JP6714236B2 - 水難救助装置 - Google Patents
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Description
水難救助において、最も必要とされることは、水難者に捕まることができる浮遊物を迅速に提供することである。
第2の発明は、浮具と、揚力を発生させる複数の回転翼を有し、ホバリングが可能な無人航空機と、無人航空機を操縦する無線コントローラと、搬送可能なリール装置とを備え、前記浮具が、砲弾形の浮具であり、前記無人航空機が、浮具発射機構と、無線コントローラとの無線通信を可能とする無線通信部と、制御部とを備え、前記浮具発射機構の少なくとも一部が、圧縮気体を噴出することで推進力を付与すること、前記無人航空機に浮力を付与する固定浮具を備え、前記固定浮具の少なくとも一部が、前記浮具発射機構に圧縮気体を供給するエアータンクを兼用すること、前記リール装置が、浮具が連結されたラインと、ラインを巻回するスプールを有するリールとを備え、前記無線コントローラにより、前記浮具発射機構を操作することにより前記浮具を水難者側へ発射することができる水難救助装置である。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記無人航空機が、前記回転翼が配設された複数のアームと、複数のアームと連結されたフレームとを備え、前記浮具発射機構が、前記アームまたは前記フレームに配設されることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記浮具に機械要素による推進力を付与する推進力付与機構を更に備えることを特徴とする。
第6の発明は、第1ないし4のいずれかの発明において、前記浮具が、1個あたり1.5〜4リットルの空気室を備え、前記浮具の総浮力が7.5kg以上であることを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明において、前記リールが、前記ラインの引張力より生じるスプールの回転に制動力を付与するドラグ機構と、前記ラインの引張力が所定の値以下となった場合に前記スプールを巻取方向に回転させることで前記ラインを巻き取る自動巻取機構を備えることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、前記無人航空機が、撮像装置と、スピーカとを備え、前記無線コントローラが、マイクを備え、前記スピーカが、前記マイクに入力された音声を出力することを特徴とする。
[構成]
第一実施形態例に係る水難救助装置は、無線操縦により無人航空機を水難者Hの頭上まで飛行させ、浮具およびラインの一端が繋がれたライン環を水難者Hに発射し、ラインを送り出しながらラインの他端側を救助者Sに運搬する装置である。図1,2を参照しながら第一実施形態例に係る水難救助装置の構成を説明する。
図1に示すように、無人航空機1は、本体10と、4本のアーム11と、4個の回転翼12と、4個のモータ13と、撮像装置14と、ライン環22と、取付ライン21と、ライン20と、リール23と、4個の浮具30と、4組の浮具発射機構(31〜35)と、制御部と、バッテリと、無線通信部とを主な構成要素としている。
回転翼12a〜12dは、回転の反作用によって無人航空機1が本体10の中心周りに回転することを防止している。すなわち、回転翼(12a,12c)が正方向に回転して反作用により生じる本体10中心周りのトルクをキャンセルし、回転翼(12b,12d)が逆方向に回転して反作用により生じる本体10中心周りのトルクをキャンセルしている。
ライン20は、浮具30に掴まった水難者Hを引張り、安全な場所に引き上げるための強度が必要であることから、例えば100〜130lb以上の釣り用ラインを使用する。ライン20の一端はライン環22に固定され、他端は後述するリール23のスプールに固定されている。ライン20は、無人航空機1により運搬され、一端側は水難者Hへ発射され、他端側は救助者Sに渡される。
ライン環22が形成する環の大きさは、水難者Hを囲んで水面Wに浮遊した状態で水難者Hが自力で掴みに行ける程度の大きさであり、例えば、直径3〜6mまたは5〜10mである。ライン環22は、後述するように、環の開口部内に水難者Hが入るように発射される(図2参照)。
ドラグ機構には、ライン20に弛みが生じた際にラインを巻き取ることで、一定トルクを保つ自動巻取機能を付加してもよい。自動巻取機能は、例えば、ギヤードモーターにより実現される。自動巻取機能を付加することで、無人航空機1が風で押し戻された場合などでもライン20の張力を一定の範囲内に維持することが可能となり、しかもライン20が障害物や回転翼12等に引っ掛かることを防止することが可能となる。
浮具30の表面は、水難者Hの周囲に着水した後に認識しやすいように、例えば蛍光塗料で着色されている。また、水中で掴んでも滑りにくくするため、例えば滑り止めの表面加工を施すことが好ましい。
浮具30は、アーム11a〜11d間の中心位置に後述する浮具発射機構により配置する。アーム11の数が、3本、4本、6本、または8本の場合には、浮具の個数をアーム11の数と同数またはその約数、かつ、複数とし、浮具発射機構により浮具30が相互に等間隔となるように放射状に配置することが好ましい。
浮具発射機構(31〜35)は、放射状に配置することで、浮具30発射時の反作用による荷重を相互にキャンセルさせるようにする。
本体10に内蔵されるバッテリは、処理装置やモータ13等の装置に電源を供給するものであり、小型かつ大容量の観点から、例えばリチウムポリマー型のバッテリである。
本体10に内蔵される無線通信部は、例えば、2.4GHzもしくは5GHz帯の周波数帯域の無線通信により、無線コントローラからの指示を受信したり、撮像装置14が撮像した映像を送信したりする。
図示しない2本の操作スティックは、それぞれ360°自在に倒すことができ、制御部に対し、例えばスロットル(上昇・下降)、ラダー(左右旋回)、エレベータ(前進・後退)、エルロン(左右移動)およびこれらを組み合わせた動作を指示することができる。
なお、モニタは無線コントローラとは別途に構成されていてもよい。
図2を参照しながら、無人航空機1の使用態様について説明する。
水難が発生すると、救助者Sは、浮具20の推進力付与機構301の圧力タンクに水空気を入れ、浮具発射機構(31〜35)にセットする。そして、救助者Sは、ジョイント32を閉位置にセットし、空気入れを使って推進力付与機構301の圧力タンクに圧縮空気を送り込む。
その後、救助者Sは、ライン20を引張り、水難者Hを引揚げて保護する。
第二実施形態例の水難救助装置は、ラインを送り出す始点を救助者S側にしている点で、第一実施形態例の水難救助装置と相違する。以下では、相違点を中心に説明し、共通する構成については第一実施形態例と同一の符号を付し、説明を割愛する。
本実施形態例に係る水難救助装置は、ライン環22が本体10の底部に設けられたライン係止機構24に係止され、リール23が救助者S側に設置されるリールベース25に設けられる構成を採用している点で第一実施形態例に係る水難救助装置と相違する。
ライン係止機構24は、ライン環22が弛んで回転翼12や障害物等に引っ掛からないようにするためにライン環22を束ねて係止するためのものであり、例えば磁力等の弱い係止力でライン環22を係止する閉位置と、係止を解除する開位置を有する。ライン係止機構24は、ジョイント32と同様に救助者Sの指示で起動機構33により開位置に動かされ、ライン環22の係止を解除する。
その後、無人航空機2は救助者Sの無線操縦により救助者Sの元に帰還する。
第三実施形態例の水難救助装置は、無人航空機3がフロート付きフレーム140を備えている点で、第一実施形態例の水難救助装置と主に相違する。以下では、相違点を中心に説明し、共通する構成については第一実施形態例の符号に百を付加した符号を付し、説明を割愛する場合がある。
外筒161内にはピストン162が摺動自在に配設されており、発射準備時にはピストン162は外筒161の最奥部に位置している。外筒161は、エアータンク152と配管153により流体的に連通され、エアータンク152と反対側の端部は開口している。ピストン162は連結具163を介して浮具130と接続されている。エアータンク152から供給される圧縮気体Gの作用によりピストン162を進出移動させることにより、浮具130がピストン162および連結具163と共に外筒161の開口端より飛翔する。
無人航空機3は、第一実施形態例のようにリール23を本体10に搭載することもできるし、第二実施形態例のように本体10にライン係止機構24を設け、岸側に設置されたリール装置(23,25)と連係させることも可能である。
10,110 本体
11,111 アーム
12,112 回転翼
13,113 モータ
14 撮像装置
20 ライン
21 取付ライン
22 ライン環
23 リール
24 ライン係止機構
25 リールベース
30,130 浮具
31 発射台
32 係止部
33 起動機構
34 ワイヤ
35 ガイド
140 フレーム
141〜144 ロッド部材
151 固定浮具
152 エアータンク
153 配管
154 電磁弁
155 バルブ
161 外筒
162 ピストン
163 連結具
171 コンプレッサー
H 水難者
S 救助者
W 水面
G 圧縮気体
Claims (8)
- 浮具と、揚力を発生させる複数の回転翼を有し、ホバリングが可能な無人航空機と、無人航空機を操縦する無線コントローラとを備える水難救助装置において、
前記浮具が、砲弾形の浮具であり、
前記無人航空機が、浮具発射機構と、無線コントローラとの無線通信を可能とする無線通信部と、浮具が連結されたラインと、ラインを巻回するスプールを有するリールと、制御部とを備え、
前記浮具発射機構の少なくとも一部が、圧縮気体を噴出することで推進力を付与すること、
前記無人航空機に浮力を付与する固定浮具を備え、前記固定浮具の少なくとも一部が、前記浮具発射機構に圧縮気体を供給するエアータンクを兼用すること、
前記無線コントローラにより、前記浮具発射機構を操作することにより前記浮具を水難者側へ発射することができる水難救助装置。 - 浮具と、揚力を発生させる複数の回転翼を有し、ホバリングが可能な無人航空機と、無人航空機を操縦する無線コントローラと、搬送可能なリール装置とを備え、
前記浮具が、砲弾形の浮具であり、
前記無人航空機が、浮具発射機構と、無線コントローラとの無線通信を可能とする無線通信部と、制御部とを備え、
前記浮具発射機構の少なくとも一部が、圧縮気体を噴出することで推進力を付与すること、
前記無人航空機に浮力を付与する固定浮具を備え、前記固定浮具の少なくとも一部が、前記浮具発射機構に圧縮気体を供給するエアータンクを兼用すること、
前記リール装置が、浮具が連結されたラインと、ラインを巻回するスプールを有するリールとを備え、
前記無線コントローラにより、前記浮具発射機構を操作することにより前記浮具を水難者側へ発射することができる水難救助装置。 - 前記無人航空機が、前記回転翼が配設された複数のアームと、複数のアームと連結されたフレームとを備え、
前記浮具発射機構が、前記アームまたは前記フレームに配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の水難救助装置。 - 前記固定浮具が、前記無人航空機に7.5kg以上の浮力を付与することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水難救助装置。
- 前記浮具に機械要素による推進力を付与する推進力付与機構を更に備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水難救助装置。
- 前記浮具が、1個あたり1.5〜4リットルの空気室を備え、前記浮具の総浮力が7.5kg以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の水難救助装置。
- 前記リールが、前記ラインの引張力より生じるスプールの回転に制動力を付与するドラグ機構と、前記ラインの引張力が所定の値以下となった場合に前記スプールを巻取方向に回転させることで前記ラインを巻き取る自動巻取機構を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の水難救助装置。
- 前記無人航空機が、撮像装置と、スピーカとを備え、
前記無線コントローラが、マイクを備え、
前記スピーカが、前記マイクに入力された音声を出力することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の水難救助装置。
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