JP6717179B2 - 冷凍機性能評価方法、及びそれに関連する流量計校正方法 - Google Patents
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Description
図1は本実施の形態の冷凍機システムの構成を示す図である。冷凍機システムは一次側システムと二次側システムとからなる。図1において、一次側システムには複数の冷凍機R−1,R−2,R−3,R−4が含まれ、二次側システムには負荷設備LSが含まれる。図1は、一次側システムに4台の冷凍機R−1,R−2,R−3,R−4が設けられている場合について例示しているが、冷凍機の台数は任意に決定することができる。また、冷凍機R−1,R−2,R−3,R−4に接続される二次側システムの負荷設備LSの台数についても任意に決定することができる。
本実施の形態では、従来のように流量計ごとに絶対的な精度を追及することは行わない。冷凍機システムの流量計のうち、一次側に配置される流量計FR11,FR21,FR31,FR41は、その設置位置に関する制約が大きく、必要な直管長を確保することができないことが多い。これに対し、二次側流量計F21は設置位置に関する制約が比較的少ないため、必要な直管長を確保して高い精度を確保できている場合が多い。ゆえに、本実施の形態では、二次側流量計F21を基準である親流量計として、それとの比較によって各流量計FR11,FR21,FR31,FR41を校正する。以下、本実施の形態の流量計校正方法の手順について説明する。
まず、4台の冷凍機R−1,R−2,R−3,R−4のうち冷凍機R-1のみを運転する。そして、冷凍機R-1のみの運転中に、二次側流量計F21の出力と、冷凍機R−1に設けられた流量計である流量計FR11の出力とをそれぞれ取得する。冷凍機R-1のみが運転している場合、流量計FR11を通過する冷水の流量と二次側流量計F21を通過する冷水の流量とは一致する。しかし、設置条件や個体差等による出力特性の違いにより、両者の出力にはずれが生じる。図2は、二次側流量計F21(親流量計)の出力と流量計FR11(子流量計)の出力との関係の一例を示す図である。図2において、2つの流量計の出力にずれがなければ、両者の関係は図2において実線で示す関係になる。ところが、両者の出力にずれがある場合、流量計が超音波式流量計であるなら、両者の関係は例えば図2において点線で示すような関係になる。また、流量計が電磁流量計であるなら、両者の関係は例えば図2において1点鎖線で示すような関係になる。
また、残りの流量計FR21,FR31,FR41についての校正データは、次の方法でも作成することができる。例えば、流量計FR21についての校正データを作成する場合には、4台の冷凍機R−1,R−2,R−3,R−4のうち冷凍機R-1と冷凍機R−2のみを運転する。そして、冷凍機R-1と冷凍機R−2の運転中に、二次側流量計F21の出力と、冷凍機R−1に設けられた流量計である流量計FR11の出力と、冷凍機R−2に設けられた流量計である流量計FR21の出力とをそれぞれ取得する。2つの冷凍機R-1,R−2が運転している場合、流量計FR11を通過する冷水の流量と流量計FR21を通過する冷水の流量との和は、二次側流量計F21を通過する冷水の流量と一致する。
温度計に誤差を生じさせる要因は様々であるが、全体の中でも導線抵抗のばらつきによる影響が最も大きい。ただし、本実施の形態では、従来のように温度計ごとに絶対的な精度を追及することは行わない。冷凍機システムでは、熱量を算出する際に往還温度差が用いられる。本実施の形態では、導線抵抗のばらつきによる誤差を解消することを目的に、2つの温度計で同じ温度の水を測定できる条件を作り、この時の往還温度差を測定してその測定値をオフセットとして温度差に加算することを行う。以下、本実施の形態の温度計校正方法の手順について説明する。
例えば、冷凍機R−1の往還温度差の誤差を解消したい場合、往還温度計、すなわち、対となる冷水入口温度計TR11と冷水出口温度計TR12の少なくとも一方を一時的に移設することにより、往還温度計TR11,TR12のそれぞれの設置場所を流れる冷水の温度を同じにする。具体的には、冷水入口温度計TR11を冷水出口温度計TR12の直近に設けられたさや管に移設する。この状態で冷水ポンプCP−1を運転することにより、それぞれの設置場所を同じ温度の冷水が流れるようにする。このとき冷凍機R−1それ自体は運転していてもよいし停止していてもよい。
冷凍機R−1が停止しているときに、冷水入口温度計TR11から冷水出口温度計TR12へと向かう冷水の流れを生じさせることによっても、冷水入口温度計TR11と冷水出口温度計TR12のそれぞれの設置場所を流れる冷水の温度を同じにすることができる。具体的には、冷凍機R−1の入口と出口のそれぞれにバルブVR12,VR13を設けるとともに、バルブVR12の上流とバルブVR12の下流とを接続するバルブVR11を設ける。そして、バルブ弁VR12,VR13を閉じてバルブVR11を開く。
冷凍機R−1が停止状態又は無負荷状態のときであれば、CP−1を運転することによって、同じ温度の冷水が冷水入口温度計TR11と冷水出口温度計TR12を流れるようになる。この状態で冷水入口温度計TR11の出力と冷水出口温度計TR12の出力とをそれぞれ長時間継続して取得し、安定した出力値が得られるようになったら、冷水入口温度計TR11の出力と冷水出口温度計TR12の出力との差を基本出力差として決定する。性能評価装置COMは、今後、冷凍機R−1が運転されるときには、ここで決定した基本出力差を用いて冷水入口温度計TR11の出力と冷水出口温度計TR12の出力との差、すなわち、冷凍機R−1の往還温度差を補正する。
冷凍機の性能低下の要因には、主に、熱交換チューブの汚れや冷媒の漏れ等が挙げられる。正常時には、冷媒温度と冷水温度との温度差(アプローチ温度)を計測して熱交換チューブの汚れの進行を管理し、チューブ清掃の要不要を見極めている。アプローチ温度は、一度計測を始めればチューブの汚れの進行につれて確実に拡大して行くことから、アプローチ温度に基づいて性能を評価する方法は、信頼性の高い方法であると言える。しかしながら、この方法だけでは、熱交換チューブの汚れ以外の要因が複合して発生している場合、チューブ汚れによって性能が低下しているのか、それ以外の要因が有るのか判断が難しかった。
冷凍機の性能を評価する方法には、上記のように冷凍機の個々の性能評価指数を計算する方法の他にも、冷凍機間の比較によって性能を評価する方法がある。以下、この方法について説明する。
LS 負荷設備
CT1,CT2 冷却塔
CP−1,CP−2,CP−3,CP−4 冷水ポンプ
CDP−1,CDP−2,CDP−3,CDP−4 冷却水ポンプ
TR11,TR21,TR31,TR41 冷水入口温度計
TR12,TR22,TR32,TR42 冷水出口温度計
T20 二次側冷水入口温度計
T21 二次側冷水出口温度計
FR11,FR21,FR31,FR41 流量計
F21 二次側流量計
TCT11,TCT21 冷却水入口温度計
TCT12,TCT22 冷却水出口温度計
COM 制御装置
Claims (3)
- 複数台の冷凍機が負荷設備に並列に接続され、前記複数台の冷凍機と前記負荷設備との間で冷水を循環させるように構成された冷凍機システムであって、前記冷凍機ごとに設けられ前記冷凍機が供給する冷水の流量を計測する流量計と、前記冷凍機ごとに設けられ前記冷凍機に入る冷水の温度を計測する冷水入口温度計と、前記冷凍機ごとに設けられ前記冷凍機から出た冷水の温度を計測する冷水出口温度計と、前記冷凍機ごとに設けられ前記冷凍機に入る冷却水の温度を計測する冷却水入口温度計と、前記負荷設備に供給された冷水の流量を計測する二次側流量計と備える冷凍機システム、における冷凍機性能評価方法であって、
前記複数台の冷凍機のうち第1の冷凍機のみが運転しているときに前記二次側流量計の出力と前記第1の冷凍機に設けられた流量計である第1の流量計の出力とをそれぞれ取得し、前記二次側流量計の出力と前記第1の流量計の出力との比較に基づいて、前記二次側流量計を基準にして前記第1の流量計を校正するための第1の校正データを作成する工程と、
前記第1の冷凍機が運転されるとき、前記第1の校正データを用いて前記第1の流量計の出力を補正する工程と、
前記第1の冷凍機に設けられた冷水入口温度計である第1の冷水入口温度計と前記第1の冷凍機に設けられた冷水出口温度計である第1の冷水出口温度計のそれぞれの設置場所を流れる冷水の温度を同じにする工程と、
前記第1の冷水入口温度計と前記第1の冷水出口温度計のそれぞれの設置場所を同じ温度の冷水が流れているときに前記第1の冷水入口温度計の出力と前記第1の冷水出口温度計の出力とをそれぞれ取得し、前記第1の冷水入口温度計の出力と前記第1の冷水出口温度計の出力との差を基本出力差として決定する工程と、
前記第1の冷凍機が運転されるとき、前記基本出力差を用いて前記第1の冷水出口温度計の出力と前記第1の冷水入口温度計の出力との差を補正する工程と、
前記第1の冷凍機に設けられた冷却水入口温度計である第1の冷却水入口温度計により冷却水入口温度を測定するとともに、前記第1の冷水入口温度計の出力と前記第1の冷水出口温度計の出力との差と、前記第1の流量計の出力とに基づいて、前記第1の冷凍機の消費電力若しくは成績係数を計算する工程と、
前記第1の冷凍機の負荷率別に、前記第1の冷凍機の冷却水入口温度を横軸にとり、前記第1の冷凍機の消費電力若しくは成績係数を縦軸にとったグラフ上にデータをプロットする工程と、
前記第1の冷凍機の負荷率別に、前記グラフ上にプロットされたデータ間の関係を所定の次数の近似式で近似する工程と、を有する
ことを特徴とする冷凍機性能評価方法。 - 複数台の冷凍機が負荷設備に並列に接続され、前記複数台の冷凍機と前記負荷設備との間で冷水を循環させるように構成された冷凍機システムであって、前記冷凍機ごとに設けられ前記冷凍機が供給する冷水の流量を計測する流量計と、前記負荷設備に供給された冷水の流量を計測する二次側流量計とを備える冷凍機システムにおける流量計校正方法であって、
前記複数台の冷凍機のうち第1の冷凍機のみが運転しているときに前記二次側流量計の出力と前記第1の冷凍機に設けられた流量計である第1の流量計の出力とをそれぞれ取得し、前記二次側流量計の出力と前記第1の流量計の出力との比較に基づいて、前記二次側流量計を基準にして前記第1の流量計を校正するための第1の校正データを作成する工程と、
前記第1の冷凍機が運転されるとき、前記第1の校正データを用いて前記第1の流量計の出力を補正する工程と、を有する
ことを特徴とする流量計校正方法。 - 前記複数台の冷凍機のうち前記第1の冷凍機と第2の冷凍機のみが運転しているときに前記二次側流量計の出力と前記第1の流量計の出力と前記第2の冷凍機に設けられた流量計である第2の流量計の出力とをそれぞれ取得し、前記二次側流量計の出力と前記第1の流量計の出力との差分と前記第2の流量計の出力との比較に基づいて、前記二次側流量計を基準にして前記第2の流量計を校正するための第2の校正データを作成する工程と、
前記第2の冷凍機が運転されるとき、前記第2の校正データを用いて前記第2の流量計の出力を補正する工程と、をさらに有する
ことを特徴とする請求項2に記載の流量計校正方法。
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