JP6715643B2 - 空気清浄緑化装置および空気清浄緑化装置の制御方法 - Google Patents
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Description
また、植栽部の水分量を適切に制御できることから植物の枯死を防止することができ、清浄効率を低下させることなく空気清浄を行うことができる空気清浄緑化装置および空気清浄緑化装置の制御方法に関するものである。
さらに、清浄効率を低下させることなく消費電力を最小限に抑えることができる空気清浄緑化装置および空気清浄緑化装置の制御方法に関するものである。
そして本願出願人においては、空気の清浄を植物や土壌など植物を植栽する基盤によって行うことで、空気清浄とともに緑化を行うことができる空気清浄緑化装置を開発している(特許文献1〜3)。
また、効率的な空気清浄を行うためには、設置環境の汚染物質の量に基づいて植物や土壌に通過させる空気の風量調節、すなわち清浄運転の制御を行うことが重要となってくる。
従って、植物や土壌を用いて空気の清浄を行う空気清浄緑化装置において効率的な空気清浄を行うためには、雰囲気中の汚染物質の量に基づいた清浄運転(制御)を行いつつ、土壌の水分量も検知しながらきめ細かく制御することが必要となってくる。さらに、植物や土壌を用いて空気の清浄を行う空気清浄緑化装置については、夜間などの日照がない時間帯に対する対応も必要となってくる。
また、植栽部の水分量を適切に制御できることから植物の枯死を防止することができ、清浄効率を低下させることなく空気清浄を行うことができる。
さらに、清浄効率を低下させることなく消費電力を最小限に抑えることができる。
図1は本発明に係る空気清浄緑化装置の一の実施形態を示す模式図(図1(a)は斜視図、図1(b)は側面図)であり、図2は本発明に係る空気清浄緑化装置に用いる制御手段の基本的な流れを示すフロー図である。
まず、本発明に係る空気清浄緑化装置の構成を図1に基づいて説明する。
本発明に係る空気清浄緑化装置1は、植栽部2と水や養液を供給する供給装置3と通気ファン4と植栽部2の水分量を計測する水分センサ5と制御手段6を主要部品として構成されている。なお、図1に示す空気清浄緑化装置1は、上記の各構成要件が縦長の直方体状の筐体7に収納されており、係る筐体7を円盤状の底板8によって支えている構造となっているが、上記の各構成要件を具備するものであればこれに限定されず、各種の形態を採用することができる。
本発明に係る空気清浄緑化装置1に用いられる植栽部2は、植物が植えられることによって設置環境の緑化を行うとともに、植えられた植物とともに設置環境の空気清浄を行うためのものである。
なお、植栽部2の具体的な形態については植物を育成できるものであれば特に限定されるものではなく、材質については各種の土壌、あるいはフェルトなどの多孔質素材を用いることができ、形状についても各種の形状を採用することができる。
本発明に係る空気清浄緑化装置1に用いられる供給装置3は、植物に水や養液を植物(植栽部2)に供給するためのものである。なお、供給装置3の植栽部2に対する設置位置については特に限定されるものではないが、図1に示すような縦長の形態を採用する場合には、水勾配を利用して植栽部2の上端部から下端部に向かって水や養液を供給することができることから供給装置3を植栽部2の上方に設けることが好ましい。
また、本発明に係る空気清浄緑化装置1に用いられる水分センサ5は、植栽部2の水分量を測定するものである。
なお、水分センサ5の植栽部2に対する設置位置についても供給装置3と同様に特に限定されるものではないが、図1に示すような縦長の形態を採用する場合には、水勾配によって植栽部2の上端部が乾燥しやすくなることから植栽部2の上端部に設けることが好ましい。
本発明に係る空気清浄緑化装置1に用いられる通気ファン4は、空気清浄緑化装置1が設置される設置環境の空気を植栽部2に通過させるためのものである。また、本発明に係る空気清浄緑化装置1に用いられる通気ファン4は、ファンの回転数など、植栽部2を通過する空気の通気量を多段階に変更することができる構造となっている。
また、図1に示す空気清浄緑化装置1においては、通気ファン4が空気清浄緑化装置1内における植栽部2の背面側に設置されている構造となっており、通気ファン4が設置環境の空気を吸引することによって植栽部2に通過させ、通過後の空気(清浄された空気)を空気清浄緑化装置1の背面から排出する構造となっている。なお、通気ファン4の設置位置や通気方法などの具体的な形態については設置環境の空気を植栽部2に通過させることができるものであれば特に限定されるものではなく、設置環境の空気を空気清浄緑化装置1の内部に吸引する際に植栽部2に通過させる形態や、空気清浄緑化装置1内に取り込んだ設置環境の空気を装置外に排出する際に植栽部2に通過させる形態など各種の形態を採用することができる。
本発明に係る空気清浄緑化装置1に用いられる制御手段6は、通気ファン4の運転の制御を行うとともに、水分センサ5によって計測された植栽部2の水分量に基づいて供給装置3の運転の制御を行うものである。具体的には、通常運転モードと急速運転モードと休止モードを備えており、各モードを切り換えることによって、設置環境の空気清浄を行うものである。つまり、日中や設置場所がオフィスなどの場合における就業時間中などにおいては原則として通常運転モードによって通気ファン4および供給装置3の運転の制御を行い、夜間や設置場所がオフィスなどの場合における就業時間後などにおいては休止モードによって制御を行うものである。また、後記するように、一定の条件に基づいて急速運転モードによって通気ファン4および供給装置3の運転の制御を行うものである。
なお、通常運転モード、急速運転モード、休止モードの各運転モードについては、制御手段6が必要に応じて適宜選択を行うことになるが、図2に示すように急速運転モードと休止モードについては通常運転モード時においてのみ選択が可能であることにしておけば、1日の大半における運転制御を通常運転モードによって行うことができることから、植物の枯死を防止しつつ、清浄効率も低下させることなく消費電力を最小限に抑えることができるので好適である。
また、制御手段6の設置位置については特に限定されるものではないが、図1に示すような縦長の形態を採用する場合には、水分の影響を極力受けないようにするために植栽部2の上部に設けることが好ましい。
また、本発明に係る空気清浄緑化装置1には、必要に応じて、設置環境におけるタバコ臭・煙、アンモニア臭、VOC、HC(炭化水素)、一酸化炭素、NOx、SOx、PM(粒子状物質)などの汚染物質の濃度を計測する汚染物質計測センサ(図示せず)や、設置環境が室内(例えば喫煙室)である場合には室内に人が入ってきたことを感知する人感センサ(図示せず)やサーモセンサ(図示せず)などを設け、制御手段6が上記の制御に加えてこれら各センサの計測・感知結果に基づいて通気ファン4の運転制御を行うようにすることもできる。
さらに、本発明に係る空気清浄緑化装置1には、必要に応じて光触媒材料と光源を備えた光触媒ユニット(図示せず)を設け、植栽部2を通過した空気をさらに光触媒ユニットに通過させることによって清浄効果を向上させることができる。
まず、図2に示すように、日中や設置場所がオフィスなどの場合における就業時間中などにおいては、制御手段6は原則として通常運転モードによって通気ファン4および供給装置3の運転の制御を行うことになる。
次に、設定した標準回転数で運転を行い、ステップ2(S2)において水分センサ5の計測値(植栽部2の水分量)が設定値以上であるか否かを判断する。そして、水分量が設定値未満である場合には供給装置3を稼働して水や養液を植栽部2に供給し、再度ステップ2(S2))に戻ることになる。
急速運転モードが選択された場合には、まずステップ11(S11)において光触媒ユニットが設けられているか否かを判断し、光触媒ユニットが設けられている場合には光触媒ユニットを稼働し、通常運転モード(ステップ2(S2))に戻ることになる。具体的には、光源を点灯し、通気ファン4を標準回転数よりも高い回転数で所定時間運転した後、光源を消灯する。
休止モードが選択された場合には、まずステップ12(S12)において夜間または就業時間外であるか否か(あるいは通常運転モードにおいて一定時間稼働されたか否か)を判断し、夜間または就業時間外である場合(あるいは通常運転モードにおいて一定時間稼働した場合)にはステップ13(S13)に進み、夜間または就業時間外ではない場合(あるいは通常運転モードにおいて一定時間稼働していない場合)には所定の時間が経過した後に、再度ステップ12(S12)に戻ることになる。
灌水モードが選択された場合には、まずステップ14(S14)において水分センサ5の計測値(植栽部2の水分量)が設定値以上であるか否かを判断する。そして、水分量が設定値未満である場合には供給装置3を稼働して水や養液を植栽部2に供給し、所定の時間が経過した後に再度ステップ14(S14)に戻ることになる。
まず、本発明に係る空気清浄緑化装置1を複数台制御する際の一の例としては、図7に示すようにタバコ等の汚染物質の発生源に対して最短距離に位置する空気清浄緑化装置1aのみが稼働するものである。この場合、対象となる空気清浄緑化装置1aの動作(制御方法)については、上記した[0033]〜[0048]の制御が行われることになる。また、最短距離に位置する空気清浄緑化装置1a以外の空気清浄緑化装置1については通常運転モードにて制御が行われることになる。
次に、本発明に係る空気清浄緑化装置1を複数台制御する際の別の例としては、図8に示すように、タバコ等の汚染物質の発生源の近傍に位置する空気清浄緑化装置1がいわば一体となって稼働するものである。
なお、本動作を行うためには、各空気清浄緑化装置1の制御手段6が、それぞれの水分センサ5の計測結果および通気ファン4の回転数の情報を相互に送受信する通信機能を備えるものである必要がある。また、各空気清浄緑化装置1の制御手段6が、各空気清浄緑化装置1がそれぞれの水分センサ5の計測結果および通気ファン4の回転数の情報に加えて、受信した他の空気清浄緑化装置1の水分センサ5の計測結果および通気ファン4の回転数の情報を考慮して制御を行うものである必要がある。
次に、本発明に係る空気清浄緑化装置1を複数台制御する際の別の例としては、図8に示した動作(制御方法)を発展させたものであり、空気清浄に加えて緑化を行うことも目的とする空気清浄緑化装置1において重要である植栽部2の水分量を考慮しつつ、複数台の空気清浄緑化装置1をより効率的に制御するものである。
そこで、図9に示す動作(制御方法)については、植栽部2の水分量を考慮しつつ、複数台の空気清浄緑化装置1をより効率的に制御することになる。
また、信号を送信した最短距離に位置する空気清浄緑化装置1aは、通気ファン4の回転数を通常運転モードの回転数に落として運転を行うことになる。
つまり、本動作においては、最短距離に位置する空気清浄緑化装置1aについて、最短距離に位置しているメリットを活かした通気量の最大化よりも植栽部2の乾燥による清浄機能の低下や植物の育成阻害を重視し、水分量が第一設置値未満の場合には敢えて通気量を抑える制御を行うのである。なお、回転数に落として運転を行う際においては、通常運転モードにおいて行われるステップ2(S2)を実行する(供給装置3を稼働して水や養液を植栽部2に供給する)こともできる。
つまり、通気量を最大にした場合でも植栽部2が清浄を行うに当たって必要最低限の水分量を確保できる状態であることを確認した上で、最短距離に位置する空気清浄緑化装置1aの急速運転モードを維持する制御を行うのである。
つまり、隣接する空気清浄緑化装置1b、1cが急速運転モードにて運転されている場合には、最短距離に位置する空気清浄緑化装置1aは通気ファン4の回転数を少し上げるだけにする(急速運転モードによる運転をできるだけ回避する)ことによって、複数の空気清浄緑化装置1を一体として使って空気清浄を行う制御を行うのである。
2 植栽部
3 供給装置
4 通気ファン
5 水分センサ
6 制御手段
7 筐体
8 底板
Claims (8)
- 複数台の空気清浄緑化装置が連携して稼働する空気清浄緑化装置群であって、
前記空気清浄緑化装置は、
植栽部と、
水または/および養液を供給する供給装置と、
前記植栽部を通過する空気の通気量を多段階に変更することができる通気ファンと、
前記植栽部の水分量を計測する水分センサと、
制御手段を備え、
前記制御手段は、
通常運転モードと、急速運転モードと、休止モードを備えており、
前記通常運転モードにおいては、
任意の段階の通気量となるように前記通気ファンを稼働するとともに、前記水分センサの計測値が設定値未満になったときに前記供給装置を稼働する制御を行い、
前記急速運転モードが選択されたときは、
前記通常運転モードにおける通気量よりも高い段階の通気量となるように前記通気ファンを稼働するとともに、前記水分センサの計測値が設定値未満になったときに前記供給装置を稼働する制御を行い、
前記休止モードが選択されたときは、
前記通気ファンおよび前記供給装置を所定時間停止する制御を行い、
さらに、前記制御手段が、
前記水分センサの計測結果および前記通気ファンの回転数の情報を送受信する通信機能を備えたものであることを特徴とする空気清浄緑化装置群。
- 前記急速運転モードおよび前記休止モードは、
前記通常運転モード時においてのみ選択が可能であることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄緑化装置群。
- 前記制御手段が、
さらに前記供給装置を所定時間稼働する灌水モードを備えており、
前記灌水モードは前記休止モードの終了時においてのみ稼働する制御を行うものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気清浄緑化装置群。
- 前記制御手段が、
前記通常運転モードの稼働と、前記休止モードの稼働および/または前記急速運転モードの稼働との切換制御を定期的に行うものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置群。
- さらに外気の汚染物質量を計測する汚染物質計測センサを備え、
前記汚染物質計測センサの計測値が設定値以上となったときに、
前記制御手段が、
前記通常運転モードから前記急速運転モードへの切換制御を行うものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置群。
- さらに人感センサまたは/およびサーモセンサを備え、
前記人感センサが人を検知したとき、または/および前記サーモセンサの計測値が設定温度以上となったときに、
前記制御手段が、
前記通常運転モードから前記急速運転モードへの切換制御を行うものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置群。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置群を制御する方法であって、
前記一の空気清浄緑化装置の制御手段が、
一の空気清浄緑化装置の水分センサの計測値が設定値未満になったときに、
前記一の空気清浄緑化装置の通気量を、設定値未満になったときの通気量よりも1または2段階低い通気量となるように前記一の空気清浄緑化装置の通気ファンを稼働する制御を行うとともに、
隣接する他の空気清浄緑化装置の制御手段に信号を送信し、
前記他の空気清浄緑化装置の制御手段は、
前記信号を受信したときに、
前記他の空気清浄緑化装置の通気量を、前記信号を受信する前の通気量よりも1または2段階高い通気量となるように前記他の空気清浄緑化装置の通気ファンを稼働する制御を行うことを特徴とする空気清浄緑化装置群の制御方法。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置群を制御する方法であって、
前記一の空気清浄緑化装置の制御手段が、
一の空気清浄緑化装置の水分センサの計測値が設定値以上になったときに、
前記一の空気清浄緑化装置の通気量を、設定値以上になったときの通気量よりも1または2段階高い通気量となるように前記一の空気清浄緑化装置の通気ファンを稼働する制御を行うとともに、
隣接する他の空気清浄緑化装置の制御手段に信号を送信し、
前記他の空気清浄緑化装置の制御手段は、
前記信号を受信したときに、
前記他の空気清浄緑化装置の通気量を、前記信号を受信する前の通気量よりも1または2段階低い通気量となるように前記他の空気清浄緑化装置の通気ファンを稼働する制御を行うことを特徴とする空気清浄緑化装置群の制御方法。
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