以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「星」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の8種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、これら9個の図柄が視認可能となる各位置を結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、横方向の組合せラインとして、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1と、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2と、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3と、が設定されている。また、斜め方向の組合せラインとして、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、ベル入賞と、スイカ入賞と、1枚役入賞と、チェリー入賞とがある。各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、ベル入賞として8枚のメダル払出が行われ、各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、スイカ入賞として6枚のメダル払出が行われ、有効ライン上に左から順に「赤7」図柄,「青年」図柄,「白7」図柄と並んで停止した場合、1枚役入賞として1枚のメダル払出が行われる。また、左リール32Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、中リール32Mと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞が成立するとも言える。したがって、左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段と下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=2×2)枚のメダル払出が行われる。本実施の形態では、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止してチェリー入賞が成立するようになっているため、チェリー入賞が成立した場合には4枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、BB入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態がビッグボーナス状態(以下、「BB状態」と言う。)に移行する。
メダル払出や遊技状態の移行以外の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞がある。各リール42L,42M,42Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第1再遊技入賞として、メダル払出や遊技状態の移行は行われないものの、メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される。
また、再遊技の特典と状態移行の特典とが共に付与される入賞としては、第2再遊技入賞と、第3再遊技入賞とがある。有効ライン上に左から順に「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「赤7」図柄と並んで停止した場合、第2再遊技入賞として、再遊技の特典が付与されると共に遊技状態が第1リプレイタイム状態(以下、「第1RT状態」と言う。)に移行する。同様に、有効ライン上に左から順に「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「白7」図柄と並んで停止した場合、第3再遊技入賞として、再遊技の特典が付与されると共に遊技状態が第2リプレイタイム状態(以下、「第2RT状態」と言う。)に移行する。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第2再遊技図柄の組合せとは、第2再遊技入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「赤7」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第2再遊技図柄とは、左リール32L及び中リール32Mにおいては「リプレイ」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤7」図柄である。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ここで、セレクタ46の構造について簡単に説明する。
セレクタ46には、メダル投入口45から投入されたメダルを貯留用通路47へ導くための案内通路が形成されている。案内通路は、メダルが1列で通行可能に形成されている。案内通路には、メダル通路切替ソレノイド46aが設けられている。メダル通路切替ソレノイド46aが励磁されていない場合には、当該メダル通路切替ソレノイド46aによって貯留用通路47へのメダルの流れが阻害され、メダルが排出用通路48に導かれるようになっている。また、案内通路には、メダルの通過を検出する3つの投入メダル検出センサ46b〜46dが配置されている。具体的には、メダル通路切替ソレノイド46aの上流側すなわちメダル投入口45側に第1投入メダル検出センサ46bが配置されており、メダル通路切替ソレノイド46aの下流側すなわち貯留用通路47側に第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dが配置されている。第1投入メダル検出センサ46bと第2投入メダル検出センサ46cは、同一メダルを同時に検出しないように離間して配置されている。第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dは、案内通路の上流下流に並ぶようにして近接配置されている。より詳しくは、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dは、少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度に近接配置されている。そして、メダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時には、メダルが排出用通路48に導かれるため、第2投入メダル検出センサ46c及び第3投入メダル検出センサ46dによってメダルの通過が検出されることはなく、メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時には、メダルが貯留用通路47に導かれるため、第2投入メダル検出センサ46c及び第3投入メダル検出センサ46dによってメダルの通過が検出されるようになっている。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。払出装置53には、メダル払出用回転板から排出したメダルを開口48aへ案内するための案内通路が形成されており、当該案内通路には、メダルの通過を検出するための払出検出センサ51aが設けられている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。予備タンク54には、当該予備タンクに所定量以上のメダルが貯留されたことを検出するための満タン検出センサ(図示略)が設けられている。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルのベット数と、有効化される組合せラインとの関係を、図7を用いて説明する。遊技の開始時にメダル投入口45からメダルが投入されるとベットとなる。
1枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は1となり、中ラインL2が有効化される。2枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は2となり、中ラインL2に加えて上ラインL1と下ラインL3を含む合計3本の組合せラインが有効化される。3枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は3となり、組合せラインL1〜L5の全てが有効化される。
なお、4枚以上のメダルがメダル投入口45に投入された場合、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、3枚を超える余剰メダルはスロットマシン10内部に貯留され、クレジット表示部60の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ46により貯留用通路47から排出用通路48への切替がなされ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと余剰メダルが返却される。
また、仮想メダルが貯留記憶されており、遊技の開始時に第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合にも、仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合については、投入された仮想メダルの枚数分だけクレジット表示部60に表示されている仮想メダル数が減算されることを除き、メダル投入口45からメダルを投入した場合と同じため、説明を省略する。
ちなみに、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合に投入されるべき仮想メダルが貯留記憶されていない場合、例えばクレジット表示部60の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合等には、クレジット表示部60の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ46b〜46d、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いるスベリテーブルを記憶するためのスベリテーブル格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c、異常が発生した場合に当該異常内容を記憶するためのエラー情報格納エリア106d等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図10〜図27のフローチャートを参照しながら説明する。
図10は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電時処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ46b〜46d,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、スロットマシン10に異常が発生しているか否かを確認するエラーチェック処理を行う。
エラーチェック処理では、図11のフローチャートに示すように、ステップS151にてエラー状態に変化があったか否かを判定する。詳細は後述するが、本スロットマシン10のセンサ監視処理では、読み込み結果が異常であると判定した場合、異常内容を示すエラー番号をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、エラー状態下でエラー解除操作がなされた場合、前記エラー情報格納エリア106dにセットされているエラー番号をクリアするようになっている。ステップS151では、エラー情報格納エリア106dを参照し、セットされているエラー番号に変化があったか否か、より詳しくは、新たにエラー番号がセットされたか否かと、セットされていたエラー番号がクリアされたか否かと、を判定する。エラー状態に変化がない場合には、そのまま本処理を終了し、エラー状態に変化があった場合には、ステップS152及びステップS153にてエラー情報を主制御装置101外部に出力するためのエラー情報設定処理を行い、本処理を終了する。エラー情報設定処理として、ステップS152では、外部集中端子板121へ出力されるとともに新たにセット又はクリアされたエラー番号を示す外部エラーコマンドを設定し、ステップS153では、表示制御装置81へ出力されるとともに新たにセット又はクリアされたエラー番号を示す表示エラーコマンドを設定する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS109では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS110では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS111では、先のエラーチェック処理S108にて外部エラーコマンドを設定した場合に、当該外部エラーコマンドを外部集中端子板121へ出力する。外部集中端子板121では、外部エラーコマンドが入力された場合、当該外部エラーコマンドの示すエラー情報を図示しないホール管理装置等に出力する。
ステップS112では、先のエラーチェック処理S108にて表示エラーコマンドを設定した場合や、後述する抽選結果コマンド等を設定した場合に、これら各種コマンドを表示制御装置81へ出力する。ステップS113では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS114では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS115では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS116では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS117にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図12のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で第1〜第3再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、メダル通路切替ソレノイド46aを励磁状態に切り替えてベット受付を許可する。その後、精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、有効ラインの設定等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205では、スロットマシン10に異常が発生した場合にエラー状態とするためのエラー処理を行う。ステップS206ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうち清算スイッチ59の操作確認以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうち清算スイッチ59の操作確認以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合にはステップS208に進み、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のRT状態処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
ここで、開始待ち処理におけるメダルの投入がなされたか否かの判定について詳細に説明する。上述したとおり、セレクタ46には、メダル投入口45から投入されたメダルを貯留用通路47へ導くための案内通路が形成されており、案内通路には、メダルの通過を検出する3つの投入メダル検出センサ46b〜46dが配置されている。また、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dは、少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度に近接配置されている。このため、メダルが投入された場合には、第1〜第3投入メダル検出センサ46b〜46dが全てOFF状態、第1投入メダル検出センサ46bのみON状態、第2投入メダル検出センサ46cのみON状態、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dが共にON状態、第3投入メダル検出センサ46dのみON状態、第1〜第3投入メダル検出センサ46b〜46dが全てOFF状態、という順序で投入メダル検出センサ46b〜46dの検出状態が変化することとなる。投入メダル検出センサ46b〜46dは、タイマ割込み処理のセンサ監視処理S107においてその検出状態が確認されており、開始待ち処理では、センサ監視処理の処理結果を用いてメダルの投入がなされたか否かを判定している。そこで、センサ監視処理においてなされる投入検出処理を、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、理解を容易なものとするため、複数のメダルが連続投入された場合に行う処理については説明を省略し、1枚のメダルが投入された場合に行う処理を説明する。
投入検出処理では、ステップS301にて第1投入メダル検出センサ46bの検出状態を確認する第1検出処理を行い、ステップS302にて第2投入メダル検出センサ46cの検出状態を確認する第2検出処理を行い、ステップS303にて第3投入メダル検出センサ46dの検出状態を確認する第3検出処理を行う。これら各検出処理を行った後、ステップS304では、メダルが第1投入メダル検出センサ46b〜第3投入メダル検出センサ46dの全てを通過したことを示す完了フラグがセットされているか否かを判定する。完了フラグがセットされている場合には、ステップS305にてベットフラグをセットした後に本処理を終了し、完了フラグがセットされていない場合には、ベットフラグをセットすることなくそのまま本処理を終了する。そして、通常処理の開始待ち処理では、ベットフラグがセットされている場合にメダルの投入がなされたと判定し、ベットフラグがセットされていない場合にメダルの投入がなされていないと判定する。
ステップS301の第1検出処理を、図14のフローチャートに基づいて説明する。
第1検出処理では、ステップS401にて第1投入メダル検出センサ46bがON状態か否かを判定し、ON状態でなくOFF状態である場合にはそのまま本処理を終了する。第1投入メダル検出センサ46bがON状態である場合には、ステップS402に進み、第1フラグがRAM106にセットされているか否かを判定する。第1フラグがセットされていない場合には、ステップS403に進み、第1投入メダル検出センサ46bがメダルを検出したことを示す第1フラグをRAM106にセットする。ステップS404では、第1フラグをセットしてからの経過時間を測定するためのタイマを設定し、本処理を終了する。なお、ステップS404では、メダルの始端が第1投入メダル検出センサ46bの検出位置を通過してからメダルの終端が前記検出位置を通過するまでに要する時間より若干長い時間と対応する値が設定され、設定されたタイマの値は、タイマ割込み処理のタイマ減算処理S109において1ずつ減算される。
第1フラグがセットされている場合には、ステップS405に進み、第1フラグをセットしてから所定時間を経過したか否かを判定する。具体的には、タイマの値が所定値以下であるか否かを判定する。所定時間を経過していない場合には、メダルが第1投入メダル検出センサ46bの検出位置を通過中であると考えられるため、そのまま本処理を終了する。一方、所定時間を経過した場合には、メダルが第1投入メダル検出センサ46bの検出位置に滞留している場合や、メダルが投入されたと誤認識させるための不正器具が挿入されたままとなっている場合等が考えられる。また、セレクタ46と主制御装置101とを電気的に接続するコネクタが外された場合には、第1投入メダル検出センサ46bがON状態となるようになっている。このため、所定時間を経過した場合には、セレクタ46が不正なセレクタに交換された可能性も考えられる。そこで、かかる場合には、ステップS406〜ステップS409に示す異常発生時処理を行った後に本処理を終了する。異常発生時処理として具体的には、ステップS406にて投入タイミングエラーであることを示すエラー番号「6」を、RAM106のエラー情報格納エリア106dにセットする。ステップS407では、エラー情報格納エリア106dにエラー番号「7」がセットされているか否かを判定する。詳細は後述するが、エラー番号「7」とは、メダルを払い出さない状況でメダルの払出を検出した払出タイミングエラーを示すエラー番号である。エラー番号「7」がセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、エラー番号「7」がセットされている場合には、ステップS408にて投入払出タイミングエラーであることを示すエラー番号「8」をエラー情報格納エリア106dにセットする。その後、ステップS409にてエラー情報格納エリア106dにセットされているエラー番号「6」及びエラー番号「7」をクリアし、本処理を終了する。
ステップS302の第2検出処理を、図15のフローチャートに基づいて説明する。
第2検出処理では、ステップS501にて第2投入メダル検出センサ46cがON状態か否かを判定し、ON状態でなくOFF状態である場合にはそのまま本処理を終了する。第2投入メダル検出センサ46cがON状態である場合には、ステップS502に進み、現在がベット受付中であるか否かを判定する。具体的には、メダル通路切替ソレノイド46aが励磁状態である場合、ベット受付中であると判定し、メダル通路切替ソレノイド46aが非励磁状態である場合、ベット受付中でないと判定する。ここで、ベット受付中でない場合とは、開始指令が発生してゲームが開始されている場合であり、ゲームが開始されている場合には、第2投入メダル検出センサ46cがメダルの通過を検出することはない。このため、ベット受付中でない状況で第2投入メダル検出センサ46cがON状態となった場合には、例えばメダルが投入されたと誤認識させるための不正器具を回収すべく移動させた等の不正によるものである可能性が高い。そこで、かかる場合には、ステップS503にて異常発生時処理を行った後、本処理を終了する。異常発生時処理として具体的には、第1検出処理におけるステップS406〜ステップS409の処理を行う。
ステップS502にてベット受付中であると判定した場合には、ステップS504に進み、第1フラグがセットされているか否かを判定する。第1フラグがセットされていない場合には、第1検出処理S301においてメダルの通過を確認していないことを意味する。このため、かかる状況下で第2投入メダル検出センサ46cがON状態となった場合には、例えばメダルを各投入メダル検出センサ46b〜46d付近で往復動させてメダル投入と誤認識させる等の不正がなされた可能性が高い。そこで、かかる場合には、ステップS505にて異常通過エラーであることを示すエラー番号「5」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、本処理を終了する。
ステップS504にて第1フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS506に進み、第2フラグがRAM106にセットされているか否かを判定する。第2フラグがセットされていない場合には、ステップS507に進み、第2投入メダル検出センサ46cがメダルを検出したことを示す第2フラグをRAM106にセットする。ステップS508では、第2フラグをセットしてからの経過時間を測定するためのタイマを設定し、本処理を終了する。なお、ステップS508では、メダルの始端が第2投入メダル検出センサ46cの検出位置を通過してからメダルの終端が前記検出位置を通過するまでに要する時間より若干長い時間と対応する値が設定され、設定されたタイマの値は、タイマ割込み処理のタイマ減算処理S109において1ずつ減算される。
第2フラグがセットされている場合には、ステップS509に進み、第2フラグをセットしてから所定時間を経過したか否かを判定する。具体的には、タイマの値が所定値以下であるか否かを判定する。所定時間を経過していない場合には、メダルが第2投入メダル検出センサ46cの検出位置を通過中であると考えられるため、ステップS510にて途中確認処理を行った後に本処理を終了する。一方、所定時間を経過した場合には、メダルが第2投入メダル検出センサ46cの検出位置に滞留している場合等が考えられる。そこで、かかる場合には、ステップS511にて投入メダル滞留エラーであることを示すエラー番号「4」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、本処理を終了する。
ここで、ステップS510の途中確認処理を、図16のフローチャートに基づき説明する。上述したとおり、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dは、少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度に近接配置されている。途中確認処理とは、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dが共にON状態となったことを検出するための処理である。
ステップS601では、第3投入メダル検出センサ46dがON状態か否かを判定し、ON状態でなくOFF状態である場合にはそのまま本処理を終了する。第3投入メダル検出センサ46dがON状態である場合には、ステップS602に進み、第3フラグがRAM106にセットされているか否かを判定する。第3フラグがセットされていない場合には、ステップS603に進み、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dが共にメダルを検出したことを示す第3フラグをRAM106にセットする。ステップS604では、第3フラグをセットしてからの経過時間を測定するためのタイマを設定し、本処理を終了する。なお、ステップS604では、メダルの始端が第3投入メダル検出センサ46dの検出位置を通過してからメダルの終端が第2投入メダル検出センサ46dの検出位置を通過するまでに要する時間より若干長い時間と対応する値が設定され、設定されたタイマの値は、タイマ割込み処理のタイマ減算処理S109において1ずつ減算される。
第3フラグがセットされている場合には、ステップS605に進み、第3フラグをセットしてから所定時間を経過したか否かを判定する。具体的には、タイマの値が所定値以下であるか否かを判定する。所定時間を経過していない場合には、メダルが第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dの検出位置を通過中であると考えられるため、そのまま本処理を終了する。一方、所定時間を経過した場合には、メダルが第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dの間に滞留している場合等が考えられる。そこで、かかる場合には、ステップS606にて投入メダル滞留エラーであることを示すエラー番号「4」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、本処理を終了する。
ステップS303の第3検出処理を、図17のフローチャートに基づいて説明する。
第3検出処理では、ステップS701にて第3投入メダル検出センサ46dがON状態か否かを判定する。第3投入メダル検出センサ46dがON状態である場合には、ステップS704に進み、現在がベット受付中であるか否かを判定する。第2投入メダル検出センサ46cと同様、ベット受付中でない場合には、第3投入メダル検出センサ46dがメダルの通過を検出することはない。このため、ベット受付中でない状況で第3投入メダル検出センサ46dがON状態となった場合には、例えばメダルが投入されたと誤認識させるための不正器具を回収すべく移動させた等の不正によるものである可能性が高い。そこで、かかる場合には、ステップS705にて異常発生時処理を行った後、本処理を終了する。異常発生時処理として具体的には、第1検出処理におけるステップS406〜ステップS409の処理を行う。
ステップS704にてベット受付中であると判定した場合には、ステップS706に進み、第3フラグがセットされているか否かを判定する。第3フラグがセットされていない場合には、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dが共にメダルの通過を確認していない状況で第3投入メダル検出センサ46dのみがメダルの通過を確認したことを意味する。これは、例えば紐のついたメダルを各投入メダル検出センサ46b〜46dに検出させた後に当該メダルを引き戻した等の不正がなされた可能性が高い。そこで、かかる場合には、ステップS707にて異常通過エラーであることを示すエラー番号「5」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、本処理を終了する。
ステップS706にて第3フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS708に進み、第2投入メダル検出センサ46cがON状態か否かを判定する。第2投入メダル検出センサ46cがON状態である場合には、第2投入メダル検出センサ46cと第3投入メダル検出センサ46dが共にメダルの通過を確認している状況であるため、そのまま本処理を終了する。第2投入メダル検出センサ46cがOFF状態である場合には、ステップS709に進み、第4フラグがRAM106にセットされているか否かを判定する。第4フラグがセットされていない場合には、ステップS710に進み、第3投入メダル検出センサ46dのみがメダルを検出したことを示す第4フラグをRAM106にセットする。ステップS711では、第4フラグをセットしてからの経過時間を測定するためのタイマを設定し、本処理を終了する。なお、ステップS711では、メダルの終端が第2投入メダル検出センサ46cの検出位置を通過してから第3投入メダル検出センサ46dの検出位置を通過するまでに要する時間より若干長い時間と対応する値が設定され、設定されたタイマの値は、タイマ割込み処理のタイマ減算処理S109において1ずつ減算される。
第4フラグがセットされている場合には、ステップS712に進み、第4フラグをセットしてから所定時間を経過したか否かを判定する。具体的には、タイマの値が所定値以下であるか否かを判定する。所定時間を経過していない場合には、メダルが第3投入メダル検出センサ46dの検出位置を通過中であると考えられるため、そのまま本処理を終了する。一方、所定時間を経過した場合には、メダルが第3投入メダル検出センサ46dの検出位置に滞留している場合等が考えられる。そこで、かかる場合には、ステップS713にて投入メダル滞留エラーであることを示すエラー番号「4」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、本処理を終了する。
ステップS701にて第3投入メダル検出センサ46dがOFF状態であると判定した場合には、ステップS702に進み、第4フラグがセットされているか否かを判定する。第4フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、第4フラグがセットされている場合には、メダルの投入が完了したことを示す完了フラグをRAM106にセットし、本処理を終了する。
タイマ割込み処理では、投入検出処理においてエラー番号をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットした場合、エラーチェック処理S108において、新たにセットしたエラー情報を示す外部エラーコマンド及び表示エラーコマンドを設定する。そして、ステップS111及びステップS112のコマンド出力処理では、これらコマンドを外部集中端子板121と表示制御装置81に出力する。また、通常処理では、ステップS205のエラー処理においてスロットマシン10をエラー状態とする。ここで、投入検出処理において投入メダル滞留エラーを示すエラー番号「4」又は異常通過エラーを示すエラー番号「5」をセットした場合には、ベット受付中である、すなわちゲームが開始される前段階であるため、スロットマシン10を直ちにエラー状態とする。一方、投入検出処理において投入タイミングエラーを示すエラー番号「6」又は投入払出エラーを示すエラー番号「8」をセットした場合には、ベット受付中でない、すなわちゲームが終了していないことを意味するため、当該ゲームにおけるステップS209〜ステップS213の一連の処理を行った後にステップS205においてスロットマシン10をエラー状態とする。つまり、投入タイミングエラーが発生した場合には、ゲームが終了した後にスロットマシン10をエラー状態とする。
ここで、ステップS205のエラー処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
ステップS801では、エラー情報格納エリア106dにエラー番号がセットされているか否かを判定し、エラー番号がセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。エラー番号がセットされている場合には、ステップS802に進み、エラー状態フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットし、遊技状態をエラー状態とする。続くステップS803では、例えばクレジットされているメダル数等のデータを退避させる処理を行う。その後、ステップS804では、クレジット表示部60等のLEDを全消灯し、ステップS805では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。ステップS806では、セグメントデータを設定し、エラー情報格納エリア106dにセットされているエラー番号と対応するエラー情報を払出枚数表示部62に表示させる。なお、エラー情報格納エリア106dは、複数の記憶エリアで構成されており、複数のエラーが発生した場合にエラーの発生順序を記憶できる構成となっている。そして、ステップS806では、エラー番号が複数セットされている場合、先にセットされたエラー番号と対応するエラー情報を払出枚数表示部62に表示させる。ステップS807では、エラー解除操作がなされたか否かを判定する。本スロットマシン10では、エラー状態を解除するためのエラー解除操作がエラー情報毎に設定されており、ステップS807では、エラー情報格納エリア106dにセットされているエラー番号と対応するエラー解除操作がなされたか否かを判定する。例えば、投入メダル滞留エラーが発生した場合には、投入メダル検出センサ46b〜46dの検出位置に滞留しているメダルを取り除くことと、前面扉12を開いた状態でリセットスイッチ72を操作することと、がなされたか否かを判定する。エラー解除操作がなされていない場合には、エラー解除操作がなされるまで待機し、エラー解除操作がなされた場合には、エラー解除操作と対応するエラー番号をクリアした後にステップS801に戻る。ちなみに、複数のエラーが発生している状況で1のエラー解除操作のみがなされた場合には、ステップS801においてエラー解除操作がなされていないエラー番号がセットされたままとなっているため、ステップS802〜ステップS807に示す処理を再度行う。また、エラー解除操作がなされた後のステップS801においてエラー番号がセットされていないと判定した場合には、エラー状態フラグをクリアした後にエラー処理を終了する。
このように、エラー処理では、スロットマシン10に異常が発生している場合、ステップS807においてエラー解除操作がなされるまで待機する処理を行う。このため、エラー状態では、通常処理においてステップS206以降の処理を行うことがなく、その結果として次回の遊技が禁止されることとなる。
次に、ステップS209の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS901では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS902では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。具体的には、スロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常状態,BB状態,RT準備状態,第1RT状態,第2RT状態の5種類の遊技状態を有しており、各遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS902では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、「設定3」の通常状態で選択される通常状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、判定すべき役の数と同数のインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。すなわち、本スロットマシン10における通常状態では、第1再遊技、ベル、スイカ、チェリー、1枚役、BBの6種類の役について判定が行われ、第2再遊技及び第3再遊技の2種類の役については判定が行われないようになっている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS903ではインデックス値IVを1とし、続くステップS904では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS905ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS906に進み、そのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグを、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=3のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS906ではスイカ当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1再遊技当選フラグ,ベル当選フラグ,スイカ当選フラグ,チェリー当選フラグ,1枚役当選フラグのいずれかである場合、この当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS906では、現在のインデックス値IVが1〜5であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが6であればBB当選フラグをセットしない。つまり、BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1再遊技,ベル,スイカ,チェリー,1枚役のいずれかに当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、BBに当選した場合にはBB当選フラグをセットしない。
ステップS905にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS907にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS908ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS904に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS904では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS905では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、BBの当選確率は約200分の1、第1再遊技の当選確率は約7.30分の1、ベルの当選確率は約10.9分の1、スイカの当選確率は128分の1、チェリーの当選確率は約73.0分の1、1枚役の当選確率は128分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.36分の1である。
ステップS906にて当選フラグをセットした後、又はステップS908にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS909にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。表示制御装置81は、当該抽選結果コマンドを受信することにより、例えば当選役を示唆すべく上部ランプ63や補助表示部65の駆動制御を実行する。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S112にて行われる。
そして、ステップS910では、リール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行い、抽選処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングからリール32L,32M,32Rをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が押された際に基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄(到達図柄番号)と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄(停止図柄番号)との関係を導出することが可能な停止データ群である。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そして、各リール32L,32M,32Rの図柄番号毎に前記5パターンの停止態様のいずれかを設定されたスベリテーブルが、各役について複数用意されている。
このように、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでの間に各リール32L,32M,32Rが停止するようスベリテーブルを設定することにより、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、停止出目と言う。)があたかも遊技者の操作によって決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となるとともに、抽選に当選していない役と対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止することを回避させることができる。
図21は、左リール32Lの「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下段に実際に停止する図柄である。例えば、左リール32Lの14番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lは滑ることなくそのまま停止し、16番の「リプレイ」図柄が上段に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール32Lの8番の「ベル」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lは4図柄分だけ滑り、12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール32L,32M,32Rに付された図柄が下段に到達したタイミングでストップスイッチ42〜44を操作された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。
さて、スベリテーブル設定処理では、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグを確認し、セットされている当選フラグと一義的に対応するスベリテーブルを、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bにセットする。このとき、本スロットマシン10では、左リール32Lの当選役と対応する図柄(以下、「当選図柄」と言う。)が上段又は下段のいずれかに停止するように、中リール32Mと右リール32Rの当選図柄が中段に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。ここで、左リール32Lの当選図柄が上段又は下段のいずれかに停止するように設定されたスベリテーブルをセットするのは、一般的に左リール32L→中リール32M→右リール32Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ42〜44が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるためである。
ここで、各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。
「リプレイ」図柄は、下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間隔が4図柄以下となるように、各リール32L,32M,32Rに配置されている。例えば、左リール32Lの4番の「リプレイ」図柄と7番の「リプレイ」図柄はその間隔が2図柄となるようにして配置されており、中リール32Mの1番の「リプレイ」図柄と6番の「リプレイ」図柄はその間隔が4図柄となるようにして配置されている。このように、「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。上述した通り、リール32L,32M,32Rはストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。したがって、かかる図柄配列とすることにより、ストップスイッチ42〜44が如何なるタイミングで操作された場合であっても、第1再遊技入賞を成立させる際に「リプレイ」図柄を任意の位置に停止させることができる。例えば中リール32Mの1番の「リプレイ」図柄が下段に到達した際に中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mをそのまま停止させればこの「リプレイ」図柄を下段に停止させることができ、中リール32Mを3図柄分滑らせた後に停止させれば6番の「リプレイ」図柄を上段に停止させることができ、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させれば6番の「リプレイ」図柄を中段に停止させることができる。
本スロットマシン10では、かかる「リプレイ」図柄の他、「ベル」図柄についても、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。このため、ストップスイッチ42〜44が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル入賞を成立させる際に「ベル」図柄を任意の位置に停止させることができる。
一方、「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されていない。このため、例えば左リール32Lの3番の「赤7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合、仮に左リール32Lを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。したがって、スイカに当選し、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルがセットされた場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、スイカ入賞が成立しない所謂取りこぼしが発生する場合がある。本スロットマシン10では、かかる「スイカ」図柄の他、「赤7」図柄についても5図柄以上離れた区間が形成されるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。また、左リール32Lにおいては、「チェリー」図柄が5図柄以上離れた区間を形成するようにして配置されており、中リール32Mにおいては、「青年」図柄が5図柄以上離れた区間を形成するようにして配置されており、右リール32Rにおいては、「白7」図柄が5図柄以上離れた区間を形成するようにして配置されている。このため、BB、スイカ、チェリー、1枚役のいずれかに当選した場合には、当選図柄が有効ライン上に停止するよう狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、BB当選フラグと他の当選フラグがセットされている場合には、以下に示すスベリテーブルをセットする。
BB当選フラグと第1再遊技当選フラグがセットされている場合、第1再遊技入賞を優先して成立させるための第1再遊技入賞用スベリテーブルをセットする。第1再遊技入賞用スベリテーブルでは、左リール32Lの「リプレイ」図柄が上段又は下段に優先して停止するように、中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が中段に優先して停止するように設定されている。
BB当選フラグと小役当選フラグ(すなわち、ベル当選フラグ,スイカ当選フラグ,チェリー当選フラグ,1枚役当選フラグのいずれか)がセットされている場合、BB入賞を優先して成立させるためのBB優先入賞用スベリテーブルをセットする。但し、BB図柄たる「赤7」図柄は上述したとおり5図柄以上離れた区間が形成されるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されているため、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができない場合がある。そこで、BB優先入賞用スベリテーブルでは、各リール32L,32M,32Rについて以下のように設定されている。左リール32Lについては、「赤7」図柄と当選小役図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能であれば両図柄を有効ライン上に優先して停止させるように、「赤7」図柄を上段又は下段のいずれかに停止させることが可能であれば優先して停止させるように、「赤7」図柄を上段又は下段に停止させることが不可能であって当選小役図柄を上記各位置に停止させることが可能であれば当該当選小役図柄を上記各位置に停止させるように設定されている。また、中リール32M及び右リール32Rについては、「赤7」図柄を中段に停止させることが可能であれば優先して停止させるように設定されると共に、「赤7」図柄を上記各位置に停止させることが不可能であって当選小役図柄を上記各位置に停止させることが可能であれば当該当選小役図柄を上記各位置に停止させるように設定されている。
次に、ステップS210のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS1001において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S106にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS1002では停止前処理を行う。
停止前処理では、図23のフローチャートに示すように、先ずステップS1101にてストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS1102に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS1101に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS1103に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令の場合には、ステップS1103にて肯定判定を行い、そのまま停止前処理を終了する。一方、全リール32L,32M,32Rが回転しているときに発生する第1停止指令、又は2つのリールが回転しているときに発生する第2停止指令の場合には、ステップS1103にて否定判定を行うとともにステップS1104にてスベリテーブル第1変更処理を行い、停止前処理を終了する。
ここで、スベリテーブル第1変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、停止指令と対応するリールを停止させる前に変更する処理である。スベリテーブル第1変更処理では、例えば左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44が操作されて第1停止指令が発生した場合等といった、スベリテーブル格納エリア106bにスベリテーブルをセットする際に想定したストップスイッチ42〜44の操作順序と異なる操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合に、スベリテーブルを変更する。かかる処理を行うことにより、停止出目の多様化を図ったり、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生頻度を低減させたりすることができる。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS1002にて停止前処理が終了した場合、遊技を進行させるべく回転中のリールと対応するストップスイッチが操作され、停止指令が発生したことを意味する。かかる場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS1003〜ステップS1009に示す停止制御処理を行う。
すなわち、ステップS1003では、ストップスイッチの操作されたタイミングで下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS1004では、スベリテーブル格納エリア106bにセットされたスベリテーブルのうち到達図柄と対応する図柄番号のデータから今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。その後、ステップS1005では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、下段に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS1006では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS1007にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS1008では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS1009にてスベリテーブル第2変更処理を行い、ステップS402の停止前処理に戻る。
ここで、スベリテーブル第2変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、リールの停止後に変更する処理である。スベリテーブル第2変更処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいてスベリテーブルを変更する。例えば、ベル当選フラグがセットされ、左リール32Lの「ベル」図柄が上段に停止した場合、中リール32Mの「ベル」図柄が上段又は中段に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。かかる処理を行うことにより、リールの停止結果に応じてその後に停止させるリールの停止出目の多様化を図ることができるとともに、取りこぼしの発生頻度を低減させることができる。
一方、ステップS1008にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS1010にて払出判定処理を行い、本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。
払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役と当選フラグが一致していない場合には、例えば表示窓26L,26M,26R越しにリールを強引に停止させる等の不正がなされた可能性が高い。そこで、かかる場合には、回胴停止エラーであることを示すエラー番号「9」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットする。全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、払出判定処理を終了する。なお、回胴停止エラーが発生した場合、払出判定処理では、エラー番号「9」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットするのみであり、ステップS205のエラー処理においてスロットマシン10をエラー状態とする。つまり、回胴停止エラーが発生した場合には、その後に続くメダル払出処理S211,RT状態処理S212,BB状態処理S213等の一連の処理が終わった後、すなわちゲームが終了した後にスロットマシン10をエラー状態とする。但し、タイマ割込み処理のエラーチェック処理S108では、回胴停止エラー情報を示す外部エラーコマンド及び表示エラーコマンドが設定され、同タイマ割込み処理のコマンド出力処理S111,S112では、これらコマンドが外部集中端子板121と表示制御装置81に出力される。したがって、回胴停止エラーが発生した場合、スロットマシン10はゲームの終了後にエラー状態となるものの、回動停止エラーの発生を示すエラー情報は直ちにホール管理装置等や表示制御装置81に出力される。
次に、ステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にてメダルの払い出される入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第1再遊技入賞が成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、第1再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
ホッパ装置51がメダルを払い出した場合には、払出検出センサ51aによってメダルの通過が検出されるようになっている。払出検出センサ51aは、タイマ割込み処理のセンサ監視処理S107にてその検出状態が確認されており、メダル払出処理では、センサ監視処理の処理結果を用いてメダルの払出がなされたか否かを判定している。そこで、センサ監視処理においてなされる払出検出処理を、図24のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1201では、満タン検出センサがON状態か否かを判定する。満タン検出センサがON状態である場合には、予備タンクに所定量以上のメダルが貯留されたことを意味する。そこで、かかる場合には、ステップS1202にてメダル満タンエラーであることを示すエラー番号「1」を、RAM106のエラー情報格納エリア106dにセットする。
満タン検出センサがOFF状態である場合、又はエラー番号「1」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットした場合には、ステップS1203に進み、払出検出センサ51aがON状態か否かを判定する。払出検出センサ51aがON状態である場合には、ステップS1204に進み、ホッパ装置51が駆動中であるか否か、すなわち通常処理においてメダル払出処理を行っているか否かを判定する。ホッパ装置51が駆動中である場合には、ステップS1205に進み、払出フラグがRAM106にセットされているか否かを判定する。払出フラグがセットされていない場合には、ステップS1208に進み、払出検出センサ51aがメダルを検出したことを示す払出フラグをRAM106にセットする。ステップS1209では、払出フラグをセットしてからの経過時間を測定するためのタイマを設定し、本処理を終了する。なお、ステップS1209では、メダルの始端が払出検出センサ51aの検出位置を通過してからメダルの終端が前記検出位置を通過するまでに要する時間より若干長い時間と対応する値が設定され、設定されたタイマの値は、タイマ割込み処理のタイマ減算処理S109において1ずつ減算される。
払出フラグがセットされている場合には、ステップS1206に進み、払出フラグをセットしてから所定時間を経過したか否かを判定する。具体的には、タイマの値が所定値以下であるか否かを判定する。所定時間を経過していない場合には、メダルが払出検出センサ51aの検出位置を通過中であると考えられるため、そのまま本処理を終了する。一方、所定時間を経過した場合には、メダルが払出検出センサ51aの検出位置に滞留しているものと考えられる。そこで、かかる場合には、払出メダル滞留エラーであることを示すエラー番号「3」を、RAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、本処理を終了する。
一方、ステップS1204にてホッパ装置51が駆動中でないと判定した場合には、メダル払出処理を行っていないにも関わらずメダルが払い出されたことを意味する。これは、例えば各リール32L,32M,32Rが回転している最中に針金等をメダル排出口49から挿入し、ホッパ装置51からメダルを抜き取る不正がなされている可能性が高い。また、ホッパ装置51と主制御装置101とを電気的に接続するコネクタが外された場合には、払出検出センサ51aがON状態となるようになっている。このため、ホッパ装置51が不正なホッパ装置に交換された可能性も考えられる。そこで、かかる場合には、ステップS1210〜ステップS1213に示す第2異常発生時処理を行った後に本処理を終了する。第2異常発生時処理として具体的には、ステップS1210にて払出タイミングエラーであることを示す「7」を、RAM106のエラー情報格納エリア106dにセットする。ステップS1211では、エラー情報格納エリア106dに投入タイミングエラーであることを示すエラー番号「6」がセットされているか否かを判定する。エラー番号「6」がセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、エラー番号「6」がセットされている場合には、ステップS1212にて投入払出タイミングエラーであることを示すエラー番号「8」をエラー情報格納エリア106dにセットする。その後、ステップS1213にてエラー情報格納エリア106dにセットされているエラー番号「6」及びエラー番号「7」をクリアし、本処理を終了する。
ステップS1203にて払出検出センサがOFF状態であると判定した場合には、ステップS1214にて払出確認処理を行った後に、本処理を終了する。
払出確認処理では、図25のフローチャートに示すように、ステップS1301にて払出フラグがセットされているか否かを判定する。払出フラグがセットされている場合には、メダルの通過が完了したこと、すなわち1枚のメダルを払い出したことを意味する。そこで、ステップS1302では、メダル払出が完了したことを示す払出完了フラグをRAM106にセットする。その後、ステップS1303にて払出フラグをクリアし、本処理を終了する。ステップS1301にて払出フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1304に進み、ホッパ装置51が駆動中であるか否かを判定する。ホッパ装置51が駆動中である場合には、ステップS1305に進み、ホッパ装置51の駆動を開始してから所定時間を経過したか否かを判定する。ホッパ装置51が駆動中でない場合、又はホッパ装置51の駆動を開始してから所定時間を経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。ホッパ装置51の駆動を開始してから所定時間を経過した場合には、ホッパ装置51の貯留タンク52にメダルが貯留されていないことを意味する。かかる場合には、ステップS1306に進み、メダルエンプティエラーであることを示すエラー番号「2」をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットし、本処理を終了する。
タイマ割込み処理では、払出検出処理においてエラー番号をRAM106のエラー情報格納エリア106dにセットした場合、エラーチェック処理S108において、新たにセットしたエラー情報を示す外部エラーコマンド及び表示エラーコマンドを設定する。そして、ステップS111及びステップS112のコマンド出力処理では、これらコマンドを外部集中端子板121と表示制御装置81に出力する。通常処理では、払出検出処理においてメダルエンプティエラーを示すエラー番号「2」又は払出メダル滞留エラーを示すエラー番号「3」をセットした場合、メダル払出処理を継続できないため、スロットマシン10を直ちにエラー状態とする。一方、払出検出処理において他のエラー番号をセットした場合には、ステップS205のエラー処理においてスロットマシン10をエラー状態とする。つまり、メダル満タンエラー又は払出タイミングエラーが発生した場合には、その後に続くRT状態処理S212,BB状態処理S213等の一連の処理が終わった後、すなわちゲームが終了した後にスロットマシン10をエラー状態とする。
次に、ステップS212のRT状態処理を、図26のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1401では、現在の遊技状態がRT準備状態か否かを判定する。RT準備状態である場合には、ステップS1402〜ステップS1407に示す準備状態中処理を実行し、RT状態処理を終了する。RT準備状態でない場合には、ステップS1408に進み、現在の遊技状態がRT状態か否かを判定する。RT状態である場合には、ステップS1409〜ステップS1413に示すRT終了判定処理を実行し、RT状態処理を終了する。RT状態でない場合には、上記各処理を実行することなくそのままRT状態処理を終了する。
なお、準備状態中処理及びRT終了判定処理の詳細については、本スロットマシン10のゲーム性の理解を容易なものとするため、後述することとする。
次に、ステップS213のBB状態処理を、図27のフローチャートに基づいて説明する。
BB状態処理の説明に先立ち、BB状態について説明する。BB状態は、複数回のRB状態で構成されている。RB状態は、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、メダル払出の特典が付与される入賞(例えばベル入賞等)の成立する確率が通常状態と比して非常に高いゲームである。そして、JACゲーム中に入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRB状態が終了する。また、BB状態は、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。加えて、RB状態の途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BB状態のみならずRB状態も終了する。これは、BB状態中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RB状態に移行する図柄の組合せを設定しておらず、BB状態に移行した直後及びRB状態が終了した直後にRB状態に移行する構成としている。故に、BB状態とは、所定数のメダル払出が行われるまでRB状態に連続して移行するゲームであるとも言える。そして、本実施の形態では、BB状態に移行してから終了するまでの間に、遊技者の所有するメダルが217枚増加するようになっている。
さて、BB状態処理では、先ずステップS1501にて現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS1502〜ステップS1505に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS1502にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされている場合には、ステップS1503に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、BB入賞が成立したか否かを判定する。そして、BB入賞が成立した場合には、ステップS1504にて遊技状態をBB状態に移行させるべくBB開始処理を実行する。具体的には、BB当選フラグをクリアするとともにBB設定フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットし、遊技状態をBB状態とする。また、前記状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに400をセットし、残払出枚数表示部61に400を表示させる処理を行う。その後、ステップS1505にてRB開始処理を行い、BB状態処理を終了する。RB開始処理では、RB設定フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットし、遊技状態をRB状態とする。また、RB状態下で成立した入賞回数をカウントするための残払出入賞カウンタに8をセットするとともに、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。なお、残払出入賞カウンタと残JAC入賞カウンタは、状態情報格納エリア106cに設けられている。また、ステップS1501等における現在の遊技状態の判定は、状態情報格納エリア106cに対応する設定フラグがセットされているか否かに基づいて実行しており、いずれの設定フラグもセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常状態であると判定している。
一方、BB当選フラグがセットされていない場合(ステップS1502がNOの場合)、又はBB入賞が成立していない場合(ステップS1503がNOの場合)には、BB開始処理等を実行することなく本処理を終了する。
ステップS1501にて現在の遊技状態がBB状態であると判定した場合には、ステップS1506に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立した場合には、ステップS1507にて残払出入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1506にて入賞が成立しなかったと判定した場合には、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS1508にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS1509では残払出入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまり入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1510にて残払出入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をクリアするRB終了処理を行う。続くステップS1511では、残払出数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BB状態中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1512に進み、先述したRB開始処理を行った後、本処理を終了する。
また、ステップS1509において残払出入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまり入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS1513に進み、残払出数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BB状態中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残払出数カウンタのカウント値が0である場合には、BB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1514〜ステップS1515に示す特別遊技状態終了処理を行う。特別遊技状態終了処理では、先ずステップS1514において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS1515にてBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜クリアしたりエンディング処理を行ったりするBB終了処理を行う。また、ステップS1511にて残払出数カウンタのカウント値が0である場合にも、BB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1515にてBB終了処理を行う。BB終了処理を行った後、ステップS1516にて状態移行処理を実行し、BB状態処理を終了する。ここで、状態移行処理とは、遊技状態をRT準備状態に移行させるための処理であり、具体的には、RT準備設定フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットする処理を実行する。
このように、本実施の形態では、BB状態が終了した場合、ステップS1516にて状態移行処理を実行し、遊技状態がRT準備状態に移行するようになっている。そこで以下では、RT準備状態において実行される特有の処理、より詳しくは第2再遊技と第3再遊技に共に当選となる複数当選役に当選した場合の処理について説明する。
先ず、RT準備状態について概略を説明する。RT準備状態とは、第2再遊技入賞と第3再遊技入賞の成立する可能性がある遊技状態である。そして、RT準備状態は、第2再遊技入賞と第3再遊技入賞のいずれかが成立するか、BBに当選したことを以って終了する。
RT準備状態における抽選処理(図19参照)では、ステップS902においてRT準備状態用の抽選テーブルを選択し、当該抽選テーブルを用いて役の当否判定を実行する。
RT準備状態下で選択される第1抽選テーブルには、判定すべき役として、通常状態用抽選テーブル(図20参照)と同じベル、スイカ、チェリー、1枚役、BBの5つの役が設定されている一方、第1再遊技が設定されていない。つまり、RT準備状態では、第1再遊技の当否判定が行われないようになっている。そして、第1再遊技に代えて判定すべき役として、第2再遊技+第3再遊技が設定されている。第2再遊技+第3再遊技は、1回の判定で複数の役(具体的には第2再遊技と第3再遊技)に当選となる複数当選役である。また、ベル、スイカ、チェリー、1枚役、BBの5つの役については、通常状態用抽選テーブルと同じポイント値PVがそれぞれ設定されている。一方、複数当選役のポイント値PVについては、通常状態用抽選テーブルにおける第1再遊技のポイント値PVが8976であるのに対し、55968と非常に高く設定されている。したがって、RT準備状態では、上記5つの役に通常状態下と同じ確率で当選するとともに、約1.17分の1の確率で複数当選役に当選し、約50.8分の1の確率で外れとなる。つまり、遊技状態がRT準備状態に移行すると、外れとなる確率が通常状態下より低下するとともに、第2再遊技と第3再遊技に共に当選となる複数当選役に高確率で当選することとなる。
抽選処理において、IV=1のときにステップS905にて肯定判定をした場合、ステップS906では、第2再遊技当選フラグと第3再遊技当選フラグとを、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。続くステップS909では、複数当選役に当選したことを示す抽選結果コマンドをセットする。表示制御装置81は、複数当選役に当選したことを示す抽選結果コマンドを受信した場合、第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を成立させることが可能であることを示唆すべく、上部ランプ63や補助表示部65の駆動制御を実行する。ステップS910のスベリテーブル設定処理では、左リール32Lの当選図柄たる「リプレイ」図柄が上段又は下段のいずれかに停止するように、中リール32Mの当選図柄たる「リプレイ」図柄が中段に停止するように、さらに、右リール32Rの当選図柄たる「赤7」図柄と「白7」図柄のうち一方が中段に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
図21に示すスベリテーブルは、複数当選役に当選した場合に最初にセットされるスベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの第2再遊技図柄及び第3再遊技図柄たる「リプレイ」図柄が上段又は下段のいずれかに停止するように設定されている。中リール32Mについては、第2再遊技図柄及び第3再遊技図柄たる「リプレイ」図柄が中段に停止するように設定されている。例えば、13番の「ベル」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mは滑ることなくそのまま停止し、14番の「リプレイ」図柄が中段に停止する。また、14番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mは3図柄分だけ滑り、17番の「ベル」図柄が下段に停止するとともに18番の「リプレイ」図柄が中段に停止する。右リール32Rについては、第2再遊技図柄たる「赤7」図柄又は第3再遊技図柄たる「白7」図柄が中段に停止するように設定されている。例えば、7番の「赤7」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合、右リール32Rは4図柄分だけ滑り、11番の「スイカ」図柄が下段に停止するとともに12番の「白7」図柄が中段に停止する。また、18番の「白7」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合、右リール32Rは4図柄分だけ滑り、1番の「ベル」図柄が下段に停止するとともに2番の「赤7」図柄が中段に停止する。
ここで、右リール32Rの図柄配列について説明する。
右リール32Rには、第2再遊技図柄たる「赤7」図柄が、2番と4番と7番の位置に配置されている。2番の「赤7」図柄と4番の「赤7」図柄は右リール32Rの回転する側に1図柄分離れており、4番の「赤7」図柄と7番の「赤7」図柄は右リール32Rの回転する側に2図柄分離れている。また、右リール32Rは、最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、19番の「スイカ」図柄〜7番の「赤7」図柄が下段等の所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、前記所定位置に「赤7」図柄を停止させることができる。一方、7番の「赤7」図柄と2番の「赤7」図柄は右リール32Rの回転する側に15図柄分離れている。このため、8番の「スイカ」図柄〜18番の「白7」図柄が前記所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、前記所定位置に「赤7」図柄を停止させることができない。
また、右リール32Rには、第3再遊技図柄たる「白7」図柄が、12番と15番と18番の位置に配置されている。12番の「白7」図柄と15番の「白7」図柄は右リール32Rの回転する側に2図柄分離れており、15番の「白7」図柄と18番の「白7」図柄は右リール32Rの回転する側に2図柄分離れている。このため、8番の「スイカ」図柄〜18番の「白7」図柄が下段等の所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、前記所定位置に「白7」図柄を停止させることができる。一方、18番の「白7」図柄と12番の「白7」図柄は右リール32Rの回転する側に14図柄分離れている。このため、19番の「スイカ」図柄〜7番の「赤7」図柄が前記所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、前記所定位置に「白7」図柄を停止させることができない。
このように、19番の「スイカ」図柄〜7番の「赤7」図柄が所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、前記所定位置に「白7」図柄を停止させることはできないものの「赤7」図柄を停止させることができる。また、8番の「スイカ」図柄〜18番の「白7」図柄が所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、前記所定位置に「赤7」図柄を停止させることはできないものの「白7」図柄を停止させることができる。つまり、右リール32Rには、「赤7」図柄を所定位置に停止させることが可能な区間(19番〜7番の区間)と、「白7」図柄を所定位置に停止させることが可能な区間(8番〜18番の区間)と、が形成されるようにして、「赤7」図柄と「白7」図柄が配置されている。さらに言うと、かかる構成においては、0番〜7番の図柄が所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、「赤7」図柄を前記所定位置に停止させることができ、8番〜18番の図柄が所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、「白7」図柄を前記所定位置に停止させることができ、19番〜20番の図柄が所定位置に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、「赤7」図柄を前記所定位置に停止させることができる。つまり、右リール32Rには、第2再遊技と第3再遊技に共に当選となる複数当選役に当選した場合に、右ストップスイッチ44の操作タイミングに関わらず第2再遊技図柄たる「赤7」図柄又は第3再遊技図柄たる「白7」図柄を所定位置に停止させることができるように、「赤7」図柄と「白7」図柄が配置されている。したがって、複数当選役に当選した場合には、スベリテーブル第1変更処理やスベリテーブル第2変更処理においてスベリテーブルを適宜変更することにより、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず第2再遊技入賞と第3再遊技入賞のいずれかを成立させることができる。
RT準備状態下におけるRT状態処理(図26参照)では、ステップS1401にて肯定判定をし、ステップS1402〜ステップS1407の準備状態中処理を実行する。ステップS1402では、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。そして、第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS1403にて遊技状態を第1RT状態に移行させるべく第1RT開始処理を実行し、RT状態処理を終了する。第1RT開始処理では、RAM106の状態情報格納エリア106cに格納されているRT準備設定フラグをクリアするとともに、前記状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、遊技状態を第1RT状態とする。また、前記状態情報格納エリア106cに設けられたRT状態の残りゲーム数をカウントするための残ゲーム数カウンタに72をセットする。
ここで、第1RT状態について簡単に説明する。第1RT状態とは、上述した抽選処理にて第1RT状態用に設定された第1RT状態用抽選テーブルが選択され、この抽選テーブルに基づいて各役の当否判定が行われる遊技状態である。そして、第1RT状態は、所定回数(本実施形態では72回)のゲームが行われるか、BBに当選したことを以って終了する。第1RT状態用抽選テーブルには、通常状態用抽選テーブルと同じ役が当否判定を行うべき役として設定されている。また、ベル、スイカ、チェリー、1枚役、BBのポイント値PVは通常状態用抽選テーブルと同じ値が設定されているものの、第1再遊技のポイント値PVは、通常状態用抽選テーブルの設定値が8976であるのに対して55968と非常に高く設定されている。したがって、第1RT状態に移行すると第1再遊技に当選する確率が非常に高くなる。第1再遊技入賞はストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず成立する入賞であるため、第1再遊技入賞の成立する確率が非常に高くなる。ちなみに、第1RT状態では、第1再遊技以外の役には通常状態下と同じ確率で当選し、第1再遊技には約1.17分の1の確率で当選し、約50.8分の1の確率でいずれの役にも当選しない。つまり、第1RT状態とは、いずれの入賞も成立しないゲームの割合が通常状態と比して低下し、高確率で第1再遊技入賞の成立する遊技状態である。故に、第1RT状態に移行すると、遊技者は通常状態よりも有利な状態で所定回数のゲームを行うことができる。
ステップS1402にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS1404に進み、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS1405にて遊技状態を第2RT状態に移行させるべく第2RT開始処理を実行し、RT状態処理を終了する。第2RT開始処理では、RAM106の状態情報格納エリア106cに格納されているRT準備設定フラグをクリアするとともに、前記状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグをセットし、遊技状態を第2RT状態とする。また、前記状態情報格納エリア106cに設けられたRT状態の残りゲーム数をカウントするための残ゲーム数カウンタに175をセットする。
ここで、第2RT状態について簡単に説明する。第2RT状態とは、上述した抽選処理にて第2RT状態用に設定された第2RT状態用抽選テーブルが選択され、この抽選テーブルに基づいて各役の当否判定が行われる遊技状態である。そして、第2RT状態は、第1RT状態と同様、所定回数(本実施形態では175回)のゲームが行われるか、BBに当選したことを以って終了する。第2RT状態用抽選テーブルには、通常状態用抽選テーブルと同じ役が当否判定を行うべき役として設定されている。また、ベル、スイカ、チェリー、1枚役、BBのポイント値PVは通常状態用抽選テーブルと同じ値が設定されているものの、第1再遊技のポイント値PVは、通常状態用抽選テーブルの設定値が8976であるのに対して33260と非常に高く設定されている。したがって、第2RT状態に移行すると第1再遊技に当選する確率が非常に高くなる。第1再遊技入賞はストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず成立する入賞であるため、第1再遊技入賞の成立する確率が非常に高くなる。ちなみに、第2RT状態では、第1再遊技以外の役には通常状態下と同じ確率で当選し、第1再遊技には約1.97分の1の確率で当選し、約2.73分の1の確率でいずれの役にも当選しない。つまり、第2RT状態とは、いずれの入賞も成立しないゲームの割合が通常状態と比して低下し、高確率で第1再遊技入賞の成立する遊技状態である。故に、第2RT状態に移行すると、遊技者は通常状態よりも有利な状態で所定回数のゲームを行うことができる。また、第1RT状態と比較した場合、第2RT状態に移行すると、第1再遊技入賞の成立するゲームの割合が低くいずれの入賞も成立しないゲームの割合が高くなる一方、通常状態より有利な状態で第1RT状態より多くのゲームを行うことができる。
RT準備状態下で第2再遊技入賞と第3再遊技入賞のいずれも成立しなかった場合には、ステップS1406に進み、当選フラグ格納エリア106aにBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされている場合には、ステップS1407に進み、RAM106の状態情報格納エリア106cに格納されているRT準備設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、RT準備状態下でBBに当選した場合には、遊技状態がRT準備状態から通常状態に移行することとなる。一方、BB当選フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。
上述したとおり、RT準備状態下で第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態がRT準備状態から第1RT状態又は第2RT状態に移行する。そして、これらRT状態下では、RT状態処理のステップS1408にて肯定判定をし、ステップS1409〜ステップS1413に示すRT終了判定処理を実行する。
RT終了判定処理では、先ずステップS1409にて残ゲーム数カウンタの値を1減算し、ステップS1410にて残ゲーム数カウンタの値が0か否かを判定する。残ゲーム数カウンタの値が0の場合には、第1RT状態又は第2RT状態において所定回数のゲームが行われたことを意味するため、ステップS1411にてRAM106の状態情報格納エリア106cに格納されているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、RT状態下で所定回数のゲームが行われた場合には、遊技状態が第1RT状態又は第2RT状態から通常状態に移行することとなる。また、残ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS1412に進み、当選フラグ格納エリア106aにBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされている場合には、ステップS1413に進み、残ゲーム数カウンタの値をクリアする。その後、ステップS1411にてRAM106の状態情報格納エリア106cに格納されているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、RT状態下でBBに当選した場合には、遊技状態が第1RT状態又は第2RT状態から通常状態に移行することとなる。一方、残ゲーム数カウンタの値が0でなく、BB当選フラグがセットされていない場合(ステップS1410,ステップS1412が共にNOの場合)には、RT状態の終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
次に、表示制御装置81が行うエラー報知処理を、図28のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1601では、表示エラーコマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。表示エラーコマンドを受信した場合には、スロットマシン10に何らかの異常が発生した、又は何らかの異常が解除されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1602に進み、表示エラーコマンドの示すエラー情報を表示制御装置81のRAMに格納するエラー情報格納処理を実行する。
表示制御装置81のRAMには、エラー情報を記憶するためのエラー情報格納バッファBが設けられている。エラー情報格納バッファBは、図29に示すように、上位情報用バッファとしての第1バッファB1と下位情報用バッファとしての第2バッファB2とから構成されている。第1バッファB1及び第2バッファB2は、それぞれ1バイトで構成されている。つまり、エラー情報格納バッファBは2バイトで構成されている。第1バッファB1及び第2バッファB2の各ビットは、個別にエラー情報を格納するための機能を有する。詳細には、第1バッファB1については、第15ビット〜第10ビットがブランクとなっており、第9ビットが回胴停止エラー情報を格納するための機能を有し、第8ビットが投入払出エラー情報を格納するための機能を有する。第2バッファB2については、第7ビットが払出タイミングエラー情報を格納するための機能を有し、第6ビットが投入タイミングエラー情報を格納するための機能を有し、第5ビットが異常通過エラー情報を格納するための機能を有し、第4ビットが投入メダル滞留エラー情報を格納するための機能を有し、第3ビットが払出メダル滞留エラー情報を格納するための機能を有し、第2ビットがメダルエンプティエラー情報を格納するための機能を有し、第1ビットがメダル満タンエラー情報を格納するための機能を有し、第0ビットがブランクとなっている。なお、各ビットの初期値は「0」となっている。
エラー情報格納処理では、表示エラーコマンドの示すエラー情報をエラー情報格納バッファBの対応するビットに格納する。例えば、投入払出エラーが発生したことを示す表示エラーコマンドを受信した場合には、エラー情報格納バッファBの第8ビットに「1」を格納し、投入払出エラーが解除されたことを示す表示エラーコマンドを受信した場合には、エラー情報格納バッファBの第8ビットに格納されている「1」をクリアして「0」とする。
エラー情報格納処理を行った後、ステップS1603では、エラー情報格納バッファBに格納されているエラー情報が増加したか否か、すなわち「1」が格納されているビット数が増加したか否かを判定する。エラー情報が増加した場合には、ステップS1604に進み、エラー情報が複数格納されているか否かを判定する。格納されているエラー情報が1つである場合には、ステップS1605にて格納されているエラー情報を補助表示部65に表示させるとともにスピーカ64からエラー発生音を出力させるエラー表示処理を行い、本処理を終了する。かかるエラー表示処理が行われることにより、何らかの異常が発生した場合には、補助表示部65に直ちにエラー情報が表示されることとなる。
ステップS1604にてエラー情報が複数格納されていると判定した場合には、エラー情報の表示を行っている最中に新たな異常が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS1606に進み、優先順位判定処理を行う。優先順位判定処理では、エラー情報格納バッファBにおいて、エラー情報が格納されている最上位のビットを特定する。ステップS1607では、補助表示部65に表示しているエラー情報が、前記最上位ビットのエラー情報であるか否かを判定し、最上位ビットのエラー情報である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、補助表示部65に表示しているエラー情報が最上位ビットのエラー情報でない場合には、ステップS1608にて補助表示部65に表示されているエラー情報を最上位ビットのエラー情報に切り替えるエラー表示切替処理を行い、本処理を終了する。かかるエラー表示切替処理が行われることにより、複数の異常が発生した場合には、補助表示部65に最も優先順位の高いエラー情報が表示されることとなる。
ここで、異常が発生した場合のエラー報知の詳細を説明する。
メダルがベットされてから各リール32L,32M,32Rが回転を開始するまでに発生し得る異常としては、メダル満タンエラーと、投入メダル滞留エラーと、異常通過エラーと、払出タイミングエラーと、がある。メダル満タンエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第1ビットに記憶され、投入メダル滞留エラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第4ビットに記憶され、異常通過エラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第5ビットに記憶され、払出タイミングエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第7ビットに記憶される。このため、メダル満タンエラー→投入メダル滞留エラー→異常通過エラー→払出タイミングエラーの順で優先的にエラー情報が表示される。
例えば、メダル満タンエラーを示す表示エラーコマンドを受信した後に異常通過エラーを示す表示エラーコマンドを受信した場合には、メダル満タンエラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで補助表示部65にメダル満タンエラー発生が表示され、異常通過エラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで補助表示部65の表示がメダル満タンエラー発生から異常通過エラー発生に切り替えられる。一方、異常通過エラーを示す表示エラーコマンドを受信した後にメダル満タンエラーを示す表示エラーコマンドを受信した場合には、異常通過エラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで補助表示部65に異常通過エラー発生が表示され、メダル満タンエラーを示す表示エラーコマンドを受信した後も異常通過エラー発生が補助表示部65に継続表示される。
リールが回転している最中に発生する異常としては、例えば針金等を挿入してホッパ装置に貯留されたメダルを取り出す不正が考えられる。このため、異常の発見が遅れた場合、遊技場等が不利益を被る可能性が考えられる。各リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生し得る異常としては、投入タイミングエラーと、払出タイミングエラーと、投入払出エラーと、がある。投入タイミングエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第6ビットに記憶され、払出タイミングエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第7ビットに記憶され、投入払出エラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第8ビットに記憶される。このため、投入タイミングエラー→払出タイミングエラー→投入払出エラーの順で優先的にエラー情報が表示される。
投入払出エラーは、投入タイミングエラーと払出タイミングエラーが共に発生した場合のエラーである。このため、一方のタイミングエラーが発生した後に他方のタイミングエラーが発生した場合、表示制御装置81は、前記一方のタイミングエラーを示す表示エラーコマンドを受信した後に投入払出エラーを示す表示エラーコマンドを受信することとなる。そして、前記一方のタイミングエラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで対応するタイミングエラー発生が補助表示部65に表示され、投入払出エラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで補助表示部65の表示がタイミングエラー発生から投入払出エラー発生に切り替えられる。
全リール32L,32M,32Rが停止してから次回のゲームを開始させるべくメダルがベットされるまでに発生し得る異常としては、メダル満タンエラーと、メダルエンプティエラーと、払出メダル滞留エラーと、投入タイミングエラーと、払出タイミングエラーと、投入払出エラーと、回胴停止エラーと、がある。メダル満タンエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第1ビットに記憶され、メダルエンプティエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第2ビットに記憶され、払出メダル滞留エラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第3ビットに記憶され、投入タイミングエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第6ビットに記憶され、払出タイミングエラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第7ビットに記憶され、投入払出エラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第8ビットに記憶され、回胴停止エラーが発生した場合、当該エラー情報はエラー情報格納バッファBの第9ビットに記憶される。このため、メダル満タンエラー→メダルエンプティエラー→払出メダル滞留エラー→投入タイミングエラー→払出タイミングエラー→投入払出エラー→回胴停止エラーの順で優先的にエラー情報が表示される。
例えば、メダルエンプティエラーを示す表示エラーコマンドを受信した後に投入タイミングエラーを示す表示エラーコマンドを受信した場合には、メダルエンプティエラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで補助表示部65にメダルエンプティエラー発生が表示され、投入タイミングエラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで補助表示部65の表示がメダルエンプティエラー発生から投入タイミングエラー発生に切り替えられる。一方、回胴停止エラーを示す表示エラーコマンドを受信した後にメダルエンプティエラーを示す表示エラーコマンドを受信した場合には、回胴停止エラーを示す表示エラーコマンドを受信したタイミングで補助表示部65に回胴停止エラー発生が表示され、メダルエンプティエラーを示す表示エラーコマンドを受信した後も回胴停止エラー発生が補助表示部65に継続表示される。
エラー報知処理の説明に戻り、ステップS1603にてエラー情報が増加ではなく減少したと判定した場合についても、上述したステップS1606〜ステップS1608の処理を行う。すなわち、ステップS1606では、優先順位判定処理を行い、エラー情報格納バッファBの各ビットのうちエラー情報が格納されている最上位ビットを判定する。ステップS1607では、補助表示部65に表示しているエラー情報が最上位ビットのエラー情報であるか否かを判定し、最上位ビットのエラー情報である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、補助表示部65に表示しているエラー情報が最上位ビットのエラー情報でない場合には、補助表示部65に表示していたエラー情報と対応するエラー解除操作がなされたことを意味する。そこで、ステップS1608では、補助表示部65に表示されているエラー情報を最上位ビットのエラー情報に切り替えるエラー表示切替処理を行い、本処理を終了する。なお、エラー解除操作がなされてエラー情報格納バッファBの全ビットにエラー情報が格納されていない状況となった場合には、ステップS1607にて否定判定を行うとともに、ステップS1608にてエラー情報の表示とエラー発生音の出力を終了させるエラー表示切替処理を行い、本処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
リールが回転している最中に異常が発生した場合、主制御装置101は直ちに外部エラーコマンド及び表示エラーコマンドを外部集中端子板121及び表示制御装置81に出力する構成とした。かかる構成とすることにより、リールが回転している最中に異常が発生した場合であっても、リールが停止する前段階で遊技場の管理者等や遊技者に異常の発生を報知することが可能となり、遊技の進行を停止させる前段階で遊技場の管理者等や遊技者に異常の発生を報知することが可能となる。リールが回転している最中に発生し得る投入タイミングエラー及び払出タイミングエラーは不正行為による異常である可能性が高いため、リールが停止する前段階で遊技場の管理者等や遊技者に異常の発生を報知することが可能な構成とすることにより、不正の発見が遅れてしまうことを抑制することが可能となる。
表示制御装置81を、スロットマシン10に何らかの異常が発生した場合、補助表示部65に直ちにエラー情報を表示させるよう補助表示部65を表示制御する構成とした。かかる構成とすることにより、例えばリールが回転している最中に異常が発生した場合等においても、当該異常の発見が遅れることを抑制することが可能となる。また、かかる構成においては、全リール32L,32M,32Rの回転が停止する前段階でエラー情報が表示されることとなるため、遊技者に異常が発生していることを理解させた上でストップスイッチ42〜44を操作させることが可能となり、遊技者が不信感を抱くことを抑制することが可能となる。
センサ監視処理S107及びエラーチェック処理S108をタイマ割込み処理において行うとともに、外部集中端子板121及び表示制御装置81へのエラーコマンド出力を前記タイマ割込み処理において行う構成とした。タイマ割込み処理は定期的に通常処理に割り込んで起動される処理であるため、当該タイマ割込み処理において上記各処理を行うことにより、異常が発生した場合にその発見が遅れることを抑制することが可能となる。
エラー情報設定処理において、新たにセット又はクリアされたエラー番号を示すエラーコマンドを設定する構成とした。かかる構成とすることにより、スロットマシン10に異常が発生した場合に、どのような異常が発生したのかを遊技場の管理者等や遊技者に報知することが可能となる。
スロットマシン10に複数の異常が発生した場合には、表示制御装置81が優先順位判定処理を行う構成とし、最重要エラーを補助表示部65に表示していない場合には、表示内容を最重要エラーに切り替える構成とした。かかる構成とすることにより、異常の発生状況に即した報知を行うことが可能となる。
優先順位判定処理では、メダル満タンエラー、メダルエンプティエラー、払出メダル滞留エラー、投入メダル滞留エラー、異常通過エラー、投入タイミングエラー、払出タイミングエラー、投入払出エラー、回胴停止エラーの順番で優先順位が高いと判定する構成とした。回胴停止エラーは、スベリテーブルに基づいてリールの停止制御を行った場合、すなわち正規の停止制御を行った場合には発生しないエラーであるため、不正が行われた可能性が極めて高い。払出タイミングエラー、投入タイミングエラー、異常通過エラーは、ゴミ等の異物を検知した可能性も考えられるが、前記可能性よりも不正が行われた可能性の方が高い。投入払出エラーは、投入タイミングエラーと払出タイミングエラーが1回のゲームにおいて共に発生した場合のエラーであるが、上記理由により不正が行われた可能性が極めて高い。これら不正を行われた可能性が高いエラーがメダル満タンエラー等の他のエラーよりも優先順位が高くなる構成とすることにより、不正の発見が遅れることを抑制するとともに、前記不正が行われること自体を抑制することが可能となる。
例えば、何らかのエラー情報を表示している最中に他の異常が発生した場合に、前記エラー情報を継続して表示する構成、すなわち最初に発生した異常を優先的に報知する構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、不正を見落としてしまう可能性が考えられる。例えば、投入メダル滞留エラーが発生している最中にホッパ装置51からメダルを抜き取る不正がなされた場合、払出タイミングエラーの発生を主制御装置101が検知しているにも関わらず当該払出タイミングエラーの発生が報知されないからである。一方、不正を行われた可能性が高いエラーを優先的に報知する構成においては、投入メダル滞留エラーが発生している最中にホッパ装置51からメダルを抜き取る不正がなされた場合、投入メダル滞留エラーよりも払出タイミングエラーが優先して報知される。このため、投入メダル滞留エラーが発生している最中に前記不正が行われること自体を抑制することが可能となる。
表示制御装置81のRAMには、エラー情報を記憶するためのエラー情報格納バッファBを設けた。そして、エラー情報格納バッファBを、上位情報用バッファとしての第1バッファB1と下位情報用バッファとしての第2バッファB2とから構成するとともに、各ビットを、個別にエラー情報を格納するための機能を有する構成とした。かかる構成とすることにより、エラー情報を記憶するための記憶領域が増大化することを抑制しつつ、エラー情報が格納されている最上位ビットを確認することで最重要エラーの表示を行っているか否かを判定することができる。故に、エラー報知処理に関わる処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
リールが回転している最中に異常が発生した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作に基づいてリールを停止させる構成とした。そして、全リール32L,32M,32Rが停止した後にエラー処理を行う構成とした。かかる構成とすることにより、遊技者が不信感を抱くことを抑制することが可能となる。リールが回転している最中に異常が発生した場合に、回転しているリールをストップスイッチの操作に基づくことなく強制的に停止させ、その後にエラー処理を行う構成とすることも確かに可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、遊技者が不信感を抱く可能性が懸念される。例えば、何らかの役に当選している場合に入賞を成立させた後にエラー処理を行った場合、入賞成立に伴う特典を付与したくないために意図的に異常を発生させたのではないかと遊技者が考える可能性が懸念される。かかる懸念を回避すべく、何らかの役に当選している場合であっても外れとなるようにリールを強制的に停止させた後にエラー処理を行った場合、本当は何らかの役に当選していたのに入賞成立を回避させるべく意図的に異常を発生させたのではないかと遊技者が考える可能性が懸念される。一方、ストップスイッチ42〜44の操作に基づいてリールを停止させた後にエラー処理を行う構成においては、上記各懸念を好適に解消することが可能となる。また、異常が発生した場合に強制的にリールを停止させるための処理が不要となるため、リール制御処理における処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
エラー処理を開始待ち処理の終了後であって開始指令が発生したか否かを判定する処理の前に行う構成とした。かかる構成とすることにより、各リール32L,32M,32Rが回転する前に異常が発生した場合には、直ちにスロットマシン10をエラー状態とすることができ、各リール32L,32M,32Rが回転している最中に異常が発生した場合には、入賞が成立したとしてもメダル払出等の対応する特典付与を行った後にスロットマシン10をエラー状態とすることができる。この結果、異常が発生したことによって遊技者が不利益を被ったり不信感を抱いたりすることを抑制することが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、スロットマシン10に異常が発生した場合、異常が発生したことを示すエラーコマンドを外部集中端子板と表示制御装置81に出力する構成としたが、一方にのみエラーコマンドを出力する構成としても良い。外部集中端子板にのみ出力する構成とした場合であっても、異常の発生を遊技場の管理者等に報知することが可能となり、表示制御装置81にのみ出力する構成とした場合であっても、異常の発生を遊技者及び当該スロットマシン10の周囲にいる人達に報知することが可能となる。
(2)上記実施の形態では、スロットマシン10に異常が発生した場合、センサ監視処理においてエラー番号をエラー情報格納エリア106dにセットする構成としたが、エラーチェック処理においてエラー番号をエラー情報格納エリア106dにセットする構成としても良い。
(3)上記実施の形態では、開始待ち処理の終了後にエラー処理を行う構成としたが、BB状態処理の終了後にエラー処理を行う構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、異常が発生したゲームにおける一連の処理が終了しているため、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、リール制御処理やメダル払出処理、RT状態処理の終了後にエラー処理を行う構成としても良い。これら構成とした場合には、リール制御処理を行った後にエラー状態となるため、異常が発生した際にリールを強制停止させるための処理等が不要となり、処理構成が複雑化することを抑制することが可能となる。
(4)上記実施の形態において、主制御装置101は、エラー番号と対応するエラーコマンドを主制御装置101外部に出力し、表示制御装置81は、エラー番号と対応するエラー情報を補助表示部65に表示させる構成としたが、かかる構成を変更する。主制御装置101は、何らかの異常が発生した場合、異常が発生したことを示す一方でその異常内容を示さないエラーコマンドを主制御装置101外部に出力し、表示制御装置81は、異常が発生した場合、異常内容に関わらず補助表示部65に「エラー発生」と表示させる。
(5)上記実施の形態では、複数の異常が発生した場合、補助表示部65に最も優先順位の高いエラー情報を表示する構成としたが、最初に発生した異常を補助表示部65に表示する構成としても良いし、発生した異常の全てを補助表示部65に表示する構成としても良い。
(6)上記実施の形態では、異常の発生有無に関わらず回転中のリールを停止指令が発生した場合に停止させる構成としたが、異常が発生した場合に回転中のリールを強制的に停止させる構成としても良い。かかる構成とした場合、回転中のリールが勝手に停止することに対して遊技者が不信感を抱く可能性が懸念されるが、異常が発生したことを報知した後にリールを停止させることにより、遊技者に理由を理解させた上でリールを停止させることが可能となり、遊技者が不信感を抱くことを抑制することが可能となる。
(7)上記実施の形態では、エラー情報格納バッファBを2バイトで構成したが、これはエラー情報が9種類あるためである。8種類のエラー情報を有する構成においては、エラー情報格納バッファBを1バイトで構成すれば良いことは言うまでもない。また、エラー情報を記憶する記憶領域を1ビットで構成したが、2ビット又はそれ以上のビットで構成しても良いことは言うまでもない。
(8)上記実施の形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。但し、かかる構成の場合には、ベット状況に応じた抽選テーブルやスベリテーブルを予め記憶させておく必要がある。
(9)上記実施の形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(10)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(11)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(12)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。また、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に限らず、パチンコ機に適用してもよい。
以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機1.絵柄(図柄)を変化表示させる変化表示手段(リール32L,32M,32R)と、
抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能S209)と、
前記絵柄の変化表示を制御する制御手段(主制御装置101のリール制御処理機能S210)と、
前記抽選手段の抽選結果が当選であって、有効位置に前記抽選結果と対応する絵柄が停止した場合、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のメダル払出処理機能S211,RT状態処理機能S212,BB状態処理機能S213)と
を備えた遊技機において、
前記制御手段を有するとともに遊技の進行を管理する管理手段(主制御装置101)を備え、
当該管理手段は、
異常が発生したか否かを検知する検知処理(センサ監視処理S107及びエラーチェック処理S108)を実行する検知処理実行手段(主制御装置101のタイマ割込み処理機能)と、
前記検知処理実行手段が前記異常の発生を検知した場合、異常が発生したことを示す異常発生情報(外部エラーコマンド、表示エラーコマンド)を前記管理手段外部に出力する出力処理(コマンド出力処理S111,S112)を実行する出力処理実行手段(主制御装置101のタイマ割込み処理機能)と、
前記検知処理実行手段が前記異常の発生を検知した場合、前記絵柄の変化表示が終了したことに基づいて遊技の進行を停止させる異常処理(エラー処理S205)を実行する異常処理実行手段(主制御装置101の通常処理機能)と
を備え、
前記出力処理実行手段は、前記絵柄の変化表示が行われている最中に前記検知処理実行手段が前記異常の発生を検知した場合、前記絵柄の変化表示が終了する前に前記異常発生情報を前記管理手段外部に出力することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、管理手段は、絵柄の変化表示が行われている最中に異常の発生を検知した場合、絵柄の変化表示が終了する前に異常発生情報を管理手段外部に出力する。かかる構成とすることにより、例えば絵柄の変化表示を行っている最中に不正が行われた場合であっても、不正の発見が遅れることを抑制することが可能となる。また、絵柄の変化表示が終了する前に異常発生情報を管理手段外部に出力することにより、遊技の進行を停止させる前段階で遊技者に異常の発生を報知することが可能となり、遊技者が不信感を抱くことを抑制することが可能となる。
以上の結果、異常が発生したことを好適な形で報知することが可能となる。
遊技機2.上記遊技機1において、前記管理手段は、電源投入に伴って起動するとともに一連の第1処理(通常処理)を繰り返し実行する第1処理実行手段(通常処理機能)と、前記第1処理実行手段による処理に割り込んで定期的に第2処理(タイマ割込み処理)を実行する第2処理実行手段(タイマ割込み処理機能)と、を備え、前記第2処理実行手段が前記検知処理実行手段を有することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、異常が発生したか否かが定期的に検知されるため、異常が発生した場合にその検知が遅れることを抑制することが可能となる。
遊技機3.上記遊技機2において、前記第2処理実行手段は、前記出力処理実行手段を有することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、異常発生情報が定期的に実行される第2処理において出力されるため、異常が発生した場合に比較的速やかに異常発生情報を管理手段外部に出力することが可能となる。
遊技機4.上記遊技機1において、前記管理手段は、電源投入に伴って起動するとともに一連の第1処理(通常処理)を繰り返し実行する第1処理実行手段(通常処理機能)と、前記第1処理実行手段による処理に割り込んで定期的に第2処理(タイマ割込み処理)を実行する第2処理実行手段(タイマ割込み処理機能)と、を備え、前記第2処理実行手段が前記出力処理実行手段を有することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、異常発生情報が定期的に実行される第2処理において出力されるため、異常が発生した場合に比較的速やかに異常発生情報を管理手段外部に出力することが可能となる。
遊技機5.上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかにおいて、前記出力処理実行手段は、前記検知処理実行手段が前記異常の発生を検知した場合、前記異常発生情報として発生した異常内容(エラー番号)を示す情報を出力することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、異常が発生した場合には、その異常内容を示す情報が異常発生情報として管理手段外部に出力される。かかる構成とすることにより、どのような異常が発生したのかを管理手段外部に報知することが可能となる。
遊技機6.上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかにおいて、前記異常が発生した場合に特定報知(エラー表示)を実行する報知手段(補助表示部65)と、前記管理手段と電気的に接続されるとともに前記報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置81)と、を備え、前記報知制御手段は、前記絵柄の変化表示が行われている最中に前記異常発生情報が入力された場合、前記絵柄の変化表示が終了する前に前記特定報知を実行させるべく前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、異常が発生した場合には、絵柄の変化表示が終了する前に特定報知が実行される。かかる構成とすることにより、特定報知を通じて、不正の発見が遅れることを抑制することが可能となるとともに、遊技者が不信感を抱くことを抑制することが可能となる。
遊技機7.上記遊技機6において、前記出力処理実行手段は、前記検知処理実行手段が前記異常の発生を検知した場合、前記異常発生情報として発生した異常内容(エラー番号)を示す情報を出力し、前記報知制御手段は、前記異常発生情報が入力された場合、当該異常発生情報の示す異常内容と対応する特定報知を実行させるべく前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、異常が発生した場合には、報知手段において異常内容と対応する特定報知が実行される。かかる構成とすることにより、どのような異常が発生したのかを遊技者や遊技機を設置する遊技場の管理者等に報知することが可能となる。
遊技機8.上記遊技機7において、前記報知制御手段は、前記異常発生情報が複数入力された場合に各異常内容を判定する異常内容判定手段(優先順位判定処理機能S1606)と、前記異常内容判定手段の判定結果に基づいて前記報知手段に実行させる特定報知を決定する決定手段(表示内容確認処理機能S1607及びエラー表示切替処理機能S1608)と、を備えることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、複数の異常が発生した場合には、報知制御手段において各異常内容が判定され、当該判定結果に基づいて報知手段に実行させる特定報知が決定される。かかる構成とすることにより、異常が発生している最中に他の異常が発生した場合等において、状況に即した特定報知を行うことが可能となる。
遊技機9.上記遊技機8において、前記決定手段は、前記報知手段が第1特定報知(投入タイミングエラー、払出タイミングエラー)を実行している最中に前記異常内容判定手段の判定結果が特定判定結果(第8ビットにエラー情報が格納されていることを示す判定結果)となった場合、前記報知手段に実行させる特定報知を前記第1特定報知から第2特定報知(投入払出エラー)に切り替えることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、報知手段が第1特定報知を実行している最中に異常内容判定手段の判定結果が特定判定結果となった場合、報知手段により実行される特定報知が第1特定報知から第2特定報知に切り替えられる。かかる構成とすることにより、所定の異常が発生したことを示す特定報知を実行している最中に不正が行われた可能性の高い異常が発生した場合等において、不正が行われた可能性の高い異常を示す特定報知を優先的に実行することが可能となる。
遊技機10.上記遊技機1乃至遊技機9のいずれかにおいて、前記絵柄の変化表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)を備え、前記制御手段は、前記検知処理実行手段が前記異常の発生を検知したか否かに関わらず、前記停止操作手段が操作されたことに基づいて前記絵柄の変化表示を終了させ、前記異常処理実行手段は、少なくとも前記絵柄の変化表示が終了した後に前記異常処理を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、絵柄の変化表示が行われている最中に異常が発生した場合、停止操作手段が操作されたことに基づいて絵柄の変化表示を終了させ、その後に遊技の進行を停止させる異常処理が行われる。異常が発生したことを示す異常発生情報を絵柄の変化表示が終了する前に管理手段外部に出力しつつ、停止操作手段が操作されたことに基づいて絵柄の変化表示を終了させることにより、不正の発見が遅れることを抑制しつつ、遊技者が不信感を抱くことを抑制することが可能となる。
遊技機11.上記遊技機1乃至遊技機10のいずれかにおいて、前記抽選手段の抽選結果が当選であって、前記有効位置に前記抽選結果と対応する絵柄が停止した場合、前記異常処理実行手段は、前記特典付与手段が前記特典を付与した後に前記異常処理を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、抽選手段の抽選結果が当選であって、有効位置に抽選結果と対応する絵柄が停止した場合、特典を付与した後に遊技の進行を停止させる異常処理が行われる。かかる構成とすることにより、異常が発生したことによって遊技者が不利益を被ったり不信感を抱いたりすることを抑制することが可能となる。