JP6722527B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このような粘着性フィルムには、一般的に、基材フィルムに紫外線硬化型の粘着性樹脂層を積層させたフィルムが用いられている。この粘着性フィルムは紫外線を照射することで、粘着性樹脂層が架橋して粘着性樹脂層の粘着力が低下するため、半導体ウェハから粘着性フィルムを容易に剥離することができる。
特に、近年の半導体ウェハの高密度化・配線の狭ピッチ化に伴って、半導体ウェハはこれまで以上に静電気による影響を受けやすくなってきている傾向にある。
こうした事情に鑑みて、近年、半導体装置の製造工程において半導体ウェハの損傷の防止のために使用する粘着性フィルムについても、帯電防止性能をさらに向上させることが要求されている。
本発明者らは、特許文献1に記載されているような従来の半導体ウェハ加工用粘着性フィルムに関し、以下のような課題を見出した。
まず、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているような、基材フィルムと帯電防止層と粘着剤層とがこの順番に積層された粘着性フィルムは、表面にバンプ電極が形成された半導体ウェハに対して使用した場合、バンプ電極に起因する半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性が不十分であるため、貼合する際や半導体ウェハを研削する際にバンプ電極や半導体ウェハを傷つけてしまったり、半導体ウェハと粘着性フィルムとの間の密着性が不十分になり、研削水が浸入して半導体ウェハの汚染を引き起こしたりすることが明らかになった。
さらに、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているような粘着性フィルムにおいて、バンプ電極に起因する半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性を改良するために粘着剤層の厚みを厚くすると、今度は粘着剤層表面と、帯電防止層との距離が長くなり、粘着性フィルムの帯電防止性が悪化してしまう場合があることが明らかになった。
つまり、本発明者らの検討によれば、従来の半導体ウェハ加工用粘着性フィルムにおいて、半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性と帯電防止性との間には、トレードオフの関係が存在することが明らかになった。すなわち、本発明者らは、従来の半導体ウェハ加工用粘着性フィルムには、半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性および帯電防止性をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることを見出した。
回路形成面を有する半導体ウェハと、上記半導体ウェハの上記回路形成面側に貼り合わされた粘着性フィルムと、を備える構造体を準備する工程(A)と、
上記半導体ウェハの上記回路形成面側とは反対側の面をバックグラインドする工程(B)と、
上記粘着性フィルムに紫外線を照射した後に上記半導体ウェハから上記粘着性フィルムを除去する工程(C)と、
を少なくとも備える半導体装置の製造方法であって、
上記粘着性フィルムとして、
基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、帯電防止層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備え、上記粘着性樹脂層が上記半導体ウェハの上記回路形成面側となるように用いる粘着性フィルムを使用する半導体装置の製造方法。
[2]
上記[1]に記載の半導体装置の製造方法において、
上記半導体ウェハの上記回路形成面にはバンプ電極が形成されている半導体装置の製造方法。
[3]
上記[2]に記載の半導体装置の製造方法において、
上記工程(A)では、上記半導体ウェハの上記回路形成面に上記粘着性フィルムを加温して貼り付けることにより上記構造体を作製する工程(A2)をさらに含む半導体装置の製造方法。
[4]
上記[2]または[3]に記載の半導体装置の製造方法において、
上記バンプ電極の高さをH[μm]とし、上記凹凸吸収性樹脂層の厚みをd[μm]としたとき、H/dが0.01以上1以下である半導体装置の製造方法。
[5]
上記[1]乃至[4]いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記粘着性樹脂層の厚みが30μm未満である半導体装置の製造方法。
[6]
上記[1]乃至[5]いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上500μm以下である半導体装置の製造方法。
[7]
上記[1]乃至[6]いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記粘着性樹脂層がイオン伝導性添加剤を含む半導体装置の製造方法。
[8]
上記[7]に記載の半導体装置の製造方法において、
上記イオン伝導性添加剤はカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびイオン液体から選択される一種または二種以上を含む半導体装置の製造方法。
[9]
上記[1]乃至[8]いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記粘着性樹脂層は紫外線硬化型粘着性樹脂を含む半導体装置の製造方法。
[10]
上記[1]乃至[9]いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記工程(C)では、上記粘着性フィルムに対し、300mJ/cm2以上の線量の紫外線を照射することによって、上記粘着性樹脂層を光硬化させて上記粘着性樹脂層の粘着力を低下させた後に、上記半導体ウェハから上記粘着性フィルムを除去する半導体装置の製造方法。
[11]
上記[1]乃至[10]いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
下記の方法で測定される、紫外線硬化後の上記粘着性樹脂層表面の飽和帯電圧V1が2.5kV以下である半導体装置の製造方法。
(方法)
上記粘着性樹脂層に対し、25℃の環境下で高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で紫外線量1080mJ/cm2照射して上記粘着性樹脂層を光硬化させる。次いで、印加電圧10kV、試料と電極との距離20mm、25℃、50%RHの条件下で上記粘着性樹脂層の表面に電圧の印加を30秒おこない、JIS L1094に準じて上記粘着性樹脂層の表面の飽和帯電圧(V1)を算出する。
[12]
上記[1]乃至[11]いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
下記の方法で測定される、紫外線硬化後の上記粘着性樹脂層の表面のタック力が0.1N/cm2以下である半導体装置の製造方法。
(方法)
上記粘着性フィルムの上記粘着性樹脂層をポリイミドフィルムに貼合し、25℃の環境下で上記粘着性フィルムの上記基材層側から高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で紫外線量1080mJ/cm2照射して上記粘着性樹脂層を光硬化させる。次いで、上記ポリイミドフィルムを上記粘着性フィルムから剥離し、測定装置としてプローブタックテスターを用いて、直径5mmのプローブと上記粘着性樹脂層の表面とを10mm/秒の速度で接触させ、0.98N/cm2の接触荷重で10秒間接触させた後、10mm/秒の速度で上記プローブを上記粘着性樹脂層の表面から垂直方向に剥離する方法で上記粘着性樹脂層の表面のタック力を測定する。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、以下の3つの工程を少なくとも備えている。
(A)回路形成面を有する半導体ウェハと、上記半導体ウェハの上記回路形成面側に貼り合わされた粘着性フィルム100と、を備える構造体を準備する工程
(B)上記半導体ウェハの上記回路形成面側とは反対側の面をバックグラインドする工程
(C)粘着性フィルム100に紫外線を照射した後に上記半導体ウェハから粘着性フィルム100を除去する工程
そして、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、粘着性フィルム100として、基材層10と、凹凸吸収性樹脂層20と、帯電防止層30と、粘着性樹脂層40と、をこの順番に備え、粘着性樹脂層40が上記半導体ウェハの上記回路形成面側となるように用いる粘着性フィルムを使用する。
はじめに、本実施形態に係る半導体装置の製造方法で用いる粘着性フィルム100について説明する。
上述したように、近年、半導体ウェハ加工用粘着性フィルムの静電気対策という観点について要求される技術水準は、ますます高くなっている。特に、高密度の回路を配した半導体ウェハの高密度回路上に、はんだバンプや銅ピラーバンプ等のバンプ電極が形成された半導体ウェハを用いる場合は、静電気が原因で半導体ウェハに形成したバンプ電極を含む回路の破壊(ショート)が起きやすくなってきている傾向にあるため、このような要求がより顕著になっている。
このため、帯電防止性により優れた半導体ウェハ加工用粘着性フィルムを実現することが求められていた。
まず、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているような粘着性フィルムは、表面にバンプ電極が形成された半導体ウェハに対して使用した場合、バンプ電極に起因する半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性が不十分であるため、貼合する際や半導体ウェハを研削する際にバンプ電極を傷つけてしまったり、半導体ウェハを破損してしまったり、半導体ウェハと粘着性フィルムとの間の密着性が不十分になり、研削水が浸入して半導体ウェハの汚染を引き起こしたりすることを知見した。
さらに、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているような粘着性フィルムにおいて、バンプ電極に起因する半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性を改良するために、粘着剤層の厚みを厚くすると、今度は粘着剤層表面と、帯電防止層との距離が長くなり、粘着性フィルムの帯電防止性が悪化してしまう場合があることが明らかになった。
つまり、本発明者らの検討によれば、従来の半導体ウェハ加工用粘着性フィルムにおいて、半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性と帯電防止性との間には、トレードオフの関係が存在することが明らかになった。すなわち、本発明者らは、従来の半導体ウェハ加工用粘着性フィルムには、半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性および帯電防止性をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る粘着性フィルム100は、上記層構成とすることで、半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性に優れるとともに、半導体ウェハから剥離する際に発生する静電気の量を抑制でき、品質に優れた半導体装置を安定的に得ることができる。
(方法)
粘着性樹脂層40に対し、25℃の環境下で高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で紫外線量1080mJ/cm2照射して粘着性樹脂層40を光硬化させる。次いで、印加電圧10kV、試料と電極との距離20mm、25℃、50%RHの条件下で粘着性樹脂層40の表面に電圧の印加を30秒おこない、JIS L1094に準じて粘着性樹脂層40の表面の飽和帯電圧(V1)を算出する。
紫外線硬化後の粘着性樹脂層40の飽和帯電圧V1の下限値は、例えば、0.01kV以上であり、好ましくは0kVである。
これらの中でも、例えば粘着性樹脂層40中のイオン伝導性添加剤の有無や、粘着性樹脂層40の厚み等が、紫外線硬化後の粘着性樹脂層40の飽和帯電圧V1を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
例えば、粘着性樹脂層40中のイオン伝導性添加剤の含有量を増やしたり、粘着性樹脂層40の厚みを薄くしたりすると、飽和帯電圧V1を低下させることができる。
本実施形態に係る粘着性フィルム100は凹凸吸収性樹脂層20を備えるため、半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性を維持しながら、粘着性樹脂層40の厚みを薄くすることができる。粘着性樹脂層40の厚みを薄くすることにより、半導体ウェハとの粘着面(すなわち粘着性樹脂層40の表面)と帯電防止層30との距離を小さくすることができ、その結果、飽和帯電圧V1を効果的に低下させることができる。
(方法)
粘着性樹脂層40に対し、25℃の環境下で高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で紫外線量200mJ/cm2照射して粘着性樹脂層40を光硬化させる。次いで、印加電圧10kV、試料と電極との距離20mm、25℃、50%RHの条件下で粘着性樹脂層40の表面に電圧の印加を30秒おこない、JIS L1094に準じて粘着性樹脂層40の表面の飽和帯電圧(V2)を算出する。
ここで、飽和帯電圧V1の半減期とは、飽和帯電圧V1の測定において、粘着性樹脂層40の表面への電圧の印加を終了してから帯電圧の値が半分に低下するまでの時間をいう。
本実施形態に係る粘着性フィルム100は、紫外線硬化後の粘着性樹脂層40の飽和帯電圧V1が上記上限値以下であるため、このような短い半減期を実現でき、帯電防止性に優れた粘着性フィルム100とすることができる。
紫外線硬化後の粘着性樹脂層40の表面のタック力が上記上限値以下であることにより、半導体ウェハ表面から粘着性フィルム100を剥離することがより容易になり、半導体ウェハ表面へ粘着性樹脂層40の一部が残ってしまうことや、粘着性フィルム100の剥離により半導体ウェハに不具合が発生してしまうこと等をより一層抑制することができる。
(方法)
粘着性フィルム100の粘着性樹脂層40をポリイミドフィルム(製品名:カプトン200H、東レ・デュポン社製)に貼合し、25℃の環境下で粘着性フィルム100の基材層10側から高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で紫外線量1080mJ/cm2照射して粘着性樹脂層40を光硬化させる。次いで、ポリイミドフィルムを粘着性フィルム100から剥離し、測定装置としてプローブタックテスター(例えば、「TESTING MACHINES Inc.社製プローブタックテスター:モデル80−02−01」)を用いて、直径5mmのプローブと粘着性樹脂層40の表面とを10mm/秒の速度で接触させ、0.98N/cm2の接触荷重で10秒間接触させた後、10mm/秒の速度で上記プローブを粘着性樹脂層40の表面から垂直方向に剥離する方法で粘着性樹脂層40の表面のタック力を測定する。
ここで、貼り付ける対象の半導体ウェハが回路形成面にはんだバンプや銅ピラーバンプ等のバンプ電極が形成された半導体ウェハの場合、半導体ウェハから粘着性フィルムを剥離する際に発生する静電気が原因で半導体ウェハに形成した回路が破壊されるという静電破壊等が起きやすいが、本実施形態に係る粘着性フィルム100を用いることによって、このような表面にバンプ電極が形成された半導体ウェハに対しても静電破壊等をより確実に抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る粘着性フィルム100はバンプ電極に起因する半導体ウェハ表面の凹凸に対する吸収性が良好であるため、本実施形態に係る粘着性フィルム100を用いることによって、粘着性フィルム貼り付け時および半導体ウェハの裏面研削時にバンプ電極部分に過剰な圧力が掛かり、半導体ウェハが破損してしまうことを抑制できたり、半導体ウェハと粘着性フィルムとの間の密着性を向上させ、裏面研削時に研削水の侵入により半導体ウェハが汚染されることを抑制できたりする。
基材層10は、粘着性フィルム100の取り扱い性や機械的特性、耐熱性等の特性をより良好にすることを目的として設けられる層である。
基材層10は、半導体ウェハを加工する際に加わる外力に耐えうる機械的強度があれば特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。
上記樹脂フィルムを構成する樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタアクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリエーテルイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリフェニレンエーテル等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、半導体ウェハ保護の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選択される一種または二種以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選択される一種または二種以上がより好ましい。
また、基材層10を形成するために使用する樹脂フィルムの形態としては、延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、基材層10の機械的強度を向上させる観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層10は他の層との接着性を改良するために、表面処理を行ってもよい。具体的には、コロナ処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理等を行ってもよい。
本実施形態に係る粘着性フィルム100は粘着性樹脂層40を備えている。
粘着性樹脂層40は粘着性フィルム100を半導体ウェハに貼り付ける際に、半導体ウェハの表面に接触して粘着する層である。
紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル系粘着剤は、紫外線硬化型粘着性樹脂として(メタ)アクリル系粘着性樹脂を必須成分として含んでいる。シリコーン系粘着剤は、紫外線硬化型粘着性樹脂としてシリコーン系粘着性樹脂を必須成分として含んでいる。ウレタン系粘着剤は、紫外線硬化型粘着性樹脂としてウレタン系粘着性樹脂を必須成分として含んでいる。
これらの中でも粘着力の調整を容易にする観点等から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
上記官能基(Q)を有するモノマーとしては、例えば、上記官能基(P)を有する共重合性モノマーと同様のモノマーを挙げることができる。
(メタ)アクリル系粘着剤中の架橋剤の含有量は、粘着性樹脂層40の耐熱性や密着力とのバランスを向上させる観点から、(メタ)アクリル系粘着性樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
イオン伝導性添加剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、イオン液体等が挙げられる。粘着性樹脂層40の帯電防止性をより向上できる観点からカチオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤から選択される少なくとも一種が好ましく、カチオン性界面活性剤がより好ましい。
粘着性樹脂層40中のイオン伝導性添加剤の含有量は、粘着性樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度範囲において、10秒〜10分間乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80〜170℃において、15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と(メタ)アクリル系粘着性樹脂との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、40〜80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
粘着性樹脂層40の厚みの下限値は特に限定されないが、粘着力を良好にする観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、3.0μm以上がさらに好ましく、5.0μm以上が特に好ましい。
本実施形態に係る粘着性フィルム100は帯電防止層30を備えている。これにより、粘着性フィルム100の粘着性を維持したまま、粘着性フィルム100の帯電防止性を向上でき、半導体ウェハから粘着性フィルム100を剥離する際に発生する静電気の量を抑制することができる。
導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリピロール系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリ(p−フェニレンビニレン)系導電性高分子、ポリキノキサリン系導電性高分子等が挙げられる。
光学特性や外観、帯電防止性、塗工性、安定性等のバランスが良好であるという観点からポリチオフェン系導電性高分子が好ましい。ポリチオフェン系導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチオフェンが挙げられる。
これらの導電性高分子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ドーピング剤は、ドーパントとして機能して、導電性高分子に導電性をより確実に付与(ドーピング)するものであって、例えば、スルホン酸系化合物が挙げられる。
スルホン酸系化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ドーピング剤の配合割合は、導電性高分子100質量部に対して、例えば、100〜300質量部である。
導電性高分子とドーピング剤との組み合わせとしては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との組み合わせが帯電防止性により優れるため好ましい。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等が挙げられる
バインダー樹脂は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。バインダー樹脂の含有量は、例えば、導電性高分子100質量部に対して10〜500質量部である。
本実施形態に係る粘着性フィルム100は凹凸吸収性樹脂層20を備えている。これにより粘着性フィルム100全体の凹凸吸収性が向上し、半導体ウェハの回路形成面(すなわち回路パターンを含む回路面)の凹凸(バンプ電極を含む)に追従し、半導体ウェハの回路形成面と粘着性フィルム100との密着性を向上させることができる。さらに半導体ウェハを加工する際に加わる外力等によって半導体ウェハの表面に形成されたバンプ電極が割れることを抑制することができる。
より具体的には、オレフィン系樹脂、エチレン・極性モノマー共重合体、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、オレフィン系樹脂およびエチレン・極性モノマー共重合体から選択される少なくとも一種が好ましい。
エチレン・極性モノマー共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・ステアリン酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体等が挙げられる。
凹凸吸収性樹脂層20を構成する樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
H/dの下限は特に限定されないが、例えば、0.01以上である。
ここで、バンプ電極の高さは、一般的に、2μm以上300μm以下である。
また、本実施形態に係る粘着性フィルム100は、離型フィルムをさらに積層させてもよい。
また、基材層10と凹凸吸収性樹脂層20とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の基材層10とフィルム状の凹凸吸収性樹脂層20とをラミネート(積層)して形成してもよい。
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程について説明する。
はじめに、回路形成面を有する半導体ウェハと、半導体ウェハの回路形成面側に貼り合わされた粘着性フィルム100と、を備える構造体を準備する。
このような構造体は、例えば、粘着性フィルム100の粘着性樹脂層40から離型フィルムを剥離し、粘着性樹脂層40の表面を露出させ、その粘着性樹脂層40上に、半導体ウェハの回路形成面を貼り付けることにより作製することができる。
次に、上記半導体ウェハの上記回路形成面側とは反対側の面(以下、裏面とも呼ぶ。)をバックグラインドする。
ここで、バックグラインドするとは、半導体ウェハを割ったり、破損したりすることなく、所定の厚みまで薄化加工することを意味する。
例えば、研削機のチャックテーブル等に上記構造体を固定し、半導体ウェハの裏面(回路非形成面)を研削する。
裏面研削終了後、必要に応じてケミカルエッチングが行われる。ケミカルエッチングは、弗化水素酸、硝酸、硫酸、酢酸等の単独若しくは混合液からなる酸性水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液からなる群から選ばれたエッチング液に、粘着性フィルム100を貼着した状態で半導体ウェハを浸漬する等の方法により行われる。該エッチングは、半導体ウェハ裏面に生じた歪みの除去、ウェハのさらなる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理等を目的として行われる。エッチング液は、上記の目的に応じて適宜選択される。
次いで、粘着性フィルム100に紫外線を照射した後に上記半導体ウェハから粘着性フィルム100を除去する。
粘着性フィルム100に紫外線を照射することによって、粘着性樹脂層40が光硬化して粘着性樹脂層40の粘着力が低下する。これにより、半導体ウェハから粘着性フィルム100を剥離することができる。
紫外線は、例えば、粘着性フィルム100の基材層10側から照射される。
紫外線の線量が上記下限値以上であると、粘着性樹脂層40の粘着力を十分に低下させることができ、その結果、半導体ウェハの回路形成面に糊残りが発生することをより抑制することができる。
また、粘着性フィルム100に対して照射する紫外線の線量の上限は特に限定されないが、生産性の観点から、例えば、1500mJ/cm2以下であり、好ましくは1200mJ/cm2以下である。
半導体ウェハの裏面の研削が完了した後、粘着性フィルム100を剥離する前にケミカルエッチング工程を経ることもある。また、必要に応じて粘着性フィルム100の剥離後に、半導体ウェハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の処理が施される。
工程(A)〜工程(C)を行った後、半導体ウェハをダイシングして個片化し、半導体チップを得る工程や、得られた半導体チップを回路基板に実装する工程等をさらに行ってもよい。これらの工程は、公知の情報に基づいておこなうことができる。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)
凹凸吸収性樹脂1:エチレン・酢酸ビニル共重合体(密度:960kg/m3、三井デュポンポリケミカル社製「エバフレックスEV150」)
帯電防止層形成用材料1:ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を含む導電性材料(ナガセケムテックス社製、商品名:デナトロンP−504CT)
イオン伝導性添加剤1:テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(日油社製、商品名:ニッサンカチオンM2−100)
光開始剤1:ベンジルジメチルケタール(BASF社製、商品名:イルガキュア651)
アクリル酸n−ブチル77質量部、メタクリル酸メチル16質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル16質量部、および重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5質量部を混合した。これを、トルエン20質量部、酢酸エチル80質量部が入った窒素置換フラスコ中に、撹拌しながら85℃で5時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌して反応させた。反応終了後、この溶液を冷却し、これにトルエン10質量部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製、製品名:カレンズMOI)7質量部、およびジラウリル酸ジブチル錫0.02質量部を加え、空気を吹き込みながら85℃で12時間反応させ、重合性炭素−炭素二重結合が導入された粘着剤ポリマー1溶液を得た。
この溶液に、共重合体(固形分)100質量部に対して光開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF(株)製、イルガキュア651)7質量部、イソシアネート系架橋剤(三井化学(株)製、商品名:オレスターP49−75S)2質量部、1分子内に重合性炭素−炭素二重結合を2個以上有する低分子量化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM−400)12質量部、イオン伝導性添加剤1:テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(日油(株)製、ニッサンカチオンM2−100)0.5質量部を添加し、粘着性樹脂層用塗布液1を得た。
イオン伝導性添加剤1を添加しない以外は粘着性樹脂層用塗布液1と同様にして粘着性樹脂層用塗布液2を得た。
アクリル酸エチル48質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル27質量部、アクリル酸メチル20質量部、メタクリル酸グリシジル5質量部、および重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5質量部を混合した。これを、トルエン65質量部、酢酸エチル50質量部が入った窒素置換フラスコ中に、撹拌しながら80℃で5時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌して反応させた。反応終了後、この溶液を冷却し、これにキシレン25質量部、アクリル酸2.5質量部、およびイオン伝導性添加剤1:テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(日油(株)製、ニッサンカチオンM2−100)0.5質量部を加え、空気を吹き込みながら85℃で32時間反応させ、重合性炭素−炭素二重結合が導入された粘着剤ポリマー3溶液を得た。
この溶液に、共重合体(固形分)100質量部に対して光開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF(株)製、イルガキュア651)7質量部、イソシアネート系架橋剤(三井化学(株)製、商品名:オレスターP49−75S)2質量部、1分子内に重合性炭素−炭素二重結合を2個以上有する低分子量化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM−400)12質量部を添加し、粘着性樹脂層用塗布液3を得た。
基材層となるポリエチレンテレフタレートフィルム上に、凹凸吸収性樹脂層となる凹凸吸収性樹脂1を厚さ195μmで押出しラミネートして2層の積層フィルムを得た。
次いで、別途用意した離型フィルム上に帯電防止層形成用材料1を塗布し乾燥させることによって、帯電防止膜を形成し、この帯電防止膜を凹凸吸収性樹脂層上に積層することにより、厚さ0.1μmの帯電防止層を形成した。
次いで、得られた積層フィルムの帯電防止層上に、粘着性樹脂層用塗布液2を塗布した後、乾燥させて、厚み10μmの粘着性樹脂層を形成し、粘着性フィルムを得た。
得られた粘着性フィルムについて以下の評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
帯電防止層および凹凸吸収性樹脂層の形成の有無、粘着性樹脂層の厚み、粘着性樹脂層用塗布液の種類等を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムをそれぞれ作製した。
得られた粘着性フィルムについて以下の評価をそれぞれおこなった。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
(1)飽和帯電圧の測定
粘着性フィルム中の粘着性樹脂層に対し、25℃の環境下で高圧水銀ランプ(ウシオ電機社製UVX−02528S1AJA02)を用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で紫外線量1080mJ/cm2照射して粘着性樹脂層を光硬化させた。次いで、測定装置としてシシド静電気社製スタティックオネストメーターH−0110−S4を用いて、印加電圧10kV、試料と電極との距離20mm、25℃、50%RHの条件下で粘着性樹脂層の表面に電圧の印加を30秒おこない、JIS L1094に準じて粘着性樹脂層の表面の飽和帯電圧(V1)および飽和帯電圧V1の半減期をそれぞれ算出した。
また、紫外線量を200〜540mJ/cm2に変更する以外は、上記飽和帯電圧(V1)の測定と同じ手順で、粘着性樹脂層の表面の飽和帯電圧および飽和帯電圧の半減期をそれぞれ測定した。
粘着性フィルムの粘着性樹脂層をポリイミドフィルム(製品名:カプトン200H、東レ・デュポン社製)に貼合し、25℃の環境下で粘着性フィルムの基材層側から高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で紫外線量1080mJ/cm2照射して粘着性樹脂層を光硬化させた。次いで、ポリイミドフィルムを粘着性フィルムから剥離し、測定装置としてプローブタックテスター(「TESTING MACHINES Inc.社製プローブタックテスター:モデル80−02−01」)を用いて、直径5mmのプローブと粘着性樹脂層の表面とを10mm/秒の速度で接触させ、0.98N/cm2の接触荷重で10秒間接触させた後、10mm/秒の速度でプローブを粘着性樹脂層の表面から垂直方向に剥離する方法で粘着性樹脂層の表面のタック力を測定した。
また、紫外線量を200〜540mJ/cm2に変更する以外は、上記タック力の測定と同じ手順で、粘着性樹脂層の表面のタック力をそれぞれ測定した。
粘着性フィルムの帯電防止性は以下の基準で評価した。
◎◎:飽和帯電圧V1が2.0kV以下で、かつ、飽和帯電圧V1の半減期が30秒以下であるもの
◎:飽和帯電圧V1が2.5kV以下で、かつ、飽和帯電圧V1の半減期が50秒以下であるもの
〇:飽和帯電圧V1が3.0kV以下で、かつ、飽和帯電圧V1の半減期が100秒以下であるもの
×:飽和帯電圧V1が3.0kVを超えるか、あるいは飽和帯電圧V1の半減期が100秒を超えるもの
半導体ウェハ表面への粘着性は以下の基準で評価した。
〇:紫外線を照射しなかった粘着性樹脂層(すなわち、紫外線量が0mJ/cm2のもの)のタック力が10N/cm2以上
×:紫外線量を照射しなかった粘着性樹脂層のタック力が10N/cm2未満
半導体ウェハ表面への耐汚染性は以下の基準で評価した。
〇:紫外線量1080mJ/cm2照射で光硬化させた粘着性樹脂層のタック力が0.1N/cm2以下
×:紫外線量1080mJ/cm2照射で光硬化させた粘着性樹脂層のタック力が0.1N/cm2を超える
〇:バンプ電極を有する半導体ウェハのバンプ電極形成面に貼り付けた際に、バンプ電極が割れず、かつ、半導体ウェハとの密着性が良好なもの
×:バンプ電極を有する半導体ウェハのバンプ電極形成面に貼り付けた際に、バンプ電極が割れる、あるいは、半導体ウェハとの密着性が不良なもの
凹凸吸収性の評価にはバンプ高さ80μm、バンプピッチ300μm、バンプ径150μmのバンプを配したバンプ付き半導体ウェハを用い、粘着フィルムの貼り付けは、ロールラミネーター(製品名:DR3000II 日東精機社製)を用いて、ロール速度:2mm/秒、ロール圧力:0.4MPa、テーブル温度:80℃の条件で行い、貼付後の凹凸吸収性を光学顕微鏡を用いて評価した。
これに対し、帯電防止層を備えない比較例1〜2の粘着性フィルムは帯電防止性に劣っていた。また、凹凸吸収性樹脂層を備えない比較例3の粘着性フィルムは凹凸吸収性に劣っていた。
20 凹凸吸収性樹脂層
30 帯電防止層
40 粘着性樹脂層
100 粘着性フィルム
Claims (12)
- 回路形成面を有する半導体ウェハと、前記半導体ウェハの前記回路形成面側に貼り合わされた粘着性フィルムと、を備える構造体を準備する工程(A)と、
前記半導体ウェハの前記回路形成面側とは反対側の面をバックグラインドする工程(B)と、
前記粘着性フィルムに紫外線を照射した後に前記半導体ウェハから前記粘着性フィルムを除去する工程(C)と、
を少なくとも備える半導体装置の製造方法であって、
前記粘着性フィルムとして、
基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、帯電防止層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備え、前記粘着性樹脂層が前記半導体ウェハの前記回路形成面側となるように用いる粘着性フィルムを使用し、
下記の方法で測定される、紫外線硬化後の前記粘着性樹脂層表面の飽和帯電圧V 1 が2.5kV以下である半導体装置の製造方法。
(方法)
前記粘着性樹脂層に対し、25℃の環境下で高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm 2 で紫外線量1080mJ/cm 2 照射して前記粘着性樹脂層を光硬化させる。次いで、印加電圧10kV、試料と電極との距離20mm、25℃、50%RHの条件下で前記粘着性樹脂層の表面に電圧の印加を30秒おこない、JIS L1094に準じて前記粘着性樹脂層の表面の飽和帯電圧(V 1 )を算出する。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
下記の方法で測定される、紫外線硬化後の前記粘着性樹脂層の表面のタック力が0.1N/cm 2 以下である半導体装置の製造方法。
(方法)
前記粘着性フィルムの前記粘着性樹脂層をポリイミドフィルムに貼合し、25℃の環境下で前記粘着性フィルムの前記基材層側から高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm 2 で紫外線量1080mJ/cm 2 照射して前記粘着性樹脂層を光硬化させる。次いで、前記ポリイミドフィルムを前記粘着性フィルムから剥離し、測定装置としてプローブタックテスターを用いて、直径5mmのプローブと前記粘着性樹脂層の表面とを10mm/秒の速度で接触させ、0.98N/cm 2 の接触荷重で10秒間接触させた後、10mm/秒の速度で前記プローブを前記粘着性樹脂層の表面から垂直方向に剥離する方法で前記粘着性樹脂層の表面のタック力を測定する。 - 回路形成面を有する半導体ウェハと、前記半導体ウェハの前記回路形成面側に貼り合わされた粘着性フィルムと、を備える構造体を準備する工程(A)と、
前記半導体ウェハの前記回路形成面側とは反対側の面をバックグラインドする工程(B)と、
前記粘着性フィルムに紫外線を照射した後に前記半導体ウェハから前記粘着性フィルムを除去する工程(C)と、
を少なくとも備える半導体装置の製造方法であって、
前記粘着性フィルムとして、
基材層と、凹凸吸収性樹脂層と、帯電防止層と、粘着性樹脂層と、をこの順番に備え、前記粘着性樹脂層が前記半導体ウェハの前記回路形成面側となるように用いる粘着性フィルムを使用し、
下記の方法で測定される、紫外線硬化後の前記粘着性樹脂層の表面のタック力が0.1N/cm 2 以下である半導体装置の製造方法。
(方法)
前記粘着性フィルムの前記粘着性樹脂層をポリイミドフィルムに貼合し、25℃の環境下で前記粘着性フィルムの前記基材層側から高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を照射強度100mW/cm 2 で紫外線量1080mJ/cm 2 照射して前記粘着性樹脂層を光硬化させる。次いで、前記ポリイミドフィルムを前記粘着性フィルムから剥離し、測定装置としてプローブタックテスターを用いて、直径5mmのプローブと前記粘着性樹脂層の表面とを10mm/秒の速度で接触させ、0.98N/cm 2 の接触荷重で10秒間接触させた後、10mm/秒の速度で前記プローブを前記粘着性樹脂層の表面から垂直方向に剥離する方法で前記粘着性樹脂層の表面のタック力を測定する。 - 請求項1乃至3いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体ウェハの前記回路形成面にはバンプ電極が形成されている半導体装置の製造方法。 - 請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(A)では、前記半導体ウェハの前記回路形成面に前記粘着性フィルムを加温して貼り付けることにより前記構造体を作製する工程(A2)をさらに含む半導体装置の製造方法。 - 請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法において、
前記バンプ電極の高さをH[μm]とし、前記凹凸吸収性樹脂層の厚みをd[μm]としたとき、H/dが0.01以上1以下である半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記粘着性樹脂層の厚みが30μm未満である半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上500μm以下である半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至8いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記粘着性樹脂層がイオン伝導性添加剤を含む半導体装置の製造方法。 - 請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記イオン伝導性添加剤はカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびイオン液体から選択される一種または二種以上を含む半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至10いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記粘着性樹脂層は紫外線硬化型粘着性樹脂を含む半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至11いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(C)では、前記粘着性フィルムに対し、300mJ/cm2以上の線量の紫外線を照射することによって、前記粘着性樹脂層を光硬化させて前記粘着性樹脂層の粘着力を低下させた後に、前記半導体ウェハから前記粘着性フィルムを除去する半導体装置の製造方法。
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