JP6723597B2 - 種卵の非破壊検査装置及びそれに用いる種卵検査プログラム - Google Patents

種卵の非破壊検査装置及びそれに用いる種卵検査プログラム Download PDF

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Description

本発明は、種卵の非破壊検査装置に関し、特に種卵の孵卵段階において種卵から孵化する雛の性別を判別することができる種卵の非破壊検査装置に関するものである。
食用卵の生産用に養鶏場で飼養される鶏の系統を採卵鶏(レイヤー)と呼ぶ。食用卵の生産者は、採卵用の実用鶏の親となる種鶏群を飼養する種鶏会社から実用鶏の雛を購入して、その雛を大雛まで育成して食用卵の生産に使用している。
種鶏会社において、実用鶏の親の種鶏群が飼養されている農場を種鶏農場と言う。この種鶏農場で産まれた種卵は、図1に示すように、一旦貯卵場所に集められ、その後に予備加温と呼ばれる工程を経て、孵卵場の孵卵器に入卵されて孵卵が開始される。孵卵場での入卵から約21日間の加温の後、雛が孵化する。孵化した雛は、ただちに雌雄鑑別される。
採卵鶏の場合は、オスの雛の経済的価値は乏しい。採卵鶏のオスの雛は、採卵の目的に使用できないのは勿論のこと、食肉用としても増体性が肉用鶏に比較して劣るからである。したがって、孵化したオスの雛は、雌雄鑑別の後に廃棄されている。日本国内で年間に廃棄される採卵鶏のオスの雛は、1億羽以上であり、約半数を占めるオスの孵卵コストなど経済的な損失のみならず、生命倫理上の観点からも問題視されている。
一方、インフルエンザなどのワクチンの製造法の1つに発育鶏卵培養法がある。この発育鶏卵培養法は、胚の発育が進行している種卵内でウイルスやリケッチアを培養する方法である。特にウイルスではその種により、使用する種卵の孵卵時期、接種部位、増殖時期が異なる。接種部位は漿尿膜上、尿膜腔、羊膜腔、卵黄嚢、鶏胚などで、通常孵卵開始から10〜13日経過したものを用い、接種後2〜5日で増殖が完了する。
我が国のインフルエンザ・ワクチン生産の事例では、年間数千万個の種卵がワクチン製造に使用されている。以下、ワクチン製造に使用される種卵をワクチン卵と呼ぶ。
この状況を考えれば、仮に孵卵中の種卵であっても、ワクチン卵に転用可能な日限である孵卵開始から9日目以前に孵化する雛の性別が高い確率で予測できれば、オスの孵化する確率の高い種卵をワクチン卵に転用することが可能であり、経済的な損失を少なくし、新たな収益を確保できるとともに、生命倫理上の問題も緩和できる。
従来、非特許文献1に示すように、種卵の孵卵初期段階において雌雄の判別を行うものがある。
この雌雄判別方法は、細胞中の核内の性染色体の大きさが、オスとメスとで違うことを利用するものである。
孵卵開始(入卵)から3日目胚の細胞中の核内の性染色体の違いを見るために、入卵から3日目の種卵に対してレーザで個々の卵殻に穴を開けて、その後、近赤外域の光を種卵内に照射して、種卵内の胚の細胞からの反射光をラマン分光分析の手法で分析して、細胞中の核の中の性染色体の大きさを調べて胚がオスかメスかを決定している。
採卵鶏の場合、メスの胚を有する種卵は、レーザで開けた穴を塞いで、孵卵が継続される。このオスの胚を有する種卵もメスと同様に、孵卵を継続すればワクチン卵への転用が可能であると考えられるが、下記の問題がある。
商用ベースの孵卵場では、1日あたり数万個の種卵が入卵される。これらの雌雄鑑別には時間あたり10000個〜40000個の種卵の検査が必要とされる。しかるに、非特許文献1の方法は、レーザに穴を開ける工程及び光を照射してラマン分光分析を行う工程が必要であり、卵1個あたりに10秒〜20秒の時間を要するので時間当たりに180個〜360個程度しか処理できず、商用ベースの孵卵場での処理能力の要求を満たさない。
"Germany Aims for Chicken Sexing in the Egg by 2016"、[online]、2015年4月1日、The Poultry Site、[平成28年4月1日検索]、インターネット<URL:http://www.thepoultrysite.com/poultrynews/34741/germany-aims-for-chicken-sexing-in-the-egg-by-2016/>
本願発明者は、胚が生存して発育が進んでいる種卵の内部では、血管の生成と伸長が時々刻々と進行していることに着目し、従来にはない雌雄判別方法を提案すべく、その血管の成長度合いにオスの胚とメスの胚とで有意な差があるのではないかという仮説を立てた。
そして、本願発明者は、血管の成長度合いが血管の成長に伴う血液の量から見積もれること、つまり、血管の成長度合いが血液中のヘモグロビンの吸収のピーク波長の一つである578nmにおける透過率から見積もれることに着目して、波長578nmを有する光を種卵に照射して、波長578nmにおける透過率の変化を計測した。
その結果、孵卵開始(入卵)から7日目の時点の波長578nmにおける透過率において、確かにオスの胚とメスの胚とで有意な差異が存在することを見出した。なお、詳細については後述する。
つまり、本願発明者は、血管や血液の形成の進行の仕方に性差があり、ある特定の時点での血管や血液の形成の程度の差からオスの胚とメスの胚が判別できるという新しい知見を得た。
そこで本発明は、上記問題点を解決すべく、本願発明者の新たな知見に基づいてなされたものであり、高速且つ非侵襲的な方法で、特定の性別の雛が孵化する種卵を判別することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る種卵の非破壊検査装置は、光を種卵に照射する光照射部と、前記種卵を透過した光の強度を検出する光検出部と、孵卵開始から所定期間経過した第1時点の前記種卵を透過した光の強度に基づいて、前記種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定する形成程度推定部と、形成程度の推定値から前記種卵から孵化する雛の性別を判別する性別判別部とを備えることを特徴とする。
このような種卵の非破壊検査装置であれば、孵卵開始から所定期間経過した第1時点の種卵を透過した光の強度に基づいて、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定しているので、その推定値はオスの胚とメスの胚とで異なることから、種卵から孵化する雛の性別を判別することができる。したがって、本発明によれば、高速且つ非侵襲的な方法で、特定の性別の雛が孵化する種卵を判別することができる。
また、本発明によれば、オスの雛が孵化する種卵の割合が高い種卵の集まりを選抜して、ワクチン卵として活用又は販売することができる。さらに、限られた孵卵場の収容能力をメスの雛が孵化する種卵に優先的に割り当てることができる。その上、オスの雛を殺処分する生命倫理上の問題を緩和することができる。
上記のように、種卵を透過した光の強度に基づいて、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定する場合には、その形成程度の推定値は、種卵内の血管及び/又は血液の透過率以外に、種卵のサイズや卵殻色などの種卵の属性、光照射部の発光強度の個体差や光検出部の受光感度の個体差などの測定機器の機差、種卵を載せているトレイの色や材質などのトレイの種類などの影響を受けてしまう。これらの影響は、複数の卵座を有するセッタートレイに載置された複数の種卵を、セッタートレイに載置した状態で検査する場合に特に顕著となる。
この問題を好適に解決するための一方法としては、前記形成程度推定部は、前記第1時点の前記種卵を透過した光の強度とともに、それ以前の第2時点又は孵卵開始前の前記種卵を透過した光の強度に基づいて、前記種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定するものであることが望ましい。
このように複数時点の光強度に基づいて形成程度の推定値を求めることにより、種卵の属性、測定機器の機差及びトレイの種類などの影響を低減することができる。したがって、種卵内の血管及び/又は血液の形成程度をより正確に捉えることができるので、第1時点における雌雄判別のみの場合よりも判別精度を改善することができる。
具体的な実施の態様としては、前記形成程度推定部は、前記第1時点の前記種卵を透過した光の強度と前記第2時点又は孵卵開始前の前記種卵を透過した光の強度との比を用いて、前記種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定するものであることが望ましい。
また、種卵の属性などの影響に関する問題を解決するための他の方法としては、前記形成程度推定部は、前記第1時点以前の第2時点又は孵卵開始前の前記種卵のサイズ情報をさらに用いて、前記種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定するものであることが望ましい。
ここで、種卵のサイズ情報とは、例えば、卵重、卵の長径や短径、又は卵の体積など卵の大きさを示す情報であればどのようなものであってもよい。
このように、光の強度と種卵のサイズ情報とを組み合わせて形成過程の推定値を求めることにより、種卵の属性などの影響を低減することができる。したがって、種卵内の血管及び/又は血液の形成程度をより正確に捉えることができるので、第1時点における雌雄判別のみの場合よりも判別精度を改善することができる。
種卵をセッタートレイに載置した状態で種卵を検査する場合に異なる日にまたがるデータを利用する場合には、セッタートレイに載置された種卵のデータを記録しておく必要がある。
さらに、孵卵初期の種卵は、胚が小さく外部からの振動等の刺激に鋭敏であり、この時期の卵をオスとメスに仕分けるために卵を別々のトレイに移し変える作業を行うと孵化率の低下を招く恐れがある。そのため、雌雄判別の時期が孵卵初期の場合には、前記移し変える作業は孵化率に影響を与えない時期まで待つことが望ましい。
これらの課題を好適に解決するためには、非破壊検査装置は非接触ICタグが設けられたセッタートレイに載置された前記種卵を検査するものであり、前記性別判別部により得られた判別結果を前記非接触ICタグに書き込む判別結果書込部、前記形成程度推定部により得られた形成程度の推定値を前記非接触ICタグに書き込む形成程度推定値書込部、前記光検出部により得られた光の強度を前記非接触ICタグに書き込む光強度書込部のうち少なくとも1つをさらに備えることが望ましい。
また、本発明に係る種卵検査プログラムは、光を種卵に照射する光照射部と、前記種卵を透過した光の強度を検出する光検出部とを備える種卵の非破壊検査装置に用いられる種卵検査プログラムであって、孵卵開始から所定期間経過した第1時点の前記種卵を透過した光の強度に基づいて、前記種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定する形成程度推定部と、形成程度の推定値から前記種卵から孵化する雛の性別を判別する性別判別部と、としての機能をコンピュータに備えさせることを特徴とする。
このように構成した本発明によれば、孵卵開始から所定期間経過した第1時点の種卵を透過した光の強度に基づいて、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定し、その形成程度の推定値から種卵から孵化する雛の性別を判別するので、高速且つ非侵襲的な方法で、特定の性別の雛が孵化する種卵を選別することができる。
一般的な孵卵場における雛の生産工程を示すフロー図である。 検証実験に用いた種卵の非破壊検査装置の構成を模式的に示す図である。 孵卵0日目から8日目までの相対透過率スペクトルを示す図である。 特定波長毎の相対透過率の時間変化を示す図である。 種卵の雌雄別における孵卵7日目の578nmの相対透過率を示す図である。 種卵の雌雄別における初期卵重と孵卵7日目の578nmの相対透過率との関係を示す図である。 種卵の雌雄別における孵卵0日目の578nmの相対透過率に対する孵卵7日目の578nmの相対透過率の比を示す図である。 種卵の雌雄別における初期卵重と孵卵0日目の578nmの相対透過率に対する孵卵7日目の578nmの相対透過率の比との関係を示す図である。 種卵の雌雄及び未受精卵における孵卵6日目の578nmの相対透過率を示す図である。 種卵の雌雄及び未受精卵における孵卵0日目の578nmの相対透過率に対する孵卵6日目の相対透過率の比を示す図である。 初期卵重と孵卵0日目の相対透過率に対する孵卵7日目の相対透過率の比とを説明変数とし、性別(オス=1、メス=0)を目的変数としたロジスティック回帰分布の判別値の分布を示す図である。 本実施形態の種卵の非破壊検査装置の構成(ヘッド退避位置N)を模式的に示す図である。 同実施形態の種卵の非破壊検査装置の構成(ヘッド計測位置M)を模式的に示す図である。 本実施形態の非破壊検査装置に用いるセッタートレイの平面図、及びセッタートレイの卵座に種卵を載置した状態の平面図である。 同実施形態の複数の種卵を同時に計測している状態を示す図である。 種卵の雌雄別の孵卵0日目の574nmの相対透過率に対する孵卵7日目の相対透過率の比を示す図である。 種卵の雌雄別の初期卵重と孵卵0日目の574nmの相対透過率に対する孵卵7日目の574nmの相対透過率の比との関係を示す図である。 雌雄判別及び未受精卵の閾値を示す模式図である。 RFIDを設けたセッタートレイを用いた非破壊検査システムを示す模式図である。 変形実施形態の種卵の非破壊検査装置を組み込んだ種卵仕分けシステムを模式的に示す図である。 変形実施形態の雛の生産工程を示すフロー図である。
<検証実験>
まず、本発明に至った仮説に対する検証実験について説明する。
採卵鶏(ジュリア・ライト)の種卵を90個入手した。なお、入手時に全ての種卵の卵重(以下、初期卵重という。)を測定した。また、本実験に用いた種卵は予備加温をしていない。
孵卵器に入卵する直前(以下、Day0という。)から48時間以降24時間毎にハロゲンランプ光源の光を種卵の側方から照射し、当該種卵からの透過光を分光器により分光して透過光の分光データを測定した。なお、測定装置を図2に示す。
これらのデータは、孵卵器に入れてから何日目のデータかを識別する目的で、N日目のデータならDayNのデータとして参照する。
測定環境の校正の目的で、測定前に長さ30mm、直径45mmの円筒状のテフロンブロックを種卵の代わりにブロックの底面が投光側に来るように測定台に置いて分光データを測定した。
500nmから900nmの波長範囲において、1nm刻みで、種卵の分光データをテフロンブロックの分光データで割って、テフロンブロックをリファレンスにした相対透過率のスペクトルを各種卵毎に求めた。
相対透過率T(λ)
=種卵の波長λの分光データ/テフロンブロックの波長λの分光データ
図3に、種卵のDay0からDay8までの相対透過率スペクトルを示す。この図3に示すように、内部で胚が成長している種卵は、相対透過率スペクトルの波形が毎日変化する。
この変化を578nm、623nm、750nm、810nm、870nmの波長毎に分けて示したのが図4である。この図4に示すように、全ての波長に対して、Day4からDay5にかけての相対透過率の変化が著しいが、特に両日の578nmでの相対透過率の比で計算される減少率が他の波長に比較して著しく大きい。
この理由は、次の通りである。
Day3から卵黄の胚盤の周りに血管の生成が見られる。この血管が日々伸びることによって、血液の成分であるヘモグロビンの量が増える。そうすると、ヘモグロビンによる光の吸収のピーク波長の付近において、光の吸収が大きくなる。ヘモグロビンの吸収のピーク波長は、可視域では578nm、540nm、410nm付近であることが知られており578nmは、その一つであるからである。
したがって、578nmの相対透過率の時間変化は、血管の生成及び伸長に対応している。
次に、この血管の成長にオスの胚とメスの胚とで違いがあるかを調べた。
90個の種卵の孵卵を継続して、雛を孵化させた。90個の種卵から76羽の雛が孵化した。雌雄鑑別の結果、35羽がメスで41羽がオスであった。なお、5個が未受精卵であった。残りは、胚が孵化前に死んだ中止卵であった。
図5は、雛が孵化した76個の種卵において、Day7における578nmの相対透過率を雛の性別に分けて図示したものである。なお、図中の白抜きの菱形のシンボルはオス(M)を示し、図中の黒丸のシンボルはメス(F)を示す(他の図についても同じ)。この図5から、メスの578nmの相対透過率がオスのものより有意に小さいことがわかる(t検定 p値<0.002)。
この図5において例えばDay7における578nmの相対透過率の値が、0.005より大きい種卵を抽出すれば、26個が抽出される。これは全体76個中の34%である。26個中19個がオスであり、オスの比率は、73%である。すなわち、特定時点(この場合はDay7)の578nmの相対透過率で血管や血液の生成の程度を推定し、その値が定められた閾値より大きいものを抽出すれば、オスの孵化する確率の高い卵が抽出される。
図6は、横軸に初期卵重をとり、縦軸にDay7における578nmの相対透過率をとった散布図であり、この図6ではオスの分布とメスの分布の分離がより顕著である。
以上は、Day7における578nmの相対透過率のみを用いたが、578nmの相対透過率は、血管以外にも種卵の大きさなどの影響を受けている。そこで、この影響を除く目的で、Day0における578nmの相対透過率に対する比率を求めた。以下、Day0における578nmの相対透過率に対するDay7における578nmの相対透過率の比を、単にDay0に対するDay7の相対透過率の比という。
図7は、Day0に対するDay7の相対透過率の比(減少率)を雛の性別に分けて図示したものである。この図7から、メスの相対透過率の比がオスのものより有意に小さいことがわかる
この図7において例えばDay0に対するDay7の相対透過率の比が、0.022より大きい種卵を抽出すれば、29個が抽出される。これは全体76個中の38%である。29個中21個がオスであり、オスの比率は、72%である。すなわち、特定時点(この場合はDay7)の578nmの相対透過率とそれより前の時点(この場合はDay0)の578nmの相対透過率の比を用いて血管や血液の生成の程度を推定し、その値が定められた閾値より大きいものを抽出すれば、オスの孵化する確率の高い卵が抽出される。先のDay7のみの場合と比較して、オス率が変化せず、抽出率が向上している。
図8は、横軸に初期卵重をとり、縦軸にDay0に対するDay7の相対透過率の比をとった散布図であり、この図8ではオスの分布とメスの分布の分離がより顕著である。
図9は、Day6における578nmの相対透過率である。また、図10は、Day0における578nmの相対透過率に対するDay6における578nmの相対透過率の比である。これらの図9及び図10から生存卵と未受精卵の差異が顕著である。未受精卵であれば、例えば、図9、図10で示したDay6やその前後(後述する第1時点付近)では、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度が受精卵に比べて小さいからである。
図8の散布図の横軸の変数X1(=初期卵重)と、縦軸の変数X2(=Day0に対するDay7の相対透過率の比)との2つの変数を説明変数とし、性別(オス=1、メス=0)を目的変数として、ロジスティック回帰分析で判別式を求めた。
ロジスティック回帰分析におけるオスメス判別値Yの分布を図11に示す。
ロジスティック回帰分析におけるオスメス判別値Yは、Yの値が1に近いほどオスである確率が高く、逆に0に近いほどメスである確率が高い。
したがって Y≧0.5をオスと判定し、Y<0.5をメスとした場合、種卵は2つのグループ、M判定グループとF判定グループに2分される。すなわちM判定グループは、オスの雛が孵化する確率が高い種卵が含まれるグループであり、F判定グループは、メスの雛が孵化する確率が高い種卵が含まれるグループである。この分類を2分法と言う。
2分法による判別結果を以下の表1に示す。
表1の羽根鑑別オス、羽根鑑別メスは、雛が孵化したのちに羽根鑑別によりオスとメスが鑑別された雛の羽数である。M判定、F判定はそれぞれ、M判定グループとF判定グループに判定された種卵の数である。抽出数は、各グループに分類された種卵の個数であり、抽出率は全体に対する各グループが占める割合である。オス率は各グループ中でのオスが孵化した割合である。
Y≧0.6をオスと判定し、Y<0.4をメスと判定し、それ以外を不明と判定した場合、種卵は、3つのグループ、M判定グループ、G判定グループ、F判定グループに3分される。ここでM判定グループは、オスの雛が孵化する確率が高い種卵が含まれるグループであり、F判定グループは、メスの雛が孵化する確率が高い種卵が含まれるグループであり、G判定グループは、オスとメスの確率が拮抗するグループである。この分類を3分法と言う。
3分法による判別結果を以下の表2に示す。
表2の羽根鑑別オス、羽根鑑別メスは、雛が孵化したのちに羽根鑑別によりオスとメスが鑑別された雛の羽数である。M判定、G判定、F判定はそれぞれ、M判定グループ、G判定グループ、F判定グループに判定された種卵の数である。抽出数は、各グループに分類された種卵の個数であり、抽出率は全体に対する各グループが占める割合である。オス率は各グループ中でのオスが孵化した割合である。
以上より、Day0に対するDay7の相対透過率の比の性差、及び、これらと初期卵重との組み合わせにより、種卵から孵化する雛の性別を予測し、3分法で42%の卵をM判定グループとして抽出して、そこから約84%の卵からオスが孵化することが分かった。上述したDay0に対するDay7の相対透過率の比のみの場合と比較して、抽出率もオス率も向上している。
以上、図8の散布図の横軸の変数X1と縦軸の変数X2を説明変数とし、性別を目的変数とするロジスティック回帰分析による雌雄の判別結果を示した。同様に図6の散布図の横軸の変数X1と縦軸の変数X2(Day7の578nmの相対透過率)を説明変数として、性別を目的変数とするロジスティック回帰分析により雌雄判別を行っても、図8に基づく場合と同様の結果が得られる。
このようにDay0に対するDay7の578nmの相対透過率の比、又は、Day7の578nmの相対透過率に加えて、卵重を性別判定の変数に加えることにより、判別の性能の向上を図ることができる。
ここでは、卵重を判定に追加する変数としたが、卵重以外の卵の長径又は短径や、卵の体積など卵の大きさを示す変数であれば良い。
<本実施形態の非破壊検査装置の構成>
以下に、本発明に係る種卵の非破壊検査装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の種卵の非破壊検査装置100は、種卵の孵卵段階において、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定することにより、種卵から孵化する雛の性別を非破壊で判別するものである。
具体的に種卵の非破壊検査装置100は、図12及び図13に示すように、セッタートレイ200に載置された複数の種卵を一挙に検査可能に構成されており、図示しない搬送機構により搬送されたセッタートレイ200の下方から種卵に向かって光を照射する光照射部2と、セッタートレイ200の上方に設けられて種卵を透過した光の強度を検出する光検出部3とを備えている。なお、図12は、セッタートレイ200の搬送状態を示しており、図13は、複数の種卵の計測状態を示している。
まず、セッタートレイ200について説明すると、このセッタートレイ200は、図14に示すように、種卵が載置される例えば正6角形の卵座201を同一平面上に複数有するものである。なお、図14には、計42個の卵座が6行×7列で設けられており、42個の種卵を載置可能に構成されたものを示している。
また、各卵座201は、その底面が下方に開口するとともに、種卵を保持する1又は複数の突起部202を有している。そして各卵座201は、図15に示すように、上下方向において突起部202のほかに光を遮るものが無いように構成されている。なお、孵卵場で用いられるセッタートレイ200には、ここに例示するもの以外に種々の形状のものが存在するが、各卵座201には卵を保持する突起部202のほかに光を遮るものは存在しないなど後述の光計測に必要な要件は、共通に満たされており、本実施形態は、このセッタートレイ200の形状に限定されるものではない。
そして、このセッタートレイ200は、図示しない搬送機構により所定のトレイ搬送方向に沿って搬送され(図12参照)、所定の検出位置において一旦停止されて、光照射部2により光が照射されるとともに、種卵を透過した光が光検出部3により検出される(図13参照)。
光照射部2は、血管又は血液に吸収される波長を有する光を照射するものである。血管又は血液に吸収される波長は、具体的にはヘモグロビンやミオグロビンに吸収される波長である。具体的には、検出位置にあるセッタートレイ200に載置された複数の種卵に対応して設けられた複数の発光ダイオード(LED)21である。複数のLED21は、578nm付近に発光中心波長を有するLEDであり、本実施形態では、574nmに発光中心波長を有するものである。なお、光照射部2としては、578nm付近に発光中心波長を有するレーザであっても良い。
光検出部3は、各LED21に正対するように設けられた複数のフォトダイオード(PD)31である。各PD31は、個々に独立した黒色の遮光性と柔軟性を備えた素材でできた吸盤32内に収められ、各吸盤32とともにヘッド33に固定されている。このヘッド33は、図示しない昇降機構により吸盤32が種卵に密着する計測位置M(図13、図15参照)と、当該計測位置Mから上方に離間してセッタートレイ200が搬送される退避位置N(図12参照)との間を移動する。
本実施形態の光照射部2は574nmに発光中心波長をもつLEDであるが、この574nmであっても、上述した検証実験における578nmの相対透過率とほぼ同様の結果が得られる。その結果を図16及び図17に示す。なおこの場合において、セッタートレイ200上にテフロン製の同一形状の模擬卵を載置して、種卵の計測前にその透過光の強度を計測することにより、574nmの相対透過率を求めることができる。
図16は、Day0に対するDay7の相対透過率の比(減少率)を雛の性別に分けて図示したものである。この図16から、メスの相対透過率の比がオスのものより有意に小さいことがわかる。
図17は、横軸に初期卵重をとり、縦軸にDay0に対するDay7の相対透過率の比をとった散布図であり、この図17ではオスの分布とメスの分布の分離がより顕著である。
そして、本実施形態の種卵の非破壊検査装置100は、図12及び図13に示すように、種卵を透過した光の強度に基づいて、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定する形成程度推定部4と、形成程度の推定値から種卵から孵化する雛の性別を判別する性別判別部5とを備えている。
なお、この形成程度推定部4及び性別判別部5は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部等の専用乃至汎用のコンピュータにより構成されている。そして、内部メモリに格納された種卵検査プログラムにしたがってCPUやその他の周辺機器が協働することによって、形成程度推定部4及び性別判別部5としての機能が発揮される。また、形成程度推定部4及び性別判別部5は、物理的に一体のコンピュータにより構成されたものであっても良いし、それぞれ物理的に別体をなすコンピュータにより構成されたものであっても良い。
以下、各部について説明する。
形成程度推定部4は、光検出部3により得られた各種卵の透過光の光強度を取得して、その光強度に基づいて、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定して、その推定程度を示す推定値を算出するものである。なお、形成程度推定部4は、光検出部3であるPD31から出力される光強度信号(例えば電圧値)を用いて推定値を算出する。
具体的に形成程度推定部4は、以下の三通りの方法のうち何れかにより各種卵の推定値を算出する。
(方法1)孵卵開始から第1時点(本実施形態では7日目、以下、同じ)での電圧値を形成程度の推定値とする。なお、第1時点は、孵卵7日目に限られず、その前後(例えば孵卵5日目〜8日目のいずれか)であってもよい。性別判別に最適な第1時点は、鶏種や入卵前の予備加温の条件で変化し、別途、本発明の検証実験と同様の方法で決定される。
(方法2)孵卵開始から第1時点での種卵に対する電圧値と事前に求めておいたテフロンブロックなどの模擬卵における電圧値の比である相対透過率の値を形成程度の推定値とする。なお、模擬卵における電圧値は、種卵と同様に、セッタートレイ200上に模擬卵を載置して取得する。
(方法3)孵卵開始から第1時点での電圧値とそれ以前の第2時点(本実施形態では孵卵器に入卵する直前(孵卵開始前)である0日目)での電圧値の比を形成程度の推定値とする。なお、第2時点での電圧値は、第1時点の電圧値を取得したセッタートレイ200を搬送機構により再度検査位置に搬送して、第1時点の電圧値と同様に取得する。なお、第2時点は、孵卵0日目に限られないが好ましくは、孵卵0日目よりも前あるいは直後であればよい。性別判別に最適な第2時点は、鶏種や入卵前の予備加温の条件で変化し、別途、本発明の検証実験と同様の方法で決定される。
上記(方法2)の場合には、測定機器の機差及びトレイの種類などの影響を低減することができる。ただし、種卵のサイズや色などの種卵の属性の影響を受ける可能性が残り、また、模擬卵を用いた測定の手間が発生してしまう。一方、上記(方法3)の場合には、測定機器の機差及びトレイの種類などの影響に加えて、種卵のサイズや色などの種卵の属性の影響を低減することができ、また、模擬卵を用いた測定の手間を省くことができる。
以下、形成程度推定部4によるデータ処理について説明する。
複数の卵座201の種卵を同時に計測するので、PD31の電圧値は、種卵の透過率以外に、LED21の発光強度の個体差やPD31の受光感度の個体差の影響を受ける。
これは、各卵座201毎にテフロンブロック製の模擬卵を載置して、その模擬卵の場合のPD31の電圧値を事前に求めておくことで解消できる。
ただし、ここでLEDの発光強度の中心波長を574nmとしている。
しかし、このキャリブレーションの方法は、全ての卵座201で事前に模擬卵の場合のPD31の電圧値を求めておく必要がある。
この問題の解消のため、孵卵開始から7日目(第1時点の一例)だけでなく入卵前(第2時点の一例)にも同一装置で同一トレイ200に載せた種卵の電圧値を測定して、それらの比を取ればよい。
ただし、ここでLEDの発光強度の中心波長を574nmとしている。
以上の計算から数式3よりDay0に対するDay7の相対透過率の比は、Day0に対するDay7の透過率の比で計算できること、数式2より、Day0に対するDay7の透過率の比は、Day0に対するDay7のPDの電圧値の比で計算できることが分かった。したがって、Day0に対するDay7の相対透過率の比はDay0に対するDay7のPDの電圧値の比で計算できるので、事前のキャリブレーションは不要である。
性別判別部5は、形成程度推定部4により得られた推定値を取得して、当該推定値に基づいて、種卵から孵化する雛の性別を判別するものである。また、本実施形態の性別判別部5は、推定値に基づいて、未受精卵も判別できるように構成されている。言い換えれば、この種卵の非破壊検査装置100は、前記第1時点の前記種卵を透過した光の強度に基づいて、未受精卵か否かを判別する未受精判別部を備えている。
ここで、性別判別部5は、閾値の設定により、M判定グループ及びF判定グループに選別する2分法、又は、M判定グループ、G判定グループ及びF判定グループに選別する3分法の何れかとして構成される。
M判定グループは、オスの雛が孵化する確率が高い種卵が含まれるグループである。
F判定グループは、メスの雛が孵化する確率が高い種卵が含まれるグループである。
3分法にした場合、G判定グループは、M判定グループ、F判定グループの何れにも属さない種卵が含まれるグループである。なお、G判定グループは、M判定グループとF判定グループとの中間のグループであり、雌雄いずれの雛が孵化する確率が高いとは言えないグループである。
つまり、性別判別部5が、M判定グループ及びF判定グループに選別する2分法の場合には、M判定グループとF判定グループとに選別するためのM/F閾値が設定される。なおこのM/F閾値は、予め性別判別部5に入力されている。
一方、性別判別部5が、M判定グループ、G判定グループ及びF判定グループに選別する3分法の場合には、図18に示すように、M判定グループとG判定グループとに選別するためのM/G閾値、及び、G判定グループとF判定グループとに選別するためのG/F閾値が設定される。なおこれらのM/G閾値及びG/F閾値は、予め性別判別部5に入力されている。
また、性別判別部5は、上記の2分法及び3分法のいずれにおいても、未受精卵を選別するための未受精卵閾値が設定されている。この未受精卵閾値は、M/F閾値及びM/G閾値よりも大きい値としてある。
以上により形成程度推定部4により得られた推定値を用いて性別判別部5により雌雄判別を行うことができるが、異なる日にまたがるデータを用いる必要があるため、そのデータ管理が問題となる。
ここで、種卵の非破壊検査装置100にデータ格納部(不図示)を設けて、セッタートレイ200の識別子(例えばセッタートレイ200に設けられたバーコード情報など)とともに当該セッタートレイ200に載置された種卵の位置情報(卵座位置)及びその種卵の光強度信号(電圧値)を格納することが考えられる。この場合、データ格納部は、非破壊検査装置100の他の装置に設けてもよい。
また、図19に示すように、セッタートレイ200にRFID等の非接触ICタグ300を設けて、当該非接触ICタグ300に各種データを格納するようにしても良い。
図19に示す例では、種卵の非破壊検査装置100は、光検出部3により得られた光の強度(電圧値)を非接触ICタグ300に書き込む光強度書込部6と、非接触ICタグに記録された光強度を読み取る光強度読取部7と、性別判別部5により得られた判別結果を非接触ICタグ300に書き込む判別結果書込部8とを備えている。なお、光強度書込部6、光強度読取部7及び判別結果書込部8は、非接触ICタグ300に対してデータの書き込み及び読み取りを行うリーダライタにより構成されている。この場合の種卵の非破壊検査の手順は以下である。
入卵前のDay0においてセッタートレイ200を検出位置に搬送して、複数のLED21により当該セッタートレイ200上の複数の種卵に光を照射して、それぞれの種卵を透過した光を複数のPD31で検出する。非破壊検査装置100は、そのPD31の電圧値を取得する。このDay0の電圧値は、非破壊検査装置100の光強度書込部6により、そのセッタートレイ200の非接触ICタグ300に、種卵の位置情報(卵座位置)とともに書き込まれる。なお、この非接触ICタグ300には、初期卵重も併せて記録される。
孵卵開始から7日目(Day7)においてセッタートレイ200を再び検出位置に搬送して、複数のLED21により当該セッタートレイ200上の複数の種卵に光を照射して、それぞれの種卵を透過した光を複数のPD31で検出する。非破壊検査装置100は、そのPD31の電圧値を取得する。
また、このとき、非破壊検査装置100の光強度読取部7は、非接触ICタグ300からDay0の電圧値を取得する。そして、形成程度推定部4は、Day0の電圧値及びDay7の電圧値を用いて推定値を算出し、性別判別部5は、その推定値と所定の閾値とを比較して、各種卵毎に孵化する雛の性別を判別する。この判別結果は、非破壊検査装置100の判別結果書込部8により、そのセッタートレイ200の非接触ICタグ300に、種卵の位置情報(卵座位置)とともに書き込まれる。
その後、孵卵開始から例えば9日目(第1時点以降の第3時点の一例、9日目には限られない)に、セッタートレイ200は、仕分け装置400に搬送される。この仕分け装置400に設けられた判別結果読取部(具体的にはリーダライタ)401により、非接触ICタグ300に記録された判別結果が読み取られて、仕分け装置400により複数の種卵は、少なくともM判定グループ及びF判定グループに仕分けされる。なお、図19では、G判定グループ及び未受精卵(廃棄)にも仕分ける場合を示している。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の種卵の非破壊検査装置100によれば、孵卵開始から第1時点の種卵を透過した光の強度に基づいて、種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定しているので、その推定値はオスの胚とメスの胚とで異なることから、種卵から孵化する雛の性別を判別することができる。したがって、本実施形態によれば、高速且つ非侵襲的な方法で、特定の性別の雛が孵化する種卵を判別することができる。
また、種卵の非破壊検査装置100によれば、オスの雛が孵化する種卵の割合が高い種卵の集まりを選抜して、ワクチン卵として活用又は販売することができる。さらに、限られた孵卵場の収容能力をメスの雛が孵化する種卵に優先的に割り当てることができる。その上、オスの雛を殺処分する生命倫理上の問題を緩和することができる。
本実施形態の種卵の非破壊検査装置100は、セッタートレイ200に設けられた非接触ICタグ300に、光検出部3により得られた光の強度及び性別判別部5により得られた判別結果を書き込むように構成されているので、セッタートレイ200毎の種卵のデータ管理が容易となる。また、セッタートレイ200に設けられた非接触ICタグ300に性別判別部5により得られた判別結果を書き込み、後日、その判別結果を用いて種卵の仕分けを行うことができるので、雌雄判別の時期が孵卵初期の場合であっても、種卵の移し変える作業は孵化率に影響を与えない時期まで待つことができる。
<その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、光照射部2として、ハロゲンランプなどの広帯域の波長の光源を用いてもよい。この場合、光検出部3としては、多波長の分光スペクトルを求める分光器を用いた構成とする。この構成の場合、光の強度とは、分光強度スペクトルを意味する。
このとき形成程度推定部4は、以下の三通りの方法のうち何れかにより各種卵の推定値を算出する。
(方法1)孵卵開始から第1時点(例えば7日目、上述した実施形態に準ずる。)での分光強度スペクトルの578nmの値、又は、その近傍の値の平均値を形成程度の推定値とする。
(方法2)孵卵開始から第1時点での種卵に対する分光強度スペクトルと事前に求めておいたテフロンブロックなどの模擬卵の分光強度スペクトルとの各波長の比である透過率スペクトルにおける578nmの値、又は、その近傍の値の平均値を形成程度の推定値とする。なお、模擬卵の分光強度スペクトルは、種卵と同様に、セッタートレイ200上に模擬卵を載置して、種卵と同様に分光強度スペクトルを取得する。
(方法3)孵卵開始から第1時点での分光強度スペクトルと第2時点(例えば孵卵器に入卵する直前(孵卵開始前)である0日目、上述した実施形態に準ずる。)での分光強度スペクトルとの各波長の比のスペクトルを求め、そのスペクトルにおける578nmの値、又は、その近傍の値の平均値を形成程度の推定値とする。なお、第2時点での分光強度スペクトルは、第1時点の分光強度スペクトルを取得したセッタートレイ200を搬送機構により再度検査位置に搬送して、第1時点の分光強度スペクトルと同様に取得する。
図20に種卵の非破壊検査装置100を組み込んだ種卵仕分けシステムを示す。このシステムでは、光照射部2及び光検出部3と、形成程度推定部4及び性別判別部5とが物理的に分離されて構成されている。この例では、種卵仕分けシステムは、光検出部3により得られた光の強度を非接触ICタグ300に書き込む光強度書込部6を備えている。また、非破壊検査装置100とは別の装置(例えば仕分け装置400)は、非接触ICタグ300に記録された光強度を読み取る光強度読取部7と、形成程度推定部4及び性別判別部5とを備えている。なお、光強度書込部6及び光強度読取部7は、同一又は別々にリーダライタにより構成されている。この場合の種卵の非破壊検査の手順は以下である。
入卵前のDay0においてセッタートレイ200を検出位置に搬送して、複数のLED21により当該セッタートレイ200上の複数の種卵に光を照射して、それぞれの種卵を透過した光を複数のPD31で検出する。非破壊検査装置100は、そのPD31の電圧値を取得する。このDay0の電圧値は、非破壊検査装置100の光強度書込部6により、そのセッタートレイ200の非接触ICタグ300に、種卵の位置情報(卵座位置)とともに書き込まれる。なお、この非接触ICタグ300には、初期卵重も併せて記録される。
孵卵開始から7日目(Day7)においてセッタートレイ200を再び検出位置に搬送して、複数のLED21により当該セッタートレイ200上の複数の種卵に光を照射して、それぞれの種卵を透過した光を複数のPD31で検出する。非破壊検査装置100は、そのPD31の電圧値を取得する。このDay7の電圧値は、非破壊検査装置100の光強度書込部6により、そのセッタートレイ200の非接触ICタグ300に、種卵の位置情報(卵座位置)とともに書き込まれる。
その後、孵卵開始から例えば9日目に、セッタートレイ200は、仕分け装置400に搬送される。この仕分け装置400に設けられた光強度読取部7により、非接触ICタグに記録されたDay0及びDay7の電圧値が読み取られる。そして、仕分け装置400の形成程度推定部4は、Day0の電圧値及びDay7の電圧値を用いて推定値を算出し、性別判別部5は、その推定値と所定の閾値とを比較して、各種卵毎に孵化する雛の性別を判別する。この判定結果により、仕分け装置400は、複数の種卵を、少なくともM判定グループ及びF判定グループに仕分ける。なお、図20では、G判定グループ及び未受精卵(廃棄)にも仕分ける場合を示している。
また、種卵の非破壊検査装置100は、形成程度推定部4により得られた形成程度を非接触ICタグ300に書き込む形成程度推定値書込部を有しており、当該形成程度推定値書込部により非接触ICタグ300に推定値を書き込むように構成してもよい。この場合、非接触ICタグ300に書き込まれた推定値は、形成程度推定値読取部が設けられた非破壊検査装置100又は仕分け装置などにより読み取られて、性別判別部5による性別判別に利用される。さらに、種卵の非破壊検査装置100は、判別結果書込部及び判別結果読取部をさらに備えてもよい。
種卵の透過率は種卵の卵重や長径、短径などのサイズにも依存する。このサイズの影響を考慮して、形成程度推定部4は、変数X1(=初期卵重)と、変数X2(=Day0に対するDay7の相対透過率の比)との2つの変数を説明変数とし、性別(オス=1、メス=0)の予測値Yを求めるロジスティック回帰分析を行うものであり、性別判別部5は、この予測値Yを用いて、種卵から孵化する雛の性別を判別するものであってもよい。この場合、性別判別部5は、例えばY≧0.5をオス、Y<0.5をメスとした2分法による判別を行ってもよいし、例えばY≧0.6をオス、Y<0.4をメスとした3分法による判別を行ってもよい。
このように、形成程度推定部4は、前記第1時点以前の第2時点又は孵卵開始前の前記種卵のサイズ情報をさらに用いるものであってもよく、上述した変数X1は、初期卵重以外に卵の長径や短径、又は卵の体積などが考えられ、そのサイズ情報の計測時期も種々変更可能である。一方、変数X2についても、Day0に対するDay7の相対透過率の比に限られず、Day0とDay7の相対透過率の差や、Day7の相対透過率のみであってもよい。Day0やDay7は、第1時点や第2時点の一例であることは言うまでもない。さらに、予測値Yを求める際には、変数X1と変数X2との関係性を求めることができるものであればロジスティック回帰分析に限られず種々変更可能である。
前記実施形態の光照射部2は、血管又は血液に吸収される波長を有する光(574nm)を射出するLEDを用いたものであったが、このLEDに加えて、孵卵後期の肺の心拍測定に適した波長を有する光(例えば810nm)を射出するLEDを備えるものであってもよい。この場合、孵卵初期においては574nmのLEDを用いて種卵の雌雄判別及び未受精卵の判別を行うとともに、孵卵後期においては810nmのLEDを用いて非生存卵の判別を行うことができる。このような構成であれば、図21に示す雛の生産工程において、入卵作業時に574nmのPDの電圧値を測定し、中間検卵作業に574nmのPDの電圧値を測定して、未受精卵を選別して取り除くことができる。また、その後の性別仕分け作業によりオスの種卵を取り除いてワクチン卵に回すことができる。メスの種卵はそのまま孵卵が継続されて、移卵時検卵作業に非生存卵を選別して取り除くことができ、移卵作業によりメスの生存卵をハッチャーに移卵して孵化させることができる。
前記実施形態では、一つの検査時点においては単一の波長(例えば、578nmや574nmなど)のみの光の強度に着目する態様を示したが、例えば、卵殻色の影響を緩和するために、いわゆる血卵検査装置で知られているような波長(例えば、560nmや590nmなど)の光の強度と組み合わせてもよい。すなわち、一つの検査時点において複数の波長の光の強度を使って、前記種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定してもよい。このようなものであれば、前記実施形態で示したジュリア・ライトのような白色卵のみならず、有色卵においても判定精度を向上させることができる。
前記実施形態の形成程度推定部4は、前記第1時点と第2時点又は孵卵開始前の光の強度に基づいて、前記種卵内の血管及び/又は血液の形成の程度を推定する際に、各時点の光の強度の比を用いていたが、各時点間の光の強度の差を用いるようにするなど種々変更可能である。
上述した実施形態では、セッタートレイ上に静止した状態の種卵に光を照射して検査を行うようにしていたが、これに限られず、搬送途中の種卵に光を照射して次々と検査するようにしてもよいのはもちろんである。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・種卵の非破壊検査装置
200・・・セッタートレイ
300・・・非接触ICタグ
2・・・光照射部
3・・・光検出部
4・・・形成程度推定部
5・・・性別判別部
7・・・光強度書込部
8・・・判別結果書込部

Claims (2)

  1. 光を種卵に照射する光照射部と、
    前記種卵を透過した光の強度を検出する光検出部と、
    孵卵開始から所定期間経過した第1時点の前記種卵を透過した光の強度に基づいて、前記種卵内の血管及び/又は血液の生成の程度を推定する推定部と、
    前記推定部により得られた推定値から前記種卵から孵化する雛の性別を判別する性別判別部とを備える、種卵の非破壊検査装置。
  2. 光を種卵に照射する光照射部と、前記種卵を透過した光の強度を検出する光検出部とを備える種卵の非破壊検査装置に用いられる種卵検査プログラムであって、
    孵卵開始から所定期間経過した第1時点の前記種卵を透過した光の強度に基づいて、前記種卵内の血管及び/又は血液の生成の程度を推定する推定部と、前記推定部により得られた推定値から前記種卵から孵化する雛の性別を判別する性別判別部と、としての機能をコンピュータに備えさせることを特徴とする種卵検査プログラム。
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