以下、本発明の実施形態に係る画像読取装置及び画像形成装置の一例を詳細に説明する。
(画像形成装置の全体構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像及び白黒画像を選択的に形成するものであり、画像形成部である第1筐体10Aと、第1筐体10Aに接続された第2筐体10Bと、を備えている。第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から供給される画像データに対して画像処理を施す画像処理部13が設けられている。
第1筐体10Aの上部には、通常色として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び、ブラック(K)、並びに、特定の色である第1特別色としてのゴールド(G)及び特定の色である第2特別色としてのシルバー(S)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14Y、14M、14C、14K、14G、14Sが設けられている。
なお、本実施形態では第1特別色及び第2特別色として、ゴールド及びシルバーを例示したが、第1特別色及び第2特別色としては、例えば、ホワイト(W)、クリア(CL)等を用いてもよい。
また、以下の説明では、各構成部品について第1特別色(G)、第2特別色(S)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号としての数字の後にG、S、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明する。また、第1特別色(G)、第2特別色(S)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、G、S、Y、M、C、Kを省略する。
トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16G、16S、16Y、16M、16C、16K(総称する場合「画像形成ユニット16」という)が、各トナーカートリッジ14に対応するように設けられている。
画像形成ユニット16毎に設けられた露光装置40G、40S、40Y、40M、40C、40K(総称する場合、「露光装置40」という)は、前述した画像処理部13によって画像処理を施された画像データを画像処理部13から受け取る。そして、この画像データに応じて変調した光ビームを後述の像保持体18G、18S、18Y、18M、18C、18K(総称する場合「像保持体18」という)へ照射するように構成されている。
各画像形成ユニット16では、各露光装置40から各像保持体18へ光ビームLが照射されることにより、各像保持体18には静電潜像が形成される。
各像保持体18の周囲には、像保持体18を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器と、露光装置40によって像保持体18に形成された静電潜像を現像剤の一例であるトナーで現像する現像装置と、転写後の像保持体18に残留する現像剤を除去するブレードと、転写後の像保持体18に光を照射して除電を行う除電装置とが設けられている。なお、スコロトロン帯電器、現像装置、ブレード、および除電装置は、像保持体18の表面と対向して、像保持体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
また、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各像保持体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各像保持体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写ロール36G、36S、36Y、36M、36C、36K(総称する場合、「一次転写ロール36」という)とを含んで構成されている。
中間転写ベルト34は、モータ(図示省略)で駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられている。そして、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の像保持体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、像保持体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
転写部32の下方には、用紙などの記録媒体Pが収容される記録媒体収容部48が複数設けられている。記録媒体収容部48の各々は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における正面視右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、制御手段(図示省略)の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
送出ロール52の用紙搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを1枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1方向転換部60Aで図1における正面視左側に反転させる。そして、さらに、第2方向転換部60Bで図1における正面視右側に反転するように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される構成となっている。
搬送経路60の第2方向転換部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される別の用紙収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込めるようになっている。
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
複数の搬送ベルト70および搬送ベルト80のそれぞれは環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pの表面に転写されたトナー画像を記録媒体Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89および従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、
従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
駆動ロール89および従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
図1に示されるように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された記録媒体Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
冷却ユニット110は、記録媒体Pの熱を吸収する吸収装置112と、記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図1における下側)に配置されている。
吸収装置112は、記録媒体Pと接触し、記録媒体Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させる、たとえばアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2筐体10Bの裏側(図1に示す紙面奥側)に配置されている。
記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、記録媒体Pを吸収ベルト116へ押し付けながら記録媒体Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
冷却ユニット110の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
矯正装置140の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する画像読取装置の一例としての読み取りセンサ200が設けられている。なお、読み取りセンサ200については、詳細を後述する。
読み取りセンサ200の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
一方、両面に画像を形成させる場合は、読み取りセンサ200から送出された記録媒体Pは、読み取りセンサ200の下流側に設けられた反転経路194に搬送されるようになっている。
反転経路194には、搬送経路60から分岐する分岐パス194Aと、分岐パス194Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス194Bと、用紙搬送パス194Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて反転してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス194Cとが設けられている。
この構成により、反転パス194Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光装置40に送られる。各露光装置40では、画像データに応じて各光ビームLを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各像保持体18に露光し、静電潜像が形成される。
像保持体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(G)、第2特別色(S)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
図1に示されるように、各画像形成ユニット16G、16V、16Y、16M、16C、16Kの像保持体18に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36G、36S、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
湾曲が矯正された記録媒体Pは、読み取りセンサ200によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、読み取りセンサ200を通過後に、記録媒体Pが反転経路194で反転される。そして、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、第1特別色および第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16G・16S、露光装置40G・40S、トナーカートリッジ14G・14S、一次転写ロール36G・36S)は、ユーザの選択により、追加部品として第1筐体10Aに装着自在に構成されている。
(読み取りセンサ200)
本実施形態に係る画像形成装置10は、前記したように矯正装置140の下流側に読み取りセンサ200を備えている。読み取りセンサ200は、画像形成ユニット16によって記録媒体Pに形成された画像に異常があるか否かを検出するため等に用いられるものである。
この場合の読み取りセンサ200は、画像形成ユニット16の階調再現性や色再現性の計測手段としての機能を有する。また、当該計測手段としての機能を正常に維持するために、定期または不定期に読み取りセンサ200の校正(キャリブレーション)が実行される場合がある。
以下の説明では、画像形成装置10の長さ方向(記録媒体Pの搬送方向である副走査方向)をX方向、装置の高さ方向をY方向、装置の奥行き方向(主走査方向)をZ方向ということとする(図1及び図2参照)。X方向、Y方向、Z方向は互いに直交する。また、以下において「正面」とは、図1に示す装置の面を指し、「背面」とは正面とは逆側の装置の面を指す。
図2に示されるように、画像読取装置の一例である読み取りセンサ200は、画像が記録された記録媒体Pに向けて光を照射する照射部202と、記録媒体Pで反射された光を検知する検知部の一例としての結像部208とを備えている。この結像部208は、CCDセンサ204と、記録媒体Pで反射された上記反射光をCCDセンサ204に結像する結像光学系206とを備えている。
なお、本実施形態に係るCCDセンサ204は、各々主走査方向に対応する方向に沿って配置された複数の受光素子(たとえばフォトダイオード)を含んで構成された、赤用イメージセンサ、緑用イメージセンサおよび青用イメージセンサを備える。各色用イメージセンサは、受光素子の受光面に各色成分の光を透過させるフィルタを設けている。各色用イメージセンサは、受光素子が受光した光の各色成分の光量に応じて蓄積した電荷を信号として外部に出力するようになっている。
照射部202は、記録媒体Pの搬送経路60の上側に配置されており、Z方向(主走査方向)に長手とされた一対のランプ212Aおよびランプ212B(以下、総称する場合は、「ランプ212」という場合がある)を有する。
ランプ212としては、たとえば蛍光ランプ、キセノンランプや、主走査方向に沿って配列された複数の白色LED(図示省略)が用いられる。
ランプ212の照射範囲の長さは搬送される最大の記録媒体Pの幅よりも大とされている。ランプ212は、記録媒体Pにて反射されて結像部208に向かう光軸OA(設計上の光軸)に対し対称に配置されている。
ランプ212から照射される光は、ランプ212Aとランプ212Bとの間の搬送経路60上の透明なウインドウガラス286の照射位置Dに照射されるように構成されている。
また、結像光学系206は、光軸OAに沿って導かれた光をX方向(第1の実施の形態では記録媒体Pの搬送方向下流側)に反射する第1ミラー214と、第1ミラー214が反射した光を上向きに反射する第2ミラー216と、第2ミラー216が反射した光を記録媒体Pの搬送方向上流側に反射する第3ミラー218と、第3ミラー218が反射した光をCCDセンサ204に集光(結像)するレンズ220と、光量絞り部224(224L、224S、224U))とを主要部として構成されている。
第1ミラー214のZ方向の長さは、最大の記録媒体Pの幅よりも大とされている。そして、第1ミラー214、第2ミラー216、第3ミラー218は、結像光学系206に入射された記録媒体Pの反射光をそれぞれZ方向(主走査方向)に絞りながら(集光しつつ)反射するようになっている。これにより、略円柱状のレンズ220に対し記録媒体Pの幅方向各部からの反射光を入射させる構成である。
読み取りセンサ200は、CCDセンサ204が、結像された光すなわち画像濃度に応じた信号を、画像形成装置10の制御装置192(図1参照)に出力(フィードバック)するように構成されている。制御装置192は、読み取りセンサ200から入力された信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正する処理を実施する。画像形成装置10では、一例として、露光装置40による照射光の強度、画像の形成位置などが読み取りセンサ200からの信号に基づいて補正される。
また、読み取りセンサ200は、ランプ212と記録媒体Pとの間に配置された光学部品の一例としてのウインドウガラス286と、主走査方向(Z方向)に移動可能とされ、ウインドウガラス286を透して照射部202の光が照射される校正用部材230を保持する保持部材232と、保持部材232の主走査方向への移動を案内する軸部材234と、を備えている。
軸部材234は、断面円形状のシャフトであり、主走査方向に沿って延びるように配置されている。この軸部材234の両端部は、読み取りセンサ200の照射部202を構成する下部ケース226の主走査方向に対向する側壁226Aに固定されている。なお、読み取りセンサ200は上部ケース228と下部ケース226を備えており、上部ケース228は結像部208を構成している。
保持部材232は、軸部材234が貫通する貫通孔238が形成された本体の一例としてのスライド部242と、スライド部242の下部に設けられ、一端244Aが自由端とされ、上記校正用部材230を保持する弾性変形可能な保持板部244と、ウインドウガラス286の上面286B(ランプ212側の面)に接触する突出部236を備えている。なお、本実施形態の保持板部244は、本発明における保持部の一例であり、本実施形態の突出部236は、本発明における接触部の一例である。
図5及び図6に示されるように、貫通孔238は、スライド部242の下部に形成されている。また、スライド部242の上面には、スライド部242を後述するベルト246に連結するための連結部材248を取り付けるための取付孔250が形成されている。
図5及び図6に示されるように、保持板部244は、金属板を略L字状に折り曲げて形成された板バネであり、スライド部242と比べて、弾性変形しやすくなっている。この保持板部244は、縦板部252がスライド部242の下部にねじ部材253(図7参照)で固定され、横板部254がウインドウガラス286に対向するように配置されている。また、横板部254の上面254Aには、校正用部材230が取り付けられている。
横板部254の縦板部252と反対側の端部である一端244A近傍には、上面254Aから装置高さ方向に突出する(本実施形態では、ウインドウガラス286に向かって突出する)突出部256が形成されている。この突出部256は、ウインドウガラス286の下面286Aに接触するように構成されている。具体的には、図5に示されるように、縦板部252と横板部254との間の角度が無負荷状態に対して拡げられた状態の保持板部244の復元力によって、突出部256は、ウインドウガラス286の下面286Aに押し付けられている。なお、本実施形態のウインドウガラス286は、本発明における光学部品の一例である。
ウインドウガラス286は、下部ケース226の下端部226Bを構成しており、ランプ212からの距離が決定されている。このため、横板部254の突出部256をウインドウガラス286の下面286A(ランプ212と反対側の面)に接触させることで、ランプ212から校正用部材230までの距離が決定された値となる。
突出部236は、スライド部242の下部に設けられており、装置高さ方向の下方に向かって(本実施形態では、ウインドウガラス286に向かって)突出している。この突出部236がウインドウガラス286の上面286Bに接触することで、スライド部242(保持部材232)の軸部材234周りの回転が制限されている。
また、本実施形態では、ウインドウガラス286が突出部236と突出部256とによって装置高さ方向に挟まれている。
また、図5に示されるように、保持部材232は、記録媒体Pよりもランプ212側を移動するようになっている。
図4に示されるように、下部ケース226には、保持部材232に主走査方向の移動力を付与する移動力付与機構258が設けられている。
移動力付与機構258は、副走査方向がモータ軸260Aの軸方向とされた駆動源の一例としての駆動モータ260と、モータ軸260Aに取り付けられたベルト246用のギア262と、駆動モータ260に対して主走査方向に離れた位置に配置され、副走査方向が回転軸方向とされたプーリ264と、ギア262とプーリ264とに巻き掛けられたベルト246と、を備えている。
駆動モータ260は、下部ケース226の側壁226Aにブラケット(図示省略)を介して固定されている。この駆動モータ260は、制御装置192によって制御されている。
プーリ264は、側壁226Aに固定された支持部材266によって回転可能に支持されている。この支持部材266は、プーリ264の回転中心の位置を主走査方向に調節可能とされている。プーリ264の回転中心の位置を主走査方向に調節することで、ギア262とプーリ264とに巻き掛けられたベルト246のテンションを調節できるようになっている。
ここで、駆動モータ260が作動した場合、ベルト246がギア262とプーリ264との間を循環し、ベルト246に連結部材248を介して連結された保持部材232が軸部材234によって主走査方向に案内されながら移動する。
なお、保持部材232は、搬送される最大の記録媒体Pの幅方向の端部よりも主走査方向の外側へ移動できるようになっている。このため、校正(キャリブレーション)を実施しないときには、保持部材232は、記録媒体Pの搬送ライン上から退避することができる。
校正用部材230は、結像光学系206のキャリブレーション用であり、予め定められた信号が結像光学系206から出力される基準の白色フィルムである。
また、読み取りセンサ200は、図2に示されるように、ランプ212に冷却風を送風する送風部の一例としての冷却ファン268と、上部ケース228及び下部ケース226に設けられて冷却風をランプ212Aに案内する案内ダクト270とを備えている。
冷却ファン268は、上部ケース228の上面に形成された空気取入口272の下方に配置されており、空気取入口272から取り入れた空気を冷却風として案内ダクト270を通して下方へ送風するようになっている。
案内ダクト270は、上部ケース228の冷却ファン268の下側から下部ケース226のランプ212A近傍まで設けられている。この案内ダクト270を通して冷却風を一方のランプ212B(副走査方向下流側のランプ212)に送風するようになっている。
ここで、案内ダクト270を通って一方のランプ212Aへ案内された冷却風は、下部ケース226のランプ212が配置される内部スペース274を通して他方のランプ212Bへ流れる。その後、冷却風は、他方のランプ212Bよりも上方に位置する駆動モータ260へ流れる。すなわち、駆動モータ260は、他方のランプ212Bよりも送風方向下流に配置されている。なお、図2では、冷却風の送風方向を矢印CAで示している。
本実施形態の作用について説明する。
図2に示されるように、読み取りセンサ200は、照射部202の下方を通過する記録媒体Pに対し、一対のランプ212により光を照射する。記録媒体Pで反射された光は光軸OAに沿って結像部208に導かれ、該結像部208の結像光学系206によってCCDセンサ204に結像される。CCDセンサ204は、画像の位置毎の画像濃度に応じた信号を画像形成装置10の制御装置192に出力する。制御装置192では、CCDセンサ204からの信号に基づいて画像濃度、画像形成位置などが補正される。
一方、読み取りセンサ200を構成するCCDセンサ204のキャリブレーションの際には、先ず、駆動モータ260が作動して保持部材232と共に校正用部材230が主走査方向に移動する。また、CCDセンサ204は、Z方向(主走査方向)の光量分布を補正するシェーディング補正信号が出力されるように調整される。ここで、保持部材232が軸部材234に案内されながら主走査方向に移動し、校正用部材230で反射された光がCCDセンサ204によって検知される。このとき、保持部材232(具体的には、突出部236)がウインドウガラス286の上面286Bに接触した状態で移動するため、例えば、保持部材232がウインドウガラス286に非接触の状態で移動する構成と比べて、保持部材232の移動にともなう校正用部材230とランプ212との間の距離の変動を抑制できる。特に、ウインドウガラス286のような光学部品は、下部ケース226の他の部位及び他の部材と比べて、ランプ212からの距離が決定された値となるように高精度に配置されているため、保持部材232の移動にともなう校正用部材230とランプ212との間の距離の変動を効果的に抑制できる。
また、保持部材232の移動時には、保持板部244の突出部256がウインドウガラス286の下面286Aに接触しているため、例えば、保持板部244に突出部256が形成されない構成と比べて、校正用部材230とランプ212と間の距離の変動を抑制できる。特に高精度に配置されるウインドウガラス286に突出部256を接触させるため、例えば、下部ケース226の他の部位及び他の部材に突出部256を接触させる構成と比べて、校正用部材230とランプ212と間の距離の変動を効果的に抑制できる。
また、保持部材232は、突出部236と突出部256とでウインドウガラス286を装置高さ方向で挟んでいるため、例えば、ウインドウガラス286を装置高さ方向で挟まない構成と比べて、保持部材232の移動にともなう振動(軸部材234を回転中心とした振動)を抑制できる。
また、本実施形態では、駆動モータ260をランプ212よりも冷却ファン268の送風方向下流に配置していることから、例えば、送風方向上流に配置する構成と比べて、駆動モータ260の熱がランプ212に伝わるのを抑制できる。
さらに、本実施形態では、保持部材232(具体的には、保持板部244に設けられた校正用部材230)が記録媒体Pよりもランプ212側を移動することから、例えば、保持部材232が記録媒体Pを挟んでランプ212と反対側を移動する構成と比べて、記録媒体Pが長手方向に長い連帳紙などであっても、セット中に校正用部材230に光を照射できる。
またさらに、本実施形態の画像形成装置10では、読み取りセンサ200を備えることから、例えば、読み取りセンサ200を備えない構成と比べて、校正を安定して行うことができる。
前述の実施形態では、スライド部242の下部に突出部236を形成する構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、スライド部242の下部に突出部236を形成せずに、代わりに、ウインドウガラス286の上面286Bに主走査方向に連続して延びる突条部を形成し、この突条部にスライド部242の下面を接触させる構成としてもよい。
前述の実施形態では、保持板部244の横板部254に突出部256を形成する構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図8に示されるように、横板部254に突出部256を形成しない構成としてもよい。また、横板部254に突出部256を形成せずに、代わりに、ウインドウガラス286の下面286Aに主走査方向に連続して延びる突条部を形成し、この突条部に横板部254の上面254Aを接触させる構成としてもよい。
また前述の実施形態では、保持板部244の突出部256をウインドウガラス286の下面286Aに接触させる構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、下部ケース226の主走査方向に連続して延びる壁面などに保持板部244の突出部256を接触させてもよい。また、保持板部244の横板部254に突出部256を形成せずに、横板部254の上面254Aを下部ケース226の主走査方向に連続して延びる壁面などに接触させてもよい。またさらに、図10に示されるように、保持板部244の横板部254の下面254Bに突出部276を形成し、ウインドウガラス286に対向配置されて記録媒体Pの搬送方向を案内する案内部材の一例としてのシュート278の上面278Aに接触させてもよい。
前述の実施形態では、校正用部材230全体を白色フィルムとしているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図9に示されるように、校正用部材230の一部分を白色フィルムとし、他の部分を各色に応じて予め定められた信号が結像光学系206から出力される基準色のパターンが施されたフィルムとしてもよい。
また、ランプ212として主走査方向に沿って配列された複数の白色LEDを用いた場合には、例えば、主走査方向に移動する校正用部材230の上方に位置する白色LEDを発光させる構成としてもよい。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、製造工程の順序を適宜変更することが可能である。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。