JP6727623B2 - 角結膜被覆シート作製用キット及び角結膜被覆シートの作製方法 - Google Patents
角結膜被覆シート作製用キット及び角結膜被覆シートの作製方法 Download PDFInfo
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Description
〔1〕角膜又は角結膜を被覆可能な表面積を有するゲル層で構成される角結膜被覆シート作製のための角結膜被覆シート作製用キットであって、金属イオンの存在下でゲル化能を示す水溶性ゲル化剤を含む第一点眼液が収容された第一点眼容器と、前記金属イオンを含む第二点眼液が収容された第二点眼容器とを備え、前記第一点眼液に含まれる前記水溶性ゲル化剤と前記第二点眼液に含まれる前記金属イオンとを混合することによりゲル化させ角膜上又は角結膜上でゲル層を形成する角結膜被覆シート作製用キット。
〔2〕前記角結膜被覆シート作製用キットにおいて、前記水溶性ゲル化剤がアルギン酸、又はアルギン酸誘導体であり、前記金属イオンが陽イオン又は陰イオンである。
〔3〕前記角結膜被覆シート作製用キットにおいて、前記金属イオンが、カルシウムイオンである。
〔4〕前記角結膜被覆シート作製用キットが、外部環境からの保護用の角結膜被覆シート作製のためのものである。
〔5〕前記角結膜被覆シート作製用キットにおいて、前記ゲル層に治療有効量の薬剤を含む点眼液を有し、薬剤徐放性用の角結膜被覆シート作製のためのものである。
〔6〕前記角結膜被覆シート作製用キットにおいて、前記ゲル層が、所定の屈折率を有するコンタクトレンズで構成されている角結膜被覆シート作製のためのものである。
〔7〕前記角結膜被覆シート作製用キットにおいて、高屈折率性の水溶性成分を含む点眼液を有し、前記ゲル層に前記高屈折率性の水溶性成分を含む視力矯正用の角結膜被覆シート作製のためのものである。
〔8〕前記角結膜被覆シート作製用キットにおいで、前記高屈折率性の水溶性成分が、糖、多価アルコール、水溶性ポリマー、及び、これらの混合物から選択される。
〔9〕前記角結膜被覆シート作製用キットにおいて、油成分又は保湿成分を含む点眼液を有し、前記ゲル層に前記油成分又は保湿成分を含む角結膜被覆シート作製のためのものである。
〔10〕金属イオンの存在下でゲル化能を示す水溶性ゲル化剤を前眼部に点眼する水溶性ゲル化剤点眼工程と、前記金属イオンを前眼部に点眼する金属イオン点眼工程、とを含み、前記水溶性ゲル化剤を前記金属イオンによりゲル化させ角膜上又は角結膜上でゲル層を形成する、角結膜被覆シートの作製方法。
〔11〕前記角結膜被覆シートの作製方法において、前記水溶性ゲル化剤点眼工程が、治療有効量の薬剤を前眼部に点眼する工程を含む。
〔12〕前記角結膜被覆シートの作製方法において、前記水溶性ゲル化剤点眼工程が、高屈折率性の水溶性成分を前眼部に点眼する工程を含む。
〔13〕前記角結膜被覆シートの作製方法において、前記水溶性ゲル化剤点眼工程及び前記金属イオン点眼工程を繰り返して、単一成分で構成されるゲル層、又は複数成分で構成されるゲル層を積層させて屈折率を制御する屈折率制御工程を含む。
〔14〕前記角結膜被覆シートの作製方法において、少なくとも前記ゲル層の粘性、透磁率、誘電率、導電率、及びゲル厚の何れか1つの屈折率に関わる因子を調整し、屈折率を制御する屈折率制御工程を含む。
〔15〕前記角結膜被覆シートの作製方法において、油成分又は保湿成分を前眼部に点眼する工程をさらに含む。
本実施形態における角結膜被覆シートは、金属イオンの存在下でゲル化能を有する水溶性ゲル化剤と当該金属イオンとを含み、角膜又は角結膜を被覆可能な表面積を有するゲル層から構成される。ここで、角結膜とは、角膜及び角結膜を指す。
本実施形態の角結膜被覆シートは、医療、視力矯正、及び美容等の目的に好適に使用するため特定機能を付与することができ、また、コンタクトレンズ等の眼内レンズとして利用することもできる。以下、各利用形態について詳細に説明するが、これに限定するものではなく、また、角結膜被覆シートには単一の用途だけでなく、複数の用途を組み合わせることもできる。
本実施形態の角結膜被覆シートには、ゲル層に治療有効量の薬剤を含ませることができ、疾患、特に眼疾患の治療や予防、診断用の角結膜被覆シートとすることができる。角結膜被覆シートは、角膜又は角結膜の形状に沿って角膜又は角結膜上を被覆するものであるため、角膜又は角結膜に直接的かつ効率的に薬剤を送達することができる。加えて、角膜又は角結膜を通して、結膜、強膜、眼内の前眼房、虹彩、後眼房、毛様体、水晶体、硝子体、網膜等の眼球内、特に後眼部への薬剤の移行も効率的に行うことができ、治療効果の向上を図ることができる。ゲル層は生分解性を示すように構成でき、ゲル層の分解に伴って、ゲル層に内包されていた薬剤を放出させ徐放性を持たせることができる。これにより、薬剤の放出速度を制御でき徐放製剤化することができる。徐放製剤化することにより、角結膜被覆シートから一定期間にわたって薬剤を適切な薬剤濃度で持続的に放出できることから、薬剤の生物学的利用率を高めることができる。さらに、投与回数を低減できることから、過剰投与による副作用、例えば、涙嚢の粘膜からの薬剤の吸収等に伴う全身的な副作用をも軽減することができると共に、服薬コンプライアンスの向上にもつながる。
本実施形態の角結膜被覆シートは、角結膜被覆シートを構成するゲル化剤の分子量や種類、濃度によりゲル層の粘度を制御することにより、角結膜被覆シートの厚み等を調整でき光の屈折率を変動させることができる。
本実施形態の角結膜被覆シートは、ゲル層に着色料を含ませることができ、角結膜被覆シートを着色することができる。このようにして、角結膜被覆シートは、カラーコンタクトレンズ等の美容目的に使用できる。
本実施形態の角結膜被覆シートの作製方法は、上記特性を有する本実施形態の角結膜被覆シートを作製する方法であって、金属イオンの存在下でゲル化能を示す水溶性ゲル化剤を前眼部に点眼する水溶性ゲル化剤点眼工程と、前記金属イオンを前眼部に点眼する金属イオン点眼工程、とを含み、前記水溶性ゲル化剤を前記金属イオンによる架橋を介してゲル化させ角膜上又は角結膜上でゲル層を形成することで、角結膜被覆シートを作製するものである。
(i)水溶性ゲル化剤点眼工程(第一点眼工程)
水溶性ゲル化剤点眼工程は、好ましくは、適当な水性溶媒に溶解させた水溶性ゲル化剤の水溶液を、前眼部に点眼する。水性溶媒は、水、精製水、生理食塩水等を例示することができ、必要に応じて、緩衝化剤や等張化剤、保存剤、安定化剤、乳化剤、粘調剤、清涼化剤などの添加剤を添加することができる。pHは、生理学的及び製剤学的に許容される範囲内であれば特に限定されないが、水溶性ゲル化剤には低pH下でゲル化するものがあるため、好ましくは4.0〜9.5、特に好ましくは、4.8〜8.5となる範囲に調整される。水溶性ゲル化剤を用時調製用として用時溶解又は希釈するように構成してもよい。
金属イオン点眼工程は、好ましくは、適当な水性溶媒に溶解させた金属イオンの水溶液を前眼部に点眼する。水性溶媒は、水、精製水、生理食塩水等を例示することができ、必要に応じて、緩衝化剤や等張化剤、保存剤、安定化剤、乳化剤、粘調剤、清涼化剤などの添加剤などを添加することができる。pHは、生理学的及び製剤学的に許容される範囲内であれば特に限定されないが、好ましくは4.0〜9.5、特に好ましくは、4.8〜8.5となる範囲に調整される。また、金属イオンを用時調製用として用時溶解又は希釈するように構成してもよい。
(i)金属イオン点眼工程(第一点眼工程)
金属イオン点眼工程は、好ましくは、適当な水性溶媒に溶解させた金属イオンの水溶液を前眼部に点眼する。金属イオン点眼工程における点眼形態及び点眼量等は上記(A)に準じて行うことができる。
水溶性ゲル化剤点眼工程は、好ましくは、適当な水性溶媒に溶解させた水溶性ゲル化剤の水溶液を、前眼部に点眼する。水溶性ゲル化剤は、好ましくは金属イオン点眼工程によって点眼された金属イオンと水溶性ゲル化剤とが接触できるように点眼する。水溶性ゲル化剤点眼工程における点眼形態及び点眼量等は上記(A)に準じて行うことができる。
本実施形態の角結膜被覆シートの作製方法は、水溶性ゲル化剤点眼工程及び金属イオン点眼工程に加えて、必要に応じて、油成分や保湿成分等を本実施形態の角結膜被覆シートに含ませるための工程を設けることができる。
本実施形態の角結膜被覆シートの作製方法は、角結膜被覆シートを医療や視力矯正、美容等の目的に好適利用できるよう特定機能を付与するための工程を有することができる。例えば、薬剤、高屈折率性の水溶性成分や着色料を点眼する工程を有することができる。点眼に際しては、薬剤、高屈折率性の水溶性成分や着色料等の点眼に際しては、これらを水性溶媒に溶解して行うことが好ましく、水性溶媒は、水、精製水、生理食塩水等を例示することができる。必要に応じて、緩衝化剤や等張化剤、保存剤、安定化剤、乳化剤、粘調剤、清涼化剤などの添加剤などを添加することができる。pHは、生理学的及び製剤学的に許容される範囲内であれば特に限定されないが、好ましくは4.0〜9.5、特に好ましくは、4.8〜8.5となる範囲に調整される。また、薬剤、高屈折率性の水溶性成分や着色料等を用時調製用として用時溶解又は希釈するように構成してもよい。
本実施形態の角結膜被覆シート作製用キットは、上記特性を有する本実施形態の角結膜被覆シートを角結膜上で作製するためのキットであって、金属イオンの存在下でゲル化能を示す水溶性ゲル化剤を水や精製水、生理食塩水等の適当な水性溶媒に溶解させた水溶性ゲル化剤点眼液、及び、前記金属イオンを水や精製水、生理食塩水等の適当な水性溶媒に溶解させた金属イオン点眼液を含んで構成され、水溶性ゲル化剤点眼液と金属イオン点眼液は別個の点眼ビン等の適切な容器に充填される。水溶性ゲル化剤点眼液及び金属イオン点眼液は、必要に応じて緩衝化剤や等張化剤、保存剤、安定化剤、乳化剤、粘調剤、清涼化剤などの添加剤を含ませてもよい。水溶性ゲル化剤点眼液の水溶性ゲル化剤、及び金属イオン点眼液の金属イオンは用時調製用として、例えば、錠剤や粉末等の固体形態や濃縮形態で容器内に充填されていてもよく、用時調製時の溶解や希釈用の水や精製水、生理食塩水等の適当な水性溶媒を充填した別個の適切な容器を備えてもよい。さらに、装用者が点眼するための使用説明書を備えてもよい。
1.目的
本実施例では、角結膜被覆シートの作製について、ゲル強度及び光学特性の観点から検証を行った。
本実施例で、使用した角結膜被覆シートの材料を表1に要約する。
3-1.アルギン酸ナトリウム水溶液の調製
アルギン酸ナトリウム粉末1gを精製水100mLに加え、攪拌により溶解させた。このとき、アルギン酸ナトリウム粉末は、上記2の各粘度範囲のものを別個に使用し、粘度の異なる3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液(1g/100mL)を調製した。
3-1で調製した粘度範囲300〜400 cpのアルギン酸ナトリウム水溶液(1g/100mL)20gと、ショ糖20gを混合し、アルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液を調製した。
塩化カルシウム二水和物7.4gを精製水100mLに加え、攪拌により溶解させ塩化カルシウム水溶液(7.4g/100mL)を調製した。
文字を印刷した紙面上に眼球表面を想定した緩やかな球面を描くガラス板を静置し、3-1で調製した3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液、及び3-2で調製したアルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液をそれぞれ50μLずつピペッティングし、ガラス板の上に円状に滴下した。続いて、3-3で調製した塩化カルシウム水溶液50μLをピペッティングし、ガラス板上の3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液、及びアルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液上に滴下した。
3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液、及びアルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液は、何れも塩化カルシウム水溶液と混合した瞬時にゲル化が生じ、コンタクトレンズ様の円形のゲルを呈した。かかるゲルの強度は十分に高く、ピンセットではさむことができる状態であった(図1)。アルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液でのゲル化によって生じたゲルは、レンズ様の働きをし、印刷文字が拡大して見えた(図2)。
1.目的
本実施例では、実験動物の眼(角膜又は角結膜)表面上での角結膜被覆シートの作製について検証を行った。
本実施例で使用した角結膜被覆シートの材料は、実施例1で使用したものと同じであり、ウサギを実験動物とし検証を行った。
3-1.アルギン酸ナトリウム水溶液、アルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液、及び塩化カルシウム水溶液の調製
実施例1の3-1〜3-3と同様にして、粘度の異なる3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液、アルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液、及び塩化カルシウム水溶液を調製した。
3-1で調製した3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液、及びアルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液をそれぞれ50μLずつピペッティングし、麻酔を施したウサギの眼球上に円状に滴下した。続いて、3-1で調製した塩化カルシウム水溶液50μLをピペッティングし、眼球上の3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液、及びアルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液上に滴下した。
実施例1と同様に、3種類のアルギン酸ナトリウム水溶液、及びアルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液は、何れも塩化カルシウム水溶液と混合した瞬時に眼球上でゲル化が生じ、コンタクトレンズ様の円形のゲルを呈した(図3の点線内)。かかるゲルの強度は十分に高く、ピンセットではさむことができる状態であった(図4の矢印部分)。
1.目的
本実施例では、先の実施例で作製検証を行った角結膜被覆シートの屈折率の調整について検証を行った。
本実施例で、使用した角結膜被覆シートの材料を表2に要約する。
3-1.アルギン酸ナトリウム水溶液の調製
アルギン酸ナトリウム粉末1gを精製水100mLに加え撹拌により溶解させ、アルギン酸ナトリウム水溶液(1g/100mL)を調製した。
塩化カルシウム二水和物7.4gを精製水100mLに加え撹拌により溶解させ、塩化ナトリウム水溶液(7.4g/100mL)を調製した。
屈折率制御のため高屈折率性の水溶性成分としてショ糖100mg、200mg、400mg、600mg、800mgのそれぞれを、上記3-1で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液1mLに撹拌して溶解させた。続いて、得られたアルギン酸ナトリウム・ショ糖水溶液100μLを屈折率測定装置(測定原理:アッベ屈折計の原理に基づく)の測定部(37℃に保持)に滴下した後、上記3-2で調製した塩化カルシウム水溶液50μLを滴下し、ゲル化させた。得られたゲルの屈折率を37℃にて測定した。
屈折率の測定結果を表3に要約とすると共に図5にグラフ化した。図5はショ糖濃度による屈折率の変化を示すグラフであり、横軸がショ糖濃度(重量%)で縦軸が屈折率である。表3及び図5に示す通り、得られたゲルの屈折率がショ糖濃度依存的に変化することが判明した。かかる結果は、実施例1で確認された通り、ショ糖等の高屈折率性の水溶性成分の添加により、角結膜被覆シートの屈折率制御が可能であることを示すものである。したがって、角結膜被覆シートは、視力矯正用のコンタクトレンズとして利用でき、高屈折率性の水溶性成分の濃度等の調整による屈折率制御により装用者に最適化されたコンタクトレンズを提供することができることが判明した。
1.目的
本実施例では、先の実施例で作製検証を行った角結膜被覆シートを着色し美容目的での使用可能性について検証を行った。
本実施例で使用した角結膜被覆シートの材料は、実施例3で使用したアルギン酸ナトリウム及び塩化カルシウム水和物に加え、着色のためにクロシン(東京化成C1527)を使用した。クロシンは、サフラン等に含まれ、着色目的で食品添加物として古くから用いられている水溶性のカルテノイド系食用色素である。
3-1.アルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液の調製
実施例3と同様にして、アルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液を調製した。
着色ための色素としてクロシン10mgを、上記3-1で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液10mLに撹拌して溶解させることにより、濃いオレンジ色の水溶液(クロシン濃度0.1重量%)が得られた。続いて、得られたアルギン酸ナトリウム・クロシン水溶液50μLを平坦なガラス上に滴下した後、上記3-1で調製した塩化カルシウム水溶液50μLを滴下し、ゲル化させてゲルの外観を観察した。
外観が黄色を呈した角結膜被覆シートの形成が確認された(図6)。水溶性ゲル化剤の水溶液に食用色素等の色素を混合させることにより均一に着色でき、角結膜被覆シートをカラーコンタクトレンズ等の美容目的で利用できることが判明した。
1.目的
本実施例では、先の実施例で作製検証を行った角結膜被覆シートの薬剤徐放効果を検証し、医療目的での使用可能性について検証を行った。
本実施例で使用した角結膜被覆シートの材料は、実施例3で使用したアルギン酸ナトリウム及び塩化カルシウム水和物に加え、徐放製剤化する薬剤成分としてレボフロキサシン(東京化成L0193)を使用した。レボフロキサシンは、結膜炎の治療や術後の感染症予防等に用いられているニューキノロン系抗菌薬である。
3-1.アルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液の調製
実施例3と同様にして、アルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液を調製した。
徐放製剤化する薬剤成分としてレボフロキサシン5mgを、上記3-1で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液1mLに撹拌して溶解させた。続いて、得られたアルギン酸ナトリウム・レボフロキサシン水溶液50μLを平坦なガラス上に滴下した後、上記3-1で調製した塩化カルシウム水溶液50μLを滴下してゲル化させ、レボフロキサシンを含有した角結膜被覆シートを作製した。
上記3-2で作製した角結膜被覆シートを100mLの精製水を入れたビーカーに浸漬させた。所定の時間毎(浸漬後5、10、15、20、及び30分後)にビーカーからアリコートを採取し蛍光スペクトル測定装置にて蛍光スペクトルを測定し、角結膜被覆シートから精製水中に溶出したレボフロキサシンの蛍光強度を求めた。このとき、励起波長は300nmとし、蛍光スペクトルの極大値は波長495nmであった。
結果を図7及び図8に示す。図7は、蛍光スペクトルの経時変化を示すグラフであり、横軸が波長(nm)で、縦軸が蛍光強度である。図8は極大値(495nm)の蛍光強度の経時変化を示すグラフであり、横軸が徐放時間(分)で縦軸が蛍光強度である。図7及び図8に示す通り、角結膜被覆シートは薬剤徐放能を有することが確認できた。通常の点眼薬剤投与形態では、薬剤は涙液や瞬きにより速やかなクリアランスを受けることが知られている。これに対して、角結膜被覆シートは薬剤徐放製剤として医療目的で利用でき、条件検討により更なる長期的な薬剤の徐放が可能な持続徐放製剤として利用可能性が期待できることも判明した。
1.目的
本実施例では、先の実施例で作製検証を行った角結膜被覆シートの抗アレルギー効果を、マウスを用いた動物実験系で検証し、医療目的での使用可能性について検証を行った。
実験動物:マウス(C57BL6/N)
アレルゲン:Ragweed Pollen[ブタクサ花粉(PSI Polysciences, Inc. 07673-1)、以下、「RW」と略する]抗原
アジュバンド:Inject(登録商標)Alum(Thermo SCIENTIFIC, 77161)
角結膜被覆シート作製のためのアルギン酸ナトリウム及び塩化カルシウム:実施例3で使用したアルギン酸ナトリウム及び塩化カルシウム水和物を使用した。
3-1.アレルギー性結膜炎マウスモデルの作製
マウス(C57BL6/N)の腹部を70%エタノールで消毒した後、三種混合麻酔(メデトミジン(ドミトール(登録商標))0.3mg/kg + ミダゾラム4mg/kg + ブトルファノール(ベトルファール(登録商標))5mg/kg)の腹腔内投与により苦痛を感じさせないようにしてから、RW(1.5mg)とInject(登録商標)Alum(1.5ml)の懸濁液(50μL)をマウスの後部のfootpadおよび尾根部のそれぞれに皮下注射し、マウスをRW抗原に感作させ、RW抗原特異的アレルギー性結膜炎マウスモデルを作製した。
上記3-1の抗原感作後10〜14日目にかけて抗原チャレンジを実施した。具体的には、上記3-1で作製したRW特異的アレルギー性結膜炎マウスモデルの眼(角膜又は角結膜)表面上での角結膜被覆シートを作製し、角結膜被覆シート化を施した試験群(B)を準備した(n=4)。角結膜被覆シートは実施例3と同様にして調製したアルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液を用いて、上記実施例2の方法に準じて点眼により作製した。また、角結膜被覆シート化が施されていない群(A)(n=4)、及び、抗原チャレンジ点眼を行わない眼をコントロール群(C)として準備した(n=2)。続いて、各群((A)及び(B))のマウスにRW抗原を2mg RW/10 mL PBSで点眼し、抗原チャレンジを行った。上記何れの点眼においても、1回の点眼量は10μL/眼とした。
上記3-2の抗原チャレンジ後24時間目に、各群のマウスを過剰麻酔投与により安楽死させ、眼瞼・眼球付属組織が付属した眼球を摘出し、10%中性緩衝ホルマリン液(和光純薬工業株式会社 062-01661)に一昼夜浸漬させた後、ティシュー・テック O.C.T. コンパウンド(サクラファインテックジャパン株式会社)に包埋後、クライオスタットを用いて厚さ10μmの切片化を行った。続いて、白血球の顆粒球の存在及び存在数を所定のギムザ染色法(Sigma-Aldrich、GS500、20倍希釈して30分浸漬)により組織・形態学的に評価した。
結果を図9に示す。図9は、ギムザ染色した結膜部位の顕微鏡観察像であり、パネルAは角結膜被覆シートを施さなかった群(A)の結果、パネルBは角結膜被覆シートを施した試験群(B)の結果、パネルCは抗原チャレンジを行わなかったコントロール群(C)の結果を示す。角結膜被覆シートを施さなかった群(A)では、結膜部位において紫系色に染色された多数の白血球の顆粒球の集まり(図中の灰色の顆粒)が認められた(図9パネルA)。一方、角結膜被覆シートを施した試験群(B)および抗原チャレンジを行わなかったコントロール群(C)では、結膜部位に紫系色に染色された白血球の顆粒球の集まり(図中の灰色の顆粒)があまり認められなかった(図9パネルB、C)。このことは角結膜被覆シートが物理的に眼表面を被覆し抗原チャレンジを物理的に遮断したためであると考えられる。したがって、角結膜被覆シートはアレルギーの発症を予防できる効果を有することを示した。
1.目的
本実施例では、先の実施例で作製検証を行った角結膜被覆シートの保水効果を検証した。
本実施例で使用した角結膜被覆シートの材料は、実施例3で使用したアルギン酸ナトリウム及び塩化カルシウム水和物に加え、角結膜被覆シートの保水性を高めるために、保湿成分であるヒアルロン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社、Cat. No 089-10343)、又は、表面被膜形成用のシリコーンオイル(信越化学株式会社、KF-96-50CS)を使用した。
3-1.アルギン酸ナトリウム水溶液の調製
アルギン酸ナトリウム500mgを精製水50mLに溶解しアルギン酸ナトリウム水溶液を作製した(溶液1)。
塩化カルシウム1480mgを精製水20mLに溶解させ、塩化カルシウム水溶液を作製した(溶液2)。
以下の(1)〜(3)の角結膜被覆シートを作製し、(1)のコントロールとの比較により保水率を確認した。
(1)角結膜被覆シート(コントロール):上記3-1で調製した50μLのアルギン酸ナトリウム水溶液をスライドガラス上に滴下後、上記3-2で調製した50μLの塩化カルシウム水溶液を滴下してゲル化させ角結膜被覆シートを作製した。
(2)シリコーンオイル含有角結膜被覆シート:上記3-1で調製した50μLのアルギン酸ナトリウム水溶液に50μLのシリコーンオイルを溶解させた水溶液50μLを加え、得られたアルギン酸ナトリウム・シリコーンオイル水溶液100μL採取し、スライドガラス上に滴下後、上記3-2で調製した50μLの塩化カルシウム水溶液を滴下してゲル化させシリコーンオイル含有角結膜被覆シートを作製した。
(3)ヒアルロン酸含有角結膜被覆シート:上記3-1で調製した50μLのアルギン酸ナトリウム水溶液に1mg/50μLのヒアルロン酸を溶解させた水溶液50μLを加え、得られたアルギン酸ナトリウム・ヒアルロン酸水溶液100μL採取し、スライドガラス上に滴下後、上記3-2で調製した50μLの塩化カルシウム水溶液を滴下してゲル化させヒアルロン酸含有角結膜被覆シートを作製した。
結果を図10に示す。図10は、各角結膜被覆シートの含水率の経時変化を示すグラフであり、横軸が経時時間(分)で縦軸が含水率(%)である。 (1)角結膜被覆シート(コントロール)の結果より、時間と共に水が蒸発して重量が減少していくことが確認された。(2)〜(3)の角結膜被覆シート間で比較した場合、(2)シリコーンオイル含有角結膜被覆シートの油により被膜化された角結膜被覆シートが経時的な重量変化が最も少なかった。つまり、(2)シリコーンオイル含有角結膜被覆シートにおいては、角結膜被覆シートからの水分の蒸発が油による被膜効果で効果的に抑制されていることを意味し、角結膜被覆シートの被膜としてシリコーンオイルを用いることが有効であることが明らかとなった。続いて、(3)ヒアルロン酸含有角結膜被覆シートにおいても、水分の蒸発は(1)角結膜被覆シートよりも抑制されていることから、ヒアルロン酸等の保湿成分を角結膜被覆シート内に含有させることで、角結膜被覆シートからの水分の蒸発を抑える効果を示すことが明らかとなった。
1.目的
本実施例では、実施例5に続き、先の実施例で作製検証を行った角結膜被覆シートの薬剤徐放効果を検証し、医療目的での使用可能性について検証を行った。ここでは、ドライアイ治療薬レバミピドの薬剤徐放効果を検証した。
本実施例で使用した角結膜被覆シートの材料は、実施例3で使用したアルギン酸ナトリウム及び塩化カルシウム水和物に加え、徐放製剤化する薬剤成分としてドライアイ治療薬レバミピド(東京化成工業株式会社、R0085)を使用した。
3-1.アルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液の調製
実施例7と同様にして、アルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液を調製した。
レバミピドは難水溶性薬剤である。そのため薬剤を水に分散させるために、当該薬剤のナノ粒子化を実施した。薬剤50mgを精製水50mlに混入させ、超音波破砕装置により30分超音波を照射し懸濁液を作製した。続いてその懸濁液を孔径0.8μmのシリンジフィルターを通過させ、薬剤ナノ粒子の水分散液を得た。ナノ粒子が作製されていることは、走査型電子顕微鏡写真(図11)により確認した。
徐放製剤化する薬剤成分として、上記3-2で調製したレバミピドナノ粒子水分散液10mlにアルギン酸ナトリウム100mgを撹拌して溶解させた。続いて、得られた各アルギン酸ナトリウム・薬剤水溶液100μLを蛍光強度測定用の石英セルの底に滴下した後、上記3-1で調製した塩化カルシウム水溶液100μLを滴下してゲル化させ、各薬剤を含有した角結膜被覆シートを石英セルの底に作製した。
上記3-3で作製した角結膜被覆シートを含む石英セルに精製水2mLを入れることで、角結膜被覆シートを精製水に浸漬させ静置した。所定の時間毎(浸漬後10、20、30、40、60分後)に蛍光スペクトル測定装置にて蛍光スペクトルを測定し、角結膜被覆シートから精製水中に溶出した薬剤の蛍光強度を求めた。経時的に測定することにより角結膜被覆シートからの薬剤徐放を評価した。このとき、励起波長は270nmとし、蛍光スペクトルの極大値は波長370nmであった。
結果を図12及び図13に示す。図12は、蛍光スペクトルの経時変化を示すグラフであり、横軸が波長(nm)で縦軸が蛍光強度である。図12に示す通り、時間経過と共に蛍光スペクトルの蛍光強度が増大した。図13は極大値の蛍光強度の経時変化を示すグラフであり、横軸が徐放時間(分)で縦軸が蛍光強度であり、図12の蛍光強度の極大値(波長370 nm)をプロットしたものである。図12及び図13の結果より、角結膜被覆シートに含有させた薬剤が精製水中に徐放されたことを意味し、角結膜被覆シートは薬剤徐放能を有することが確認できた。また、実施例5の結果と併せて、薬剤の種類及び形態に関わらず、薬剤徐放能を発揮することができることも確認できた。したがって、角結膜被覆シートは薬剤徐放製剤として医療目的で利用できることが判明した。
Claims (15)
- 角膜又は角結膜を被覆可能な表面積を有するゲル層で構成される角結膜被覆シート作製のための角結膜被覆シート作製用キットであって、
金属イオンの存在下でゲル化能を示す水溶性ゲル化剤を含む第一点眼液が収容された第一点眼容器と、
前記金属イオンを含む第二点眼液が収容された第二点眼容器と、を備え、
前記第一点眼液に含まれる前記水溶性ゲル化剤と前記第二点眼液に含まれる前記金属イオンとを混合することによりゲル化させ角膜上又は角結膜上でゲル層を形成する角結膜被覆シート作製用キット。 - 前記水溶性ゲル化剤がアルギン酸、又はアルギン酸誘導体であり、前記金属イオンが陽イオン又は陰イオンである請求項1に記載の角結膜被覆シート作製用キット。
- 前記金属イオンが、カルシウムイオンである請求項2に記載の角結膜被覆シート作製用キット。
- 外部環境からの保護用の角結膜被覆シート作製のための請求項1〜3の何れか一項に記載の角結膜被覆シート作製用キット。
- 治療有効量の薬剤を含む点眼液を有し、
前記ゲル層に前記治療有効量の薬剤を含む薬剤徐放性用の角結膜被覆シート作製のための請求項1〜4の何れか一項に記載の角結膜被覆シート作製用キット。 - 前記ゲル層が、所定の屈折率を有するコンタクトレンズで構成されている角結膜被覆シート作製のための請求項1〜5の何れか一項に記載の角結膜被覆シート作製用キット。
- 高屈折率性の水溶性成分を含む点眼液を有し、
前記ゲル層に前記高屈折率性の水溶性成分を含む視力矯正用の角結膜被覆シート作製のための請求項6に記載の角結膜被覆シート作製用キット。 - 前記高屈折率性の水溶性成分が、糖、多価アルコール、水溶性ポリマー、及び、これらの混合物から選択される請求項7に記載の角結膜被覆シート作製用キット。
- 油成分又は保湿成分を含む点眼液を有し、
前記ゲル層に前記油成分又は保湿成分を含む角結膜被覆シート作製のための請求項1〜8の何れか一項に記載の角結膜被覆シート作製用キット。 - 金属イオンの存在下でゲル化能を示す水溶性ゲル化剤を前眼部に点眼する水溶性ゲル化剤点眼工程と、
前記金属イオンを前眼部に点眼する金属イオン点眼工程、とを含み、前記水溶性ゲル化剤を前記金属イオンによりゲル化させ角膜上又は角結膜上でゲル層を形成する、角結膜被覆シートの作製方法。 - 前記水溶性ゲル化剤点眼工程が、治療有効量の薬剤を前眼部に点眼する工程を含む請求項10に記載の角結膜被覆シートの作製方法。
- 前記水溶性ゲル化剤点眼工程が、高屈折率性の水溶性成分を前眼部に点眼する工程を含む請求項10又は11に記載の角結膜被覆シートの作製方法。
- 前記水溶性ゲル化剤点眼工程及び前記金属イオン点眼工程を繰り返して、単一成分で構成されるゲル層、又は複数成分で構成されるゲル層を積層させて屈折率を制御する請求項12に記載の角結膜被覆シートの作製方法。
- 少なくとも前記ゲル層の粘性、透磁率、誘電率、導電率、及びゲル厚の何れか1つの屈折率に関わる因子を調整し、屈折率を制御する請求項12又は13に記載の角結膜被覆シートの作製方法。
- 油成分又は保湿成分を前眼部に点眼する工程をさらに含む請求項10〜14の何れか一項に記載の角結膜被覆シートの作製方法。
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