JP6727112B2 - ヘッドレスト及び医療用診療台 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば歯科医療などにおいて患者の頭部を保持するヘッドレスト及び、前記ヘッドレストを備えた医療用診療台に関する。
例えば歯科などの医療分野において使用されている医療用診療台は、背板を座席シートに対して傾動させることで着座した患者を仰臥姿勢とすることができるものがある。このように患者を仰臥姿勢とすることで、前記患者の口部などの施術対象部位を着座した施術者の頭部よりも低い位置とすることができ、前記施術者は施術や診察がしやすい体勢で前記施術対象部位の診察などをできる。
また、上述の構成に加えて、前記座席シートを傾動させて仰臥姿勢となった患者の頭部を保持する頭部保持部を摺動させることで、前記患者の頭部を所望の位置や角度に調整できるヘッドレストを備えた医療用診療台が多数開示されている。
例えば、特許文献1に開示されている医療用診療台に備えられたヘッドレストは、患者の頭部を保持する頭部保持部が一端側に固定され、かつ、他端側が背板に組み付けられた支持部に対して摺動可能に連結され、長尺状の連結部が下方に向けて円弧状に形成されており、前記連結部を前記支持部に収納した油圧シリンダーで長手方向に摺動させることで、円弧状に形成された前記連結部の摺動に合わせて前記頭部保持部を回動させて、所望の位置や角度に頭部を調整できるとされている。
しかしながら、この特許文献1に記載のヘッドレストでは前記患者の頭部の所望の位置や角度に調整するために、前記連結部を摺動させるための油圧シリンダーを前記支持部に設ける必要があるため、必然的に前記支持部が拡大化されることとなり、前記支持部を組み付ける前記背板も大きくなる。
実公昭59−42024号公報
この発明は、上記問題点に鑑み、前記頭部支持部を固定させる固定機構をコンパクト化できるヘッドレスト及び医療用診療台を提供することを目的とする。
この発明は、頭部を保持する頭部保持部と、医療用診療台を構成する背板に前記頭部保持部を支持する支持部材と、前記頭部保持部に連結されるとともに、前記支持部材に対して摺動自在に組み付けられた連結部材と、前記支持部材に対して前記連結部材を固定する固定機構とが備えられ、前記支持部材及び前記連結部材の一方に、摺動する前記連結部材を案内する案内部が設けられるとともに、他方に、前記案内部が当接して案内される被案内部が設けられ、前記固定機構は、被係止部と、該被係止部に係止される係止部とで構成され、前記係止部又は前記被係止部の片方は、前記案内部を構成する案内構成面のうち、前記被案内部と当接しない非当接部位に配置され、前記係止部又は前記被係止部のもう片方は、前記被案内部を設けた前記他方に配置され、前記案内部は、溝状に形成された案内溝部で構成され、前記被案内部は、前記案内溝部に嵌入される凸状に形成された被案内突部で構成され、前記係止部は、前記案内溝部の溝底に設けられたヘッドレストであることを特徴とする。
またこの発明は、上述のヘッドレストと、前記ヘッドレストを構成する支持部材が上部に組み付けられた背板と、前記背板が傾動自在に設けられた座席シートとが備えられた医療用診療台であることを特徴とする。
前記案内部は、例えば前記被案内部を嵌合可能な溝形状で設けられている場合や、案内方向に直交した直交断面の形状がL字型や逆L字型、T字型、逆T字型の場合、案内方向に沿った板状体である場合を含む。
前記被案内部は、前記案内部を構成する案内構成面の一面に沿って転動する転動体で構成されている場合や、前記案内構成面の少なくとも一面に沿って滑り接触する構成であってもよい。
なお、前記案内部及び前記被案内部は、一方又は双方が単数又は複数であってもよく、さらには一対である必要もない。すなわち、複数の前記被案内部が一の前記案内部に沿って案内されてもよい。また、前記案内部及び前記被案内部の少なくとも一方が複数ある場合、前記案内部の案内方向と直交する直交断面において前記案内部が、前記案内部の案内方向に沿った面に対して面対称に設けられている必要はなく、非面対称に設けられていてもよい。
上述の前記案内部に当接して案内されるとは、当接する又は当接する可能性があることをさす。具体的には、前記案内部が溝形状で形成されるとともに、前記被案内部が前記案内部に沿って転動する転動体である場合において、前記転動体の回転面が対面する面をさす。
この発明により、前記頭部支持部を固定させる固定機構をコンパクト化することができる。
詳述すると、前記係止部又は前記被係止部の片方が、前記案内部を構成する案内構成面のうち、前記被案内部と当接しない非当接部位に配置される、すなわち固定機構を前記案内部の内部に設けるため、前記固定機構が前記案内部の外部に形成される場合に比べて固定機構をコンパクト化できる。したがって、前記連結部材又は支持部材を縮小化でき、前記ヘッドレストを縮小化できる。
また、前記係止部又は前記被係止部の片方が、前記案内部を構成する案内構成面のうち、前記被案内部と当接しない非当接部位に配置されることから、前記係止部又は前記被係止部の片方が前記被案内部と干渉することを防止できるため、前記連結部材を滑らかに摺動させることができる。
さらにまた、前記連結部材又は前記支持部材に設けられた前記案内溝部の内部に前記固定機構が設けられるため、より確実にコンパクト化できる。
なお、上述の凸状に形成された被案内突部は、例えば前記支持部材又は前記連結部材から前記案内溝方向に突出した構成であり、その形状は前記案内溝部の溝底に当接しなければどのような形状であってもよく、例えば前記案内溝部の溝底以外の一面と当接する転動体や、前記案内溝部の溝底以外の面に対して滑り接触する平面を有する凸形状を含む。
またこの発明の態様として、前記係止部と前記被係止部との係止状態を解除する係止解除機構を備えてもよい。
この発明により、前記係止部と前記被係止部との係止状態を解除して、前記支持部材に固定された前記連結部材を摺動自在とすることができる。すなわち患者の頭部を保持する前記頭部保持部の位置を施術者が望んだ時に変更できる。
またこの発明の態様として、前記被係止部は、前記案内構成面を窪ませた係合凹部で構成し、前記係止部は、前記係合凹部に嵌合可能な係合凸部と、前記係合凸部を係止方向に付勢する付勢部とで構成し、前記係止解除機構は、係止方向に付勢された前記係合凸部を前記係合凹部から解除する解除方向に操作する解除操作部を備えてもよい。
この発明により、前記案内構成面に設けた前記係合凹部は前記案内構成面を窪ませた構成であるため、前記案内部に沿って前記被案内部が案内された場合において、前記被案内部と前記係合凹部とが干渉することをより確実に防止できる。したがって、前記支持部材と連結部材とを確実に固定できるともに、前記連結部材を滑らかに摺動させることができる。
また、前記係合凸部が所定の位置に配置された場合に、前記付勢部の付勢力により自動的に前記係合凸部と前記係合凹部とが係合して固定されるとともに、前記係合凸部と前記係合凹部との係止状態が容易に解除されることを防止できる。一方で、前記解除操作部を備えることで、施術者は望むときには前記係止状態を自在に解除することができる。
このように、所定の位置において容易に係止状態が解除されることがなく、また施術者は患者に対する施術に応じて、前記連結部材と前記支持部材との係止位置、すなわち施術対象を所望の位置に容易に変更させることができるため、より確実な施術できる。
またこの発明の態様として、前記解除操作部は、前記支持部材に組み付けられた前記連結部材における前記背板の反対側端部に備えられてもよい。
前記反対側端部とは、前記連結部材の前記頭部保持部が設けられている側をさす。
この発明により、施術者にとって患者の頭部が保持される前記頭部保持部側に前記解除操作部が配置されることとなるため、施術者は施術位置や変えることなく容易に前記連結部材の係止を解除でき、患者の施術対象部位を所望の位置に調整することができる。したがって、施術者はストレスを感じることなく施術することができる。
またこの発明の態様として、前記案内部が、幅方向中心に対して対称に設けられてもよい。
この発明により、前記案内部がバランスよく配置されているため、前記連結部材が前記支持部材に対して一方側に傾いたり捩れたりすることを防止でき、前記連結部材を確実に摺動させることができる。
またこの発明の態様として、前記案内部が、前記頭部保持部の表面から背面に向けた方向に突出する円弧で形成されてもよい。
この発明により、患者の首の傾斜角度を所望の角度とすることができる。
詳述すると、前記連結部材の摺動を案内する前記案内部を円弧で形成することにより、前記連結部材を円弧に沿って摺動させることができ、前記連結部材に連結された頭部保持部を円弧に沿って摺動させて前記頭部保持部の角度を変えることができる。したがって、上歯列弓を診察などする場合と下歯列弓を診察など場合などで、患者の頭部の角度を所望の角度に変更することができる。
またこの発明の態様として、前記案内部が、前記支持部材に設けられてもよい。
この発明により、前記背板に固定される前記支持部材に前記案内部が設けられ、摺動される前記連結部材に被案内部が設けられることとなり、前記支持部材に対する前記連結部材の摺動をより安定させることができる。
またこの発明の態様として、前記被案内部が、転がり玉軸受で構成されてもよい。
また、この発明は、頭部を保持する頭部保持部と、医療用診療台を構成する背板に前記頭部保持部を支持する支持部材と、前記頭部保持部に連結されるとともに、前記支持部材に対して摺動自在に組み付けられた連結部材と、前記支持部材に対して前記連結部材を固定する固定機構とが備えられ、前記支持部材及び前記連結部材の一方に、摺動する前記連結部材の案内する案内部が設けられるとともに、他方に、前記案内部に当接して案内される被案内部が設けられ、前記固定機構は、被係止部と、該被係止部に係止される係止部とで構成され、前記係止部又は前記被係止部の片方は、前記案内部を構成する案内構成面のうち、前記被案内部と当接しない非当接部位に配置され、前記係止部又は前記被係止部のもう片方は、前記他方に配置され、前記被案内部が、転がり玉軸受で構成されヘッドレストであることを特徴とする。
この発明により、前記支持部材に対する前記連結部材の摺動を滑らかにすることができる。
詳述すると、前記支持部材に対して前記連結部材が傾いたり捩れたりすることで、前記連結部材の摺動が意図せぬ位置で引っ掛かり滑らかに摺動されないことがある。
これに対して本発明は、前記被案内部を転がり玉軸受で構成することにより、前記連結部材が滑らかに摺動し、前記連結部材が前記支持部材に対して捩れたりすることを防止できる。
また、前記支持部材が前記背板の長手方向に沿って長尺状に形成されるとともに、前記支持部材を前記長手方向に沿って移動させる移動機構を備えてもよい。
この発明により、首の長さや身長などの身体的特徴が大きく異なる患者に対しても、前記移動機構によりヘッドレストを前記長手方向に移動させてその位置を調整することができる。したがって、ヘッドレストの傾動させた場合に、首の長さなどの違いによって生じる頭部の位置ズレを抑制することができる。
この発明により、前記頭部支持部を摺動させる摺動機構をコンパクト化できるヘッドレスト及び医療用診療台を提供することができる。
医療用診療台の側面図。 ヘッドレストの説明図。 ヘッドレストの概略分解斜視図。 連結部材の説明図。 支持部材の説明図。 移動機構の説明図。 組付状態における連結部材の摺動の説明図。 組付状態における固定機構の説明図。 背板に組み付けたヘッドレストの移動についての説明図。 他の実施形態の説明図。 他の実施形態の説明図。
以下、本発明による医療用診療台100及び医療用診療台100を構成するヘッドレスト1について、図1乃至図9とともに説明する。
図1は医療用診療台100の概略側面図を示し、図2は医療用診療台100の前方(+L側)に設けられたヘッドレスト1の概略斜視図及び概略側面図を示し、図3はヘッドレスト1の概略分解斜視図を示す。ここで、図1において、上下方向を高さ方向Hとし、左右方向を前後方向Lとする。前後方向Lは、左側を前方(+L側)、右側を後方(−L側)とする。なお、前後方向Lはヘッドレスト1から背板2、座席シート3に続く医療用診療台100に乗った患者の体軸方向と一致する。
また、図2において、上下方向を図1と合わせて高さ方向Hとし、左手前から右奥への方向を図1における前後方向Lとする。そして、右手前から左奥への方向、すなわち医療用診療台100の前後方向L及び高さ方向Hと直交する方向を幅方向Wとする。なお、図2において、高さ方向Hの上方を+H側、下方を−H側とし、前後方向Lの左手前を後方(−L側)、右奥側を前方(+L側)とし、幅方向Wの右手前を左側(−W側)、左奥側を右側(+W側)とする。この方向は、図3乃至図5、図7、図8において同様とする。
図4はヘッドレスト1を構成する連結部材20の説明図を示し、図5はヘッドレスト1を構成する支持部材30の説明図を示す。詳しくは、図4(a)は連結部材20の右手前(−W方向)からの側面図を示し、図4(b)は円弧状に構成された連結部材20の案内方向に沿った断面を、簡略化するために直線状に示して表した連結部材20の簡略断面図を示している。
図5(a)は支持部材30の右手前(−W方向)からの側面図を示し、図5(b)は図5(a)におけるA−A端面を簡略化した簡略端面図を示し、図5(c)は支持部材30を案内部33の案内軸方向に沿って切断した断面を上方から視た場合における支持部材30の簡略断面図示している。なお、図5(c)においては円弧状に形成されている案内軸部31を簡略化して直線状に表している。
図6は、背板2に対してヘッドレスト1を移動可能に支持する移動機構60の説明図であり、詳しくは図6(a)は背板2に対してヘッドレスト1を固定した状態の背板2の断面図を示し、図6(b)は図6(a)において円で囲んだ部分、すなわち移動機構60の拡大断面図を示す。
図7は、頭部保持部10の支持部材30に対する摺動動作を説明するための説明図を示し、図7(a)はベアリング50と案内部33との関係を表した支持部材30の側面図を示し、図7(b)は連結部材20を支持部材30に摺動した状態におけるヘッドレスト1の側面図を示す。なお、図7(a)は頭部保持部10及び連結部材20を点線で表示することで頭部保持部10及び連結部材20を透過した状態を示している。
図8は支持部材30に対する頭部保持部10及び連結部材20の摺動動作における、ヘッドレスト1の固定状態を説明するための断面図を示している。具体的には、図8(a)は所定の位置において支持部材30に対して固定された連結部材20の簡略断面図を示し、図8(b)は所定の位置において支持部材30に対して固定が解除され摺動された連結部材20の簡略断面図を示す。
図9は、背板2に対してヘッドレスト1を移動できる状態における移動機構60の説明図であり、図6(a)は背板2に対してヘッドレスト1を移動可能とした状態の背板2の断面図を示し、図6(b)は図6(a)において円で囲んだ部分、すなわち移動機構60の拡大断面図を示す。
まず、医療用診療台100の全体像について、図1に基づき説明する。
医療用診療台100は、患者の頭部を所望の角度で支持するヘッドレスト1と、ヘッドレスト1が組み付けられるとともに患者の背部を支持する背板2と、患者が着座するための座席シート3と、患者が足を配置するためのフットレスト4とが前後方向Lに沿って前方(+L側)からこの順で並んで配置され、医療用診療台100の下方には背板2などの傾動を操作するフットコントローラ5が配置されている。
座席シート3の+L側の端部分に傾動可能に支持されている背板2は、座席シート3に着座した患者がもたれるための背もたれであり、フットコントローラ5を踏み込み操作することで、座席シート3に対して自在に傾動させることができる。換言すると、座席シート3に対して背板2が起立した起立姿勢と、座席シート3に対して背板2が略水平となった水平姿勢(座席シート3に着座した患者が仰臥した姿勢)との間で姿勢を自在に変えることができる。
フットレスト4は、座席シート3に対する背板2の傾動動作に合わせて傾動するように、座席シート3の−L側の端部分に枢支されている。すなわち、背板2が座席シート3に対して略水平となるように傾動させることで、フットレスト4も座席シート3に対して略水平となるように枢動し、医療用診療台100を水平姿勢とすることができる。
背板2の+L側に組み付けられているヘッドレスト1は、図2及び図3に示すように、座席シート3に着座した患者の頭部を保持する頭部保持部10と、頭部保持部10に連結されている連結部材20と、背板2に固定される支持部材30とで構成されている。
頭部保持部10は、例えば水平姿勢において、仰臥した患者の頭部を保持する保持部であり、正面視(+L側から視て)U字形状に形成された頭部保持部10の外形を形成するフレーム11と、フレーム11の内側に設けられた柔軟性のあるクッション12と、フレーム11の下側(裏側)において下方に設けられた頭部側固定部13とで構成されている。
頭部側固定部13は、図2(b)に示すように、頭部保持部10の下方(−H側)に設けられた固定用のフレームであり、−H側の端面には後述する連結部21と固定するための固定部が設けられている(図示省略)。
連結部材20は、図3及び図4に示すように、側面視で円弧状に形成された連結部21と、連結部21の+L側端部に備えられた固定板22とで構成され、連結部21には固定解除部40と4つのベアリング50とが備えられている。
なお、固定板22は、連結部21の+L側端部に設けられた板状体であり、頭部側固定部13と固定する連結部側固定部(図示省略)を介して、頭部保持部10と一体に固定されている。
連結部21は、図4(a)に示すように、側面視で下方に膨らんだ円弧状に形成されるとともに、円弧の径方向Rに沿って切断した切断面が中空状の四角形となる筒状体で形成されている。
この連結部21の−W側側面21aの中央より+L側は、他の面よりも板厚が2倍程厚く形成されており、後述する固定解除部40を回転可能に固定するための固定具取り付け部23が設けられている。また、連結部21を形成する両側面(±W側側面)の中央部分よりも−L側及び−L側端部にはベアリング用固定孔24が設けられている。
ここで固定具取り付け部23について詳述する。
固定具取り付け部23は、図4に示すように、連結部21の−W側側面21aを貫通する組み付け孔231と、連結部21の−W側の上面及び底面に設けた操作軸設置部232と、組み付け孔231を塞ぐカバー233とで構成されている。
−W側側面21aを貫通する組み付け孔231は、長方形の長手方向両端部を半円で形成した長円型をしており、その短辺(半円の径)は−W側側面21aの幅(径方向Rの長さ)の3分の1ほどの長さである。なお、組み付け孔231の長辺は連結部21の径方向Rと直交する接線方向Tに沿っている。
操作軸設置部232は、連結部21を構成する上面及び底面を貫通する円形状の貫通孔であり、−W側側面21aの板厚のおよそ半分の径を有する円形状に形成されている。
カバー233は、図4(a)及び図4(b)に示すように、矩形状の薄い板状体であり、長辺が組み付け孔231の長辺よりも短く、短辺が組み付け孔231の短辺の約2倍の長さとなるように構成されている。このカバー233は、組み付け孔231の−L側の円弧部分を除いた−L側端部から組み付け孔231に沿って配置され、ボルト締めすることで−W側側面21aにボルト固定されている。すなわち、カバー233は組み付け孔231の−L側を覆うように固定されている。
また、カバー233の−L側には、後述するコイルバネ45を固定するカバー側バネ固定部234が設けられている。
このようなに構成された固定具取り付け部23に備えられている固定解除部40は、支持部材30に対する連結部材20の固定及び固定の解除を操作する固定解除手段であり、図4(b)に示すように、固定解除を操作する解除操作部41と、解除操作部41が+L側に固定されている操作側軸部42と、操作側軸部42の−L側と連結されている固定側軸部43と、操作側軸部42と固定側軸部43との連結部分に設けられた回転軸部44と、固定側軸部43の他端側に備えられたコイルバネ45とで構成されている。
解除操作部41は、外側円柱体411と、外側円柱体411の+W側に位置する連結円柱部412と、連結円柱部412よりも+W側に位置する嵌合部413とが幅方向Wに沿ってこの順で並んだ構成である。
最も−W側に位置する外側円柱体411は、組み付け孔231の幅よりも拡径な円を底面とし、高さがW側側面の板厚と略同じ長さの円柱体である。
連結円柱部412は、外側円柱体411よりも縮径でかつ組み付け孔231の幅よりも径が短い円柱体であり、外側円柱体411と嵌合部413を連結している。なお、外側円柱体411と連結円柱部412との連結部分には外側円柱体411よりも拡径な鍔部が設けられている。
また、最も+W側に位置する嵌合部413は、連結円柱部412よりも縮径で、かつ、操作側軸部42の板厚の半分程度の高さで構成された円柱体である。
操作側軸部42は、長手方向の長さが組み付け孔231の半分弱の長さで構成された棒状体であり、一端側(+L側)に解除操作部41を圧入嵌合するための被嵌合部421が設けられ、固定側軸部43との連結部分の中央には回転軸部44を挿入させるための挿入孔422が設けられている。このような構成を有する操作側軸部42は長手方向が前後方向Lに沿うように組み付け孔231の+L側に配置されている。
なお、解除操作部41は、解除操作部41を構成する嵌合部413が被嵌合部421に圧入嵌合されることで操作側軸部42に固定されている。
固定側軸部43は、操作側軸部42の−L側端部から+W側に傾いて延びる、先端が側面視で円弧状に形成された棒状体であり、操作側軸部42と一体に構成されている。この固定側軸部43の−L側端部の−W側には後述する係合凹部331と係合する係合部431が形成されており、+W側には後述するコイルバネ45を固定するためのバネ固定部432が設けられている。
なおバネ固定部432は、連結部材20が支持部材30に固定された状態において、カバー側バネ固定部234と幅方向に対向して設けられている。
また、係合部431は棒状体である固定側軸部43の−L側端部の形状としているが、例えば、固定側軸部43の−L側端部から+W側に突出した凸部を設けた構成としてもよい。
回転軸部44は、操作側軸部42と固定側軸部43との連結部位に設けられた挿入孔422及び操作軸設置部232を貫通した円柱体であり、その底面は操作軸設置部232と略同径の円形状をしている。また回転軸部44は、上下端部に設けられた固定用のネジ受け(図示省略)にネジを螺合することで連結部材20に固定されている(図示省略)。
コイルバネ45は、幅方向Wに付勢力を生じさせるコイルバネであり、両端がそれぞれバネ固定部432とカバー側バネ固定部234とに固定されている。
なお、本実施形態において、固定側軸部43を+W側に付勢するコイルバネ45を設けているが、必ずしもこの位置に設ける必要はなく、例えば、解除操作部41側に−W側に付勢するコイルバネ45を設けてもよく、また回転軸部44に回転を阻止するように力が作用する弾性材を取り付けてもよい。
また、コイルバネ45はコイルバネである必要もなく、幅方向Wに付勢力を生じさせることができればどのような弾性材であってもよく、例えばゴムなどの合成樹脂などでも構わない。
このように構成された固定解除部40は、解除操作部41を+W方向に押圧することで、回転軸部44を回転軸として連結部材20に対して相対回転することができる。すなわち、解除操作部41を押圧することにより、固定側軸部43の係合部431を−W側に移動させることができる。なお、コイルバネ45により固定側軸部43の移動は付勢されているため、解除操作部41に対する+W方向への力(押圧)を止めると、固定側軸部43は+W方向へと移動することとなる。
連結部21を形成する両側面(±W側側面)に設けられたベアリング用固定孔24は、後述する案内部33に沿って転動するベアリング50の支持軸である固定軸部52を固定するための円形の貫通孔である。このベアリング用固定孔24は、図4(b)に示すように、連結部21を形成する側面を板厚方向に貫通しており、上述のように連結部21を形成する両側面の中央部分及び−L側端部にそれぞれ設けられている。
ベアリング用固定孔24に固定されるベアリング50は、連結部21の両側面から内側に突出する凸状体である、いわゆる転がり玉軸受であり、連結部材20が支持部材30に対して摺動する場合に後述する案内部33に沿って転動する回転部51と、回転部51の回転中心に固定された固定軸部52とで構成されている。
固定軸部52は、ベアリング用固定孔24と略同一の径の円を底面とする円柱体であり、一端側にはボルト固定するためのボルト孔が設け(図示省略)、他端側は回転部51の内径部分に圧入嵌合することで固定されている。
回転部51は、所定の外径とベアリング用固定孔24と略同形の内径を有する環状体である。
詳しくは、環状体である回転部51は、外径が後述する案内部33の幅よりも一回り小さく形成され、内径が固定軸部52の径と略等しく形成されている。すなわち、案内部33に回転部51を嵌め込んだ場合に、回転部51の外周面は一方向のみが溝側面33aに接触することとなり、また回転部51の内径部分には固定軸部52を圧入して一体に固定することができる。なお、詳細は省略するが、回転部51の外周部分は固定軸部52に対して相対回転することができる。
支持部材30は、図5に示すように、連結部21と同軸の円弧状で形成された案内軸部31と、前後方向Lに延びる棒状体の支持軸部32とで一体に構成されている。また、案内軸部31と支持軸部32とは別体で構成されていてもよい。
案内軸部31は、図5(a)に示すように、側面視において連結部21と同軸の円弧状に形成され、幅方向の両側面にはベアリング50を案内する案内部33が形成されている。
より具体的には、案内軸部31の両側面に形成される案内部33は、図5(b)に示すように、案内軸部31の中央部分を幅方向Wの内側に窪ませた溝であり、径方向Rに沿って切断した断面の形状は略I字状となる。すなわち、案内部33は、幅方向Wの中心に対して対称に設けられている。
この案内部33を構成する構成面は、溝の側面を形成する溝側面33aと、溝の底面を形成する溝底33bとで構成されており、−W側に形成された溝底33bには、係合部431と係合可能な係合凹部331が形成されている。
なお、案内軸部31a同士の間隔(案内部33の幅)は、回転部51の径よりもわずかに長く形成されている。
係合凹部331は、図5(a)に示すように、側面視において係合部431と同形状をした凹部である。より詳しくは、係合凹部331は−L側が側面視で円弧状に形成され、−L側部分の深さが案内軸部31の厚みの5分の1程度となる窪みである。なお、係合凹部331は+L側に向けうにつれて窪みが浅くなっている。換言すると、係合凹部331の+L側端部は溝底33bと滑らかに繋がっており、−L側に向かうにつれて−W方向に窪むテーパ形状をしている(図5(c)参照)。
このように構成された係合凹部331は、図5(a)に示すように、溝底33bに沿って所定の間隔を隔てて並んで8個配置されている。なお、本実施形態では、係合凹部331を8個並べているが、この個数に限定することはなく、適宜設計で変更することができる。
支持軸部32は、案内軸部31の−L側端部から前後方向Lに沿って延びる中実の棒状体であり、背板2に設けた支持枠61に挿入することでヘッドレスト1を背板2に支持することができる。なお、支持軸部32の下面(−H側面)には、図5(a)の点線で示すように、+H側に窪ませて設けられた8個の位置固定穴321が支持軸部32の長手方向に沿って等間隔で配置されている。
ヘッドレスト1を背板2に組み付けた状態において、ヘッドレスト1と背板2とは移動機構60を介して固定されている。この移動機構60は、図6に示すように、背板2の+L側から背板2の内部に挿入する中空状の支持枠61と、支持枠61を形成する下面の一部から背板2の背面側を形成された操作レバー配置部62と、ヘッドレスト1を背板2に対して相対移動するための操作部である操作レバー63と、支持軸部32の短手方向において操作レバー63の上端部分から支持軸部32の長手方向に沿って延びる係止片64と、係止片64を前後方向Lに付勢する係止用バネ65と、係止片64と係止するとともに支持軸部32の高さ方向Hに沿って延びる固定片66と、係止片64を高さ方向Hに付勢する固定用バネ67とで構成されている。
なお、図6及び図9において、座席シート3に対して背板2が起立した水平状態を基準とする。すなわち、背板2の背面側を下方(−H)とし、背板2の正面側を上方(+H)とする。同様に、背板2を基準に座席シート3側は後方(−L)となる。
支持枠61は、+L側から支持軸部32を挿入できるように、背板2の背面側内部に組み込まれた断面四角形状をした有底の筒状体であり、支持枠61の−L側の背面部分には、位置固定穴321の背面側断面と略同形状の貫通孔である固定用貫通孔611が設けられている。
操作レバー配置部62は、図6(b)に示すように、背板2の背面側(−H側)の一部分を内部に窪ませて形成された凹部であり、背板2の−H側に施術者の親指を除く4本の指を入れることができる程度の大きさの空間を形成する。
詳述すると、操作レバー配置部62は、背板2の内部において支持枠61に沿った底面621と、底面621の端部から背面に立設する側面622と、操作レバー配置部62の座席シート3側を覆う上面623と、操作レバー配置部62の+L側において底面621の中央に設けられた平面である操作部形成面624とで構成された凹部である。
底面621の後方側(−L側)には、固定用貫通孔611と同じ大きさの貫通孔である固定片挿通孔625が設けられ、また操作部形成面624には後述する操作レバー63が高さ方向Hに挿通可能でかつ、前後方向Lに沿って移動可能な貫通孔である操作レバー用貫通孔626が設けられている。
操作レバー63は、ヘッドレスト1と背板2との固定を解除するための操作レバーであり、幅方向Wに沿った略板状体で構成されている。この操作レバー63は、高さが底面621よりも短く、一端側が操作部形成面624の上方側(+H側)に配置され、他端側が操作部形成面624の下方側(−H側)に突出し、下方側の−L側面は、施術者が操作しやすいように人の指がかかるように形成されている(図示省略)。
係止片64は、図6(b)に示すように、操作レバー63の+H側端部から−L側に延びる板状体であり、操作レバー63と一体に形成されている。この係止片64の−L側先端部分は、背面側(−H側)に向けて先細りする係止側テーパ面641aと、係止側テーパ面641aの先端から背面側に設けられた係止側垂直面641bとで構成された固定用係止部641が設けられている。
なお、係止片64は、係止片64のヘッドレスト1側の側面と底面621との間に介在するコイルバネ(係止用バネ65)により、−L側に向かって力が作用するように付勢されている。
一方で、係止片64の後方側(−L側)に配置されている固定片66は、高さ方向Hに沿って延びる棒状体であり、固定片66の+H側端部には位置固定穴321と嵌合可能な形状の固定用嵌合部661が形成され、−H側側面には固定用係止部641が係止できる固定用被係止部662が設けられている。
また、固定片66の−H側に形成される面と上面623との間には、固定片66を−H側に付勢する力が作用するコイルバネ(固定用バネ67)が介在する。すなわち、固定用係止部641と固定用被係止部662との係合が解除された状態において、固定片66は背板2の背面側に移動することとなり、固定用嵌合部661と位置固定穴321との嵌合が解除されることとなる。
なお、固定用バネ67は、係止用バネ65よりもバネ定数の低いコイルバネであり、固定用係止部641と固定用被係止部662とが係止した状態においては、固定片66は+H側に配置される。
固定用係止部641と係止可能に形成された固定用被係止部662についてより詳しく説明すると、図6(b)に示すように、固定用被係止部662は固定用係止部641と同様に、座席シート3側に向かうにつれて−H側に傾斜する被係止側テーパ面662aと、被係止側テーパ面662aの先端から背面側に設けられた被係止側垂直面662bとで構成されている。
なお、固定用被係止部662の被係止側テーパ面662aは、固定用嵌合部661と位置固定穴321との嵌合が解除された状態において、係止側垂直面641b及び係止側テーパ面641aの一部分と重複するように配置されるように設計されている(図9参照)。
このように構成された頭部保持部10、及び、連結部材20、支持部材30は、頭部保持部10の頭部側固定部13が連結部材20の固定板22に固定されているとともに、連結部材20に設けられた4つのベアリング50を案内部33に沿って移動可能に連結することで一体に構成されており、連結部材20に固定された頭部保持部10は支持部材30に対して摺動することができる(図7参照)。
詳述すると、案内部33に配置された回転部51の径は、案内部33の幅よりもわずかに小さく、回転部51の下方のみが案内部33を形成する溝側面33aと接触して転動することができるため(図7(a)参照)、連結部材20は円弧状に形成された案内部33に沿って移動することができる。これにより、固定板22と頭部側固定部13とを固定することで連結部材20に固定された頭部保持部10を支持部材30に対して摺動でき、頭部保持部10を支持部材30に対して傾動させることができる(図7(b)参照)。
また、ヘッドレスト1は固定解除部40を備えているため、連結部材20は支持部材30に対して所定の位置で確実に固定できるとともに、容易に固定を解除することができる。
以下、連結部材20と支持部材30との固定及び固定解除について、図8に基づいて簡単に説明する。
連結部材20の−W側側面に設けられた固定具取り付け部23には、固定解除部40が備えられている。この固定解除部40を構成する固定側軸部43の−L側先願部分には、溝底33bに形成された係合凹部331と係合可能な形状をした係合部431が設けられ、また係合部431はコイルバネ45によって+W側に付勢されているため、係合部431が係合凹部331と対向する位置おいては、係合部431が係合凹部331と係合して、連結部材20を支持部材30に固定することができる。これにより、頭部保持部10を所望の位置で固定することができる。
なお、仮に係合凹部331と係合部431とが対向しない場合であっても、係合凹部331が−L側に向かうにつれて+H側に窪んだテーパ形状をしているため、係合部431が係合凹部331のテーパ面に沿って移動し、所定の位置で係合凹部331と係合部431とが係合することとなり、連結部材20は支持部材30に固定される。
さらに、連結部材20にはベアリング50が設けられているため、例えば頭部保持部10に対して偏った力が作用して、ベアリング50と案内部33とが抉れた場合であっても、ベアリング50が偏った力を受けた状態で転動することができるため、連結部材20を支持部材30に対して滑らかに転動させることができる。
さらにまた、固定解除部40を構成する固定側軸部43の−L側先端部分と連結部材20に固定されたカバー233との間には、コイルバネ45が設けられており、固定側軸部43が+W側に付勢されているため、例えば外力が作用しても容易に固定側軸部43の係合が解除されず支持部材30に対して連結部材20を固定したままとすることができる。
一方で、図8(b)に示すように、解除操作部41を+W方向に押圧することで、固定解除部40が回転軸部44を回転軸として回転し、固定側軸部43(係合部431)が−W方向に移動して、係合部431と係合凹部331の係合を解除することができるため、頭部保持部10(連結部材20)を案内部33に沿って所望の位置に移動させることができる。
このように、頭部を保持する頭部保持部10と、医療用診療台100を構成する背板2に頭部保持部10を支持する支持部材30と、頭部保持部10に連結されるとともに、支持部材30に対して摺動自在に組み付けられた連結部材20と、支持部材30に対して連結部材20を固定する固定解除部40及び係合凹部331とが備えられ、支持部材30に、摺動する連結部材20を案内する案内部33が設けられるとともに、連結部材20に、案内部33に当接して案内されるベアリング50が設けられ、係合凹部331は、案内部33を構成する溝側面33a及び溝底33bのうち、ベアリング50と当接しない溝底33bに配置され、係合部431は、連結部材20に配置されたヘッドレスト1であることにより、頭部保持部10を支持部材30に対して摺動させる摺動機構をコンパクト化することができる。
詳述すると、支持部材30に連結部材20を固定する係合凹部331を溝底33bに設けることができ、固定に必要な構成を支持部材30の内部に設けることができるため、固定解除部40が案内部33の外部に形成される場合に比べてヘッドレスト1をコンパクト化できる。
また、係合凹部331が溝底33bに配置されることから、係合凹部331がベアリング50と干渉することがなく、連結部材20を滑らかに摺動させることができる。
さらにまた、係合部431と係合凹部331との係止状態を解除する解除操作部41を備えることにより、係合部431と係合凹部331との係止状態を解除して、支持部材30に固定された連結部材20を摺動自在とすることができる。すなわち患者の頭部を保持する頭部保持部10の位置を施術者が望んだ時に変更できる。
また、係合凹部331は、溝底33bを窪ませた係合凹部331で構成し、固定解除部40は、係合凹部331に嵌合可能な係合部431と、係合部431を係止方向に付勢するコイルバネ45と、係止方向に付勢された係合部431を係合凹部331から解除する解除方向に操作する解除操作部41を備えることにより、案内部33に沿ってベアリング50が案内された場合において、ベアリング50と係合凹部331とが干渉することを防止できる。したがって、支持部材30と連結部材20とを確実に固定できるともに、連結部材20を滑らかに摺動させることができる。
さらに、係合部431が所定の位置に配置された場合に、コイルバネ45の付勢力により自動的に係合部431と係合凹部331とが係合して固定されるとともに、係合部431と係合凹部331との係止状態が容易に解除されることを防止できる。一方で、解除操作部41を備えることで、施術者は望むときには係止状態を自在に解除することができる。
このように、所定の位置において容易に固定が解除されることがなく、また施術者は患者に対する施術に応じて、連結部材20と支持部材30との係止位置、すなわち施術対象を所望の位置に容易に変更させることができるため、より確実な施術できる。
また、解除操作部41は、支持部材30に組み付けられた連結部材20における背板2の反対側端部に備えることにより、施術者にとって患者の頭部が保持される頭部保持部10側に解除操作部41が配置されることとなるため、施術者は施術位置や変えることなく容易に連結部材20の係止を解除でき、患者の施術対象部位を所望の位置に調整することができる。したがって、施術者はストレスを感じることなく施術することができる。
さらにまた、案内部33が、幅方向中心に対して対称に設けることにより、案内部33がバランスよく配置されているため、連結部材20が支持部材30に対して一方側に傾いたり捩れたりすることを防止でき、連結部材20を確実に摺動させることができる。
また、案内部33が、頭部保持部10の表面から背面に向けた方向に突出する円弧で形成されることにより、患者の首の傾斜角度を所望の角度とすることができる。
詳述すると、連結部材20の摺動を案内する案内部33を円弧で形成することにより、連結部材20を円弧に沿って摺動させることができ、連結部材20に連結された頭部保持部10を円弧に沿って摺動させて頭部保持部10の角度を変えることができる。したがって、上歯列弓を診察などする場合と下歯列弓を診察など場合などで、患者の頭部の角度を所望の角度に変更することができる。
また、案内部33が、連結部材20に設けられていることにより、背板2に固定される連結部材20に案内部33が設けられ、摺動される支持部材30にベアリング50が設けられることとなり、連結部材20に対する支持部材30の摺動をより安定させることができる。
さらに、案内部33に案内される被案内部を、転がり玉軸受で構成されるベアリング50で構成することにより、支持部材30に対する連結部材20の摺動を滑らかにすることができる。
詳述すると、支持部材30に対して連結部材20が傾いたり捩れたりすることで、連結部材20の摺動が意図せぬ位置で引っ掛かり、滑らかに摺動されないことがある。これに対して本発明は、ベアリング50を転がり玉軸受で構成することにより、連結部材20が滑らかに摺動し、連結部材20が支持部材30に対して捩れたりすることを防止できる。
また、ヘッドレスト1を背板2に組み付けた医療用診療台100において、支持部材30が背板2の長手方向に沿って長尺状に形成されるとともに、支持部材30を長手方向に沿って移動させる移動機構60を備えることにより、首の長さや身長などの身体的特徴が大きく異なる患者に対しても、移動機構60によりヘッドレスト1を長手方向に移動させてその位置を調整することができる。したがって、ヘッドレスト1の傾動させた場合に、首の長さなどの違いによって生じる頭部の位置ズレを抑制することができる。
詳述すると、図9に示すように、移動機構60を構成する操作レバー63を+L側に引くことにより、係止片64が+L方向に移動し、固定用係止部641と固定用被係止部662との係止が解除され、固定片66が固定用バネ67の付勢力により下方(−H側)に下がることとなる。これにより、固定用嵌合部661と位置固定穴321との嵌合が解除され、支持部材30を前後方向Lに移動させることができる。
一方で、固定用嵌合部661と位置固定穴321とが対向する位置において、操作レバー63に作用させた力を解除することで、係止用バネ65の付勢力により係止片64が−L側に移動する。これにより、係止側テーパ面641a及び係止側垂直面641bが被係止側テーパ面662aと接触するとともに、固定片66を上方に押し上げて、固定用嵌合部661と位置固定穴321とが嵌合して支持部材30の前後方向Lへの移動を防止できる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
固定機構は、係合部431及び係合凹部331に対応し、
被案内部は、ベアリング50に対応し、
被係止部及び係合凹部は、係合凹部331に対応し、
係止部及び係合凸部は、係合部431に対応し、
案内構成面は、溝側面33a及び溝底33bに対応し、
非当接部位は、溝底33bに対応し、
案内溝部は、案内部33に対応し、
被案内突部は、ベアリング50に対応し、
係止解除機構及び解除操作部は、解除操作部41に対応し、
付勢部は、コイルバネ45に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
例えば、本実施形態において、案内部33は、ベアリング50を嵌合可能な溝形状を、案内方向に直交した直交断面がI字型となるように設けられているが、例えば、溝の位置を上下方向に設けた直交断面をH字型としてもよく、また案内方向に直交した直交断面の形状がL字型若しくは逆L字型であってもよく、さらには案内方向に沿った板状体である場合を含む。
また、被案内部に対応するベアリング50は、案内部33を構成する溝側面33aの一面に沿って転動するベアリングで構成されているが、溝側面33aの少なくとも一面に沿って滑り接触する構成であってもよい。
なお、案内部33及びベアリング50は、一方又は双方が単数又は複数であってもよく、さらには一対である必要もない。すなわち、複数のベアリング50が一の案内部33に沿って案内されてもよく、案内部33及びベアリング50の少なくとも一方が複数ある場合には、案内部33の案内方向と直交する直交断面において案内部33が、案内部33の案内方向に沿った面に対して面対称に設けられている必要はなく、非面対称に設けられていてもよい。
さらに、図10に一例を示すように、係合凹部331の形状は多岐にわたることができる。具体的には、本実施形態においては、係合凹部331は側面視において−L側が円弧状に形成されるとともに、案内部33の案内方向の一方に向かうにつれて溝が深くなるテーパ状に形成されているが(図10(a)参照)、例えば図10(b)に示すように、両端が円弧状に形成された長円形状の係合凹部331xとしてもよいし、さらには係合凹部の形状を長方形状や円形状をしてもよい。
また、−L側に向けてテーパ状に形成しているが、例えば長円形状や円形状の中央部分の溝が一番深くなるようなテーパ形状としてもよいし、テーパ形状でなく係合部441の代わりに設けられた係合凸部や係合部441と嵌合する窪みとしてもよい。
なお、係合凹部331は必ずしも溝底33bの−W側側面に設ける必要はなく、+W側側面の溝底33bや両側面の溝底33bに設けてもよく、さらには案内部33の形状に応じて適宜ベアリング50の回転面(すなわち被案内部の案内面)と接する位置以外に設けてもよい。
また本実施形態においては、図11(a)に示すように、径方向Rに沿った断面において、係合凹部331は溝底33bに形成されているが、図11(b)に示すように、例えば案内部33が断面図において逆T字形状をし、ベアリング50が中央を形成する中央案内面33cと接して転動する場合において、底面である案内底面33dに係合凹部331を設けてもよく、また、中央案内面33cの上面に設けてもよい(図11(c)参照)。
なお、連結部材20の構成及び固定解除部40の構成は適宜係合凹部331の位置に合わせて設計変更するが、詳細は省略する。
また、本実施形態では、係止部に対応する係合部431を連結部材20に備え、被係止部に対応する係合凹部331を支持部材30(案内部33)に設けているが、例えば、係合部431を支持部材30に備え、被係止部に対応する係合凹部331を連結部材20に設けてもよく、さらには、案内部33を連結部材20に、ベアリング50を支持部材30に設けてもよい。
1 ヘッドレスト
2 背板
3 座席シート
10 頭部保持部
20 支持部材
30 連結部材
33 案内部
33a 溝側面
33b 溝底
331 係合凹部
40 固定解除部
41 解除操作部
431 係合部
45 コイルバネ
50 ベアリング
60 移動機構
100 医療用診療台

Claims (10)

  1. 頭部を保持する頭部保持部と、
    医療用診療台を構成する背板に前記頭部保持部を支持する支持部材と、
    前記頭部保持部に連結されるとともに、前記支持部材に対して摺動自在に組み付けられた連結部材と、
    前記支持部材に対して前記連結部材を固定する固定機構とが備えられ、
    前記支持部材及び前記連結部材の一方に、
    摺動する前記連結部材を案内する案内部が設けられるとともに、
    他方に、前記案内部が当接して案内される被案内部が設けられ、
    前記固定機構は、
    被係止部と、該被係止部に係止される係止部とで構成され、
    前記係止部又は前記被係止部の片方は、前記案内部を構成する案内構成面のうち、前記被案内部と当接しない非当接部位に配置され、
    前記係止部又は前記被係止部のもう片方は、前記被案内部を設けた前記他方に配置され、
    前記案内部は、溝状に形成された案内溝部で構成され、
    前記被案内部は、前記案内溝部に嵌入される凸状に形成された被案内突部で構成され、
    前記係止部は、前記案内溝部の溝底に設けられた
    ヘッドレスト。
  2. 前記係止部と前記被係止部との係止状態を解除する係止解除機構が備えられた
    請求項1に記載のヘッドレスト。
  3. 前記被係止部は、
    前記案内構成面を窪ませた係合凹部で構成され、
    前記係止部は、
    前記係合凹部に嵌合可能な係合凸部と、
    前記係合凸部を係止方向に付勢する付勢部とで構成され、
    前記係止解除機構は、
    係止方向に付勢された前記係合凸部を前記係合凹部から解除する解除方向に操作する解除操作部が備えられた
    請求項2に記載のヘッドレスト。
  4. 前記解除操作部は、
    前記支持部材に組み付けられた前記連結部材における前記背板の反対側端部に備えられた
    請求項3に記載のヘッドレスト。
  5. 前記案内部が、
    幅方向中心に対して対称に設けられた
    請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載のヘッドレスト。
  6. 前記案内部が、
    前記頭部保持部の表面から背面に向けた方向に突出する円弧で形成された
    請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載のヘッドレスト。
  7. 前記案内部が、前記支持部材に設けられた
    請求項1乃至請求項6のうちのいずれかに記載のヘッドレスト。
  8. 前記被案内部が、転がり玉軸受で構成された
    請求項1乃至請求項7のうちのいずれかに記載のヘッドレスト。
  9. 請求項1乃至請求項8のうちのいずれかに記載のヘッドレストと、
    前記ヘッドレストを構成する支持部材が上部に組み付けられた背板と、
    前記背板が傾動自在に設けられた座席シートとが備えられた
    医療用診療台。
  10. 前記支持部材が前記背板の長手方向に沿って長尺状に形成されるとともに、前記支持部材を前記長手方向に沿って移動させる移動機構が備えられた
    請求項9に記載の医療用診療台。
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