JP6713701B2 - 脱線防止装置を備えた鉄道台車 - Google Patents
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Description
鉄道の左右の車輪は一本の車軸に固定して取り付けられた一体輪軸(Wheelset)の構成をしていて、自動車のように車軸の中央に差動ギヤを持たない。差動ギヤが備わってないにも関わらず、曲線部を滑らかに走行できるのは、車輪の形状に工夫がしてあるからである。「非特許文献2」の24ページ、図1−26「円弧断面レール上の円弧踏面車輪」に、その特徴を示した図が掲載されている。前記図1−26の趣旨を模式的に図20で示す。図8は車輪とレールを示した。車輪は本特許で重要な役割を持つので、レールに接する部分の機能を詳細に示すため、踏面およびフランジ部分を非比例尺で誇張した図である。また、車輪とレールはフランジの役割を分かり易く説明するために、上下に離して示している。本明細書の図面全体にわたって、立体構造を表すため、X、Y、Zの三次元の座標が示されている。Xは車両の進行方向、Yは車両の横方向、Zは天頂方向である。拡大車輪101は車両の正面から見た車輪の部分形状である。
同様に、車両がZ軸周を時計回り(CW)に回転する曲線を進行する時、Y方向に遠心力が働き、接点B107はレールの頭部120と接する。この場合、車輪の半径104は直線走行の車輪の半径A105より大きく行路は長い。
通常の曲線走行の時、遠心力が働き、拡大車輪101に車輪踏面勾配およびフランジに角があるため、拡大車輪101がレールの頭部120に接する点が移動する現象が発生するため、曲線走行を可能にしている。しかしながら、この特性はXY平面の方向に地震波の強い力が加わると、フランジに傾斜角があるため大きな乗り上がりが発生し易く、脱線を誘発しやすい構造である。
但し、この方式では震源の位置と列車の位置の相対関係によっては防災措置が有効に働かない場合ある。
震源から伝播する地震波の伝播速度は縦波と横波で異なる。即ち、縦波P波(Primary Wave)の伝播速度は5km/秒〜7km/秒、横波S波(Secondary Wave)の伝播速度は3km/秒〜4km/秒であり、両者の伝播時間に差がある。また、伝播媒体である地質によって伝播速度が変わるので、伝播速度は単一に定義できなく、幅のある値を使って検討する。
地震による大きな揺れはS波によって起こされるので、「非特許文献1」によるとP波発生のデータ受信に基づき地震の発生を検出した直後、走行中の列車に緊急停止命令を送信する。大きな揺れを生じさせるS波到来以前に、列車を停止させ脱線を防止する方式である。
気象庁による平成27年から過去5年間の地震のデータに基づくと、震度5以上の地震の震源の深さは浅いもので5kmから深いもので100km近辺に分布しているが、多くの場合10km前後の場合が多い。
一般的に車両の走行地点と震源の間の距離がdkmであると、P波到来とS波到来の時間差は概略値で、d/(7.5)秒である。この時間差が走行中の列車を停車させるための
時間に余裕がある場合は脱線防止に有効でるが、時間差が短い場合は「非特許文献1」による方法は有効に働かない。
2015年3月28日、総理府、中央防災会議、議題(2)、首都直下地震対策特別措置法、資料2−1によると、首都直下地震の発生確率は30年間で70%と予測している。在来線が時速100kmで走行中の車両は停車に約30秒を要する。震源が近くかつ浅い場合、「非特許文献1」の方式でP波警報を受信しても、S波到来までに列車を停車できない場合がある。
首都直下地震による脱線で走行中の列車に災害が発生するのみならず、併設された線路を走行中の列車間と衝突する二次災害の恐れがあり、これらの災害を防止する減災措置を講じなければならない。列車の脱線で大きな災害を発生した例として、2000年3月8日に発生した日比谷線脱事故がある。低速運転中にもかかわらず脱線し、対向車線の車両が衝突し、人身事故と大きな車両の破壊が発生した。1963年11月9日に発生した鶴見事故は貨物線の脱線を一次原因にして、脇を走る横須賀線の上り下りの列車が衝突し、161名の死亡事故が発生した。高密度で走行する大都市の近郊電車の地震による脱線を防止するのみならず、それに繋がる災害も防がなければならない。
「非特許文献5」では地震が車両に与える振動を減衰させるダンパの特性を工夫して、
ダンパが地震の振動をより多く吸収して地震に対する安全率の向上を図った。しかし、車両が受ける振動を小さくする役割を持つが、積極的に脱線防止を図る仕組みは含まれておらず、大きな地震に対する脱線防止の効果は期待できない。
これらの対策が取られ、線路域の保全が図られているという前提で、地震時の車両とレールの振動の形態を想定する。地震が発生すると基盤が保全されている限り、レールの軌間は規定の間隔を維持したまま、線路域が2次元のXY平面で振動する。地震波は基本波に多くの高調波成分が含まれる複雑な波形をしているが、主要なエネルギー成分は基本波であると考えられる。従って、基本波モードで振動の形態を考える。
揺れる地盤上に構築されたレールは形状が保たれたまま地盤の揺れに同期して揺れる。その上を走る車両はこの揺れを受けて揺れる。レールと車両が同期して揺れている場合、車両が脱線に至る確率は低い。しかし、地震で励起された車両は車両の固有な振動モードが存在するので、レールで振らされた車両は車両に固有な振動をし、レールの振動と必ずしも同期せず、その結果として、両者の振動モードの位相の組み合わせによって、車輪のフランジがレールと激しく衝突する現象が発生する。
もし、一体輪軸の曲線走行の特性を脇に置いて、フランジの形状を脱線防止の目的達成のためのみに設計するとしたら、フランジ角を鋭角にすると脱線の可能性を極めて小さくできる。そこで、一体輪軸にもかかわらず、曲線走行を可能にして、かつ、脱線の可能性をできる限り小さくする二つの矛盾する機能を同時に満たす方法を考察する。一体輪軸の車輪は鍛造で製造され、車輪の規格があるので、現在の形状を変更できない。しかし、耐震脱線防止の機能を実現するため、台車全体に車輪のフランジ角が鋭角または、XZ面に平行な垂直なフランジに相当する新たな装置を取り付け、曲線走行が可能であって、かつ地震に対して脱線を防止する機能を持つことは可能である。
現在使われている車輪とレールに変更を加えないで、新たに台車に装置を取り付ける。但し、この装置を台車に取り付けた場合、台車の走行に支障が生じてはならない。そこで、
台車の近傍にこの装置を取り付けても支障を来さない空間を見出す。車輪がレール上を通過する領域の付近がこの目的に利用できる候補の空間になる。即ち、車輪とレールの位置関係を観察して、車輪のフランジがレール上を通過する空間の領域に車両の走行に支障になる物体がないことは無論であるが、その近傍の空間にもレールに付随する構築物と接触することが一切ない間隙が存在することに注目した。
図10は車両が通常の直線走行している状態の時の車輪とレールの一般的な位置関係を示す。車輪1はレール2の上に乗っている。レールには継目板、ポイント、踏切板、脱線防止ガードレールなどが取り付けられているが、車輪のフランジがレール2上を回転し通行する部分のみならず、その空間より少し拡張した空間にもフランジの走行を妨げる物がない三次元の領域が存在する。この部分を自由空間142と定義した。領域は正常に通行しているフランジの内側に接して、−Z方向に実際のフランジの先端より少し下方に伸びた線分と、この線分と直交するフランジの先端よりーZ方向に少し下方にY方向に引いた線分で、レールの頭部に接する線分で囲まれた部分を自由空間142と定義した。
「特許資料1」、「特許資料2」では棒状のラッチをXZ面内で回転可能な構造とするため、ラッチの回転中心を台車に取り付けた。ラッチの先端は図10の自由空間142に達して、Z軸方向の下端はレールの継目板と接触する可能性のある部分の下方に伸ばす。ラッチの設置部位は、台車の下部であって、車輪と車輪の間や、車輪の前後の車輪と接触ない分部である。ラッチの台車の取り付け場所は車両の動揺に影響されない位置を選ぶ。
ラッチはフランジの先端よりさらに下方に伸びているので、走行中のレールの付属物である継目板に接触したときは、ラッチは台車の取り付け点を中心にして、XZ面内で回転して、ラッチが走行の支障にならないようにした。
「特許資料3」では継目板とアクチュエータが接触すると、短時間とはいえ大きな力学的な衝撃を受けるので、この衝撃を避ける方法を考案した。
図11は「特許資料3」の発明の特徴を示した図である。アクチュエータ・ホルダー150は台車に取り付けられている。アクチュエータ・ホルダー150の内側にはアクチュエータ151が収納されている。図11(a)は通常の走行状態の時のレールの頭部120とアクチュエータ151の位置関係を示した。通常に通行している時アクチュエータ151はレールの頭部120の上部よりさらに上部に収納されていて、台車の走行の走行に関わることはない。
図11(b)はP波警報受信後の停車命令を受信したときの状態である。アクチュエータ151はレールの頭部151の側面に下降して、垂直なフランジ角、長いフランジ長を実現して、脱線の防止の機能を果たす。地震の振動が継続している間台車は揺れる。台車の動揺より生ずるZ軸成分の揺れが、フランジをレール頭部に乗り上げる現象を生じさせる。
台車がZ軸成分で動揺したとき、その揺れをセンサーで検出して、台車が揺れるにも関わらず、その揺れを相殺するようアクチュエータの動作を制御して、アクチュエータ151が常にレールの頭部151に留まるようにして脱線防止を図る。
地震による災害防止の要は地震の発生を即刻検出する初期活動が第一歩である。「非特許文献1」では広域に分布させた地震計で地震の発生を検出して、S波が列車を襲う以前に列車を停止させる措置を講じている。しかし、首都直下地震のように、P波とS波が列車に到来する時刻差が短い場合、停車指令を作動させたにも関わらず、走行中S波が到来してXY面に大きな外力が働き、災害発生の引き金になることがある。
このように、S波が襲った場合でも、脱線が防止できるように、「特許資料1」、「特許資料2」、「特許資料3」は車輪のフランジが通過する自由空間142に注目して、P波襲来後、停車に至るまで、台車に取り付けたアクチュエータを作動させ脱線防止措置を考案した。
「特許資料1」および「特許資料2」ではアクチュエータとレール付属物が衝突する。衝突によりアクチュエータに一時的に撃力が加わるが、これによるアクチュエータの破壊を避けるため、アクチュエータをXZ面内で回転させ、破損しない構造が組み込まれている。しかし、衝突はアクチュエータに大きな応力が働くので、材料の選択が厳しく、できれば衝突を避ける別な方法を考案することが望ましい。
「特許資料3」の方法は脱線防止に有効に働くが、台車に新たな装置を搭載することと、地震の振動を相殺するため、精密な制御機構が必要になる。本発明は「特許資料1」、「特許資料2」、「特許資料3」の脱線防止機能を別な方式によって達成する。
車輪1は直線走行をする時、通常の位置である接点A4でレール2と接している。車両が曲線部を走行する時、接点AはY方向の正または負の方向に移動する。移動の詳細な様子は図8の接点A4、接点B107、接点C108で示す。軌間に存在するレールの付属物6は脱線防止用ガードレール、踏切用ガードレール、ポイントの接続点などの構築物である。接点A4の線分5は接点A4のZ方向の延長線である。間隔AA7は接点Aの線分5とレール付属物6のZ方向の線分との間隔である。接点Aの線分5は車輪の内部に位置するので、自由空間の定義のためには車輪1の内側の境界面を自由空間の境界の一つとして定義する。間隔BB8は車輪1の内側とレール付属物6の間YZ方向の自由空間を示す。但し、レール付属物6のXY平面の境界面よりZ方向の上の部分では自由空間は間隔BB8より広い空間が自由空間として定義できる。
レール付属物6のXY平面の境界面よりZ方向に下方な限界線は間隔CC9、間隔DD10、間隔EE11で示される。間隔CC9はフランジの下方の先端の位置を示す。間隔DD10はレール2の頭部の下限を示す。間隔EE11はレールの継目板等の上部の先端を示す。レール面3より下限に存在する構築物は踏切部分の溝、継目板、ポイント構造物、脱線防止ガードレール等である。
本発明で使用する自由空間はレール付属物6の下部にあっては車輪1の内側であって、レール2の頭部の内側の側面と、車輪1の内側の側面から間隔BB8分離れたXZ面内の平面と、レール面3から間隔CC9と間隔EE11の間のXY面内の平面に囲まれた三次元空間をいう。レール付属物6のXY平面より上部の間隔BB8はレール付属物6の下部の時より広い範囲で定義できる。上記範囲の自由空間を活用して、脱線防止の機能を持たせる。
通常の走行の場合、車輪1はレール2の上部の右端の接点A4でレール2と接するが、横圧ベクトル26が働き、フランジ面が移動する現象を図で説明を分かり易くするため、輪重ベクトル25と横力ベクトル26の原点を接点A4よりやや下方のフランジ面にある点F27と想定して設定した。
通常の直線走行時、車輪1の踏面がレール2の頭部の上面に密着している時、輪重は総てレール2の頭部の上面に負荷する。曲線部通過時に横圧が発生する。横圧の成分がフランジ面に沿って車輪1を+Z方向に移動させる力が働く。この時の力の幾何学的な構成を以下の前提に従って示す。
車輪1に係る輪重ベクトル25並びに横圧ベクトル26の成分を示すため、点F27から点M33までの各点をアルファベットのFからMの記号で表し、このアルファベットを用いて各点の所定の角度を∠の記号で表す。
∠LMJはフランジ角θで通常62度前後、点F27から点G28に向かって輪重ベクトル25PがーZ方向に働く。∠GFJはフランジ角θに等しく、フランジ面に沿った輪重ベクトル25の成分はPsinθである。曲線通過時などXY平面方向に力が働くと、横圧ベクトル26Qが発生する。∠FHKはフランジ角θであるから、横圧ベクトル26Qのフランジ面に沿った成分はQcosθである。
Qcosθ=レールの側面を競り上がるとする力
μ(Qsinθ+Pcosθ)=車輪が移動する時、車輪がレールに接する面に垂直には働く輪重の余弦成分と横圧の正弦成分の合成力によって発生する摩擦力、μは摩擦係数
車輪1のフランジ面で、この面を滑り降りる力と競り上がる力が釣り合って、以下の動
動方程式が成り立つ。
「数1」より、PとQの比で表される脱線係数が定義される。
「数2」は通常の走行状態で曲線部、ポイント、継目部などで発生する横圧によって、脱線を引き起こす程度を定量的に理解するための指標を示す。線路域の全域を設計する際、この領域で発生する横圧に上限値を課すための基準になる。「数2」は競り上がり脱線の場合の公式であるが、フランジ角θ、摩擦係数μが同じであっても、式の内容が異なる滑り上がり脱線の公式もある。滑り上がり脱線の場合、大きな横圧でも脱線は起きにくいので、より厳しい競り上がり脱線の「数2」の値を基にして、脱線の発生可能性を評価すれば危険の割合を定量的に知ることができる。
地震時に発生する横圧による車両の運動は「数2」だけでは表すことができない。従って、初期状態から大きな横圧によって発生する運動を通常の「数2」から現象が通常の限界を超えた事象として考察すべきである。
通常の走行時に地震に遭遇すると、曲線走行時に発生する横圧より遥かに大きな横圧が発生するので、フランジ面がレール2の上部の側面に競り上がり、車輪1とレール2の接点がフランジ面の下部に移動する現象が発生する。大きな地震に襲われるとフランジ160の先端部がレール2の上部の表面に競り上がったとすると、車輪1がレール2の上部に乗り上がる可能性のある瞬間が発生する。この時、さらに地震に由来する大きな横圧ベクトル26が加わると、フランジ160の先端がレールの上部を移動して、車輪1が線路域から脱輪することがあり得る。
しかし、車輪1の高速走行時の回転周期と地震の基本波の周期を比較したとき、車輪1の回転周期の方が遥かに高い。従って、地震波の基本周波数の波長の1周期の期間に脱線防止板20のように連続して脱線防止を果たすことは必ずしも必要ではなく、地震波一波長の間で有意義な回数だけ、脱線防止の役割を果たせば、脱線防止の機能を果たせる。
車輪1の直径は0.86m、円周は2.7018mである。時速20km/hの時に車輪1の一回転要する時間は0.49秒である。地震波が3Hzの時の1波長の時間は0.3秒である。脱線防止棒が1本の場合で、地震波が3Hzの場合は地震波1波長の間に脱線防止の機能を果たすのは1箇所である。1箇所では少ないので、3Hzの地震波で車輪1が揺れる時、地震波1周期0.3秒の期間に8本の脱線防止棒を備えたとすると、地震波の最大振幅点の近傍で複数の脱線防止棒が脱線防止の機能を果たすことができる。
地震波が3Hzより低い場合は8本であっても、脱線防止棒が脱線防止の機能を果たすのは8箇所以上となり、また、車両の速度が20km/hより速い場合も同様に8箇所以上の点で脱線防止の機能を果たす。1車輪当たりの脱線防止棒の装填個数は危険防止を講ずる範囲を地震波の周波数と車両の速度を勘案して決められる。
図7(a)、(b)は脱線防止棒をXZ面から見た図で、図(c)はYZ面見た脱線防止棒と車輪の関係を示した。
2 レール
3 レール面
4 接点A
5 接点Aの線分
6 レール付属物
7 間隔AA
8 間隔BB
9 間隔CC
10 間隔DD
11 間隔EE
20 脱線防止板
21 脱線防止板先端部
25 輪重ベクトル
26 横圧ベクトル
27 点F
28 点G
29 点H
30 点J
31 点K
32 点L
33 点M
34 脱線防止板の幅
35 ひずみ
36 応力
37 樹脂材A
38 樹脂材B
39 鉄材
40 脱線防止板外周部
41 脱線防止板内周部
45 脱線防止棒A
46 脱線防止棒B
47 脱線防止棒C
49 フランジ先端
50 脱線防止棒可動部A
51 脱線防止棒可動部B
101 拡大車輪
102 車軸の中心
103 車輪の半径A
104 車輪の半径B
105 車輪の半径C
106 接点A
107 接点B
108 接点C
109 車輪の移動
120 レールの頭部
130 時間軸
131 地震発生
132 P波警報受信
133 停車
134 S波到来
135 脱線危険期間
140 車輪
141 レール
142 自由空間
150 アクチュエータ・ホルダー
151 アクチュエータ
160 フランジ
161 リム部
162 板部
163 車軸
164 ボス部
Claims (2)
- 鉄道車両の台車において、前記台車の一部をなす直線部および曲線部を滑らかに走行できるためのフランジ角を有する車輪がレール上を走行するとき、レールの付属する物体と抵触することのない空間の内部を領域とする車輪の裏側に取り付ける棒であって、
前記棒は車輪の裏側に取り付け、
前記棒は車輪の円の中心から円周に向かって放射状に引く線分上に存在し、
前記棒は前記円の中心部分を起点とし、前記起点から放射状に向かった先端を終点とし延伸しており、
前記終点の位置は、車輪がレール上での静止状態にある時、前記車輪の最下点より下方に存在し、
前記棒の長さは、前記車輪の半径より長い長さを有し、
前記棒の車軸方向の成分を持つ厚さは、前記台車の進行方向を軸として前記車軸と直角に交わる横断面で、軌間に存在する構築物と抵触しない範囲で厚さを有し、
前記棒は、前記フランジの先端を超える部分のレールに接する面がほぼ垂直な面を持つ三次元の形状を持つ棒を単数、または複数備えることを特徴する脱線防止装置を備えた鉄道台車。
- 前記棒は、当該棒の起点と終点の間が分割され、
前記起点を含む部分が車輪に固定され、
前記終点を含む部分の一部は可動であり、
前期終点を含む部分の先端が車輪のフランジの先端より車輪の中心に向かった中側に位置できる機能と、終点部が前記棒の先端と同じ位置に移動できる機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載の脱線防止装置を備えた鉄道台車。
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