JP6717381B2 - 無線給電装置及び無線給電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線給電装置及び無線給電方法に関する。
海水等の媒質中においてエネルギーを無線で送る技術が、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。これらの技術において、エネルギーを送受電する送電アンテナと受電アンテナは、導線を複数巻きしたコイルからなる。この送電アンテナのコイルに交流電力を印加することで、このコイルを鎖交する磁界が発生する。この磁界が、受電アンテナのコイルと鎖交することで受電アンテナのコイルに誘導電流が生じ、電力供給が行われる。
しかしながら、これらの技術においては、送電アンテナと受電アンテナとの間の距離を2cm程度しか離すことができなかった。そのため、海中で駆動する移動体やセンサに対して、送電アンテナの位置精度あわせを高精度にしなければならず、また、アンテナ上への生物付着が起こった場合に所望の給電特性を得ることが難しく、安定的に電力を供給することが困難であった。
仮に、送電アンテナと受電アンテナを5cm以上離間して給電することができれば、海中で駆動する移動体の位置合わせ精度や、生物付着に対する制約が大幅に軽減される。
上記の関連技術に関して、海水中で十分な電力供給効率が得られなかった要因を詳細に検討した結果、海水が空気等の媒質に比べて高い導電率を有しており、海水中を磁界や電界(電磁界)が通過する際に、渦電流や拡散電流が生じ、損失が発生するためであることが分かった。ここで、空気の導電率は0、比誘電率は約1であり、一方、海水の導電率は約4S/mである。
さらに前述のように高い導電率を持つ海水中を通過する電磁界の損失を低減させる方法について検討を行った結果、海水中を通過する電磁界の減衰は、下記式(1)に記載の式に比例して発生することが分かった。
Figure 0006717381
ここでdは送電アンテナと受電アンテナの距離、fは周波数、μは海水の透磁率、σは海水の電気伝導率である。
図8は、この式(1)を用いて、周波数と海水中で電磁界が進行した場合の減衰率との関係を示したグラフである。
図8より明らかなように、例えば海水中で5cm以上送電アンテナと受電アンテナが離間した場合に十分な伝送効率を得るためには、100KHz未満の低周波で動作するアンテナが必要である。しかしながら、アンテナの動作周波数とアンテナのサイズにはトレードオフ関係があり、これまで、海水中の移動体やセンサのサイズに適合する小型、かつ、海水中で5cm以上送電アンテナと受電アンテナが離間していた場合であっても数10%以上の現実的な給電効率での給電は困難であった。
この問題点を解決する技術が例えば特許文献3に開示されている。特許文献3に開示される電力伝送装置は、送電アンテナから発せられた磁界を受電アンテナにカップリングさせ、アンテナ間に存在する媒質のインピーダンスで決まる共振インピーダンスにおいて共振させることで、海水等の導電性媒質中であっても高効率に電力伝送を行う。
特開2002−305121号公報 特表2010−523030号公報 国際公開第2014/034491号
特許文献3に開示されているようなループアンテナは、そのループ長に関係なく、高周波を入力することで時間変動する誘導磁界を生じ、媒質中に磁界を放出することが可能である。一方で、ループアンテナの物理長は、一般的には入力される高周波の波長に対して短く(0.1波長未満)、ループアンテナ内部で入力された高周波が定在波を生じることは無い。ループアンテナ内部では、定在波を生じないために、電圧が極大値を取らないことから、入力インピーダンス、すなわち、入力端から見たループアンテナの内部インピーダンスは小さくなる。
またこの入力インピーダンスは、空気のインピーダンス(377Ω)や海水のインピーダンス(50Ω)に対して低い値を取る。媒質とアンテナ入力端とのインピーダンス不整合が生じると、その端面において電力反射が生じ、伝送効率が低下する。
このインピーダンス不整合を解消するために、例えばマッチング回路と呼ばれるコンデンサ及びインダクタ等を活用した回路が提案されているが、専用回路の設計が必要となり、また、例えば100KHz未満の低周波帯においては、その回路サイズが大型化するという別の問題が発生する。
本発明の目的は、媒質中で磁界アンテナを電力伝送に用いた場合であっても、簡便にインピーダンスマッチングが可能な無線給電装置を提供することにある。
本発明の無線給電装置は、媒質中でエネルギーを無線で送る送電アンテナのインピーダンスと前記送電アンテナから送られたエネルギーを受けとる受電アンテナのインピーダンスと前記媒質のインピーダンスで決まる周波数で共振してエネルギーを無線で送る無線給電装置であって、前記送電アンテナおよび前記受電アンテナは、複数のアンテナ用コイルと、前記複数のアンテナ用コイル間に配置された少なくとも1つの誘電体を有する複数の共振アンテナ部を有し、前記複数の共振アンテナ部のうち少なくとも一つは、負荷を調整する負荷調整機構を備える。
また本発明の無線給電方法は、媒質中でエネルギーを無線で送る送電アンテナと、前記送電アンテナから送られたエネルギーを受けとる受電アンテナとが、複数のアンテナ用コイルと前記複数アンテナ用コイル間に配置された少なくとも1つの誘電体を有する複数の共振アンテナ部を包含し、前記複数の共振アンテナ部のうち少なくとも1つの負荷を調整し、前記送電アンテナのインピーダンスと前記受電アンテナのインピーダンスと前記媒質のインピーダンスで決まる周波数で共振してエネルギーを無線で送る。
本発明によれば、媒質中で磁界アンテナを電力伝送に用いた場合であっても、簡便にインピーダンスマッチングが可能となる。
図1は、第1の実施形態による無線給電装置の構成を示す図である。 図2は、無線電力が図1の共振アンテナ部1051から共振アンテナ部1052へ伝搬する際の等価回路図である。 図3は、本発明の第2の実施形態による無線給電装置の構成を示す図である。 図4は本発明の第3の実施形態による無線給電装置の構成を示す図である。 図5は本発明の第4の実施形態による無線給電装置の構成を示す図である。 図6は、本発明を適用した適用例の概要を示す図である。 図7は、本発明に係る各種媒質の導電率と比誘電率をまとめた表を示す図である。 図8は、周波数と海水中で電磁界が進行した場合の減衰率との関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態による無線給電装置を、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、良導体媒質は海水であることを前提として説明するが、本発明はこれに限定されない。図7は、本発明に係る各種媒質の導電率と比誘電率をまとめた表を示す図である。本発明に係る良導体媒質は、図7の表に示す河川、淡水、水道水、土、コンクリートのように、導電率が1×10−4S/m以上で、比誘電率が1より大きな物質であってもよい。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態による無線給電装置を、図面を参照して説明する。図1は第一実施形態による無線給電装置の構成を示す図である。
図1に示すように海中無線給電装置101は、送電アンテナ103及び受電アンテナ104を備えている。また、送電アンテナ103及び受電アンテナ104は、海水などの良導体媒質102に覆われている。送電アンテナ103は、媒質中でエネルギーを無線で送る。受電アンテナ104は、送電アンテナから送られたエネルギーを受けとる。海中無線給電装置101は、送電アンテナ103のインピーダンスと受電アンテナ104のインピーダンスと良導体媒質102のインピーダンスで決まる周波数で共振してエネルギーを無線で送る。なお以下、エネルギーを無線で送る動作を電力伝送動作ともいう。
送電アンテナ103は、共振アンテナ部1051、1052を備えている。また、受電アンテナ104は、送電アンテナ103と同じく、共振アンテナ部1053、1054を備えている。
共振アンテナ部1051から1054は、それぞれ2つ以上のアンテナ用コイル1061と、少なくとも1つの誘電体1071と、を備えている。アンテナ用コイル1061は、銅線などの導体を複数回巻いたものであり、一般的に、ヘリカルコイル、スパイラルコイル等が用いられるが、本実施形態においては、これらに限定されることはない。各共振アンテナ部に配置されている2つ以上のアンテナ用コイル間のうち、少なくとも2つのアンテナ用コイル間は絶縁され、その2つのアンテナ用コイル間に誘電体1071が配置されている。
ここで、送電アンテナは、受電アンテナとしての機能を備えていてもよいし、受電アンテナは送電アンテナとしての機能を備えていてもよい。また、送電アンテナと受電アンテナが、同一の構成であってもよい。
誘電体1071は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリルなどの、比誘電率が2〜10程度で、誘電正接が0.01以下の誘電体で構成する。
負荷調整機構1081は、機械的、電気的、またはその他の方法で共振アンテナ部の負荷を調整し、入力インピーダンス、または、出力インピーダンスを調整する機構を有する。なお、本実施形態においては、各共振アンテナ部が負荷調整機構1081を有する形態として記述を行ったが、その限りではなく、一部の共振アンテナ部のみが負荷調整機構1081を有する形態であっても良い。また、本実施形態においては、負荷調整機構1081が共振アンテナ部の内部に設置されている形態として記述を行ったが、その限りではなく、負荷調整機構1081の一部、または、全部が共振アンテナ部の外部に設置されているような構成としても良い。
なお、本実施形態においては、例えば送電アンテナ103を構成する共振アンテナ部1051、共振アンテナ部1052は良導体媒質102を介して設置されているような構成として記述を行ったが、必ずしもその限りではない。共振アンテナ部1051、および、共振アンテナ部1052の一部、または、全部が良導体媒質102に接触する構成としても良い。また例えば、送電アンテナ103が、三つ以上の共振アンテナ部を備えていても良い。
また、本実施形態においては、各共振アンテナ部が正対しているものとして記述を行ったが、必ずしもその限りではなく、共振アンテナ部が正対していない形態、すなわち、特定軸に対してずれを生じていても良い。
次に、本実施形態による海中無線給電装置101の具体的な動作について順を追って説明する。
まず、送電アンテナ103において、交流電源(図示せず)が所定の周波数で交流電力を出力する。次に、出力された交流電力は送電アンテナ103の入力端子である送電端から共振アンテナ部1051内部のアンテナ用コイル1061に供給される。送電アンテナ103を構成する共振アンテナ部1051内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部1051内部のアンテナ用コイル1061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質102)へと送出する。次に、共振アンテナ部1052は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部1052内部のアンテナ用コイル1061において送入する。
ここで、以上の電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、共振アンテナ部1051、1052に備えられた負荷調整機構1081は、共振アンテナ部1051、1052のインピーダンスを調整する。この調整により良導体媒質102と共振アンテナ部1051、1052とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部1051、共振アンテナ部1052、良導体媒質13の各インピーダンスの合成インピーダンスが、伝送電力の周波数で共振するようになる。
同様に、共振アンテナ部1052内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部1052内部のアンテナ用コイル1061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質102)へと送出する。そして、受電アンテナ104を構成する共振アンテナ部1053は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部1053内部のアンテナ用コイル1061において送入する。ここでも、電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、共振アンテナ部1052、1053に備えられた負荷調整機構1081は、共振アンテナ部1052、1053のインピーダンスを調整する。この調整により、良導体媒質102と共振アンテナ部1052、1053とのインピーダンスが整合し、また共振アンテナ部1052、共振アンテナ部1053、良導体媒質13の各インピーダンスの合成インピーダンスが、伝送電力の周波数で共振するようになる。
さらに同様に、共振アンテナ部1053内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部1053内部のアンテナ用コイル1061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質102)へと送出する。そして、共振アンテナ部1054は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部1054内部のアンテナ用コイル1061において送入する。ここでも同様に電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、共振アンテナ部1053、1054に備えられた負荷調整機構1081は、共振アンテナ部1053、共振アンテナ部1054の負荷を調整する。この調整により良導体媒質102と共振アンテナ部1053、1054とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部1053、共振アンテナ部1054、良導体媒質13の各インピーダンスの合成インピーダンスが、伝送電力の周波数で共振するようになる。
最後に共振アンテナ部1054のアンテナ用コイル1061に送入された電力は、目的とする負荷(例えば、バッテリー等)に供給され、電力伝送が完了する。
なお電力伝送動作中に海水中を通過する電磁界は、送電アンテナ103内部のアンテナ用コイルの共振作用、および、受電アンテナ104内部のアンテナ用コイルの共振作用により決まる送電周波数に対して、式(1)で決まる損失を生じる。
以上、説明したように第一実施形態によれば、送電アンテナ、および、受電アンテナが4つ以上のアンテナ用コイルを有しており、各々のアンテナ用コイルの共振作用により送電周波数が決定され、かつ、アンテナ用コイル端のいずれか、または、全部におけるインピーダンス調整機構が具備されている。このような構成から、海水中で磁界アンテナを電力伝送に用いた場合であっても、簡便に海水とのインピーダンスマッチングが可能となり、結果として高い電力伝送効率を得ることが可能となる。
ここで、共振アンテナ部1051から送出された無線電力が共振アンテナ部1052へと伝搬する際の等価回路を図2に示す。図2は、無線電力が共振アンテナ部1051から共振アンテナ部1052へ伝搬する際の、当該無線電力にとっての等価回路図である。
図2で示すように、送電アンテナ103、または、受電アンテナ104は、4つのアンテナ用コイル1061で構成されており、それぞれのアンテナ用コイル1061が磁気的結合を通じて共振する構造となっている。この時、図2の右側に示す負荷調整機構1081によるインピーダンスの調整結果は、図2の左側に示した送電アンテナ103の入力端子である送電端へと、磁気的結合を介して伝達され、送電端の見かけの入力インピーダンスを調整することとなる。別の言い方をすると、図2の左側に示した送電端における見かけの入力インピーダンスは、複数の磁気的結合を介した負荷調整機構1081によるインピーダンス変動に対応することとなる。
本実施形態によれば、前述の負荷調整機構1081の働きにより、図2の左側に示した送電端における見かけの入力インピーダンスを簡便に可変することができる。例えば、負荷調整機構1081に、無損失の50Ωを接続することで、図2の左側に示した送電端の入力インピーダンスを50Ωに近づけることができる。これは、磁気的結合が無損失の伝送路と等価であることから容易に想像できる。従って、良導体媒質102である海水のインピーダンスである約50Ωに入力インピーダンスを近づけたい場合は、50Ωを負荷調整機構1081に接続すればよい。また、空気のインピーダンスである約377Ωに近づけたい場合は、377Ωを負荷調整機構1081に接続すれば良い。
また、本実施形態によれば、アンテナ用コイル1061の巻き数やサイズを各アンテナ用コイル1061において非同一とすることでもインピーダンス調整が可能となる。よく知られているように、巻き数が異なるコイル、一般的にはトランスと呼ばれる構造に高周波を印可すると、電圧や電流が前述のコイルの巻き数比等に応じて可変となる。例えば、巻き数比が1:2のトランスの場合、電圧が2倍に変換されることが知られている。この原理に基づき、例えばアンテナ用コイルの巻き数を1:2にしておけば、これを透過する高周波の電圧は2倍となり、エネルギー保存の法則から、インピーダンスは4倍となる。
また、本実施形態によれば、共振アンテナ部1051から1054が正対していない形態、すなわち、特定軸に対してずれを生じている場合であっても、インピーダンス調整が可能となる。前述した通り、図2の左側に示した送電端における見かけの入力インピーダンスは、複数の磁気的結合を介した負荷調整機構1081によるインピーダンス変動に対応することとなる。共振アンテナ部1051から1054が正対していない形態、すなわち、特定軸に対してずれを生じている場合、各共振アンテナ部1051から1054の磁気的結合量が変動することと等価である。このことから、送電端における見かけの入力インピーダンスは、負荷調整機構1081によるインピーダンス調整結果に加えて、磁気的結合量の変動結果にも影響を受けることとなる。従って、以上の説明と同様に、入力インピーダンスの調整が可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2の実施形態による無線給電装置を、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の第2の実施形態による海中無線給電装置の構成を示す図である。
図3に示すように本実施形態の海中無線給電装置201は、アンテナ用コイル2061が、多層化された半導体プロセスにより形成されたヘリカルコイル、スパイラルコイルなどで構成されており、各層が金属ビアなどで接続されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であり、海中無線給電装置201は、送電アンテナ203及び受電アンテナ204を備えている。また、送電アンテナ203及び受電アンテナ204は、例えば海水などの良導体媒質202に覆われている。送電アンテナ203は、共振アンテナ部2051、共振アンテナ部2052を備えている。また、受電アンテナ204は、送電アンテナ203と同じく、共振アンテナ部2053、共振アンテナ部2054を備えている。共振アンテナ部2051から2054は、2つ以上のアンテナ用コイル2061及び誘電体2071を備えている。また共振アンテナ部2051は、負荷調整機構2081を備えている。各共振アンテナ部に配置されている2つ以上のアンテナ用コイル間のうち、少なくとも2つのアンテナ用コイル間は絶縁している。
本実施形態においても、送電アンテナは、受電アンテナとしての機能を備えていてもよいし、受電アンテナは送電アンテナとしての機能を備えていてもよい。また、送電アンテナと受電アンテナが、同一の構成であってもよい。
誘電体2071は、第1の実施形態と同様であり、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリルなどの、比誘電率が2〜10程度で、誘電正接が0.01以下の誘電体で構成する。
負荷調整機構2081は、第1の実施形態と同様であり、機械的、電気的、またはその他の方法で共振アンテナ部2051の負荷を調整し、入力インピーダンス、または、出力インピーダンスを調整する機構を有する。なお、本実施形態においては、共振アンテナ部2051が負荷調整機構2081を有する形態として記述を行ったが、その限りではなく、各共振アンテナ部2051から2054がそれぞれ負荷調整機構2081を有する形態であっても良い。また、本実施形態においては、負荷調整機構2081が共振アンテナ部2051の内部に設置されている形態として記述を行ったが、その限りではなく、負荷調整機構2081の一部、または、全部が共振アンテナ部2051の外部に設置されているような構成としても良い。
なお、本実施形態においても、例えば送電アンテナ203を構成する共振アンテナ部2051、および、共振アンテナ部2052は海水を介して設置されているような構成として記述を行ったが、必ずしもその限りではなく、共振アンテナ部2051、および、共振アンテナ部2052の一部、または、全部が接触していても良い。また例えば、送電アンテナ203が、三つ以上の共振アンテナ部を備えていても良い。
また、本実施形態においても、各共振アンテナ部が正対しているものとして記述を行ったが、必ずしもその限りではなく、共振アンテナ部が正対していない形態、すなわち、特定軸に対してずれを生じていても良い。
なお、第2の実施形態による海中無線給電装置201の具体的な動作は上述の第1の実施形態の具体的な動作と同じである。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、送電アンテナ、および、受電アンテナを低コストかつ安定的に作製することが可能となる。送電アンテナおよび受電アンテナを構成するアンテナ用コイルは、例えば銅線等の材料で作成されるが、一般的な銅線材料を使用した場合、その平坦性や曲げ性が悪いため、不良を起こしやすい。多層配線とし、半導体プロセスを使用することで、低コストに、かつ、安定的に送電アンテナ、および、受電アンテナを作成することが可能となる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態による無線給電装置を、図面を参照しながら説明する。図4は本発明の第3の実施形態による海中無線給電装置の構成を示す図である。
図4に示すように本実施形態の海中無線給電装置301は、送電アンテナ303が共振アンテナ部3051と共振アンテナ部3052間の距離を調整する機能を有する距離調整機構3091を備えている点で第1、第2の実施形態と異なる。距離調整機構3091は、具体的には、機械的、またはその他の機構を用いて共振アンテナ部3051と共振アンテナ部3052との距離を調整する。
なお、本実施形態においては、送電アンテナ303のみが距離調整機構3091を有する形態として記述を行ったが、その限りではなく、受電アンテナ304が共振アンテナ部3053と共振アンテナ部3054間の距離を調整する機能を有する距離調整機構3091を有する形態であっても良い。
その他の構成は、第1、第2の実施形態と同様であり、海中無線給電装置301は、送電アンテナ303及び受電アンテナ304を備えている。また、送電アンテナ303及び受電アンテナ304は、例えば海水などの良導体媒質302に覆われている。送電アンテナ303は、共振アンテナ部3051、3052を備えている。また、受電アンテナ304は、送電アンテナ303と同じく、共振アンテナ部3053、3054を備えている。共振アンテナ部3051から3054は、2つ以上のアンテナ用コイル3061、誘電体3071、および、負荷調整機構3081を備えている。アンテナ用コイル3061は、第2の実施形態と同様に、多層化された半導体プロセスにより形成されたヘリカルコイル、スパイラルコイルなどで構成され、各層が金属ビアなどで接続されていてもよい。各共振アンテナ部に配置されている2つ以上のアンテナ用コイル間のうち、少なくとも2つのアンテナ用コイル間は絶縁している。
本実施形態においても、送電アンテナ303は、受電アンテナ304としての機能を備えていてもよいし、受電アンテナ304は送電アンテナ303としての機能を備えていてもよい。また、送電アンテナ303と受電アンテナ304が、同一の構成であってもよい。
誘電体3071は、第1、第2の実施形態と同様であり、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリルなどの、比誘電率が2〜10程度で、誘電正接が0.01以下の誘電体で構成する。
負荷調整機構3081は、第1、第2の実施形態と同様であり、機械的、電気的、またはその他の方法で共振アンテナ部3051から3054の負荷を調整し入力インピーダンス、または、出力インピーダンスを調整する機構を有する。なお、本実施形態においては、各共振アンテナ部が負荷調整機構3081を有する形態として記述を行ったが、その限りではなく、一部の共振アンテナ部のみが負荷調整機構3081を有する形態であっても良い。また、本実施形態においては、負荷調整機構3081が共振アンテナ部の内部に設置されている形態として記述を行ったが、その限りではなく、負荷調整機構3081の一部、または、全部が共振アンテナ部の外部に設置されているような構成としても良い。
なお、本実施形態においても、例えば送電アンテナ303を構成する共振アンテナ部3051、および、共振アンテナ部3052は良導体媒質302を介して設置されているような構成として記述を行ったが、必ずしもその限りではない。共振アンテナ部3051、および、共振アンテナ部3052の一部、または、全部が良導体媒質302に接触する構成としても良い。また例えば、送電アンテナ303が、三つ以上の共振アンテナ部を備えていても良い。
また、本実施形態においても、各共振アンテナ部3051から3054が正対しているものとして記述を行ったが、必ずしもその限りではなく、共振アンテナ部3051から3054が正対していない形態、すなわち、特定軸に対してずれを生じていても良い。
次に、第3の実施形態による海中無線給電装置301の具体的な動作について説明する。本実施形態の海中無線給電装置301の動作は、電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に負荷調整機構3081とともに距離調整機構3091も用いてインピーダンスの調整を行う点で第1、第2の実施形態と異なるが、他は第1、第2の実施形態と同様である。
まず、第1、第2の実施形態と同様に、送電アンテナ303において、交流電源(図示せず)が所定の周波数で交流電力を出力し、出力された交流電力は共振アンテナ部3051内部のアンテナ用コイル3061に供給される。送電アンテナ303を構成する共振アンテナ部3051内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部3051内部のアンテナ用コイル3061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質302)へと送出する。共振アンテナ部3052は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部3052内部のアンテナ用コイル3061に送入する。
ここで、本実施形態では、共振アンテナ部3051から共振アンテナ部3053への電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、距離調整機構3091が共振アンテナ部3051と共振アンテナ部3052との距離を調整し、共振アンテナ部3051、3052に備えられた負荷調整機構3081が共振アンテナ部3051、3052の負荷を調整する。この調整により良導体媒質102と共振アンテナ部3051、3052とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部3051、共振アンテナ部3052、良導体媒質302の各インピーダンスの合成インピーダンスが伝送電力の周波数で共振するようになる。
以下は第1、第2の実施形態と同様、次に、共振アンテナ部3052内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部3052内部のアンテナ用コイル3061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質302)へと送出する。そして、受電アンテナ304を構成する共振アンテナ部3053は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部3053内部のアンテナ用コイル3061に送入する。
この電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、共振アンテナ部3052、3053に備えられた負荷調整機構3081は、共振アンテナ部3052、3053の負荷を調整する。この調整により良導体媒質102と共振アンテナ部3052、3053とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部3052、共振アンテナ部3053、良導体媒質302の各インピーダンスの合成インピーダンスが、伝送電力の周波数で共振するようになる。
さらに共振アンテナ部3053内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部3053内部のアンテナ用コイル3061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質302)へと送出する。そして、共振アンテナ部3054は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部3054内部のアンテナ用コイル3061において送入する。ここでも同様に電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、共振アンテナ部3053、3054に備えられた負荷調整機構3081は、共振アンテナ部3053、3054の負荷を調整する。この調整により良導体媒質102と共振アンテナ部3053、3054とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部3053、共振アンテナ部3054、良導体媒質302の各インピーダンスの合成インピーダンスが、伝送電力の周波数で共振するようになる。
最後に共振アンテナ部3054のアンテナ用コイル3061に送入された電力は、目的とする負荷(例えば、バッテリー等)に供給され、電力伝送が完了する。
本実施形態によれば、第1、または、第2の実施形態の効果に加えて、別の負荷調整手段を提供することが可能となる。第1、または、第2の実施形態では、アンテナの入出力端に負荷調整機構が備わっている形態を前提として説明を実施したが、システム運用者の観点から見れば、システムコスト・簡便性・機構サイズ等の様々な影響を考慮してシステムの設計を実施することが必要となる。このような前提において、本実施形態では、アンテナ間の距離調整による負荷調整機能を提供することができる。
<第4実施形態>
次に、第4の実施形態による無線給電装置を、図面を参照しながら説明する。図5は本発明の第4の実施形態による海中無線給電装置の構成を示す図である。
図5に示すように本実施形態の海中無線給電装置401は、送電アンテナ403の共振アンテナ部4051と共振アンテナ部4052間に、海水などの良導体媒質402を注入する、あるいは、排出する機能を有する媒質注排出機構4101を備えている点で他の実施形態と異なる。
なお、本実施形態においては、送電アンテナ403のみが媒質注排出機構を有する形態として記述を行ったが、その限りではなく、受電アンテナ404の共振アンテナ部4053と共振アンテナ部4054間に、良導体媒質402を注入する、あるいは、排出する機能を有する媒質注排出機構4101を備える形態であっても良い。
その他の構成は、第1から第3の実施形態と同様であり、海中無線給電装置401は、送電アンテナ403及び受電アンテナ404を備えている。また、送電アンテナ403及び受電アンテナ404は、例えば海水などの良導体媒質402に覆われている。送電アンテナ403は、共振アンテナ部4051、4052を備えている。また、受電アンテナ404は、送電アンテナ403と同じく、共振アンテナ部4053、4054を備えている。共振アンテナ部4051から4054は、2つ以上のアンテナ用コイル4061、誘電体4071、および、負荷調整機構4081を備えている。アンテナ用コイル4061は、第2の実施形態と同様に、多層化された半導体プロセスにより形成されたヘリカルコイル、スパイラルコイルなどで構成され、各層が金属ビアなどで接続されていてもよい。各共振アンテナ部に配置されている2つ以上のアンテナ用コイル間のうち、少なくとも2つのアンテナ用コイル間は絶縁している。
本実施形態においても、送電アンテナ403は、受電アンテナ404としての機能を備えていてもよいし、受電アンテナ404は送電アンテナ403としての機能を備えていてもよい。また、送電アンテナ403と受電アンテナ404が、同一の構成であってもよい。
誘電体4071は、第1から第3の実施形態と同様であり、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリルなどの、比誘電率が2〜10程度で、誘電正接が0.01以下の誘電体で構成する。
負荷調整機構4081は、第1から第3の実施形態と同様であり、機械的、電気的、またはその他の方法で共振アンテナ部4051から4054の負荷を調整し入力インピーダンス、または、出力インピーダンスを調整する機構を有する。なお、本実施形態においては、各共振アンテナ部が負荷調整機構4081を有する形態として記述を行ったが、その限りではなく、一部の共振アンテナ部のみが負荷調整機構4081を有する形態であっても良い。また、本実施形態においては、負荷調整機構4081が共振アンテナ部の内部に設置されている形態として記述を行ったが、その限りではなく、負荷調整機構4081の一部、または、全部が共振アンテナ部の外部に設置されているような構成としても良い。
なお、本実施形態においても、例えば送電アンテナ403を構成する共振アンテナ部4051、および、共振アンテナ部4052は良導体媒質402を介して設置されているような構成として記述を行ったが、必ずしもその限りではない。共振アンテナ部4051、および、共振アンテナ部4052の一部、または、全部が良導体媒質402に接触する構成としても良い。また例えば、送電アンテナ403が、三つ以上の共振アンテナ部を備えていても良い。
また、本実施形態においても、各共振アンテナ部4051から4054が正対しているものとして記述を行ったが、必ずしもその限りではなく、共振アンテナ部4051から4054が正対していない形態、すなわち、特定軸に対してずれを生じていても良い。
次に、第4の実施形態による海中無線給電装置401の具体的な動作について説明する。本実施形態の動作は、送電アンテナ403を構成する共振アンテナ部4051から共振アンテナ部4052への電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に負荷調整機構4081とともに媒質注排出機構4101も用いてアンテナインピーダンスの調整を行う点で他の実施形態と異なっている。
まず、第1から第3の実施形態と同様に、送電アンテナ403において、交流電源(図示せず)が所定の周波数で交流電力を出力し、出力された交流電力は共振アンテナ部4051内部のアンテナ用コイル4061に供給される。送電アンテナ403を構成する共振アンテナ部4051内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部4051内部のアンテナ用コイル4061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質402)へと送出する。共振アンテナ部4052は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部4052内部のアンテナ用コイル4061に送入する。
ここで、本実施形態では、共振アンテナ部4051から共振アンテナ部4052への電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、媒質注排出機構4101が共振アンテナ部4051と共振アンテナ部4052との間に良導体媒質402を注入、又は排出する。またこれとともに、共振アンテナ部4051、4052に備えられた負荷調整機構4081が共振アンテナ部4051、4052の負荷を調整する。この調整により良導体媒質402と共振アンテナ部4051、4052とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部4051、共振アンテナ部4052、良導体媒質402の各インピーダンスの合成インピーダンスが伝送電力の周波数で共振するようになる。
以下は第1から第3の実施形態と同様、次に、共振アンテナ部4052内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部4052内部のアンテナ用コイル4061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質402)へと送出する。そして、受電アンテナ404を構成する共振アンテナ部4053は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部4053内部のアンテナ用コイル4061に送入する。
この電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に共振アンテナ部4052、4053に備えられた負荷調整機構4081は、共振アンテナ部4052、4053の負荷を調整する。この調整により良導体媒質402と共振アンテナ部4052、4053とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部4052、共振アンテナ部4053、良導体媒質402の各インピーダンスの合成インピーダンスが、伝送電力の周波数で共振するようになる。
さらに共振アンテナ部4053内部のアンテナ用コイルの共振作用により共振アンテナ部4053内部のアンテナ用コイル4061は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部(良導体媒質402)へと送出する。そして、共振アンテナ部4054は、送出された電磁エネルギーを、共振アンテナ部4054内部のアンテナ用コイル4061において送入する。ここでも同様に電力伝送動作中、または、電力伝送動作の前後に、共振アンテナ部4053、4054に備えられた負荷調整機構4081は、共振アンテナ部4052、4053の負荷を調整する。この調整により良導体媒質402と共振アンテナ部4053、4054とのインピーダンスが整合し、また、共振アンテナ部4053、共振アンテナ部4054、良導体媒質402の各インピーダンスの合成インピーダンスが、伝送電力の周波数で共振するようになる。
最後に共振アンテナ部4054のアンテナ用コイル4061に送入された電力は、目的とする負荷(例えば、バッテリー等)に供給され、電力伝送が完了する。
以上、説明したように本実施形態によれば、第1から第3の実施形態の効果に加えて、更に別の負荷調整手段を提供することが可能となる。第1、第2の実施形態では、アンテナの入出力端に負荷調整機構が備わっている形態、また、第3の実施形態ではアンテナ間の距離を調整する距離調整機構を前提として説明したが、システム運用者の観点から見れば、システムコスト・簡便性・機構サイズ等の様々な影響を考慮してシステムの設計を実施することが必要となる。このような前提において、本実施形態では、海水注排出による負荷調整機能を提供することができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
例えば第4の実施形態において媒質注排出機構4101は、送電アンテナ403が共振アンテナ部4051と共振アンテナ部4052間に、海水を注入する、あるいは、排出してインピーダンスを調整すると説明したが、海水に限らず、真水など他の媒質を注排出してインピーダンスを調整してもよい。
<上記の実施形態の適用例>
図6は、上記の実施形態を適用した適用例の概要を示す図である。以下の適用例は第1の実施形態が適用された適用例であるが、他の実施形態が適用されてもよい。
図6は、一例として潜水艇から潜水艇への電力供給に上記の実施形態を適用した適用例を示している。図6に示すように、潜水艇123、124には、第1の実施形態の送電アンテナ103、受電アンテナ104が具備されている。まず潜水艇123が、通信等の手段(図示せず)を用いて潜水艇124に接近する。次に、潜水艇123が送電アンテナ103を使用して送電を開始する。次に、潜水艇124に具備された受電アンテナ104が受電し、潜水艇124に搭載されたバッテリー等(図示せず)に充電を行う。最後に、十分な充電がなされたと判断された場合に、潜水艇124は通信などの手段を用いて潜水艇123に命令をだし、送電アンテナ103が動作を停止する。
上記の実施形態を用いることで、潮流が起こって潜水艇123と潜水艇124の位置関係が変動した場合であっても、安定して電力供給を行うことが可能になる。
なお、潜水艇123と潜水艇124は、送電アンテナ103を受電アンテナとして用い、受電アンテナ104を送電アンテナとして用いてもよい。あるいは潜水艇123及び潜水艇124は、送電アンテナ103と受電アンテナ104の両方を具備しても良い。これらの構成によれば、双方向に電力供給を行うことが可能である。
なお、潜水艇から潜水艇への電力供給に限らず、船舶または海底に敷設されたセンサ装置等に受電アンテナが備えられ、潜水艇から船舶または海底に敷設されたセンサ装置等への電力供給に本発明が適用されてもよい。
この出願は、2016年9月15日に出願された日本出願、特願2016−180211を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
河川、淡水、水道水、土、コンクリートなど、導電率が1×10−4S/m以上で、比誘電率が1より大きな媒質中における無線電力伝送装置に利用することができる。
101、201、301、401 海中無線給電装置
102、202、302、402 良導体媒質
103、203、303、403 送電アンテナ
104、204、304、404 受電アンテナ
1051、1052、1053、1054 共振アンテナ部
1061、2061、3061、4061 アンテナ用コイル
1071、2071、3071、4071 誘電体
1081 負荷調整機構
2051、2052、2053、2054 共振アンテナ部
3051、3052、3053、3054 共振アンテナ部
3091 距離調整機構
4051、4052、4053、4054 共振アンテナ部
4101 媒質注排出機構
123、124 潜水艇

Claims (9)

  1. 媒質中でエネルギーを無線で送る送電アンテナのインピーダンスと前記送電アンテナから送られたエネルギーを受けとる受電アンテナのインピーダンスと前記媒質のインピーダンスで決まる周波数で共振してエネルギーを無線で送る無線給電装置において、
    前記送電アンテナおよび前記受電アンテナはそれぞれ、複数のアンテナ用コイル、及び前記複数のアンテナ用コイル間に配置された少なくとも1つの誘電体を有する複数の共振アンテナ手段を有し、
    複数の記共振アンテナ手段のうち少なくとも一つは、負荷を調整する負荷調整機構を備える、
    無線給電装置。
  2. 前記負荷調整機構は、機械的又は電気的に前記複数の共振アンテナ手段の入力インピーダンス又は出力インピーダンスを調整する機構を有する、請求項1に記載の無線給電装置。
  3. 前記アンテナ用コイルは、半導体プロセスにより積層して形成されたヘリカルコイル又はスパイラルコイルで構成され、同層の前記アンテナ用コイル間に誘電体が充填されている、請求項1又は請求項2に記載の無線給電装置。
  4. 前記複数の共振アンテナ手段間の距離を調整する距離調整機構を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線給電装置。
  5. 前記複数の共振アンテナ手段間に、海水を注入する、あるいは、排出する海水注排出機構を有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線給電装置。
  6. 前記媒質は、
    導電率が1×10−4S/mより高く、かつ、比誘電率が1より高い請求項1から請求項5のいずれかに記載の無線給電装置。
  7. 前記媒質が、海水、河川、淡水、水道水、土、コンクリートのいずれかである請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線給電装置。
  8. 潜水艇に前記送電アンテナを搭載し、海水中に設置したセンサ、船舶または潜水艇に前記受電アンテナを搭載し、前記送電アンテナから前記受電アンテナにエネルギーを無線で送る請求項1から請求項7のいずれかに記載の無線給電装置。
  9. 媒質中でエネルギーを無線で送る送電アンテナと、前記送電アンテナから送られたエネルギーを受けとる受電アンテナとがそれぞれ、複数のアンテナ用コイル、及び前記複数のアンテナ用コイル間に配置された少なくとも1つの誘電体を有する複数の共振アンテナ手段を包含し、
    前記複数の共振アンテナ手段のうち少なくとも1つの負荷を調整し、
    前記送電アンテナのインピーダンスと前記受電アンテナのインピーダンスと前記媒質のインピーダンスで決まる周波数で共振してエネルギーを無線で送る、
    無線給電方法。
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