JP6716608B2 - 熱硬化性複合チップから直接製造された予備成形物 - Google Patents

熱硬化性複合チップから直接製造された予備成形物 Download PDF

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Description

本発明は、一般的に、一方向性繊維及び粘着性の熱硬化性樹脂母材を含む複合材チップからなる成形材料を使用する圧縮成形の分野に関する。より具体的には、本発明は、一般的に「予備成形物(プリフォーム)」として公知である、自己結合力のある独立の本体を形成するように切断され及び/又は折り曲げられた成形材料の自己結合力のあるシートを形成するために、複合材チップの固有の粘着性を使用する圧縮成形プロセスのタイプに対する代替案を提供する。典型的には、シート成形材料の複数の層が、単一の予備成形物の製造に使用される。所望の部品の最終形状と一致する形状を有する予備成形物は、最終製品を形成するために、圧縮成形型内で硬化される。
予備含浸複合材料(プリプレグ(prepreg))は、複合材部品及び構造の製造に広く使用されている。プリプレグは、未硬化の樹脂母材及び繊維補強材の組み合わせであって、該組み合わせは、最終的な複合材部分に成形及び硬化するために便利である。繊維強化材に樹脂を予め含浸させることによって、製造業者は、繊維網に含浸される樹脂の量及び位置を注意深く制御し、所望の通りに樹脂が網状内に確実に分配されることを確実にすることができる。
一方向性(UD)テープは、プリプレグの一般的な形態である。一方向性テープの繊維は、互いに平行に延伸する連続繊維である。 繊維は、典型的には、「トウ(tow)」と呼ばれる数多くの個々の繊維又はフィラメントの束の形態である。一方向性繊維は、注意深く制御された量の未硬化樹脂で含浸される。UDプリプレグは、典型的には、保護層の間に配置されて、最終的に、貯蔵又は製造施設への輸送のために巻き付けられるUDテープを形成する。UDテープの幅は、典型的には、2.5cm(1インチ)未満から30.5cm(1フィート)以上の範囲である。
一方向性テープは、圧縮成形技術を使用して複雑な三次元構造を形成するための成形材料としての使用には適していない。UDテープ中の繊維の平行な配向及び連続的な性質は、UDテープが複合部品の構造に適合するように強いてさせられた場合に、繊維の集群又は架橋を引き起こす。結果として、UDテープを使用する複雑な三次元部品の製造は、UDテープの個々の層が三次元成形に直接適用され、続いてオートクレーブ又は他の成形装置で処理される面倒なプロセスに限定されていた。UDテープを使用するこの積層手順は、長く且つ高価なプロセスである傾向がある。
一般に不連続繊維複合材(DFC)成形材料と呼ばれる成形材料は、複合部品の圧縮成形に適していることが判明している。DFC成形材料の1つのタイプは、熱硬化性樹脂母材と組み合わされた個々の切断された繊維のランダムな区分からなる。ランダムに配向された切断された繊維は、複雑な三次元部品の構造に一層容易に適合する。しかし、高圧成形中のランダムな繊維の動きは、1つの成形部品から次の部品まで予期せず変化する可能性があり、所与の部品の異なる構造によっても異なることがある。
本明細書においてDFCシート成形材料として呼ばれるDFC成形材料の別のタイプは、広くいくつかの比較的複雑な構造を形成するために正確に成形して機械加工されることができる単一の成形材料の中に、UDテープおよびランダムに配向された短繊維の属性を組み合わせる。DFCシート成形材料は、粘着性の熱硬化性樹脂で含浸された一方向性テープのランダムに配向した区分又はチップからなる。準等方性DFCシート成形材料のこのタイプは、まずいくつかの航空宇宙部品を製造するために使用された。DFCシート成形材料はまた、複合材部品を圧縮成形するために使用される高強度鋳型の製造に使用するための一般的な成形材料である。
DFCシート成形材料は、Hexcel Corporation(Dublin,CA)からHexMC(登録商標)の商品名で入手可能である。DFCシート成形材料の例及びシート成形化合物を使用して製造された部品のタイプは、特許文献1〜5に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
DFCシート成形材料は、UDプリプレグを形成するために、典型的には、適切な基材上に互いに平行な多芯トウ(糸)を敷設し、平行トウを未硬化の熱硬化性樹脂で含浸することによって製造される。次いで、UDプリプレグは、一般に2mm〜25mmの幅及び25mm〜125mmの長さのUDチップを形成するために切断される。 次いで、UDチップは、準等方的に配向されたUDチップの層の形態であるDFCシート成形材料に製造される。DFCシート成形材料の層の典型的な厚さは、0.4mm〜2mmの範囲である。
DFCシート成形材料中の未硬化の熱硬化性樹脂の固有の粘着性は、DFCシート成形材料の1つ以上の層を折り曲げて操作して、最終複合材部品を形成するために、次いで圧縮成形された複合三次元予備成形物を形成することを可能にする。DFCシート成形材料を使用して現在製造されている製品のタイプは、航空宇宙産業及び金型製造業以外の幅広い用途に拡大している。DFCシート成形材料からなる予備成形物を圧縮成形して製造された部品は、現在、自動車、オートバイ、自転車、及び他の幅広い用途に使用されている。
米国特許第8,366,046号明細書 米国特許第7,510,390号明細書 米国特許第7,960,674号明細書 米国特許出願公開第2012/0040169号明細書 米国特許出願公開第2013/0101406号明細書
本発明によれば、有用な予備成形物は、既存のDFCシート成形材料から予備成形物を形成するという受け入れられた慣行に従うのではなく、UDプリプレグのチップから直接製造されることができることが発見された。UDプリプレグのチップから直接形成された予備成形物は、DFCシート成形材料を使用して製造された予備成形物よりも多くの利点を提供する。例えば、DFCシート成形材料のいくつかの部分は切り取られて廃棄され、三次元予備成形物を形成するために結合された二次元パターンを製造する。予備成形物が本発明に従ってUDプリプレグのチップから直接形成されるとき、DFCシート成形材料のこの浪費は排除される。これは、自動車製造等の大量生産の状況において、重要な考慮事項である。
本発明の更なる利点は、本発明に従ってUDプリプレグのチップから予備成形物全体を直接形成することによって、いくつかの予備成形物に必要であり得るDFCシート成形材料のいくつかの層の重なり合いも排除されることである。更に、DFCシート成形材料を使用して製造された予備成形物の厚さは、いくつかのシート成形材料の合計厚さに依存する。従って、所望の予備成形物の厚さを達成するために、異なる厚さを有するDFCシート成形材料のいくつかの組み合わせを使用することが必要な場合がある。予備成形物が本発明によるUDプリプレグのチップから直接形成される場合、DFCシート成形材料の厚さを予備成形物の所望の厚さに一致させる必要性は排除される。これは、予備成形物の厚さの頻繁な変化によって形成される複雑な表面形状を含む予備成形物の形成において特に有利である。
本発明は、結合力のある複合材チップの固結群からなる予備成形物の製造方法に基づき、予備成形物は、結合力のある複合材チップ、予備成形物の成形に際し、複合材部品の表面を形成する少なくとも1つの外面を含む。該方法は、それぞれが繊維及び未硬化の熱硬化性樹脂を含む非凝縮性複合材チップを提供する最初のステップを含み、非凝縮性複合材チップは、未硬化の熱硬化性樹脂の粘着性が複合材チップの凝縮を防止するために充分に低いような温度にある。
本発明の特徴として、非凝縮性複合材チップの流れが形成されて、非凝縮性複合材チップの流れを受け入れるための空洞を形成する壁を含む予備成形物工具に導かれる。非凝縮性複合材チップは、予備成形物工具の空洞の中に結合力のない複合材チップの群を形成する。予備成形物工具の空洞の少なくとも1つの壁は、予備成形物の外面を画定する。
予備成形物工具の空洞が結合力のある複合材チップの群で充填されると、結合力のない複合材チップの温度は、結合力のある複合材チップのそれぞれが繊維及び未硬化の熱硬化性樹脂を含む結合力のある複合材チップの固結群からなる予備成形物を形成するために上昇させられる。結合力のある複合材チップの温度は、未硬化の熱硬化性樹脂の粘着性が予備成形物を形成するために結合力のある複合材チップの結合力を生じさせる充分な高さである。
本発明に従う次のステップは、予備成形物工具から予備成形物を簡単に取り除くことを含む。次いで、予備成形物は、DFCシート成形化合物を使用して製造された予備成形物と同じ方法で、後に成形するために保管される、或いは直ちに圧縮成形されることができる。有利には、本発明に従って製造された予備成形物は、成形材料を浪費にすることなく製造され、典型的にはDFCシート成形材料を使用して製造された予備成形物に見られる内部層境界は存在しない。内部層境界は、平面外で試験した場合、DFCシート内のチップ間の界面よりも弱いことが判明した。なお、部品特性にも影響するDFCシート成形材料の重なり合う層は存在しない。
本発明の、上述及び他の多くの特徴並びに付随する利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるであろう。
本発明による例示的な方法の概略図である。 図1に示された例示的な方法に従って製造された例示的な予備成形物の上面図である。 図2に示された例示的な予備成形物の側面図である。
本発明は、複合材チップから予備成形物を直接形成する方法における複合材チップの使用を含む。供給材料として使用される複合材チップは、DFCシート成型化合物を製造するために典型的に使用されるUDチップのタイプと同じ又は同様である。このようなUDチップは、母材としてUD繊維トウと未硬化の熱硬化性樹脂とを含む。HexMC(登録商標)等のDFCシート成形材料の製造に使用することに適したUDチップの何れかが、本発明の方法を使用して予備成形物に直接製造された複合材チップとして使用されることもできる。
例示的な方法を図1に示す。最初のステップ10は、非凝集性複合材チップ16を製造することを含む。非凝集性複合チップ16はそれぞれ、繊維及び未硬化の熱硬化性樹脂を含む。非凝集性複合材チップ16は、未硬化熱硬化性樹脂の粘着性が複合材チップの凝集を防止するために充分に低いような温度に保たれる。10に示すように、UD繊維のシートを細長く切ることによって形成された複数の平行なUDテープ12がカッター14に供給される。UDテープ12もまた、未硬化の樹脂が粘着性でない充分に低い温度にある。カッター114は、不粘着UDテープ12を複数の非凝集性複合材チップ16に切断する。非凝集性複合材チップ16中の未硬化の熱硬化性樹脂は、温度が樹脂の不粘着温度(Ttf)以下に保たれるならば、不粘着の状態である。Ttfを超える温度に未硬化の樹脂を加熱すると、未硬化の樹脂が粘着性になって、チップが凝集する。
粘着性の樹脂を含む切断するテープに関連する問題を排除するために、UDテープ12を切断中にTtf未満の温度に保って、非凝集性チップを形成することが好ましい。しかし、所望であれば、非凝集性複合材チップ16を形成するために、Ttfを超える温度でテープ12をチップに切断し、次いで、チップをTtf未満に冷却することが可能である。
UDテープを製造するために使用される繊維は、成形材料又は予備成形物を形成するために、典型的には熱硬化性樹脂と組み合わされた任意の繊維であり得る。例えば、繊維は、炭素、ガラス、アラミド、又はセラミックであってもよい。好ましい繊維は、UDテープ12において一方向に配列された炭素トウである。炭素繊維トウは、例えば、Hexcel Corporation(Dublin,CA)からHexTow(登録商標)の商品名で商業的に入手可能である。以下は、UDテープを製造するために使用することができるHexTow(登録商標)の例示的なタイプである:AS2C 3Kは、重量が0.200g/mで、密度が1.80g/cmの3,000フィラメント炭素繊維トウであり;2)AS4 3Kは、重量が0.210g/mで、密度が1.79g/cmの3,000フィラメント炭素繊維トウであり;3)AS4 6Kは、重量が0.427g/mで、密度が1.79g/cmの6,000フィラメント炭素繊維トウであり;4)AS4 炭素 12Kは、重量が0.858g/mで、密度が1.79g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;5)AS4C 3Kは、重量が0.200g/mで、密度が1.78g/cmの3,000フィラメント炭素繊維トウであり;6)AS4C 6Kは、重量が0.400g/mで、密度が1.78g/cmの6,000フィラメント炭素繊維トウであり;7)AS4C 12Kは、重量が0.800g/mで、密度が1.80g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;8)AS4D 12Kは、重量が0.765g/mで、密度が1.79g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;9)AS7 12Kは、重量が0.800g/mで、密度が1.80g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;10)IM2A 6Kは、重量が0.223g/mで、密度が1.78g/cmの6,000フィラメント炭素繊維トウであり;11)IM2A 12Kは、重量が0.446g/mで、密度が1.78g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;12)IM2C 12Kは、重量が0.446g/mで、密度が1.78g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;13)IM6 12Kは、重量が0.446g/mで、密度が1.78g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;14)IM7 6Kは、重量が0.223g/mで、密度が1.78g/cmの6,000フィラメント炭素繊維トウであり;15)IM7 12Kは、重量が0.446g/mで、密度が1.78g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;16)AS4D 12Kは、重量が0.446g/mで、密度が1.79g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;17)IM9 12Kは、重量が0.335g/mで、密度が1.80g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウであり;18)IM10 12Kは、重量が0.224g/mで、密度が1.79g/cmの12,000フィラメント炭素繊維トウである。
本発明は、大量の再現性の高い予備成形物が必要とされる自動車産業において特に有用である。自動車用途のための好ましいUDテープ繊維は、大きなトウ繊維、例えば30,000〜50,000本のフィラメントを相当するものを含む。
非凝集性複合材チップ16は、幅2mm〜2cm、厚さ0.02mm〜0.5mm、長さ1cm〜10cmであってもよい。チップ16のサイズは、プリプレグ中の所望のチップ密度、プリプレグのサイズ、及びプリプレグの三次元形状の複雑さに依存する。複合材チップ16は、好ましくは長方形である。しかし、UDテープが切断される角度に依存して他の形状も可能である。プリプレグ中のより高密度のチップパッキングのために、より小さいチップが好ましい。複雑な三次元形状を有する予備成形物を製造する場合も、より小さいチップサイズが好ましい。
繊維は好ましくはUDテープ12の形態であるが、繊維が一方向性でないテープを形成するために他の繊維配向を使用することが可能である。UD繊維の代わりに織り繊維を使用することができる特定の用途があるかもしれない。これは、耐衝撃性が重要な用途には幾つかの利点をもたらす。
UDテープ12中に存在する未硬化の樹脂は、成形材料又は予備成形物を形成するために、繊維と組み合わされた任意の未硬化の熱硬化性樹脂であってもよい。未硬化の樹脂によって、複合材チップ16を固着又は凝集させるように概して充分な粘着性の度合いを示すTtfより大きい温度で、複合材チップ16の露出した表面は、内在的に粘着性を有する。粘着性の度合いは、DFCシート成形材料の形成に使用されるチップに要求されるものと同じである。しかし、チップの早期の凝集を防止するために、チップ16の初期温度をTtfより低く維持することが重要である。
内在的に粘着性のある未硬化の熱硬化性樹脂の任意の数が、UDテープに使用されてもよいが、エポキシ樹脂が好ましい。粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂は、1つ以上のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤を含む。粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂の粘着性が結合力のある予備成形物の形成が不可能なレベルより小さく低下しなければ、1つ以上の樹脂改質剤が添加されてもよい。未硬化の熱硬化性樹脂は、UDテープ12及び非凝集性複合材チップ16の30〜70重量%を構成し、残りはUD繊維でなければならない。未硬化の熱硬化性樹脂としては、室温で又は室温よりわずかに低い温度で粘着性である、任意の市販のエポキシ樹脂配合物が使用されることが好ましい。
例示的なエポキシ樹脂は、プリプレグの製造に典型的に使用される二官能性及び/又は多官能性エポキシ樹脂の何れかを含む。適切な二官能性エポキシ樹脂の例には、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、(任意に臭素化された)ビスフェノールA、フェノール−アルデヒド付加物のグリシジルエーテル、脂肪族ジオールのグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エピコート(登録商標)、エポン(登録商標)、芳香族エポキシ樹脂、エポキシ化オレフィン、臭素化樹脂、芳香族グリシジルアミン、複素環式グリシジルイミジン及びアミド、グリシジルエーテル、フッ素化エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組み合わせに基づくものが含まれる。二官能性エポキシ樹脂は、好ましくは、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ジグリシジルジヒドロキシナフタレン、又はそれらの任意の組み合わせから選択される。例えば、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルは、商品名Araldite GY281及びGY285としてHuntsman Advanced Materials(Brewster,NY)から市販されている。二官能性エポキシ樹脂は、単独で、又は他の二官能性エポキシ若しくは多官能性エポキシとの任意の適切な組み合わせで使用されてもよい。
多官能性エポキシ樹脂は、典型的には三官能性又は四官能性である。好適な多官能性エポキシ樹脂には、例として、フェノール及びクレゾールエポキシノボラック、フェノール−アルデヒド付加物のグリシジルエーテル、二脂肪族(dialiphatic)ジオールのグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、芳香族エポキシ樹脂、二脂肪族トリグリシジルエーテル、脂肪族ポリグリシジルエーテル、エポキシ化オレフィン、臭素化樹脂、芳香族グリシジルアミン、複素環式グリシジルイミジン及びアミド、グリシジルエーテル、フッ素化エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組み合わせに基づくものが含まれる。
適切な三官能性エポキシ樹脂には、フェノール及びクレゾールエポキシノボラック、フェノール−アルデヒド付加物のグリシジルエーテル、芳香族エポキシ樹脂、ニ脂肪族トリグリシジルエーテル、脂肪族ポリグリシジルエーテル、エポキシ化オレフィン、臭素化樹脂、芳香族グリシジルアミン及びグリシジルエーテル、複素環式グリシジルイミジン及びアミド、グリシジルエーテル、フッ素化エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組み合わせに基づくものが含まれる。例示的な三官能性エポキシ樹脂は、Araldite MY0500/0510又はAraldite MY0600/0610としてHuntsman Advanced Materials(Monthey、Switzerland)から市販され、商品名ELM−120としてSumitomo Chemical Co.(Osaka、Japan)から市販されている。
適切な四官能性エポキシ樹脂の例には、Araldite MY720及びMY721としてHuntsman Advanced Materials(Monthey、Switzerland)から、ELM434としてSumitomoから市販されているN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(TGDDM)が含まれる。
粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂を形成するためにエポキシ樹脂に含まれる硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるために一般的に使用される硬化剤及び硬化剤の組み合わせの何れかであってもよい。本明細書で使用される硬化剤は、硬化剤及び促進剤の両方を含む。
例示的な硬化剤には、例えば、ナジック酸無水物(NA)、メチルナジック酸無水物(MNA−Aldrichから入手可能)、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物(HHPA−Anhydrides and Chemicals Inc.,Newark,N.J.から入手可能)、メチルテトラヒドロフタル酸無水物(MTHPA−Anhydrides and Chemicals Inc.から入手可能)、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA−Anhydrides and Chemicals Inc.から入手可能)、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサクロロエンドメチレン−テトラヒドロフタル酸無水物(Chlorentic Anhydride−Velsicol Chemical Corporation,Rosemont,Ill.から入手可能)トリメリット酸無水物、ピロメリト酸二無水物、マレイン酸無水物(MA−Aldrichから入手可能)、琥珀酸無水物(SA)、ノネニル琥珀酸無水物、ドデセニル琥珀酸無水物(DDSA−Anhydrides and Chemicals Inc.から入手可能)、ポリセバシン酸ポリ無水物、ポリアゼライン酸ポリ無水物、等のポリカルボン酸無水物が含まれる。
更に適切な硬化剤は、芳香族アミン、例えば、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、並びに、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS−Huntsmanから入手可能)、4−アミノフェニルスルホン、及び3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)、等のポリアミノスルホン、を含むアミン類である。
また、適切な硬化剤は、エチレングリコール(EG−Aldrichから入手可能)、ポリ(プロピレングリコール)、及びポリ(ビニルアルコール)等のポリオール、並びに約550〜650の平均分子量を有するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、約600〜700の平均分子量を有するp−t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、及び約1200〜1400の平均分子量を有するp−n−オクチルフェノール−ホルムアルデヒド等であって、これらは、Schenectady Chemicals,Inc.,Schenectady,NYからのHRJ 2210、HRJ−2255、及びSP−1068としてそれぞれ入手可能であるフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を含んでいてもよい。更に、フェノール - ホルムアルデヒド樹脂に関しては、CTUグアナミンと、Ajinomoto USA Inc.(Teaneck,NJ)からCG−125として市販されている分子量398のフェノール - ホルムアルデヒド樹脂との組み合わせも適している。
異なる市販混合物が、粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂中に硬化剤として存在してもよい。そのような混合物の1つは、Ajinomoto USA Inc.から入手可能なジシアンジアミド型製剤であるAH−154である。適切な他のものには、ポリアミド、ジエチルトリアミン、及びトリエチレンテトラアミンの混合物であるAncamide 400、アミドアミン、イミダゾリン、及びテトラエチレンペンタアミンの混合物であるAncamide 506、並びに4,4’−メチレンジアニリン及び1,3−ベンゼンジアミンの混合物であるAncamide 1284が含まれ、これらの製剤は、Pacific Anchor Chemical,Performance Chemical Division,Air Products and Chemicals,Inc.,Allentown,Paから入手可能である。
追加の適切な硬化剤には、Sigma Aldrich(St.Louis,Missouri)から入手可能なイミダゾール(1,3−ジアザ−2,4−シクロペンタジエン)、Sigma Aldrichから入手可能な2−エチル−4−メチルイミダゾール、及びAir Products & Chemicals,Inc.から入手可能なAnchor 1170等の三フッ化ホウ素アミン錯体が含まれる。
更に別の適切な硬化剤には、ATUとしてAjinomoto USA Inc.から市販されている3,9−ビス(3−アミノプロピル−2,4,8,10−テトロキサスピロ[5.5]ウンデカン)、またAjicure UDHとしてAjinomoto USA Inc.から市販されている脂肪族ジヒドラジド、及びLP540としてMorton International,Inc.,Chicago,Ill.から市販されているメルカプト−末端ポリサルフィドが含まれる。
粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂中に硬化剤の一部として存在してもよい例示的な促進剤には、N,N−ジメチル,N’−3,4−ジクロロフェニル尿素(ジウロン)、N’−3−クロロフェニル尿素(モヌロン)、及びN、N−(4−メチル−m−フェニレン ビス[N’,N’−ジメチル尿素](例えば、Degussaから入手可能なDyhard UR500)等の、促進剤として一般的に使用されているウロン(urone)化合物の何れかが含まれる。
改質剤が、粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂中に存在してもよい。例示的な改質剤には、エポキシ樹脂を強化するために使用される熱可塑性材料が含まれる。このような熱可塑性樹脂は、ポリエーテルスルホン又はポリエーテルイミド等のエポキシ樹脂に可溶性であってもよい。ポリアミド、ポリアミドイミド、及びポリウレタン、等の不溶性の熱可塑性粒子も改質剤として含められてもよい。
粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂に存在してもよい追加の例示的な改質剤には、柔軟剤、コアシェルゴム、難燃剤、湿潤剤、顔料/染料、UV吸収剤、抗真菌化合物、充填剤、導電性粒子、及び粘度改質剤が含まれる。適切な充填剤には、例として、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、炭酸カルシウム、及び酸化カルシウムのうちの何れか、又はこれらのうちの組合せ が含まれる。改質剤の量及び種類は、粘着性の未硬化熱の硬化性樹脂の内在的な粘着性が実質的に排除又は低減されないように制限される。
典型的に高容量を含む自動車用途では、比較的速い硬化エポキシ樹脂が好ましい。このような樹脂は、典型的には、主要な硬化剤として使用されるジシアンジアミドとともに、主成分としてビスA又はビスFエポキシ樹脂を含む。
未硬化の熱硬化性樹脂の温度を上昇させることによって、非凝集性複合材チップ16の表面によって示される粘着性を増加させることができる。チップ温度を上昇させることは、チップの表面粘着性に直接的な影響を及ぼす。複合材チップの表面は、より高い温度で粘着性のより高い度合いを示し、より低い温度で保たれるとより低い粘着性を示す傾向がある。複合材チップ16は、複合材チップ16が互いに接触したときに凝集しないように複合材チップ16の表面が実質的に不粘着性である初期温度Tに保たれる。特定の未硬化の熱硬化性樹脂の適したTを決定するための予備的試験は、選択されたTにおいて複合材チップ材16の群をバッグに入れ、数秒(5〜10秒)振とうすることによって実施されてもよい。チップの多数の凝集体が形成される場合、表面は過度の粘着性を示す。振とう試験の間、チップの少量(5重量%未満)のみが凝集体を形成するまでTは減少する。
複合材チップ16のいくらかの加熱は、切断及び操作の間に生じ得る。必要に応じて、非凝集化チップ16は冷却ゾーン18で冷却されて、それらが所定の熱硬化性樹脂の不粘着温度Ttf以下であることを確実にする。Ttfにおいて、粘着性の複合材チップ16は、非凝集性複合材チップの流れに形成されることができる。Ttfは、冷却された複合材チップの群をバッグに入れ、数秒間振とうすることによって、予備的に決定されることができる。チップの凝集体が形成される場合、チップは非凝集性であるほど充分に冷たくはなく、Ttfに達していない。バッグ内で数秒間(5〜10秒)振とうしたときに、冷却した粘着性の複合材チップが凝集しない(凝集体形成が5重量%未満である)場合にTtfに達する。複合材チップ16の温度Tは、チップが凝集しないことを確実にするために、Ttfよりも数度低く保たれることが好ましい。温度は、未硬化の熱硬化性樹脂が粉末になるほどに低くすべきではない。多くのエポキシ樹脂では、Ttfは0℃〜25℃の範囲である。
一例として、エポキシ樹脂としてビスフェノールAのジグリシジルエーテル及び硬化剤としてジシアンジアミドを含む複合材チップは、非凝集性複合材チップ16を提供するために、10℃〜20℃のTで形成される。Tは、特定の未硬化のエポキシ樹脂のTtfよりも少なくとも数度低い。チップ16は、必要に応じて、冷却ゾーン18で冷却されて、複合材チップ16が非凝集性を維持することを確実にするために、複合チップ16の温度を10℃〜20℃のTに維持する。未硬化の樹脂は、チップを冷蔵状態に保つことによってエネルギーを消費する必要性を排除するために、室温(15℃〜25℃)又はそれに近いTtfを有することが好ましい。複合材チップ16は、形成された直後に使用されることが好ましい。しかし、チップ16は、温度がTtf以下に保たれるならば、比較的短い時間(例えば、24時間未満)、使用前に保存されてもよい。
非凝集性複合材チップは、冷却ゾーン18から漏斗20に通され、非凝集性複合材チップの流れが形成される。この流れは、漏斗20によって充填ステーションAの予備成形物工具22に導かれる。漏斗以外の装置を使用して、非凝集性チップの流れを予備成形物工具22に導くことができる。チップ16は、漏斗20を通過するときにランダムに配向されてもよい。漏斗20は、チップ16が漏斗20を通過するときにチップ16を所望の形状に配向又は整列させる羽根又は他の内部構造を含むことができる
矢印24で示されるように、該方法は、充填ステーションAで非凝集性複合材チップを充填するために複数の予備成形物工具(例えば22a及び22b)が並べられる大量生産方法を意図している。複数の充填ステーションAは、予備成形物工具22が2タイプ以上の非凝集性複合材チップで充填されることができるように使用されてもよい。予備成形物内の異なる位置及び/又は配向で複数のタイプの複合チップを含むプリフォームを形成するために複数の充填ステーションを使用できることは、複雑な性能要件を有する複雑なプリフォームを製造する場合に有利である。
予備成形物工具は、内壁28及び底面30によって形成される空洞26を含む。壁28及び底面30は、最終予備成形物の外面を画定し、最終的に形成する。非凝集性複合材チップの流れは、空洞26を充填し、結合力のない複合材チップ32の群を形成するために使用される。結合力のない複合材チップの分布及びランダムな配向を制御するために、空洞26内に非凝集性複合材チップを安定させて詰めることを助けるように、予備成形物工具22が振動器プラットフォーム34によって振動させられることが好ましい。好ましくは、予備成形物工具は、可能な限り予備成形物の上面を均一にするように充分に振動される。空洞26内の非凝集性複合材チップの分布を制御及び/又は最大化することをまた助けるように、真空が空洞26に適用されてもよい。(図示されない)目盛りは、空洞に導入される非凝集性複合材チップの重量を測定し制御するために使用される。非凝集性複合材チップは、空洞内に配置されると、結合力のない複合材チップの群を形成する。目盛りの使用は、各空洞に同じ量のチップが導入されることを確実にし、次に、均一な寸法を有する予備成形物の形成を確実にする。
結合力のない複合材チップ32c、32d、及び32eの群でそれぞれ充填された、充填された予備成形物工具22c、22d、及び22eは、固結ステーションBに送られる。予備成形物工具は、好ましくは、充填ステーションAから固結ステーションBへの移送の間、又はステーションB内に配置されているとき、室温まで温められることが可能である。不粘着の複合材チップが粘着性になる又はねばねばになるように、室温は複合材チップのTtfより高くなければならない。実際には、非凝集性複合材チップ中に存在する非粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂は、粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂に変換される。粘着性の未硬化熱硬化性樹脂は、結合力のない複合材チップ32c、32d、及び32eの群に存在する非粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂の温度及び固有粘着性を増加させることによって形成される。固結ステーションBにおいて、結合力のない複合チップの群は、できるだけ僅かな時間(例えば、数秒)で予備成形物を形成するために、熱、及び真空又は圧力の何れかを使用して、減量及び固結化装置36によって形成される。予備成形物は、結合力のある複合材チップの固結群より構成される。
特定の複合材チップのTtfは、複合材チップの非凝集性の流れを形成できるように、UDテープ12及び複合材チップ16を充分に冷たい状態に保つように必要とされるエネルギー量を低減するために、室温に近いことが好ましい。複合材チップの任意の所与のタイプについて、上記のように、該方法が実施される室温(例えば、20℃)で、チップが凝集することを確認するために、チップを最初に試験することが好ましい。これにより、該方法が実施される室温が予備成形物を形成するために許容されることが保証される。次いで、チップを、より低い温度で、且つ、粘着性の複合材チップが非凝集性複合材チップになる温度Ttfを決定するためにより低い温度で試験する。このTtfは、他の粘着性の複合材チップが非凝集性複合材チップであることを確実にするために最小限の冷却を必要とするので、好ましいTとして使用される。室温と好ましいTtfとの間の差は、好ましくは1℃〜10℃のオーダーである。Tは、複合材チップが予備成形物に形成されて導かれる選択された温度であるのに対して、Ttfは、上述のように決定される複合材チップの固有の特性であることに留意されたい。TはTtf以下でなければならない。
予備成形物を形成するために使用される減量及び固結化装置36は、粘着性のある未硬化の熱硬化性樹脂を硬化させることなくシート成形材料を予備成形物に形成するのに使用される典型的な低圧又は真空成形装置である。予備成形物工具22は、予備成形物工具に封をする再使用可能な真空バッグ装置、又は粘着性の複合材チップの上部に圧力を適用するプランジャによって形成された上部とともに装置36の底部を形成する。別の選択肢は、内袋又は油圧によって密閉される上部として硬質シェルを使用することである。典型的には、予備成形物を形成するための固結中に、真空又は5〜15psi相当の圧力が空洞に適用される。
所望であれば、予備成形物は、減量及び固結化装置36内に存在している間に、「Bステージ化」されることができる。Bステージングは、予備成形物を、周囲圧力において粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂の粘度を実質的に上昇させるための充分な時間の間に、例えば、165℃〜180℃の温度に加熱することを含む公知の部分的な硬化手順である。例示的なBステージング時間は、Bステージング温度で5〜15分のオーダーである。Bステージ化予備成形物は、減量及び固結化装置36から取り除かれる前又は後のいずれかに、室温に冷却される。
減量及び固結化装置の表面36並びに予備成形物工具の表面28及び30は、典型的には、剥離剤で処理する必要がない。しかしながら、所望であれば、予備成形物がこれらの表面に粘着しないことを確実にするために、表面は剥離剤で処理されてもよい。予備成形物工具又は鋳型の表面に典型的に使用される任意の剥離剤が適している。例示的な剥離剤は、シリコーン系剥離剤及び水系剥離剤を含む。ポリテトラフルオロエチレン又は再使用可能な剥離フィルムで被覆された工具表面もまた適している。
減量及び固結化装置36での形成後、予備成形物32fは予備成形物工具22fから除去される。予備成形物32fは即時成形のために移送されて最終部品が形成されてもよいし、予備成形物32fは後に成形するために保管されることができる。矢印38で示されるように、空の予備成形物工具22gは、再充填のために充填ステーションAにリサイクルされ、追加の予備成形物を形成するために再使用される。
予備成形物32fの成形は、繊維及び未硬化の熱硬化性樹脂を含む予備成形物の成形と同じ方法で達成される。予備成形物32fの成形には、DFCシート成形材料を含む予備成形物を成形するために使用される任意の成形プロセスが使用されることができる。予備成形物32fは、DFCシート成形材料用の公知の圧縮成形手順に従って圧縮成形されることが好ましい。例えば、予備成形物は、典型的には、予備成形物の形状に一致する空洞を形成する2つの鋳型半体からなる鋳型内に配置される。鋳型内に配置されると、予備成形物は、最終部品を形成するために、粘着性の未硬化の熱硬化性樹脂の硬化温度まで加熱され、高圧で成形される。エポキシ樹脂の典型的な高圧硬化温度は120℃〜225℃の範囲である。好ましい硬化温度は120℃〜205℃の範囲である。鋳型内の内部圧力は、硬化温度で500psiより大きく2000psiより小さいことが好ましい。プリプレグが完全に硬化すると(典型的には硬化温度で5分から1時間)、部品は鋳型から取り除かれ、最終部品を形成するために冷却される。
上述の例示的な方法は、結合力のない複合材チップの群を、結合力のある複合材チップの固結群からなる予備成形物に変換するために温度を利用する。このような熱に基づく方法では、非凝集性複合材チップ中に存在する未硬化の熱硬化性樹脂は、好ましくは室温よりわずかに低いTで不粘着性の状態から、固結ステーションBに移動して、Ttfより高い室温まで加熱されたときに粘着性を示す状態になることが必要である。この基準を満たすことができない熱硬化性樹脂は、本発明のこの好ましい実施形態での使用に適していない。
例示的な予備成形物32fの底面図が図2に示され、 図2に側面図が示されている。予備成形物32fは、減量及び固結化中に形成される上面40を含む。予備成形物32fはまた、予備成形物工具の壁28によって画成されて形成される側面42を有する。予備成形物32fは、予備成形物工具の底面によって形成される底面44を更に含む。底面44は、3つの表面区分46、48、及び50を形成するように形作られている。表面区分46と上面40との間の予備成形物32fの厚さは「T」である。表面区分48と上面40との間の予備成形物32fの厚さは、T+3/8×Tに等しい。表面区分50と上面40との間の予備成形物32fの厚さは、T+3/8×T+5/8×Tに等しい。
形作られた表面を有する32fのような予備成形物は、DFCシート成形材料を使用して製造されることができる。DFCシート成形材料は、厚さTを有する予備成形物の区分を形成するために単一層又は複数層として使用されることができる。しかし、厚さTの分数的な増加を有する予備成形物の追加の部分を区分する際に、異なる厚さを有し、互いに重ね合わされなければならない、他のDFCシート成形材料を使用することを考慮しなければならない。本発明は、次いで予備成形物に重ね合わされて形成されなければならないシート成形材料を形成するのではなく、複合材チップが予備成形物工具の空洞を直接充填するように使用されるので、底面44のように形作られた表面を形成するために、DFCシート成形材料の使用に関連するこれらの問題を回避する。
更に、成形される部品がDFCシート成形材料よりも薄い区分を有する場合、DFCシート成形材料は、より薄い部品を形成するために、成形中に圧縮されて流れなければならない。成形中のこの材料流のタイプは、部品の機械的特性に悪影響を及ぼし、部品間の特性変動を増加させる傾向がある。本発明は、非凝集性チップがDFC成形材料のシートの厚さよりもはるかに薄い非常に薄い予備成形物の部分に直接形成されることができるので、この問題を回避する。本発明に従って製造された部品の厚さは、個々のチップの厚さによってのみ制限される。
このように、本発明の例示的な実施形態について上述したように、当業者であれば、上述の開示は例示的なものに過ぎず、本発明の範囲内で種々の他の代替、改造、及び改変を行うことができることに留意すべきである。従って、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (12)

  1. 結合力のある複合材チップの固結群を含む予備成形物の製造方法であって、前記予備成形物は、前記予備成形物の成形時に複合材部品の表面を形成する外面を含み、
    非凝集性複合材チップを提供するステップであって、前記非凝集性複合材チップのそれぞれは、繊維及び未硬化の熱硬化性樹脂を含み、前記非凝集性複合材チップは、前記未硬化の熱硬化性樹脂の粘着性が前記非凝集性複合材チップの凝集を防止する充分な低さであるような温度にある、ステップと、
    前記非凝集性複合材チップを含む流れを形成するステップと、
    前記非凝集性複合材チップの流れを受け入れるための空洞を形成する壁を含む予備成形物工具を提供するステップであって、前記壁の少なくとも1つは、前記予備成形物の前記外面を画定する、ステップと、
    前記空洞を結合力のない複合材チップの群で充填するために、前記非凝集性複合材チップの流れを前記予備成形物工具に導くステップであって、前記予備成形物工具は、前記結合力のない複合材チップの群で前記空洞を充填している間に振動している、ステップと、
    結合力のある複合材チップの固結群を含む前記予備成形物を形成するために、前記結合力のない複合材チップの群の温度を上昇させるステップであって、前記結合力のある複合材チップのそれぞれは、前記繊維及び前記未硬化の熱硬化性樹脂を含み、前記結合力のある複合材チップは、前記未硬化の熱硬化性樹脂の粘着性が前記予備成形物を形成するために前記結合力のある複合材チップの結合力を生じさせる充分な高さであるような温度にある、ステップと
    前記予備成形物を前記予備成形物工具から取り除くステップと
    を含む、予備成形物の製造方法。
  2. 前記非凝集性複合材チップ中の前記繊維は一方向性である、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  3. 前記非凝集性複合材チップは、1cm〜10cmの長さ、2mm〜2cmの幅、及び0.02mm〜0.50mmの厚さを有する、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  4. 前記非凝集性複合材チップは長方形の形状である、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  5. 前記未硬化の熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  6. 前記非凝集性複合材チップは0℃〜25℃の温度にある、請求項5に記載の予備成形物の製造方法。
  7. 前記非凝集性複合材チップは10℃〜20℃の温度にある、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  8. 前記結合力のない複合材チップの群は、前記空洞を充填している間に計量されている、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  9. 前記結合力のない複合材チップの群を形成するために、前記非凝集性複合材チップで前記空洞を充填している間に、真空が前記予備成形物工具中の前記空洞に適用されている、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  10. 前記予備成形物を形成するステップの間に、真空が前記予備成形物工具中の前記空洞に適用されている、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  11. 前記予備成形物の前記外面は、前記予備成形物が前記予備成形物の第2の部分より厚い第1の部分を有するように形作られている、請求項1に記載の予備成形物の製造方法。
  12. 請求項1に従って製造された予備成形物を提供するステップと、前記複合材部品を形成するために前記未硬化の熱硬化性樹脂を硬化するステップとを含む、複合材部品の製造方法。
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