(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
[特徴部19TMに関する説明]
次に、特徴部19TMを備える遊技機に関して、図8−1〜図8−14を用いて説明する。図1に示した遊技機は、1の画像表示装置を備えるものであるが、遊技機が複数の画像表示装置を備える構成としても良い。図8−1の例では、パチンコ遊技機1は、第1の画像表示装置としてのメイン液晶表示器19TM200と、第2の画像表示装置としてのサブ液晶表示器19TM300と、を備えている。また、前述した可動体32として、光透過性を有する装飾体である第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を備えている。
図8−1に示す2つの画像表示装置を備えるパチンコ遊技機1において、第1の画像表示装置であるメイン液晶表示器19TM200は、図1に示した画像表示装置5に相当するものであり、遊技盤2における遊技領域の中央付近に設けられる。即ち、メイン液晶表示器19TM200には、前述した画像表示装置5において表示可能な情報が表示されるものであり、例えば、飾り図柄の背景画像が表示され、飾り図柄の可変表示が実行される。また、飾り図柄の可変表示に伴う予告演出等の演出画像が表示される。また、メイン液晶表示器19TM200には、保留表示及びアクティブ表示(可変表示対応表示)が表示される。
また、第2の画像表示装置であるサブ液晶表示器19TM300は、メイン液晶表示器19TM200の下方に設けられている。サブ液晶表示器19TM300の前方側(遊技者側)には、下方向移動端にある第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が配置されている。サブ液晶表示器19TM300には、光透過性を有する第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の態様(例えば発光色)を変化させるための画像等を表示可能となっており、本実施形態では、後述するように、メイン液晶表示器19TM200で実行されている飾り図柄の可変表示に関連した予告画像も表示可能である。
第1ロゴパネル19TM410は、第1ロゴパネル駆動機構19TM510により上下方向に駆動され、第2ロゴパネル19TM420は、第2ロゴパネル駆動機構19TM520により上下方向に駆動される。以下、メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300、第1ロゴパネル19TM410及び第1ロゴパネル駆動機構19TM510、並びに、第2ロゴパネル19TM420及び第2ロゴパネル駆動機構19TM520等で構成されるロゴパネル駆動機構19TM001について、図8−2〜図8−7を用いて説明する。
(ロゴパネル駆動機構)
図8−2は、ロゴパネル駆動機構19TM001を示し、図8−2(a)は、ロゴパネル駆動機構19TM001の正面図、図8−2(b)は、図8−2(a)のP矢視図である。また、図8−3は、図8−2(a)のQ矢視図である。図8−1〜図8−3に示すように、ロゴパネル駆動機構19TM001は、遊技盤2における遊技領域の中央付近に配置されている。図8−2(a)は、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420の両方が、下方向移動端にあって、サブ液晶表示器19TM300と前後で重なる位置に配置されている状態を示している。
図8−2(b)及び図8−3に示すように、サブ液晶表示器19TM300は、メイン液晶表示器19TM200の下方であって、メイン液晶表示器19TM200よりも前方側(遊技者側)に配置されている。メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300は、何れも正面視が長方形であり、メイン液晶表示器19TM200の幅及び高さは、サブ液晶表示器19TM300の幅及び高さよりも大きい。
第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420は、下方向移動端にあるときに、サブ液晶表示器19TM300の前面から同一距離だけ離間して、左右に並列して配置されている。サブ液晶表示器19TM300の前面の左側に第1ロゴパネル19TM410が配置され、サブ液晶表示器19TM300の前面の右側に第2ロゴパネル19TM420が配置される。即ち、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420は、サブ液晶表示器19TM300と前後で重なる位置に配置されている。
第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420を並列に配置したときの幅及び高さは、サブ液晶表示器19TM300の幅及び高さとほぼ同等である。そのため、遊技者から見ると、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が下方向移動端にあるときに、サブ液晶表示器19TM300が第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420により覆われているように見える。
第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420は、アクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂により形成されている。第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420には、それぞれ、凹凸の造形により、文字情報「FEV」の輪郭と、文字情報「ER!」の輪郭が形成されている。例えば、透明な合成樹脂板において、文字部分(文字の輪郭に囲まれた部分)を薄く形成して、その他の部分は厚く形成することで、文字部分の透光性が、他の部分の透光性よりも高くなるように構成されている。
なお、このような構成に代えて、あるいは、このような構成に加えて、透明な合成樹脂板に、有色で不透明な合成樹脂等の材質からなり、文字の輪郭に合わせて形成された輪郭部材を取り付けるようにしても良い。また、文字部分(文字の輪郭に囲まれた部分)の材質の透光性が、他の部分の材質の透光性より高くなるように、透光性の異なる複数の材質により第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420を形成しても良い。
このように、文字部分の透光性を他の部分の透光性よりも高くすることにより、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の後方に位置するサブ液晶表示器19TM300(第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が上方の演出位置に移動した場合には、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の後方に位置するメイン液晶表示器19TM200)に表示される情報のうち、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の文字部分(「FEV」の輪郭に囲まれた領域、「ER!」の輪郭に囲まれた領域)に対応した位置(各領域と相対する位置)に表示された情報は、他の部分に対応した位置に表示された情報よりも視認性が高くなる。
第1ロゴパネル19TM410は、第1ロゴパネル駆動機構19TM510によって、図8−2(a)の上下方向に移動可能である。また、第2ロゴパネル19TM420は、第2ロゴパネル駆動機構19TM520によって、図8−2(a)の上下方向に移動可能である。第1ロゴパネル駆動機構19TM510、第2ロゴパネル駆動機構19TM520は同一構造を有し、図8−2(a)の左右方向に対称に配置されている。
第1ロゴパネル駆動機構19TM510は、第1ラック19TM511、第1ピニオン19TM512、第1モータ19TM513、第1支持板19TM514等で構成されている。また、第2ロゴパネル駆動機構19TM520は、第2ラック19TM521、第2ピニオン19TM522、第2モータ19TM523、第2支持板19TM524等で構成されている。第1ロゴパネル19TM410の左側面に第1ラック19TM511が固定され、第2ロゴパネル19TM420の右側面に第2ラック19TM521が固定されている。第1ラック19TM511、第2ラック19TM521は、図8−2(a)の上下方向に細長い角柱状に形成されている。
第1支持板19TM514、第2支持板19TM524は、図8−2(a)の上下方向に長い長方形の板状に形成されている。第1支持板19TM514の前面に一体的に形成された第1ガイド19TM515に案内されて、第1ラック19TM511が図8−2(a)の上下方向に移動可能である。同様に、第2支持板19TM524の前面に一体的に形成された第2ガイド19TM525に案内されて、第2ラック19TM521が図8−2(a)の上下方向に移動可能である。
第1支持板19TM514、第2支持板19TM524の背面には各々第1モータ19TM513、第2モータ19TM523が取り付けられている。第1モータ19TM513の出力軸に固定された第1ピニオン19TM512が、第1ラック19TM511の左側面に形成された第1ラック歯19TM511Aに噛み合っている。同様に、第2モータ19TM523の出力軸に固定された第2ピニオン19TM522が、第2ラック19TM521の右側面に形成された第2ラック歯19TM521Aに噛み合っている。
このように、演出制御基板12には、可動体としての第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が接続されており、該第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の動作が演出制御基板12(演出制御用CPU120)により制御される。
具体的には、第1ロゴパネル19TM410を駆動するための第1モータ19TM513、第1ロゴパネル19TM410が下方向移動端、即ち原点位置に位置しているか否かを検出するための原点検出センサ19TM519(フォトセンサ)、第2ロゴパネル19TM420を駆動するための第2モータ19TM523、第2ロゴパネル19TM420が下方向移動端、即ち原点位置に位置しているか否かを検出するための原点検出センサ19TM529(フォトセンサ)、が接続されており、第1モータ19TM513、第2モータ19TM523の動作を制御することで、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の動作を、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が個別に制御することが可能とされているとともに、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
演出制御用CPU120が、第1モータ19TM513を回転させると、第1ラック19TM511に固定された第1ロゴパネル19TM410が図8−2(a)の上下方向に移動する。同様に、演出制御用CPU120が、第2モータ19TM523を回転させると、第2ラック19TM521に固定された第2ロゴパネル19TM420が図8−2(a)の上下方向に移動する。
第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420は、独立して図8−2(a)の上下方向に移動可能であり、また、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420の両方を同時に、図8−2(a)の上方向または下方向に移動させることが可能である。
第1ラック19TM511、第2ラック19TM521の下端には、板状の第1当接部材19TM516、第2当接部材19TM526が各々固定されている。第1支持板19TM514の前面の下端には第1下端ストッパ19TM517が固定され、第1支持板19TM514の前面の上端側には第1上端ストッパ19TM518が固定されている。同様に、第2支持板19TM524の前面の下端には第2下端ストッパ19TM527が固定され、第2支持板19TM524の前面の上端側には第2上端ストッパ19TM528が固定されている。
第1ロゴパネル19TM410が図8−2(a)の上方向に移動すると、第1ロゴパネル19TM410の上方向移動端で、第1当接部材19TM516が第1上端ストッパ19TM518に当接し、第1ロゴパネル19TM410が上方向移動端の正確な演出位置に停止する。第1ロゴパネル19TM410が図8−2(a)の下方向に移動すると、第1ロゴパネル19TM410の下方向移動端で、第1当接部材19TM516が第1下端ストッパ19TM517に当接し、第1ロゴパネル19TM410が下方向移動端の正確な原点位置(初期位置、退避位置とも称する)に停止する。第1ロゴパネル19TM410が原点位置にあるか否かは、原点検出センサ19TM519(フォトセンサ)により検出される。
同様に、第2ロゴパネル19TM420が図8−2(a)の上方向に移動すると、第2ロゴパネル19TM420の上方向移動端で、第2当接部材19TM526が第2上端ストッパ19TM528に当接し、第2ロゴパネル19TM420が上方向移動端の正確な演出位置に停止する。第2ロゴパネル19TM420が図8−2(a)の下方向に移動すると、第2ロゴパネル19TM420の下方向移動端で、第2当接部材19TM526が第2下端ストッパ19TM527に当接し、第2ロゴパネル19TM420が下方向移動端の正確な原点位置(初期位置、退避位置とも称する)に停止する。第2ロゴパネル19TM420が原点位置にあるか否かは、原点検出センサ19TM529(フォトセンサ)により検出される。
図8−2(a)の状態では、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420の両方が、サブ液晶表示器19TM300と前後で重なる原点位置に配置され、サブ液晶表示器19TM300に関しては視認性が低下した状態である一方、メイン液晶表示器19TM200に関しては遊技者が全体を視認できる状態になっている。但し、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420は、透光性を有する材料で形成されているため、遊技者は、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420を介して、サブ液晶表示器19TM300の情報を視認することは可能である。
即ち、サブ液晶表示器19TM300の表示画像に応じて、原点位置にある第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の態様が変化することになる。このとき、「FEV」及び「ER!」の文字部分、即ち演出用の輪郭が形成されている部分に関しては、他の部分よりも視認性が高いため、遊技者は、より明確にサブ液晶表示器19TM300の表示画像を視認することができ、より明確にサブ液晶表示器19TM300に表示される画像の変化を把握することができる。
図8−4は、メイン液晶表示器19TM200と正面視で前後に重なる位置に第1ロゴパネル19TM410を移動させた状態を示す正面図、図8−5は図8−4のR矢視図である。すなわち、図8−4では、第1ロゴパネル19TM410を図8−4の上方向の移動端である演出位置に移動させ、第1ロゴパネル19TM410をメイン液晶表示器19TM200と前後で重なる位置に配置している。このとき、メイン液晶表示器19TM200に関しては、左下部の視認性が低下した状態となっており、サブ液晶表示器19TM300に関しては、左側半分の視認性が向上した状態となっている。遊技者は、サブ液晶表示器19TM300の左側半分に表示されている情報を明確に視認することができる。
また、この状態では、メイン液晶表示器19TM200の表示画像(特に左下部に表示される部分)に応じて、演出位置にある第1ロゴパネル19TM410の態様が変化することになる。また、サブ液晶表示器19TM300の表示画像(特に右側半分に表示される部分)に応じて、原点位置にある第2ロゴパネル19TM420の態様が変化することになる。このとき、第1ロゴパネル19TM410のうち「FEV」の文字部分に関しては、他の部分と比較して、遊技者は、より明確にメイン液晶表示器19TM200の表示画像を視認することができ、より明確にメイン液晶表示器19TM200に表示される画像の変化を把握することができる。第2ロゴパネル19TM420のうち「ER!」の文字部分に関しては、他の部分と比較して、遊技者は、より明確にサブ液晶表示器19TM300の表示画像を視認することができ、より明確にサブ液晶表示器19TM300に表示される画像の変化を把握することができる。
図8−6は、メイン液晶表示器19TM200と正面視で前後に重なる位置に第2ロゴパネル19TM420を移動させた状態を示す正面図である。すなわち、図8−6では、第2ロゴパネル19TM420を図8−6の上方向の移動端である演出位置に移動させ、第2ロゴパネル19TM420をメイン液晶表示器19TM200と前後で重なる位置に配置している。このとき、メイン液晶表示器19TM200に関しては、右下部の視認性が低下した状態となっており、サブ液晶表示器19TM300に関しては、右側半分の視認性が向上した状態となっている。遊技者は、サブ液晶表示器19TM300の右側半分に表示されている情報を明確に視認することができる。
また、この状態では、メイン液晶表示器19TM200の表示画像(特に右下部に表示される部分)に応じて、演出位置にある第2ロゴパネル19TM420の態様が変化することになる。また、サブ液晶表示器19TM300の表示画像(特に左側半分に表示される部分)に応じて、原点位置にある第1ロゴパネル19TM410の態様が変化することになる。このとき、第2ロゴパネル19TM420のうち「ER!」の文字部分に関しては、他の部分と比較して、遊技者は、より明確にメイン液晶表示器19TM200の表示画像を視認することができ、より明確にメイン液晶表示器19TM200に表示される画像の変化を把握することができる。第1ロゴパネル19TM410のうち「FEV」の文字部分に関しては、他の部分と比較して、遊技者は、より明確にサブ液晶表示器19TM300の表示画像を視認することができ、より明確にサブ液晶表示器19TM300に表示される画像の変化を把握することができる。
図8−7は、メイン液晶表示器19TM200と正面視で前後に重なる位置に第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420の両方を同時に移動させた状態を示す正面図である。すなわち、図8−7では、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420の両方を同時に図8−7の上方向の移動端である演出位置に移動させ、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420をメイン液晶表示器19TM200と前後で重なる位置に配置している。このとき、メイン液晶表示器19TM200に関しては、下部の視認性が低下した状態となっており、サブ液晶表示器19TM300に関しては、全体の視認性が向上した状態となっている。遊技者は、サブ液晶表示器19TM300の全体に表示されている情報を明確に視認することができる。
また、この状態では、メイン液晶表示器19TM200の表示画像(特に下部に表示される部分)に応じて、演出位置にある第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420の両方の態様が変化することになる。このとき、第1ロゴパネル19TM410のうち「FEV」の文字部分、第2ロゴパネル19TM420のうち「ER!」の文字部分に関しては、他の部分と比較して、遊技者は、より明確にメイン液晶表示器19TM200の表示画像を視認することができ、より明確にメイン液晶表示器19TM200に表示される画像の変化を把握することができる。
図8−2から図8−7に示すように、ロゴパネル駆動機構19TM001は、メイン液晶表示器19TM200とサブ液晶表示器19TM300の間で、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420を独立して、または、両方を同時に一体として移動可能である。即ち、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420を移動させるパターンを複数設けることが可能であると共に、メイン液晶表示器19TM200とサブ液晶表示器19TM300の視認性を変化させるパターンを複数設けることが可能であるため、演出を多様化して興趣を向上させることが可能となる。
また、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が原点位置から演出位置まで移動することに伴い、サブ液晶表示器19TM300の画面視認性は向上し、メイン液晶表示器19TM200の画面視認性は低下する。一方、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が演出位置から原点位置まで移動する(原点位置に戻る)ことに伴い、メイン液晶表示器19TM200の画面視認性は向上し、サブ液晶表示器19TM300の画面視認性は低下する。
このように、メイン液晶表示器19TM200とサブ液晶表示器19TM300という異なる表示手段の視認性が、装飾体である第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の変位に応じて変化するため、装飾体の変位と、各表示手段の視認性に関連を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
(ロゴパネル駆動機構による演出の具体例)
図8−8は、ロゴパネル駆動機構による演出の具体例を示すタイムチャートである。演出制御用CPU120は、図6のコマンド解析処理(ステップS75)において、演出制御コマンドとして、表示結果指定コマンド及び変動パターン指定コマンドを受信する。表示結果指定コマンドは、「遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS110の特別図柄通常処理において決定した特別図柄や飾り図柄の表示結果」を指定する演出コマンドである。また、変動パターン指定コマンドは、「遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS111の変動パターン設定処理において決定した変動パターン」を指定する演出制御コマンドである。
演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンド及び変動パターン指定コマンドを受信すると、メイン液晶表示器19TM200において、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより飾り図柄の変動表示を実行し(T1のタイミング)、表示結果指定コマンドにより指定された表示結果に対応した飾り図柄の組み合わせを確定停止させる。
ここで、演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示を開始するときに、当該変動表示中に、サブ液晶表示器19TM300に炎の画像を表示させるか否か、及び、炎の画像を表示させる場合の炎の色を決定する。ここで、サブ液晶表示器19TM300の前方には、原点位置にある第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が配置されているため、本決定処理は、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の背景画像を決定するための処理でもある。
図8−9(1)に示す例では、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンが「非リーチはずれ」である場合、「スーパーリーチはずれ」である場合、及び「スーパーリーチ大当り」である場合について、それぞれ、「青色(第1態様)の炎の画像を表示する」、「赤色(第2態様)の炎の画像を表示する」、及び、「炎の画像を表示しない(通常背景)」、の各決定に関する判定値が割り振られているものとする。演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示を開始するときに抽出した装飾体背景画像決定用乱数に基づいて、炎の画像を表示させるか否か、及び、炎の画像を表示させる場合の態様(第1態様又は第2態様)を決定する。
演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドが「非リーチはずれ」を示している場合には、15%の割合で青色(第1態様)の炎の画像を表示することに決定し、85%の割合で炎の画像を表示しない、即ち、通常背景とすることに決定する。
また、受信した変動パターンコマンドが「スーパーリーチはずれ」を示している場合には、25%の割合で青色(第1態様)の炎の画像を表示することに決定し、25%の割合で赤色(第2態様)の炎の画像を表示することに決定し、50%の割合で炎の画像を表示しない、即ち、通常背景とすることに決定する。
また、受信した変動パターンコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示している場合には、25%の割合で青色(第1態様)の炎の画像を表示することに決定し、45%の割合で赤色(第2態様)の炎の画像を表示することに決定し、30%の割合で炎の画像を表示しない、即ち、通常背景とすることに決定する。
このように、サブ液晶表示器19TM300に表示される画像が炎の画像である場合には、通常背景である場合よりも、スーパーリーチとなる割合が高く、また、大当りとなる割合も高い。また、サブ液晶表示器19TM300に表示される画像が赤色の炎の画像である場合には、青色の炎の画像である場合よりも、スーパーリーチとなる割合が高く、また、大当りとなる割合も高い。
ここで、サブ液晶表示器19TM300に表示される炎の画像は、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420に形成されている装飾用の輪郭(「FEVER!」の文字)とは形態が異なり、両者の形態は類似していない。そして、サブ液晶表示器19TM300における炎の画像の表示領域は、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を前方(遊技者側)から見たときに、装飾用の輪郭部分(「FEVER!」の文字部分)を含んでいる。従って、遊技者からは、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420に形成されている装飾用の輪郭(「FEVER!」の文字)を視認可能であると共に、その後方に表示されている炎の画像(「FEVER!」の文字と類似しない画像)も視認可能である。これにより、遊技者からは、あたかも装飾用の輪郭が炎で覆われる演出が実行されているように見える。
遊技者は、サブ液晶表示器19TM300に炎の画像が表示されることを期待し、また、炎の画像の色が赤色であることを期待する。即ち、原点位置にある第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420に形成された「FEVER!」の文字が炎で覆われる演出が実行され、さらに、その炎の色が赤色であることを期待することになる。
また、演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示を開始するときに、当該変動表示中に、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の少なくとも一方を原点位置から演出位置まで移動させる変位演出を実行するか否か、及び、変位演出を実行する場合の実行態様を決定する。ここで、変位演出の実行態様として、第1ロゴパネル19TM410(「FEV」が表示されたロゴパネル)のみを原点位置から演出位置まで変位させる第1態様と、第2ロゴパネル19TM420(「ER!」が表示されたロゴパネル)のみを原点位置から演出位置まで変位させる第2態様と、第1ロゴパネル19TM410(「FEV」が表示されたロゴパネル)及び第2ロゴパネル19TM420(「ER!」が表示されたロゴパネル)の両方を原点位置から演出位置まで変位させる第3態様と、が存在する。
図8−9(2)に示す例では、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンが「非リーチはずれ」である場合、「スーパーリーチはずれ」である場合、及び「スーパーリーチ大当り」である場合について、それぞれ、「第1態様で変位演出を実行する」、「第2態様で変位演出を実行する」、及び、「第3態様で変位演出を実行する」、並びに、「変位演出を実行しない」の各決定に関する判定値が割り振られているものとする。演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示を開始するときに抽出した変位演出決定用乱数に基づいて、変位演出を実行するか否か、及び、変位演出を実行する場合の態様(第1態様、第2態様、及び第3態様の何れか)を決定する。
演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドが「非リーチはずれ」を示している場合には、5%の割合で第1態様の変位演出を実行することに決定し、3%の割合で第2態様の変位演出を実行することに決定し、92%の割合で変位演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動パターンコマンドが「スーパーリーチはずれ」を示している場合には、10%の割合で第1態様の変位演出を実行することに決定し、10%の割合で第2態様の変位演出を実行することに決定し、20%の割合で第3態様の変位演出を実行することに決定し、60%の割合で変位演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動パターンコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示している場合には、10%の割合で第1態様の変位演出を実行することに決定し、15%の割合で第2態様の変位演出を実行することに決定し、50%の割合で第3態様の変位演出を実行することに決定し、25%の割合で変位演出を実行しないことに決定する。
このように、変位演出が実行される場合(少なくとも一方のロゴパネルが移動する場合)には、変位演出が実行されない場合(いずれのロゴパネルも移動しない場合)よりも、スーパーリーチとなる割合が高く、また、大当りとなる割合も高い。また、第2態様の変位演出が実行される場合(「ER!」のみが変位する場合)には、第1態様の変位演出が実行される場合(「FEV」のみが変位する場合)よりも、スーパーリーチとなる割合が高く、また、大当りとなる割合も高い。さらに、第3態様の変位演出が実行される場合(「FEV」及び「ER!」の両方が変位する場合)には、第2態様の変位演出が実行される場合よりも、スーパーリーチとなる割合が高く、また、大当りとなる割合も高い。
従って、遊技者は、第1ロゴパネル19TM410又は第2ロゴパネル19TM420が移動することを期待し、特に、第2ロゴパネル19TM420が移動することをより期待する。そして、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の両方が移動することを最も期待することになる。
演出制御用CPU120は、変位演出を実行することに決定し、且つ、第3態様の変位演出を実行することに決定した場合には、即ち、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の両方が移動することにより、サブ液晶表示器19TM300の画面全体の視認性が向上する場合には、文字予告演出を実行するか否か、及び、文字予告演出を実行する場合の実行態様を決定する。ここで、文字予告演出の実行態様として、「チャンス」という文字をサブ液晶表示器19TM300の画面に表示させる第1態様と、「激熱」という文字をサブ液晶表示器19TM300の画面に表示させる第2態様と、が存在する。
図8−9(3)に示す例では、表示結果指定コマンドにより指定される表示結果が「はずれ」である場合、及び、「大当り」である場合について、それぞれ、「第1態様で文字予告演出を実行する」、及び、「第2態様で文字予告演出を実行する」、並びに、「文字予告演出を実行しない」の各決定に関する判定値が割り振られているものとする。演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示を開始するときに抽出した文字予告演出決定用乱数に基づいて、文字予告演出を実行するか否か、及び、文字予告演出を実行する場合の態様(第1態様及び第2態様の何れか)を決定する。
演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドが「はずれ」を示している場合には、30%の割合で第1態様の文字予告演出を実行することに決定し、10%の割合で第2態様の文字予告演出を実行することに決定し、60%の割合で文字予告演出を実行しないことに決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「大当り」を示している場合には、15%の割合で第1態様の文字予告演出を実行することに決定し、65%の割合で第2態様の文字予告演出を実行することに決定し、20%の割合で文字予告演出を実行しないことに決定する。
このように、文字予告演出が実行される場合には、文字予告演出が実行されない場合よりも、大当りとなる割合が高い。また、第2態様の文字予告演出が実行される場合(「激熱」が表示される場合)には、第1態様の文字予告演出が実行される場合(「チャンス」が表示される場合)よりも、大当りとなる割合が高い。
従って、遊技者は、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が演出位置に移動した後のサブ液晶表示器19TM300の画面において、文字予告演出が実行されることを期待し、また、表示される文字が「激熱」であることを期待する。
このように、サブ液晶表示器19TM300における背景画像変化演出の実行有無及び実行態様、第1ロゴパネル19TM410及び/又は第2ロゴパネル19TM420による変位演出の実行有無及び実行態様、並びに、サブ液晶表示器19TM300における文字予告演出の実行有無及び実行態様が決定されると、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより飾り図柄の変動表示を開始する(図8−8に示すT1のタイミング)。
そして、演出制御用CPU120は、背景画像変化演出を実行することに決定されている場合に、変動開始から所定期間が経過したタイミング(あるいは変動開始と同時)に、サブ液晶表示器19TM300に、炎の画像を第1態様(青色)又は第2態様(赤色)で表示させる(T2のタイミング)。
そして、演出制御用CPU120は、変位演出を実行することに決定されている場合に、炎の画像をサブ液晶表示器19TM300に表示させてから所定期間(例えば3秒)を経過したタイミングで、第1態様〜第3態様の何れかで変位演出を実行する(T3Aのタイミング)。即ち、「FEV」が表示された装飾体のみ、「ER!」が表示された装飾体のみ、又は、「FEV」が表示された装飾体及び「ER!」が表示された装飾体の両方の装飾体を、原点位置から演出位置に移動させる(T3A〜T3B)。なお、本実施形態では、炎の画像が表示されていない状態(背景画像変化演出が実行されない場合)でも変位演出が実行される可能性があり、この場合には、変動開始から所定期間が経過したタイミング(あるいは変動開始と同時)に、変位演出を実行する。
さらに、演出制御用CPU120は、第3態様の変位演出が実行された場合には、「FEV」が表示された装飾体及び「ER!」が表示された装飾体が、何れも演出位置にあり、且つ、所定の条件が成立したタイミング(本例では、メイン液晶表示器19TM200においてリーチ状態が成立したT4のタイミング)で、サブ液晶表示器19TM300において、第1態様(「チャンス」の文字表示)又は第2態様(「激熱」の文字表示)の文字予告演出を実行する。
そして、演出制御用CPU120は、メイン液晶表示器19TM200において大当り期待度が高いスーパーリーチ演出(例えばキャラクタがバトルを行うバトル演出)が実行されるときに(T5Aのタイミングで)、演出位置にある第1ロゴパネル19TM410及び/又は第2ロゴパネル19TM420を、原点位置に移動させる(変位演出実行前の状態に戻す)ことにより、変位演出を終了させる(T5A〜T5B)。これにより、メイン液晶表示器19TM200における視認性が再び向上して、メイン液晶表示器19TM200において実行されるスーパーリーチ演出に遊技者を注目させることができる。
次に、図8−10を用いて、ロゴパネル駆動機構19TM001における演出の具体的態様について説明する。図8−10に示す例では、サブ液晶表示器19TM300に赤色の炎の画像を表示させ(第2態様の背景変化演出を実行し)、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の両方を原点位置から演出位置まで変位させ(第3態様の変化演出を実行し)、さらに、サブ液晶表示器19TM300に「激熱」の文字を表示させる(第3態様の文字予告演出を実行する)。
まず、図8−10(1)は、メイン液晶表示器19TM200の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示(図8−8に示すT1のタイミングで開始された変動表示)を開始している状態を示している。このとき、サブ液晶表示器19TM300には、メイン液晶表示器19TM200に表示されている背景画像と関連した背景画像が表示されている。例えば、メイン液晶表示器19TM200にキャラクタの一部が表示されている場合には、サブ液晶表示器19TM300に当該キャラクタの他部が表示されることにより、メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300において当該キャラクタの全体が表示されている。そして、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420は、サブ液晶表示器19TM300と正面視で前後に重なる原点位置にある。
このとき、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の後方に配置されているサブ液晶表示器19TM300の視認性は低下した状態であるが、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が透明性を有することにより、サブ液晶表示器19TM300の画面を視認すること自体は可能となっている。
そして、演出制御用CPU120は、図8−10(2)に示すように、メイン液晶表示器19TM200の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行しているときに(図8−8に示すT2のタイミングで)、サブ液晶表示器19TM300に赤色の炎の画像を表示する。サブ液晶表示器19TM300に赤色の炎の画像が表示されることにより、サブ液晶表示器19TM300の前方にある透光性を有する第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の態様は、遊技者から見て赤色に変化する。第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420のうち特に透光性が高い「FEVER!」の文字部分(輪郭内)に関しては、他の部分よりも、態様の変化をより明確に視認可能であり(他の部分よりも濃い赤色に変化し)、遊技者から見ると、「FEVER!」の文字部分が、あたかも赤い炎で覆われているかのように見える。
このとき、サブ液晶表示器19TM300には、赤色の炎の一部(下部)が表示され、メイン液晶表示器19TM200には、その赤色の炎の画像の他部(上部)が表示されることにより、サブ液晶表示器19TM300に表示されている赤色の炎の画像が、メイン液晶表示器19TM200にて実行されている飾り図柄の可変表示に関連した演出(表示結果を示唆する演出)に係る画像であることを遊技者に示唆するようにしている。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−10(3)に示すように、原点位置にある第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の両方の装飾体を、同時に演出位置まで移動させる(図8−8に示すT3A〜T3B)。即ち、「FEV」の文字部分と「ER!」の文字部分を分離させることなく、一体として、原点位置から演出位置まで変位させる。その結果、サブ液晶表示器19TM300の視認性が向上する。一方、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の両方がメイン液晶表示器19TM200と正面視で前後に重なる演出位置に変位したことにより、メイン液晶表示器19TM200における画面下部の視認性は低下した状態となっている。
ここで、図8−10の(3)に示す例では、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を原点位置から演出位置に移動させることに伴い、サブ液晶表示器19TM300において表示されていた赤色の炎も、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420と共に移動する演出を実行している。即ち、演出制御用CPU120は、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を原点位置から演出位置に向けて移動させるタイミング(T3A)に合わせて、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が一体として移動する速度で(T3A〜T3Bにおける移動速度で)、赤色の炎の画像の表示位置を変化させる表示制御を、メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300において実行するものである。このような表示制御によって、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が原点位置から演出位置に移動する期間(T3A〜T3Bの期間)、及び、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が演出位置に移動した後(T3B以降であり、後述する図8−10(4)を含む)においても、「FEVER!」の文字部分が赤い炎で覆われた態様となっている状態(遊技者にとっての期待度が高い状態)を継続することができる。
即ち、変位演出の実行後も、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の態様を変化させることが可能であり、演出位置においても、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420のうち特に透光性が高い「FEVER!」の文字部分(輪郭内)に関しては、他の部分よりも、態様の変化をより明確に視認可能であり(他の部分よりも濃い赤色に変化し)、遊技者から見ると、「FEVER!」の文字部分が、あたかも赤い炎で覆われているかのように見える。
このように、原点位置にある第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の後方に位置するサブ液晶表示器19TM300に表示させる画像の態様に応じて、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の態様を変化させることが可能であると共に、演出位置にある第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の後方に位置するメイン液晶表示器19TM200に表示させる画像の態様に応じて、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の態様を変化させることが可能である。そして、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を原点位置から演出位置に移動させることにより、メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300の視認性を変化させることも可能となる。これらの制御により、演出が単調になることを防止し、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を用いた演出の演出効果を高めて興趣を向上させることができる。
特に、第1ロゴパネル19TM410における「FEV」の輪郭が形成されている部分、第2ロゴパネル19TM420における「ER!」の輪郭が形成されている部分に関しては、後方に位置する表示装置(原点位置においてはサブ液晶表示器19TM300、演出位置においてはメイン液晶表示器19TM200)に表示される画像に応じて、その態様が明確に変化するため、演出効果が高められる。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−10(4)に示すように、変動パターンにおけるリーチ状態を成立させるべきタイミングにおいて、メイン液晶表示器19TM200の図柄表示エリア5L及び図柄表示エリア5Rに7の図柄を停止表示させることによりリーチ状態とし、メイン液晶表示器19TM200の上部に「リーチ!!」の文字を表示させる(図8−8のT4のタイミング)。このタイミングで、視認性が向上したサブ液晶表示器19TM300において、「激熱」の文字を表示する文字予告演出を実行する。
このように、第3態様の変位演出が実行され、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の両方が演出位置に移動すると、視認性が向上したサブ液晶表示器19TM300において、文字予告演出が実行される可能性があるため、遊技者は、サブ液晶表示器19TM300に注目することになる。そして、「激熱」の文字が表示された場合には、「チャンス」の文字が表示された場合よりも大当り期待度が高くなるため、何れの文字が表示されるかに関して、遊技者に興味を抱かせ、興趣を向上させることができる。
そして、演出制御用CPU120は、図8−10(5)に示すように、メイン液晶表示器19TM200においてスーパーリーチ演出として、キャラクタがバトルを行うバトル演出が実行されることに伴い(図8−8のT5Aのタイミング)、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を演出位置から原点位置に移動させる(T5A〜T5B)。これにより、メイン液晶表示器19TM200の視認性が向上し、遊技者をスーパーリーチ演出に集中させることができる。
なお、本例では、図8−10(5)に示すように、スーパーリーチ演出の実行に伴い、メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300から炎の画像が消去される(通常の背景画像に戻る)例を示しているが、このような形態に限らず、スーパーリーチ演出が実行されているときも、サブ液晶表示器19TM300に炎の画像を継続して表示させるようにしても良い。即ち、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を演出位置から原点位置に移動させることに伴い、メイン液晶表示器19TM200において表示されていた赤色の炎も、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420と共に移動する演出を実行しても良い。このとき、演出制御用CPU120は、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を演出位置から原点位置に向けて移動させるタイミング(T5A)に合わせて、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が一体として移動する速度で(T5A〜T5Bにおける移動速度で)、赤色の炎の画像の表示位置を変化させる表示制御を、メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300において実行するものである。このような表示制御によって、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が演出位置から原点位置に移動する期間(T5A〜T5Bの期間)、及び、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が原点位置に移動した後(T5B以降)においても、「FEVER!」の文字部分が赤い炎で覆われた態様となっている状態(遊技者にとっての期待度が高い状態)を継続することができる。
(サブ液晶表示器の駆動機構を備えた例)
上記の実施形態では、ロゴパネル駆動機構19TM001に、サブ液晶表示器19TM300を駆動させるための機構を設けていないが、図8−11〜図8−14に示すように、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420と同様に、サブ液晶表示器19TM300を駆動させる機構を設けても良い。
図8−11は、サブ液晶表示器19TM300を駆動させるための機構を備えたロゴパネル駆動機構19TM010を示し、図8−11(a)はロゴパネル駆動機構19TM010の正面図、図8−11(b)は図8−11(a)のS矢視図、図8−12は図8−11(a)のT矢視図である。
図8−11〜図8−14に示すロゴパネル駆動機構19TM010は、前述の図8−1〜図8−7に示したロゴパネル駆動機構19TM001にサブ液晶表示器駆動機構19TM600を追加した例である。すなわち、図8−11、図8−12に示すように、ロゴパネル駆動機構19TM010における、メイン液晶表示器19TM200、サブ液晶表示器19TM300、第1ロゴパネル19TM410、第1ロゴパネル駆動機構19TM510、第2ロゴパネル19TM420、及び、第2ロゴパネル駆動機構19TM520に関しては、前述したロゴパネル駆動機構19TM001と同じ構造であって、ロゴパネル駆動機構19TM010は、これに、サブ液晶表示器駆動機構19TM600が追加されている構成である。
図8−11(a)は、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300の三者が、図8−11(a)の下方向移動端である原点位置にあって、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420がサブ液晶表示器19TM300と前後で重なる位置に配置されている状態を示している。
ロゴパネル駆動機構19TM010における、メイン液晶表示器19TM200、サブ液晶表示器19TM300、第1ロゴパネル19TM410、第1ロゴパネル駆動機構19TM510、第2ロゴパネル19TM420、及び、第2ロゴパネル駆動機構19TM520に関しては、前述したロゴパネル駆動機構19TM001と同じ構造であるため、詳細な説明は省略する。
サブ液晶表示器19TM300は、サブ液晶表示器駆動機構19TM600によって、図8−11(a)の上下方向に移動可能である。サブ液晶表示器駆動機構19TM600は、ラック19TM610、ピニオン19TM620、モータ19TM630、支持板19TM640等で構成されている。サブ液晶表示器19TM300の背面にラック19TM610が固定されている。ラック19TM610は、図8−11(a)の上下方向に長い薄板状に形成されている。
支持板19TM640は、図8−11(a)の上下方向に長く断面がコの字形に形成されている。支持板19TM640の前面に一体的に形成されたガイド19TM650に案内されて、ラック19TM610が図8−11(a)の上下方向に移動可能である。支持板19TM640の右側面にはモータ19TM630が取り付けられている。モータ19TM630の出力軸に固定されたピニオン19TM620がラック19TM610の背面に形成されたラック歯19TM610Aに噛み合っている。演出制御用CPU120が、モータ19TM630を回転させると、ラック19TM610に固定されたサブ液晶表示器19TM300が図8−11(a)の上下方向に移動する。
第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300は、独立して図8−11(a)の上下方向に移動可能であり、また、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300の三者を同時に、図8−11(a)の上方向または下方向に移動させることが可能である。ラック19TM610の下端には、板状の当接部材19TM660が固定されている。支持板19TM640の前面の下端には下端ストッパ19TM670が固定され、支持板19TM640の前面の上端側には上端ストッパ19TM680が固定されている。
このように、演出制御基板12には、可動体としてのサブ液晶表示器19TM300が接続されており、該サブ液晶表示器19TM300の動作が、演出制御基板12(演出制御用CPU120)により制御される。
具体的には、サブ液晶表示器19TM300を駆動するためのモータ19TM630、サブ液晶表示器19TM300が下方向移動端、即ち原点位置に位置しているか否かを検出するための原点検出センサ19TM671(フォトセンサ)、が接続されており、モータ19TM630の動作を制御することで、サブ液晶表示器19TM300の動作を、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が制御することが可能とされているとともに、サブ液晶表示器19TM300が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
サブ液晶表示器19TM300が図8−11(a)の上方向に移動すると、サブ液晶表示器19TM300の上方向移動端で、当接部材19TM660が上端ストッパ19TM680に当接し、サブ液晶表示器19TM300が上方向移動端の正確な演出位置に停止する。サブ液晶表示器19TM300が図8−11(a)の下方向に移動すると、サブ液晶表示器19TM300の下方向移動端で、当接部材19TM660が下端ストッパ19TM670に当接し、サブ液晶表示器19TM300が下方向移動端の正確な原点位置(初期位置、退避位置とも称する)に停止する。サブ液晶表示器19TM300が原点位置にあるか否かは、原点検出センサ19TM671(フォトセンサ)により検出される。
図8−11(a)の状態では、サブ液晶表示器19TM300が、メイン液晶表示器19TM200と前後で重ならない原点位置に配置されると共に、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420の両方が、原点位置にあるサブ液晶表示器19TM300と前後で重なる原点位置に配置され、サブ液晶表示器19TM300に関しては視認性が低下した状態である一方、メイン液晶表示器19TM200に関しては遊技者が全体を視認できる状態になっている。但し、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420は、透光性を有する材料で形成されているため、遊技者は、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420を介して、サブ液晶表示器19TM300の情報を視認することは可能である。
図8−13は、メイン液晶表示器19TM200と正面視で前後に重なる位置に第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300を移動させた状態を示す正面図であり、図8−14は図8−13のU矢視図である。すなわち、図8−13では、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300の三者を同時に図8−13の上方向の移動端である演出位置に移動させ、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300の三者をメイン液晶表示器19TM200と前後で重なる位置に配置している。このとき、メイン液晶表示器19TM200に関しては、下部の視認性が低下した状態となっており、サブ液晶表示器19TM300に関しては、前後に重なる位置に、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の両方が配置されている状態が継続しているため、全体の視認性が低下した状態が維持されている。そして、演出位置にあるサブ液晶表示器19TM300に表示される画像に応じて、演出位置にある第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420の態様が変化することになる。
図8−11から図8−14に示すように、ロゴパネル駆動機構19TM010は、メイン液晶表示器19TM200とサブ液晶表示器19TM300の間で、第1ロゴパネル19TM410と第2ロゴパネル19TM420を独立して、または、両方を同時に一体として移動可能である。さらに、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300の三者を、メイン液晶表示器19TM200と正面視で前後に重なる位置に同時に一体として移動可能である。
ここで、演出制御用CPU120は、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が、原点位置にあるか又は演出位置にあるかによらず、モータ19TM630を駆動させることにより、サブ液晶表示器19TM300のみを独立して移動させることも可能である。従って、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を原点位置に置いたまま、サブ液晶表示器19TM300のみを演出位置に移動させることが可能である。このとき、サブ液晶表示器19TM300のみが、メイン液晶表示器19TM200と前後で重なる演出位置にあり、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420に関しては、メイン液晶表示器19TM200及びサブ液晶表示器19TM300の何れとも前後で重ならない原点位置にある状態となる。
また、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を演出位置に移動させた状態で、サブ液晶表示器19TM300のみを原点位置に置いておくことも可能である。また、最初に、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420を原点位置から演出位置に移動させ、その後に、時間差を設けて、サブ液晶表示器19TM300を原点位置から演出位置に移動させることも可能である。即ち、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420、並びに、サブ液晶表示器19TM300を移動させるパターンを複数設けることが可能であると共に、メイン液晶表示器19TM200とサブ液晶表示器19TM300の視認性を変化させるパターンを複数設けることが可能であるため、演出を多様化して興趣を向上させることが可能となる。
(変形例)
(1)上記の実施形態では、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の態様を変化させるために、後方に位置しているサブ液晶表示器19TM300(演出位置にあってはメイン液晶表示器19TM200)に表示させる画像を変化させる例を示したが、このような形態に限らず、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の後方に、LED等の発光体を備えた発光板を配置して、その発光体の発光色を変化させることにより、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の態様を変化させるようにしても良い。また、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の後方に、導光部材を配置して、その導光部材に入射させる光の色を変化させることにより、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の態様を変化させるようにしても良い。
このとき第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の後方に配置する発光板又は導光部材は、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の移動に伴い、原点位置から第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の後方位置(演出位置)に移動してくるものであっても良く、予め、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420の演出位置の後方に設置されているものであっても良い。
(2)上記の実施形態では、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300が原点位置にあるときに、メイン液晶表示器19TM200と前後に重ならない例を示したが、このような形態に限らず、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300が原点位置にあるときに、一部又は全部がメイン液晶表示器19TM200と前後に重なるようにしても良い。例えば、原点位置にある第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300が、メイン液晶表示器19TM200の上端部又は下端部と前後に重なるように配置しても良い。そして、変位演出が実行されるときには、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、及び、サブ液晶表示器19TM300が、メイン液晶表示器19TM200の中央部と前後に重なる演出位置に移動するようにしても良い。
このような構成よれば、変位演出の実行によって、メイン液晶表示器19TM200の上端部又は下端部の視認性が向上する一方で、遊技者が通常注視しているメイン液晶表示器19TM200の中央部の視認性は低下することになる。
(3)上記の実施形態では、透光性を有する装飾体として、文字の輪郭が形成されている第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420を例示したが、これに限らず、透光性を有する装飾体に、キャラクタの顔の輪郭や、武器等のアイテムの輪郭が形成されているようにしても良い。また、離れて配置された複数の装飾体が、それぞれ原点位置から演出位置まで移動して、各演出位置において一体となり所定の輪郭(文字、キャラクタ、アイテム等)を形成する、所謂合体演出を実行するようにしても良い。
(4)上記の実施形態において、サブ液晶表示器19TM300を駆動可能な構成を採用した場合に、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が原点位置から演出位置まで移動するが、サブ液晶表示器19TM300は原点位置から移動しない第1演出パターンと、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420が原点位置から演出位置まで移動すると共に、サブ液晶表示器19TM300も原点位置から演出位置まで移動する第2演出パターンと、を設けても良い。このような構成とした場合には、第1演出パターンによる演出が実行された場合よりも、第2演出パターンによる演出が実行された場合の方が、大当りとなる割合が高いようにすると良い。
(5)上記の実施形態において、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300が、原点位置からの移動を開始し、演出位置に到達する前に原点位置に戻る演出パターンを設けても良い。そして、このような演出パターンにより演出が実行された場合よりも、原点位置から演出位置まで移動する(演出位置まで到達する)演出パターンにより演出が実行された場合の方が、大当りとなる割合が高いようにすると良い。
(6)上記の実施形態において、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300が、各原点位置から各第1演出位置まで移動した後、サブ液晶表示器19TM300のみが当該第1演出位置に留まった状態で、第1ロゴパネル19TM410及び第2ロゴパネル19TM420が、各第1演出位置から各第2演出位置まで移動するようにしても良い。即ち、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300が、一体となって同時にそれぞれの原点位置から第1演出位置(サブ液晶表示器19TM300にとっての最終演出位置)に移動した後、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、がさらに第1演出位置から第2演出位置に移動することで、第1演出位置(サブ液晶表示器19TM300にとっての最終演出位置)まで移動したサブ液晶表示器19TM300の画面全体の視認性が向上する演出パターンを設けても良い。そして、このような演出パターンにより演出が実行される場合には、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300が、一体となって同時にそれぞれの原点位置から第1演出位置(サブ液晶表示器19TM300にとっての最終演出位置)に移動した後、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、が第1演出位置から第2演出位置に移動しない(サブ液晶表示器19TM300の視認性が向上しない)演出パターンにより演出が実行される場合よりも、大当りとなる割合が高いようにすると良い。
(7)上記の実施形態において、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにより指定された表示結果、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、図8−9に示す各演出の実行の有無及び実行態様を決定する例を示したが、このような形態に限らず、始動入賞時の判定結果(大当りとなるか否かの判定結果、変動カテゴリの判定結果等)に応じて、各演出の実行の有無及び実行態様を決定するようにしても良い。即ち、始動入賞時の判定結果が大当りである場合には、はずれである場合よりも高い割合で、先読み予告演出として各演出を実行し、各演出の実行態様を期待度の高い態様とする。
このように、始動入賞時の判定結果に基づいて先読み予告演出を実行する場合に、当該判定の対象となった(所謂先読み予告のターゲットとなった)変動表示よりも前に実行される複数回の変動表示にわたって、サブ液晶表示器19TM300に炎の画像を表示させる演出や、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300を移動させる演出を実行させるようにしても良い。例えば、先読み予告のターゲットとなる変動表示が実行される前の複数回の変動表示それぞれにおいて、サブ液晶表示器19TM300に炎の画像を表示させる演出を実行し、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300を移動させる演出を実行する。さらに、各変動表示が実行されたときに、先読み予告のターゲットとなった変動表示までの残り変動表示回数と共にキャラクタを表示させるカウントダウン演出を、画面全体の視認性が向上したサブ液晶表示器19TM300にて実行するようにしても良い。
[特徴部19TMに関する第2実施形態]
次に、特徴部19TMに関する第2実施形態を以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図9−1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例でパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図9−1は、本実施例のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図9−1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDで点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよいし、これら「00」〜「99」を示す各セグメントが、「00」〜「99」を視認不能にランダムに配置された表示器により変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2の遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5R、又は、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)にて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とする。
尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図9−1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図9−2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態にて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図9−2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図9−2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図9−2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図9−2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図9−1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、演出用LED9が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域下方の遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図9−2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、第1可動役物300、第2可動役物400並びに第3可動役物500の動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。尚、中継基板15を有しない構成としても良い。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などの点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図9−2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図9−3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図9−3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図9−4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図9−4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図9−4に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
図9−2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図9−4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図9−5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図9−4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図9−6(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図9−6(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図9−6(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。
また、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、本実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図9−2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板からのバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存され、再度の電源投入にて、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータ等の遊技の進行状態を示すデータを引き継ぐようにすればよい。
このようなRAM102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図9−2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。
尚、演出制御基板12の側でも、主基板11と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500の動作を含む演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作や各可動役物(第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500)を動作させるリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
尚、本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられ、その時点の保留記憶の状況を特定可能な保留記憶バッファを構成するデータが記憶されており、該保留記憶バッファのデータに基づいて、第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示が表示される。
演出制御基板12には、可動体としての第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500が接続されており、該第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500の動作が演出制御基板12(演出制御用CPU120)により制御される。
具体的には、図9−2に示すように、第1可動役物300を駆動するための第1可動役物駆動モータ303、第1可動役物300が原点位置に位置しているか否かを検出するための第1可動役物原点検出センサ316(フォトセンサ)、第2可動役物400を駆動するための第2可動役物駆動モータ411,421、第2可動役物400が原点位置に位置しているか否かを検出するための第2可動役物原点検出センサ440A,440B(フォトセンサ)、第3可動役物500を駆動するための第3可動役物駆動モータ520が接続されており、第1可動役物駆動モータ303、第2可動役物駆動モータ411,421、第3可動役物駆動モータ520の動作を制御することで、第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500の動作を、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が個別に制御することが可能とされているとともに、第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
また、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。そして演出制御用CPU120は、これら予告演出を含む各種演出において、各可動役物(第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500)を原点位置から演出位置まで動作させる可動体演出を実行可能としている。
ここで、第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500それぞれの構造について、図9−12〜図9−14に基づいて簡単に説明する。図9−12は、第1可動役物300における実動作確認用動作制御の例を示す図である。図9−13は、第2可動役物400における実動作確認用動作制御の例を示す図である。図9−14は、第3可動役物500における実動作確認用動作制御の例を示す図である。
図9−12に示すように、第1可動役物300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間における演出表示装置5の下方位置に設けられ、所定箇所に固設されたベース部301と、該ベース部301に対し回動可能に設けられた第1可動部302と、第1可動部302が横向きに傾倒する第1退避位置(原点位置、初期位置、図9−12(A)参照)と、第1退避から離れた位置において第1可動部302が縦向きに起立する第1演出位置(図9−12(B)参照)と、の間で往復動作(回動)させる第1可動役物駆動モータ303と、を有する。尚、本実施例では、第1可動役物駆動モータ303としてステッピングモータが適用されている。
ベース部301には、軸受孔310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔310の周辺には、軸受孔310を中心とする円弧形状をなすガイド溝311が形成されている。ベース部301の背面における軸受孔310の右下方位置には第1可動役物駆動モータ303が背面に固設されており、ベース部301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤312が固着されている。
回転盤312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材313が突設されており、該軸部材313には、リンク部材314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤312の周縁における軸部材313の反対側には被検出部315が突設されており、該被検出部315が回転盤312の下方に設けられた第1可動役物原点検出センサ316により検出されることで、演出制御用CPU120は第1可動部302が傾倒位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。つまり、第1可動役物300は後述する非検出時動作制御または検出時動作制御の対象となる動作対象役物とされている。
尚、本実施例では、第1可動部302は、第1退避位置にあるときには演出表示装置5の表示画面の下方に退避し(図9−1参照)、第1退避位置から離れた第1演出位置において演出表示装置5の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている。
第1可動部302は、ベース部301に対し回動可能に設けられた回動部材320に設けられ、例えば内蔵された発光体(図示略)により前面部が発光可能とされている。回動部材320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔310に後側から挿入される回動軸325と、回動軸325の左側に突設されガイド溝311に後側から挿入される第1ガイド軸326と、回動軸325の右上に突設されガイド溝311に後側から挿入される第2ガイド軸327と、を有する。
ガイド溝311を挿通してベース部301の前面側に突出した第2ガイド軸327の先端には、リンク部材314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤312と回動部材320とはリンク部材314を介して連結されている。また、回動軸325の外周には、回動部材320を常時第1演出位置側へ向けて付勢するコイルバネ328が設けられている。
このように構成された第1可動役物300は、原点位置(初期位置)において、図9−12(A)に示すように第1可動部302が傾倒位置に位置する。そして、第1可動役物駆動モータ303により回転盤312が正面視時計周りに回動することにより、リンク部材314により第2ガイド軸327が下方に引かれることで、回動軸325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、第1可動部302が図9−12(B)に示す第1演出位置である起立位置まで回転する。尚、第1退避位置から第1演出位置へ回動する際に、コイルバネ328の付勢力が作用するため、第1可動役物駆動モータ303にかかる負荷が軽減される。また、第1可動役物駆動モータ303を逆駆動させることで、第1退避位置から第1演出位置へ回動する。
また、第1可動役物300が第1退避位置へ移動したときに第1ガイド軸326がガイド溝311の一端に当接することにより、第1可動役物300の正面視反時計回りの回動が規制され、第1可動役物300が第1演出位置へ移動したときに第2ガイド軸327がガイド溝311の他端に当接することにより、第1可動役物300の正面視時計回りの回動が規制されるようになっている。
図9−13に示すように、第2可動役物400は、左右方向に延設され演出表示装置5の左右寸法よりも若干短寸をなす第2可動部401と、上下方向に延設され演出表示装置5の上下寸法よりもほぼ同寸をなす第2可動部402と、を有する。第2可動部401,402は、遊技盤2と演出表示装置5との間に設けられている。また、第2可動部402は、第2可動部401よりも後方の位置に設けられている。尚、第2可動部401は、後述する第2退避位置にあるときに、例えば、パチンコ遊技機1の機種名などが表示されたパネルであって演出表示装置5の上方位置における第2可動部401より前方位置に設けられたロゴパネル450により一部が隠蔽されるようになっている。
第2可動部401の左端部には、上下方向を向くラックギヤ410が固定されており、該ラックギヤ410には、ステッピングモータからなる第2可動役物駆動モータ411の駆動軸に固着されたピニオンギヤ412が噛合されている。第2可動役物駆動モータ411は、演出表示装置5の左側方に設けられる図示しないベース部に固定されている。また、第2可動部401は、図示しない案内部材により上下方向に移動可能に案内されている。
よって、第2可動部401は、第2可動役物駆動モータ411により、演出表示装置5の上方の第2退避位置(原点位置、初期位置、図9−13(A)において実線で示す位置参照)と、演出表示装置5の前方における上下方向の略中央位置に配置され第2退避位置から離れた第2演出位置(図9−13(B)において2点鎖線で示す位置参照)と、の間で上下方向に往復移動可能とされている。
また、第2可動部401の右側端部には被検出部430Aが突設されており、該被検出部430Aがベース部側に設けられた第2可動役物原点検出センサ440Aにより検出されることで、演出制御用CPU120は第2可動部401が第2退避位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。
第2可動部402の上端部には、左右方向を向くラックギヤ420が固定されており、該ラックギヤ420には、ステッピングモータからなる第2可動役物駆動モータ421の駆動軸に固着されたピニオンギヤ422が噛合されている。第2可動役物駆動モータ421は、演出表示装置5の上方における左右方向の略中央位置にて図示しないベース部に固定されている。また、第2可動部402は、図示しない案内部材により上下方向に移動可能に案内されている。
よって、第2可動部402は、第2可動役物駆動モータ421により、演出表示装置5の左方の第2退避位置(図9−13(A)において実線で示す位置参照)と、演出表示装置5の前方における左右方向の略中央位置に配置される第2演出位置(図9−13(B)において2点鎖線で示す位置参照)と、の間で左右方向に往復移動可能とされている。
また、第2可動部402の下端部には被検出部430Bが突設されており、該被検出部430Bがベース部側に設けられた第2可動役物原点検出センサ440Bにより検出されることで、演出制御用CPU120は第2可動部402が第2退避位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。つまり、第2可動役物400は後述する非検出時動作制御または検出時動作制御の対象となる動作対象役物とされている。
このように構成された第2可動役物400は、第2退避位置(原点位置、初期位置)において、図9−13(A)に示すように第2可動部401が演出表示装置5の上方、第2可動部402が演出表示装置5の左側方に位置する。そして、第2可動部401,402は、第2可動役物駆動モータ411,421を駆動させることにより図9−13(B)に示す第2演出位置まで移動し、第2可動役物駆動モータ411,421を逆駆動させることにより第2演出位置から第2退避位置へ移動する。
また、第2可動役物400は、特に図示しないが、第2退避位置へ移動したときに第2可動部401,402の被規制部がベース部側の規制部に当接することで、第2可動役物400の第2退避位置方向への移動が規制されるようになっている。
図9−14に示すように、第3可動役物500は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間における演出表示装置5の右側下部位置に一部が演出表示装置5に重畳するように設けられている。第3可動役物500は、所定箇所に固設された正面視円形をなすベース部501と、該ベース部501に対し回動可能に設けられた第3可動部502と、第3可動部502を前後方向を向く回転軸503を中心として(回転)させる第3可動役物駆動モータ520と、を有する。尚、本実施例では、第3可動役物駆動モータ520としてステッピングモータが適用されている。
ベース部501の背面における回転軸503の上方位置には第3可動役物駆動モータ520が設けられ、第3可動役物駆動モータ520の駆動軸520Aの先端には第1ギヤ505が固着されている。第1ギヤ505には第2ギヤ506が噛合され、第2ギヤ506には、回転軸503の後端に固着された第3ギヤ507が噛合されており、第3可動役物駆動モータ520により第1ギヤ505が回転することで、該第1ギヤ505の回転力が第2ギヤ506と第3ギヤ507とを介して第3可動部502に伝達されることで、第3可動部502が回転軸503を中心として正転または逆転する。
図9−14(A)に示すように、第3可動部502は、正面視円形をなし、前面に所定の模様が施されているとともに、内蔵された図示しない発光体により前面が発光可能に設けられている。このように第3可動部502は、正面視円形をなし、また、所定の模様には特に上下がないとともに、回転軸503を中心として回転するだけで所定位置から移動することがないので、原点位置を設けていない。よって、原点位置を検出する原点検出センサを有していない動作非対象役物とされている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、前述した図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、前述した図6に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための第1初期化処理を、図6に示す初期化処理(S71)として実行し、各可動役物300,400,500の原点位置への復帰と動作確認を行うための第2初期化処理を、図6に示す初期動作制御処理(S72)として実行する。
図9−7は、本実施例の第2初期化処理(S72)を示すフローチャートである。第2初期化処理において演出制御用CPU120は、先ず、設定データに基づいて最初に動作させる可動役物を特定する(ST101)。設定データには、可動役物の順序データが含まれており、本実施例では、該順序として第1可動役物300→第2可動役物400→第3可動役物500の順が予め設定されている。よって、最初にST101が実行されるときには、第1可動役物300が対象の可動役物として特定されることになる。
次いで、ST101で特定した可動役物が原点検出を行うことが必要な原点検出対象役物であるか否かを判定する(ST102)。
本実施例において、これら原点検出を行うことが必要な原点検出対象役物としては、第1可動役物原点検出センサ316を有する第1可動役物300と第2可動役物原点検出センサ440A,440Bを有する第2可動役物400が該当し、原点検出センサを有しない第3可動役物500は該当しない。よって、ST101で特定した可動役物が第1可動役物300または第2可動役物400である場合には、該判定において「Y」と判定される一方、ST101で特定した可動役物が第3可動役物500である場合には、「N」と判定されることになる。
ST102において「N」と判定された場合にはST130に進む。一方、ST102において「Y」と判定された場合には、ST103に進んで、動作対象役物に対応する原点検出センサの検出状態を特定し(ST103)、原点検出センサが検出状態であるか否か、つまり、対象の可動役物が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定する(ST104)。
原点位置(初期位置)に位置していない場合(ST104;N)には、ST105に進んで、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(ST105)、動作対象役物を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図9−9、図9−10参照)と同じ動作速度で動作対象役物を動作させるための最低制御速度を設定し(ST106)、動作対象役物の駆動モータ、例えば、動作対象役物が第1可動役物300であれば、第1可動役物駆動モータ303を原点位置方向に駆動開始するとともに(ST107)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(ST108)。尚、非検出時動作期間タイマのタイマカウントは、例えば、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(ST109、ST110)。
動作対象役物の駆動装置(例えば、第1可動役物駆動モータ303)を原点位置方向に駆動させることで動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置して原点検出センサが検出状態となった場合には、可動役物駆動モータの駆動を停止してST130に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、ST112に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(ST112)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(ST113)。
ST113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、可動役物駆動モータの駆動を停止し、当該動作対象役物の原点復帰エラーを記憶し(ST114)、ST130に進む。つまり、非検出時動作制御において動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象役物について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、ST130に進む。
尚、本実施例では、ST113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ST113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、可動役物を動作させることを示す入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、可動役物駆動モータの駆動を停止してST106に戻り、再度、ST106〜ST108の処理を行うことにより、動作対象役物を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置に移動させる動作(非検出時動作制御)を開始して、前述したST109、ST110の監視状態に移行する。
よって、ST110にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し動作対象役物を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に動作対象役物が原点位置(初期位置)にて検出した場合には、ST114に進むことなく、ST130に進むことになる。
一方、上記したST104において「Y」と判定されてST120に進んだ場合には、検出時動作回数カウンタに0をセットした後、検出時動作プロセスデータをセットし(ST121a)、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントを開始する(ST121b)。尚、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。また、本実施例の検出時動作プロセスデータには、動作対象役物を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図9−9、図9−10参照)と同じ動作速度で動作対象役物を動作させるための最低制御速度が記述(設定)されている。
次いで、セットされた検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作対象役物を動作させるとともに(ST122)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(ST123)、プロセスデータが完了していない場合には、ST122に戻り、動作対象役物を検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作させる。
このように、検出時動作制御においては、検出時動作プロセスデータが完了するまで、検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づく最低速度、つまり、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて、原点位置(初期位置)から一旦離れ、該原点位置(初期位置)から離れた位置から原点位置(初期位置)に戻るという動作を行う(図9−9参照)。尚、原点位置から離れた位置とは、原点位置の近傍位置、つまり、各原点センサにより各可動役物の被検出部を検出できない位置であって各演出位置よりも原点位置に近い所定位置(検出時動作位置)として設定されている。
ST123の判定において、セットされている検出時動作プロセスデータが完了したと判定した場合には、可動役物駆動モータの駆動を停止してST124に進んで、原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する。
原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置している場合にはST130に進む。
一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、検出時動作回数カウンタに1を加算して(ST126)、該加算後の検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(ST127)。検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、ST128に進んで当該動作対象役物の原点復帰エラーを記憶し(ST128)、ST130に進む。つまり、検出時動作制御において動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象役物について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、ST130に進む。
尚、本実施例では、ST127において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ST113において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、可動役物を動作させる入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
ST102で「N]と判定された場合、ST109で「Y」と判定された場合、もしくはST124で「Y」と判定された場合に実行するST130においては、可動役物のうちで未だ動作対象としていない残りの可動役物が存在するか否かを判定し、残りの可動役物が存在しない場合(具体的には、動作対象役物が第3可動役物500である場合)には、図9−8に示す実動作確認用動作制御を行う処理に移行する。一方、残りの可動役物が存在する場合には、ST131に進んで、次に動作させる可動役物を特定した後、ST102に戻って、該特定した動作対象役物について、ST102以降の上記した処理を同様に実行する。
尚、動作対象役物が第1可動役物300である場合にST131が実行される場合には、設定データに基づいて第2可動役物400が動作対象役物として特定され、動作対象役物が第2可動役物400である場合にST131が実行される場合には、設定データに基づいて第3可動役物500が動作対象役物として特定される。
次に図9−8に示す処理について説明すると、図9−8に示すS200において演出制御用CPU120は、先ず、前述のST101と同様に、設定データに基づいて最初に動作確認する可動役物(確認対象役物)を特定する(S200)。次いで、当該対象役物の原点復帰エラーの記憶が有るか否かを判定する(S201)。
確認対象役物の原点復帰エラーの記憶が有る場合は、S202a〜S213までの処理を実行することなくS220に進む。このようにすることで、本実施例では、これら非検出時動作制御や検出時動作制御において原点復帰エラーと判定された可動役物については実動作確認用動作制御を行わないようになっている。
一方、確認対象役物の原点復帰エラーの記憶が無い場合は、S202aに進んで、確認対象役物に対応する実動作確認用プロセスデータをセットする。つまり、確認対象役物が第1可動役物300であれば、第1可動役物300の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象役物が第2可動役物400であれば、第2可動役物400の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象役物が第3可動役物500であれば、第3可動役物500の実動作確認用プロセスデータをセットする。尚、これら各実動作確認用プロセスデータには、演出において当該可動役物が可動体演出において実際に行う動作と同一の動作を行うように制御速度等が記述(設定)されている。
次いで、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S202b)。尚、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、セットされた実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象役物を動作させるとともに(S203)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S204)、プロセスデータが完了していない場合には、S203に戻り、確認対象役物を、その時点の実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて動作させる。
このように、実動作確認用プロセスデータが完了するまで、実動作確認用プロセスデータに実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象役物を動作させることにより、確認対象役物の制御速度を、時系列的に順次変更して、可動体演出において当該可動役物を実際に動作させる際に設定する制御速度と同一の加速または減速を行うことができる。
そして、S204の判定において、セットされている実動作確認用プロセスデータが完了したと判定した場合には、可動役物駆動モータの駆動を停止し、当該対象役物は原点対象役物であるか否かを判定する(S204a)。当該対象役物が原点検出対象役物でなければ、つまり、第3可動役物500であればS220に進み、当該対象役物が第3可動役物500であれば、S222に進む。一方、当該対象役物が原点検出対象役物であれば、つまり、第1可動役物300または第2可動役物400であれば原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する(S205)。
原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、確認対象役物が原点位置(初期位置)に位置している場合にはS220に進む。一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、確認対象役物が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、前述した非検出時動作制御を(図9−7参照)を行って対象役物を原点位置(初期位置)に位置させるためにS206〜S213の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S206)、制御速度として実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度と同じ動作速度で動作対象役物を動作させるための最低制御速度を設定し(S207)、確認対象役物の駆動装置、例えば、確認対象役物が第1可動役物300であれば、第1可動役物駆動モータ303を原点位置(初期位置)方向に駆動開始するとともに(S208)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S209)。
そして、原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S210、S211)。
対象役物の駆動装置(例えば、第1可動役物駆動モータ303)を原点位置(初期位置)方向に駆動させることで対象役物が原点位置(初期位置)に位置して原点検出センサが検出状態となった場合には、S210にて「Y」と判定されてS220に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても確認対象役物が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、S212に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S212)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S213)。
非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S220に進む。尚、本実施例では、S213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、当該動作対象役物の原点復帰エラーを記憶し、当該動作対象役物について以後は実動作を実行しないようにするようにしてもよい。あるいは、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、可動役物を動作させる入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S207に戻り、再度、S207、S208、S209の処理を行うことにより、確認対象役物を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置(初期位置)に移動させる動作(原点復帰時動作)を開始して、前述したS210、S211の監視状態に移行する。
よって、S211にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し対象役物を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に対象役物が原点位置(初期位置)にて検出された場合には、S220に進むことになる。
S201で「Y」と判定された場合、S204aで「N」と判定された場合、S205で「Y」と判定された場合、もしくはS210で「Y」と判定された場合に実行するS220においては、可動役物のうちで未だ動作確認の確認対象としていない残りの可動役物が存在するか否かを判定し、残りの可動役物が存在しない場合(具体的には、動作確認の対象役物が第3可動役物500である場合)には、ST114やST128で記憶したエラーの記録をクリア(S222)して、当該処理を終了する一方、残りの可動役物が存在する場合には、S221に進んで、次に動作確認する可動役物を特定した後、S201に戻って、該特定した対象役物について、S201以降の上記した処理を同様に実行する。
ここで、これら図9−7、図9−8に示す第2初期化処理が実行されることによる可動役物の動作態様及び制御内容について、図9−9、図9−10を用いて説明する。図9−9は、演出制御用CPU120が行う非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図9−10は、(A)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(B)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(C)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。
尚、図9−9及び図9−10においては、原点検出対象役物である第1可動役物300及び第2可動役物400における非検出時動作制御(ショート初期化動作制御)、検出時動作制御(ショート初期化動作制御)及び実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)についてのみ説明し、原点検出対象役物でない第3可動役物500についての説明は省略することとする。また、第1可動役物300の第1可動部302の往復動作距離(回動範囲)と第2可動役物400の第2可動部401,402それぞれの往復動作距離(移動範囲)とは同一ではないが、説明の便宜上、同一の概念図を用いて説明することとする。
図9−9に示すように、第1可動役物300の第1可動部302及び第2可動役物400の第2可動部401,402は、それぞれ原点位置(退避位置、初期位置)と演出位置との間で往復動作可能に設けられており、原点位置から演出位置への往動作や演出位置から原点位置への復動作は、前述した可動体演出等において実際に行う実動作とされている。
演出制御用CPU120は、第2初期化処理を実行したときに可動役物の被検出部が原点検出センサにより検出されない場合、つまり、可動役物が何らかの理由(例えば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(例えば、演出の実行時において、モータの脱調、故障、引っ掛かりなどにより可動役物の原点復帰が確認できなかったり動作できなくなるといった役物エラー(動作異常)が発生した場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置(例えば、図9−9における非検出時動作制御に対応する黒丸で示す位置など、原点位置と演出位置との間の所定位置)にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、可動役物は原点位置から離れた位置にあるため、動作としては可動役物を原点位置方向に移動させる動作のみとされている。
また、演出制御用CPU120は、第2初期化処理を実行したときに第1可動役物300の第1可動部302や第2可動役物400の第2可動部401,402の被検出部が原点検出センサにより検出された場合、検出時動作制御を実行する。
例えば、被検出部が原点検出センサにより確実に検出されるように、被検出部が原点検出センサにより検出されたときから可動役物の原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(例えば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して原点検出センサにより検出された位置よりもさらに奥側にずれた位置に停止することがある。よって、被検出部が原点検出センサにより検出されていても、可動役物をより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行う。
この検出時動作制御は、原点検出センサによる被検出部の検出状態を一旦解除するために可動役物を原点位置から離れた位置へ移動させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、演出位置まで移動させる必要はないので、可動役物を原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる(図9−15(A)(B)参照)。
また、演出制御用CPU120は、第2初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、可動役物が各種演出等において実際に行う実動作と同一の動作とされている。
次に、演出制御用CPU120が非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。尚、図9−10(A)、図9−10(B)、図9−10(C)にて示す速度は、演出制御用CPU120が各可動役物を動作させるために設定する制御速度であって、可動役物の実際の動作速度とは異なる。つまり、例えば、所定の可動役物を動作させる場合において、原点位置と演出位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合(例えば、バネがある区間とない区間、直線区間と曲線区間)や、同一の移動区間でも上昇する場合と下降する場合においては、可動役物を実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、可動役物に対し同一の制御速度を設定しても、各可動役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各可動役物の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。複数の可動役物を同一性能のステッピングモータにて動作させる場合において、各可動役物に対し同一の制御速度を設定しても、各可動役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各可動役物の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図9−10(A)に示すように、演出制御用CPU120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて確認対象役物を動作させる。具体的には、原点位置から加速した後に減速して演出位置に停止させるとともに、演出位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行う。すなわち、各可動役物が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と演出位置との間において、可動役物の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPU120は、各可動役物の可動体演出を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各可動役物が動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各可動役物が動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、可動役物の実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。尚、以下においては、最低制御速度に基づいて可動役物を動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度に基づいて可動役物を動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、可動役物の加速時及び減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、演出位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、演出位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御することで、可動役物を確実に減速させてから原点検出センサにより被検出部が検出されるようにしている。
図9−10(B)に示すように、演出制御用CPU120は、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から演出位置まで移動させる期間及び演出位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて可動役物が動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動役物を動作させる制御を行う。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて可動役物の動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から可動役物が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動役物等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図9−10(C)に示すように、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と演出位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動役物を動作させる制御を行う。
この場合、可動役物は原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、可動役物が原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、可動役物が原点位置に復帰したときに原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から可動役物が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動役物等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
このように本実施例では、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて常に単一(一定)の動作速度で可動役物が動作するように制御を行う。そしてこれら最低速度は、各可動役物に対応する実動作確認用動作制御における最低速度であり、各可動役物に共通する動作速度ではないので、各可動役物における最低速度は異なる場合がある。
具体的には、第1可動役物300の第1可動部302と第2可動役物400の第2可動部401,402とは、図9−12及び図9−13に示すように、大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動モータを含む駆動機構が各々異なるため、同一の制御速度を設定した場合でも可動役物の実際の動作速度は異なる。また、各可動役物に対し異なる制御速度を設定した場合においても可動役物の実際の動作速度は異なる。このように、最低速度は各可動役物に応じて設定された制御速度に基づく動作速度であり、可動役物に最適な最低速度にて動作するように制御するため、態様が異なる複数の可動役物を原点位置にて確実に検出させることが可能となる。
図9−11は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(ST72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてST73〜ST79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ST73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ST74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ST74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ST75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ST75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ST76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ST76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ST77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ST73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ST77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ST78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ST78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ST79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ST79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ST73)に対応した値に更新する。
尚、演出制御用CPU120は、演出図柄変動中処理(ST75)、大当り表示処理(ST77)、大当り遊技中処理(ST78)、大当り遊技中処理(ST78)などにおける所定のタイミング(例えば、可動体演出の実行条件が成立したタイミング)で、可動役物を原点位置と演出位置との間で移動させる可動体演出を実行可能としている。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、第1可動部302が横向きに傾倒する第1退避位置(図9−12(A)参照)と、第1退避から離れた位置において第1可動部302が縦向きに起立する第1演出位置(図9−12(B)参照)との間で回動可能に設けられた第1可動役物300や、演出表示装置5の側方に退避する第2退避位置(原点位置、初期位置、図9−13(A)参照)と演出表示装置5の前方における上下方向の略中央位置に配置され第2退避位置から離れた第2演出位置(図9−13(B)参照)との間で往復移動可能に設けられた第2可動役物400と、可動役物を動作させるための駆動手段としての第1可動役物駆動モータ303、第2可動役物駆動モータ411,421と、第1可動役物駆動モータ303や第2可動役物駆動モータ411,421による可動役物の動作を制御する制御手段としての演出制御用CPU120と、を備え、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御と、可動役物が正常に動作可能であることを確認するための第2動作制御としての実動作確認用動作制御と、可動役物による可動体演出を行うための第3動作制御と、を実行可能であり、実動作確認用動作制御を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で可動役物が動作するように制御し、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御する。
このようにすることで、第1動作制御において、可動役物はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するため、安全に原点位置に位置させることができる。具体的には、非検出時動作制御や検出時動作制御では、実動作確認用動作制御に比べて可動役物を原点位置まで移動させる距離が短い場合があるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における最低速度とすることで、被検出部を検出手段により確実に検出させることができるとともに、可動役物を高速で移動させたまま移動規制された衝撃で破損することを回避できる。
尚、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御する場合、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に設定する制御速度と、実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度とは同一の制御速度でもよいし異なる制御速度でもよい。
また、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、常に予め設定された単一(一定)の動作速度、つまり、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物300や第2可動役物400が動作するように制御する。
このようにすることで、第1可動役物300や第2可動役物400を原点位置に位置させる際の速度を一定とすることができ、第1可動役物300や第2可動役物400の破損等を防ぐことができる。
また、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて第1可動役物300や第2可動役物400が動作するように制御する。
このようにすることで、第1可動役物300や第2可動役物400の安全動作を確保しつつ、過度に速度を下げる(例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い速度とするなど)ことなく安全に動作できる最高速度(第1速度)を選択することで、非検出時動作制御や検出時動作制御の期間を短縮することができる。
また、第1可動役物300や第2可動役物400が原点位置に位置していることを検出可能な検出手段としての第1可動役物原点検出センサ316、第2可動役物原点検出センサ440A,440Bを備え、演出制御用CPU120は、第2初期化処理におけるST104にて原点検出センサが検出状態ではない場合はST105〜ST114の非検出時動作制御を実行し、ST104にて原点検出センサが検出状態である場合はST120〜ST128の検出時動作制御を実行し、非検出時動作制御を実行する場合、検出時動作制御における最低速度で可動役物が動作するように制御する。
このようにすることで、非検出時動作制御や検出時動作制御によって、第1可動役物原点検出センサ316や第2可動役物原点検出センサ440A,440Bの不具合の有無も把握することができる。また、非検出時動作制御を実行する場合は、可動役物が原点位置の近くにあるか否かが不明であるのに対し、検出時動作制御を実行する場合は、可動役物は原点位置にあることため、検出時動作制御においては、非検出時動作制御よりも速い速度であって、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で動作するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、特定の異常(例えば、演出の実行時に発生した動作異常など)が発生している場合において、第2初期化処理におけるステップST109にて原点検出センサが検出状態でない場合、動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物300や第2可動役物400が原点位置方向へ向けて移動するように制御する。
このようにすることで、特定の異常(例えば、演出の実行時に発生した動作異常などのエラー)が発生している場合に実行される異常時動作においても、第1可動役物300や第2可動役物400を安全に動作させることができる。具体的には、例えば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、その後に第2初期化処理が行われるときは、可動役物は原点位置に復帰していないため、非検出時動作制御が実行されることになる。また、動作異常が発生した場合、第2初期化処理においても可動役物は動作しないことが考えられるため、異常時動作として実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物300や第2可動役物400が原点位置方向へ向けて動作するように制御する。
また、演出制御用CPU120は、第2初期化処理におけるステップS201にて当該対象役物の原点復帰エラーの記憶が有る場合、S220に進んで実動作確認用動作制御を行わない。
このようにすることで、異常によって第1可動役物300や第2可動役物400が実動作確認用動作制御中に原点位置以外で停止してしまうことを防ぐことができる。具体的には、例えば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、第2初期化処理においても可動役物は動作しないことが考えられるため、その場合は実動作確認用動作制御を実行しても駆動手段に負荷がかかるだけで無駄になるため、実動作確認用動作制御は実行しないことが好ましい。
また、可動役物として第1可動役としての第1可動役物300及び第2可動役物400と第2可動役物としての第3可動役物500とを有し、演出制御用CPU120は、第2初期化処理におけるステップST102において、可動役物が原点検出を行うことが必要な原点検出対象役物であると判定した場合、非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行する一方、ステップST102において可動役物が原点検出を行うことが必要な原点検出対象役物でないと判定した場合、ステップST130に進み非検出時動作制御と検出時動作制御とを行わない。
このようにすることで、必要な可動役物だけ実動作確認用動作制御を行うことができ、実動作確認用動作制御による動作確認時間を短縮することができる。
また、可動役物として第1可動役としての第1可動役物300及び第2可動役物400と第2可動役物としての第3可動役物500とを有し、演出制御用CPU120は、第1可動役物300と第2可動役物400の各々の第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、各々の実動作確認用動作制御における最低速度にて可動役物が動作するように制御し、実動作確認用動作制御の動作速度は、第1可動役物300と第2可動役物400とで異なるようにする。
このようにすることで、各々の可動役物に応じた動作速度によって各可動役物の安全動作を確保しつつ、非検出時動作制御及び検出時動作制御の期間を短縮することができる。例えば、第1可動役物300と第2可動役物400とにおいて、実動作確認用動作制御において同一の制御速度を設定しても、各可動役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行した場合の各可動役物の実際の動作速度は異なることになる。
具体的には、非検出時動作制御及び検出時動作制御において、同一の制御速度(実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度)を設定した場合でも、複数の可動役物のうち重量が大きい可動役物の実際の動作速度は、重量が小さい可動役物の実際の動作速度よりも遅くなる。また、可動役物を上昇させる場合、下降させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。また、駆動機構として可動部を演出方向に付勢するバネ等が設けられている場合、バネが縮んでいる状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合、バネが伸びている状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。このように、非検出時動作制御及び検出時動作制御において、可動役物を実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御する場合、各可動役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等を考慮して、各々の実動作確認用動作制御において個別の最低制御速度を設定することが好ましい。
例えば、第1可動部と第2可動部とが、原点位置に向けて移動する際に遊技者から見たときに第1可動部の手前側に第2可動部が重なるように前後に配置されるものにおいて、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかを実行する際に、第1可動部及び第2可動部双方の動作制御を一緒に行う場合、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、仮に、第1可動部と第2可動部とが何らかの理由でそれぞれ原点位置から離れた位置まで移動した状態で電源がオン状態とされ、S51の第2初期化処理において第1可動部及び第2可動部双方の非検出時動作制御が一緒に実行される場合において、第1可動部及び第2可動部双方の動作速度(最低速度)が同一になるように制御されると、第2可動部により第1可動部が隠れて原点位置へ移動する状況が見え難くなるが、第1可動部と第2可動部の最低速度が異なるように制御することで、第1可動部と第2可動部とが移動する際にずれていくので、第1可動部及び第2可動部各々の原点復帰動作を確認しやすくなる。
また、第1可動部と、該第1可動部よりも大きい(あるいは長い)第2可動部とを有する場合においても、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、例えば、第2可動部よりも小さい(あるいは短い)ので目立たない第1可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度が、第1可動部よりも大きい(あるいは長い)ので目立つ第2可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度よりも遅くすることで、第1可動部及び第2可動部それぞれの動作を確認しやすくなる。
このように、第1可動部と該第1可動部とは異なる第2可動部とを有する場合において、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御における動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。尚、このように第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御する場合、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度は異なっていてもよいし、同一でもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、可動役物の一例として、原点位置と演出位置との間で回動可能な第1可動役物300と、原点位置と演出位置との間で直線移動可能な第2可動役物400と、回転軸を中心として回転可能な第3可動役物500と、を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら可動役物の動作態様(例えば、移動方向や回動方向)や設置数は上記のものに限らず種々に変更可能である。また、上記以外の動作態様にて動作する可動役物を適用してもよい。
また、前記実施例では、原点対象役物として原点位置と演出位置との間で動作可能な第1可動役物300及び第2可動役物400を適用し、原点非対象役物として第3可動役物500を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、原点位置と演出位置との間で動作しない第3可動役物500のような可動役物においても、第3可動部502の回転位置に原点位置を設定することにより原点対象役物としてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理において、一の可動役物に対し第1動作制御としての非検出時動作制御または検出時動作制御を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも非検出時動作制御のみを実行するようにしてもよい。尚、非検出時動作制御のみを実行可能とする場合、第2初期化処理において原点検出センサにより可動役物が検出されている場合は非検出時動作制御を実行しなくてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度で可動役物が動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御や検出時動作制御において、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御すればよく、例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い動作速度にて可動役物が動作するように制御してもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、常に予め設定された単一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物が動作する、つまり、可動役物が常に一定の速度にて動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、原点位置に復帰する際に、実動作確認用動作制御における最低速度から漸次減速させて最低速度よりも低い速度にて動作するように制御してもよい。つまり、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、実動作確認用動作制御における最低速度よりも低い速度であれば、所定の移動期間において速度が可変するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、それぞれ同一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物の動作を制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御における最高速度が、検出時動作制御における最低速度以下の速度となるように制御するようになっていれば、例えば、非検出時動作制御と検出時動作制御とで異なる動作速度にて可動役物を動作させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、エラーなど特定の異常が発生している場合に可動役物が検出手段にて検出されていないとき、つまり、第2初期化処理におけるステップST109にて原点検出センサが検出状態でない場合、動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物300や第2可動役物400を原点位置方向へ向けて移動させる制御を繰返し行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検出時動作制御における最低速度よりも低い速度、例えば、エラー用に設定され、比較的大きなトルクが得られる低速である特別速度で可動役物が動作するように制御するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理におけるステップST124にて原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、原点検出センサが検出状態になるまで、ST122〜ST127の処理を繰返し行う、つまり、設定されたプロセスデータに基づき、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて可動役物を検出時動作制御させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2初期化処理におけるステップST124にて原点検出センサが検出状態になっていない場合には、その時点から可動役物を実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて原点位置方向へ移動させる非検出時動作制御を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、複数の可動役物として第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500を備え、第2初期化処理においては、非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とする可動役物として、第1可動役物300、第2可動役物400及び第3可動役物500を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2初期化処理において非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とする可動役物とは、第1可動役物300、第2可動役物400、第3可動役物500といった一の可動役物を実行対象とするものに限らず、例えば、一の可動役物が動作可能な複数の可動部を有する(例えば、第2可動役物400は第2可動部401と第2可動部402とを有する)場合、これら各可動部各々を非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とし、各可動部を順次非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU120は、可動役物を往動作及び復動作それぞれにおいて加速及び減速して、低速→高速→低速→停止となるように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体演出時の動作制御や実動作確認用動作制御における動作速度は上記した形態に制御するものに限らず、例えば、低速→高速→低速→高速→低速→停止といったように低速と高速とを複数回繰り返すように制御してもよいし、動作速度が低速→中速→高速の順に変化するように制御してもよい。
また、往動作と復動作とで動作速度の変化態様や最低速度が異なるように制御してもよい。尚、往動作と復動作とで最低速度が異なる場合、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における往動作と復動作とのうち速度が低い方の最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU120は、可動役物を加速及び減速して動作速度を変化させる制御を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一の動作速度にて可動役物が動作するように制御してもよい。このように単一の動作速度にて可動役物が動作するように制御する場合、該単一の動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、該最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を、パチンコ遊技機1の起動時である第2初期化処理において実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、起動時以外のタイミング(例えば、役物エラーや他の各種エラーを含むエラー処理の実行後や、図柄の変動開始時や、可動役物演出の実行後など)にて実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における可動役物の順序データとして、第1可動役物300→第2可動役物400→第3可動役物500の順に非検出時動作制御または検出時動作制御や実動作確認用動作制御が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、順序は任意であり、上記以外の順序で各動作を実行するようにしてもよい。また、複数のうち2以上の可動役物についての非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のうちいずれかを並行して一緒に実行するようにしてもよい。
また、全ての可動役物について非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後に実動作確認用動作制御が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一の可動役物の非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行した後、他の非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、実動作確認用プロセスデータを、実際の演出時の動作と同一の動作内容が記述されたものとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら実動作確認用動作制御としては、実際の演出における動作速度の各動作を全て含むものであれば、完全に同一の動作でなくともよく、例えば、動作の一部が異なる複数の演出動作がある場合には、異なる複数の演出動作を全て組み込んだ確認専用の動作を記述した実動作確認用プロセスデータとしてもよい。
また、前記実施例では、ST113、ST127、S213の動作エラー判定回数を「3」とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら動作エラー判定回数は、「3」以外の回数に適宜に設定してもよく、ST113、ST127、S213各々の動作エラー判定回数を異なる回数としてもよい。
また、前記実施例では、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を第2初期化処理にて実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、非検出時動作制御や検出時動作制御の実行タイミングは任意に設定可能であり、例えば、可動体演出の終了後や、図柄の変動表示が開始されるときや、デモ演出を実行したときなどに実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
[特徴部19TMに対する第2初期化処理の適用]
図8−1〜図8−14に示した第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300に対して、図9−7〜図9−10に示した第2初期化処理を適用することが可能である。具体的には、ST101で特定した可動役物が原点検出を行うことが必要な原点検出対象役物であるか否かを判定するときに(ST102)、第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300は、何れも、原点検出を行うことが必要な原点検出対象役物に該当する。
例えば、第2初期化処理において、原点検出対象役物が、原点位置(初期位置)に位置していない場合(ST104;N)には、動作対象役物を動作させるための制御速度として、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図9−9、図9−10参照)と同じ動作速度で動作対象役物を動作させるための最低制御速度を設定し(ST106)、動作対象役物の駆動モータ、例えば、動作対象役物が第1ロゴパネル19TM410であれば第1モータ19TM513、第2ロゴパネル19TM420であれば第2モータ19TM523、サブ液晶表示器19TM300であればモータ19TM630を、原点位置方向に駆動開始するとともに(ST107)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(ST108)。
一方、原点検出対象役物(第1ロゴパネル19TM410、第2ロゴパネル19TM420、サブ液晶表示器19TM300)が、原点位置(初期位置)に位置している場合(ST104;Y)には、検出時動作プロセスデータをセットし(ST121a)、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントを開始する(ST121b)。本実施例の検出時動作プロセスデータには、動作対象役物を動作させるための制御速度として、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図9−9、図9−10参照)と同じ動作速度で動作対象役物を動作させるための最低制御速度が記述(設定)されている。次いで、セットされた検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作対象役物を動作させる(ST122)。