JP6722957B1 - 自転車用負荷発生機構及びハブ - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型、軽量の自転車用負荷発生機構を提供する。【解決手段】 自転車用負荷発生機構30は、第1負荷発生媒体47と第2負荷発生媒体44との相対回転により回転負荷を発生する負荷発生部40と、第1負荷発生媒体47との連係により第1負荷発生媒体47へ回転力を伝達し、前記相対回転を行わせる第1位置と、第1負荷発生媒体47との連係が解除されて第1負荷発生媒体47への回転力の伝達を遮断する第2位置との間を移動可能なロック作動部65を有する自転車の車輪と一体に回転するロック装置51と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、自転車の車輪に対して回転負荷を発生させる技術に関する。
近年、ロードバイク等のスポーツサイクルの認知が広がり、愛好者は年々増加している。また、家族、友人、男女、初心者とトレーニングを積んだ上級者等によりスポーツサイクルを楽しむことが多くなっている。スポーツサイクルの速度領域は、一般的な自転車の2倍〜3倍と高い範囲にある。このため、経験者と初心者とでは、走行技量と走行スピードに実力差が顕著に表れる。
また、スポーツサイクルの愛好者が路上でスポーツサイクルのトレーニングを行う場合、高速度で走行することが通常行われる。このため、単独事故や他人を巻き込んだ事故を招くおそれがある。
このような走行技量や走行スピードに実力差がある者同士がスポーツサイクルで一緒に路上走行を行う場合、実力が上の者は実力が下の者にペースを合わせることが一般に行われる。このため、実力が上の者は十分な爽快感が得られず、また十分な練習ができないおそれがある。
このような問題を解消するために、自転車の車輪に回転負荷を与える回生ブレーキとしても作用する電磁石を利用したブレーキングシステムをハブシェル内に内蔵した自転車ホイールが提案されている(非特許文献1)。このブレーキングシステムはペダリング時に抵抗が生じる。
d365スキをスキルに [令和1年8月2日検索]、インターネット<URL:https://www.design365life.jp/0000089574/>
従来の電磁石を利用したブレーキングシステム内蔵のホイールは、永久磁石とコイル等から構成される電磁石をハブシェルに内蔵しているため、ハブシェルの外形が大きくなり、またホイール全体の重量が重くなる。ホイールが重くなることは軽量化が求められるスポーツバイクにとって好ましくなく、特にハンドルの操作性を低下させる。
本発明の目的は、小型、軽量の自転車用負荷発生機構及びハブを提供することにある。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の自転車用負荷発生機構は、第1負荷発生媒体と第2負荷発生媒体との相対回転により回転負荷を発生する負荷発生部と、前記第1負荷発生媒体との連係により前記第1負荷発生媒体へ回転力を伝達し、前記相対回転を行わせる第1位置と、前記第1負荷発生媒体との連係が解除されて前記第1負荷発生媒体への回転力の伝達を遮断する第2位置との間を移動可能なロック作動部を有する自転車の車輪と一体に回転するロック装置と、を有する。
〔発明2〕 さらに、発明2の自転車用負荷発生機構は、発明1の自転車用負荷発生機構において、前記ロック作動部が前記第1位置に保持された状態で前記車輪が後進回転方向に回転すると、前記ロック作動部は、前記第1位置を保持した状態で前記第1負荷発生媒体との連係を回避して前記第1負荷発生媒体への回転力の伝達を回避する回避手段を有する構成とした。
〔発明3〕 上記目的を達成するために、発明3の自転車用負荷発生機構は、第1負荷発生媒体と第2負荷発生媒体との相対回転により回転負荷を発生する負荷発生部と、前記第1負荷発生媒体との連係により前記第1負荷発生媒体へ回転力を伝達し、前記相対回転を行わせる第1位置と、前記第1負荷発生媒体との連係が解除されて前記第1負荷発生媒体への回転力の伝達を遮断する第2位置との間を移動可能なロック作動部を有する自転車の車輪と一体に回転するロック装置と、前記ロック作動部が前記第1位置に保持された状態で前記車輪が後進回転方向に回転すると、前記ロック作動部と前記第1負荷発生媒体との連係を解除して前記ロック作動部を前記第1位置から前記第2位置に戻す連係解除手段を有する。
〔発明4〕 上記目的を達成するために、発明4のハブは、発明1又は2の自転車用負荷発生機構と、前記自転車用負荷発生機構を内部に収容するハブシェルと、前記ハブシェルの軸中心に配置されるハブ軸と、を有し、前記ロック装置は前記ハブシェルに設けられ、前記第2負荷発生媒体は前記ハブ軸に対して軸回りに回転不能に設けられた構成とする。
〔発明5〕 さらに、発明5のハブは、発明4のハブにおいて、前記負荷発生部は、前記ハブ軸の軸方向に沿って複数配置され、前記複数の負荷発生部に対応して前記ロック装置を配置した構成とする。
〔発明6〕 さらに発明6のハブは、発明5のハブにおいて、前記複数の負荷発生部は、負荷抵抗値がそれぞれ異なる構成とすることができる。
〔発明7〕 上記目的を達成するために、発明7のハブは、発明3の自転車用負荷発生機構と、前記自転車用負荷発生機構を内部に収容するハブシェルと、前記ハブシェルの軸中心に配置されるハブ軸と、を有し、前記ロック装置は前記ハブシェルに設けられ、前記第2負荷発生媒体は前記ハブ軸に対して軸回りに回転不能に設けられた構成とする。
〔発明8〕 さらに、発明8のハブは、発明7のハブにおいて、前記第1位置における前記第1負荷発生媒体と前記ロック作動部との連係は、前記第1負荷発生媒体に設けた係合ピンに前記ロック作動部の第1側面が係合することにより行われ、前記連係解除手段は、前記第1側面と反対面に形成された前記第1側面に対して傾斜し、前記係合ピンに当接する傾斜面を有する。
〔発明9〕 上記目的を達成するために、発明9のハブは、ハブシェルと、前記ハブシェルの内部に配置される自転車用負荷発生機構と、前記ハブシェルの軸中心に配置されたハブ軸と、前記自転車用負荷発生機構は、前記ハブシェルの回転が伝達される第1摩擦負荷発生媒体と前記ハブ軸に回転不能に取り付けられる第2摩擦負荷発生媒体との相対回転により発生する摩擦回転負荷を利用し、対をなす前記第1摩擦負荷発生媒体と前記第2摩擦負荷発生媒体との個数調整又は前記第1摩擦負荷発生媒体と前記第2摩擦負荷発生媒体との加圧接触力の調整により、摩擦抵抗値を可変とする構成としている。
以上説明したように、発明1の自転車用負荷発生機構によれば、負荷発生部を簡単な構成とすることができるため、軽量化が図れ、例えばスポーツサイクルに適用すると、初心者との並走、練習での負荷を加える走行と、高速走行とを切り替えることができ、ハンドル操作も軽いため、安全走行に寄与する。
さらに、発明2の自転車用負荷発生機構によれば、車輪を後進回転方向に回転させる場合、前進回転方向での負荷発生を保持したたままであっても、車輪を無負荷の状態で後進回転方向に回転させることができる。このため、その後前進する場合、何らの手動操作を行うことなく車輪に負荷を加えることができる。
さらに、発明3の自転車用負荷発生機構によれば、車輪を後進回転方向に回転させる場合、自動的に負荷発生状態が解除され、無負荷で車輪を後進方向に回転させることができる。
発明4のハブによれば、自転車用負荷発生機構をハブシェル内に収容でき、ハブのコンパクト化と軽量化を図ることができる。
さらに、発明5のハブによれば、車輪に加える負荷抵抗値を調整することができる。
さらに、発明6のハブによれば、負荷抵抗値を細かく調整することができる。
発明7のハブによれば、車輪を後進回転方向に回転させる場合に、車輪への負荷抵抗を自動的に無負荷可能とする機能を備えた自転車用負荷発生機構をハブに組み付けることができるので、ハブを自転車のフロントスポーク等に簡単に取り付けることができる。
さらに、発明8のハブによれば、連係解除手段を簡単な構成とすることができる。
発明9のハブによれば、車輪に加える負荷を調整可能とすることで、スポーツサイクル等の自転車に乗る人の技量に合わせて細かな負荷抵抗値に調整することができる。
本発明による自転車用負荷発生機構を備えたハブの第1実施形態を示し、フロントフォークにハブを取り付けた状態の一部切欠斜視図である。 図1の自転車用負荷発生機構を内蔵したハブの一部切欠斜視図である。 図2に示すハブを矢印Aから見た一部切欠側面図である。 図2に示す自転車用負荷発生機構のロック装置を示す図である。 自転車用負荷発生機構の第2実施形態を示す斜視図で、ロック装置の作動ロッドが非係合位置に保持された非ロック状態を示す。 図5Aに示すロック装置の作動ロッドが係合位置に保持されたロック状態を示す斜視図である。 本発明による自転車用負荷発生機構の第3実施形態を示すロック装置の各種機構を示す図である。 本発明による自転車用負荷発生機構の第4実施形態を示す負荷発生部の概略正面図である。 第4実施形態の変形例を示す負荷発生部の一部切欠斜視図である。 本発明による自転車用負荷発生機構の第5実施形態を示す負荷発生部の一部切欠斜視図である。 第5実施形態の変形例を示す負荷発生部の一部切欠斜視図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図4において、自転車の前輪に設けられるハブ1は、左右一対のフロントフォーク2、3の下端部にハブ軸4を介して取り付けられる。図1において、ハブ1は自転車の前方から見た状態で、図中の右側がハブ1の左側、右側がハブ1の左側を示しており、ハブ1の左側から見てハブ1の反時計回り方向が前進回転方向である。
ハブ1は、ハブシェル10内に左右の軸受け部20と、負荷発生機構30を設けている。負荷発生機構30は、左右の軸受け部20の間に設けた負荷発生部40と、負荷発生部40の負荷を切り替え操作するハブシェル10に設けたロック部50を有し、ハブシェル10の軸中心にアルミ製のハブ軸4が配置される。
ハブ軸4は、ハブシェル10の左右両端部から軸方向外方に向けて雄ネジに構成されたネジ軸部4aが突出している。図3に示すように、左右のネジ軸部4aの一部には、平行して平坦面4bを形成したいわゆる二面幅部を有している。左右一対のフロントフォーク2、3の下端部に形成した不図示の角形開口部に前記二面幅の軸部が嵌合することにより、ハブ軸4がフロントフォーク2、3に回転不能に固定される。なお、左右のネジ軸部4aに羅着するナット5を締め付けることにより、ハブ1がフロントフォーク2、3に固定される。
ハブシェル10は、長手方向の両端部にフランジ11、12が設けられている。フランジ11、12には径方向外方に向けて所定間隔で不図示のスポークが設けられており、各スポークの先端部が不図示のリムの内周部に取り付けられ、前記リムの外周部に不図示のタイヤが装着される。
左右の軸受け部20は、筒形状に形成されたベアリング支持体21とハブシェル10の内周面との間に、ボールベアリング22が装着される。ハブ軸4の両端部はベアリング支持体21の軸孔21aに所定位置まで差し込まれ、ネジ軸部4aがフロントフォーク2、3の前記角形開口部を超えて軸方向外方に向けて延びる。ナット5はフロントフォーク2、3の外側でネジ軸部4aに螺合する。したがって、ハブシェル10は、ハブ軸4の軸回りに回転自在に保持される。
負荷発生部40の構成
負荷発生部40は、固定軸であるハブ軸4に対し、ハブシェル10の前進回転方向への回転に摩擦力による負荷を発生させる第1摩擦負荷発生部41と、第2摩擦負荷発生部42と、第3摩擦負荷発生部43により構成される。
第1摩擦負荷発生部41と第2摩擦負荷発生部42と第3摩擦負荷発生部43は、耐摩耗性の金属で形成された外径が等しい円筒形状の第1摩擦筒44、第2摩擦筒45、第3摩擦筒46を有する。第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46は、ハブ軸4にスプライン結合により軸回りに回転不能に固定されている。
第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46は、左右の軸受け部20の間に軸方向左側から右側に向けて順に配列されており、左右のナット5の締付量を調整することで第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46が軸方向にガタなく配置される。前記スプライン結合は、ハブ軸4の外周に周方向に所定間隔を有して形成した歯形状の突条4cが第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46の中心部の軸孔に形成した歯形状の溝4dに係合する。第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46は長さが異なり、第1摩擦筒44が最も長く、次いで第2摩擦筒45が長く、第3摩擦筒46が最も短い。
第1摩擦筒44の外周に第1トーションバネ47が軽い締付力を有して外装され、第2摩擦筒45及び第3摩擦筒46の外周にも同様に第2トーションバネ48、第3トーションバネ49が外装される。第1トーションバネ47、第2トーションバネ48及び第3トーションバネ49はいずれも第1摩擦筒44、第2摩擦筒45、第3摩擦筒46の全長と略等しい長さを有する。
第1トーションバネ47〜第3トーションバネ49は、断面が四角形のバネ線材を用いて右ネジ回りに巻回して形成され、一方のバネ端が径方向外方に向けて突出する。ここで、一方のバネ端は、軸方向に沿って右端を示す。第1トーションバネ47において径方向外方に突出する一方のバネ端を係合ピンとする第1係合ピン47a、第2トーションバネ48の一方のバネ端を第2係合ピン48a、第3トーションバネ49の一方のバネ端を第3係合ピン49aとする。
第1トーションバネ47は、第1摩擦筒44に軽い締付力で外装されているため、第1係合ピン47aに前進回転方向(締付方向)の力が加わると、第1トーションバネ47が右ネジ回りに捩じられて内径が小径化方向に弾性変形していわゆる巻き締めが生じる。このため、第1トーションバネ47の内周面が第1摩擦筒44の外周面に摩擦接触し、摩擦力が発生する。第2トーションバネ48と第2摩擦筒45、第3トーションバネ49と第3摩擦筒46とについても同様である。すなわち、第1負荷発生媒体(第1トーションバネ47、第2トーションバネ48、第3トーションバネ49)と、第2負荷発生媒体(第1摩擦筒44、第2摩擦筒45、第3摩擦筒46)とは相対回転することにより回転負荷が発生する。後記するロック作動部をなす駆動レバー65と第1係合ピン47aとの係合による駆動レバー65と第1トーションバネ47との連係により第1トーションバネ47に前輪の回転力が伝達される。
駆動レバー65が第1トーションバネ47の第1係合ピン47aに係合すると、駆動レバー65と第1トーションバネ47の連携により、第1摩擦筒44と第1トーションバネ47との相対回転により摩擦による回転負荷を発生させる。
第1トーションバネ47〜第3トーションバネ49の内径は同径であり、第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46の外径が同径である。このため、軸方向の長さが最も長い第1トーションバネ47を有する第1摩擦負荷発生部41の負荷(W1)が最も大きく、軸方向の長さが最も短い第3トーションバネ49を有する第3摩擦負荷発生部43の負荷(W3)が最も小さく、第2摩擦負荷発生部42の負荷(W2)がそれらの中間である。
第1摩擦負荷発生部41と第2摩擦負荷発生部42と第3摩擦負荷発生部43の摩擦力による負荷を任意に発生させるように選択すれば、最大負荷(W1+W2+W3)から最小負荷(W3)、負荷力ゼロまで7段階に負荷を切り替え可能となる。
ロック部50の構成
ロック部50は、第1摩擦負荷発生部41〜第3摩擦負荷発生部43に対応して同一構成の押しボタン式の第1ロック装置51、第2ロック装置52、第3ロック装置53を有し、ハブシェル10の外周部に形成した開口10aに第1ロック装置51〜第3ロック装置53が配置される。第1ロック装置51と第2ロック装置52と第3ロック装置53は、平面四角形に形成された第1押し釦61と第2押し釦62と第3押し釦63を有する。なお、ロック部50の説明において、径方向とは円筒形状のハブシェル10の軸中心から見た半径方向をいうものとする。また、第1ロック装置51と第2ロック装置52と第3ロック装置53は同一構造であるため、第2押し釦62と第3押し釦63を除く第2ロック装置52と第3ロック装置53の部材には第1ロック装置51の部材と同一の符号を付す。
開口10aの外側には、四角形の枠形状に形成されたカバー50aがボルト50bを介してハブシェル10に固定される。開口10aには、第1押し釦61と第2押し釦62と第3押し釦63の移動をガイドするガイドフレーム50cが配置される。ガイドフレーム50cは第1押し釦61、第2押し釦62、第3押し釦63を囲む3個の四角形に形成された枠部が形成されている。
第1ロック装置51は、第1押し釦61をハブシェル10の径方向内側に向けて後記する主レバーバネのバネ力に抗して押し込むと、図4に示す円柱状の作動部材64がロック作動部をなす駆動レバー65が実線で示す第2位置である非係合位置から二点鎖線で示す第1位置である係合位置に回転する。第2位置において駆動レバー65が第1係合ピン47aと非係合で、第1トーションバネ47に対する前輪による回転力の伝達が遮断される。第1位置において駆動レバー65が第1係合ピン47aと係合する。駆動レバー65は不図示のストッパーにより係合位置を超えて反時計回り方向に回転不能とする。駆動レバー65は左右方向両側に支出される第1支軸66が第1押し釦61を囲む枠部に回転可能に軸支される。
図4において、駆動レバー65は、幅方向両側に第1当接面65aと第2当接面65bを有し、前記係合位置において、第1当接面65aの延長面がハブシェル10の軸中心に向いている。また、第2当接面65bは、第1当接面65aに対して傾斜している。駆動レバー65は、第1支軸66が設けられた基部65cに対して先端部65dが第2支軸65eを介して回転可能に連結される。駆動レバー65は基部65cとガイドフレーム50cとの間に掛け回した不図示の主レバーバネにより、前記非係合位置に向けて付勢されている。駆動レバー65の先端部65dは、基部65cに対して第1当接面65a及び第2当接面65bが平坦面を維持する係合可能な係合可能状態から時計回り方向に回転可能で、不図示の副レバーバネにより先端部65dが前記係合可能状態に付勢される。
前記非係合位置において、作動部材64は、駆動レバー65の第1当接面65a上で基部65c側に当接する。第1押し釦61と作動部材64との間には、図4において矢印Bで示す円で囲むノックカムを利用したノック式の押し込み状態保持機構70が設けられている。このノック式の押し込み状態保持機構70は、一回目のノックでボールペンの芯を出して保持し、二回目のノックで芯を戻すノック式ボールペンに使用されている芯の出し入れを行う機構と同じ機構としている。
すなわち、第1押し釦61を押し込むと、押し込み状態保持機構70を介して作動部材64が第1当接面65aと接触しながら径方向内側に移動し、駆動レバー65が第1支軸66を中心に係合位置に向けて反時計回り方向に回動する。この状態で第1押し釦61から指を離しても駆動レバー65は係合位置に保持される。再度、第1押し釦61を押し込むと、押し込み状態保持機構70は、押し込み状態を解除し、前記主レバーバネのバネ力により第1押し釦61が元の位置に復帰する。
駆動レバー65が係合位置に保持された状態で、自転車の前輪が前進回転方向に回転すると、ハブシェル10が同方向に回転し、駆動レバー65の第1当接面65aが第1トーションバネ47の第1係合ピン47aに係合し、第1トーションバネ47と第1摩擦筒44との間に摩擦力が発生して負荷が前輪に加わる。また、自転車の前輪が後進回転方向に回転すると、駆動レバー65の第2当接面65bが第1係合ピン47aに係合する。駆動レバー65は先端部65dが第1係合ピン47aに当接するため、先端部65dが前記副レバーバネのバネ力に抗して第2支軸65eを中心に時計回り方向に回転し、前輪の後進回転方向への無負荷回転を許容する。
すなわち、駆動レバー65の基部65cと先端部65dと第2支軸65eと前記副レバーバネは、駆動レバー65による第1トーションバネ47への回転力の伝達を回避する回避手段を構成する。したがって、車輪の後進方向回転時には、駆動レバー65と第1トーションバネ47の第1係合ピン47aとの係合が回避され、駆動レバー65から第1トーションバネ47への回転力の伝達が回避される。
ここで、前記回避手段が設けられていない場合、前輪が後進回転方向へ回転し、駆動レバー65が第1係合ピン47aに係合すると、駆動レバー65の全体に時計回り方向への回転力が付与される。しかし、押し込み状態保持機構70により、駆動レバー65は係合位置において時計回り方向への回転が阻止されているので、駆動レバー65は時計回り方向へ回転しない。なお、この状態で第1トーションバネ47は左ネジ回り方向へ捩じられるので、第1トーションバネ47には巻き締めが発生せず、第1摩擦筒44に対して摩擦力による負荷が小さい。このため、前輪は僅かな負荷が加わった状態で後進方向へ回転可能となる。
図4において、矢印Bで示す二点鎖線で囲む押し込み状態保持機構70の構成についてB部拡大図を参照して簡単に説明する。押し込み状態保持機構70は、第1押し釦61の内側からハブシェル10に向けて支出されるノック棒701と、ガイドフレーム50cに固定される破線で示すカム筒702と、回転子703で構成される。カム筒702の径方向外端側にノック棒701の径方向内端部が装入され、カム筒702の径方向内端側に回転子703が装入される。回転子703は径方向の内端に作動部材64に設けた接続ロッド64aの径方向外端が当接する。
ノック棒701の径方向内端の外周部と回転子703の径方向外端の外周部には互いにかみ合う複数の三角形状の歯部701a、703aが形成されている。ノック棒701はカム筒702に対して長手方向(以下、カム筒軸方向とする)に移動可能かつカム筒軸回りに回転不能とする。カム筒702の内周面には、カム筒軸方向に沿って延びる複数の突起部702aが周方向に沿って所定間隔を有して形成されており、周方向に沿って隣接する突起部702aとの間にカム筒軸方向に沿って延びる溝部702bが形成される。突起部702aは、カム筒軸方向内端側の端面に周方向に沿って2つのカム面702c、702dが形成され、カム面702cとカム面702dとの繋ぎ目に凹部702eが形成される。回転子703の周囲には溝部702bに係合可能な複数の係合突条703bが形成されている。
非係合位置において、係合突条703bが溝部702bに係合されている状態で、回転子703は前記主レバーバネのバネ力でノック棒701をカム筒軸方向外方に向けて押し付けている。この非係合位置において回転子703の軸回りの回転は規制されていて、回転子703の歯部703aはノック棒701の歯部701aに対してカム筒軸方向における噛み合い深さを半分としている。ノック棒701を押し込んで回転子703の係合突条703bが溝部702bから脱すると、回転子703の回転規制が外れ、ノック棒701の歯部701aに対して回転子703の歯部703aの噛み合い深さが半分から全長となるように回転子703がカム筒軸方向外側に向けて移動しながら回転する。その際、係合突条703bは溝部702bに隣接するカム面702cに対向する位置にずれる。この状態でノック棒701に加えていた押し込みを解除すると、係合突条703bがカム面702c上を摺動して回転子703をさらに回転させながら凹部702eに係合し、ノック棒701のカム筒軸方向外方に向けた移動が規制される。この状態は駆動レバー65が係合位置に保持された状態となり、歯部703aと歯部701aとの噛み合いは再び半分の深さとなっている。
続いて、ノック棒701を押し込んで回転子703をカム筒軸方向内側に移動させると、係合突条703bが凹部702eとの係合から脱する。その際、回転子703の歯部703aの噛み合い深さが半分から全長となるため、回転子703が回転して係合突条703bがカム面702dに対向する位置にずれる。そして、ノック棒701に加えていた押し込みを解除すると、係合突条703bはカム面702dを摺動しながら溝部702bにはまり込み、ノック棒701は主レバーバネのバネ力でカム筒軸方向外端に向けて移動し、非係合位置に復帰する。その際、回転子703は回転し、歯部703aと歯部701aは再び噛み合い深さが半分となる。
ロック部50の説明において、第1ロック装置51について説明したが、第2ロック装置52、第3ロック装置53も第1ロック装置51と同一の構成を有しているので、第2ロック装置52と第3ロック装置53の詳細な説明は省略する。なお、図1及び図2において、第2ロック装置52と第3ロック装置53の各駆動レバーの符号を65とする。
上記した構成のハブ1は、例えばスポーツサイクルの前輪に設けられ、第1ロック装置51〜第3ロック装置53の第1押し釦61〜第3押し釦63を押し込んで負荷発生部40の第1摩擦負荷発生部41〜第3摩擦負荷発生部43を選択すると、選択された第1摩擦負荷発生部41〜第3摩擦負荷発生部43が作動して前輪に負荷を発生させる。第1摩擦負荷発生部41〜第3摩擦負荷発生部43のいずれか又はすべてを選択し、又はいずれも選択しないことにより、負荷ゼロから7段階の負荷を選択することができる。摩擦力による負荷は、ハブ軸4とスプライン結合する第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46にそれぞれ一体に外装される第1トーションバネ47〜第3トーションバネ49が巻き締めされることで、第1摩擦筒44〜第3摩擦筒46とで発生する。
自転車を後進させる際に前輪が後進回転方向に回転した場合、第1ロック装置51〜第3ロック装置53のすべて又はいずれかが選択されていても、選択されている駆動レバー65は先端部65dが基部65cに対して回転可能なため、ロック状態を保持して駆動レバー65が第1係合ピン47aと非当接とし、摩擦力による負荷の発生を回避する。
本実施形態によれば、自転車の前輪に負荷を加える負荷発生機構30は、負荷発生部40を機械的な構成とし、ハブ軸4を中心にして、摩擦筒とトーションバネを同心に配置しているため、コンパクトで軽量化を図ることができる。第1トーションバネ47〜第3トーションバネ49の複数のトーションバネは、ハブ軸4の軸方向に沿って配置しているため、摩擦力(負荷)を複数段階に選択して発生させることができる。したがって、スポーツサイクルに慣れない初心者等とサイクリングする場合、負荷調整により同じスピードで走行することが可能となる。また、スピードの出し過ぎを防ぐことができる。
押し込み状態保持機構70が駆動レバー65を係合位置に保持している状態において、駆動レバー65は非係合位置に向けた回動が規制されるため、前輪が後進回転方向に回転した場合、駆動レバー65が第1トーションバネ47〜第3トーションバネ49の第1係合ピン47a〜第3係合ピン49aに係合すると、摩擦力による負荷が発生し、方向転換等の操作時に前輪が回りにくくなり、操作性が悪くなる。しかし、駆動レバー65は先端部65dが第1係合ピン47a〜第3係合ピン49aに当接すると回転して係合が回避されるため、前輪の回転が軽く、自転車の操作性悪化を防止できる。
〔第2実施形態〕
図5Aと図5Bは、自転車用負荷発生機構の第2実施形態を示し、ロック部50を構成するロック装置150の他の構成を示す。なお、第1実施形態に示す部材と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
図5A、図5Bに示すロック装置150は、図1に示す第1摩擦負荷発生部41に対応するもので、ハブシェル10の開口10aに取り付けられた支持台151に作動ロッド152を径方向に移動可能に取り付けた構成とし、支持台151と、作動ロッド152のフランジ部153との間にバネ154を配置している。作動ロッド152の操作端部155aを押し込むと、作動ロッド152の作動端部155bが第1トーションバネ47の第1係合ピン47aに係合可能となり、作動ロッド152と第1トーションバネ47が連携して第1摩擦筒44と第1トーションバネ47との相対回転により摩擦による回転負荷を発生させる。
作動端部155bは、横断面が四角形形状に形成され、ハブシェル10の周方向において、前進回転方向側の前側面157がハブシェル10の半径方向に沿った平坦面に形成され、反対側の後側面158が前側面157に対して傾斜面に形成されている。また、支持台151には、作動端部155bを前後方向でガイドする前ガイド部159と後ガイド部160が形成され、後ガイド部160には、後側面158に向けて係合突起161が形成されている。後ガイド部160は前後方向に沿って弾性変形するバネ性を有する。作動ロッド152の後側面158には、係合突起161が係合する係合凹部162が形成されている。
図5Aに示す状態において、作動ロッド152を第2位置である非係合位置からバネ154のばね力に抗して押し込むと、図5Bに示すように、作動端部155bの前側面157が第1係合ピン47aと係合する第1位置である係合位置に達し、係合凹部162に係合突起161が係合して作動ロッド152の前記係合位置がロックされる。このロック状態でハブシェル10が前進回転方向(図中、反時計回り方向)に回転すると、第1実施形態と同様に第1係合ピン47aが作動端部155bの前側面157との係合で押され、第1トーションバネ47が第1摩擦筒44に対して巻き締めされ、摩擦力による負荷が発生する。
一方、ハブシェル10が後進回転方向に回転すると、作動端部155bの後側面158が第1係合ピン47aに当接する。後側面158は傾斜面であるため、第1係合ピン47aとの当接で、作動ロッド152を径方向外方に向けて押し戻す分力が発生し、係合突起161が後方に押し戻されて係合凹部162から外れ、バネ154のばね力で作動ロッド152が第2位置である非係合位置に戻される。したがって、ハブシェル10を備えた前輪が第1摩擦負荷発生部41の影響を受けることなく回転する。すなわち、作動ロッド152の傾斜面である後側面158は、作動ロッド152と第1係合ピン47aとの係合による作動ロッド152と第1トーションバネ47との連係を解除する連係解除手段として構成される。
第2実施形態の自転車用負荷発生機構によれば、作動ロッド152を係合位置に押し込んだ状態で自転車の前輪を後進回転方向に回転した場合でも、作動端部155bの傾斜面である後側面158が第1係合ピン47aに当接すると、作動ロッド152が自動的に非係合位置に押し戻される。このため、前輪の後進回転の際に、ロック部50の作動ロッド152を非係合位置に手動で戻す操作が不要となる。
〔第3実施形態〕
図6は本発明による自転車用負荷発生機構の第3実施形態を示すロック装置150の各種機構を示す図である。なお、図5A、図5Bに示す部材と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
図6中、(a)〜(f)に示す負荷発生部400は、ハブ軸4に耐摩耗性金属製の第2負荷発生媒体をなす摩擦筒410を回転不能に例えばスプライン結合で結合し、さらに摩擦筒410に第1負荷発生媒体をなす回転筒411を摩擦回転可能に外装した摩擦力を利用して負荷を発生させる構成としている。本実施形態の負荷発生部400は、例えば図5A、図5Bに示す自転車用負荷発生機構を構成する負荷発生部40に代えて用いられ、ロック装置150は基本的に同一構成とする。図6中、(e)のロック装置150は、傾斜面を有する図5A、図5Bに示す作動ロッド152を用い、(a)(b)(c)(d)(f)のロック装置150は、傾斜面のない作動ロッド156を使用している。作動ロッド156は傾斜面を有していない点を除き、作動ロッド152と同一構造としている。また、作動ロッド152、156の反時計回り方向への回転が前進回転方向である。
図6において、(a)に示す負荷発生部400は、円筒形状の回転筒411の外周部に径方向外方に向けて突出する係合ピン421を設けた構成としている。作動ロッド156が前進回転方向及び反対の後進回転方向に回転すると、作動ロッド156が係合ピン421に係合し、作動ロッド156と回転筒411が一体となって前進回転方向及び後進回転方向に回転する。したがって、前進方向回転と後進方向回転の両方向の回転で摩擦力による負荷が自転車の前輪に発生する。(b)に示す負荷発生部400は、円筒形状の回転筒411の外周部に形成した凹部422に作動ロッド156が係合する構成とし、前進方向回転と後進方向回転の両方向の回転で摩擦力による負荷が発生する。
(c)に示す負荷発生部400は、回転筒411を正多角筒、例えば六角筒形状とし、6面の平坦面423のいずれかに作動ロッド156の先端面が当接する構成としている。係合位置において、作動ロッド156の先端面は平坦面423の中央に当接させずに隙間を有した位置とすることが望ましい。不図示のハブシェルと一体に回転する作動ロッド156の先端面は、平坦面423の中央から角部側にずれて平坦面423に係合するため、回転筒411を回転させることができる。この場合、前進方向回転と後進方向回転の両方向の回転で摩擦力による負荷が発生する。
(d)に示す負荷発生部400は、回転筒411の外周縁424を渦巻形状に形成し、始点位置と終点位置とに半径の差による段差部425が形成される。作動ロッド156は前進回転方向の回転で段差部425に係合して回転筒411を回転させ、摩擦力による負荷が発生する。作動ロッド156が後進回転方向に回転すると、作動ロッド156の先端面が渦巻状の外周縁424を摺動しながら径方向外方に向けて移動する。したがって、作動ロッド156は、自動的にロック状態が解除され、作動ロッド156が非係合位置に戻る。このため、摩擦力による負荷の発生を伴うことなく前輪を後進方向に回転させることができる。なお、(d)に示す作動ロッド156の先端部を作動ロッド156の長手方向に沿って移動可能な別部材で構成すれば、前輪の後進回転であってもこの先端部のみを径方向外方に向けて移動させることができ、作動ロッド156のロック状態を保持して前輪の後進回転を無負荷で行える。
(e)に示す負荷発生部400は、(a)に示す傾斜面のない作動ロッド156を傾斜面を有する作動ロッド152とした点のみが相違する。後面側158に傾斜面を有する作動ロッド152により、前輪が後進回転方向に回転すると、係合ピン421に作動ロッド152の後面側158の傾斜面が当接し、作動ロッド152が非係合位置に戻される。このため、前輪を無負荷で後進回転させることができる。
(f)に示す負荷発生部400は、回転筒411の外周部に形成した凹部426の後壁面427を傾斜面とし、作動ロッド156が前進回転方向に回転すると、凹部426の前壁面428に作動ロッド156が係合して回転筒411を前進回転方向に回転させて摩擦力による負荷を発生させる。前輪が後進回転方向に回転すると、作動ロッド156が後壁面427に摺接しながら径方向外方に向けて押し戻される。このため、前輪を無負荷で後進回転させることができる。
〔第4実施形態〕
図7Aは本発明による自転車用負荷発生機構の第4実施形態を示す負荷発生部の概略正面図である。
本実施形態による負荷発生部100Aは、電磁誘導により負荷を発生させる方式である。負荷発生部100Aは、ハブ軸4に固定される第2負荷発生媒体をなす磁石円盤101と、ハブ軸4に回転自在で、軸方向に沿って移動不能に取り付けられた第2負荷発生媒体をなす円盤形状のアルミ製の誘電板102を有し、磁石円盤101と誘電板102を所定の間隔を有して対向配置している。磁石円盤101は、円盤形状の基板101aの片面にネオジウム磁石等のN極磁石101NとS極磁石101Sをハブ軸4の軸回りに交互に取り付けている。
誘電板102が磁石円盤101に対して回転すると、電磁誘導による電磁ブレーキとして作用し負荷が発生する。負荷発生部100Aに対するロック装置は図示しないが、例えば図6の(e)に示す構成を適用することができ、誘電板102の外周縁に不図示の係合部材を設け、ロック装置の不図示の作動ロッド前記係合部材に係合可能とした構成とする。なお、図6の(a)(b)(d)(f)に示すロック装置150と回転筒411の構成が適用可能である。また、図5A、図5Bの構成と同じように、負荷発生部100Aは不図示のハブシェル内に配置され、ロック装置により負荷のオン、オフが切り替えられる。
不図示のロック装置の作動ロッドが係合位置において前輪の前進回転方向回転で誘電板102の外周部に設けた不図示の係合部材に係合すると、誘電板102には電磁誘導による回転抵抗が発生し、前輪に対して回転方向の負荷が加わる。前輪が後進回転方向に回転した場合には、作動ロッドの後側面に形成した傾斜面が前記係合部材に当接して作動ロッドが径方向外方に向けて押し出され、前記ハブシェルと一体に回転する前記作動ロッドが空回りして負荷発生部100Aの誘電板102には電磁誘導による回転抵抗が発生せず、前輪に負荷は加わらない。
〔第4実施形態の変形例〕
図7Bは、第4実施形態の変形例を示す負荷発生部の一部切欠斜視図である。
本変形例の負荷発生部100Bは、第4実施形態と同様に不図示のハブシェル内に配置され、不図示のロック装置の作動ロッドにより負荷のオン、オフの切り替えが行われる。第1負荷発生媒体をなす円筒形状に形成された鉄製のハウジング110の内周面にネオジウム磁石等のN極磁石111NとS極磁石111Sを周方向に沿って交互に配置した磁石部112を設けている。ハウジング110はハブ軸4の軸回りに回転可能に支持されている。ハブ軸4に固定された第2負荷発生媒体をなす円筒形状のアルミ製誘電板113が磁石部112の内側に所定の隙間を有して配置される。ハウジング110は図6において示される回転筒411と同様に、作動ロッドが係合する凹部等が外周部に形成される。
不図示のロック装置の作動ロッドが係合位置まで押し込まれると、例えばハウジング110の外周部に設けた不図示の凹部に前記作動ロッドの先端部が係合する。この状態で、自転車の前輪を前進回転方向に回転させると、回転不能の誘電板113に対してハウジング110が回転し、ハウジング110に電磁誘導による回転抵抗が生じ、前輪に負荷が発生する。
第4実施形態及び第4実施形態の変形例によれば、電磁誘導による回転抵抗の発生にコイルを用いていないので負荷発生部の軽量化を図ることができる。
〔第5実施形態〕
図8Aは本発明による自転車用負荷発生機構の第5実施形態を示す負荷発生部の一部切欠斜視図である。
本実施形態による負荷発生部200Aは、第4実施形態と同様に不図示のハブシェル内に配置される。負荷発生部200Aに対するロック装置は図示しないが、例えば図6の(f)に示す構成を適用することができる。
本実施形態による負荷発生部200Aは、ハブ軸4にスプライン結合により軸方向移動可能で回転不能に取り付けた円盤形状の第2負荷発生媒体をなす被摩擦板201Aとバネ受板202を軸方向に沿って対向配置しており、図2に示す左右の軸受け部20の間に被摩擦板201Aとバネ受板202を配置している。ハブ軸4に対して回転自在に取り付けられた第1負荷発生媒体をなす円板形状に形成された回転板203Aを被摩擦板201Aとバネ受板202との間に配置している。回転板203Aは、被摩擦板201Aとの対向面側に耐摩耗性を有する金属製の円板形状に形成した摩擦板204Aが固定される。また、バネ受板202と回転板203Aとの間に弾装した加圧バネ205は、回転板203Aを被摩擦板201Aに向け押して摩擦板204Aを被摩擦板201Aに加圧接触させる。
図1に示すように、ハブ軸4のネジ軸部4aに螺着するナット5の締付量を調整することにより、加圧バネ205のバネ力を変化させて被摩擦板201Aに対する摩擦板204Aの押し付け力を調整する。したがって、前輪に加わる負荷を調整可能とする。
不図示のロック装置の作動ロッドが回転板203Aの外周端に形成した不図示の凹部に係合した状態で前輪が前進回転方向に回転すると、不図示のハブシェルと一体に回転板203Aが回転するが、摩擦板204Aが被摩擦板201Aと摩擦接触して回転するため、回転板203Aに摩擦による回転抵抗が発生し、前輪の前進回転に負荷が加わる。
〔第5実施形態の変形例〕
図8Bは、第5実施形態の変形例を示す負荷発生部の一部切欠斜視図である。
本変形例の負荷発生部200Bは、基本的に図8Aの負荷発生部200Aと同様の構成であって、第2負荷発生媒体をなす被摩擦板201Bを円錐台形状に形成している。そして、第1負荷発生媒体をなす回転板203Bの内部空間を被摩擦板201Bの円錐台形状をなす円錐台部206が嵌まり込むロート形状に形成している。回転板203Bのロート形状をなすロート部207の内周面に摩擦板204Bを固定し、加圧バネ205のバネ力で摩擦板204Bを円錐台部206に加圧接触させる。
第5実施形態及び第5実施形態の変形例によれば、1本の加圧バネ205により前輪に加わる負荷量を調整することができる。第5実施形態の変形例によれば、円錐台部206の軸方向長さを長くしてテーパー面の表面積を大きくすることにより、摩擦板204Bとの摩擦接触面積を大きくでき、被摩擦板201Bの直径を大きくすることなく摩擦力を大きくできる。
上記した各実施形態及び変形例は、いずれも自転車の前輪のハブに負荷発生機構を配置した構成を例にしているが、後輪のハブに負荷発生機構を配置しても良い。
1…ハブ、 2、3…フロントフォーク、 4…ハブ軸、 4a…ネジ軸部、 4b…平坦面、 4c…突条、 4d…溝、 5…ナット、 10…ハブシェル、 10a…開口、 11、12…フランジ、 20…軸受け部、 21…ベアリング支持体、 21a…軸孔、 22…ボールベアリング、 30…負荷発生機構、 40…負荷発生部、 41…第1摩擦負荷発生部、 42…第2摩擦負荷発生部、 43…第3摩擦負荷発生部、 44…第1摩擦筒、 45…第2摩擦筒、 46…第3摩擦筒、 47…第1トーションバネ、 47a…第1係合ピン、 48…第2トーションバネ、 48a…第2係合ピン、 49…第3トーションバネ、 49a…第3係合ピン、 50…ロック部、 50a…カバー、 50b…ボルト、 50c…ガイドフレーム、 51…第1ロック装置、 52…第2ロック装置、 53…第3ロック装置、 61…第1押し釦、 62…第2押し釦、 63…第3押し釦、 64…作動部材、 64a…接続ロッド、 65…駆動レバー、 65a…第1当接面、 65b…第2当接面、 65c…基部、 65d…先端部、 65e…第2支軸、 66…第1支軸、 70…押し込み状態保持機構、 701…ノック棒、 701a…歯部、 702…カム筒、 702a…突起部、 702b…溝部、 702c、702d…カム面、 702e…凹部、 703…回転子、 703a…歯部、 703b…係合突条、 150…ロック装置、 151…支持台、 152、156…作動ロッド、 153…フランジ部、 154…バネ、 155a…操作端部、 155b…作動端部、 157…前側面、 158…後側面、 159…前ガイド部、 160…後ガイド部、 161…係合突起、 162…係合凹部、 400…負荷発生部、 410…摩擦筒、 411…回転筒、 421…係合ピン、 422…凹部、 423…平坦面、 424…外周縁、 425…段差部、 426…凹部、 427…後壁面、 428…前壁面、 100A、100B…負荷発生部、 101…磁石円盤、 102…誘電板、 101a…基板、 101N…N極磁石、 101S…S極磁石、 110…ハウジング、 111N…N極磁石、 111S…S極磁石、 112…磁石部、 113…誘電板、 200A、200B…負荷発生部、 201A、201B…被摩擦板、 202…バネ受板、 203A、203B…回転板、 204A、204B…摩擦板、 205…加圧バネ、 206…円錐台部、 207…ロート部

Claims (14)

  1. 第1負荷発生媒体と第2負荷発生媒体との相対回転により回転負荷を発生する負荷発生部と、
    前記第1負荷発生媒体との連係により前記第1負荷発生媒体へ回転力を伝達し、前記相対回転を行わせる第1位置と、前記第1負荷発生媒体との連係が解除されて前記第1負荷発生媒体への回転力の伝達を遮断する第2位置との間を移動可能なロック作動部を有する自転車の車輪と一体に回転するロック装置と、
    前記ロック作動部が前記第1位置に保持された状態で前記車輪が後進回転方向に回転すると、前記第1位置を保持した状態で前記第1負荷発生媒体との連係を回避して前記第1負荷発生媒体への回転力の伝達を回避する回避手段とを備えることを特徴とする自転車用負荷発生機構。
  2. 第1負荷発生媒体と第2負荷発生媒体との相対回転により回転負荷を発生する負荷発生部と、
    前記第1負荷発生媒体との連係により前記第1負荷発生媒体へ回転力を伝達し、前記相対回転を行わせる第1位置と、前記第1負荷発生媒体との連係が解除されて前記第1負荷発生媒体への回転力の伝達を遮断する第2位置との間を移動可能なロック作動部を有する自転車の車輪と一体に回転するロック装置と、
    前記ロック作動部が前記第1位置に保持された状態で前記車輪が後進回転方向に回転すると、前記ロック作動部と前記第1負荷発生媒体との連係を解除して前記ロック作動部を前記第1位置から前記第2位置に戻す連係解除手段とを備えることを特徴とする自転車用負荷発生機構。
  3. 請求項1及びのいずれか1項に記載の自転車用負荷発生機構と、
    前記自転車用負荷発生機構を内部に収容するハブシェルと、
    前記ハブシェルの軸中心に配置されるハブ軸とを備え
    前記ロック装置は前記ハブシェルに設けられ、前記第2負荷発生媒体は前記ハブ軸に対して軸回りに回転不能に設けられたことを特徴とするハブ。
  4. 請求項3において、
    前記負荷発生部は、前記ハブ軸の軸方向に沿って複数配置され、前記複数の負荷発生部に対応して前記ロック装置を配置したことを特徴とするハブ。
  5. 請求項4において、
    前記複数の負荷発生部は、負荷抵抗値がそれぞれ異なることを特徴とするハブ。
  6. 請求項記載の自転車用負荷発生機構と、
    前記自転車用負荷発生機構を内部に収容するハブシェルと、
    前記ハブシェルの軸中心に配置されるハブ軸とを備え
    前記ロック装置は前記ハブシェルに設けられ、前記第2負荷発生媒体は前記ハブ軸に対して軸回りに回転不能に設けられたことを特徴とするハブ。
  7. 請求項6において、
    前記第1位置における前記第1負荷発生媒体と前記ロック作動部との連係は、前記第1負荷発生媒体に設けた係合ピンに前記ロック作動部の第1側面が係合することにより行われ、前記連係解除手段は、前記第1側面と反対面に形成された前記第1側面に対して傾斜し、前記係合ピンに当接する傾斜面を有することを特徴とするハブ。
  8. ハブシェルと、
    前記ハブシェルの内部に配置される自転車用負荷発生機構と、
    前記ハブシェルの軸中心に配置されたハブ軸とを備え
    前記自転車用負荷発生機構は、前記ハブシェルの回転が伝達される第1摩擦負荷発生媒体と前記ハブ軸に回転不能に取り付けられる第2摩擦負荷発生媒体との相対回転により発生する摩擦回転負荷を利用し、対をなす前記第1摩擦負荷発生媒体と前記第2摩擦負荷発生媒体との個数調整又は前記第1摩擦負荷発生媒体と前記第2摩擦負荷発生媒体との加圧接触力の調整により、摩擦抵抗値を可変とすることを特徴とするハブ。
  9. ハブシェルの内部に配置される自転車用負荷発生機構であって、
    前記ハブシェルの回転が伝達される第1負荷発生媒体と、前記ハブシェルの軸中心に配置されたハブ軸に回転不能に取り付けられる第2負荷発生媒体との相対回転により回転負荷を発生する負荷発生部と、
    前記第1負荷発生媒体との連係により前記第1負荷発生媒体へ回転力を伝達し、前記相対回転を行わせる第1位置と、前記第1負荷発生媒体との連係が解除されて前記第1負荷発生媒体への回転力の伝達を遮断する第2位置との間を移動可能なロック作動部を有する自転車の車輪と一体に回転するロック装置とを備えることを特徴とする自転車用負荷発生機構。
  10. 請求項9において、
    前記負荷発生部は、前記ハブ軸の軸方向に沿って複数配置され、前記複数の負荷発生部に対応して前記ロック装置を配置したことを特徴とする自転車用負荷発生機構。
  11. 請求項10において、
    前記複数の負荷発生部は、負荷抵抗値がそれぞれ異なることを特徴とする自転車用負荷発生機構。
  12. 請求項9乃至11のいずれか1項に記載の自転車用負荷発生機構を備えることを特徴とするハブ。
  13. ハブシェルの内部に配置される自転車用負荷発生機構であって、
    前記ハブシェルの回転が伝達される第1摩擦負荷発生媒体と、前記ハブシェルの軸中心に配置されたハブ軸に回転不能に取り付けられる第2摩擦負荷発生媒体との相対回転により発生する摩擦回転負荷を利用し、対をなす前記第1摩擦負荷発生媒体と前記第2摩擦負荷発生媒体との個数調整又は前記第1摩擦負荷発生媒体と前記第2摩擦負荷発生媒体との加圧接触力の調整により、摩擦抵抗値を可変とすることを特徴とする自転車用負荷発生機構。
  14. 第1摩擦負荷発生媒体と第2摩擦負荷発生媒体との相対回転により発生する摩擦回転負荷を利用し、対をなす前記第1摩擦負荷発生媒体と前記第2摩擦負荷発生媒体との個数調整により、摩擦抵抗値を可変とすることを特徴とする自転車用負荷発生機構。
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