JP6729267B2 - 湿式竪型粉砕機およびそのライニング方法 - Google Patents

湿式竪型粉砕機およびそのライニング方法 Download PDF

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Description

本発明は、湿式竪型粉砕機およびそのライニング方法に関する。より詳しくは、攪拌用スクリューの螺旋スロープに摩耗対策として部分交換可能な耐摩耗ライナーを取り付けられた湿式竪型粉砕機およびそのライニング方法に関する。
<ニッケル・コバルトの製造>
図11に示す湿式精錬プロセスによりニッケルおよびコバルトが製造されている。図11は、従来のマット塩素浸出電解採取法、すなわちMatte Chlorine Leach Electrowinning(以下、「湿式製錬プロセス」、「MCLEプロセス」又は「MCLE」ともいう)を説明するためのフローチャートである。このMCLEは、ニッケル・コバルト混合硫化物(以下、「MS」ともいう)およびニッケルマットを原料として、湿式精錬により、電気ニッケルと電気コバルトを生産する。なお、湿式精錬は、鉱石から金属を取り出すまでの精錬作業を、酸・アルカリ・溶媒等の水溶液中で行う工程をいう。また、マットとは金属の硫化物のことをいう。
図11に示すように、MCLEプロセスは、ニッケルマットとMSから電気ニッケルと電気コバルトを得るためのプロセスである。MCLEは、前処理としての湿式粉砕工程(以下、単に「湿式粉砕工程」又は「粉砕工程」ともいう)(S10)と、塩素浸出工程(S20)と、脱鉄工程(S30)と、コバルト溶液抽出工程(S40)と、ここで塩化ニッケル溶液および塩化コバルト溶液に分けられた後にそれぞれ実行される浄液工程(S50,S70)と、ニッケル電解工程(S60)、コバルト電解工程(S80)とを有する。
前処理(湿式粉砕)工程(S10)では、ニッケルマットを細かく粉砕して反応しやすい性状にする。塩素浸出工程(S20)では、粉砕したニッケルマットとニッケル・コバルト混合硫化物(MS)とを電解工程で発生した塩素と反応させて塩化物溶液にする。
この塩化物溶液から、脱鉄工程(S30)、コバルト溶媒抽出工程(S40)、浄液工程(S50)およびニッケル電解工程(S60)を経て電気ニッケルが得られる。浄液工程(S50)では、コバルト溶媒抽出工程(S40)で得られた塩化物溶液から、コバルトや不純物を取り除いて純粋にされた塩化ニッケル溶液をニッケル電解工程(S60)へ送る。
ニッケル電解工程(S60)では、浄液工程(S50)で精製された塩化ニッケル溶液に対し、電解採取法により陰極側に電着させたものが電気ニッケルとして得られる。この電気ニッケルは特殊鋼や電池材料等に使用される。なお、不溶性陽極側で発生した塩素は、捕集・昇圧して塩素浸出工程(S20)に繰り返され、再びニッケルマットやMSとの反応に使用される。
一方、コバルト溶媒抽出工程(S40)で得られた塩化コバルト溶液から、浄液工程(S70)およびコバルト電解工程(S80)を経て電気コバルトが得られる。この電気コバルトは磁性材料や超硬工具等に使用される。
<ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)>
MSは、ニッケル含有率1wt%程度の赤土状の鉱物であるニッケル酸化鉱を原料とし、高温高圧下での硫酸浸出により有価金属を浸出し、得られた浸出液から不純物を除去し、硫化剤によって、組成的にはニッケル含有率を50〜60wt%まで上昇させたものである。MSの形状は粉体原料であり、フレキシブルコンテナ輸送による調達時の粒径は70〜80μm(D50)程度のサイズであるが、MCLEにおいて効率良く反応させるには粒径が大き過ぎる。
<MSスラリー>
そこで、反応効率を高めるために、図11の塩素浸出工程(S20)の前処理として、MSと電解廃液とを湿式竪型粉砕機に装入して湿式粉砕工程(S10)を実行する。この湿式粉砕工程(S10)では、粉体原料であるMS(以下、「MS粉末」ともいう)の粒径を、70〜80μm(D50)程度から15〜20μm(D50)程度のサイズにまで粉砕して微細MSにする。その結果、湿式粉砕工程(S10)により、微細MSと電解廃液(水)の混合されたスラリー(以下、「MSスラリー」という)が得られる。
MCLEの初期段階、すなわち、図11の塩素浸出工程(S20)では、微細MSと水が混合されたMSスラリーを、塩素浸出槽に装入して、塩素ガスを吹き込みながら撹拌することにより有価金属を浸出する。
<湿式竪型粉砕機>
湿式竪型粉砕機として、特許文献1に、焼結原料の造粒方法について開示されている。この造粒方法では、湿式竪型粉砕機を用いて鉄鉱石を湿式粉砕し、この湿式粉砕してなる鉄鉱石スラリーを焼結原料の全部または一部に添加して造粒する。このような造粒方法によって、鉄鉱石、炭材、副原料および返鉱を配合して焼結原料とし、当該焼結原料を混合、調湿および造粒処理することができる。
これに用いる湿式竪型粉砕機は、回転駆動する鉛直中心軸にスクリューを備えた円筒容器からなる粉砕部と、重力および遠心力の作用により分級する分級部と、分級部で分級したアンダーフローを粉砕部の円筒容器に循環させる循環部と、を有する構成である。
湿式竪型粉砕機には、ボールミル、ビーズミル等様々なタイプがあるが、特許文献1に記載の湿式竪型粉砕機(タワーミル(登録商標))は、ニッケル・コバルトの湿式精錬プラントで好ましく使用されている。この湿式竪型粉砕機は、粉砕効率が高く、かつ、竪型なので設置スペースを小さくすることが可能であり、スラリーを連続的に処理する操業が可能である。この湿式竪型粉砕機は、被粉砕物を含んだスラリーと、粉砕媒体とを装入し、被粉砕物と、粉砕媒体である硬質材料のボールやビーズとを、スクリューで撹拌することにより衝突させる。
しかしながら、特許文献1には、非常に硬いMSを被粉砕物として微細MSを製造するための湿式竪型粉砕機、特にスクリューの耐久期限を延長させることについて記載されていない。つまり、MCLE全体を大規模に行う定期的な点検整備(以下、「定期補修」ともいう)の時期に、湿式竪型粉砕機のスクリュー交換の時期を一致させるようにするために施すライニングの補強について記載されていない。したがって、特許文献1に記載の湿式竪型粉砕機をMCLEに採用し、その初期段階で微細MSを製造するためには、スクリューの耐摩耗ライニングについて、少なからず改善余地が残されている。
湿式竪型粉砕機は、鉛直に立設された円筒状の本体容器と、その本体容器内に懸垂されるスクリューと、そのスクリューを回転させるため本体容器の上部に設置された駆動装置と、を備えて構成されている。この湿式竪型粉砕機では、本体容器内に被粉砕物と粉砕媒体とを併せて充填し、これらを螺旋スロープが二重に形成されたスクリューで効果的に攪拌し、衝撃力・摩擦力によって被粉砕物の粉砕を促進させる。また、本体容器は鋼鉄で接液部には耐食ライニングが施されている。一方、スクリューを形成する螺旋スロープには、摩耗対策として、部分交換可能な耐摩耗ライナーを取り付けている。
<耐摩耗ライニング>
ライニング(lining)とは、物体の表面又は内面に、定着可能な物質・物体を比較的厚く覆う表面処理のことを意味する。また、その被膜自体を指していう場合もある。物体の表面に定着した被膜等により、母材に対して耐摩耗性、耐酸性、耐食性のほか耐熱性も高めることができる。
<スクリューの摩耗交換>
撹拌用のスクリューは摩耗し易いので、一般的な摩耗対策として、炭素鋼(いわゆるSS)でなるベース部材(以下、「芯部」ともいう)に対し、まず合成ゴム製のライニングにより保護されている。ただし、上述のMS粉末は、NiS,Ni,CoS,FeS等の鉱物粉体で構成されているため非常に硬い。このように硬いMS粉末を撹拌するスクリューは、螺旋スロープの摩耗が進み、後述する補強を施しても交換時期が1カ月程度で到来する。はなはだしい場合、わずか数日の操業でスクリューの交換を要することもある。
MCLE全体を所定時間だけ停止して行う定期補修は、通常なら6ヶ月に1回の頻度で実施される。つまり、6ヶ月の通常操業期間中は連続して操業される。これに対し、スクリューの摩耗交換の時期がわずか1カ月で到来するとなると、通常操業期間中にスクリューを5〜6回の頻度で交換する必要がある。このようなスクリューの摩耗交換は、その都度にMCLEの相当部分が相当時間だけ操業停止するので稼働率低下の原因となる。
すなわち、スクリュー交換は、当然に湿式竪型粉砕機を停止して行われるが、その影響は湿式粉砕工程(S10)のみにとどまらない。湿式竪型粉砕機の停止に連動して、その後工程である塩素浸出工程(S20)の装置まで停止を余儀なくされる。そのため、通常操業期間中にスクリューを頻回に交換するようでは、交換の都度に相当時間を操業停止することになるので稼働率が著しく低下する。
そこで、近年の湿式竪型粉砕機は、上述の一般的な摩耗対策をさらに補強して耐久期限を延長させている。詳しくは、スクリューの芯部を構成する炭素鋼板の螺旋面をライニングする合成ゴムに、さらに上乗せする形で、耐摩耗性の高い天然ゴムのライニング材を、ボルトで取り付けて補強をしている。この補強により、交換頻度を1カ月程度に延長するように改善されている。
再公表WO2013/054471号公報 特開2012−166353号公報
しかしながら、稼働率の低下を軽減するためには、プラント全体を所定時間だけ停止して大規模に行う定期補修の頻度、すなわちメンテナンス周期の6ヶ月と一致させるように、スクリューの耐久期限を6ヶ月に設定することが望ましい。
また、特許文献2には、炭素鋼等でなるベース部材、すなわち排水管内壁の被保護面上に、第1のゴムと、さらに第1の金属と、必要によりさらに第2のゴムを層構造でライニングすることにより、耐摩耗性を向上できるライニング、およびその施工方法について開示されている。
しかしながら、特許文献2にはMSを粉砕対象とする粉砕機については記載されていない。そればかりか、特許文献2のライニングによる保護対象は、円筒の内壁であるため、湿式竪型粉砕機のスクリューとは全く構造が異なる。このように、特許文献2には、MSを被粉砕物として微細MSを製造するための湿式竪型粉砕機と、その湿式竪型粉砕機で用いられるスクリューの耐摩耗ライニングの強化と、耐摩耗ライニングの強化による耐用期限の延長と、その結果、スクリューの交換頻度を定期補修の周期に一致させること、これらの何れについても記載されていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、MS粉末を湿式粉砕してMSスラリーを製造するために用いるスクリューの耐摩耗性を向上させた湿式竪型粉砕機およびそのライニング方法を提供することにある。
本願発明者は、炭素鋼ベースの部材に対するライニングの保護方法を鋭意研究し、所定の硬化樹脂と操業に使用するボールを混合して補強材とし、コーティングすることにより課題を解決した。本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、本発明の一態様は、垂直円筒状の本体容器(10)に装入された被粉砕物(1)および粉砕媒体(2)を攪拌することにより前記被粉砕物(1)を粉砕する湿式竪型粉砕機(100)であって、
前記本体容器(10)の内部空間(13)に懸垂状で回転自在に軸支されたスクリュー(70)と、
前記本体容器(10)の上部(11)に配設されて前記スクリュー(70)を回転させる駆動装置(80)と、
前記スクリュー(70)を形成する螺旋スロープ(21)の芯部を構成する炭素鋼板(20)を被覆するとともに、前記螺旋スロープ(21)の深層から表層にわたって形成された耐摩耗ライナー(40)と、
を備えて構成され、
該耐摩耗ライナー(40)は、さらに、
前記炭素鋼板(20)の表面(29)をライニング(lining)する合成ゴム層(41)と、
該合成ゴム層(41)に重ねて前記螺旋スロープ(21)および外縁(22)を被覆するとともに、ボルト(3)の締緩により交換可能に付設された天然ゴムブロック(48〜50)と、
該天然ゴムブロック(48〜50)の上部表層に形成された天然ゴムスロープ(51)および天然ゴム外縁(52)を被覆するチタン製網(55)と、
該チタン製網(55)を被覆するエポキシ樹脂層(60)と、
該エポキシ樹脂層(60)に混在するように塗り込められる球体(5,7)と、
を有し、
該球体(5,7)は、直径(D)および硬度が前記粉砕媒体(2)に匹敵するものとした。
また、本発明の一態様において、前記エポキシ樹脂層(60)は、
前記チタン製網(55)を被覆する第1のエポキシ樹脂層(61)と、
該第1のエポキシ樹脂層(61)に前記塗り込められた前記球体(5,7)の所在にかかわらず最上層(63)を均一な平面に形成するために被覆された第2のエポキシ樹脂(62)と、
を備えることが好ましい。
また、本発明の一態様において、前記本体容器(10)に装入される前記被粉砕物(1)は、ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)であり、
該ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)は水が混合されたスラリーであることが好ましい。
また、本発明の一態様において、前記球体(5,7)は、素材がセラミクスであることが好ましい。
また、本発明の一態様において、前記スクリュー(70)は、1.70〜1.80回転で前記回転軸(30)方向の一端(31)から他端(32)まで推進可能なピッチであるとともに、二重螺旋構造であることが好ましい。
また、本発明の一態様において、前記スクリュー(70)は、2.0〜3.0回転で前記回転軸(30)方向の一端(31)から他端(32)まで推進可能なピッチであるであることが好ましい。
また、本発明の一態様において、前記本体容器(10)は鋼鉄製であり、該本体容器(10)の接液部(12)に耐食ライニング(14)が施されていることが好ましい。
また、本発明の一態様は、本体容器(10)に装入された被粉砕物(1)を粉砕媒体(2)とともに攪拌して粉砕するスクリュー(70)の螺旋スロープ(21)に対し、該螺旋スロープ(21)の芯部を構成する炭素鋼板(20)を耐摩耗ライナー(40)で被覆する湿式竪型粉砕機(100)のライニング方法であって、
前記螺旋スロープ(21)の芯部を構成する前記炭素鋼板(20)の表面(29)に合成ゴム層(41)でライニング(lining)する合成ゴムライニング工程(S1)と、
前記合成ゴム層(41)に重ねて前記螺旋スロープ(21)および外縁(22)を被覆する天然ゴムブロック(48〜50)をボルト(3)で留め付ける天然ゴムブロックボルト留め工程(S2)と、
前記天然ゴムブロック(48〜50)の上部表層に形成された天然ゴムスロープ(51)および天然ゴム外縁(52)をチタン製網(55)で被覆するチタン網被覆工程(S3)と、
前記チタン製網(55)の上から第1のエポキシ樹脂層(61)を塗布するエポキシ樹脂塗布工程(S4)と、
該エポキシ樹脂塗布工程(S4)で形成された前記第1のエポキシ樹脂層(61)の上にエポキシ樹脂を塗り重ねるエポキシ樹脂重ね塗り工程(S5)と、
直径(D)および硬度が前記粉砕媒体(2)に匹敵する球体(5,7)を前記第1のエポキシ樹脂層(61)に混在させるように塗り込めるとともに、前記球体(5,7)の所在にかかわらず最上層(63)に均一な平面を形成するように第2のエポキシ樹脂(62)で被覆するボール塗り込め工程(S6)と、を有して実行される方法である。
本発明によれば、MS粉末を湿式粉砕してMSスラリーを製造するために用いるスクリューの耐摩耗性を向上させた湿式竪型粉砕機およびそのライニング方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る湿式竪型粉砕機(以下、「本機」ともいう)の全体概略を説明するための模式図である。 本機で用いるスクリュー(以下、「本スクリュー」ともいう)の正面図であり、螺旋スロープの芯部を形成する炭素鋼板に耐摩耗ライナー(以下、単に「ライナー」ともいう)を施す前の状態である。 本スクリューの斜視図であり、図2に示した螺旋スロープの芯部を形成する炭素鋼板に天然ゴムブロックをボルト留めした状態である。 螺旋スロープの一部拡大断面図であり、芯部の炭素鋼板に合成ゴムのライニングを施した状態である。 螺旋スロープの一部拡大断面図であり、図4に示した合成ゴムのライニングに重ねて天然ゴムブロックをボルト留めした状態である。 螺旋スロープの一部拡大断面図であり、図5に示した天然ゴムブロックの表面にチタン網を被せて固定した状態である。 螺旋スロープの一部拡大断面図であり、図6に示したチタン網被覆部や凹部等にエポキシ樹脂を塗布した状態である。 螺旋スロープの一部拡大断面図であり、図7に示した塗布部より広範囲な表面にエポキシ樹脂を塗り重ねた状態である。 螺旋スロープの一部拡大断面図であり、図7および図8に示した塗布部のうち、外周寄りの上面および外縁に、粉砕媒体と同じボールをエポキシ樹脂で塗り込めた状態である。 螺旋スロープにライニングを施す工程(以下、「湿式竪型粉砕機のライニング方法」又は「本方法」ともいう)を説明するためのフローチャートである。 従来の湿式製錬プロセス(MCLE)を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
図1は本発明の一実施形態に係る湿式竪型粉砕機(本機)の全体概略を説明するための模式図である。図1に示すように、本機100は、主要な粉砕部と、その粉砕部に付設された分級部と、循環部とから構成される。粉砕部は、駆動装置80で回転駆動される回転軸30に二重螺旋状のスクリュー70を備えた本体容器10からなる。本体容器10内には、被粉砕物1、粉砕媒体2および電解廃液(水)が装入される。
被粉砕物1は、ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)である。このMSは水が混合されたスラリー状態である。粉砕媒体2は、規定の粒径Dのセラミクス球体である(図9のボール5も参照)である。以下、本願明細書では、組成および粒径Dが同じセラミクス球体について、ライニング強化用の骨材としての用途と、粉砕媒体2の用途との何れにおいても、規定の粒径D=15mm又は20mmの球体を、(セラミクス)ボール5と称している。これらのボール5より微細な粒径D=1〜2mmの球体を(セラミクス)ビーズ7(図7〜図9)と称してライニング強化用と粉砕媒体用との何れにも用いている。
湿式竪型粉砕機100の主要な粉砕部は、本体容器10と、スクリュー70と、駆動装置80と、を備えて構成され、本体容器10に装入された被粉砕物1および粉砕媒体2をスクリュー70で攪拌することにより被粉砕物1を粉砕する。駆動装置80は、本体容器10の上部11に配設されてスクリュー70を回転させる。
本体容器10は垂直円筒状に立設され、被粉砕物1および粉砕媒体2を収容して処理可能な鋼鉄製の容器である。この本体容器10はスラリー状態の内容物が容器内で接する接液部12に耐食ライニング14が施されている。なお、内容物はMSスラリーであり符号は付していない。
分級部は、本体容器10の上部側面に接続された沈降分離器95、および沈降分離器95に接続されたサイクロン分級装置96からなる。循環部は、沈降分離器95の下部から循環ポンプ97を経て本体容器10の下部へつながる配管98、およびサイクロン分級装置96の下部から沈降分離器95の上部へつながる配管99からなる。
なお、沈降分離器95は、水簸槽(すいひそう)とも呼ばれている。水簸(elutriation)とは、比重選鉱の一種であり、粉体製造工程で、粒径による水中の沈降速度の差を利用して微粒子と粗粒子を分離する方法をいう。すなわち、粉砕した鉱石を流水にさらし、比重の小さい部分を洗い流し、底に沈んだ重い部分を取出す方法であり、例えば、砂金の分別採集等によく用いられる。
被粉砕物(MS)1(以下、「被粉砕物1」、「MS1」又は「被粉砕物MS1」ともいう)は、粉砕媒体(セラミクスボール)2、および水(電解廃液)と共に本体容器10の上部から投入される。投入されたMS1は本体容器10の下部に落下し、本体容器10内の粉砕媒体2と混合する。これらの混合物は、回転駆動されるスクリュー70によって撹拌される。
MS1は、スクリュー70の撹拌作用により円周方向に回転する運動と、スクリュー70の推進作用により持ち上げられて上方に巻き上げられる運動と、自重により下方に落下する運動と、を繰り返す。これらの複合的な運動により、MS1どうし、あるいはMS1と粉砕媒体2との間に剪断力や圧縮力が作用してMS1が粉砕される。
本体容器10内において、MS1は、粉砕が進行して粒度が次第に小さくなり、自重によって水中を落下する速度よりも、スクリュー70の回転によって上方に巻き上げられる速度の方が大きくなると、本体容器10内に満たされている水に懸濁してスラリー状になり、本体容器10の上部側面の沈降分離器95に流れ込む。
沈降分離器95に流れ込んだMSスラリーは、重力の作用によって粗分級される。このとき、分級された粗粒のMSスラリーは、アンダーフロー(図1中の「U/F」参照)として沈降分離器95の下部から配管98へ流れ込み、循環ポンプ97を経て本体容器10の下部に戻されて再度粉砕される。一方、細粒のMSスラリーは、オーバーフロー(図1中の「O/F」参照)としてサイクロン分級装置96へ流れ込む。
サイクロン分級装置96に流れ込んだMSスラリーは、遠心力の作用によってさらに細かく分級される。このとき、分級された粗粒のMSスラリーは、アンダーフロー(図1中の「U/F」参照)として配管99を通じて沈降分離器95の上部へ戻され、一方、細粒のMSスラリーは、オーバーフロー(図1中の「O/F」参照)として本機100の系外に排出される。
そして、系外に排出されたMSスラリーの分、新たにMS1と水が本体容器10に投入される。また、粉砕媒体2は、相当の硬度を有するセラミックビーズであるが、稼働に応じて徐々に摩滅して減少した分を適宜補充するように、MS1と共に本体容器10に投入される。
図2は本機で用いるスクリュー(本スクリュー)の正面図であり、螺旋スロープの芯部を形成する炭素鋼板に耐摩耗ライナーを施す前の状態である。スクリュー70は、本体容器10内で回転自在に軸支され同一直径Rの外縁22を有して連続する螺旋スロープ21が回転軸30に付設されている。
なお、スクリュー70の各螺旋スロープ21は、上下ほとんどの箇所において、同一直径Rである。ただし、図3および図5〜図9に示すように、炭素鋼板20に天然ゴムブロック48〜50をボルト留めした後は、取り付ける前に対して直径Rが大きくなる。しかし、直径Rはここで寸法まで限定するものではないため、取り付け前後の何れの場合であっても、直径Rを同一符号で図示説明する。
例示されたスクリュー70は、1つの螺旋スロープ21が軸方向にわたって1.75段の螺旋スロープ21を形成している。つまり、回転軸30方向の一端31から他端32までを1.75回転で対象物を推進させることが可能なピッチに設定されている。このスクリュー70は二重(二条)螺旋構造であり、1本の回転軸30に2つの螺旋スロープ21が位相差180度で配設されている。
ただし、スクリュー70の形状は、上述した1.75段の螺旋スロープ21による二重螺旋構造に限定するものではない。例えば、1.70〜1.80段の螺旋スロープ21であれば好適である。また、他の例として、2.0〜3.0段でも良く、つまり、回転軸30方向の一端31から他端32までを2.0〜3.0回転で対象物を推進させることが可能なピッチに設定されたものもある。一例として2.5段で1条螺旋、又は二重螺旋構造に設定されたものでも良い。
また、スクリュー70の螺旋スロープ21には、図3〜図9を用いて後述するように、各螺旋スロープ21に耐摩耗ライナー40(図9)が施されている。耐摩耗ライナー40は、螺旋スロープ21の芯部を構成する炭素鋼板20を被覆して保護する。炭素鋼板20が形成する螺旋スロープ21に対して垂直方向Vにボルト孔23が穿設されている。
図3は、本スクリューの斜視図であり、図2に示した螺旋スロープの芯部を形成する炭素鋼板に天然ゴムブロックをボルト留めした状態である。図3に示すように、天然ゴムブロック48〜50は、炭素鋼板20の規定のボルト孔23(図3〜図9)に連通してボルト止め可能なボルト孔53を有し、ボルト孔53と締結されるボルト3の締緩により交換可能に付設されている。
この天然ゴムブロック48〜50は、螺旋スロープ21および外縁22の上に合成ゴム層41を介して被せられる。つまり、炭素鋼板20の表面に最初に被覆した合成ゴム層41(図4〜図9参照)の上に重ねて天然ゴムブロック48〜50を被覆する。そのスロープ面である天然ゴムスロープ51は、内周より外周の方が回転時の相対速度が高い分だけ摩耗程度も大きいので、天然ゴムブロック48〜50は、垂直方向Vの厚さが、内周から外周へと徐々に厚くなるように形成され、特に、外周面である天然ゴム外縁52は、半径方向rにも相当の厚さを確保するように形成されている。なお、天然ゴムスロープ51は、図3において段部を有して厚さに変化を持たせ、図4〜図9においてテーパ面により形成されている。
以下、各螺旋スロープ21に施されている耐摩耗ライナー40について、図4〜図9を用いて説明する。図4〜図9は螺旋スロープ21に垂直な方向Vと、回転軸30とを含む仮想の面による断面図である。なお、螺旋スロープ21の性質上、上述の方向Vは、回転軸30に対して所定の傾斜角となる。また、図4〜図9は、上述の方向Vを紙面の縦方向に合わせて描画している。
図9を用いて後述するように、湿式竪型粉砕機100は、螺旋スロープ21に対する垂直な方向Vの深層から表層にわたり、以下の部材を備えて耐摩耗ライナー40を構成している。すなわち、耐摩耗ライナー40は、合成ゴム層41と、天然ゴムブロック48〜50と、チタン製網55と、第1のエポキシ樹脂層61(以下、単に「樹脂層60」又は「エポキシ樹脂層60」ともいう)と、ボール5と、ビーズ7と、第2のエポキシ樹脂層62(以下、単に「樹脂層60」又は「エポキシ樹脂層60」ともいう)で被覆する最上層63と、を備えている。
また、エポキシ樹脂層60には、ライニング強化用の骨材としてセラミクス球体を混在させている。ボール5は、規定の粒径D=15mm又は20mmである点、および硬度が同じ点で、粉砕媒体2に匹敵するセラミクス球体であり、摩耗頻度の高い天然ゴムスロープ51および天然ゴム外縁52に偏在させて塗り込められる。一方、ビーズ7は、ボール5と同じ組成のセラミクス球体であるが、より微細な粒径D=1〜2mmの範囲内であり、エポキシ樹脂層60に均等に混入される。
ただし、ビーズ7の粒径Dは1〜2mmの範囲内で不揃いである。すなわち、ライニング強化に用いるビーズ7の粒径Dを必ずしも統一する必要はない。むしろ、粒径Dが不ぞろいなビーズ7による骨材をエポキシ樹脂層60に混在させたライニング層の方が、粒ぞろいの骨材を用いたライニング層よりも、エポキシ樹脂に対する面積比率で多くの骨材を露出させ易い(図9拡大部分参照)こともあり、耐摩耗性を高める点で好結果が得られた。なお、エポキシ樹脂層60は、上述した第1のエポキシ樹脂層61と、第2のエポキシ樹脂層62(以下、単に「樹脂層60」又は「エポキシ樹脂層60」ともいう)と、の少なくとも何れか一方を意味する。
以下、図4〜図9に示す螺旋スロープの一部拡大断面図を用いて螺旋スロープ21を構成する炭素鋼板20の垂直方向Vの深層から表層にわたって形成された耐摩耗ライナー40について説明する。この耐摩耗ライナー40は、螺旋スロープ21に対する垂直方向Vの深層から表層にわたって形成される。図4〜図9は、螺旋スロープ21を、図2に示すボルト孔23の貫通方向(垂直方向V)の線と、スクリュー70の半径方向rの線と、を含む面で断裁した断面図である。
図4は、芯部の炭素鋼板に合成ゴムのライニングを施した状態である。図1に示したように、本機100のスクリュー70における螺旋スロープ21の芯部は、炭素鋼板20で構成されている。この炭素鋼板20は、耐摩耗ライナー40で被覆される。耐摩耗ライナー40は複数の被覆層によって構成される。まず、耐摩耗ライナー40の初層として、図4に示すように、炭素鋼板20に対し、その表面29をはじめとしてボルト孔23の内径に至るまで耐食性を高めるために、合成ゴム層41によって薄く初層ライニングが施されている。
図5は図4に示した合成ゴムのライニングに重ねて天然ゴムブロックをボルト留めした状態である。図5に示すように、初層ライニングの合成ゴム層41に重ねて、天然ゴムブロック48〜50側のボルト孔53と、炭素鋼板20側のボルト孔23と、を一致させてから、ボルト3を上から下へと貫通し、下からナット4により締結した状態である。
なお、天然ゴムブロック48〜50側のボルト孔53のうち、平面視して浅い所は、ボルト3の頭部がすべて埋設されるように、さらに、ボルト3を締結する際に用いるレンチを挿入する余地も残るように、凹部54が形成されている。あるいは、ボルト3の六角形の頭部が密嵌受容されて回転を規制されるような六角形状に凹部54が形成されていても良い。このような凹部54にボルト3の頭部を隠すことにより、最終仕上がり状態の最上層63(図9)に不要な突起が生じない。
図6は、図5に示した天然ゴムブロックの表面にチタン網を被せて固定した状態である。図7は、図6に示したチタン網被覆部や凹部等にエポキシ樹脂を塗布した状態である。チタン製網55は、天然ゴムブロック48〜50の上部表層に形成された天然ゴムスロープ51および天然ゴム外縁52を被覆する。また、エポキシ樹脂の一例としてHTR−X樹脂を用いて好結果が得られた。なお、HTR−X樹脂は、「株式会社ITWパフォーマンスポリマーズ&フルイズジャパン」の製品型番HTR−Xを特定の配合により調整して用いた。
ちなみにエポキシ樹脂は種類によって特性が若干異なるが、基本的な特性は、耐水性、耐薬品性、耐腐食性、耐熱性、耐候性、接着性、電気絶縁性、および多用性に優れていることが知られている。特に、耐水性に関連して、水分のほか酸素等も通さないため、耐薬品性や耐腐食性にも寄与する。また、接着性について、金属やガラス、木材、コンクリート等各種素材の接着に使用できて、高い接着性を発揮する。
また、エポキシ樹脂は、上述の基本的な特性を持ちながら、接着剤や塗料としての用途で優れた特性を発揮する。基本的な特性のなかでも特に、耐水性や耐食性は、コーティング剤としての適正を高める。さらに、接着剤として用いられた場合、接着対象となる素材を強化するための構成部材にもなり得る。このように、エポキシ樹脂は、素材として耐水性・耐薬品性・耐食性に優れるのみならず、接着剤としても、耐水性、耐食性や耐久性という機能からあらゆる部分に使用されている。
エポキシ樹脂の接着剤としての機能は、コーティング塗料だけでなく、コンクリートに対するひび割れ等の劣化防止にも好適である。この接着剤としての機能は、カーボンファイバー、すなわち炭素繊維や、ガラス繊維といった強化プラスチックの接着、保護コーティングとして多用されており、このような場合、「エンジニアリング接着剤」と通称される接着剤に分類される。このエンジニアリング接着剤は、スペシャリティ接着剤とも呼ばれ、高性能な構造強度を発揮する接着剤を意味する。
図7に示すように、天然ゴムブロック48〜50には、エポキシ樹脂が塗布されて第1のエポキシ樹脂層61が形成される。第1のエポキシ樹脂層61は、チタン製網55を被覆する。その樹脂層には、耐摩耗性や耐食性を考慮して強化対策が施されている。また、第1のエポキシ樹脂層61には、粉砕媒体2と同一材質、同一粒径D、および同一硬さのセラミクスビーズ7が概ね均等に混入されている。なお、粉砕媒体2には、セラミクスビーズ7やボール5のように複数種類の粒径Dのものが混在している。
すなわち、図6に示した天然ゴムブロック48〜50の上部表層、すなわち天然ゴムスロープ51の表面にチタン網55を敷設し、その上からエポキシ樹脂60を塗布することにより、天然ゴムブロック48〜50から第1のエポキシ樹脂層61が脱落することを防止する。図7に示したまでの状態でも完成された強化対策として使用可能であり、この段階でもスクリュー70の全体的な寿命を向上させる効果が得られることが確認できている。以下、さらなる強化対策について説明する。
図8は、図7に示した塗布部より広範囲な表面にエポキシ樹脂を塗り重ねた状態である。図9は、図7および図8に示した塗布部のうち、外周寄りの上面および外縁に、粉砕媒体と同じボールをエポキシ樹脂で塗り込めた状態である(一部拡大図も示す)。図8に示すように、第1のエポキシ樹脂層61よりも広範囲な表面に及んで、エポキシ樹脂60をさらに塗り重ねて第2のエポキシ樹脂層62を形成する。
この第2のエポキシ樹脂層62は、図9に示す最上層63を堅固に形成するとともに、そのための下地およびバインダとしても機能する。なお、上述した第1、第2のエポキシ樹脂層61,62を、2工程に分けて塗り重ねず、エポキシ樹脂層60を1度に塗布する工程で形成しても良い。さらに、エポキシ樹脂層60に混入されて塗り込められるセラミク球体として、セラミクスビーズ7とボール5とを区別せず、例えば、図7に示した状態を完成とするように、単一種類の粒径のものだけを用いても構わない。
図9に示すように、最上層63は、本体容器10の内部空間13に露出した全面を第2のエポキシ樹脂層62で被覆することにより形成されている。また、ボール5は、粉砕媒体2と同一材質、同一粒径D、および同一硬さのセラミクス球体であり、第2のエポキシ樹脂層62の指定領域に塗り込められている。第2のエポキシ樹脂62は、第1のエポキシ樹脂層61に塗り込められたボール5の所在にかかわらず最上層63が均一な平面を形成するように被覆されている。
なお、この第2のエポキシ樹脂層62には、ボール5と同一又は類似の材質で粒径がはるかに小さなセラミクスビーズ7も併せて概ね均一に混入されている。また、第1のエポキシ樹脂層61には、セラミクスビーズ7のみが概ね均一に混入されている。これらボール5およびセラミクスビーズ7が塗り込められた第2のエポキシ樹脂層62、あるいはセラミクスビーズ7のみが塗り込められた第1のエポキシ樹脂層61は、耐摩耗ライナー40の主要層として、上述の粉砕工程(S10)において、耐久性を高める作用効果がある。
図10は、螺旋スロープにライニングを施す工程、すなわち湿式竪型粉砕機(本機)のライニング方法(本方法)を説明するためのフローチャートである。本方法は、本体容器10に装入された被粉砕物1を粉砕媒体2とともに攪拌して粉砕するスクリュー70の螺旋スロープ21に対し、その螺旋スロープ21の芯部を構成する炭素鋼板20を耐摩耗ライナー40で被覆するようにした本機100(図1参照)のライニング方法である。この耐摩耗ライナー40は、螺旋スロープ21に対する垂直方向Vの深層から表層にわたって形成される。
図10に示すように、本方法は、合成ゴムライニング工程(S1)と、天然ゴムブロックボルト留め工程(S2)と、チタン網被覆工程(S3)と、エポキシ樹脂塗布工程(S4)と、エポキシ樹脂重ね塗り工程(S5)と、ボール塗り込め工程(S6)とを有し、螺旋スロープ21に対する垂直方向Vの深層から表層にわたって耐摩耗ライナー40を形成する。
合成ゴムライニング工程(S1)では、螺旋スロープ21の芯部を構成する炭素鋼板20の表面29(図4〜図9)とともに、ボルト孔23の内径に至るまで耐食性を高めるために、合成ゴム層41でライニング(lining)する。天然ゴムブロックボルト留め工程(S2)では、合成ゴム層41に重ねて螺旋スロープ21および外縁22を被覆する天然ゴムブロック48〜50をボルト3で留め付ける。
チタン網被覆工程(S3)では、天然ゴムブロック48〜50の上部表層に形成された天然ゴムスロープ51および天然ゴム外縁52をチタン製網55で被覆する。エポキシ樹脂塗布工程(S4)では、チタン製網55の上から第1のエポキシ樹脂層61を塗布する。エポキシ樹脂重ね塗り工程(S5)では、エポキシ樹脂塗布工程(S4)で形成された第1のエポキシ樹脂層61の上にエポキシ樹脂を塗り重ねる。
ボール塗り込め工程(S6)では、直径Dおよび硬度が粉砕媒体2に匹敵するボール5を第1のエポキシ樹脂層61に混在させるように塗り込める。このとき、ボール5の所在にかかわらず最上層63が均一な平面を形成するように第2のエポキシ樹脂62を被覆する。なお、上述したエポキシ樹脂塗布工程(S4)〜ボール塗り込め工程(S6)までを3工程に分けて、第1、第2のエポキシ樹脂層61,62を2度塗りに重ねることなく、エポキシ樹脂層60を1度に塗布してボール5をエポキシ樹脂層60に混在させるように塗り込めても良い。
以下、本発明の作用・効果、すなわち、MS粉末を湿式粉砕してMSスラリーを製造するために用いるスクリューの耐摩耗性を向上させた湿式竪型粉砕機およびそのライニング方法を提供できることについて説明する。
上述のように、MCLEの湿式粉砕工程(S10)では、非常に硬いMS粉末を含んだ粒径を70〜80μm(D50)程度の粒子を、約15〜20μm(D50)程度のサイズにまで粉砕することにより微細MSにすることによってMSスラリーを得る。この湿式粉砕工程(S10)に本機100を適用すれば、撹拌部材であるスクリュー70の耐久期限を6ヶ月以上に延長可能であるため、その交換頻度を6ヶ月に設定できる。
ここで、MCLE全体に対する定期補修の頻度、すなわちメンテナンス周期が6ヶ月であれば、この6ヶ月周期にスクリュー70の交換頻度を一致させることが可能となる。その結果、6ヶ月周期の定期補修以外には、スクリュー70を交換するための一時運休が不要となるので、MCLE全体の稼働率を低下させずに済む。
本機100のスクリュー70は、図9に示すように、螺旋スロープ21の垂直方向Vに沿って、重層構造でなる耐摩耗ライナー40を備えている。耐摩耗ライナー40の下層は、炭素鋼板20の表層を合成ゴム層41のライナーが保護し、その上層にボルト留めされた天然ゴムブロック48〜50により、重ねて保護されている。この天然ゴムブロック48〜50のスロープ面および外縁、すなわち天然ゴムスロープ51、および天然ゴム外縁52は、耐摩耗性を向上させるため、ライニング強化されている。
特に耐摩耗ライナー40の上層は、粉砕媒体2に匹敵するセラミクスボール5を主な骨材として混在させたエポキシ樹脂層60で被覆することによりライニング強化されている。つまり粉砕媒体2に用いるセラミクス球体に匹敵するボール5を、天然ゴムスロープ51、および天然ゴム外縁52に敷き詰めるように配設してエポキシ樹脂層60で固めている。粉砕媒体2に匹敵するとは、組成、硬度および粒径Dが粉砕媒体2と同等、又は近似するものをいう。
そのほか、ボール5より微細なビーズ7を均等に混在させたエポキシ樹脂層60でボール5を塗り固めることにより、平坦な最上層63を形成してライニング強化している。このため、非常に硬い粒子であるMSを、セラミクス球体でなる粉砕媒体2と供に撹拌し、微細MSにまで粉砕しても、わずかずつしか摩耗が進まなくなる。その結果、螺旋スロープ21の芯部を構成する炭素鋼板20に摩耗が到達するまでの耐用期限を6ヶ月以上に延長させることが可能となった。
ただし、磨耗が進まないようにライニング強化されていても、天然ゴムブロック48〜50とエポキシ樹脂層60との境界面でライニング部材が脱落する不具合が多く発生した。このため、トンネル内壁面等のセメント塗布面に敷設する脱落防止用金網に相当するチタン製網55を上述の境界面に挟み込むことによって、ライニング部材の脱落を防止することができた。なお、本機100で粉砕するMSスラリーは、pH≒2〜3程度の腐食性液体であるため、防食性の高いチタン製網55を採用した。
<実施例および比較例>
以下、本発明における粉砕工程(S10)について、実施例および比較例を開示して本発明の効果を説明する。実施例で用いたスクリュー70(以下、「本発明適用品」ともいう)は、図9に示す本発明のライニング状態に仕上げたものである。すなわち、本発明適用品は、天然ゴムスロープ51における外周寄りの表面および外周面である天然ゴム外縁52に、粉砕媒体2と同じボール5をエポキシ樹脂層60で塗り込めた最上層63を形成してライニング強化した状態である。
一方、比較例では、実施例のスクリュー70(本発明適用品)に代えて、図5に示す従来程度のライニング状態にとどめたもの(以下、「本発明非適用品」ともいう)である。すなわち、本発明非適用品は、初層ライニングの合成ゴム層41に重ねて天然ゴムブロック48〜50をボルト留めした状態のものを用いる。また、実施例および比較例にわたる共通条件は、図11の粉砕工程(S10)にも示す通り、以下の原料[1],[2]を加工する条件である。
原料[1]:ニッケル・コバルト混合硫化物粉末(MS粉末)
サイズ:75μm(D50)
組成 :NiS,Ni,CoS,FeS等鉱物の混合粉体で、
Ni量 58wt%,Co量 5wt%、残りの金属成分はFe
原料[2]:図11に示すMCLEプロセスの電解廃液
産出スラリー 固形分 400g/L 固形分サイズ:17μm(D50)
[実施例]
上述の共通条件で操業する際、本発明を適用し、図9に示す実施例のスクリュー70(本発明適用品)を定期補修で取り付けた湿式竪型粉砕機を使用した。
その結果、そのスクリュー70は6ヶ月後の定期補修まで交換する必要がなかった。
[比較例]
本発明を適用せず、図5に示す従来程度のライニング状態のスクリュー(本発明非適用品)を使用した以外は、実施例と同様の共通条件で操業をした。
その結果、そのスクリュー(本発明非適用品)は1カ月後に交換が必要となった。
図11に示すMCLEプロセスの粉砕工程(S10)において、MSスラリーを製造する際、スクリューの耐用期限が6ヶ月以上に延長されるので、プラント全体の定期補修に合わせてスクリュー交換を行うことが可能となり、稼働率の向上に寄与できるので、その工業的価値は大きい。
本発明に係る湿式竪型粉砕機は、ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)原料のスラリーを粉砕する工程に使用される可能性がある。より詳細には、湿式竪型粉砕機において、摩耗の激しい攪拌用スクリューの螺旋スロープに対する摩耗対策として部分交換可能に取り付けられた耐摩耗ライナーに採用される可能性がある。
なお、前記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、湿式竪型粉砕機の構成、動作、および湿式竪型粉砕機のライニング方法も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
1 被粉砕物、2 粉砕媒体(セラミクスボール)、3 ボルト、4 ナット、5 ボール(セラミクスボール、セラミクス球体)、7 セラミクスビーズ、10 本体容器、11 (本体容器10の)上部、12 接液部、13 (本体容器10の)内部空間、14 耐食ライニング、20 炭素鋼板、21 螺旋スロープ、22 (炭素鋼板20側の)外縁、23 (炭素鋼板20側の)ボルト孔、25 (螺旋スロープ21に対する)深層、26 表層、29 (炭素鋼板(20)の)表面、30 回転軸、31 (回転軸30方向の)一端、32 他端、40 耐摩耗ライナー、41 合成ゴム層、50 天然ゴムブロック、51 天然ゴムスロープ、52 天然ゴム外縁、53 (天然ゴムブロック48〜50側の)ボルト孔、54 凹部、55 チタン網、61 (チタン製網55を被覆する)第1のエポキシ樹脂層、62 (最上層63を構成する)第2のエポキシ樹脂層、63 最上層、70 スクリュー、80 駆動装置、95 沈降分離器、96 サイクロン分級装置、97 循環ポンプ、98,99 配管、100湿式竪型粉砕機(本機)、D (ボール5の)粒径、MS ニッケル・コバルト混合硫化物、O/F オーバーフロー、R (スクリュー70)の直径、r (スクリュー70)の半径方向、S1 合成ゴムライニング工程、S2 天然ゴムブロックボルト留め工程、S3 チタン網被覆工程、S4 エポキシ樹脂塗布工程、S5 エポキシ樹脂重ね塗り工程、S6 ボール塗り込め工程、S10 前処理(湿式粉砕)工程、S20 塩素浸出工程、S30 脱鉄工程、S40 コバルト溶媒抽出工程、S50 浄液工程、S60ニッケル電解工程、S70 浄液工程、S80 コバルト電解工程、U/F アンダーフロー、V (螺旋スロープ21に対する)垂直方向

Claims (8)

  1. 垂直円筒状の本体容器に装入された被粉砕物および粉砕媒体を攪拌することにより前記被粉砕物を粉砕する湿式竪型粉砕機であって、
    前記本体容器の内部空間に懸垂状で回転自在に軸支されたスクリューと、
    前記本体容器の上部に配設されて前記スクリューを回転させる駆動装置と、
    前記スクリューを主要構成し回転軸に連続して付設された螺旋スロープと、
    前記スクリューを形成する螺旋スロープの芯部を構成する炭素鋼板を被覆するとともに、前記螺旋スロープの深層から表層にわたって形成された耐摩耗ライナーと、
    を備えて構成され、
    該耐摩耗ライナーは、さらに、
    前記炭素鋼板の表面をライニング(lining)する合成ゴム層と、
    該合成ゴム層に重ねて前記螺旋スロープおよび外縁を被覆するとともに、ボルトの締緩により交換可能に付設された天然ゴムブロックと、
    該天然ゴムブロックの上部表層に形成された天然ゴムスロープおよび天然ゴム外縁を被覆するチタン製網と、
    該チタン製網を被覆するエポキシ樹脂層と、
    該エポキシ樹脂層に混在するように塗り込められる球体と、
    を有し、
    該球体は、直径および硬度が前記粉砕媒体に匹敵するものである湿式竪型粉砕機。
  2. 前記エポキシ樹脂層は、
    前記チタン製網を被覆する第1のエポキシ樹脂層と、
    該第1のエポキシ樹脂層に前記塗り込められた前記球体の所在にかかわらず最上層を均一な平面に形成するために被覆された第2のエポキシ樹脂と、
    を備えた請求項1に記載の湿式竪型粉砕機。
  3. 前記本体容器に装入される前記被粉砕物は、ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)であり、該ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)は水が混合されたスラリーである請求項1又は2に記載の湿式竪型粉砕機。
  4. 前記球体は、素材がセラミクスである請求項1〜3の何れか1項に記載の湿式竪型粉砕機。
  5. 前記スクリューは、1.70〜1.80回転で前記回転軸方向の一端から他端まで推進可能なピッチであるとともに、二重螺旋構造である請求項1〜4の何れか1項に記載の湿式竪型粉砕機。
  6. 前記スクリューは、2.0〜3.0回転で前記回転軸方向の一端から他端まで推進可能なピッチである請求項1〜4の何れか1項に記載の湿式竪型粉砕機。
  7. 前記本体容器は鋼鉄製であり、該本体容器の接液部に耐食ライニングが施された請求項1〜6の何れか1項に記載の湿式竪型粉砕機。
  8. 本体容器に装入された被粉砕物を粉砕媒体とともに攪拌して粉砕するスクリューの螺旋スロープに対し、該螺旋スロープの芯部を構成する炭素鋼板を耐摩耗ライナーで被覆する湿式竪型粉砕機のライニング方法であって、
    前記炭素鋼板の表面に合成ゴム層でライニング(lining)する合成ゴムライニング工程(S1)と、
    前記合成ゴム層に重ねて前記螺旋スロープおよび外縁を被覆する天然ゴムブロックをボルトで留め付ける天然ゴムブロックボルト留め工程(S2)と、
    前記天然ゴムブロックの上部表層に形成された天然ゴムスロープおよび天然ゴム外縁をチタン製網で被覆するチタン網被覆工程(S3)と、
    前記チタン製網の上から第1のエポキシ樹脂層を塗布するエポキシ樹脂塗布工程(S4)と、
    該エポキシ樹脂塗布工程(S4)で形成された前記第1のエポキシ樹脂層の上にエポキシ樹脂を塗り重ねるエポキシ樹脂重ね塗り工程(S5)と、
    直径および硬度が前記粉砕媒体に匹敵する球体を前記第1のエポキシ樹脂層に混在させるように塗り込めるとともに、前記球体の所在にかかわらず最上層に均一な平面を形成するように第2のエポキシ樹脂で被覆するボール塗り込め工程(S6)と、
    を有する湿式竪型粉砕機のライニング方法。
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