JP6714606B2 - 脳の非侵襲的神経刺激療法のための方法、システム及び装置 - Google Patents

脳の非侵襲的神経刺激療法のための方法、システム及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、神経刺激療法のための方法、システム及び装置に関し、より詳細には、脳の鼻内及び/又は経頭蓋神経刺激のための方法、システム及び装置に関する。
製薬業界の多くの批評家は、多くの慢性神経疾患に対して有効な薬剤が不足していると考える。こうした疾患としては、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、多発性硬化症(MS)、統合失調症、自閉症、不眠症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、認知症及びアルツハイマー病、パーキンソン病、並びに他の多数の神経学的疾患及び障害を挙げることができる。精神医学に対して入手可能な薬剤は、プラセボに等しいか、又は有害でさえある可能性があると考える向きもある。その結果、神経疾患の多くの患者は、代替療法を探し求める。
代替療法の1つの分野、脳刺激技法は、神経系が実質的にこれらの技法に反応することに基づいて時に使用されてきた。これらの技法の多くは、電気及び磁気インパルスに基づく。以下のリストは、治療の目的でヒトの脳を刺激するために現在使用されている主な方法を構成する。
1.電気痙攣療法(ECT)
電気痙攣療法(ECT)は、重度のうつ病、躁病及び緊張病の困難な症例を治療するために麻酔がかけられた患者において電気的に発作を引き起こすために使用される最も古い方法のうちの1つである(例えば、非特許文献1を参照)。ECT法の作用機序は完全には理解されておらず、治療プロトコルに一般的なコンセンサスはない。さらに、ECT法には、脳に損傷を与えるというリスクがあり、こうした損傷は、認知障害として表される(例えば、非特許文献2を参照)。さらに、この療法からの結果としてのIQ及び記憶の喪失もまた著しい(非特許文献3を参照)。
2.頭蓋電気刺激療法(CES)
別の電気的脳刺激技法には、頭蓋電気刺激療法(「CES」)がある。CES法は、患者の頭部にわたって小さいパルス状の電流を印加する。医師によっては、CESは、ストレス、不安神経症、うつ病及び不眠症等の症状に役立つと主張する。しかしながら、これは、依然として実験的技法である(例えば、非特許文献4を参照)。CESの提案された作用機序は、電流のパルスが、神経細胞がセロトニン、ドーパミン、DHEA、エンドルフィン、及び神経ホルモン系を安定化する他の神経伝達物質を生成する能力を増大させる、というものである(非特許文献5を参照)。CESは、或る特定のストレス関連症状を緩和するのに役立つことができるという説もあるが、その使用が実用的でありかつ費用効果が高いか否かを判断するには十分に研究されていない(非特許文献6を参照)。
3.脳深部刺激療法(DBS)
脳深部刺激療法(DBS)は、患者の頭蓋の小さい穴を通して外科的に挿入され、先端が標的脳領域に植え込まれる細い電極を介して、測定された用量の電気刺激を送達することによって機能する、インプラントを利用する。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、1997年に「本態性振戦」と呼ばれる障害の治療に対して、2002年にパーキンソン病の治療に対して、2003年にジストニアの治療に対して、DBS装置及び処置を承認した(非特許文献7を参照)。より最近では、アルツハイマー病もまたDBSに反応すると報告されている(非特許文献8を参照)。DBS治療は、それらの成功にも関わらず、その効果において過反応である可能性があり、めまい、うずき及び他の望ましくない副作用を引き起こす可能性がある転帰に至る可能性がある。研究者もまた、DBS治療が実際にin−vivo(生体内)でいかに作用するかを依然として理解していない。
4.経頭蓋光療法(Transcranial Light Therapy)(TLT)
経頭蓋光療法(「TLT」)又は経頭蓋フォトバイオモジュレーション(transcranial photobiomodulation)(「tPBM])は、健全な科学原理、良好な転帰、副作用がないこと、非侵襲的であることにより、近年、注目されている。この方法は、頭蓋の外側から脳に光を向けることを含む。光源は、通常、スペクトルの赤色又は近赤外(NIR)部分における、発光ダイオード(LED)又は低出力レーザー源である可能性がある。NIR帯域は、脳のより深い部分に達するために、髄膜、頭蓋物質を通して、その後、脳物質を通して、より深い浸透を可能にするために、好ましい選択である。近年の研究は、脳卒中、外傷性脳損傷、パーキンソン病、軽度認知障害、アルツハイマー病、うつ病及び他のいくつかの認知問題を治療するための経頭蓋光療法の可能性を裏付ける(例えば、非特許文献9を参照)。より最近では、このモダリティは、皮質代謝能力及び消去記憶の保持を促進し、恐怖の再発を低減させ、記憶力を向上させる新規の介入として低出力光療法を関与させることもできることも分かった(非特許文献10)。
5.外耳道経頭蓋光療法
外耳道経頭蓋光療法は、明るい光が耳の中に向けられると、それが、季節性情動障害(SAD)又は冬季うつ病を治療するのに役立つことを論証した、フィンランドにおける研究に従って開発された(非特許文献11)。市販されている装置は、ケーブルによってコントローラーユニットに取り付けられた非常に明るい白色LEDを備えたイヤホンの形態のダイオードを有する。それは、消費者が使い易く、SADに有効であるように見える。
6.オプトジェネティック神経刺激(Optogenetic Neurostimulation)
オプトジェネティック神経刺激(オプトジェネティクス)プロセスでは、研究者は、最初に、チャネルロドプシン2(ChR2)と呼ばれる、感光性分子の遺伝子をニューロンの特定のサブセットに導入する。そして、これらのニューロンに青色光を照射することにより、それらを発火させる。この手法の1つの利点は、その特異性であり、すなわち、その遺伝子を有するニューロンのみが活性化される。このプロセスはまた、細胞を沈黙させるために黄色光のエネルギーを使用する異なる分子、ハロロドプシン(「NpHR」)を導入することにより、ニューロンを遮断する方法も提供する。これらの要素の組合せにより、特定の神経転帰を達成するためにこの技法が非常に正確になる。オプトジェネティクスの研究により、脳の解剖学的位置を予測可能な行動学的転帰と関連付けるにあたり重要な理解をもたらすことができる。行動をいかに正確に操作することができるかは、神経科学の進歩において非常に魅力がある。しかしながら、現時点では、難題は、動物実験をヒトに応用することである。この技法は、依然として、小動物(主に、ラット及びマウス)に関与する、まさに実験室の領域におけるものである。それは、脳内に挿入された光プローブを植え込むことと、光ファイバーを保持しているカテーテルを介して標的脳領域からコントローラーユニットに接続することとを含む、侵襲的方法である。正確な刺激転帰を達成するために、所望のニューロンの発火があるように、脳の特定領域にChR2を導入する必要もある。オプトジェネティクス方法の精度は、科学者には非常に魅力的であるが、当面は研究室領域に留まることが予期される。今日、500を超える研究所が、パーキンソン病、失明、脊髄損傷、うつ病、ナルコレプシー、依存症及び記憶の動物モデルに、オプトジェネティックツールを適用している(非特許文献12を参照)。
7.鼻内光療法
鼻内光療法は、鼻腔を通して脳内に光エネルギーを向けることを含む。研究者は、鼻内光療法は、ヒトの不眠症、軽度認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、偏頭痛及び頭痛、並びに脳卒中(脳梗塞)等の神経学的疾患で、良好な転帰を提供することが分かった。
現行の脳刺激技法の概要
これらの従来から既知の方法の全ての効力を裏付け、それにより、脳が光に反応し、様々な形態で治療転帰をもたらすことを確認する、十分なデータがある。しかしながら、それらは全て、治療目的で脳を刺激する非常に異なる方法である。大部分の治療方法は、実験室条件で動物に対して展開されているか、又は、ヒトに展開される場合、主に、臨床的な監視下で行われなければならない。オプトジェネティクス法は、明らかに、脳の厳密な解剖学的操作を通して神経転帰を引き出すことができる正確さのために神経科学界において非常に注目を集めている。しかしながら、侵襲性及び必要な設備により、この方法は、実験室領域に留まっている。消費者が使い易い製品となる可能性が著しく高い、今日までの1つの従来の方法、すなわち、外耳道経頭蓋法は、季節性情動障害を治療するためにのみ具体的に採用されている。
広範囲の病状を治療するために優れた可能性があると思われる方法は、経頭蓋法である。10年間にわたり、経頭蓋フォトバイオモジュレーション(PBM)は、実験室動物及び被験者において良好な結果をもたらした。動物実験には、急性外傷性脳損傷(TBI)、アルツハイマー病、うつ病及び脳卒中が含まれ、ヒト実験には、TBI、うつ病及び脳卒中が含まれていた。さらに、低出力光エネルギーは、薬剤に関連することが多い副作用なしに、脳卒中実験においてヒトに対して安全であることが分かった。
しかしながら、経頭蓋装置はまだ、携帯型であり低コストで大量生産される程度までは、開発されていない。代わりに、こうした装置は、製造に費用がかかり、携帯型にすることができない所要電力があり、使用に訓練が必要であるため、主に研究室でしか利用することができない。さらに、こうした経頭蓋装置は、光エネルギーが脳の下側に位置する重要な主要領域に達する可能性が低いように設計されている。他の機能もあるが特に、これらの主要領域は、記憶、行動及び感情を支配する。
鼻内光療法を用いて、脳の下側に位置するこれらの領域のうちのいくつかに達することができ、それは、これらの領域が、頭皮より鼻領域の方に近いためである。鼻腔を通して光エネルギーを送達することには、被験者の頭皮又は頭髪が障壁として作用しないという更なる利点がある。しかしながら、鼻腔内光源からの光エネルギーは、頭部の頂部の周囲の背側皮質領域等、鼻腔から遠位の脳の領域に達する可能性は低くなる。
脳照射療法に対する科学的根拠及び証拠
多くの神経障害に対処するために薬剤に効果がないため、光療法等の代替治療に対して更なる注意が向けられている。様々な調査研究により、脳に対する低出力光療法(LLLT)の種々の有益なin−vivo効果が明確に示され事実上証明されている。動物実験では、低出力光療法は、無酸素性脳損傷、アテローム血栓性脳卒中、塞栓性脳卒中、パーキンソン病、軽度認知障害及びアルツハイマー病を治療する見込みがあることが分かった。同様に、臨床実験では、低出力光療法は、虚血性脳卒中、外傷性脳損傷、うつ病の作用、及び前頭前野の機能を改善する見込みがあることが分かった。
脳照射療法に対する作用機序
図17は、低出力光療法の1つの細胞内機序を示す。図示するように、脳の治療反応に対する1つの重要な点は、全ての細胞ミトコンドリアに存在する光アクセプター(photoacceptor)呼吸酵素、すなわちシトクロムオキシダーゼの存在にある。シトクロムオキシダーゼ酵素は、最もよく知られる代謝活性の神経内マーカーを表し、その酵素活性は、学習及び記憶に重要な、フリーラジカル代謝、細胞死経路及びグルタミン酸作動性(神経伝達物質関連)活性化に密に結び付いている(例えば、非特許文献13を参照)。
眼の内部に見られる光レセプター(photoreceptor)とは異なり、光アクセプターは、光エネルギーを処理しないが、代わりに、通常の代謝経路の構成部分である。光アクセプターは、光スペクトルの可視赤色領域及び近赤外領域の光に対して感受性があり、これらの赤色波長及び近赤外波長の吸収光を、アデノシン三リン酸(ATP)の細胞エネルギー分子に変換することができる。これらの可視赤色波長及び近赤外波長の光が(低エネルギーレベルで)生体細胞(神経細胞を含む)に入るとき、光エネルギーは、内部ミトコンドリア機能、ニューロン内シグナリングシステム及び酸化還元状態を調節することによって、細胞の代謝活性を調整する(フォトバイオモジュレーション)。さらに、経験的実験により、熱的効果とは無関係に、ニューロンにおける電気的活動のフォトニューロバイオモジュレーション(photoneurobiomodulation)を達成することができることが分かった(非特許文献14を参照)。また、低エネルギーレベルで採用され送達されるとき、脳に吸収された光エネルギーの治療効果には、いかなる実質的な合併症又は主な副作用も付随して発生しない。したがって、脳のニューロンが生体の事実上全ての機能及び活動に影響を与えることにより、脳に対して光エネルギーを変調することの影響が、結果として、ヒトの医学的状態全体に作用する。
細胞レベルで、赤色光及び近赤外光に対するシトクロムオキシダーゼの感度は、タンパク質構造における発色団の役割によって説明することができる。発色団は、眼に存在するもの等、全ての光レセプターに存在し、色の知覚を与える、有機構造実体である。これらの発色団は、特定の光波長のみを吸収し、他の全てを拒絶し、発色団におけるシトクロムオキシダーゼは、赤色及び近赤外光エネルギーを受容することが知られている。
これらの根底にある事実は、要求時に、生体の脳の1つ以上の解剖学的部分に意図的に向けることができる光エネルギー照射の起こり得る影響を正確に識別し、種々の医学的に認識される神経障害及び病的状態に対して有益な治療及び予防の両方をもたらす。
神経系における光アクセプター
先に報告された動物実験では、脳内の光アクセプターの存在が示唆されたが、単離ミトコンドリアが光スペクトルの赤色領域及び近赤外領域における単色光による照射に対して感受性であることを正確に論証したのは、最初に2000年に報告されたそれらの特定の実験及び経験的結果のみであった。したがって、赤色低出力レーザーによって単離ラット肝臓ミトコンドリアを照射することにより、ATP合成及び酸素消費量が増大したことが経験的に論証された(非特許文献15)。さらに、損傷したミトコンドリアの酸化代謝は、神経変性に関連することが経験的に論証された(非特許文献16を参照)。また、調査研究により、低出力赤色光に曝されたラットニューロン培養物が、シトクロムオキシダーゼ活性の増大を示したことが明らかになった(非特許文献17を参照)。
したがって、in−vivoでミトコンドリア代謝を改善することが意図された光変調方法、システム及び装置は、罹患した脳組織及び正常な脳組織の両方の機能に対して大きな利益がある。こうした光変調方法はまた、ヒトの疼痛を軽減する可能性があるということも考えられる(非特許文献18を参照)。
脳に対する光照射の効果は、特定の波長範囲において有効であることが観察されることもまた注目すべきである。光の効果を左右する主な光アクセプターは、ミトコンドリアに局在しているだけでなく、細胞において光を吸収する分子は、呼吸鎖の一部であると考えられる(非特許文献19を参照)。
平衡及び恒常性
光アクセプター(シトクロムオキシダーゼ等)がそれ以上光刺激に反応しないときがくることが認識される。この臨界事象は、光アクセプターが吸収された光エネルギーによって完全に還元されるか又は完全に酸化するときに発生し、したがって、光アクセプターは、それらの中間段階にあるときにのみ、光エネルギー曝露に反応することができる(非特許文献20を参照)。したがって、光アクセプターが完全に還元されるか又は完全に酸化すると、更なる連続した低出力照射は、光アクセプターからそれ以上代謝活性をもたらさない。これは、体内の生体細胞が、非恒常性であるとき、活動電位限界を呈していることを示し、したがって、脳のニューロンは、恒常性状態に達するまでのみ光照射に対して明確に反応する可能性がある。
光照射処置に好適な神経状態
in−vivoでの脳の1つ以上の領域の光照射から利益を得ることができる多くのあり得る神経状態がある。これらの医学的状態のうちのいくつかについては、要約して後述する。さらに、広範囲の他の神経疾患、障害及び病的状態もまた、本発明を用いて有効に治療的に処置可能であると考えられることが留意され理解されよう。これらの他の神経症状の例としては、限定されないが、てんかん、偏頭痛、慢性疲労症候群、脳炎、多発性硬化症、不安障害、注意欠如障害、統合失調症及び学習障害を含むことが期待される。
1.脳卒中、神経外傷、認知及び情動精神状態の処置
脳卒中、神経外傷、認知、情動状態及び同様の神経疾患の処置に関連するヒト及び動物の実験については、十分に文書化されている(例えば、非特許文献9を参照)。全身の健康の神経学的制御中心である脳は、全身の健康に直接影響を及ぼす。例えば、全身の恒常性に対する重要な調整腺である視床下部の健康は、全身の健康に甚大な影響を与え、したがって、視床下部を機能的に改善することにより、付随して、全身の恒常性の程度が増大する。また、調査研究は、脳卒中及び神経外傷の両方に対して脳照射を広く調べた。例えば、Uozemi他による最近の研究により、経頭蓋的に送達される低エネルギー光が、血流を30%増大させることができることが論証された(非特許文献21)。こうした、光照射による論証された有益な結果には、一酸化窒素生成の著しい増大、血液循環の改善を達成するために血管壁の弛緩に関連する機序が同時に起こった。したがって、大脳血流は、治療済みの大脳半球及び未治療の大脳半球の両方において増大することが分かった。また、光照射によって事前に処置された対象は、閉塞期間中、安定した体温、心拍数及び呼吸数で、改善された血流を示した。全体的な結果は、脳卒中イベント中のアポトーシス細胞の著しい減少である。
低出力近赤外(NIR)光での規則的な照射は、脳卒中イベント後の著しい神経学的回復にも関連することが分かった(非特許文献22を参照)。さらに、これらの回復効果は、神経発生において役割を果たす、脳室下帯における神経細胞増殖及び遊走の増大に関連した(非特許文献23を参照、非特許文献24も参照)。
2.外傷性脳損傷の処置
発表された調査研究により、シトクロムオキシダーゼ及び一酸化窒素の放出に対する低出力光照射の影響は、虚血だけでなく、外傷性脳損傷に対しても光照射療法の神経保護作用に主要な役割を果たすという、in−vivoの証拠が提供された(非特許文献25を参照)。
3.神経変性疾患の処置
脳の光照射は、in−vivoで神経発生を支援することが分かった。したがって、光エネルギー照射は、黒質、すなわち視床下部の後方に位置する中脳領域の一部に特有である、パーキンソン病等、広範囲の異なる神経変性疾患及び障害を治療的に処置することができ、そうした部分は、NIR光波長で達することができる。マウスのような小動物を用いる実験では、670nm波長の低出力光照射が、黒質におけるドーパミン作動性細胞の喪失を防止するのに役立つことが論証された(非特許文献26を参照)。しかしながら、ヒト等のはるかに大きい哺乳動物の対象に対して、より波長の長い光エネルギー(近赤外光(NIR)等)がより適しているとみなされる。
4.うつ病及び同様の情動障害の処置
うつ病及び心的外傷後ストレス障害(PTSD)等の気分障害の形質発現は、前頭前野領域における代謝能力の低下に関連することが示された(非特許文献27を参照)。前頭前野の電気刺激が抗うつ効果を有することが示された(非特許文献28)。したがって、赤色光及び近赤外光での前頭前野領域の光照射により、前頭前野領域における代謝能力の向上をもたらすとともに、これらの医学的状態に対してあり得る神経保護を提供することができる。実際に、予備研究により、大うつ病及び不安神経症を患っているヒトの患者の前頭部に、810nm波長の低出力光を照射させると、前頭前野への血流が増大し、うつ病評価尺度が63%低下した(非特許文献29を参照)。
5.記憶障害の処置
調査研究により、1072nm波長の近赤外光で脳の前頭前野領域を照射すると、個々の機能的記憶が改善したことが論証された(非特許文献30を参照)。この記憶障害状態は、高齢者には一般的であるため、光照射法を用いて脳の前頭前野領域を処置することは、加齢に関する作業記憶障害の問題に役立つことができる。
6.認知症及びアルツハイマー病の処置
神経変性により、医学的に認知症として特定されることが多い認知障害に至る可能性がある。血流の改善をもたらすことには、血管性認知症に対処しそれを処置する治療的可能性がある。アルツハイマー病は、医学的に認知症の一形態であるが、明らかに種々の異なる原因がある。この神経変性状態の早期の徴候/症状は、通常、低減したシトクロムオキシダーゼ活性の形態、すなわち、アルツハイマー病のあり得るリスクに対する公然の徴候の形態で、局所的脳代謝障害として現れる(非特許文献31を参照)。赤色及び赤外光エネルギーによる脳照射は、シトクロムオキシダーゼを明白に活性化するため、光照射治療処置は、完全なアルツハイマー病状態の発症を管理するのに役立つことができる。
動物実験により、近赤外(NIR)光エネルギーの送達が、アルツハイマー病(AD)に関連する認知障害のある脳の状態を改善することができることが論証されている。実験により、低出力光療法(LLLT)が、マウスの皮質代謝能力及び記憶保持を向上させることが分かった。ミトコンドリアエネルギー代謝を増大させるLLLTの能力を利用して、ADに関連する局所的な脳代謝低下によって影響を受ける脳過程を回復させることができると考えられる(非特許文献10を参照)。
2匹のトランスジェニックマウスモデルを用いる更なる実験により、NIR光が、認知症及びADに関連する進行性の脳変性を軽減し、更には後退させる、有効な低侵襲的介入としての可能性を有することができることが示唆されている。それらの結果により、NIR治療により、AD病理の著しい後退が誘発されたことが示唆されている(非特許文献32を参照)。
LLLTが間葉系幹細胞(MSC)を増殖させるために導かれることもまた提案された。これにより、マウスモデルにおいて論証されたようにADの進行を緩和することができる(非特許文献33を参照)。
さらに、鼻内光療法が、SIRT1酵素の活性を促進することができ(非特許文献34)、この活性が、間葉系幹細胞の分化に役立つことが提案された(非特許文献35を参照)。
LLLTに対するAD及び認知症脳の反応の基礎となる組織学的活性は、いくつかの発表された研究論文の所見によって説明することができる。2002年、弱い光を用いて、神経細胞の先端又は成長円錐がとる方向を誘導することができることが論証された。能動的に広がる成長円錐において、神経の先端の特定領域の正面にレーザースポットが配置され、ビーム焦点内に成長を促進し、結果として、ニューロンのターンが誘導されるとともに成長が促進された(非特許文献36を参照)。この現象は、2013年に別の実験において再現された(非特許文献37を参照)。神経細胞は、低エネルギーの光の力に本質的に引き付けられるように見える。
研究者はまた、図18に示すように、細胞は赤色低出力光に曝されると自己修復することも分かった。図18は、in vitroの酸化ストレス後での神経突起伸長実験を示す(670nm、3mW、20秒/日、5日間)。酸化ストレスによって短縮されたニューロンの神経突起が再伸長する。データは、赤色光照射が酸化ストレスの場合に細胞の生存能力を保護することを示唆している。それはまた、神経突起成長も刺激する(非特許文献38を参照)。したがって、最適には機能していないニューロンに、低出力の赤色及びNIR光エネルギーを送達することができる場合、治癒反応があり得ると考えるための根拠がある。
デフォルトモードネットワーク(DMN)
脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)は、アルツハイマー病、認知症、自閉症、統合失調症、うつ病、慢性痛、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)及び心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連付けられたため、注目を集めている。個人が、記憶想起、将来を構想すること、及び他人の立場を考えることを含む内部指向作業に関与するとき、DMNは活性化している(非特許文献39を参照)。
脳障害に関して、研究者は、「皮質中枢」と呼ばれる、DMNにおける標的ネクサスを発見した。図19に示すように、皮質中枢は、(i)背内側前頭前野502、(ii)腹内側前頭前野504、(iii)海馬及び嗅内皮質、(iv)楔前部508、(v)側頭頂葉510並びに(vi)後帯状皮質512を含む。これらの中枢は、DMNにおいて強く接続されているが、それらのうちのいくつかはネットワーク外にある可能性がある。Buckner他は、皮質中枢は、独特な機能的に分化した系を相互接続すると示唆した。ポジトロン断層撮影法によるアミロイド撮像を通して、これらの中枢は、中枢が、情報処理のための重要な中継地点として作用しながら、ADにおける病理学的カスケードも増大させることができるという可能性と一貫する位置において、高いアミロイドβ沈着を示した(非特許文献40)。
実験により、アルツハイマー病におけるAβ沈着は、優先的に皮質中枢の位置で発生することが示された(非特許文献41を参照)。
別の重要な脳ネットワークは、顕著性(Salience)ネットワーク(SN)である。アルツハイマー病及びパーキンソン病等の神経変性疾患はDMNを標的とするが、前頭側頭型認知症(FTD)等の行動異常障害は、より前方位置のSNを標的とする。DMNは、全脳で特定されるが、SNは、前部島皮質及び前帯状皮質を主体とする脳の前部を際立たせる。DMN及びSNは互いに異なる可能性があるように見えるが、それらは、多くの活動において互いに関連している。SNは、DMNと中央実行ネットワークとの間の切替を推進するのに重要な役割を果たす。これらのネットワークは、ヒトの「自律的な」心理過程のうちのいくつかの領域外にある新規な状況を扱うのに大きくかかわっていると考えられる。
皮質中枢における損傷に関連する神経学的障害
皮質中枢における損傷は、少なくとも以下の脳障害に関連することが提案された。すなわち、統合失調症、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、パーキンソン病、側頭葉てんかん、トゥレット症候群、急性脳損傷(昏睡)及び偏頭痛である。虚血及び酸化ストレスは、これらの損傷によって特定される。
フォトバイオモジュレーション(PBM)は、皮質中枢におけるこれらの損傷を刺激して治癒することができる可能性がある。上述したように、弱い光が、神経細胞の成長円錐の先端を誘引することが示された。光のビームは、神経の先端の特定領域の正面に配置されると、その成長を光の方向に向かって引き出すとともに、その成長全体を促進する。神経細胞は、低エネルギー光を「餌とする(feed)」ように見える。図18に示すように、研究者は、細胞が低エネルギー赤色光に曝されると自己修復することも分かった。酸化ストレスによって短縮したニューロンの神経突起は再伸長する。このデータは、赤色光照射が、細胞の生存能力を保護し、酸化ストレスの場合の神経突起成長を刺激することを示唆している。アルツハイマー関連損傷の特定の場合では、アルツハイマー病のトランスジェニックマウスが、経頭蓋PBMによって記憶機能及び認知機能を回復した。これらのマウスの脳に対する解剖により、バイオマーカー、Aβプラーク及び神経原線維変化に関連する損傷の低減が明らかになった。
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本発明は、様々な脳の部分に光を照射することにより治療転帰を刺激する、すなわち神経刺激の新規なシステム、装置及び方法に関する。これは、(i)患者の頭部に1つ以上の発光ユニットを備えるヘッドセットを適用すること(経頭蓋神経刺激)及び/又は(ii)鼻腔を通して小さい透明なプラスチックカプセル化発光ユニットを挿入すること(鼻内神経刺激)によって解剖学的に達成される。経頭蓋発光ユニット及び鼻内発光ユニットが、制御アセンブリユニットによって制御され、充電可能な乾電池バッテリーによって電力が供給される。体内組織への侵襲はない。
照射光は、特別な治療転帰を達成するために、脳の特定領域に標的を定めない(すなわち、全体的な脳領域を刺激するように広く向ける)か、又は意図的に標的を定めることができる。光刺激のカバレッジ領域及び深さは、光の適切な波長、その方向、有効エネルギー出力、露光時間及び干渉性(レーザー源に関するため)を選択することによって左右される。神経刺激システム及び装置は小型でありかつハンズフリーであり、使用者に対して完全な可動性及び可搬性を可能にし、治療の目的で脳を刺激する新しくかつ容易な方法を提供する。パラメーターは、小型制御ユニットによって、又は適切なアプリケーションソフトウェアがダウンロードされたスマートフォンによって制御することができる。
1つの態様において、本発明は、生きている哺乳動物の脳の非侵襲的神経刺激療法を要求時に行う自己投与型システムを提供する。該自己投与型非侵襲的神経刺激システムは、第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットであって、該第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの各々は、固定寸法と、標準サイズの内部空間容積と、頭蓋に取り付けられるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを備え、各構成照射ユニットの前記携帯型中空ケーシングは、
(i)各構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記構成された外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
(ii)各構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記頭蓋に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、それにより、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットは、前記頭蓋に取り付けられた後に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、in−vivo(生体内)で前記頭蓋を通して前記脳の少なくとも一部に通すのを達成することができる、第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットと、
前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットを支持し、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの光を透過する前記外面を前記頭蓋の固定位置及び所望の放射方向に随意に配置するように適合されたフレームと、
前記構成照射ユニットからの光エネルギーの前記脳の少なくとも一部へのin−vivoでの要求時送達を制御することができる携帯型コントローラーアセンブリであって、
(a)携帯型かつ充電式の要求時直流電流の電源と、
(b)直流電流の流れを制御し方向付ける中央処理装置と、
(c)前記中央処理装置への直流電流の要求時搬送のために前記電源と電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
(d)前記中央処理装置から前記発光ユニットへの直流電流の要求時搬送のために前記構成された照射ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
を含むコントローラーアセンブリと、を備え、
(A)前記第1の構成照射ユニットは、左及び右腹側正中前頭前野、及び任意選択的に前帯状回領域を含む脳の第1の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(B)前記第2の構成照射ユニットは、左及び右楔前部皮質領域、及び任意選択的に後帯状回領域を含む脳の第2の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(C)前記第3の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における左角回領域、及び任意選択的に左後帯状回を含む脳の第3の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(D)前記第4の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における右角回領域、及び任意選択的に右後帯状回を含む脳の第4の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされる。
別の態様において、本発明は、生きている哺乳動物の脳の非侵襲的神経刺激療法を要求時に行う自己投与型専用装置を提供する。該自己投与型専用装置は、第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットであって、該第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの各々は、固定寸法と、標準サイズ内部空間容積と、頭蓋に取り付けられるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを備え、各構成照射ユニットの前記携帯型中空ケーシングは、
(i)各構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記構成外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
(ii)各構成の照射ユニットの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記頭蓋に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、それにより、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットは、前記頭蓋に取り付けられた後に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、in−vivoで前記頭蓋を通して前記脳の少なくとも一部に通すのを達成することができる、第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットと、
前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットを支持し、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの光を透過する前記外面を前記頭蓋の固定位置及び所望の放射方向に随意に配置するように適合されたフレームと、
前記構成照射ユニットからの光エネルギーの前記脳の少なくとも一部へのin−vivoでの要求時送達を制御することができる携帯型コントローラーアセンブリであって、
(a)携帯型かつ充電式の要求時直流電流の電源と、
(b)直流電流の流れを制御し方向付ける中央処理装置と、
(c)前記中央処理装置への直流電流の要求時搬送のために前記電源と電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
(d)前記中央処理装置から前記発光ユニットへの直流電流の要求時搬送のために前記構成された照射ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
を含むコントローラーアセンブリと、を備え、
(A)前記第1の構成照射ユニットは、左及び右腹側正中前頭前野、及び任意選択的に前帯状回領域を含む脳の第1の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(B)前記第2の構成照射ユニットは、左及び右楔前部皮質領域、及び任意選択的に後帯状回領域を含む脳の第2の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(C)前記第3の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における左角回領域、及び任意選択的に左後帯状回を含む脳の第3の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(D)前記第4の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における右角回領域、及び任意選択的に右後帯状回を含む脳の第4の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされる。
別の態様において、本発明は、生きている哺乳動物の鼻腔を介してかつ頭蓋を通して脳の非侵襲的神経刺激療法を行う自己投与型方法を提供する。該自己投与型非侵襲的神経刺激方法は、光エネルギー放出装置を取得するステップを含む。該光エネルギー放出装置は、第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットであって、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの各々は、固定寸法と、標準サイズの内部空間容積と、頭蓋に取り付けられるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを備え、各構成照射ユニットの前記携帯型中空ケーシングは、
(i)各構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記構成外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
(ii)各構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記頭蓋に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、それにより、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットは、前記頭蓋に取り付けられた後に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、in−vivoで前記頭蓋を通して前記脳の少なくとも一部に通すのを達成することができる、第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットと、
前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットを支持し、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの光を透過する前記外面を前記頭蓋の固定位置及び所望の放射方向に随意に配置するように適合されたフレームと、
前記構成照射ユニットからの光エネルギーの前記脳の少なくとも一部へのin−vivoでの要求時送達を制御することができる携帯型コントローラーアセンブリであって、
(a)携帯型かつ充電式の要求時直流電流の電源と、
(b)直流電流の流れを制御し方向付ける中央処理装置と、
(c)前記中央処理装置への直流電流の要求時搬送のために前記電源と電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
(d)前記中央処理装置から前記発光ユニットへの直流電流の要求時搬送のために前記構成された照射ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
を含むコントローラーアセンブリと、を備える。該自己投与型非侵襲的神経刺激方法は、、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットによって放出される光エネルギーが前記対象の頭蓋に浸透し、in−vivoで前記脳の少なくとも一部に入るように、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットを、前記対象の前記頭蓋に隣接した所望の固定位置に配置するステップと、前記配置された構成照射ユニットの前記発光ユニットが、所定エネルギー強度で、前記対象の頭蓋に浸透し、前記脳の少なくとも一部の神経刺激が達成されるように前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させるようにするステップと、を含み、
(A)前記第1の構成照射ユニットは、左及び右腹側正中前頭前野、及び任意選択的に前帯状回領域を含む脳の第1の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(B)前記第2の構成照射ユニットは、左及び右楔前部皮質領域、及び任意選択的に後帯状回領域を含む脳の第2の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(C)前記第3の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における左角回領域、及び任意選択的に左後帯状回を含む脳の第3の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
(D)前記第4の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における右角回領域、及び任意選択的に右後帯状回を含む脳の第4の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされる。
好ましくは、本システム及び/又は装置は、
構成照射レンズであって、固定寸法と、標準サイズの内部空間容積と、前記対象の呼吸能力を実質的に損なうことなくかつ前記生きている対象の鼻組織を侵襲することなく、鼻孔の鼻腔空間内にin−vivo挿入されるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを含み、前記構成照射レンズの前記携帯型ケーシングは、
(i)前記構成照射レンズの前記中空ケーシングの前記構成外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
(ii)前記構成照射レンズの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記鼻組織に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、それにより、前記構成照射レンズは、in−vivo挿入の後に前記鼻腔内で任意の所望の方向に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、in−vivoで前記鼻腔から前記脳の少なくとも一部に通すのを達成することができる、構成照射レンズと、
前記構成照射レンズを支持し、前記構成照射レンズの光を透過する前記外面を、鼻孔内で対象の鼻腔の内側に隣接して固定位置及び所望の照射方向に随意に配置するように適合された自己投与型アプリケーター手段と、を更に備え、
前記携帯型コントローラーアセンブリは更に、前記構成された照射レンズからの光エネルギーの要求時送達を制御することができる。
したがって、本発明は、経頭蓋(頭蓋を通しての)位置及び鼻内(鼻道を介する)位置の組合せから脳内に治療効果のある光エネルギーを広範囲にわたって向ける新規な装置を提供する。
本発明は、添付図面と合わせて容易に理解され、また、より容易に認識することができる。
概してシステムからの光が脳を、間に組織の障壁がほとんどない状態でいかに照射するかの概念を示す図である。 発光ダイオード(LED)からの可視赤色光が、顕著に大きいフットプリントでいかに脳に浸透するかの概念を示す図である。 脳に浸透するが、図2に示すようなLEDと比較するとより小さいフットプリントでの低出力レーザーダイオードからの可視赤色光による浸透の相対深さの概念を示す図である。 図2に示すような可視赤色LED及び図3に示すような可視赤色低出力レーザーと比較した場合の、脳に浸透するLEDダイオードからの近赤外(NIR)光による浸透の相対深さ及び広がりの概念を示す図である。 本発明を備える装置の好ましい実施形態を示す写真である。 本発明を備える装置の好ましい実施形態を示す図である。 アプリケーターの固定形態版を示す図である。 アプリケーターのカンチレバーベース版を示す図である。 アプリケーターアセンブリの側面図の機械製図である。 アプリケーターアセンブリの上面図の機械製図である。 アプリケーターのL字型透明レンズユニットの側面図の機械製図である。 アプリケーターのL字型透明レンズユニットの上面図の機械製図である。 鼻クリップによって固定された装置のアプリケーターの位置決めを示し、放出される光線の方向を示す図である。 装置の鼻クリップが、いかに光の漏れを最小限にし、光を鼻腔内にかつ脳に向かって戻るように向け直すかとともに、照射レンズが鼻孔内に滑り込むことができるようにいかにカンチレバーが操作されるかを示す図である。 光の方向に影響を与えるための装置のダイオード、マイクロレンズ、照射レンズ及び鼻クリップの位置決めの役割を更に示す図である。 アプリケーターの発光ダイオード実施形態を示す図である。 コントローラーアセンブリに対する外部フォームファクターを示す図である。 コントローラーアセンブリの重要な内部構成要素を示す図である。 コントローラーアセンブリに対する代替態様としてのスマートフォンの概念を示す図である。 低出力光療法の細胞内作用機序を示す図である。 in vitroでの酸化ストレス後の神経突起伸長実験を示す図である。 脳のデフォルトモードネットワークにおける皮質中枢を示す図である。 本発明の装置の好ましい実施形態の斜視図である。 本発明の装置の好ましい実施形態の正面図である。 本発明の装置の好ましい実施形態の背面図である。 本発明の装置の好ましい実施形態の左側図である。 本発明の装置の好ましい実施形態の右側図である。 脳のデフォルトモードネットワークにおける皮質中枢に光エネルギーを向ける本発明の装置の好ましい実施形態を示す図である。 500nm〜1150nmの波長を有する光の中枢神経系の組織への透過率を示すグラフである。 様々な波長の光に対する水、メラニン及びヘモグロビンによる吸収率を示すグラフである。 組織発色団による赤色及び近赤外波長(約600nmから1200nm)の吸収の低下による組織における光学窓を示すグラフである。 本発明の装置の好ましい実施形態の斜視図である。 不安神経症の患者の本発明のシステム及び装置による処置前に行われた定量的脳波検査の結果を示す図である。 不安神経症の患者の本発明のシステム及び装置による治療後に行われた定量的脳波検査の結果を示す図である。
本発明は、in−vivoで脳を刺激する医療目的のために生きている哺乳動物の対象の(i)頭蓋及び/又は(ii)鼻孔を通して、脳組織に照射光療法を行う、携帯型非侵襲的システム、装置及び方法である。今日、慣習的に、脳を刺激するいくつかの既知の方法があるが、これらの技法は、大部分は実験動物に対する研究実験を含み、又は臨床的に/医学的に監視される必要がある処置である。
これらの従来既知の治療処置に対する顕著な差異において、本発明は、解剖学的アクセス点として経頭蓋及び/又は鼻内経路を利用し、その概念的手法に対して、或る特定の固定パラメーターの光エネルギーによる脳組織の照射がin−vivoで治療効果を達成するという確立された原理に従う。このように、本発明は、指定された強度、波長、干渉性、持続時間及びパルス化モードの光エネルギーを利用して、治療転帰を達成する。
本発明のシステム、装置及び方法は、好ましくは、治療効果のある光照射を、頭蓋を通して脳のDMNの特定の皮質中枢まで送達する。この目的で、光エネルギー放出装置は、固定寸法、標準の大きさの内部空間容積、及び頭蓋への適用に好適な外面構成を有する携帯型中空ケーシングを含む、少なくとも1つの構成された照射ユニットを備える。本システム及び装置は、対象の頭部に容易に適用することができかつ長期間装着するのに快適であるヘッドセットを用いて、頭蓋を通して光エネルギーが送達されるように、設計されている。ヘッドセットは、好ましくは、各構成された照射ユニットを支持するフレームを備える。各構成された照射ユニットは、好ましくは、対象がヘッドセットを装着すると、光エネルギーが脳の特定の皮質中枢に向けられるように、フレーム内に位置決めされる。
本発明のシステム、装置及び方法はまた、好ましくは、鼻腔に隣接して位置する組織を通して脳に治療効果のある光照射を送達する。この目的で、光エネルギー放出装置は、固定寸法、標準の大きさの内部空間容積、及び鼻孔の鼻腔空間内にin−vivo挿入するのに好適な外面構成を有する携帯型中空ケーシングを含む、構成された照射レンズを備える。鼻挿入装置構成要素は、小型かつ快適であり、使用者の呼吸能力に著しい又は重大な損傷をもたらさないように設計されている。挿入後、装置は、意図された治療効果を達成するために、装置から放出される光の放出の照射角度を指示し、所望の出力レベルを設定し、放射光に対するパルス状周波数を生成し、治療セッションに対する持続時間を選択するように、調整又は事前設定することができる。
本発明は、好ましくは、限定されないが以下を含む多数の結果を提供する。
・処置システム、装置及び方法は、発表された科学研究によって事実上支持されかつ証明されている原理を利用し、動作パラメーターを適用する。
・この処置方法及びシステムに関連する既知の重大な副作用又は合併症はない。
・装置は、ありとあらゆる実施形態及び使用例において、医学的に非侵襲的であり自己投与型である。
・装置は、対象の頭蓋及び鼻に随意に自分で取り付ける、及び自分で取り外すのに専用であり、また、そのように設計されている。
・装置は、極めて軽量であり、携帯型であり、いかなる距離にも手で容易に搬送される。
・装置は、使用が快適かつ容易であり、特に、現行の経頭蓋療法で使用されているフルヘルメットより快適である。
・装置は、患者自身によって日常的にかつ繰返し要求時に自己投与することができ、医療技術者又は医師によるいかなる支援も必要としない。
・装置は、代替的に、発光ユニットとしてレーザー又は発光ダイオードを採用することができる。
・装置は、近赤外光及び赤色光の範囲から選択される任意の所望の医学的に有効な波長(複数の場合もある)で、光エネルギー波及び粒子を発生させることができる。
・装置は、他の医療機器との著しい電磁干渉又は他の干渉をもたらさず、したがって、ペースメーカー又は除細動器が植え込まれた人が使用するのに好適である。
・電力及びバッテリー要件は、レーザー又は非レーザー発光ダイオードとすることができる光源に特定である。
・好ましい実施形態は、パルス状の光を送達することができ、これは、或る特定の医学的状態に対してより多くの治療利益を支援するように検査されている。
・装置の好ましい実施形態は、いかなる人によっても簡単に使用でき、それは、単に自身の手を用いて、自身の頭蓋の上にヘッドセットを配置し、及び/又はアプリケーターを鼻孔の上にクリップ留めし、「電源投入」ボタンを押すためである。
・装置の好ましい実施形態は、タイマー、及び20分間〜25分間又は他の長さの時間の後に自動作動する自動遮断スイッチの両方を含む。
・好ましい処置時間は、医学的に関連し、実際の処置時間は、光源及び標的変量(又は用量)の選択によって変化する可能性がある。
・装置の好ましい実施形態は、偶発的な損傷に対して非常に耐性があり、いかなる損傷も受けることなく5フィートの落下に耐えることができる。
・装置の好ましい実施形態は、頭蓋又は鼻腔に送達される光エネルギーが一定であることを確実にするプロセスコントローラーアセンブリを採用する。バッテリーが、光源に電力を供給するように回路を駆動するために一定の電力を維持することができない場合、プロセスコントローラーアセンブリは、警告を与え、デバイスの電源を切る。
・代替実施形態は、プロセス制御アセンブリの代わりに実行するソフトウェアアプリケーションがダウンロードされている「スマートフォン」の使用を含む。
脳の標的領域
脳の特定の解剖学的部分は、心身の特定の機能を支配する。例えば、間脳(およそ中脳の周囲)領域は、大部分の本質的な生存機能のうちのいくつかの中枢であり、人の身体的健康に対するいくつかの鍵を握る。これは、光源がアクセスするには到達が困難な領域である。
ここで解剖学的な脳の構成要素の間で、視床下部は、多くの解剖学的機能に対する制御中枢である。それは、内分泌及び副交感神経系の構造に関係して、身体を通して恒常性を維持する点においてその生命維持に不可欠な役割を支援する。それは、様々な感情及び喜びの反応、記憶の保管、ホルモンの調整、知覚、運動機能及び嗅覚に影響を与える、辺縁系の一部である。辺縁系の他の構成要素は、扁桃核、帯状回、海馬、嗅覚皮質及び視床である。
中脳領域を一次標的とすることができるが、発散光線は、脳の他の部分のうちのいくつかも照射して、より広い広がりの利益を達成する。治療が次の段階として脳を通って二次領域内にいかに分配されるかの仮説は、神経系がそのネットワークにおいて迅速に信号を運ぶことができる能力にも基づく。
光エネルギーは、特定の一次領域においてより有効性が高いように脳の標的部分に向かうように操作することができる。例えば、中脳領域の底部に位置する黒質(その機能障害は、パーキンソン病に起因する)、又は別の場合では、別個の位置の前頭前野を標的として、より高次の認知機能を改善し、一次情動のバランスをとることができる。
システム/装置/方法の仕様及び線量測定
本発明に従う有効かつ安全な光照射方法及びシステムは、或る特定の動作パラメーターにわたる選択及び制御を提供する。これらの動作パラメーターには、光波長、干渉性又は非干渉性、エネルギー(ジュール(J)で測定)、電力(ワット(W)又はミリワット(mW)で測定)、放射照度(W/cm)、放射露光量(J/cm)、露光時間(秒)、波タイプ(連続又はパルス)、画分プロトコル(患者処置セッションの数)、光ビームサイズ(到達したビームの面積)及び光ビーム浸透(送達)距離の選択肢(複数の場合もある)が含まれる。
1.治療効果のある波長の選択
生体神経細胞においてin vivoの有益な効果を引き起こすのに最も有効であることが示された波長は、スペクトルの赤色及び近赤外範囲(NIR)(すなわち、620nm〜1400nmの波長)の光学窓にあった。脳照射に対する成功した処置は、通常、動物及びヒトの両方において633nm〜670nm(可視赤色)波長又は808nm〜1072nm(近赤外)波長で行われた。したがって、約620nm〜1400nmの範囲である任意の光波長が、本発明による治療の使用に許容可能であると考えられる。
しかしながら、一般に、光の波長が長いほど、処置の成功に必要なエネルギーは低く、光波長が長いほど、生体組織内に入りかつそれを通過する光の浸透距離は深くなることは十分に確立されている。本発明では、或る特定の状況において、約600nm〜780nmの相対的に短い可視赤色光波長が、約780nm〜1400nmの近赤外(NIR)波長とともに機能することができる。研究者は、この範囲の波長が、組織浸透のためにのみこの波長を有する必要とは対照的に、最大細胞反応を引き出すと認める。ラットで試験した場合、630nm〜800nmの光子が、皮膚、結合組織、筋肉、骨及び脊髄等、比較的透過性の低い組織の層においても(最初の1mmの後は、大部分がすでに放散されているが)最大28nm浸透し、総エネルギー密度の約6%が腹側表面で検出可能であることが示された。組織浸透が深いほど、明らかにスタートが有利であり、このため、比較的長いNIRを考慮するべきである。
in−vivoでの有効な組織浸透距離に対して1つの特定の波長がある必要とは対照的に、最大のミトコンドリア反応を引き起こすことができるのはこれらの広範囲の光波長であることが重要視される。さらに、630nm〜800nmの光子波長は、約6%の総エネルギー密度が検出可能で、生体組織に浸透し、皮膚、結合組織、筋肉、骨及び脊髄等、比較的透過性の低い層であっても、最大28mmの距離を進む。したがって、浸透の深さが、処置されている医学的状態又は病理状態に対して重要な要素である場合、波長が長いほど組織内に深く浸透することに基づいて、約620nm〜1400nmのNIR光波長が使用するのに好ましい。
また、生体組織を通る光エネルギーの浸透は、選択される波長のみでなく、標的組織の光学特性によっても決まるということにも留意されたい。特に、脳の灰白質及び白質内の光エネルギーの最大浸透距離は、NIR光領域において約620nm〜1400nmの波長で発生する。この理由でもまた、約620nm〜1400nmのNIR光波長が使用するのに非常に好ましい。
単一の治療用途に対して、単一の光の単色波長を選択し使用することもまた一般に好ましい。したがって、通常、選択される単一の単色波長は、約670nm(可視赤色)又は約810nm(近赤外)であるべきである。さらに、同時の二色性照射により、酵素の還元形態及び酸化形態の比が変化する。したがって、使用者は、大部分の治療用途に対して純粋な単色波長光源を選択することが推奨される。光の特定の治療効果のある波長を選択するガイドとして、全体的な脳の照射に対して、633nm〜670nmの範囲の光波長が採用され、脳のより深い解剖学的領域に浸透しかつ達するために、約808nm〜1072nmの光波長が使用されることが提案される。
先行する研究では、アルツハイマー病の脳細胞に赤色光又は低強度光を照射する場合、アルツハイマー病患者の症状を改善することができると示唆されている。科学的事実により、より優れた結果のためにNIRに基づいて改善されたパラメーターのセットが支持される。実験によってもまた、808nmレーザーダイオードを用いる経頭蓋光療法が、トランスジェニックマウスモデルにおいてアミロイド斑の発生を減じることが示されており、ヒトの極めて重要なADに対しておよそこの波長においてこの治療方法のあり得る効力が示唆されている。
2.コヒーレント放射線対非コヒーレント放射線(レーザー対発光ダイオード)の選択
レーザーは、一方向性であるコヒーレント電磁放射線を提供し、このため、高エネルギー入力と結合される、より集中したエネルギーを可能にする。また、最近のレーザー光源は、通常、高度の安全性を可能にする固有の拡がり角(多くの場合約57度の拡がり角)で、低強度半導体形態で構築される。こうしたレーザー光源は、(i)より高度の組織浸透、(ii)効率的な光学結合及び(iii)高い単色性を含む明確な利点を有する。生体組織のより深い浸透距離が必要である場合、波長、エネルギー用量及び強度の同じパラメーターを考慮すると、レーザーのコヒーレント光は、発光ダイオード(LED)によって発生する非コヒーレント光より望ましいことが多い。
しかしながら、大部分の治療用途では、光干渉性自体は、臨床的有効性には必要ではなく、組織浸透のより大きい距離が必要とされる医療環境では、発光ダイオード(LED)からのより長い波長での非コヒーレント光を使用することがより適していると考えられる。近年、発光ダイオード(LED)は、光源としてレーザーに対する実現性のある治療効果のある代替物となった。細胞の光アクセプター(特に、シトクロムオキシダーゼ)は、受容される光子の干渉性又は非干渉性を識別しないと仮定される。したがって、光の同じ波長を考慮すると、発光ダイオード(LED)を用いて細胞の光アクセプター受容体において受け取られるエネルギー用量及び強度入力は、レーザー光源のコヒーレント光によって提供されるものと非常に類似するか又は同一の治療転帰をもたらす。通常、LED非コヒーレント光での浸透の方が浅いが、LEDが発生させる非コヒーレント光は、より広い面積の照射ビームカバレッジを提供するという利点がある。
本発明のシステム、装置及び方法は、レーザー光源からの光と発光ダイオード光源からの光との間に存在するコヒーレント対非コヒーレントの相違を認識し、特定の応用目的に対して最適な条件に基づいてそれらを注意深く選択することによって両方の可能性を提供する(すなわち、治療的に処置される特定の疾患状態又は障害によって、いずれがよりよい形態であるかが決まる)。
したがって、単に第1の例示的な例として、正常な概日リズムを回復させ睡眠障害を是正するためにより深くに位置する松果腺を照射する等、中脳領域の1つの指定された領域のみを照射することが有利である場合、レーザー光源のコヒーレント光が、そのより大きい組織浸透距離に対して概して好ましい。しかしながら、意味のある代替態様として、より長い処置時間と組み合わせてより長い波長(好ましくは、NIR範囲内)での非コヒーレントLED光を使用することにより、レーザー光源のコヒーレント光によって提供することができる最大組織浸透距離の喪失が適切に補償される。
第2の例示的な例として、NIR810nmレーザー光源からのコヒーレント光は、そのより深い組織浸透能力に起因して最も有利であるが、810nmレーザー光自体は、ヒトの眼には不可視である。したがって、本発明の使用者には、偶発的な眼の露出に対する自動防御機構として瞬きを引き起こすものとしての可視光がなく、油断した場合、眼に対して重要な網膜損傷を不注意でもたらす実質的なリスクを冒す。このため、本発明は、810nm光波長が採用され、家庭での監視のない個人の治療使用に意図されるとき、こうした810nm光が好ましくはLED光源版において購入する公衆に利用可能とするべきであることを推奨する、案内手法を提供する。同様に、810nm光波長のレーザー光源は、好ましくは、研究領域内での又は監視付きの医学的治療環境における治療使用のみに確保され限定される。代替的に、可視赤色光を有する安全性態様から利益を得るために、また、これに付随して、レーザー光のより優れた組織浸透の利益を提供するために、約655nm波長で可視赤色光を発生させるためにレーザー源が使用されることが提案される。
非コヒーレントLED発生光の別の重要な態様は、こうした非コヒーレント光の使用により、レーザー発生光と比較して、生成される熱が非常にわずかであることである。非コヒーレントLED発生光のこの貴重な特徴により、生体脳組織は、比較的低出力密度の波長を用いてより長い期間曝すことが可能であり、それにより、神経代謝のより効果的な調整が可能になる。したがって、外傷性脳損傷の処置によって例証されるように、医学的効力のために処置時間が長引くことになる場合、脳組織に対して望ましくない熱損傷をもたらすリスクを回避するために、レーザー発生光の使用に比較して、比較的低出力密度の非コヒーレントLED発生光波長が好ましい。
したがって、全体的な治療使用の目的で、本発明は、好ましくは、治療処置に対するとともに予防的な医薬品の用途に対して、LED光源及び非コヒーレント光波長(特に、組織浸透品質が高いためにNIR波長範囲における波長)を使用する。この選好には、概して、ヒトの認知機能、神経変性、血管性認知症、偏頭痛、疼痛及びヒトの記憶障害に関する医学的/臨床的/病理的状態が含まれかつ包含される。
比較として、同じ波長を考慮すると、レーザー光源からの低出力レベルコヒーレント光は、急性及び慢性神経障害を処置するのに好ましく、脳の内部において解剖学的により深く位置する明確に標的とされる部位/領域を治療するのに望ましい。したがって、パーキンソン病(黒質に関与する)、概日リズムに関する睡眠障害(松果腺)及び加速的リハビリテーション(視床下部)の可視赤色光照射処置は、好ましくは、同じ波長のLEDと比較した場合、レーザーからの低出力コヒーレント光を用いて処置される。また安全性の理由で、好ましくは、620nm〜780nmの可視赤色光波長が、最小限の安全性制限で使用される。
3.治療効果のあるエネルギー及び他のパラメーター
光エネルギーは、従来、ジュール(J)=電力(W)×時間(秒)として測定される。脳刺激の目的では、ミトコンドリア活性を刺激するために必要とされる光エネルギーは非常にわずかであるが、医学的効力のために明確な最小閾値量自体はまだ確立されていない。代わりに、今日使用される医学的効力に対する適切な基準点は、光が静脈内に直接注入されることを含む長年かけて実証済みの静脈内光照射技法(何十年もの間、主にロシア、ドイツ及び世界中の他の多くの国で使用されている)であり、それは、通常、632.8nmの波長、1.5mWの電力、及び処置セッション毎に30分の時間でレーザーのパラメーターに従う。これに基づき、患者は、通常、最初の3暦日は1日に1回処置され、その後、合計10回の患者処置セッションに達するまで、2暦日おきに1回処置される。各患者処置セッションに対し、2.7ジュール(1.5/1000W×30分間×60秒間)の光エネルギーが送達される。
本発明において(632.8nm波長と同一か又は同様の)レーザー発生光での脳照射が適用される場合、考慮すべき隣接する組織深さの問題がある。これらの問題は、電力(ワット(W)又はミリワット(mW)で測定される)を、25分間に5mW等、数桁増大させ、それにより7.5ジュール(5/1000W×25分間×60秒間)のエネルギー出力を発生させることにより、克服される。また、パルス状光源に対してより大きい電力を加えることにより、より多くのエネルギーが送達され、それにより、in−situでより多くのATPを活性化させることができるが、このようなシステムへの電力の追加は、鼻内実施形態では方法の有用性を損なう。本発明のレーザー実施形態に対する基準電力パラメーターは、クラス3Rの低リスクレベルで電力を維持するために電力指数を5mWに制限する(アメリカ食品医薬品局(FDA)によって設定された標準規格)。したがって、レーザー実施形態に対する動作パラメーターの好ましいセットは、各患者処置セッションに対して5mWの電力指数、及び25分間に制限された処置時間を提案する。
比較として、LED光源は大部分発散性であることが留意される。したがって、本発明のLED実施形態を使用する場合、エネルギー出力は、約12ジュールに対して約60%増大する。このエネルギー出力の変化にはまた、ここでは8mW(12ジュール/(25×60秒間)×1000)に設定されたより高い電力指数が必要とされる。
したがって、要約すると、レーザー光源の場合、意図される1つの好ましいエネルギーは、約7.5ジュール(5/1000W×25×60秒間)であり、LED光源の場合、意図される1つの好ましいエネルギーは、約12ジュール(8/1000W×25×60秒間)である。
4.連続波(CW)対パルス状周波数
発表されている科学文献では、808nmレーザー光を使用する場合、100Hz及び1000Hzでのパルス状レーザービームにより、100Hz及び1000Hzでの連続波(CW)ビームに対して優れた結果がもたらされ、10Hzでのパルス化された810nmレーザービームにより、100Hzでの連続波ビームよりも、外傷性脳損傷からの優れた臨床的回復がもたらされたということが、事実上確立されている。10Hzでのパルス化が100Hz(又は他の任意の周波数)より適切に作用する理由は、未だに推測に留まっており、推測の域を出ない。10Hzはアルファ脳波の周波数であり、したがって、10Hzでのパルス化は安静時の全脳と共振することが留意される。さらに、脳の海馬領域もまた、4Hz〜10Hz範囲の波で機能する。海馬は、記憶、精神的安定、行動管理、空間記憶及びナビゲーションを担当している。海馬はまた、進行したアルツハイマー病において深刻な損傷を受ける領域の1つである。
概して、或る特定の条件下では、超短パルスは、より多くの電力を使用することができるため、連続波(CW)照射より組織内に深く浸透することができる。パルス化はまた、熱が蓄積する望ましくない熱効果も防止する。ウサギに対する実験において論証されたように、パルス状光源により多くの電力を押し込むことにより、より多くのエネルギーが送達され、より多くの細胞エネルギー(ATP)を活性化することができる。パルス化モード下では、有効用量は、組織内により深く進むため従来の計算より高い。他の作用機序は、光子を含むパルスの第1部分を含み、上部組織層における全ての発色団分子を励起状態にして、次のパルスの間により多くの光子が組織内に入るのを可能にする。研究者は、ウサギに対して808nmレーザーを用いて、100Hz及び1000Hzでのパルス状レーザーにより、連続波に対して優れた結果がもたらされることを論証した。810nmレーザーで試験した研究者は、10Hzでのパルス化により、100Hzより外傷性脳損傷からの更に優れた回復がもたらされたことを見出した。研究者は、光療法の抗うつ作用が要因であることを示唆した。
本発明において可視波長の光が使用される場合、光過敏性発作の発症のリスクがあり得るために、ヒトに対してパルス化モードを使用しないことが好ましい場合がある。この理由で、本発明では、約810nmの波長を有する光等、パルス状の不可視近赤外光を使用することが好ましい可能性がある。さらに、頭皮及び鼻腔を通る光の方向により、光過敏性発作のリスクが低減する。
要約すると、本発明を用いる脳療法に対して、特に中脳領域の処置に対して、特に、優れた浸透深さを与えるNIR810mW光源と組み合わされるとき、効果的な臨床転帰に対して10Hzパルス化モードが好ましい。
本発明の標的経頭蓋光療法
本発明は、図25に見ることができるように、特定の位置におけるDMNの皮質中枢の標的処置を提供する。皮質中枢は互いに強く接続されているため(「コネクトーム」と呼ばれる場合もある)、これらの主要な中枢のうちの少数を刺激することにより、全包括的にネットワーク全体を刺激することができる。これにより、経頭蓋光療法研究で一般に使用される快適さの低い閉鎖されたヘルメットの代わりに、少数の選択位置を向く軽量の携帯型経頭蓋NIR光療法デバイスを設計することができる。
最も重要な設計目的は、経頭蓋光療法デバイスで一般的な重量のあるヘルメット又は複数のランプのセットより、ステレオヘッドセットに類似する、携帯可能かつ使用が容易であるデバイスを有することである。特に、図20〜図24及び図29に示すように、本発明は、1つ以上のクラスターヘッドを支持する軽量のフレームを提供し、各クラスターヘッドは1つ以上の発光ユニットを収容する。
本発明は、好ましくは、海馬及び前脳の腹側の他の位置を標的とし、それは、これらの解剖学的領域がADに関連するためである。これを含めると、ADに関連する中枢のネットワークは、ここではさらにより包括的である。本発明の標的の好ましいセットは、限定されないが、脳の楔前部、後帯状皮質、内側前頭前野、中間前頭葉、海馬、頭頂葉及び側頭葉を含む。これらの選択された標的により、脳の包括的な全体的治療効果に至ることができ、それは、中枢が互いに強く接続されているためである。
本発明の鼻内光療法
鼻腔内に挿入される光源は、解剖学的に、中脳領域に近接して(主に空気腔及び軟組織の約3インチ)位置する。図1に示すように、この鼻腔内位置にある光源1が中脳領域に向けられるとき、脳組織までの物理的経路距離の大部分が鼻孔の空気腔2であるため、有効な光照射に対して必要なエネルギーはほとんどない。例示の目的で、解剖学的に強調される中脳領域は、扁桃核3、海馬4、視床下部5、中隔野6及び帯状皮質7である。光源によって容易に照明される新皮質領域の部分は、前頭前野8である。脊髄を脳に接続する脳幹9の領域以外では、保護的な頭蓋の最も薄い部分は、篩骨10の薄い垂直板である。篩骨10はまた、脳に対するその低障壁抵抗に対する歴史的な証拠として、脳物質を排出する古来のエジプトのミイラ化プロセス中に通常破壊される頭蓋の部分である。確かに、中脳領域に至る経路において鼻中隔壁の一部として存在する何らかの組織物質があるが、こうした組織物質は密度が低い。
鼻腔内に配置された光源と標的脳領域との間に組織物質がほとんど存在しないことは、赤色波及び赤外光波浸透(ランベルト・ベールの法則によって定義されるような)は、表面から1mmの距離で最大80%の光学的出力減衰を受ける可能性があるため、注目に値する(例えば、Abdo A, Sahin M (2007), "NIR light penetration depth in the rat peripheral nerve and brain cortex", Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc 2007:1723-1725を参照)。解剖学的に、光照射の鼻腔内経路は、主に、脳と光源との間に存在する篩骨のはるかに薄い垂直板を有し、その距離にわたる組織の結果としての介在はほとんどなく、そのため、他の全ての動作パラメーターが同じままであるとすると、脳内へのより多くの光エネルギー浸透が可能になる。
したがって、上述した解剖学的利点により、図1に示すように、適切な解剖学的方向を向く適切な光波長源を有する低エネルギーダイオードを採用する治療処置システムが可能である。発光源及び光エネルギー放出を管理する制御ユニットは、携帯型かつ個人用システムを可能にするために小型化することができる。この方法及びシステムは、現時点で利用可能な処置の代替モードと比較して多くの明確な利点を有する。それは、治療有効性、低エネルギー需要、個人の利便性、自己投与能力、非常に適度なコスト、及び例外的に容易な使用モードを提供する。
装置の構成要素
本発明の非侵襲的システム及び装置は、以下の4つの構成部品を備える。
(i)携帯型中空ケーシング、
(ii)中空ケーシングの内部空間容積内に収容及び収納される別個の発光ユニット、
(iii)識別可能な電流源、
(iv)処理及び電源コントローラーアセンブリ。
これらの4つの構成要素は、コントローラーアセンブリへの直流電流の要求時移送のために電流源と電気通信する少なくとも1つのコネクタと、コントローラーアセンブリからの直流電流の要求時搬送のためにコントローラーアセンブリ及び発光ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタとによって、互いに電気的に連結されている。これらの構成要素は、集合的に、標的とされても標的とされなくても、脳の所望の領域に選択された仕様の光を送達する一方で、使用者に完全な可動性を与える装置を有するという本発明の目的を実現する。
4つの構成部品の各々に対する構造的細部及び属性の好ましい詳細は、図6〜図12にそれぞれ示されており、各必要な構成部品のより詳細な記述について以下に示す。
1.携帯型中空ケーシング
本発明の各実施形態は、固定寸法、標準の大きさの内部空間容積、及び、頭部への適用、及び/又は対象の呼吸能力を実質的に損なうことのない、鼻孔の鼻腔空間へのin−vivo挿入に好適な外面構成を有する、少なくとも1つの携帯型中空ケーシングを含む。
好ましくは、携帯型ケーシングは、その外面の少なくとも一部にわたって光透過材料から構成及び形成することができ、少なくとも1つの発光ユニットを収容及び収納するように意図されたその容積ゾーンを取り囲む。定義により、こうした光透過材料は、透明物質、半透明物質及び不透明物質を含み及び包含する。しかしながら、大部分の場合では、完全に曇りのない透明な物質が使用に最適であると考えられる。
携帯型ケーシングの意図された目的及び目標は、2つの面、すなわち、(i)頭蓋への容易な適用及び/又は鼻孔の鼻腔空間へのin−vivo挿入に対して構成される収納チャンバーとしての役割を果たすことと、(ii)放出される光波を脳に反射しかつ向ける成形レンズとして作用することとであることに留意することも重要である。
本発明における鼻内光療法では、携帯型中空ケーシングは、一方の鼻孔への挿入を可能にするのに十分小さい寸法を有しなければならず、対象の呼吸能力を損なうのを最小限にし、さらに、対象の鼻腔の壁に向かう光粒子の散乱を最大限にすることができる。これらの理由で、鼻内療法に対する中空ケーシングは、被験者が自身の指で保持することができる有形のホルダー又は固定具によって支持されるようなサイズ及び構成で形成されることが非常に望ましい。したがって、携帯型ケーシングは、管状、又はシガー状、又は円筒状形態等、任意の概して細長く伸長した形状に形成することができるが、携帯型中空ケーシングの全体的な構成はまた、随意に鼻腔空間内に配置するのを可能にする構造的支持手段も提供することが、有用でありかつ適切であると考えられる。この理由でまた、図9に示す「L」字型形態が非常に望ましく、最適な構成であるとみなされる。
2.発光ユニット(複数の場合もある)
各発光ユニットは、少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを要求時に発生することができる。発光ユニットは、(i)可視色スペクトル範囲では、約620nm〜780nmの範囲の可視赤色光波長、及び(ii)非可視スペクトル範囲では、約780nm〜1400nmの範囲の近赤外光波長を含む波長で、治療効果のある光を送達することができるように意図されている。
さらに、発生した光エネルギー波及び粒子は、代替的に、(i)コヒーレント(レーザーにおけるような)又は非コヒーレントのいずれか、(ii)送達がパルス状又は非パルス状(連続波)のいずれか、(iii)強度が一定又は非一定のいずれか、(iv)位相が均一又は非均一のいずれか、(v)偏光された及び偏光されていない、並びに(vi)規則的な又は不規則な流束を有するものとすることができる。
電磁放射線を発生させる任意の従来の既知の手段、又は放射エネルギーを伝播させる物品が、本装置で使用するために許容可能である。実施形態の大部分では、照射する目的で発光ユニット(複数の場合もある)として、低出力レーザーユニット又は発光ダイオード(LED)が採用されるように意図及び予期される。したがって、装置は、全体として、機能的な単数又は複数の発光ユニットのみを必要とし、発光ユニットが少なくとも1つが事前選択され、かつ治療的に有効な波長の光を発生させ、伝達する限り、その性質又は構造又は形態がいかなるものであり得るかは、本発明では重要ではない。
治療的に有用な光波長
好ましい実施形態は、光スペクトルの可視赤色及び近赤外(「NIR」)波長(すなわち、約620nm〜1400nm)の光を使用する。これは、紫外線B(約280nm)から可視赤色波長領域まで(620nmまで)の他の波長の光を展開する可能性を排除しない。
完全であるために、望まれるか又は必要である場合、装置の発光ユニット(複数の場合もある)のうちの1つ以上によって提供することができる可視及び不可視の光波長のスペクトル全体。望ましい場合に装置によって要求時に発生することができる可視及び不可視の光波長のスペクトルは、以下の表1によって識別される。
表1:可視及び近可視色波長範囲
紫外線A&B:280nm〜400nm
紫色:400nm〜420nm
藍色:420nm〜440nm
青色:440nm〜490nm
緑色:490nm〜570nm
黄色:570nm〜585nm
オレンジ色:585nm〜620nm
赤色:620nm〜780nm
近赤外:780nm〜1400nm
治療的に有効な光範囲及び波長
本発明の指標原理は、神経系に対して治療的に効果的なエネルギーを伝達及び送達することである。この目的で、少なくとも、620nm〜1400nmの範囲の波長で固定される、低出力レーザーによって発生するコヒーレント可視赤色光、又はLEDによって発生する非コヒーレント可視赤色光が使用されることが概して好ましい。これらの理由で、装置及びシステムの様々な好ましい実施形態は、10mW〜1000mWの放射電力で、620nm〜1400nmの範囲の赤色波長で、コヒーレント又は非コヒーレントの可視光エネルギーを伝達する及び向ける。比較として、照射装置及びシステムのいくつかの実施形態は、10mW〜1000mWの放射電力で、490nm〜570nmの波長(緑色範囲)で可視光エネルギーを放出及び送達する。代替的に、更に他の実施形態は、10mW〜1000mWの放射電力で400nm〜490nmの範囲の波長(青色範囲)で可視光エネルギーを放出する。
電磁波及び浸透に関する一般原則は、波長が長いほど、浸透が深いというものである。この原理に基づいて、波長が長い遠赤外光は、波長が短い赤色光又は近赤外光より優れた浸透を有することが予期される。しかしながら、光が組織を通って進むことができる距離は、波長及び標的組織の光学特性の両方によって決まる。中枢神経系の組織の場合、血液及び水等の成分は、浸透の深さを決めることにおいて重大な役割を果たす。
本発明の1つの特に好ましい実施形態は、約810nmの波長の光エネルギーを使用する。図26に示すように、約810nmの波長が、中枢神経系の組織内を最も深く浸透する。さらに、図27及び図28に示すように、約810nmの波長を有する光は、他の波長を有する光と同じ程度まで、血液(ヘモグロビン)及び水によって吸収されない。
3.電流源
本発明の装置及びシステムの構成部品として、携帯型かつ充電式の要求時直流電源が存在することが必要とされる。本発明によって提供される治療処置システム及び方法は、電力(ワット数)及び時間(秒)の関数であり、また、各治療処置に対して効果があると考えられる、特定のエネルギー用量(ジュールで測定される)を送達するように意図される。
図5及び図6によってそれぞれ示される好ましい実施形態では、鼻内光療法用のダイオードに電力を供給するために、1.5ボルト乾電池バッテリーが採用される。それぞれの組み込まれたプログラムは、構成要素が以下のように鼻内療法エネルギーを送達するのを可能にする。
(i)633nmLED実施形態では、11ジュール/cm〜12ジュール/cm
(ii)655nm低出力レーザー実施形態では、7ジュール/cm〜8ジュール/cm、及び
(iii)810nmパルス状LEDでは11ジュール/cm〜13ジュール/cm(パルス化モードデューティサイクルの前)。
これらの構成要素の異なる組合せを含む他の代替実施形態があることもまた予期及び意図され、それは、電力、エネルギー用量及び処置時間の異なる構成を必要とする。
電源は、通常、直流電流の形態でエネルギーを搬送する。単一バッテリー源から、又は直列若しくは並列に互いに接合された、いくつかの乾電池の組合せから、適切な量の電流を繰返し搬送することができる。他のいくつかの望ましい実施形態では、電力源は、充電式直流バッテリーユニットの形態(通常の家庭用交流電流コンセントから充電可能)、又は電源アダプターを介して交流電流(AC)である。
位置決めに関して、全ての好ましい実施形態において、電源は、コントローラーアセンブリ28の内部境界内に完全に保持されかつ収納される別個の存在である。しかしながら、それほど好ましくない実施形態では、電流源は、電気ケーブル及びコネクタモジュールリンク機構を介してコントローラーアセンブリと電気通信する、内蔵の別個の独立したユニットとすることができる。
4.プロセスコントローラーアセンブリ
プロセスコントローラーアセンブリは、少なくとも3つの構造的特徴を有する携帯型ユニット構成要素である。したがって、図14及び図15によってそれぞれ示すように、各プロセスコントローラーアセンブリは以下を含む。
(i)電源からコントローラーアセンブリに移送されるような直流電流を受け取る受取回路、
(ii)経時的にコントローラーアセンブリによって受け取られるような電流の流れを制御し方向付ける中央処理装置(CPU)、及び
(iii)コントローラーアセンブリから別の構成要素に直流電流を送出する送出回路。
同様に重要なことには、プロセスコントローラーアセンブリは、装置の他の本質的な構成要素に電気的に連結され、したがって、通常、以下も含む、ということが意図及び予期される。
(a)コントローラーアセンブリへの電流の要求時移送のために電流源と電気通信する少なくとも1つのコネクタ、及び
(b)コントローラーアセンブリから発光ユニット(複数の場合もある)への電流の要求時搬送のために発光ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタ。
これらのコネクタは、通常、電源及び発光ユニット(複数の場合もある)の両方と迅速かつ容易に連結し電気通信するのを可能にする、絶縁銅線ケーブル及びジャックモジュールとして形成される。
装置の全ての実施形態において、プロセスコントローラーアセンブリは、電流源がない場合は動作しない。さらに、コントローラーアセンブリは、所定時間後にユニットの電源を切ることに加えて、主に、発光ユニットを適切にかつ効率的に駆動するように電力を提供する回路である。コントローラーはまた、発光ユニットに送出される電力が一定していることも確実にする。したがって、それは、望ましくは、バッテリー強度を監視し、バッテリーが回路を適切に駆動するのに十分な電力を供給することができない場合にユニットの電源を切る。
したがって、図5及び図6並びに図14及び図15によってそれぞれ示すように、好ましいプロセスコントローラーアセンブリ28は、寸法的にサイズが小さく、軽量であり、携帯可能である。プロセスコントローラーアセンブリ28は、好ましくは、平均的なシャツポケットより小さい固定寸法(すなわち、長さがおよそ4.5インチ、幅が4.5インチ、深さが1インチ)を有し、成形可能熱可塑性物質等の弾性材料から形成される。コントローラーアセンブリの好ましい実施形態は、通常、回路基板52内に、好ましい実施形態では単一のAA乾電池バッテリー53である電源から構成された照射レンズ39への電流の流れを、用量、電力及び時間に関して制御及び指示することができる中央処理装置(CPU)を含む。
図5及び図6に示す好ましい実施形態では、直流電源は内部に位置し、コントローラーアセンブリの内部空間容積内に収納され、電池29(乾電池又は充電式ユニット)として現れることにも留意されたい。この場合、コントローラーアセンブリ28はまた、絶縁銅線ケーブル及びモジュラージャックコネクタ51を取り付けるように適合されたソケットも有し、絶縁銅線ケーブル及びモジュラージャックコネクタ51の他端は、図8によって示す中空ケーシング39内に配置された発光ユニット38に接合される。
図14及び図15によって全体的に示すコントローラーアセンブリ28は、脳の一定の神経刺激を達成するのに十分である、必要な用量を光ダイオードから経時的に繰返し送達することができる。また、携帯性のために、通常のバッテリー電気エネルギー源は、1.5ボルトで直流電流を提供する。しかしながら、使用されている光源のタイプに対する回路を仮定して、より広い範囲の直流電圧が許容可能である。
コントローラーアセンブリの中央処理装置(「CPU」)は、好ましくは、10mW〜1000mW又はそれを超える光エネルギー出力を調節することができる。調節されると、出力は固定される。これらの光エネルギー出力により、装置の放出される光は、好ましい実施形態に対してセッション時間ごとに10分間〜30分間のみの処置時間の後に治療的に有効なものとなる。
コントローラーアセンブリを照射レンズに連結するために、任意の従来の既知でありかつ互換性のある電機ケーブル及びコネクタが使用されることが意図及び予期される。これにより、使用者に対して明確な利点及び利益、すなわち、1つの構成された照射レンズ(第1の波長の光を透過させることができる)を別の照射レンズ(第2の異なる波長の光を透過させることができる)と交換するオプションも提供され、それにより、1つの単一コントローラーアセンブリにより異なる波長の可視及び不可視の光エネルギーを送達することができる異なるレーザー及び代替的な発光ダイオードを使用することができる。
別の実施形態では、コントローラーアセンブリは、より汎用性を提供するためにより多くの送達及び動作オプションを提供する制御部を有することができる。この特定の利点及び利益は、光のタイプ及びその波長に適合し、ユーザーインターフェースを改善し、誤りを低減させるように、コントローラーのさまざまな事前構成された設定の選択を通して提供される。随意に又は必要に応じて発光ユニットを交換するこのモード及び方式により、複数の処置システム又は2つ以上の装置を購入するいかなる必要もなしに、1人の患者によって異なる光範囲及び代替的な光波長を治療に使用することができる。
モバイルスマートフォンオプション
別の実施形態では、コントローラーアセンブリ28の機能を、図16に示すように、一般的なモバイルプラットフォームのうちの1つで動作するスマートフォンと置き換えることができ、それは、Apple社からのスマートフォン、Android、Blackberry及びWindowsを含むことができる。アプリケーターアセンブリ23は、ここでは、ケーブル(他の実施形態27と同様な材料から形成される)を介して、別個のコントローラーユニットの代わりにスマートフォン54に接続される。スマートフォン54は、コントローラーアセンブリ28におけるソフトウェア機能に大部分は匹敵するダウンロード可能なソフトウェアアプリケーション(「App」)を有している。コンピューターチップ55にインターフェース処理ソフトウェアを含む変更された添付ファイルが、既存のアプリケーターと独自仕様のスマートフォンプラットフォームとの間のインターフェースを提供する。この実施形態では、使用者は、追加の又は別個のコントローラーユニットを持つ必要はなく、さらに、「App」はまた、より多くのソフトウェア制御部及びグラフィックインターフェースも含む。
本発明の好ましいシステム及び装置実施形態
図20〜図25及び図29に示すように、本発明は、経頭蓋光療法ヘッドセット102及び鼻内光療法ユニット104を結合する装置100の好ましい実施形態を提供する。携帯型コントローラーアセンブリ106は、経頭蓋ヘッドセット102及び鼻内ユニット104の両方に対して電源及び中央処理装置としての役割を果たすことができる。
ヘッドセット102は、1つ以上の構成された照射ユニット108、110、112及び114を備え、構成された照射ユニット108、110、112及び114の各々は、固定寸法、標準の大きさの内部空間容積、及び頭蓋116への適用に好適な外面構成を有する携帯型中空ケーシングを含む。携帯型ケーシングは、(i)中空ケーシングに対して、構成された外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー伝達材料と、(ii)中空ケーシングの内部空間容積内に完全に収容及び収納され、所定エネルギー強度で、頭蓋に浸透しかつ脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる、少なくとも1つの発光ユニットとを備える。
ヘッドセット102に、構成された照射ユニット108、110、112及び114を支持し、頭蓋116の固定位置及び所望の照射方向に、構成された照射ユニット108、110、112及び114の光透過外面を随意に配置するようにヘッドセット102を適合させるように、フレーム118が設けられる。ヘッドセット102を頭蓋116に固定するのに役立つように、かつヘッドセット102を患者が装着するのをより快適にするように、好ましくは支持パッド128が設けられる。
図20〜図25及び図29に示す好ましい実施形態では、フレーム118は、4つの構成された照射ユニット108、110、112及び114を支持し、各構成された照射ユニット108、110、112及び114は、各々3つの発光ユニットを備えるクラスターヘッドを形成する。4つのクラスターヘッドは、脳内の特定の皮質中枢を標的にするように、ヘッドセット102内に位置決めされる。図25に示す好ましい実施形態では、クラスターヘッドは、脳の以下の部分を標的とするように位置決めされる。
A.中線では、前頭部生え際において、標的脳領域は、左及び右腹側正中前頭前野領域、及び任意選択的に、顕著性ネットワークの一部である前帯状回領域を含み、
B.中線では、後頭隆起と頭部の頭頂との間の中間点において、標的脳領域は、左及び右楔前部皮質領域、及び任意選択的に、楔前部領域の下方の後帯状回領域を含み、
C.頭部の左側では、左耳の縁に対して後方にかつ上方において、標的脳領域は、外側下頭頂皮質における左角回領域、及び任意選択的に、左角回領域から(中線において)非常に深く位置する、左後帯状回であり、
D.頭部の右側では、右耳の縁に対して後方にかつ上方において、標的脳領域は、外側下頭頂皮質における右角回領域、及び任意選択的に、右角回領域から(中線において)非常に深く位置する、右後帯状回である。
図20、図24及び図29に見ることができるように、鼻内光療法ユニット104は、鼻クリップ120を含む。鼻クリップ120は、対象の鼻孔のうちの一方の内部において、構成された照射レンズ122を保持する。構成された照射レンズ122は、固定寸法、標準の大きさの内部空間容積、及び鼻孔の内部に取り付けられるのに好適な外面構成を有する、携帯型中空ケーシングを含む。携帯型ケーシングは、(i)中空ケーシングに対して、構成された外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、(ii)中空ケーシングの内部空間容積内に完全に収容及び収納され、所定エネルギー強度で、鼻組織に浸透しかつ脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる、少なくとも1つの発光ユニットとを備える。
第1のコネクタ124が、経頭蓋ヘッドセット102の構成された照射ユニット108、110、112及び114と電気通信する。第2のコネクタ126が、鼻内光療法ユニット104の構成された照射レンズと電気通信する。これにより、携帯型コントローラーアセンブリ106から、構成された照射ユニット108、110、112及び114の発光ユニットとともに、鼻内光療法ユニット104の構成された照射レンズの発光ユニット(複数の場合もある)への直流電流の要求時搬送が可能になる。
図25に見られるように、経頭蓋ヘッドセット102の構成された照射ユニット108、110、112及び114は、鼻内療法を用いて達することが困難な脳の背側又は上方領域における皮質中枢に光エネルギーを向ける。逆に、鼻内光療法ユニット104の構成された照射レンズ122は、経頭蓋光療法を用いて達することが困難な脳の腹側又は下側における皮質中枢に光エネルギーを向ける。
好ましい実施形態に対する動作パラメーター
図20〜図25及び図29に示す好ましい実施形態では、本発明のシステム及び装置は、以下の動作パラメーターを有する。
1.経頭蓋ヘッドセット102における構成された照射ユニット108、110、112及び114の各々は、好ましくは、発光ダイオード(LED)クラスターヘッドを備える。各クラスターヘッドは、好ましくは、サイズがおよそ4cm×4cmである。経頭蓋ヘッドセット102の各クラスターヘッドは、好ましくは、3つの発光ダイオードを備える。
2.経頭蓋ヘッドセット102の4つのLEDクラスターヘッドは、脳のデフォルトモードネットワークの一部(及び顕著性ネットワークの一部)である以下の皮質領域を処置するために同時に使用される。
A.中線では、前頭部生え際において、標的脳領域は、左及び右腹側正中前頭前野領域、及び任意選択的に、顕著性ネットワークの一部である前帯状回領域を含み、
B.中線では、後頭隆起と頭部の頭頂との間の中間点において、標的脳領域は、左及び右楔前部皮質領域、及び任意選択的に、楔前部領域の下方の後帯状回領域を含み、
C.頭部の左側では、左耳の縁に対して後方にかつ上方において、標的脳領域は、外側下頭頂皮質における左角回領域、及び任意選択的に、左角回領域から(中線において)非常に深く位置する、左後帯状回であり、
D.頭部の右側では、右耳の縁に対して後方にかつ上方において、標的脳領域は、外側下頭頂皮質における右角回領域、及び任意選択的に、右角回領域から(中線において)非常に深く位置する、右後帯状回である。
3.鼻内ユニット104は、好ましくは1つの鼻腔内発光ダイオード(LED)を備える1つの構成された照射レンズ122を備える。鼻腔内ダイオードは、前脳の左及び右全腹側、後脳の前吻側部分の一部、及び下側頭葉の一部(正中の下側頭回、海馬領域の外側嗅内皮質を含む)を標的とする。
4.電源:好ましくは、NiMHバッテリーを備えた充電式電源パック。
5.全ての発光ユニットが、好ましくは、620nm〜1400nm波長、より好ましくは700nm〜1000nm波長、さらにより好ましくは810nm波長の光エネルギーを提供する。
6.出力:
A.経頭蓋ヘッドセット102LEDクラスターヘッド:経頭蓋ヘッドセット102LEDクラスターヘッドの3つのダイオードの各々は、好ましくは、20mW〜60mWの出力、より好ましくは約41mWの出力を有する。各経頭蓋LEDクラスターヘッドは、60mW〜180mW、より好ましくは約123mWの好ましい結合された出力を有する。同時に使用される4つの経頭蓋ヘッドセット102LEDクラスターヘッドの総出力は、好ましくは240mW〜720mW、より好ましくは約492mWである。
B.鼻内ユニット104LED:鼻内ユニット104の単一ダイオードの出力は、好ましくは10mW〜30mW、より好ましくは約23mWである。
4つの経頭蓋ヘッドセット102LEDクラスターヘッドに単一の鼻内ユニット104LEDを足した総出力は、好ましくは250mW〜750mW、より好ましくは515mWである。これらは、全て、好ましくは20分間から25分間の処置に対して同時に使用される。
7.出力密度
A.各経頭蓋ヘッドセット102LEDクラスターヘッドの出力密度は、好ましくは20mW/cm〜60mW/cm、より好ましくは約41mW/cmである。
B.単一の鼻内ユニット104ダイオードの出力密度は、好ましくは、10mW/cm〜30mW/cm、より好ましくは約23mW/cmである。
8.各処置におけるエネルギー密度用量
A.各経頭蓋ヘッドセット102LEDクラスターヘッド:好ましくは20J/cm〜30J/cm、より好ましくは約25J/cm
B.鼻内ユニットLED:好ましくは、10J/cm〜20J/cm、より好ましくは約14J/cm。光エネルギー浸透に対する障壁は、経頭蓋ヘットセットより実質的ではないため、鼻内ユニットに対するエネルギー密度の方が低い。
9.経頭蓋ユニット102LEDクラスターヘッドにおける全てのダイオード、及び単一の鼻内ユニット104ダイオードは、好ましくは、10Hz,50%デューティサイクルでパルス化される。
10.総処置時間:好ましくは、20分間〜25分間。
11.この好ましい経頭蓋−鼻内デバイス100の使用は、好ましくは、電磁エネルギーに特に敏感な対象、又は脳の感染症のある対象によるあり得る過剰摂取を回避するために、2日又は3日に1回以下に制限されるべきである。
上記動作パラメーターを用いる好ましい装置は、実地試験において、脳霧、認知障害及び慢性顔面痛等の症状をうまく改善することが示された。
鼻内光療法ユニットの好ましいシステム及び装置の特徴
鼻内光療法ユニットの好ましい実施形態は、図5〜図12及び図15〜図18によってそれぞれ、統合されたシステム及びすぐ使用できる医療デバイスとして示されている。そこに示すように、非侵襲的装置図5及び図6は、自己投与式アプリケーターデバイス23を提供し、鼻腔内の所望の固定位置で、構成された照射レンズ24を保持しかつ支持し、寸法的にサイズが小さい、好都合な構造的物品が、少なくとも部分的に透明であり、対象の呼吸能力を重要なほどに損なうことなく鼻腔空間内に挿入可能にするように、意図的に成形されている。
自己投与型アプリケーターデバイス23は、2つの別個の構造物、すなわち、ハウジング25内に少なくとも1つの別個の光ダイオードを有する、透明かつ部分的に中空の構成された照射レンズ24と、構成された照射レンズ24を接続電力ケーブル277に接続する支持ベース26との結果としての組合せ及び統合として形成される。
構造的に、構成された照射レンズ24は、発光ダイオード(LED)として又はレーザーとしてのいずれかの形態でダイオード光源を収納するダイオードハウジング25を封入する。さらに、構成された照射レンズ24は、少なくとも一部には光透過材料から形成され、ダイオードハウジング25とともに、角度が付けられかつレンズと統合されて、任意の所望の方向及び分散角度で光子を放出する。
図5〜図7に示す自己投与型アプリケーター手段の実施形態では、デバイスは、構成された照射レンズ24(すなわち、レンズ/ダイオード複合体)を所望の方向で堅く保持するとともに、依然として構成された照射レンズ24を鼻の解剖学的構造に快適に固定して保持する役割を果たす、異なるプラスチックから形成された1つ以上の支持構造体を含むことができる。アプリケーターデバイスは、図7aに示すように固定形態にすることもできるし、又は図7bに示すように、カンチレバーで操作することもできる。
より好ましい実施形態では、システム仕様は、コントローラーユニット28内に収容されかつ使い捨て乾電池バッテリーによって電力が供給される、組込みソフトウェアプログラム(複数の場合もある)を含む回路基板によって制御される。図7bに示すアプリケーターの好ましい実施形態及び固定形態では、支持構造体30は剛性でありかつ固定されており、クリップ31は可撓性である。支持構造体30及びクリップ31の両方が、耐久性のあるプラスチック材料から成形される。
図7aに示すようにカンチレバーベースのアプリケーターデバイスを有する実施形態では、支持ベースはカンチレバー32を支持し、それは、指で押し下げられると開放し、その後、アプリケーターがレンズを鼻孔の空洞空間内に滑り込ませることができるようにする。クリップ33は、アプリケーターデバイスを鼻に固定して保持する。
図8a、図8b、図9a及び図9bによってそれぞれ示される好ましい形態では、アプリケーターデバイスは、構成された照射レンズ35のための支持ベース34を含む単一の協働体であり、別個のクレードル部分36、及びヒトの鼻孔の外面に対して容易に随意に取付け及び取外しができるように形成された、丸みのあるクリップ又は取付具37として、集合的に構造化されている。構成された照射レンズは、支持ベース39の一部を入れるように寸法的に伸長する単一の透明プラスチック成型物の一部である。鼻クリップ37は、物理的に、構成された照射レンズ35を鼻孔内の適切な位置で保持するために用いられる丸みのある摩擦取付具としての役割を果たすだけでなく、好ましくは白色又は不透明材料から構成され、それは、摩擦取付具の光障壁及び反射体としての有用性に寄与し、鼻孔の組織壁を通って鼻腔壁の内部に向かって戻る実質的な迷光の方向を変えるように作用する。
さらに、図5及び図6によってそれぞれ示すように、自己投与型アプリケーター手段23は、プロセスコントローラーアセンブリ28、すなわち、小型であり、軽量であり、かつ手で支持され、シャツポケット内に納められ、又はシャツにクリップ留めされるように十分携帯可能である制御及び電源構築物と、(ケーブル及びジャックモジュールコネクタ27を介して)電気通信する。この好ましい実施形態では、プロセスコントローラーアセンブリ28は、携帯型かつ使い捨て/充電式の要求時直流電流源を含み、光照射療法のためにアプリケーターアセンブリ23内に収納された発光ユニット(複数の場合もある)29に、要求時に、注意深く調節された用量の電力を搬送することができる。この場合、プロセス及び電源コントローラーアセンブリ28はまた、自動タイマー及び電源スイッチ28aも含みかつ提供する。コントローラーは、事前選択された長さの時間の経過の後、発光ユニット(複数の場合もある)に搬送される電流を自動的に遮断する。
鼻内光療法ユニットに対する構成された照射レンズ
図8及び図9によってそれぞれ詳細に示すように構造的に、鼻内光療法用の好ましい構成された照射レンズ39は、実質的に「L」字型構築物として現れる。しかしながら、構成された照射レンズ39自体は、好ましくは、以下の2つの他の別個の構造実体によって形成され、それらを結合及び統合した結果である。
(i)少なくとも一部には光透過材料から形成された携帯型中空ケーシング35であって、少なくとも一部には所望の方向に光を反射する反射レンズとしての役割を果たす、携帯型中空ケーシング35、及び、
(ii)中空ケーシング35の内部空間容積内に完全に収容及び収納される、少なくとも1つの別個の発光ユニット又はダイオード38。
別個の発光ユニット38及び携帯型中空ケーシング35はともに、集合的に、構成された照射レンズ39、すなわち、少なくとも1つの所定波長、出力及びパルス化(又は連続波)モードの光エネルギーを要求時に放出し方向付けることができる構築物を形成する。
鼻内光療法に対するこの「L」字型構造の意味及び効果を理解し認めることが重要であり、したがって、図8a及び図8b並びに図9a及び図9bによってそれぞれ提供される図に特に注意を向ける。そこに示すように、中空ケーシング35は、レンズとして形成され、「L」字型構造体39全体を含むが、発光ユニット38は、通常、「L」字型ケーシング39の垂直又は直立容積部分のみの中に配置されかつそれによって収納される。したがって、図8a、図8b、図9a及び図9bによってそれぞれ示すこの構成を介して、水平又は軸方向部分39は、通常、いかなる内部内容物もなく、アプリケーターにおける支持ベース34のクレードル部分36によって物理的に支持されるためにのみ存在する。
また、この配置構成を介して、光透過又は透明材料から形成しなければならないのは、「L」字型ケーシングの垂直又は直立容積部分35のみである。対照的に、中空ケーシング39の水平又は軸方向部分は、透明であるか又は透明でない任意の弾性材料から形成することができる。
反射付属品としての鼻クリップ及びその機能
図10及び図11によってそれぞれ示す好ましい実施形態では、鼻クリップ40は、アプリケーターデバイスを鼻の解剖学的構造に固定し、光子の漏れを最小限にするための付属品として機能するとともに、出力効率を最大限にするようにこれらの光子41を鼻腔内に戻るように反射する、機能クリップとして二役を務める。アプリケーター物品は、カンチレバーとともに成形され、カンチレバーは、ボタンを(指で)押し下げる(42)ことによって機能して、クリップがレンズアセンブリ35を開放し(43)、クリップを鼻の上に快適に滑らせるのを可能にする。指の圧力が解除されると、クリップは、その先行するデフォルト位置に戻り、それにより、アプリケーターデバイスを構造的な鼻の解剖学的構造に固定する。
鼻内光療法ユニットのためのマイクロレンズ及び他の光方向付け構成
図12は、ダイオード45によって放出される光を選択された標的領域(複数の場合もある)に偏向させる役割を果たすマイクロレンズ44のオプションを備えた、低出力レーザー実施形態を示す図である。この特徴を組み込むことにより、実施形態は、光46の分散を最小限にし、効力を達成するための所要電力を最小限にする。また、残りの漏れの大部分は、鼻クリップ40によって捕捉及び反射される。これは全て、装置が全体として鼻47に固定して取り付けられる間に発生する。
マイクロレンズ構造は、異なる波長を提供し、光のコヒーレンス係数を提供するように、異なるように設計することができる。したがって、マイクロレンズ構成は、代替的に、反対のティアドロップ形状、又は楕円形、又は長円形状、又は他の任意の丸い構成とすることができるとともに、光粒子を所望の方向に向かって向け直す任意の寸法サイズとすることができる。
図13は、光の方向の一次操作を提供するためにLEDダイオード48及び側部支持体49の取付角度に依存するLED実施形態を示す。上記形態要素に加えて、透明な中空ケーシング35はまた、光を鼻腔48内に偏向させるようにも構成される。
要約すると、いくつかの形態要素は、生成された光を鼻腔空間内に、ひいては脳の標的領域に向かって方向付けるのに寄与する。これらには、低出力レーザー実施形態用のマイクロレンズ44、LED実施形態48の取付角度、中空レンズケーシング35及び鼻クリップ40が含まれる。このように、治療効力を達成するために必要な電気エネルギーの量は、最小値に維持され、装置が小型であり、携帯可能であり、使用に便利であるという望ましい目標を達成する。
鼻内光療法ユニットのための自己投与型アプリケーター手段
図6〜図13によってそれぞれ提示するようなアプリケーター手段23は、望ましい手持ち式物品を形成するように構造的に設計された部品を意図するように合わせてグループ化したものであり、上記物品は、患者が自身の指を用いて操作することができ、鼻孔に対する随意の取付け及び取外しに適している。図6a及び図6b並びに図13a及び図13bによって特に示すように、それは、集合的にアプリケーター手段23を形成及び構成する支持ベース34及び鼻クリップ35又は40との構成された照射レンズ39の組合せであり、したがって、アプリケーター手段23は、使用者に対して個人的に好都合な自己投与型構造である。
したがって、真に本質的な構成要素であるのは、構成された照射レンズアセンブリ39、すなわち、望ましくは支持ベース34のクレードル36内に保持され、かつそれによって支持される別個の実体であることが理解されよう。クレードル36は、鼻腔空間に容易にかつ迅速に挿入されるように、構成された照射レンズ39を保持及び位置合せする。
アプリケーター23の或るスタイルに形成された鼻クリップ40は、支持ベース34の構造的材料アーム及び外向き延長部であることにも留意されたい。通常、鼻クリップ40は、可撓性及び弾性の両方である白色又は不透明材料から形成される。鼻クリップの2つの異なる構造的形態を、図7a、図7b、図8a、図8b、図9a及び図9bによってそれぞれ示す。
鼻クリップは、その好ましい実施形態では、2つの異なる目的を果たし、図11によって表すように機能する。第1に、それは、ヒトの鼻の外面に直接圧力が加えられて接触し、適合して摩擦係合するように採用される。この係合により、挿入された照射レンズが鼻腔空間内の適切な位置で維持される。第2に、鼻クリップの白色又は不透明な材料は、幾分かの光粒子の漏れを低減させ、迷光粒子を鼻孔の内部組織内に戻るように反射する。鼻クリップ40は、アプリケーター23の統合部分としてこれらの意図された機能の両方を行う。これらの理由で、別個の実体としてのかつ構成された照射レンズ39と対照的なアプリケーター23は、単に、全体として装置の使用を容易にする好都合な物品である。
アプリケーター手段23は、ヒトの手の指を用いて容易に操作され、したがって、携帯型ケーシング28、及び図12に示すように対象の鼻腔の内側に隣接して発光ユニット45を適切に位置決めするための非常に望ましい手段である。さらに、発光ユニットを収容するアプリケーター手段の互換性により、家庭内の異なる使用者が、自身の個人用のアプリケーターを有し(衛生上の理由で)、単一のコントローラーを共有し、したがって、別個のコントローラーを有するコストを削減することができる。
それにも関わらず、図6〜図12によってそれぞれ示す自己投与型アプリケーター手段23は、構成された照射レンズ39を鼻孔内で支持及び適切に配置する、唯一の好ましい例示的な例及び有形の手段であると考えられ、構成された照射レンズ39の鼻孔空洞内のin−vivo配置をより容易に、迅速にかつ単純にする、唯一の種類の支持構築物を表す。
鼻内光療法ユニットのための動作パラメーター
本発明の鼻内脳刺激のための動作パラメーターは、広範囲かつ多種多様な臨床応用を包含する3つのサブグループに広く分割することができる。3つのサブグループがヒトの脳をいかに標的とするかの概念的表現を、図2、図3及び図4によってそれぞれ示し、以下のように要約することができる。
図2は、633nmLED光源を用いるモデルシステムを示す。LED光源12からの光線11は、概して、篩骨13の垂直板に達するまで、妨げられず、広い領域にわたって分散される。脳内への浸透は比較的浅いが、広範囲な神経ネットワークは、脳を通して信号を分散させる。それは、最初に前頭前野14を標的とし、その後、全体的に脳を標的とする。しかしながら、光源は、要求に応じて脳の任意の領域を向くように角度を付けることができる。
図3は、655nmレーザー光源を用いるモデルシステムを示す。レーザー光源16からの光線15は、篩骨17の垂直板に浸透するまで、概して妨げられず、狭い分散の範囲内で概してコヒーレントのままである。浸透は、図2における633nmLEDモデルに対してより深く、主要標的中脳領域18に達する。しかしながら、二次シグナリングは、依然として他の脳領域を通して分散される。
図4は、810nmLED光源を用いるモデルシステムを示す。LED光源20からの光線19は、篩骨21の垂直板に達するまで、概して妨げられず、広い領域にわたって分散される。浸透は、図2における633nmLEDモデルに対してより深く、分散(及び組織カバレッジ)は、図3における655nmレーザーより広く、より深くに位置する中脳領域22を含む全脳をカバーする。このモデルシステムは、上述した他の2つのモデルの多くの有益な特徴を抽出する。商業的な不都合は、光が可視でなく、使用者によっては、見ることができる光線の方が快適であり安全である可能性がある、ということである。
本発明のシステム及び装置の属性及び能力
本装置は、複数の肯定的な属性、特性及び能力を提供する。特に、以下がある。
1.装置及びシステムは、脳及び神経系の治療転帰を達成するように、種々の選択された波長にわたって光エネルギーを送達することができる。
2.装置及びシステムは、非常に低い所要電力を有する。
3.装置及びシステムは、他の経頭蓋光治療方法で用いられるフルヘルメットより使用が快適である、軽量の経頭蓋ヘッドセットを提供する。
4.装置及びシステムは、鼻孔の外壁にクリップ留めすることができると同時に、光療法を送達するために鼻腔内にケースに入れられた固体の電子光源(発光ダイオード又は低出力レーザーダイオード等)を挿入することができる、使用が容易な鼻内アプリケーターを提供する。
5.装置及びシステムは、特に携帯性及び自己投与に関する、先行技術の欠点及び従来の技術の限界を克服する。それはまた、光療法を脳に送達する方法に関しても既知のシステムと著しく異なる。
6.装置及びシステムは、光線及び光波長を方向付けることによって脳の様々な標的領域を照明することができる。これに関して、光の波長は、脳物質内への所望の浸透に関して事前選択される。これにより、それぞれの神経疾患及び障害に対して改善された転帰がもたらされる。
7.装置及びシステムは、衛生及びコスト削減の両方の目的で、処理及び電源コントローラーアセンブリから光エネルギーの送達を分離し、また、この目的で、また同様にモバイルスマートフォンとインターフェースするために、適切な出力用量を搬送する単一の処理コントローラーアセンブリで、異なる発光ユニットの交換及び置換を可能にする可能性がある。
8.装置及びシステムは、好ましくは、経頭蓋光療法及び鼻内光療法を結合し、この場合、(i)経頭蓋ヘッドセットは、脳の背側/上方領域に光エネルギーを向け、(ii)鼻内ユニットは、脳の腹側又は下側に光エネルギーを向ける。これにより、現行の経頭蓋法単独の場合及び現行の鼻内法単独の場合より、より包括的なカバレッジが可能になる。
9.装置及びシステムは、好ましくは、デフォルトモードネットワークの特定の皮質中枢を標的とし、したがって、アルツハイマー病及び認知症等の脳障害に関連する中枢の損傷を治癒することを目指す。
治療処置の方法
上述したシステム及び装置は、本発明の好ましい方法で使用することができる。この方法では、光エネルギーは、好ましくはDMNの標的皮質中枢に送達される。上述したように、これらの皮質中枢における損傷は、アルツハイマー病及び認知症等の多くの脳障害に関連する。これらの損傷領域への光の有効な送達は、治癒を刺激することを目指す。特に、光は、光の方向に成長を引き出すように、脳細胞における成長円錐の先端を誘引する。細胞レベルでは、光アクセプター呼吸酵素シトクロムオキシダーゼは、光スペクトルの可視赤色領域及び近赤外領域における光に対して感受性があり、これらの赤色及び近赤外波長の吸収光をアデノシン三リン酸(ATP)の細胞エネルギー分子に変換する。結果としてATP合成及び酸素吸収が増大し、したがって、in−vivoでのミトコンドリア代謝が促進される。これは、好ましくは、神経細胞の成長及び治癒を促進し、脳障害の症状を改善することを目標とする。
生きている哺乳動物の対象において脳神経刺激を達成するために非侵襲的照射光療法を行う方法は、好ましくは以下のステップ及び動作を含む。
ステップ1:光エネルギー放出装置を取得することであって、この光エネルギー放出装置は、
第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットであって、第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットの各々は、固定寸法、標準の大きさの内部空間容積、及び頭蓋に取り付けられるのに好適な外面構成を有する携帯型中空ケーシングを備え、各構成された照射ユニットの上記携帯型中空ケーシングは、
(i)各構成された照射ユニットの上記中空ケーシングに対して構成された外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
(ii)各構成された照射ユニットの中空ケーシングの上記内部空間容積内に完全に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、頭蓋に浸透しかつ脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、
から構成され、
それにより、上記第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットは、頭蓋に取り付けられた後に光エネルギーを放出し、この放出された光エネルギーを、in−vivoで頭蓋を通して脳の少なくとも一部に通すのを達成することができる、第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットと、
上記第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットを支持し、この第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットの上記光を透過する外面を頭蓋の固定位置及び所望の放射方向に随意に配置するように適合されたフレームと、
構成された照射ユニットからの光エネルギーの脳の少なくとも一部へのin−vivoでの要求時送達を制御することができる携帯型コントローラーアセンブリであって、
(a)携帯型かつ充電式の要求時直流電流の電源と、
(b)こうした直流電流の流れを制御し方向付ける中央処理装置と、
(c)中央処理装置への直流電流の要求時搬送のために電源と電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
(d)中央処理装置から発光ユニットへの直流電流の要求時搬送のために構成された照射ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
を含むコントローラーアセンブリと、
を備え、
ここで、上記光エネルギー放出装置は、
構成された照射レンズであって、
固定寸法、標準の大きさの内部空間容積、及び、対象の呼吸能力を実質的に損なうことなくかつ生きている対象の鼻組織を侵襲することなく、鼻孔の鼻腔空間内にin−vivo挿入されるのに好適な外面構成を有する携帯型中空ケーシングを含み、上記構成された照射レンズの上記携帯型ケーシングは、
(i)上記構成された照射レンズの上記中空ケーシングに対して構成された外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
(ii)上記構成された照射レンズの上記中空ケーシングの上記内部空間容積内に完全に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、鼻組織に浸透しかつ脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、
から構成され、
それにより、上記構成された照射レンズは、in−vivo挿入の後に鼻腔内で任意の所望の方向に光エネルギーを放出し、この放出された光エネルギーを、in−vivoで鼻腔から脳の少なくとも一部に通すのを達成することができる、構成された照射レンズと、
構成された照射レンズを支持し、この構成された照射レンズの上記光を透過する外面を、鼻孔内で対象の鼻腔の内側に隣接して固定位置及び所望の照射方向に随意に配置するように適合された自己投与型アプリケーター手段と、
を更に備え、
上記携帯型コントローラーアセンブリは更に、上記構成された照射レンズからの光エネルギーの要求時送達を制御することができる。
ステップ2:上記第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットから放出される光エネルギーが、対象の頭蓋に浸透し、in−vivoで脳の少なくとも1つの部分に入るように、第1、第2、第3及び第4の構成された照射ユニットの透明な外面を、対象の頭蓋に隣接する所望の固定位置に配置すること、及び、
上記構成された照射レンズによって放出される光エネルギーが、対象の鼻組織を通って浸透し、in−vivoで脳の少なくとも1つの部分に入るように、上記構成された照射レンズの透明な外面を鼻孔内で対象の鼻腔の内側に隣接した所望の固定位置に配置すること。
ステップ3:上記配置された構成された照射ユニットの上記発光ユニットが、所定のエネルギー強度で、対象の頭蓋に浸透しかつ脳の少なくとも一部の神経刺激が達成されるように脳内に入るのに十分な、要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させるようにすること、及び、
上記配置された構成された照射レンズの上記発光ユニットが、所定のエネルギー強度で、対象の鼻組織を通って浸透しかつ脳の少なくとも一部の神経刺激が達成されるように脳内に入るのに十分な、要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させるようにすること。
図23及び図24に示すように、経頭蓋ヘッドセット102は対象の頭部に配置される。構成された照射ユニット108、110、112及び114は、フレーム118によって支持される。さらに、経頭蓋ヘッドセット102が対象の頭部に配置されるとき各構成された放射ユニット108、110、112及び114の外面が頭蓋の標的位置に隣接するように、構成された照射ユニット108、110、112及び114は、互いに対して位置決めされる。好ましくは、図25に示すように、構成された照射ユニット108、110、112及び114は、頭蓋を通して脳内の以下のそれぞれの領域に光エネルギーを向けるように位置決めされる。
(A)左及び右腹側正中前頭前野領域及び任意選択的に前帯状回を含む脳の第1の領域、
(B)左及び右楔前部皮質領域及び任意選択的に後帯状回を含む脳の第2の領域、
(C)外側下頭頂部皮質における左角回領域及び任意選択的に左後帯状回を含む脳の第3の領域、及び
(D)外側下頭頂部皮質における右角回領域及び任意選択的に右後帯状回を含む脳の第4の領域。
構成された照射レンズ122は、対象の鼻孔のうちの一方の内部に配置される。構成された照射レンズ122の外面は、エネルギーを、鼻腔を通して脳内に向けるように、位置決めされる。鼻クリップ120を用いて、構成された照射レンズ122が対象の鼻孔の内側の適所に保持される。
対象にとって望ましいときに、直流電流が、携帯型コントローラーアセンブリ106から第1のコネクタ124を通って、構成された照射ユニット108、110、112及び114の発光ユニットまで搬送される。これにより、構成された照射ユニット108、110、112及び114の発光ユニットが、所定のエネルギー強度で、対象の頭蓋に浸透しかつ脳の標的領域まで進むのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させる。
また、対象によって望ましいとき、直流電流が、携帯型コントローラーアセンブリ106から第2のコネクタ126を通って、構成された照射レンズ122の発光ユニット(複数の場合もある)まで搬送される。これにより、構成された照射レンズ122の発光ユニット(複数の場合もある)が、所定のエネルギー強度で、対象の鼻腔に浸透しかつ脳まで進むのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させる。
鼻内ユニットを用いるステップに関するより具体的な詳細は、図10に見ることができ、そこでは、自己投与型アプリケーター手段23を用いて、構成された照射レンズ35をヒトの鼻の鼻腔空間2内に挿入し、その後、直流電流がその電流源からプロセスコントローラーアセンブリ(図示せず)に、その後、中空ケーシング39内に配置された光ユニット(複数の場合もある)35に搬送されるようにする。これにより、光ユニット45は、事前選択された波長の光波及び粒子46を発生させ伝達する。
好ましいレーザー光実施形態では、伝達される光波及び粒子46は、ケーシング壁40、及び中空ケーシング35内の発光ユニット45の上に被せられるマイクロレンズ44によって、方向付けられ偏向する。これは、図11及び図12によってそれぞれ最もよく示す。
このプロセスにより、構成された照射レンズ35から発出される光波及び粒子46は、図1に示すように、脳の様々な領域に入るように集束され、照準が定められ、方向付けられる。発光ユニット45からの照準光エネルギーは、鼻腔の内部に向かって大きく偏向し、その後、こうした光は、鼻腔2全体を通過することができ、漏れ光はその後、鼻クリップ40の反射する白色不透明材料によって鼻腔空間内に戻るように反射され方向が変えられる。したがって、図12に示すように、最初に発生した光の大部分が、捕捉され鼻腔2内に(偏向及び反射により)向けられる。
これらの実施形態では、プロセス及び電源コントローラーアセンブリは、全体として、脳の一定の治療効果のある刺激を達成するのに十分である、ジュール/cmで測定される用量の所望のエネルギーを送達することができる。また、コントローラーアセンブリ内のバッテリー電気エネルギー源は、直流電流を提供し、コントローラーアセンブリのCPUは、10mW〜1000mWで一定して総光エネルギー出力を調節することができる。送達されているエネルギー密度は、約5J/cm〜1800J/cmの範囲にある。これにより、装置の放出された光が、10分間〜30分間のみ、好ましくは20分間〜25分間の処置時間後に治療的に有効となる。代替的に、電源コントローラーの機能及び作用は、適切な「App」がダウンロードされているスマートフォンによって代替的に実行することができる。
試験1
本発明者及び共同研究者は、アルツハイマー病及び認知症の18人の無作為に選択された被験者に対して、本発明のシステム、装置及び方法の有効性を検査する試験を行った。標準的な認知及び機能尺度による評価を、基準(0週目)及び12週目において行った。本発明のシステム及び装置により、12人の被験者を処置した。プラセボデバイスで6人の被験者を処置した。
結果
12週目、本発明の本物のシステム及び装置で処置した被験者の全てが、記憶/認知及び機能的能力の異なる程度の改善を示した。プラセボデバイスでの被験者に関しては、被験者のうちの2人は微妙な改善を示したが、残りの4人は低下し続けた。
薬剤との比較及び適応
これは、アルツハイマー病及び認知症患者に対する無作為なプラセボ対照試験における記憶/認知及び機能的能力の改善をもたらす、第1の医療モダリティである。また今のところ、十分なプラスの結果を提供しかつ全てが著しいマイナスの副作用を有する、製薬の選択肢はない。さらに、パイプラインにある薬剤が、認知低下の速度を落とすことを提案しているが、改善するようには提案していない。本発明のシステム及び装置は、いかなる顕著なマイナスの副作用も追加しなかった。薬物療法を続けていた有志者には禁忌もなかった。
試験2
不安神経症を患っている患者に対して試験を行った。患者には、20分間、本発明のシステム及び装置により1回の処置を行った。
脳の電気的活動を測定し分析するために、一般的に、定量的脳波検査(QEEG)が使用され、それは、脳の神経振動又は脳波の異常を検出することができる。QEEGを用いて、てんかん、脳血管障害及び他の症状を診断した。患者に対して以下の2つの時点でQEEG検査を行った。すなわち、(i)本発明のシステム及び装置による処置の前、及び(ii)本発明のシステム及び装置による20分間の処置の後である。図30に結果を示す。
図30に見ることができるように、本発明のシステム及び装置による処置の前は、QEEGによって検出された患者の脳波のいくつかの異常があった。例えば、異常は、第1行目、第3行目及び第4行目の円領域によって示されている。しかしながら、図31に示すように、1回の20分間の処置の後、それらの異常の多くは、特にQEEGの第1行目において、除去されるか又は減少した。これは、1回のみの20分間の処置の後の顕著な改善である。
特許請求の範囲の範囲は、例に示す好ましい実施形態によって限定されるべきではなく、全体として本明細書と一貫する最も広い解釈が与えられるべきである。

Claims (12)

  1. 生きている哺乳動物の脳の非侵襲的神経刺激療法を要求時に行う自己投与型システムであって、
    該自己投与型非侵襲的神経刺激システムは、照射ユニットを備え、
    前記照射ユニットは、各々が、固定寸法と、標準サイズの内部空間容積と、頭蓋に取り付けられるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを備えた第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットからなり、
    各々の構成照射ユニットの前記携帯型中空ケーシングは、
    (i)各々の構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記構成外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
    (ii)各々の構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記頭蓋に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、 それにより、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットは、前記頭蓋に取り付けられた後に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、生体内で前記頭蓋を通して前記脳の少なくとも一部に通すことを達成することができ、
    該自己投与型非侵襲的神経刺激システムは、更に、
    前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットを支持し、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの光を透過する前記外面を前記頭蓋の固定位置及び所望の放射方向に随意に配置するように適合されたフレームと、
    前記構成照射ユニットから前記脳の少なくとも一部への生体内での光エネルギーの要求時送達を制御することができる携帯型コントローラーアセンブリと、を備え、
    前記コントローラーアセンブリは、
    (a)要求時に直流電流を出力する携帯型かつ充電式の電源と、
    (b)直流電流の流れを制御し方向付ける中央処理装置と、
    (c)前記中央処理装置への直流電流の要求時搬送のために前記電源と電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
    (d)前記中央処理装置から前記発光ユニットへの直流電流の要求時搬送のために前記構成照射ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタと、を含み、
    (A)前記第1の構成照射ユニットは、左及び右腹側正中前頭前野、及び任意選択的に前帯状回領域を含む脳の第1の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
    (B)前記第2の構成照射ユニットは、左及び右楔前部皮質領域、及び任意選択的に後帯状回領域を含む脳の第2の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
    (C)前記第3の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における左角回領域、及び任意選択的に左後帯状回を含む脳の第3の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
    (D)前記第4の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における右角回領域、及び任意選択的に右後帯状回を含む脳の第4の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされる、システム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、
    構成照射レンズを更に備え、
    前記構成照射レンズは、固定寸法と、標準サイズの内部空間容積と、前記対象の呼吸能力を実質的に損なうことなくかつ前記生きている対象の鼻組織を侵襲することなく、鼻孔の鼻腔空間内に生体内で挿入されるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを含み、
    前記構成照射レンズの前記携帯型ケーシングは、
    (i)前記構成照射レンズの前記中空ケーシングの前記構成外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
    (ii)前記構成照射レンズの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記鼻組織に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、 それにより、前記構成照射レンズは、生体内での挿入の後に前記鼻腔内で任意の所望の方向に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、生体内で前記鼻腔から前記脳の少なくとも一部に通すのを達成することができ、
    該システムは、更に、
    前記構成照射レンズを支持し、前記構成照射レンズの光を透過する前記外面を、鼻孔内で対象の鼻腔の内側に隣接して固定位置及び所望の照射方向に随意に配置するように適合された自己投与型アプリケーター手段を備え、
    前記携帯型コントローラーアセンブリは更に、前記構成照射レンズからの光エネルギーの要求時送達を制御することができる、システム。
  3. 前記コントローラーアセンブリから前記構成照射ユニットへの直流電流の移送を作動及び停止させる少なくとも1つの電源スイッチを更に備える、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記コントローラーアセンブリから前記構成照射ユニットへの直流電流の移送を事前選択された期間に制限する少なくとも1つのタイマーを更に備える、請求項1又は2に記載のシステム。
  5. 前記携帯型コントローラーアセンブリは、スマートフォンを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
  6. 生きている哺乳動物の脳の非侵襲的神経刺激療法を要求時に行う自己投与型専用装置であって、
    該自己投与型専用装置は、照射ユニットを備え、
    前記照射ユニットは、各々が、固定寸法と、標準サイズの内部空間容積と、頭蓋に取り付けられるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを備えた第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットからなり、
    各々の構成照射ユニットの前記携帯型中空ケーシングは、
    (i)各々の構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記構成外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
    (ii)各々の構成照射ユニットの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記頭蓋に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、
    それにより、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットは、前記頭蓋に取り付けられた後に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、生体内で前記頭蓋を通して前記脳の少なくとも一部に通すのを達成することができ、
    該自己投与型専用装置は、更に、
    前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットを支持し、前記第1、第2、第3及び第4の構成照射ユニットの光を透過する前記外面を前記頭蓋の固定位置及び所望の放射方向に随意に配置するように適合されたフレームと、
    前記構成照射ユニットから前記脳の少なくとも一部への生体内での要求時送達を制御することができる携帯型コントローラーアセンブリと、を備え、
    前記コントローラーアセンブリは、
    (a)要求時に直流電流を出力する携帯型かつ充電式の電源と、
    (b)直流電流の流れを制御し方向付ける中央処理装置と、
    (c)前記中央処理装置への直流電流の要求時搬送のために前記電源と電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
    (d)前記中央処理装置から前記発光ユニットへの直流電流の要求時搬送のために前記構成照射ユニットと電気通信する少なくとも1つのコネクタと、
    を含み
    (A)前記第1の構成照射ユニットは、左及び右腹側正中前頭前野、及び任意選択的に前帯状回領域を含む脳の第1の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
    (B)前記第2の構成照射ユニットは、左及び右楔前部皮質領域、及び任意選択的に後帯状回領域を含む脳の第2の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
    (C)前記第3の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における左角回領域、及び任意選択的に左後帯状回を含む脳の第3の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされ、
    (D)前記第4の構成照射ユニットは、外側下頭頂皮質における右角回領域、及び任意選択的に右後帯状回を含む脳の第4の領域に光エネルギーを向けるように位置決めされる、装置。
  7. 請求項6に記載の装置であって、
    構成照射レンズを更に備え、
    前記構成照射レンズは、固定寸法と、標準サイズの内部空間容積と、前記対象の呼吸能力を実質的に損なうことなくかつ前記生きている対象の鼻組織を侵襲することなく、鼻孔の鼻腔空間内に生体内で挿入されるのに好適な構成外面とを有する携帯型中空ケーシングを含み、
    前記構成照射レンズの前記携帯型ケーシングは、
    (i)前記構成照射レンズの前記中空ケーシングの前記構成外面の少なくとも一部を形成する光エネルギー透過材料と、
    (ii)前記構成照射レンズの前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に収容及び収納された少なくとも1つの発光ユニットであって、所定エネルギー強度で、前記鼻組織に浸透しかつ前記脳内に入るのに十分な要求に応じた事前設定された持続時間、近赤外光波長及び可視赤色光波長からなる群から選択された少なくとも1つの事前選択された波長の光エネルギーを発生させることができる少なくとも1つの発光ユニットと、から構成され、
    それにより、前記構成照射レンズは、生体内での挿入の後に前記鼻腔内で任意の所望の方向に光エネルギーを放出し、放出された光エネルギーを、生体内で前記鼻腔から前記脳の少なくとも一部に通すのを達成することができ、
    該装置は、更に、
    前記構成照射レンズを支持し、前記構成照射レンズの光を透過する前記外面を、鼻孔内で対象の鼻腔の内側に隣接して固定位置及び所望の照射方向に随意に配置するように適合された自己投与型アプリケーター手段を備え、
    前記携帯型コントローラーアセンブリは更に、前記構成照射レンズからの光エネルギーの要求時送達を制御することができる、請求項6に記載の装置。
  8. 前記中空ケーシング内に収容されたマイクロレンズを更に備える、請求項6又は7に記載の装置。
  9. 前記中空ケーシングの前記内部空間容積内に配置された前記発光ユニットは、レーザーユニット及び発光ダイオードユニットからなる群から選択される、請求項6又は7に記載の装置。
  10. 前記コントローラーアセンブリは、出力を10mW以上1000mW以下で調節する、請求項6又は7に記載の装置。
  11. 前記要求時直流電流の電源はバッテリーである、請求項6又は7に記載の装置。
  12. 対象の鼻腔の外壁にクリップ留めすることができると同時に、光エネルギーを送達するために前記構成照射レンズを前記鼻腔内に挿入することができるアプリケーター手段を更に備える、請求項7に記載の装置。
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