JP6725209B2 - モータ用高強度部材およびモータ用高強度部材の製造方法 - Google Patents

モータ用高強度部材およびモータ用高強度部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁鋼板を用いたモータ用高強度部材とその製造方法に関するものである。
ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)等の電気駆動自動車の主駆動モータ、主発電機モータは、燃費と直結するために高いレベルでの高効率化が求められる。加えて、モータ出力を低下させずにモータコアを小型・軽量化させるために、より一層の高速回転化が求められ、近年では数十kWの出力で20000rpm近い回転数のモータが要求されている。
電気駆動自動車の主機モータの大部分に使用されるIPMモータ(磁石モータ)の高効率化のために、IPMモータロータの磁石のN極、S極それぞれからの磁束がロータの電磁鋼板を通して結合することを防いでモータトルクを増加させるというニーズがある。そのために、従来、磁石を挿入する開口部の端部とロータ側面との間のブリッジ部をできるだけ細くして、ブリッジ部を磁束が通りにくくすること、あるいはブリッジ部の透磁率を下げて磁束を通りにくくすることが検討されてきた。一方、小型・軽量化の要請から、主機モータにはより一層の高速回転が求められるため、ロータ用の材料としては、低鉄損などの電磁特性に加えて、より高強度の電磁鋼板が必要となってきた。
ロータ用の材料を高強度化させるには、素材に使用される電磁鋼板の固溶強化、析出強化、結晶粒微細化強化、転位強化、変態強化等が考えられるが、固溶強化以外は磁気特性を劣化させるため、電磁鋼板には好ましくない。また、固溶強化は高強度化には大きな効果があるが、同時に圧延荷重増大や脆性破断の課題もあり、生産性の観点から上限がある。
IPMモータのロータ材料には、ステータ材料ほどの低鉄損特性は必要ないものの、ロータ内を変動する磁束が流れることによるリラクタンストルクを一定の比率で利用することから、低鉄損であればあるほどモータ効率は高くなる。
以上の課題に対し、例えば非特許文献1で、Cuからなる金属相を数nmのサイズに微細に分散させ、高強度と低鉄損とを両立した電磁鋼板が提案されている。さらに、微細なCuの金属相を含み高強度と低鉄損とを両立した電磁鋼板については、例えば特許文献1、特許文献2等に開示されている。
特許第5000136号公報 特開2011−006721号公報
日本鉄鋼協会編集、材料とプロセス:CAMP−ISIJ Vol.27 (2014)−467
しかしながら、上記特許文献1、2、非特許文献1は、ロータ用の材料である電磁鋼板全体にCuからなる金属相を析出させるものである。そのため、電磁鋼板全体に熱処理を行わなければならないうえ、特に高強度を必要としない箇所にもCu相を析出させて磁気特性を劣化させてしまうという問題がある。
本発明は、磁気特性を劣化させることなく、高強度が必要な箇所の強度を向上させたモータ用高強度部材とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、ロータコアなどのモータ用部材において、特に高強度が必要な箇所のみに、微細Cu粒子を部分的に析出させることで、磁気特性を劣化させずにモータ用部材の強度を向上できることを知見した。本発明によれば、以下のモータ用高強度部材とその製造方法が提供される。
(1) 質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材とするモータ用高強度部材であって、
円相当径が10nm以下の微細Cu粒子が、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに析出している、モータ用高強度部材。
(2) 前記モータ用高強度部材はIPM型モータのロータであり、微細Cu粒子が析出している前記部分的な箇所はブリッジ部である、(1)に記載のモータ用高強度部材。
(3) 前記部分的な箇所に、前記微細Cu粒子が100個/μm以上析出している(1)または(2)のいずれかに記載のモータ用高強度部材。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載のモータ用高強度部材の製造方法であって、
質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材として所定の形状とした後、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに、線状のレーザ照射によって、400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与えて、前記部分的な箇所に微細Cu粒子を析出させる、モータ用高強度部材の製造方法。
(5) (1)〜(3)のいずれかに記載のモータ用高強度部材の製造方法であって、
質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材として所定の形状とした後、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに、棒状のハロゲンヒータ加熱によって、400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与えて、前記部分的な箇所に微細Cu粒子を析出させる、モータ用高強度部材の製造方法。
(6) (1)〜(3)のいずれかに記載のモータ用高強度部材の製造方法であって、
質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材として所定の形状とした後、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに穴を開けた遮熱板を配置して、輻射加熱によって、400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与えて、前記部分的な箇所に微細Cu粒子を析出させる、モータ用高強度部材の製造方法。
本発明によれば、磁気特性を劣化させずにモータのロータ用部材の強度の必要な箇所を部分的に向上させ、またモータ効率を向上させることができる。したがって、電気駆動自動車の主機モータの小型化を図るために求められている高速回転に耐えるロータの高強度化と高効率化とを両立することができる。
IPMモータの構造を説明する斜視図である。 ロータの平面図である。 図2のロータのA部を拡大した高速回転時の応力分布の説明図である。 本発明の実施形態にかかるレーザ照射を行う箇所の説明図である。 本発明の異なる実施形態にかかるハロゲンヒータの配置を示す平面図である。 図5の斜視図である。 本発明のさらに異なる実施形態にかかる輻射加熱時の遮熱板を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、モータ用高強度部材の一例として、電気自動車やハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車などの駆動モータとして用いられている永久磁石内蔵モータ(IPMモータ)のロータについて本発明を適用した形態を説明する。
図1は、IPMモータ1の構造の説明図である。円筒形状の固定子10の内側に、回転子であるロータ11が挿入されている。固定子10には、内側にあるロータ11に向かって突出する複数のティース15が設けられており、各ティース15は、ロータ11の回転中心軸Oに対して点対称に、放射状に配置される。各ティース15には、巻線16が集中巻き方式で巻き付けられてコイルが形成されている。ティース15の巻線16は、集中巻き方式の他に分布巻き方式があり、コスト、巻線占積率、コギング特性等を総合的に勘案して選択されるが、本発明の効果は、固定子10のティース15の巻線方式によって左右されるものではない。
図2に示すように、この実施形態のロータ11は、磁石を挿入する開口部20が8か所に設けられた8極ロータを例示している。各開口部20の端部とロータ側面との間がブリッジ部21である。近年、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)に使用される駆動モータの高速回転化が著しくなっているが、高速回転時には、このブリッジ部21に強い遠心力が作用する。
本発明者らのシミュレーションによれば、高速回転時のロータ11に作用する遠心力の応力分布は、図3に示すような結果になった。すなわち、高速回転時のロータ11では、ブリッジ部21に強い応力が作用し、特に各開口部20の外側の隅角部近傍の部分(図3中の斜線を付した領域)22に応力集中が発生して、ロータ11の変形や疲労破壊が発生しやすいことが判明した。
前述の通り、Cuからなる金属相を数nmのサイズに微細に分散させることで、高強度と低鉄損とを両立した電磁鋼板が得られることは周知である。この微細Cu粒子の析出には、500℃程度の比較的低温の熱処理が必要であるが、高強度が必要とされるのは、ロータ11のうち、応力集中が発生しやすいブリッジ部21のみである。したがって、例えば線状のレーザ照射等の加熱手段によって、ブリッジ部21のみを所定の温度まで急速加熱し昇温させれば、効率よく必要サイズの微細Cu粒子の析出が得られ、ブリッジ部21の高強度化が実現できる。加えて、ブリッジ部21に微細Cu粒子が析出することにより、非析出部に較べて透磁率が低くなり、ブリッジ部21からの漏れ磁束を抑制し、隣接する磁石間の磁気的結合を抑制する効果も大きく、さらにモータ効率を高める事ができる。本発明は、このように、モータ用部材における応力集中が発生しやすい箇所のみに微細Cu粒子を析出させることによって、部分的に強度を高め、またモータ効率を高めるものである。
本発明のモータ用高強度部材の素材とする電磁鋼板は、質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを基本とする。
Cは、炭化物を、磁気特性を劣化させるサイズに析出させるので、0.01%以下とする。製造コストの観点からは溶鋼段階で脱ガス設備によりC量を低減しておくことが有利で、0.003%以下とすれば磁気時効抑制の効果が著しく、高強度化の主たる手段として炭化物等の非金属析出物を用いない本発明においては0.002%以下とすることがさらに好ましく、0.0015%以下がさらに好ましい。0%であっても構わない。
Siは鋼の固有抵抗を高めて渦電流を減らし、鉄損を低減せしめるとともに、抗張力を高めるが、添加量が0.2%未満ではその効果が小さい。Si含有量を増大させれば、鉄損を低減しつつ強度を高めることが可能であるため、好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは2.0%以上とする。また、4.0%を超えると鋼を脆化させ、さらに製品の磁束密度を劣化させるため、4.0%以下、好ましくは3.5%以下とする。脆化の懸念をさらに小さくするには3.2%以下が好ましく、2.8%以下であれば、他の元素量との兼ね合いもあるが、脆化に関してはほとんど考慮する必要がなくなる。
Mnは鋼の強度を高めるため積極的に添加してもよいが、高強度化の主たる手段としてCu粒子を活用する本発明では、この目的のためには特に必要としない。固有抵抗を高めまたは硫化物を粗大化させ結晶粒成長を促進することで鉄損を低減させる目的で添加するが、過剰な添加は磁束密度を劣化させるので、0.05〜2.0%とする。好ましくは0.5%〜1.2%である。
Alは通常、脱酸剤として添加されるが、Alの添加を抑えSiにより脱酸を図ることも可能である。特に無方向性電磁鋼板の場合、Al量が0.005%程度以下のSi脱酸鋼ではAlNが生成しないため鉄損を低減する効果もある。逆に積極的に添加しAlNの粗大化を促進するとともに固有抵抗増加により鉄損を低減させることもできるが、2.50%を超えると脆化が問題になるため、2.50%以下とする。
Cuは、本発明では必須の元素である。鋼板中の所望する箇所にCuを主体とする金属相を形成させ磁気特性に悪影響を及ぼさない範囲で高強度化を図るための範囲として、0.5〜3.0%に限定する。Cuの含有量が低いと、高強度化効果が小さくなるとともに高強度化効果を得るための熱処理条件が狭い範囲に限定され、製造条件の管理、生産調整の自由度が小さくなる。また、Cuの含有量が高いと磁気特性への影響が大きくなり特に磁束密度の低下が著しくなるばかりでなく、熱延時の鋼板の割れ、疵がひどくなる懸念もある。特に、鋼への固溶限を超えた分のCuは析出Cuとして高強度化に寄与するものの、本発明での主目的であるCu相に比較して効率が悪くなる。また、過剰なCuは熱履歴によっては望まない工程において鋼中に金属相を形成し、例えば、熱延中などに高温で比較的粗大なCu金属相を形成するため、その後の微細な金属相の形成に好ましくない働きをしたり、磁気特性に悪影響を及ぼす場合もある。好ましくは0.7〜2.0%、さらに好ましくは0.8〜1.8%である。
本発明のモータ用高強度部材の製造に使用する電磁鋼板(素材)は、以上の成分組成を基本とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる。
モータ用高強度部材の製造に使用する無方向性電磁鋼板(素材)は、前記成分を含む鋼を溶製し、連続鋳造で鋼スラブとし、ついで熱間圧延、冷間圧延および焼鈍をすることによって得られる。また、これらの工程に加え絶縁皮膜の形成や脱炭工程、熱延板焼鈍などを行っても良い。
こうして得られたCuを含有する無方向性電磁鋼板を、例えば打ち抜き加工等の方法によってモータ用部材として必要な所定の形状にする。この場合、まだ素材の段階では、電磁鋼板は軟質であり、容易にモータ用部材の形状に加工することができる。
次に、高強度が必要な箇所に、線状のレーザ照射によって、400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与える。図4は、本実施形態として、電磁鋼板で作製したモータ用部材としてのIPM型モータのロータ11において、各ブリッジ部21に線状のレーザを照射したレーザ照射線Lの例を示している。レーザによる加熱は、強化が必要な箇所のみを選択して、微細Cu粒子析出に必要な400〜700℃までの急速昇温を行うことができる。このように、強化が必要な箇所、例えばブリッジ部21のみにレーザを照射すればよいため、高速回転のIPM型モータに必要なロータ11のブリッジ部21の高強度化のための熱処理を、高いエネルギー効率で実施することができる。すなわち、短時間での熱処理が可能であり、加熱エネルギーが軽減できて経済的である。なお、熱処理が400℃未満では十分なCu粒子が析出できず、一方、700℃を超えると、形成されるCu粒子が粗大となってしまう。
図5および図6は、本発明の異なる実施形態であり、高強度が必要な箇所のみに400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与える方法として、棒状のハロゲンヒータ31を用いた場合である。本実施形態では、ロータ11の外周側に、各ブリッジ部21にそれぞれ近接させて、複数(図の例では8つ)のハロゲンヒータ31を配置している。ハロゲンヒータ31からの輻射熱は分散角をもって与えられるが、ブリッジ部21は厚みが小さく熱容量が小さいため、他の部分に比べて急速かつ短時間で加熱されることになる。
図7は、本発明のさらに異なる実施形態であり、金属ないしセラミックの遮熱板32をロータ11の外周側に配置し、一般的な輻射加熱炉等を使用して局所的な短時間加熱を可能としたものある。遮熱板32には、微細Cu粒子を析出させたい箇所、例えば各ブリッジ部21に対応する位置のみに穴33が開けられている。ブリッジ部21の熱容量は小さいため、図5および図6に示すように棒状のハロゲンヒータ31を配置するだけでもブリッジ部21が集中して加熱されるが、図5、6に示すハロゲンヒータ31と組み合わせて図7に示すような遮熱板32を配置することによって、より効率的に局所的な加熱が可能となる。また、遮熱板32は、ロータコアを加熱炉中に挿入してコア全体を加熱する場合にも、特にブリッジ部21だけを集中的に加熱するために使用することもできる。
以上の製造工程を経ることで、強度の強化が必要な箇所、例えばブリッジ部21のみを、部分的に、円相当径が10nm以下の微細Cu粒子が100個/μm以上析出した状態とし、高強度化することができる。しかも、ブリッジ部21以外のロータ11には熱処理効果を与えないのでCu粒子の析出がなく、良好な鉄損特性を維持することができる。すなわち、磁気特性を劣化させることなくモータ用部材の所望する部分の強度を部分的に向上させ、モータの高効率化を図ることができる。なお、微細Cu粒子の個数密度は、より好ましくは1000個/μm以上、さらに好ましくは10000個/μm以上析出した状態であるとよい。
なお、微細Cu粒子の円相当径が10nmを超える粗大なCu粒子が多量に生成すると、高強度化の効率が劣化し、磁気特性も劣化させる恐れがある。本発明では、部材中の強化が必要な箇所に、微細なCu粒子を高密度に生成させることで、優れた磁気特性と熱伝導性を維持しつつ、電磁鋼板の強度を向上させることができる。
以上、実施形態の一例として、永久磁石内蔵モータ(IPMモータ)のロータについて本発明を適用した場合を説明したが、本発明はかかる形態に限定されない。
質量%で、C:0.004%、Si:2.8%、Mn:0.3%、Al:0.65%、Cu:1.6%、残部Feおよび不可避的不純物からなる0.35mm厚の電磁鋼板を素材として、IPMモータのロータの形状に打ち抜き、積層して作製したロータNo.1と、同様に作製したロータのブリッジ部分に、線状のレーザ照射により650℃で10秒の熱処理効果を与えたロータNo.2を用いて、同じ方法で作製したステータと組み合わせてIPMモータを作製した。これらのIPMモータのモータ効率とロータの破壊回転数を表1に示す。
表1に示すように、線状のレーザ照射で熱処理効果を与えることにより、ロータの破壊強度が向上し、同時にモータ効率が向上することがわかった。
本発明は、永久磁石内蔵モータ(IPMモータ)のロータコアの他、高強度と磁気特性の両立が求められるモータ用部材に適用できる。
1 IPMモータ
10 固定子
11 ロータ
15 ティース
16 巻線
20 開口部
21 ブリッジ部
L レーザ照射線

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材とするモータ用高強度部材であって、
    円相当径が10nm以下の微細Cu粒子が、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに析出している、モータ用高強度部材。
  2. 前記モータ用高強度部材はIPM型モータのロータであり、微細Cu粒子が析出している前記部分的な箇所はブリッジ部である、請求項1に記載のモータ用高強度部材。
  3. 前記部分的な箇所に、前記微細Cu粒子が100個/μm以上析出している、請求項1または2のいずれか1項に記載のモータ用高強度部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ用高強度部材の製造方法であって、
    質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材として所定の形状とした後、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに、線状のレーザ照射によって、400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与えて、前記部分的な箇所に微細Cu粒子を析出させる、モータ用高強度部材の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ用高強度部材の製造方法であって、
    質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材として所定の形状とした後、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに、棒状のハロゲンヒータ加熱によって、400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与えて、前記部分的な箇所に微細Cu粒子を析出させる、モータ用高強度部材の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ用高強度部材の製造方法であって、
    質量%で、C:0.01%以下、Si:0.2〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、Al:2.50%以下、Cu:0.5〜3.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁鋼板を素材として所定の形状とした後、強度の強化が必要な部分的な箇所のみに穴を開けた遮熱板を配置して、輻射加熱によって、400℃〜700℃で1秒以上10分以下の熱処理効果を与えて、前記部分的な箇所に微細Cu粒子を析出させる、モータ用高強度部材の製造方法。
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