以下に、本発明の撮像装置を、静止画や動画を撮影可能なデジタル一眼レフカメラに適用した実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
<装置構成>図1及び図2を参照して、本実施形態のデジタルカメラの構成及び機能について説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態のデジタルカメラ(以下、カメラ)100の外観構成について説明する。
図1(a)はカメラ100の前面斜視図であり、図1(b)はカメラ100の背面斜視図である。
図1において、表示部101は、画像や各種情報を表示する、カメラ本体の背面に設けられたLCDなどの表示デバイスである。また、表示部101は、静止画撮影後の静止画再生や記録中の動画表示、及びライブビュー表示機能を併せ持っている。ファインダー外表示部243は、カメラ本体の上面に設けられたLCDなどの表示デバイスであり、シャッター速度や絞りなどのカメラの様々な設定値を表示する。
シャッターボタン102は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ103は各種モードを切り替えるためのダイヤル式の操作部である。端子カバー104は外部機器とカメラ100をUSBなどのケーブルを介して接続するためのコネクタ(不図示)を保護するカバー部材である。メイン電子ダイヤル105は図2で後述する操作部270に含まれる回転操作部材であり、このメイン電子ダイヤル105を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値が変更できる。
電源スイッチ106はカメラ100の電源のオン/オフを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル107も図2で後述する操作部270に含まれる回転操作部材であり、選択枠の移動や画像送りなどを行える。十字キー108も図2で後述する操作部270に含まれる移動指示部材であり、上、下、左、右のいずれかを押し込むことで、十字キー108の押した部分に応じた操作が可能である。
SETボタン109も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。ライブビューボタン110も図2で述する操作部270に含まれる押しボタンであり、静止画撮影モードではライブビュー表示のオン/オフを切り替え、動画記録モードでは動画撮影(記録)の開始や停止の指示に使用される。拡大ボタン111も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、ライブビュー中における拡大表示のオン/オフ、及び拡大表示中の拡大率の変更を行うための操作部材である。また、拡大ボタン111は、再生モードでは再生画像を拡大し、拡大率を増加させるための操作部材である。縮小ボタン114も後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、拡大された再生画像の拡大率を減少させ、画面を縮小表示するための操作部材である。
再生ボタン112も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、撮影モードと再生モードとを切り替える操作部材である。撮影モード中に再生ボタン112を押下することで再生モードに移行し、図2で後述する記録媒体250に記録された画像のうち最新の画像を表示部101に表示することができる。
クイックリターンミラー212は、図2で後述するシステム制御部201の指示に応じて、不図示のアクチュエータによってアップ位置(露光位置)又はダウン位置(ライブビュー位置)に駆動される。通信端子210はカメラ100がレンズユニット200(図2)と通信を行うための電気的接点である。覗き込み型の接眼ファインダー216はフォーカシングスクリーン213(図2)を観察することで、レンズユニット200を通じて取り込んだ被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための光学部材である。蓋113はカメラ100に対して記録媒体250を着脱するためにスロットを開閉する部材である。グリップ部115は、ユーザがカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状を有する。
次に、図2を参照して、本実施形態のカメラ100及びレンズユニット200の内部構成について説明する。
図2において、レンズユニット200は撮影レンズ207を搭載し、カメラ100に対して着脱可能である。撮影レンズ207は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して1枚のレンズのみで示している。通信端子206はレンズユニット200がカメラ100と通信を行うための電気的接点である。通信端子210はカメラ100がレンズユニット200と通信を行うための電気的接点である。レンズユニット200は、通信端子206を介してシステム制御部201と通信し、内蔵されたレンズ制御部204が絞り駆動回路202を制御して絞り205を駆動し、AF駆動回路203を制御して撮影レンズ207の位置を変位させることで焦点を合わせる。
AEセンサ217は、レンズユニット200を通じて取り込んだ被写体の輝度を測光する。焦点検出部211は、システム制御部201にデフォーカス量を出力し、システム制御部201はデフォーカス量に応じてレンズユニット200と通信し、位相差検出方式でのオートフォーカス処理に関する制御を行う。
クイックリターンミラー(以下、ミラー)212は、露光、ライブビュー表示、動画撮影の際にシステム制御部201から指示を受けて、不図示のアクチュエータによってアップ位置又はダウン位置に駆動される。クイックリターンミラー212は、撮影レンズ207から入射した光束を接眼ファインダー216又は撮像部222へ切り替える。クイックリターンミラー212は通常、光束を反射して接眼ファインダー216へ光束を導くようダウン位置に付勢されているが、露光やライブビュー表示には、撮像部222へ光束を導くように上方に跳ね上がり光束中から待避する(アップ位置)。また、クイックリターンミラー212は、光束の一部が透過して焦点検出部211に入射するように、中央部がハーフミラーとなっている。撮影者は、ペンタプリズム214と接眼ファインダー216を介して、フォーカシングスクリーン213を観察することで、レンズユニット200を通じて取り込んだ被写体の光学像の焦点や構図の確認が可能となる。
フォーカルプレーンシャッター221は、システム制御部201の指示に応じて撮像部222での露光時間を自由に制御できる。撮像部222は被写体の光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS等の撮像素子で構成されたイメージセンサである。A/D変換器223は、撮像部222から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して画像データを生成する。
画像処理部224は、A/D変換器223からのデータ、又は、メモリ制御部215からのデータに対して所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部224では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、システム制御部201は演算結果に基づいて露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部224では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器223から出力されるデジタルデータは、画像処理部224及びメモリ制御部215を介して、あるいは、メモリ制御部215を介してメモリ232に直接書き込まれる。メモリ232は、撮像部222及びA/D変換器223から得られる画像データや、表示部101に表示するための画像表示用のデータを格納する。メモリ232は、所定枚数の静止画や所定時間の動画及び音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ232は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
D/A変換器219は、メモリ232に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部101に供給する。メモリ232に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器219を介して表示部101により表示される。表示部101は、D/A変換器219からのアナログ信号に応じた表示を行う。このように、メモリ232に格納されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、表示部101に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダー(EVF)機能を実現し、ライブビュー表示(スルー画像表示)を行える。
ファインダー内表示部241には、ファインダー内表示部駆動回路242を介して、現在AF処理が行われている測距点を示すAF枠(追尾枠)や後述する追尾可能領域枠、カメラの設定状態を表すアイコンなどが表示される。
ファインダー外表示部243には、ファインダー外表示部駆動回路244を介して、シャッター速度や絞りなどのカメラの様々な設定値が表示される。
不揮発性メモリ256は、電気的に消去・記録可能な、例えばEEPROMなどである。不揮発性メモリ256には、システム制御部201の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
システム制御部201は、カメラ100全体を統括して制御するCPUやMPUを備え、不揮発性メモリ256に格納されたプログラムを実行することで、後述するフローチャートの各処理を実現する。システムメモリ252はRAMなどであり、システム制御部201の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ256から読み出したプログラムなどを展開するワークメモリとしても使用される。また、システム制御部201は、メモリ232、D/A変換器219、表示部101などを制御することにより表示制御も行う。システムタイマー253は各種制御に用いる時間や、内蔵時計の時間を計測する計時部である。
モード切替スイッチ103、第1シャッタースイッチ261、第2シャッタースイッチ262、操作部270はシステム制御部201に各種の指示を入力するための操作手段である。モード切替スイッチ103は、システム制御部201の動作モードを、静止画撮影モード、動画記録モード、再生モードのいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとしては、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモードなどがある。
モード切替スイッチ103で、静止画撮影モードに含まれる複数のモードのいずれかに直接切り替える。あるいは、モード切替スイッチ103で静止画撮影モードに一旦切り替えた後に、静止画撮影モードに含まれる複数のモードのいずれかに他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画記録モードや再生モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
第1シャッタースイッチ261は、カメラ100に設けられたシャッターボタン102の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部201は、第1シャッタースイッチ信号SW1を受けて画像処理部224によって、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理などを開始する。
第2シャッタースイッチ262は、シャッターボタン102の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部201は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部222からの信号読み出しから記録媒体250に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理を開始する。
操作部270は、表示部101に表示される種々の機能アイコンを選択操作することにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えばメニューボタン、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタンなどがある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部101に表示される。ユーザは、表示部101に表示されたメニュー画面と、十字キー108やSETボタン109を用いて直感的に各種設定を行うことができる。
操作部270は、ユーザからの操作を受け付けて、システム制御部201へ通知する入力部であり、少なくとも以下の操作部材が含まれる。シャッターボタン102、メイン電子ダイヤル105、電源スイッチ106、サブ電子ダイヤル107、十字キー108、SETボタン109、ライブビューボタン110、拡大ボタン111、再生ボタン112、縮小ボタン114。
電源制御部280は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部280は、その検出結果及びシステム制御部201の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体250を含む各部へ供給する。
電源部230は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Liイオン電池等の二次電池、ACアダプタ等からなる。記録媒体I/F218は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体250とのインターフェースである。記録媒体250は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
通信部254は、無線又は有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部254は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部254は撮像部222で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体250に記録された画像ファイルを送信可能であり、また、外部機器から画像ファイルやその他の各種情報を受信することができる。
姿勢検知部255は重力方向に対するカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部255で検知された姿勢に基づいて、撮像部222で撮影された画像が、カメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部201は、姿勢検知部255で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部222で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録することが可能である。姿勢検知部255としては、加速度センサやジャイロセンサなどを用いることができる。
なお、操作部270の1つとして、表示部101に対する接触を検知可能なタッチパネル101bを有する。タッチパネル101bと表示部101とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル101bを光の透過率が表示部101の表示を妨げないように構成し、表示部101の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル101bにおける入力座標と、表示部101上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザが表示部101上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。システム制御部201はタッチパネル101bへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル101bにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル101bにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch−Down)と称する)。
・タッチパネル101bを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch−On)と称する)。
・タッチパネル101bを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch−Move)と称する)。
・タッチパネル101bへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch−Up)と称する)。
・タッチパネル101bに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch−Off)と称する)。
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
これらの操作・状態や、タッチパネル上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部201に通知され、システム制御部201は通知された情報に基づいてタッチパネル上にどのような操作が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検出された場合はドラッグが行われたと判定するものとする。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式ものがあるが、いずれの方式でもよい。
本実施形態のカメラ100は、AF方式としてコントラスト方式や位相差方式などを用いたファインダー表示モードと、像面位相差方式を用いてライブビュー表示中にAFを実行できるライブビュー表示モードによる撮影が可能である。さらに、本実施形態のカメラ100は、ライブビュー表示モードにおいて、ライブ1点AFや顔・モノ+追尾優先AFを用いた撮影が可能である。ライブ1点AFとは撮影画面内のAF枠が表示されている任意の1点(画面中央など任意に指定された位置)に対してAF処理を行うことである。顔・モノ+追尾優先AFとは顔・モノ(人物の顔以外の被写体)検出機能によって検出された撮影画面内の顔やモノを追尾対象としてAF処理を行うことである。
ここで、本実施形態の顔・モノ検出機能について説明する。システム制御部201は顔・モノ検出対象の画像データを画像処理部224に送る。画像処理部224は、システム制御部201の指示に応じて、画像データに水平方向バンドパスフィルタを作用させる。また、画像処理部224は、処理された画像データに垂直方向バンドパスフィルタを作用させる。これら水平及び垂直方向のバンドパスフィルタにより、画像データよりエッジ成分が検出される。その後、システム制御部201は、検出されたエッジ成分に関してパターンマッチングを行い、顔検出の場合は目及び鼻、口、耳の候補群を抽出し、モノ検出の場合は指定したモノの候補群を抽出する。そして、システム制御部201は、抽出された候補群の中から、予め設定された条件(例えば2つの目の距離や傾き、モノの色等)を満たすものを、有力候補として絞り込む。そして、システム制御部201は、絞り込まれた候補群とそれに対応する他の情報(例えば目が候補の場合は、目以外の顔を形成する他のパーツ(鼻、口、耳)を対応付け、また、予め設定した条件フィルタを通すことで、顔やモノを抽出する。システム制御部201は、顔やモノの検出結果に応じて顔情報やモノ情報を出力し、処理を終了する。このとき、顔の数などの特徴情報をシステムメモリ252に記憶する。また、ユーザは操作部270を操作することで任意の顔やモノにAF枠(追尾枠)を指定することができる。また、ユーザはライブビュー表示されている表示部101をタッチすることでも任意の顔やモノにAF枠(追尾枠)を指定することができる。
以上のように、ライブビュー表示あるいは再生表示される画像データを画像解析して、画像データの特徴量を抽出して顔やモノの特徴情報を抽出することが可能である。本実施形態では被写体情報として顔やモノの情報を例に挙げたが、被写体情報には他にも赤目判定や目の検出、目つむり検出、笑顔検出等の様々な情報がある。
なお、顔+追尾優先AFと同時に顔・モノAE、顔・モノFE、顔・モノWBを行うことができる。顔・モノAEとは検出された顔やモノの明るさに合わせて、画面全体の露出を最適化することである。顔・モノFEとは検出された顔やモノを中心にフラッシュの調光をすることである。顔・モノWBとは、検出された顔やモノの色に合わせて画面全体のWBを最適化することである。
本実施形態では、ライブビュー表示モードにおけるライブ1点AFや顔+追尾優先AFについて説明したが、これらのAF制御は、コントラスト方式と像面位相差方式のいずれにおいても実現可能である。
なお、顔・モノ+追尾優先AFにおいて追尾枠を指定可能な領域(追尾可能領域)は、ライブビュー表示された撮影画面全体ではなく、画面の周辺を除く一部の領域に制限される場合がある。この場合、画面の端部に追尾枠を指定したい顔やモノが位置する場合には、ユーザは指定したい顔やモノに追尾枠を合わせるために、顔やモノが追尾可能領域に収まるような構図にカメラをフレーミングする必要がある。
このように追尾可能領域が画面全体よりも小さい範囲に制限されている場合、ユーザは画面内の追尾可能領域を把握していないと、どの範囲に被写体が収まるようにフレーミングを行えばよいのかわからない。また、AF可能領域が常に画像に重畳表示されていると画像が見えづらくなることもある(例えば、カメラをフレーミングする必要がない場面や、被写体が画面端部に移動しまうことがない状況)。
そこで、本実施形態では、後述する顔・モノ+追尾優先AFにおいてライブビュー表示中の画像から顔・モノが検出されている場合には追尾可能領域枠を表示し、検出されていない場合は非表示とする。さらに、顔・モノ+追尾優先AFにおいてライブビュー表示中の画像に重畳表示される追尾可能領域枠の表示形態を追尾対象である顔やモノの検出状況に応じて変更する。このように制御することで、画像の見えづらさを最小限に抑えながら、被写体の追尾可能領域を容易に把握できるようにしている。
<撮影処理>次に、図3を参照して、本実施形態によるライブビュー表示中の撮影処理について説明する。
図3は、ライブビュー表示中に顔・モノ+追尾優先AFまたはライブ1点AFが選択されて撮影処理を行うまでの動作手順を示している。
なお、図3のフローチャートの処理は、ユーザによりライブビューボタン110がオンされてライブビュー表示モードが起動されると開始される。また、本フローチャートの処理は、不揮発性メモリ256に記録されたプログラムをシステムメモリ252に展開してシステム制御部201が実行することにより実現される。後述する図4および図5でも同様である。
S301では、システム制御部201は、表示部101に図6(a)に示すようなライブビュー表示画面600Aを表示する。
S302では、システム制御部201は、ユーザが操作部270を介してAF方式を変更するための画面を表示する操作を行ったか否かを判定し、操作が行われた場合はS303に進み、行われない場合はS307に進む。
S303では、システム制御部201は、表示部101に図6(b)に示すようなAF方式変更画面600Bを表示する。図6(b)のAF方式変更画面600Bには、図6(a)のライブビュー表示画面600AにAF方式に関する複数の設定項目601bや、設定項目601bのいずれかに対応する変更項目602bが表示される。
S304では、システム制御部201は、ユーザが操作部270を介して現在のAF方式を変更する操作を行ったか否かを判定し、操作が行われた場合はS305に進み、行われない場合はS306に進む。なお、現在のAF方式は、直前の設定がシステムメモリ252に保持され、電源オフ時に不揮発性メモリ256に記憶される。
S305では、システム制御部201は、S304で変更されたAF方式をシステムメモリ252に記憶する。
S306では、システム制御部201は、ユーザが操作部270を介してAF方式変更画面を閉じる操作を行ったか否かを判定し、操作が行われた場合はS307に進んで表示部101の表示が図6(a)のライブビュー表示画面600Aに戻り、操作が行われない場合はS304に進む。
S307では、システム制御部201は、システムメモリ252に保持されているAF方式が顔・モノ+追尾優先AFか否かを判定し、顔・モノ+追尾優先AF方式の場合はS308に進み、顔・モノ+追尾優先AF方式でない場合はS309に進む。
S308では、システム制御部201は、図6(a)のライブビュー表示画面600Aに被写体を追尾する追尾枠を識別可能に表示し、フォーカスを合わせて撮影処理が完了するまで顔・モノ+追尾優先AF処理を実施する。顔・モノ+追尾優先AF処理の詳細については図4で後述する。
S309では、システム制御部201は、図6(a)のライブビュー表示画面600Aにおいて任意に指定された1点にAF枠を識別可能に表示し、AF枠が表示された被写体に対するAF処理および撮影処理が完了するまでライブ1点AF処理を実施する。ライブ1点AF処理の詳細については図5で後述する。
S310では、システム制御部201は、ユーザが操作部270を介してライブビュー表示モードを終了する操作を行ったか否かを判定し、操作が行われた場合は撮影処理を終了し、操作が行われない場合はS301に戻る。
<顔・モノ+追尾優先AF処理による撮影動作>次に、図4を参照して、図3のS308における顔・モノ+追尾優先AF処理の動作手順について説明する。
図4において、S401〜S415は顔・モノ検出機能による顔検出結果に基づくAF処理を示しており、S431〜S444は顔・モノ検出機能によるモノ検出結果に基づくAF処理を示している。また、S461〜S468は追尾対象にフォーカスを合わせて撮影動作を行う処理を示している。
まず、顔検出結果に基づくAF処理を説明する。
S401では、システム制御部201は、画像データの特徴量を抽出して顔検出処理を行い、顔が検出されたか否かを判定し、顔が検出された場合はS402に進み、検出されなかった場合はS431に進む。
S402では、システム制御部201は、顔を検出した位置が追尾可能な領域内か否かを判定し、追尾可能な領域内の場合はS403に進み、追尾可能な領域外の場合はS401に戻る。なお、追尾可能な領域内であるか否かの判定は、顔が所定の領域内に完全に入っていることを条件としてもよいし、一部だけ顔が入っていることを条件としてもよい。また、本実施形態では、顔を検出した位置が追尾可能領域内かを判定しているが、S401の顔検出結果の有無に基づいてS403に進むようにしてもよい。
S403では、システム制御部201は、S401で検出した顔の中から追尾する主顔を決定する。図6(c)は、ライブビュー表示画面600Cに表示される追尾可能な領域を示す追尾可能領域枠601cと、追尾している顔を囲む追尾枠602cを示している。
S404、S405では、システム制御部201は、図6(c)のようにライブビュー表示画面600Cに追尾可能領域枠601cと追尾枠602cを表示する。
S406では、システム制御部201は、顔を検出した位置が追尾可能領域の境界近傍か否かを判定し、境界近傍である場合はS407に進み、境界よりも中央側の場合はS409に進む。
S407、S408では、システム制御部201は、図6(c)のライブビュー表示画面600Cに表示された追尾可能領域枠601cおよび追尾枠602cの表示形態を図6(d)のように変更する。図6(d)では、ライブビュー表示画面600Dにおいて追尾可能領域枠601dと追尾枠602dの表示形態が変更された状態を示している。
図6(c)のように、追尾枠602cが追尾可能領域枠601d内の中央側に位置する場合には追尾可能領域枠601dの矩形の四隅だけを部分的に表示する表示形態とすることで自然画の見えづらさを最小限に抑えている。一方、図6(d)のように、追尾枠602dが追尾可能領域内の境界近傍に位置する場合には追尾可能領域枠601dの矩形全体を表示する表示形態とすることで、ユーザは追尾可能領域の境界を正確に知ることができるようになる。
なお、図6(d)のライブビュー表示画面600Dにおける追尾可能領域枠601dと追尾枠602dは、顔とモノのいずれの被写体であっても同様の形態変化を示す。また、表示形態は、色の変化であってもよいし、形状の変化であっても良いし、色や形状両方の変化であってもよい。このように追尾可能領域枠601c、601dおよび追尾枠602c、602dのように表示形態を変更するのは、追尾可能領域近傍であることをユーザに明示するためである。また、S407とS408では追尾可能領域枠601cと追尾枠602dの両方の形状を変化させているが、いずれか一方の形状を変化させてもよい。
S409では、システム制御部201は、追尾対象が所定時間移動していないか、つまり追尾対象の位置が所定時間変化していないか否かを判定し、変化していない場合はS415に進み、変化した場合はS410に進む。
S410では、システム制御部201は、追尾対象が追尾可能領域内で検出不能となったか否かを判定し、検出不能となった場合はS411に進み、検出可能な場合はS413に進む。なお、本処理では追尾対象が追尾可能領域内で検出可能であるか否かの判定を行っているが、追尾対象が検出できたか否かを判定してもよい。
S411では、システム制御部201は、追尾可能領域内に追尾対象とは異なる顔を検出したか否かを判定し、検出した場合はS414に進み、検出しない場合はS412に進む。なお、本処理では追尾可能領域内において追尾対象とは異なる顔を検出したか否かを判定しているが、単に追尾対象とは異なる顔を検出したか否かを判定してもよい。
S412では、システム制御部201は、ライブビュー表示画面に所定時間、図6(c)または図6(d)のように追尾可能領域枠601c、601dを表示する。
S413では、システム制御部201は、ユーザが操作部270を介して別の顔を追尾対象に変更する操作をしたか否かを判定し、操作が行われた場合はS411に進み、操作が行われない場合はS431に進む。
S414では、システム制御部201は、追尾する主顔をS413で指定された別の顔に変更する。
S415では、システム制御部201は、ライブビュー表示画面に表示している追尾可能領域枠601c、601dを非表示とする。これは、例えば三脚にカメラを固定し、被写体が動かない状況で撮影を行う場合には、追尾可能領域枠を表示する必要性がないからである。
次に、モノ検出結果に基づくAF処理を説明する。
S431〜S444では、上記S401〜S410およびS412〜S415と同様の処理をモノに対して行う。
次に、追尾対象にフォーカスを合わせて撮影動作を行う処理を説明する。
S461では、システム制御部201は、ユーザによりシャッターボタン102が操作されて第1シャッタースイッチ261がオンであるか否かを判定し、オンの場合はS462に進み、オフの場合は本フローチャートを終了する。
S462では、システム制御部201は、システムメモリ252に保持されているAF動作の設定がサーボAFか否かを判定し、サーボAFの場合はS463に進み、サーボAFではない場合はS465に進む。
S463では、システム制御部201は、ライブビュー表示画面に表示している追尾枠を追尾対象に合わせて移動させる。
S464では、システム制御部201は、追尾枠の表示位置でAF動作を開始する。
S465では、システム制御部201は、第1シャッタースイッチ261がオンになった時点における追尾枠の表示位置で追尾枠を固定する。
S466では、システム制御部201は、第1シャッタースイッチ261がオンになった時点における追尾枠の表示位置でフォーカスを固定する。
S467では、システム制御部201は、第2シャッタースイッチ262がオンになったか否かを判定し、オンの場合はS468に進み、オフの場合はS462に戻る。
S468では、システム制御部201は、画像の撮影処理を実行し、撮影した画像を記録媒体250に記録し、本フローチャートの処理を終了する。
なお、本実施形態では、S404とS434で追尾可能領域内において顔・モノを検出した場合にライブビュー表示画面に追尾可能領域枠601cを表示し、S415とS444では追尾可能領域内において顔・モノが検出できなくなった場合に追尾可能領域枠601dを非表示にしている。これらの表示と非表示の条件を反対にし、追尾可能領域内において顔・モノが検出できなくなった場合に追尾可能領域枠601dを表示し、追尾可能領域内において顔・モノを検出した場合に追尾可能領域枠601cを表示するようにしてもよい。この場合、追尾可能領域内のように条件を制限しているが、単に顔・モノの検出の有無を条件にしてもよい。
<ライブ1点AF処理による撮影動作>次に、図5を参照して、図3のS309におけるライブ1点AF処理の動作手順について説明する。
S501では、システム制御部201は、図6(e)のようにライブビュー表示画面600EにAF枠601eを表示する。
S502では、システム制御部201は、ユーザが操作部270を介してライブビュー表示画面600EにおいてAF枠601eの移動操作を行ったか否かを判定し、操作が行われた場合はS503に進み、操作が行われない場合はS504に進む。
S503では、システム制御部201は、ユーザ操作により指定された位置にAF枠601eを移動する。
S504では、システム制御部201は、ユーザによりシャッターボタン102が操作されて第1シャッタースイッチ261がオンになったか否かを判定し、オンになった場合はS505に進み、オフの場合は本フローチャートの処理を終了する。
S505では、システム制御部201は、システムメモリ252に保持されているAF動作の設定がサーボAFか否かを判定し、サーボAFの場合はS506に進み、サーボAFではない場合はS507に進む。
S506では、システム制御部201は、AF枠601eの表示位置でAF動作を開始する。
S507では、システム制御部201は、第1シャッタースイッチ261がオンになった時点におけるAF枠の表示位置でフォーカスを固定する。
S508では、システム制御部201は、第2シャッタースイッチ262がオンになったか否かを判定し、オンの場合はS509に進み、オフの場合はS505に戻る。
S509では、システム制御部201は、画像の撮影処理を実行し、撮影した画像を記録媒体250に記録し、本フローチャートの処理を終了する。
本実施形態によれば、ライブ1点AFではAF枠が指定された位置に固定され、顔・モノを追尾できないので追尾可能領域枠を非表示とする。また、顔・モノ+追尾優先AFではライブビュー表示中の画像から顔・モノが検出されている場合には追尾可能領域枠を表示し、検出されていない場合は非表示とする。さらに、顔・モノ+追尾優先AFではライブビュー表示中の画像に重畳表示される追尾可能領域枠の表示形態を追尾対象としての顔やモノの検出状況に応じて変更する。このように制御することにより、画像の見えづらさを最小限に抑えながら、被写体の追尾可能領域を容易に把握することができる。
なお、上記実施形態では、特定の被写体に対して顔・モノ+追尾優先AFを行う場合について説明したが、本発明の撮影設定に応じた処理はAFに限定されない。AF以外の撮影設定に応じた処理として、例えば、ライブビュー表示中の画像から検出された被写体に対する自動露出処理(AE)やオートホワイトバランス処理(AWB)などの撮影制御であってもよい。
なお、システム制御部201の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行っても良い。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎない。
また、上述した実施形態においては、本発明を一眼レフデジタルカメラなどの撮像装置に適用した場合を例に説明したが、本発明はこの例に限定されず、ライブビュー表示中にAFを実行し撮影が可能な装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、カメラ付きのパーソナルコンピュータやその一種であるタブレット、携帯電話やその一種であるスマートフォン(眼鏡型端末や腕時計型端末を含む)、PDA(携帯情報端末)、携帯型の画像ビューワ、音楽プレーヤ、ゲーム機、電子ブックリーダ、内視鏡などの医療機器などに適用可能である。
[他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。