以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは共に、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じであってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字に対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態(遊技者にとって有利な有利状態の1つ)に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第1始動領域とは異なる始動領域としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過し易い拡大開放状態と、遊技球が通過し難い、又は通過できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bの2つの一般入賞領域が設けられている。
第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bは、遊技盤面より前方(遊技者側)に突設された球受部材により構成されている。球受部材は上方から流下してきた遊技球を開口部から受け入れるものであり、球受部材の開口部の水平方向の長さ(横幅)は、遊技球1個分の直径より大きいが遊技球2個分の直径よりは小さい。従って、2個以上の遊技球が水平方向に連なって球受部材の開口部を通過することがないようになっている。また、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bが設けられた各球受部材の間隔は、少なくとも遊技球1個以上が通過可能な間隔となっている。また、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bの開口部の開閉を切り替えるための入賞球装置(例えば第2始動入賞口の開閉を切り替えるための普通可変入賞球装置6Bに相当する役物)は設けられておらず、常に開放状態となっている。また、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに遊技球が入賞しても、入賞に基づいて特図ゲームの可変表示の始動条件及び普図ゲームの可変表示の始動条件はいずれも成立しない。
なお、この実施の形態では、一般入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて予め定められた数の賞球が遊技者に特定価値として付与されるものであるが、これに限らず、一般入賞口に遊技球が入賞したことに伴い、可変入賞球装置、例えば、第2始動入賞口の開閉制御を行うための普通可変入賞球装置6Bや大入賞口の開閉制御を行うための特別可変入賞球装置7を作動させて、第2始動入賞口や大入賞口に遊技球が入賞し易くすることを、一般入賞口に遊技球が入賞したことにより付与される特定価値としても良い。
また、一般入賞口に応じて遊技者に付与される特定価値を異ならせるようにしても良く、例えば、第1一般入賞口50Aに遊技球が入賞した場合には5個の賞球が付与されるが、第2一般入賞口50Bに遊技球が入賞した場合には10個の賞球が付与される(即ち異なる大きさの特定価値が付与される)ようにしても良い。また、第1一般入賞口50Aに遊技球が入賞した場合に付与される特定価値は所定数の賞球であるが、第2一般入賞口50Bに遊技球が入賞した場合には、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7を作動させる(即ち異なる種別の特定価値が付与される)ようにしても良い。
また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて付与される特定価値に応じて異なる演出が実行されるようにしても良く、例えば、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて可変入賞球装置が動作する場合とで(即ち特定価値の種別が異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて10個の賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて5個の賞球が付与される場合とで(即ち特定価値の大きさが異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。
第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bへの遊技球の入賞は、図2に示すように、双方に対応した一般入賞口スイッチ24Aにより検出される。一般入賞口スイッチ24Aにより遊技球が検出されると、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
この実施の形態では、2つの第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bの双方に対応した入賞口スイッチ24Aが設けられていることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、一般入賞口に遊技球が入賞したことを検出可能となっている。なお、2つの第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bのそれぞれに対応した入賞口スイッチが設けられていることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、一般入賞口に遊技球が入賞したことのみならず、いずれの一般入賞口に遊技球が入賞したのかも検出可能となっているようにしても良い。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサと、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサとを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される始動入賞の発生等により第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される始動入賞の発生等により第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」又は「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ラウンドの実行回数が「16」となる大当り遊技状態を16R大当り状態ともいう一方、ラウンドの実行回数が「6」となる大当り遊技状態を6R大当り状態ともいう。
大当り図柄となる「3」又は「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は16R大当り図柄となり、「3」の数字を示す特別図柄は6R大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として16R大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が導出された後には、16R大当り状態に制御される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄として6R大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が導出された後には、6R大当り状態に制御される。
特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が16R大当り図柄となったことに基づく16R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に多い「16」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に長期なものとなる。そのため、16R大当り状態では、大入賞口を多くの遊技球が通過し易い。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が6R大当り図柄となったことに基づく6R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に少ない「6」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に短期なものとなる。そのため、6R大当り状態では、16R大当り状態よりも少ない遊技球しか大入賞口を通過させることができない。こうして、16R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。一方、6R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。
大入賞口を第1状態とするラウンドの実行回数に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるものに限定されず、例えば大入賞口を第1状態とする期間に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるようにしてもよい。一例として、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第1個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。一方、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉は、第1期間よりも短い第2期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第2個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。
大当り遊技状態であるときに実行される全部のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で変化させる第1大当り状態と、大当り遊技状態であるときに実行される一部のラウンドにて大入賞口を第2変化態様で変化させる第2大当り状態とを設けてもよい。一例として、第1大当り状態と第2大当り状態は、いずれもラウンドの上限回数が「16」であるものの、第1大当り状態では16回のラウンドの全部にて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させる一方、第2大当り状態では16回のラウンドのうち6回のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させた後、残り10回のラウンドでは大入賞口を第2変化態様で開放状態に変化させてもよい。このように、第1大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる一方、第2大当り状態であるときには、所定期間にて大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われてもよい。
例えば16R大当り状態における遊技のように、多数の遊技球が大入賞口を通過し易い遊技状態における遊技は、6R大当り状態における所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技となる。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態として6R大当り状態と16R大当り状態のいずれに制御されるかに応じて、所定遊技と、所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技とを実行可能である。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示状態、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作のいずれか、あるいはこれらの一部又は全部の組み合わせといった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
本実施形態では、一例として、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。本実施形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定の大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が同一である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
確定特別図柄として導出される特別図柄が16R大当り図柄と6R大当り図柄のいずれであるかに応じて、大当り組み合わせとして停止表示される飾り図柄を異ならせてもよい。一例として、16R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、「1」〜「8」の飾り図柄の全部を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択される一方、6R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択されてもよい。この場合、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されることにより、16R大当り状態となることが確定的に報知される。一方、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されたときには、16R大当り状態となるか6R大当り状態となるかを遊技者が認識不可能又は認識困難となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄が6R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第1大当り」の可変表示態様と称される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄が16R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第2大当り」の可変表示態様と称される。また、第1大当りの可変表示態様が表示された後に制御される大当り遊技状態は、第1大当り遊技状態と称され、第2大当りの可変表示態様が表示された後に制御される大当り遊技状態は、第2大当り遊技状態と称される。
本実施形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変制御が行われる確変状態に制御される。確変制御とは、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り遊技状態に制御される確率)を通常状態(通常遊技状態、低確低ベース状態とも称する)よりも向上させる制御である。即ち、確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高められ、大当り遊技状態に制御される確率が高くなる。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態(パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる遊技状態)である。また、時短状態とは、高開放制御(後述)や時短制御(後述)が行われる遊技状態である。以下、高開放制御又は時短制御のうち少なくとも一方が行われる遊技状態を時短状態と称する。
また、本実施形態では、大当り遊技状態が終了した後には、高開放制御及び時短制御の両方が共に行われる時短状態に制御される。高開放制御とは、普通入賞球装置6Aが拡大開放状態となる頻度を通常状態よりも向上させる制御である。即ち、高開放制御が行われることにより、通常状態よりも普通入賞球装置6Aが拡大開放状態となる頻度が高められ、第2始動条件が成立する可能性が高くなる。具体的には例えば、高開放制御では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御のうち、いずれか1つの制御が行われるようにしてもよいし、2つ以上の制御が行われるようにしてもよい。また、時短制御とは、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間を通常状態に比べて短縮させる制御である。即ち、時短制御が行われることにより、通常状態よりも特図ゲームにおける特別図柄の変動時間が短くなり、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を導出表示するまでの時間が早くなる。高開放制御及び時短制御の両方が共に行われた場合には、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立し易くなると共に第2特図を用いた特図ゲームの変動時間が短縮されるため、次に可変表示結果が「大当り」となるまでに減少する遊技球数と、次に可変表示結果が「大当り」となるまでに要する時間とを節約(圧縮、低減)することができる。
つまり、本実施形態では、大当り遊技状態が終了した後には、確変状態に制御されると共に、時短状態に制御される。換言すれば、大当り遊技状態が終了した後には、確変制御と共に、時短制御や高開放制御が行われる。
また、本実施形態では、確変制御が行われる確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。但し、可変表示結果が再び「大当り」となった場合には、上述したように、大当り遊技状態が終了した後に、再び確変状態に制御される。
また、本実施形態では、高開放制御及び時短制御の両方が共に行われる時短状態は、確変制御が終了するときに終了する。即ち、高開放制御や時短制御は、確変制御と共に終了する。
なお、確変状態でもあり時短状態でもある遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変状態であって時短状態ではない遊技状態は、高確低ベース状態とも称される。時短状態であって確変状態ではない遊技状態は、低確高ベース状態とも称される。時短状態でも確変状態でもない遊技状態は、低確低ベース状態(通常状態)とも称される。遊技状態が高確高ベース状態や高確低ベース状態であるときには、各特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる確率が通常よりも高くなることにより、低確低ベース状態(通常状態)に比べて大当り遊技状態となり易くなる。また、遊技状態が高確高ベース状態や低確高ベース状態であるときには、各特図ゲームにおける特図変動時間が短縮されると共に第2開始条件が成立し易くなることにより、低確低ベース状態(通常状態)に比べて大当り遊技状態となり易くなる。このように、高確高ベース状態や高確低ベース状態や低確高ベース状態は、遊技者にとって有利な有利状態である。また、高開放制御又は時短制御のうち少なくとも一方が行われる遊技状態を時短状態と称すると説明したが、有利状態には、高開放制御又は時短制御のうちいずれかの制御のみが行われる遊技状態も含まれる。また、確変状態(高確高ベース状態、高確低ベース状態)は、特別遊技状態とも称される。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるものとする。
また、本実施形態では、高開放制御や時短制御は、確変制御と共に終了すると説明したが、これに限定されない。例えば、高開放制御(時短制御も同様)は、確変制御が終了するより後に(遅く)、又は、確変制御が終了するよりも前に(早く)、終了するものであってもよい。例えば、確変状態については、所定回数(例えば、100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了することとし、高開放制御(時短制御も同様)については、確変制御の上記所定回数(例えば、100回)よりも多い所定回数(例えば、120回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するようにしてもよいし、確変制御の上記所定回数(例えば、100回)よりも少ない所定回数(例えば、80回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するようにしてもよい。なお、例えば、大当り図柄等の種類に応じて大当り遊技状態が終了した後の確変制御に係る上記所定回数、高開放制御に係る上記所定回数、時短制御に係る上記所定回数を決定してもよい。つまり、例えば、ある大当り図柄による大当り遊技状態が終了した後には、高開放制御や時短制御が確変制御と共に終了し、他の大当り図柄による大当り遊技状態が終了した後には、高開放制御や時短制御が確変制御とよりも後(又は前)に終了するようにしてもよい。なお、高開放制御は、時短制御と共に終了するものでなくてもよい。即ち、高開放制御は、時短制御が終了するより後に、又は、時短制御が終了するよりも前に、終了するものであってもよい。
また、本実施形態では、大当り遊技状態が終了した後には、確変制御と共に時短制御や高開放制御が行われると説明したが、これに限定されない。例えば、大当り遊技状態が終了した後には、確変制御、時短制御、高開放制御のうちの1つ又は2つの制御が行われてもよい。例えば、大当り図柄等の種類に応じて、大当り遊技状態が終了した後に確変制御を行うか否か、高開放制御を行うか否か、時短制御を行うか否かを決定してもよい。
なお、大当り遊技状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態は、遊技者にとって有利な有利状態であると説明したが、遊技者にとって有利な有利状態はこれに限定されない。例えば、本実施形態において、突確(突然確変)、小当りなどを設ける場合には、突確、小当りなども、遊技者にとって有利な有利状態に含まれる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24Aからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンドは一例であって、他のコマンドを用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。上記「8001H」の「H」は「8001」が16進数であることを示している。他のコマンドについても同様である。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。上記「81XXH」におけるEXTデータの「XX」は、不特定の値であることを示し、コマンドの内容に応じて任意に設定される値である。例えば、変動パターン指定コマンドでは、当該変動パターン指定コマンドにおいて指定する変動パターン等に応じて異なるEXTデータが設定される。他のコマンドにおけるEXTデータの「XX」についても同様である。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止を指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド95XXHは、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生時における所定の判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドである。本実施形態では、始動入賞の発生時に抽出した所定の乱数値について、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定し、その判定結果に応じて異なるデータが、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば6R大当り状態や16R大当り状態におけるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB0XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンドB000Hを低確低ベース状態に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンドB001Hを低確高ベース状態に対応した第2遊技状態指定コマンドとし、コマンドB002Hを高確低ベース状態に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンドB003Hを高確高ベース状態に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるものとしているため、低確高ベース状態に対応した第2遊技状態指定コマンドや高確低ベース状態に対応した第3遊技状態指定コマンドは使用しない。
コマンドB1XXHは、大当りとなることなくパチンコ遊技機1における遊技状態が高確高ベース状態から低確低ベース状態に移行し、確変の終了を指定する確変終了指定コマンドである。大当りとなることなく遊技状態が高確高ベース状態(確変状態)から低確低ベース状態に移行して確変が終了すると、大当りの連荘が終了する。このため、大当りとなることなく遊技状態が高確高ベース状態(確変状態)から低確低ベース状態に移行して確変が終了することが連荘終了条件となる。連荘終了条件が成立したときに、確変終了指定コマンドがセットされる。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
コマンドD0XXHは、大入賞口への遊技球の入賞があったことを通知する大入賞口入賞通知コマンドである。大入賞口入賞通知コマンドは、例えば、大入賞口を遊技球が通過したときに、主基板11から演出制御基板12へと送信される。
コマンドD1XXHは、一般入賞口への遊技球の入賞があったことを通知する一般入賞口入賞通知コマンドである。一般入賞口入賞通知コマンドは、例えば、一般入賞口を遊技球が通過したときに、主基板11から演出制御基板12へと送信される。
本実施形態では、第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過することにより第1始動入賞が発生したときに、第1始動条件が成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過することにより第2始動入賞が発生したときに、第2始動条件が成立したことに基づいて、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドを、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信することに加えて、第1特図保留記憶数の減少を通知するものとして送信してもよい。即ち、第1始動条件に加えて第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数の減少を通知するものとして、第1保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、第2保留記憶数通知コマンドを、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信することに加えて、第2特図保留記憶数の減少を通知するものとして送信してもよい。即ち、第2始動条件に加えて第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特図保留記憶数の減少を通知するものとして、第2保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、第1始動条件が成立したことに基づいて第1保留記憶数通知コマンドに加えて第2保留記憶数通知コマンドを送信し、第2始動条件が成立したことに基づいて第2保留記憶数通知コマンドに加えて第1保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、第1始動条件又は第2始動条件のいずれかが成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして、第1保留記憶数通知コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドの両方を送信するようにしてもよい。同様に、第1開始条件又は第2開始条件のいずれかが成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数の減少を通知するものとして、第1保留記憶数通知コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドの両方を送信するようにしてもよい。
また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、又は、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに加えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加又は減少を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて合計保留記憶数通知コマンドを送信する場合には、第1始動条件又は第2始動条件のいずれが成立したか(第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したか)を指定する始動口入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、第1開始条件の成立や第2開始条件の成立は、上述の第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドによって指定される。
本実施形態では、始動入賞判定処理において、始動入賞の発生に基づき抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1がいずれの数値範囲に含まれるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに、乱数値MR1の判定結果を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値を取る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値を取る。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「251」の範囲の値を取る。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「997」の範囲の値を取る。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値を取る。
図5は、入賞口の種別ごとの可動態様と払出球数との関係を示す図である。第1始動入賞口(普通入賞球装置6A)は、常に一定の開放状態に保たれる始動領域であり、いわば固定式の入賞口である。第2始動入賞口(普通可変入賞球装置6B)は、ソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化するいわば可動式の入賞口である。一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)は、第1始動入賞口(普通入賞球装置6A)と同様の固定式の入賞口である。大入賞口(特別可変入賞球装置7)は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって大入賞口扉が開閉駆動されるいわば可動式の入賞口である。第1始動入賞口(普通入賞球装置6A)及び一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)は、固定式の入賞口であり、状態によらず遊技球の入賞割合がほぼ一定となっている。第2始動入賞口(普通可変入賞球装置6B)及び大入賞口(特別可変入賞球装置7)は、可動式の入賞口であり、開閉状態によって遊技球の入賞割合が大きく変化するようになっている。
第1始動入賞口(普通入賞球装置6A)に遊技球が入賞した場合に払い出される遊技球の数は3個である。第2始動入賞口(普通可変入賞球装置6B)に遊技球が入賞した場合に払い出される遊技球の数は3個である。一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)に遊技球が入賞した場合に払い出される遊技球の数は6個である。大入賞口(特別可変入賞球装置7)に遊技球が入賞した場合に払い出される遊技球の数は15個である。このため、第1始動入賞口(普通入賞球装置6A)や第2始動入賞口(普通可変入賞球装置6B)に遊技球が入賞した場合、あるいは一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)でも、あまり多くの遊技球が払い出されない。その一方、大入賞口(特別可変入賞球装置7)に遊技球が入賞することにより、多くの遊技球が払い出される。
図6は、本実施形態における変動パターンを示している。本実施形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンと称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンと称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα又はスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図7は、本実施形態における変動パターン種別を示している。図6に示す各変動パターンは、図7に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様等に基づいて分類された単一又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類で分類して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否か等に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間等に応じて、分類してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図7に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つ又は複数の変動パターンが分類される。図6に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図11に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。即ち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図6に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。
図8は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1において確変制御が行われない遊技状態(例えば、低確低ベース状態又は低確高ベース状態。本実施形態では低確高ベース状態とはならないので低確低ベース状態)であるか、確変制御が行われる遊技状態(例えば、高確低ベース状態又は高確高ベース状態。本実施形態では高確低ベース状態とはならないので高確高ベース状態)であるかという確変制御の有無に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。特図表示結果決定テーブル130において、複数種類の特図表示結果に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。
図8に示す特図表示結果決定テーブル130の設定例では、確変制御が行われる遊技状態(図7中の「確変制御あり」)には、確変制御が行われない遊技状態(図中の「確変制御なし」)よりも多くの決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変状態であるときには、確変状態でないときに比べて、特図表示結果が「大当り」と決定される確率が高くなる。
本実施形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において同一のテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、所定の特図表示結果に対する決定値の割り当てを異ならせた夫々のテーブルデータを参照して特図表示結果が決定してもよい。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの場合とで、特図表示結果の決定割合を異ならせることができる。
図9は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示が行われた特別図柄が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、「第1大当り」又は「第2大当り」といった大当り種別に割り当てられている。なお、図9に示すように、大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値を、決定された大当り種別に対応する値に設定するためのテーブルデータを含んでもよい。
図9に示す大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「第1大当り」又は「第2大当り」の大当り種別に対する決定値の割り当てが異なっている。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「第1大当り」又は「第2大当り」に決定する割合を、異ならせることができる。
なお、本実施形態では、上述したように、複数種類の大当り種別に対する決定値の割り当てが異なるテーブルデータを2種類用意し、第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて2種類のテーブルデータのうちのいずれかを参照して大当り種別を決定するが、大当り種別の決定方法はこれに限定されない。例えば、複数種類の大当り種別に対する決定値の割り当てが同一のテーブルデータを1種類用意し、第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、当該同一のテーブルデータを参照して大当り種別を決定してもよい。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。本実施形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図10(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図10(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図10(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「第1大当り」である場合と「第2大当り」である場合とでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別3−3に対する決定値の割り当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、本実施形態では、図10(A)に示したように、夫々の変動パターン種別は、大当り種別が「第1大当り」である場合にも「第2大当り」である場合にも決定され得るが、ある変動パターン種別について、特定の大当り種別である場合に限って決定されるようにしてもよい。つまり、「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれか一方に決定値が割り当てられている変動パターン種別を設けるようにしてもよい。これにより、ある大当り種別に決定された場合に、他の大当り種別に決定された場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、本実施形態では、変動パターン種別の決定割合は大当り種別に応じて異ならせているが、変動パターン種別の決定割合はこれに限定されない。例えば、大当り種別と遊技状態とに応じて変動パターン種別の決定割合を異ならせてもよい。また、大当り種別とは無関係に、遊技状態に応じて変動パターン種別の決定割合を異ならせてもよい。また、大当り種別や遊技状態に関係しない共通の決定割合により変動パターン種別を決定してもよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が、低確低ベース状態又は低確高ベース状態(本実施形態では低確高ベース状態とはならないので低確低ベース状態)であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、例えば遊技状態が高確低ベース状態又は高確高ベース状態(本実施形態では高確低ベース状態とはならないので高確高ベース状態)であるときに使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、決定値が割り当てられている変動パターン種別の種類や、同一の変動パターン種別に割り当てられている決定値の数を異ならせている。これにより、ある遊技状態であるときに他の遊技状態であるときとは異なる変動パターン種別に決定することができる。また、遊技状態に応じた決定割合で変動パターン種別を決定することができる。
図11は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値が、単一又は複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過して始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過して始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データ等を保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部又は全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出等における演出表示操作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
図13(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御基板12に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値であって、各演出動作の実行期間に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御基板12において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されることといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図13(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させると共に、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うと共に、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータが設定されてもよい。
図13(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターンをセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出又は大当り中演出といった演出の実行を開始するとき等に、対応する演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新される毎に、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nの内容に従って、演出装置の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜演出制御プロセスタイマ判定値#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13等に対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13等では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図14(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図14(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193に設けられるカウンタには、例えば、大入賞口入賞回数カウンタ、今回賞球数表示カウンタ、累積賞球数表示カウンタ、第1大当り用連荘回数カウンタ、第2大当り用連荘回数カウンタなどがある。また、大入賞口入賞回数カウンタ、今回賞球数表示カウンタ、累積賞球数表示カウンタの各カウント値は、それぞれ大入賞口入賞回数カウント値、今回賞球数表示カウント値、累積賞球数表示カウント値、第1大当り連荘回数カウント値、第2大当り連荘回数カウント値として所定の領域に記憶される。また、大当りの連荘が生じた場合、今回賞球数表示カウンタのカウント値としては、過去50回分が過去賞球数表示カウント値が記憶される。過去賞球数表示カウント値としては、1回前賞球数表示カウント値〜50回前賞球数表示カウント値が記憶される。第1連荘回数カウント値としては、第1大当りの連荘回数が記憶され、第2連荘回数カウント値としては、第2大当りの連荘回数が記憶される。また、演出制御カウンタ設定部193では、過去賞球数表示カウント値とともに、当該過去賞球数カウント値に対応する大当り種別(第1大当りまたは第2大当り)が記憶される。なお、大当りの連荘とは、連荘終了条件が発生するまでの間における大当りが複数回発生することをいう。連荘終了条件は適宜設定することができるが、本実施形態では、大当り遊技状態に移行することなく確変遊技状態が終了するに設定することができる。連荘中における連荘回数は、第1大当り連荘回数カウント値及び第2大当り連荘回数カウント値に基づいて判断され、第1大当り連荘回数カウント値と第2大当り連荘回数カウント値とを加算した数が連荘中における連荘回数となる。なお、第1大当り用連荘回数カウンタと第2大当り用連荘回数カウンタとをまとめて連荘回数カウンタを設けるようにしてもよい。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図14(B1)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ194Aと、図14(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bとを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2特図保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞があったときには、第1保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、第2保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンドを対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンドを対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信したコマンドを、その受信順序に従って第1始動入賞時コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの空き領域に格納していく。例えば、第1始動入賞に基づく第1始動入賞時コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第1保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。一方、第2始動入賞に基づく第2保留記憶数通知コマンド及び入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第2保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。
第1始動入賞や第2始動入賞の発生時には、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図14(B1)及び(B2)に示すようなバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図14(B1)ではバッファ番号「1」及び「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納され、図14(B2)ではバッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始する毎に、1つ目の格納領域に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図14(B1)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされると共に、バッファ番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図14(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのうち、バッファ番号「3」に対応した領域については、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。即ち、第2保留記憶数通知コマンドで通知された第2特図保留記憶数よりもバッファ番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第2特図保留記憶数が第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容から特定される第2特図保留記憶数と矛盾している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりもバッファ番号が小さな値になっても直ちに矛盾とはならない。但し、コマンドの受信時点における相違は矛盾となり得る。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、図15に示すステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図17は、図16のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図17に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否か、更には可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部又は全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、ステップS209の処理により抽出した数値データに示される特図表示結果決定用の乱数値MR1が、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS212)。本実施形態では、複数の数値範囲として、「8001〜8437」の範囲、「8438」〜「11277」の範囲、及びこれら以外の範囲が予め設定されている。一例として、ステップS212の処理では、それぞれの数値範囲における最小値と最大値とを設定して、ステップS209の処理により抽出した乱数値MR1との比較により、いずれの数値範囲内に含まれるかを判定できればよい。
ステップS212の処理を実行した後には、入賞時判定結果指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS213)。図18は、ステップS213の処理にて送信設定が行われる入賞時判定結果指定コマンドの構成例を示している。図18に示す入賞時判定結果指定コマンドでは、ステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1が複数の数値範囲のいずれに含まれるかの判定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の範囲内に含まれることを示す入賞時判定結果第1指定コマンドである。コマンド9501Hは、乱数値MR1が「8438」〜「11277」の範囲内にあることを示す入賞時判定結果第2指定コマンドである。コマンド9502Hは、乱数値MR1が上記以外の範囲内に含まれることを示す入賞時判定結果第3指定コマンドである。
本実施形態では、図8に示すように、パチンコ遊技機1において確変制御が行われているか否かにかかわらず、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の値のいずれかであれば、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第1指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるか否かにかかわらず可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。乱数値MR1が「8438」〜「11277」の値のいずれかであれば、パチンコ遊技機1において確変制御が行われている場合に限り、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第2指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。入賞時判定結果第3指定コマンドは、可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態には制御しないと決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
こうした始動入賞判定処理では、ステップS211の処理を実行した後に、ステップS213の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図15に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、保留記憶数通知コマンド及び入賞時判定結果指定コマンドという2つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込み内に一括して送信される。なお、1タイマ割込み内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込み毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図16のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行される毎に、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動時間タイマの格納値である特図変動時間タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、演出制御基板12の側において実行されるファンファーレ演出(大当り遊技状態の開始を報知する演出、大当り開始時演出ともいう)の実行時間の終了までの待ち時間(大当り開始時演出待ち時間)が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。大入賞口を開放状態とするための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出制御基板12の側において実行されるエンディング演出(大当り遊技状態の終了を報知する演出、大当り終了時演出ともいう。)の実行時間の終了までの待ち時間(大当り終了時演出待ち時間)が経過するまで待機する処理や、確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図19は、図16のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS213の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」又は「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた確変フラグ(後述)の状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態であるか否かを特定すればよい。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;YES)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが「第1大当り」又は「第2大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種類のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値を設定すること等により(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「第1大当り」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「第2大当り」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;NO)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」又は「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「第1大当り」とする決定結果に応じて、6R大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第2大当り」とする決定結果に応じて、16R大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図20は、図16のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;YES)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ること等により、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261で大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;NO)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグ(後述)がオンであるか否かを判定すること等により、時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。時短制御中ではないときには(ステップS264;NO)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;YES)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS266)。なお、ステップS265、S266の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ること等により、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファ等に格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等に基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。
即ち、大当りフラグがオンであるときには、ステップS262にて選択された大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定する。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS265にて選択されたハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、又は、ステップS265にて選択されたハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cのうちから、合計保留記憶数に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定する。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268でセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。
変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等から抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3と共に、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。具体的には、CPU103は、特図変動時間タイマのタイマ初期値として、ステップS269にて決定された変動パターンに応じた特図変動時間をセットすればよい。なお、特図変動時間タイマのタイマ値は、タイマ割込み毎に1減算するようにしているため、タイマ初期値としてセットする値は、割込周期Tに基づく値となる。例えば、割込周期がTmsであれば、1秒間の割込みの発生回数は1000/T(回)であるため、1秒間のタイマ初期値は1000/Tとなる。例えば、割込周期Tが4msであれば、1秒間のタイマ初期値は「250」となる。なお、主基板11側の他の各タイマ(例えば、特図確定表示時間タイマ等)のタイマ初期値や演出制御基板12の各タイマ(例えば、報知制限時間タイマ等)のタイマ初期値についても同様である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図21は、図16のステップ113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、ステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;NO)、CPU103は、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。続いて、CPU103は、図柄確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。続いて、CPU103は、確定特別図柄の停止表示時間である特図確定表示時間を設定する(ステップS294)。具体的には、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられている特図確定表示時間タイマの格納値である特図確定表示時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の特図確定表示時間をセットすればよい。なお、本実施形態では、変動パターンに関係する時間が特図変動時間であり、特図確定表示時間は変動パターンに関係しない時間(例えば、一定時間)としているが、特図変動時間に加えて特図確定表示時間も変動パターンに関係する時間としてもよい。例えば、特図変動時間と特図確定表示時間との合計時間が変動パターンに応じた時間とし、変動パターンに応じて特図変動時間タイマのタイマ初期値と特図確定表示時間タイマのタイマ初期値をセットしてもよい。
ステップS294の処理に続いて、CPU103は、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;YES)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。ステップS296の処理では、例えば、ステップS294にてタイマ初期値がセットされた特図変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(特図変動時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;NO)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;YES)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;YES)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS299)。具体的には、遊技制御タイマ設定部153に設けられている大当り開始時演出待ち時間タイマの格納値である大当り開始時演出待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の大当り開始時演出待ち時間をセットすればよい。
ステップS299の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。続いて、CPU103は、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた大当り開始時フラグをオン状態にセットする(ステップS302)。続いて、CPU103は、時短状態や確変状態を終了するための設定を行う(ステップS303)。ステップS303の処理では、例えば、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグや確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた時短回数カウンタをクリアして時短回数カウント値を「0」に初期化する処理や、確変回数カウンタをクリアして確変回数カウント値を「0」に初期化する処理等が実行されればよい。
本実施形態では、時短フラグは、高開放制御及び時短制御が行われる時短状態に制御されるときにオン状態にセットされ、時短状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。即ち、時短フラグがオン状態であることは遊技状態が時短状態であることを示し、高開放制御と時短制御が行われる。また、確変フラグは、確変制御が行われる確変状態に制御されるときにオン状態にセットされ、確変状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。即ち、確変フラグがオン状態であることは遊技状態が確変状態であることを示し、確変制御が行われる。また、時短回数カウンタは、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタである。確変回数カウンタは、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS303の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS304)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化(遷移)を演出制御基板12の側に通知することができる。なお、本実施形態では遊技状態が変化した場合でも変化しなかった場合でも遊技状態指定コマンドを送信するようにしているが、遊技状態が変化した場合(例えば、時短状態や確変状態から通常状態に変化した場合等)に限って遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、演出制御基板12の側では、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドの内容から現在の遊技状態を特定(遊技状態が変化したことの特定も含む)するが、遊技状態指定コマンドに代えて当り開始指定コマンドを受信したことにより現在の遊技状態を特定してもよい。この場合には、ステップS304の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS305)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;NO)、時短状態や確変状態を終了させるか否かの判定を行う(ステップS306)。例えば、ステップS306の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算して更新する。更新後の時短回数カウント値が時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。更新後の時短回数カウント値が時短終了判定値と合致しない場合には時短状態を終了させないと判定し、合致した場合には時短状態を終了させると判定してもよい。また、ステップS306の処理では、確変フラグがオンであるときに、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値を、例えば1減算して更新する。更新後の確変回数カウント値が確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。更新後の確変回数カウント値が確変終了判定値と合致しない場合には確変状態を終了させないと判定し、合致した場合には確変状態を終了させると判定してもよい。なお、時短状態を終了させると判定した場合には、時短フラグをクリアしてオフ状態とし、時短状態(時短制御、高開放制御)を終了させる。また、確変状態を終了させると判定した場合には、確変フラグをクリアしてオフ状態とし、確変状態(確変制御)を終了させる。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるものとしているため、時短フラグがオンであるときには確変フラグがオンとなり、時短フラグがオフであるときには確変フラグがオフとなり、確変フラグがオンであるときには時短フラグがオンとなり、確変フラグがオフであるときには時短フラグがオフとなるように、確変回数カウンタに設定する初期値と時短回数カウンタに設定する初期値とを同じ値(例えば、100回)にしている(大当り終了処理のステップS322、S323)。
ステップS306の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS307)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化(遷移)を演出制御基板12の側に通知することができる。なお、本実施形態では遊技状態が変化した場合でも変化しなかった場合でも遊技状態指定コマンドを送信するようにしているが、遊技状態が変化した場合(例えば、時短状態や確変状態から通常状態に変化した場合等)に限って遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、演出制御基板12の側では、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドの内容から現在の遊技状態を特定(遊技状態が変化したことの特定も含む)するが、これに代えて主基板11の側とは独立して演出制御基板12の側で可変表示の実行回数をカウントすること等により現在の遊技状態を特定できるようにしてもよい。この場合には、ステップS307の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、ステップS306で確変状態を終了させると判定した場合には、確変終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS308)。なお、確変状態を終了させないときには、確変終了コマンドを送信するための設定は行わない。また、大当りフラグオンとなっているときに確変状態が終了しても(ステップS303)、確変終了コマンドを送信するための設定は行わない。そして、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS309)、特別図柄停止処理を終了する。
図22は、図16のステップS114にて実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始時フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS131)。ここで、大当り開始時フラグは、図16に示すステップS113の特別図柄停止処理にて、大当りフラグがオンであることに対応してオン状態にセットされる。
ステップS131にて大当り開始時フラグがオンでなければ(ステップS131;NO)、入賞口判定処理(図25参照)を実行し(ステップS220)、ステップS138に進む。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS114の大当り開放後処理においても入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)を好適に検出することができる。例えば、次回開放待機中(ステップS138(YES)である間)においてオーバー入賞を好適に検出することができる。なお、入賞口判定処理については後述する。
ステップS131にて大当り開始時フラグがオンであれば(ステップS131;YES)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS132)。ステップS132の処理では、例えば、特別図柄停止処理のステップS299にてタイマ初期値がセットされた大当り開始時演出待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(大当り開始時演出待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。
大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS132;NO)、大当り開放前処理を終了する。大当り開始時演出待ち時間が経過していれば(ステップS132;YES)、CPU103は、大当り開始時フラグをクリアする(ステップS134)。続いて、CPU103は、大入賞口開放回数カウンタをクリアする(ステップS135)。具体的には、大入賞口開放回数カウント値を「1」に初期化する。続いて、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS136)。
ステップS136の処理に続いて、ステップS136にて読み出した大当り種別バッファ値に対応した開放制御パターンを設定する(ステップS137)。このときには、例えば図23(A)に示すように、大当り種別バッファ値が「1」であれば、開放KP1の開放制御パターンを設定する。これに対して、大当り種別バッファ値が「2」であれば、開放KP2の開放制御パターンを設定する。
ステップS137の処理又はステップS220の処理に続いて、CPU103は、次回開放待機中であるか否かを判定する(ステップS138)。即ち、次回ラウンドとして大入賞口を開放するまでのインターバル期間中であるか否かを判定する。ステップS138の処理では、例えば、大当り開放後処理のステップS366にてタイマ初期値がセットされたラウンド開始待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(ラウンド開始待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。次回開放待機中であれば(ステップS138;YES)、即ちインターバル期間が終了していない場合には、大当り開放前処理を終了する。
一方、次回開放待機中でなければ(ステップS138;NO)、即ちインターバル期間が終了した場合には、CPU103は、大入賞口の開放の開始を制御する(ステップS139)。例えば、CPU103は、ステップS137にて設定した開放制御パターンと大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値に基づいて大入賞口を開放状態とする開放時間を設定するとともに、大入賞口が開放状態になるように設定する。具体的には、ステップS139の処理では、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられている開放時間タイマの格納値である開放時間タイマ値のタイマ初期値としてステップS137にて設定した開放制御パターンの大入賞口開放時間(開放状態とする上限時間)をセットすればよい。例えば図23(B)に示した開放KP1の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が「1」〜「6」のときにおいてのみ、タイマ初期値として29.5秒をセットし、また例えば図23(B)に示した開放KP2の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が「1」〜「16」のいずれのときにおいても、タイマ初期値として29.5秒をセットすればよい。また、ステップS139の処理では、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号が出力開始とされること等により、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態に設定すればよい。
ステップS139の処理に続いて、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放中通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS140)。続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS141)、大当り開放前処理を終了する。
図24は、図16のステップS115にて実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS121;NO)、入賞口判定処理を実行する(ステップS220)。図25は、図22の大当り開放前処理(ステップS114)、図24の大当り開放中処理(ステップS115)、図26の大当り開放後処理(ステップS116)、図27の大当り終了処理(ステップS117)にて実行される入賞口判定処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示す入賞口判定処理において、CPU103は、まず、カウントスイッチ23から伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS221)。
カウントスイッチ23がオンでない場合(ステップS221;NO)には、ステップS225に進む。
カウントスイッチ23がオンである場合には(ステップS221;YES)、演出制御基板12に対して大入賞口への遊技球の入賞を通知するための大入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS222)。続いて、特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であるか否かを判定する(ステップS223)。特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”でなければ(ステップS223;NO)、ステップS225に進む。
特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であれば(ステップS223;YES)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた入賞個数カウンタの格納値である入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS224)。なお、入賞個数カウント値は、1回のラウンド遊技が実行される間にカウントスイッチ23により検出された遊技球の個数を示すものであればよい。
続いて、一般入賞口スイッチ24Aから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS225)。一般入賞口スイッチ24Aがオンでない場合(ステップS225;NO)には、入賞口判定処理を終了する。一般入賞口スイッチ24Aがオンである場合(ステップS225;YES)、演出制御基板12に対して一般入賞口への遊技球の入賞を通知するための一般入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS226)。そして、入賞口判定処理を終了する。
図24に戻る。図25に示した入賞口判定処理に続いて、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(本実施形態では「10」)に達したか否かを判定する(ステップS126)。入賞上限判定値に達していなければ(ステップS126;NO)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS121にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS121;YES)、ステップS126にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS126;YES)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS127)。このときには、ソレノイド82に対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS127の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアして入賞個数カウント値を「0」に初期化する(ステップ128)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した“6”に更新してから(ステップS129)、大当り開放中処理を終了する。
図26は、図16のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、図25に示した入賞口判定処理を実行する(ステップS220)。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS116の大当り開放後処理においても入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)を好適に検出することができる。
図25に示した入賞口判定処理を実行した後には、CPU103は、大入賞口開放回数カウント値が1加算されるように更新する(ステップS364)。続いて、更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値となったか否かを判定する(ステップS365)。
なお、ステップS365の上記「最大値」は更新後の大入賞口開放回数カウント値と比較されるものであり、また大入賞口開放回数カウント値の初期値は「1」であるため、上記「最大値」は、ラウンドの上限回数に1を加算した数である。例えば、ラウンドの上限回数が6回である第1大当りの場合には上記「最大値」は「7」、ラウンドの上限回数が16回である第2大当りの場合には上記「最大値」は「17」である。なお、更新後の大入賞口開放回数カウント値ではなく更新前の大入賞口開放回数カウント値と「最大値」とを比較してもよく、更新前の大入賞口開放回数カウント値と比較する場合には「最大値」をラウンドの上限回数とすればよい。
大入賞口開放回数カウント値が最大値以外であれば(ステップS365;NO)、ラウンド開始待ち時間(インターバル時間)を設定する(ステップS366)。具体的には、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられているラウンド開始待ち時間タイマの格納値であるラウンド開始待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定のラウンド開始待ち時間をセットすればよい。続いて、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放後通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS367)。ステップS367の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS368)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS365の処理により更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値であると判定されるまでは、図16に示すステップS114〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。また、ステップS366の処理にてラウンド開始待ち時間を設定することにより、当該ラウンド開始待ち時間が経過するまで図16に示すステップS114の処理にて次回開放待機中となるため(ステップS138;YES)、所望のインターバル期間を置いて次のラウンドを開始させることができる。
ステップS365にて大入賞口開放回数カウント値が最大値であるときには(ステップS365;YES)、大当り終了時演出待ち時間を設定する(ステップS369)。具体的には、遊技制御タイマ設定部153に設けられている大当り終了時演出待ち時間タイマの格納値である大当り終了時演出待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の大当り終了時演出待ち時間をセットすればよい。続いて、演出制御基板12に対して当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS370)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS371)、大当り開放後処理を終了する。このように、ステップS369の処理にて大当り終了時演出待ち時間を設定することにより、図16に示すステップS117の処理にて、演出制御基板12の側において実行されるエンディング演出の終了に応じて、図16に示すステップS110の特別図柄通常処理を実行させることができる。
図27は、図16のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(S321)。ステップS321の処理では、例えば、大当り開放後処理のステップS369にてタイマ初期値がセットされた大当り終了時演出待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(大当り終了時演出待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;NO)、図25に示した入賞口判定処理を実行し(ステップS220)、大当り終了処理を終了する。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS117の大当り終了処理においても入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)について好適に検出することができる。
ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;YES)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS322)。具体的には、ステップS322の処理では、確変フラグをオン状態にセットし、確変制御を実行可能な特図ゲームの上限値に相当する初期値(例えば、100回)を確変回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、時短制御や高開放制御を開始するための設定を行う(ステップS323)。具体的には、ステップS323の処理では、時短フラグをオン状態にセットし、時短制御や高開放制御を実行可能な特図ゲームの上限値に相当する初期値(例えば、100回)を時短回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS324)。これにより、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を、演出制御基板12の側に対して通知することができる。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS325)、大当り終了処理の実行を終了する。
なお、大当り終了処理により高開放制御を開始するための設定が行われた場合、図14に示すステップS16の普通図柄プロセス処理では、高開放制御を行うための処理が実行される。例えば、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるようにしてもよい。一例として、時短フラグがオンである場合に参照する「普図当り」に割り当てられている決定値(普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データと比較される値)の数が、時短フラグがオンでない場合に参照する「普図当り」に割り当てられている決定値(普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データと比較される値)の個数よりも多い、普図表示結果決定テーブルを用いることにより、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるようにしてもよい。また例えば、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普通図柄の可変表示時間が短くなるようにしてもよい。また、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図28のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図28に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図29及び図30は、図28のステップS74にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図29に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、例えば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが可変表示結果通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS503)。受信コマンドが可変表示結果通知コマンドであるとき(ステップS503;YES)には、受信した可変表示結果コマンドが大当りに対応するコマンドであるか否かを判定する(S504)。受信した可変表示結果コマンドが大当りに対応するコマンドであるとき(ステップS504;YES)には、賞球数処理フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS505)。賞球数処理フラグがセットされていないとき(ステップS505;NO)には、賞球数処理フラグをセットする(ステップS506)。ステップS503において、受信コマンドが可変表示結果通知コマンドでないとき(ステップS503;NO)ステップS504において、受信した可変表示結果コマンドが大当りに対応するコマンドでないとき(ステップS504;NO)、ステップS505において、賞球数処理フラグがセットされているとき(ステップS505;YES)には、ステップS507に進む。
続いて、受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。大入賞口入賞通知コマンドであるときには(ステップS507;YES)、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられている大入賞口入賞回数カウンタの格納値である大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(ステップS508)。そして、コマンド解析処理を終了する。大入賞口入賞回数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。
ステップS507にて受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドでないときには(ステップS507;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが一般入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS509)。一般入賞口入賞通知コマンドであるとき(ステップS509;YES)には、一般入賞口入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS510)。そして、コマンド解析処理を終了する。一般入賞口入賞個数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、一般入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。
ステップS509にて受信コマンドが一般入賞口入賞通知コマンドでないときには(ステップS509;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが大入賞口開放中通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS511)。大入賞口開放中通知コマンドであるときには(ステップS511;YES)、大入賞口開放中フラグをセットし(ステップS512)、大入賞口入賞回数カウンタをクリアして大入賞口入賞回数カウント値を「0」に初期化して(ステップS513)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS513にて受信コマンドが大入賞口開放中通知コマンドでないときには(ステップS513;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが大入賞口開放後通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS514)。大入賞口開放後通知コマンドであるときには(ステップS514;YES)、大入賞口開放後フラグをセットし(ステップS515)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS514にて受信コマンドが大入賞口開放後通知コマンドでないときには(ステップS514;NO)、図30に示すように、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが当り開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS518)。当り開始指定コマンドであるときには(ステップS518;YES)、当り開始指定コマンド受信フラグ及び賞球数算出実行フラグをセットし(ステップS519)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS518にて受信コマンドが当り開始指定コマンドでないときには(ステップS518;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが当り終了指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS520)。当り終了指定コマンドであるときには(ステップS520;YES)、当り終了指定コマンド受信フラグ及び賞球数算出終了フラグをセットし(ステップS521)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS520にて受信コマンドが当り終了指定コマンドでないときには(ステップS520;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS522)。遊技状態指定コマンドであるときには(ステップS522;YES)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS523)。高確フラグは、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。具体的には、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグを共にオフ状態にする。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるため、受信する遊技状態指定コマンドは、低確低ベース状態を指定する遊技状態指定コマンドか高確高ベース状態を指定する遊技状態指定コマンドのいずれかである。その後、コマンド解析処理を終了する。
ステップS522にて受信コマンドが遊技状態指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS522;NO)、受信コマンドが確変指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS525)。確変終了指定コマンドであるときには(ステップS525;YES)、賞球数処理フラグをクリアする(ステップS526)。また、確変終了指定コマンドを受信したときには、大当りの連荘が終了したと判定して、累積賞球数表示カウンタをクリアして(ステップS527)、今回賞球数表示カウント値を0にした後、コマンド解析処理を終了する。確変終了指定コマンドでないときには(ステップS525;NO)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS528)、コマンド解析処理を終了する。
図31は、図28のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、賞球数関連処理を実行する(ステップS150)。その後、演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
図32は、図31のステップS150にて実行される賞球数関連処理の一例を示すフローチャートである。図32に示すように、賞球数関連処理では、演出制御用CPU120は、賞球数処理フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS601)。賞球数処理フラグがセットされていないときには(ステップS601;NO)、賞球数関連処理を終了する。
ステップS601にて賞球数処理フラグがセットされているときには(ステップS601;YES)、演出制御用CPU120は、賞球数算出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS602)。賞球数算出実行フラグがセットされていないときには(ステップS602;NO)、ステップS604に進む。
賞球数算出実行フラグがセットされているときには(ステップS602;YES)、演出制御用CPU120は、今回賞球数及び累積賞球数を算出する(ステップS603)。今回賞球数とは、今回の大当りで大入賞口(特別可変入賞球装置7)または一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)に遊技球が入賞することによって払い出された賞球の総数である。今回賞球数は、演出制御カウンタ設定部193に設けられた今回賞球数表示カウンタによって計数される。累積賞球数とは、大当りの連荘中に大入賞口(特別可変入賞球装置7)または一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)に遊技球が入賞することによって払い出された賞球の総数である。累積賞球数は、演出制御カウンタ設定部193に設けられた累積賞球数表示カウンタによって更新される。例えば、演出制御用CPU120は、図29及び図30に示したコマンド解析処理(ステップS74)において、大入賞口入賞通知コマンドを受信したときに(ステップS507;YES)、今回賞球数表示カウンタの格納値である今回賞球数表示カウント値及び累積賞球数表示カウンタの格納値である累積賞球数表示カウント値を15加算する。累積賞球数は、確変終了指定コマンドを受信して、賞球数処理フラグがクリアされたときにクリアされる賞球数である。このため、累積賞球数は、大当り遊技状態の連荘中における賞球数の累計値である。
その後、演出制御用CPU120は、賞球数算出終了フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS604)。賞球数算出終了フラグがセットされていないときには(ステップS604;NO)、ステップS607に進む。賞球数算出終了フラグがセットされているときには(ステップS604;YES)、演出制御用CPU120は、賞球数算出実行フラグ及び賞球数算出フラグをクリアする(ステップS605)。
それから、演出制御用CPU120は、今回賞球数を過去賞球数に移行する(ステップS606)。具体的には、演出制御カウンタ設定部193に設けられた今回賞球数表示カウンタのカウント値(今回賞球数表示カウント値)を、過去賞球数表示カウント値に移行するとともに、今回賞球数表示カウンタをクリアして、今回賞球数表示カウント値を0にする。また、演出制御用CPU10は、N回前賞球数表示カウント値(N:整数)を、それぞれ(N+1)回前賞球数表示カウント値に移行し、50回前賞球数表示カウント値を消去する。
続いて、演出制御用CPU120は、賞球数報知を行う(ステップS607)。賞球数報知では、図43(A)に示すように、過去N回(ここでは6回)の大当りのそれぞれにおける過去賞球数及びこれらの累積賞球数が表示される。その後、演出制御用CPU120は、表示切替処理を実行する(ステップS608)。
図33は、図32のステップS608にて実行される表示切替処理の一例を示すフローチャートである。表示切替処理では、大当り中及び確変中に実行される所定演出及び特定演出の内容を切り替える処理が実行される。本実施形態では、所定演出には、第1所定演出と第2所定演出とが設けられており、特定演出には、第1特定演出と第2特定演出とが設けられている。所定演出では、連荘中における賞球数が報知される。また、所定演出がない場合もある。これらの所定演出及び特定演出の具体的な内容については、後にさらに説明する。
表示切替処理では、まず、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの操作があったか否かを判定する(ステップS651)。この判定は、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号がプッシュセンサ35Bから送信されたか否かに基づいて行われる。プッシュボタン31Bの操作がなかった場合、ステップS658に進む。
ステップS651にて、プッシュボタン31Bの操作があったとき(ステップS651;YES)、演出制御用CPU120は、リーチが成立中か否かを判定する(ステップS652)。この判定は、送信された変動パターンコマンド及び当該変動パターン指定コマンドに応じた変動を開始してからの時間等に基づいて行われる。リーチが成立中であるとき(ステップS652;YES)、ステップS658に進む。
ステップS652にて、リーチが成立中でないとき(ステップS652;NO)、演出制御用CPU120は、第1所定演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS653)。第1所定演出が実行中であるとき(ステップS653;YES)、第1所定演出から第2所定演出に演出を切り替える(ステップS654)。その後、ステップS658に進む。第1所定演出が実行中でないとき(ステップS653;NO)、演出制御用CPU120は、第2所定演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS655)。
第2所定演出が実行中であるとき(ステップS655;YES)、演出制御用CPU120は、第2所定演出を所定演出無に切り替える(ステップS656)。その後、ステップS658に進む。第2所定演出が実行中でないとき(ステップS655;NO)、所定演出が無い状態である。このときには、演出制御用CPU120は、所定演出を無の状態から第1所定演出に切り替える。その後、ステップS658に進む。
続いて、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aの操作があったか否かを判定する(ステップS658)。この判定は、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号がコントローラセンサユニット35Aから送信されたか否かに基づいて行われる。また、スティックコントローラ31Aの操作がなかったとき(ステップS658;NO)、表示切替処理を終了する。
ステップS658にて、スティックコントローラ31Aの操作があったとき(ステップS658;YES)、第1特定演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS659)。第1特定演出が実行中であるとき(ステップS659;YES)、特定演出を第2特定演出に切替える(ステップS660)。その後、表示切替処理を終了する。
ステップS659にて、第1特定演出が実行中でないとき(ステップS659;NO)、特定演出として第2特定演出が実行されていることとなる。このときには、特定演出を第1特定演出に切替える(ステップS661)。こうして、表示切替処理を終了する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。例えば、可変表示開始待ち処理においては、所定の演出制御コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、第1変動開始コマンド、又は、第2変動開始コマンド)を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。例えば、可変表示開始設定処理においては、特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンに応じた演出制御パターン等を決定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。例えば、可変表示中演出処理においては、ステップS171の可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて飾り図柄の可変表示等の各種の演出を実行する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。例えば、特図当り待ち処理においては、確定飾り図柄を停止する処理が行われる。大当りとなるときには、ファンファーレ演出を設定する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。ハズレとなるときには、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。例えば、大当り開始処理においては、ファンファーレ演出を実行する処理や、大入賞口が開放状態であるときに実行される開放中演出を設定する処理を行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。例えば、ラウンド中処理においては、開放中演出を実行する処理や、大入賞口が閉鎖状態であるときに実行される閉鎖中演出を設定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。例えば、ラウンド後処理においては、閉鎖中演出を実行する処理や、最終ラウンドでないときは、開放中演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。最終ラウンドであるときには、エンディング演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。例えば、大当り終了後処理においては、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図34は、図31のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップS701)。続いて、演出制御用CPU120は、変動パターンに基づいて演出制御パターンを設定する(ステップS702)。即ち、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。続いて、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS703)。続いて、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた飾り図柄変動時間タイマの格納値である飾り図柄変動時間タイマ値の初期値として、上記変動パターンに応じた飾り図柄変動時間をセットし(ステップS704)、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応する“2”に更新し(ステップS705)、可変表示開始設定処理を終了する。
図35は、図31のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄変動時間タイマ値を1減算し(ステップS710)、飾り図柄変動時間タイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS711)。即ち、飾り図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(飾り図柄変動時間が経過したか否か)を判定する。飾り図柄変動時間タイマ値が0になっていないときは(ステップS711;NO)、可変表示開始設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに応じて可変表示の実行を制御し(ステップS712)、可変表示中演出処理を終了する。飾り図柄変動時間タイマ値が0になったときは(ステップS711;YES)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS173)に対応する“3”に更新し(ステップS713)、可変表示中演出処理を終了する。
図36は、図31のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS720)。図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS720;NO)、特図当り待ち処理を終了する。
図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS720;YES)、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS721)、確定飾り図柄を停止表示する(ステップS722)。続いて、演出制御用CPU120は、確定飾り図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(ステップS723)。確定飾り図柄が大当り図柄でないときは(ステップS723:NO)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応する“0”に更新し(ステップS726)、特図当り待ち処理を終了する。
確定飾り図柄が大当り図柄であるときは(ステップS723:YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS730)。即ち、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS730;NO)、特図当り待ち処理を終了する。
当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS730;YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグをクリアする(ステップS731)。続いて、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出を設定し(ステップS733)、演出プロセスフラグの値を大当り開始処理(ステップS174)に対応する“4”に更新し(ステップS734)、特図当り待ち処理を終了する。
図37は、図31のステップS174にて実行される大当り開始処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す大当り開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS741)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS741;NO)、特図当り待ち処理において設定したファンファーレ演出の実行を制御し(ステップS742)、大当り開始処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS741;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS743)、開放中演出を設定し(ステップS744)、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS745)、大当り開始処理を終了する。
図38は、図31のステップS175にて実行されるラウンド中処理の一例を示すフローチャートである。図38に示すラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS751)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS751;NO)、大当り開始処理において設定した開放中演出の実行を制御し(ステップS752)、ラウンド中処理を終了する。
大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS751;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後フラグをクリアし(ステップS753)、閉鎖中演出を設定し(ステップS754)、演出プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS176)に対応する“6”に更新し(ステップS755)、ラウンド中処理を終了する。
図39は、図31のステップS176にて実行されるラウンド後処理の一例を示すフローチャートである。図39に示すラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS760)。即ち、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS760;NO)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS761)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS761;NO)、ラウンド中処理において設定した閉鎖中演出の実行を制御し(ステップS762)、ラウンド後処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS761;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS763)、開放中演出を設定し(ステップS764)、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS765)、ラウンド後処理を終了する。
一方、当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS760;YES)、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS766)、エンディング演出を設定する(ステップS767)。続いて、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられたエンディング演出時間タイマの格納値であるエンディング演出時間タイマ値の初期値として、所定のエンディング演出時間をセットし(ステップS768)、演出プロセスフラグの値を大当り終了後処理(ステップS177)に対応する“7”に更新し(ステップS769)、ラウンド後処理を終了する。
図40は、図31のステップS177にて実行される大当り終了後処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す大当り終了後処理において、演出制御用CPU120は、まず、エンディング演出時間タイマ値を1減算し(ステップS770)、エンディング演出時間タイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS771)。即ち、エンディング演出時間タイマがタイムアウトしたか否か(エンディング演出時間が経過したか否か)を判定する。エンディング演出時間タイマ値が0になっていないときは(ステップS771;NO)、ラウンド中処理において設定したエンディング演出の実行を制御し(ステップS772)、大当り終了後処理を終了する。エンディング演出時間タイマ値が0になったときは(ステップS771;YES)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応する“0”に更新し(ステップS773)、大当り終了後処理を終了する。
次に、大当り遊技状態中における演出動作について説明する。図41は、大当り遊技状態中における演出動作例等を示す図である。大当り遊技状態に移行する際には、図41(A)に示すように、画像表示装置5に「大当り」の文字が大きく表示される。その後、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態中は、所定演出及び大当り特定演出が実行される。所定演出は、現在及び連荘中における大当りに関する情報が表示される。大当り特定演出は、大当り遊技状態を盛り上げることを主な目的とした演出が実行される。ここでは、所定演出及び大当り特定演出として、第1所定演出及び大当り第1特定演出が実行される。図41(B)に示すように、第1所定演出では、第1大当りアイコン301(大当りアイコン300)が画像表示装置5の左上に表示されるとともに、画像表示装置5の右上に累積賞球数表示エリア400が表示される演出が実行される。累積賞球数表示エリア400には、累積賞球数が表示されている。この第1所定演出により、現在の大当りが第1大当りであるという情報及び現在の累積賞球数という情報が表示される。また、第1大当り特定演出では、アニメーションの第1キャラクタ351、第2キャラクタ352、及び第3キャラクタ353、さらには大当り第1背景画像355が画像表示装置5に表示される演出が実行される。これらの第1キャラクタ351、第2キャラクタ352、及び第3キャラクタ353によって、大当り遊技状態を盛り上げることを主な目的とした演出が実行される。
第1大当りアイコン301は、図3(B)に示す第1大当り(6ラウンド)による大当り遊技状態に移行した際に表示されるアイコンである。図3(B)に示す第2大当り(15ラウンド)による大当り遊技状態に移行した際には、図43(A)に示す第2大当りアイコン302(大当りアイコン300)が表示される。累積賞球数表示エリア400には、連荘中における累積賞球数が表示されている。大当り遊技状態の進行に伴い、大入賞口(特別可変入賞球装置7)または一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)に遊技球が入賞したことによって払い出された賞球数が増加すると、累積賞球数表示エリア400に表示される累積賞球数も増加する。図41(B)に示す累積賞球数表示エリア400には、この大当りで現在までに払い出された賞球する「372」が表示されている。
また、所定演出及び大当り特定演出が実行されている間、画像表示装置5の左下に、ボタンアイコン410及びコントローラアイコン420が表示されている。ボタンアイコン410は、プッシュボタン31Bを模したアイコンであり、コントローラアイコン420は、スティックコントローラ31Aを模したアイコンである。ボタンアイコン410及びスティックコントローラ31Aを画像表示装置5に表示することにより、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作が可能であることを遊技者に報知するとともに、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を遊技者に促している。
大当り遊技状態が終了すると、図41(C)に示すように、画像表示装置5には、エンディング演出による画像が表示される。エンディング演出では、第2キャラクタ352がお辞儀をする画像が表示される。また、エンディング演出が実行されている間、第1所定演出も実行されており、第1大当りアイコン301が表示されるとともに、累積賞球数表示エリア400に累積賞球数が表示されている。エンディング演出の最中も、画像表示装置5の左下には、ボタンアイコン410及びコントローラアイコン420が表示されている。なお、エンディング演出中は、ボタンアイコン410及びコントローラアイコン420が表示されないようにしてもよい。また、エンディング演出が実行されている間に一般入賞口に遊技球が入賞したときには、その遊技球の入賞によって払い出される賞球は、累計賞球数には加算されないが、エンディング演出が実行されている間に一般入賞口に遊技球が入賞したときには、その遊技球の入賞によって払い出される賞球を累計賞球数に加算してもよい。
大当り遊技状態が終了すると、確変遊技状態に移行する。確変遊技状態中には、図41(D)に示すように、第1所定演出及び確変第1特定演出が実行される。第1所定演出では、大当り遊技状態中と同様に、第1大当りアイコン301が画像表示装置5の左上に表示され、画像表示装置5の右上における累積賞球数表示エリア400には、累積賞球数が表示されている。
また、確変遊技状態中は、第1大当りアイコン301の直下には、第1過去賞球数表示エリア301Aが設けられている。第1過去賞球数表示エリア301Aには、当該第1大当りアイコン301が表示されるきっかけとなった大当りにおける過去賞球数が表示されている。第1過去賞球数表示エリア301Aは、確変遊技状態中のほか、連荘中の2回目以降の大当り遊技状態中にも設けられる。また、所定演出及び確変演出が実行されている最中も、画像表示装置5の左下には、ボタンアイコン410及びコントローラアイコン420が表示されている。
大当り特定演出としては、図42(A)に示す大当り第1特定演出と、図42(B)に示す大当り第2特定演出とが設けられている。なお、図42(A)、(B)では、所定演出として、第1所定演出が実行されている例を示している。所定演出としては、第1所定演出に代えて、第2所定演出が実行されていたり、所定演出が実行されていなかったりしてもよい。
図42(A)に示す大当り第1特定演出の一部は、例えば画像表示装置5に第1キャラクタ351、第2キャラクタ352、及び第3キャラクタ353が楽器を演奏したり、歌唱したりするなどの画像が表示されるとともに、所定の大当り第1背景画像355が表示される演出である。図42(B)に示す大当り第2特定演出の一部は、例えば画像表示装置5に第1キャラクタ351、第2キャラクタ352、及び第3キャラクタ353が空中を飛行する画像が表示されるとともに、所定の大当り第2背景画像360が表示される演出である。
確変特定演出としては、図42(C)に示す確変第1特定演出と、図42(D)に示す確変第2特定演出とが設けられている。なお、図42(C)、(D)では、所定演出として、第1所定演出が実行されている例を示している。所定演出としては、第1所定演出に代えて、第2所定演出が実行されていたり、所定演出が実行されていなかったりしてもよい。
図42(C)に示す確変第1特定演出の一部は、例えば舞踊を演ずる第2キャラクタ352が画像表示装置5に大きく表示されるとともに、確変第1背景画像357が表示される演出である。図42(D)に示す確変第2背景演出の一部は、例えば魔女風の第2キャラクタ352の画像が表示されるとともに、所定の確変第2背景画像358が表示される演出である。
図42(A)に示す大当り第1特定演出と、図42(B)に示す大当り第2特定演出とは、コントローラアイコン420が表示されているときにスティックコントローラ31Aを操作することによって切り替えることができる。同様に、図42(C)に示す確変1特定演出と、図42(D)に示す確変第2特定演出とは、コントローラアイコン420が表示されているときにスティックコントローラ31Aを操作することによって切替可能とされている。
所定演出としては、図43(A)に示す第1所定演出と、図43(B)に示す第2所定演出とが設けられている。また、図43(C)に示すように、所定演出が実行されない演出も設けられている。なお、図43(A)〜(C)では、大当り第1特定演出が実行されている。特定演出としては、大当り第1特定演出のほか、大当り第2特定演出、確変第1特定演出、確変第2特定演出が実行されていてもよい。
図43(A)に示す第1所定演出は、画像表示装置5の右上に累積賞球数表示エリア400を設けて累積賞球数を表示するとともに、連荘中に移行した大当り遊技状態に対応する第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302を画像表示装置5の左上に並列させて順次表示する演出である。以下、第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302を並列させた表示を並列表示ともいう。第1所定演出では、大当りアイコン300を連荘回数と同じ回数並列表示する。
図43(A)に示す例では、現在6連荘中であり、連荘中における過去の5回の大当りは、「第1大当り」「第1大当り」「第2大当り」「第2大当り」「第1大当り」となっており、現在、「第2大当り」が実行されているところである。なお、連荘数は、第1大当り連荘回数カウント値と第2大当り連荘回数カウント値とを加算した数によって判断される。これらの第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302(大当りアイコン300)は、連荘数の増加に応じて、順次増加していく。連荘中は、左端部から大当りアイコン300が順次表示されはじめ、連荘数の増加に伴って大当りアイコン300が横一列に表示される。1列に5個の大当りアイコンが並列して表示されたら、6個目以降は、その下の段に横一列に表示される。さらに、11個目以降はさらにその下の段に横一列に表示される。同様にして、大当りアイコン300は、50個を上限として表示可能とされている。この上限数は50個未満でもよいし、50個を超えてもよい。連荘が大当りアイコン300を表示する上限を超えて発生した場合には、他の方法による表示を行ってもよい。例えば、連荘数が増加するにつれて、古い大当りアイコンを消去し、または新しい大当りアイコンを表示することなくするなどして上限数の大当りアイコンを継続して表示してもよいし、上限数を超えて発生した大当りについては、一括して表示するようにしてもよい。例えば、連荘数が所定連荘数を超えた場合に、所定連荘数専用アイコンを表示するようにしてもよく、例えば、連荘数が10連荘を超えた場合に、それまでの10連荘分をまとめた10連荘専用アイコンと、10連荘を超えた分の大当りアイコンを合わせて表示するようにしてもよい。また、所定連荘数をさらに超えた場合には、所定連荘数専用アイコンを複数表示するようにしてもよい。所定連荘数専用アイコンでは、第1大当りと第2大当りの数が分かる表示としてもよいし、第1大当りと第2大当りとをまとめた表示としてもよい。所定連荘数専用アイコンは、次に説明する一括表示310(図43(B)参照)と同一または近似する態様のものでもよいし、一括表示310とは近似せずに異なる態様のものでもよい。
並列表示では、連荘中に新たに大当り遊技状態に移行すると、右側に大当りアイコン300が追加して表示される。横一列に5個の大当りアイコン300が表示されているときには、その左側端における大当りアイコン300の下段の新たに大当りアイコン300が表示される。
また、連荘中における過去の大当り遊技状態に対応する第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302の下には、それぞれ第1過去賞球数表示エリア301A及び第2過去賞球数表示エリア302Aが設けられる。第1過去賞球数表示エリア301A及び第2過去賞球数表示エリア302Aには、それぞれの大当りに対応する過去賞球数が表示される。過去賞球数は、大当りの種類によっておおよそ似通った数となる。例えば、本実施形態では、第1大当りでは900強となり、第2大当りでは2400強となるが、大入賞口への上限入賞数を超えての入賞(いわゆるオーバー入賞)や一般入賞口への入賞もあるので、同種の大当りであっても過去賞球数は変動することが多い。このため、第1過去賞球数表示エリア301A及び第2過去賞球数表示エリア302Aに過去賞球数を表示することにより、過去賞球数を遊技者に確実に知らせることができる。特に、オーバー入賞や一般入賞口への遊技球の入賞が多くなると、過去賞球数も多くなる。この場合、遊技者には、通常よりもお得感を与えることができるが、過去賞球数を表示することで、さらに遊技者に有効的にお得感を与えることができる。
図43(A)に示す例では、1回目の大当り(第1大当り)に対応する第1過去賞球数表示エリア301Aに過去賞球数「924」、2回目の大当り(第1大当り)に対応する第1過去賞球数表示エリア301Aに過去賞球数「918」、3回目の大当り(第2大当り)に対応する第2過去賞球数表示エリア302Aに過去賞球数「2424」、4回目の大当り(第2大当り)に対応する第2過去賞球数表示エリア302Aに過去賞球数「2418」、5回目の大当り(第1大当り)に対応する第1過去賞球数表示エリア301Aに過去賞球数「936」がそれぞれ表示されている。また、累積賞球数表示エリア400には、これらの5回の大当り中の過去賞球数の累積数「7620」が表示されている。
現在実行されている6連荘目の大当りは、第2大当りであり、この第2大当りに対応する第2大当りアイコン302が表示されているが、この第2大当りアイコン302の下には、第2過去賞球数表示エリア302Aは表示されない。このように、第1大当りアイコン301または第2大当りアイコン302の下に第1過去賞球数表示エリア301Aまたは第2過去賞球数表示エリア302Aが設けられるのは、連荘中における過去の大当りに対応する第1大当りアイコン301または第2大当りアイコン302のみである。なお、今回の大当りに対応する第1大当りアイコン301または第2大当りアイコン302の下に第1過去賞球数表示エリア301Aまたは第2過去賞球数表示エリア302Aを設けるようにしてもよい。
図43(B)に示す第2所定演出は、画像表示装置5の右上に累積賞球数表示エリア400を設けて累積賞球数を表示するとともに、連荘中に移行した大当り遊技状態の回数を一括して第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302の右側に「×N」(Nは整数)を画像表示装置5の右下に順次表示する演出である。以下、第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302の右側に「×N」を表示し、連荘中に移行した大当り遊技状態の回数を一括して示す表示を一括表示310ともいう。第2所定演出では、大当りアイコン300と大当り遊技状態に制御された回数を合わせて表示する。第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302の右側に表示する「×N」の「N」は、第1大当り連荘回数カウント値及び第2大当り連荘回数カウント値に基づいて判断することができる。
一括表示310を行う場合、第1大当りアイコン301の右側における連荘数の直下に第1大当り中の過去賞球数の累積数(以下「第1累積賞球数」という)を表示する領域が設けられ、第2大当りアイコン302の右側における連荘数の直下に第2大当り中の過去賞球数の累積数(以下「第2累積賞球数」という)を表示する領域が設けられる。演出制御基板12では、連荘中に、過去賞球数等から第1累積賞球数及び第2累積賞球数を算出して、一括表示310として表示する。
一括表示310では、並列表示と比較すると、所定演出の全体としての表示面積が並列表示よりも小さく、表示位置は、並列表示と同様の右上隅(累積賞球数表示エリア400)のほか、特定演出を阻害しにくい位置である右下隅に表示されるのみである。このため、一括表示310は、並列表示よりも特定演出に対して阻害しにくい態様で表示されている。なお、大当りが1回の場合には、第1大当り及び第2大当りのうち、大当りが発生していない側の「N」の数値が「0」として表示されていることから、一括表示310の方が並列表示よりも表示面積が大きくなるが、大当りが2回以上となったときには、一括表示310の方が並列表示よりも表示面積が小さくなる。また、大当りが1回の場合には、一括表示310の表示面積を大当りアイコン300よりも小さく表示してもよい。あるいは、一括表示310では、第1大当り及び第2大当りのうち、発生した大当りに対応する大当りアイコン300(第1大当りアイコン301または第2大当りアイコン302)のみを表示し、発生していない大当りに対応する大当りアイコンは表示しないようにしてもよい。
また、一括表示310には、現在の大当りに対応するアイコン、ここでは、第2大当りアイコン302についての連荘数は加算されていない(「×5」のままとなっている)が、現在の大当りに対応するアイコン、ここでは第2大当りアイコン302の連荘数を1加算してもよいし、一括表示310のほかに、現在の大当りに対応する大当りアイコンを画面左上等に表示するようにしてもよい。
また、所定演出を表示しない演出も設けられている。所定演出を実行しない場合、図43(C)に示すように、画像表示装置5には、特定画像、ここでは大当り第1特定画像が表示された状態となっている。また、図43(A)に示す第1所定演出または図43(B)に示す第2所定演出が実行されている場合や、図43(C)に示すように所定演出が実行されていない場合でも、画像表示装置5には、大当り第1特定画像とともに、ボタンアイコン410及びコントローラアイコン420は表示されている。
図43(A)に示す第1所定演出と、図43(B)に示す第2所定演出と、図43(C)に示す所定演出が実行されない演出は、ボタンアイコン410が表示されているときにプッシュボタン31Bを操作することによって切替可能とされている。例えば、図43(A)に示すように、画像表示装置5に第1所定演出が表示されているときにプッシュボタン31Bが操作されると、第1所定演出から図43(B)に示す第2所定演出に切り替わる。図43(B)に示すように、画像表示装置5に第2所定演出が表示されているときにプッシュボタン31Bが操作されると、第2所定演出から図43(C)に示すように所定演出が実行されない演出に切り替わる。図43(C)に示すように、画像表示装置5に所定演出が表示されていない演出が実行されているときにプッシュボタン31Bが操作されると、図43(A)に示す第1所定演出が表示される。
以上の構成を有する遊技機1においては、図43に示すように、プッシュボタン31Bを操作することによって所定演出を第1所定演出と第2所定演出と所定演出なしとの間で切り替えることができる。このため、所定演出について、遊技者の好みに合わせた演出ができるので、興趣の向上に寄与することができる。
また、遊技機1では、図43(A)に示すように、第1所定演出では、大当りアイコン300(第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302)が画像表示装置5に並列表示される。このため、大当りの連荘回数や連荘中における過去賞球数などの情報を遊技者に提供することができる。なお、大当りの連荘回数とは、連荘中に大当り遊技状態に制御された回数である。
また、連荘回数が増加するほど、画像表示装置5に表示される大当りアイコン300の数が増加する。画像表示装置5に表示される大当りアイコン300の数が増加すると、一目で多くの回数の連荘が発生していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者に与える優越感や高揚感を高めることができる。
その一方で、画像表示装置5に数多くの大当りアイコン300が表示されると、画像表示装置5で実行されている特定演出の表示面積が小さくなってしまう。例えば、図44(A)に示すように、10連荘が発生して大当りアイコン300が10個も表示されると画像表示装置5の表示が大当りアイコン300によって侵食されて特定演出の表示面積が小さくなり、大当りアイコン300によって特定演出における第1キャラクタ351及び第2キャラクタ352の顔が隠れてしまう。
このように、大当りアイコン300によって画像表示装置5の画面が侵食されることにより、特定演出の表示面積が小さくなると、大当り遊技状態を盛り上げるための特定演出の表示が小さくなってしまう。このため、特定演出を楽しみたい遊技者にとっては、大当りアイコン300は邪魔に感じることもあると考えられる。特に、図44(A)の例では、特定演出のうち、第1キャラクタ351及び第2キャラクタ352の表情を楽しみたい遊技者にとっては、大当りアイコン300は邪魔に感じられる可能性が高くなる。
この点、図44(B)に示すように、所定演出を第2所定演出として大当りアイコン300等を一括表示310とすると、大当りアイコン300や連荘中におけるその実行回数が表示され、さらには第1過去総賞球数表示エリア301B及び第2過去総賞球数表示エリア302Bに第1累計賞球数及び第2累計賞球数が表示される。その結果、過去の大当りに関する情報を表示しながらも、その表示面積を小さくすることができるので、特定演出を画像表示装置5の広い面積に表示することができる。したがって、特定演出を広く表示することができ、大当り遊技状態を盛り上げることができる。
さらには、図43(C)に示すように、画像表示装置5において所定演出を実行しないようにすることもできる。画像表示装置5において所定演出を実行しない場合、画像表示装置5のほぼ全域で特定演出を表示することができる。したがって、特定演出をより広く表示することができ、大当り遊技状態を盛り上げることができる。
所定演出を切り替える場合、連荘中の大当りに関連する情報を知りたい遊技者は、第1所定演出を表示させ、特定演出を楽しみたい遊技者は所定演出を表示させないなどとすることができる。このような遊技者の好みに合わせた表示を行うことができるので、興趣の向上に寄与することができる。
また、第1所定演出または第2所定演出では、連荘中に大当りした回数を表示している。このため、遊技者は、連荘中の大当り回数を容易に確認することができるので、興趣の向上に寄与することができる。
また、第2所定演出では、一括表示310が特定演出を阻害しにくい位置に態様で表示される。このため、遊技者は、所定演出を表示させる際、特定演出に対して阻害しにくい態様に変更可能である。したがって、遊技者の好みに合わせた演出ができ、遊技興趣の向上に寄与することができる。
また、一括表示310は、並列表示よりも小さい面積で表示されるので、特定演出を阻害しにくくなる。また、一括表示310は、並列表示が画像表示装置5の左上に表示され瑠之に対して右下隅に表示されるので、並列表示よりも特定演出を阻害しにくい位置に表示される。したがって、遊技者の好みに合わせた演出ができ、遊技興趣の向上に寄与することができる。
また、第1所定演出は、大当りアイコン300を並列して表示する演出であり、第2所定演出は、並列表示よりも特定表示に被りにくい態様で一括表示310を表示する演出である。また、これらの第1所定演出及び第2所定演出は、プッシュボタン31Bの操作によって切替可能であるので、所定演出の実行態様を遊技者の好みに合わせることができ、興趣の向上に寄与することができる。
また、第1所定演出では、大当りアイコン300を並列表示するとともに、大当りアイコン300の直下に、過去賞球数表示エリア300Aを設け、当該大当りアイコン300が表示されるきっかけとなった大当りにおける過去賞球数が表示されている。また、第2所定演出では、一括表示310において、第1大当りアイコン301及び第2大当りアイコン302のそれぞれの右側下部に第1累積賞球数及び第2累積賞球数を表示している。これらの第1所定演出及び第2所定演出は、プッシュボタン31Bの操作によって切替可能であるので、所定演出の実行態様を遊技者の好みに合わせることができ、興趣の向上に寄与することができる。
また、特定演出として、大当り特定演出には図42(A)に示す大当り第1特定演出と図42(B)に示す第2特定演出とがあり、確変演出には、図42(C)に示す確変第1特定演出と図42(D)に示す確変第2特定演出とがある。大当り遊技状態中は、大当り第1特定演出と大当り第2特定演出が切替可能であり、確変遊技状態中は、確変第1特定演出と確変第2特定演出が切替可能である。これらの特定演出は、スティックコントローラ31Aの操作によって切替可能である。また、所定演出は、プッシュボタン31Bの操作によって切替可能である。このように、特定演出を切替可能であっても、所定演出の実行態様を遊技者の好みに合わせることができ、興趣の向上に寄与することができる。
また、特定演出は、スティックコントローラ31Aの操作によって切替可能であり、所定演出はプッシュボタン31Bの操作によって切替可能である。このように、特定演出は所定演出を切替える際の操作とは異なる操作で切替可能であるので、切り替える演出が特定演出と所定演出のいずれであるかを混同しにくくできるとともに、特定演出が所定演出によって阻害されてしまうことによって遊技興趣が低下してしまうことを防止できる。
以下、本発明の変形例について説明する。なお、以下の変形例では、上記実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について再度説明(上記実施形態と同様の表現又は異なる表現にて説明)する場合や、上記実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について説明を省略する場合や、上記実施形態において説明を省略した内容の一部又は全部について説明する場合がある。同一又は同様の対象について異なる名称や符号を用いる場合がある。
まず、変形例1について説明する。図45は、報知演出を説明するための図である。ここで、本変形例では、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個である。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しがあり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(10×10=100)の遊技球を獲得することができる。また、大当りが継続する場合には、前回の獲得総数表示の値が引継がれる。図45では、2回目以降の大当りが実行された場合が示されている。
図45(a)は、大当り表示結果となっときの大当り遊技中の1ラウンド目における演出表示装置9の表示画面を示す図である。1ラウンド目においては、ラウンド中における演出状態を2つのモードのうちから選択可能とする演出が実行される。演出表示装置9の画面の左側には、女の子キャラクタによるAモード画像211が表示される。また、演出表示装置9の画面の右側には、男の子キャラクタによるBモード画像212が表示される。遊技者は、遊技者の選択操作を促す左右の矢印で示されるモード選択画像210に従い、いずれか一方のモードを選択する。ラウンド開始時には、初期値としてAモード画像211が選択されているとともに、モード選択画像210の左側が選択されている。これらの画像が選択されていることは、画像の点滅により知ることができる。なお、点滅ではなく選択されている方の画像を太枠で囲む等としてもよく、いずれのモードが選択されていることが分かればどのような態様であってもよい。
遊技者は、1ラウンドの期間中いずれかのモードを選択することが可能である。このようなモード(演出状態)の切替えは、スティックコントローラ31Aを左右に操作することで変更可能である。なお、十字キー等の操作手段により左右の選択が変更可能となるようにしてもよいし、プッシュボタン31Bの押下げによりモードが切替るようにしてもよい。また、演出モードは3種類以上設けられていてもよいし、大当りの回数毎に選択できる演出モードの種類が増加されていくようにしてもよい。また、モードの選択期間は、1ラウンド以外のラウンドでもよく、ラウンド中の所定時間(たとえば、10秒)に限って選択操作が可能となるようにしてもよい。また、大当り毎に新たな演出モードが初期値(最初に選択されているモードの種類)として設定されるようにしてもよい。
図45(b)〜(d)は、Aモードが選択された場合の演出表示装置9の表示画面を示す説明図である。また、図45(e)〜(g)は、Bモードが選択された場合の演出表示装置9の表示画面を示す説明図である。図45(b)に示すように、Aモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像205が表示される。獲得総数表示画像205は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。図45(b)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が500個の倍数を超える毎に画面中央に第1報知画像204が表示される。図45(b)では、遊技球数が500個の4倍である2000個を超えたときに第1報知画像204により、遊技球が2000個獲得されたことが示される。また、画面右上に女の子画像203が表示される。なお、獲得総数表示画像205で表示される数字と第1報知画像204として表示される数字とは瞬間的なタイミングで同じ表示である場合を示している。また、獲得総数が区切りのよい数字でない場合(たとえば、13個ずつ増加する場合等)には、獲得総数表示画像205で表示される数字と第1報知画像204として表示される数字とは異なる(獲得総数表示画像205で表示される数字が2013、第1報知画像204として表示される数字が2000等)ことがある。
図45(c)は、図45(b)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置9の表示画面を示している。図45(c)に示すように、獲得総数表示画像205により、遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が500の5倍である2500個を超えたときに第1報知画像204により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。また、女の子画像203が図45(b)のときとは異なる人物で表示される。さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置9の表示画面が図45(d)のようになる。図45(d)では、獲得総数表示画像205が5000個であることが示される。また、遊技球数が500の10倍である5000個を超えたときに第1報知画像204により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。また、女の子画像203が図45(b)や図45(c)のときとは異なる人物で表示される。このように、遊技球数が500の倍数を超えたときは、第1報知画像204とともに女の子画像203も変化する。ここで、第1報知画像204と女の子画像203とは、次の第1報知画像204と女の子画像203に変化するまで継続して表示される。しかし、第1報知画像204と女の子画像203とが所定時間経過することにより消去されるようにしてもよい。
次に図45(a)においてBモードが選択された場合について説明する。図45(e)に示すように、Bモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像215が表示される。獲得総数表示画像215は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。ここで、Bモードでの獲得総数表示画像215とAモードでの獲得総数表示画像205は、文字の表示態様が異なっている。このように、演出モードにより獲得総数の表示を異ならせているが、獲得総数の表示はモードによらず同じであってもよい。図45(e)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、画面右上に男の子画像213が表示される。Bモードでは、このような男の子画像213による演出が実行される。しかし、Aモードとは異なり、Bモードでは、遊技球の獲得総数が2000個を超えたとしても画面中央に獲得した遊技球の総数を報知する演出は実行されない。なお、図45(e)では、男の子画像213を表示せずに、別の演出画像が表示されるようにしてもよい。
図45(f)は、図45(e)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置9の表示画面を示している。図45(f)に示すように、獲得総数表示画像215により遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が2500個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。Bモードでは、入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が2500個の倍数を超える毎に画面中央に第2報知画像214が表示される。図45(f)では、遊技球数が2500個の1倍である2500個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。第2報知画像214は所定時間経過により消去される(たとえば、表示されてから2秒経過後)。
さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置9の表示画面が図45(g)のようになる。図45(g)では、獲得総数表示画像215が5000個であることが示される。また、遊技球数が2500の2倍である5000個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。ここで、Bモードにおいて男の子画像213は、Aモードのようにキャラクタが変化することがなく、同一人物の画像が表示される。
図45に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図45(b)〜(d)に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎に第1報知画像204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図45(e)〜(g)に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎に第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図45のAモードの獲得総数表示画像205,Bモードの獲得総数表示画像215に示すように、特別可変入賞球装置7の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像210が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
次に、変形例2について説明する。変形例2では、上記に示した実施の形態において、連比や役比の表示を行うように構成する。本変形例2では、遊技機1は、2つの始動入賞口を備えるとともに2つの特別図柄表示装置8AX,8BXを備え、さらに4つの一般入賞口を備えるものとする。また、本変形例2の遊技機1では、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560において、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行っている。さらに、遊技機1では、主基板31に設けられた図46および図47に示す表示モニタ29に連比、役比などの情報が表示可能とされている。
遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、遊技機を設置した後においても、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、本変形例2に係る遊技機では、一般入賞領域を有する遊技機において、どのような調整を加えられたかを認識できるようになっている。以下、役物比率等の表示について説明する。以下、主基板31における遊技球の集計および役物比率等の表示について説明する。
図46に示す主基板31は、本変形例2における遊技に関する制御を行う基板である。主基板31は、図48に示すように基板ケース201(基板収納ケース200に相当する)に封入されており、図48(A)に示すように、主基板31の中央には表示モニタ29(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ29は、主基板31を視認する際の正面に配置されている。主基板31は、ガラス扉枠を開放していない状態では視認できないので、主基板31を視認する際の正面とは、ガラス扉枠を開放した状態における遊技盤の裏面側を視認する際の正面であり、遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板31を視認する際の正面と遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
主基板31には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ29は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連比(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役比(%)を表示するようになっている。連比とは、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、大入賞口(アタッカー)および第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、大入賞口(アタッカー)および第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、大入賞口(アタッカー)および第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)および一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)および一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。さらに、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ29は、6000個分の連比(%)、役比(%)、および累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される6000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と6000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、6000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が60000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が42000個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカーおよび電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が60000個であり、役物獲得球数が42000個である場合の役物比率は、42000を60000で除算することにより0.70小数点以下3桁切り捨て)として求められる。しかしながら、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して4200000とする。そしてこの4200000を60000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して600とする。そしてこの600で42000を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
本例で賞球合計数は60000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法では遊技機に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法では遊技機で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板31、および表示モニタ29が視認可能になっている。基板ケース201には主基板31に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板31の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板31に設けられた表示モニタ29は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ29の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板31を視点としての真正面を意味し、主基板31を視認しようとする従業員等と主基板31との間を意味する。
また、基板ケース201には主基板31の種類、機種、スペックなどを表示するためのシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。具体的には、図47に示すように、主基板31の第1部(例えば、主基板31の中央部)に表示モニタ29を配置した場合に、主基板31における第1部と異なる第2部(例えば、主基板31の周囲部)に他の電気部品などを配置し、主基板31の第2部に対応する基板ケースの部位に孔部、放熱孔、シールを配置するようにしてもよい。特に、放熱孔は、表示モニタ29が発する熱を放出するためには、表示モニタ29の近傍に設けることが好適である。この場合でも、放熱孔は、表示モニタ29の真正面にはない位置に配置されるのが好適である。これによれば、表示モニタ29に視認性を妨げることがないので、入賞に関する情報の確認がしやすい。
また、主基板31の第2部に対応する基板ケース201の部位に配線が重ならないようにすることが好ましい。具体的には、配線の一のコネクタが接続される孔部と、その配線の他のコネクタが接続される接続先に主基板31の第2部に対応する基板ケース201の部位が重ならないようにする。これによれば、配線により表示モニタ29の視認性が妨げられることを防止することができる。
また、主基板31には、遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器が設けられているが、表示モニタ29の7セグメントとの誤認を避けるため、所定距離離すか、他の電子部品を挟んで配置するようにすることが好ましい。ここでいう他の電子部品は、例えば、CPUなどの大型の制御部品であると望ましい。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ560において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ29に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ560での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(または連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ29は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連比(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図47に示す表示モニタ29では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
また、上記の計算方法においては総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数をカウンタに集計していく例を示したが、集計方法としては、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果にもとづいてそれぞれの賞球数を個別に集計したうえで、役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。また、アタッカーに個別に設けられたセンサと、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果にもとづいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。以下、連比役比の表示について、具体的に説明する。以下の具体例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果にもとづいてそれぞれの賞球数を個別に集計する例を説明する。
遊技機1における主基板31には、図46に示すように、表示モニタ29が接続されている。主基板31は、遊技機1において、図47に示すように、遊技機用枠30に設けられた遊技盤の裏面側に設けられている。遊技盤の裏面側には、主基板31以外の他、演出制御基板80、音声制御基板70X、ランプ制御基板35X、電源基板、払出制御基板、発射制御基板などの各周辺基板も設けられている。主基板31は、主基板31以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。なお、主基板31は、これらの各周辺基板と重なっていてもよい。特に、主基板31は、各周辺基板の上側となるように重なっていてもよい。
主基板31におけるRAM55には、第1ゲート通過数カウンタ、第2ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。
第1ゲート通過数カウンタは、第1ゲートスイッチ17Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2ゲート通過数カウンタは、第2ゲートスイッチ17Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ24Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ24Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ24Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ24Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、カウントスイッチ23が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
また、主基板31には、クリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM55に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板31に送信される。
また、主基板31には、RTC506が設けられている。主基板31は、RTC506によって現在時刻を検出できる。RTC506は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、本変形例2では、RTC506は、遊技場の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板31は、図48(A)に示すように、基板ケース201に収容されている。基板ケース201には、かしめピン31Bが取り付けられている。このかしめピン31Bが設けられていることにより、主基板31が基板ケース201に完全に封入された状態となり、主基板31に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ29は、主基板31上に設けられている。また、基板ケース201には、主基板31が封入されたことを証明するための封印シール31Sが貼られている。封印シール31Sは例えば基板ケース201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール31Sは、主基板31からは離れた位置に配置されており、表示モニタ29の真正面など、表示モニタ29の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ29は、封印シール31Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ29は、第1表示部29A、第2表示部29B、第3表示部29C、および第4表示部29Dを備えている。第1表示部29A〜第4表示部29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部29A〜第4表示部29Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ29には、図48(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の第1表示部29Aおよび第2表示部29Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が60000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、または連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数は、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板31は、連比および役比を算出するにあたり、アタッカー、第1始動入賞口、第2始動入賞口、および第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU56は、メイン処理において、第1ゲートスイッチ17Aおよび第2ゲートスイッチ17B、第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認する状態確認処理を行っている。
この各スイッチの状態確認処理において、各スイッチから出力される検出信号にもとづいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、第1ゲートスイッチ17A,第2ゲートスイッチ17Bから検出信号が出力された場合には、第1ゲート通過数カウンタ,第2ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、カウントスイッチ23から検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM55に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板31のCPU56は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数にもとづいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM55に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図49に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM55は、総賞球数も記憶している。なお、CPU56では、一般入賞口への遊技球の入賞数および第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数および第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM55は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM55には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和および総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM55には、10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板31のCPU56では、10セット分および総累計の各入賞口への遊技球の入賞数にもとづく賞球数によって、10セット分および総累計の役比および連比を算出し、10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分および総累計の役比および連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板31のCPU56のメモリ空間について説明する。図50は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU56は、上述の内蔵レジスタ、ROM54、RAM55などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図50のメモリマップに示すように、ROM54のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本変形例2では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU56は、このROM領域を指定してROM54からのデータの読み出しを行う。また、本変形例2では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本変形例2では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU56は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM55のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本変形例2では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU56は、このRWM領域を指定してRAM55からのデータの読み出しやRAM55へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本変形例2では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM55の記憶領域に対応するRAM領域(本変形例2では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図51に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域およびその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM55の記憶領域には、CPU56が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU56がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM55の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM55の記憶領域およびその他領域に対応するRAM55の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM55の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域および総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM55の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、および10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM55の記憶領域と、その他領域に対応するRAM55の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本変形例2では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM55の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM55の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板31は、表示モニタ29に対して、連比および役比を表示する制御を行う。ここで、主基板31は、複数の項目を順次表示する制御を行う。図52(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図52(A)に示すように、表示モニタ29に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図52(B−1)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期役比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図52(B−2)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図52(B−3)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部29Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図52(B−4)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図52(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ29は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板31では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和および総累計の記憶領域、10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファおよびリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図53に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
また、図46に示す異常検出用センサ群226には、ガラス扉枠の開放を検出するドア開放センサが含まれている。ガラス扉枠の開放は、従業員が行う際には異常には相当しないが、従業員以外の者が行うときには、異常に相当することが多い。このため、本変形例2では、ガラス扉枠の開放を検出するドア開放センサを異常検出用センサ群226に含めている。ドア開放センサは、ガラス扉枠の開放を検出したときに、開放信号を主基板31に送信する。
ドア開放は、従業員による場合の正常なガラス扉枠の開放と、従業員以外の者等による異常なガラス扉枠の開放とがある。ここでは、異常なガラス扉枠の開放を想定してドア開放の検出が行われる。また、従業員がガラス扉枠を開放した正常なガラス扉枠の開放であっても、ドア開放は検出されるが、ガラス扉枠の開放を従業員等が認識していることが多いので、特段の問題は生じないようにすることができる。
続いて、主基板31で実行される連比役比の表示に関する制御について説明する。主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM55におけるRAM制御領域およびRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM55の非使用領域およびその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM55の非使用領域およびその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。初期設定を行った後、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。連比・役比関連処理は、このタイマ割込み処理で実行される。
図54は、連比・役比関連処理の手順を示すフローチャートである。主基板31では、図54に示すように、連比・役比関連処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(ステップS151)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(ステップS151;YES)には、警告表示準備を行い(ステップS152)、ステップS153に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(ステップS151;NO)には、入賞情報を取得する(ステップS103)。入賞情報は、第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(ステップS154)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC506によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(ステップS154;YES)、ガラス扉枠が閉鎖されているか否かを判断する(ステップS155)。ガラス扉枠が閉鎖されているか否かは、ドア開放センサから開放信号が送信されたか否かによって判断される。
その結果、ドア開放センサから開放信号が出力されておらず、ガラス扉枠が閉鎖されている場合には(ステップS155;YES)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(ステップS156)。ここでの単位時間および所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、または、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC506によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ23による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(ステップS156;NO)には、ステップS153で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(ステップS157)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。賞球数加算処理では、図49に示す第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(ステップS158)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(ステップS108;NO)には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(ステップS158;YES)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(ステップS159)。
それから、ステップS157で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(ステップS160)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(ステップS160;NO)、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(ステップS160;YES)、連比および役比を算出する(ステップS161)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(ステップS162)、連比・役比関連処理を終了する。
また、ステップS154で営業時間内でないと判断した場合(ステップS154;NO)、ステップS155で扉枠が閉鎖していないと判断した場合(ステップS155;NO)、ステップS156で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(ステップS156;YES)には、エラー表示準備を行う(ステップS163)。その後、連比・役比関連処理を終了する。
次に、連比・役比表示制御処理について説明する。図55は、連比・役比表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図55に示すように、連比・役比表示制御処理では、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS381)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(ステップS381;NO)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS382)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS382;YES)には、エラー表示を行う(ステップS383)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置9X、第1特別図柄表示装置8AXに、第2特別図柄表示装置8BX等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ28Xを適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ27から所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板31に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS384)。また、ステップS382において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断いないと判断した場合(ステップS382;NO)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS384)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS384;YES)には、警告表示を行う(ステップS385)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ29を点滅させてもよいし、表示モニタ29の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ29の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置9X、第1特別図柄表示装置8AXに、第2特別図柄表示装置8BX等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ28Xを適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ27から所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板31に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、ステップS384で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(ステップS384;NO)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS381;YES)には、短期連比表示を行う(ステップS386)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS387)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS387;NO)には、ステップS386に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS387;YES)には、ステップS388に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(ステップS388)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS389)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS389;NO)には、ステップS388に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS389;YES)には、ステップS390に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(ステップS390)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS391)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS391;NO)には、ステップS390に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS391;YES)には、ステップS392に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(ステップS392)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS393)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS393;NO)には、ステップS392に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS393;YES)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、上記の遊技機1では、主基板31に設けられた表示モニタ29によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比を表示している。また、表示モニタ29は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板31上に設けられている。このため、遊技盤に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような調整が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ29は、主基板31を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板31は、基板ケース201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板31上に設けられた表示モニタ29が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板31上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板31は、主基板31以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板31上に設けられた表示モニタ29が演出制御基板80などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板31上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ29には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ29は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ29には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ29は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比および累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ29は、かしめられた基板ケース内に収容された主基板31に設けられている。このため、表示モニタ29における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、遊技機1は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、扉枠の開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。遊技機1は、遊技場の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、遊技機1は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、遊技機1の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
遊技機1では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠が閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数にもとづいて不正を検出してもよい。
また、上記の遊技機1では、RAM55が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部または全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の遊技機1では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。または、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、上記の遊技機1では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。遊技機1では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
また、上記の遊技機1では、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号にもとづいて得られる賞球数にもとづいて、連比や役比を算出している。例えば、アタッカーに個別に設けられたセンサ(カウントスイッチ23)と、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果にもとづいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計して連比や役比を算出した場合、どの入賞口からの払い出しなのかを特定しづらく、役比、連比の算出が複雑になってしまう虞がある。この点、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dによって遊技媒体が入賞したことを検出して、その検出結果から得られる賞球数にもとづいて、連比や役比を算出ことにより、各入賞口への入賞にもとづいて賞球数判断できる。したがって、連比や役比を簡単に算出することができるとともに、精度よく算出することができる。
なお、上記の変形例2では、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域を最大2バイトのカウンタが10個設けられたリングバッファを用いたが、最大3バイトのカウンタや最大4バイトのカウンタを設けることもできる。このとき、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総獲得球数から前述の役比(%)および連比(%)の2種類を上述した表示モニタ29に表示するにあたっての計算方法は前述した方法に限られず以下のようにしてもよい。図56に示すように最大4バイトで構成されたカウンタによって、総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数のそれぞれを集計する場合、その上位16ビットを使用して計算を行ってもよい。ちなみに4バイトのカウンタによって、獲得球数が1日30000個であると仮定した場合に、4294836225(4バイト)/30000(1日あたりの獲得球数)=143161.2075、143161.2075/365日=約392、となり、392年分の集計を賄える計算となる。
また、上記の変形例2では、図48(A)に示すように、基板ケース201に収容された主基板31上の中央部に表示モニタ29が設けられた例を説明したが、表示モニタ29は、他の位置に設けられていてもよい。
例えば、図57(A)に示すように、表示モニタが設けられていない主基板31Cと、主基板31Cとは別に表示基板31Dを設け、主基板31Cと表示基板31Dとをハーネス31Eで接続して、表示基板31Dに表示モニタ29を設けてもよい。この場合、表示モニタ29に表示する連比や役比の算出やこれらの算出に用いるためのデータの受信は、主基板31Cで行われる。主基板31Cは、算出した連比や役比、さらにはこれらを表示するための制御に関する情報を表示基板31Dに対してハーネス31Eを介して送信する。表示基板31Dでは、主基板31Cから送信されたデータにもとづいて、表示モニタ29に連比や役比を表示すればよい。
また、主基板31Cおよび表示基板31Dは、かしめ基板ケースである基板ケース201Aに収納されている。基板ケース201Aには、図48(A)に示す基板ケース201と同様、かしめピン31Bが取り付けられている。このかしめピン31Bが設けられていることにより、主基板31Cおよび表示基板31Dが基板ケース201Aに完全に封入された状態となり、主基板31Cに対する不正行為を防止するようになっている。また、基板ケース201Aにおいても、図48(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。
また、図57(B)に示すように、表示基板31Dについては、かしめ基板ケースである基板ケース201Bの外側に設け、主基板31Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板31Dには、ハーネス31Eで主基板31Cに接続されている。
また、図57(C)に示すように、表示基板31Dを基板ケース201Cに封入し、主基板31Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板31Dには、ハーネス31Eで主基板31Cに接続されている。また、基板ケース201Cにおいても、図48(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。なお、表示基板31Dを封入する基板ケース201Cは、かしめ基板ケースでなくてもよいし、かしめ基板ケースであってもよい。
また、図57(D)に示すように、図47(A)に示す基板ケース201の表面にラベルが貼り付けられており、ラベル31Rには、かしめ使用記録が記載されるようになっていてもよい。ここで、ラベル31Rは、表示モニタ29の一部を隠す位置に配置されていてもよい。このように、ラベル31Rによって表示モニタ29の一部が隠されていることにより、例えばガラス扉枠を開放した際に、遊技者が簡単に連比や役比を視認できないようにできる。また、ラベル31Rを貼り付ける場合でも、表示モニタ29を隠さない位置に貼り付けてもよい。
また、上記の変形例2では、可動役物として、ソレノイドによって開閉する大入賞口(アタッカー)や第2始動入賞口(電チュー)といった電動役物が用いられているが、これらの電動役物に代えて、遊技球の自重によって開閉を行ういわゆる機械式役物を可動役物としてもよい。また、表示モニタ29としては、7セグメントのLEDを用いているが、7セグメントに代えてドット表示、表示画面などとしてもよい。また、LEDに代えて、液晶表示装置や、有機EL、蛍光表示管などとしてもよい。
また、上記の変形例2では、表示モニタ29に表示する内容、例えば連比や役比の表示等とは無関係にガラス扉枠を開放させてエラー解除などの対応をすることがある。例えば、遊技球の払出しを行うために、遊技盤の裏側には、遊技球(補給球)を補給する補給機構が設けられていることがある。この補給機構において、球詰まりが生じた場合などには、ガラス扉枠を開放させて球詰まりを解消させてエラー解除を行うことがある。このような表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠を開放させてエラー解除を行う場合などには、表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにしてもよい。
また、このときに表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにするために、連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件としてもよい。ここでの連比や役比等の表示に対するエラーとは、例えば、図54に示すステップS381で判断される異常操作の検出やステップS384で判断される営業時間内の入賞情報の取得、ステップS396で判断される単位時間当たりにおけるアタッカーに対する所定数以上の入賞の検出としてもよい。このような連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件とすることにより、遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。
また、表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠を開放させてエラー解除を行い、エラー解除が完了した後は、表示モニタ29に対する連比や役比等を表示するまで所定期間例えば1分間待機し、所定時間が経過した後に表示するようにしてもよい。エラーの発生の解除後は、エラー発生の原因を完全に取り除くことができずに、同様のエラーが続いて発生することが少なくない。表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を所定時間が経過した後に行うことにより、このようなエラー発生時にも遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。ここでの所定期間は任意に設定することができ、5分や10分等の1分より長い時間としてもよいし、30秒等の1分よりも短い時間としてもよい。また、エラーの原因に応じて所定時間を設定するようにしてもよい。例えば、補給機構における球詰まりの場合と、画像表示装置9Xの故障の場合では、補給機構の球詰まりの方の所定期間を長く設定してもよい。
また、主基板31には、表示モニタ29以外の表示装置、例えばエラーを表示するための7セグメント表示器(以下「エラー表示器」という)が設けられている。このエラー表示器は、表示モニタ29から離れた位置に配置されていることが好適である。具体的には、表示モニタ29が主基板31の右側1/3の位置に配置され、エラー表示器が主基板31の左側1/3の位置に配置されていてもよい。また、表示モニタ29を分かりやすくするために、表示モニタ29が主基板31のどこにあるかを基板ケース201上に文字で印刷しておいてもよいし、基板ケース201にシールを貼り付けたりしておいてもよい。
また、上記の変形例2において、パチンコ遊技機を例として役比(%)や連比(%)を算出し、表示モニタにおいて表示することを説明したが、スロットマシンにおいてパチンコ遊技機における役比(%)や連比(%)に相当する値を算出し表示するようにしてもよい。
以下にスロットマシンにおける連比(%)の算出方法について説明する。スロットマシンは、賭数を設定することにより図柄の変動が開始可能となり、図柄の変動の結果に応じて入賞が発生する。スロットマシンにおける入賞には、遊技用価値の付与を伴う付与入賞、賭数を設定することなく図柄の変動が開始可能となる再遊技入賞、付与入賞の発生確率が向上する特別遊技状態に移行させるボーナス入賞がある。ここで、スロットマシンにおける連比(%)は、図柄の変動が所定回数行なわれる期間のうち、図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における総獲得球数に相当)に対して、特別遊技状態に移行している期間において図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における連続役物獲得球数に相当)の比率で表される。例えば、6000回の図柄の変動が行なわれる期間において、該期間に得られた遊技用価値の一例であるメダルの数が16000枚である場合に、特別遊技状態に移行している期間において付与入賞により得られたメダルの数が9000枚である場合、9000を16000で除算して得られる0.56が連比(%)となる。
なお、算出した役比(%)や連比(%)を主基板の中央に設けられた表示モニタ(例えば、7セグメント)において表示する例を示したが、これに限らず、払出制御基板などの他の基板や、遊技盤面、遊技機用枠(台枠)等に表示モニタを設けるようにしてもよい。また、役比(%)や連比(%)を表示するための専用の表示モニタを設けるものに限らず、既存の表示装置(例えば、画像表示装置9X、エラーを表示するための7セグメント表示器、スロットマシンにおけるクレジット表示器や払出数表示器など)を用いて役比(%)や連比(%)を表示するようにしてもよい。
以上に説明したように、上記の実施の形態および変形例2によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が通過することによって価値が付与される特定領域(本例では、第1始動入賞口や、第2始動入賞口、大入賞口、変形例2における一般入賞口)と、遊技媒体の特定領域への通過によって付与される価値に関する所定情報(本例では、連比、役比)を表示可能な情報表示手段(本例では、表示モニタ29)とを備える。そして、情報表示手段は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する基板上に設けられている(図47参照)。そのため、どのような調整を加えられたかを認識することができる。
なお、上記の実施の形態および変形例2では、情報表示手段(本例では、表示モニタ29)が主基板31上に設けられている場合を示したが、そのような態様にかぎれない。例えば、視認性を妨げられないように表示モニタ29が設けられているのであれば、演出制御基板80や払出制御基板37、中継基板177など他の基板に表示モニタ29が設けられていてもよい。また、例えば、所定情報(本例では、連比、役比)を表示するための専用の基板に表示モニタ29を設けるように構成し、連比や役比などの所定情報を表示するように構成してもよい。
なお、上記に示した実施の形態および各変形例で示した構成を適宜組み合わせて遊技機を構成することも可能である。すなわち、上記に示した実施の形態および各変形例のうちのいずれか複数の構成を適宜組み合わせたり、全ての構成を組み合わせて遊技機を構成するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータは、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータで選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
なお、本実施形態では、所定演出として、過去賞球数や累積賞球数の表示を行っているが、他の表示を行ってもよい。例えば、大当り遊技状態中における1ラウンド中の大入賞口への入賞許容数の表示としてもよい。1ラウンド中の大入賞口への入賞許容数とは、例えば、1ラウンド中に大入賞口に入賞した遊技球の個数を1ラウンド中の上限入賞個数から減じた数である。例えば、1ラウンド中に大入賞口に遊技球が3個入賞しているとき、1ラウンド中の上限入賞個数が10個である場合には、1ラウンド中の大入賞口への入賞許容数は「7」である。また、所定演出では、1ラウンド中の大入賞口への入賞許容数に代えて、1ラウンド中の大入賞口への入賞数を表示してもよい。
また、本実施形態では、大当り遊技状態に移行することなく確変遊技状態が終了することが連荘終了条件となっており、演出制御基板12では、確変終了指定コマンドを受信したときに連荘の終了を判定しているが、演出制御基板12では、他の条件によって連荘の終了を判定してもよい。例えば、主基板11から送信される当り終了コマンドを受信した後、主基板11から送信される変動パターンコマンドを確変回数(本実施形態では100)まで確認し、大当りに対応する変動パターンコマンドを受信していないときに連荘の終了を判定してもよい。また、主基板から確変回数指定コマンドを演出制御基板12に送信して、確変回数指定コマンドと変動パターンコマンドに基づいて、連荘の終了を判定してもよい。
また、本実施形態では、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が必ず確変遊技状態に移行するが、他の態様としてもよい。例えば、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態として、下記のパターンの何れかとなるようにしてもよい。
1.大当り遊技状態終了後の第1パターン
大当り遊技状態が終了した後、適宜の割合、例えば50%の割合で確変遊技状態(高確高ベース遊技状態)に移行し、50%の割合で時短遊技状態(低確高ベース遊技状態)に移行するようにし、確変遊技状態は大当り遊技状態に移行するまで継続し、時短遊技状態は、所定の時短回数(例えば100回)または大当り遊技状態に移行するまで継続し、時短回数内に大当り遊技状態に移行するか、時短回数の特図ゲームが実行されたときに終了する。この場合、時短回数の特図ゲームが実行されて時短遊技状態が終了することが連荘終了条件となるようにしてもよい。
2.大当り遊技状態終了後の第2パターン
大当り遊技状態が終了した後、適宜の割合、例えば50%の割合で確変遊技状態(高確高ベース遊技状態)に移行し、50%の割合で時短遊技状態(低確高ベース遊技状態)に移行するようにし、確変遊技状態は、所定の確変回数(例えば100回)または大当り遊技状態に移行するまで継続し、時短遊技状態は、所定の時短回数(例えば100回)または大当り遊技状態に移行するまで継続し、時短回数内に大当り遊技状態に移行するか、時短回数の特図ゲームが実行されたときに終了する。この場合、確変回数の特図ゲームまたは時短回数の特図ゲームが実行されて確変遊技状態または時短遊技状態が終了することが連荘終了条件となるようにしてもよい。
3.大当り遊技状態終了後の第3パターン
大当り遊技状態が終了した後、常に確変遊技状態に移行し、所定の確変回数(例えば100回)または大当り遊技状態に移行するまで継続し、確変回数の特図ゲームが実行されて確変遊技状態が終了した後、時短遊技状態に移行し、時短回数内に大当り遊技状態に移行するか、時短回数の特図ゲームが実行されたときに終了する。この場合、時短回数の特図ゲームが実行されて時短遊技状態が終了することが連荘終了条件となるようにしてもよい。
4.大当り遊技状態終了後の第4パターン
大当り遊技状態が終了した後、適宜の割合、例えば50%の割合で確変遊技状態(高確高ベース遊技状態)に移行し、50%の割合で通常遊技状態(低確低ベース遊技状態)に移行するようにし、確変遊技状態は大当り遊技状態に移行するまで継続する。この場合、通常遊技状態に移行する大当り遊技状態が終了することが連荘終了条件となるようにしてもよい。
5.大当り遊技状態終了後の第5パターン
上記大当り遊技状態終了後の第1パターン〜第4パターンに示す連荘終了条件を満たした後、チャンスタイム演出をCT終了条件の成立まで実行してもよい。この場合、CT終了条件を満たすことが連荘終了条件となるようにしてもよい。CT終了条件は、例えば、所定のCT回数、例えば20回の特図ゲームが実行されたこととしてもよい。チャンスタイム演出は、例えば通常遊技状態(低確低ベース遊技状態)で実行してもよい。
また、上記の大当り遊技状態終了後の第1パターン〜第5パターンのうち、大当り遊技状態以外に複数の遊技状態があるパターンでは、遊技状態ごとに、所定演出を実行したりしなかったりしてもよい。例えば、第1パターンでは、確変遊技状態では所定演出を実行し、時短遊技状態では所定演出を実行しなくてもよいし、確変遊技状態では所定演出を実行せず、時短遊技状態では所定演出を実行してもよい。また、第2パターン後の第5パターンでは、確変遊技状態後のCT中は所定演出を実行し、時短遊技状態後のCR中は所定演出を実行しなかったり、確変遊技状態後のCT中は所定演出を実行せず、時短遊技状態後のCR中は所定演出を実行したりしてもよい。また、遊技状態以外の単位で所定演出を実行したりしなかったりしてもよい。例えば、第3パターンでは、確変遊技状態後の大当り遊技状態では所定演出を実行し、時短遊技状態後の大当り遊技状態では所定演出を実行しないようにしてもよい。
また、本実施形態では、所定演出にあたって、第1所定演出では、累積賞球数と大当りごとの過去賞球数と累積賞球数、第2所定演出では、累積賞球数と大当りの種類ごとの過去賞球数を表示しているが、他の種類の賞球数を表示するようにしてもよい。例えば、所定のまとめ回数、例えば3回ごとの大当りについての賞球数を大当りアイコンに沿えて表示してもよいし、大当りの種類ごとのまとめ回数、例えば第1大当りと第2大当りのそれぞれの3回ごとの大当りについても賞球数を大当りアイコンに沿えて表示してもよい。
また、大当りアイコンを表示することなく、賞球数のみを表示するようにしてもよい。あるいは、過去賞球数や累積賞球数などに「個」などの単位を付加して表示してもよい。付加する単位としては「個」のほか「ポイント」などの数値を示唆する表示としてもいし、背景演出との関係で「ゴールド」「マイル」などの表示を行うようにしてもよい。
また、大当り遊技状態中には、全てのラウンドで過去賞球数及び累積賞球数を表示しているが、ラウンドごとに表示の有無を変更するようにしてもよい。例えば、偶数ラウンドでは過去賞球数を表示し、奇数ラウンドでは累積賞球数を表示するようにしてもよい。また、1ラウンドの際またはラウンドごとに表示の有無を遊技者に選択させるために、1ラウンドまたは各ラウンドの開始時にボタンアイコン410を大きく表示し、「表示の仕方を選んでね」などの文字を表示してもよい。するようにしてもよい。同様に、1ラウンドまたは各ラウンドの開始時にコントローラアイコン420を大きく表示するなどして、特定演出の選択を促すようにしてもよい。
また、過去賞球数や累積賞球数等の賞球数は、過去賞球数表示カウント値や累積賞球数カウント値などの実際にカウントして算出した値を用いているが、これらの近似値としてもよい。例えば、1ラウンドごとに払い出される賞球数の平均値等を想定しておき、この平均値を累積して賞球するとしてもよい。
また上記実施形態では、一般入賞口への入賞によって払い出される賞球数も過去賞球数や累積賞球数に含めているが、一般入賞口への入賞によって払い出される賞球数を含めることなく、大入賞口への入賞によって払い出される賞球数をカウントするようにしてもよい。
また、過去賞球数や累積賞球数等の賞球数をカウントする際、大入賞口及び一般入賞口への遊技球の入賞によって払い出される賞球数を用いているが、例えば、始動入賞口への入賞によって払い出される賞球数を合わせてカウントしてもよい。また、入賞口に入賞することなくアウト口に入った遊技球またはから打球発射装置から打ち込まれた遊技球の数を実際の賞球数から減算して賞球数をカウントしてもよい。
また、本実施形態では過去賞球数や累積賞球数として大当り遊技状態中の賞球数をカウントしているが、連荘中における大当り遊技状態の間の確変遊技状態中の賞球数もカウントして表示するようにしてもよい。この場合、確変遊技状態中の賞球数は、単独で表示してもよいし、確変遊技状態前の大当りにおける過去賞球数に加算して表示してもよい。また、時短遊技状態中やCT中の大当りで連荘が継続する遊技機では、時短遊技状態中やCT中の賞球数について確変遊技状態中の賞球数と同様に取り扱うようにしてもよい。
また、本実施形態では、今回賞球数と累積賞球数を異なる賞球数表示カウンタでカウントして今回賞球数(過去賞球数)と累積賞球数とを求めているが、今回賞球数(過去賞球数)と累積賞球数とを共通の賞球数表示カウンタでカウントしてもよい。この場合、この賞球数表示カウンタで今回賞球数をカウントし、1回の大当り遊技状態が終了した時点で過去賞球数とするとともに、過去賞球数の累積値から累積賞球数を求めればよい。
また、本実施形態では、大当り特定演出中やエンディング演出中に今回賞球数を表示していないが、大当り特定演出中やエンディング演出中に今回賞球数を表示するようにしてもよい。この場合、例えば今回賞球数と累積賞球数とを合わせて表示してもよいし、どちらか一方を表示するようにしてもよい。また、エンディング演出中に過去賞球数をも表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、過去賞球数や累積賞球数を表示する際に、音声の発生などを行っていないが、適宜音声によって過去賞球数や累積賞球数を遊技者に知らせてもよい。この場合、過去賞球数が上限しきい値を超えた場合、例えば第1大当りで1000個以上の賞球数があった場合や累積賞球数がキリの良い数値(いわゆる「キリ番」)、例えば10000個となったときなどに音声によってこれらの過去賞球数や累積賞球数を知らせるようにしてもよい。また、過去賞球数や累積賞球数の音声とともに、「おめでとう」などの祝福音声を発生させてもよい。
また、本実施形態では、大当り遊技状態中及び確変遊技状態中に所定演出や特定演出の切替は原則的に可能であるが、確変遊技状態の特図ゲームでは、特別図柄や飾り図柄の変動が開始してから飾り図柄におけるリーチ形成までの間は所定演出や特定演出の切替が可能であり、リーチ形成後は所定演出や特定演出の切替ができなくなる。このため、リーチ演出中に所定演出や特定演出の切替が実行されることによる不具合を抑制することができる。また、リーチ形成がなされない場合でも、飾り図柄の停止時には、所定演出や特定演出の切替ができなくなるようにしてもよい。この場合、所定演出や特定演出の切替によって、飾り図柄の停止が見にくくならないようにすることができる。
確変遊技状態中であっても、特図ゲームが途切れることがあり、特図ゲームが途切れると、特図ゲームが開始されるまでの間、待機演出(デモ演出)が実行されることがある。確変遊技状態中にデモ演出が実行された場合でも、コントローラアイコン420やボタンアイコン410を表示しておき、特定演出や表示演出を切替え可能としておいてもよい。また、コントローラアイコン420及びボタンアイコン410の一方を表示しておき、特定演出及び表示演出の一方を切替え可能としておいてもよい。また、コントローラアイコン420及びボタンアイコン410の一方を所定のデモ表示中時間、例えば10秒時間ごとに変化させて表示し、切替可能となる演出を特定演出と表示演出のいずれかで変化するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、プッシュボタン31Bを操作することで所定演出が切替えられ、スティックコントローラ31Aを操作することで特定演出が切替えられるが、例えば、プッシュボタン31Bを操作することなどの共通の操作で所定演出及び特定演出を切り替えられるようにしてもよい。この場合、例えば、各演出の切り替えについての操作有効条件を設定し、操作有効条件を満たすことで演出が切替えられるようにしてもよい。操作有効条件としては、例えば、所定演出の切替については、押下時間が1秒以下となる押下操作とし、特定演出の切替については押下時間が1秒を超える押下操作としてもよい。また、スティックコントローラ31Aの操作によって所定演出及び特定演出を切替えられるようにしてもよい。この場合、スティックコントローラ31Aを手前に引く操作が所定演出を切り替えるための操作有効条件とし、スティックコントローラ31Aを遊技機側に押し込む操作が特定演出を切り替えるための操作有効条件としてもよい。あるいは、スティックコントローラ31Aの左右方向への操作が所定演出を切り替えるための操作有効条件であり、スティックコントローラ31Aの上下方向への操作が所定演出を切り替えるための操作有効条件であるようにしてもよい。また、遊技状態が操作有効条件となるようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態中及び確変遊技状態中が所定演出を切り替えるための操作有効条件であり、大当り遊技状態中が特定演出を切り替えるための操作有効条件であるようにしてもよい。また、これらの操作有効条件を適宜入れ替えたり、組み合わせたりして操作有効条件を設定してもよい。
また、上記実施形態では、特定演出ではアニメーションのキャラクタや特定の背景画像が画像表示装置5に表示されているが、他の演出としてもよい。例えば、アーチストのプロモーションビデオを背景画像などとしてもよい。また、アーチストのプロモーションビデオを背景画像とする場合には、そのアーチストの楽曲などを流すようにしてもよい。
また、本実施形態では、夫々のラウンド遊技において大入賞口を1回開放状態とする第1大当りや第2大当りを設けたが、全部又は一部のラウンド遊技において大入賞口を2回以上開放状態とする大当りを設けるようにしてもよい。
(1)一例として、初めの方は短期開放を複数回実行し以降は閉鎖状態となるラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→長期の閉鎖(例えば23.1秒等)というようなラウンドを設けてもよい。
(2)他の例として、初めの方は短期開放を複数回実行し以降は長期開放状態となるラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→長期(例えば21.1秒)の開放というようなラウンドを設けてもよい。(3)他の例として、初めの方は長期開放状態、以降は短期開放を複数回実行するラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、長期(例えば21.1秒)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放というようなラウンドを設けてもよい。
(4)他の例として、初めの方と終わりの方で短期開放を複数回実行し、他は、長期開放状態となるラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→長期(例えば21.1秒)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放というようなラウンドを設けてもよい。
なお、上記(1)〜(4)は、ラウンド遊技において大入賞口を2回以上開放状態とする態様を例示したものであって、ラウンド遊技において大入賞口を2回以上開放状態とする態様は上記(1)〜(4)に限定されない。例えば、上記(1)〜(4)の例では、短期の開放時間を同一の時間(例えば0.1秒)としているが、一のラウンドに複数の短期の開放時間(例えば0.1秒、0.2秒等)を設けてもよい。また、上記(1)〜(4)の例では、短期の開放時間の間の閉鎖時間を同一の時間(例えば、2.0秒)としているが、当該閉鎖時間についても同様である。また、開放回数なども上記(1)〜(4)とは異なる回数であってもよい。
また、本実施形態では、大当り図柄が導出表示された場合に大当り遊技状態に制御され特別可変入賞球装置7は開放状態となる。つまり、大当り図柄が導出表示は、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態)を導く有利条件である。また、本実施形態では、大当り図柄が導出表示された場合に大当り遊技状態に制御され特別可変入賞球装置7を開放状態とする例を説明したが、他の場合にも特別可変入賞球装置7を開放状態としてもよい。例えば、突確図柄が導出表示された場合などにおいて制御される突確(突然確変)を設けることにより、特別可変入賞球装置7を開放状態としてもよい。また、小当り図柄が導出表示された場合などにおいて制御される小当りを設けることにより、特別可変入賞球装置7を開放状態としてもよい。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5や第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bや普通図柄表示器20や普図保留表示器25Cの表示動作を含めた各種の演出動作などについても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、上記実施形態では大入賞口の賞球数を「15」、カウント数(入賞上限判定値に対応する数)を「10」としているが、一例であって他の数としてもよい。
また、本実施形態では、遊技領域の左右中央に特別可変入賞球装置7を設けたが、遊技領域の左右中央よりも右側又は左側に特別可変入賞球装置7を設けるようにしてもよい。なお、遊技領域のいずれの位置に配置する場合であっても、オーバー入賞が生じ易い形態の特別可変入賞球装置7を配置するようにしてもよい。例えば、最大サイズ(例えば、135mm等)の横幅(左右方向の長さ)を有する特別可変入賞球装置7を配置してもよい。また、オーバー入賞が生じ難い形態でなければ、特別可変入賞球装置7は入賞口扉を有するものでなくてもよい。例えば、特別可変入賞球装置7は可動翼片を有するものであってもよいし、遊技球が上部を流下する可動底面部材を有するものであってもよい。
また、上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2の値に基づいて大当りの種類(第1大当り、第2大当り)を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、又は、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。例えば、確変大当りと通常大当りとを設けた場合に、上記特定領域に遊技球が進入することに基づいて確変大当りが確定する態様としてもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
例えば、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン31B等)を備え、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機であって、前記有利状態中に所定演出(例えば、図43(A)に示す第1所定演出及び図43(B)に示す第2所定演出)を実行する所定演出実行手段(例えば、演出制御基板12)を備え、前記操作手段の操作に基づいて、所定演出の実行態様を変更可能であり(例えば、図43(A)に示すように、プッシュボタン31Bを操作することで、図43(A)に示す第1所定演出から図43(B)に示す第2所定演出に切り替わる)、さらに、第1位置(例えば、退避位置)と該第1位置とは異なる第2位置(例えば、第1進出位置や第2進出位置)との範囲内において変位可能に設けられた可動体(例えば、演出体90300)と、前記可動体が前記第1位置に位置していることを検出するための位置検出手段(例えば、第1フォトセンサ90203)と、前記可動体の変位を制御する手段であって、前記可動体を複数回に亘って反復変位させる反復変位制御を行うことが可能な変位制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が図85に示す前兆演出を実行する部分)と、を備え、前記変位制御手段は、前記可動体を前記第1位置から反復変位させる前記反復変位制御を行う場合には、該反復変位における少なくとも1回の変位において前記可動体を前記位置検出手段における検出領域外に変位させる(例えば、図83に示すように、前兆演出を演出パターンα〜演出パターンγのいずれかにて実行することによって、少なくとも1回は演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる部分)遊技機が挙げられる。
この構成によれば、遊技者の好みに合わせた演出ができるので、遊技興趣の向上に寄与することができる。また、第1位置の近傍において可動体を反復変位させても、可動体が反復変位を行ったことを検出することができる。
また、上記遊技機において、有利状態中に所定演出を実行するとともに可動体を変位させる演出を実行するようにしてもよい。このときに、所定演出の態様が特定態様となったときに可動体を変位させるようにしてもよい。このような構成によれば、有利状態中の興趣をより向上させることができる。
さらに、遊技興趣の向上に寄与し、また、第1位置の近傍において可動体を反復変位させても、可動体が反復変位を行ったことを検出することができる遊技機の形態の一例として、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、第1位置(例えば、退避位置)と該第1位置とは異なる第2位置(例えば、第1進出位置や第2進出位置)との範囲内において変位可能に設けられた可動体(例えば、演出体90300)と、前記可動体が前記第1位置に位置していることを検出するための位置検出手段(例えば、第1フォトセンサ90203)と、前記可動体の変位を制御する手段であって、前記可動体を複数回に亘って反復変位させる反復変位制御を行うことが可能な変位制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が図85に示す前兆演出を実行する部分)と、を備え、前記変位制御手段は、前記可動体を前記第1位置から反復変位させる前記反復変位制御を行う場合には、該反復変位における少なくとも1回の変位において前記可動体を前記位置検出手段における検出領域外に変位させる(例えば、図83に示すように、前兆演出を演出パターンα〜演出パターンγのいずれかにて実行することによって、少なくとも1回は演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。なお、この他の形態例を「実施例」「実施の形態」ということがある。また、以下の説明にて、図58の手前側をパチンコ遊技機901の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。なお、この実施例でパチンコ遊技機901の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機901を見たときに該遊技者と対向する対向面である。なお、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS901」と記載する箇所を「S901」と略記する場合がある。また、この実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図58は、この実施例のパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機901(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤902(ゲージ盤)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠903(台枠)とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技盤902の所定位置(図58に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器904Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902の遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器904Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像)との組合せなどであればよい。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置905は、遊技盤902よりも背面側に配設され、該遊技盤902に形成された開口902cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤902における開口902cには枠状のセンター飾り枠9051が設けられている。また、遊技盤902の背面と演出表示装置905との間には、演出ユニット90200(図59参照)が配置されており、該演出ユニット90200には、第1演出体90300Dと該第1演出体上に配置されている第2演出体90300Uとから構成された演出体90300を有している。図59〜図63に示すように、演出ユニット90200は、第1移動用モータ90201、第1フォトセンサ90203、アーム90210及びスライドレール90220を備えている。アーム90210の長手方向における一端部は、第1移動用モータ90201の回転軸に枢支されている。
また、アーム90210の長手方向における他端部には、該アーム90210の長手方向を向く長孔90210aが形成されている。なお、この実施例の第1移動用モータ90201には、該第1移動用モータ90201の回転数を測定可能な第1ロータリーエンコーダ90202が取り付けられている。スライドレール90220は、左下方から右上方に向けて傾斜して配置されており、第1フォトセンサ90203は、スライドレール90220の左方に配置されている。一方、第1演出体90300Dの背面側には、スライドレール90303が取り付けられている。該スライドレール90303は、スライドレール90220に対してもスライド移動可能に取り付けられている。
また、第1演出体90300Dの背面側には突出部90301が突出形成されており、該突出部90301は、アーム90210に形成された長孔90210a内に配置されている。更に、第1演出体90300Dの背面側には、第1フォトセンサ90203によって検出可能な検出子90302が取り付けられている。なお、演出体90300の正面側には演出用LED90207が配置されている。
また、演出用LED90207の背面側には、第2移動用モータ90204と、該第2移動用モータ90204の回転数を測定可能な第2ロータリーエンコーダ90205が設けられている。更に、第1演出体90300Dと第2演出体90300Uとの間には、第2移動用モータ90204の駆動によって第2演出体90300Uを第1演出体90300D上に載置されている載置位置から該載置位置よりも上方である上昇位置(図65(B)参照)に移動させるための図示しない駆動機構が設けられている。なお、第1演出体90300Dの上端部には、該第1演出体90300D上に第2演出体90300Uが載置されていること(第2演出体90300Uが載置位置に位置していること)を検出可能な第2フォトセンサ90206が設けられている。
以上のように演出ユニット90200に対して演出体90300が取り付けられていることによって、演出体90300は、図64、図65(A)及び図65(B)に示すように、第1移動用モータ90201の駆動力によるアーム90210の回動によって、遊技盤902の背面と演出表示装置905との間において演出表示装置905の左下方である退避位置から、該退避位置から演出表示装置905の左右幅方向の略中央部に向けて右上方に離間した第1進出位置と、該第1進出位置から更に演出表示装置905の左右幅方向の略中央部に向けて右上方に離間した第2進出位置と、に移動可能となっている。
退避位置に配置されているときの演出体90300は、センター飾り枠9051等によって外形の大部分が遊技者から隠蔽されているため、遊技者が視認可能な演出体90300の外形の領域が最も少なくなっている。また、第1進出位置に配置されているときの演出体90300は、センター飾り枠9051等によって外形の下端部が遊技者から隠蔽されているため、遊技者が視認可能な演出体90300の外形の領域は退避位置よりも広くなっている。更に、第2進出位置に配置されているときの演出体90300は、センター飾り枠9051等によって隠蔽されている部分が存在しないため、遊技者が視認可能な演出体90300の外形の領域が最も広くなっている。なお、図65(B)に示すように、第2進出位置は演出表示装置905の下部における左右幅方向の略中央部である。また、この実施例における第2進出位置は、第2演出体90300Uを載置位置から上昇位置に向けて移動させるための位置でもある。つまり、この実施例では、第2演出体90300Uが載置位置から上昇位置に移動することによって、演出体90300が第2進出位置に移動したことが遊技者に認識されやすくなっている。
なお、この実施例における演出体90300は、退避位置、第1進出位置及び第2進出位置のそれぞれにおいて停止可能となっており、該停止位置を第1移動用モータ90201のディテントトルクにて保持可能となっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、退避位置、第1進出位置及び第2進出位置のそれぞれにおいて演出体90300を保持可能な支持体を設けてもよい。なお、図61に示すように、この実施例における第1フォトセンサ90203は、演出体90300が退避位置に配置されたときに検出子90302を検出するようになっている。
演出表示装置905の表示領域の左上部には保留記憶表示エリア905Dが設定されており、演出表示装置905の表示領域の右上部には保留記憶表示エリア905Uが設定されている。保留記憶表示エリア905Dでは、第1特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われ、保留記憶表示エリア905Uでは、第2特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
なお、以下の説明では、保留記憶表示エリア905Dや保留記憶表示エリア905Uでの表示を保留表示と総称することがある。図58に示す例では、保留記憶表示エリア905D, 905Uとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。なお、この実施例では、後述する予告演出や前兆演出によって保留記憶表示が演出体90300によって隠蔽されることを防ぐために、演出表示装置905の表示領域の上部に保留記憶表示エリア905D, 905Uを設定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示エリア905D, 905Uは、予告演出や前兆演出における演出体90300によって隠蔽されない場所であれば、演出表示装置905の任意の場所に設定してもよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図59に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、LED制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。
主基板9011は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。
また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081,9082に伝送するソレノイド回路90111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R及び演出用LED909といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板9012は、演出表示装置905の表示動作や、スピーカ908L,908Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED909などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ908L,908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED909などの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの配置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ9035Bが設けられていればよい。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。図66は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。なお、図66に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O90105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。主基板9011では、図67に示す特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。なお、乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR4´の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路90104にてカウントしない乱数値については、CPU90103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図68は、この実施例の変動パターンを示している。この実施例では、図68に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図68に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。なお、この実施例では、前述したようにスーパーリーチγ、スーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。なお、スーパーリーチγのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンは、リーチ演出が実行される前に演出図柄が一旦仮停止された後に再変動する擬似連演出を実行する変動パターンでもある。
図59に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図68に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図69は、ROM90101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1´と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、この実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(この実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(この実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。なお、ROM90101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3´に基づいて変動パターンを、前述した図68に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図70(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。なお、図70(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図70(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。また、ROM90101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
図59に示すRAM90102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部と、を備えている。
図59に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。なお、演出制御基板9012の側でも、主基板9011と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
また、ROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施例では、始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)が設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)等のコマンドが1セットとして、主基板9011から演出制御基板9012へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
次に、この実施例のパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図示しない遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S9011)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S9012)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S9013)。次に、乱数値MR1´〜MR4´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9014)。この後、図71に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S9015)。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器9020での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S9016)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S9017)。図71は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。その後、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9029の処理のいずれかを選択して実行する。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、図72に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU90120は、まず、コマンド解析処理を行う(S9054)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図60参照)であるのか解析する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU90120は、スイッチ処理を行う(S9055)。スイッチ処理では、プッシュセンサ9035Bから入力される信号であって、プッシュボタン9031Bが操作されたか否かを特定可能な検出信号の状態を判定する。なお、この実施例におけるプッシュボタン9031Bの検出信号は、図73に示すように、プッシュボタン9031Bの操作(押下操作)が開始された時点でのみONとなる信号であり、プッシュボタン9031Bの操作開始後は、新たにプッシュボタン9031Bが操作されるまでプッシュボタン9031Bの検出信号がONとなることはない。このため、後述する予告演出においてプッシュボタン9031Bが遊技者によって連打される際には、遊技者がプッシュボタン9031Bを継続操作(長押し)すること等によって1回のプッシュボタン9031Bの操作が複数回の操作であると判定されてしまうことが防止されている。また、プッシュボタン9031Bの検出信号はプッシュボタン9031Bの操作が開始された時点でのみONとなるので、演出制御用CPU90120は、プッシュボタン9031Bが操作された回数をプッシュボタン9031Bの検出信号がONとなった回数に基づいて正確にカウントすることができる。
スイッチ処理の実行後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9056)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。次いで、エラー報知処理(S9057)や大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S9056)、その後、S9052に移行する。なお、この実施例のエラー報知処理は、後述する前兆演出が演出パターンαまたは演出パターンβにて実行される場合に、演出開始位置である退避位置に演出体90300が位置していないことを報知するための処理である。
図74は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S9056)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の保留記憶表示エリア905Dでの保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S9072)。その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9079のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置905において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
図75は、図74に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S9074)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90120は、まず、S90271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S90271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は、始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S90272)。なお、バッファ番号「1−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
また、S90271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S90273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は、始動入賞時受信コマンドバッファにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S90274)。なお、バッファ番号「2−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
S90272またはS90274の実行後、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S90275)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S90276)。この場合、演出制御用CPU90120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU90120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU90120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU90120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU90120は、図76に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S90277)。なお、この実施例では、予告演出決定処理において、後述するように演出体90300が退避位置から第1進出位置や第2進出位置に移動する移動演出のみを決定しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、移動演出以外の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしてもよい。
この実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU90120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S90291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板9011から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。
そして、演出制御用CPU90120は、S90291において特定した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S90292)。S90291において特定した変動パターンがノーマルリーチや非リーチの変動パターンである場合は予告演出決定処理を終了し、S90291において特定した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合は、予告演出実行決定用乱数を抽出するとともに、図示しない予告演出実行決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無を決定する(S90293)。
なお、この実施例では、予告演出実行決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出実行決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出実行決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出実行決定用乱数を生成するための予告演出実行決定用乱数カウンタがRAM90122に設定されており、該予告演出実行決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
なお、この実施例におけるS90293においては、図77に示すように、変動表示結果が大当りである場合とはずれである場合とで異なる割合にて予告演出の実行を決定する。具体的には、図77に示すように、変動表示結果が大当りである場合は、90%の割合で予告演出の実行を決定し、10%の割合で予告演出の非実行を決定する。また、変動表示結果がはずれである場合は、20%の割合で予告演出の実行を決定し、80%の割合で予告演出の非実行を決定する。
そして、演出制御用CPU90120は、S90293において予告演出の実行を決定したか否かを判定する(S90294)。S90293において予告演出の非実行を決定した場合は予告演出決定処理を終了し、S90293において予告演出の実行を決定した場合は、更に、当該変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S90295)。変動表示結果が大当りである場合は、予告演出の演出パターンを第1演出パターンに決定して該第1演出パターンに決定した旨を記憶し(S90296)、変動表示結果がはずれである場合は、予告演出の演出パターンを第2演出パターンに決定して該第2演出パターンに決定した旨を記憶する(S90297)。
図78に示すように予告演出の第1演出パターンとは、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201を予め定められた量駆動することによって演出体90300を退避位置から第1進出位置に向けて移動させることを繰り返し、最終的には、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打によって演出体90300を第1進出位置に位置させる演出パターンである。また、第1演出パターンは、演出表示装置905に演出体90300の位置に応じたエフェクト画像を表示する演出パターンでもある。一方、予告演出の第2演出パターンとは、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201を予め定められた量駆動することによって演出体90300を退避位置から第2進出位置に向けて移動させることを繰り返し、最終的には、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打によって演出体90300を第2進出位置に位置させ、更に第2演出体90300Uを載置位置から上昇位置に移動させる演出パターンである。また、第2演出パターンは、演出表示装置905に演出体90300の位置に応じたエフェクト画像を表示する演出パターンでもある。
なお、この実施例の予告演出は、図81に示すように、後述する前兆演出とともにリーチ演出の実行期間中に実行される演出である。つまり、この実施例における第1演出パターンは、変動表示結果が大当りであることをスーパーリーチのリーチ演出中に報知する演出パターン(所謂確定演出の演出パターン)であり、第2演出パターンは、変動表示結果がはずれであることをスーパーリーチのリーチ演出中に報知する演出パターンであるが、この発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が大当りである場合に第2演出パターンを第1演出パターンよりも低い割合で決定したり、変動表示結果がはずれである場合に第1演出パターンを第2演出パターンよりも低い割合で決定することによって、第1演出パターンを変動表示結果が大当りとなることを示唆する演出パターンとしてもよい。
また、図82に示すように、予告演出において演出体90300がプッシュボタン9031Bの1回目の操作に応じた第1移動用モータ90201の駆動によって退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて移動する移動距離L2は、演出体90300が退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて移動することで演出体90300(より正確には検出子90302)が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に脱するまでの距離L1よりも長距離となっている。つまり、演出体90300は、予告演出におけるプッシュボタン9031Bの1回目の操作に応じて必ず退避位置から第1フォトセンサ90203の検出範囲外まで移動する。
そして、演出体90300は、予告演出におけるプッシュボタン9031Bの2回目以降の操作では、第1進出位置や第2進出位置に向けて距離L3−1、距離L3−2、距離L3−3・・・距離L3−n(nは任意の自然数)移動する。なお、距離L3−1、距離L3−2、距離L3−3・・・距離L3−nは、全て前述した距離L1よりも短い距離である。更に、予告演出における演出体90300は、図60〜図63に示すように、第1移動用モータ90201の回転駆動により第1移動用モータ90201の上方の退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて直線状に移動する。このため、第1移動用モータ90201の単位回転駆動量あたりの演出体90300の移動距離は、演出体90300が第1進出位置または第2進出位置に近づくにつれて短くなっていく。つまり、この実施例の予告演出においては、プッシュボタン9031Bの1回目の操作に応じた演出体90300の移動距離L2が最も長く、以降の演出体90300の第1進出位置または第2進出位置に向けての移動距離は、プッシュボタン9031Bが操作される毎に短くなっていく(L2>L1>L3−1>L3−2>L3−3>・・・>L3−n)。
図75に戻り、演出制御用CPU90120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出の実行が決定されているか否かを判定する(S90278)。予告演出実行決定フラグがセットされている場合は、予告演出開始待ちタイマに予告演出開始時までの期間に応じた値をセットするとともに、予告演出実行決定フラグをクリアしてS90281にすすみ(S90279,S90280)、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合は、S90279及びS90280を実行せずにS90281に進む。
S90281において演出制御用CPU90120は、予告演出を実行することを示唆する演出である前兆演出を実行するか否かを決定する前兆演出決定処理を実行する。
前兆演出決定処理において、演出制御用CPU90120は、図79に示すように、先ず、前兆演出の実行・非実行を特定する(S90501)。そして、当該変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S90503)。当該変動表示結果が大当りである場合は、前兆演出実行決定用乱数を抽出し、図示しない大当り用の前兆演出実行決定用テーブルを用いて前兆演出の実行の有無と演出パターンを決定する(S90504)。また、当該変動表示結果がはずれである場合は、前兆演出実行決定用乱数を抽出し、図示しないはずれ用の前兆演出実行決定用テーブルを用いて前兆演出の実行の有無と演出パターンを決定する(S90505)。
なお、この実施例では、前兆演出実行決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、前兆演出実行決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆演出実行決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら前兆演出実行決定用乱数を生成するための前兆演出実行決定用乱数カウンタがRAM90122に設定されており、該前兆演出実行決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
この実施例におけるS90504及びS90505においては、図80(A)及び図80(B)に示すように、予告演出を実行するか否かに基づいて、異なる割合で前兆演出の実行・非実行及び演出パターンを決定する。
具体的には、図80(A)に示すように、変動表示結果が大当りである場合、予告演出の実行が決定されていれば、0%の割合で前兆演出の非実行を決定し、10%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、20%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、70%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。一方で、予告演出の非実行が決定されていれば、10%の割合で前兆演出の非実行を決定し、15%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、25%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、50%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。
また、図80(B)に示すように、変動表示結果がはずれである場合、予告演出の実行が決定されていれば、0%の割合で前兆演出の非実行を決定し、80%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、15%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、5%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。一方で、予告演出の非実行が決定されていれば、80%の割合で前兆演出の非実行を決定し、15%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、5%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、0%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。
このように、前兆演出の実行・非実行及び前兆演出の演出パターンを決定することで、予告演出を実行することが決定されている場合は、必ず前兆演出が実行される。また、変動表示結果が大当りである場合とはずれである場合とで前兆演出実行・非実行及び前兆演出の演出パターンの決定割合を異ならせることで、前兆演出が演出パターンγで実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる割合が高く設定され、次いで前兆演出が演出パターンβで実行される場合、前兆演出が演出パターンαで実行される場合、前兆演出が実行されない場合(非実行)の順に変動表示結果が大当りとなる割合を高く設定することができる。
なお、図83(A)に示すように、前兆演出の演出パターンαは、退避位置に配置されている演出体90300を、第1移動用モータ90201の駆動によって退避位置と第1フォトセンサ90203の検出範囲内(検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出される範囲内)の所定位置との間で複数回往復移動させた後、演出体90300を退避位置から第1フォトセンサ90203の検出範囲外(検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出される範囲外)の所定位置との間で1回往復移動させる演出パターンである。つまり、前兆演出の演出パターンαは、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲内で複数回往復移動させた後に、一旦第1フォトセンサ90203の検出範囲外の位置に移動させてから第1フォトセンサ90203の検出範囲内である退避位置まで戻す演出パターンである。
また、図83(B)に示すように、前兆演出の演出パターンβは、退避位置に配置されている演出体90300を、第1移動用モータ90201の駆動によって第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に移動させた後、該第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置と第1フォトセンサ90203の検出範囲内の所定位置との間で複数回往復移動させる。そして、最後に、第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に配置されている演出体90300を退避位置に移動させる演出パターンである。つまり、前兆演出の演出パターンβは、演出体90300の全ての往復移動において第1フォトセンサ90203の検出範囲内の位置と検出範囲外の位置との間を移動する演出パターンである。
また、図83(C)に示すように、前兆演出の演出パターンγは、退避位置に配置されている演出体90300を第1移動用モータ90201の駆動によって第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に移動させた後、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外において複数回往復移動させる。そして、最後に、第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に配置されている演出体90300を退避位置に移動させる演出パターンである。つまり、前兆演出の演出パターンγは、演出体90300の最初の退避位置から第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動と最後の第1フォトセンサ90203の検出範囲外から退避位置への移動以外は、第1フォトセンサ90203の検出範囲外において演出体90300の往復移動を繰り返し行う演出パターンである。
S90504またはS90505の実行後、演出制御用CPU90120は、S90504またはS90505において前兆演出の実行を決定したか否かを判定する。前兆演出の実行を決定している場合は前兆演出実行決定フラグをセットして前兆演出決定処理を終了し(S90507)、前兆演出の実行を決定していない場合(前兆演出の非実行を決定した場合)は、S90507を実行せずに前兆演出決定処理を終了する。
図75に戻って、演出制御用CPU90120は、前兆演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、前兆演出の実行が決定されているか否かを判定する(S90282)。前兆演出実行決定フラグがセットされている場合は、前兆演出開始待ちタイマに前兆演出開始時までの期間に応じた値をセットするとともに前兆演出実行決定フラグをクリアしてS90285に進む(S90283,S90284)。なお、前兆演出実行決定フラグがセットされていない場合は、S90283及びS90284を実行せずにS90285に進む。
S90285において演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S90286)。
なお、プロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン9031Bの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R、操作部(プッシュボタン9031B等))の制御を実行する(S90287)。例えば、演出表示装置905において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板9014に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板9013に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S90288)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S90289)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU90120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部90123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置905に出力し、演出表示装置905が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値にする(S90290)。
図84は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S9075)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S90301,S90302,S90303)。また、演出制御用CPU90120は、前兆演出開始待ちタイマまたは前兆演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、前兆演出の実行が決定されているか、前兆演出の実行中であるかを判定する(S90304)。前兆演出開始待ちタイマまたは前兆演出実行中フラグがセットされている場合は前兆演出処理を実行してS90306に進み(S90305)、前兆演出開始待ちタイマと前兆演出実行中フラグとがセットされていない場合にはS90305の前兆演出処理を実行せずにS90306に進む。
S90306において演出制御用CPU90120は、予告演出開始待ちタイマまたは予告演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出の実行が決定されているか、予告演出の実行中であるかを判定する。予告演出開始待ちタイマまたは予告演出実行中フラグがセットされている場合は予告演出処理を実行してS90308に進み(S90307)、予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合はS90307の予告演出処理を実行せずにS90308に進む。
S90308において演出制御用CPU90120は、予告演出終了フラグがセットされているか否か、つまり、既に予告演出が終了したか否かを判定する。予告演出終了フラグがセットされている場合は演出体退避処理を実行してS90310に進み(S90309)、予告演出終了フラグがセットされていない場合はS90309の演出体退避処理を実行せずにS90310に進む。
S90310において演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S90311)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90312)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90313)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90314)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S90315)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には、演出制御用CPU90120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S90316)。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部90123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置905に出力する。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットしてS90318に進む(S90317)。なお、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合は、S90316及びS90317を実行せずにS90318に進む。
S90318において演出制御用CPU90120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S90318)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新して演出図柄変動中処理を終了する(S90320)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S90319でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新する(S90315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S90310の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図85は、前兆演出処理の一例を示すフローチャートである。前兆演出処理において、演出制御用CPU90120は、先ず、前兆演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S90321)。前兆演出実行中フラグがセットされていない場合は、前兆演出開始待ちタイマの値を−1し(S90322)、前兆演出開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90323)。前兆演出開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合は前兆演出処理を終了し、前兆演出開始待ちタイマがタイマアウトした場合は、更に前兆演出の演出パターンが演出パターンγであるか否かを判定する(S90324)。前兆演出の演出パターンが演出パターンαまたは演出パターンβである場合は、第1フォトセンサ90203がONであるか否か、つまり、演出体90300が退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているか否かを判定する(S90325)。第1フォトセンサ90203がONでない場合、つまり、演出体90300が既に第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合は、前兆演出を演出パターンαまたは演出パターンβにて実行する際に演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置していないことを示す位置エラー報知フラグをセットして前兆演出処理を終了する(S90326)。なお、位置エラー報知フラグがセットされている場合、演出制御用CPU90120は、前述したエラー報知処理(図72参照)を実行することによって演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置していない旨のエラー報知を実行する。
S90324において演出パターンがγである場合や、S90325において第1フォトセンサがONである場合は、前兆演出実行中フラグをセットする(S90327)。そして、演出制御用CPU90120は、前兆演出期間タイマに前兆演出の期間に応じた値をセットし(S90328)、前兆演出の演出パターンに応じた前兆演出用のプロセステーブルを選択する(S90329)。そして、選択した前兆演出用のプロセステーブルのプロセスデータ1における前兆演出プロセスタイマをスタートさせる(S90330)。
なお、前兆演出用のプロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、前兆演出用のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R)の制御を実行して前兆演出処理を終了する(S90331)。例えば、演出表示装置905において演出パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板9014に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板9013に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
このように前兆演出処理では、S90324〜S90331に示すように、前兆演出が演出体90300の各往復動作の一部が必ず第1フォトセンサ90203の検出範囲内で実行される演出パターンである演出パターンαまたは演出パターンβにて実行されることが決定されている場合は、前兆演出の開始時における演出体90300の位置が第1フォトセンサ90203の検出範囲内(より正確には退避位置)でなければ演出体90300の各往復動作において演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内を移動しない虞があるため、前兆演出の実行を中止する。一方で、前兆演出が演出体90300の最初と最後の移動以外の往復動作が第1フォトセンサ90203の検出範囲外で実行される演出パターンである演出パターンγにて実行されることが決定されている場合は、既に演出体90300が往復動作の実行される予定地点である第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置しているため、前兆演出を実行するようになっている。
なお、この実施例では、前兆演出が演出パターンγで実行されることが決定されている場合、前兆演出開始時の演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合であっても前兆演出を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、前兆演出が演出パターンγで実行されることが決定されている場合であっても、前兆演出開始時の演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合は前兆演出の実行を中止してもよい。
また、S90321において前兆演出実行中フラグがセットされている場合、演出制御用CPU90120は、前兆演出プロセスタイマと前兆演出期間タイマの値を−1し(S90332,S90333)、前兆演出期間タイマがタイマアウト下か否かを判定する。前兆演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、更に前兆演出プロセスタイマがタイマあうとしたか否かを判定する(S90335)。前兆演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、前兆演出プロセスデータの切り替えを行う(S90336)。即ち、前兆演出用のプロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を前兆演出プロセスタイマに設定することによって次の前兆演出プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90337)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90338a)。一方、前兆演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、前兆演出プロセスタイマに対応する前兆演出プロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90338b)。
S90338aまたはS90338bの実行後、演出制御用CPU90120は、前兆演出プロセスデータ等から演出体90300の第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動期間中であるか否かを判定する(S90340)。演出体90300の第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動期間中でない場合は前兆演出処理を終了し、演出体90300の第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動期間中である場合は、第1フォトセンサ90203がONであるか否か、つまり、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているか否かを判定する(S90341)。第1フォトセンサ90203がOFFである、つまり、演出体90300が既に第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合は前兆演出処理を終了し、第1フォトセンサ90203がONである場合は、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に向けて移動させるために第1移動用モータ90201を正転駆動させる第1移動用モータ正転駆動処理を実行して前兆演出処理を終了する(S90342)。
なお、S90334において前兆演出期間タイマがタイマアウトしている場合は、前兆演出実行中フラグをクリアして前兆演出処理を終了する(S90343)。
図86及び図87は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU90120は、先ず、位置エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する(S90351)。位置エラー報知フラグがセットされている場合は予告演出処理を終了し、位置エラー報知フラグがセットされていない場合は、予告演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S90352)。
予告演出実行中フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU90120は、予告演出開始待ちタイマの値を−1し(S90353)、予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90354)。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合は予告演出処理を終了し、予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしている場合は予告演出実行中フラグをセットし(S90355)、予告演出期間タイマに予告演出期間に応じた値をセットする(S90356)。
そして、演出制御用CPU90120は、予告演出の演出パターンに応じた予告演出のプロセステーブルを選択し(S90357)、第1移動用モータ90201が駆動(回動)した量を示す第1回動量カウンタの値を0にセットする(S90359)。また、S90357において選択した予告演出用のプロセステーブルのプロセスデータ1における予告演出プロセスタイマをスタートさせる(S90360)。
なお、前兆演出用のプロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、予告演出用のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R)の制御を実行して前兆演出処理を終了する(S90361)。例えば、演出表示装置905において演出パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板9014に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
一方、S90352において予告演出実行中フラグがセットされている場合、演出制御用CPU90120は、予告演出プロセスタイマの値と予告演出期間タイマの値を−1し(S90362,S90363)、予告演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90364)。予告演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、更に予告演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90365)。予告演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、予告演出プロセスデータの切り替えを行う(S90366)。即ち、予告演出用のプロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を予告演出プロセスタイマに設定することによって次の予告演出プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90367)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90368a)。一方、予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、予告演出プロセスタイマに対応する予告演出プロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90368b)。
S90368aまたはS90368bの実行後、演出制御用CPU90120は、第2移動用モータ90204が駆動中であることを示す第2移動用モータ駆動中フラグがセットされているか否かを判定する(S90369)。第2移動用モータ駆動中フラグがセットされている場合はS90391に進み、第2移動用モータ駆動中フラグがセットされていない場合は、更にプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201が駆動中であることを示す第1移動用モータ駆動中フラグがセットされているか否かを判定する(S90370)。第1移動用モータ駆動中フラグがセットされている場合はS90381に進む。また、第1移動用モータ駆動中フラグがセットされていない場合、つまり、第1移動用モータ90201が駆動していない場合、演出制御用CPU90120は、更にプッシュボタン9031Bの操作検出有りか否か、つまり、プッシュボタン9031Bが押下操作された時点において出力されたプッシュボタン検出信号を受信しているか否かを判定する(S90371)。プッシュボタン9031Bの操作検出が無い場合は、予告演出処理を終了し、プッシュボタン9031Bの操作検出が有る場合は、既に演出体90300が第1進出位置または第2進出位置への移動が終了していることを示す第1移動用モータ駆動終了フラグがセットされているか否かを判定する(S90372)。
第1移動用モータ駆動終了フラグがセットされている場合は予告演出処理を終了し、第1移動用モータ駆動終了フラグがセットされていない場合は、第1移動用モータ駆動中フラグをセットしてS90381に進む。
なお、S90364において予告演出期間タイマがタイマアウトした場合は、予告演出実行中フラグをクリアするとともに(S90376)、予告演出が終了したことを示す予告演出終了フラグをセットして予告演出処理を終了する。
S90381において演出制御用CPU90120は、演出体90300を第1進出位置または第2進出位置に向けて移動させるために第1移動用モータ90201を正転駆動させる第1移動用モータ正転駆動処理を実行する。そして、第1ロータリーエンコーダ90202から第1移動用モータ90201の回動量(駆動量)を特定し(S90382a)、第1移動用モータ90201がプッシュボタン9031Bの操作に応じた量を回動済みであるか否かを判定する(S90383)。第1移動用モータ90201がプッシュボタン9031Bの操作に応じた量を回動済みでない場合は予告演出処理を終了し、第1移動用モータ90201がプッシュボタン9031Bの操作に応じた量を回動済みである場合は、第1移動用モータ駆動中フラグをクリアする(S90384)。
そして、演出制御用CPU90120は、S90382において特定した第1移動用モータ90201の回動量を第1回動量カウンタに加算する(S90386a)。また、演出制御用CPU90120は、第1回動量カウンタの値から演出体90300の位置を特定し、該特定した位置に応じて演出表示装置905の表示及び演出用LED90207の発光色を更新する(S90386b)。S90386bにおいては、例えば、演出体90300の位置が第1進出位置や第2進出位置に近接していくことに応じて、演出表示装置905に表示しているエフェクトの色や演出用LED90207の発光色を青→緑→赤等の順に更新していけばよい。
そして、演出制御用CPU90120は、第1回動量カウンタの値が実行中の演出パターンの進出位置に応じた値となったか否か、つまり、演出体90300が演出パターンに応じた進出位置に到達したか否かを判定する(S90387)。第1回動量カウンタの値が実行中の演出パターンの進出位置に応じた値となっていない場合は予告演出処理を終了し、第1回動量カウンタの値が実行中の演出パターンの進出位置に応じた値となった場合は、実行中の予告演出における第1移動用モータ90201の全ての駆動を終了したことを示す第1移動用モータ駆動終了フラグをセットする(S90388a)。次いで、実行中の予告演出の演出パターンが第2演出パターンであるか否かを判定する(S90388b)。実行中の予告演出の演出パターンが第1演出パターンである場合は予告演出処理を終了し、実行中の予告演出の演出パターンが第2演出パターンである場合は、第2移動用モータ90204の駆動中であることを示す第2移動用モータ駆動中フラグをセットする(S90389)。
また、演出制御用CPU90120は、第2演出体90300Uを載置位置から上昇位置に向けて移動させるために第2移動用モータ90204を正転駆動させる第2移動用モータ正転駆動処理を実行する(S90391)。そして、演出制御用CPU90120は、第2フォトセンサ90206がONであるか否か、つまり、第2演出体90300Uが第2フォトセンサ90206の検出範囲内に位置しているか否かを判定する(S90392)。第2フォトセンサ90206がONである場合は予告演出処理を終了し、第2フォトセンサ90206がOFFである場合は、第2移動用モータ駆動中フラグをクリアして予告演出処理を終了する(S90395)。
図88及び図89は、演出体退避処理の一例を示すフローチャートである。演出体退避処理において、演出制御用CPU90120は、先ず、後述する第3退避動作完了フラグがセットされているか否かを判定する(S90401)。第3退避動作完了フラグがセットされていない場合は、更に後述する第2退避動作完了フラグがセットされているか否かを判定する(S90402)。第2退避動作完了フラグがセットされていない場合は、更に、実行した予告演出の演出パターンが第2演出パターンであるか否かを判定する(S90403)。
実行した予告演出の演出パターンが第2演出パターンである場合、演出制御用CPU90120は、更に、第2フォトセンサ90206がONであるか否かを判定する(S90404a)。第2フォトセンサ90206がOFFである場合は、第2演出体90300Uを載置位置に向けて移動させるために第2移動用モータ90204を逆転駆動させる第2移動用モータ逆転駆動処理を実行して演出体退避処理を終了する(S90405)。
S90403において実行した予告演出の演出パターンが第1演出パターンである場合、つまり、既に第2演出体90300Uが載置位置に位置している場合、もしくは、S90404において第2フォトセンサ90206がONである場合、演出制御用CPU90120は、後述する第1退避動作完了フラグがセットされているか否かを判定する(S90406)。第1退避動作完了フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU90120は、第1退避動作処理としての第1移動用モータ正転駆動処理を実行することで、予告演出が終了して第1進出位置または第2進出位置に位置している演出体90300を、第1退避動作として更に右上方に向けて移動させる(S90409)。
そして、演出制御用CPU90120は、第1ロータリーエンコーダ90202から第1移動用モータ90201の回動量(駆動量)を特定するとともに(S90410)、S90410において特定した第1移動用モータ90201の回動量を第1回動量カウンタに加算し(S90411)、第1回動量カウンタの値が第1退避動作に応じた値となったか否か、つまり、予告演出終了後の演出体90300が第1進出位置または第2進出位置から退避位置から離間する方向である右上方に向けて所定距離移動したか否かを判定する(S90412)。第1回動量カウンタの値が第1退避動作に応じた値となっていない場合は演出体退避処理を終了し、第1回動量カウンタの値が第1退避動作に応じた値となった場合は、予告演出が終了して第1進出位置または第2進出位置に位置している演出体90300の右上方に向けての移動が完了したことを示す第1退避動作完了フラグをセットして演出体退避処理を終了する(S90413)。
一方、S90406において第1退避動作完了フラグがセットされていると判定した場合、演出制御用CPU90120は、第2退避動作処理として第1移動用モータ90201を逆転駆動させるための第1移動用モータ逆転駆動処理を実行することで、演出体90300を退避位置に向けて移動させる(S90414)。そして、演出制御用CPU90120は、第1フォトセンサ90203がONとなっているか否か、つまり、演出体90300が退避位置を含む位置である検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出される範囲内(第1フォトセンサ検出範囲内)まで移動したか否かを判定する(S90415)。第1フォトセンサ90203がOFFとなっている場合は演出体退避処理を終了し、第1フォトセンサ90203がONとなっている場合は、演出体90300の退避位置に向けての移動が完了したことを示す第2退避動作完了フラグをセットして演出体退避処理を終了する。
また、S90402において第2退避動作完了フラグがセットされていると判定した場合、演出制御用CPU90120は、第3退避動作処理として第2移動用モータ90204を正転駆動させる第2移動用モータ正転駆動処理を実行することで、第2演出体90300Uを第3退避動作として一旦上昇位置に向けて所定距離移動させる(S90419)。
そして、演出制御用CPU90120は、第2フォトセンサ90206がONであるか否か、つまり、第2フォトセンサ90206の検出範囲内に第2演出体90300Uが位置しているか否かを判定する(S90420)。第2フォトセンサ90206がONである場合は演出体退避処理を終了し、第2フォトセンサ90206がOFFである場合は、予告演出の終了後に第1フォトセンサ90203の検出範囲内まで戻ってきた演出体90300において、載置位置に位置していた第2演出体90300Uの上昇位置に向けての移動が完了したことを示す第3退避動作完了フラグをセットして演出体退避処理を終了する(S90421)。
また、S90401において第3退避動作完了フラグがセットされていると判定した場合、演出制御用CPU90120は、第2フォトセンサ90206がONとなっているか否か、つまり、第3退避動作において上昇位置に向けて移動した第2演出体90300Uが再び載置位置まで移動したか否かを判定する(S90424)。第2フォトセンサ90206がOFFとなっている場合は、第4退避動作処理として第2移動用モータ90204を逆転駆動させる第2移動用モータ逆転駆動処理を実行することで、第2演出体90300Uを第4退避動作として再び載置位置に向けて移動させ、演出体退避処理を終了する(S90425)。また、S90424において第2フォトセンサがONとなっている場合は、第2演出体90300Uが再び載置位置に位置したこと、つまり、第4退避動作が終了したことに基づいて予告演出終了フラグ、第1退避動作完了フラグ、第2退避動作完了フラグ、第3退避動作完了フラグをクリアして演出体退避処理を終了する(S90426)。
次に、この実施例における前兆演出及び予告演出の実行時における演出体90300の動作態様及び演出表示装置905の表示態様について図90〜図92に基づいて説明する。先ず、スーパーリーチの変動パターンにおける変動表示において「左」と「右」の各演出図柄表示エリア905L,905Rに同一の演出図柄停止が停止してリーチ状態となると、図90(A)及び図90(B)に示すように、演出体90300が退避位置と第1進出位置との間で往復移動を繰り返す前兆演出が実行される場合がある。
予告演出の実行が決定されている場合は、図90(C)に示すように、前兆演出の終了後に演出表示装置905に遊技者に対してプッシュボタン9031Bの連打を指示する旨の画像と、予告演出の実行中における演出体90300の退避位置からの移動距離を示すメータ905Mの画像が表示され、予告演出が開始される。一方で、予告演出の実行が決定されていない場合は、図90(D)に示すように、前兆演出の終了後に演出表示装置905に遊技者に対してプッシュボタン9031Bの連打を指示する旨の画像やメータ905Mの画像が表示されることがない。
また、予告演出の開始後は、図91(E)〜図91(H)に示すように、遊技者がプッシュボタン9031Bを操作する毎に演出体90300が退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて右上方に向けて移動を繰り返す。このとき、メータ905Mの画像は、演出体90300が第2進出位置に向けて移動する毎に更新されていく(例えば、メータ905Mの表示量がMAXに向けて増加していく)。また、演出表示装置905には、演出体90300に重複するようにエフェクト905Eが画像(この実施例では図91(F)及び図91(G)に示す演出体90300を中心とした渦状のエフェクト画像)が表示される。該エフェクト905Eの画像は、演出体90300が第2進出位置に向けて移動する毎に演出体90300の移動に対応する位置に移動するとともに、漸次大きく表示されていく。更に、演出用LED90207の発光色は、演出体90300の移動に応じて(演出体90300が第2進出位置に近接していくことに応じて)青→緑→赤等の順に更新されていく。このようにこの実施例では、演出表示装置905に表示されているメータ905Mの画像やエフェクト905Eの画像、演出用LED90207の発光色によって予告演出中における演出体90300の位置を遊技者が容易に認識することが可能となっている。
そして、予告演出の演出パターンが第1演出パターンに決定されている場合は、図91(F)に示すように、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打に応じて演出体90300が第1進出位置まで到達する。一方、予告演出の演出パターンが第2演出パターンに決定されている場合は、図91(G)に示すように、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打に応じて演出体90300が第2位置まで到達する。更に、演出体90300が第2位置に到達した場合には、第2演出体90300Uが載置位置から上昇位置に向けて移動する(第2演出体90300Uが第1演出体90300Dから離間する)。つまり、この実施例では、第2演出体90300Uが載置位置から上昇位置に移動することによって、演出体90300が第2進出位置に到達したことを遊技者が容易に認識可能となっている。
また、予告演出を第2演出パターンにて実行した場合は、図92(J)及び図92(K)に示すように、予告演出の終了後、先ず、第2演出体90300Uが上昇位置から載置位置に移動する。そして、予告演出を第1演出パターンにて実行した場合、または、第2演出体90300Uの載置位置への移動が完了した後は、図92(L)及び図92(M)に示すように、第1退避動作として演出体90300が各進出位置(第1進出位置または第2進出位置)から右上方に向けて所定距離更に移動した後、第2退避動作として退避位置に向けて移動を開始する。
次いで、図92(N)に示すように、演出体90300が退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内への移動が完了すると、第3退避動作として載置位置に位置している第2演出体90300Uが上昇位置に向けて移動する。そして、第2演出体90300Uが上昇位置に向けて所定距離移動したことに基づいて第3退避動作が完了した後は、第4退避動作として再び第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動する。第2演出体90300Uの載置位置への移動が完了することによって、予告演出の実行に基づいた演出体90300の全ての退避動作が完了する。なお、このように演出体90300の全ての退避動作が完了した後は、演出図柄の大当りまたははずれを示す組み合わせで導出表示される。
以上、この実施例におけるパチンコ遊技機901にあっては、演出体90300を退避位置と第2進出位置との間において移動可能に設け、演出制御用CPU90120は、予告演出においてプッシュボタン9031Bの1回目の操作に基づいて演出体90300を第1進出位置または第2進出位置に向けて距離L2移動させることにより、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に停止させる一方で、予告演出においてプッシュボタン9031Bの2回目以降の操作に基づいて演出体90300を第1進出位置または第2進出位置に向けて距離L2よりも短い距離である距離L3−n移動させるので、センサ等により演出体90300を監視しなくても、演出体90300を適切に移動させることができる。
また、演出体90300が移動する距離L2は距離L3−nよりも長い距離であり、演出体90300は、予告演出におけるプッシュボタン9031Bの1回目の操作に基づいて距離L2を移動するので、予告演出において演出体90300が最初に移動するときの移動距離が長くなるので、演出体90300が移動したことを遊技者が認識し易くなる。
また、距離L2は、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動するための距離であるので、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内である退避位置からの移動後において第1フォトセンサ90203によって演出体90300が未だ第1進出位置や第2進出位置に向けて移動していないと判定されてしまう等の演出体90300が検出されることによる不都合の発生を防止できる。
また、図86及び図87に示す予告演出処理においては、プッシュボタン9031Bの操作が検出されて第1移動用モータ90201の正転駆動が開始される(演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての距離L2または距離L3−nの移動が開始される)と、該第1移動用モータ90201の正転駆動が終了するまでは更にプッシュボタン9031Bの操作が検出されても新たに第1移動用モータ90201の正転駆動が開始されることがないので、演出体90300が不適切に移動してしまうことを防ぐことができる。
また、図73に示すように、この実施例では、プッシュボタン9031Bの検出信号はプッシュボタン9031Bが操作された時点でのみ出力されるので、演出制御用CPU90120は、プッシュボタン9031Bが操作された回数を正確に特定することができる。なお、この実施例では、プッシュボタン9031Bの検出信号をプッシュボタン9031Bが操作された時点でのみ出力される形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン9031Bの検出信号は、プッシュボタン9031Bの操作が終了した時点で出力されてもよい。
また、図86及び図87に示す予告演出処理では、演出体90300が演出パターンに応じた進出位置に到達した場合(S90387でY)は、それ以降はプッシュボタン9031Bの操作が検出されても更に演出体90300を移動させることがないので、演出体90300が第1進出位置や第2進出位置に位置しているにもかかわらず距離L2や距離L3−nの移動が実行されることにより演出体90300が破損してしまうことを防ぐことができる。
また、演出体90300が距離L2の移動や距離3−nの移動によって第1進出位置や第2進出位置に移動した後は、演出体退避処理が実行されることで、演出体90300が第1進出位置に位置しているか第2進出位置に位置しているかに応じて演出体90300を退避位置に向けて異なる距離移動させることができる。
また、演出体90300を第1進出位置や第2進出位置に移動させた後は、図88に示す演出体退避処理を実行することで、演出体90300を検出子90302が第1フォトセンサ90203にて検出される位置まで移動させることができる。
また、図91に示すように、予告演出の実行中は演出表示装置905にエフェクト905Eの画像を演出体90300に重複するように表示するとともに、該エフェクト905Eの画像の位置を演出体90300の移動に応じて更新表示することで、演出体90300の移動とエフェクト905Eの画像のずれによる演出効果の低下を防止できる。
また、この実施例では、図78に示すように、演出体90300が第1進出位置に到達可能な第1演出パターンと、演出体90300が第2進出位置に到達可能な第2演出パターンと、で予告演出を実行可能であり、変動表示結果が大当りとなる場合には、該予告演出が第2演出パターンにて実行されるので、予告演出が第1演出パターンと第2演出パターンのどちらで実行されるかに遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
また、図91に示すように、予告演出におけるメータ905Mの画像の表示態様やエフェクト905Eの画像の表示態様を演出体90300の移動に対応して更新表示させていくことにより、遊技者は、これらメータ905Mの画像の表示態様やエフェクト905Eの画像の表示態様によって演出体90300が移動したことを容易に認識することができる。
また、図82に示すように、演出体90300は、第1移動用モータ90201の回動によって直線状に移動することによって該演出体90300の位置に応じて移動量が変化していくので、演出体90300を該演出体90300の位置に応じて適切に移動させることができる。なお、この実施例では、演出体90300の移動量が該演出体90300の位置に応じて変化する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1移動用モータ90201の回動をラック・アンド・ピニオン等の複数のギアの構成によって直線移動に変換することによって、演出体の移動量が該演出体90300の位置にかかわらず一定となるようにしてもよい。
また、図83に示すように、この実施例の前兆演出では、少なくとも1回の演出体90300の移動において該演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外まで移動させるので、演出パターンαのように退避位置の近傍において演出体90300を往復移動させても、演出体90300が往復移動を行ったことを検出することができる。
また、前兆演出において演出体90300を往復移動させる場合は、少なくとも1回は演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲内に移動させるので、少なくとも1回以上の演出体90300の移動が第1フォトセンサ90203の検出範囲内への移動となり、演出体90300によって移動量の少ない往復移動を行うことができる。
また、図83(A)に示すように、この実施例の前兆演出を、演出体90300の最後の往復移動において該演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる演出パターンαにて実行することで、第1フォトセンサ90203によって演出体90300が検出されなくなったことに基づいて、演出体90300の複数回の往復移動が終了することを検出することができる。
また、図83(B)に示すように、この実施例の前兆演出を、演出体90300の全ての往復移動において該演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる演出パターンβにて実行することで、演出体90300の往復移動の状態を連続して検出することができる。
また、図83(C)に示すように、この実施例の前兆演出を演出体90300の1回目の移動と最後の移動を除く演出体90300の往復移動を第1フォトセンサ90203の検出範囲外にて実行する演出パターンγにて実行することで、演出体90300の1回目の移動と最後の移動によって演出体90300の往復移動の開始と終了を検出できる。
また、図85の前兆演出処理に示すように、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外へ移動させる場合は、S90340〜S90342に示すように第1フォトセンサ90203がOFFとなるまで演出体90300を第1進出位置に向けて移動させるので、演出体90300を確実に第1フォトセンサ90203の検出範囲外まで移動させることができる。
また、図85に示す前兆演出の演出パターンが演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させて往復移動させる演出パターンγである場合は、第1フォトセンサ90203によって演出体90300が検出されているか否かにかかわらずエラー報知処理が実行されないので、不要なエラー報知の実行を防ぐことができる。
また、図85に示す前兆演出において演出パターンが演出パターンαまたは演出パターンβであり、且つ第1フォトセンサ90203によって演出体90300が検出されていない場合(第1フォトセンサ90203がOFFの場合)には、位置エラー報知フラグがセットされてエラー報知処理(図72参照)が実行されるので、前兆演出の実行前であるにもかかわらず既に演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置しているという状況を遊技者や遊技場の店員等が容易に認識できる。なお、この実施例では、前兆演出の開始時に第1フォトセンサがOFFである場合、前兆演出の演出パターンが演出パターンαまたは演出パターンβであればエラー報知処理を実行する一方で、前兆演出の演出パターンが演出パターンγであればエラー報知処理を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、前兆演出の開始時に第1フォトセンサ90203がOFFであれば、前兆演出の演出パターンに関わり無くエラー報知処理を実行してもよい。
また、演出体90300を第1移動用モータ90201の駆動によって退避位置と第2進出位置との間で移動可能な第1演出体90300Dと、該第1演出体90300D上に載置され、第2移動用モータ90204の駆動によって載置位置と上昇位置との間で移動可能な第2演出体90300Uとで構成し、第2演出体90300Uが載置位置に位置している状態で第1演出体90300Dが第1進出位置や第2進出位置から退避位置に向けて移動する場合は、該移動の終了後に第2演出体90300Uが載置位置に移動するので、第1演出体90300Dを第1進出位置や第2進出位置から退避位置に向けて移動させても、該第1演出体90300Dからの振動の伝搬により第2演出体90300Uが載置位置からずれたとしても、第2演出体90300Uを載置位置に確実に位置させることができる。
なお、この実施例では、この発明における『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』を第1演出体90300Dとする形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』は、第1演出体90300Dの移動に伴う振動を第2演出体90300Uに伝搬可能な部材であればパチンコ遊技機901を構成する他の部材であってもかまわない。つまり、この発明における『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』とは、自身は振動しないが第1演出体90300Dの移動に伴う振動を第2演出体90300Uに伝搬可能な部材や、第1演出体90300Dの移動に伴う振動により自身が振動することによって振動を第2演出体90300Uに伝搬可能な部材を指す。また、『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』は、第1演出体90300Dの移動に伴う振動を第2演出体90300Uに伝搬可能であれば自身が移動可能であるか否かは問わない。
また、図92(P)及び図92(Q)に示すように、予告演出終了後は、第2演出体90300Uを第2フォトセンサ90206の検出範囲外である上昇位置に向けて一旦移動させた後に載置位置に移動させる制御(第4退避動作)を実行することで、第2演出体90300Uを載置位置に確実に位置させることができる。
また、図92(N)〜図92(Q)に示すように、予告演出の終了後に第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動するので、第1演出体90300Dを移動させる制御が終了してから第2演出体90300Uを載置位置に位置させることができる。なお、この実施例では、予告演出の終了後に第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、予告演出の終了後に第1演出体90300Dが退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内に向けて移動している間に第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動してもよい。
また、図92(N)〜図92(Q)に示すように、予告演出の終了後の第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに、第2演出体90300Uを第2フォトセンサ90206の検出範囲外に一旦移動させた後に載置位置に移動させる制御(第4退避動作)を実行することで、第1演出体90300Dの移動制御が終了してから第2演出体90300Uを遊技者から演出の一部と誤認されること無く載置位置に確実に位置させることができる。
また、この実施例では、図88及び図89の演出体退避処理に示すように、第2演出体90300Uが第2フォトセンサ90206にて検出されるまで(S90404においてY)、第1演出体90300Dや第2演出体90300Uを移動させる次の制御(第1退避動作処理〜第4退避動作処理)を実行することがないので、第1演出体90300Dの移動や第2演出体90300Uの移動による不都合の発生を防止できる。
また、この実施例では、図88及び図89の演出体退避処理に示すように、第1演出体90300Dを退避位置に移動させる第2退避動作処理が終了していなければ第2演出体90300Uを上昇位置に向けて移動させる第3退避動作処理と、第2演出体90300Uを載置位置に向けて移動させる第4退避動作処理が実行されることがないので、退避位置以外の位置でこれら第3退避動作処理と第4退避動作処理とが実行されることにより第1演出体90300Dや第2演出体90300Uが破損してしまうことを防ぐことができる。
以上、この発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。例えば、前記実施例では、予告演出において演出体90300を退避位置と第1進出位置や第2進出位置との間で移動させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901の起動時に演出体90300を移動させることによって該演出体90300が正常に動作可能であるか否かを確認してもよい。
なお、このように、パチンコ遊技機901の起動時に演出体90300が動作可能であるか否かを確認する場合は、変形例1として図93及び図94に示す以下の動作を実行する。先ず、第1フォトセンサ90203によって演出体90300が退避位置に位置しているか否かを判定し、演出体90300が退避位置に位置していない場合は、図93に示すように、演出制御用CPU90120が、第1移動用モータ90201を駆動することによって非検出時動作として演出体90300を退避位置まで移動させる制御を実行する。また、演出体90300が退避位置に位置している場合、演出制御用CPU90120は、第1移動用モータ90201を駆動することによって検出時動作制御として、演出体90300を退避位置と第1進出位置または第2進出位置の間の位置である検出時動作位置に移動させた後、再び演出体90300を退避位置に移動させる。
更に、これら非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後は、演出制御用CPU90120は、図93に示すように、演出体90300を実際に退避位置から第2進出位置まで移動させた後、第2進出位置から再び退避位置に移動させる実動作確認動作制御を実行する。
なお、図94(A)〜図94(C)に示すように、演出制御用CPU90120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、退避位置から加速した後に減速して第2進出位置に停止させるとともに、第2進出位置から加速した後に減速して退避位置に停止させる制御を行う。すなわち、演出体90300が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、退避位置と第2進出位置との間において、演出体90300の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。
一方で、演出制御用CPU90120は、検出時動作制御を実行する場合、演出体90300を退避位置から第2進出位置まで移動させる期間及び第2進出位置から退避位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて演出体90300が動作するように制御する。更に、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御を実行する場合、演出体90300を退避位置まで移動させる期間において、常に動作確認用動作制御における最低速度にて演出体90300が動作するように制御する。
このように、演出制御用CPU90120が実動作確認用動作制御、検出時動作制御、非検出時動作制御をそれぞれ実行することによって、演出体90300は、非検出時動作制御の実行時に常に実動作確認用動作制御における最低速度にて動作することで、いかなるタイミングにおいても停止可能となるので、演出体90300を衝突等により破損させる虞無く退避位置に位置させることができる。
また、前記実施例では、予告演出として、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作毎に演出体90300を退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて移動させる演出を実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例2として図95(A)〜図95(D)に示すように、予告演出の実行中に電断が発生した場合には、再び電源が投入された際に遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて演出体90300を第1進出位置や第2進出位置に向けて移動させないようにし、演出体90300を検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出されるまで、つまり、退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内まで戻すようにしてもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機901に電源が再投入された際に、第1進出位置や第2進出位置に向けて移動中であった演出体90300を退避位置に戻すことができる。このように予告演出の実行中に電断が発生した場合は、演出体90300を退避位置に移動させた後、再び予告演出が実行されるまでプッシュボタン9031Bの操作に応じて演出体90300を第1進出位置や第2進出位置に移動させないようにすることで、予告演出が実行される前に演出体90300が第1進出位置や第2進出位置に向けて移動してしまうことにより遊技興趣の低下や予告演出に対する不信感を遊技者に与えてしまう等の不都合を防ぐことができる。
また、前記実施例では、予告演出における最初の演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離L2を2回目以降の演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離L3−nよりも長距離とすることで、演出体90300が確実に第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動することができる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変形例3として図96に示すように、予告演出における2回目以降の演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動において演出体90300が演出表示装置905における保留記憶表示エリアや演出図柄が変動中であることを示す第4図柄等の前方を通過する際には、これら保留記憶表示エリアや第4図柄の前方にて演出体90300が停止することによって保留記憶表示エリアや第4図柄が遊技者から視認不能或いは視認困難な状態となることを回避するために、演出体90300を他の移動距離(図96における距離L3)よりも長い距離(図96における距離L4)を移動させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、予告演出における演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動においては、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201を予め定められた一定量駆動させることによって演出体90300を予め定められた距離移動させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、予告演出における演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離は、プッシュボタン9031Bの操作に応じて毎回ランダムであってもよい。なお、このように予告演出における演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離をプッシュボタン9031Bの操作に応じて毎回ランダムに決定する場合は、演出体90300の移動を開始する毎に該移動において演出体90300が保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置において停止するか否かを判定し、演出体90300が保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置において停止すると判定した場合には、演出体90300の移動距離を修正することによって演出体90300を保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置の直前にて停止させたり、保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置を通過した位置に停止させてもよい。
また、前記実施例では、前兆演出において演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる際、第1フォトセンサ90203がOFFになるまで、つまり、第1フォトセンサ90203が演出体90300(より正確には検出子90302)を検出しなくなるまで演出体90300を第1進出位置に向けて移動させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例4として、前兆演出において演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる際には、第1フォトセンサ90203が演出体90300を検出しているか否かにかかわらず演出体90300を予め定められた距離移動させてもよい。このようにすることで、演出制御用CPU90120は、第1フォトセンサ90203が演出体90300を検出しているか否かに応じて演出体90300の移動を制御する必要がないので、演出制御用CPU90120の制御負荷を軽減できる。また、このように、前兆演出において演出体90300を第1フォトセンサ90203が演出体90300を検出しているか否かにかかわらず予め定められた距離移動させる場合は、演出体90300の移動が終了した時点において第1フォトセンサ90203がONとなっているか否かを判定し、第1フォトセンサ90203がONとなっている場合には、演出体90300の移動が終了したにもかかわらず未だ演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置していることを報知するようにしてもよい。このようにすることで、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動しなかったことを遊技者や遊技場の店員等が容易に認識できる。
また、前記実施例では予告演出の終了後の第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに、第2演出体90300Uを第2フォトセンサ90206の検出範囲外に一旦移動させた後に載置位置に移動させる制御を実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例5として、前記実施例では予告演出の終了後の第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときは、第2フォトセンサ90206が第2演出体90300Uを検出しているか否かにかかわらず、該第2演出体90300Uを載置位置とは異なる方向に予め定められた所定距離移動させた後、第2演出体90300Uを載置位置に移動させてもよい。このようにすることで、第2フォトセンサ90206による第2演出体90300Uの検出に基づいて第2演出体90300Uを移動させる必要がないので、低負荷の制御により第2演出体90300Uを載置位置に位置させることができる。
また、前記実施例では、予告演出の終了後、第1演出体90300Dを退避位置に移動させる第2退避動作処理が終了していなければ第2演出体90300Uを上昇位置に向けて移動させる第3退避動作処理や第2演出体90300Uを載置位置に向けて移動させる第4退避動作処理を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例6として、これら第3退避動作処理や第4退避動作処理は、第2退避動作処理が終了していない状態、すなわち、第1演出体90300Dが退避位置に位置していない場合において実行してもよい。このようにすることで、第1演出体90300Dの位置にかかわらず、第2演出体90300Uを確実に載置位置に位置させることができる。
また、前記実施例では、予告演出においてプッシュボタン9031Bの押下操作を検出したことに基づいて演出体90300を移動させる形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、タッチセンサやモーションセンサ等、パチンコ遊技機901にプッシュボタン9031B以外の検出手段を設け、予告演出においてこれら検出手段によって遊技者の特定の動作が検出されたことに基づいて演出体90300を移動させてもよい。
また、前記実施例では、演出図柄や予告演出中おけるメータ905Mやエフェクト905Eの画像等を表示する演出表示装置905をパチンコ遊技機901に設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄や予告演出中におけるメータ905Mやエフェクト905Eの画像等を表示しない場合は、パチンコ遊技機901に演出表示装置905を設けなくともよい。
また、前記実施例では、演出体90300を退避位置と第1進出位置や第2進出位置に向けて移動可能である形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出体90300は、退避位置から第1進出位置や第2進出位置に向けて移動することによって形態が変化してもよい。
また、前記実施例では、第2演出体90300Uを第1演出体90300D上に載置された位置である載置位置と、該載置位置の上方である上昇位置との間で移動可能とする形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第2演出体90300Uは載置位置の左右方向或いは前後方向の位置との間で移動可能であってもよいし、第2演出体90300Uは、載置位置から上昇位置に移動することによって形態が変化してもよい。
また、前記実施例では、演出体90300を第1演出体90300Dと第2演出体90300Uとから構成する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出体90300は、これら第1演出体90300D及び第2演出体90300U以外の演出体(第3演出体、第4演出体等)を含んでいてもよい。
また、前記実施例では、予告演出や前兆演出において演出体90300が直線方向に移動可能な形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出体90300は、予告演出や前兆演出において回動可能であってもよい。つまり、この発明における変位とは、直線方向への移動の他、演出体90300の位置は変化しない一方で演出体90300の向きが変化するものも含んでいる。
また、前記実施例では、予告演出の終了後、第2演出体90300Uを一旦上昇位置に向けて移動させた後に載置位置に移動させる形態を例示しているがこの発明はこれに限定されるものではなく、予告演出の終了後は、第2演出体90300Uを一旦上昇位置に向けて移動させずに載置位置に移動させるのみであってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にもこの発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU90103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU90120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機901における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。なお、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。