JP6726319B2 - 補助ペダルシステム - Google Patents

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Description

本発明は補助ペダルシステムとデバイスコントローラー(ゲーム機用コントローラー)に関し、より具体的には、携帯型補助ピアノペダルシステムであって、角度センサーが眼鏡に装着され、各ユーザーによって選択される頭部傾き角度のオフセット範囲と倍率を使用して、子供達や足に障害を持つ者を含むピアノ演奏者に対するユニバーサルデザインを提供しながら装置を制御する効率的な方法を実行するものに関する。
ピアノは、鍵盤(演奏者の両手の指で押下する鍵が並んだもの)と複数のペダル(演奏者の足で操作するレバー)を有する楽器である。その複数のペダルには、ソフトペダル、(オプションの)ソステヌートペダル、とサスティンペダル(又は、ダンパーペダル若しくはサステイニングペダル)(以後、「サスティンペダル」と称する)が含まれる。サスティンペダルは他のペダルの右側に位置し、他のペダルよりもより頻繁に使用される。サスティンペダルは全てのダンパーを弦から離れるように持ち上げて、演奏者が鍵を放した後も弦が振動を続けられるようにする。このペダルを使用することで豊かな音質を実現し、ピアノ演奏を向上させる。しかしながら、足でこれらのペダルを操作できない者は補助ペダルまたは他の補助デバイスを必要とする。子供用には多くの型の補助ペダルがあるが、障がい者(以後、チャレンジドと称することもある)用の市販補助ピアノペダル装置はほとんど無い。
足に障害を有する者用の使い易いピアノペダル装置が長年求められてきた。これまでにいくつかの実際の例がある。ヨーロッパでは、Rudiger Rupp博士と共同研究者が口(例、舌、噛み合わせ)で制御する無線ピアノペダルを開発した(非特許文献1)。障害を持つピアニスト用の別のペダル補助装置も知られている(非特許文献2)。米国では、特許文献1が、障がい者用のピアノペダル操作装置であって、ユーザーの背中により奏される圧力によって操作されるものを開示している。日本では、空圧制御ピアノペダルシステムが、あるプロのピアニスト用に設計されて、特許文献2がこのシステムのペダルアクチュエータを開示している。
市販はされていないが、ヤマハ社によるピアノペダル演奏補助装置が特許文献3に提案されている。この装置中では、下半身が不自由な演奏者の上半身による連続量を利用して豊かな演奏表現を実現する。その技術的特徴は、「前記ピアノの前記ペダルのハーフペダル領域におけるハーフポイントが事前に特定されており、前記制御テーブルにおいては、前記検出信号の最小値と最大値との中間値に対して、前記事前に特定されているハーフポイントが対応している」構成に関与する。
ビクトリア大のCanAssistチームは、あるピアニストのために頭部作動型ピアノペダルを創作した(非特許文献3)。そのウエブサイトは「CanAssistチームは作業に着手し、2つの部分(床に静置されてピアノペダルに装着する力学的装置と自身の位置の変化を測定する無線センサーを含むヘッドバンド)からなる技術を創作した。センサーはその位置を床にある装置に無線で伝達し、装置を駆動させて、ペダルを押し下げるか又は放す。従って、ヘッドバンドを身に付けたEmilyが頭を下方に傾けると、ペダルは押し下げられて、彼女が演奏している音が伸びる。そして、頭を持ち上げることによって、ペダルは放される」と記載する。
米国特許第9792885号 日本特許第5367493号 日本特許第4742574号
https://www.heidelberg-university-hospital.com/about-us/press-media/press-releases/singlenews/detail/News/despite-paraplegia-become-a-pianist/ http://www.pianoman.nl/pedal-assist-device-for-the-disabled-pianist.html https://www.canassist.ca/EN/main/programs/technologies-and-devices/test-1/piano-arts.html
これまでの実際のピアノペダル装置では、口腔の動き(例、舌の動作または息)を利用して、ペダル装置を駆動させてきた。しかしながら、口腔の動きの利用は衛生的問題が伴っているし、演奏者がピアノを弾きながら歌を歌うことは難しい。日本特許第4742574号では、足に障害を持つ演奏者の上半身がペダル装置のために使用可能であり、ペダルを制御する動きの例には頭部動作が含まれる。上記頭部作動型ピアノペダルは、ヘッドバンドを使用して頭部の前方上部に設置した無線センサーによって検出される頭部動作を実際に利用したものである。頭部動作(例、回転速度または傾き角度)は、例えば、加速度計またはジャイロスコープによって検出されて、二値化シグナルまたは連続的シグナルのいずれかを得ることができる。しかしながら、そのペダル装置を制御する実際の具体的動きの効率的検出法は、定義も実施もされていない。従って、足に障害を持つ演奏者の動きを検出および処理する効率的やり方をさらに検討する必要がある。
日本特許第4742574号は、ハーフペダル領域における上記ハーフポイントを規定していているが、そのハーフポイントは検出信号の最小値と最大値の間に任意に設定可能であり、そのハーフポイントが機能的に何を意味しているのかは不明である。従って、必要な場合、ペダルをペダル操作シグナルにもっと効率的で迅速に応答させる位置を設定することには改善の余地がある。また、ペダル装置中でその位置をどのように設定するのかも改善可能である。
また、各ペダルアクチュエータは、二値化様式または連続的様式のいずれかで操作されているようだ。しかしながら、ステップモーターの近年の進歩により、ステップ刻み様式でより詳細な制御が可能となっている。ペダル装置でこの制御を使用することも検討するべきである。
本発明の課題は、補助ペダルシステムであって、非口腔的な頭部動作を効率的様式で利用するものを提供することである。本発明の別の課題は、頭部動作検出シグナルを処理して電子機器制御指令シグナルであって、ペダル媒介指令シグナルを代替するものを生成および伝達する制御器を含む補助ペダルシステムを提供することである。さらに提供されるのは、頭部の動きを利用してデバイスを制御するデバイスコントローラー(例、ゲーム機用コントローラー)である。
本発明の第一観点が提供するのは、補助ペダルシステムであって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する検出器と、前記検出シグナルを処理してアクチュエータ制御シグナルを生成する処理器と、前記アクチュエータ制御シグナルに従ってペダルを制御するアクチュエータとを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記アクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有し、および前記アクチュエータ制御シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能である、補助ペダルシステムである。
第一観点では、前記動きは頭部動作、特に、足に障害を持つ者や各子供の頭部動作に関与する。その頭部動作は、X−Y−Z軸座標系の3つの各軸回りの頭部回転に関与し、その座標系では、X軸はユーザー側からピアノ側へと延びる水平方向にあり;Z軸はユーザーの左側から右側に延びる別の水平方向にあり;そして、Y軸はそれらX軸とZ軸に直交する垂直方向にある。Z軸回転(ユーザーのうなずく動作を反映するもの)が好ましいが、Z軸回転およびY軸回転も許容される。好ましくは、Z回転軸に対する傾き角度が使用されるが、X回転軸またはY回転軸に対する傾き角度も使用可能である。各回転速度はジャイロスコープによって検出可能である。各軸方向への加速度を利用して頭部動作を検出可能であり、その加速度は加速度計によって測定可能である。傾き角度は本明細書中に記載される方法によって測定可能である。
第一観点では、前記頭部動作は、前記アクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有している。ピアノ演奏中では、各演奏者は自発的に頭部を動かすので、検出器の視点から望ましくない頭部動作が検出器の検出シグナルに混ざってしまう場合がある。この望ましくない頭部動作を最小限にするために、アクチュエータが駆動しないオフセット範囲が提供される。このオフセット範囲の例には、X,Y,Z各軸に対する頭部傾き角度、回転速度、および加速度のオフセット範囲が含まれる場合がある。
第一観点では、前記アクチュエータ制御シグナルは、前記ユーザーの好みに従って変更可能である。アクチュエータの効率的制御法を実現するために、前記アクチュエータ制御シグナルは前記ユーザーの好みに従って生成可能である。ユーザーは、アクチュエータが自身の頭部動作にどのくらい速く応答するのかを選択することができるので、各個々の演奏者のために最適化された応答が実現可能である。応答速度をユーザーが選ぶのと上記オフセット範囲を組み合わせて、前記アクチュエータ制御シグナルを生成する効率的やり方を得る。
前記ペダルはピアノペダルであってもよい。本明細書中で使用されるペダルの例には、楽器等の任意の装置や自動車等の車両用のペダルが含まれる。ピアノの例には、グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノ、オルガン、キーボード、およびエレクトーンが含まれる。
前記アクチュエータは、ステップモーターを含んでもよい。ペダルを制御および駆動可能な任意の種類のアクチュエータが使用可能である。しかしながら、ステップモーターが、細かいペダル制御の視点から好ましい。ステップモーターの使用は、各ペダル位置でのペダル操作速度と時間を正確に制御可能とする。また、ペダルを垂直に動かす際に垂直方向にモーターを上下に動かすために、リニアステップモーターがより好ましい。
前記検出器は眼鏡、特に眼鏡のサイドフレームに装着可能である。各ユーザーの頭部の傾き角度を検出するために、検出器は好ましくは水平に設置される。この目的を達成するために、検出器はユーザーの目と耳の間の眼鏡サイドフレーム部に沿って装着してもよい。また、その検出器のケースには、そのサイドフレームに嵌合するスリットまたは溝がある場合がある。これにより、検出器を実質的に水平に配置することが可能となり、初期傾き角度がほぼ0度となり、ユーザーが頭部傾き角度オフセット値を設定するのを容易にする。検出器ケースは、検出器の位置決めを容易にするために、眼鏡サイドフレーム部に嵌合するスリットまたは溝を有する場合がある。また、検出器は軽量の検出器である場合がある。これにより、ユーザーの操作(例、演奏者のピアノ演奏)が容易になる場合がある。その理由は、ユーザーが頭部に負荷を感じることなく装置を制御することができるからだ。さらに、検出器は眼鏡サイドフレーム部に固定または着脱可能にされていてもよい。もしユーザーが眼鏡を使用する場合は、検出器は自身の眼鏡に装着可能である。もしユーザーが眼鏡を常用していない場合は、伊達眼鏡がこの目的のために使用可能である。また、検出器が演奏者の頭部にヘッドバンドを使って装着される場合よりも検出器が眼鏡のサイドフレームに装着される場合の方が聴衆の前での検出器の外見は良いかもしれない。検出器を身に付けた演奏者の外見が良いことは、ピアノ演奏のための重要な要素である。
前記頭部動作は頭部傾き角度に関与する場合があり、その頭部傾き角度のオフセット範囲の上限はユーザーによって定義可能である。本明細書中に使用されるオフセット範囲は、例えば、ユーザーの頭部の通常の頷き動作に関与する。オフセット範囲の上限は好ましくは10度以下、より好ましくは7.5度以下、さらに好ましくは5度以下、そして、さらに好ましくは3度以下である。なぜなら、上記上限が、試験被験者によって実際に選択されて、迅速な応答の視点から各bFaaaPを使用して音を伸ばすのに効果的であることを実施例6が実証したからだ。つまり、より速いアクチュエータ応答と首に障害を有する者を考慮すると、オフセット値が小さいほど及びアクチュエータが速く応答すればするほど、より良いものとなる。特に、足に障害があり気管切開をした被験者によって3度が選択され、効果的であったことが分かった。自発的な頭部動作を無効にすることを考慮すると、頭部傾き角度のオフセット範囲の上限は、好ましくは、3度(2.5度)以下、より好ましくは5度以下、さらに好ましくは7.5度以下、そして、さらに好ましくは10度以下であり、このことは下記実施例9の実際の実験で確証された。まとめると、オフセット範囲の上限(オフセット値)が3度から10度の範囲になる場合があることが実験的に実証された。好ましくは、下記するように、この頭部傾き角度が倍率と組み合わされて使用されて、効率的な様式でペダル動作を制御することができる。
前記アクチュエータ制御シグナルは、前記頭部傾き角度から前記オフセット範囲の上限を差し引いて得られる値を倍率で掛け算することによって変更可能であり;前記倍率は前記ユーザーによって選択されて10から50までであるので、前記オフセット範囲の前記上限から2から10度の頭部傾き角度を使用して前記アクチュエータによって前記ペダルを最大限踏み込むことになる。その倍率は1から50までの範囲にある場合がある。その倍率が10の場合、オフセット範囲の上限から10度の頭部傾き角度を使用してアクチュエータによってペダルを最大限踏み込む。その倍率が20の場合、5度の頭部傾き角度を使用し;その倍率が30の場合、3.3度の頭部傾き角度を使用し;その倍率が40の場合、2.5度の頭部傾き角度を使用し;そしてその倍率が50の場合、2度の頭部傾き角度を使用する。その倍率はユーザーの好みに従って選択可能である。というのも、倍率がより大きくなると、アクチュエータによってペダルが踏み込まれるのがより迅速になり、また、倍率がより小さくなると、ペダルの制御がより細かくなるからだ。特に、実施例6に記載されるAPEE試験被験者によって、20、30、または40が好ましく選択された。
前記ペダルが前記アクチュエータ制御シグナルに応答して遅延なく移動するように、ペダルの遊びをオフセットする場合がある。通常、ペダルはペダルの遊びを有しているので、ピアノの場合は例えばペダルは初期にはダンパーを持ち上げない場合がある。そのペダルの遊びをオフセットした後に、この場合はペダルが機能し始める。上記を考慮すると、初期状態でペダルの遊びをオフセットして、前記ペダルが前記アクチュエータ制御シグナルに応答して遅延なく移動する。このことはアクチュエータ制御シグナルに応答するアクチュエータの動作を改善することが期待できる。好ましくは、ペダルの遊びは手作業で決定されるが、アクチュエータ制御器を使用してアクチュエータを実際に制御することによって設定される。
本補助ペダルシステムは、前記アクチュエータと着脱可能な重り(複数可)を有する携帯型筐体をさらに含み、前記着脱可能な重りは前記筐体が動かないように前記アクチュエータの反力に抵抗し、および前記筐体は前記アクチュエータを含む防音室を有する。筐体は携帯できるので、本システムは大体どこでも設置可能である。また、重りは着脱可能なので、その重りが筐体から取り外されて輸送中に別個運搬される場合、筐体の携帯性が向上する。ピアノの場合、本システムはコンサートホールのグランドピアノだけでなく、家庭でのアップライトピアノや電子ピアノにも適合可能である。着脱可能な重りはアクチュエータの反力に抵抗するために提供される。このようなやり方では、筐体が携帯することができる一方で、その筐体はアクチュエータの操作中に容易に移動することがない。重りの重さは意図するペダルの反力に依存して選択可能である。いくつかのピアノでは、2つの5kgの重りがこの目的に十分である。筐体の別の特徴は、防音室に関与する。アクチュエータが前記検出器シグナルに応答して駆動する場合、アクチュエータ関連音(ノイズ)が発生する。このノイズを最小限にするか無効にするために、本筐体はアクチュエータ用防音室を有する。この室は、壁に吸音材を有する場合がある。ピアノの場合、これによってノイズを最小限にすることができて、ピアノ演奏の音質を向上することができる。まとめると、本筐体の構成によって、筐体の携帯性、安定性、およびノイズキャンセリング効果を同時に向上可能である。
本発明の第二観点が提供するのは、ペダル操作方法であって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する工程と、前記検出シグナルを処理してアクチュエータ制御シグナルを生成する工程と、前記アクチュエータ制御シグナルに従ってペダルを制御する工程とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記アクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有し、および前記アクチュエータ制御シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能である、方法である。上記したように、本方法では、頭部動作が、ペダルを制御するために効率的様式で利用される。
第二観点では、上記した特徴がペダル制御を向上するために採用される場合もある。
本発明の第三観点が提供するのは、補助ペダルシステムであって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する検出器と、前記検出シグナルを処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する制御器とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記電子機器が前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、および前記電子機器制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能である、補助ペダルシステムである。
第三観点では、前記制御器は、前記検出シグナルを処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達するように構成される。第三観点は、ペダルを実際に制御するアクチュエータを有しない。代わりに、第三観点では、電子機器制御指令シグナルは、電子機器のペダルによって生成される指令シグナルを代替し、目的の機能を実行する電子機器コントローラー中に直接入力される。第三観点では、制御器は検出器側制御ユニットと電子機器側制御ユニットを含む場合がある。この検出器側制御ユニット単独または電子機器側制御ユニットと共に、本発明の特徴に従って検出器シグナルを処理する場合がある。第三観点に係る制御器は好ましくは、この検出器側制御器を含み、電子機器制御指令シグナルを有線または無線様式で伝達することができる。これにより、本発明はペダル有または無しの各種電子機器にさえも適用延長される。
第三の観点では、第一観点中の上記特徴が適用可能な場合がある。
電子機器は電子ピアノであってもよい。各電子ピアノは電子ピアノコントローラーを有するので、本発明は、機械式ピアノよりも電子ピアノの方が、価値が高いかもしれない。電子機器制御指令シグナルを電子ピアノコントローラーに送信するだけで、特に足に障害をもつチャレンジドや子供達によるピアノ演奏の効率的向上法を実現する。
本発明の第四観点が提供するのは、電子機器操作方法であって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する工程と、前記検出シグナルを処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する工程とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記電子機器が前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、および前記電子機器制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能である、方法である。
本発明の第四観点では、上記特徴が適用可能な場合があり、足に障害を持つチャレンジドや子供達を含むほぼ誰によっても電子機器を制御することができる効率的でユニバーサルなやり方を提供する。
本発明の第五観点が提供するのは、デバイスコントローラーであって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する検出器と、前記検出シグナルを処理して、デバイス制御指令シグナルを生成および伝達する制御器とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記デバイスが前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、前記デバイス制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能であり、および前記検出器が眼鏡に装着される場合がある、デバイスコントローラーである。
本発明の第五観点では、上記特徴が適用可能とされて、足に障害を持つチャレンジドや子供達を含むほぼ誰によってもデバイスを最大限操作することができる効率的でユニバーサルなやり方を提供する。この観点では、前記デバイスコントローラーはゲーム機用コントローラーであってもよい。頭部の動きを利用することはユーザーの動作を入力する別のやり方を提供可能である。何故なら、ユーザーの好みに従って変更可能なオフセット範囲と倍率に関与する2つの要素によって、本デバイスコントローラーが制御されるからである。このやり方は、ゲームプレイを制御する別のやり方を提供可能である。
本発明は足に障害を持つ者や子供達を含む任意のユーザーのための補助ペダルシステムを提供する。足に障害を持つ者にとっては、ペダル、特に、ピアノペダルを使用することはほぼ不可能である。しかしながら、本システムはほぼ誰もがこのペダルを使用することを可能とする。また、頭部動作のオフセット値範囲を使用し、そして、アクチュエータまたは電子機器がその頭部動作に如何に速く応答するのかを各ユーザーに制御させることによって、非口腔的な頭部動作を効率的様式で利用する。このことにより、効率的なアクチュエータ制御と電子機器制御を実現する。
図1は本発明の一実施形態に係るbFaaaPの概要である。 図2はそのbFaaaPの検出器側構成とアクチュエータ側構成を示す図である。 図3Aは、本発明の一実施形態に係る眼鏡装着型検出器の側面図である。図3Bと3Cは、本発明の実施形態に係る他の検出器である。 図4は検出器側処理フローチャートIである。 図5は検出器側処理フローチャートIIである。 図6はアクチュエータ側処理フローチャートIである。 図6はアクチュエータ側処理フローチャートIIである。 図8はMOV関数フローチャートである。 図9は本発明の一実施形態に係るbFaaaP筐体の正面図である。 図10はそのbFaaaP筐体の背面図である。 図11はそのbFaaaP筐体の左側断面図(A)と右側断面図(B)である。 図12は、そのbFaaaP筐体の左側面図(A)と右側面図(B)である。 図13はそのbFaaaP筐体の上面図(A)と底面図(B)である。 図14はそのbFaaaP筐体の中間断面図I(A)とII(B)である。 図15は本発明の一実施形態に係る間隔板部材の拡大図である。 図16は各部品のサイズを示したbFaaaP4筐体の正面図である。 図17は各部品のサイズを示したbFaaaP4筐体の背面図である。 図18は各部品のサイズを示したbFaaaP4筐体の左側断面図(A)と右側断面図(B)である。 図19は各部品のサイズを示したbFaaaP4筐体の左側面図(A)と右側面図(B)である。 図20は各部品のサイズを示したbFaaaP4筐体の上面図(A)と底面図(B)である。 図21は各部品のサイズを示したbFaaaP4筐体の中間断面図I(A)とII(B)である。 図22はサイズを示したbFaaaP4の間隔板部材の拡大図である。 図23はAPEE試験で使用した楽譜の音符である。 図24はAPEE試験の手順において被験者に提供されたアンケートである。 図25はAPEE試験で得られた図の一つと統計解析に使用した計算式である。 図26はピアノ演奏中のある被験者の頭部傾き角度を示すグラフである。
以後、本発明の実施形態を詳細に説明する。
用語と定義
本明細書中の用語は、当業者によって使用される通常の意味を持つ。しかしながら、特に他の指示がない場合は、以下のものが各用語の意味を規定する。
1.ピアノ
ピアノは音響弦楽器である。本明細書中で使用されるピアノの種類には、グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノ(また、電気ピアノとも称される)、キーボード、エレクトーン、およびオルガンが含まれる。現代のピアノのほぼすべては、52個の白鍵と36個の短い黒鍵からなる88個の鍵の並びを有している。ピアノには通常2個または3個のペダルがある。
本明細書中での用法では、演奏者に相対的なピアノに対する各具体的サイドを以下のように定義する。
正面側:ピアノに対して演奏者側;
背面側:鍵盤後方の板に対してアクション機構側;
左側:演奏者から見て左側;
右側:演奏者から見て右側;
上側:ある点に対してより高い位置;および
下側:ある点に対してより低い位置。
一般的に、音楽の音は定まった周期音であり、その長さ、音の高低、強さ(大きさ)、および音色(または音質)を特徴としている。
音の長さがペダル動作によって延長される場合、その音は伸びる。本明細書中で使用される用語「伸びた音」とは、この型の伸びた音のことを指す。
音楽では、音符は音の高低と長さである。音符は通常、C、D、E、F、G、A、およびBまたはド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、およびシのいずれかで表現される。本明細書中で使用する音符はド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、およびシで表す。
2.ピアノペダル
ピアノペダルはピアノの基底にある足で操作するレバーである。ペダルはピアノの音をいろいろ変化させることができる。ペダルには、通常左から右に、ソフトペダル、ソステヌートペダル、およびサスティンペダルが含まれる。サイレントピアノのいくつかでは、真ん中のソステヌートペダルが消音機能を持つペダルと置換されている場合がある。ソフトペダルはよりソフトでより微妙な音を出す。サスティンペダルはより頻繁に使用され、そして、全てのダンパーを弦から離れるように持ち上げて、演奏者が鍵を放した後も弦が振動を続けられるようにする。サスティンペダルは、演奏者がさもなくば弾くことのできない音符をレガート様式に繋げることを可能とするペダルを兼ねている。
ピアノペダルが演奏者の足で踏み込まれると、演奏者は足に反力(キックバック力)を受ける。本明細書中で使用するこの力を「反力」と称する。
各ピアノペダルは通常ペダルの遊びを有していて、それは自動車のクラッチ装置にも採用されている。
本明細書中で使用する用語「ペダルの遊び」は、ピアノペダルがアクション(例、音を伸ばす又は音を弱めること)を起こす前にそのペダルが踏み込まれる距離または余裕代を指す。
本明細書中で使用する用語「駆動幅」は、ペダルの遊びオフセット値の地点から、ユーザーが本システムを操作するのに従ってペダルが踏み込まれる地点までの距離を指す。
本明細書中で使用する用語「作動域値」は、ペダルの遊びオフセット値の地点から、ペダルが最大限踏み込まれる地点までの距離を指す。
3.補助ペダル
ピアノの前に座った際に足がピアノペダルに届かない子供達用の各種補助ペダルがある。そのほとんどが機械式のものである。各補助ペダルは通常、演奏者がそのような補助装置上の別のペダルを踏み込んだ際にその演奏者がピアノペダルを踏み込むのを補助する。しかしながら、足に障害を持つ者はそれでもそのような補助ペダルを操作することはできない。
近年、ユニバーサルデザインが公共設備や施設と共にビルや住宅にもますます取り入れられてきている。この語句「ユニバーサルデザイン」は、「バリアフリー」概念と同じ文脈で使用される。しかしながら、足に障害を持つ者を含む誰もが使用可能な市販補助ピアノペダルはほとんどない。本発明の各実施形態は、足に障害を持つ者を含むほぼ誰もが使用可能な補助ピアノペダルシステムを提供する。本明細書中で使用される本システムは、「barrier−free assist as a pedal(バリアフリー補助ペダル)(bFaaaP)」とも称される場合がある。
4.頭部動作
頭部動作は、X−Y−Z軸座標系の3つの各軸回りの頭部回転を含む場合があり、その座標系では、X軸はユーザー側からピアノ側へと延びる水平方向にあり(すなわち、上記正面側から背面側へ);Z軸はユーザーの左側から右側に延びる別の水平方向にあり(すなわち、上記左側から右側へ);そして、Y軸はそれらX軸とZ軸に直交する垂直方向にある(すなわち、上記下側から上側へ)。X、Y、およびZ軸回転のいずれもが使用可能である。その回転は回転速度や頭部傾き角度に関与する場合がある。Z軸回転はユーザーの頷き動作を反映していて、そして、使用可能である。X回転軸またはY回転軸に対する傾き角度もまた使用可能である。また、各軸方向への加速度も本発明に利用することができる。
本明細書中で使用する頭部傾き角度は、地面に平行な面(すなわち、水平面)に対する角度として決定される。本明細書中で使用する「(頭部傾き角度)オフセット範囲」は、アクチュエータが駆動しない範囲であり、各ユーザーによって設定可能である。本明細書中で使用する「(頭部傾き角度)オフセット値」はこのオフセット範囲の上限であって、0度ではない。
本明細書中で使用する「倍率」は各ユーザーによって設定されて、そして、頭部傾き角度はこの倍率で掛け算される。各ユーザーは好みに従って倍率を選択することができる。
5.被験者(ユーザーまたはピアノ演奏者)
本明細書では、ピアノ演奏者(ユーザー)をクラスI、II、およびIII被験者にグループ分けする。クラスI被験者は、自身の足でペダルを踏み込むことができる者である(本明細書中では成人と称する場合もある)。クラスII被験者は、足を動かすことができるが従来の補助ペダル無しではピアノペダルを操作できない者である(例、子供ら(子供達))。クラスIII被験者は、足に障害があって従来の補助ペダルを用いてもピアノペダルを操作することができない者(例、足に障害を持つ者)である(以後、足に障害を持つ者は足に障害をもつチャレンジドと称する場合がある)。もし、クラスII被験者がクラスIII被験者にも該当する(例、足に障害を持つ子供達)ならば、これらの被験者はクラスIII被験者として処理する。本明細書では、プロのピアニストもピアノ演奏者と称する。
6.補助ペダル効果評価試験(APEE試験)
本補助ペダルシステムの効果を、本システムのアクチュエータを駆動させることによって各音がどのくらい伸びるかを測定することによって評価することができる。この効果を示す証拠を提供するために、上記クラスI〜III被験者をテストした。伸びた音を測定する方法として、各音波波形の音振動面積(以後、「TVA」と称される場合もある)を、各クラスおよび個々のクラス被験者に関して測定および評価する。詳細な手順を下記実施例6で説明する。以後、このテストを、補助ペダル効果評価試験(APEE試験)と呼ぶ。
7.統計学の用語
統計学の標準的用語が本明細書中で使用され、それには、t検定、F検定、一元配置ANOVA(分散分析)、平均値、標準偏差(SD)、およびp値が含まれる。
実施形態1
(A)本発明の一実施形態に係るbFaaaPの概要
あるbFaaaPは本発明の一実施形態に係る補助ペダルシステムであり、検出器と処理器(制御器)とアクチュエータとを含む場合がある。図1と2はこの実施形態のbFaaaPの概要を示す。検出器はユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成するように構成される。次に、処理機はその検出シグナルを処理してアクチュエータ制御シグナルを生成するように構成される。そして、アクチュエータはアクチュエータ制御シグナルに従ってペダルを制御するように構成される。ここで、動きは頭部動作に関与し;その頭部動作はアクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有し;そして、アクチュエータ制御シグナルはユーザーの好みに従って変更可能である。なので、このbFaaaPは3種類のメンバーからなる構成を有していてもよい。以下、図面を参照して各メンバーを詳細に説明する。
(A−1)検出器(角度センサー)
(1)ジャイロスコープ
各ジャイロスコープは方位や角速度を測定または維持するために使用される装置である。各種ジャイロスコープが存在するが、頭部動作を検出して検出シグナルを得ることができる限り、任意のジャイロスコープが本発明中に使用可能である。
(2)加速度計
各加速度計は適切な加速度を測定する装置である。各種加速度計があるが、様々な分野に広く適用可能である。任意の加速度計が、頭部動作を検出して検出シグナルを得ることができる限り、本発明中で使用可能である。
(3)地磁気センサー
各地磁気センサーは地球を取り巻く磁場に対する物体の方位を測定するために使用される装置である。このセンサーは、局所的磁場に対する方位、地球の磁場の局所的減衰を測定するために使用される場合もあるし、動いている磁気ポテンシャルを追跡するポインターとしても使用可能である。
(4)組み合わせ
本検出器は、ジャイロスコープ、加速度計、および/または地磁気センサーの組み合わせを含む場合がある。本検出器は、頭部動作を検出する別の装置をさらに含んでいてもよい。
(5)他の装置
頭部動作はスマートフォンのカメラまたはウエブカメラによってモニターされる場合があり、そのカメラ画像はその後、そのスマートフォンまたはインターネットサーバー上の画像処理器に送られて解析してもよい。頭部動作画像は深層学習を介して処理されて検出器シグナルを生成してもよい。
(6)頭部への検出器の装着方法
図3は、ユーザーの頭部へ検出器(ケース)を装着する方法を示す。好ましい実施形態では、検出器1000を眼鏡のサイドフレーム1100に取り付ける。図3では、各部品のサイズ(mm)を説明目的で提供するが、そのサイズはこれらの数値に限定されない。図3Aはこの実施形態の側面図である。図3Bは検出器ケース1010がサイドフレーム1100に嵌合するスリット1020を有する場合を示す。図3Cは検出器ケース1010がサイドフレーム1100に嵌合する溝1020を有する場合を示す。どの場合も、センサーモジュール1050が検出器ケース1010内に収納される。サイドフレーム1100がユーザーの耳と目の間にほぼ水平に設置されるので、センサーモジュール1050もほぼ水平にセット可能である。ここで、検出器ケース1010は、各ユーザーの好みに応じて左側または右側に装着されてもよい。また、検出器またはサイドフレームは輪ゴム(複数可)またはマジックテープ(登録商標)(複数化)を使用してさらに固定される場合がある。
(A−2)通信機器(送信機と受信機と実線と破線)
(1)無線通信
任意の種類の無線通信機器が、例えば、検出器と処理器(制御器)との間、処理器(制御器)とアクチュエータ(アクチュエータ制御器またはアクチュエータ用ドライバー)との間、および/または制御器と電子機器(電子機器用コントローラー)との間の通信を可能とする限り使用可能である。例には、Wi−Fi機器、Bluetooth(登録商標)機器、およびBLE(Bluetooth Low Energy)機器が含まれる。
(2)有線通信
任意の種類のケーブル(例、コード、ワイヤー、ライン)が上記通信に使用可能である。
また、任意の対象ユニットを一体化するか、または、組み込み型ユニットとして提供可能である。
(A−3−1)処理器または制御器(例、データ処理器およびアクチュエータ制御器)
(1)Arduinoハードウエア
Arduinoハードウエアは、実在およびデジタルワールド中の物体を感知および制御可能なデジタル機器やインタラクティブオブジェクトを構築するためのシングルボードのマイクロコントローラーやマイクロコントローラーキットを含む。Arduino基板設計では、各種マイクロプロセッサーやコントローラーを使用する。それら基盤は、各種拡張基板またはブレッドボード(シールド)および他の回路のインターフェースとなることができるデジタルおよびアナログ入力/出力(I/O)ピンのセットが備わっている。それら基板はシリアル通信インターフェース(いくつかのモデルのユニバーサルシリアルバス(USB)を含ももの)を有していて、それらインターフェースはパソコンからプログラムをロードするためにも使用される。Arduinoハードウエアの例には、Arduino Uno、Arduino Leonardo、Arduino Mega、Arduino Nano、およびM5Stackが含まれる。
マイクロコントローラーは一般的にはプログラミング言語CおよびC++由来の方言の一種を用いてプログラミングされる。従来のコンパイラーツールチェインを使用することに加え、Arduinoプロジェクトは、Processing言語プロジェクトベースの統合開発環境(IDE)を提供する。
(2)他の処理器
検出器からの検出シグナルを処理して制御(指令)シグナルを生成することのできる任意の種類の処理器が採用可能である。例にはSPRESENSEシリーズ(SONY社)が含まれる場合がある。各処理器はIC基板上に設置可能である。
(3)どのように各処理器を配置するか
各処理器は図2に示すように検出器側制御ユニットとアクチュエータ側制御ユニットを含む場合がある。この検出器側制御ユニット単独またはアクチュエータ側制御器と共に、本発明の特徴に従って検出器のシグナルを処理する場合がある。
(4)頭の動きのオフセット範囲用の調節器と倍率用の調節器
処理器(制御器)は、図2に示すように頭部傾き角度オフセット範囲値と倍率を得るための調節器(入力ユニット)(すなわち、図3Aの1210と1220)を有する場合がある。任意の種類の調節器が使用可能である。各調節器の例には、ボタン、ダイアル、レバー、スライダー、およびスイッチが含まれる。また、処理器用のon/offスイッチ1230が含まれる場合もある。
(5)ペダルの遊びオフセット値用の調節器と作動域値用の調節器
処理器(制御器)はまた、図2に示すペダルの遊びオフセット値と作動域値を得るための追加的調節器(図1の初期化装置810)を有していてもよい。任意の種類の調節器(初期化装置)が使用可能である。その調節器の例には、ボタン、ダイアル、レバー、スライダー、およびスイッチが含まれる。
(A−3−2)制御器プログラム
制御器プログラムは任意の既存コンピュータープログラミング言語で書くことができる。例には、Java(登録商標)、C、C++、C#、Python、JavaScript(登録商標)、PHP、Visual Basic、Ruby、Perl、Swift、Go、およびProcessingが含まれる。制御器がArduinoベースの制御器である場合は、Arduino IDEを使用して各プログラムを書いたりデバッグしたりしてもよい。プログラムはUSBを介してArduino基板にインストールすることができる。
(A−4)アクチュエータ(モーター)
(1)ステップモーター
各ステップモーター、ステッパーモーター、ステッピングモーター(以後、ステップモーターと称することもある)は、回転全体を複数の等しいステップに分割するDC電動モーターである。そのモーター位置がその後指令されて移動してこれらのステップの一つで止まる。各モーターを使用してペダルを踏み込無ことができる限りは、任意の種類のモーターが本発明中で使用可能である。ペダル動作を精密に制御する視点からは、好ましくはステップモーターが使用される。
(2)リニアモーター
各リニアモーターはその固定子と回転子が「展開された」電動モーターであって、(回転)トルクを生み出す代わりに長さ方向に沿って直線的力を生み出す。ペダル動作(上下に相互にペダルは動くのであるが)に関しては、リニアモーターを使用するのが有利である場合がある。本発明には、アクチュエータとしてリニアステップモーターを使用するのが好ましい。
(A−5)電源
各電源はAC電源またはDC電源であってもよい。AC電圧はAC/DC変換器によってDC電圧に変換されて、アクチュエータを操作する。また、各電源は電池である場合がある。電池の例にはリチウムイオン二次電池が含まれる。電源や電池の数は限定されない。図2では、各電源へのおよび各電源からの具体的連結は説明目的のために省略している。
(B)本実施形態に係る補助ペダルシステム(bFaaaP)の具体的構成
(B−1)本システム中のユニット
本実施形態の構成を図2に示し、その構成には、角度センサー(1)、データ処理器(2)、送信機(3)、受信機(4)、アクチュエータ制御器(5)、アクチュエータ(6)、並びに検出器側およびアクチュエータ側電源(7)が含まれる。
(B−2)各ユニットの説明
(B−2−1)角度センサー
角度センサー(1)はユーザーの頭部の傾き角度の変化を検出してアナログ電圧またはデジタル値として検出器シグナルを生成する。その後、検出器シグナルはデータ処理器(2)へと送られる。
以下の点が角度センサーに関して考慮される。
1)角度センサーは十分な精度を有する;
2)演奏者が身体を動かしても負荷がかからない;
3)センサーは耐久性がある;
4)センサーは演奏者が演奏中に歌を歌うことを妨げない;
5)センサーは小型である;
6)センサーは市販されているか、または、容易に作製可能である;
7)センサーは高価ではないこと。
角度センサーは頭部の一部へ装着可能である。頭部の動き、特に、傾き角度を容易に検出する観点からは、センサーを眼鏡のサイドフレームに装着してもよい。何故なら、サイドフレームは目と耳の間に水平に設置されるからだ。このことは頭部傾き角度を検出するのを容易にする。また、角度センサーはスリットまたは溝のあるケースの中に収納される。角度センサーを適切な位置にしっかりと固定するために、そのスリットまたは溝はサイドフレームに嵌合する。角度センサーが頭部角度を正確に検出できる限りは、角度センサーはまた、縁なし帽子、縁あり帽子、ヘアバンド、ヘアアクセサリー、または耳飾りに装着してもよい。
検出器(角度センサー)の重量は0.1gと20gの間であってもよい。頭部に負荷を感じずに頭部の動きを検出して要求される性能を実行する視点からは、重量は好ましくは0.1g〜15g、より好ましくは0.5g〜10g、さらに好ましくは1g〜5gである。検出器(角度センサー)のサイズは、図3に示すように35mm(水平方向の長さ)×30mm(垂直方向の長さ)×15mm(幅)である場合がある。しかしながら、ユーザーが頭部に負荷を感じずに検出器が適切な性能を実行できる限りは、サイズは上記数値に限定されず、大きくても小さくてもよい。ここで、水平方向の長さの例には、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、または50mmが含まれ;垂直方向の長さの例には、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、または50mmが含まれ;そして、幅の例には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、または30が含まれる。各値は上記数値の任意の二つの間の値である場合がある。軽量でコンパクトな装置の視点からは、検出器(角度センサー)のサイズは好ましくは約35mm(水平方向の長さ)×約30mm(垂直方向の長さ)×約15mm(幅)である。さらに、検出器は眼鏡の右側または左側のフレーム部あるいは眼鏡の両側のフレーム部に装着してもよい。
さらに、検出器(角度センサー)は、楽譜や指示等の情報が表示可能な眼鏡型ディスプレイ(例、スマートグラス)と組み合わされていてもよい。このことにより、ピアノ演奏者がbFaaaPを使用してペダルを踏み込む際に楽譜を読みやすくなる。
(B−2−2)データ処理器
角度センサー(1)で得たデータをフィルタ処理に掛けてノイズとドリフトを減らす。頭部傾き角度オフセット値とユーザー定義倍率を、それぞれ、データ処理器(2)に接続されるオフセット調節器と倍率調節器によって設定する。オフセット値は実際の角度から引き算され、得られた値は倍率で掛け算される。得られた値が適切な範囲になければ(例、上限を超えると)、値は補正されて、制御データとして送信機(3)へと送られる。
データ処理器と次の送信機が含まれる検出器側制御器は、以下の点から見て選択される場合がある。
1)データ処理器は角度センサーからのデータを遅延なしに処理することができる;
2)検出器制御器は小型である;
3)検出器制御器はエネルギーの消費が低い;
4)送信機がその制御器に収納されている;
5)データ処理器は二つ以上のA/D変換器を有している;
6)データ処理器は十分な数の(角度センサーと通信するための)ユニバーサルデジタルポートを有している;
7)制御器は、(角度センサーと通信するための)I2C通信ポートを有している;
8)データ処理器はデバッグすることが容易である;および
9)制御器はバッテリー駆動できる。
(B−2−3)送信機
送信機(3)は上記制御データを、受信機(4)を介してアクチュエーター制御器(5)に送信する。通信は、適切な規格と適当なプロトコルを使用する無線通信または有線通信である場合がある。
(B−2−4)受信機
受信機(4)は上記通信プロトコルを使用して上記制御データを受信し、そのデータをアクチュエータ制御器(5)へと送る。
(B−2−5)アクチュエータ制御器
アクチュエータ制御器(5)は、(ペダルの遊びオフセット値により規定される)操作開始点と作動域値を決定することによって初期化される。次に、入力データ(0〜上限までの値)が作動域に合うように変換される。その後、変換された値を指令値としてアクチュエータ(6)に送る。
アクチュエータ制御器と上記受信機が含まれるアクチュエータ側制御器は、以下の点から見て選択される場合がある。
1)アクチュエータ制御器はエネルギーの消費が低い;
2)受信機がその制御器に収納されている;
3)データ処理器は二つ以上のA/D変換器を有している;
4)データ処理器は十分な数の(アクチュエータと通信するための)ユニバーサルデジタルポートを有している;
5)データ処理器は容易にデバッグできる;および
6)制御器はバッテリー駆動できる。
(B−2−6)アクチュエータ
アクチュエータ(6)はアクチュエータドライバーとモーターを含む場合があり、アクチュエータ制御器からの指令値に従って操作される。
アクチュエータは以下の点から見て選択される場合がある。
1)アクチュエータはペダルを動かすのに十分な力を発揮する;
2)アクチュエータの応答速度は演奏者の演奏の遅れを生じないようにするために十分である;
3)アクチュエータのノイズが演奏者の演奏から見て許容できる;および
4)アクチュエータはバッテリー駆動できる。
(B−2−7)電源
各電源はAC電源またはDC電源であってもよい。AC電圧はAC/DC変換器によってDC電圧に変換されて、アクチュエータ(6)を操作する。また、各電源は電池である場合がある。電池の例にはリチウムイオン二次電池が含まれる。
(C)制御器プログラム
頭部傾き角度を検出して、その角度の変化に従ってピアノのペダルを踏み込んだり放したりするように検出器側とアクチュエータ側のプログラムを作成してもよい。ここでは、以下の点を考慮にいれる。
(1)各演奏者の姿勢は演奏者によって異なるので、初期頭部傾き角度と自発的な頭部動作は、各演奏者によって違う。従って、頭部傾き角度オフセット値(すなわち、オフセット範囲の上限)を導入し、そして、作動開始点は各演奏者によって自由に設定可能とする。
(2)各演奏者が頭部をどれだけ傾けるかは演奏者によって異なる。従って、倍率を導入し、アクチュエータがどれくらい速く応答するかを各演奏者によって設定および制御可能とする。
(3)異なるピアノは異なるペダル作動開始点を有する。従って、ペダルの遊びオフセット値を導入し、各作動開始点を各ピアノに対して調整可能とする。
(4)異なるピアノは異なる作動域値を有する。従って、各作動域値を各ピアノに対して設定および調整可能とする。
(5)頭部傾き角度を検出信号として安定して取得する必要がある。従って、検出信号はMadgwickフィルタ処理に掛けられてノイズとドリフトを減少させてもよい。
(C−1)検出器側制御器(処理器)用プログラム
図4と5のフローチャートIおよびIIは、頭部の動きを検出および処理して本発明の実施形態の検出器信号を生成する方法を示す。数値や具体的操作は状況に応じて変更される場合がある。Nassi−Shneiderman図(NSD)を使用して本処理を説明する。「T」は真(TRUE)を表し、被検条件が成立していることを示す。「F」は偽(FALSE)を表し、被検条件が不成立なことを示す。
S100では、グローバル変数を定義および宣言する。S101〜S105では、ポート、シリアル通信、EEPROM、BLE、およびMPU9250を設定する。
ループ中では、ローカル変数をS106で定義する。S107〜S109では、センサー(加速度計、ジャイロスコープ、および地磁気センサー)データを取得して、角度データ(例、ピッチ角度)を計算する。その後、得られたデータをS110でMadgwickフィルタ処理に掛ける。
S111では、ピッチ角度からオフセット値を引き算する。S112では、得られたピッチ角度が0以下かどうかを決定する。もし真ならば、ピッチ角度を0に設定する。そうでなければ、処理はS114に進む。
S114では、ピッチ角度を1〜50の倍率により掛け算する。S115では、得られたピッチ角度が99より大きいかどうかを決定する。もし真ならば、ピッチ角度は99に設定する。そうでなければ、処理はS117へと進む。得られた範囲(すなわち、0〜99)を駆動幅(すなわち、0〜47)へと変換し、以下に記載のアクチュエータ側制御器プログラムによってアクチュエータを操作する。
ここで、アクチュエータによってペダルを最大限踏み込むために、上記範囲の上限(すなわち、99)を使用する。つまり、倍率が10であればオフセット位置から10度のピッチ角度(頭部傾き角度)を使用してペダルを最大限踏み込み;倍率が20であれば、5度のピッチ角度を使用し;倍率が30であれば、3.3度のピッチ角度を使用し;倍率が40であれば、2.5度のピッチ角度を使用し;および倍率が50であれば、2度のピッチ角度を使用する。
S117では、数値であるピッチ角度をBLE通信用の文字列へ変換する。S118では、得られた文字列はBLE通信を介して送信する。
次に、オフセット調節器がオンかどうかをS119でチェックする。オフセット調節器の値が変化する場合(S120)、オフセットボリューム値(すなわち、調節器の内部値;アナログボリューム値はA/D変換器によってデジタル値に変換される;以下同様)がS121で読み取られ;その値をS122で−45〜45(傾き角度の度合)に変換し;そして、この変換後の値を新しいオフセット値(目的のオフセット範囲の上限)としてS123で保存する。
その後、倍率調節器がオンかどうかをS124でチェックする。倍率調節器の値が変化する場合(S125)、倍率ボリューム値(すなわち、調節器の内部値)をS126で読み取り;その値をS127で1〜50に変換し;そして、この変換後の値を新しい倍率としてS128で保存する。
引き続き、処理はS106に戻り、ループを繰り返す。
(C−2)アクチュエータ側制御器(処理器)用プログラム
図6と7のフローチャートIおよびIIはアクチュエータを制御する方法を示す。
S200では、グローバル変数を定義および宣言する。共用体をS201で定義する。S202〜S204では、BLEサーバー、シリアル通信ポート、およびI/Oポートを設定する。
S205では、アクチュエータを原点位置にセットする。
S206では、BLE通信を初期化および開始する。
BLEがオフの場合(S207)、処理はS218に進む。BLEがオンの場合、オフセット調節器(すなわち、ペダルの遊びオフセット値用調節器)と作動域値調節器の両方がオフであるかをS208でチェックする。もし両方の調節器がオフの場合、処理はS209に進む。そうでなければ、処理はS218へと進む。データが受信されている場合(S209)、そのデータが先のデータと異なるかどうかをS210で決定する。もしそうならば、検出器側制御器から送信された文字列をS211で数値へと変換する。S212では、その文字列を新たな先のデータとして保存する。その後、得られた数値(0〜99)を駆動幅へと変換する。変換された駆動幅が47(すなわち、アクチュエータを操作する指令値の上限)以上の場合(S214)、S215で値を47に設定する。その後、得られた値は上記共用体を使用することによってビット変換し(S216)、S217で駆動ルーチン(以下のMOV関数)をコールすることによってアクチュエータを操作することになる。
次に、ペダルの遊びオフセット調節器がオンかどうかをS218でチェックする。オフセット調節器がオフの場合、処理はS227へと進む。オフセット調節器がオンの場合、ペダルの遊びオフセットボリューム値(すなわち、調節器の内部値)をS219で読み込み、そして、44で割り算する。ESP32のA/D変換器は12ビット分解能(すなわち、212;0〜4096の整数)を有していて、駆動幅の上限が本件では47に設定されているので、A/D変換器の値をまず47で割り算して0から約88の数を得る。ここで、この数が奇数の場合(S220)、処理はS227へと進む。次に、この値(最大88)をS221において2で割って47(アクチュエータを操作する指令値の上限)未満の数を得る。もし、この数が47以上(S222)である場合、数(値)をS223で47に設定する。作動域値調節器の場合も同様である。その後、得られた値は上記共用体を使用することによってビット変換し(S224)、S225で駆動ルーチンをコールすることによってアクチュエータを操作することになる。最後に、S226でその値をペダルの遊びオフセット値として保存する。
次に、作動域値調節器がオンであるかどうかをS227でチェックする。作動域値調節器がオフである場合、以下のS228〜S239をスキップして、本ループを繰り返す。作動域値調節器がオンの場合、作動域ボリューム値(すなわち、調節器の内部値)をS228で読み込み、そして、44で割り算する。得られた値が奇数である場合、S230〜S239の工程をスキップして、本ループを繰り返す。次に、S230でこの値(最大88)を2で割り算し、47未満の数(作動域値)を得る。その後、S231で上記ペダルの遊びオフセット値をその数から引き算する。得られた数が0以下ならば(S232)、S233でこの値を0に設定する。この後、S234でペダルの遊びオフセット値をこの値に加える。得られた値が47以上であれば(S235)、S236でこの値を47(駆動幅の最大値)に設定する。その後、得られた値は上記共用体を使用することによってビット変換し(S237)、S238で駆動ルーチンをコールすることによってアクチュエータを操作することになる。引き続いて、S239でこの値を作動域値として保存する。その後、処理はS207へと戻り、本ループを繰り返す。
(C−3)MOV関数処理
図8のフローチャートは上記駆動ルーチンを使用することによってアクチュエータを操作する方法を示す。
S300では、アクチュエータが駆動中、処理は次の工程に進まない。アクチュエータが設定に利用可能な場合、(S301〜S306のステップで)適切なビット(Mo0〜Mo5)をアクチュエータ操作用に設定する。その後、5msの遅延をS307で置き、STARTビットをS308でONにしてアクチュエータを駆動させる。S309では、アクチュエータが駆動中、処理は次の工程に進まない。そうでなければ、S310でSTARTビットをOFFにする。
(D−1)bFaaaPの操作方法
まず、検出シグナルを生成するためにユーザーの動きを検出する。次に、その検出シグナルを処理してアクチュエータ制御シグナルを生成する。そして、そのアクチュエータ制御シグナルに従って、アクチュエータによってペダルを制御する。ここで、その動きは頭部動作に関与し;その頭部動作はアクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有し;そして、そのアクチュエータ制御シグナルはユーザーの好みに従って変更可能である。その頭部動作は頭部傾き角度に関与する場合があり、その頭部傾き角度のオフセット範囲はユーザーによって定義可能である。そのオフセット範囲の上限の例には、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20度が含まれる。その上限は上記数値の任意の二つの間の値である場合がある。しかしながら、実施例6に記載されるAPEE試験被験者によって、3、5、または10度が特に選択された。また、アクチュエータ制御シグナルの基底値は、ユーザーによって設定された1〜50で掛け算される場合がある。倍率の例には、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50が含まれる。倍率は上記数値の任意の二つの間の値である場合がある。特に、実施例6に記載されるAPEE試験被験者によって、20、30、または40が特に選択された。
実際のペダル操作の前に、ペダルが前記アクチュエータ制御シグナルに応答して遅延なく移動するように、ペダルの遊びをオフセットする場合がある。この場合、アクチュエータの高さは、上記調節器のような入力ユニットを使用してアクチュエーターの初期高さを設定することによって、プログラム的に制御してもよい。初期高さはまた、いくつかの場合では手動で設定してもよい。
(D−2)操作手順
工程
(1)第一電源を入れることによってアクチュエータ側制御器のスイッチをオンにする。
(2)第二電源を入れることによって検出器側制御器のスイッチをオンにする。
(3)鍵盤上の鍵を断続的に押下しながら、ペダルの遊びオフセット値用調節器を使用してオフセット値を設定する。
(4)作動域値用調節器を使用して、ペダルが最大限踏み込まれるように作動域値を設定する。
(5)ペダルをbFaaaPによって駆動させながら、頭部傾き角度オフセット値用調節器を使用して各ユーザーの好みに合わせてそのオフセット値を設定する。
(6)ペダルをbFaaaPによって駆動させながら、倍率用調節器を使用して各ユーザーの好みに合わせてその倍率を設定する。
(7)各ユーザーが例えばピアノを弾く際にbFaaaPを操作する。
工程(3)と(4)の順番は変更可能である。一旦工程(3)と(4)が特定のピアノで完了したら、各ユーザーはこれらの工程を次回は省略してもよい。工程(5)と(6)の順序は変更可能だが、この順序を維持した方がよい場合がある。
実施形態2
ピアノペダル
本発明の一実施形態によると、前記ペダルはピアノペダルである。ピアノの種類には、グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノ、キーボード、エレクトーン、およびオルガンが含まれる。
実施形態3
ユーザーの頭部への検出器の装着方法
ユーザーの頭部動作を検出するためには、検出器はユーザーの頭部の一部に好ましくは装着される。頭部に検出器を装着するための部材(例、ツール、装置)の例には、特に限定はされないが、縁なし帽子、縁あり帽子、ヘッドバンド、耳装飾品、および眼鏡が含まれる。本発明の好ましい実施形態によると、検出器は図3Aに示されるように眼鏡に装着される。より具体的には、検出器はユーザーの目と耳の間の眼鏡サイドフレーム部に装着してもよい。これにより、検出器を実質的に水平に配置することが可能となり、初期傾き角度がほぼ0度となり、ユーザーが傾き角度オフセット値を設定するのを容易にする。図3に示すように、検出器の位置決めを容易にするために、検出器1000は眼鏡のサイドフレーム部に嵌合するスリット(図3B)または溝(図3C)を有する場合がある。また、検出器は軽量の検出器である場合がある。これにより、ユーザーの操作(例、演奏者のピアノ演奏)が容易になる場合がある。その理由は、ユーザーが頭部に負荷を感じることなく本装置を制御することができるからだ。さらに、検出器は眼鏡サイドフレーム部に固定または着脱可能にされていてもよい。各ユーザーが眼鏡を使用する場合は、検出器は自身の眼鏡に装着可能である。もし各ユーザーが眼鏡を常用していない場合は、伊達眼鏡がこの目的のために使用可能である。また、検出器が演奏者の頭部にヘッドバンドを使って装着される場合よりも検出器が眼鏡のサイドフレームに装着される場合の方が聴衆の前での検出器の外見は良いかもしれない。検出器を身に付けた演奏者の外見が良いことは、ピアノ演奏のための重要な要素である。
実施形態4
(A)携帯可能な筐体の構成
本発明の一実施形態によれば、上記補助ペダルシステムの各々は、前記アクチュエータと着脱可能な重り(複数可)を有する携帯可能な筐体をさらに含み、前記着脱可能な重り(複数可)は前記筐体が動かないように前記アクチュエータの反力に抵抗し、および前記筐体は前記アクチュエータを含む防音室を有する。
(1)携帯可能な筐体の構築方法
図9〜15は、本発明の一実施形態に係る筐体100の構造を示す。図9は正面図であり;図10は背面図であり;図11は左側および右側断面図であり;図12は左側面図と右側面図であり;図13〜14は上面図、底面図、および中間図を含む断面図であり;そして、図15は間隔板部材630の拡大図である。筐体100は区切られた構造を有していて、図9と10に示すように防音室200、第一重り室300、第二重り室350、およびアクチュエータ制御器室800を備える。それら室は、板部材と当該技術分野で通常の固定方法(例、ボルトとナット、ネジ、接着剤)を使用して構築される。筐体が装置(例、アクチュエータ、制御器、ドライバー、初期化装置、重り)を支持するように構築可能である限り、各板部材は任意の材料(例、木、プラスチック、金属および/またはセラミック)で作製可能である。
図9〜12と14の防音室200は、天板部材540、第二側板部材560、第三側板部材570、背面板部材580、正面板部材590、および防音室底板部材510によって境界が定まっている。吸音材210を上記板部材の全部または一部に張り付ける。図11Aと14Aに示すように、アクチュエーター(すなわち、リニアステップモーター;電動シリンダー)600の本体部分610はアクチュエータ装着板615を介して正面板590に固定する。アクチュエータ装着板615は内側ゴム栓592b1〜b2および594b1〜b2と対応する外側ゴム栓592a1〜a1および594a1〜a2を挿入する4つの貫通孔を有していて、栓ボルトを使用して各栓を各孔に固定する。これらのゴム栓は振動防止材であるとともに吸音材として機能する。図11Aに示すように、防音室底板部材510は細長い穴250を有する。アクチュエータ600の足部分は本体部分から穴250を通して下に向かって伸びていて、ペダルを踏み込んだり放したりするために双方向に動く。間隔板部材630を、アクチュエータとペダルの直接の接触を避けるために、足部分の底面に張り付ける。図15は間隔板部材630の拡大図である。間隔板部材は、ペダルへの損傷が回避可能な限り、任意の材料で作製可能である。さらに、間隔板部材630は、図15の下図の破線で図示される不織布、織布、またはゴム材で覆われる場合もある。まとめると、防音室200のこの構成を使用して、アクチュエータ600の操作中に発生する操作ノイズを減少させることができる。
図9〜11と14Bの第一重り室300は、第一側板部材550、第二側板部材560、第一水平板部材520、床板部材500、および背面板部材580によって境界が定まっている。図9〜11の第二重り室350は、第一側板部材550、第二側板部材560、第一水平板部材520、第二水平板部材530、および背面板部材580によって境界が定まっている。各室の正面側は、図9に示されるように外気に暴露される。図9に示すように、第一および第二重り室の各々では、ボルト(310または360)が第一側板部材550に固定およびそれから突出させられているが、各ボルトの先端は第二側板部材560には到達していない。この構成のために、着脱可能な重り(複数可)が各室に配置可能である。重り700a1−nは、各々、ボルト310が挿入される孔を有していて、第一重り室300に設置される。また、重り750b1−nは、各々、ボルト360が挿入される孔を有していて、第二重り室350に設置される。全ての重りの総重量は、操作中のアクチュエータのペダル反力に耐えるのに十分である必要がある。ペダル反力は実施例8で測定した。実施例8の値を参照すると、総重量は8〜10kgに設定してもよい。着脱可能な重りの使用により筐体の携帯性を向上することができる。
図9〜11と14Aのアクチュエータ制御器室800は、第一側板部材550、第二側板部材560、第二水平板部材530、天板部材540、および背面板部材580によって境界が定まっている。この室の正面側も外気に暴露されている。この室は初期化装置810(ペダルの遊びオフセット値と作動域値用の調節器)、アクチュエータ制御器820、およびドライバーユニット(例、ドライバーと電源)を収納可能である。これらの装置は固定または着脱可能である。この室の暴露された正面側には、板部材をさらに提供してもよい。この追加的板は筐体の外観を改善する場合がある。というのも、それらの装置が外側から不可視であるからだ。
図9〜11の振動防止シート900は、アクチュエータ媒介振動を減少し筐体を安定化するために、床板部材500の底面に貼り付け可能である。上記課題を達成できる限りは、任意の材料をこのシートに使用することができる。
図1に示すように、筐体100はペダルの横に設置可能である。サスティンペダルがアクチュエータ600によって踏み込まれる場合、筐体をペダルの右側に設置してもよい。ソフトペダルがアクチュエータ600によって踏み込まれる場合、筐体は左側に設置可能である。ペダルはグランドピアノまたはアップライトピアノのものであってもよい。
床に筐体100をさらに固定するために、粘着テープを使用して床に床板部材500の端を固定する場合がある。
(2)着脱可能な重り
上記着脱可能な重りは、各々、鉄、真ちゅう、青銅、および/または銅で構成される金属であってもよいし、または、コンクリートで構成されていてもよい。目的のペダルの反力に耐えることができる限り、任意の種類の重りが許容可能である。いくつかのピアノでは、二つの5kgの重りまたは20個の400gの金属シートがこの目的に十分である。本筐体が重りを収納できる限り、重りの数は制限されない。この目的のために、本筐体は重り用の部屋を複数有する場合がある。筐体の携帯性の観点からは、一つの重い重りを提供するよりはむしろ別々の複数の重りを提供するのが好ましい場合がある。
(3)防音室
アクチュエータが前記検出器シグナルに応答して駆動する場合、アクチュエータ関連音(ノイズ)が発生する。このノイズを最小限にするか無効にするために、本筐体はアクチュエータ用防音室を有する。この室は、壁に吸音材を有する場合がある。吸音材は音響フォームであってもよい。その音響フォームは、音響処理に使用する連続気泡フォームである。それは、空気抵抗を増加させることによって空気伝播音波を減弱し、従って、その波の大きさを小さくする。音響フォームは壁、天井、ドア、および部屋の他の設備に貼り付けて、ノイズレベル、振動、およびエコーを制御することができる。この吸音材の材料の例には、ポリウレタンおよびグラスウールが含まれる。
実施形態5
ペダル操作方法
本発明の一実施形態が提供するのは、ペダル操作方法であって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する工程と、前記検出シグナルを処理してアクチュエータ制御シグナルを生成する工程と、前記アクチュエータ制御シグナルに従ってペダルを制御する工程とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記アクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有し、および前記アクチュエータ制御シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能である、方法である。実施形態1から実施形態4までを通しての上記技術的特徴が、この実施形態にも同様に適用可能である。
実施形態6
アクチュエータ無しのbFaaaP
本発明の一実施形態が提供するのは、補助ペダルシステムであって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する検出器と、前記検出シグナルを処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する制御器とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記電子機器が前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、および前記電子機器制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能である、補助ペダルシステムである。
この実施形態では、制御器は検出信号を処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する。この実施形態は、ペダルを実際に制御するアクチュエータを有しない。代わりに、この実施形態では、電子機器制御指令シグナルは、電子機器のペダルによって生成される指令シグナルを代替し、目的の機能を実行する電子機器コントローラー中に直接入力される。ここでは、制御器は検出器側制御ユニットと電子機器側制御ユニットを含む場合がある。この検出器側制御ユニット単独または電子機器側制御ユニットと共に、本発明の特徴に従って検出器シグナルを処理する場合がある。この実施形態に係る制御器は好ましくは、この検出器側制御器を含み、電子機器制御指令シグナルを有線または無線様式で伝達することができる。これにより、本発明はペダル有または無しの各種電子機器にさえも適用延長される。この実施形態では、上記特徴が適用可能な場合がある。
実施形態7
電子ピアノ
本発明の一実施形態によれば、前記電子機器は電子ピアノである場合がある。各電子ピアノは電子ピアノコントローラーを有するので、本発明は、機械式ピアノよりも電子ピアノの方が、価値が高いかもしれない。電子機器制御指令シグナルを電子ピアノコントローラーに送信するだけで、特に足に障害をもつチャレンジドや子供達によるピアノ演奏を効率的に高めるやり方を実現する。
実施形態8
電子機器操作方法
本発明の一実施形態が提供するのは、電子機器操作方法であって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する工程と、前記検出シグナルを処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する工程とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記電子機器が前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、および前記電子機器制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能である、方法である。この実施形態では、上記特徴が適用可能とされて、足に障害を持つチャレンジドや子供達を含むほぼ誰によっても電子機器を制御することができる効率的でユニバーサルなやり方を提供する。
実施形態9
ゲーム機器用コントローラー
本発明の一実施形態が提供するのは、デバイスコントローラーであって、ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する検出器と、前記検出シグナルを処理して、電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する制御器とを含み、前記動きが頭部動作に関与し、前記頭部動作が、前記電子機器が前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、前記電子機器制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能であり、および前記検出器が眼鏡のサイドフレームに装着される、デバイスコントローラーである。
本デバイスコントローラーはゲーム機用コントローラーであってもよい。ある意味、ピアノを弾くことはある人達にとってはゲームで遊ぶようなものである場合がある。頭部の動きを使用することはユーザーの動作を入力する別のやり方を提供可能である。何故なら、ユーザーの好みに従って変更可能なオフセット範囲と倍率に関与する2つの要素によって、本デバイスコントローラーが制御されるからである。このことにより、ゲームプレイを制御する違うやり方を提供可能となる。足に障害を持つチャレンジドや子供達を含むほぼ誰もが本コントローラーを使用することができるので、新たな制御方法で、広範囲のゲーマーが各種ゲームで遊ぶことができる。また、本デバイスコントローラーは、新たな型のゲームを提供するためにプレイ制御動作を拡張可能でもある。
実施例1
bFaaaP4の概要
bFaaaP4は補助ピアノペダルシステムであって、以下の点を考慮して製造した。
1)上半身の動作、つまり頭部の動きを検出しながらピアノのサスティンペダルを踏み込む。
2)本システムの操作は、演奏者がピアノを弾き、演奏中に歌を歌うことを妨げない。
3)bFaaaP4は比較的容易に構築可能であること。
実施例1−1
構成
図16〜22に示すように、bFaaaP4は、角度センサー(1)、データ処理器(2)、送信機(3)、受信機(4)、アクチュエータ制御器(5)、アクチュエータ(6)、並びに検出器側およびアクチュエータ側電源(7)が含まれるように構成した。図16〜22は、それぞれ、図9〜15に対応していて、各部品のサイズをmmで表示する。
角度センサー
まず、6軸センサー(加速度計とジャイロスコープとの組み合わせ物)と9軸センサー(加速度計とジャイロスコープと地磁気センサーとの組み合わせ物)を角度センサーとしてテストした。傾き角度を検出する際に、9軸センサーはドリフトがより少なく、市販されていて比較的安価であった。従って、MPU9250(TDK社製)を角度センサーとして使用した。MPU9250は市販モジュールとして提供されていたので、そのモジュールをケースの中に収納した。そのケースを、その後、眼鏡のサイドフレームに着脱可能に装着した。
データ処理器
ESP32(Espressif Systems社製)をデータ処理器として使用した。その理由は、プログラム開発が比較的容易だからである。図3に示すように、データ処理器はオフセット値(上記オフセット範囲の上限値)用の調節器1210と倍率用の調節器1220とを備えていた。
送信機および受信機
送信機は、受信機と通信するためにBluetooth BLEを使用した。
アクチュエータ制御器
ESP32(Espressif Systems社製)をアクチュエータ制御器として使用した。その理由は、プログラム開発が比較的容易だからである。図2に示すように、アクチュエータ制御器は、ペダルの遊びオフセット値用の調節器と作動域値用の調節器を備えていた。
アクチュエータ
電動シリンダー(EAC4W−D05−AZAAD−1−G;オリエンタルモーター社製)をアクチュエータとして使用し、そして、DC24V AZ−シリーズα−step(EAC4−D05−AZAAD−1)をドライバーとして使用した。また、MEXE02(オリエンタルモーター社)をセットアップソフトウエアとして使用した。
実施例1−2
検出器側制御器プログラム
適切なドライバーをインストールしたArduino IDE 1.8.5を使用することによって、図4〜5の検出器側処理フローチャートに従って検出器側制御器プログラムを作成した。ピッチ角度データをMadgwickフィルタ処理に掛けてノイズとドリフトを減らし、さらに、オフセット処理と倍率処理に掛けた。その後、処理値を0〜99の範囲の制御値へと変換した。この制御値をアクチュエータ制御器へとBLEを介して伝達した。
実施例1−3
アクチュエータ側制御器プログラム
適切なドライバーをインストールしたArduino IDE 1.8.5を使用することによって、図6〜7のアクチュエータ側処理フローチャートに従ってアクチュエータ側制御器プログラムを作成した。受信機を介してアクチュエータ制御器に入力された制御値は、ペダル遊び値と作動域値とを考慮して設定されたアクチュエータ指令値(駆動幅)に変換されて、アクチュエータを制御および操作した。
実施例1−4
アクチュエータ(ステップモーター)を有する携帯可能な筐体の構築
bFaaaP4筐体を、実施形態4に従って構築した。筐体の各部品または部材のサイズを、図16〜22中に入れた。各部品および各部材(各板部材は木で作製されて、黒色に色付けした)を準備し、当該技術分野の常法によって組み立てた(各ネジを木製板部材に電動スクリュードライバーを使用してねじ込んだ)。アクチュエータは上記リニアステップモーター(オリエンタルモーター社製)であった。また、20個の400gの金属重りを二つの別々の重り室に配置した(各室は10個の重りを有していた)。アクチュエータ制御器とドライバーはアクチュエータ制御器室に入れた。筐体の底面の側端は、筐体をさらに安定化するために通常の粘着テープを使用して床に取り付けた。
実施例1−5
bFaaaP4の操作方法
bFaaaP4は実施形態(1−D−2)に記載される操作手順に従って操作した。
実施例2
bFaaaP4W
bFaaaP4Wでは、送信機と受信機との間の通信のために、ケーブルを使用した。従って、BLE通信を使用しなかった。何故なら、いくつかの報告がESP32中でのBLEの不具合を示していたからだ。制御プログラムはbFaaaP4のものと実質的に同じであった。なお、ユーザーの頭部の動きに対するアクチュエータの応答が改善した。その理由の一部は、送信機と受信機との間の通信速度が上昇したからだ。
実施例3
bFaaaP3
bFaaaP3は、bFaaaP4と実質的に同一の構成を有していた。重複を避けるために、bFaaaP4との違いを記載する。
両者には3つの主要な差があった。第一の差は検出器側制御器に関係していた。bFaaaP3の検出器側制御器はbFaaaP4と実質的に同一の構成を有していたが、頭部角度傾き角度オフセット値用の調節器と倍率用の調節器は、各々、調節器ボタンの視認可能な目盛りがなかった。従って、オフセット値と倍率は各ユーザーによって調節可能であったが、実際の値は正確に決定できなかった。
二つ目の差は防音室に関係していた。bFaaaP4はアクチュエータを収納する防音室を有していたが、bFaaaP3のアクチュエータはボルトとナットを使用して側壁部材に取り付けられていて、カバーなしに外部へ暴露されていた。従って、アクチュエータ由来のノイズは減衰されなかった。
第三の差は重りに関係する。20個の400g金属プレートを使用する代わりに、2個の5kgのセメントブロックを重り室に設置した。
操作手順はbFaaaP4のものと同一であった。
実施例4
bFaaaP2
bFaaaP2は、bFaaaP3と実質的に同一の構成を有していた。重複を避けるために、bFaaaP3との違いを記載する。
両者には一つの主要な差があった。この差は検出器側制御器に関係していた。角度センサーとデータ処理器として使用したのは、MPU9250を含むM5Stack_Gray(SWITCH SCIENCEから購入)であった。そのプログラムはbFaaaP3またはbFaaaP4のものと実質的に同一であった。このM5Stackを縁なし帽子に取り付けたポケット中に入れて、この帽子を身に着けた各ユーザーの頭部にM5Stackを配置した。頭部には装着されているけれども、正確に頭部傾き角度を検出するために水平に角度検出器を設置することは難しかった。そのM5Stackのボタンを使用して、頭部傾き角度オフセット値と倍率は簡単に入力できた。
実施例5
bFaaaP1
bFaaaP1は、bFaaaP2と実質的に同一の構成を有していた。重複を避けるために、bFaaaP2との違いを記載する。
両者には3つの主要な差があった。第一の差はアクチュエータに関係していた。bFaaaP1のアクチュエータは、(リニアシリンダーではない)ステップモーターVESTA UOK5141(オリエンタルモーター社製)であった。このステップモーターをピアノの右側から操作した。
二つ目の差はアクチュエータ制御器に関係していた。bFaaaP1のアクチュエータ制御器はArduino基板上のESP32(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM−11819/)であった。ペダルの遊びオフセット値用の調節器と作動域値用の調節器はbFaaaP2のものと実質的に同一であった。
第三の差は検出器側制御器用のプログラムに関係していた。検出器側制御器として使用したのは上記M5Stackであった。しかしながら、そのプログラムは各ユーザーの頭部のZ軸回転速度を検出して検出器シグナルを生成するものであった。検出器シグナルは二値化制御値へと変換されて、ペダルを踏み込むかまたは放すかのいずれかを行った。頭部の動きのオフセット範囲をそのプログラム中で設定した。しかし、倍率は各ユーザーによって設定されなかった。
実施例6
補助ペダル効果評価試験(APEE試験)
本補助ペダルシステムをクラスI〜III被験者で評価した。ここで、7名のクラスI被験者、5名のクラスII被験者、および3名のクラスIII被験者が本補助ペダル効果評価試験(APEE試験)に参加した。クラスII被験者は山口恭子ピアノ教室フルール(https://www.fleur-pianok.com/)の生徒さんであった。
テスト方法
まず、全ての被験者はピアノペダルテスト手順を読んで、そして、図23の楽譜のピアノの音符(すなわち、音符はド、ド、ド、レ、レ、レ、およびミ、ミ、ミを4回繰り返す単位からなっている)を練習するよう指示された。
テスト手順を以下に示す。
1.テスト楽譜を読んで、ペダル操作をイメージする。
2.bFaaaPを使用しないでそのテスト楽譜の音符を練習する。
3.bFaaaPを使用して音符を練習する。
4.オフセット値と倍率を調整し、そして、自身の好みに従ってそれらを選択する(クラスII被験者(子供達)は、オフセット値を5度に設定し、倍率を20または30に設定した)。
5.レコーディングを開始して、音符を弾く。
5−1.自身の名前、このレコーディングの日付、選択したオフセット値と倍率を言う。
5−2.ペダルを使用せずに音符を弾く。
5−3.bFaaaPを使用してペダルパターン1で音符を弾く。
5−4.bFaaaPを使用してペダルパターン2で音符を弾く。
5−5.レコーディングを終了する。
6.アンケートに記入する。
図24にアンケートを示す。
アップライトピアノK132(製造番号599580;Steinway&Sonsによってハンブルグで製造)、グランドピアノGC1(製造番号6191885;YAMAHAにより2007年に製造)、およびアップライトピアノUX(製造番号2424245;YAMAHAにより1977年に製造)を本APEE試験に使用した。bFaaaP(bFaaaP2、bFaaaP3、bFaaaP4、またはbFaaaP4W)を使用して、ペダルパターン1または2に従ってサスティンペダルを踏み込んだ。なお、各bFaaaPはサスティンペダルの正面右側に配置した。次に、各被験者は、検出器側制御器のレバーとダイアルを調整することによって頭部傾き角度オフセット値と倍率を選んだ。そして、選んだオフセット値と倍率を記録した。その後、bFaaaPで制御されたペダル動作有無しで音符が弾かれた。ピアノ演奏をスマートフォン(iPhone(登録商標))中にwavファイルとして録音した。対照として、クラスI被験者には自身の足でその音符を弾くように頼んだ。テスト後、各被験者はテストシートに記入して、書面による非開示同意を与えると共にコメントをした。
解析
各wavファイルをSonic Visualiserリリース3.0.3に取り込んで、目的の領域をpngファイルとしてエクスポートした。各pngファイルをその後ImageJ 1.51j8で開いた。その画像タイプと閾値をそれぞれ、8ビットと200に設定した。ペダル動作が有るかまたは無い(すなわち、ペダル無し、パターン1またはパターン2)音符部分の各々を選択した後、各部分の面積を「Analyze Particles」コマンドによって音振動面積(TVA)として計算した。テスト番号17のデータを図25Aに示す。ある音符部分が4つを超える繰り返し単位を含んでいた場合、最初の4つの反復単位を解析に使用した。また、ある音符部分が3つの繰り返し単位しか含んでいなかった場合、3つの繰り返し単位だけをその他の音符部分にも使用してTVAを計算した。その後、図25Bに示すように、ペダル動作の無い部分の面積(すなわち、TVA0)を1に設定し、そして、ペダル動作(パターン1またはパターン2)を有する他の面積(すなわち、TVA1またはTVA2)をそれぞれスコア(TVA0に対する比率)として、各部分の面積(すなわち、TVA0、TVA1、およびTVA2)を比較した。
結果と統計
表1はAPEE試験のクラスI被験者の結果を示す。表2はクラスIIとIII被験者の結果を示す。
Figure 0006726319
Figure 0006726319
bFaaaP3がテストに使用された場合、オフセット値と倍率は表1と2では決定されなかった(N.D.)。bFaaaP3では、それらは調節可能であったが、正確な値は目盛りが表示されていなかったので示さなかった。表1の用語「N.A.」は「適用外」を意味している。何故なら該当するユーザーは自身の足を使ってペダルを踏み込んだからだ。テスト番号2、39、および43では、bFaaaP2(M5Stack)が使用された。被験者番号15はスコア(すなわち、相対比率)が良かったが、他の二つのスコアは比較的低かった。この理由は、bFaaaP2はM5Stackを使用していて、そのM5Stackは縁なし帽子に取り付けたポケットの中に入れたので、従って、検出器を眼鏡のサイドフレームに装着した場合よりもオフセット角度を維持するのがより難しかったからだ。また、bFaaaPをどれだけ練習したかがスコアに影響を与えたのかもしれない。従って、以下の統計では、bFaaaP2を使用した結果をその統計から除外した。以下の統計では、bFaaaP3、bFaaaP4、およびbFaaaP4Wを使用した結果をbFaaaPスコアとして使用した。
bFaaaPを用いるか又は用いないで演奏したペダルパターン間のスコアの違い
ペダルパターン0(ペダルを使用しない場合)の結果をペダルパターン1または2の結果(各bFaaaPを使用することによって得られたもの)と比較した。まず、ペダルパターン0とペダルパターン1との間で、対応のある両側t検定をスコア(相対比率)に関して実施した。次に、ペダルパターン0とペダルパターン2との間で、対応のある両側t検定をスコアに関して実施した。その後、ペダルパターン1とペダルパターン2との間で、対応のある両側t検定をスコアに関して実施した。表3に結果を示す。
Figure 0006726319
表3は、ペダルパターン0のスコアを1.00に設定した場合、ペダルパターン1のスコアが1.50±0.32(平均±S.D.)で、ペダルパターン2のスコアが1.80±0.44であったことを示す。ペダルパターン0とペダルパターン1の間、および、ペダルパターン0とペダルパターン2の間のスコアは有意に異なり(各p値は<0.01であった)、各bFaaaPが試験被験者によって使用される場合音を伸ばすのに効果的であったことを実証した。また、ペダルパターン1とペダルパターン2との間のスコアも有意に異なり(p=0.00023(<0.01))、ペダルパターンが異なれば異なる効果を奏したことを示唆する。
bFaaaP 対 足
bFaaaPを使用して得たスコアが自身の足を使用して得たスコアと異なるか否かを検証するために、これらのスコアをまずF検定(二つの群が統計学的に等分散を有するかどうかを検定するもの)に掛け、その後、t検定(その二つの群が統計学的に異なるかどうかを検定するもの)に掛けた。まず、各bFaaaPを使用するペダルパターン1または2のスコア(相対比率)と自身の足を使用するペダルパターン1または2のスコアをF検定に掛けた。結果は、帰無仮説は棄却されない(p>0.05)ことを示すので、両者間の統計学的な等分散が仮定され得る。その後、等分散を仮定した両側t検定を実施した。表4に結果を示す。
Figure 0006726319
表4は、各bFaaaPと自身の足の間のスコアに統計学的に有意な差がなかった(p>0.05)を示し、このことは、各bFaaaPが自身の足を使用することによって得られたと実質的に同じ効果を奏することができることを示唆する。
ピアノ経験は重要であったか?
本試験では、異なる被験者は異なるピアノ経験を有していた。各被験者のピアノ経験がスコアに影響を与えたかどうかを確認するために、5年以上のピアノ経験を有する被験者(グループI)のスコアを5年未満のピアノ経験を有するもの(グループII)と比較した。まず、グループIのスコアとグループIIのスコアをF検定に掛けた。結果は、帰無仮説は棄却されない(p>0.05)ことを示すので、両者間の統計学的な等分散が仮定され得る。その後、等分散を仮定した両側t検定を実施した。表5に結果を示す。
Figure 0006726319
表5は、グループIとグループIIの間のスコアに統計学的に有意な差がないこと(p>0.05)を示し、このことは、ピアノ経験が少なくとも本APEE試験では統計学的に重要でなかったことを示唆する。
クラス間の違い
被験者クラス間に差があったか否かを検討するために、一元配置ANOVA(分散分析)を実施した。表6に結果を示す。
Figure 0006726319
表6は、両方のペダルパターン1と2に対してクラスI、II、およびIII間で統計学的に有意な差がなかったことを示し(つまり、両方のp値が0.05より大きかったので、帰無仮説は棄却されなかった)、このことは、各bFaaaPを使用することによって奏された、ペダル伸長効果はクラス間で統計学的有意差がなかったことを示唆する。
ピアノ間の違い
使用したピアノ間に差があったか否かを検討するために、一元配置ANOVA(分散分析)を実施した。表7に結果を示す。
Figure 0006726319
表7は、両方のペダルパターン1と2に対してピアノ間で統計学的に有意な差があったことを示し(p値の一つは0.01未満であり、および、他のp値は0.05未満であったので、帰無仮説は棄却された)、このことは、各bFaaaPを使用することによって奏された、ペダル伸長効果はピアノ間で統計学的有意差があったことを示唆する。
アンケート
全ての被験者に図24の用紙に記入するように依頼した。表8に結果を示す。得票数を感想に関する各評価項目の下に示した。
Figure 0006726319
比較的多数の試験被験者がbFaaaP体験を楽しみ、装置のネーミングを良いと考えた。また、半数よりも多くの被験者がbFaaaPは使いやすくて、外見も良いと考えた。
試験被験者のコメント
試験被験者のコメントのいくつかは以下のようなものである。
(1)眼鏡装着型センサーはコンパクトで良い。
(2)アクチュエータのノイズがあるが、そのノイズはユーザーにペダルON/OFFタイミングを知らせる可能性がある。
(3)ペダルを放す操作はペダルを踏み込む操作より難しい。
(4)アクチュエータは思ったよりも自然に頭部動作に従う。
(5)頭部の水平方向の動きを使用するのも一つのオプションである。
(6)練習すればするほど装置をもっと容易に使用することができると思う。
考察
表3で証明されるように、bFaaaPは音を伸ばすのに効果的であることが実証された。また、各bFaaaPを使用して演奏された異なるペダルパターンがそれに応じて統計学的に異なるスコアを生じさせた(すなわち、ペダルパターン1対ペダルパターン2(p=0.00023))。このことは各bFaaaPにより実行されるペダル制御が精密なことを示唆している。さらに、各bFaaaPを使用して得られたスコアは自身の足を使用して得られたスコアと統計学的に有意に異ならなかった(すなわち、それぞれのp値は0.33および0.43(>0.05))。このことは、各bFaaaPと自身の足の間でのペダル制御が同等であることを示唆している(表4を参照されたい)。しかしながら、各TVAは被験者によって異なる。何故なら、被験者は好みのピアノキータッチを有していたからだ。また、bFaaaPをどれだけ練習したかがスコアに影響を与えたのかもしれない。
ユーザーが選択したオフセット角度値は3から19度の範囲にあったが、5または10度が多くのユーザーによって好まれていた(表1と2を参照されたい)。また、ユーザーが選択した倍率は8〜50の範囲にあったが、bFaaaP4が使用された場合、10〜50の範囲がユーザーによって選択された。また、20〜40の範囲が多くのユーザーによって好まれた。つまり、多くの場合では、ユーザーは5〜10度をオフセット角度として選択し、そのオフセット角度からさらに2.5度から5または10度を使用して最大限ペダルを踏み込んだ。
被験者番号14のケースでは、彼女は部分的な足の障害があり気管切開していたが、オフセット値として5または3、倍率として40または50(最大)をそれぞれ選択した。この理由は、彼女の頭部動作は気管切開のため制限されていたからだ。オスセット値が小さいほど且つ倍率が大きいほど、彼女にとっては良い。上記した両方の値を設定することによって、彼女はbFaaaPをうまく使って上記音符を演奏し、これはテスト番号42のペダルパターン2のケースで実証された。
ここで、ペダルの精密な制御を提供するためには、倍率が小さい方が良い。その理由はペダルの駆動幅が頭部傾き角度の範囲がより大きくなることによって制御可能であるからだ。しかしながら、より迅速なペダル動作がより大きな倍率を使用することによって実現可能である。また、オフセット値は被験者に依存して違っている。その理由は異なる被験者は自身の好みに合わせて異なるオフセット値を有するからだ。つまり、自身の頭部を激しく動かしたいものもいれば、自身の頭部をわずかに動かしたいものもいる。本bFaaaPは、それらオフセット値と倍率を選択することによってどちらのやり方でもペダル操作を可能とする。bFaaaPの効果はオフセット値と倍率によって奏される相加効果として見なされるのではなく、上記に実証されたようにオフセット値と倍率の組み合わせによって奏される相乗的効果である。
本APEE試験では、グループI(5年以上のピアノ経験を有する被験者)とグループII(5年未満のピアノ経験を有する被験者)の間でスコアに統計学的に有意な差が無かった(すなわち、各p値は0.05より大きかった)(表5を参照されたい)。同様に、被験者クラス(すなわち、クラスI:成人(自身の足でペダルを踏み込むことができる者);クラスII:子供達;およびクラスIII;チャレンジド)の間でスコアに統計学的に有意な差がなかった(すなわち、各p値は0.05よりも大きかった)(表6を参照されたい)。このことが示すのは、bFaaaPはピアノ経験によらず、および、子供達やチャレンジドを含む様々な人々の間で使用可能であることである。しかしながら、これらクラスの間でのペダルパターン1に関する一元配置ANOVAにより得られたp値は0.068であったので、このことはこれらクラス間での潜在的な差を示唆する。
一方、表7は、使用したピアノ間でスコアに統計学的に有意な差があったことを示す。この一元配置ANOVAでは、ペダルパターン1に関するp値は0.0012(<0.01)であり、ペダルパターン2に関するp値は0.032(<0.05)であった。各スコア平均を比較すると、K132とGP1はほぼ同じ値を示していた。従って、その差はUXによる可能性がある。何がその差を生じさせたのかは不明である。一つの要因は各ピアノの構造とダンパー機構であるかもしれない。別の要因は調律である可能性がある。K132とGP1のピアノの調律は定期的に行われていたが、UXの調律は8年よりも長く実施されていなかった。
総合すると、bFaaaPは自身の足を代替するものとして多様なユーザーに使用可能であり、そして、ユーザーの好みに合わせてペダルを精密に制御することを可能とする。本検出器と本制御器(処理器)の考えや概念はペダルを有するかまたはペダルを有しない任意の電子機器さえにも、特に、電子ピアノやゲーム機用コントローラーに適用可能である。
実施例7
ペダルの遊びの測定
本明細書中で使用した各上記ピアノのペダルの遊びをデジタルノギス(シンワ測定株式会社製)で測定した。ペダルを踏み込むことによって音が伸び始める地点を手作業で決定した。初期ペダル位置から上記地点までの距離を測定して、mm単位で表示されるペダルの遊びとして設定した。表9に結果を示す。
Figure 0006726319
結果は、本明細書中で使用された3種類のピアノが異なるペダルの遊びの値を有していたことである。従って、各ピアノに合わせて各bFaaaPを調整および初期化することが必要である。
実施例8
反力の測定
本明細書中で使用した各上記ピアノのペダルの反力を手作業で測定した。その測定のために、メカニカルフォースゲージNK−100(プッシュプルゲージ;Hanchen JP製)を製造者のマニュアルに従って使用した。上記ペダルの遊び地点までペダルが踏み込まれた際のペダル力とペダルが最大限踏み込まれた際のペダル力を測定した。表10に結果を示す。
Figure 0006726319
表10は、その反力がピアノごとに違っていたことを示す。この違いはダンパー機構の構造によるものである可能性がある。しかしながら、最大値は8.0kgであった。従って、十分な重り(本筐体内に設置されるもの)は、8〜10kg以上である場合がある。
実施例9
ピアノ演奏中の頭部傾き角度の測定
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲したピアノソナタ第8番ハ短調作品13(ソナタ悲愴)の第二楽章をクラスIII被験者番号15が2018年9月19日に演奏した。そのピアノ演奏を、上記bFaaaP制御器プログラムによって以下のように解析した。(1)ピアノ演奏中の頭部傾き角度をbFaaaP4によって検出し;(2)その傾き角度を経時的にUSBポートを介してPCに出力し;(3)得られたデータを統計学的に分析した。表11と図26に結果を示す。
Figure 0006726319
結果
傾き角度の最大値は19.13度で、傾き角度の最小値は−15.02であった。表11と図26のヒストグラム分析が実証したのは、2.5度以下の傾き角度範囲が記録された全ての検出イベントの61%を占め;5.0度以下の傾き角度範囲が86%を占め;7.5度以下の傾き角度範囲が95%を占め;および、10.0度以下の傾き角度範囲が99%を占めたことである。従って、自発的な頭部動作の観点からは、頭部傾き角度オフセット範囲は、好ましくは2.5度(3度)以下、より好ましくは5.0度以下、さらに好ましくは7.5度以下、および、さらに好ましくは10.0度以下に設定される。
全ての図面は、大滝建築事務所(https://anity.ootaki.info/)(アニティデザインとも称する;https://scrapbox.io/ootaki/)が設計および作成した。本明細書中に引用したプログラムは全てbFaaaPウエブサイト(本特許出願の出願後に開設する予定のもの)で見ることができる予定である。
上記実施形態と実施例は本発明の例に過ぎない。従って、それらは、本発明の技術的範囲が制限されるようには解釈されるべきではない。何故なら、本発明は各種実施形態においてさえも、本発明の精神と主要な特徴から逸脱すること無しに、実施可能であるからである。
本発明は、ペダルを有する任意の装置および楽器(例、ピアノ)に適用可能である。また、本発明は任意の電子機器(例、電子ピアノ、ゲーム機用コントローラー)にも適用可能であり、そして、足に障害を持つチャレンジドや子供達を含むほぼ誰によってもユニバーサルに使用可能である。
100 筐体
200 防音室
210 吸音材
250 穴
300 第一重り室
310 ボルト
350 第二重り室
360 ボルト
500 床板部材
510 防音室底板部材
520 第一水平板部材
530 第二水平板部材
540 天板部材
550 第一側板部材
560 第二側板部材
570 第三側板部材
580 背面板部材
590 正面板部材
592b1〜b2 内側ゴム栓
592a1〜a2 外側ゴム栓
594b1〜b2 内側ゴム栓
594a1〜a2 外側ゴム栓
595 栓ボルト
600 アクチュエータ(モーター)
610 本体部分
615 アクチュエータ装着板
620 足部分
630 間隔板部材
700a1〜n 重り
750b1〜n 重り
800 アクチュエータ制御器室
810 初期化装置(ペダルの遊びオフセット値用と作動域値用の調節器)
820 アクチュエータ制御器
830 ドライバーユニット(ドライバーと電源)
900 振動防止シート
1000 検出器(センサー)
1010 ケース
1020 スリットまたは溝
1050 センサーモジュール(MPU9250)
1100 眼鏡のサイドフレーム
1200 検出器側制御器
1210 オフセット範囲値用の調節器
1220 倍率用の調節器
1230 オン/オフスイッチ

Claims (15)

  1. 補助ペダルシステムであって、
    ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する検出器と、
    前記検出シグナルを処理してアクチュエータ制御シグナルを生成する処理器と、
    前記アクチュエータ制御シグナルに従ってペダルを制御するアクチュエータと、を含み、
    前記動きが頭部動作に関与し、
    前記頭部動作が、前記アクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有し
    前記アクチュエータ制御シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能であり、
    前記頭部動作が頭部傾き角度に関与し、
    前記アクチュエータ制御シグナルは、前記頭部傾き角度から前記オフセット範囲の上限を差し引いて得られる値を倍率で掛け算することによって変更可能であり;および、
    前記倍率は前記ユーザーによって選択されて10から50までの間の値を含むものであるので、前記オフセット範囲の前記上限から2から10度の間の値を含む頭部傾き角度を使用して前記アクチュエータによって前記ペダルを最大限踏み込む、補助ペダルシステム。
  2. 前記検出器が眼鏡に装着される、請求項1に記載の補助ペダルシステム。
  3. 前記検出器が前記眼鏡のサイドフレームに装着され、および、前記検出器のケースが前記サイドフレームに嵌合する溝またはスリットを有する、請求項2に記載の補助ペダルシステム。
  4. 前記頭部傾き角度の前記オフセット範囲が前記ユーザーによって規定され、および、前記オフセット範囲の前記上限が10度以下である、請求項に記載の補助ペダルシステム。
  5. 前記頭部傾き角度の前記オフセット範囲が前記ユーザーによって規定され、および、前記オフセット範囲の前記上限が7.5度以下である、請求項に記載の補助ペダルシステム。
  6. 前記頭部傾き角度の前記オフセット範囲が前記ユーザーによって規定され、および、前記オフセット範囲の前記上限が5度以下である、請求項に記載の補助ペダルシステム。
  7. 前記頭部傾き角度の前記オフセット範囲が前記ユーザーによって規定され、および、前記オフセット範囲の前記上限が3度以下である、請求項に記載の補助ペダルシステム。
  8. 前記ペダルがピアノペダルである、請求項に記載の補助ペダルシステム。
  9. 前記ペダルが前記アクチュエータ制御シグナルに応答して遅延なく移動するように、ペダルの遊びをオフセットする、請求項に記載の補助ペダルシステム。
  10. 前記補助ペダルシステムが、
    前記アクチュエータと着脱可能な重りを有する携帯可能な筐体をさらに含み、
    前記着脱可能な重りは前記筐体が動かないように前記アクチュエータの反力に抵抗し、および
    前記筐体は前記アクチュエータを含む防音室を有する、請求項に記載の補助ペダルシステム。
  11. ペダル操作方法であって、
    ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する工程と、
    前記検出シグナルを処理してアクチュエータ制御シグナルを生成する工程と、
    前記アクチュエータ制御シグナルに従ってペダルを制御する工程と、を含み、
    前記動きが頭部動作に関与し、
    前記頭部動作が、前記アクチュエータが駆動しないオフセット範囲を有し
    前記アクチュエータ制御シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能であり、
    前記頭部動作が頭部傾き角度に関与し、
    前記アクチュエータの制御シグナルは、前記頭部傾き角度から前記オフセット範囲の上限を差し引いて得られる値を倍率で掛け算することによって変更可能であり;および、
    前記倍率は前記ユーザーによって選択されて10から50までの間の値を含むものであるので、前記オフセット範囲の前記上限から2から10度の間の値を含む頭部傾き角度を使用して前記アクチュエータによって前記ペダルを最大限踏み込む、ペダル操作方法。
  12. 補助ペダルシステムであって、
    ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する検出器と、
    前記検出シグナルを処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する制御器と、を含み、
    前記動きが頭部動作に関与し、
    前記頭部動作が、前記電子機器が前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、および
    前記電子機器制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能であり、
    前記頭部動作が頭部傾き角度に関与し、
    前記電子機器の制御シグナルは、前記頭部傾き角度から前記オフセット範囲の上限を差し引いて得られる値を倍率で掛け算することによって変更可能であり;および、
    前記倍率は前記ユーザーによって選択されて10から50までの間の値を含むものであるので、前記オフセット範囲の前記上限から2から10度の間の値を含む頭部傾き角度を使用して前記電子機器を最大限操作する、補助ペダルシステム。
  13. 前記検出器が眼鏡に装着される、請求項12に記載の補助ペダルシステム。
  14. 前記電子機器が電子ピアノである、請求項12に記載の補助ペダルシステム。
  15. 電子機器操作方法であって、
    ユーザーの動きを検出して検出シグナルを生成する工程と、
    前記検出シグナルを処理して、ペダル媒介指令シグナルを代替する電子機器制御指令シグナルを生成および伝達する工程と、を含み、
    前記動きが頭部動作に関与し、
    前記頭部動作が、前記電子機器が前記頭部動作に応答しないオフセット範囲を有し、および
    前記電子機器制御指令シグナルが前記ユーザーの好みに従って変更可能であり、
    前記頭部動作が頭部傾き角度に関与し、
    前記電子機器の制御シグナルは、前記頭部傾き角度から前記オフセット範囲の上限を差し引いて得られる値を倍率で掛け算することによって変更可能であり;および、
    前記倍率は前記ユーザーによって選択されて10から50までの間の値を含むものであるので、前記オフセット範囲の前記上限から2から10度の間の値を含む頭部傾き角度を使用して前記電子機器を最大限操作する、電子機器操作方法。
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