JP6727274B2 - 磁場検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気検出素子を用いて磁場を検出する磁場検出装置に関する。
外部磁場を検出する磁場検出装置(磁界検出装置)として、ホール素子や磁気抵抗効果素子を利用したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開2008/146809号
ところで、近年、磁場検出の性能向上が求められている。したがって、より優れた磁場検出性能を有する磁場検出装置を提供することが望ましい。
本発明の一実施態様としての磁場検出装置は、第1の軟磁性体と、磁気検出素子とを備える。第1の軟磁性体は、第1の外縁を含む第1の面を有する一の第1の平板部と、第1の面のうちの第1の外縁から後退した第1の配置位置に各々設けられて第1の面と反対側に第1の先端部を各々含む複数の第1の凸部と、を有する。1以上の磁気検出素子は、複数の第1の凸部における第1の先端部の各々の近傍に設けられている。ここで第1の先端部の近傍とは、第1の先端部を経由する磁束の影響が及ぶ範囲をいう。
本発明の一実施態様としての磁場検出装置では、第1の軟磁性体が一の第1の平板部と第1の凸部とを有し、磁気検出素子が、第1の凸部のうちの、第1の面と反対側に位置する第1の先端部の近傍に設けられている。第1の凸部は、第1の面のうちの第1の外縁から後退した第1の配置位置に設けられている。このため、第1の平板部に進入した磁束が第1の凸部において効率的に集束される。よって、第1の凸部から第1の先端部を経由して磁気検出素子に至る磁束が高密度化する。
本発明の一実施態様としての磁場検出装置では、下記の条件式(1)を満たすことが望ましい。磁束がよりいっそう高密度化するからである。但し、L1は第1の外縁から第1の凸部の外縁までの、第1の面に沿った第1の長さであり、H1は第1の面と直交する高さ方向における、第1の面に対する第1の先端部の第1の高さである。
L1/H1≧1 …(1)
本発明の一実施態様としての磁場検出装置では、第1の平板部と第1の凸部とが接していてもよいし、第1の軟磁性体が第1の平板部と第1の凸部との間に非磁性層を有するようにしてもよい。
第2の外縁を含むと共に第1の面と対向する第2の面を有する第2の平板部と、第2の面のうちの第2の外縁から後退した位置に設けられ、前記第2の面と反対側に第2の先端部を含む第2の凸部と、を有する第2の軟磁性体をさらに備えるようにしてもよい。その場合、磁気検出素子は、第1の先端部と第2の先端部との間に設けられているとよい。さらに、下記の条件式(2)を満たすようにするとよい。但し、L2は第2の外縁から第2の凸部の外縁までの、第2の面に沿った第2の長さであり、H2は第2の面と直交する高さ方向における、第2の面に対する第2の先端部の第2の高さである。
L2/H2≧1 …(2)
本発明の一実施態様としての磁場検出装置では、第1の面と第2の面とは実質的に平行であり、第1の面および第2の面に沿った面内方向において、第1の配置位置と第2の配置位置とが異なっていてもよい。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置によれば、磁気検出素子に及ぶ検出対象磁場の強度を向上させることができ、高い磁場検出性能を発揮することができる。
本発明の第1の実施の形態としての磁場検出装置の全体構成を表す概略斜視図である。 図1Aに示した磁場検出装置の断面構成を表す断面図である。 図1Aに示した磁場検出装置の変形例(第1の変形例)を表す断面図である。 図1Aに示した磁気検出素子の断面構成を表す拡大断面図である。 図1Aに示した磁場検出装置に搭載される信号検出回路の一例を表す回路図である。 本発明の第2の実施の形態としての磁場検出装置の全体構成を表す概略斜視図である。 図5Aに示した磁場検出装置の断面構成を表す断面図である。 図5Aに示した磁場検出装置の変形例(第2の変形例)を表す断面図である。 本発明の第3の実施の形態としての磁場検出装置の全体構成を表す概略斜視図である。 図7Aに示した磁場検出装置の断面構成を表す断面図である。 図7Aに示した磁場検出装置の要部を表す平面図である。 実験例1−1の軟磁性体の配置状態を表す模式図である。 実験例1−2の軟磁性体の配置状態を表す模式図である。 実験例1−1の軟磁性体の配置状態における磁場強度のエンハンス率を表す特性図である。 実験例1−2の軟磁性体の配置状態における磁場強度のエンハンス率を表す特性図である。 実験例2−1〜2−4の軟磁性体の外観を表す模式図である。 実験例2−1〜2−4の軟磁性体における寸法比とエンハンス率との関係表す特性図である。 第3の変形例としての磁場検出装置の変形例を表す断面図である。 第4の変形例としての磁場検出装置の変形例を表す断面図である。 第5の変形例としての磁場検出装置の変形例を表す断面図である。 第6の変形例としての磁場検出装置を表す断面図である。 第7の変形例としての磁場検出装置を表す断面図である。 第8の変形例としての磁場検出装置を表す断面図である。 第9の変形例としての磁場検出装置を表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態およびその変形例
平板部および凸部を有する一の軟磁性体と、一の磁気検出素子とを備えた磁場検出装置の例。
2.第2の実施の形態およびその変形例
平板部および凸部を各々有する一対の軟磁性体と、一の磁気検出素子とを備えた磁場検出装置の例。
3.第3の実施の形態
平板部に複数の凸部を有する1対の軟磁性体と、複数の磁気検出素子とを備えた磁場検出装置の例。
4.実験例
5.その他の変形例
<1.第1の実施の形態>
[磁場検出装置1の構成]
最初に、図1A,図1Bおよび図2などを参照して、本発明における第1の実施の形態としての磁場検出装置1の構成について説明する。図1Aは、磁場検出装置1の全体構成例を表す斜視図である。図1Bは、図1Aに示したIB−IB線に沿った矢視方向における磁場検出装置1の断面構成例を表すものである。図2は、変形例としての軟磁性体10Aの断面構成例を表すものである。図3は、図1Aおよび図1Bに示した磁気検出素子20の断面構成例を表すものである。
磁場検出装置1は、自らに及ぶ外部磁場の有無や方向、強度などを検出するデバイスであり、例えば電子コンパスに搭載されるものである。磁場検出装置1は、例えばX軸方向およびY軸方向に広がる一の軟磁性体10と、一の磁気検出素子20とを備えている。磁場検出装置1は、さらに、磁気検出素子20へセンス電流を流すためのリード21,22を備えている。
(軟磁性体10)
軟磁性体10は、XY平面に広がる平坦面11Sを有する平板部11と、平坦面11SにおいてXY平面と直交するZ軸方向へ突出するように設けられた凸部12とを有している。平板部11および凸部12は、いずれも、例えばニッケル鉄合金(NiFe)などの高飽和磁束密度を有する軟磁性金属材料により構成されている。平板部11の構成材料と凸部12の構成材料とは異なっていてもよいが、製造容易性の観点では同一であることが望ましい。
平板部11は、図1Aに示したように、XY平面において矩形の外縁11Aを含む略直方体の部材である。凸部12は、平坦面11Sのうちの外縁11Aから後退した位置に設けられており、平坦面11Sと反対側に先端部12Tを含んでいる。ここで、平板部11におけるX軸方向の寸法をLXとし、Y軸方向の寸法をLYとする。外縁11Aから凸部12の外縁までの、XY平面に沿ったX軸方向の長さをLX1またはLX2とし、XY平面に沿ったY軸方向の長さをLY1またはLY2とする。また、平坦面11Sと直交する高さ方向(Z軸方向)における、平坦面11S対する先端部12Tの高さをH12とする。この場合、下記の条件式(1A)および条件式(1B)を満たしていることが望ましい。
LX1/H12≧1,LX2/H12≧1 …(1A)
LY1/H12≧1,LY2/H12≧1 …(1B)
なお、本実施の形態では、平板部11と凸部12とが直接接している例を示したが、図2に示した第1の変形例としての磁場検出装置1Aのように、平板部11と凸部12との間に非磁性層13をさらに有する軟磁性体10Aを備えるようにしてもよい。
(磁気検出素子20)
磁気検出素子20は、先端部12Tの近傍、すなわち、先端部12Tを経由する磁束Fの影響が及ぶ範囲に設けられている。磁気検出素子20は、例えば外部磁場の方向や強度に応じて抵抗変化を示す磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)素子が用いられる。磁気検出素子20は、例えば図3に示したように、磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造を有するCPP(Current Perpendicular to Plane)型のMR素子であり、センス電流が自らの内部を積層方向に流れるものである。具体的には、図3に示したように、反強磁性層31と、一定方向に固着された磁化を有する磁化固着層32と、特定の磁化方向を発現しない中間層33と、外部磁場に応じて変化する磁化を有する磁化自由層34とが順に積層体を含むものである。なお、反強磁性層31、磁化固着層32,中間層33および磁化自由層34は、いずれも単層構造であってもよいし、複数層からなる多層構造であってもよい。このようなMR素子においては、その積層方向と直交する膜面内に沿った磁束の変化に応じて抵抗変化が生じる。この磁場検出装置1においてはY軸方向に曲がった磁束F(図1B)の変化に応じて抵抗変化を生じるようにするため、磁気検出素子20の積層方向を例えばZ軸方向としている。
反強磁性層31は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されるものである。反強磁性層31は、例えば隣接する磁化固着層32の磁化の向きと実質的に同じ方向のスピン磁気モーメントと、それと正反対の方向のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固着層32の磁化の向きを、一定方向へ固定するように作用する。
磁化固着層32は、例えばコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)、コバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などの強磁性材料からなる。
中間層33は、磁気検出素子20が磁気トンネル接合(MTJ:magnetic tunneling junction)素子である場合、例えば酸化マグネシウム(MgO)からなる非磁性のトンネルバリア層であり、量子力学に基づくトンネル電流が通過可能な程度に厚みの薄いものである。MgOからなるトンネルバリア層は、例えば、MgOからなるターゲットを用いたスパッタリング処理のほか、マグネシウム(Mg)の薄膜の酸化処理、あるいは酸素雰囲気中でマグネシウムのスパッタリングを行う反応性スパッタリング処理などによって得られる。また、MgOのほか、アルミニウム(Al),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf)の各酸化物もしくは窒化物を用いて中間層33を構成することも可能である。また、磁気検出素子20が例えばGMR(Giant Magnetoresistive)素子である場合、中間層33は銅(Cu)、ルテニウム(Ru)または金(Au)などの非磁性高導電性材料により構成される。
磁化自由層34は軟質強磁性層であり、例えば磁化固着層32の磁化の向きと実質的に直交する磁化容易軸を有するものである。磁化自由層34は、例えばコバルト鉄合金(CoFe)、ニッケル鉄合金(NiFe)あるいはコバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などによって構成される。
(リード21,22)
リード21は磁気検出素子20の一端面(例えば磁化自由層34)と接するようにXY平面において延在し、リード22は磁気検出素子20の他端面(例えば反強磁性層31)と接するようにXY平面において延在している。リード21,22は、例えば銅やアルミニウム(Al)などの、高導電性非磁性材料により形成されている。
(信号検出回路)
磁場検出装置1は、例えば図4に示した信号検出回路を有している。この信号検出回路は、例えば電圧印加部101と、磁気検出素子20と、抵抗変化検出部102と、信号処理部103とを含んでいる。磁気検出素子20には、電圧印加部101と、抵抗変化検出部102とが接続されている。信号処理部103は抵抗変化検出部102と接続されている。
[磁場検出装置1の作用効果]
磁場検出装置1では、上記の信号検出回路により、磁場検出装置1に及ぶ外部磁場に応じた出力が得られる。具体的には、上記の信号検出回路において、電圧印加部101により、リード21とリード22との間に所定の電圧を印加することで、そのときの磁気検出素子20の電気抵抗に対応したセンス電流が流れる。磁気検出素子20の電気抵抗は、磁気検出素子20の磁化状態、すなわち、磁化固着層32の磁化の向きに対する磁化自由層34の磁化の向きによって変化する。磁気検出素子20を流れるセンス電流は抵抗変化検出部102において検出され、抵抗変化検出部102により信号処理部103へ信号が出力される。さらに、信号処理部103において抵抗変化検出部102からの出力に基づいた信号が生成されて外部へ出力される。これにより、磁場検出装置1に及ぶ外部磁場に応じた出力が信号検出回路から得られる。
本実施の形態の磁場検出装置1では、軟磁性体10が平坦面11Sを有する平板部11と凸部12とを有し、磁気検出素子20が、凸部12の先端部12Tの近傍に設けられている。このため、平板部11に進入した磁束Fが凸部12において効率的に集束される。よって、凸部12からその先端部12Tを経由して磁気検出素子20に至る磁束Fが高密度化する。
すなわち、磁場検出装置1によれば、軟磁性体10がZ軸方向の外部磁場成分に対して磁気ヨークとして機能し、その外部磁場成分の増強を行うこととなる。したがって、Z軸方向の外部磁場成分に対し、高い磁場検出性能を発揮することができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、図5Aおよび図5Bを参照して、本発明における第2の実施の形態としての磁場検出装置2の構成について説明する。図5Aは、磁場検出装置2の全体構成例を表す斜視図である。図5Bは、図5Aに示したVB−VB線に沿った矢視方向における磁場検出装置2の断面構成例を表すものである。
本実施の形態の磁場検出装置2は、軟磁性体10および磁気検出素子20に加え、軟磁性体10との間に磁気検出素子20を挟んで対向配置された軟磁性体40をさらに備えるようにしたものである。軟磁性体40は、軟磁性体10と同様に、XY平面に広がる平坦面41Sを有する平板部41と、凸部42とを有している。平坦面41Sは平坦面11Sと対向している。凸部42は、平坦面41Sにおいて平坦面11Sへ向けてZ軸方向へ突出するように設けられている。平板部41および凸部42は、いずれも、例えばNiFeなどの高飽和磁束密度を有する軟磁性金属材料により構成されている。平板部41の構成材料と凸部42の構成材料とは異なっていてもよいが、製造容易性の観点では同一であることが望ましい。
平板部41は、図5Aに示したように、XY平面において矩形の外縁41Aを含む略直方体の部材である。凸部42は、平坦面41Sのうちの外縁41Aから後退した位置に設けられており、平坦面41Sと反対側に先端部42Tを含んでいる。ここで、平板部41におけるX軸方向の寸法をLXとし、Y軸方向の寸法をLYとする。外縁41Aから凸部42の外縁までの、XY平面に沿ったX軸方向の長さをLX3またはLX4とし、XY平面に沿ったY軸方向の長さをLY3またはLY4とする。また、平坦面41Sと直交する高さ方向(Z軸方向)における、平坦面41S対する先端部42Tの高さをH42とする。この場合、下記の条件式(2A)および条件式(2B)を満たしていることが望ましい。
LX3/H42≧1,LX4/H42≧1 …(2A)
LY3/H42≧1,LY4/H42≧1 …(2B)
磁気検出素子20は、例えばY軸方向において、凸部12の先端部12Tと凸部42の先端部42Tとの間に設けられている。また、Z軸方向においても、磁気検出素子20は凸部12の先端部12Tと凸部42の先端部42Tとの間の階層に設けられている。
なお、本実施の形態では、平板部11と凸部12とが直接接している例を示したが、図6に示した第2の変形例としての磁場検出装置2Aのように、平板部11と凸部12との間に非磁性層13をさらに有する軟磁性体10Aを備えるようにしてもよい。同様に、本実施の形態では、平板部41と凸部42とが直接接している例を示したが、図6に示した第2の変形例としての磁場検出装置2Aのように、平板部41と凸部42との間に非磁性層43をさらに有する軟磁性体40Aを備えるようにしてもよい。
このように磁場検出装置2では、対向配置された軟磁性体10および軟磁性体40にそれぞれ凸部12および凸部42を設け、それらの間に磁気検出素子20を配置するようにした。このため、Z軸方向の外部磁場成分による磁束Fを磁気検出素子20に集中させることができる。その際、磁気検出素子20の近傍において磁束Fの向きを磁気検出素子20の感磁方向であるXY面内方向に沿うように曲げることができる。よって、軟磁性体10,40の平板部11,41の延在方向と磁気検出素子20の各層の延在方向とを実質的に一致させることができ、製造が容易となる。
<3.第3の実施の形態>
次に、図7A〜図7Cを参照して、本発明における第3の実施の形態としての磁場検出装置3の構成について説明する。図7Aは、磁場検出装置3の全体構成例を表す斜視図である。図7Bは、図5Aに示したVIIB−VIIB線に沿った矢視方向における磁場検出装置3の断面構成例を表すものである。さらに、図7Cは、磁場検出装置3の要部を表す平面図である。
磁場検出装置3は、1対の軟磁性体10,40の間に挟まれた複数の磁気検出素子20を備えるようにしたものである。図7Aおよび図7Cでは2行3列で配列された6つの磁気検出素子20を例示しているが、複数の磁気検出素子20の個数およびそれらの配列の形態についてはそれに限定されるものではない。但し、複数の磁気検出素子20は、全て同一の階層に設けられているとよい。複数の磁気検出素子20は、例えば、複数のリード23と複数のリード24とによって全体として直列に接続されている。リード23,24は、例えば銅やアルミニウム(Al)などの、高導電性非磁性材料により形成されている。また、隣り合う磁気検出素子20同士の間に、凸部12または凸部42が設けられている(図7Bおよび図7C)。こうすることにより、磁場検出装置3では、上記第2の実施の形態における磁場検出装置2と比較して全体の出力を増大させることができる。なお、煩雑さを避けるため、図7Aでは凸部12および凸部42の図示を省略し、図7Cでは、平板部41ならびにリード23およびリード24の図示を省略している。
磁場検出装置3では、軟磁性体10の、Y軸方向において隣り合う凸部12の外縁同士の間隔LY12(図7B参照)は、凸部12の高さH12の2倍以上である。すなわち、磁場検出装置3は下記の条件式(3)を満たしている。同様に、軟磁性体40の、Y軸方向において隣り合う凸部42の外縁同士の間隔LY42(図7B参照)は、凸部42の高さH42の2倍以上である。すなわち、磁場検出装置3は下記の条件式(4)を満たしている。
LY12/H12≧2 …(3)
LY42/H42≧2 …(4)
磁場検出装置3は、例えば以下の手順により製造することができる。まず、平板部11を形成したのち、平板部11の平坦面11S上に、凸部12を形成すべき位置に開口を複数有する第1のレジストパターンを形成する。次に、平板部11をめっき下地としためっき処理を行い、上記した複数の開口にめっき膜からなる凸部12を複数形成する。これにより、軟磁性体10が得られる。さらに第1のレジストパターンを除去したのち、複数の凸部12同士の隙間を埋めると共にそれらの上面を覆うように第1の絶縁膜を形成する。そののち、凸部12を含む階層の上層として、所定の形状を有するリード24、磁気検出素子20およびリード23を順に積層する。さらに全体を第2の絶縁膜により覆ったのち、凸部42を形成すべき位置に開口を複数有する第2のレジストパターンを形成する。そののち、上記した複数の開口にめっき膜からなる凸部42を複数形成し、第2のレジストパターンを除去する。最後に、複数の凸部42同士の隙間を埋めるように第3の絶縁膜を形成し、全体を覆うように平板部41を形成することで軟磁性体40を得る。以上により、磁場検出装置3が完成する。
<4.実験例>
[4.1 実験例1−1〜1−2]
(実験例1−1)
次に、図8Aに示した複数の軟磁性体112および複数の軟磁性体142に対し0.1mTの+Z方向の外部磁場が印加されたときの、図8A中に示した破線上における磁場強度を求め、エンハンス率を算出した。そのシミュレーション結果を図9Aに示す。図9Aにおいて、横軸はY軸方向の位置[μm]を表し、縦軸は印加磁場強度に対する図8A中に示した破線上での磁場強度の比、すなわちエンハンス率[%]を表す。軟磁性体112,142は、いずれも、X軸方向の寸法が10μm、Y軸方向の寸法が4μm、Z軸方向の寸法が3.8μmの直方体である。X軸方向において、軟磁性体112と軟磁性体142とは0.4μmの間隔で交互に配置されている。Y軸方向には、軟磁性体112,142は、いずれも3つずつ配置されている。さらにZ軸方向においては、複数の軟磁性体112はZ軸方向においてすべて同一の高さ位置に配置され、複数の軟磁性体142もまたZ軸方向においてすべて同一の高さ位置に配置に配置されている。複数の軟磁性体112の高さ位置と複数の軟磁性体142が存在する高さ位置とは異なっており、Z軸方向における両者のギャップは0.4μmである。
(実験例1−2)
次に、図8Bに示した軟磁性体10および軟磁性体40に対し0.1mTの+Z方向の外部磁場が印加されたときの、図8B中に示した破線上における磁場強度を求め、エンハンス率を算出した。そのシミュレーション結果を図9Bに示す。図9Bにおいて、横軸はY軸方向の位置[μm]を表し、縦軸は印加磁場強度に対する図8B中に示した破線上での磁場強度の比、すなわちエンハンス率[%]を表す。軟磁性体10は、X軸方向の寸法が70μm、Y軸方向の寸法が40μm、Z軸方向の寸法が5μmの直方体からなる平板部11に、複数の凸部12を配置したものである。複数の凸部12の形状、大きさおよび配置位置は、図8Aに示した複数の軟磁性体112の形状、大きさおよび配置位置と同じである。軟磁性体40は、X軸方向の寸法が70μm、Y軸方向の寸法が40μm、Z軸方向の寸法が5μmの直方体からなる平板部41に、複数の凸部42を配置したものである。複数の凸部42の形状、大きさおよび配置位置は、図8Aに示した複数の軟磁性体142の形状、大きさおよび配置位置と同じである。
図9Aに示したように、実験例1−1では、軟磁性体112と軟磁性体142との間の領域においてエンハンス率が増大し、最大で約200%となった。一方、図9Bに示したように、実験例1−2では、凸部12と凸部42との間の領域においてエンハンス率が増大し、最大で約500%となった。このように、印加磁場の方向と直交する面内に広がる平板部に凸部を設けることにより、磁場強度を局所的に増強することができることが確認できた。
[4.2 実験例2−1〜2−2]
次に、図10に示した軟磁性体50に対し+Z方向の外部磁場が印加されたときのエンハンス率を求めた。軟磁性体50は、外縁51Aを含む円盤状の平板部51に、直径R52の円柱状の凸部52が立設されたものである。外縁51Aから凸部52の外縁までの長さをL1[μm]とする。ここでは、印加する+Z方向の外部磁場を0.1mTとし、そのときの先端部52Tの直上(0.5μmの地点)における磁場強度が0.1mTの何倍となるかをシミュレーションにより求めた。また、実験例2−1では、凸部52の高さH52を2μmとし、長さL1を2μm〜8μmの範囲で変化させた。実験例2−2では、凸部52の高さH52を5μmとし、長さL1を2μm〜20μmの範囲で変化させた。実験例2−3では、凸部52の高さH52を10μmとし、長さL1を2μm〜25μmの範囲で変化させた。実験例2−4では、凸部52の高さH52を15μmとし、長さL1を2μm〜25μmの範囲で変化させた。なお、平板部51の厚さT51は1μmとし、凸部52の直径R52を2μmとした。それらのシミュレーション結果を図11にまとめて示す。図11において、横軸は凸部の高さH52に対する長さL1の比(図11では単にL/Hと表す)を表し、縦軸は印加磁場強度に対する先端部52Tの直上(0.5μmの地点)における磁場強度の比、すなわちエンハンス率[%]を表す。
図11の結果から、比L/Hが1以上であれば、実質的に最も高いエンハンス率[%]が得られることがわかった。
<5.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明では、軟磁性層の形状は上記実施の形態等のものに限定されない。例えば、図12に示した第3の変形例としての磁場検出装置4のように、対向配置された一対の軟磁性体のうちの一方の軟磁性体10における凸部12の高さH12と他方の軟磁性体40における凸部42の高さH42とが異なる(図12ではH12<H42の場合を例示)ようにしてもよい。
また、凸部の形状も略直方体状や略円柱状に限定されず、例えば図13および図14
に示した第4および第5の変形例としての磁場検出装置5,6のように、三角形状や台形状の断面を有する凸部12,42であってもよい。
また上記実施の形態等では、磁気検出素子としてスピンバルブ構造を有するCPP型MR素子を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばCIP(Current in Plane)型MR素子や磁気トンネル接合(MTJ素子)素子を用いてもよいし、MR素子以外の、例えばホール素子などのセンサを用いてもよい。磁気検出素子として感磁方向がZ軸方向であるホール素子を用いた場合、例えば図15Aおよび図15Bに例示した磁場検出装置7Aおよび磁場検出装置7Bのように、凸部12または凸部42とZ軸方向において重複する位置、すなわち、凸部12および凸部42の直上もしくは直下にホール素子20Hを配置するとよい。
さらに、上記第3の実施の形態としての磁場検出装置3では、XY面内においてマトリックス状に配列された複数の磁気検出素子20に対し、X軸方向に延在する略直方体状の凸部12および凸部42をそれぞれY軸方向に複数配列するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図16Aおよび図16Bに例示した磁場検出装置8Aおよび磁場検出装置8Bのように、凸部12および凸部42を、X軸方向においてもそれぞれ複数に分割してもよい。すなわち凸部12および凸部42を、磁気検出素子20に対応してそれぞれ1つずつ設けるようにしてもよい。その場合、磁場検出装置8A,8Bでは、X軸方向において隣り合う凸部12の外縁同士の間隔LX12が、凸部12の高さH12の2倍以上であるとよい。すなわち、磁場検出装置8A,8Bは下記の条件式(5)を満たしているとよい。同様に、軟磁性体40の、X軸方向において隣り合う凸部42の外縁同士の間隔LX42が、凸部42の高さH42の2倍以上であるとよい。すなわち、磁場検出装置3は下記の条件式(6)を満たしているとよい。
LX12/H12≧2 …(5)
LX42/H42≧2 …(6)
1〜7…磁場検出装置、10,10A,40…軟磁性体、11,41…平板部、12,42…凸部、13…非磁性層、20…磁気検出素子、21〜24…リード。

Claims (11)

  1. 第1の外縁を含む第1の面を有する一の第1の平板部と、前記第1の面のうちの前記第1の外縁から後退した第1の配置位置に各々設けられて前記第1の面と反対側に第1の先端部を各々含む複数の第1の凸部と、を有する第1の軟磁性体と、
    前記複数の第1の凸部における前記第1の先端部の各々の近傍であって前記第1の面に直交する高さ方向において前記複数の第1の凸部のいずれとも重なり合うことのない位置に設けられ、前記第1の面に沿った感磁方向を有する1以上の磁気検出素子と
    を備えた磁場検出装置。
  2. 下記の条件式(1)および条件式(3)を満たす
    請求項1記載の磁場検出装置。
    L1/H1≧1 …(1)
    L3/H1≧2 …(3)
    L1:前記第1の面と直交する高さ方向に平行であって前記第1の平板部、前記第1の凸部および前記磁気検出素子の全てを含む任意の第1の断面において、前記第1の外縁から前記第1の凸部のうち最も前記第1の面に近い部分の前記第1の面に平行な第3の外縁までの、前記第1の面に沿った第1の長さ
    L3:前記第1の面と直交する高さ方向に平行であって前記複数の第1の凸部を含む任意の第3の断面における、前記第1の面に沿った方向の、隣接する前記複数の第1の凸部の前記第3の外縁同士の間隔
    H1:前記第1の面と直交する高さ方向における、前記第1の面に対する前記第1の先端部の第1の高さ
  3. 前記高さ方向において前記磁気検出素子を挟んで前記磁気検出素子にセンス電流を供給可能に設けられた一対のリードをさらに備え、
    前記磁気検出素子および前記一対のリードは、前記第1の面に沿った方向において前記複数の第1の凸部のいずれとも重なり合うことのない位置に設けられている
    請求項1または請求項2に記載の磁場検出装置。
  4. 第2の外縁を含むと共に前記第1の面と対向する第2の面を有する一の第2の平板部と、前記第2の面のうちの前記第2の外縁から後退した第2の配置位置に各々設けられて前記第2の面と反対側に第2の先端部を各々含む複数の第2の凸部と、を有する第2の軟磁性体をさらに備えた
    請求項1または請求項2に記載の磁場検出装置。
  5. 前記磁気検出素子は、前記第1の先端部と前記第2の先端部との間に設けられている
    請求項に記載の磁場検出装置。
  6. 前記磁気検出素子は、前記複数の第2の凸部における前記第2の先端部の各々の近傍であって、前記高さ方向において前記複数の第2の凸部のいずれとも重なり合うことのない位置に設けられている
    請求項4または請求項5に記載の磁場検出装置。
  7. 前記高さ方向において前記磁気検出素子を挟んで前記磁気検出素子にセンス電流を供給可能に設けられた一対のリードをさらに備え、
    前記磁気検出素子および前記一対のリードは、前記第1の面に沿った方向において前記複数の第1の凸部および前記複数の第2の凸部のいずれとも重なり合うことのない位置に設けられている
    請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  8. 下記の条件式(2)および条件式(4)を満たす
    請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
    L2/H2≧1 …(2)
    L4/H2≧2 …(4)
    L2:前記第2の面と直交する高さ方向に平行であって前記第2の平板部、前記第2の凸部および前記磁気検出素子の全てを含む任意の第2の断面において、前記第2の外縁から前記第2の凸部のうち最も前記第2の面に近い部分の前記第2の面に平行な第4の外縁までの、前記第2の面に沿った第2の長さ
    L4:前記第2の面と直交する高さ方向に平行であって前記複数の第2の凸部を含む任意の第4の断面における、前記第2の面に沿った方向の、隣接する前記複数の第2の凸部の前記第4の外縁同士の間隔
    H2:前記第2の面と直交する高さ方向における、前記第2の面に対する前記第2の先端部の第2の高さ
  9. 前記第1の面と前記第2の面とは実質的に平行であり、
    前記第1の面および前記第2の面に沿った面内方向において、前記第1の配置位置と前記第2の配置位置とが異なっている
    請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  10. 前記第1の平板部と前記第1の凸部とが接している
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  11. 前記第1の軟磁性体は、前記第1の平板部と前記第1の凸部との間に非磁性層を有する
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
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