JP6717237B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御装置に関し、特に、トルク増大異常の有無を監視する車両の制御装置に関するものである。
従来から、自動車等の車両では、実トルクを要求トルクに一致させるように、エンジンの出力トルクを制御するトルク制御が行われている。かかるトルク制御においては、実トルクと要求トルクとを比較して、要求トルクに対して実トルクが過大になる異常(以下、トルク増大異常ともいう)の有無を判定し、トルク増大異常有りと判定された場合には、フェイルセーフとしてエンジンの出力トルク(実トルク)を制限することが多い。
このような電子制御化された車両では、制御システムの動作信頼性の確保が要求されるところ、例えば特許文献1には、信号演算部で演算された制御信号に基づいてトルク制御を行う場合に、トルク増大異常の有無を判定するトルクモニタ部と、信号演算部の動作異常の有無を判定する信号異常診断部と、トルクモニタ部および信号異常診断部の動作状態を監視する監視ICのうちの少なくとも1つで異常有りと判定されたときにフェイルセーフ制御を実行する車両の制御装置が開示されている。
特開2010−043536号公報
ところで、上記特許文献1のもののように、トルク増大異常の有無の判定(以下、トルク増大異常判定ともいう)を行うものでは、例えば一般的な車間距離における安全性が保たれるように、一般的な車間距離を前提としてトルク増大異常判定に用いる判定基準を設計することが多い。
しかしながら、運転者の中には、車間距離が極端に短い運転者も少なからず存在するところ、前方に存在する物体(以下、前方物体ともいう)と自車両との距離が短い状況において、トルク増大異常が少しでも懸念される場合には、判定基準を厳しくして、速やかに出力トルクを制限することで、車両を安全状態に推移させるのが好ましい。
もっとも、このような判定基準の厳格化は、あくまで前方物体と自車両との距離が短い状況を前提とするところ、そもそも前方物体と自車両との距離を正確に認識することが困難な場合にも、闇雲に判定基準を厳しくしてしまうと、前方物体と自車両との距離が長い状況であるにも拘わらず、必要以上に出力トルクを制限することにつながるおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トルク増大異常有りと判定された場合に実トルクを制限する車両の制御装置において、安全性の向上を図りつつ、必要以上に出力トルクが制限されるのを抑制する技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る車両の制御装置では、前方物体との距離の精度が相対的に高く、且つ、前方物体との距離が相対的に短い場合には、トルク増大異常の有無の判定を厳格化する一方、それ以外の場合には、かかる判定の厳格化を制限するようにしている。
具体的には、本発明は、実トルクと要求トルクとの差分であるトルク偏差量に基づいてトルク増大異常の有無を判定し、且つ、トルク増大異常有りと判定された場合に実トルクを制限する車両の制御装置を対象としている。
そして、上記制御装置は、自車両の前方に存在する物体と自車両との距離を検出する距離検出部と、上記距離検出部の検出精度を判定する精度判定部と、を備え、上記精度判定部によって検出精度が相対的に高いと判定され、且つ、上記距離検出部によって検出される距離が所定の距離閾値以下の場合には、トルク増大異常の有無の判定基準をトルク増大異常有りと判定され易い側に変更する一方、それ以外の場合には、当該判定基準の変更を制限するように構成されていることを特徴とするものである。
なお、本発明において「判定基準をトルク増大異常有りと判定され易い側に変更する」とは、例えば、トルク偏差量が所定の閾値を超えたときにトルク増大異常有りと判定する場合には、トルク偏差量の閾値を小さくしたり、例えば、トルク偏差量が閾値以上の状態が所定の判定時間を超えたときにトルク増大異常有りと判定する場合には、判定時間を短くしたりすること等を意味する。
また、本発明において「判定基準の変更を制限する」とは、判定基準を変更しない(維持する)ことと、判定基準の変更度合を小さくすることと、を含んでいる。
この構成によれば、検出精度が相対的に高いと判定され、且つ、検出される距離が所定の距離閾値以下の場合には、判定基準がトルク増大異常有りと判定され易い側に変更されることから、前方物体と自車両との距離が相対的に短い状況において、出力トルクが制限され易くなるので、車両を安全状態に推移させることができる。
これに対し、例えば、検出精度が相対的に高いと判定され、且つ、検出される距離が所定の距離閾値を超える場合(それ以外の場合の一態様)には、当初設計の判定基準値が維持される(または当初設計の判定基準値の変更度合が小さい)ことから、前方物体と自車両との距離が相対的に長い状況において、必要以上に出力トルクに制限が掛かるのを抑えることができる。
また、例えば、検出精度が相対的に低いと判定された場合(それ以外の場合の一態様)にも、当初設計の判定基準値が維持される(または当初設計の判定基準値の変更度合が小さい)ことから、例えば前方物体と自車両との距離が距離閾値以下と判定されたが、実際の距離が距離閾値を超えている等の誤判定(誤検出)の場合にも、必要以上に出力トルクに制限が掛かるのを抑えることができる。
以上説明したように、本発明に係る車両の制御装置によれば、トルク増大異常有りと判定された場合に実トルクを制限する制御において、安全性の向上を図りつつ、必要以上に出力トルクが制限されるのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る車両を模式的に示す図である。 画像および車間距離の取得状況等を模式的に説明する図である。 車両情報センターにおけるデータ処理を模式的に説明する図である。 ECUが実行する判定基準変更制御の一例を示すフローチャートである。 その他の実施形態に係る車間距離の取得状況を模式的に説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
−全体構成−
図1は、本実施形態に係る車両1を模式的に示す図である。車両1は、図1に示すように、エンジン2と、エンジン2から出力された回転トルクを増大させるトルクコンバータ3と、トルクコンバータ3の出力軸の回転速度を変速して出力する自動変速機4と、油圧制御回路5と、ナビゲーション装置6と、データ送信装置7と、データ受信装置8と、ECU10と、を備えている。
エンジン2は、公知の内燃機関によって構成されている。油圧制御回路5は、トルクコンバータ3によるトルクの増大比および自動変速機4の変速段を油圧により制御する。自動変速機4から出力される回転トルクは、ディファレンシャル装置(図示せず)を介して駆動輪(図示せず)に伝達されるようになっている。
ナビゲーション装置6は、GPSアンテナ9を介して、複数のGPS衛星から送信された信号を受信する。ナビゲーション装置6は、GPS衛星からの信号を受信することで車両1の現在地を特定すると、予め記憶している道路情報のうち車両1の前方の道路情報と車両1の現在地情報とをECU10に出力するように構成されている。
データ送信装置7は、遠隔地にある車両情報センターに設けられたサーバー30(図3参照)に各種データを送信するように構成されている。車両情報センターは、車両1から送信される車両情報や、Webサイト等から取得した情報を利用して、運転者に対して種々のサービス情報を提供する施設である。一方、データ受信装置8は、サーバー30から各種データを受信するように構成されている。
−ECU(制御装置)−
ECU(Electronic Control Unit)10は、エンジン2の運転制御および自動変速機4の変速制御等を行うように構成されている。具体的には、ECU10は、図示省略するが、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、バックアップRAMと、入力インターフェースと、出力インターフェースと、を含んでいる。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。RAMは、CPUによる演算結果や各センサの検出結果等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAMは、イグニッションオフの際に保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
入力インターフェースには、エンジン回転速度センサ21、スロットル開度センサ22、出力軸回転速度センサ23、ブレーキ開度センサ24、アクセル開度センサ25、現在時刻を示す時計26、カメラ27、ミリ波レーダー28およびデータ受信装置8の他、入力軸回転速度センサ(図示せず)やエアフロメータ(図示せず)等が接続されている。
エンジン回転速度センサ21は、クランクシャフト(図示せず)の回転に基づいて、エンジン2の回転速度を検出し、エンジン回転速度を表す信号をECU10に出力する。スロットル開度センサ22は、スロットル弁11のスロットル開度に応じた出力電圧が得られるホール素子により構成されていて、スロットル開度を表す信号をECU10に出力する。出力軸回転速度センサ23は、自動変速機4の出力軸回転速度を表す信号をECU10に出力する。なお、自動変速機4の出力軸回転速度から車速vを算出することが可能である。ブレーキ開度センサ24は、運転者によって踏み込み操作されるブレーキペダル(図示せず)の踏み込み量を検出し、かかる踏み込み量に応じた信号をECU10に出力する。アクセル開度センサ25は、ホール素子を用いた電子式のポジションセンサにより構成されていて、アクセルペダル12が運転者により操作されると、アクセル開度を表す信号をECU10に出力する。時計26は、現在時刻を表す信号をECU10に出力する。カメラ27は、車両1の周辺環境を撮像し、この撮像した画像データをECU10に出力する。ミリ波レーダー28は、霧中や降雨時においても使用可能な電波を用いて車両1周辺に存在する物体を検知し、この検知結果に応じた信号をECU10に出力する。
一方、出力インターフェースには、燃料噴射量を調整可能なインジェクタ(図示せず)、点火プラグ(図示せず)による点火時期を調整するイグナイタ(図示せず)、スロットル弁11のスロットル開度を調整するスロットルモータ(図示せず)、油圧制御回路5およびデータ送信装置7等が接続されている。
ECU10は、各センサの検出結果等に基づいて、スロットル開度、燃料噴射量および点火時期等を制御することにより、エンジン2の運転状態を制御する。また、ECU10は、油圧制御回路5を制御することにより、自動変速機4の変速制御およびトルクコンバータ3のロックアップクラッチ(図示せず)の制御を実行する。
例えば、ECU10による変速制御では、車速vおよびアクセル開度をパラメータとして、ROMに記憶された、複数の変速線が設定された変速マップに基づいて、目標変速ギヤ段が設定される。ECU10は、現在の変速ギヤ段が目標変速ギヤ段になるように、油圧制御回路5を介して自動変速機4内のクラッチ等の油圧を制御することで変速を実行する。
−トルク制御およびトルク増大異常判定−
また、ECU10は、実トルクを要求トルクに一致させるように、エンジン2のトルクを制御するトルク制御を実行するように構成されている。より詳しくは、ECU10は、スロットル開度センサ22によって検出されるスロットル開度等に基づいて実トルクを算出するとともに、アクセル開度センサ25によって検出されるアクセル開度等に基づいて要求トルクを算出する。そうして、ECU10は、実トルクが要求トルクと一致するような目標スロットル開度、燃料噴射量、点火時期等を算出し、スロットルモータ、インジェクタ、イグナイタ等を通じて、スロットル開度、燃料噴射量、点火時期等を制御する。
さらに、ECU10は、トルク制御を行うに当たり、実トルクと要求トルクとを比較して、要求トルクに対して実トルクが過大になるトルク増大異常の有無を判定するトルク増大異常判定を実行するように構成されている。より詳しくは、ECU10は、スロットル開度等に基づいて算出された実トルクと、アクセル開度等に基づいて算出された要求トルクとの差分であるトルク偏差量△Tを算出し、かかるトルク偏差量△TとROMに記憶された第1判定基準閾値JC1等とに基づいてトルク増大異常の有無を判定する。例えば、ECU10は、トルク偏差量△T≧第1判定基準閾値JC1の場合には、「トルク増大異常有り」と判定するように構成されている。また、例えば、ECU10は、第1判定基準閾値JC1よりも小さい目標基準値TCを用いて、第1判定基準閾値JC1>トルク偏差量△T≧目標基準値TCの状態が所定の判定時間JT1以上継続すれば、「トルク増大異常有り」と判定するように構成されている。
そうして、ECU10は、「トルク増大異常有り」と判定された場合には、実トルクを制限するように構成されている。具体的には、ECU10は、トルク偏差量△T≧第1判定基準閾値JC1の場合や、トルク偏差量△T≧目標基準値TCの状態が判定時間JT1以上継続した場合には、例えば、スロットルモータの制御を通じてスロットル開度を強制的に所定開度(所謂オープナ開度)に維持してエンジン2の吸入空気量を制限することで、エンジン2の出力トルク(実トルク)を制限する。
以上により、本実施形態の車両1では、トルク制御を通じて、アクセルペダル12の操作量によって表される運転者の意図に合った加速を実現することができるとともに、運転者の意図を超えるような加速となった場合(トルク増大異常有りと判定された場合)に、出力トルクを制限することで、車両1を安全状態に推移させることが可能となっている。
−判定基準変更制御−
ところで、トルク増大異常判定を行うものでは、例えば一般的な車間距離における安全性が保たれるように、一般的な車間距離を前提としてトルク増大異常判定に用いられる判定基準(第1判定基準閾値JC1や判定時間JT1)を設計することが多い。
しかしながら、運転者の中には、車間距離が極端に短い運転者も少なからず存在するところ、前方に存在する物体(以下、前方物体ともいう)と自車両との距離が短い状況において、トルク増大異常が少しでも懸念される場合には、判定基準を厳しくして、速やかに出力トルクを制限することで、車両を安全状態に推移させるのが好ましい。
もっとも、このような判定基準の厳格化は、あくまで前方物体と自車両との距離が短い状況を前提とするところ、そもそも前方物体と自車両との距離を正確に認識することが困難な場合にも、闇雲に判定基準を厳しくしてしまうと、前方物体と自車両との距離が長い状況であるにも拘わらず、必要以上に出力トルクを制限することにつながるおそれがある。
そこで、本実施形態では、前方物体との距離の精度が相対的に高く、且つ、前方物体との距離が相対的に短い場合には、トルク増大異常の有無の判定を厳格化する一方、それ以外の場合には、かかる判定の厳格化を制限するようにしている。
具体的には、ECU10は、自車両1の前方に存在する物体と自車両1との距離VDを検出するとともに、検出された距離VDの検出精度を判定し、検出精度が相対的に高いと判定され、且つ、検出された距離VDが所定の距離閾値TVD以下の場合には、トルク増大異常の有無の判定基準を「トルク増大異常有り」と判定され易い側に変更する一方、それ以外の場合には、当該判定基準の変更を制限する判定基準変更制御を実行するように構成されている。以下、自車両1の前方に存在する物体が先行車両100である場合に、ECU10が実行する判定基準変更制御について詳細に説明する。
図2は、画像および車間距離VDの取得状況等を模式的に説明する図である。ECU10は、トルク増大異常判定を実行するに先立ち、図2(a)に示すように、カメラ27からの画像データに基づいて、先行車両100を含む車両1の周辺環境の画像A1を取得するとともに、ミリ波レーダー28からの信号に基づいて先行車両100と自車両1との車間距離VDA1を検出する。そうして、ECU10は、画像A1のデータ、車間距離VDA1(以下、検出距離VDA1ともいう)、ナビゲーション装置6から入力された車両1の現在地情報、時計26から入力された現在時刻、および、車速v等の車両情報を、図2(a)の白抜き矢印で示すように、データ送信装置7から車両情報センターに設けられたサーバー30へ送信する。
ECU10は、これらの操作を所定時間間隔で実行し、図2(b)に示す状況では、画像A2のデータ、検出距離VDA2、車両1の現在地情報、時刻および車両情報を、また、図2(c)に示す状況では、画像A3のデータ、検出距離VDA3、車両1の現在地情報、時刻および車両情報を、データ送信装置7からサーバー30へそれぞれ送信する。
なお、本実施形態では、ECU10が、ミリ波レーダー28からの信号に基づいて先行車両100と自車両1との車間距離VDを検出する機能が、請求項における「自車両の前方に存在する物体と自車両との距離を検出する距離検出部」としての機能に相当する。
これら画像および車間距離VDの取得並びにサーバー30へのデータ送信は、本発明が適用される他車両Bにおいても実行されるようになっている。例えば、図2(d)に示す状況では、画像B1のデータ、先行車両100Bとの車間距離VDB1、車両Bの現在地情報、時刻および車両情報が、また、図2(e)に示す状況では、画像B2のデータ、先行車両100Bとの車間距離VDB2、車両Bの現在地情報、時刻および車両情報が、車両Bに搭載されたデータ送信装置(図示せず)からサーバー30へ送信されるようになっている。
図3は、車両情報センターにおけるデータ処理を模式的に説明する図である。サーバー30には、車両1および車両Bのみならず、図3(a)に示すように、本発明が適用される複数の車両C,D,Eから、画像データ、検出距離VD、現在地情報、時刻および車両情報が集積されるようになっている。
サーバー30は、集積されたデータを、シチュエーション毎に層別化する。具体的には、サーバー30は、集積されたデータを、走行環境(高速道路、市街地、駐車場、郊外など)、天候(晴れ、曇り、雨など)、時間帯(早朝、昼間、夜間など)、センサの種別(ミリ波レーダー、レーザーレーダー、赤外線センサなど)などで、共通点を持つ大グループに分類する。
次いで、各大グループについて、画像データに基づいて、自車両の前方に存在する物体と自車両との距離が略同じと想定される小グループに分類する。そうして、各小グループについて、図3(b)に示すように、センサで検出された検出距離VDをヒストグラム化し、ヒストグラムに基づいて、車両1から送信された検出距離VDのデータが信頼できるデータか否かを判定処理する。具体的には、サーバー30は、他車両との比較において検出距離VDの誤差を算出したり、適用されたシチュエーションが一般的に誤差を生じ易いシチュエーションか否かを判定したりする。例えば、サーバー30は、車両1の検出距離VD(図3(b)の破線参照)が最頻値であれば、他車両との比較において検出距離VDの誤差を0と算出する。また、サーバー30は、大グループにおける検出距離VDの散らばり具合の幅が大きければ、その大グループは一般的に誤差を生じ易いシチュエーション(特定のシチュエーション)であると判定する。そうして、サーバー30は、図3(c)に示すように、これらの処理結果を車両1のデータ受信装置8に返信する。
ECU10は、サーバー30からの処理結果がデータ受信装置8から入力されると、かかる処理結果に基づき、検出距離VDの信頼性の有無を判定するように構成されている。ECU10は、例えば、他車両との比較において検出距離VDの誤差が小さい場合(例えば0の場合)には、「信頼性有り」と判定する。また、ECU10は、例えば、一般的に誤差を生じ難いシチュエーションであるにも拘わらず、検出距離VDの誤差が相対的に大きい場合には、「信頼性低下」と判定する。一方、ECU10は、例えば、検出距離VDの誤差が大きい場合であっても、一般的に誤差を生じ易い特定のシチュエーションであれば、積極的に「信頼性有り」とも「信頼性低下」とも判定しない。そうして、ECU10は、「信頼性低下」と判定した場合には、例えばインストルメントパネルに設けられたディスプレイ(図示せず)を通じて、運転者へ警告を行うように構成されている。
なお、本実施形態では、ECU10が、サーバー30からの処理結果に基づき、検出距離VDの信頼性の有無を判定する機能が、請求項における「距離検出部の検出精度を判定する精度判定部」としての機能に相当する。
そうして、ECU10は、「信頼性有り」(検出精度が相対的に高い)と判定され、且つ、検出距離VDが所定の距離閾値TVD以下の場合には、トルク増大異常判定の判定基準を「トルク増大異常有り」と判定され易い側に変更する。例えば、ECU10は、当初設計の第1判定基準閾値JC1をより小さい第2判定基準閾値JC2に変更することで、トルク偏差量△T≧第2判定基準閾値JC2という状態が生じ易くする。また、例えば、ECU10は、判定時間JT1をより短い判定時間JT2に変更することで、トルク偏差量△T≧目標基準値TCの状態が判定時間JT2以上継続し易くする。
一方、それ以外の場合(「信頼性低下」と判定された場合や、積極的な判定が行われなかった場合や、検出距離VDが所定の距離閾値TVDを超えている場合など)には、判定基準の変更が制限されるので、必要以上に出力トルクに制限が掛かるのを抑えることができる。
なお、「判定基準の変更を制限する」とは、判定基準を変更しない(維持する)ことと、判定基準の変更度合を小さくすることと、を含んでいる。具体的には、判定基準を変更しない場合には、ECU10は、例えば、当初設計の第1判定基準閾値JC1や判定時間JT1を維持することで、容易に「トルク増大異常有り」と判定されないようにする。また、判定基準の変更度合を小さくする場合には、ECU10は、例えば、第1判定基準閾値JC1を若干小さい第3判定基準閾値JC3(>第2判定基準閾値JC2)に変更したり、判定時間JT1を若干短い判定時間JT3(>判定時間JT2)に変更したりすることで、容易に「トルク増大異常有り」と判定されないようにする。
このように、「信頼性有り」と判定され、且つ、検出距離VDが所定の距離閾値TVD以下の場合、換言すると、先行車両100と自車両1との車間距離が確実に短い場合には、例えば当初設計の第1判定基準閾値JC1がより小さい第2判定基準閾値JC2に変更されることで、「トルク増大異常有り」と判定され易くなり、出力トルクが制限され易くなるので、車両1を安全状態に推移させることができる。
これに対し、例えば、「信頼性有り」と判定されたが、検出距離VDが所定の距離閾値TVDを超える場合、換言すると、先行車両100と自車両1との車間距離が確実に長い場合には、例えば当初設計の第1判定基準閾値JC1等が維持されることから、必要以上に出力トルクに制限が掛かるのを抑えることができる。
また、これとは逆に、検出距離VDが所定の距離閾値TVD以下であるが、信頼性低下と判定された場合にも、例えば当初設計の第1判定基準閾値JC1等が維持されることから、実際の距離が所定の距離閾値TVDを超えている等の誤判定(誤検出)の場合にも、必要以上に出力トルクに制限が掛かるのを抑えることができる。
−フローチャート−
次に、ECU10が実行する判定基準変更制御の一例を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1では、カメラ27で車両1の周辺環境を撮像し、この撮像した画像データをECU10が取得し、ステップS2へ進む。次のステップS2では、ミリ波レーダー28で自車両1の前方に存在する物体(先行車両100)を検知し、この検知結果に基づいてECU10が車間距離VDを検出し、ステップS3へ進む。
次のステップS3では、ECU10が、ステップS1で取得した画像データおよびステップS2で検出した車間距離VDと共に、ナビゲーション装置6から入力された車両1の現在地情報、時計26から入力された現在時刻、および、車速v等の車両情報を、データ送信装置7から遠隔地にある車両情報センターに設けられたサーバー30へ送信し、ステップS4へ進む。
次のステップS4では、ECU10が、サーバー30からの処理結果(他車両との比較において算出された検出距離VDの誤差や、適用されたシチュエーションが一般的に誤差を生じ易いシチュエーションか否かの判定結果など)を、データ受信装置8を介して受信し、ステップS5へ進む。
次のステップS5では、ECU10が、サーバー30から返信された処理結果に基づいて、検出距離VDの誤差が小さいか否かを判定する。このステップS5での判定がYESの場合、すなわち、他車両との比較において算出された検出距離VDの誤差が小さい場合には、ステップS6へ進む。次のステップS6では、ECU10が、検出距離VDには「信頼性有り」と積極的に判定した後、ステップS7へ進む。
次のステップS7では、ECU10が、前方物体(先行車両100)との距離(検出距離VD)が距離閾値TVD以下か否かを判定する。このステップS7での判定がYESの場合、すなわち、先行車両100と自車両1との車間距離が相対的に短い場合には、ステップS8へ進む。
次のステップS8では、ECU10が、トルク増大異常判定の判定基準をトルク増大異常有りと判定され易い側に変更する。具体的には、ECU10は、例えば当初設計の第1判定基準閾値JC1をよりも小さい第2判定基準閾値JC2に変更し、トルク偏差量△T≧第2判定基準閾値JC2という関係が成立し易くする。
次のステップS9では、ECU10が、例えば、実トルクと要求トルクとの差分であるトルク偏差量△Tと、変更された第2判定基準閾値JC2とに基づいてトルク増大異常の有無を判定する。そうして、ECU10は、トルク偏差量△T≧第2判定基準閾値JC2の場合には、例えばスロットル開度を強制的に所定開度に維持することで、エンジン2の出力トルク(実トルク)を制限する。
一方、ステップS7での判定がNOの場合、すなわち、先行車両100と自車両1との車間距離が相対的に長い場合には、ステップS12へ進む。次のステップS12では、ECU10が、トルク増大異常判定の判定基準を維持した後、ステップS9へ進み、トルク偏差量△Tと当初設計の第1判定基準閾値JC1(または判定時間JT1)とに基づいてトルク増大異常の有無を判定する。
これらに対し、ステップS5での判定がNOの場合、すなわち、他車両との比較において算出された検出距離VDの誤差が大きい場合には、ステップS10へ進む。
次のステップS10では、ECU10が、サーバー30から返信された処理結果に基づいて、特定のシチュエーションで誤差が大きいか否かを判定する。このステップS10での判定がYESの場合、例えば、雨や夜間等、一般的に誤差を生じ易いシチュエーションで誤差が大きい場合には、ステップS12へ進む。次のステップS12では、ECU10が、トルク増大異常判定の判定基準を維持した後、ステップS9へ進み、トルク偏差量△Tと当初設計の第1判定基準閾値JC1(または判定時間JT1)とに基づいてトルク増大異常の有無を判定する。
一方、ステップS10での判定がNOの場合、換言すると、一般的に誤差を生じ難いシチュエーションであるにも拘わらず、検出距離VDの誤差が大きい場合には、ステップS11に進み、「信頼性低下」と判定した後、ステップS12へ進む。次のステップS12では、ECU10が、トルク増大異常判定の判定基準を維持した後、ステップS9へ進み、トルク偏差量△Tと当初設計の第1判定基準閾値JC1(または判定時間JT1)とに基づいてトルク増大異常の有無を判定する。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、サーバー30から返信された処理結果に基づいて、検出距離VDの誤差が小さいか否かを判定するようにしたが、これに限らず、例えば図5に示すように、ミリ波レーダー28を含む複数のレーダー28,31を用いて、検出距離VDの誤差が小さいか否かを判定するようにしてもよい。具体的には、ECU10が、ミリ波レーダー28を用いて検出した先行車両100との距離(検出距離VD1)と、レーダー31を用いて検出した先行車両100との距離(検出距離VD2)とを比較し、両者の差が小さい場合には「信頼性有り」と判定する一方、両者の差が大きい場合には「信頼性低下」と判定するようにしてもよい。
なお、この場合には、ECU10が、検出距離VD1と検出距離VD2との差に基づき、検出距離VDの信頼性の有無を判定する機能が、請求項における「距離検出部の検出精度を判定する精度判定部」としての機能に相当する。また、この場合には、図4のフローチャートにおける、ステップS1、ステップS3およびステップS4等を省略することが可能である。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、安全性の向上を図りつつ、必要以上に出力トルクが制限されるのを抑制することができるので、トルク増大異常の有無を監視するとともに、トルク増大異常有りと判定された場合に実トルクを制限する車両の制御装置に適用して極めて有益である。
1 車両
10 ECU(制御装置)
100 車両(物体)
S2 距離検出部
S5、S6、S10、S11 精度判定部

Claims (1)

  1. 実トルクと要求トルクとの差分であるトルク偏差量に基づいてトルク増大異常の有無を判定し、且つ、トルク増大異常有りと判定された場合に実トルクを制限する車両の制御装置であって、
    自車両の前方に存在する物体と自車両との距離を検出する距離検出部と、
    上記距離検出部の検出精度を判定する精度判定部と、を備え、
    上記精度判定部によって検出精度が相対的に高いと判定され、且つ、上記距離検出部によって検出される距離が所定の距離閾値以下の場合には、トルク増大異常の有無の判定基準をトルク増大異常有りと判定され易い側に変更する一方、それ以外の場合には、当該判定基準の変更を制限するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
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