JP6723277B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

この発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
従来、通常の遊技状態よりも可変表示時間が短縮された時短状態において、始動入賞口に設けられる可変入賞球装置が開放しているときに、第2特別図柄の保留記憶情報を貯めるように促す報知を実行する遊技機があった(たとえば、特許文献1参照)。
遊技演出における報知として、プッシュボタンなどの操作手段の有効期間をゲージで表示するものがあった(たとえば、特許文献2参照)。また、操作手段の有効期間を秒数で表示するものがあった(たとえば、特許文献3参照)。
特開2011−41760号公報 特開2015−112109号公報 特開2008−183361号公報
しかし、特許文献1から特許文献3に基づいた遊技機において、遊技者が保留記憶情報を貯めていない場合に、1つの表示で保留記憶情報を貯めることを促進したとしても、遊技者に認識させ難い虞があった。
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技者が残り期間が少なくなったことを遊技者に、より強く認識させることが可能な遊技機を提供することである。
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者が所定の動作(たとえば、プッシュボタン120の押下動作、第2特別図柄の保留記憶を増やすために第2始動入賞口14に入賞させるための打球操作ハンドル5の操作による遊技球の発射動作)を実行することができる有効期間(たとえば、操作有効期間、第2始動入賞口14の可変入賞球装置15の開放が頻繁に行なわれる時短状態の期間)を示す有効期間表示(たとえば、図20−2,図20−4,図20−6で示す促進画像283F96A,283F96B,283F97A,283F97Bの表示)を実行可能な有効期間表示手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図20−1のステップ283FS113,ステップ283FS115,ステップ283FS117)と、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、
前記有効期間表示手段によって前記有効期間表示が実行された後、前記保留記憶手段に前記保留記憶情報が所定上限数まで記憶されたときに達成報知演出を実行する達成報知演出実行手段と、を備え、
前記有効期間表示手段は、
前記有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第1表示(たとえば、図20−2(B)の促進画像283F96Aおよび図20−2(C)の促進画像283F97Aで示すタイムバー表示)と、前記第1表示とは態様が異なるとともに前記有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第2表示(たとえば、図20−2(D)の促進画像283F96Bおよび図20−2(E)の促進画像283F97Bで示す秒数でのカウントダウン表示)とを前記有効期間表示として実行可能であり、
前記有効期間表示の実行を開始してから残り期間が所定期間となるまでは、前記第1表示を前記有効期間表示として実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS113,ステップ283FS117)一方、
前記有効期間表示の実行を開始してから残り期間が前記所定期間となった後は、前記第1表示に加えて前記第2表示を前記有効期間表示として実行(たとえば、図20−1のステップ283FS115,ステップ283FS117)
前記達成報知演出実行手段は、前記有効期間表示手段によって前記第1表示に加えて前記第2表示が実行されているときに、前記保留記憶手段に前記保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶された場合は、前記達成報知演出の実行を制限する
このような構成によれば、第2表示によって残り期間が少なくなったことを遊技者に、より強く認識させることができる。
なお、遊技機は、以下の構成であってもよい。
第1可変表示を行う第1可変表示手段と、
第2可変表示を行う第2可変表示手段と、
遊技媒体が進入可能な特定領域が内部に設けられ所定状態において前記遊技媒体が進入可能な状態に制御可能な可変入賞手段と、をさらに備え、
少なくとも前記第1可変表示手段の表示結果が第1特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1有利状態に制御可能であるとともに、前記第2可変表示手段における表示結果が第2特定表示結果となったときに前記所定状態に制御され、前記特定領域に前記遊技媒体が進入したことに基づいて遊技者にとって有利な第2有利状態に制御可能であり、
前記保留記憶手段は、前記第2可変表示手段による前記第2可変表示に関する情報を前記保留記憶情報として前記所定上限数まで記憶可能であり、
前記第1有利状態および前記第2有利状態が終了したことに基づいて、所定回数、前記第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい時短状態に制御可能な時短制御手段と、
前記時短制御手段によって前記時短状態に制御されている間に前記保留記憶手段に前記保留記憶情報を前記所定上限数まで記憶させることを促す促進報知を実行する促進報知手段と、をさらに備え、
前記促進報知手段は、
第1態様と、前記第1態様よりも遊技者の認識度合の低い第2態様とのいずれかで前記促進報知を実行可能であり、
前記第1態様の後に前記第2態様で前記促進報知を実行しているときに、前記保留記憶手段に記憶されている前記保留記憶情報の数が前記所定上限数に達していない場合に、再度、前記第1態様で前記促進報知を実行する。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記有効期間表示手段は、前記第1表示が実行されている領域に対応した領域で前記第2表示を実行する(たとえば、図20−2(D)で示すようにタイムバー表示に重畳させてカウントダウン表示を実行してもよいし、タイムバー表示の上下左右の近傍の領域でカウントダウン表示を実行してもよい)。
このような構成によれば、遊技者の視線を移動させずに、第2表示を遊技者に認識させることができ、第2表示の内容を理解させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
可変表示中演出(たとえば、演出図柄の可変表示)を実行可能な可変表示演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)をさらに備え、
前記有効期間表示手段は、前記第1表示に加えて前記第2表示を実行するときには、前記可変表示演出実行手段による前記可変表示中演出よりも優先して、前記有効期間表示を実行する(たとえば、図20−2(D)で示すように、演出図柄91,92,93の可変表示を表示せず、促進画像283F96Bを表示するようにしてもよいし、演出図柄91,92,93の可変表示よりも促進画像283F96Bを手前に表示するようにしてもよい)。
このような構成によれば、遊技者に対して残り期間が少なくなったことを、より強く認識させることができる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記有効期間表示手段は、前記可変表示演出実行手段によって可変表示の表示結果が表示されるときには、表示結果の表示を優先するように、前記有効期間表示を実行する(たとえば、図20−2(E)で示すように、促進画像283F97Bを画面端で実行するようにしてもよいし、図20−2(E)で示すように、促進画像283F97Bを演出図柄91,92,93の背後に表示させるようにしてもよいし、促進画像283F97Bを表示しないようにしてもよい)。
このような構成によれば、遊技者に対して可変表示の表示結果を分かり易く認識させることができる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記遊技機は、第1可変表示(たとえば、第1特別図柄の可変表示)を行う第1可変表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8a)と、第2可変表示(たとえば、第2特別図柄の可変表示)を行う第2可変表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8b)と、遊技媒体(たとえば、遊技球)が進入可能な特定領域(たとえば、V入賞領域870)が内部に設けられ所定状態(たとえば、小当り遊技状態)において遊技媒体が進入可能な状態に制御可能な可変入賞手段(たとえば、V判定入賞装置87)とを備え、前記第1可変表示手段と前記第2可変表示手段とのいずれかにおける表示結果が第1特定表示結果(たとえば、大当り表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な第1有利状態(たとえば、特別図柄による大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記第2可変表示手段における表示結果が第2特定表示結果(たとえば、小当り表示結果)となったときに前記所定状態に制御され、前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて遊技者にとって有利な第2有利状態(たとえば、小当り経由の大当り遊技状態)に制御可能であり、
前記第2可変表示手段による第2可変表示に関する情報を保留記憶情報(たとえば、保留記憶)として所定上限数(たとえば、4つ)まで記憶可能な保留記憶手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、第2保留記憶バッファ)と、
前記第1有利状態および前記第2有利状態が終了したことに基づいて、前記有効期間として所定可変表示回数(たとえば、時短状態の可変表示の回数)に亘り、少なくとも前記第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい時短状態に制御可能な時短制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図14のステップS163〜S170)と、
前記有効期間表示手段によって有効期間表示が実行された後、前記保留記憶手段に保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶されたときに、達成報知演出(たとえば、図20−6(B)で示すように「保留記憶上限達成」との保留上限達成画像を表示する保留上限達成報知)を実行する達成報知演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図20−1のステップ283FS123)をさらに備え、
前記達成報知演出実行手段は、前記有効期間表示手段によって前記第1表示に加えて前記第2表示が実行されているときに、前記保留記憶手段に保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶された場合は、前記達成報知演出の実行を制限する(たとえば、図20−1のステップ283FS122で示すように、第2期間以降であれば、保留上限達成報知をまったく実行しないようにしてもよいし、画面端で実行するようにしてもよいし、音声のみで実行するようにしてもよい)。
このような構成によれば、他の演出の状況に対応して達成報知演出を実行することができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 第1時短状態における第1,第2特別図柄の変動例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 小当り開放前処理を示すフローチャートである。 小当り開放中処理を示すフローチャートである。 小当り終了処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 時短中演出関連処理の流れを示すフローチャートである。 時短状態中の画面の遷移の一例を示す第1の表示画面図である。 時短状態中の制御の遷移の一例を示す第1のタイミングチャートである。 時短状態中の画面の遷移の一例を示す第2の表示画面図である。 時短状態中の制御の遷移の一例を示す第2のタイミングチャートである。 時短状態中の画面の遷移を示す第3の表示画面図である。 時短状態中の制御の遷移の一例を示す第3のタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として打球発射装置から発射するときに操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域7には、遊技釘のうち一部の遊技釘が示されている。打球発射装置は、発射モータにより駆動されるものであり、打球操作ハンドル5の回動操作位置に応じて、遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。これにより、遊技者は、遊技領域7において希望する場所を狙って遊技球を発射することが可能である。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、演出表示装置9の下方に配置されている。第1始動入賞口13には、進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、内部に第1始動入賞口スイッチ13aが設けられている。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、ゲート32、可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが、第2始動入賞口14の内部には第2始動入賞口スイッチ14aが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。以下では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)することを第1始動入賞、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)することを第2始動入賞とも称する。
第1始動入賞口13は、変動表示手段(可変表示手段)としての第1特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。第2始動入賞口14は、変動表示手段(可変表示手段)としての第2特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。
ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口13に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口13に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が第1始動入賞口13に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球がゲート32、および、第2始動入賞口14に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×10回の開放期間+1秒間の閉鎖期間(インターバル期間)×9回+終了期間1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまでの比較的長期間に亘り、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路871が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材(図示省略)が設けられている。開閉部材は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材の状態によりV入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材の状態によりV入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球が開閉部材上を通過して、V入賞領域870の下流側近傍に開口する態様で設けられ、遊技を下方へ誘導可能な入賞球領域(図示省略)内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、基本的に開放状態とされており、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞領域870内に進入して入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ15aにより検出される。小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出されると、開閉部材が閉鎖状態に制御され、以降にV入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域内に進入することとなる。入賞球領域内に進入した遊技球は、入賞球領域に設けられたV判定入賞スイッチ15bにより検出される。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出され、その後の遊技球がV判定入賞スイッチ15bにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ15aおよびV判定入賞スイッチ15bにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤6内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。パチンコ遊技機1では、前述のように小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
V判定入賞装置87の前面側の一部には、「V」という文字形状で構成されたLEDよるなる発光体であるVランプ875が設けられている。Vランプ875は、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに基本的に白色で発光される。Vランプ875は、たとえば、基本的に白色で発光可能であるが、保留連を報知するときのように、遊技状況に応じた演出により、青色、赤色、および、虹色に発光色が変化可能である。なお、Vランプ875は、遊技者により視認可能な位置であれば、V判定入賞装置87において、前面部に設けられてもよく、内部に設けられてもよい。また、Vランプ875は、V判定入賞装置87とは異なる位置(たとえば、V判定入賞装置87の近傍位置等)に設けられてもよい。
可変入賞球装置15は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイド16により駆動される。可変入賞球装置15は、普通図柄の表示結果が当りになると一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
右遊技領域では、可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、大当り可変入賞球装置20は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21によって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および、V判定入賞装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
大当りは、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口13への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口14への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口14への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示器8bおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する1つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを点灯し、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを消灯する。
第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置15が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態が終了した後は、演出表示装置9の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行なうことを促す右打ち促進報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態中は、開口した大当り可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行なわれる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行なわれる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。なお、時短状態とならなかった場合には、演出表示装置9の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行なわれるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。小当り遊技状態の開始時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行なわれる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(遊技状況に応じて、後述するような、小当りに応じてV判定入賞装置87の作動口が開放される前に実行される小当り表示の開始タイミング、または、小当り表示が実行されるよりも前の所定のタイミング。)で、右打ち促進報知も行なわれる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時は、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の非特定領域871に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。時短状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知とが行なわれる。
図2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、大当り発生条件、大当り後の制御状態(遊技状態)、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、大当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、大当り当り種別として、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。
小当りは、可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。小当り遊技状態中には、約10個の入賞球が生じる得ることが設定されており、その入賞球に応じて、約30個の賞球が払出され得ることが設定されている。
V判定入賞装置87の作動口が開放中に、作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置87の内部のV入賞領域870に進入(V入賞)した場合は、大当りが発生する。このような小当りを経由した大当りは、小当り経由大当りと呼ばれる。小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが含まれる。16(15)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第1小当りと呼ばれる。9(8)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第2小当りと呼ばれる。5(4)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第3小当りと呼ばれる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄15R時短大当り、および、図柄4R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、大当り可変入賞球装置20が開放することも含まれる。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置15(いわゆる電動チューリップ)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。「電チューサポート制御」は、「電サポ」という略語で一般的に呼ばれており、本実施形態でも「電サポ」という略語を用いる場合がある。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
また、図柄15R時短大当りは、大入賞口が15回(15R)開放される大当りである。図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。小当り経由16(15)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が15回(15R)開放される大当りであり、16ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、15回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄15R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由9(8)R時短大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が8回(8R)開放される大当りである。小当り経由5(4)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が4回(4R)開放される大当りであり、5ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、4回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄4R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄4R時短大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、次のような理由で設定されている。図柄4R時短大当りの場合には、基本的に第2特別図柄の変動表示が1回実行完了するまで時短状態(電サポ状態含む)を継続させるが、第2特別図柄を変動表示させるには、右打ちをして遊技球をゲート32に進入させて可変入賞球装置15を開状態にし、その状態で遊技球を可変入賞球装置15に入賞させる必要があり、そのような可変入賞球装置15へ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまい、保留記憶されていた第1特別図柄が先に変動表示される場合がある。
したがって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするための条件である。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄4R時短大当り以外の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄4R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、第1始動入賞口13が第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される大当り可変入賞球装置20が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特定状態では、開放されるV判定入賞装置87が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大当り可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、V判定入賞装置87(可動部872)を開閉するソレノイド22、および、V入賞判定入賞装置87(領域870可動部87)を開閉するソレノイド22、V入賞領域870(開閉部材)を開閉するソレノイド24、および、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、Vランプ875の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム2:大当りの種類(種別、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム3:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム4:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りとする決定がされたとき、または、小当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。ただし、小当り経由の大当りの場合は、V入賞が発生しなければ、決定された大当りは無効となる。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム2は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム2は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、このような変動パターン種別には、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がある演出が実行される変動パターン種別等)と、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がない演出が実行される変動パターン種別等)とが含まれている。このような、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、特定の演出が実行される変動パターンであり、小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが含まれている。しがって、このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが実行されたときには、遊技者の期待感を盛上げることが可能となる。小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、小当りとなるときと、小当りとならないときとの両方で選択可能であり、小当りとなるときの方が、小当りとならないときよりも選択される割合が高くなるように設定される。これにより、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別であっても、小当りとならないときも生じるので、実行される変動パターンの種別から小当りとなることが遊技者に予め認知されてしまうことがないようにすることができる。一方、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別は、たとえば、小当りを経由せずに直接大当りとなることを示唆するような小当りと関連性がない演出がされる変動パターン等であり、小当りとなるときに選択不可能とすることにより、変動パターンの演出と、表示結果との関連性が複雑化しないようにすることができる。なお、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、V判定入賞装置87の開放制御との対応関係に基づいて、特定の変動時間に設定されたものが選択されるように設定されている。このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが、小当りとなるときに実行可能となるようにすれば、変動表示時における遊技者の小当りへの期待感を高めることができる。さらに、大当りを得るために所定期間内にV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる必要があるという、小当り遊技状態特有の遊技に遊技者が容易に対応可能な状態となることにより、遊技者がV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる有利状態を逃がしにくいようにすることが可能となる。
また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、特定の変動時間に限定されないものとしてもよい。また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、小当りに関する所定の示唆演出が実行されるものでなくてもよい。また、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けて設けてもよい。また、変動パターンは、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けず、いずれの変動表示結果となるときにも、選択対象の変動パターンの種類の範囲が同じとなるようにしてもよい。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図5は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図5(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図5(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図5(B)における下段が、小当り判定テーブル部である。図5(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図5(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路503のカウント値(ランダム1)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。小当りにすることに決定することは、小当り経由の大当りにすることに仮決定(小当り中にV入賞が生じなければ大当りに制御されないため、仮決定と記載する)することも意味する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、第1特別図柄については、小当りとする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図5(C),(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図5(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」と「図柄4R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図5(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図5(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由16(15)R時短大当り」と「小当り経由9(8)R時短大当り」と「小当り経由5(4)R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、第1小当り(16(15)R時短大当りとなるもの)、第2小当り(9(8)R時短大当りとなるもの)、第3小当り(5(4)R時短大当りとなるもの)のそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。
図2および図5に示すように、時短状態(高ベース状態)に制御される変動表示の回数が異なる、第1時短状態(変動表示1回〜5回)、および、第2時短状態(変動表示7回〜11回)のような複数種類の時短状態が存在することにより、時短状態での遊技がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
次に、各種大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様を説明する。ここでは、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態を代表例として説明する。図6は、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様の一例を表形式で示す図である。
4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、比較的少ない変動表示回数(1回〜5回)に亘り時短状態に制御される第1時短状態のときの第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示については、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していた場合と、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していない場合とを比較すると、図6(A),(B)に示すように、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行バランス態様が異なる。
図6(A)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶が1個ある場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。図6(B)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶がない場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。
パチンコ遊技機1においては、第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当り遊技状態に制御されると、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶は、大当り遊技状態中において記憶状態が継続されて大当り遊技状態の終了後まで持ち越され、大当り遊技状態の終了後において、変動表示に用いられる。
図6(A)に示すように、8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶があるときには、優先的に実行させるべき第2特別図柄を変動表示のための第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞がまだされていないので、時短状態においては、まず、1回目の変動表示として、大当り遊技状態の発生前から持ち越された第1特別図柄の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される。8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態は、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれるので、その後、図6(A)に示すように、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。
時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間においては、第1特別図柄の保留記憶が存在するときに、その保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が実行される。図6(A)では、時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間において、大当り遊技状態への制御前において存在していた第1特別図柄の1個の保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が1回実行された例が示されている。図6(A)では、時短状態の開始後、2回目に第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が1回実行されたことに基づいて、時短状態の開始後、2回目の変動表示において時短制御が終了した例が示されている。
第2始動入賞口14への始動入賞については、前述のように4個の保留記憶情報が可能である。したがって、第1時短状態の開始後、たとえば第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に実行される電サポ状態での可変入賞球装置15の開放制御状態中において、図6(A)に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。この実施の形態では、第1時短状態の場合は、第2保留記憶情報が溜まりやすいように、変動表示時間がある程度長い変動表示が、1回目の第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて実行される。なお、そのように変動表示時間がある程度長い変動表示は実行しないようにしてもよい。
その後、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に、第2保留記憶情報が記憶されているときには、たとえば図6(A)の3回目〜6回目の第2特別図柄の変動表示欄に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行され、約1/7の当選確率の小当り抽選が第2保留記憶情報個数分だけ実行可能となる。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
一方、図6(B)に示すように、時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶がないときには、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態で、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれ、第1始動入賞口13には遊技球が進入し得ない遊技状態となるので、図6(B)に示すように、1回目の変動表示から第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。この場合においても、図6(A)の保留記憶ありの場合と同様に、図6(B)に示すような最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件は、前述のように、第2特別図柄の変動表示が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が合計5回実行されたときに成立する。
図6(A)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に存在していた第1特別図柄の3個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が3回実行された後、4回目に第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、4回目の変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、終了条件が成立し、第1時短状態の制御が終了される。
図6(B)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に第1特別図柄の保留記憶が存在せず、1回目から第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、1回目の変動表示において第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、時短状態の終了条件が成立し、時短状態の制御が終了される。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されている。これにより、たとえば、図6(A)に示すように、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、第1特別図柄の変動表示よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示が、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
また、たとえば、第1時短状態の開始時において最大4個の第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、その4個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行された後、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
このように、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されていることにより、第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときと、ないときとで、第1時短状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、時短状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
図5、図6等に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示回数により規定される第1時短状態の終了条件が、第1保留記憶による変動表示が行なわれる最大回数(4回)と、第2特別図柄について予め定められた変動表示が実行される特定回数(1回)との合計回数に設定されているので、第1時短状態において、第1保留記憶による変動表示がある程度の回数行なわれても、第1保留記憶情報によって遊技者にとって有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保できる。
また、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最小変動表示回数「1」を「7」に置換え、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最大変動表示回数「5」を「11」に置換えたものである。したがって、図柄4R時短大当り以外の大当り種別でも、8R時短大当りの場合と同様に、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶数の有無および多少にかかわらず、同じ7回という第2特別図柄の変動表示が実行されるまで、第2時短状態が継続する。これにより、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りについて得られる効果と同様の効果を得ることができる。
図6に示すように、大当り後の時短(電サポ)回数が比較的少ない回数に設定される場合には、前述したように、大当り遊技状態終了直後の第1保留記憶情報の数によって遊技者に不利となるような時短(電サポ)回数とならないようにすることが好ましい。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7および図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7および図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、はずれ表示結果、大当り種別、小当り種別ごとの大当り表示結果、および小当り表示結果を含む表示結果を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A005(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A305(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が第1時短状態(高ベース状態)であることを指定する第1時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が第2時短状態(高ベース状態)であることを指定する第2時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれについて、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを用いてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドC401(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC402(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC403(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC501(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC502(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC503(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC601(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。コマンドC602(H)は、V判定入賞装置87への入賞球(V入賞球とV入賞球以外の入賞球との両方を含む)を検出したことを指定するV入賞球検出指定コマンドである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、RAM55に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第1保留記憶バッファが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が記憶される。
第2特別図柄については、RAM55に、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファが設けられている。第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が記憶される。
第1始動入賞口13への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存(記憶)される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存(記憶)される。
このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム4)は、始動入賞時において抽出して保留記憶バッファに予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および小当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14aおよび役物入賞スイッチ25aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(第1保留記憶データでは4、第2保留記憶データでは4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を小当りとするか否かの決定、および、小当りとする場合の小当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、V判定入賞装置87において作動口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、大当り可変入賞球装置20内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(大当り開始指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した第1特別図柄の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、小当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターン種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出された第2特別図柄の始動入賞について、S1215で説明したような入賞時演出処理と同様の入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
S51で保留記憶バッファに保留記憶データがない場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(S80)を行なった後、処理を終了する。一方、S51で第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける保存領域の内容を消去する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや乱数バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図5(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61で大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。
次に、特別図柄ポインタが「第1」を示しているか否かを判定する(S72)。特別図柄ポインタが「第1」のときは、図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルを選択し(S73)、S75に進む。一方、特別図柄ポインタが「第1」を示していない場合(「第2」を示している場合)は、図5(D)の第2特図大当り種別判定テーブルを選択し(S74)、S75に進む。
S75では、S73またはS74で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を大当りの種別に決定し(S75)、S81に進む。
また、S61で大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータであるか否かを確認することにより、大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるか否か確認する(S76)。S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータでない(第1特別図柄の変動表示である)ときは、後述するS82に進む。一方、S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータである(第2特別図柄の変動表示である)ときは、図5(B)の第2特図当り判定テーブルを使用して、大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値に一致するか否かを判定することにより、小当り判定の処理を行なう(S76)。すなわち、大当り判定用乱数(ランダム1)の値が図5(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると(S76のY)、第2特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S77Y)、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S78)。
小当りフラグをセットした後は、図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルを選択し(S79)、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を小当り経由大当りの種別として決定する(S80)。そして、S81に移行する。一方、S77で小当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S77のN)、後述するS82に移行する。
S81では、S75またはS80で決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S81)、S82に進む。たとえば、大当り種別が「図柄15R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「01」が設定され、大当り種別が「図柄4R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「02」が設定される。一方、大当り種別が「小当り経由16(15)R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファとは別の仮大当り種別バッファに「03」が設定される。大当り種別が小当り経由9(8)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「04」が設定される。大当り種別が小当り経由5(4)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「05」が設定される。これらのうち、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りを示すデータは、小当り遊技状態においてV入賞が生じなければ大当りが発生せずに無効となるデータあり、仮設定される。
S82では、特別図柄の停止図柄を設定する(S78)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に設定する。小当りフラグがセットされている場合には、S80で選択決定した小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」、「5」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、S75で選択決定した大当り種別に応じた大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S79)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
図柄15R時短大当りまたは図柄4R時短大当りとすることが決定されたときのように、大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄4R時短大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄15R時短大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、10回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(S140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、第1時短状態または第2時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述するS152に進む。一方、S142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、4R図柄時短大当り後の第1時短状態に制御されるときにはS165により5回にセットされ、4R図柄時短大当り以外の種別の大当り後の第2時短状態に制御されるときにはS168により11回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、第1時短状態の終了条件の成立の有無の判断と、第2時短状態の終了条件の成立の有無の判断との両方の判断をするために用いられる。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS148に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に第1時短状態または第2時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、第1時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、第2時短状態に制御されるときにS168により11回にセットされる。特図2時短回数カウンタは、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、第1時短状態の終了条件の1つが成立したとき、または、第2時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、第1時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、実行中の第1時短状態または第2時短状態の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149,S150は、第1時短状態と第2時短状態とのそれぞれにおいて、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために実行される。
S149では、セットされている時短フラグをリセットする(S149)。次に、S150では、セットされている時短回数カウンタをリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(S151)、S152に進む。
S152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S151により、第1時短状態のときは、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第1時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S151により、第2時短状態のときは、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第2時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図14は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S161)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S162)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が8R時短大当りであるか否かを確認する(S163)。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りであるときは、第1時短状態に制御するために、第1時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「1」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S164)、合計時短回数カウンタに「5」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示5回対応)のデータをセットする(S165)。そして、第1時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S170に進む。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄4R時短大当り以外の大当り種別であるときであり、第2時短状態に制御するために、第2時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「7」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S167)、合計時短回数カウンタに「11」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示11回対応)のデータをセットする(S168)。そして、第2時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S169)、S170に進む。
S170では、第1時短状態または第2時短状態に制御するために、時短フラグをセットする(S170)。第1時短状態に制御するときには、第1時短フラグをセットする。一方、第2時短状態に制御するときには、第2時短フラグをセットする。そして、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S171)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
これにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に第1時短状態に制御され、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態および第2時短状態のそれぞれの終了条件は、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより個別に規定される。
このような大当り終了処理においては、S164,S165により、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第1時短状態に制御する設定がされる。また、S167,S168により、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第2時短状態に制御する設定がされる。
図15は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口の開放動作を開始させる(S411)。次に、CPU56は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する(S412)。次に、CPU56は、小当りの開放状態におけるV入賞領域870への入賞個数を当該開放状態の終了条件として用いるために、計数手段としてのV判定入賞個数カウンタをセットする(S413)。具体的に、S413では、V判定入賞個数カウンタのカウンタ値を「10」にセットし、V入賞個数をダウンカウントするための設定をする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する(S413)。
図16は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、小当り開放制御タイマを−1減算更新する(S430)。次に、後述するS435でV入賞個数を計数するV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているか否かを確認する(S431)。V判定入賞個数カウンタは、図15のS413により「10」にセットされ、10個のV入賞球を計数すると、計数値が「0」となる。S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S441に進む。一方、S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、図13のS140でセットされた小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S432)。
S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしているときは、S441に進む。一方S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしていないときは、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、小当り開放制御タイマの計時値に対応してソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を開閉させるための処理を行なう(S433)。
次に、V判定入賞装置87内部で開放状態となっているV入賞領域870にV入賞口から遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S434)。S434でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグをセットする(S435)。そして、V入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S436)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出されたことを認識することができ、V入賞個数を認識することが可能となる。次に、ソレノイドを駆動することにより開閉部材を動作させ、V入賞領域870のV入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させ(S437)、S439に進む。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球の1個目がV入賞すると、V入賞領域870のV入賞口が閉鎖状態にされ、その後に、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、すべて入賞球領域に誘導され、V判定入賞スイッチ15bにより検出される。
一方、S434でオン状態となっていないときは、V入賞が検出されていないときであり、V判定入賞スイッチ15bがオン状態となっているか否かを判定する(S438)。S438でオン状態となっているときはS439に進み、S438でオン状態となっていないときは処理を終了する。
S439では、図15のS413により「10」にセットされたV判定入賞個数カウンタの計数値を「−1」するダウンカウントを行ない(S439)、V判定入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S440)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出された後、判定入賞装置87内に進入したV入賞球が検出されたことを認識することができ、判定入賞装置87内に進入した遊技球の個数を認識することが可能となる。
次に、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S437)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、S434で判定されたV入賞の検出に応じて、V入賞フラグをセットし(S438)、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S436)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が検出されたことを認識することができる。小当り遊技状態においては、複数個の遊技球がV判定入賞装置87内部のV入賞領域870に進入可能となるため、小当り遊技状態における1個目のV入賞球が検出されるとS438によりV入賞フラグがセットされるので、2個目以降のV入賞球が検出されても、重ねてS438,S439が実行されないように制御される。
S431でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、小当りのV入賞個数が上限値に到達したことにより小当りの開放終了条件が成立したときであり、また、S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放制御が終了したことにより小当りの開放終了条件が成立したときである。これらのときに、CPU56は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を閉鎖する(S441)。V判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になったときは、小当りの開放態様に応じたV判定入賞装置87の開放途中であっても、V判定入賞個数カウンタの計数値に応じてV判定入賞装置87が強制的に閉鎖される。小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、V判定入賞装置87が小当りの開放態様における小当りの開放制御の終了に応じて閉鎖される。
次に、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S443)、処理を終了する。これにより、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間の計時が開始される。なお、このようにV入賞有効期間である特定期間が設定されていることにより、V入賞領域を遊技球が何かの拍子に通常通過する時間より遅れて通過した場合であっても、遊技球を検出することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検出されないので、不正を防ぐこともできる。
図17は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド23の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行なわれる(S447A)。次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
パチンコ遊技機1では、前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図16のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU56は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグ(図14の大当り終了処理でセットされる第1時短フラグ、第2時短フラグ)を一旦リセットする(S451)。
次いで、CPU56は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、大当り開始4指定コマンド、または大当り開始5指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、15回、8回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S460)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
図18は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図19は、図18に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500,S501の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動パターンに対応する演出が実行されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。また、演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示と並列的に表示可能な態様で、普通図柄の変動表示に対応する(同期した)演出も実行される。
打球促進演出処理(S500):遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した各種演出制御コマンドに基づいて、遊技状態を確認し、遊技状態に応じた打球促進演出を実行する。打球促進演出とは、遊技領域7における第1経路(左打ち経路)および第2経路(右打ち経路)のうち、少なくともいずれか一方への遊技球の打込みを促進させる報知をする演出である。具体的に、打球促進演出には、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする右打ち促進報知演出が含まれるが、打球促進演出には、当該右打ち促進報知演出と、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする左打ち促進報知の演出とを含むようにしてもよい。
右打ち促進報知の演出は、たとえば、演出表示装置の特定の表示領域において、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示することにより行なわれる。
この実施形態では、遊技球の打込みとして左打ちを基本としており、打球促進演出として、左打ち促進報知を実行せず、右打ち促進報知を実行している状態に基づいて、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込み(右打ち)を促進させ、逆に、右打ち促進報知を実行していない状態に基づいて、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込み(左打ち)を促進させる演出制御例を説明する。
なお、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。また、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と、右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。
先読み処理(S501):遊技制御用マイクロコンピュータ560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは図柄大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当り(第1大当りまたは第2大当り)が発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S808):小当りが発生したときに、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を所定時間(たとえば、1秒間)行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S809):小当りにおいて、V判定入賞装置87の開放中における各種の演出制御を行なう。そして、V判定入賞装置87が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。また、小当り遊技状態において、V入賞スイッチ87aにより遊技球のV入賞が検出され、V入賞が発生したことが判定されたときには、V入賞が発生したことを報知するV入賞演出制御をする。小当り遊技状態においてV入賞が発生したときには、大当り遊技状態に移行させるために、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新する。一方、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかったときには、大当り遊技状態に移行させないので、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
[特徴部283Fに関する説明]
次に、特徴部283Fについて説明する。上述したパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される。この時短状態においては、第2始動口への始動入賞に応じた第2特別図柄の変動表示の場合、第1始動口への始動入賞に応じた第1特別図柄の変動表示よりも、遊技者にとって有利に当りが発生する。具体的には、第2始動口への始動入賞に対しては第1始動口への始動入賞と比較して高確率で小当りが決定され、小当りにおいては高い確率でV入賞するように構成されているため、小当り経由の大当りが発生し易い。しかし、この時短状態は、所定回数の変動表示が実行されると終了してしまうため、第2始動口への入賞に応じた第2特別図柄の保留記憶を、時短状態中に少しでも多く記憶させておかないと遊技者に不利益となってしまう。このような上述したパチンコ遊技機1に適用可能である特徴部283Fは、以下の第1の特徴から第3の特徴を含む。
第1の特徴は、時短状態に制御されている間に第2特別図柄の保留記憶情報を所定上限数まで記憶させることを促す促進報知として、第1態様と、第1態様よりも遊技者の認識度合の低い第2態様とのいずれかで促進報知を実行可能であり、第1態様の後に第2態様で促進報知を実行しているときに、記憶されている保留記憶情報の数が所定上限数に達していない場合に、再度、第1態様で促進報知を実行するものである。
第2の特徴は、遊技者が所定の動作を実行することができる有効期間を示す有効期間表示を実行可能であり、有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第1表示と、第1表示とは態様が異なるとともに有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第2表示とを有効期間表示として実行可能であり、有効期間表示の実行を開始してから残り期間が所定期間となるまでは、第1表示を有効期間表示として実行する一方、有効期間表示の実行を開始してから残り期間が所定期間となった後は、第1表示に加えて前記第2表示を前記有効期間表示として実行するものである。
第3の特徴は、時短状態に制御されている間に第2特別図柄の保留記憶情報に対応する可変表示がすべて実行されるまでの間の遊技に関する情報を報知する遊技情報報知演出を実行し、所定回数の可変表示が実行されるまでに記憶された最後の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果が第1特定表示結果および第2特定表示結果のいずれでもない場合に、記憶されている保留記憶情報の数が所定上限数に達しているときは、当該所定上限数個目の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果を表示するよりも前に、遊技情報報知演出を実行する一方、記憶されている保留記憶情報の数が所定上限数に達していないときは、所定上限数に達していない時の最後の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果が表示された後に、遊技情報報知演出を実行するものである。
図20−1は、時短中演出関連処理の流れを示すフローチャートである。図20−1を参照して、この時短中演出関連処理は、図19で示した演出制御プロセス処理のステップS802の演出図柄変動中処理において実行される。まず、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、時短フラグがセットされているか否かを判断することによって、時短状態中であるか否かを判断する(ステップ283FS111)。時短状態中でない(ステップ283FS111でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの時短中演出関連処理の呼出元に戻す。
一方、時短状態中である(ステップ283FS111でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、時短状態の開始直後の所定の第1期間であるか否かを判断する(ステップ283FS112)。第1期間は、時短状態の最初の変動表示が開始した直後であればよく、たとえば、変動表示が開始した1秒後から5秒後までの期間である。
時短状態の開始直後の第1期間である(ステップ283FS112でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の保留記憶を上限まで記憶させることを促す促進画像(後述の図20−2(B)等で示す、「狙え」画像+タイムバー画像)を演出表示装置9の全体(全体とは、画面中央に他の画像と比較して大きくとの意味である。)に表示させる(ステップ283FS113)。
時短状態の開始直後の第1期間でない(ステップ283FS112でNO)と判断した場合、および、ステップ283FS113の後、演出制御用CPU101は、時短状態の最終変動中の所定の第2期間であるか否かを破断する(ステップ283FS114)。第2期間は、時短状態の最後の変動中であればよく、たとえば、変動表示が終了する10秒前から7秒前までの期間である。
時短状態の最終変動中の第2期間である(ステップ283FS114でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の保留記憶を上限まで記憶させることを促す促進画像(後述の図20−2(D)等で示す、「狙え」画像+タイムバー画像+カウントダウン画像)を演出表示装置9の全体(画面中央に他の画像と比較して大きく)に表示させる(ステップ283FS113)。
時短状態の最終変動中の第2期間でない(ステップ283FS114でNO)と判断した場合、および、ステップ283FS115の後、演出制御用CPU101は、時短状態中のその他の期間であるか否かを判断する(ステップ283FS116)。
その他の期間である(ステップ283FS116でYES)と判断した場合、後述する図20−2(C)等で示すように、促進画像を演出表示装置9の画面の右下に小さく表示させる(ステップ283FS117)。なお、演出図柄の可変表示の表示結果が表示されているときは、その表示結果の背後に促進画像を表示させる。
その他の期間でない(ステップ283FS116でNO)と判断した場合、および、ステップ283FS117の後、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の保留記憶の数が上限値に到達した時であるか否かを判断する(ステップ283FS121)。
第2特別図柄の保留記憶の数が上限値に到達した時である(ステップ283FS121でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、前述の第2期間以降の期間であるか否かを判断する(ステップ283FS122)。
第2期間以降の期間でない(ステップ283FS122でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、後述する図20−4(B)で示すような、促進画像の表示に替えて、保留記憶の数が上限数に達したことを報知する保留上限達成報知(後述する図20−6(B)で示す保留上限達成画像283F100の表示、および、保留記憶の数が上限に達した旨の音声の出力)を実行する(ステップ283FS123)。
第2特別図柄の保留記憶の数が上限値に到達した時でない(ステップ283FS121でNO)と判断した場合、第2期間以降の期間である(ステップ283FS122でYES)と判断した場合、および、ステップ283FS123の後、演出制御用CPU101は、前述の第2期間以降の時短状態の保留上限達成後の最終変動中の所定の第3期間であるか否かを判断する(ステップ283FS131)。第3期間は、時短状態の最後の変動中の第2期間の後の期間であればよく、たとえば、変動表示が終了する5秒前から2秒前までの期間である。
時短状態の保留上限達成後の最終変動中の第3期間である(ステップ283FS131でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、当該変動表示の表示結果がはずれ表示結果であると事前に決定されているか否かを判断する(ステップ283FS132)。
当該変動表示がはずれと事前決定されている(ステップ283FS132でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、後述する図20−4(E)で示すように、遊技に関する情報として、通常状態となることなく大当り遊技状態が連続して実行されていた間(いわゆる、連チャン中)の連続して実行された大当り遊技状態のリザルト(たとえば、大当り有利状態が連続して実行された回数(いわゆる、連チャン回数)、および、その間に遊技者が獲得した遊技球の数)を演出表示装置9に表示させる(ステップ283FS133)。
その後、演出制御用CPU101は、リザルトを報知済であるか否かを示すリザルト報知済フラグを、報知済であることを示すオン状態とする(ステップ283FS134)。
時短状態の保留上限達成後の最終変動中の第3期間でない(ステップ283FS131でNO)と判断した場合、当該変動表示がはずれと事前決定されていない(ステップ283FS132でNO)と判断した場合、および、ステップ283FS134の後、演出制御用CPU101は、時短状態の最終変動の演出図柄の表示結果の表示後で表示結果の確定前の所定の第4期間であるか否かを判断する(ステップ283FS135)。
時短状態の最終変動の演出図柄の表示結果の表示後で確定前の第4期間である(ステップ283FS135でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、リザルト報知済フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップ283FS136)。リザルト報知済フラグがオン状態である(ステップ283FS136でYES)、つまり、リザルトを報知済であると判断した場合、演出制御用CPU101は、リザルト報知済フラグをオフ状態とする(ステップ283FS137)。
リザルト報知済フラグがオン状態でない(ステップ283FS136でNO)と判断した場合、後述する図20−2(F)で示すように、遊技に関する情報として、通常状態となることなく大当り遊技状態が連続して実行されていた間(いわゆる、連チャン中)の連続して実行された大当り遊技状態のリザルト画像(たとえば、大当り遊技状態が連続して実行された回数(いわゆる、連チャン回数)、および、その間に遊技者が獲得した遊技球の数を示す画像)を演出表示装置9に表示させる(ステップ283FS138)。
時短状態の最終変動の演出図柄の表示結果の表示後で確定前の第4期間でない(ステップ283FS135でNO)と判断した場合、ステップ283FS137の後、および、ステップ283FS138の後、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの時短中演出関連処理の呼出元に戻す。
図20−2は、時短状態中の画面の遷移の一例を示す第1の表示画面図である。図20−3は、時短状態中の制御の遷移の一例を示す第1のタイミングチャートである。図20−2および図20−3を参照して、大当り終了後、時短状態が開始され、第2特別図柄の始動入賞または保留記憶があると、第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、図20−2(A)および図20−3で示すように、演出表示装置9において、第2特別図柄に対応する演出図柄(演出図柄91,92,93、小図柄81,82,83)の変動表示が開始される。演出表示装置9の画面の左下には、変動表示に対応するアクティブ表示283F94が表示される。
そして、前述の図20−1のステップ283FS112およびステップ283FS113で示したように、時短状態の開始直後の第1期間(たとえば、時短状態の開始直後の変動表示が開始した1秒後から5秒後までの期間)であると判断された場合、図20−2(B)および図20−3(丸付き数字の「1」)で示すように、促進画像283F96A(「狙え」画像+タイムバー画像)が演出表示装置9の全体に表示される。促進画像は、第2特別図柄の保留記憶を上限まで記憶させることを促す画像であるので、促進画像に含まれる矢印画像は、第2始動入賞口14の方向を指している。
次に、前述の図20−1のステップ283FS116およびステップ283FS117で示したように、時短状態中のその他の期間であると判断された場合、図20−2(C)および図20−3(丸付き数字の「2」)で示すように、その直前に表示されていた促進画像283F96Aを縮小した、促進画像283F97A(「狙え」画像+タイムバー画像)が、演出表示装置9の右下に表示される。
その後、前述の図20−1のステップ283FS114およびステップ283FS115で示したように、時短状態の最終変動中の第2期間(たとえば、変動表示が終了する10秒前から7秒前までの期間)であると判断された場合、図20−2(D)および図20−3(丸付き数字「3」)で示すように、促進画像283F96B(「狙え」画像+タイムバー画像+カウントダウン画像)が演出表示装置9の全体に表示される。このときに、演出表示装置9に、比較的目立つ演出(たとえば、赤い背景を表示するエフェクト表示)を実行して、遊技者により強く危機感を持たせるようにしてもよい。
次に、前述の図20−1のステップ283FS116およびステップ283FS117で示したように、時短状態中のその他の期間であると判断された場合、図20−2(E)および図20−3(丸付き数字の「4」)で示すように、その直前に表示されていた促進画像283F96Bを縮小した、促進画像283F97B(「狙え」画像+タイムバー画像+カウントダウン画像)が、演出表示装置9の右下に表示される。このとき、演出図柄91,92,93の変動表示の表示結果が表示されているので、促進画像283F97Bは、その表示結果の背後に表示される。
最後に、前述の図20−1のステップ283FS135〜ステップ283FS138で示したように、時短状態の最終変動の演出図柄91,92,93の表示結果の表示後で確定前の第4期間であると判断され、リザルト報知済フラグがオン状態でないと判断された場合、図20−2(F)および図20−3のリザルト画像のタイミングチャートで示すように、演出図柄91,92,93の表示結果の表示後に、リザルト画像283F98が演出表示装置9に表示される。
図20−4は、時短状態中の画面の遷移の一例を示す第2の表示画面図である。図20−5は、時短状態中の制御の遷移の一例を示す第2のタイミングチャートである。図20−4および図20−5を参照して、前述の図20−2(C)の後、第2特別図柄の保留記憶が3つ貯まった場合、図20−4(A)で示すように、保留表示283F95が、3つ、表示される。
そして、変動表示が終了すると、第2特別図柄の保留記憶があるので、図20−4(B)で示すように、次の変動表示が開始されることを示すNEXT画像283F99が表示される。このとき、演出図柄91,92,93の変動表示の表示結果が表示されているので、促進画像283F97Aは、その表示結果の背後に表示される。同様の画面表示の流れが、図20−4(C)で示すように、保留表示283F95が1つになるまで繰返される。
その保留表示283F95に対応する保留記憶が消化されると、図20−2(C)と同様の画面が表示され、その後、前述の図20−1のステップ283FS114およびステップ283FS115で示したように、時短状態の最終変動中の第2期間(たとえば、変動表示が終了する10秒前から7秒前までの期間)であると判断された場合、図20−2(D)および図20−3(丸付き数字「3」)と同様、図20−4(D)および図20−5(丸付き数字「3」)で示すように、促進画像283F96B(「狙え」画像+タイムバー画像+カウントダウン画像)が演出表示装置9の全体に表示される。
次に、前述の図20−1のステップ283FS116およびステップ283FS117で示したように、時短状態中のその他の期間であると判断された場合、図20−2(E)および図20−3(丸付き数字の「4」)と同様、図20−4(E)および図20−5(丸付き数字の「4」)で示すように、その直前に表示されていた促進画像283F96Bを縮小した、促進画像283F97B(「狙え」画像+タイムバー画像+カウントダウン画像)が、演出表示装置9の右下に表示される。このとき、演出図柄91,92,93の変動表示の表示結果が表示されているので、促進画像283F97Bは、その表示結果の背後に表示される。
最後に、前述の図20−1のステップ283FS135〜ステップ283FS138で示したように、時短状態の最終変動の演出図柄91,92,93の表示結果の表示後で確定前の第4期間であると判断され、リザルト報知済フラグがオン状態でないと判断された場合、図20−2(F)および図20−3のリザルト画像のタイミングチャートと同様、図20−4(F)および図20−5のリザルト画像のタイミングチャートで示すように、演出図柄91,92,93の表示結果の表示後に、リザルト画像283F98が演出表示装置9に表示される。
図20−6は、時短状態中の画面の遷移を示す第3の表示画面図である。図20−7は、時短状態中の制御の遷移の一例を示す第3のタイミングチャートである。図20−6および図20−7を参照して、前述の図20−2(C)の後、第2特別図柄の保留記憶が4つ貯まった場合、図20−4(A)で示すように、保留表示283F95が、4つ、表示される。
そして、図20−1のステップ283FS121〜ステップ283FS123で示したように、第2特別図柄の保留記憶数が上限値に到達したと判断され、時短状態の最終変動中の第2期間以降でないと判断された場合、図20−6(B)で示すように、促進画像に替えて、保留上限達成画像283F100(「保留上限達成!」との文字を表示する画像)が演出表示装置9の全体に表示される。その後は、時短状態中の第2特別図柄の保留記憶の上限に達しているので、促進画像は表示されない。
そして、変動表示が終了すると、第2特別図柄の保留記憶があるので、前述の図20−4(B)と同様、図20−6(C)で示すように、次の変動表示が開始されることを示すNEXT画像283F99が表示される。同様の画面表示の流れが、保留表示283F95が1つになるまで繰返される。
その後、図20−6(D)および図20−7で示すように、時短状態中の保留上限達成後の最後の変動表示が開始される。図20−1のステップ283FS131〜ステップ283FS133で示したように、その変動表示中の第3期間(たとえば、最後の変動表示が終了する5秒前から2秒前までの期間)であると判断された場合、図20−2(F)と同様、図20−6(E)および図20−7のリザルト画像のタイミングチャートで示すように、演出図柄91,92,93の表示結果の表示前に、リザルト画像283F98が演出表示装置9に表示される。
リザルト画像283F98の表示後に、図20−6(F)および図20−7で示すように、演出図柄91,92,93および小図柄81,82,83の表示結果が演出表示装置9に表示される。
[特徴部283Fの変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、図20−2(B)および図20−2(D)などで示したように、画面全体に促進画像283F96A,283F96Bを表示するときには、演出図柄91,92,93よりも優先させて表示するようにした。このような場合に、変動表示中に遊技者にとって有利な有利状態となる期待度の高い演出(たとえば、全回転リーチやプレミアリーチなどの予告演出)は、促進画像283F96A,283F96Bよりも優先させて表示するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、図20−1のステップ283FS122で示したように、時短の最終変動中の第2期間以降となった場合は、保留上限達成報知の実行を禁止するようにした。しかし、保留上限達成報知の実行を制限するのであれば、これに限定されず、たとえば、保留上限達成表示を画面の端で実行するようにしてもよいし、保留上限達成報知を表示では実行せず音声のみで実行するようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第1表示(たとえば、図20−2(B)の促進画像283F96Aおよび図20−2(C)の促進画像283F97Aで示すタイムバー表示)と、第1表示とは態様が異なるとともに有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第2表示(たとえば、図20−2(D)の促進画像283F96Bおよび図20−2(E)の促進画像283F97Bで示す秒数でのカウントダウン表示)とを促進画像の表示として実行可能であり、有効期間表示の実行を開始してから残り期間が所定期間となるまでは、第1表示を促進画像の表示として実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS113,ステップ283FS117)一方、有効期間表示の実行を開始してから残り期間が所定期間となった後は、第1表示に加えて第2表示を促進画像の表示として実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS115,ステップ283FS117)ようにした。
この場合に、図20−2(D)で示すように、タイムバー表示に重畳させてカウントダウン表示を実行するようにした。しかし、第1表示が実行されている領域に対応した領域に対応した領域で第2表示を実行するのであれば、これに限定されず、たとえば、タイムバー表示の上下左右の近傍の領域でカウントダウン表示を実行するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、図20−2(B),図20−2(D)で示したように、演出図柄91,92,93の可変表示を表示せず、促進画像283F96A,283F96Bを表示するようにした。しかし、これに限定されず、促進画像283F96A,283F96Bの表示を優先させて実行するのであれば、これに限定されず、たとえば、演出図柄91,92,93の可変表示よりも促進画像283F96A,283F96Bを手前に表示するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、図20−4で示したように、時短状態において、リザルト画像283F98を表示する変動表示よりも前の変動表示においては、各変動表示の最後にNEXT画像283F99を表示するようにした。しかし、これに限定されず、時短状態における最初の変動表示においてのみ、時短状態において次の変動表示がある場合にNEXT画像283F99を表示するようにしてもよい。また、時短状態において第2特別図柄の保留記憶が上限まで達した場合のみ、NEXT画像283F99を表示するようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、時短状態中に第2特別図柄の保留記憶の数が上限に達していない場合に、演出図柄の表示結果の表示後、表示結果が確定するまでの間の第4期間に、リザルト画像を表示するようにした。しかし、これに限定されず、時短状態中に第2特別図柄の保留記憶の数が上限に達していない状態で、時短状態の最後の変動表示が開始されるときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、リザルト画像を表示するための時間の分、長い変動時間の変動パターンを決定するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、その変動パターンに基づく変動表示における演出図柄の表示結果の表示後、表示結果が確定するまでの間の期間に、リザルト画像を表示するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、図20−1のステップ283FS113,ステップ283FS115、図20−2の促進画像283F96A,283F96Bで示したような、画面全体に「狙え」画像を表示する第1態様、および、図20−1のステップ283FS117、図20−2の促進画像283F97A,283F97Bで示したような、画面端に「狙え」画像を表示する第2態様で、促進演出が実行可能であることとした。しかし、これに限定されず、第2態様が、第1態様よりも遊技者の認識度合が低いものであればよい。たとえば、第2態様が、第1態様よりも、小さい態様であることとしてもよいし、彩度や明度が低い態様であることとしてもよいし、点滅速度が低い態様であることとしてもよい。また、第1態様が、表示に加えて音声またはランプを用いる態様である一方、第2態様が、表示に加えて音声またはランプを用いない態様であることとしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、図20−2(B)で示すように、タイムバー表示を実行していた場合は、図20−2(D)で示すように、タイムバー表示に加えて、カウントダウン表示を追加して実行するようにした。しかし、これに限定されず、遊技者の認識度合(つまり、遊技者への促進度合)を高めることが可能な少なくとも1つの演出要素を追加するのであれば、他の演出要素を追加するようにしてもよい。たとえば、表示による演出に加えて、音声およびランプの少なくとも一方による演出を追加するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、遊技者が所定の動作(第2特別図柄の保留記憶を増やすために第2始動入賞口14に入賞させるための打球操作ハンドル5の操作による遊技球の発射動作)を実行することができる有効期間(第2始動入賞口14の可変入賞球装置15の開放が頻繁に行なわれる時短状態の期間)を示す有効期間表示(図20−2,図20−4,図20−6で示す促進画像283F96A,283F96B,283F97A,283F97Bの表示)を実行可能であることとした。
しかし、これに限定されず、遊技者が所定の動作(たとえば、プッシュボタン120の押下動作)を実行することができる有効期間(たとえば、操作有効期間)を示す有効期間表示(たとえば、図20−2,図20−4,図20−6で示す促進画像283F96A,283F96B,283F97A,283F97Bの表示のタイムバー画像やカウントダウン画像のような画像の表示)を実行可能であることとしてもよい。
(10) このような有効期間表示として、有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第1表示(たとえば、図20−2(B)の促進画像283F96Aおよび図20−2(C)の促進画像283F97Aで示すタイムバー表示)と、第1表示とは態様が異なるとともに有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第2表示(たとえば、図20−2(D)の促進画像283F96Bおよび図20−2(E)の促進画像283F97Bで示す秒数でのカウントダウン表示)とを実行可能であることとした。
しかし、第1表示および第2表示は、タイムバー表示およびカウントダウン表示に限定されず、他の組合せであってもよく、たとえば、第1表示および第2表示が逆になった組合せであってもよい。また、第1表示および第2表示は、いずれかが、有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく態様であれば、他の表示であってもよく、アナログ時計のような表示であってもよいし、砂時計のような表示であってもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、図20−2(F)等で示したようなリザルト情報を表示するようにした。しかし、これに限定されず、時短状態に制御されている間に第2特別図柄の保留記憶情報に対応する可変表示がすべて実行されるまでの間(いわゆる、大当り遊技状態の連チャン中)の遊技に関する情報であれば、他の情報であってもよく、たとえば、連チャン数のみであってもよいし、出玉数のみであってもよいし、賞球数であってもよいし、これらを適宜組合せた情報であってもよい。
[特徴部283Fに関する発明の説明]
(1) 以上に説明したように、この特徴部283Fには、上述した特徴部283Fの第1の特徴に関する、以下に示す第1発明が含まれている。従来、大当り遊技状態が終了した後に、特定期間を通常の遊技状態よりも有利な遊技状態に制御するとともに、所定の可変表示の実行回数以内に再度大当りとなった場合には、さらに有利な遊技状態に移行するように制御可能な遊技機があった(たとえば、特開2013−94242号公報参照)。
この通常の遊技状態よりも有利な遊技状態、たとえば、通常の遊技状態よりも可変表示時間が短縮された時短状態において、始動入賞口に設けられる可変入賞球装置が開放しているときに、第2特別図柄の保留記憶情報を貯めるように促す報知を実行する遊技機があった(たとえば、特開2011−41760号公報参照)。
しかし、特開2013−94242号公報および特開2011−41760号公報の遊技機によれば、保留記憶情報を貯めなかったとしても特に何も実行しないので、保留記憶情報を貯めることによって本来得ることができるはずの恩恵を遊技者が受けることができず、不利益を被る虞があった。このような課題を解決するために、283Fの第1発明は以下のように構成される。
(1−1) 第1可変表示(たとえば、第1特別図柄の可変表示)を行う第1可変表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8a)と、第2可変表示(たとえば、第2特別図柄の可変表示)を行う第2可変表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8b)と、遊技媒体(たとえば、遊技球)が進入可能な特定領域(たとえば、V入賞領域870)が内部に設けられ所定状態(たとえば、小当り遊技状態)において遊技媒体が進入可能な状態に制御可能な可変入賞手段(たとえば、V判定入賞装置87)とを備え、少なくとも前記第1可変表示手段の表示結果が第1特定表示結果(たとえば、大当り表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な第1有利状態(たとえば、特別図柄による大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記第2可変表示手段における表示結果が第2特定表示結果(たとえば、小当り表示結果)となったときに前記所定状態に制御され、前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて遊技者にとって有利な第2有利状態(たとえば、小当り経由の大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
前記第2可変表示手段による第2可変表示に関する情報を保留記憶情報(たとえば、保留記憶)として所定上限数(たとえば、4つ)まで記憶可能な保留記憶手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、第2保留記憶バッファ)と、
前記第1有利状態および前記第2有利状態が終了したことに基づいて、所定回数(たとえば、時短状態の可変表示の回数)、前記第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい時短状態に制御可能な時短制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図14のステップS163〜S170)と、
前記時短制御手段によって前記時短状態に制御されている間に前記保留記憶手段に保留記憶情報を前記所定上限数まで記憶させることを促す促進報知(たとえば、図20−2,図20−4,図20−6で示す第2始動入賞口15への入賞を促す促進画像283F96A,283F96B,283F97A,283F97B)を実行する促進報知手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記促進報知手段は、
第1態様(たとえば、図20−1のステップ283FS113,ステップ283FS115、図20−2の促進画像283F96A,283F96Bで示すような、画面全体に「狙え」画像を表示する態様)と、前記第1態様よりも遊技者の認識度合の低い第2態様(たとえば、図20−1のステップ283FS117、図20−2の促進画像283F97A,283F97Bで示すような、画面端に「狙え」画像を表示する態様)とのいずれかで前記促進報知を実行可能であり、
前記第1態様の後に前記第2態様で前記促進報知を実行しているときに、前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報の数が前記所定上限数に達していない場合に、再度、前記第1態様で前記促進報知を実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS114,ステップ283FS115、図20−2(D)で示すように、画面全体に表示する促進画像283F97Bを、再度、表示する)。
このような構成によれば、遊技者が保留記憶情報を所定上限数まで記憶させないことによる不利益を抑制することができる。
(1−2) 上記(1−1)の遊技機において、
前記促進報知手段は、再度、前記第1態様で前記促進報知を実行する場合には、遊技者の認識度合を高めることが可能な少なくとも1つの演出要素を追加して実行する(たとえば、図20−2(B)で示すように、タイムバー表示を実行していた場合は、図20−2(D)で示すように、タイムバー表示に加えて、カウントダウン表示を追加して実行する)。
このような構成によれば、遊技者に対して保留記憶情報を所定上限数まで記憶させることを、より強く促すことができる。
(1−3) 上記(1−1)または(1−2)の遊技機において、
可変表示中演出(たとえば、演出図柄の可変表示)を実行可能な可変表示演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)をさらに備え、
前記促進報知手段は、再度、前記第1態様で前記促進報知を実行するときには、前記可変表示演出実行手段による前記可変表示中演出よりも優先して、前記第1態様の前記促進報知を実行する(たとえば、図20−2(D)で示すように、演出図柄91,92,93の可変表示を表示せず、促進画像283F96Bを表示するようにしてもよいし、演出図柄91,92,93の可変表示よりも促進画像283F96Bを手前に表示するようにしてもよい)。
このような構成によれば、遊技者に対して保留記憶情報を所定上限数まで記憶させることを、より強く促すことができる。
(1−4) 上記(1−3)の遊技機において、
前記促進報知手段は、前記可変表示演出実行手段によって可変表示の表示結果が表示されるときには、表示結果の表示を優先するように、前記促進報知を実行する(たとえば、図20−2(E)等で示したように、第2態様で促進画像283F97Bを表示する。図20−2(E)等で示したように、促進画像283F97Bよりも手前に演出図柄91,92,93を表示する。)。
このような構成によれば、遊技者に対して可変表示の表示結果を分かり易く認識させることができる。
(1−5) 上記(1−1)から(1−4)のいずれかの遊技機において、
前記促進報知手段によって促進報知が実行された後、前記保留記憶手段に保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶されたときに、達成報知演出(たとえば、「保留記憶上限達成」と表示する演出)を実行する達成報知演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図20−1のステップ283FS283FS123)をさらに備え、
前記達成報知演出実行手段は、前記促進報知手段によって、再度、前記第1態様で前記促進報知が実行されているときに、前記保留記憶手段に保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶された場合は、前記達成報知演出の実行を制限する(たとえば、図20−1のステップ283FS122で示すように、第2期間以降であれば、保留上限達成報知をまったく実行しないようにしてもよいし、画面端で実行するようにしてもよいし、音声のみで実行するようにしてもよい)。
このような構成によれば、他の演出の状況に対応して達成報知演出を実行することができる。
(2) また、以上に説明したように、この特徴部283Fには、上述した特徴部283Fの第2の特徴に関する、以下に示す第2発明が含まれている。従来、通常の遊技状態よりも可変表示時間が短縮された時短状態において、始動入賞口に設けられる可変入賞球装置が開放しているときに、第2特別図柄の保留記憶情報を貯めるように促す報知を実行する遊技機があった(たとえば、特開2011−41760号公報参照)。
遊技演出における報知として、プッシュボタンなどの操作手段の有効期間をゲージで表示するものがあった(たとえば、特開2015−112109号公報参照)。また、操作手段の有効期間を秒数で表示するものがあった(たとえば、特開2008−183361号公報参照)。
しかし、特開2011−41760号公報、特開2015−112109号公報、および、特開2008−183361号公報に基づいた遊技機において、遊技者が保留記憶情報を貯めていない場合に、1つの表示で保留記憶情報を貯めることを促進したとしても、遊技者に認識させ難い虞があった。このような課題を解決するために、283Fの第2発明は以下のように構成される。
(2−1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者が所定の動作(たとえば、プッシュボタン120の押下動作、第2特別図柄の保留記憶を増やすために第2始動入賞口14に入賞させるための打球操作ハンドル5の操作による遊技球の発射動作)を実行することができる有効期間(たとえば、操作有効期間、第2始動入賞口14の可変入賞球装置15の開放が頻繁に行なわれる時短状態の期間)を示す有効期間表示(たとえば、図20−2,図20−4,図20−6で示す促進画像283F96A,283F96B,283F97A,283F97Bの表示)を実行可能な有効期間表示手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図20−1のステップ283FS113,ステップ283FS115,ステップ283FS117)を備え、
前記有効期間表示手段は、
前記有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第1表示(たとえば、図20−2(B)の促進画像283F96Aおよび図20−2(C)の促進画像283F97Aで示すタイムバー表示)と、前記第1表示とは態様が異なるとともに前記有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第2表示(たとえば、図20−2(D)の促進画像283F96Bおよび図20−2(E)の促進画像283F97Bで示す秒数でのカウントダウン表示)とを前記有効期間表示として実行可能であり、
前記有効期間表示の実行を開始してから残り期間が所定期間となるまでは、前記第1表示を前記有効期間表示として実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS113,ステップ283FS117)一方、
前記有効期間表示の実行を開始してから残り期間が前記所定期間となった後は、前記第1表示に加えて前記第2表示を前記有効期間表示として実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS115,ステップ283FS117)。
このような構成によれば、第2表示によって遊技者が残り期間が少なくなったことを遊技者に、より強く認識させることができる。
(2−2) 上記(2−1)の遊技機において、
前記有効期間表示手段は、前記第1表示が実行されている領域に対応した領域で前記第2表示を実行する(たとえば、図20−2(D)で示すようにタイムバー表示に重畳させてカウントダウン表示を実行してもよいし、タイムバー表示の上下左右の近傍の領域でカウントダウン表示を実行してもよい)。
このような構成によれば、遊技者の視線を移動させずに、第2表示を遊技者に認識させることができ、第2表示の内容を理解させることができる。
(2−3) 上記(2−1)または(2−2)の遊技機において、
可変表示中演出(たとえば、演出図柄の可変表示)を実行可能な可変表示演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)をさらに備え、
前記有効期間表示手段は、前記第1表示に加えて前記第2表示を実行するときには、前記可変表示演出実行手段による前記可変表示中演出よりも優先して、前記有効期間表示を実行する(たとえば、図20−2(D)で示すように、演出図柄91,92,93の可変表示を表示せず、促進画像283F96Bを表示するようにしてもよいし、演出図柄91,92,93の可変表示よりも促進画像283F96Bを手前に表示するようにしてもよい)。
このような構成によれば、遊技者に対して残り期間が少なくなったことを、より強く認識させることができる。つまり、可変表示中演出よりも、保留記憶を増やすことが遊技者にとって有利であることを遊技者に認識させることができる。
(2−4) 上記(2−3)の遊技機において、
前記有効期間表示手段は、前記可変表示演出実行手段によって可変表示の表示結果が表示されるときには、表示結果の表示を優先するように、前記有効期間表示を実行する(たとえば、図20−2(E)で示すように、促進画像283F97Bを画面端で実行するようにしてもよいし、図20−2(E)で示すように、促進画像283F97Bを演出図柄91,92,93の背後に表示させるようにしてもよいし、促進画像283F97Bを表示しないようにしてもよい)。
このような構成によれば、遊技者に対して可変表示の表示結果を分かり易く認識させることができる。
(2−5) 上記(2−1)から(2−4)のいずれかの遊技機において、
前記遊技機は、第1可変表示(たとえば、第1特別図柄の可変表示)を行う第1可変表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8a)と、第2可変表示(たとえば、第2特別図柄の可変表示)を行う第2可変表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8b)と、遊技媒体(たとえば、遊技球)が進入可能な特定領域(たとえば、V入賞領域870)が内部に設けられ所定状態(たとえば、小当り遊技状態)において遊技媒体が進入可能な状態に制御可能な可変入賞手段(たとえば、V判定入賞装置87)とを備え、前記第1可変表示手段と前記第2可変表示手段とのいずれかにおける表示結果が第1特定表示結果(たとえば、大当り表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な第1有利状態(たとえば、特別図柄による大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記第2可変表示手段における表示結果が第2特定表示結果(たとえば、小当り表示結果)となったときに前記所定状態に制御され、前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて遊技者にとって有利な第2有利状態(たとえば、小当り経由の大当り遊技状態)に制御可能であり、
前記第2可変表示手段による第2可変表示に関する情報を保留記憶情報(たとえば、保留記憶)として所定上限数(たとえば、4つ)まで記憶可能な保留記憶手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、第2保留記憶バッファ)と、
前記第1有利状態および前記第2有利状態が終了したことに基づいて、前記有効期間として所定可変表示回数(たとえば、時短状態の可変表示の回数)に亘り、少なくとも前記第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい時短状態に制御可能な時短制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図14のステップS163〜S170)と、
前記有効期間表示手段によって有効期間表示が実行された後、前記保留記憶手段に保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶されたときに、達成報知演出(たとえば、図20−6(B)で示すように「保留記憶上限達成」との保留上限達成画像を表示する保留上限達成報知)を実行する達成報知演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図20−1のステップ283FS123)をさらに備え、
前記達成報知演出実行手段は、前記有効期間表示手段によって前記第1表示に加えて前記第2表示が実行されているときに、前記保留記憶手段に保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶された場合は、前記達成報知演出の実行を制限する(たとえば、図20−1のステップ283FS122で示すように、第2期間以降であれば、保留上限達成報知をまったく実行しないようにしてもよいし、画面端で実行するようにしてもよいし、音声のみで実行するようにしてもよい)。
このような構成によれば、他の演出の状況に対応して達成報知演出を実行することができる。
(3) また、以上に説明したように、この特徴部283Fには、上述した特徴部283Fの第3の特徴に関する、以下に示す第3発明が含まれている。従来、第1可変表示を行う第1可変表示手段と、第2可変表示を行う第2可変表示手段と、遊技媒体が進入可能な特定領域が内部に設けられ所定状態において遊技媒体が進入可能な状態に制御可能な可変入賞手段とを備え、前記第1可変表示手段と前記第2可変表示手段とのいずれかにおける表示結果が第1特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1有利状態に制御可能であるとともに、前記第2可変表示手段における表示結果が第2特定表示結果となったときに前記所定状態に制御され、前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて遊技者にとって有利な第2有利状態に制御可能な遊技機において、大当り遊技状態の連チャンが終了したときに大当り遊技状態における遊技結果を表示する場合に、最後の変動表示の変動パターンとして、遊技結果の表示のために長い変動時間の変動パターンを選択するものがあった(たとえば、特開2017−164640号公報参照)。
しかし、特開2017−164640号公報の遊技機においては、第2可変表示の保留記憶情報が所定上限数まで記憶されていない状態で、遊技結果の表示のために長い変動時間の変動パターンが選択され、その後、保留記憶情報が所定上限数まで記憶された場合、その変動表示においては遊技結果を表示せず、再度、最後の変動表示において、遊技結果の表示のために長い変動時間の変動パターンを選択する必要があるため、変動表示などの演出が間延びしてしまい、遊技の興趣が低下する虞があった。このような課題を解決するために、283Fの第3発明は以下のように構成される。
(3−1) 第1可変表示(たとえば、第1特別図柄の可変表示)を行う第1可変表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8a)と、第2可変表示(たとえば、第2特別図柄の可変表示)を行う第2可変表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8b)と、遊技媒体(たとえば、遊技球)が進入可能な特定領域(たとえば、V入賞領域870)が内部に設けられ所定状態(たとえば、小当り遊技状態)において遊技媒体が進入可能な状態に制御可能な可変入賞手段(たとえば、V判定入賞装置87)とを備え、少なくとも前記第1可変表示手段の表示結果が第1特定表示結果(たとえば、大当り表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な第1有利状態(たとえば、特別図柄による大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記第2可変表示手段における表示結果が第2特定表示結果(たとえば、小当り表示結果)となったときに前記所定状態に制御され、前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて遊技者にとって有利な第2有利状態(たとえば、小当り経由の大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
前記第2可変表示手段による第2可変表示に関する情報を保留記憶情報(たとえば、保留記憶)として所定上限数(たとえば、4つ)まで記憶可能な保留記憶手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、第2保留記憶バッファ)と、
前記第1有利状態および前記第2有利状態が終了したことに基づいて、所定回数(たとえば、時短状態の可変表示の回数)に亘り、前記第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい時短状態に制御可能な時短制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図14のステップS163〜S170)と、
前記時短制御手段によって前記時短状態に制御されている間に前記保留記憶手段に記憶された保留記憶情報に対応する可変表示がすべて実行されるまでの間の遊技に関する情報(たとえば、図20−2(F),図20−4(F),図20−6(E)で示すリザルト画像283F98)を報知する遊技情報報知演出を実行する遊技情報報知演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図20−1のステップ283FS133、ステップ283FS138)とを備え、
前記遊技情報報知演出実行手段は、
前記所定回数の可変表示が実行されるまでに前記保留記憶手段に記憶された最後の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果が前記第1特定表示結果および前記第2特定表示結果のいずれでもない場合に、
前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報の数が前記所定上限数に達しているときは、当該所定上限数個目の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果を表示するよりも前に、前記遊技情報報知演出を実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS138、図20−2(F),図20−4(F))一方、
前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報の数が前記所定上限数に達していないときは、前記所定上限数に達していない時の最後の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果が表示された後に、前記遊技情報報知演出を実行する(たとえば、図20−1のステップ283FS133、図20−6(E))。
このような構成によれば、保留記憶情報が所定上限数に達していない場合は、第2特別図柄の可変表示が実行される可能性が残っているため、最後の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果の表示後に遊技情報報知演出を実行する一方、所定上限数に達している場合は、当該所定上限数個目の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果の表示前に遊技情報報知演出を実行するため、演出を間延びさせることを抑制できる。その結果、遊技の興趣の低下を抑制できる。
(3−2) 上記(3−1)の遊技機において、
前記遊技情報報知演出実行手段によって前記遊技情報報知演出が実行されない場合に、次の可変表示が開始されることを示唆する示唆演出(たとえば、図20−4(B)で示すように「NEXT」画像を表示する演出)を実行する示唆演出実行手段をさらに備える。
このような構成によれば、次の可変表示が開始されることを遊技者に認識させることができる。
(3−3) 上記(3−1)または(3−2)の遊技機において、
前記遊技情報報知演出実行手段は、前記所定上限数個目の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果を表示するよりも前に実行する前記遊技情報報知演出と、前記所定上限数に達していない時の最後の保留記憶情報に対応する可変表示の表示結果が表示された後に実行する前記遊技情報報知演出とで、態様を異ならせて前記遊技情報報知演出を実行する(たとえば、図20−2(F)、図20−4(F)、図20−6(E)で示すように、第3期間の遊技情報報知演出よりも、音声や表示を地味にした態様、たとえば、小さい音声や表示とした態様、地味な色相とした態様、明度を低くした態様、または、彩度を低くした態様で、第4期間の遊技情報報知演出を実行する)。
このような構成によれば、状況に合わせた遊技情報報知演出を実行することができる。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(2) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(3) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、8a 第1特別図柄表示器、8b 第2特別図柄表示器、9 演出表示装置、100 演出制御用マイクロコンピュータ、560 遊技制御用マイクロコンピュータ。

Claims (2)

  1. 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
    遊技者が所定の動作を実行することができる有効期間を示す有効期間表示を実行可能な有効期間表示手段と、
    変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、
    前記有効期間表示手段によって前記有効期間表示が実行された後、前記保留記憶手段に前記保留記憶情報が所定上限数まで記憶されたときに達成報知演出を実行する達成報知演出実行手段と、を備え、
    前記有効期間表示手段は、
    前記有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第1表示と、前記第1表示とは態様が異なるとともに前記有効期間の残り期間に応じて態様が変化してゆく第2表示とを前記有効期間表示として実行可能であり、
    前記有効期間表示の実行を開始してから残り期間が所定期間となるまでは、前記第1表示を前記有効期間表示として実行する一方、
    前記有効期間表示の実行を開始してから残り期間が前記所定期間となった後は、前記第1表示に加えて前記第2表示を前記有効期間表示として実行し、
    前記達成報知演出実行手段は、前記有効期間表示手段によって前記第1表示に加えて前記第2表示が実行されているときに、前記保留記憶手段に前記保留記憶情報が前記所定上限数まで記憶された場合は、前記達成報知演出の実行を制限する、遊技機。
  2. 第1可変表示を行う第1可変表示手段と、
    第2可変表示を行う第2可変表示手段と、
    遊技媒体が進入可能な特定領域が内部に設けられ所定状態において前記遊技媒体が進入可能な状態に制御可能な可変入賞手段と、をさらに備え、
    少なくとも前記第1可変表示手段の表示結果が第1特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1有利状態に制御可能であるとともに、前記第2可変表示手段における表示結果が第2特定表示結果となったときに前記所定状態に制御され、前記特定領域に前記遊技媒体が進入したことに基づいて遊技者にとって有利な第2有利状態に制御可能であり、
    前記保留記憶手段は、前記第2可変表示手段による前記第2可変表示に関する情報を前記保留記憶情報として前記所定上限数まで記憶可能であり、
    前記第1有利状態および前記第2有利状態が終了したことに基づいて、所定回数、前記第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい時短状態に制御可能な時短制御手段と、
    前記時短制御手段によって前記時短状態に制御されている間に前記保留記憶手段に前記保留記憶情報を前記所定上限数まで記憶させることを促す促進報知を実行する促進報知手段と、をさらに備え、
    前記促進報知手段は、
    第1態様と、前記第1態様よりも遊技者の認識度合の低い第2態様とのいずれかで前記促進報知を実行可能であり、
    前記第1態様の後に前記第2態様で前記促進報知を実行しているときに、前記保留記憶手段に記憶されている前記保留記憶情報の数が前記所定上限数に達していない場合に、再度、前記第1態様で前記促進報知を実行する、請求項1に記載の遊技機。
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