61419において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S61419:YES)、ステップS61420に進む。
ステップS61420では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS61421に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS61401において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S61401:YES)、ステップS61422に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図271:S61422)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図272は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS61501では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S61501:YES)、ステップS61502に進む。
ステップS61502では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS61502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S61502:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS61502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S61502:YES)、ステップS61503に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS61503を実行した後、ステップS61504に進む。
ステップS61504では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS61505に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS61505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S61505:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS61505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S61505:YES)、ステップS61506に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS61501において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S61501:NO)、ステップS61507に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS61507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S61507:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S61507:YES)、ステップS61508に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS61509に進む。
ステップS61509では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S61509:NO)、ステップS61510に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS61510において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S61510:YES)、ステップS61511に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS61509において開閉実行モードであると判定した場合(S61509:YES)、又は、ステップS61510において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S61510:NO)、ステップS61512に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
F6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図273は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS63101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS63101を実行した後、ステップS63102に進む。
ステップS63102では、BGM用処理を実行する。BGM用処理では、BGM用楽曲の設定や再生等の処理を行なう。BGM用処理の詳細については後述する。ステップS63102を実行した後、ステップS63103に進む。
ステップS63103では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出に関する処理を行なう。遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップS63103を実行した後、ステップS63104に進む。
ステップS63104では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行なう。開閉実行モード演出用処理の詳細については後述する。ステップS63104を実行した後、ステップS63105に進む。
ステップS63105では、客待ち用処理を実行する。客待ち用処理では、遊技回が所定時間実行されていない場合に図柄表示装置41にデモ動画を表示させるための処理を実行する。客待ち用処理の詳細については後述する。ステップS63105を実行した後、ステップS63106に進む。
ステップS63106では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS63106を実行した後、ステップS63107に進む。
ステップS63107では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS63107を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<BGM用処理>
次に、BGM用処理について説明する。BGM用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図273:S63102)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図274は、BGM用処理を示すフローチャートである。ステップS63201では、BGM初期設定処理を実行する。BGM初期設定処理では、パチンコ機10の起動後に最初に遊技回が開始されたタイミングにおいてBGM用楽曲M1を音声チャンネル1における再生対象として設定するとともに、BGM用楽曲M1の再生を音出力LSI97に開始させるための処理を実行する。BGM初期設定処理の詳細については後述する。ステップS63201を実行した後、ステップS63202に進む。
ステップS63202では、BGM変更処理を実行する。BGM変更処理では、開閉実行モードの終了時や、高頻度サポートモード中に遊技回が100回実行された場合などの抽選モードやサポートモードが変更されたタイミングにおいて、音声チャンネル1における再生対象のBGM用楽曲を変更する処理を実行する。BGM変更処理の詳細については後述する。ステップS63202を実行した後、ステップS63203に進む。
ステップS63203では、BGM連続再生処理を実行する。BGM連続再生処理では、再生対象に設定されたBGM用楽曲を構成する音声データの再生が終了した場合に、当該BGM用楽曲を構成する次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させるための処理を実行する。BGM連続再生処理の詳細については後述する。ステップS63203を実行した後、ステップS63204に進む。
ステップS63204では、BGM消音用処理を実行する。BGM消音用処理では、リーチ演出が開始されるタイミングにおいて音声チャンネル1を消音に設定し、当該リーチ演出が終了したタイミングにおいて音声チャンネル1の消音設定を解除するための処理を実行する。BGM消音用処理の詳細については後述する。ステップS63204を実行した後、本BGM用処理を終了する。
<BGM初期設定処理>
次に、BGM初期設定処理について説明する。BGM初期設定処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63201)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図275は、BGM初期設定処理を示すフローチャートである。ステップS63301では、BGM初期設定済みフラグがONであるか否かを判定する。BGM初期設定済みフラグは、パチンコ機10の電源投入直後はOFFとなっており、後述するように、電源投入後の最初の再生対象のBGM用楽曲としてBGM用楽曲M1が初期設定されるとONになるフラグである。ステップS63301において、BGM初期設定済みフラグがONであると判定した場合(S63301:YES)、すなわち、再生対象のBGM用楽曲の初期設定が既に終了している場合には、本BGM初期設定処理を終了する。一方、ステップS63301において、BGM初期設定済みフラグがONではないと判定した場合には(S63301:NO)、ステップS63302に進む。
ステップS63302では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS63302において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合には(S63302:YES)、ステップS63303に進み、音声チャンネル1における再生対象としてBGM用楽曲M1を設定する。その後、ステップS63304に進み、再生対象として設定されたBGM用楽曲M1の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させるための処理を実行する。その後、ステップS63305に進み、BGM初期設定済みフラグをONにし、本BGM初期設定処理を終了する。一方、ステップS63302において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S63302:NO)、そのまま本BGM初期設定処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、パチンコ機10の電源投入後に最初に図柄の変動(遊技回)が開始されたタイミングにおいてBGM用楽曲M1の再生が開始される。ただし、BGM初期設定処理は、変形例として、他の処理態様を採用することもできる。例えば、パチンコ機10の電源投入後の最初の再生対象のBGM用楽曲としてBGM用楽曲M1以外のBGM用楽曲を設定する構成や、パチンコ機10の電源投入後の最初の再生対象のBGM用楽曲をランダムで設定する構成や、複数のBGM用楽曲の中から一のBGM用楽曲を選択させるための画像を図柄表示装置41に表示し、パチンコ機10の電源投入後の最初の再生対象のBGM用楽曲を遊技者に選択させる構成を採用することができる。また、本実施形態では、パチンコ機10の電源投入後に最初に図柄の変動(遊技回)が開始されたタイミングにおいてBGM用楽曲M1の再生を開始する構成としたが、この代わりに、変形例として、パチンコ機10の電源投入後の最初の再生対象のBGM用楽曲が設定された後、最初の図柄の変動(遊技回)の開始を待たずに、所定以下の音量で当該設定されたBGM用楽曲の再生を開始する構成としてもよい。
<BGM変更処理>
次に、BGM変更処理について説明する。BGM変更処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63202)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図276は、BGM変更処理を示すフローチャートである。ステップS63401では、高確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードが終了するタイミングにおいて、開閉実行モードの終了後の抽選モードが高確率モードである場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。ステップS63401において、高確率モードコマンドを受信したと判定した場合には(S63401:YES)、ステップS63402に進み、BGM設定用乱数取得処理を実行する。具体的には、BGM用楽曲を設定するための乱数カウンタの値を取得する。その後、ステップS63403に進み、高確率モード用BGM選択テーブルを参照し、取得した乱数カウンタの値に対応したBGM用楽曲を再生対象として設定する。なお、高確率モード用BGM選択テーブルには、乱数カウンタの値とBGM用楽曲M6〜M10が対応して設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中は、BGM用楽曲M6〜M10のいずれかが音声チャンネル1において再生される。ステップS63403を実行した後、ステップS63404に進み、再生対象として設定されたBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させるための処理を実行する。その後、本BGM変更処理を終了する。
ステップS63401において、高確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(S63401:NO)、ステップS63405に進み、低確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。低確率モードコマンドは、開閉実行モードが終了するタイミングにおいて、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードである場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。また、本実施形態では、確変大当たりではない通常大当たりであっても、開閉実行モードの終了後のサポートモードは高頻度サポートモードとなるので、低確率モードコマンドを受信したということは、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードであることを意味する。
ステップS63405において、低確率モードコマンドを受信したと判定した場合(S63405:YES)、すなわち、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、ステップS63406に進み、BGM設定用乱数取得処理を実行する。具体的には、BGM用楽曲を設定するための乱数カウンタの値を取得する。その後、ステップS63407に進み、高頻度サポートモード用BGM選択テーブルを参照し、取得した乱数カウンタの値に対応したBGM用楽曲を再生対象として設定する。なお、高頻度サポートモード用BGM選択テーブルには、乱数カウンタの値とBGM用楽曲M11〜M15が対応して設定されている。すなわち、本実施形態では、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモード中は、BGM用楽曲M11〜M15のいずれかが音声チャンネル1において再生される。ステップS63407を実行した後、上述したステップS63404に進み、再生対象として設定されたBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させるための処理を実行する。その後、本BGM変更処理を終了する。
ステップS63405において、低確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には、(S63405:NO)、ステップS63408に進み、低頻度サポートモードコマンドを受信したか否かを判定する。低頻度サポートモードコマンドは、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモード中に大当たりに当選せずに所定回数(本実施形態では100回)の図柄の変動(遊技回)が実行された場合に主側MPU62から送信されるコマンドである(図271のステップS61415参照)。したがって、低頻度サポートモードコマンドを受信したということは、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである通常モードに移行したことを意味する。ステップS63408において、低頻度サポートモードコマンドを受信したと判定した場合には(S63408:YES)、ステップS63409に進み、BGM設定用乱数取得処理を実行する。具体的には、BGM用楽曲を設定するための乱数カウンタの値を取得する。その後、ステップS63410に進み、通常モード用BGM選択テーブルを参照し、取得した乱数カウンタの値に対応したBGM用楽曲を再生対象として設定する。なお、通常モード用BGM選択テーブルには、乱数カウンタの値とBGM用楽曲M1〜M5が対応して設定されている。すなわち、本実施形態では、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである通常モード中は、BGM用楽曲M1〜M5のいずれかが音声チャンネル1において再生される。ステップS63410を実行した後、上述したステップS63404に進み、再生対象として設定されたBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させるための処理を実行する。その後、本BGM変更処理を終了する。一方、ステップS63408において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S63408:NO)、そのまま本BGM変更処理を終了する。
なお、本実施形態では、抽選モードやサポートモードが移行したことを契機として再生対象のBGM用楽曲を変更する構成としたが、変形例として、他のタイミングで再生対象のBGM用楽曲を変更する構成としてもよい。例えば、図柄の変動(遊技回)が所定回数(例えば、30回)実行されたことを契機として、再生対象のBGM用楽曲を変更する構成としてもよい。
<BGM連続再生処理>
次に、BGM連続再生処理について説明する。BGM連続再生処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図277は、BGM連続再生処理を示すフローチャートである。ステップS63501では、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したか否かを判定する。ステップS63501において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したと判定した場合には(S63501:YES)、ステップS63502に進む。一方、ステップS63501において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了していないと判定した場合には(S63501:NO)、そのまま本BGM連続再生処理を終了する。なお、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したか否かを判定する方法としては、種々の方法を採用することができる。例えば、音出力LSI97は、各音声データの再生を終了したタイミングで、音光側MPU92に対して、音声データの再生が終了したことを示す信号を送信する構成としてもよい。また、他の例として、各BGM用楽曲を構成する音声データ群のデータ構成に関する情報が音光側ROM93に記憶されており、音光側MPU92は、音声データの再生の開始時に、当該データ構成に関する情報に基づいて当該音声データの再生時間を取得するとともにタイマカウンタに当該再生時間を設定しておき、当該タイマカウンタが0になっているか否かによって、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS63502では、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、再生対象としてBGM用楽曲M1が設定されている場合において、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第2前奏部音声データの次の音声データとして第1主要部音声データが存在するので、再生が終了した音声データの次の音声データが存在すると判定する。一方、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第4主要部音声データの次の音声データが存在しないので、再生が終了した音声データの次の音声データが存在しないと判定する。なお、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する方法としては、種々の方法を採用することができる。例えば、BGM用楽曲を構成する音声データ群の最後の音声データに、当該音声データが当該BGM用楽曲を構成する音声データ群における最後の音声データであることを示す情報が含まれており、音出力LSI97は、当該最後の音声データの再生を終了したタイミングで、音光側MPU92に対して、音声データの再生が終了したことを示す信号を送信する際に、当該再生を終了した音声データが当該BGM用楽曲を構成する音声データ群における最後の音声データであることを示す情報を当該信号に含める構成とし、音光側MPU92は、当該信号を解析することによって、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する構成としてもよい。また、他の例として、各BGM用楽曲を構成する音声データ群のデータ構成に関する情報が音光側ROM93に記憶されており、音光側MPU92は、当該データ構成に関する情報に基づいて、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定することが可能な構成としてもよい。また、他の例として、各BGM用楽曲を構成する音声データ群のデータ構成に関する情報が音声データ用ROM98に記憶されており、音光側MPU92は、音声データ用ROM98にアクセスすることが可能な構成であるとともに、当該音声データ用ROM98に記憶されている当該データ構成に関する情報に基づいて、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定することが可能な構成としてもよい。
ステップS63502において、再生が終了した音声データの次の音声データが存在すると判定した場合には(S63502:YES)、ステップS63503に進み、音声チャンネル1において、当該次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、本BGM連続再生処理を終了する。一方、ステップS63502において、再生が終了した音声データの次の音声データが存在しないと判定した場合には(S63502:NO)、ステップS63504に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1主要部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。したがって、本実施形態では、BGM用楽曲は、前奏部の再生が終了した後は主要部がリピート再生されることになる。ステップS63504を実行した後、本BGM連続再生処理を終了する。
<BGM消音用処理>
次に、BGM消音用処理について説明する。BGM消音用処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図278は、BGM消音用処理を示すフローチャートである。ステップS63601では、BGM消音開始フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音開始フラグは、後述するように、リーチ演出が開始されるタイミング及び開閉実行モードではない期間において図柄の変動(遊技回)が実行されずに2分が経過したタイミングでONにされ、音声チャンネル1が消音に設定されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音開始フラグは、音声チャンネル1を消音設定にさせるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS63601において、BGM消音開始フラグがONであると判定した場合には(S63601:YES)、ステップS63602に進み、音声チャンネル1を消音に設定する。その後、ステップS63603に進み、BGM消音開始フラグをOFFにする。その後、ステップS63604に進む。一方、ステップS63601において、BGM消音開始フラグがONではないと判定した場合には(S63601:NO)、ステップS63602及びステップS63603の処理を実行せずに、ステップS63604に進む。
ステップS63604では、BGM消音終了フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音終了フラグは、後述するように、リーチ演出が終了するタイミング及び後述するデモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされ、音声チャンネル1の消音設定が解除されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音終了フラグは、音声チャンネル1の消音設定を解除させるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS63604において、BGM消音終了フラグがONではないと判定した場合には(S63604:NO)、そのまま本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS63604において、BGM消音終了フラグがONであると判定した場合には(S63604:YES)、ステップS63605に進み、頭出しフラグがONであるか否かを判定する。頭出しフラグは、後述するように、デモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされるフラグであり、音声チャンネル1の消音設定の解除とともにBGM用楽曲を先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始するか否かを判定するためのフラグである。
ステップS63605において、頭出しフラグがONではないと判定した場合には(S63605:NO)、ステップS63606に進み、音声チャンネル1において再生中の音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、再生対象としてBGM用楽曲M1が設定されている場合において、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データを再生中である場合には、BGM用楽曲M1には第2前奏部音声データの次の音声データとして第1主要部音声データが存在するので、再生中の音声データの次の音声データが存在すると判定する。一方、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データを再生中である場合には、BGM用楽曲M1には第4主要部音声データの次の音声データが存在しないので、再生中の音声データの次の音声データが存在しないと判定する。
ステップS63606において、再生中の音声データの次の音声データが存在すると判定した場合には(S63606:YES)、ステップS63607に進み、音声チャンネル1において、当該次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、ステップS63608に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。すなわち、リーチ演出が終了し、音声チャンネル1の消音設定が解除されるタイミングで、BGM用楽曲を構成する音声データの先頭から再生が開始される。その後、ステップS63609に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
一方、ステップS63606において、再生中の音声データの次の音声データが存在しないと判定した場合には(S63606:NO)、ステップS63610に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1主要部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、上述したステップS63608に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。すなわち、リーチ演出が終了し、音声チャンネル1の消音設定が解除されるタイミングで、再生中の音声データの次の音声データが存在しないので、再生対象として設定されているBGM用楽曲の再生が繰り返されるが、当該BGM用楽曲の前奏部を構成する音声データは再生されず、BGM用楽曲の主要部を構成する第1主要部音声データの先頭から再生が開始される。その後、ステップS63609に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
ステップS63605において、頭出しフラグがONであると判定した場合には(S63605:YES)、ステップS63611に進み、頭出しフラグをOFFにする。その後、ステップS63612に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。すなわち、本実施形態では、デモ動画から復帰して音声チャンネル1の消音設定が解除される場合には、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データから再生が開始されることになる。その後、上述したステップS63608に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS63609に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
<遊技回演出用処理>
次に、遊技回演出用処理について説明する。遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図273:S63103)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図279は、遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップS63701では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理は、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合に実行される処理であり、遊技回が開始される際に、当該遊技回において実行する演出を設定する処理である。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップS63701を実行した後、ステップS63702に進む。
ステップS63702では、遊技回演出実行用処理を実行する。遊技回演出実行用処理は、上記の遊技回演出設定処理において遊技回演出(予告演出及びリーチ演出)を実行するように設定された場合に実行される処理である。遊技回演出実行用処理の詳細については後述する。ステップS63702を実行した後、本遊技回演出用処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図279:S63701)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図280は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS63801では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS63801において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S63801:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップS63801において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S63801:YES)、ステップS63802に進む。
ステップS63802では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS63803に進む。
ステップS63803では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の遊技回において実行する演出のパターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップS63803を実行した後、ステップS63804に進む。
ステップS63804では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、図柄表示装置41の有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS63804を実行した後、ステップS63805に進む。
ステップS63805では、今回の遊技回の変動表示パターンを設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS63804において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。なお、変動表示パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップS63806に進む。
ステップS63806では、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止図柄、変動表示パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップS63807に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS63807を実行した後、ステップS63808に進み、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1または第2保留表示領域Ds2における保留表示を更新するための処理である。ステップS63808を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図280:S63803)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図281は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップS63901では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップS63902に進む。
ステップS63902では、今回の遊技回における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS63902において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(S63902:YES)、ステップS63903に進み、大当たり用演出パターンテーブルを参照し、今回の遊技回における変動時間と演出パターン用乱数とに対応した演出パターンを選択する。その後、ステップS63907に進み、選択した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。
ステップS63902において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(S63902:NO)、ステップS63904に進み、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップS63904において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(S63904:YES)、ステップS63905に進み、リーチ用演出パターンテーブルを参照し、今回の遊技回における変動時間と演出パターン用乱数とに対応した演出パターンを選択する。その後、ステップS63907に進み、選択した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。
ステップS63904において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(S63904:NO)、ステップS63906に進み、外れ用演出パターンテーブルを参照し、今回の遊技回における変動時間と演出パターン用乱数とに対応した演出パターンを選択する。その後、ステップS63907に進み、選択した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップS63907を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
<遊技回演出実行用処理>
次に、遊技回演出実行用処理について説明する。遊技回演出実行用処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図279:S63702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図282は、遊技回演出実行用処理を示すフローチャートである。ステップS64001では、上述した演出パターン設定処理(図281)において設定された演出パターンが存在するか否かを判定する。ステップS64001において、設定された演出パターンが存在しないと判定した場合には(S64001:NO)、そのまま本遊技回演出実行用処理を終了する。一方、ステップS64001において、設定された演出パターンが存在すると判定した場合には(S64001:YES)、ステップS64002に進む。
ステップS64002では、設定された演出パターンを参照し、その後、ステップS64003に進み、遊技回演出(予告演出、リーチ演出)の開始タイミングであるか否かを判定する。上述したように、演出パターンには、当該遊技回において実行する演出の内容やタイミングが記憶されている。
ステップS64003において、遊技回演出(予告演出、リーチ演出)の開始タイミングではないと判定した場合には(S64003:NO)、後述するステップS64012に進む。一方、ステップS64003において、遊技回演出(予告演出、リーチ演出)の開始タイミングであると判定した場合には(S64003:YES)、ステップS64004に進み、予告演出の開始タイミングであるか否かを判定する。
ステップS64004において、予告演出の開始タイミングであると判定した場合には(S64004:YES)、ステップS64005に進み、演出パターンに設定された予告演出の内容に対応した動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。その後、ステップS64006に進み、演出パターンに設定された予告演出の内容に対応した各種ランプ47の発光制御処理を開始する。その後、ステップS64007に進み、音声チャンネル2において、演出パターンに設定された予告演出の内容に対応した音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、本遊技回演出実行用処理を終了する。
一方、ステップS64004において、予告演出の開始タイミングではないと判定した場合(S64004:YES)、すなわち、リーチ演出の開始タイミングであると判定した場合には、ステップS64008に進み、BGM消音開始フラグをONにする。このように、本実施形態では、予告演出の実行中は音声チャンネル1を消音には設定せず、一方、リーチ演出の実行中は音声チャンネル1を消音に設定する。ステップS64008を実行した後、ステップS64009に進み、演出パターンに設定されたリーチ演出の内容に対応した動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。その後、ステップS64010に進み、演出パターンに設定されたリーチ演出の内容に対応した各種ランプ47の発光制御処理を開始する。その後、ステップS64011に進み、音声チャンネル2において、演出パターンに設定されたリーチ演出の内容に対応した音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、本遊技回演出実行用処理を終了する。
上述したように、ステップS64003において、遊技回演出(予告演出、リーチ演出)の開始タイミングではないと判定した場合には(S64003:NO)、ステップS64012に進む。ステップS64012では、リーチ演出の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS64012において、リーチ演出の終了タイミングであると判定した場合には(S64012:YES)、ステップS64013に進み、BGM消音終了フラグをONにする。これにより、リーチ演出の終了タイミングにおいて音声チャンネル1の消音設定が解除されることになる。ステップS64013を実行した後、本遊技回演出実行用処理を終了する。一方、ステップS64012において、リーチ演出の終了タイミングではないと判定した場合には(S64012:NO)、ステップS64013の処理を実行せずに、本遊技回演出実行用処理を終了する。
<開閉実行モード演出用処理>
次に、開閉実行モード演出用処理について説明する。開閉実行モード演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図273:S63104)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図283は、開閉実行モード演出用処理を示すフローチャートである。ステップS64101では、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS64101において、オープニングコマンドを受信したと判定した場合には(S64101:YES)、ステップS64102に進み、音声チャンネル1において再生中の音声データの再生を停止する。その後、ステップS64103に進み、オープニング演出に対応した動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画表示開始コマンドを受信すると、オープニング演出に対応した動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS64103を実行した後、ステップS64104に進み、オープニング演出の内容に対応した各種ランプ47の発光制御処理を開始する。その後、ステップS64105に進み、音声チャンネル2において、オープニング演出の内容に対応した音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、ステップS64106に進む。一方、ステップS64101において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S64101:NO)、上述したステップS64102からステップS64105の処理を実行せずに、ステップS64106に進む。
ステップS64106では、開放開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS64106において、開放開始コマンドを受信したと判定した場合には(S64106:YES)、ステップS64107に進み、ラウンド演出に対応した動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画表示開始コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS64107を実行した後、ステップS64108に進み、ラウンド演出の内容に対応した各種ランプ47の発光制御処理を開始する。その後、ステップS64109に進み、音声チャンネル2において、ラウンド演出の内容に対応した音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、ステップS64110に進む。一方、ステップS64106において、開放開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S64106:NO)、上述したステップS64107からステップS64109の処理を実行せずに、ステップS64110に進む。
ステップS64110では、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS64110において、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S64110:YES)、ステップS64111に進み、エンディング演出に対応した動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画表示開始コマンドを受信すると、エンディング演出に対応した動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS64111を実行した後、ステップS64112に進み、エンディング演出の内容に対応した各種ランプ47の発光制御処理を開始する。その後、ステップS64113に進み、音声チャンネル2において、エンディング演出の内容に対応した音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、本開閉実行モード演出用処理を終了する。一方、ステップS64110において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S64110:NO)、上述したステップS64111からステップS64113の処理を実行せずに、本開閉実行モード演出用処理を終了する。
<客待ち用処理>
次に、客待ち用処理について説明する。客待ち用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図273:S63105)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図284は、客待ち用処理を示すフローチャートである。ステップS64201では、客待ちコマンドを受信したか否かを判定する。客待ちコマンドは、上述したように、図柄の変動(遊技回)が終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていない場合、及び、開閉実行モードが終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていない場合に主制御装置60から送信されるコマンドである。ステップS64201において、客待ちコマンドを受信したと判定した場合には(S64201:YES)、ステップS64202に進み、客待ち中フラグをONにする。客待ち中フラグは、開閉実行モードではない状態において図柄の変動(遊技回)が実行されていない期間が2分間継続するか否かを判定するためのフラグであり、上述した客待ちコマンドを受信した際にONにされ、後述するように変動用コマンド及び種別コマンドを受信した際にOFFにされる。ステップS64202を実行した後、ステップS64203に進む。一方、ステップS64201において、客待ちコマンドを受信していないと判定した場合には(S64201:NO)、ステップS64202の処理を実行せずに、ステップS64203に進む。
ステップS64203では、客待ち中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS64203において、客待ち中フラグがONであると判定した場合には(S64203:YES)、ステップS64204に進み、客待ち中フラグがONになってから2分が経過したか否かを判定する。ステップS64204において、客待ち中フラグがONになってから2分が経過したと判定した場合には(S64204:YES)、ステップS64205に進む。
ステップS64205では、客待ち中フラグをOFFにする。その後、ステップS64206に進み、BGM消音開始フラグをONにする。その後、ステップS64207に進み、デモ動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、デモ動画表示開始コマンドを受信すると、デモ動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。その後、ステップS64208に進み、デモ動画表示中フラグをONにする。デモ動画表示中フラグは、デモ動画が表示されている状態であるか否かを判定するためのフラグである。このように、本実施形態のパチンコ機10は、開閉実行モードではない状態において図柄の変動(遊技回)が実行されていない期間が2分間継続した場合には、音声チャンネル1を消音に設定し、デモ動画の表示を開始する。ステップS64208を実行した後、ステップS64209に進む。
一方、ステップS64203において、客待ち中フラグがONではないと判定した場合(S64203:NO)、及び、ステップS64204において、客待ち中フラグがONになってから2分が経過していないと判定した場合には(S64204:NO)、上述したステップS64205からステップS64208の処理を実行せずに、ステップS64209に進む。
ステップS64209では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS64209において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S64209:NO)、そのまま本客待ち用処理を終了する。一方、ステップS64209において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合には(S64209:YES)、ステップS64210に進み、客待ち中フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS64210において、客待ち中フラグがONであると判定した場合には(S64210:YES)、ステップS64211に進み、客待ち中フラグをOFFにする。その後、ステップS64212に進む。一方、ステップS64210において、客待ち中フラグがONではないと判定した場合には(S64210:NO)、ステップS64211の処理を実行せずに、ステップS64212に進む。
ステップS64212では、デモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS64212において、デモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S64212:YES)、ステップS64213に進み、デモ動画表示終了コマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、デモ動画表示終了コマンドを受信すると、デモ動画の表示を図柄表示装置41に終了させる。その後、ステップS64214に進み、デモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS64215に進み、BGM消音終了フラグをONにする。その後、ステップS64216に進み、頭出しフラグをONにし、本客待ち用処理を終了する。すなわち、本実施形態のパチンコ機10は、デモ動画を表示中に図柄の変動(遊技回)が開始された場合には、デモ動画の表示を終了するとともに、BGM消音終了フラグをONにして音声チャンネル1の消音設定を解除する。そして、頭出しフラグをONにすることによって、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始する。
一方、ステップS64212において、デモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S64212:NO)、上述したステップS64213からステップS64216の処理を実行せずに、本客待ち用処理を終了する。
以上説明した図284の客待ち用処理を実行することにより、本実施形態のパチンコ機10は、開閉実行モードではない状態において図柄の変動(遊技回)が実行されていない期間が2分間継続した場合に、BGM消音開始フラグをONにすることによって音声チャンネル1を消音に設定するとともに、デモ動画の表示を開始する。そして、デモ動画の表示中に図柄の変動(遊技回)が開始された場合には、デモ動画の表示を終了するとともに、BGM消音終了フラグをONにして音声チャンネル1の消音設定を解除する。そして、頭出しフラグをONにすることによって、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始する。
ただし、客待ち用処理の処理態様は、図284に示した態様に限らず、変形例として、他の態様を採用することもできる。
例えば、変形例として、パチンコ機10は、開閉実行モードではない状態において図柄の変動(遊技回)が実行されていない期間が1分間継続した場合に、BGM消音開始フラグをONにすることによって音声チャンネル1を消音に設定する。ただし、デモ動画の表示は開始しない。そして、図柄の変動(遊技回)が開始されない状態のまま音声チャンネル1を消音に設定してから1分が経過した場合に、デモ動画の表示を開始する構成としてもよい。すなわち、開閉実行モードではない状態において図柄の変動(遊技回)が実行されていない期間が1分間継続した後は、デモ動画の表示は開始されていないが音声チャンネル1が消音に設定されている状態が1分間継続することとなる。そして、この構成において、音声チャンネル1が消音に設定されてからデモ動画の表示が開始されるまでの期間中に図柄の変動(遊技回)が開始された場合には、頭出しフラグはONにせず、リーチ演出が終了した際と同様に、音声チャンネル1において再生中の音声データの属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する。この理由は、図柄の変動が1分間以上開始されていないが、同一の遊技者が当該パチンコ機で遊技を継続して行なっている可能性が高いためである。一方、デモ動画の表示中に図柄の変動(遊技回)が開始された場合には、デモ動画の表示を終了するとともに、頭出しフラグをONにすることによって、音声チャンネル1において再生対象として設定されているBGM用楽曲の先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する構成としてもよい。この理由は、図柄の変動が2分間以上開始されておらず、新たな別の遊技者が当該パチンコ機で遊技を開始している可能性が高いためである。
このように、上述した変形例では、音声チャンネル1が消音に設定されている期間の長さに応じて、消音設定が解除されたタイミングにおけるBGM用楽曲の再生開始位置を決定する構成となっている。すなわち、リーチ演出が終了した際と同様に、音声チャンネル1において再生中の音声データの属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始して音声チャンネル1の消音設定を解除するのか、あるいは、音声チャンネル1において再生対象として設定されているBGM用楽曲の先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始して音声チャンネル1の消音設定を解除するのかを、音声チャンネル1が消音に設定されている期間の長さに応じて決定する構成となっている。
また、他の変形例として、パチンコ機10は、開閉実行モードではない状態において図柄の変動(遊技回)が実行されていない期間が1分間継続した場合に、音声チャンネル1の音量を5秒間かけてフェードアウトさせる処理を実行する。5秒間のフェードアウド期間の経過後、BGM消音開始フラグをONにすることによって音声チャンネル1を消音に設定する。ただし、デモ動画の表示は開始しない。そして、図柄の変動(遊技回)が開始されない状態のまま音声チャンネル1を消音に設定してから1分が経過した場合に、デモ動画の表示を開始する構成としてもよい。そして、この構成において、5秒間のフェードアウト期間中に図柄の変動(遊技回)が開始された場合には、音声チャンネル1の音量をフェードアウト処理の開始前の音量に復帰させる。また、音声チャンネル1が消音に設定されてから30秒が経過するまでの期間中に図柄の変動(遊技回)が開始された場合には、頭出しフラグはONにせず、リーチ演出が終了した際と同様に、音声チャンネル1において再生中の音声データの属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する。一方、音声チャンネル1が消音に設定されてから30秒が経過した後(デモ動画の表示中の期間を含む)に図柄の変動(遊技回)が開始された場合には、デモ動画の表示中であれば当該デモ動画の表示を終了するとともに、頭出しフラグをONにすることによって、音声チャンネル1において再生対象として設定されているBGM用楽曲の先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する構成としてもよい。すなわち、BGM用楽曲の先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始する頭出し処理は、音声チャンネル1が消音に設定されている期間のうち、デモ動画の表示が開始されるよりも前のタイミングで図柄の変動(遊技回)が開始された場合においても実行する構成としてもよい。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図285は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS64301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS64302に進む。
ステップS64302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図286は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS64401では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図287は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS64501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図286)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、予告演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該予告演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、リーチ演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該リーチ演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、オープニング演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該オープニング演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、ラウンド演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該ラウンド演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、エンディング演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該エンディング演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、デモ動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該デモ動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
なお、コマンド対応処理(S64501)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS64502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S64501)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS64503に進む。
ステップS64503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S64502)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS64504に進む。
ステップS64504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S64503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS64505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
本実施形態では、再生対象として設定されたBGM用楽曲の全体の時間的な先頭の位置(図257ではBGM用楽曲M1の第1前奏部音声データの時間的な先頭の位置)から時間的な最後の位置(BGM用楽曲M1の第4主要部音声データの時間的な最後の位置)まで再生した後は、当該BGM用楽曲の前奏部の時間的な先頭の位置ではなく、当該BGM用楽曲のメインメロディに相当する主要部の時間的な先頭の位置(図257ではBGM用楽曲M1の第1主要部音声データの時間的な先頭の位置)から再生を開始するので、当該BGM用楽曲の主要部を聴いて盛り上がっていた遊技者の気分が、再び前奏部が再生されることによって低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、BGM用楽曲を予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲を構成する各音声データに記録された音声(当該BGM用楽曲の一部分)の時間的な先頭の位置)から再生を開始することが可能である。そして、1つのBGM用楽曲を構成する各音声データに記録された音声(当該BGM用楽曲の一部分)の時間的な先頭の位置は、当該BGM用楽曲の小節の切れ目と一致している。したがって、当該BGM用楽曲の小節の切れ目から再生を開始することができるので、遊技者に違和感を与えることなく、当該BGM用楽曲の全体の時間的な先頭の位置とは異なる時間的な位置から当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
さらに、本実施形態では、BGM用楽曲にはボーカルの声が含まれているが、1つのBGM用楽曲を構成する各音声データに記録された音声(当該BGM用楽曲の一部分)の時間的な先頭の位置は、当該BGM用楽曲の再生時間のうちボーカルの声が含まれていない期間の中の時間的な位置に設定されているので、1つのBGM用楽曲を構成する各音声データを時間的な先頭の位置から再生を開始しても、ボーカルの声が途中から再生されてしまうことがない。したがって、ボーカルの声が途中から再生されてしまうといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該ボーカルの声を含んだBGM用楽曲を、BGM用楽曲の全体の先頭の位置以外の時間的位置から再生を開始することが可能となる。
さらに、本実施形態では、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点においてBGM用楽曲を再生していた場合には、消音状態の開始後も当該BGM用楽曲の再生を継続する。そして、消音状態の終了を契機として、当該BGM用楽曲の予め定められた複数の時間的な位置(図257ではBGM用楽曲M1を構成する各音声データに記録された音声(当該BGM用楽曲の一部分)の時間的な先頭の位置)のうち、消音状態が終了する時点において再生しているBGM用楽曲の時間的な再生位置(図257ではBGM用楽曲M1の第2主要部音声データに記録された音声の時間的な途中の位置)の直後に位置する予め定められた時間的な位置(図257ではBGM用楽曲M1の第3主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)から当該BGM用楽曲の再生を開始する。
したがって、本実施形態によれば、音声チャンネル1の消音状態中においてもBGM用楽曲が継続して再生されており、消音状態の終了後もそのまま当該BGM用楽曲の再生が継続していることを期待している遊技者による消音状態の終了後における当該BGM用楽曲の時間的な位置の想像と、消音状態の終了を契機として実際に再生が開始された当該BGM用楽曲の時間的な位置とのずれを抑制しつつ、当該BGM用楽曲を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。そして、上述したように、本実施形態では、BGM用楽曲の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置からBGM用楽曲の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されているので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
さらに、本実施形態では、音声チャンネル2におけるリーチ演出に対応した音声の再生中は、音声チャンネル1において再生されているBGM用楽曲がスピーカー46から出力されない消音状態となるので、リーチ演出に対応した音声をより一層際立たせることができ、遊技者の注意をリーチ演出に対応した音声に集中させることができる。
さらに、本実施形態では、デモ動画が表示されている状態から復帰して音声チャンネル1の消音設定が解除される場合には、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データから再生が開始される。この理由について説明する。パチンコ機10においてデモ動画が表示されている状態は、当該パチンコ機10の前に遊技者がいない状態である場合が多い。そして、遊技者が新たに当該パチンコ機10の前に座り、遊技を開始して第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球して図柄の変動(遊技回)が開始されると、デモ動画の表示が終了し、音声チャンネル1の消音設定が解除され、BGM用楽曲の前奏部の先頭から再生が開始されることになる。すなわち、当該パチンコ機10の前に座って新たに遊技を始めた遊技者が、BGM用楽曲の前奏部の先頭から漏れなく当該BGM用楽曲を聴くことが可能となり、これから始まる遊技に対する遊技者の期待感をより一層高めることができる。
F7.第6実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
F7−1.変形例1:
図288は、第6実施形態の変形例1のパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイミングチャートである。上述した第6実施形態との主な違いは、音声チャンネル1を消音設定から解除する際に再生を開始する音声データの設定方法が異なっている点である。図288には、音声チャンネル1において再生される音声データの内容と、音声チャンネル1における消音設定の状態と、音声チャンネル2において再生される音声データの内容とが示されている。
本変形例のパチンコ機10の音声発光制御装置90は、複数のBGM用楽曲の中から一のBGM用楽曲を音声チャンネル1における再生対象として設定し、設定したBGM用楽曲を構成する音声データを、音声データ用ROM98のBGM用楽曲データ記憶エリア98bから順次読み出して再生する。また、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2において、実行する演出の内容に対応した音声データを音声データ用ROM98の演出用音声データ記憶エリア98aから読み出して再生する。すなわち、本変形例でも、上記の第6実施形態と同様に、音声チャンネル1はBGM用として利用され、音声チャンネル2は演出用として利用されている。この図288に示した例では、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1の再生対象としてBGM用楽曲M1を設定しており、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する音声データを順次読み出して再生している。
図288に示すように、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第1前奏部音声データを再生中に、予告演出Y1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該予告演出Y1に対応する音声データの再生を開始する。ただし、この場合、後述するリーチ演出R1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定しない。したがって、スピーカー46からは当該予告演出Y1に対応する音声とBGM用楽曲M1の両方の音声が合成されてスピーカー46から出力される。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第2前奏部音声データを再生中に、リーチ演出R1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生を開始する。この場合は、上記の予告演出Y1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定する。したがって、当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生中はBGM用楽曲M1がスピーカー46から出力されない。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において第2前奏部音声データの再生が終了すると、次の音声データである第1主要部音声データの再生を開始するとともに、当該再生を開始した第1主要部音声データを復帰用の音声データとして設定する。すなわち、本変形例の音声発光制御装置90は、音声チャンネル1が消音設定となった後に最初に音声データの再生が終了し、当該再生が終了した音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始した場合には、当該再生を開始した音声データを復帰用の音声データとして設定する。その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生が終了したことを契機として、復帰用に設定された音声データである第1主要部音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する。
ただし、音声チャンネル1の消音設定が解除されるタイミング(音声チャンネル2におけるリーチ演出に対応した音声データの再生が終了したタイミング)において復帰用の音声データが設定されていない場合、すなわち、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において新たな音声データの再生が開始されず、復帰用の音声データが設定されなかった場合には、上記の第6実施形態と同様に、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において再生中の音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始するように構成されている。さらに、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において再生中の音声データの次の音声データが存在しない場合(BGM用楽曲M1の第4主要部音声データを再生中であった場合)には、当該BGM用楽曲の主要部を構成する最初の音声データ(BGM用楽曲M1の第1主要部音声データ)から再生を開始するように構成されている。ただし、変形例として、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において再生中の音声データの次の音声データが存在しない場合(BGM用楽曲M1の第4主要部音声データを再生中であった場合)には、当該BGM用楽曲の先頭の音声データ(BGM用楽曲M1の第1前奏部音声データ)から再生を開始するように構成されていてもよい。
このように、本変形例では、予告演出に対応した音声データの再生中はBGM用楽曲もスピーカー46から出力されるが、リーチ演出に対応した音声データの再生中はBGM用楽曲がスピーカー46から出力されないので、リーチ演出に対応した音声を際立たせることができ、遊技者をリーチ演出により一層注目させることができる。さらに、本変形例によれば、リーチ演出が終了し、音声チャンネル1の消音設定が解除された際には、BGM用楽曲を構成する音声データの先頭から再生が開始される。上述したように、本変形例では、BGM用楽曲M1を構成するどの音声データから再生を開始しても、遊技者が違和感を感じにくいように構成されている。したがって、リーチ演出が終了した際に遊技者に与える違和感を低減しつつBGM用楽曲を復帰させることができる。
さらに、本変形例では、上述した第6実施形態と比較して、音声チャンネル1が消音に設定されている期間中に再生されて遊技者が聴くことのできなかったBGM用楽曲の音声データの数を少なくすることができる。具体的には、例えば、上述した第6実施形態の図257に示した例では、遊技者は音声チャンネル1が消音に設定されている期間中に再生されたBGM用楽曲M1の第1主要部音声データ及び第2主要部音声データに記録された音声を聴くことができないが、本変形例の図288に示した例では、遊技者は音声チャンネル1が消音に設定されている期間中に再生されたBGM用楽曲M1の第1主要部音声データ及び第2主要部音声データに記録された音声を消音設定の解除後に聴くことが可能となる。したがって、リーチ演出の実行による音声チャンネル1の消音によってBGM用楽曲の一部を聴くことができなかったといった遊技者の不満の発生を抑制することができる。
<変形例1の音声発光制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例1の音声発光制御装置90のMPU92において実行される処理について説明する。以下では、第6実施形態と異なる処理について説明し、第6実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<BGM連続再生処理>
変形例1におけるBGM連続再生処理について説明する。BGM連続再生処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図289は、変形例1におけるBGM連続再生処理を示すフローチャートである。ステップS64601では、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したか否かを判定する。ステップS64601において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したと判定した場合には(S64601:YES)、ステップS64602に進む。一方、ステップS64601において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了していないと判定した場合には(S64601:NO)、そのまま本BGM連続再生処理を終了する。
ステップS64602では、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、再生対象としてBGM用楽曲M1が設定されている場合において、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第2前奏部音声データの次の音声データとして第1主要部音声データが存在するので、次の音声データが存在すると判定する。一方、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第4主要部音声データの次の音声データが存在しないので、次の音声データが存在しないと判定する。
ステップS64602において、次の音声データが存在すると判定した場合には(S64602:YES)、ステップS64603に進み、音声チャンネル1において、当該次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、後述するステップS64605に進む。一方、ステップS64602において、次の音声データが存在しないと判定した場合には(S64602:NO)、ステップS64604に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1主要部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。したがって、本変形例では、BGM用楽曲は、前奏部の再生が終了した後は主要部がリピート再生されることになる。ステップS64604を実行した後、ステップS64605に進む。
ステップS64605では、復帰設定用フラグがONであるか否かを判定する。復帰設定用フラグは、後述するように、音声チャンネル1の消音設定を開始する際にONになり(図290のステップS64704参照)、音声チャンネル1の消音設定の解除とともに再生を開始する音声データ(復帰用の音声データ)が設定された際にOFFになるフラグである。すなわち、復帰設定用フラグがONであるということは、音声チャンネル1が消音に設定されており、復帰用の音声データを設定すべき状態であることを意味する。また、復帰設定用フラグがONではないということは、音声チャンネル1が消音に設定されていないこと、又は、既に復帰用の音声データが設定されていることを意味する。すなわち、復帰設定用フラグがONではないということは、復帰用の音声データを設定すべき状態ではないこと意味する。
ステップS64605において、復帰設定用フラグがONではないと判定した場合には(S64605:NO)、復帰用の音声データを設定すべき状態ではないため、そのまま本BGM連続再生処理を終了する。一方、ステップS64605において、復帰設定用フラグがONであると判定した場合には(S64605:YES)、復帰用の音声データを設定すべき状態であるため、ステップS64606に進み、ステップS64603又はステップS64604において再生を開始した音声データを、復帰用の音声データとして設定する。その後、ステップS64607に進み、復帰設定用フラグをOFFにし、本BGM連続再生処理を終了する。
<BGM消音用処理>
次に、変形例1におけるBGM消音用処理について説明する。BGM消音用処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図290は、変形例1におけるBGM消音用処理を示すフローチャートである。ステップS64701では、BGM消音開始フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音開始フラグは、上述したように、リーチ演出が開始されるタイミング及び開閉実行モードではない期間において図柄の変動(遊技回)が実行されずに2分が経過したタイミングでONにされ、音声チャンネル1が消音に設定されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音開始フラグは、音声チャンネル1を消音設定にさせるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS64701において、BGM消音開始フラグがONであると判定した場合には(S64701:YES)、ステップS64702に進み、音声チャンネル1を消音に設定する。その後、ステップS64703に進み、BGM消音開始フラグをOFFにする。その後、ステップS64704に進み、上述した復帰設定用フラグをONにする。その後、ステップS64705に進む。一方、ステップS64701において、BGM消音開始フラグがONではないと判定した場合には(S64701:NO)、ステップS64702からステップS64704の処理を実行せずに、ステップS64705に進む。
ステップS64705では、BGM消音終了フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音終了フラグは、上述したように、リーチ演出が終了するタイミング及びデモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされ、音声チャンネル1の消音設定が解除されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音終了フラグは、音声チャンネル1の消音設定を解除させるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS64705において、BGM消音終了フラグがONではないと判定した場合には(S64705:NO)、そのまま本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS64705において、BGM消音終了フラグがONであると判定した場合には(S64705:YES)、ステップS64706に進み、頭出しフラグがONであるか否かを判定する。頭出しフラグは、上述したように、デモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされるフラグであり、音声チャンネル1の消音設定の解除とともにBGM用楽曲を先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始するか否かを判定するためのフラグである。
ステップS64706において、頭出しフラグがONではないと判定した場合には(S64706:NO)、ステップS64707に進み、復帰設定用フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS64707において、復帰設定用フラグがONではないと判定した場合(S64707:NO)、すなわち、復帰用の音声データが既に設定されている場合には、ステップS64708に進み、音声チャンネル1において、復帰用に設定された音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、ステップS64709に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS64710に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
一方、ステップS64707において、復帰設定用フラグがONであると判定した場合(S64707:YES)、すなわち、音声チャンネル1の消音設定の開始時に再生されていた音声データが、消音設定の解除時までに終了しなかったので、BGM連続再生処理(図289)においてステップS64605〜ステップS64607の処理が実行されず、復帰用の音声データが設定されていない場合には、ステップS64711に進み、復帰設定用フラグをOFFにする。その後、ステップS64712に進み、音声チャンネル1において再生中の音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、再生対象としてBGM用楽曲M1が設定されている場合において、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データを再生中である場合には、BGM用楽曲M1には第2前奏部音声データの次の音声データとして第1主要部音声データが存在するので、再生中の音声データの次の音声データが存在すると判定する。一方、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データを再生中である場合には、BGM用楽曲M1には第4主要部音声データの次の音声データが存在しないので、再生中の音声データの次の音声データが存在しないと判定する。
ステップS64712において、再生中の音声データの次の音声データが存在すると判定した場合には(S64712:YES)、ステップS64713に進み、音声チャンネル1において、当該次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、上述したステップS64709に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS64710に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS64712において、再生中の音声データの次の音声データが存在しないと判定した場合には(S64712:NO)、ステップS64714に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1主要部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、上述したステップS64709に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS64710に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
ステップS64706において、頭出しフラグがONであると判定した場合には(S64706:YES)、ステップS64715に進み、頭出しフラグをOFFにする。その後、ステップS64716に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。すなわち、本変形例では、デモ動画から復帰して音声チャンネル1の消音設定が解除される場合には、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データから再生が開始されることになる。その後、上述したステップS64709に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS64710に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
以上説明したように、本変形例によれば、上述した第6実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本変形例では、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点においてBGM用楽曲を再生していた場合には、消音状態の開始後も当該BGM用楽曲の再生を継続する。そして、消音状態中に最初に再生した当該BGM用楽曲の予め定められた時間的な位置(図288ではBGM用楽曲M1の第1主要部音声データに記録された音声(当該BGM用楽曲の一部分)の時間的な先頭の位置)を記憶し、消音状態の終了を契機として、当該記憶した時間的な位置から当該BGM用楽曲の再生を開始する。
したがって、本変形例によれば、消音状態の終了を契機として再生を開始するBGM用楽曲の時間的な位置は、消音状態中に最初に再生された当該BGM用楽曲の予め定められた時間的位置となるので、消音状態の開始から消音状態の終了までの期間に出力手段から出力されずに遊技者が聴くことのできないBGM用楽曲の時間的長さが長くなってしまうことを抑止することができる。この結果、消音状態中にBGM用楽曲の聴きたい部分が終了して聞くことができなかったといった遊技者の不満の発生を抑制しつつ、当該BGM用楽曲を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。そして、本変形例においても、BGM用楽曲の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置からBGM用楽曲の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されているので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
なお、本変形例では、図288に示したように、復帰用の音声データとしてBGM用楽曲M1の第1主要部音声データを設定した後も、BGM用楽曲M1の第1主要部音声データの再生を継続し、その後、BGM用楽曲M1の第2主要部音声データの再生を開始する構成としたが、復帰用の音声データを設定した後は、消音設定が解除されて復帰用の音声データの再生を開始するまでは、音声チャンネル1における音声データの再生を停止する構成としてもよい。このようにすれば、音出力LSI97の処理負荷を低減することができる。
F7−2.変形例2:
図291は、第6実施形態の変形例2のパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイミングチャートである。上述した第6実施形態との主な違いは、音声チャンネル1を消音設定から解除する際に再生を開始する音声データの設定方法が異なっている点である。図291には、音声チャンネル1において再生される音声データの内容と、音声チャンネル1における消音設定の状態と、音声チャンネル2において再生される音声データの内容とが示されている。
本変形例のパチンコ機10の音声発光制御装置90は、複数のBGM用楽曲の中から一のBGM用楽曲を音声チャンネル1における再生対象として設定し、設定したBGM用楽曲を構成する音声データを、音声データ用ROM98のBGM用楽曲データ記憶エリア98bから順次読み出して再生する。また、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2において、実行する演出の内容に対応した音声データを音声データ用ROM98の演出用音声データ記憶エリア98aから読み出して再生する。すなわち、本変形例では、上記第6実施形態と同様に、音声チャンネル1はBGM用として利用され、音声チャンネル2は演出用として利用されている。この図291に示した例では、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1の再生対象としてBGM用楽曲M1を設定しており、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する音声データを順次読み出して再生している。
図291に示すように、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第1前奏部音声データを再生中に、予告演出Y1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該予告演出Y1に対応する音声データの再生を開始する。ただし、この場合、後述するリーチ演出R1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定しない。したがって、スピーカー46からは当該予告演出Y1に対応する音声とBGM用楽曲M1の両方の音声が合成されてスピーカー46から出力される。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第2前奏部音声データを再生中に、リーチ演出R1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生を開始する。この場合は、上記の予告演出Y1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定する。したがって、当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生中はBGM用楽曲M1がスピーカー46から出力されない。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生が終了したことを契機として、音声チャンネル1において再生中の音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群の中から一の音声データをランダムで選択し、当該選択した音声データの再生を開始し、チャンネル1の消音設定を解除する。この図291には、音声チャンネル1において再生中の音声データが属するBGM用楽曲M1の音声データ群の中から第4主要部音声データを選択し、当該第4主要部音声データの再生を開始した例が示されている。
このように、本変形例では、予告演出に対応した音声データの再生中はBGM用楽曲もスピーカー46から出力されるが、リーチ演出に対応した音声データの再生中はBGM用楽曲がスピーカー46から出力されないので、リーチ演出に対応した音声を際立たせることができ、遊技者をリーチ演出により一層注目させることができる。さらに、本変形例によれば、リーチ演出が終了し、音声チャンネル1の消音設定が解除された際には、BGM用楽曲を構成する音声データの先頭から再生が開始される。上述したように、本変形例では、BGM用楽曲M1を構成するどの音声データから再生を開始しても、遊技者が違和感を感じにくいように構成されている。したがって、リーチ演出が終了した際に遊技者に与える違和感を低減しつつBGM用楽曲を復帰させることができる。
さらに、本変形例では、リーチ演出が終了して音声チャンネル1の消音設定が解除される際に再生を開始するBGM用楽曲の音声データをランダムで選択するので、音声チャンネル1の消音設定が解除された際に、1つのBGM用楽曲において曲の流れが大きく変化する場合がある。その場合には、遊技者の気分を一新し、遊技者がリーチ演出の終了後に新たな気分で遊技を開始することを可能にしつつ、音声データの先頭から再生を開始するので、リーチ演出が終了した際に遊技者に与える違和感を低減しつつBGM用楽曲を復帰させることができる。
<変形例2の音声発光制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例2の音声発光制御装置90のMPU92において実行される処理について説明する。以下では、第6実施形態と異なる処理について説明し、第6実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<BGM消音用処理>
変形例2におけるBGM消音用処理について説明する。BGM消音用処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図292は、変形例2におけるBGM消音用処理を示すフローチャートである。ステップS64801では、BGM消音開始フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音開始フラグは、上述したように、リーチ演出が開始されるタイミング及び開閉実行モードではない期間において図柄の変動(遊技回)が実行されずに2分が経過したタイミングでONにされ、音声チャンネル1が消音に設定されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音開始フラグは、音声チャンネル1を消音設定にさせるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS64801において、BGM消音開始フラグがONであると判定した場合には(S64801:YES)、ステップS64802に進み、音声チャンネル1を消音に設定する。その後、ステップS64803に進み、BGM消音開始フラグをOFFにする。その後、ステップS64804に進む。一方、ステップS64801において、BGM消音開始フラグがONではないと判定した場合には(S64801:NO)、ステップS64802及びステップS64803の処理を実行せずに、ステップS64804に進む。
ステップS64804では、BGM消音終了フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音終了フラグは、上述したように、リーチ演出が終了するタイミング及びデモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされ、音声チャンネル1の消音設定が解除されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音終了フラグは、音声チャンネル1の消音設定を解除させるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS64804において、BGM消音終了フラグがONではないと判定した場合には(S64804:NO)、そのまま本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS64804において、BGM消音終了フラグがONであると判定した場合には(S64804:YES)、ステップS64805に進み、頭出しフラグがONであるか否かを判定する。頭出しフラグは、上述したように、デモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされるフラグであり、音声チャンネル1の消音設定の解除とともにBGM用楽曲を先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始するか否かを判定するためのフラグである。
ステップS64805において、頭出しフラグがONではないと判定した場合には(S64805:NO)、ステップS64806に進み、BGM復帰用乱数カウンタからBGM復帰用乱数を取得する。その後、ステップS64807に進み、再生中のBGM用楽曲に対応したBGM復帰用テーブルを参照し、取得したBGM復帰用乱数に対応した音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。すなわち、再生対象として設定されているBGM用楽曲を構成する複数の音声データの中から一の音声データをランダムで選択し、音声チャンネル1において、当該選択した音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、ステップS64808に進む。
ステップS64808では、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS64809に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
ステップS64805において、頭出しフラグがONであると判定した場合には(S64805:YES)、ステップS64810に進み、頭出しフラグをOFFにする。その後、ステップS64811に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。すなわち、本変形例では、デモ動画から復帰して音声チャンネル1の消音設定が解除される場合には、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データから再生が開始されることになる。その後、上述したステップS64808に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS64809に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
以上説明したように、本変形例によれば、上述した第6実施形態及び変形例の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本変形例では、上述した第6実施形態と同様に、BGM用楽曲を予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲を構成する各音声データに記録された音声(当該BGM用楽曲の一部分)の時間的な先頭の位置)から再生を開始することが可能である。そして、本変形例では、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点においてBGM用楽曲を再生していた場合には、消音状態の終了を契機として、当該BGM用楽曲の予め定められた複数の時間的な位置の中から無作為に(ランダムに)選択された一の時間的な位置(図291ではランダムで設定されたBGM用楽曲M1の第4主要部音声データの時間的な先頭の位置)から当該BGM用楽曲の再生を開始する。
したがって、本変形例によれば、遊技者は、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点において再生されていたBGM用楽曲が、消音状態の終了時に、当該BGM用楽曲の予め定められたどの時間的位置から再生が開始されるのかを予測することができない。したがって、遊技者に意外性や驚きを与えることができ、遊技が単調になってしまうことを抑制しつつ、当該BGM用楽曲を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。そして、上述したように、本変形例においても、BGM用楽曲の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置からBGM用楽曲の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されているので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
なお、本変形例では、図291に示したように、音声チャンネル1が消音に設定された後も、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データの再生を継続し、その後、BGM用楽曲M1の第1主要部音声データ、BGM用楽曲M1の第2主要部音声データの再生を開始する構成としたが、音声チャンネル1が消音に設定された後は、消音設定が解除されてランダムで設定された音声データの再生を開始するまでは、音声チャンネル1における音声データの再生を停止する構成としてもよい。このようにすれば、音出力LSI97の処理負荷を低減することができる。
F7−3.変形例3:
図293は、第6実施形態の変形例3のパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイミングチャートである。上述した変形例1との主な違いは、音声チャンネル1を消音設定から解除する際に再生を開始する音声データの設定方法が異なっている点である。図293には、音声チャンネル1において再生される音声データの内容と、音声チャンネル1における消音設定の状態と、音声チャンネル2において再生される音声データの内容とが示されている。
本変形例のパチンコ機10の音声発光制御装置90は、複数のBGM用楽曲の中から一のBGM用楽曲を音声チャンネル1における再生対象として設定し、設定したBGM用楽曲を構成する音声データを、音声データ用ROM98のBGM用楽曲データ記憶エリア98bから順次読み出して再生する。また、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2において、実行する演出の内容に対応した音声データを音声データ用ROM98の演出用音声データ記憶エリア98aから読み出して再生する。すなわち、本変形例でも、上記の第6実施形態と同様に、音声チャンネル1はBGM用として利用され、音声チャンネル2は演出用として利用されている。この図293に示した例では、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1の再生対象としてBGM用楽曲M1を設定しており、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する音声データを順次読み出して再生している。
図293に示すように、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第1前奏部音声データを再生中に、予告演出Y1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該予告演出Y1に対応する音声データの再生を開始する。ただし、この場合、後述するリーチ演出R1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定しない。したがって、スピーカー46からは当該予告演出Y1に対応する音声とBGM用楽曲M1の両方の音声が合成されてスピーカー46から出力される。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第2前奏部音声データを再生中に、リーチ演出R1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生を開始する。この場合は、上記の予告演出Y1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定する。したがって、当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生中はBGM用楽曲M1がスピーカー46から出力されない。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において第2前奏部音声データの再生が終了すると、次の音声データである第1主要部音声データの再生を開始するとともに、当該再生を開始した第1主要部音声データを復帰用の音声データとして設定する。その後、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において第1主要部音声データの再生が終了すると、次の音声データである第2主要部音声データの再生を開始するとともに、当該再生を開始した第2主要部音声データを復帰用の音声データとして再設定する。すなわち、既に復帰用の音声データが設定されていた場合には、新たに再生を開始した音声データを復帰用の音声データとして上書きして再設定する。このように、本変形例の音声発光制御装置90は、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において音声データの再生が終了し、当該再生が終了した音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始する度に、当該再生を開始した音声データを復帰用の音声データとして設定する。その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生が終了したことを契機として、復帰用に設定された音声データである第2主要部音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する。
ただし、音声チャンネル1の消音設定が解除されるタイミング(音声チャンネル2におけるリーチ演出に対応した音声データの再生が終了したタイミング)において復帰用の音声データが設定されていない場合、すなわち、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において新たな音声データの再生が開始されず、復帰用の音声データが設定されなかった場合には、上記の第6実施形態と同様に、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において再生中の音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始するように構成されている。さらに、音声チャンネル1が消音設定となっている期間において再生中の音声データの次の音声データが存在しない場合(BGM用楽曲M1の第4主要部音声データを再生中であった場合)には、当該BGM用楽曲の主要部を構成する最初の音声データ(BGM用楽曲M1の第1主要部音声データ)から再生を開始するように構成されている。
<変形例3の音声発光制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例3の音声発光制御装置90のMPU92において実行される処理について説明する。以下では、第6実施形態と異なる処理について説明し、第6実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<BGM連続再生処理>
変形例3におけるBGM連続再生処理について説明する。BGM連続再生処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図294は、変形例3におけるBGM連続再生処理を示すフローチャートである。ステップS64901では、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したか否かを判定する。ステップS64901において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したと判定した場合には(S64901:YES)、ステップS64902に進む。一方、ステップS64901において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了していないと判定した場合には(S64901:NO)、そのまま本BGM連続再生処理を終了する。
ステップS64902では、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、再生対象としてBGM用楽曲M1が設定されている場合において、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第2前奏部音声データの次の音声データとして第1主要部音声データが存在するので、次の音声データが存在すると判定する。一方、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第4主要部音声データの次の音声データが存在しないので、次の音声データが存在しないと判定する。
ステップS64902において、次の音声データが存在すると判定した場合には(S64902:YES)、ステップS64903に進み、音声チャンネル1において、当該次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、後述するステップS64905に進む。一方、ステップS64902において、次の音声データが存在しないと判定した場合には(S64902:NO)、ステップS64904に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1主要部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。したがって、本変形例では、BGM用楽曲は、前奏部の再生が終了した後は主要部がリピート再生されることになる。ステップS64904を実行した後、ステップS64905に進む。
ステップS64905では、復帰設定用フラグがONであるか否かを判定する。復帰設定用フラグは、後述するように、音声チャンネル1の消音設定を開始する際にONになり(図295のステップS65004参照)、音声チャンネル1の消音設定が解除された際にOFFになるフラグである。そして、復帰設定用フラグがONであるということは、音声チャンネル1が消音に設定されており、復帰用の音声データを設定すべき状態であることを意味する。
ステップS64905において、復帰設定用フラグがONではないと判定した場合には(S64905:NO)、復帰用の音声データを設定すべき状態ではないため、そのまま本BGM連続再生処理を終了する。一方、ステップS64905において、復帰設定用フラグがONであると判定した場合には(S64905:YES)、復帰用の音声データを設定すべき状態であるため、ステップS64906に進み、ステップS64903又はステップS64904において再生を開始した音声データを、復帰用の音声データとして設定する。なお、本変形例では、復帰用の音声データが設定された場合であっても復帰設定用フラグをOFFにしないため、音声チャンネル1において音声データの再生が終了する毎に、復帰用の音声データを上書きして再設定する。その後、ステップS64907に進み、復帰設定済みフラグをONにし、本BGM連続再生処理を終了する。
<BGM消音用処理>
次に、変形例3におけるBGM消音用処理について説明する。BGM消音用処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図XF20は、変形例3におけるBGM消音用処理を示すフローチャートである。ステップS65001では、BGM消音開始フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音開始フラグは、上述したように、リーチ演出が開始されるタイミング及び開閉実行モードではない期間において図柄の変動(遊技回)が実行されずに2分が経過したタイミングでONにされ、音声チャンネル1が消音に設定されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音開始フラグは、音声チャンネル1を消音設定にさせるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS65001において、BGM消音開始フラグがONであると判定した場合には(S65001:YES)、ステップS65002に進み、音声チャンネル1を消音に設定する。その後、ステップS65003に進み、BGM消音開始フラグをOFFにする。その後、ステップS65004に進み、上述した復帰設定用フラグをONにする。その後、ステップS65005に進む。一方、ステップS65001において、BGM消音開始フラグがONではないと判定した場合には(S65001:NO)、ステップS65002からステップS65004の処理を実行せずに、ステップS65005に進む。
ステップS65005では、BGM消音終了フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音終了フラグは、上述したように、リーチ演出が終了するタイミング及びデモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされ、音声チャンネル1の消音設定が解除されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音終了フラグは、音声チャンネル1の消音設定を解除させるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS65005において、BGM消音終了フラグがONではないと判定した場合には(S65005:NO)、そのまま本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS65005において、BGM消音終了フラグがONであると判定した場合には(S65005:YES)、ステップS65006に進み、頭出しフラグがONであるか否かを判定する。頭出しフラグは、上述したように、デモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされるフラグであり、音声チャンネル1の消音設定の解除とともにBGM用楽曲を先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始するか否かを判定するためのフラグである。
ステップS65006において、頭出しフラグがONではないと判定した場合には(S65006:NO)、ステップS65007に進み、復帰設定済みフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS65007において、復帰設定済みフラグがONであると判定した場合(S65007:YES)、すなわち、復帰用の音声データが既に設定されている場合には、ステップS65008に進み、音声チャンネル1において、復帰用に設定された音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、ステップS65909に進み、復帰設定済みフラグ及び復帰設定用フラグをOFFにする。その後、ステップS65010に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS65011に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
一方、ステップS65007において、復帰設定済みフラグがONではないと判定した場合(S65007:NO)、すなわち、音声チャンネル1の消音設定の開始時に再生されていた音声データが、消音設定の解除時までに終了しなかったので、BGM連続再生処理(図294)においてステップS64905〜ステップS64907の処理が実行されず、復帰用の音声データが設定されていない場合には、ステップS65012に進み、復帰設定用フラグをOFFにする。その後、ステップS65013に進み、音声チャンネル1において再生中の音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、再生対象としてBGM用楽曲M1が設定されている場合において、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データを再生中である場合には、BGM用楽曲M1には第2前奏部音声データの次の音声データとして第1主要部音声データが存在するので、再生中の音声データの次の音声データが存在すると判定する。一方、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データを再生中である場合には、BGM用楽曲M1には第4主要部音声データの次の音声データが存在しないので、再生中の音声データの次の音声データが存在しないと判定する。
ステップS65013において、再生中の音声データの次の音声データが存在すると判定した場合には(S65013:YES)、ステップS65014に進み、音声チャンネル1において、当該次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、上述したステップS65010に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS65011に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS65013において、再生中の音声データの次の音声データが存在しないと判定した場合には(S65013:NO)、ステップS65015に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1主要部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、上述したステップS65010に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS65011に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
ステップS65006において、頭出しフラグがONであると判定した場合には(S65006:YES)、ステップS65016に進み、頭出しフラグをOFFにする。その後、ステップS65017に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。すなわち、本変形例では、デモ動画から復帰して音声チャンネル1の消音設定が解除される場合には、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データから再生が開始されることになる。その後、上述したステップS65010に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS65011に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
以上説明したように、本変形例によれば、上述した第6実施形態及び各変形例の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本変形例によれば、消音状態の終了を契機として再生を開始するBGM用楽曲の時間的な位置は、消音状態中に最後に再生された当該BGM用楽曲の予め定められた時間的位置となるので、音声チャンネル1の消音状態中においてもBGM用楽曲が継続して再生されており、消音状態の終了後もそのまま当該BGM用楽曲の再生が継続していることを期待している遊技者による消音状態の終了後における当該BGM用楽曲の時間的な位置の想像と、消音状態の終了を契機として実際に再生が開始された当該BGM用楽曲の時間的な位置とのずれを抑制しつつ、当該BGM用楽曲を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。そして、上述したように、本実施形態では、BGM用楽曲の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置からBGM用楽曲の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されているので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
F7−4.変形例4:
図296は、第6実施形態の変形例4のパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイミングチャートである。上述した第6実施形態との主な違いは、音声チャンネル1を消音設定から解除するタイミングを、リーチ演出に対応した音声データの再生が終了した後であって、音声チャンネル1において新たな音声データの再生を開始したタイミングに合わせている点である。図296には、音声チャンネル1において再生される音声データの内容と、音声チャンネル1における消音設定の状態と、音声チャンネル2において再生される音声データの内容とが示されている。
本変形例のパチンコ機10の音声発光制御装置90は、複数のBGM用楽曲の中から一のBGM用楽曲を音声チャンネル1における再生対象として設定し、設定したBGM用楽曲を構成する音声データを、音声データ用ROM98のBGM用楽曲データ記憶エリア98bから順次読み出して再生する。また、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2において、実行する演出の内容に対応した音声データを音声データ用ROM98の演出用音声データ記憶エリア98aから読み出して再生する。すなわち、本変形例では、上記第6実施形態と同様に、音声チャンネル1はBGM用として利用され、音声チャンネル2は演出用として利用されている。この図296に示した例では、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1の再生対象としてBGM用楽曲M1を設定しており、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する音声データを順次読み出して再生している。
図296に示すように、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第1前奏部音声データを再生中に、予告演出Y1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該予告演出Y1に対応する音声データの再生を開始する。ただし、この場合、後述するリーチ演出R1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定しない。したがって、スピーカー46からは当該予告演出Y1に対応する音声とBGM用楽曲M1の両方の音声が合成されてスピーカー46から出力される。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル1においてBGM用楽曲M1を構成する第2前奏部音声データを再生中に、リーチ演出R1を実行するタイミングとなったことを契機として、音声チャンネル2において当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生を開始する。この場合は、上記の予告演出Y1を実行する場合とは異なり、音声チャンネル1を消音に設定する。したがって、当該リーチ演出R1に対応する音声データの再生中はBGM用楽曲M1がスピーカー46から出力されない。
その後、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生が終了したことを契機として、音声チャンネル1の消音設定の解除を待機する消音設定解除待機状態となる。そして、音声発光制御装置90は、消音設定解除待機状態となっている期間において第2主要部音声データの再生が終了すると、次の音声データである第3主要部音声データの再生を開始するとともに、当該音声データの再生の開始のタイミングで音声チャンネル1の消音設定を解除する。
すなわち、本変形例の音声発光制御装置90は、音声チャンネル1の消音設定の開始の契機となった音声チャンネル2における音声データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)の再生が終了すると、音声チャンネル2における当該音声データの再生の終了を契機として、音声チャンネル1の消音設定の解除を待機する消音設定解除待機状態となる。そして、音声発光制御装置90は、消音設定解除待機状態となっている期間において音声チャンネル1における音声データの再生が終了すると、当該再生が終了した音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始するとともに、当該音声データの再生の開始のタイミングで音声チャンネル1の消音設定を解除する。
<変形例4の音声発光制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例4の音声発光制御装置90のMPU92において実行される処理について説明する。以下では、第6実施形態と異なる処理について説明し、第6実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<BGM連続再生処理>
変形例4におけるBGM連続再生処理について説明する。BGM連続再生処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図XF21は、変形例4におけるBGM連続再生処理を示すフローチャートである。ステップS65101では、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したか否かを判定する。ステップS65101において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了したと判定した場合には(S65101:YES)、ステップS65102に進む。一方、ステップS65101において、音声チャンネル1において音声データの再生が終了していないと判定した場合には(S65101:NO)、そのまま本BGM連続再生処理を終了する。
ステップS65102では、再生が終了した音声データの次の音声データが当該BGM用楽曲に存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、再生対象としてBGM用楽曲M1が設定されている場合において、BGM用楽曲M1の第2前奏部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第2前奏部音声データの次の音声データとして第1主要部音声データが存在するので、次の音声データが存在すると判定する。一方、BGM用楽曲M1の第4主要部音声データの再生が終了した場合には、BGM用楽曲M1には第4主要部音声データの次の音声データが存在しないので、次の音声データが存在しないと判定する。
ステップS65102において、次の音声データが存在すると判定した場合には(S65102:YES)、ステップS65103に進み、音声チャンネル1において、当該次の音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。その後、後述するステップS65105に進む。一方、ステップS65102において、次の音声データが存在しないと判定した場合には(S65102:NO)、ステップS65104に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1主要部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。したがって、本変形例では、BGM用楽曲は、前奏部の再生が終了した後は主要部がリピート再生されることになる。ステップS65104を実行した後、ステップS65105に進む。
ステップS65105では、BGM消音待機フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音待機フラグは、後述するように、BGM消音終了フラグがONになったことを契機としてONになるフラグであり(図298のステップS65206参照)、上述した消音設定解除待機状態となっていることを示すフラグである。
ステップS65105において、BGM消音待機フラグがONではないと判定した場合には(S65105:NO)、消音設定解除待機状態ではないため、そのまま本BGM連続再生処理を終了する。一方、ステップS65105において、BGM消音待機フラグがONであると判定した場合には(S65105:YES)、消音設定解除待機状態であるため、ステップS65106に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、ステップS65107に進み、BGM消音待機フラグをOFFにし、本BGM連続再生処理を終了する。
<BGM消音用処理>
変形例4におけるBGM消音用処理について説明する。BGM消音用処理は、BGM用処理のサブルーチン(図274:S63204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図298は、変形例4におけるBGM消音用処理を示すフローチャートである。ステップS65201では、BGM消音開始フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音開始フラグは、上述したように、リーチ演出が開始されるタイミング及び開閉実行モードではない期間において図柄の変動(遊技回)が実行されずに2分が経過したタイミングでONにされ、音声チャンネル1が消音に設定されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音開始フラグは、音声チャンネル1を消音設定にさせるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS65201において、BGM消音開始フラグがONであると判定した場合には(S65201:YES)、ステップS65202に進み、音声チャンネル1を消音に設定する。その後、ステップS65203に進み、BGM消音開始フラグをOFFにする。その後、ステップS65204に進む。一方、ステップS65201において、BGM消音開始フラグがONではないと判定した場合には(S65201:NO)、ステップS65202及びステップS65203の処理を実行せずに、ステップS65204に進む。
ステップS65204では、BGM消音終了フラグがONであるか否かを判定する。BGM消音終了フラグは、上述したように、リーチ演出が終了するタイミング及びデモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされ、音声チャンネル1の消音設定が解除されるとOFFにされるフラグである。すなわち、BGM消音終了フラグは、音声チャンネル1の消音設定を解除させるタイミングにおいてONになるフラグである。
ステップS65204において、BGM消音終了フラグがONではないと判定した場合には(S65204:NO)、そのまま本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS65204において、BGM消音終了フラグがONであると判定した場合には(S65204:YES)、ステップS65205に進み、頭出しフラグがONであるか否かを判定する。頭出しフラグは、上述したように、デモ動画が表示されている期間において変動用コマンド及び種別コマンドを主側MPU62から受信したタイミング(図柄の変動が開始したタイミング)でONにされるフラグであり、音声チャンネル1の消音設定の解除とともにBGM用楽曲を先頭(第1前奏部音声データ)から再生を開始するか否かを判定するためのフラグである。
ステップS65205において、頭出しフラグがONではないと判定した場合には(S65205:NO)、ステップS65206に進み、BGM消音待機フラグをONにする。その後、ステップS65207に進み、BGM消音終了フラグをOFFにする。その後、本BGM消音用処理を終了する。一方、ステップS65205において、頭出しフラグがONであると判定した場合には(S65205:YES)、ステップS65208に進み、頭出しフラグをOFFにする。その後、ステップS65209に進み、音声チャンネル1において、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データの再生を音出力LSI97に開始させる。すなわち、本変形例では、デモ動画から復帰して音声チャンネル1の消音設定が解除される場合には、再生対象として設定されているBGM用楽曲の第1前奏部音声データから再生が開始されることになる。その後、ステップS65210に進み、音声チャンネル1の消音設定を解除する。その後、上述したステップS65207に進み、BGM消音終了フラグをOFFにし、本BGM消音用処理を終了する。
以上説明したように、本変形例によれば、上述した第6実施形態及び各変形例の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本変形例によれば、音声チャンネル1の消音状態中において、BGM用楽曲の再生位置が、当該BGM用楽曲の予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲を構成する各音声データに記録された音声(当該BGM用楽曲の一部分)の時間的な先頭の位置)のうちの一の時間的な位置(図296ではBGM用楽曲M1の第3主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)に到達したタイミングで音声チャンネル1の消音状態を終了させる。すなわち、音声チャンネル1の消音状態が終了すると、BGM用楽曲の予め定められた時間的な位置から当該BGM用楽曲の出力が開始されることになる。したがって、遊技者に違和感を与えることなく、当該BGM用楽曲の消音状態を終了させて当該BGM用楽曲の出力を開始することができる。また、本変形例によれば、BGM用楽曲の消音状態を終了させるタイミングにおいて当該BGM用楽曲の再生を開始する時間的な位置を制御することなく、当該BGM用楽曲の消音状態を終了させることのみによって、当該BGM用楽曲の予め定められた時間的な位置から当該BGM用楽曲の出力を開始させることができる。
さらに、本変形例によれば、音声チャンネル1の消音状態中に、BGM用楽曲の再生位置が、当該BGM用楽曲の予め定められた時間的な位置のうち、リーチ演出に対応した音声の再生の終了のタイミングより後の直近の時間的な位置(図296ではBGM用楽曲M1の第3主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)に到達したタイミングで、音声チャンネル1の消音状態を終了させる。したがって、本変形例によれば、音声チャンネル1におけるリーチ演出に対応した音声の再生中は、BGM用楽曲がスピーカー46から出力されない消音状態となるので、リーチ演出に対応した音声をより一層際立たせることができ、遊技者の注意をリーチ演出に対応した音声に集中させることができる。
さらに、本変形例によれば、リーチ演出に対応した音声の再生の終了のタイミングにおけるBGM用楽曲の再生位置によっては、当該再生位置がBGM用楽曲の予め定められた時間的な位置に到達するまでの間に時間を要する場合がある。すなわち、リーチ演出に対応した音声の再生の終了のタイミングと、BGM用楽曲の消音状態の終了のタイミングとの間に、リーチ演出に対応した音声もBGM用楽曲も出力されていない期間を挟むことができる。ここで、2つの音声が無音期間を挟まずに連続して再生されると、当該2つの音声のうちの後の音声の開始部分を正確に聴き取ることが困難となる場合がある。したがって、本変形例によれば、リーチ演出に対応した音声の再生の終了のタイミングから、BGM用楽曲の消音状態の終了のタイミングまでの間に、リーチ演出に対応した音声もBGM用楽曲もスピーカー46から出力されていない期間を挟むことができるので、遊技者は、BGM用楽曲の消音状態の終了直後の部分(BGM用楽曲の出力開始部分)を正確に聴き取ることが可能となり、リーチ演出に対応した音声の再生の終了後に、遊技者の注意をBGM用楽曲に向けさせることが可能となる。
さらに、本変形例によれば、音声チャンネル1の消音状態の開始後もBGM用楽曲の再生を継続しているので、リーチ演出に対応した音声の再生の開始から終了後もBGM用楽曲が継続して出力されていた場合と同じ時間的位置から当該BGM用楽曲の出力が再開される。したがって、リーチ演出に対応した音声の再生の開始から終了後もBGM用楽曲が継続して再生されている様子をイメージしていた遊技者に違和感を与えない。すなわち、本変形例によれば、遊技者に違和感を与えることなく、リーチ演出に対応した音声の再生の終了後に、BGM用楽曲の出力を再開することができる。
ただし、本変形例では、リーチ演出に対応した音声の再生の終了のタイミングと、BGM用楽曲の消音状態の終了のタイミングとの間に、リーチ演出に対応した音声もBGM用楽曲も出力されていない期間を挟むことができるが、当該期間の長さは、リーチ演出に対応した音声の再生の終了のタイミングにおけるBGM用楽曲の再生位置に依存して変化することになる。そこで、リーチ演出に対応した音声もBGM用楽曲も出力されていない期間の長さを一定の長さにすることのできる構成を、以下の変形例5において説明する。
F7−5.変形例5:
上述した第6実施形態及び変形例1〜3では、図257、図288、図291及び図293に示したように、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応した音声データの再生の終了のタイミングで、音声チャンネル1の消音設定を解除する構成としたが、この代わりに、音声チャンネル2におけるリーチ演出に対応した音声データの再生の終了のタイミングから所定時間(例えば、1秒)が経過したタイミングで、音声チャンネル1の消音設定を解除する構成としてもよい。すなわち、リーチ演出に対応した音声データの再生の終了後からBGM用楽曲の再生の開始(再開)までの間に、所定の無音期間(例えば、1秒)が生じる構成となる。
具体的には、上述した第6実施形態(図257)に本変形例を適用すると、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出に対応した音声データの再生の終了のタイミングから所定時間(例えば、1秒)が経過したタイミングで、音声チャンネル1において再生中の音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群における次の音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する構成となる。
また、上述した変形例1(図288)に本変形例を適用すると、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生の終了のタイミングから所定時間(例えば、1秒)が経過したタイミングで、復帰用に設定された音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する構成となる。
また、上述した変形例2(図291)に本変形例を適用すると、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生の終了のタイミングから所定時間(例えば、1秒)が経過したタイミングで、音声チャンネル1において再生中の音声データが属するBGM用楽曲の音声データ群の中から一の音声データをランダムで選択し、当該選択した音声データの再生を開始し、チャンネル1の消音設定を解除する構成となる。
また、上述した変形例3(図293)に本変形例を適用すると、音声発光制御装置90は、音声チャンネル2におけるリーチ演出R1に対応する音声データの再生の終了のタイミングから所定時間(例えば、1秒)が経過したタイミングで、復帰用に設定された音声データの再生を開始し、音声チャンネル1の消音設定を解除する構成となる。
以上説明したように、本変形例によれば、上述した第6実施形態及び変形例の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
本変形例によれば、リーチ演出に対応した音声データの再生の終了後からBGM用楽曲の再生の開始(再開)までの間に、所定の無音期間(例えば、1秒)を挟むことができる。ここで、2つの音声が無音期間を挟まずに連続して再生されると、当該2つの音声のうちの後の音声の開始部分を正確に聴き取ることが困難となる場合がある。したがって、本変形例によれば、リーチ演出に対応した音声データの再生の終了後からBGM用楽曲の再生の開始(再開)までの間に、所定の無音期間(例えば、1秒)を挟むことができるので、遊技者は、BGM用楽曲の開始部分を正確に聴き取ることが可能となり、遊技者の注意をBGM用楽曲に向けさせることが可能となる。
なお、本変形例の制御は、例えば、図282のステップS64012において、リーチ演出の終了から1秒が経過したタイミングであるか否かを判定し、リーチ演出の終了から1秒が経過したタイミングであると判定した場合に、ステップS64013に進み、BGM消音終了フラグをONにする処理を実行することによって実現することができる。
F7−6.変形例6:
上述した第6実施形態及び変形例1〜5では、図256に示したように、1つのBGM用楽曲を複数の音声データに分割して記録し、当該BGM用楽曲を構成するいずれかの音声データを指定して再生を開始することによって、予め定められた複数の時間的な位置から当該BGM用楽曲の再生を開始することが可能となっている構成としたが、この代わりに、変形例6として、1つのBGM用楽曲を単一の音声データに記録し、当該単一の音声データに記録されたBGM用楽曲に複数の再生開始位置を設定し、当該複数の再生開始位置の中から一の再生開始位置を指定して当該単一の音声データの再生を開始することによって、予め定められた複数の時間的な位置から当該BGM用楽曲の再生を開始することが可能な構成としてもよい。以下、BGM用楽曲M1に複数の再生開始位置が設定されている例について説明する。
図299は、変形例6における音声データ用ROMに記憶されているデータのデータ構造を模式的に示す説明図である。この図299には、図256に示したBGM用楽曲M1が単一の音声データであるBGM用楽曲M1音声データに記録されている例を示している。そして、本変形例では、単一のBGM用楽曲M1音声データには、BGM用楽曲M1の予め定められた複数の時間的位置である再生開始位置が設定されている。
この図299に示した例では、BGM用楽曲M1の時間的な先頭の位置が第1前奏部再生開始位置として設定されており、BGM用楽曲M1の時間的な先頭の位置から16秒後の位置が第2前奏部再生開始位置として設定されており、BGM用楽曲M1の時間的な先頭の位置から32秒後の位置が第1主要部再生開始位置として設定されており、BGM用楽曲M1の時間的な先頭の位置から48秒後の位置が第2主要部再生開始位置として設定されており、BGM用楽曲M1の時間的な先頭の位置から64秒後の位置が第3主要部再生開始位置として設定されており、BGM用楽曲M1の時間的な先頭の位置から80秒後の位置が第4主要部再生開始位置として設定されている。
すなわち、図256に示したBGM用楽曲M1の第1前奏部音声データの時間的な先頭の位置が、図299に示した第1前奏部再生開始位置に対応しており、図256に示したBGM用楽曲M1の第2前奏部音声データの時間的な先頭の位置が、図299に示した第2前奏部再生開始位置に対応しており、図256に示したBGM用楽曲M1の第1主要部音声データの時間的な先頭の位置が、図299に示した第1主要部再生開始位置に対応しており、図256に示したBGM用楽曲M1の第2主要部音声データの時間的な先頭の位置が、図299に示した第2主要部再生開始位置に対応しており、図256に示したBGM用楽曲M1の第3主要部音声データの時間的な先頭の位置が、図299に示した第3主要部再生開始位置に対応しており、図256に示したBGM用楽曲M1の第4主要部音声データの時間的な先頭の位置が、図299に示した第4主要部再生開始位置に対応している。
本変形例6のように、1つのBGM用楽曲を単一の音声データに記録し、当該単一の音声データに記録されたBGM用楽曲に複数の再生開始位置を設定する構成としても、上述した第6実施形態及び変形例1〜5と同様の制御を実行することができるとともに、同様の効果を奏することができる。
例えば、再生対象として設定されたBGM用楽曲の全体の時間的な先頭の位置(BGM用楽曲M1音声データの第1前奏部再生開始位置)から時間的な最後の位置(BGM用楽曲M1音声データの時間的な最後の位置)まで再生した後は、当該BGM用楽曲の前奏部の時間的な先頭の位置ではなく、当該BGM用楽曲のメインメロディに相当する主要部の時間的な先頭の位置(BGM用楽曲M1音声データの第1主要部再生開始位置)から再生を開始する構成とする。このような構成によれば、上記第6実施形態と同様に、当該BGM用楽曲の主要部を聴いて盛り上がっていた遊技者の気分が、再び前奏部が再生されることによって低下してしまうことを抑制することができる。
また、例えば、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点においてBGM用楽曲を再生していた場合には、消音状態の開始後も当該BGM用楽曲の再生を継続する構成とし、消音状態の終了を契機として、当該BGM用楽曲の複数の再生開始位置のうち、消音状態が終了する時点において再生しているBGM用楽曲の時間的な位置の直後に位置する再生開始位置から当該BGM用楽曲の再生を開始する構成とする。このような構成によれば、上記第6実施形態と同様に、音声チャンネル1の消音状態中においてもBGM用楽曲が継続して再生されており、消音状態の終了後もそのまま当該BGM用楽曲の再生が継続していることを期待している遊技者による消音状態の終了後における当該BGM用楽曲の時間的な位置の想像と、消音状態の終了を契機として実際に再生が開始された当該BGM用楽曲の時間的な位置とのずれを抑制しつつ、当該BGM用楽曲を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。そして、本変形例においても、BGM用楽曲の複数の再生開始位置が、当該再生開始位置からBGM用楽曲の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されているので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
また、例えば、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点においてBGM用楽曲を再生していた場合には、消音状態の開始後も当該BGM用楽曲の再生を継続する構成とし、消音状態中に最初に再生した当該BGM用楽曲の再生開始位置を記憶し、消音状態の終了を契機として、当該記憶した再生開始位置から当該BGM用楽曲の再生を開始する構成とする。このような構成によれば、上記変形例1と同様に、消音状態の終了を契機として再生を開始するBGM用楽曲の時間的な位置は、消音状態中に最初に再生された当該BGM用楽曲の再生開始位置となるので、消音状態の開始から消音状態の終了までの期間に出力手段から出力されずに遊技者が聴くことのできないBGM用楽曲の時間的長さが長くなってしまうことを抑止することができる。この結果、消音状態中にBGM用楽曲の聴きたい部分が終了して聞くことができなかったといった遊技者の不満の発生を抑制しつつ、当該BGM用楽曲を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。そして、本変形例においても、BGM用楽曲の複数の再生開始位置が、当該再生開始位置からBGM用楽曲の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されているので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
また、例えば、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点においてBGM用楽曲を再生していた場合には、消音状態の終了を契機として、当該BGM用楽曲の複数の再生開始位置の中から無作為に(ランダムに)選択された一の再生開始位置から当該BGM用楽曲の再生を開始する構成とする。このような構成によれば、上記変形例2と同様に、遊技者は、音声チャンネル1の消音状態の開始の時点において再生されていたBGM用楽曲が、消音状態の終了時に、当該BGM用楽曲のどの再生開始位置から再生が開始されるのかを予測することができない。したがって、遊技者に意外性や驚きを与えることができ、遊技が単調になってしまうことを抑制しつつ、当該BGM用楽曲を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。そして、本変形例においても、BGM用楽曲の複数の再生開始位置が、当該再生開始位置からBGM用楽曲の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されているので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該BGM用楽曲の再生を開始することができる。
なお、音声データの再生開始位置を指定し、当該再生開始位置から再生を開始することができない構成である場合(例えば、音声データが、途中の時間的位置からは再生を開始することのできないデータ形式である場合等)には、上述した第6実施形態及び変形例1〜6にて示したように、1つのBGM用楽曲が複数の音声データに分割されて記録されている構成を採用することによって、当該BGM用楽曲を予め定められた複数の時間的な位置から再生を開始することが可能となる。
F7−7.変形例7:
上記第6実施形態及び上記各変形例において、音声チャンネル1を消音に設定する際に、音量を徐々に小さくして消音状態に移行させるフェードアウト処理を実行する構成としてもよい。また、音声チャンネル1の消音設定を解除する際に、音量を徐々に大きくして所定の音量に戻すフェードイン処理を実行する構成としてもよい。このような構成にすれば、BGM用楽曲が消音状態に移行する際及び消音状態から復帰する際における違和感をさらに低減することができる。
F7−8.変形例8:
上記第6実施形態及び上記各変形例において説明した構成及び制御は、BGM用楽曲を構成する音声データを再生する構成に限らず、種々の音声データを再生する構成に適用することができる。例えば、開閉実行モードの開閉処理期間中に再生されるラウンド演出に対応した音声データや、RTC演出に対応した音声データ等を再生する構成に対しても上述した構成及び制御を適用することができる。また、音声チャンネル1の消音設定を開始させることになる音声チャンネル2における音声データとしては、リーチ演出に対応した音声データに限らず、種々の音声データを採用することができる。例えば、予告演出に対応した音声データや、キャラクターのセリフや効果音に対応した音声データ、特定の遊技状態に対応したBGM用楽曲を構成する音声データ等、種々の音声データを採用することができる。
F7−9.変形例9:
上記第6実施形態及び上記各変形例では、音声チャンネル1が消音状態中であっても、音声チャンネル1においてBGM用楽曲の再生を継続する構成としたが、音声チャンネル1の消音状態の開始後も当該BGM用楽曲の再生を継続していると仮定した場合における当該BGM用楽曲の時間的な再生位置を特定可能な処理を実行することができる構成であれば、音声チャンネル1の消音状態中に当該BGM用楽曲の再生を継続しない構成としてもよい。
G.他の構成への適用:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
H.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴A1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
当該遊技機本体の筐体の内部に格納されるともに、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
前記情報記憶手段に記憶された情報を当該遊技機と接続された所定の装置に対して送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、処理実行手段は、検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段を備える。検知情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴A1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を保持することができない。特徴A1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴A1の遊技機は、当該遊技機がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)を備え、
前記処理実行手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、処理実行手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、例えば、当該遊技機が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、遊技機に電源が供給されている状況であれば、検知情報を取得することができる。仮に、制御手段と処理実行手段とが異なる電源によって動作している場合、処理実行手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず検知情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴A2によれば、制御手段と処理実行手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず検知情報を取得することができる。よって、検知情報の信頼性を向上させることができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって規定個数(500個)の遊技球が検知されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、所定の検知手段によって規定個数の遊技球が検知されるまでの期間毎の検知情報を記憶するので、各遊技機によって規定個数の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない検知情報を取得することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い検知情報を取得することができる。
[特徴A4]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎(1時間毎)の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎の検知情報を記憶するので、当該検知情報を用いて時間の概念を用いた統計処理を行うことができる。
[特徴A5]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから前記電源が遮断されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間毎の検知情報を記憶するので、例えば、遊技機が遊技ホールに設置されている場合には、遊技ホールの営業日ごとの検知情報を取得することができる。
[特徴A6]
特徴A1から特徴A5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を取得する賞球数情報取得手段と、
前記検知情報と前記賞球数情報とに基づいて所定の演算を実行する演算実行手段(CPU308)と、
を備え、
前記情報記憶手段は、前記演算実行手段による演算結果(役物比率等)に関する情報である演算結果情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、処理実行手段は、演算結果情報を記憶する。演算結果情報は、検知情報と賞球数情報とに基づいて演算された情報であるので、遊技機が払い出した賞球数に関する情報が反映されている。よって、特徴A6によれば、払い出した賞球に関する遊技機の特性を取得することができる。この結果、払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴B1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報と予め設定されている第2の情報とに基づいて演算処理を実行し第3の情報を取得する演算実行手段(CPU308)と、
前記第3の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記演算実行手段と前記情報記憶手段とは、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1の情報は実行された遊技に基づいて取得された情報であり、第3の情報は第1の情報に基づいて取得された情報である。よって、第3の情報は、実行された遊技に関する情報を含んでいる。したがって、情報記憶手段は、実行された遊技に関する情報を含んだ第3の情報を記憶しているので、情報記憶手段に記憶された第3の情報を用いて、過去に実行された遊技に関する情報を取得することが可能である。よって、第3の情報を用いることによって、遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。そして、演算実行手段と情報記憶手段とは、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第3の情報を取得することができる。仮に、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、演算実行手段および情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第3の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴B2によれば、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第3の情報を取得することができる。よって、第3の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段に記憶された前記第3の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、情報記憶手段に記憶された第3の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第3の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。
[特徴B3]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記第1の情報は、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報であり、
前記第2の情報は、前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報であり、
前記第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である
ことを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である。したがって、情報記憶手段に記憶されている第3の情報を用いて、実際に払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴C1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、情報記憶手段を格納している。したがって、情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、情報記憶手段に記憶されている第1の情報が情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、第1の情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる第1の情報の不正な改変を抑制することができる。また、第1の情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、第1の情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴C1によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した第1の情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、情報記憶手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第1の情報を取得することができる。仮に、情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第1の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴C2によれば、情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第1の情報を取得することができる。よって、第1の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記第1の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、情報記憶手段に記憶された第1の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第1の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴D1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する第1の賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記第1の賞球数記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を取得する賞球数情報取得手段と、
前記賞球数情報取得手段によって取得された前記賞球数情報を記憶する第2の賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記第2の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
遊技機に設定されている賞球数情報は、遊技機の種類(機種)毎に異なる値が設定されていることが一般的である。
特徴D1によれば、処理実行手段は、第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に異なる賞球数情報が設定されていても、処理実行手段は、遊技機の種類毎に設定された賞球数情報を用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。
遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、
前記第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を含む信号を前記処理実行手段に送信する賞球数情報送信手段(CPU62x)を備え、
前記取得手段は、前記賞球数情報送信手段から送信された前記信号を受信することによって前記賞球数情報を取得する
ことを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている賞球数情報を含む信号を処理実行手段に送信するので、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段にアクセスすることができない構成や、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報の記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得することが可能となる。
[特徴D3]
特徴D1または特徴D2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴D4]
特徴D1から特徴D3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴D5]
特徴D1から特徴D4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記発射手段は、前記処理実行手段において前記賞球数情報の前記第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球の発射を実行することができないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴D5によれば、賞球数情報の第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
<特徴E群>
特徴E群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴E1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって検知された遊技球の個数(排出通路通過個数NOUT)が規定値(500個)に達する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、所定の検知手段によって検知された遊技球の個数が規定値に達する毎に遊技履歴情報を算出するので、各遊技機によって検知された遊技球の個数が規定値に達するまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技球が検知される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出することができる。この結果、遊技機の検査者は、精度の高い遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)及び前記規定値(500個)に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴E2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴E3]
特徴E1または特徴E2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記演算実行手段が前記演算を実行した後に、前記個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去する消去手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、演算実行手段が演算を実行した後に、個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去するので、再び個数情報記憶手段に遊技球の個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、個数情報記憶手段に必要な記憶容量を低減することができる。
[特徴E4]
特徴E1から特徴E3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴E5]
特徴E1から特徴E4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴F群>
特徴F群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴F1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
所定時間(1時間)が経過する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出するので、遊技機の検査者は、時間の概念を用いた統計処理によって算出された遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記演算を実行する時間的間隔に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴F2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴F3]
特徴F1または特徴F2に記載の遊技機であって、
前記演算が実行されてからの経過時間を計測する計測手段と、
遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記計測手段は、前記判定手段によって遊技が行なわれていないと判定されている期間は、前記経過時間の計測を中断する
ことを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、遊技が行なわれていないと判定されている期間は、演算が実行されてからの経過時間の計測を中断するので、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
[特徴F4]
特徴F1から特徴F3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴F5]
特徴F1から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴G群>
特徴G群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴G1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
電源の遮断の発生を監視する監視手段(停電監視回路86)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記監視手段が電源の遮断の発生を検知した場合に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、電源の遮断の発生を検知した場合に遊技履歴情報を算出するので、遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、遊技機の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記電源の遮断が発生した後においても前記演算実行手段に対して電源を供給する供給手段(コンデンサ)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、電源の遮断が発生した後においても演算実行手段に対して電源を供給する供給手段を備えるので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の遊技履歴情報記憶手段への記憶を確実に完了させることができる。
[特徴G3]
特徴G1または特徴G2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴G4]
特徴G1から特徴G3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴H群>
特徴H群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴H1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の場合に報知をする報知手段と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する算出手段(CPU308)と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備え、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴H2]
特徴H1に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴H3]
特徴H2に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴H4]
特徴H1から特徴H3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H4によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
[特徴H5]
特徴H1から特徴H4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴H6]
特徴H1から特徴H5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H6によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴I群>
特徴I群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴I1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって遊技球が検知される毎に、当該検知手段によって遊技球が検知されたことを示す情報である入球情報を順次記憶する入球情報記憶手段(入球情報記憶用メモリ309b)と、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して、前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とを送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、所定の装置に対して入球情報と賞球数情報とを送信するので、所定の装置は、入球情報と賞球数情報とに基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を任意の範囲で算出することができる。したがって、遊技機の検査者は、所定の装置によって、任意の範囲で算出された当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
日時に関する情報である日時情報を取得する日時情報取得手段(RTC96)を備え、
前記入球情報記憶手段は、前記入球情報を記憶する際に、前記遊技球が前記検知手段によって検知された日時に対応した前記日時情報を付加して記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、日時情報が付加された入球情報を受信した所定の装置は、日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することが可能となる。したがって、遊技機の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。また、日時情報が付加された入球情報を所定の装置が表示する構成とすれば、遊技機の検査者は、各検知手段によって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴I3によれば、入球情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、入球情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の入球情報を確認することができる。
<特徴J群>
特徴J群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴J1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行するとともに、前記検知手段によって検知された遊技球の検知情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する処理を実行する処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記処理実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(主側RAM64、フラッシュメモリ64x)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段を備える。遊技履歴情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴J1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴J1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、特徴J1によれば、遊技機と遊技履歴情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、特徴J1によれば、単一の処理実行手段が遊技進行処理と遊技履歴情報を算出する処理とを実行するので、当該算出処理を実行するための別の演算用チップ等を設ける必要がなく、遊技機の製造コストを低減させることができる。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴J2によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴J3]
特徴J2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードは、前記遊技履歴情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が遊技履歴情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴J3によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴J4]
特徴J1から特徴J3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J4によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴J4によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴J5]
特徴J1から特徴J4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第3の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための操作である移行操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J5によれば、第2のモード中に第3の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴J6]
特徴J5に記載の遊技機であって、
前記第3の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴J6によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴J7]
特徴J1から特徴J6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する遊技進行処理情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための操作である消去操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記消去操作が実行された場合であっても、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が実行された場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を遊技進行処理情報記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴J8]
特徴J1から特徴J7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J8によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴J9]
特徴J1から特徴J8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J9によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても遊技履歴情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴J10]
特徴J1から特徴J9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J10によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、遊技履歴情報記憶手段が格納されている。したがって、遊技履歴情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、遊技履歴情報記憶手段に記憶されている遊技履歴情報が遊技履歴情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に遊技履歴情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴J10によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J11]
特徴J1から特徴J10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J11によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J12]
特徴J11に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴J12によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J13]
特徴J12に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J13によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴J14]
特徴J11から特徴J13のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J14によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴K群>
特徴K群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴K1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴K1によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴K2]
特徴K1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴K2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴K2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴K2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、検知情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して検知情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が検知情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該検知情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴K2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて検知情報を出力するので、検知情報を出力している間に当該検知情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴K3]
特徴K2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴K4]
特徴K2または特徴K3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K4によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴K5]
特徴K2から特徴K4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴K5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K6]
特徴K2から特徴K5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K7]
特徴K6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴K7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K8]
特徴K7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴K8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴K9]
特徴K6から特徴K8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴L群>
特徴L群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴L1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴L1によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴L2]
特徴L1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴L2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴L2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴L2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴L2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L3]
特徴L2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴L4]
特徴L2または特徴L3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L4によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴L5]
特徴L2から特徴L4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴L5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L6]
特徴L2から特徴L5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L7]
特徴L6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴L7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L8]
特徴L7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴L8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴L9]
特徴L6から特徴L8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴M群>
特徴M群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴M1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第2の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための所定の操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、第2のモード中に第2の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M2]
特徴M1に記載の遊技機であって、
前記第2の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴M2によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴M3によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴M3によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴M3の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴M3によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、特徴M3によれば、遊技機の検査者が第2のモードにおいて出力される検知情報によって当該遊技機の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M4]
特徴M3に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M4によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴M5]
特徴M3または特徴M4に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M5によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴M6]
特徴M3から特徴M5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M6によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴M6によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M7]
特徴M3から特徴M6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M7によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M8]
特徴M7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴M8によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M9]
特徴M8に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M9によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴M10]
特徴M7から特徴M9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M10によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴N群>
特徴N群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴N1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
所定の操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記所定の操作が実行された場合であっても、前記記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が実行された場合であっても、記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って所定の操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴N2]
特徴N1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する検知情報記憶手段を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴N2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴N2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴N2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報検知情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴N2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N3]
特徴N2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴N4]
特徴N2または特徴N3に記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴N4によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、検知情報記憶手段が格納されている。したがって、検知情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、検知情報記憶手段に記憶されている検知情報が検知情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に検知情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴N4によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N5]
特徴N2から特徴N4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N5によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N6]
特徴N5に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴N6によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N7]
特徴N6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴N7によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴N8]
特徴N5から特徴N7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N8によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
なお、上記特徴A群〜特徴N群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技の興趣向上に加え、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
例えば、遊技者によって不正な行為(いわゆるゴト行為)が行われたり、パチンコ遊技機の遊技盤に設けられた釘が不正に曲げられて改造されたりすると、一般入賞口や始動口等の各入球口への遊技球の入球割合等が当初に想定されたものとは異なるようになってしまい、パチンコ遊技機に想定された性能や遊技性が損なわれてしまう場合があった。しかしながら、このような不正の発見は非常に困難であった。
このような不正は、遊技ホールの営業時間中に遊技者によって行われる場合がある。また、遊技ホールの営業時間後に、何者かによって不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに設置される前の輸送中の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに出荷される前の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。また、それよりも前に不正な改造が行われる可能性もある。
このような状況を踏まえ、遊技機に対する不正な行為や不正な改造を発見し、遊技の健全性を向上させることを目的とする。
<特徴O群>
特徴O群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴O1]
所定の間隔(4msecの間隔)で所定の処理(タイマ割込み処理)の実行を開始する処理実行手段(主側CPU62x)を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、前記所定の処理に含まれる一の処理として、特定の処理(遊技履歴情報を算出する処理である演算処理)を実行可能であり、
前記特定の処理は、複数の処理段階(図29のタスク1及びタスク2)によって構成されており、
前記処理実行手段は、
前記所定の処理の1回の実行においては前記特定の処理を構成する前記複数の処理段階のうちの一の処理段階を実行可能であり、
前記所定の処理を複数回実行することによって、前記特定の処理を構成する前記複数の処理段階の全てを実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O1によれば、所定の処理の1回の実行においては特定の処理を構成する複数の処理段階のうちの一の処理段階を実行可能であり、所定の処理を複数回実行することによって、特定の処理を構成する複数の処理段階の全てを実行するので、所定の処理の1回の実行において特定の処理を構成する複数の処理段階の全てを実行する構成に比べて、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の1回の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
[特徴O2]
特徴O1に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、実行する順序が定められた一連の処理によって構成されており、
前記複数の処理段階は、前記特定の処理を構成する前記一連の処理を分割したものであり、
前記処理実行手段は、前記複数の処理段階のうちの一の処理段階(図29のタスク1)を実行した後、当該一の処理段階の次に実行する前記処理段階(図29のタスク2)を指定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O2によれば、実行する順序が定められた一連の処理を分割し、所定の処理の1回の実行においては、複数の処理段階のうちの一の処理段階を実行した後、当該一の処理段階の次に実行する処理段階を指定するので、所定の処理に組み込んだ場合に当該所定の処理の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうような一連の処理であっても、所定の間隔で実行される所定の処理に組み込んで実行することができる。
[特徴O3]
特徴O2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、前記所定の処理に含まれる処理として、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理を実行可能であり、
前記特定の処理は、前記遊技進行処理とは異なる処理(演算処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O3によれば、遊技進行処理とは異なる処理(遊技進行処理以外の処理)を所定の処理に組み込んだ場合に当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうような構成の遊技機においても、所定の間隔で実行される所定の処理に当該遊技進行処理とは異なる処理を組み込んで実行することができる。また、遊技進行処理とは異なる処理は、所定の処理の1回の実行において全ての処理段階を実行しなくても遊技の進行に影響はないため、所定の処理の1回の実行に要する時間を、当該所定の処理に含まれる遊技進行処理の実行時間に割り振ることができ、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。なお、遊技進行処理とは異なる処理としては、種々の任意の処理を採用することが可能であり、例えば、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を算出する処理や、遊技ホールに設置されているホールコンピュータに対して遊技の状況に関する情報を所定のタイミングで送信する送信処理等を採用することができる。
[特徴O4]
特徴O3に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を算出する処理である算出処理(演算処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O4によれば、遊技履歴情報を算出する算出処理を所定の処理に組み込んだ場合に当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうような構成の遊技機においても、所定の間隔で実行される所定の処理に当該算出処理を組み込んで実行することができる。また、遊技履歴情報を算出する算出処理は、所定の処理の1回の実行において全ての処理段階を実行しなくても遊技の進行に影響はないため、所定の処理の1回の実行に要する時間を、当該所定の処理に含まれる遊技進行処理の実行時間に割り振ることができ、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。
<特徴P群>
特徴P群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴P1]
所定の間隔(4msecの間隔)で所定の処理(タイマ割込み処理)の実行を開始する処理実行手段(主側CPU62x)を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記所定の処理に含まれる一の処理として、特定の処理(賞球集計処理)を実行可能であり、
前記所定の処理の1回の実行においては、複数の処理対象候補(バッファエリアの8個のビット)の中から一部の処理対象候補(2個のビット)を、前記特定の処理(賞球集計処理)の処理対象として設定し、当該設定した処理対象に対して前記特定の処理を実行可能であり、
前記所定の処理を複数回実行することによって、前記複数の処理対象候補の全てに対して前記特定の処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴P1によれば、所定の処理の1回の実行においては、複数の処理対象候補の中から一部の処理対象候補を、特定の処理の処理対象として設定し、当該設定した処理対象に対して特定の処理を実行可能であり、所定の処理を複数回実行することによって、複数の処理対象候補の全てに対して特定の処理を実行する。したがって、所定の処理の1回の実行において複数の処理対象候補の全てに対して特定の処理を実行する構成に比べて、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の1回の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。
[特徴P2]
特徴P1に記載の遊技機であって、
前記複数の処理対象候補は、予め固定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴P2によれば、複数の処理対象候補は予め固定されているので、複数の処理対象候補を選択する処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、複数の処理対象候補を選択するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
[特徴P3]
特徴P1または特徴P2に記載の遊技機であって、
前記処理対象設定手段は、前記複数の処理対象候補の中から前記一部の処理対象候補を前記特定の処理の処理対象として設定する際に、予め定められた順序で設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴P3によれば、複数の処理対象候補の中から一部の処理対象候補を特定の処理の処理対象として設定する際に、予め定められた順序で設定するので、特定の処理の処理対象をいずれの処理対象候補に設定するかの判定処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができ、この結果、処理速度を向上させることができる。さらに、判定処理を実行するために必要なプログラムやパラメータなどの情報を記憶するための記憶容量を削減することができる。
[特徴P4]
特徴P1から特徴P3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部を複数備え、
前記複数の処理対象候補のそれぞれは、前記複数の入球部のそれぞれに対応しており、
前記各処理対象候補は、前記各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報(バッファエリアの各ビットに格納された入球検知情報)であり、
前記処理実行手段は、1つの前記入球部に2個の遊技球が連続して入球して検知される最短の間隔(18msec程度)よりも短い時間で、前記所定の処理を複数回(4回)実行することによって前記処理対象候補の全てに対して前記特定の処理を実行することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴P4によれば、処理対象候補の全てに対して特定の処理が実行されるまでに要する時間を、1つの入球部に2個の遊技球が連続して入球して検知される最短の間隔よりも短くすることができるので、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報を、1個の遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報として記憶することができる。具体的に説明すると、入球部に2個の遊技球が連続して入球した場合に、最初の1個目の遊技球の入球が入球部において検知されることに基づいて更新された情報が処理対象として設定されて特定の処理が実行され、さらにその後に残りの他の処理対象候補が処理対象として設定されて特定の処理が実行されたとしても、次の2個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されるよりも先にこれら全ての特定の処理を終了することができる。すなわち、2個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報が処理対象として設定されて特定の処理が実行された時点においては、既に、1個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報に対する特定の処理は終了しており、2個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報は、新たな1個目の遊技球の入球が当該入球部において検知されることに基づいて更新された情報として扱うことができる。よって、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報は、1個の遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報として記憶することができる。その結果、例えば、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報を、入球の有無を示す2値の情報として記憶することが可能となる。この場合、各入球部への遊技球の入球が検知されることに基づいて更新される情報を記憶するための記憶容量を小さくすることができるとともに、特定の処理の処理速度を向上させることができる。
<特徴Q群>
特徴Q群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴Q1]
特定の処理(遊技履歴用処理)と前記特定の処理以外の他の処理(遊技の進行に関する処理)とを実行可能な処理実行手段(主側CPU62x)と、
情報の書き込みが可能な記憶領域(主側RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、処理の実行のための情報(レジスタ情報)を保持する保持手段(レジスタ)を備え、
前記特定の処理は、
前記保持手段が保持する情報であって前記他の処理の実行のための情報(レジスタ情報)を前記記憶領域に書き込む第1の処理(退避処理)と、
前記第1の処理において前記記憶領域に書き込まれた情報を前記保持手段に保持させる第2の処理(復帰処理)と、
を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、特定の処理は、保持手段が保持する情報であって他の処理の実行のための情報を記憶領域に書き込む第1の処理を含むので、処理実行手段が特定の処理の開始時に、保持手段が特定の処理の開始直前に実行していた他の処理の実行のための情報を保持している場合には、保持手段が保持していた他の処理の実行のための情報を記憶領域に書き込むことによって一時的に移動(退避)させることができる。よって、保持手段に保持されていた他の処理の実行のための情報を消去し、処理実行手段が特定の処理の実行時には、保持手段に特定の処理の実行のための情報を保持させることができる。また、特定の処理は、第1の処理において記憶領域に書き込まれた情報を保持手段に保持させる第2の処理を含むので、特定の処理を終了する際に、他の処理の実行のための情報を保持手段に再び保持させ、特定の処理の開始以前に実行していた他の処理を、特定の処理の開始直前の状態から再び実行することができる。さらに、第1の処理と第2の処理は特定の処理に含まれるので、特定の処理を実行するためのプログラムのみを削除しても特定の処理以外の他の処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、特定の処理以外の他の処理を実行するためのプログラムを改変せずに、特定の処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、特定の処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、当該遊技機に基づいて特定の処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
[特徴Q2]
特徴Q1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記特定の処理に含まれる前記第1の処理において、前記他の処理の実行のための情報を、前記記憶領域のうちの予め定められた特定の領域(第2エリア)に書き込み、かつ、前記特定の処理における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの前記特定の領域(第2エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q2によれば、処理実行手段は、特定の処理に含まれる第1の処理において、他の処理の実行のための情報を、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に書き込み、かつ、特定の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの特定の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に書き込まれている情報が、特定の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、当該他の領域を用いた処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該処理に対して特定の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴Q3]
特徴Q1または特徴Q2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記他の処理における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの前記特定の領域以外の他の領域(第1エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q3によれば、他の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域に書き込まれている情報が、他の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、特定の領域を用いて特定の処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該特定の処理に対して当該他の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴Q4]
特徴Q1から特徴Q3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理とは異なる処理であり、
前記他の処理は、前記遊技進行処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q4によれば、遊技進行処理とは異なる処理を実行するためのプログラムのみを削除しても遊技進行処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、遊技進行処理とは異なる処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、遊技進行処理とは異なる処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、遊技進行処理とは異なる処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。なお、遊技進行処理とは異なる処理としては、種々の任意の処理を採用することが可能であり、例えば、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報の算出及び表示を行なう処理や、遊技ホールに設置されているホールコンピュータに対して遊技の状況に関する情報を所定のタイミングで送信する送信処理等を採用することができる。
[特徴Q5]
特徴Q4に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)の算出及び表示を行なう処理である遊技履歴情報関連処理(遊技履歴用処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q5によれば、遊技履歴情報関連処理を実行するためのプログラムのみを削除しても遊技進行処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、遊技履歴情報関連処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、遊技履歴情報関連処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、遊技履歴情報関連処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
<特徴R群>
特徴R群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴R1]
特定の処理(遊技履歴用処理)を含む複数の処理を実行可能な処理実行手段(主側CPU62x)と、
情報の書き込みが可能な記憶領域(主側RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記特定の処理における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの予め定められた特定の領域(第2エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R1によれば、処理実行手段は特定の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に書き込まれている情報が、特定の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域を用いた処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該処理に対して特定の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴R2]
特徴R1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記特定の処理以外の他の処理(遊技の進行に関する処理)における情報の書き込みを、前記記憶領域のうちの前記特定の領域以外の他の領域(第1エリア)に対してのみ実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R2によれば、処理実行手段は、特定の処理以外の他の処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの特定の領域以外の他の領域に対してのみ実行するので、記憶領域のうちの特定の領域に書き込まれている情報が、当該他の処理の実行によって書き換えられてしまうことを抑制することができる。したがって、特定の領域を用いて特定の処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該特定の処理に対して当該他の処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴R3]
特徴R1または特徴R2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
処理の実行のための情報(レジスタ情報)を保持する保持手段(レジスタ)を備え、かつ、前記特定の処理と前記他の処理とを排他的に実行し、
前記特定の処理は、
前記保持手段が保持する情報であって前記他の処理の実行のための情報(レジスタ情報)を前記特定の領域に書き込む第1の処理(退避処理)と、
前記第1の処理において前記特定の領域に書き込まれた情報を前記保持手段に保持させる第2の処理(復帰処理)と、
を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴R3によれば、特定の処理は第1の処理を含むので、処理実行手段が特定の処理の開始時に、保持手段が特定の処理の開始直前に実行していた他の処理の実行のための情報を保持している場合には、保持手段が保持していた他の処理の実行のための情報を特定の領域に書き込むことによって一時的に移動(退避)させることができる。よって、保持手段に保持されていた他の処理の実行のための情報を消去し、処理実行手段が特定の処理の実行時には、保持手段に特定の処理の実行のための情報を保持させることができる。また、特定の処理は第2の処理を含むので、特定の処理を終了する際に、他の処理の実行のための情報を保持手段に再び保持させ、特定の処理の開始以前に実行していた他の処理を、特定の処理の開始直前の状態から再び実行することができる。さらに、第1の処理と第2の処理は特定の処理に含まれるので、特定の処理を実行するためのプログラムのみを削除しても特定の処理以外の他の処理が問題なく実行される遊技機を提供することができる。すなわち、特定の処理以外の他の処理を実行するためのプログラムを改変せずに、特定の処理を実行するためのプログラムのみを容易に削除することが可能となる。この結果、例えば、特定の処理を実行させないように当該遊技機を改良する場合や、当該遊技機に基づいて特定の処理を実行しない新たな遊技機を開発する場合において、設計変更を最小限にすることが可能となる。
[特徴R4]
特徴R1から特徴R3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の進行に関する処理である遊技進行処理とは異なる処理であり、
前記特定の処理以外の他の処理は、前記遊技進行処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴R4によれば、処理実行手段は、遊技進行処理とは異なる処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に対してのみ実行するので、遊技進行処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該遊技進行処理に対して、当該遊技進行処理とは異なる処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴R5]
特徴R4に記載の遊技機であって、
前記特定の処理は、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)の算出及び表示を行なう処理である遊技履歴情報関連処理(遊技履歴用処理)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴R5によれば、処理実行手段は、遊技履歴情報関連処理における情報の書き込みを、記憶領域のうちの予め定められた特定の領域に対してのみ実行するので、遊技進行処理が処理実行手段によって実行される場合に、当該遊技進行処理に対して遊技履歴情報関連処理が影響を与えてしまうことを抑制することができる。
<特徴S群>
特徴S群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態の態様23から抽出される。
[特徴S1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を検知する入球検知手段(入球検知センサー)と、
所定のパラメータ(賞球集計値)を記憶するパラメータ記憶手段(賞球集計用バッファ)と、
所定の間隔(4msecの間隔)で所定の処理(タイマ割込み処理)の実行を開始する処理実行手段(主側CPU62x)と
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記所定の処理として、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記所定のパラメータを前記入球部への遊技球の入球を契機として更新するパラメータ更新処理(賞球集計処理)と、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記所定のパラメータに基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を算出する算出処理(図29のタスク1及びタスク2)と、
を実行可能であり、
1回の前記所定の処理において、前記パラメータ更新処理を実行する場合には前記算出処理を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、1回の所定の処理においてパラメータ更新処理を実行する場合には算出処理を実行しない。すなわち、1回の所定の処理においてはパラメータ更新処理と算出処理の両方の処理を実行することはないので、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の1回の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。さらに、特徴S1によれば、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関するパラメータ更新処理を、遊技球の入球状況と処理負荷とが相関しない算出処理よりも優先して実行するので、パラメータ更新処理の実行の間隔が大きくなることを抑制し、その結果として当該パラメータ更新処理の処理結果(賞球集計値)が遊技球の入球状況を正確に反映することができなくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴S2]
特徴S1に記載の遊技機であって、
前記算出処理を実行するか否かを判定する判定手段(図29のステップS10810の処理)を備え、
前記処理実行手段は、
前記パラメータ更新処理を実行しない場合であって、前記判定手段によって前記算出処理を実行すると判定された場合に、前記算出処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S2によれば、パラメータ更新処理を実行しない場合であって判定手段によって算出処理を実行すると判定された場合に算出処理を実行するので、所定の処理においてパラメータ更新処理も算出処理も実行せずに、当該状況において、パラメータ更新処理及び算出処理の代わりに、これらの処理とは独立した他の処理(例えば、更新されたパラメータや、算出処理の算出結果の有効性を判定する処理等)を実行することが可能となる。さらに、1回の所定の処理においてパラメータ更新処理または算出処理のいずれかを実行した場合に当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも短くなる構成であれば、当該状況において、パラメータ更新処理及び算出処理よりも処理時間の短い処理を実行することによって、当該所定の処理の1回の実行に要する時間が所定の間隔よりも長くなってしまうことを確実に抑制することができる。
[特徴S3]
特徴S1または特徴S2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、前記算出処理において複数の種別の前記遊技履歴情報(役物比率、連続役物比率)を算出可能であるにも関わらず、1回の前記所定の処理における前記算出処理においては、一の種別の前記遊技履歴情報の算出についての処理(図29のタスク1またはタスク2)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S3によれば、算出処理において複数の種別の遊技履歴情報を算出可能であるにも関わらず、1回の所定の処理における算出処理においては、一の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を実行するので、1回の所定の処理における算出処理において複数の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を実行する構成と比較して、所定の処理の1回の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の実行に要する時間が、所定の処理の実行を開始する所定の間隔よりも長くなってしまい、所定の処理を所定の間隔で実行することができなくなってしまうといったことを抑制することができる。また、算出した遊技履歴情報を一時的に記憶するための記憶容量を削減することができる。
[特徴S4]
特徴S3に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記一の種別の遊技履歴情報の算出についての処理(図29のタスク1またはタスク2)を、複数回の前記所定の処理に亘って実行することによって、当該一の種別の遊技履歴情報を算出する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S4によれば、一の種別の遊技履歴情報の算出についての処理を、複数回の所定の処理に亘って実行することによって、当該一の種別の遊技履歴情報を算出するので、1回の所定の処理における算出処理において一の種別の遊技履歴情報の算出が完了する構成と比較して、1回の所定の処理の実行に要する時間を短縮することができる。この結果、所定の処理の実行に要する時間が、所定の処理の実行の間隔を超えてしまうことを抑制することができる。
なお、上記特徴O群〜特徴S群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴T群>
特徴T群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴T1]
第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の処理実行手段が送信した前記第1の情報と前記第2の情報とを受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、複数の処理(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定し、当該設定した前記複数の処理を順次実行し、
前記第1の情報を受信したことによって前記設定した前記複数の処理を順次実行中に前記第2の情報を受信した場合には、当該実行中の処理を終了して特定の処理(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T1ではない通常の遊技機では、第2の処理実行手段に複数の処理を順次実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段にそれぞれの処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段にそれぞれ送信する。そして、第2の処理実行手段に特定の処理を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に特定の処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段に送信する。すなわち、第2の処理実行手段に実行させる処理の数が多くなるほど、第1の処理実行手段が第2の処理実行手段に情報を送信する回数が多くなる。
具体的には、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後、第2の処理(右打ち報知演出)を実行させ、さらにその後に特定の処理(ラウンド演出)を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信した後、第2の処理(右打ち報知演出)を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信し、さらに特定の処理(ラウンド演出)を実行させるための情報(開放開始コマンド)を送信する。この場合、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を3回送信することになる。また、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後、第2の処理(右打ち報知演出)は実行させずに特定の処理(ラウンド演出)を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信した後、第2の処理(右打ち報知演出)を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)は送信せずに、特定の処理(ラウンド演出)を実行させるための情報(開放開始コマンド)を送信する。この場合、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信することになる。すなわち、通常の遊技機では、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信すればよいが、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を3回送信することになる。
これに対して、特徴T1によれば、第2の処理実行手段は、第1の情報を受信したことによって設定した複数の処理を順次実行中に第2の情報を受信した場合には、当該実行中の処理を終了して特定の処理を実行するので、複数の処理のうちの全ての処理を実行させた後に特定の処理を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、また、複数の処理のうちの未実行の処理は実行させずに特定の処理を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の情報と第2の情報とを送信すればよい。すなわち、第1の処理実行手段は、いずれの場合であっても、第2の処理実行手段に情報を2回送信すればよい。
具体的には、例えば、第2の処理実行手段が複数の処理として第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを順次実行するように設定した場合において、第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを実行させた後に特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、また、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)は実行させずに特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信すればよい。すなわち、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合であっても実行させない場合であっても、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信すればよい。したがって、特徴T1によれば、第1の処理実行手段の情報の送信頻度を低減することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
さらに、特徴T1によれば、第2の処理実行手段が第2の情報を受信したタイミングが変化することによって、設定された複数の処理のうち、実際に実行する処理の個数(演出の数)が変化することになる。したがって、第1の処理実行手段が第2の情報を送信するタイミングを制御して変化させることによって、第2の処理実行手段に実行させる処理の個数を変化させることができる。
[特徴T2]
特徴T1に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、前記複数の処理として、第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを順次実行するように設定し、
前記第1の情報を受信した後、前記第2の処理を実行する前に前記第2の情報を受信した場合には、前記第1の処理の後に実行するように設定されている前記第2の処理を実行せずに前記特定の処理(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T2によれば、第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを実行させた後に特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、また、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)は実行させずに特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信すればよい。すなわち、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合であっても実行させない場合であっても、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信すればよい。したがって、第1の処理実行手段の情報の送信頻度を低減することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴T3]
特徴T1または特徴T2に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行し、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T3によれば、第1の処理実行手段が遊技の進行に関する処理を実行する遊技機において、当該第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴T4]
特徴T2に従属する特徴T3に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の処理として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記特定の処理として、前記特典付与処理が実行されていることを遊技者に示唆する演出である特典付与中演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T4によれば、特典付与開始演出、発射態様示唆演出および特典付与中演出を実行する遊技機において、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
<特徴U群>
特徴U群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴U1]
第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の処理実行手段が送信した前記第1の情報と前記第2の情報とを受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第1の処理実行手段が前記第1の情報を送信した後に前記第2の情報を送信する際における当該送信の間隔が異なることによって、
前記第2の処理実行手段が実行する処理の態様が異なるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴U1ではない通常の遊技機では、第1の処理実行手段は、種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する。そして、第2の処理実行手段は、第1の処理実行手段から受信した情報の内容に対応した処理を実行する。すなわち、通常の遊技機では、種々の内容の処理を第2の処理実行手段に実行させるために、第1の処理実行手段は、種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する。
これに対して、特徴U1によれば、第1の処理実行手段が第1の情報を送信した後に第2の情報を送信する際における当該送信の間隔が異なることによって、第2の処理実行手段が実行する処理の態様が異なるように構成されているので、種々の内容の処理を第2の処理実行手段に実行させるために第1の処理実行手段が種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する構成と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴U2]
特徴U1に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後、第1の期間(10秒間のオープニング期間)の経過後に、第2の情報(開放開始コマンド)を送信する第1の送信態様と、
前記第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後、第2の期間(7秒間のオープニング期間)の経過後に、前記第2の情報(開放開始コマンド)を送信する第2の送信態様と、
を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段が前記第1の送信態様を実行した場合には、第1の処理(オープニング演出)を実行した後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行する処理態様となり、
前記第1の処理実行手段が前記第2の送信態様を実行した場合には、前記第1の処理(オープニング演出)を実行した後に前記第2の処理(右打ち報知演出)を実行しない処理態様となる
ことを特徴とする遊技機。
特徴U2によれば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合であっても、また、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合であっても、第1の処理実行手段は、第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後に第2の情報(開放開始コマンド)を送信すればよいので、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信するとともに、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信し、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信しないといった制御を実行する構成(比較例)と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴U3]
特徴U2に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段が前記第1の送信態様を実行した場合には、第1の処理(オープニング演出)及び第2の処理(右打ち報知演出)を実行した後に第3の処理(ラウンド演出)を実行する処理態様となり、
前記第1の処理実行手段が前記第2の送信態様を実行した場合には、前記第1の処理(オープニング演出)を実行した後に前記第2の処理(右打ち報知演出)を実行せずに前記第3の処理(ラウンド演出)を実行する処理態様となる
ことを特徴とする遊技機。
特徴U3によれば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させ、その後に第3の処理(ラウンド演出)を実行させる場合であっても、また、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させずに第3の処理(ラウンド演出)を実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後に第2の情報(開放開始コマンド)を送信すればよいので、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信するとともに、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信し、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信せず、第1の処理(オープニング演出)または第2の処理(右打ち報知演出)を実行させた後に第3の処理(ラウンド演出)を実行させる場合には当該第3の処理を実行させるための情報(開放開始コマンド)を送信するといった制御を実行する構成(比較例)と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴U4]
特徴U1から特徴U3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行し、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴U4によれば、第1の処理実行手段が遊技の進行に関する処理を実行する遊技機において、当該第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴U5]
特徴U3に従属する特徴U4に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の処理として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記第3の処理として、前記特典付与処理が実行されていることを遊技者に示唆する演出である特典付与中演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴U5によれば、特典付与開始演出、発射態様示唆演出および特典付与中演出を実行する遊技機において、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴U6]
特徴U1から特徴U5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行する遊技進行処理実行手段(主制御装置60)であり、
前記遊技進行処理実行手段は、
所定の抽選処理(大当たり抽選)を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果が所定の結果(大当たり)となった場合に、所定の複数の情報(オープニングコマンド及び開放開始コマンド)を順次送信する送信手段と、
前記所定の結果となった前記所定の抽選処理が実行された際の遊技状態(サポートモードの状態)に基づいて、前記送信手段が前記所定の複数の情報を順次送信する際の当該送信の間隔を決定する送信間隔決定手段と、
を備える遊技機。
特徴U6によれば、所定の結果となった所定の抽選処理が実行された際の遊技状態に基づいて、所定の複数の情報を順次送信する際の当該送信の間隔を決定するので、例えば、当該所定の複数の情報を受信した装置は、当該所定の複数の情報を受信した間隔が異なることに基づいて、所定の結果となった抽選処理が実行された際の遊技状態に対応した処理を実行することが可能となる。したがって、遊技状態に対応した処理を他の装置に実行させるために内容の異なる種々の情報を当該装置に送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴U7]
特徴U6に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する演出処理実行手段(音声発光制御装置90)であり、
前記演出処理実行手段は、前記送信手段によって送信された前記所定の複数の情報を受信し、当該受信の間隔が異なることに基づいて、前記遊技状態に対応した態様の演出を実行する(低頻度サポートモードに対応してオープニング演出及び右打ち報知演出を実行し、高頻度サポートモードに対応してオープニング演出のみを実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴U7によれば、演出処理実行手段は、遊技進行処理実行手段の送信手段によって送信された所定の複数の情報を受信し、当該受信の間隔が異なることに基づいて、遊技状態に対応した態様の演出を実行するので、遊技状態に対応した処理を演出処理実行手段に実行させるために内容の異なる種々の情報を当該演出処理実行手段に送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴U8]
特徴U6または特徴U7に記載の遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、前記所定の抽選処理の結果が前記所定の結果となった場合に、遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行する特典付与処理実行手段を備え、
第1の遊技状態(低頻度サポートモード中)において推奨される遊技球の発射態様が第1の発射態様(左打ち)であり、
第2の遊技状態(高頻度サポートモード中)において推奨される遊技球の発射態様が第2の発射態様(右打ち)であり、
前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)であり、
前記送信間隔決定手段は、
前記所定の結果となった前記所定の抽選処理が実行された際の遊技状態が前記第1の遊技状態の場合には、第1の送信間隔(10秒間隔)で前記所定の複数の情報を送信するように決定し、
前記所定の結果となった前記所定の抽選処理が実行された際の遊技状態が前記第2の遊技状態の場合には、第2の送信間隔(7秒間隔)で前記所定の複数の情報を送信するように決定し、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の送信間隔で送信された前記所定の複数の情報を受信した場合には、前記第2の発射態様による遊技球の発射が推奨されることを遊技者に対して示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記第2の送信間隔で送信された前記所定の複数の情報を受信した場合には、前記発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴U8によれば、推奨される遊技球の発射態様が特典付与処理の実行によって第1の発射態様から第2の発射態様に変化する場合には第2の発射態様を推奨する発射態様示唆演出が実行され、推奨される遊技球の発射態様が特典付与処理の実行によっても第2の発射態様のまま変化しない場合には発射態様示唆演出が実行されないことになる。したがって、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減しつつ、所定の抽選処理が実行された際の遊技状態に対応した適切な態様の演出を実行することができる。
<特徴V群>
特徴V群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴V1]
遊技の進行に関する処理を実行する遊技進行処理実行手段(主制御装置60)と、
遊技の演出に関する処理を実行する演出処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、
所定の抽選処理(大当たり抽選)を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果を表示するための処理である遊技回処理(図柄の変動表示及び停止表示)を実行する遊技回処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果が所定の結果(大当たり)となった場合に遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行する特典付与処理実行手段と、
前記所定の結果となった遊技回処理が終了してから前記特典付与処理が開始されるまでの期間である待機期間(オープニング期間)の長さを遊技状態(サポートモードの状態)に基づいて決定する待機期間決定手段と、
を備え、
前記演出処理実行手段は、前記待機期間の開始の際に、前記遊技状態に関わらず同一の処理(オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定する処理)を実行するにも関わらず、当該待機期間において、当該遊技状態に応じて異なる内容の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V1によれば、演出処理実行手段は、待機期間の開始の際に、遊技状態に関わらず同一の処理を実行するにも関わらず、当該待機期間において、当該遊技状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、待機期間の開始の際に遊技状態に応じて異なる処理を実行することなく、遊技状態に応じて長さが変化する待機期間に適した内容の演出を実行することができる。すなわち、演出処理実行手段は、遊技状態に応じて長さが変化する待機期間に適した内容の演出を実行するために、待機期間の開始の際に遊技状態を把握して当該遊技状態に応じて異なる処理を実行する必要がない。したがって、演出処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴V2]
特徴V1に記載の遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、前記待機期間の開始の際に第1の情報(オープニングコマンド)を送信し、前記特典付与処理の開始の際に第2の情報(開放開始コマンド)を送信し、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、前記遊技状態に関わらず、複数の演出(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定する処理を実行し、
前記第1の情報を受信したことによって前記設定した前記複数の処理を順次実行中に前記第2の情報を受信した場合には、当該実行中の演出を終了して特定の演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V2によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信してから第2の情報を受信するまでの間隔は、遊技状態に応じて異なることになるので、第1の情報を受信することによって設定された複数の演出のうち、実際に実行される演出は、当該間隔が短いほど少なく、当該間隔が長いほど多くなる。すなわち、特徴V2によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信した場合に遊技状態に関わらず複数の演出を順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、待機期間において実行される演出の内容を遊技状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
[特徴V3]
特徴V2に記載の遊技機であって、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、前記遊技状態に関わらず、前記複数の演出として、第1の演出(オープニング演出)と第2の演出(右打ち報知演出)とを順次実行するように設定し、
前記第1の情報を受信した後、前記第2の演出を実行する前に前記第2の情報を受信した場合には、前記第1の演出の後に実行するように設定されている前記第2の演出を実行せずに前記特定の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V3によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信してから第2の情報を受信するまでの間隔が遊技状態に応じて異なることによって、第2の演出が実行される場合とされない場合とがある。したがって、特徴V3によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信した場合に遊技状態に関わらず第1の演出と第2の演出とを順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、待機期間において第2の演出が実行されるか否かを遊技状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
[特徴V4]
特徴V3に記載の遊技機であって、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の演出として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の演出として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記特定の演出として、前記特典付与処理が実行されていることを遊技者に示唆する演出である特典付与中演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V4によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信した場合に遊技状態に関わらず特典付与開始演出と発射態様示唆演出とを順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、特典付与中演出が開始される前の待機期間において発射態様示唆演出が実行されるか否かを遊技状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
<特徴W群>
特徴W群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴W1]
所定の情報(オープニングコマンド)を送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の処理実行手段が送信した前記所定の情報を受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段の制御の状態(サポートモードの状態)を把握することが可能であり、
前記制御の状態が第1の状態(低頻度サポートモード)である場合に前記所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、第1の処理(オープニング演出)を実行し、
前記制御の状態が第2の状態(高頻度サポートモード)である場合に前記所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、前記第1の処理とは異なる内容の処理(ショートオープニング演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W1によれば、第2の処理実行手段に第1の処理を実行させる場合であっても、また、第2の処理実行手段に第1の処理とは異なる内容の処理を実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、所定の情報(同一の内容の情報)を送信すればよいので、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理を実行させる場合には当該第1の処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段に送信し、第2の処理実行手段に第1の処理とは異なる内容の処理を実行させる場合には当該異なる内容の処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段に送信する構成と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴W2]
特徴W1に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記制御の状態が前記第1の状態(低頻度サポートモード)である場合に前記所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、前記第1の処理(オープニング演出)を実行した後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W2によれば、第2の処理実行手段は、第1の処理実行手段の制御の状態が第1の状態(低頻度サポートモード)である場合に所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、第1の処理(オープニング演出)を実行した後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行するので、例えば、第1の処理実行手段が、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信し、さらに第2の処理(右打ち報知演出)を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信する構成(比較例)と比較して、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴W3]
特徴W1または特徴W2に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、前記制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報(高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド)を送信し、
前記第2の処理実行手段は、前記第1の処理実行手段から受信した前記状態情報に基づいて、前記第1の処理実行手段の前記制御の状態を把握する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W3によれば、第1の処理実行手段は、制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報を送信し、第2の処理実行手段は、状態情報に基づいて第1の処理実行手段の制御の状態を把握するので、第1の処理実行手段は、当該第1の処理実行手段の制御の状態に関する情報を所定の情報に含めて送信しなくてもよいため、第1の処理実行手段が所定の情報を送信する際における処理負荷を低減することができる。
[特徴W4]
特徴W1から特徴W3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行し、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W4によれば、第1の処理実行手段が遊技の進行に関する処理を実行する遊技機において、当該第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴W5]
特徴W2に従属する特徴W4に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の処理として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W5によれば、特典付与開始演出、発射態様示唆演出を実行する遊技機において、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
<特徴X群>
特徴X群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴X1]
遊技の進行に関する処理を実行する遊技進行処理実行手段(主制御装置60)を備える遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、
第1の遊技モード(低頻度サポートモード、低確率モード)と、前記第1の遊技モードよりも遊技者に有利な第2の遊技モード(高頻度サポートモード、高確率モード)とを実行可能であり、
所定の抽選処理(大当たり抽選)を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果を表示するための処理である遊技回処理(図柄の変動表示及び停止表示)を実行する遊技回処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果が所定の結果(大当たり)となった場合に遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行する特典付与処理実行手段と、
を備え、
前記特典付与処理実行手段は、
前記第1の遊技モード中に前記所定の抽選処理の結果が前記所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから第1の期間(10秒間のオープニング期間)の経過後に前記特典付与処理を開始し、
前記第2の遊技モード中に前記所定の抽選処理の結果が前記所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから前記第1の期間よりも時間的に短い第2の期間(4秒間のオープニング期間)の経過後に前記特典付与処理を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X1によれば、遊技進行処理実行手段は、第1の遊技モード中に所定の抽選処理の結果が所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから第1の期間の経過後に特典付与処理を開始し、第2の遊技モード中に所定の抽選処理の結果が所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから第1の期間よりも時間的に短い第2の期間の経過後に特典付与処理を開始するので、第2の遊技モード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、例えば、遊技者に有利な第2の遊技モード中は、特典付与処理が開始されることになる期待感が高いため、遊技者は、特典付与処理が開始されること自体よりも、特典付与処理が早期に開始されることを期待しながら遊技を行なっている。すなわち、第2の遊技モード中は、遊技者は、遊技にスピード感を求めることになる。特徴X1によれば、第2の遊技モード中は、第1の遊技モード中に比べて、所定の抽選処理の結果が所定の結果となった遊技回処理が終了してから短い時間で特典付与処理が開始されるので、第2の遊技モード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴X2]
特徴X1に記載の遊技機であって、
遊技の演出に関する処理を実行する演出処理実行手段(音声発光制御装置90)を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記抽選処理の結果が前記所定の結果となった遊技回処理が終了した際に所定の情報(オープニングコマンド)を送信し、前記特典付与処理が開始される際に第2の情報(開放開始コマンド)を送信する情報送信手段を備え、
前記演出処理実行手段は、
前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である第1の特典付与開始演出(オープニング演出)と、
前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出であって前記第1の特典付与開始演出よりも時間的に短い第2の特典付与開始演出(ショートオープニング演出)と、
を実行可能であり、
前記遊技進行処理実行手段の前記遊技モードの種別を把握可能であり、
前記第1の遊技モード中に前記所定の情報を受信した場合には、前記第1の期間において前記第1の特典付与開始演出を実行し、
前記第2の遊技モード中に前記所定の情報を受信した場合には、前記第2の期間において前記第2の特典付与開始演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X2によれば、演出処理実行手段は、遊技進行処理実行手段の遊技モードの種別を把握可能であり、第1の遊技モード中に所定の情報を受信した場合には、第1の期間において第1の特典付与開始演出を実行し、第2の遊技モード中に所定の情報を受信した場合には、第2の期間において第2の特典付与開始演出を実行するので、第1の期間または第2の期間の時間的長さにそれぞれ適した特典付与開始演出を実行することができる。さらに、特徴X2によれば、演出処理実行手段に第1の特典付与開始演出を実行させる場合であっても、また、第2の特典付与開始演出を実行させる場合であっても、遊技進行処理実行手段は、所定の情報(同一の内容の情報)を送信すればよいので、例えば、演出処理実行手段に第1の特典付与開始演出を実行させる場合には当該第1の特典付与開始演出を実行させるための情報を演出処理実行手段に送信し、第2の特典付与開始演出を実行させる場合には当該第2の特典付与開始演出を実行させるための情報を演出処理実行手段に送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴X3]
特徴X2に記載の遊技機であって、
前記演出処理実行手段は、
前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行可能であり、
前記第1の遊技モード中に前記所定の情報を受信した場合には、前記第1の期間において前記第1の特典付与開始演出を実行した後に前記発射態様示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X3によれば、演出処理実行手段は、第1の遊技モード中に所定の情報を受信した場合には、第1の期間において第1の特典付与開始演出を実行した後に発射態様示唆演出を実行するので、特典付与処理が実行される前に、遊技者に対して、特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を示唆することができるとともに、例えば、遊技進行処理実行手段の情報送信手段が演出処理実行手段に対して発射態様示唆演出を実行させるための情報を別途送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の情報送信手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴X4]
特徴X2または特徴X3に記載の遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、前記遊技モードが変化する際に当該遊技モードの種別に関する情報である種別情報(高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド)を送信し、
前記演出処理実行手段は、前記遊技進行処理実行手段から受信した前記種別情報に基づいて、前記遊技進行処理実行手段の前記遊技モードの種別を把握する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X4によれば、遊技進行処理実行手段は、遊技モードが変化する際に当該遊技モードの種別に関する情報である種別情報を送信し、演出処理実行手段は、遊技進行処理実行手段から受信した種別情報に基づいて、遊技進行処理実行手段の遊技モードの種別を把握するので、遊技進行処理実行手段は、当該遊技進行処理実行手段の遊技モードの種別に関する情報を所定の情報に含めて送信しなくてもよいため、遊技進行処理実行手段が所定の情報を送信する際における処理負荷を低減することができる。
<特徴Y群>
特徴Y群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態の変形例2及び変形例3から抽出される。
[特徴Y1]
第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後に第2の情報(開放開始コマンド)を送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の情報及び前記第2の情報を受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段の制御の状態(サポートモードの状態)を把握することが可能であり、
前記制御の状態に基づいて、前記第1の情報を受信してから前記第2の情報を受信するまでの期間(オープニング期間)において実行する処理の内容(演出の内容)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y1によれば、第2の処理実行手段は、第1の処理実行手段の制御の状態を把握することが可能であり、第1の処理実行手段の制御の状態に基づいて、第1の情報を受信してから第2の情報を受信するまでの期間において実行する処理の内容を決定するので、第1の処理実行手段は、自身の制御の状態に応じて第1の情報と第2の情報とを送信する態様を変化させる必要がなく、毎回、同じ送信態様で第1の情報と第2の情報とを送信することができる。したがって、第1の処理実行手段が第1の情報と第2の情報とを送信する送信態様を自身の制御の状態に応じて変化させるために必要となる制御を省略することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。また、特徴Y1によれば、第1の処理実行手段の制御の状態に応じた種々の内容の処理を第2の処理実行手段に実行させるために第1の処理実行手段が種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する構成と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴Y2]
特徴Y1に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、前記制御の状態が異なっていても、同一の間隔で前記第1の情報と前記第2の情報とを送信する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y2によれば、第1の処理実行手段は、自身の制御の状態が異なっていても同一の間隔で第1の情報と第2の情報とを送信するので、第1の処理実行手段が自身の制御の状態に応じて第1の情報と第2の情報とを送信する間隔を変化させるために必要となる制御を省略することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴Y3]
特徴Y1または特徴Y2に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記制御の状態が第1の状態の場合には、前記第1の情報を受信してから前記第2の情報を受信するまでの期間(オープニング期間)に含まれる第1の部分期間において第1の内容を含む演出(オープニング演出)を実行し、前記第1の情報を受信してから前記第2の情報を受信するまでの期間に含まれる部分期間であって前記第1の部分期間より後の第2の部分期間において第2の内容を含む演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記制御の状態が第2の状態の場合には、前記第1の部分期間において前記第1の内容を含む演出(ロングオープニング演出の0秒から7秒までの部分)を実行し、前記第2の部分期間において第3の内容を含む演出(変形例2ではロングオープニング演出の7秒から10秒までの部分、変形例3ではラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y3によれば、第1の部分期間においては第1の処理実行手段の制御の状態に関わらず同一の内容を含む演出が実行され、第2の部分期間においては第1の処理実行手段の制御の状態に応じて異なる内容を含む演出が実行されることになるので、第1の部分期間から第2の部分期間にわたって演出の内容がどのように変化するのかといった期待感を遊技者に与えることができる。また、特徴Y3によれば、第2の部分期間において、第1の処理実行手段の制御の状態に適した内容を含む演出を実行することができる。
[特徴Y4]
特徴Y1から特徴Y3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、前記制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報(高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド)を送信し、
前記第2の処理実行手段は、前記第1の処理実行手段から受信した前記状態情報に基づいて、前記第1の処理実行手段の前記制御の状態を把握する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y4によれば、第1の処理実行手段は、制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報を送信し、第2の処理実行手段は、状態情報に基づいて第1の処理実行手段の制御の状態を把握するので、第1の処理実行手段は、当該第1の処理実行手段の制御の状態に関する情報を第1の情報に含めて送信しなくてもよいため、第1の処理実行手段が第1の情報を送信する際における処理負荷を低減することができる。
なお、上記特徴T群〜特徴Y群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴Z群>
特徴Z群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴Z1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路上に設けられ、遊技球が入球可能な第1の入球領域(第3実施形態における非V入賞領域FNV)と、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記第1の入球領域よりも前記流路上の下流側に設けられ、遊技球が入球可能な第2の入球領域(V入賞領域FV)と、
前記第1の入球領域および前記第2の入球領域に寄与する機構であって、第1の状態(閉鎖状態)と第2の状態(開放状態)との間で遷移する状態遷移手段(第2開閉扉)と、
を備え、
前記状態遷移手段は、
前記第1の状態のときに、前記第1の入球領域と第2の入球領域とを、遊技球の入球が不可能または困難な状態にし、
前記第2の状態のときに、前記第1の入球領域と第2の入球領域とを、遊技球の入球が可能または容易な状態にする
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z1によれば、状態遷移手段が第1の状態と第2の状態との間の状態遷移のタイミングを制御することによって、遊技球を入球させる入球領域を制御することができる。
[特徴Z2]
特徴Z1に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、
前記第1の入球領域(非V入賞領域FNV)に対応する流路上の領域である第1の流路領域(第2開閉扉の上面の非V入賞領域FNVに対応する領域)を遊技球が流通する期間に前記第1の状態から第2の状態に遷移することによって、前記流路上を流通する遊技球が前記第1の入球領域に入球することを可能または容易にし、
前記第1の流路領域を遊技球が流通する期間に前記第1の状態を維持するとともに、当該遊技球が前記第1の流路領域を通過し前記第2の入球領域(V入賞領域FV)に対応する流路上の領域である第2の流路領域(第2開閉扉の上面のV入賞領域FVに対応する領域)を流通している期間に前記第1の状態から前記第2の状態に遷移することによって、前記流路上を流通する遊技球が前記第2の入球領域に入球することを可能または容易にする
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z2によれば、状態遷移手段が第1の状態と第2の状態との間の状態遷移のタイミングを制御することによって、流路を流通する遊技球を第1の入球領域に入球させたり、流路を流通する遊技球を第2の入球領域に入球させるなど、遊技球を入球させる入球領域を種々に制御することができる。換言すれば、2つの入球領域について、遊技球を入球させる入球領域の制御を、一つの状態遷移手段によって行うことができる。
[特徴Z3]
特徴Z1または特徴Z2に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、
前記第1の状態と前記第2の状態との間の状態の遷移を複数回行う動作モード(開閉実行モード)を備えるとともに、
前記第1の入球領域に対応する流路上の領域を第1の流路領域と定義し、
遊技球が前記第1の流路領域を通過するために必要な時間を第1流路領域通過時間と定義し、
前記動作モードにおける前記第2の状態と次の前記第2の状態との間に挟まれた前記第1の状態の持続時間を第1状態持続時間と定義した場合に、
前記動作モードとして、前記第1状態持続時間が前記第1流路領域通過時間より長い所定の動作パターンが含まれる第1の動作モード(第1種大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z3によれば、第1の流路領域に定期的に遊技球が到達するとともに第1の流路領域に遊技球が到達する時間的間隔が第1流路領域通過時間より短い場合には、状態遷移手段が第1の動作モードを実行することによって、第1の流路領域に定期的に到達する遊技球の少なくとも一つを、第2の入球領域に入球させることができる。
[特徴Z4]
特徴Z3に記載の遊技機であって、
前記第2の入球領域に対応する流路上の領域を第2の流路領域と定義し、
遊技球が前記第1の流路領域に進入してから前記第2の流路領域を進出するまでに必要な時間を入球領域通過時間と定義した場合に、
前記第1の動作モードに含まれる前記所定の動作パターンは、前記第1状態持続時間が前記第1流路領域通過時間より長く、かつ、前記入球領域通過時間より短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z4によれば、所定の動作パターンの実行中は、第1の流路領域に定期的に到達する遊技球の少なくとも一つを第2の入球領域に入球させることができるとともに、第1の流路領域に到達するほぼ全ての遊技球を第1の入球領域または第2の入球領域のいずれか一方に入球させることができる。
[特徴Z5]
特徴Z1から特徴4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、
前記第1の状態と前記第2の状態との間の状態の遷移を複数回行う動作モードを備えるとともに、
前記第1の入球領域に対応する流路上の領域を第1の流路領域と定義し、
遊技球が前記第1の流路領域を通過するために必要な時間を第1流路領域通過時間と定義し、
前記動作モードにおける前記第2の状態と次の前記第2の状態との間に挟まれた前記第1の状態の持続時間を第1状態持続時間と定義した場合に、
前記動作モードとして、全ての前記第1状態持続時間が前記第1流路領域通過時間より短い第2の動作モード(第2大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z5によれば、第2の動作モードを実行中は、第2の入球領域に遊技球が入球することを抑制することができるとともに、第1の流路領域に到達するほぼ全ての遊技球を第1の入球領域に入球させることができる。
[特徴Z6]
特徴Z5に記載の遊技機であって、
前記第1の入球領域よりも前記流路上の上流側に設けられ、遊技球が入球可能な第3の入球領域(第1大入賞口)を備え、
前記第3の入球領域は、遊技球の入球が不可能または困難な状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態との間で状態を遷移可能であり、
前記第3の入球領域に対応する流路上の領域を第3の流路領域と定義し、
遊技球が前記第3の流路領域に進入してから前記第1の流路領域を進出するまでに必要な時間を第2入球領域進入時間と定義した場合に、
前記状態遷移手段は、
前記第2の動作モードを実行する場合は、前記第3の入球領域が遊技球の入球が可能または容易な状態から遊技球が入球が不可能または困難な状態へと遷移した時点を基準として、前記第2入球領域進入時間が経過する前に、前記第2の動作モードにおける最初の前記第1の状態から前記第2の状態への状態遷移を開始する、
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z6によれば、第2の動作モードの実行開始時に、第2の流路領域上に遊技球が流通することを抑制することができる。その結果、第2の動作モードの開始とともに、状態遷移手段が第1の状態から第2の状態に遷移した時に、遊技球が第2の入球領域に入球することを抑制することができる。よって、第2の動作モードを実行中に、第2の入球領域に遊技球が入球することをさらに抑制することができる。
<特徴αA群>
特徴αA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αA1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記流路の上流側から順に設けられた上流側入球部(第3実施形態における第1大入賞口)および下流側入球部(第2大入賞口)と、
前記上流側入球部の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態(閉鎖状態)と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態(開放状態)との間で遷移させる上流側状態遷移手段と、
前記下流側入球部の状態を、前記非入球可能状態と、前記入球可能状態との間で遷移させる下流側状態遷移手段と、
前記上流側状態遷移手段と下流側状態遷移手段とを制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記下流側入球部は、前記流路の上流側から順に、第1の入球領域(非V入賞領域FNV)と第2の入球領域(V入賞領域FV)とに区分され、
前記上流側状態遷移手段が前記非入球可能状態の前記上流側入球部を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態へ遷移させる動作、および、前記下流側状態遷移手段が前記非入球可能状態の前記下流側入球部を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態へ遷移させる動作を、単位動作と定義した場合に、
前記上流側状態遷移手段による単位動作と、前記下流側状態遷移手段による単位動作とは、排他的に実行される
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA1によれば、制御手段が、上流側状態遷移手段による単位動作と下流側状態遷移手段による単位動作とを実行するタイミングを制御することによって、流路を流通する遊技球を上流側入球部のみに入球させたり、下流側入球部の第1の入球領域のみに入球させたり、下流側入球部の第1の入球領域と第2の入球領域とに入球させるなど、遊技球を入球させる入球部または入球領域を制御することができる。
[特徴αA2]
特徴αA1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
所定の遊技状態が開始された場合には、前記下流側状態遷移手段による前記単位動作の実行に先立って、前記上流側状態遷移手段による前記単位動作を実行するとともに、
前記上流側状態遷移手段による前記単位動作を終了してから前記下流側状態遷移手段による前記単位動作を開始するまでの時間を、遊技球が前記非入球可能状態の前記上流側入球部に対応する前記流路上の領域である上流流路領域に進入してから前記非入球可能状態の前記下流側入球部の前記第1の入球領域に対応する前記流路上の領域である第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも短い時間に制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA2によれば、下流側状態遷移手段による単位動作の開始時に、非入球可能状態の下流側入球部に対応する流路上の領域である下流流路領域に遊技球が存在し、下流側状態遷移手段による単位動作の開始とともに下流側入球部に遊技球が意図せず入球してしまうことを抑制することができる。例えば、上流側状態遷移手段による単位動作と下流側状態遷移手段による単位動作とを実行するタイミングを制御することによって流路を流通する遊技球を上流側入球部のみに入球するように制御する場合に、仮に、最初に下流側状態遷移手段による単位動作を開始すると、下流流路領域に遊技球が存在し、下流側状態遷移手段による単位動作の開始とともに下流側入球部に遊技球が意図せず入球してしまう虞がある。一方、本特徴のように制御すれば、遊技球が上流流路領域および下流流路領域を流通するタイミングを大凡制御することができ、遊技球を入球させる入球部または入球領域を制御しやすくすることができる。
[特徴αA3]
特徴αA1または特徴αA2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、第1の遊技状態(第2種大当たりに対応する開閉実行モード)が開始された場合には、前記下流側状態遷移手段による前記単位動作を連続して複数回実行する第1の動作パターンを実行するとともに、
前記第1の動作パターンについての前記下流側状態遷移手段による連続した前記複数回の単位動作における一の単位動作が終了してから次の単位動作が開始されるまでの時間は、遊技球が前記非入球可能状態の前記下流側入球部の前記第1の入球領域に対応する前記流路上の領域である第1流路領域に進入してから前記第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA3によれば、第1の動作パターンを実行中に、下流流路領域に到達した遊技球をほぼ全て下流側入球部の第1の入球領域に入球させることができる。
[特徴αA4]
特徴αA1から特徴αA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、第2の遊技状態(第1種大当たりに対応する開閉実行モード)が開始された場合には、前記下流側状態遷移手段による前記単位動作を連続して複数回実行する第2の動作パターンを実行するとともに、
前記第2の動作パターンについての前記下流側状態遷移手段による連続した前記複数回の単位動作における一の単位動作が終了してから次の単位動作が開始されるまでの時間には、遊技球が前記第1流路領域に進入してから前記第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも長い場合が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA4によれば、第2の動作パターンを実行中に、遊技球を下流側入球部の第2の入球領域に入球させることができる。
[特徴αA5]
特徴αA4に記載の遊技機であって、
前記第2の動作パターンについての前記下流側状態遷移手段による連続した前記複数回の単位動作における一の単位動作が終了してから次の単位動作が開始されるまでの時間は、遊技球が前記第1流路領域に進入してから前記第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも長く、かつ、遊技球が前記非入球可能状態の前記下流側入球部に対応する前記流路上の領域である下流流路領域に進入してから前記下流流路領域を進出するまでに必要な時間よりも短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA5によれば、第2の動作パターンを実行中に遊技球を下流側入球部の第2の入球領域に入球させることができるとともに、さらに、第2の動作パターンを実行中に下流流路領域に到達した遊技球をほぼ全て下流側入球部に入球させることができる。
<特徴αB群>
特徴αB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αB1]
遊技球が入球可能な複数の入球領域と、
前記複数の入球領域の状態を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行する(第3実施形態および第3実施形態の変形例4)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB1によれば、当該遊技機は複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するので、各入球領域毎に状態の遷移を制御する場合と比較して、制御を簡易化することができる。
[特徴αB2]
特徴αB1に記載の遊技機であって、
遊技球が流通する流路を備え、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、
前記複数の入球領域は、前記流路の上流から下流に向けて隣接して配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB2によれば、複数の入球領域は、流路の上流から下流に向けて隣接して配置されているので、流路を流通する遊技球の挙動に対応して制御手段が複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行する場合に、少ない数の遊技球の挙動に対応して制御を実行することが可能となる。具体的に説明すると、流路を流通する遊技球の挙動に対応して制御手段が複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動を把握する必要がある。例えば、比較例として、複数の入球領域が各々離れた位置に配置されている場合、制御手段が、流通する遊技球の挙動に対応して当該複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、離れて位置する各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動に対応した制御をする必要があり、制御が複雑化してしまう。すなわち、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が比較的大きく、当該全体の領域を流通する遊技球の数も比較的多くなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が多くなり、制御が複雑化する。一方、本特徴における複数の入球領域は隣接して配置されているため、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が上記比較例よりも小さくなり、当該全体の領域を流通する遊技球の数も少なくなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が少なくなり、制御を簡易化することができる。さらに、本特徴によれば、複数の入球領域は、流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の挙動を把握しやすく、制御をより簡易化することができる。具体的には、複数の入球領域は流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の方向がある程度一定の方向であるとともに、各入球領域に到達する遊技球の速度も各遊技球ごとのばらつきが小さい等、各入球領域に到達する各遊技球ごとの挙動のばらつきを小さくすることができる。結果として、各入球領域に到達する遊技球の挙動が把握しやすくなり、制御をより簡易化することができる。
[特徴αB3]
特徴αB1または特徴αB2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数の入球領域を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で同期して遷移させ、
当該制御手段が前記非入球可能状態の前記複数の入球領域を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態へ遷移させる動作を単位動作と定義し、
遊技球が前記非入球可能状態の各入球領域に対応する領域を通過するために必要な時間を入球領域通過時間と定義した場合に、
前記制御手段によって実行される前記単位動作から次の単位動作までの時間である非入球可能状態維持時間は、前記複数の入球領域の各入球領域通過時間に基づいて設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB3によれば、非入球可能状態維持時間を、複数の入球領域の各入球領域通過時間に基づいて設定する。複数の入球領域の各入球領域通過時間は把握することが可能であるので、非入球可能状態維持時間の決定および設定が容易であるとともに、制御を簡易化することができる。
[特徴αB4]
特徴αB1から特徴αB3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記複数の各入球領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段を備え、
前記複数の入球領域のうちの少なくとも一つ(第3実施形態におけるV入賞領域FV)は、遊技球が入球した場合に特典付与手段によって遊技者に付与される特典が、前記複数の入球領域のうちの他の入球領域と異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB4によれば、遊技者に付与される特典が他の入球領域と異なる入球領域を備えるので、制御手段が同期して実行する複数の入球領域の状態の遷移の態様を制御することによって、遊技者に付与する特典を制御することができる。
<特徴αC群>
特徴αC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αC1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路上に設けられ、遊技球が入球可能な第1の入球領域と、
前記第1の入球領域の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段によって前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合に、前記第1の入球領域に対応する流路上の領域である第1入球流路領域を遊技球が通過するために必要な時間である第1入球流路領域通過時間を調整する第1入球流路領域通過時間調整手段(第3実施形態における第2開閉扉に設けられた凸部または、第3実施形態の変形例2における第2開閉扉に設けられた磁性体部材)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αC1によれば、状態遷移手段が第1の入球領域を状態遷移させるタイミングの制御と、第1入球流路領域通過時間の調整とを行うことによって第1の入球領域への遊技球の入球のし易さを制御することができる。
[特徴αC2]
特徴αC1に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段が前記非入球可能状態である前記第1の入球領域を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態に遷移させる動作を単位動作と定義した場合に、
前記状態遷移手段は、複数回の単位動作を実行する動作モードであって、単位動作を終了してから次の単位動作を開始するまの時間的間隔が、前記第1入球流路領域通過時間よりも短い動作モードである第1動作モード(第2種大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC2によれば、状態遷移手段が第1動作モードの実行中は、第1の入球領域に到達したほぼ全ての遊技球を第1の入球領域に入球させることができる。
[特徴αC3]
特徴αC1または特徴αC2に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段が前記非入球可能状態である前記第1の入球領域を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態に遷移させる動作を単位動作と定義した場合に、
前記状態遷移手段は、複数回の単位動作を実行する動作モードであって、単位動作を終了してから次の単位動作を開始するまの時間的間隔が、前記第1入球流路領域通過時間よりも長い動作モードである第2動作モード(第1種大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC3によれば、状態遷移手段が第2動作モードの実行中は、上記の第1動作モードと比較して、第1の入球領域に入球させる遊技球の割合を低下させることができる。すなわち、第1の入球領域に到達した遊技球を、所定の割合で第1の入球領域に入球させずに通過させることができる。
[特徴αC4]
特徴αC3に記載の遊技機であって、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記第1の入球領域よりも前記流路上の下流側に設けられ、遊技球が入球可能な第2の入球領域を備え、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域を前記非入球可能状態に遷移させると同時に前記第2の入球領域を前記非入球可能状態に遷移させ、前記第1の入球領域を前記入球可能状態に遷移させると同時に前記第2の入球領域を前記入球可能状態に遷移させ、
前記第2の入球領域に対応する流路上の領域を第2入球流路領域と定義し、
前記遊技球が前記第1入球流路領域に進入してから前記第2入球流路領域を進出するまでに必要な時間を全入球流路領域通過時間と定義した場合に、
前記状態遷移手段が備える前記第2の動作モードは、単位動作を終了してから次の単位動作を開始するまの時間的間隔が、前記第1入球流路領域通過時間よりも長く前記全入球流路領域通過時間より短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC4によれば、状態遷移手段が第2動作モードの実行時に第1の入球領域に入球せずに通過した遊技球をほぼ全て、第2の入球領域に入球させることができる。
[特徴αC5]
特徴αC1から特徴αC4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域の開口部を開閉する開閉部材を備え、
前記第1入球流路領域通過時間調整手段は、前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合の前記開閉部材における、遊技球が流通する流通面に配置された凸部材である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC5によれば、開閉部材の流通面に配置する凸部材の数を調整することによって、容易に第1入球流路領域通過時間を調整することができる。
[特徴αC6]
特徴αC1から特徴αC5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域の開口部を開閉する開閉部材を備え、
前記第1入球流路領域通過時間調整手段は、前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合の前記開閉部材における、遊技球が流通する流通面に配置された磁性体部材である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC6によれば、磁性体部材が遊技球に及ぼす磁力の作用によって、流通面を流通する遊技球が特異な動きをするため、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αC7]
特徴αC1から特徴αC6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域の開口部を開閉する開閉部材を備え、
前記第1入球流路領域通過時間調整手段は、前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合の前記開閉部材における、遊技球が流通する流通面の傾斜である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC7によれば、流通面の傾斜角を調整することによって、容易に第1入球流路領域通過時間を調整することができる。
<特徴αD群>
特徴αD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αD1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記流路の上流側から順に設けられた上流側入球部(第3実施形態における第1大入賞口)および下流側入球部(第2大入賞口)と、
前記上流側入球部の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態(閉鎖状態)と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態(開放状態)との間で遷移させる上流側状態遷移手段と、
前記下流側入球部の状態を、前記非入球可能状態と、前記入球可能状態との間で遷移させる下流側状態遷移手段と、
を備える遊技機であって、
前記下流側入球部は、
遊技球の入球が遊技の状態を特定の状態に変化させる条件の一つとして設定されている領域である特定領域(V入賞領域FV)を有し、前記特定領域より上流側に前記特定領域とは異なる領域である所定領域(非V入賞領域FNV)を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD1によれば、下流側入球部の特定入球領域より上流側に所定領域を有するので、下流側状態遷移手段が下流側入球部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、下流側入球部に入球する遊技球を、特定領域に入球させやすくするか否かを制御することができる。一般的な遊技機の場合、1つの入球部が2つの領域を有する場合には、当該入球部の内部に、遊技球を2つの領域のどちらに入球させるかを制御するために遊技球を誘導する誘導機構を有する。このような遊技機の場合、入球部の状態を非入球可能状態と入球可能状態との間で制御する状態遷移手段の動作制御とは別に、上述した誘導機構の動作制御を行う必要があるため、制御が複雑になるとともに、当該制御を実行するためのプログラムを記憶させるための記憶領域も確保する必要がある。一方、本特徴の遊技機においては、下流側入球部が備える所定領域と特定領域のどちらに遊技球を入球させるかの制御を下流側状態遷移手段の動作制御で実現することができるので、上記した一般的な遊技機と比較して、制御を簡易化できるとともに、プログラムを記憶させるために必要な記憶領域を削減することができる。
[特徴αD2]
特徴αD1に記載の遊技機であって、
前記下流側入球部が前記非入球可能状態のときには、前記所定領域および前記特定領域は、いずれも遊技球の入球が不可能または困難な状態であり、
前記下流側入球部が前記入球可能状態のときには、前記所定領域および前記特定領域は、いずれも遊技球の入球が可能または容易な状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD2によれば、下流側状態遷移手段が下流側入球部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、実際には、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させた場合であっても、下流側入球部が入球可能状態のときには、所定領域および特定領域はいずれも遊技球の入球が可能または容易な状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。より具体的に説明すると、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させた場合であっても、特定領域に遊技球が入球しやすいタイミングで下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させた場合であっても、どちらの場合も下流側入球部が入球可能状態のときには、所定領域および特定領域はいずれも遊技球の入球が可能または容易な状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。
[特徴αD3]
特徴αD1または特徴αD2に記載の遊技機であって、
前記下流側入球部の開口部である下流側入球部開口部は前記流路面に面しており、
前記下流側状態遷移手段は、前記下流側入球部開口部を閉鎖状態にすることによって前記下流側入球部の状態を非入球可能状態に遷移させ、前記下流側入球部開口部を開放状態にすることによって前記下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させ、
前記下流側入球部が前記非入球可能状態のときには、前記特定領域に遊技球が入球する開口部である特定領域開口部と、前記所定領域に遊技球が入球する開口部である所定領域開口部とは、いずれも閉鎖状態であり、
前記下流側入球部が前記入球可能状態のときには、前記特定領域開口部と、前記所定領域開口部とは、いずれも開放状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD3によれば、下流側入球部開口部が閉鎖状態のときには、特定領域開口部と所定領域開口部とはいずれも閉鎖状態であり、下流側入球部開口部が開放状態のときには、特定領域開口部と所定領域開口部とはいずれも開放状態であるので、特定領域および所定領域が、いずれも遊技球の入球が不可能または困難な状態であるのか、または、いずれも遊技球の入球が可能または容易な状態であるのかを、遊技者に対して視覚によって判別しやすくすることができる。また、下流側状態遷移手段が下流側入球部開口部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、実際には、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部開口部の状態を開放状態に遷移させた場合であっても、下流側入球部開口部が開放状態のときには、所定領域開口部および特定領域開口部はいずれも開放状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。より具体的に説明すると、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部開口部の状態を開放状態に遷移させた場合であっても、特定領域に遊技球が入球しやすいタイミングで下流側入球部開口部の状態を開放状態に遷移させた場合であっても、どちらの場合も下流側入球部開口部が開放状態のときには、所定領域開口部および特定領域開口部はいずれも開放状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。
[特徴αD4]
特徴αD1から特徴αD3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記下流側入球部の開口部である下流側入球部開口部は、前記流路の流路面に面しているとともに、前記特定領域に遊技球が入球する開口部である特定領域開口部と、前記所定領域に遊技球が入球する開口部である所定領域開口部とに区分され、
前記所定領域開口部は、前記特定領域開口部よりも前記流路面の上流側に面している
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD4によれば、下流側入球部開口部は、特定領域開口部と所定領域開口部とに区分され、所定領域開口部は、特定領域開口部よりも流路面の上流側に面している。従って、下流側状態遷移手段は、流路面を流通する遊技球の挙動に対応して下流側入球部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、下流側入球部に入球する遊技球を、特定領域に入球させやすくするか否かを制御することができる。
<特徴αE群>
特徴αE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αE1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態(閉鎖状態)と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態(開放状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記入球部に入球した遊技球を排出する排出手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段には、前記状態遷移手段が前記入球部を前記非入球可能状態から前記入球可能状態に遷移させる条件である入球可能状態遷移条件が設定されており、
前記入球部に遊技球が存在しないことが、前記入球可能状態遷移条件として含まれ、
前記遊技機は、さらに、前記入球部に入球した遊技球が前記排出手段によって排出されることを遅らせる排出遅延手段(第3実施形態の変形例5における排出遅延手段)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE1によれば、入球部に遊技球が存在しないことが入球可能状態遷移条件として含まれるとともに、入球部に入球した遊技球が排出手段によって排出されることを遅らせる排出遅延手段を備える。従って、排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度によって、入球可能状態遷移条件が成立するまでの時間が異なるため、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間が異なる。すなわち、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間を不規則にすることができる。その結果、排出遅延手段に遊技者を注目させることができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αE2]
特徴αE1に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段が前記入球部を前記非入球可能状態に遷移させてから予め設定された所定時間が経過したことが、前記入球可能状態遷移条件として含まれている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE2によれば、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態に遷移させてから予め設定された所定時間が経過したことが入球可能状態遷移条件として含まれている。従って、入球部が非入球可能状態に遷移してから当該入球部に存在する遊技球が排出手段によって全て排出され当該入球部に遊技球が存在しなくなるまでの時間より、非入球可能状態に遷移してから予め設定された所定時間が経過するまでの時間の方が長い場合には、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するまでの時間は所定時間となる。一方、排出遅延手段の機能によって、入球部が非入球可能状態に遷移してから当該入球部に存在する遊技球が排出手段によって全て排出され入球部に遊技球が存在しなくなるまでの時間の方が、非入球可能状態に遷移してから予め設定された所定時間が経過するまでの時間よりも長い場合には、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するまでの時間は排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度に依存することになる。従って、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間をより一層不規則にすることができ、簡易な制御によって、入球部が状態遷移する挙動を複雑にすることができる。その結果、遊技者を入球部に注目させることができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αE3]
特徴αE1または特徴αE2に記載の遊技機であって、
遊技球が流通する流路を備え、
前記入球部は、遊技球が入球可能な第1の入球領域と、前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として前記第1の入球領域よりも前記流路上の下流側に設けられ、遊技球が入球可能な第2の入球領域(V入賞領域FV)とを備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE3によれば、入球部は第1の入球領域と第1の入球領域よりも下流側に第2の入球領域とを備えるので、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するタイミングによって、入球部に入球した遊技球が、第1の入球領域に入球する場合と第2の入球領域に入球する場合とがある。状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間は不規則であるので、遊技者は、入球部に入球した遊技球が第1の入球領域に入球するか第2の入球領域に入球するかを予測しにくく、遊技者を入球部に注目させることができるとともに、遊技者に対して緊迫感を付与することができる。
[特徴αE4]
特徴αE3に記載の遊技機であって、
前記制御部は、
前記状態遷移手段が前記入球部を前記非入球可能状態に遷移させてから予め設定された所定時間が経過したことを契機として、前記入球部を前記非入球可能状態から前記入球可能状態に遷移させることによって、前記第2の入球領域への遊技球の入球を制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE4によれば、遊技球が第2の入球領域に入球しにくいように所定時間を設定することや、遊技球が第2の入球領域に入球やすいように所定時間を設定することができる。その一方で、排出遅延手段が機能した場合には、排出遅延手段の機能によって、入球部が非入球可能状態に遷移してから当該入球部に存在する遊技球が排出手段によって全て排出され入球部に遊技球が存在しなくなるまでの時間の方が、非入球可能状態に遷移してから予め設定された所定時間が経過するまでの時間よりも長い場合には、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するまでの時間は排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度に依存することになる。すなわち、制御部が第2の入球領域への遊技球の入球を制御することが可能な場合と、不可能な場合とが生じる。その結果、例えば、遊技球が第2の入球領域に入球しにくいように所定時間が設定されている場合であっても、排出遅延手段が機能することによって、遊技球が第2の入球領域に入球しやすいタイミングで入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移する場合があり、遊技者に、期待感や緊張感を付与することができる。
[特徴αE5]
特徴αE3または特徴αE4に記載の遊技機であって、
前記第2の入球領域は、当該第2の入球領域への遊技球の入球が遊技の状態を特定の状態に変化させる条件の一つとして設定されている領域である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE5によれば、第2の入球領域に遊技球が入球するか否かに関して、遊技者に、より一層期待感や緊迫感を付与することができる。
<特徴αF群>
特徴αF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αF1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路上に設けられ、遊技球の入球が可能な入球領域と、
前記入球領域の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
遊技球が前記入球可能状態である前記入球領域に入球せずに当該入球領域を通過することを抑制する通過抑制手段(第3実施形態の変形例1における板状部材MD1、磁性体部材MD2)と、
と備えることを特徴とする遊技機。
特徴αF1によれば、通過抑制手段を備えるので、入球領域が入球可能状態であるにも関わらず、遊技球が入球せずに通過してしまうことを抑制する。仮に、入球領域が入球可能状態であるにも関わらず、遊技球が入球せずに通過する場合、遊技者に正当な特典が付与されずに、遊技者の遊技に対する期待感を低下させてしまう。本特徴は、そのような事象を抑制し、遊技者に付与すべき特典を正当に付与し、遊技者に期待感を付与するとともに、安心感を付与することができる。
[特徴αF2]
特徴αF1に記載の遊技機であって、
前記通過抑制手段は、前記入球領域に入球せずに通過する方向に進行する遊技球の進行方向を、前記入球領域に向けて進行する方向に補正する進行方向補正部材(第3実施形態の変形例1における板状部材MD1)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF2によれば、通過抑制手段は進行方向補正手段を備えるので、例えば、遊技球に対して付与された力学的な外的要因によって入球領域とは異なる方向に弾んでしまった遊技球の進行方向を補正し、遊技球を入球領域に入球させることができる。
[特徴αF3]
特徴αF2に記載の遊技機であって、
前記進行方向補正部材は、前記流路上の前記入球領域に対応する領域の上部に設けられた部材である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF3によれば、流路に沿って進行する遊技球が何らかの要因によって流路から浮いてしまい、入球領域を浮いた状態で通過してしまう事象を抑制することができる。すなわち、仮に入球領域で遊技球が浮いた状態となっても、流路上の入球領域に対応する領域の上部に設けられた部材に当たることによって、遊技球の進行方向が下向きに変更され、遊技球を入球領域に入球させることができる。
[特徴αF4]
特徴αF1から特徴αF3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記通過抑制手段は、前記流路における前記入球領域より上流側に設けられた磁性体部材を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF4によれば、流路に沿って進行する遊技球に対して、何らかの要因によって流路から浮く方向の力が作用しても、流路面に設けられた磁性体が遊技球に対して及ぼす磁力によって、遊技球に対して流路面に向かう方向の力が作用し、遊技球が流路から浮いてしまうことを抑制することができる。その結果、遊技球を入球領域に入球させることができる。
[特徴αF5]
特徴αF1から特徴αF4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記通過抑制手段は、前記流路における前記入球領域より上流側に設けられ、遊技球と流路との間の衝撃を緩衝する緩衝部材を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF5によれば、流路に沿って進行する遊技球に対して、何らかの要因によって流路から浮く方向の力が作用しても、緩衝部材によって当該流路から浮く方向の力を緩衝し、遊技球が流路から浮いてしまうことを抑制することができる。その結果、遊技球を入球領域に入球させることができる。
なお、上記特徴Z群〜特徴αF群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αG群>
特徴αG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αG1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記変化手段は、
前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG1によれば、遊技回において所定の量が予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備えるので、所定の量が閾値に達するまでの所定の量の変化の態様に遊技者を注目させることができる。また、所定の量が閾値に達した後の遊技について遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αG2]
特徴αG1に記載の遊技機であって、
特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化制御手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、前記閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG2によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化制御手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。従って、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴αG3]
特徴αG1または特徴αG2に記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG3によれば、遊技回において変化した所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理を実行するリセット手段を備えるので、遊技回が終了するまでに所定の量が予め設定された閾値に達するように遊技者に期待感を付与することができる。また、遊技回が開始され、所定の量が変化を開始したことを認識した遊技者に対して、遊技回の終了する時期を意識させ、所定の量の変化する態様に注目させることができる。
[特徴αG4]
特徴αG3に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量(蓄積ポイント)を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量(蓄積ポイント)を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない(蓄積ポイントを繰り越す)手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG4によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αG5]
特徴αG3または特徴αG4に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記第1の遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定するリセット実行制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG5によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、第1の遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、所定の量を初期値に戻すまたは維持する態様を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴αG6]
特徴αG3から特徴αG5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
所定の遊技回において変化した前記所定の量を前記リセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するリセット処理実行示唆手段(ステージ表示制御処理を実行する機能)を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴αG6によれば、所定の遊技回において変化した所定の量をリセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するので、リセット処理実行示唆手段による示唆によって、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らないと認識した遊技者に対して、初期値に戻らなかった所定の量が次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を付与することができる。
<特徴αH群>
特徴αH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αH1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段と、
を備え、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH1によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回の終了時点においても、遊技者に所定の量について注目させることができる。また、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αH2]
特徴αH1に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記第1の遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定するリセット実行制御手段を備える(第4実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH2によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、第1の遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、所定の量の変化する態様を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴αH3]
特徴αH1または特徴αH2に記載の遊技機であって、
前記所定の量(蓄積ポイント)が前記閾値(10ポイント)に達する所定の遊技回を第3の遊技回とした場合に、
前記特定処理実行手段は、
前記第3の遊技回より後に実行される第4の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記特定の処理(ボタン押下演出)を前記第3の遊技回において実行するか前記第3の遊技回より後に実行される遊技回において実行するかを決定する特定処理実行制御手段を備える(第4実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH3によれば、第3の遊技回より後に実行される第4の遊技回に対応する特別情報に基づいて、特定の処理を第3の遊技回において実行するか第3の遊技回より後に実行される遊技回において実行するかを決定するので、特定の処理を実行するタイミングに関して複数の遊技回に亘る関連性を付与することができる。よって、特定の処理が実行されたタイミングに基づいて、第3の遊技回に対応する特別情報および第3の遊技回より後に実行される遊技回に対応する特別情報に関して、遊技者に様々な推測をさせることができる。例えば、遊技回において特定の処理が実行されない場合であっても、次回の遊技回において特定の処理が実行されるから当該遊技回では特定の処理が実行されない可能性があるといった推測など、様々な推測を遊技者にさせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αH4]
特徴αH1から特徴αH3いずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記特定の処理として、特定の演出(ボタン押下演出)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH4によれば、特定の処理として、特定の演出を実行するので、遊技回の実行中に実行される演出に遊技者を注目させることができる。また、特定の演出の実行によって、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αH5]
特徴αH1から特徴αH4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する処理を含む
ことを特徴する遊技機。
特徴αH5によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
[特徴αH6]
特徴αH1から特徴αH5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の量(蓄積ポイント)に対応する表示をする所定量表示手段(ポイント蓄積処理を実行する機能/ステージ上に真珠の画像を表示する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH6によれば、所定の量に対応する表示をする所定量表示手段を備えるので、常に遊技者に所定の量を意識させることができ、遊技に注目させることができる。
[特徴αH7]
特徴αH1から特徴αH6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
所定の遊技回において変化した前記所定の量を前記リセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するリセット処理実行示唆手段を備える(第4実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴する遊技機。
特徴αH7によれば、所定の遊技回において変化した所定の量をリセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するので、リセット処理実行示唆手段による示唆によって、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らないと認識した遊技者に対して、初期値に戻らなかった所定の量が次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を付与することができる。
<特徴αI群>
特徴αI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αI1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
を備え、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI1によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αI2]
特徴αI1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、第1の遊技回において変化させる前記所定の量を、前記第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する変化量決定手段を備える(第4実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI2によれば、第1の遊技回において変化させる所定の量を、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、各遊技回において変化する所定の量を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴αI3]
特徴αI1または特徴αI2に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、遊技回において前記所定の量を変化させるタイミングを、当該遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する変化タイミング決定手段を備える(第4実施形態における演出情報設定処理および演出設定処理)
ことを特徴する遊技機。
特徴αI3によれば、遊技回において所定の量を変化させるタイミングを、当該遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、当該遊技回の変動時間を決定付ける特別情報やその他の特別情報によって決定する種々の要素に適合したタイミングで所定の量を変化させることができる。
[特徴αI4]
特徴αI1から特徴αI3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備え、
前記リセット手段は、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記第1の遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定する手段を備える(第4実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI4によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、第1の遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、所定の量を初期値に戻すまたは維持する態様を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴αI5]
特徴αI1から特徴αI4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理を実行するリセット手段を備え、
前記リセット手段は、
遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、当該遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定する手段を備える(第4実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI5によれば、遊技回に対応する特別情報に基づいて、当該遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、当該遊技回の変動時間を決定付ける特別情報やその他の特別情報によって決定する種々の要素を考慮して、当該遊技回において変化させた所定の量を初期値に戻すか否かを決定することができる。
[特徴αI6]
特徴αI1から特徴αI5いずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記特定の処理として、特定の演出(ボタン押下演出)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI6によれば、特定の処理として、特定の演出を実行するので、遊技回の実行中に実行される演出に遊技者を注目させることができる。また、特定の演出の実行によって、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αI7]
特徴αI1から特徴αI6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴する遊技機。
特徴αI7によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技者に対して遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴αJ群>
特徴αJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αJ1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量(蓄積ポイント)が予め設定された閾値(10ポイント)に達した場合に特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記所定の量が前記閾値に達した場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでの時間を示唆する時間示唆処理(タイマ演出)を実行する時間示唆手段(ポイント充填時制御処理を実行する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αJ1によれば、所定の量が閾値に達した場合に、特定の処理が実行されるまでの時間を示唆する時間示唆処理を実行する時間示唆手段を備えるので、特定の処理が実行されるまでの時間が示唆されてから、特定の処理が実行されるまでの期間中、継続的に、当該示唆された時間の経過後に実行される特定の処理について遊技者に期待感を付与することができる。また、時間の経過とともに特定の処理が実行されるまでの時間が短くなる様子が時間示唆手段によって示唆されるので、時間の経過とともに、遊技者の期待感を増大させることができる。
[特徴αJ2]
特徴αJ1に記載の遊技機であって、
前記所定の量が前記閾値に達する遊技回を第1の遊技回とした場合に、
前記時間示唆手段(ポイント充填時制御処理を実行する機能)は、
第1の場合には、前記第1の遊技回において前記時間示唆処理(タイマ演出)の実行を開始し、
第2の場合には、前記第1の遊技回において前記時間示唆処理(タイマ演出)の実行を開始せず、前記第1の遊技回より後に実行される遊技回である第2の遊技回において前記時間示唆処理の実行を開始する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ2によれば、第1の遊技回において所定の量が閾値に達した場合に、時間示唆処理の実行を、第1の遊技回において開始する場合と、第1の遊技回より後に実行される遊技回である第2の遊技回において実行する場合とがあるので、所定の量が閾値に達した場合に、当該遊技回で時間示唆処理が実行されるか否かを認識することによって、特定の処理がいつ実行されるのかを推測する楽しみを遊技者に付与することができる。
[特徴αJ3]
特徴αJ2に記載の遊技機であって、
前記第1の場合は、前記特定処理実行手段が前記第1の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合であり、
前記第2の場合は、前記特定処理実行手段が前記第1の遊技回より後に実行される遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ3によれば、所定の量が閾値に達した場合であって、時間示唆処理の実行が第1の遊技回において開始された場合には、遊技者に対して、第1の遊技回において特定の処理が実行されることを認識させ、第1の遊技回に対して遊技者に期待感を付与することができる。また、所定の量が閾値に達した場合であって、時間示唆処理の実行が第1の遊技回において開始されなかった場合には、遊技者に対して、第1の遊技回より後の遊技回において特定の処理が実行されることを認識させ、当該後の遊技回に対して遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αJ4]
特徴αJ1から特徴αJ3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の量が前記閾値に達する遊技回を第3の遊技回とした場合に、
前記特定処理実行手段は、
前記第3の遊技回より後に実行される第4の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記特定の処理を前記第3の遊技回において実行するか前記第3の遊技回より後に実行される遊技回において実行するかを決定する特定処理実行制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ4によれば、特定の処理を実行するタイミングに関して複数の遊技回に亘る関連性を付与することができる。よって、特定の処理が実行されるまでの時間を示唆する時間示唆処理が実行されるタイミングに基づいて、遊技者に、どの遊技回に期待できるかを推測させることができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴αJ5]
特徴αJ1から特徴αJ4いずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記特定の処理として、特定の演出(ボタン押下演出)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ5によれば、特定の処理として、特定の演出を実行するので、遊技回の実行中に実行される演出に遊技者を注目させることができる。また、特定の演出の実行によって、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αJ6]
特徴αJ1から特徴αJ5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴する遊技機。
特徴αJ6によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴αK群>
特徴αK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αK1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
特定の条件が満たされた場合に(第4実施形態において、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、第1の処理(待機中演出)を実行する第1処理実行手段と、
前記特定の条件が満たされた場合に(蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、第2の処理(タイマ演出)を実行する第2処理実行手段と、
を備え、
第1の遊技回において前記特定の条件が満たされた場合に、
前記第1処理実行手段は、
前記第2処理実行手段が前記第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)を実行する場合には、前記第1の遊技回において前記第1の処理(待機中演出)を実行し、
前記第2処理実行手段が前記第1の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)を実行する場合には、前記第1の処理(待機中演出)を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK1によれば、第1の遊技回において特定の条件が満たされた場合であって、第2の遊技回において第2の処理が実行される場合には、特定の条件が満たされてから第2の処理が実行されるまでに期間が生じる。このような場合に、第1処理実行手段は第1の遊技回において第1の処理を実行するので、特定の条件が満たされてから第2の処理が実行されるまでに生じた期間においても、遊技者に対して、後に第2の処理が実行されることを意識させることができ、第2の処理に対する期待感を持続させることができる。
[特徴αK2]
特徴αK1に記載の遊技機であって、
前記特定の条件が満たされた場合に(蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記第1の遊技回において前記特定の条件が満たされ、前記第1の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される場合には、前記第1の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)が実行され、
前記第1の遊技回において前記特定の条件が満たされ、前記第2の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される場合には、前記第2の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)が実行される
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK2によれば、第1の遊技回において特定の条件が満たされた場合に、遊技者は、第2の処理がどの遊技回において実行されるかを認識することによって、特定の処理が実行される遊技回を推測することができるので、遊技者に対して、第2の処理が実行されるタイミングに集中させることができるとともに、第2の処理の実行を認識した遊技者に対して期待感を付与することができる。
[特徴αK3]
特徴αK2に記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、前記第1の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行するか前記第2の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行するかを決定する特定処理実行制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK3によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、特定の処理を第1の遊技回において実行するか第2の遊技回において実行するかを決定するので、特定の処理を実行するタイミングに関して複数の遊技回に亘る関連性を付与することができる。よって、第2の処理の実行を認識した遊技者に特定の処理が実行されるタイミングを推測させることができるとともに、推測した特定の処理が実行されるタイミングに基づいて、各遊技回における特別情報が所定の条件を満たすか否かを推測させることができる。従って、遊技者に対して、様々な要素によって、各遊技回における特別情報が所定の条件を満たすか否かを推測させることができ、遊技者の期待感を維持することができる。
[特徴αK4]
特徴αK2または特徴αK3に記載の遊技機であって、
前記第2の処理(タイマ演出)は、前記特定の条件が満たされた場合に(蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでの時間を示唆する処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK4によれば、第2の処理の実行によって特定の処理が実行されるまでの時間が示唆されてから、特定の処理が実行されるまでの期間中、当該示唆された時間の経過後に実行される特定の処理について遊技者に期待感を付与することができる。また、時間の経過とともに特定の処理が実行されるまでの時間が短くなる様子が示唆されるので、時間の経過とともに、遊技者の期待感を増大させることができる。
[特徴αK5]
特徴αK1から特徴αK4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理(待機中演出)は、前記第2の処理(タイマ演出)が実行されることを示唆する処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK5によれば、第1の処理は、第2の処理が実行されることを示唆する処理であるので、第1の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、第2の処理の実行について期待感を付与することができる。
<特徴αL群>
特徴αL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αL1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記変化手段は、
前記遊技回において第1の処理(第4実施形態の変形例1における所定の演出)が実行された場合には、当該遊技回の前記第1の処理が実行された後に、前記所定の量を変化させる場合と、前記所定の量を変化させない場合とがあり、
前記遊技回において第2の処理(第4実施形態の変形例1における特定の演出)が実行された場合には、当該遊技回の前記第2の処理が実行された後に、前記所定の量を必ず変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL1によれば、遊技回において第2の処理が実行された場合には、当該遊技回において、必ず所定の量が変化するので、所定の量の変化を望む遊技者に対して、第2の処理の実行に対する期待感を付与することができるとともに、遊技に注目させることができる。また、第2の処理が実行された場合には、所定の量の変化を望んでいた遊技者に対して高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αL2]
特徴αL1に記載の遊技機であって、
特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL2によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。また、第2の処理が実行された場合には、当該遊技回において、必ず所定の量が変化するので、第2の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、特定の処理の実行についての期待感を付与することができる。
[特徴αL3]
特徴αL2に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL3によれば、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。従って、第2の処理、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴αL4]
特徴αL3に記載の遊技機であって、
前記第1の処理は、所定の演出(第4実施形態の変形例1における所定の演出)であり、
前記第2の処理は、予め設定された特定の演出(第4実施形態の変形例1における特定の演出)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL4によれば、遊技者に対して、遊技回において実行される演出に注目させることができる。そして、特定の演出が実行された際には、遊技者に対して大きな期待感や高揚感を付与することができる。
[特徴αL5]
特徴αL2から特徴αL4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL5によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴αM群>
特徴αM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αM1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の処理(第4実施形態におけるポイントの付与)を実行する所定処理実行手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記所定処理実行手段は、
前記遊技回の態様が第1の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の処理を実行する場合と、前記所定の処理を実行しない場合とがあり、
前記遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の処理を必ず実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM1によれば、遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の処理が実行されるので、所定の処理を望む遊技者に対して、当該遊技回における態様について期待感を付与することができるとともに、当該遊技回における遊技に注目させることができる。また、遊技回の態様が第2の態様であった場合には、所定の処理の実行を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回で所定の処理が実行されることについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αM2]
特徴αM1に記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記変化手段(第4実施形態の変形例2におけるポイント付与演出を実行する機能)は、
前記遊技回の態様が第1の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の量を変化させる場合と、前記所定の量を変化させない場合とがあり、
前記遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の量を必ず変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM2によれば、遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の量が変化するので、所定の量の変化を望む遊技者に対して、当該遊技回における態様について期待感を付与することができるとともに、当該遊技回における遊技に注目させることができる。また、遊技回の態様が第2の態様であった場合には、所定の量の変化を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回で所定の量が変化することについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αM3]
特徴αM2に記載の遊技機であって、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備え、
前記遊技回の前記第1の態様は、前記リセット手段が当該遊技回の終了を契機として前記所定の量を初期値に戻す態様であり、
前記遊技回の前記第2の態様は、前記リセット手段が当該遊技回の終了を契機として前記所定の量を初期値に戻さない態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM3によれば、リセット手段が当該遊技回の終了を契機として所定の量を初期値に戻さない場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の量が変化するので、所定の量の変化を望む遊技者に対して、当該遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らないことについて期待感を付与することがきる。よって、遊技者に対して、当該遊技回の終了時点においても遊技に注目させることができる。また、遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らなかった場合には、所定の量の変化を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回で所定の量が変化することについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αM4]
特徴αM2または特徴αM3に記載の遊技機であって、
特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量を、予め設定された閾値に達するようにに変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM4によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。また、遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らなかった場合は、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の量が変化するので、当該遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らなかったことを認識した遊技者に対して、特定の処理の実行についての期待感を付与することができる。
[特徴αM5]
特徴αM4に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM5によれば、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。従って、リセット処理の有無、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴αM6]
特徴αM3から特徴αM5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
所定の遊技回において変化した前記所定の量を前記リセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するリセット処理実行示唆手段(ステージ表示制御処理を実行する機能)を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴αM6によれば、所定の遊技回において変化した所定の量をリセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するので、リセット処理実行示唆手段による示唆によって、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らないと認識した遊技者に対して、当該所定の遊技回より後の遊技回で必ず所定の量が変化するといった期待感、および、初期値に戻らなかった所定の量が当該所定の遊技回より後の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を付与することができる。
[特徴αM7]
特徴αM4から特徴αM6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM7によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴αN群>
特徴αN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αN1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の処理を実行する所定処理実行手段と、
前記所定処理実行手段が前記所定の処理を実行することに先立って、所定の演出(ポイント付与演出)を実行する所定演出実行手段と、
を備え、
前記所定処理実行手段は、
前記所定演出実行手段が前記所定の演出を実行したにも関わらず、前記所定の処理を実行しない無実行処理(付与ポイントが0であるポイント付与演出)を実行する無実行手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN1によれば、所定処理実行手段は、所定演出実行手段が所定の演出を実行したにも関わらず、所定の処理を実行しない無実行処理を実行する無実行手段を備えるので、所定の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、無実行処理が実行されないように期待させることができる。また、無実行処理を実行しなかった場合には遊技者に高揚感を付与することができ、無実行処理を実行した場合には遊技者を落胆させる。すなわち、無実行処理の実行の有無によって、遊技者の期待感に抑揚を付与することができ遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αN2]
特徴αN1に記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、
前記所定の処理として、前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段を備え、
前記無実行手段は、
前記所定演出実行手段が前記所定の演出を実行したにも関わらず、前記所定の量を変化させない無変化処理(付与ポイントが0であるポイント付与演出)を実行する無変化手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN2によれば、所定演出実行手段が所定の演出を実行したにも関わらず、所定の量を変化させない無変化処理を実行する無変化手段を備えるので、所定の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、無変化処理が実行されないように期待させることができる。また、無変化処理を実行しなかった場合には遊技者に高揚感を付与することができ、無変化処理を実行した場合には遊技者を落胆させる。すなわち、無変化処理の実行の有無によって、遊技者の期待感に抑揚を付与することができ遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αN3]
特徴αN2に記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備え、
遊技回が開始されてから前記リセット手段が前記リセット処理を実行するまでの期間に、前記無変化手段が前記無変化処理(付与ポイントが0であるポイント付与演出)を実行する回数に上限が設けられている(第4実施形態における変形例3)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN3によれば、遊技回が開始されてからリセット手段がリセット処理を実行するまでの期間に、無変化手段が無変化処理を実行する回数に上限が設けられているので、無変化処理の実行回数が上限に達したことを認識した遊技者に対して、所定の演出が実行されることについて強い期待感を付与することができる。なぜなら、無変化処理の実行回数が上限に達した場合には、その後に所定の演出が実行された場合には、必ず、所定の量が変化するからである。よって、無変化処理を実行した場合であっても、遊技者に対して、実行回数が上限に達することについての期待感を付与することができる。すなわち、所定の演出が実行された場合において、無変化処理を実行しなかった場合には所定の量が変化するので遊技者に高揚感を付与することができ、また、無変化処理を実行した場合であっても遊技者に期待感(実行回数が上限に達することについての期待感)を付与することができる。その結果、無変化処理を実行しなかった場合、および、無変化処理を実行した場合のいずれの場合であっても遊技者の期待感を増大させることができる。
[特徴αN4]
特徴αN2または特徴αN3に記載の遊技機であって、
特定の処理を実行する特定処理実行手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN4によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備えるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。また、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、より一層大きな期待感を付与することができる。従って、所定の演出、無変化処理の有無、無変化処理の実行回数、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴αN5]
特徴αN3または特徴αN4に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN5によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達するように遊技者に期待をさせることができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴αO群>
特徴αO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αO1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に、第1の特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する第1特定処理実行手段と、
前記所定の量が前記閾値に達しない場合に、第2の特定の処理(第4実施形態の変形例4における未充填演出)を実行する第2特定処理実行手段と、
を備え、
前記第2の特定の処理(未充填演出)が実行された場合には、前記第2の特定の処理が実行される前における前記所定の量の初期値からの変化量(蓄積ポイント)が、第1の変化量である場合よりも、前記第1の変化量よりも大きい第2の変化量である場合の方が、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO1によれば、所定の量が予め設定された閾値に達せず第1の特定の処理が実行されない場合であっても、第2の特定の処理が実行された場合には、所定の量の初期値からの変化量が大きいほど、特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高く、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、所定の量が予め設定された閾値に達せず第1の特定の処理が実行されない場合であって、所定の量の初期値からの変化量が比較的大きい場合には、第2の特定の処理が実行されることについて遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αO2]
特徴αO1に記載の遊技機であって、
前記第1の特定の処理(ボタン押下演出)は、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が実行される確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO2によれば、第1の特定の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たすことについて、強い期待感を付与することができる。また、第1の特定の処理は、所定の量が閾値に達することで実行されるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αO3]
特徴αO1または特徴αO2に記載の遊技機であって、
前記第2の特定の処理(未充填演出)は、当該第2の特定の処理が実行される前における前記所定の量(蓄積ポイント)に応じて、処理の内容が異なる(第4実施形態の変形例4)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO3によれば、第2の特定の処理が実行される前における所定の量に応じて処理の内容が異なるので、所定の量がどのような場合であっても第2の特定の処理の内容に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αO4]
特徴αO1から特徴αO3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の特定の処理(未充填演出)が実行された後に、第3の特定の処理(第4実施形態の変形例4における未充填発展演出)を実行する第3特定処理実行手段を備え、
遊技回において、前記第1の特定の処理(ボタン押下演出)が実行される場合よりも、前記第3の特定の処理(未充填発展演出)が実行される場合の方が、当該遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO4によれば、第1の特定の処理が実行される場合よりも、第3の特定の処理が実行される場合の方が、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高い。よって、所定の量が予め設定された閾値に達せず第1の特定の処理が実行されない場合であっても、第2の特定の処理が実行された場合には、遊技者に対して、その後、第3の特定の処理が実行されることについて強い期待感を付与することができる。さらに、第3の特定の処理が実行された場合には、第1の特定の処理が実行される場合よりも遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高いので、第3の特定の処理が実行されたことを認識した遊技者に、より一層強い期待感を付与することができる。まとめると、所定の量が閾値に達した場合には第1の特定の処理が実行されるので遊技者に対して期待感を付与することができ、所定の量が閾値に達しない場合であっても、第2の特定の処理が実行されることについて遊技者に期待感を付与し、さらに、第2の特定の処理が実行された場合には、第3の特定の処理が実行されることについて遊技者に強い期待感を付与することができる。よって、遊技がどのような状況であっても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴αP群>
特徴αP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αP1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示する遊技回表示手段と、
表示中の前記遊技回表示の表示態様を変化させる表示態様変化処理を実行する表示態様変化手段(第4実施形態の変形例5において遊技回表示の表示態様を変化させる処理を実行する機能)と、
前記遊技回において所定の処理(第4実施形態におけるポイントの付与)を実行する所定処理実行手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
を備え、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行するタイミングと、前記所定処理実行手段が前記所定の処理を実行するタイミングとは、時間的な相関関係を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP1によれば、遊技回表示の表示態様の変化と、所定の処理の実行とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
[特徴αP2]
特徴αP1に記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、
遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段を備え(第4実施形態における変形例5)、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行するタイミングと、前記変化手段が前記所定の量を変化させるタイミングとは、時間的な相関関係を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP2によれば、遊技回表示の表示態様の変化と、所定の量の変化とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
[特徴αP3]
特徴αP2に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行してから、所定時間内に、前記所定の量を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP3によれば、遊技回表示の表示態様が変化したことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内に所定の量が変化したことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。
[特徴αP4]
特徴αP2に記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行するタイミングと、前記変化手段が前記所定の量を変化させるタイミングとは、同時である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP4によれば、遊技回表示の表示態様の変化と所定の量の変化とを遊技者に同時に認識させることで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
[特徴αP5]
特徴αP2に記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段は
前記変化手段が前記所定の量を変化させてから、所定時間内に、記表示態様変化処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP5によれば、所定の量が変化したことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内に遊技回表示の表示態様が変化したことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。
[特徴αP6]
特徴αP2から特徴αP5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段が変化させた後の遊技回表示の表示態様と、前記変化手段が変化させた所定の量の変化量とは相関関係を有する(第4実施形態における変形例5)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP6によれば、表示態様変化手段が変化させた後の遊技回表示の表示態様と、変化手段が変化させた所定の量の変化量とに相関関係を持たせることで、表示態様変化手段が変化させた後の遊技回表示の表示態様が遊技者の期待に沿う態様であった場合、および、変化手段が変化させた所定の量の変化量が大きい場合に、遊技者に対して、より一層強い期待感や優越感を付与することができる。
[特徴αP7]
特徴αP2から特徴αP6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合には、前記遊技回表示の表示態様を第1の表示態様に変化させるよりも、前記遊技回表示の表示態様を第2の表示態様に変化させる確率が高く、
前記表示態様変化手段が前記遊技回表示を前記第1の表示態様に変化させる場合に前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を第1の変化量とし、
前記表示態様変化手段が前記遊技回表示を前記第2の表示態様に変化させる場合に前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を第2の変化量とした場合に、
前記第2の変化量の平均値は、前記第1の変化量の平均値よりも大きい(第4実施形態における変形例5)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP7によれば、特別情報が所定の条件を満たす場合には遊技回表示の表示態様を第2の表示態様に変化させる確率が高く、さらに、表示態様変化手段が遊技回表示を、第2の表示態様に変化させた場合には、第1の表示態様に変化させた場合よりも、所定の量の変化量が大きい場合が多いので、遊技回表示の表示態様の変化と、所定の量の変化とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、特別情報が所定の条件を満たすことについての遊技者の期待感を相乗的に増大させることができる。
<特徴αQ群>
特徴αQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αQ1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
既に変化させた前記所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を表示する変化態様情報表示手段(第4実施形態の変形例13において蓄積ポイントを示すステージSt上の真珠の画像を表示する機能)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ1によれば、既に変化させた所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を表示する変化態様情報表示手段を備えるので、所定の量がどのように変化したのかを遊技者が容易に把握することを可能とし、変化態様情報に基づいて遊技者に種々の推測を促し、遊技者に対して期待感を付与することができる。
[特徴αQ2]
特徴αQ1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、所定の量を複数のタイミングで変化させる手段を備え、
前記変化態様情報表示手段は、
前記変化手段が前記各タイミングにおいて変化させた前記所定の量の変化量が識別可能な態様で、前記変化態様情報を表示する手段(第4実施形態の変形例13において蓄積ポイントを示すステージSt上の真珠の画像を表示する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ2によれば、変化手段が各タイミングにおいて変化させた所定の量の変化量が識別可能な態様で、変化態様情報を表示するので、当該変化態様情報を認識した遊技者に対して、例えば、これまでの各タイミングにおいて変化した所定の量の変化量について規則性を見出そうとすることを促したり、次回以降のタイミングにおける所定の量の変化量を推測することを促したりすることを可能にし、遊技者に対して、変化態様情報に基づいた新たな楽しみを提供することができる。
[特徴αQ3]
特徴αQ1または特徴αQ2に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、
前記遊技回に対応する特別情報に基づいて、前記所定の量の変化の態様を決定する手段(第4実施形態の変形例12において演出シナリオに基づいてポイント付与シナリオを決定する機能)を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴αQ3によれば、遊技回に対応する特別情報に基づいて、所定の量の変化の態様を決定するので、既に変化させた所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を認識した遊技者に対して、当該遊技回に対応する特別情報について期待感を付与することができる。
[特徴αQ4]
特徴αQ3に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する特別情報に基づいて、当該遊技回において実行する演出を決定する演出決定手段を備え、
前記変化手段は、
前記決定された前記演出(第4実施形態の変形例12において演出シナリオ)に基づいて、前記所定の量の変化の態様(第4実施形態の変形例12においてポイント付与シナリオ)を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ4によれば、遊技回に対応する特別情報に基づいて当該遊技回において実行する演出を決定し、決定された演出に基づいて所定の量の変化の態様を決定するので、既に変化させた所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を認識した遊技者に対して、当該遊技回において後に実行される演出の内容について種々の推測をさせ、変化態様情報に基づいた期待感を付与することができる。
<特徴αR群>
特徴αR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αR1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を変化させることを示唆する演出である第1の演出(第4実施形態の変形例14におけるポイント付与示唆演出)を実行する第1演出実行手段と、
前記第1の演出が実行された後に、前記所定の量を変化させることを示す演出である第2の演出(第4実施形態の変形例14におけるポイント付与実行演出)を実行する第2演出実行手段と、
を備え、
前記第2演出実行手段は、
第1の場合には、前記第1の演出が1回実行された後に、前記第2の演出を1回実行し、第2の場合には、前記第1の演出が1回実行された後に、前記第2の演出をN(N≧2の整数)回実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR1によれば、第1の演出は所定の量を変化させることを示唆する演出であるので、第1の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化する可能性があるという期待感を付与することができる。第2の演出は所定の量を変化させることを示す演出であるので、第2の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化したことを認識させ、優越感や満足感を付与することができる。よって、第1の演出が1回実行された後に第2の演出がN回実行された場合には、遊技者に対して、第1の演出が1回実行された後に所定の量がN回変化したと認識させることができる。その結果、第1の演出を認識した遊技者に対して、その後に、所定の量が何回変化するのかといった期待感を付与することができる。また、第1の演出が1回実行された後に第2の演出がN回実行された場合には、第1の演出が実行されたことを認識し、その後に第2の演出が1回実行されると推測していた遊技者に対して、意外性や驚きを付与することができる。
[特徴αR2]
特徴αR1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、変化させる前記所定の量の変化量に対応する情報である変化量情報を取得する変化量情報取得手段を備え、
前記第2演出実行手段は、
前記第1の場合には、前記第1の演出が1回実行された後に、前記変化量情報に対応する変化量だけ前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出を1回実行し、
前記第2の場合には、前記変化量情報に対応する変化量をN個に分割し、前記第1の演出が1回実行された後に、前記N個に分割した各1個ずつの変化量である分割変化量だけ前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出をN回実行する手段を備える(第4実施形態の変形例14)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR2によれば、第1の場合も第2の場合も、実行する第1の演出に対応して変化量情報を取得すればよいので、第2の場合のように第2の演出をN回実行する場合であっても、変化量情報を取得する処理までは第1の場合と同じであり、処理を簡易化することができる。また、変化量情報は、当該情報が第1の場合として用いられる場合と第2の場合として用いられる場合とを区別することなく設定することができ、変化量情報の設定を簡易化することができる。
[特徴αR3]
特徴αR1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、1回の前記第2の演出において変化させることを示す所定の量の変化量に対応する情報である第2演出用変化量情報を取得する第2演出用変化量情報取得手段を備え、
前記第2演出実行手段は、
前記第1の場合には、1個の前記第2演出用変化量情報を取得し、前記第1の演出が1回実行された後に、取得した前記第2演出用変化量情報に対応する変化量分の前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出を1回実行し、
前記第2の場合には、N個の前記第2演出用変化量情報を取得し、前記第1の演出が1回実行された後に、取得したN個の前記各第2演出変化量情報に対応する変化量分の前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出を、前記取得したN個の前記各第2演出変化量情報に対応してN回実行する(第4実施形態の変形例14)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR3によれば、第2の場合には、実行する第2の演出の回数に応じた個数の第2演出用変化量情報を取得すればよいので、例えば、取得した1個の第2演出用変化量情報に対応する変化量を、実行する第2の演出の回数に応じてN個に分割するといった処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができる。
[特徴αR4]
特徴αR1または特徴αR2に記載の遊技機であって、
特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR4によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合に、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。すなわち、第2の演出を実行するたびに、遊技者に期待感を付与することができる。従って、所定の量の変化(第2の演出の実行)、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
<特徴αS群>
特徴αS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αS1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を変化させることを示唆する演出である第1の演出(第4実施形態の変形例10における第1の演出)を実行する第1演出実行手段と、
前記第1の演出が実行された後に、前記所定の量を変化させることを示す演出である第2の演出(第4実施形態の変形例10における第2の演出)を実行する第2演出実行手段と、
を備え、
前記第1演出実行手段は、
第1の遊技回より後に実行される遊技回である第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させる場合に、
前記第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させることに対応する前記第1の演出を、前記第1の遊技回において開始する手段と、
前記第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させることに対応する前記第1の演出を、前記第2の遊技回において開始する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS1によれば、第1の演出は所定の量を変化させることを示唆する演出であるので、第1の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化する可能性があるという期待感を付与することができる。第2の演出は所定の量を変化させることを示す演出であるので、第2の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化したことを認識させ、優越感や満足感を付与することができる。また、第2の遊技回において変化手段が所定の量を変化させることに対応する第1の演出を、第1の遊技回において開始する場合と、第2の遊技回において実行する場合とがある。換言すれば、所定の遊技回において、第1の演出が実行された場合には、所定の量が当該所定遊技回において変化する場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において変化する場合とがあり、第1の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、そのいずれの場合であるのかといった推測をさせ、期待感を付与することができる。
[特徴αS2]
特徴αS1に記載の遊技機であって、
前記第1演出実行手段は、
前記第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させる場合に、
前記第2の遊技回において前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を前記第1の遊技回において報知する手段と、
前記第2の遊技回において前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を前記第2の遊技回において報知する手段と、
を備える(第4実施形態の変形例10)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS2によれば、第2の遊技回において所定の量を変化させる場合に、第2の遊技回において変化させる所定の量の変化量を第1の遊技回において報知する場合と、第2の遊技回において変化させる所定の量の変化量を第2の遊技回において報知する場合とがある。換言すれば、所定の遊技回において、所定の量の変化量が報知された場合に、当該所定の遊技回において、報知された変化量に対応する所定の量が変化する場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において、報知された変化量に対応する所定の量が変化する場合とがあり、所定の量の変化量が報知されたことを認識した遊技者に対して、そのいずれの場合であるのかといった推測をさせ、期待感を付与することができる。
[特徴αS3]
特徴αS1または特徴αS2に記載の遊技機であって、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段と、
を備え、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS3によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回の終了時点においても、遊技者に所定の量について注目させることができる。また、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。よって、特徴αS1によって、第1の演出が実行された場合に、所定の量が当該所定遊技回において変化する場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において変化する場合とがあり、さらに、当該特徴αS3によって、所定の量が変化した場合に、当該所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と戻らない場合とがあるので、遊技回の移行時における様々な期待感を遊技者に付与することができる。
<特徴αT群>
特徴αT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αT1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記演出実行手段は、前記変化手段が所定の量を変化させる場合に、前記所定の量が変化することを示す演出である変化演出(ポイント付与演出)を実行する変化演出実行手段を備え、
前記変化演出実行手段は、前記変化手段が前記所定の量を変化させる前記遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記変化演出(第4実施形態の変形例11におけるポイント付与演出)の態様を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT1によれば、変化演出実行手段は変化手段が所定の量を変化させる遊技回に対応する特別情報に基づいて変化演出の態様を決定するので、実行される変化演出の態様に対して遊技者を注目させることができ。また、変化演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、所定の量が変化する遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴αT2]
特徴αT1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記遊技回において実行する演出である遊技回演出(第4実施形態の変形例11における演出シナリオ)を決定する遊技回演出決定手段を備え、
前記変化演出実行手段は、前記遊技回演出(第4実施形態の変形例11における演出シナリオ)の内容に基づいて、前記変化演出(第4実施形態の変形例11におけるポイント付与演出)の態様を決定する手段を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴αT2によれば、変化演出実行手段は、遊技回演出の内容に基づいて、変化演出の態様を決定するので、変化演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、その変化演出の態様に基づいて、その後に実行される遊技回演出の内容について推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αT3]
特徴αT2に記載の遊技機であって、
前記変化演出実行手段は、
前記遊技回演出に特定の演出が含まれる場合であって、前記特定の演出が実行されるよりも前に前記変化手段が前記所定の量を変化させる場合には、当該所定の量が変化することを示す前記変化演出を特定の態様で実行する手段を備える(第4実施形態の変形例11)
ことを特徴する遊技機。
特徴αT3によれば、変化演出実行手段は、遊技回演出に特定の演出が含まれる場合であって、特定の演出が実行されるよりも前に変化手段が所定の量を変化させる場合には、当該所定の量が変化することを示す変化演出を特定の態様で実行するので、実行される各変化演出の態様と、その後に実行される遊技回演出の内容との関係性を遊技者に考察させ、変化演出が実行されるたびに、その後に実行される遊技回演出の内容を推測させる。さらに、推測した遊技回演出の内容に基づいて、当該遊技回に対応する特別情報に対する期待感を付与することができる。
<特徴αU群>
特徴αU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αU1]
所定の量を表示する所定量表示手段と、
前記表示されている前記所定の量に演算処理が実行されることを示唆する態様の演出である演算示唆演出を実行する演算示唆演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演算示唆演出実行手段は、
1回の前記演算示唆演出として、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様または前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様のいずれか一方の態様から、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様または前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様のいずれか他方の態様に変化させる演出である演算処理態様変化演出を実行する演算処理態様変化演出実行手段を備える(第4実施形態における変形例15)、
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU1によれば、演算示唆演出の態様を変化させることによって、表示されている所定の量に対して実行される演算方法が変化したと認識させることができ、意外性を付与することができる。また、所定の量に対して実行される演算方法によって、演算処理が実行された後の新たな所定の量が大きく異なる場合があることから、演算示唆演出の態様を変化させることによって、遊技者に対して緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴αU2]
特徴αU1に記載の遊技機であって、
前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様は、加法を示す算術記号である「+」を表示する態様である加法記号表示態様であり、
前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様は、乗法を示す算術記号である「×」を表示する態様である乗法記号表示態様であり、
前記演算処理態様変化演出実行手段は、
前記演算処理態様変化演出として、表示されている加法を示す算術記号である「+」または乗法を示す算術記号である「×」のいずれか一方の記号を回転させて、加法を示す算術記号である「+」または乗法を示す算術記号である「×」のいずれか他方の表示に変化させる演出を実行する手段を備える(第4実施形態における変形例15)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU2によれば、「+」と「×」といった、ほぼ同じ線画の記号を回転させる処理を実行することで、その意味を大きく変えることができるので、簡易な処理にも関わらず、遊技者に対して大きな緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴αU3]
特徴αU1または特徴αU2のいずれか一つに記載の遊技機であって、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において前記所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU3によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合に、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。よって、演算示唆演出の態様が変化することに対する遊技者の緊迫感をより一層増大させることができるとともに、演算示唆演出の態様を変化させた場合に、遊技者の遊技に対する期待感に大きな抑揚を付与することができる。
<特徴αV群>
特徴αV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αV1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を表示する所定量表示手段と、
前記所定の量が変化することに先立って、前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様の演出である乗算態様演出を実行する乗算態様演出実行手段と、
を備え(第4実施形態における変形例15)、
前記所定量表示手段は、
前記乗算態様演出実行手段が前記乗算態様演出を実行した場合に、前記表示されている前記所定の量を乗算した結果の量である乗算結果量を新たな所定の量として表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV1によれば、乗算態様演出を実行する乗算態様演出実行手段を備えるので、乗算態様演出の実行を認識した遊技者に対して、所定の量に乗算される値に対する期待感を付与することができ、乗算態様演出に対して注目させることができる。
[特徴αV2]
特徴αV1に記載の遊技機であって、
前記乗算態様演出実行手段は、
前記表示されている前記所定の量に乗算する値の大きさに応じて、実行する前記乗算態様演出の態様を制御する手段を備える(第4実施形態における変形例15)
ことを特徴する遊技機。
特徴αV2によれば、乗算態様演出実行手段は、表示されている所定の量に乗算する値の大きさに応じて、実行する乗算態様演出の態様を制御するので、乗算態様演出の態様に注目させることができる。
[特徴αV3]
特徴αV1または特徴αV2に記載の遊技機であって、
前記所定量表示手段は、
前記乗算態様演出実行手段が前記乗算態様演出を実行した場合に、前記表示されている前記所定の量を乗算した結果の量である乗算結果量より多い量を新たな所定の量として表示する手段を備える(第4実施形態における変形例15)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV3によれば、乗算態様演出実行手段が乗算態様演出を実行した場合に、表示されている所定の量を乗算した結果の量である乗算結果量より多い量を新たな所定の量として表示するので、当該乗算結果量より多い新たな所定の量を認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
[特徴αV4]
特徴αV1から特徴αV3のいずれか一つに記載の遊技機であって
前記所定の量が変化することに先立って、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様の演出である加算態様演出を実行する加算態様演出実行手段を備え、
前記所定量表示手段は、
前記加算態様演出実行手段が前記加算態様演出を実行した場合に、前記表示されている前記所定の量を加算した結果の量である加算結果量を新たな所定の量として表示する手段を備える(第4実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV4によれば、加算態様演出実行手段を備えるので、遊技者に対して、加算態様演出が実行されるのか乗算態様演出が実行されるのかといった緊迫感や緊張感を付与することができる。
[特徴αV5]
特徴αV1から特徴αV4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の量が変化することに先立って、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様の演出である加算態様演出を実行する加算態様演出実行手段を備え、
前記所定量表示手段は、
前記加算態様演出実行手段が前記加算態様演出を実行した場合には、前記表示されている前記所定の量を加算した結果の量である加算結果量より多い量を新たな所定の量として表示する手段を備える(第4実施形態における変形例15)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV5によれば、加算態様演出実行手段が加算態様演出を実行した場合に、表示されている所定の量を乗算した結果の量である加算結果量より多い量を新たな所定の量として表示するので、当該加算結果量より多い新たな所定の量を認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
<特徴αW群>
特徴αW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αW1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において第1の量を変化させる第1変化手段(第4実施形態の変形例22においてポイントを付与する機能)と、
前記遊技回において第2の量を変化させる第2変化手段(第4実施形態の変形例22においてポイントを付与する機能)と、
第1の特定の処理を実行する第1特定処理実行手段と、
第2の特定の処理を実行する第2特定処理実行手段と、
を備え、
前記第1変化手段は、
前記第1特定処理実行手段が前記第1の特定の処理を実行する場合に、前記第1の特定の処理が実行されるまでに、前記第1の量を予め設定された第1の閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備え、
前記第2変化手段は、
前記第2特定処理実行手段が前記第2の特定の処理を実行する場合に、前記第2の特定の処理が実行されるまでに、前記第2の量を予め設定された第2の閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW1によれば、第1変化手段は、第1特定処理実行手段が第1の特定の処理を実行する場合に、第1の特定の処理が実行されるまでに、第1の量を予め設定された第1の閾値に達するように変化させ、第2変化手段は、第2特定処理実行手段が第2の特定の処理を実行する場合に、第2の特定の処理が実行されるまでに、第2の量を予め設定された第2の閾値に達するように変化させるので、第1の量が変化した場合に遊技者に期待感を付与することができ、さらに、第2の量が変化した場合に遊技者に期待感を付与することができる。すなわち、遊技回において、少なくとも2つの量の変化について遊技者に注目させることができるとともに、期待感を付与することができる。
[特徴αW2]
特徴αW1に記載の遊技機であって、
前記第1の特定の処理が実行された遊技回は、前記第1の特定の処理が実行されない遊技回よりも、当該遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW2によれば、遊技回において第1の特定の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たすことについて期待感を付与することができる。
[特徴αW3]
特徴αW1または特徴αW2に記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記第1の量および前記第2の量の少なくとも一方を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW3によれば、リセット手段を備えるので、遊技回が終了するまでに第1の量および第2の量の少なくとも一方が、各々の量に対応した閾値(第1閾値、第2の閾値)に達するように遊技者に期待感を付与することができる。また、遊技回が開始され、第1の量および第2の量の少なくとも一方が変化を開始したことを認識した遊技者に対して、遊技回の終了する時期を意識させ、第1の量および第2の量の変化する態様に注目させることができる。
[特徴αW4]
特徴αW3に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の場合には、遊技回において変化した前記第1の量および前記第2の量の少なくとも一方を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記第1の量および前記第2の量の少なくとも一方を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない(蓄積ポイントを繰り越す)手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW4によれば、第1の量および第2の量の少なくとも一方は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回において第1の量および第2の量の少なくとも一方が各々の量に対応する閾値に達しなかった場合であっても、当該量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴αX群>
特徴αX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αX1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第4実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段と、
を備え、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備え、
前記リセット手段が、所定の遊技回において変化させた前記所定の量を、遊技回の終了を契機として初期値に戻さない当該遊技回の終了の契機の数が多いほど、前記所定の遊技回より後に実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い(第4実施形態における変形例25)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX1によれば、リセット手段が、所定の遊技回において変化させた所定の量を、遊技回の終了を契機として初期値に戻さない当該遊技回の終了の契機の数が多いほど、所定の遊技回より後に実行される遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高いので、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らない遊技回の終了の契機が続くほど、遊技者に対して大きな期待感を付与することができる。
[特徴αX2]
特徴αX1に記載の遊技機であって、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回における前記特別情報が所定の条件を満たす場合に、
前記リセット手段は、
前記第1の遊技回において変化させた前記所定の量を前記第2の遊技回まで初期値に戻さない手段を備え、
前記変化手段は、
前記第1の遊技回から前記第2の遊技回までの間において前記所定の量が前記閾値に達しないように前記所定の量の変化量を制限する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX2によれば、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らない遊技回の終了の契機が続き、かつ、所定の量が閾値に達しないことを認識した遊技者に対して、期待感を付与することができる。その結果、所定の量が閾値に達していない状態における遊技者の期待感が減退してしまうことを抑制することができる。
<特徴αY群>
特徴αY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αY1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を、予め設定された初期値から変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記閾値の値を変更する閾値変更処理を実行する閾値変更手段と(第4実施形態における変形例26)、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αY1によれば、遊技回において所定の量を変化させ、所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理を実行するので、所定の量の変化の態様に遊技者を注目させることができる。また、所定の量が閾値に達して特定の処理が実行された場合には、遊技者に優越感や期待感を付与することができる。さらに、閾値は変更される場合があるので、特定の処理が実行されるタイミングを遊技者が推測しにくく、遊技者の予想しないタイミングで特定の処理を実行することが可能となる。その結果、遊技者に意外性を付与することができる。
[特徴αY2]
特徴αY1に記載の遊技機であって、
前記閾値変更手段は、
遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、当該遊技回において前記閾値変更処理を実行するか否かを判定する閾値変更処理判定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY2によれば、遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、当該遊技回において閾値変更処理を実行するか否かを判定するので、閾値が変更されたことを認識した遊技者、または、特定の処理が実行された際に閾値が変更されたことを認識した遊技者に対して、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているのか否かについて期待感を付与することができる。
[特徴αY3]
特徴αY1または特徴αY2に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY3によれば、遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理が実行された場合には、遊技者に対して期待感を付与することができる。また、所定の量が閾値に達した場合に特定の処理が実行されるので、所定の量が変化した場合にも、遊技者に対して期待感を付与することができる。
<特徴αZ群>
特徴αZ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αZ1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第4実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を変化させるよりも前に、前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量に関する情報を示す変化量表示(第4実施形態の変形例27における付与ポイント示唆表示)を表示する変化量表示手段と、
を備える遊技機。
特徴αZ1によれば、所定の量を変化させるよりも前に、変化手段が変化させる所定の量の変化量に関する情報を示す変化量表示を表示するので、変化量表示を認識した遊技者に対して、当該変化量表示に対応する遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。
[特徴αZ2]
特徴αZ1に記載の遊技機であって、
保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示する遊技回表示手段を備え、
前記変化量表示手段は、
所定の遊技回に対応する前記変化量表示を、前記所定の遊技回に対応する前記遊技回表示に対応付けて表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ2によれば、所定の遊技回に対応する変化量表示を、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示するので、遊技回表示に対応付けて表示された変化量表示を認識した遊技者に対して、表示された変化量表示に対応する遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。例えば、保留中の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて変化量表示が表示された場合、当該変化量表示を認識した遊技者に対して、保留中の遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。
[特徴αZ3]
特徴αZ2に記載の遊技機であって、
前記変化量表示手段は、
所定の遊技回に対応する前記変化量表示を、前記所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する前記遊技回表示に対応付けて表示した後に、前記所定の遊技回に対応する前記遊技回表示に対応付けて表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ3によれば、所定の遊技回に対応する変化量表示を、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した後に、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示するので、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した変化量表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができる。
[特徴αZ4]
特徴αZ2または特徴αZ3に記載の遊技機であって、
前記変化量表示手段は、
前記所定の遊技回において前記変化手段が変化させる前記変化量とは異なる変化量に対応する変化量表示を表示した後に、前記所定の遊技回において前記変化手段が変化させる前記変化量に対応する変化量表示を表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ4によれば、所定の遊技回において変化手段が変化させる変化量とは異なる変化量に対応する変化量表示を表示した後に、所定の遊技回において変化手段が変化させる変化量に対応する変化量表示を表示するので、所定の遊技回において変化手段が変化させる変化量とは異なる変化量に対応する変化量表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができるともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴αZ5]
特徴αZ1から特徴αZ4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
特定の処理(第4実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記変化手段は、
前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる変化制御手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化制御手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、前記閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ5によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化制御手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。従って、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
なお、上記特徴αG群〜特徴αZ群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴βA群>
特徴βA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴βA1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
第1の表示態様として第1の動画(背景動画)を表示する画像表示手段と、
前記第1の動画に対応した音である動画対応音(背景音楽)を第1の出力態様(所定の音量で背景音楽を出力する態様)で出力する音出力手段と、
前記画像表示手段を前記第1の表示態様から第2の表示態様(デモ動画を表示する態様)に移行させるとともに前記音出力手段を前記第1の出力態様から第2の出力態様(背景音楽の出力を停止した態様)に移行させる条件である移行条件が成立したか否かを判定する移行条件判定手段と、
前記画像表示手段を前記第1の表示態様に復帰させるとともに前記音出力手段を前記第1の出力態様に復帰させる条件である復帰条件が成立したか否かを判定する復帰条件判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記移行条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様から前記第2の表示態様に移行し、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様から前記第2の出力態様に移行し、
前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行した後であって、かつ、前記画像表示手段が前記第2の表示態様に移行した後に前記復帰条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様に復帰するとともに、前記第1の表示態様として前記第1の動画を表示する際に、当該第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始し、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様に復帰するとともに、前記第1の出力態様で前記動画対応音を出力する際に、前記動画対応音の予め定められた時間的位置から出力を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA1によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後に復帰条件が成立した場合には、画像表示手段は、第1の表示態様に復帰して第1の動画を表示する際に、当該第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始し、音出力手段は、第1の出力態様に復帰して動画対応音を出力する際に、動画対応音の予め定められた時間的位置から出力を開始する。したがって、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後において、復帰条件が成立するタイミングに応じて画像表示手段が第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、第1の動画の表示と動画対応音の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、復帰条件が成立するタイミングに応じて画像表示手段が第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後に復帰条件が成立した場合に、第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた第1の動画の時間的位置から当該第1の動画の表示を開始する構成や、画像表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様に復帰する際に、表示を開始する第1の動画の時間的位置を第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第1の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第1の動画の再生を内部処理として継続するとともに、第2の表示態様から第1の表示態様に復帰する際には内部処理として継続して再生している第1の動画を表示する構成等が挙げられる。
[特徴βA2]
特徴βA1に記載の遊技機であって、
前記移行条件が成立した場合には、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様から、前記動画対応音の出力を継続しつつ当該動画対応音の音量を時間の経過と共に低減する低減態様を経て、前記第2の出力態様に移行し、
前記画像表示手段は、前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行したタイミング以降に、前記第1の表示態様から前記第2の表示態様に移行し、
前記音出力手段が前記低減態様である期間中に前記復帰条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の動画を表示する前記第1の表示態様を継続し、
前記音出力手段は、前記動画対応音の音量を前記第1の出力態様における音量に戻すことによって、前記第1の出力態様に復帰する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA2によれば、低減態様の期間中に復帰条件が成立した場合には、画像表示手段は第1の表示態様を継続するとともに、音出力手段は動画対応音の音量を戻して第1の出力態様に復帰するので、第1の動画の表示と動画対応音の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
[特徴βA3]
特徴βA1または特徴βA2に記載の遊技機であって、
前記移行条件が成立した場合には、
前記音出力手段は、前記動画対応音を第1の大きさの音量で出力する前記第1の出力態様から、前記動画対応音を前記第1の大きさの音量よりも小さい第2の大きさの音量で出力する前記第2の出力態様に移行し、
前記画像表示手段は、前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行した後、所定時間経過後に前記第2の表示態様に移行し、
前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行した後であって、かつ、前記画像表示手段が前記第2の表示態様に移行する前に前記復帰条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の動画を表示する前記第1の表示態様を継続し、
前記音出力手段は、前記動画対応音の音量を前記第1の大きさの音量に戻すことによって、前記第1の出力態様に復帰する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA3によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行する前に復帰条件が成立した場合には、画像表示手段は、第1の動画を表示する第1の表示態様を継続し、音出力手段は、動画対応音の音量を第1の大きさの音量に戻すことによって、第1の出力態様に復帰するので、第1の動画の表示と動画対応音の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
[特徴βA4]
特徴βA1から特徴βA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記第1の動画の時間的な先頭位置であり、
前記動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA4によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後に復帰条件が成立し、第1の表示態様および第1の出力態様にそれぞれ復帰する場合には、第1の動画の時間的な先頭位置から表示が開始され、動画対応音の時間的な先頭位置から出力が開始される。したがって、第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、復帰条件が成立した後、第1の動画および動画対応音を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第1の動画および動画対応音のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴βA4によれば、当該遊技者に対して第1の動画および動画対応音を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第1の動画および動画対応音を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βA5]
特徴βA1から特徴βA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の表示態様は、前記第1の動画とは異なる第2の動画を表示する態様、前記第1の動画の少なくとも一部を停止して表示する態様、前記第1の動画を非表示とする態様、前記第1の動画とは異なる静止画像を表示する態様、または、動画および静止画像を非表示とする態様であり、
前記第1の出力態様は、前記動画対応音を第1の大きさの音量で出力する態様であり、
前記第2の出力態様は、前記動画対応音を前記第1の大きさの音量よりも小さい第2の大きさの音量で出力する態様、または、前記動画対応音の出力を停止した態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA5によれば、移行条件が成立して画像表示手段および音出力手段がそれぞれ第2の表示態様および第2の出力態様に移行済みであることを遊技者に認識させることができる。
[特徴βA6]
特徴βA5に記載の遊技機であって、
前記第2の大きさの音量は、遊技者が認識することのできない大きさの音量以下である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA6によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行すると、動画対応音の音量が遊技者が認識することのできない大きさの音量以下となるので、移行条件が成立して音出力手段が第2の出力態様に移行済みであることを遊技者に明確に認識させることができる。
[特徴βA7]
特徴βA1から特徴βA6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記所定の条件を満たした場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を開始する特別遊技状態開始手段を備え、
前記移行条件判定手段は、前記判定手段による前記判定の結果に対応した表示を行なう遊技回が終了した後、前記特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに所定時間が経過した場合に、前記移行条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
遊技回が終了した後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに所定時間が経過した場合には、遊技者が当該遊技機において遊技を行なっていない可能性が高い。したがって、特徴βA7によれば、遊技者が遊技を行なっていない可能性の高い状態において移行条件を成立させることができる。
[特徴βA8]
特徴βA1から特徴βA7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が遊技盤に射出されたことを検出する検出手段を備え、
前記移行条件判定手段は、前記検出手段によって遊技球が所定時間検出されない場合に、前記移行条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA8によれば、遊技球が遊技盤に射出されていれば移行条件が成立しないので、遊技者が遊技中であるにも関わらず移行条件が成立してしまうといった遊技者にとって不快な状況の発生を低減することができる。
[特徴βA9]
特徴βA1から特徴βA8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記復帰条件判定手段は、前記移行条件が成立した後であって前記取得手段によって前記特別情報が取得された場合に、前記復帰条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA9によれば、特別情報が取得された場合に画像表示手段が第1の表示態様に復帰するとともに音出力手段が第1の出力態様に復帰するので、特別情報が取得されたという期待感を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βA10]
特徴βA1から特徴βA9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が遊技盤に射出されたことを検出する検出手段を備え、
前記復帰条件判定手段は、前記移行条件が成立した後であって前記検出手段によって遊技球が検出された場合に、前記復帰条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA10によれば、移行条件が成立した後であっても、遊技球が遊技盤に射出されれば復帰条件が成立するので、遊技者が遊技を開始しているにも関わらず復帰条件が長時間(例えば、1分)に亘って成立しないといった遊技者にとって不快な状況を低減することができる。
<特徴βB群>
特徴βB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴βB1]
第1の表示態様として、所定の動画(背景動画)を表示する画像表示手段と、
第1の出力態様として、前記所定の動画に対応した動画対応音(背景音楽)を所定の出力レベルで出力する音出力手段と、
コマンドを受信するコマンド受信手段と、
を備える遊技機であって、
前記画像表示手段が前記所定の動画との連続性が断たれた他の表示態様(デモ動画を表示する態様)であり、かつ、前記音出力手段が前記動画対応音との連続性が断たれた他の出力態様(背景音楽の出力を停止した態様)である、特定態様であることを識別可能な識別情報(頭出し判定フラグ)を記憶する識別情報記憶手段と、
前記コマンド受信手段が特定のコマンド(復帰条件成立コマンド)を受信した場合に、前記識別情報記憶手段に記憶されている前記識別情報に基づいて、前記特定態様であるか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記コマンド受信手段が前記特定のコマンドを受信し、前記判定手段が前記識別情報に基づいて、前記特定態様であると判定した場合(図198における時刻t4から時刻t5までの態様である場合)には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様に復帰するとともに、前記所定の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始し(図198)、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様に復帰するとともに、予め定められた時間的位置から前記動画対応音の出力を開始する(図198)
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB1によれば、特定態様から、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させる場合に、画像表示手段が表示を開始する所定の動画の時間位置および音出力手段が動画対応音の出力を開始する時間的位置が、各々、予め定められているので、所定の動画と動画対応音との同期を容易に行うことができる。
[特徴βB2]
特徴βB1に記載の遊技機であって、
前記コマンド受信手段が前記特定のコマンドを受信し、前記判定手段が前記識別情報に基づいて前記特定態様ではないと判定した場合であって、前記画像表示手段が前記所定の動画との連続性が保たれた表示態様である場合(図198における時刻t2から時刻t4までの態様である場合)には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様に復帰するとともに、前記連続性を保った態様で前記所定の動画を継続して表示し(図199、図200)、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様に復帰するとともに、前記連続性が保たれた前記所定の動画に対応した前記動画対応音を出力する(図199、図200)
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB2によれば、所定の動画との連続性が保たれた表示態様から、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させる場合に、画像表示手段が連続性を保った態様で所定の動画を継続して表示し、音出力手段が連続性が保たれた所定の動画に対応した動画対応音を出力するので、遊技者に違和感を与えることなく、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させることができる。
[特徴βB3]
特徴βB1または特徴βB2に記載の遊技機であって、
前記所定の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記所定の動画の時間的な先頭位置であり、
前記動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB3によれば、特定態様から、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させる場合に、画像表示手段が表示を開始する所定の動画の時間位置および音出力手段が動画対応音の出力を開始する時間的位置が、各々、時間的な先頭位置であるので、所定の動画の途中から表示が開始されるとともに動画対応音の途中から出力が開始される場合と比較して、画像表示手段および音出力手段が実行する処理が容易であるとともに、遊技者に与える違和感を低減することができる。
[特徴βB4]
特徴βB1から特徴βB3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記他の表示態様は、前記画像表示手段が前記所定の動画とは異なる画像を表示している態様、または、画像の表示を停止している態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB4によれば、特定態様から画像表示手段を第1の表示態様に復帰させる場合に、第1の表示態様への復帰前の特定態様としての他の表示態様が、所定の動画とは異なる画像を表示している態様、または、画像の表示を停止している態様であるので、第1の表示態様へ復帰して所定の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始しても、遊技者に与える違和感を小さくすることができる。なお、画像には、動画及び静止画像が含まれる。
[特徴βB5]
特徴βB1から特徴βB4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記他の出力態様は、前記音出力手段が前記動画対応音とは異なる他の音を出力している態様、前記音出力手段が遊技者が認識できない出力レベルで前記動画対応または前記他の音を出力している態様、または、前記音出力手段が出力を停止している態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB5によれば、特定態様から音出力手段を第1の出力態様に復帰させる場合に、第1の出力態様への復帰前の特定態様としての他の出力態様が、動画対応音とは異なる他の音を出力している態様、遊技者に認識できない出力レベルで動画対応または他の音を出力している態様、または、出力を停止している態様であるので、第1の出力態様へ復帰して、予め定められた時間的位置から表示が開始される所定の動画に対応した動画対応音の出力を開始しても、遊技者に与える違和感を小さくすることができる。
<特徴βC群>
特徴βC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴βC1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、
第1の表示態様として第1の動画(図234に示す例では背景動画、図235に示す例ではデモ動画)を表示する画像表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記画像表示手段は、
前記経過時間判定手段によって前記所定時間が経過したと判定された場合には、前記第1の表示態様から第2の表示態様(RTC演出動画を表示する態様)に移行し(図234、図235)、
前記第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了した場合には、前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に移行するとともに、前記第1の表示態様に移行して前記第1の動画を表示する際に、前記第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する(図234、図235)
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC1によれば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了した場合には、第2の表示態様から第1の表示態様に移行するとともに、第1の表示態様に復帰して第1の動画を表示する際に、第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する。したがって、第1の表示態様に移行して第1の動画を表示する際に第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、制御を簡易化することができる。なお、第1の表示態様に移行して第1の動画を表示する際に第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了した場合に、第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた第1の動画の時間的位置から当該第1の動画の表示を開始する構成や、画像表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様に移行する際に、表示を開始する第1の動画の時間的位置を第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第1の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第1の動画の再生を内部処理として継続するとともに、第2の表示態様から第1の表示態様に移行する際には内部処理として継続して再生している第1の動画を表示する構成等が挙げられる。
また、特徴βC1の遊技機が複数台設置されている場合には、各遊技機において実質的に同時に第2の表示態様の表示期間が終了して第1の表示態様に移行するとともに、各遊技機は、第1の表示態様に移行して第1の動画を表示する際に、第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各遊技機において表示される第1の動画を同期させることができる。すなわち、各遊技機において表示される第1の動画が同期した壮観な状況を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βC2]
特徴βC1に記載の遊技機であって、
前記画像表示手段を第3の表示態様(デモ動画を表示する態様)に移行させる条件である移行条件が成立したか否かを判定する移行条件判定手段を備え、
前記画像表示手段は、
前記第1の表示態様中(背景動画を表示する態様中)に前記移行条件が成立した場合には、当該移行条件の成立を契機として前記第3の表示態様に移行し(図198)、
前記第2の表示態様中(RTC演出動画を表示する態様中)に前記移行条件が成立した場合には、前記第2の表示態様の前記予め定められた表示期間が終了したことを契機として前記第3の表示態様に移行し(図236)、
前記第3の表示態様に移行して第3の動画(デモ動画)を表示する際に、前記第3の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC2によれば、第2の表示態様中に移行条件が成立した場合であっても、第2の表示態様が予め定められた表示期間の途中で中断せず、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了したことを契機として第3の表示態様に移行するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、特徴βC2の遊技機が複数台設置されている場合には、各遊技機において実質的に同時に第2の表示態様の表示期間が終了して第3の表示態様に移行するとともに、各遊技機は、第3の表示態様に移行して第3の動画を表示する際に、第3の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各遊技機において表示される第3の動画を同期させることができる。すなわち、各遊技機において表示される第3の動画が同期した壮観な状況を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βC3]
特徴βC2に記載の遊技機であって、
前記画像表示手段を前記第1の表示態様(背景動画を表示する態様)に復帰させる条件である復帰条件が成立したか否かを判定する復帰条件判定手段を備え、
前記画像表示手段は、
前記第3の表示態様中(デモ動画を表示する態様中)に前記復帰条件が成立した場合には、当該復帰条件の成立を契機として前記第1の表示態様に復帰し(図198)、
前記第2の表示態様中(RTC演出動画を表示する態様中)に前記復帰条件が成立した場合には、前記第2の表示態様の前記予め定められた表示期間が終了したことを契機として前記第1の表示態様に復帰し(図237)、
前記第1の表示態様に復帰して前記第1の動画を表示する際に、前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置から表示を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC3によれば、第2の表示態様中に復帰条件が成立した場合であっても、第2の表示態様が予め定められた表示期間の途中で中断せず、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了したことを契機として第1の表示態様に復帰するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βC4]
特徴βC1から特徴βC3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記第1の動画の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC4によれば、第1の表示態様に移行または復帰して第1の動画を表示する際に第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第1の表示態様に移行または復帰して第1の動画を表示する際に第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は第1の動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第1の動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴βC4によれば、当該遊技者に対して第1の動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第1の動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βC5]
特徴βC1から特徴βC4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記画像表示手段によって表示される動画に対応した音である動画対応音を出力する音出力手段を備え、
前記音出力手段は、前記画像表示手段が前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置から表示を開始する場合には、前記第1の動画に対応した第1の動画対応音(背景音楽)の予め定められた時間的位置から出力を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC5によれば、第1の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、第1の動画の表示と第1の動画対応音の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、第1の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了し、画像表示手段が第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する場合に、画像表示手段が第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて出力されていた第1の動画対応音の時間的位置から当該第1の動画対応音の出力を開始する構成や、第1の動画対応音を出力する態様に移行する際に、出力を開始する第1の動画対応音の時間的位置を画像表示手段が第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第1の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第1の動画対応音の再生を内部処理として継続するとともに、画像表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様に移行または復帰する際には内部処理として継続して再生している第1の動画対応音を出力する構成等が挙げられる。
[特徴βC6]
特徴βC5に記載の遊技機であって、
前記第1の動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記第1の動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC6によれば、第1の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第1の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、第1の動画対応音を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第1の動画対応音のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴βC6によれば、当該遊技者に対して第1の動画対応音を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第1の動画対応音を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βC7]
特徴βC2から特徴βC3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第3の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記第3の動画の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC7によれば、第3の表示態様に移行して第3の動画を表示する際に第3の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第3の表示態様に移行して第3の動画を表示する際に第3の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は第3の動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第3の動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴βC7によれば、当該遊技者に対して第3の動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第3の動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βC8]
特徴βC2から特徴βC4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記画像表示手段によって表示される動画に対応した音である動画対応音を出力する音出力手段を備え、
前記音出力手段は、前記画像表示手段が前記第3の動画の前記予め定められた時間的位置から表示を開始する場合には、前記第3の動画に対応した第3の動画対応音(デモ音楽)の予め定められた時間的位置から出力を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC8によれば、第3の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、第3の動画の表示と第3の動画対応音の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、第3の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了し、画像表示手段が第3の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する場合に、画像表示手段が第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて出力されていた第3の動画対応音の時間的位置から当該第3の動画対応音の出力を開始する構成や、第3の動画対応音を出力する態様に移行する際に、出力を開始する第3の動画対応音の時間的位置を画像表示手段が第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第3の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第3の動画対応音の再生を内部処理として継続するとともに、画像表示手段が第2の表示態様から第3の表示態様に移行する際には内部処理として継続して再生している第3の動画対応音を出力する構成等が挙げられる。
[特徴βC9]
特徴βC8に記載の遊技機であって、
前記第3の動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記第3の動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC9によれば、第3の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第3の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、第3の動画対応音を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第3の動画対応音のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴βC9によれば、当該遊技者に対して第3の動画対応音を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第3の動画対応音を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記特徴βA群、特徴βB群、特徴βC群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣の向上を目的として様々な演出が行われる。例えば、液晶画面等の表示装置に動画を表示するとともに、当該動画に対応した音楽をスピーカーから出力する遊技機が知られている。
ここで、上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴βD群>
特徴βD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態から抽出される。
[特徴βD1]
音(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記音を再生する再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記再生手段によって再生されている前記音を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
を備える遊技機であって、
前記再生手段は、
前記音データに記録された前記音を時間的な先頭の位置から時間的な最後の位置まで再生した後、当該音データに記録された前記音の前記時間的な先頭の位置より後の予め定められた時間的な位置から当該音データに記録された前記音の再生を開始する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βD1によれば、音データに記録された音を時間的な先頭の位置から時間的な最後の位置まで再生した後、当該音データに記録された音の時間的な先頭の位置より後の予め定められた時間的な位置から当該音データに記録された音の再生を開始するので、音データに記録された音の全体が繰り返し再生されることによる遊技者の気分の低下を抑制することができる。
具体的には、例えば、音データに記録された音が楽曲であり、当該楽曲の予め定められた時間的な位置が、当該楽曲の前奏に相当する前奏部と当該楽曲のメインメロディに相当する主要部との切れ目に設定されている構成を採用すれば、当該楽曲の前奏部及び主要部が再生された後は、当該楽曲の主要部から再生が開始されることになる。したがって、楽曲の主要部を聴いて盛り上がっていた遊技者の気分が、再び前奏部が再生されることによって低下してしまうことを抑制することができる。
[特徴βD2]
特徴βD1に記載の遊技機であって、
前記音データは、楽曲が記録されたデータであり、
前記音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた時間的な位置は、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βD2によれば、楽曲の時間的な最後の位置まで再生した後、当該楽曲の小節の切れ目から再生を開始するので、遊技者に違和感を与えることなく、当該楽曲の時間的な先頭の位置とは異なる時間的な位置から当該楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βD3]
特徴βD1または特徴2に記載の遊技機であって、
前記音データは、声を含んだ音が記録されたデータであり、
前記音データに記録された前記声を含んだ音の前記予め定められた時間的な位置は、当該声を含んだ音の再生時間のうち当該声が含まれていない期間の中の時間的な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βD3によれば、音データに記録された音が時間的な最後の位置まで再生された後に、声が途中から再生されないので、音データに記録された音が時間的な最後の位置まで再生された後に、声が途中から再生されてしまうといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該声を含んだ音の再生を開始することができる。
[特徴βD4]
特徴βD1から特徴βD3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記音データは、少なくとも、第1の分割音データ(BGM用楽曲M1の前奏部を構成する音声データ)と、第2の分割音データ(BGM用楽曲の主要部を構成する音声データ)とによって構成されており、
前記再生手段は、前記第1の分割音データに記録された音を再生した後、前記第2の分割音データに記録された音を再生する手段を備え、
前記音データに記録された前記音の前記予め定められた時間的位置は、前記第2の分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βD4によれば、記録されている音の時間的な位置を指定して再生を開始することが不可能又は困難な形式のデータに音が記録されている構成であっても、当該データに記録された音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。
<特徴βE群>
特徴βE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態から抽出される。
[特徴βE1]
第1の音(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである第1の音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記第1の音を再生する第1の再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記第1の再生手段によって再生されている前記第1の音を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
前記第1の音が前記出力手段から出力されない消音状態を開始させる消音状態開始手段と、
前記消音状態を終了させる消音状態終了手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1の再生手段は、
前記第1の音データに記録された前記第1の音を予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲M1を構成する各音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置、BGM用楽曲M1音声データに設定された複数の再生開始位置)から再生を開始することが可能であり、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合において、前記消音状態の開始後も当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を継続している場合または継続していると仮定した場合における当該第1の音の時間的な再生位置である消音状態中再生位置を特定可能な処理を実行する手段と、
前記消音状態の終了を契機として、当該第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のうち、前記消音状態が終了する時点における前記消音状態中再生位置(図257ではBGM用楽曲M1の第2主要部音声データに記録された音声の時間的な途中の位置)の直後に位置する前記予め定められた時間的な位置(図257ではBGM用楽曲M1の第3主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)から当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を開始する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE1によれば、消音状態中においても第1の音が継続して再生されており、消音状態の終了後もそのまま当該第1の音の再生が継続していることを期待している遊技者による消音状態の終了後における当該第1の音の時間的な位置の想像と、消音状態の終了を契機として実際に再生が開始された当該第1の音の時間的な位置とのずれを抑制しつつ、当該第1の音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。この結果、例えば、第1の音データに記録された第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該第1の音の再生を開始することができる。
[特徴βE2]
特徴βE1に記載の遊技機であって、
第2の音(リーチ演出R1に対応した音声)が記録された第2の音データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)に基づいて前記第2の音を再生する第2の再生手段(音声チャンネル2における再生機能)を備え、
前記出力手段は、前記第2の再生手段によって再生されている前記第2の音を出力可能であり、
前記消音状態開始手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の開始を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記消音状態終了手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の終了を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE2によれば、第2の再生手段による第2の音の再生中は、第1の音が出力手段から出力されない消音状態となるので、第2の音をより一層際立たせることができ、遊技者の注意を第2の音に集中させることができる。
[特徴βE3]
特徴βE1または特徴βE2に記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、楽曲が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE3によれば、消音状態の終了の際に当該楽曲の小節の切れ目から再生を開始するので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βE4]
特徴βE1から特徴βE3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、声を含んだ音が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記声を含んだ音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該声を含んだ音の再生時間のうち当該声が含まれていない期間の中の時間的な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE4によれば、消音状態の終了の際に声が途中から再生されないので、消音状態の終了の際に声が途中から再生されるといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該声を含んだ音の再生を開始することができる。
[特徴βE5]
特徴βE1から特徴βE4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、複数の分割音データ(BGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ)によって構成されており、
前記第1の再生手段は、前記複数の分割音データを順次再生する手段を備え、
前記第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、前記各分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE5によれば、記録されている音の時間的な位置を指定して再生を開始することが不可能又は困難な形式のデータに音が記録されている構成であっても、当該データに記録された音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。
<特徴βF群>
特徴βF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴βF1]
第1の音(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである第1の音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記第1の音を再生する第1の再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記第1の再生手段によって再生されている前記第1の音を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
前記第1の音が前記出力手段から出力されない消音状態を開始させる消音状態開始手段と、
前記消音状態を終了させる消音状態終了手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1の再生手段は、
前記第1の音データに記録された前記第1の音を予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲M1を構成する各音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置、BGM用楽曲M1音声データに設定された複数の再生開始位置)から再生を開始することが可能であり、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合において、前記消音状態の開始後も当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を継続している場合または継続していると仮定した場合における当該第1の音の時間的な再生位置である消音状態中再生位置を特定可能な処理を実行する手段と、
当該第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のうち、前記消音状態中再生位置が前記消音状態の開始後に最初に到達した時間的位置(図288ではBGM用楽曲M1の第1主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)を特定可能な情報を記憶する手段と、
前記消音状態の終了を契機として、前記記憶した情報から特定される前記予め定められた時間的な位置から当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を開始する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βF1によれば、消音状態の終了を契機として再生を開始する第1の音の時間的な位置は、消音状態中における消音状態中再生位置が最初に到達した当該第1の音の予め定められた時間的な位置となるので、消音状態の開始から消音状態の終了までの期間に出力手段から出力されずに遊技者が聴くことのできない第1の音の時間的長さが長くなってしまうことを抑制することができる。したがって、消音状態中に第1の音の聴きたい部分が終了して聞くことができなかったといった遊技者の不満の発生を抑制しつつ、当該第1の音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。この結果、例えば、第1の音データに記録された第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該第1の音の再生を開始することができる。
[特徴βF2]
特徴βF1に記載の遊技機であって、
第2の音(リーチ演出R1に対応した音声)が記録された第2の音データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)に基づいて前記第2の音を再生する第2の再生手段(音声チャンネル2における再生機能)を備え、
前記出力手段は、前記第2の再生手段によって再生されている前記第2の音を出力可能であり、
前記消音状態開始手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の開始を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記消音状態終了手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の終了を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βF2によれば、第2の再生手段による第2の音の再生中は、第1の音が出力手段から出力されない消音状態となるので、第2の音をより一層際立たせることができ、遊技者の注意を第2の音に集中させることができる。
[特徴βF3]
特徴βF1または特徴βF2に記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、楽曲が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βF3によれば、消音状態の終了の際に当該楽曲の小節の切れ目から再生を開始するので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βF4]
特徴βF1から特徴βF3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、声を含んだ音が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記声を含んだ音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該声を含んだ音の再生時間のうち当該声が含まれていない期間の中の時間的な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βF4によれば、消音状態の終了の際に声が途中から再生されないので、消音状態の終了の際に声が途中から再生されるといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該声を含んだ音の再生を開始することができる。
[特徴βF5]
特徴βF1から特徴βF4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、複数の分割音データ(BGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ)によって構成されており、
前記第1の再生手段は、前記複数の分割音データを順次再生する手段を備え、
前記第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、前記各分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βF5によれば、記録されている音の時間的な位置を指定して再生を開始することが不可能又は困難な形式のデータに音が記録されている構成であっても、当該データに記録された音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。
<特徴βG群>
特徴βG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例2から抽出される。
[特徴βG1]
第1の音(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである第1の音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記第1の音を再生する第1の再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記第1の再生手段によって再生されている前記第1の音を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
前記第1の音が前記出力手段から出力されない消音状態を開始させる消音状態開始手段と、
前記消音状態を終了させる消音状態終了手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1の再生手段は、
前記第1の音データに記録された前記第1の音を予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲M1を構成する各音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置、BGM用楽曲M1音声データに設定された複数の再生開始位置)から再生を開始することが可能であり、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合には、
前記消音状態の終了を契機として、当該第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置の中から選択して設定した一の時間的な位置から当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を開始する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βG1によれば、遊技者は、消音状態の開始の時点において再生されていた第1の音が、消音状態の終了時に、当該第1の音の予め定められたどの時間的位置から再生が開始されるのかを予測することができない。したがって、遊技者に意外性や驚きを与えることができ、遊技が単調になってしまうことを抑制しつつ、当該第1の音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。この結果、例えば、第1の音データに記録された第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該第1の音の再生を開始することができる。
[特徴βG2]
特徴βG1に記載の遊技機であって、
第2の音(リーチ演出R1に対応した音声)が記録された第2の音データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)に基づいて前記第2の音を再生する第2の再生手段(音声チャンネル2における再生機能)を備え、
前記出力手段は、前記第2の再生手段によって再生されている前記第2の音を出力可能であり、
前記消音状態開始手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の開始を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記消音状態終了手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の終了を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βG2によれば、第2の再生手段による第2の音の再生中は、第1の音が出力手段から出力されない消音状態となるので、第2の音をより一層際立たせることができ、遊技者の注意を第2の音に集中させることができる。
[特徴βG3]
特徴βG1または特徴βG2に記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、楽曲が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βG3によれば、消音状態の終了の際に当該楽曲の小節の切れ目から再生を開始するので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βG4]
特徴βG1から特徴βG3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、声を含んだ音が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記声を含んだ音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該声を含んだ音の再生時間のうち当該声が含まれていない期間の中の時間的な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βG4によれば、消音状態の終了の際に声が途中から再生されないので、消音状態の終了の際に声が途中から再生されるといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該声を含んだ音の再生を開始することができる。
[特徴βG5]
特徴βG1から特徴βG4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、複数の分割音データ(BGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ)によって構成されており、
前記第1の再生手段は、前記複数の分割音データを順次再生する手段を備え、
前記第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、前記各分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βG5によれば、記録されている音の時間的な位置を指定して再生を開始することが不可能又は困難な形式のデータに音が記録されている構成であっても、当該データに記録された音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。
<特徴βH群>
特徴βH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例3から抽出される。
[特徴βH1]
第1の音(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである第1の音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記第1の音を再生する第1の再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記第1の再生手段によって再生されている前記第1の音を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
前記第1の音が前記出力手段から出力されない消音状態を開始させる消音状態開始手段と、
前記消音状態を終了させる消音状態終了手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1の再生手段は、
前記第1の音データに記録された前記第1の音を予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲M1を構成する各音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置、BGM用楽曲M1音声データに設定された複数の再生開始位置)から再生を開始することが可能であり、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合において、前記消音状態の開始後も当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を継続している場合または継続していると仮定した場合における当該第1の音の時間的な再生位置である消音状態中再生位置を特定可能な処理を実行する手段と、
当該第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のうち、前記消音状態中再生位置が前記消音状態の終了前に最後に到達した時間的位置(図293ではBGM用楽曲M1の第2主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)を特定可能な情報を記憶する手段と、
前記消音状態の終了を契機として、前記記憶した情報から特定される前記予め定められた時間的な位置から当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を開始する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βH1によれば、消音状態の終了を契機として再生を開始する第1の音の時間的な位置は、消音状態中における消音状態中再生位置が最後に到達した当該第1の音の予め定められた時間的な位置となるので、消音状態中においても第1の音が継続して再生されており、消音状態の終了後もそのまま当該第1の音の再生が継続していることを期待している遊技者による消音状態の終了後における当該第1の音の時間的な位置の想像と、消音状態の終了を契機として実際に再生が開始された当該第1の音の時間的な位置とのずれを抑制しつつ、当該第1の音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。この結果、例えば、第1の音データに記録された第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該第1の音の再生を開始することができる。
[特徴βH2]
特徴βH1に記載の遊技機であって、
第2の音(リーチ演出R1に対応した音声)が記録された第2の音データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)に基づいて前記第2の音を再生する第2の再生手段(音声チャンネル2における再生機能)を備え、
前記出力手段は、前記第2の再生手段によって再生されている前記第2の音を出力可能であり、
前記消音状態開始手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の開始を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記消音状態終了手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の終了を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βH2によれば、第2の再生手段による第2の音の再生中は、第1の音が出力手段から出力されない消音状態となるので、第2の音をより一層際立たせることができ、遊技者の注意を第2の音に集中させることができる。
[特徴βH3]
特徴βH1または特徴βH2に記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、楽曲が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βH3によれば、消音状態の終了の際に当該楽曲の小節の切れ目から再生を開始するので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βH4]
特徴βH1から特徴βH3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、声を含んだ音が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記声を含んだ音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該声を含んだ音の再生時間のうち当該声が含まれていない期間の中の時間的な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βH4によれば、消音状態の終了の際に声が途中から再生されないので、消音状態の終了の際に声が途中から再生されるといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該声を含んだ音の再生を開始することができる。
[特徴βH5]
特徴βH1から特徴βH4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、複数の分割音データ(BGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ)によって構成されており、
前記第1の再生手段は、前記複数の分割音データを順次再生する手段を備え、
前記第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、前記各分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βH5によれば、記録されている音の時間的な位置を指定して再生を開始することが不可能又は困難な形式のデータに音が記録されている構成であっても、当該データに記録された音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。
<特徴βI群>
特徴βI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例4から抽出される。
[特徴βI1]
第1の音(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである第1の音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記第1の音を再生する第1の再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記第1の再生手段によって再生されている前記第1の音を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
前記第1の音が前記出力手段から出力されない消音状態を開始させる消音状態開始手段と、
前記消音状態を終了させる消音状態終了手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1の再生手段は、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合において、前記消音状態の開始後も当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を継続している場合または継続していると仮定した場合における当該第1の音の時間的な再生位置である消音状態中再生位置を特定可能な処理を実行する手段を備え、
前記消音状態終了手段は、
当該第1の音データに記録された前記第1の音の予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲M1を構成する各音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置、BGM用楽曲M1音声データに設定された複数の再生開始位置)のうちの一の時間的な位置(図296ではBGM用楽曲M1の第3主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)に前記消音状態中再生位置が到達したタイミングで前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βI1によれば、消音状態中において、消音状態中再生位置が第1の音の予め定められた複数の時間的な位置のうちの一の時間的な位置に到達したタイミングで消音状態を終了させるので、例えば、第1の音データに記録された第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の出力を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、遊技者に違和感を与えることなく、当該第1の音の消音状態を終了させて当該第1の音の出力を開始することができる。また、消音状態の開始後も当該第1の音データに記録された第1の音の再生を継続している構成とすれば、当該第1の音の消音状態を終了させるタイミングにおいて当該第1の音の再生を開始する時間的な位置を制御することなく、当該第1の音の消音状態を終了させることのみによって、当該第1の音の予め定められた時間的な位置から当該第1の音の出力を開始させることができる。
[特徴βI2]
特徴βI1に記載の遊技機であって、
第2の音(リーチ演出R1に対応した音声)が記録された第2の音データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)に基づいて前記第2の音を再生する第2の再生手段(音声チャンネル2における再生機能)を備え、
前記出力手段は、前記第2の再生手段によって再生されている前記第2の音を出力可能であり、
前記消音状態開始手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の開始を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記消音状態終了手段は、
当該第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた時間的な位置のうち、前記第2の音の再生の終了のタイミングより後の直近の時間的な位置に前記消音状態中再生位置が到達したタイミングで、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βI2によれば、第2の再生手段による第2の音の再生中は、第1の音が出力手段から出力されない消音状態となるので、第2の音をより一層際立たせることができ、遊技者の注意を第2の音に集中させることができる。さらに、第2の音の再生の終了のタイミングにおける第1の音の消音状態中再生位置によっては、消音状態中再生位置が第1の音の予め定められた時間的な位置に到達するまでの間に時間を要する場合がある。すなわち、第2の音の再生の終了のタイミングと第1の音の消音状態の終了のタイミングとの間に、第2の音も第1の音も出力されていない期間を挟むことができる。ここで、2つの音が無音期間を挟まずに連続して再生されると、当該2つの音のうちの後の音の開始部分を正確に聴き取ることが困難となる場合がある。したがって、本特徴によれば、第2の音の再生の終了のタイミングから第1の音の消音状態の終了のタイミングまでの間に、第2の音も第1の音も出力されていない期間を挟むことができるので、遊技者は、第1の音の消音状態の終了直後の部分(出力開始部分)を正確に聴き取ることが可能となり、第2の音の再生の終了後に、遊技者の注意を第1の音に向けさせることが可能となる。さらに、消音状態の開始後も当該第1の音データに記録された第1の音の再生を継続している構成とすれば、第1の音が第2の音の再生の開始から終了後も継続して出力されていた場合と同じ時間的位置から当該第1の音の出力が再開されるので、第2の音の再生の開始から終了後も第1の音が継続して再生されている様子をイメージしていた遊技者に違和感を与えない。すなわち、本特徴によれば、遊技者に違和感を与えることなく、第2の音の再生の終了後に、第1の音の出力を再開することができる。
[特徴βI3]
特徴βI1または特徴βI2に記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、楽曲が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βI3によれば、消音状態の終了の際に当該楽曲の小節の切れ目から再生を開始するので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βI4]
特徴βI1から特徴βI3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、声を含んだ音が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記声を含んだ音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該声を含んだ音の再生時間のうち当該声が含まれていない期間の中の時間的な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βI4によれば、消音状態の終了の際に声が途中から再生されないので、消音状態の終了の際に声が途中から再生されるといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該声を含んだ音の再生を開始することができる。
[特徴βI5]
特徴βI1から特徴βI4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、複数の分割音データ(BGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ)によって構成されており、
前記第1の再生手段は、前記複数の分割音データを順次再生する手段を備え、
前記第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、前記各分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
<特徴βJ群>
特徴βJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態から抽出される。
[特徴βJ1]
第1の音(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである第1の音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記第1の音を再生する第1の再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記第1の再生手段によって再生されている前記第1の音を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
前記第1の音が前記出力手段から出力されない消音状態を開始させる消音状態開始手段と、
前記消音状態を終了させる消音状態終了手段と、
を備える遊技機であって、
前記消音状態終了手段は、
前記消音状態を終了させる契機である第1の消音終了契機(リーチ演出R1に対応した音声の再生の終了、デモ動画の非表示中の消音状態における図柄の変動開始)に基づいて前記消音状態を終了させる第1の消音状態終了手段と、
前記消音状態を終了させる契機である第2の消音終了契機(デモ動画の表示中の消音状態における図柄の変動開始)に基づいて前記消音状態を終了させる第2の消音状態終了手段と、
を備え、
前記第1の再生手段は、
前記第1の音データに記録された前記第1の音を予め定められた複数の時間的な位置(BGM用楽曲M1を構成する各音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置、BGM用楽曲M1音声データに設定された複数の再生開始位置)から再生を開始することが可能であり、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合に、前記第1の消音終了契機に基づく前記消音状態の終了を契機として、当該第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のうちのいずれか一の時間的な位置から当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を開始する手段と、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合に、前記第2の消音終了契機に基づく前記消音状態の終了を契機として、当該第1の音データに記録された前記第1の音の時間的な先頭の位置から当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を開始する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ1によれば、消音状態を終了させる際に、当該消音状態を終了させる契機の種別に応じた適切な時間的な位置から第1の音の再生を開始することが可能となる。具体的には、本特徴によれば、消音状態を終了させる契機の種別に応じて、第1の音の予め定められた複数の時間的な位置のうちのいずれか一の時間的な位置から当該第1の音の再生を開始する場合と、第1の音の時間的な先頭の位置から当該第1の音の再生を開始する場合とがある。
例えば、第1の消音終了契機が、遊技者が当該遊技機において遊技を行なっている最中に生じる契機である場合であって、第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該第1の音の再生を開始することができる。
また、例えば、第2の消音終了契機が、新たな遊技者が当該遊技機において遊技を開始したことに基づいて生じる契機である場合には、消音状態を終了させる際に、第1の音の時間的な先頭の位置から当該第1の音の再生を開始するので、新たに遊技を開始した遊技者が、第1の音の時間的な先頭の位置から漏れなく当該第1の音を聴くことが可能となり、これから始まる遊技に対する遊技者の期待感をより一層高めることができる。
したがって、本特徴によれば、消音状態を終了させる際に、当該消音状態を終了させる契機の種別に応じた適切な時間的な位置から第1の音の再生を開始することが可能となる。
[特徴βJ2]
特徴βJ1に記載の遊技機であって、
第2の音(リーチ演出R1に対応した音声)が記録された第2の音データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)に基づいて前記第2の音を再生する第2の再生手段(音声チャンネル2における再生機能)を備え、
前記出力手段は、前記第2の再生手段によって再生されている前記第2の音を出力可能であり、
前記消音状態開始手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の開始を契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記第1の消音状態終了手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の終了を前記第1の消音終了契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ2によれば、第2の再生手段による第2の音の再生中は、第1の音が出力手段から出力されない消音状態となるので、第2の音をより一層際立たせることができ、遊技者の注意を第2の音に集中させることができる。そして、第2の音の再生の終了を契機として消音状態を終了させるとともに、第1の音の予め定められた複数の時間的な位置のうちのいずれか一の時間的な位置から当該第1の音の再生を開始するので、例えば、第1の音データに記録された第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該第1の音の再生を開始することができる。
[特徴βJ3]
特徴βJ1またはβF2に記載の遊技機であって、
図柄を表示する図柄表示手段と、
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記図柄表示手段に表示されている前記図柄の変動を開始する図柄変動開始手段と、
を備え、
前記消音状態開始手段は、前記図柄の変動が所定期間開始されていないことを契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記第2の消音状態終了手段は、前記図柄の変動が開始されたことを前記第2の消音終了契機として、前記第1の音が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ2によれば、図柄の変動が所定期間開始されていない状況、すなわち、当該遊技機において遊技者が遊技を行なっていない可能性が高い状況において、第1の音が出力手段から出力されない消音状態を開始することができる。そして、図柄の変動が開始された状況、すなわち、新たな遊技者が当該遊技機において遊技を開始した可能性が高い状況において、消音状態を終了させるとともに、第1の音の時間的な先頭の位置から当該第1の音の再生を開始するので、新たに遊技を開始した遊技者が、第1の音の時間的な先頭の位置から漏れなく当該第1の音を聴くことが可能となり、これから始まる遊技に対する遊技者の期待感をより一層高めることができる。
[特徴βJ4]
特徴βJ1からβF3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の再生手段は、
前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記第1の音を再生していた場合において、前記消音状態の開始後も当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を継続している場合または継続していると仮定した場合における当該第1の音の時間的な再生位置である消音状態中再生位置を特定可能な処理を実行する手段と、
前記第1の消音終了契機に基づく前記消音状態の終了を契機として、当該第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のうち、前記消音状態が終了する時点における前記消音状態中再生位置(図257ではBGM用楽曲M1の第2主要部音声データに記録された音声の時間的な途中の位置)の直後に位置する前記予め定められた時間的な位置(図257ではBGM用楽曲M1の第3主要部音声データに記録された音声の時間的な先頭の位置)から当該第1の音データに記録された前記第1の音の再生を開始する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ4によれば、消音状態中においても第1の音が継続して再生されており、消音状態の終了後もそのまま当該第1の音の再生が継続していることを期待している遊技者による消音状態の終了後における当該第1の音の時間的な位置の想像と、消音状態の終了を契機として実際に再生が開始された当該第1の音の時間的な位置とのずれを抑制しつつ、当該第1の音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。この結果、例えば、第1の音データに記録された第1の音の予め定められた複数の時間的な位置が、当該時間的な位置から第1の音の再生を開始しても遊技者にとって違和感のないように設定されていれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該第1の音の再生を開始することができる。
[特徴βJ5]
特徴βJ1から特徴βJ4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、楽曲が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ5によれば、消音状態の終了の際に当該楽曲の小節の切れ目から再生を開始するので、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく当該楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βJ6]
特徴βJ1から特徴βJ5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、声を含んだ音が記録されたデータであり、
前記第1の音データに記録された前記声を含んだ音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該声を含んだ音の再生時間のうち当該声が含まれていない期間の中の時間的な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ6によれば、消音状態の終了の際に声が途中から再生されないので、消音状態の終了の際に声が途中から再生されるといった違和感や不快感を遊技者に与えることなく、当該声を含んだ音の再生を開始することができる。
[特徴βJ7]
特徴βJ1から特徴βJ6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、複数の分割音データ(BGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ)によって構成されており、
前記第1の再生手段は、前記複数の分割音データを順次再生する手段を備え、
前記第1の音データに記録された前記第1の音の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、前記各分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βJ7によれば、記録されている音の時間的な位置を指定して再生を開始することが不可能又は困難な形式のデータに音が記録されている構成であっても、当該データに記録された音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。
<特徴βK群>
特徴βK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態から抽出される。
[特徴βK1]
第1の音として楽曲(BGM用楽曲M1)が記録されたデータである第1の音データ(図256のBGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ、図299の単一のBGM用楽曲M1音声データ)に基づいて前記楽曲を再生する第1の再生手段(音声チャンネル1における再生機能)と、
前記第1の再生手段によって再生されている前記楽曲を出力可能な出力手段(スピーカー46)と、
を備える遊技機であって、
前記第1の再生手段は、前記第1の音データに記録された前記楽曲の時間的な先頭の位置より後の予め定められた時間的な位置から当該楽曲の再生を開始することが可能であり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた時間的な位置は、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βK1によれば、第1の音データに記録された楽曲の予め定められた時間的な位置は、当該楽曲の小節の切れ目と一致しているので、当該楽曲の予め定められた時間的な位置から再生を開始しても、遊技者に違和感を与えない。したがって、遊技者に違和感を与えることなく、予め定められた時間的な位置から当該第1の音データに記録された楽曲の再生を開始することが可能となる。
[特徴βK2]
特徴βK1に記載の遊技機であって、
前記第1の再生手段は、前記第1の音データに記録された前記楽曲の予め定められた複数の時間的な位置から当該楽曲の再生を開始することが可能であり、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致している
ことを特徴とする遊技機。
特徴βK2によれば、第1の音データに記録された楽曲の予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、当該楽曲の小節の切れ目と一致しているので、当該楽曲の予め定められた複数の時間的な位置のうち、どの時間的な位置から当該楽曲の再生を開始しても、遊技者に違和感を与えない。したがって、遊技者に違和感を与えることなく、様々な時間的な位置から当該第1の音データに記録された楽曲の再生を開始することが可能となる。
[特徴βK3]
特徴βK2に記載の遊技機であって、
前記楽曲が前記出力手段から出力されない消音状態を開始させる消音状態開始手段と、
前記消音状態を終了させる消音状態終了手段と、
を備え、
前記第1の再生手段は、前記消音状態の開始の時点において前記第1の音データに記録された前記楽曲を再生していた場合には、前記消音状態の終了を契機として、当該第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のいずれかの位置から当該第1の音データに記録された前記楽曲の再生を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βK1によれば、消音状態の終了の際に遊技者に違和感を与えることなく、当該第1の音データに記録された楽曲の再生を開始することができる。
[特徴βK4]
特徴βK3に記載の遊技機であって、
第2の音(リーチ演出R1に対応した音声)が記録された第2の音データ(リーチ演出R1に対応した音声データ)に基づいて前記第2の音を再生する第2の再生手段(音声チャンネル2における再生機能)を備え、
前記出力手段は、前記第2の再生手段によって再生されている前記第2の音を出力可能であり、
前記消音状態開始手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の開始を契機として、前記楽曲が前記出力手段から出力されない前記消音状態を開始させる手段を備え、
前記消音状態終了手段は、前記第2の再生手段による前記第2の音データに基づく前記第2の音の再生の終了を契機として、前記楽曲が前記出力手段から出力されない前記消音状態を終了させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βK4によれば、第2の再生手段による第2の音の再生中は、楽曲が出力手段から出力されない消音状態となるので、第2の音をより一層際立たせることができ、遊技者の注意を第2の音に集中させることができる。
[特徴βK5]
特徴βK2から特徴βK4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の音データは、複数の分割音データ(BGM用楽曲M1を構成する複数の音声データ)によって構成されており、
前記第1の再生手段は、前記複数の分割音データを順次再生する手段を備え、
前記第1の音データに記録された前記楽曲の前記予め定められた複数の時間的な位置のそれぞれは、前記各分割音データに記録された音の時間的な先頭の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βK5によれば、記録されている音の時間的な位置を指定して再生を開始することが不可能又は困難な形式のデータに音が記録されている構成であっても、当該データに記録された音を予め定められた時間的位置から再生を開始することが可能となる。
なお、上記特徴βD群〜特徴βK群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記特徴A群〜特徴βK群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。