以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
<システムの構成>
図1は、一実施形態に係る情報提供システムの構成の一例を示す図である。情報提供システム(情報処理システム)100は、複数の無線装置101−1、101−2、・・・、101−n(nは2以上の整数)と、管理サーバ102と、ゲートウェイ103と、情報端末104と、を有する。なお、以下の説明の中で、複数の無線装置101−1、101−2、・・・、101−nのうち、任意の無線装置を示す場合、「無線装置101」を用いる。
図1において、無線装置101−1は、例えば、電車やモノレール等のように、複数の車両107−1、107−2、・・・、107−nが連結された列車のうち、車両107−1の、天井等に取り付けられ、所定の無線通信(第1の無線通信)で通信を行う。
同様に無線装置101−2は、列車の車両107−2に取り付けられており、無線装置101−nは、列車の車両107−nに取り付けられている。なお、以下の説明の中で、複数の車両107−1〜107−nのうち、任意の車両を示す場合、「車両107」を用いる。
ゲートウェイ(中継装置)103は、例えば、車両107−1の乗務員室108等に取り付けられており、第1の無線通信により、複数の無線装置101−1〜101−nと共に無線通信ネットワークを形成している。また、ゲートウェイ103は、例えば、アンテナ103aを用いて、LTE(Long Term Evolution)等の公衆無線通信に接続し、インターネット等のネットワーク106を介して、管理サーバ102と通信を行う。或いは、ゲートウェイ103は、管理サーバ102に接続された通信装置109に無線通信で接続し、通信装置109を介して管理サーバ102と通信を行うものであっても良い。
また、ゲートウェイ103は、管理サーバ102と、複数の無線装置101−1〜101−nとの間で行われる情報の送受信を中継する。
例えば、管理サーバ102が、複数の無線装置101−1〜101−nに制御情報を送信する場合、管理サーバ102は、ネットワーク106、又は通信装置109を介して、ゲートウェイに制御情報を送信する。
ゲートウェイ103は、管理サーバ102から受信した制御情報を、第1の無線通信を用いて、隣接する無線装置101−1に転送する。
無線装置101−1は、ゲートウェイ103から制御情報を受信すると、制御情報から必要な情報を取得した後、第1の無線通信を用いて、受信した制御情報を隣接する無線装置101−2に送信する。
無線装置101−2は、無線装置101−1から制御情報を受信すると、制御情報から必要な情報を取得した後、第1の無線通信を用いて、受信した制御情報を隣接する無線装置101に送信する。このように、管理サーバ102から送信された制御情報等は、第1の無線通信を用いて、ゲートウェイ103から無線装置101−nまで、順次に転送される。
一方、無線装置101が、管理サーバ102に応答情報を送信する場合、無線装置101が送信した応答情報は、第1の無線通信を用いて、無線装置101からゲートウェイ103まで、順次に転送される。また、ゲートウェイ103は、無線装置101から受信した応答情報を、ネットワーク106、又は通信装置109を介して管理サーバ102に送信する。
管理サーバ102は、ネットワーク106に接続された情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。管理サーバ102は、ネットワーク106、又は通信装置109を介して通信可能なゲートウェイ103と、第1の無線通信とを用いて、複数の無線装置101−1〜101−nが出力する情報の管理や、メンテナンス等を行うことができる。
また、図1において、各無線装置101は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(以下、BLEと呼ぶ)等の近距離無線(第2の無線通信)により、無線装置101毎に異なる識別情報(以下、出力IDと呼ぶ)を出力している。例えば、無線装置101−1は、自装置に割り当てられた出力IDを含む電波を、第2の無線通信により、車両107−1内に送信している。同様に、無線装置101−2は、自装置に割り当てられた出力IDを含む電波を、第2の無線通信により、車両107−2内に送信している。
情報端末(端末装置)104は、利用者105が所持している、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報端末であり、公衆無線通信等により、ネットワーク106に接続して管理サーバ102と通信可能である。また、情報端末104は、情報提供システム100に対応する情報端末104用のアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行する。
情報端末104は、情報端末104用のアプリを実行することにより、内蔵されたBLEモジュール等により、無線装置101−2が出力するBLEの電波を受信し、受信した電波に含まれる出力IDを取得する。
また、情報端末104用のアプリは、情報端末104にインストールされたアプリ毎に固有の識別情報(以下、アプリIDと呼ぶ)を有する。情報端末104は、アプリを実行し、無線装置101−2の出力IDを取得すると、取得した出力IDと、自己のアプリIDとを含む要求情報を管理サーバ102に送信する。
なお、アプリIDは、情報端末104、情報端末104の利用者、又は情報端末104で動作するアプリ等を識別する送信元の識別情報の一例である。情報提供システム100は、アプリIDを用いることにより、例えば、電話番号やメールアドレス等の個人情報によらずに、情報端末104やアプリを識別することができる。ただし、これはあくまで一例であり、情報端末104は、アプリIDに代えて、情報端末104の識別情報や、利用者の識別情報等を用いるものであっても良い。
一方、管理サーバ102は、複数の無線装置101−1〜101−nが設置された列車の情報や、列車の運行情報を管理しており、情報端末104から受信した要求情報に応じて、列車の情報や、運行情報等を情報端末104に提供する。
図2は、一実施形態に係る無線装置の通信範囲の例を示す図である。図2は、図1に示す車両107−1、107−2を上から見た図であり、無線装置101−1の第1の無線通信による通信範囲201、202、及び第2の無線通信による通信範囲203の例を示している。
図2に示すように、無線装置101−1の第1の無線通信による通信範囲201、202は、少なくとも、隣接するゲートウェイ103、及び無線装置101−2を含むように形成されている。また、無線装置101−1の第2の無線通信による通信範囲203は、例えば、無線装置101−1が設置された車両107−1内を含むように形成されている。
このように、無線装置101の通信範囲は限られているが、図1に示す構成により、管理サーバ102と、複数の無線装置101−1〜101−nとは、互いに情報の送受信を行うことができる。
なお、図1、2に示す情報提供システム100の構成は一例である。例えば、図1の例では、各車両107に1台ずつ無線装置101が設置されているものとして説明を行ったが、各車両107に設置される無線装置101の数は、2台以上であっても良い。
また、車両107は、輸送機器の一例であり、例えば、船舶等の車輪を有していない輸送機器であっても良い。
さらに、上記の説明では、無線装置101が、第2の無線通信を用いて、出力IDを含む電波を出力するものとして説明を行ったが、無線装置101は、例えば、スピーカ等を用いて、出力IDを含む音波を出力するもの等であっても良い。
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
第1の実施形態では、無線装置101のハードウェア構成のうち、第1の無線通信に係るアンテナの構成を中心に説明を行う。
(無線装置の外観)
図3は、一実施形態に係る無線装置の外観の例を示す図である。
図3(a)は、無線装置101の斜視図である。無線装置101は、例えば、車両107の天井や壁等の設置面303に設置可能な導電性のカバー又は筐体等の収納部材(以下、便宜上、導電性のカバー300を例に説明する)を有する。また、無線装置101は、導電性のカバー300の内側(内部)に、第1の無線通信を行うための無線回路や、アンテナ等が収納されている。
好ましくは、導電性のカバー300は、アルミニウムや、鉄等の金属で形成されている。これにより、無線装置101は、乗客による悪戯や、乗客の荷物の衝突等により容易に破損しにくく、また、燃えにくい構造となっている。
また、無線装置101は、導電性のカバー300が有する複数の面のうち、少なくとも1つの面(以下、アンテナ面と呼ぶ)301に、第1の無線通信で用いる電波の波長(又は周波数)に対応する第1のスリット部302が設けられている。
好ましくは、アンテナ面301、及び第1のスリット部は、導電性のカバー300が有する複数の面のうち、設置面303と対向する面に設けられている。図3(a)の例では、第1のスリット部302は、設置面303と対向するアンテナ面301に設けられている。
図3(b)は、第1のスリット部302の例を示している。図3(b)において、無線装置101は、第1の送受信方向304にある一の無線装置101(又はゲートウェイ103)から、第1の無線通信で電波を受信し、第2の送受信方向305にある別の無線装置101に第1の無線通信で電波を送信する。
この第1の無線通信で情報を送信、又は受信する方向を通信方向306とすると、第1のスリット部は、第1のスリット部の長辺の方向307が、通信方向306と交差するように設けられている。
また、第1のスリット部302の形状は、第1の無線通信で用いる電波の波長(又は周波数)に共振するように形成されている。例えば、第1の無線通信で用いる電波の波長をλとすると、第1のスリット部302の長辺の長さLを波長λの1/2、第1のスリット部302の幅Wを波長λの1/10以下とすることが望ましい。
なお、電波の波長(電気長)は、第1のスリット部302の周囲の誘電率に応じた波長短縮率により短くなるので、例えば、第1のスリット部302に誘電体を装着することにより、第1のスリット部302の物理的な長さを短くすることができる。波長短縮率は、誘電体の比誘電率をErとすると、1/√Erで求められる。例えば、誘電体の比誘電率Erを4.5とすると、波長短縮率は約0.47となる。
(アンテナの放射特性)
図4は、第1の実施形態に係るアンテナの放射特性の一例を示す図である。導電性のカバー300の内側には、第1の無線通信を行う無線通信部と、第1の無線通信の電波を送受信するアンテナが設けられている。
ここでは、図4に示すように、無線通信部の回路基板402の端面の近くに実装されたアンテナ401の放射特性の一例について説明する。
図4(a)は、図4(a)の上図に示すように、回路基板402にアンテナ401を装着し、回転軸403を中心に回転させたときの、アンテナ401の垂直偏波、及び水平偏波の放射特性を示している。
図4(a)の下図に示すように、アンテナ401の垂直偏波の放射特性は、ほぼ無指向性であり、アンテナ利得の平均値を計算すると、約−0.2dBとなっている。一方、アンテナ401の水平偏波の放射特性は、方向によってアンテナ利得が異なり、アンテナ利得の平均値を計算すると、約−16.5dBとなっている。
また、図4(b)は、図4(b)の上図に示すように、回路基板402にアンテナ401を装着し、回転軸403を中心に回転させたときの、アンテナ401の垂直偏波、及び垂直偏波の放射特性を示している。
図4(b)の下図に示すように、アンテナ401の垂直偏波の放射特性は、ほぼ無指向性であり、アンテナ利得の平均値を計算すると、約−15.3dBとなっている。一方、アンテナ401の水平偏波の放射特性は、方向によってアンテナ利得が異なり、アンテナ利得の平均値を計算すると、約−3.3dBとなっている。
このように、図4に示すアンテナ401は、図(a)の上図において、垂直偏波方向の偏波が支配的であると考えられる。
(アンテナの配置)
図5は、第1の実施形態に係るアンテナの実装位置、及び実装方向の例を示す図である。図5(a)は、無線装置101の第1のスリット部302に対するアンテナ401の実装方向の例を示している。なお、図5(a)において、ブロック矢印501は、アンテナ401の偏波方向(垂直偏波)を示すものとする。
図5(a)において、無線装置101におけるアンテナ401の実装方向は、ブロック矢印501で表されるアンテナ401の偏波方向と、複数の曲線の矢印で示す第1のスリット部302が作る電界の偏波方向とが同じ方向になることが望ましい。言い換えると、無線装置101において、アンテナ401は、アンテナの偏波方向(ブロック矢印501の方向)と、第1のスリット部302の長辺の方向とが直交するように配置されることが望ましい。
ただし、ここでいう直交とは、完全に直交している場合に限られず、所定の範囲の誤差が含まれていても良いので、以下の説明の中で略直交と呼ぶ場合がある。
図5(b)は、無線装置101におけるアンテナ401の実装位置の例を示す図である。図5(b)は、無線装置101を、図5(a)の一点鎖線Cの位置で見た断面図を示している。
図5(b)において、アンテナ401と、導電性のカバー300のアンテナ面301との距離dは、アンテナ401がアンテナ面301に接触せず、かつアンテナ401とアンテナ面301との距離が離れすぎない距離(例えば、0.5mm〜3mm程度)である。
また、図5(a)に示すように、アンテナ401と、第1のスリット部302との位置は、所定のオフセット(例えば、10mm〜20mm程度)をつけて配置される。
上記の距離d、及びオフセットの値は、無線装置101の指向特性、及びアンテナ利得が最適となるように、例えば、実験的に決定される。
図6は、第1の実施形態に係るアンテナの実装位置の別の一例を示す図である。図5(b)の例では、無線通信部の回路基板402と、導電性のカバー300のアンテナ面301とが、対向するように配置されていた。別の一例として、無線通信部の回路基板402は、図6(a)に示すように、導電性のカバー300のアンテナ面301と交差するように配置されるものであっても良い。この場合でも、アンテナ401の偏波方向が、ブロック矢印600に示すように、第1のスリット部302の長辺の方向と略直交するように配置されることが望ましい。
また、図6(b)に示す例では、第1のスリット部302に誘電体材料で形成された誘電体部601を設けている。これにより、前述したように波長短縮率を変化させて、第1のスリット部302を小型化することができる。また、誘電体部601により、防水、防塵等の効果が期待できる。さらに、誘電体部601を介して、アンテナ401、及び回路基板402をアンテナ面301に実装することにより、アンテナ401と、アンテナメントの間の距離dを安定化させる効果も期待できる。
(無線装置の電波の放射特性)
図7は、第1の実施形態に係る無線装置の電波の放射特定の例を示す図である。例えば、図5に示すようにアンテナが配置された無線装置101における第1の無線通信の電波は、図7(a)、(b)に示すように放射される。
図7(a)は、無線装置101を、アンテナ面301の方向から見た場合の電波の放射パターン702、703を示している。図7(a)に示すように、無線装置101の第1のスリット部302から放射される電波は、第1のスリット部302の長辺の方向701と交差する方向に強く放射され、長辺の方向701には弱く放射される。
また、図7(b)に示すように、無線装置101の第1のスリット部302から放射される電波は、図7(b)の上の方向704に、最も強く放射される。
(無線装置の設置方向)
図8は、第1の実施形態に係る無線装置の設置方向の例を示す図である。図8において、無線装置101cは、無線装置101aとの通信方向801と、第1のスリット部302の長辺の方向701とが交差するように配置されている。同様に、無線装置101aは、無線装置101cとの通信方向801と、第1のスリット部302の長辺の方向701とが交差するように配置されている。
このような配置とすることにより、無線装置101aと無線装置101cとの間における第1の無線通信の電波の伝搬損失が減少し、より安定した通信を行うことができる。
一方、無線装置101bは、無線装置101aとの通信方向802と、第1のスリット部302の長辺の方向701とが概ね平行となっている。同様に、無線装置101aは、無線装置101bとの通信方向802と、第1のスリット部302の長辺の方向とが、概ね平行となっている。
このような配置では、無線装置101aと無線装置101cとの間における第1の無線通信の電波の伝搬損失が増大し、通信が不安定になると考えられる。
(開口部の形状について)
図9は、第1の実施形態に係るスリットの有用性の確認結果を示す図である。この図は、第1のスリット部302の有用性を確認するために、導電性のカバー300のアンテナ面301に、第1のスリット部302とは異なる形状の開口部を設けて、伝搬損失を測定したものである。
図9では、導電性のカバー300なしで、無線装置101から第1の無線通信の電波を所定の出力で送信し、他のアンテナを用いて測定した場合の伝搬損失を0dBとしている。また、無線装置101の導電性のカバー300の開口部の形状を、「条件」に示すように変化させて、導電性のカバー300のアンテナ面301の方向から、他のアンテナを用いて測定した場合の減衰量を「伝搬損失」に示している。
図9に示すように、導電性のカバー300がある場合、「導電性カバー+第1のスリット部」以外の組合せでは、「カバーなし」に対して、−20dBを超える減衰が発生していることが判る。
一方、「導電性のカバー+第1のスリット部」では、「カバーなし」に対して、4dB程度の利得があり、「カバーなし」よりも良好な特性が得られていることが判る。
従って、第1のスリット部302の形状は、第1の無線通信で用いる電波の波長に共振する形状となるよう留意する必要があることが判る。
(変形例)
上記の説明では、第1のスリット部302の形状を、長さが第1の無線通信の電波の波長λの1/2、幅がλの1/10以下であるものとして説明を行ったが、第1のスリット部302の形状は、様々な変形が可能である。
例えば、図10(a)に示すように、第1のスリット部302の両端1002を、三角形等にすることにより、第1のスリット部302の共振周波数を低く変化させ、第1のスリット部302の長辺の方向1001の長さを短くすることができる。
なお、図10(a)に示す三角形は一例であり、例えば、図10(b)に示すように、第1のスリット部302の両端1003を、四角形やスリットにするものであっても良いし、他の多角形や円形等にするものであっても良い。
また、図10(c)に示すように、第1のスリット部302は、第1のスリット部302の両端1004を、第1のスリット部302の長辺の方向1001に対して、折り曲げることにより、第1のスリット部302の長辺の方向1001の長さを短くするものであっても良い。
図10(d)は、第1のスリット部302を十字型に形成した例を示している。例えば、このように、第1のスリット部302の長辺の方向1001に交差するスリット部1005により、十字型のスリットを形成することにより、無線装置101の電波の放射特性を、円形に近くすることも可能である。
図10(a)〜(d)の各例についても、第1のスリット部302の形状は、第1の無線通信で用いる電波の波長で共振するように調整される。
以上、第1の実施形態では、図1で前述した情報提供システム100で用いられる無線装置101の好適な構成例について説明した。
本実施形態に係る無線装置101によれば、導電性のカバー300を、例えば、アルミや鉄等の金属で形成することにより、乗客による悪戯や、乗客の荷物の衝突等により容易に破損しにくく、また、燃えにくい構造を実現することができる。
また、本実施形態に係る無線装置101によれば、情報提供システム100において、第1の無線通信により情報を送受信する通信方向に対して、好適な電波の放射特性を得ることができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、主に無線装置101の第1の無線通信で用いるアンテナに関する事項を中心に説明を行ったが、第2の実施形態では、図1に示す情報提供システムの構成について、詳しく説明する。
<ハードウェア構成>
(無線装置のハードウェア構成)
図11は、第2の実施形態に係る無線装置の外観の例を示す図である。図11(a)に示すように、無線装置101は、図3(a)に示す第1の実施形態に係る無線装置101の構成に加えて、導電性のカバー300のアンテナ面301に、第2の無線通信で用いられる電波の波長に対応する第2のスリット部1101が設けられている。
図11(b)は、無線装置101の第1のスリット部302、及び第2のスリット部1101の構成例を示している。
図11(b)において、第1のスリット部302は、第1の実施形態で説明したように、第1の無線通信で用いる電波の波長(又は周波数)に共振するように形成されており、また、第1の無線通信の通信方向306と交差するように設けられている。
また、無線装置101の導電性のカバー300の内側には、第1の無線通信の電波を送受信するアンテナ(第1のアンテナ部)401が設けられている。
好ましくは、アンテナ401は、アンテナ401の偏波方向1105と、第1のスリット部302の長辺の方向307とが、略直交するように設けられている。
図11(b)において、第2のスリット部1101は、第2の無線通信で用いる電波の波長(又は周波数)に共振するように形成されている。例えば、第2のスリット部の長辺の長さを、第2の無線通信で用いられる電波の波長の1/2とし、第2のスリット部の幅を、第2の無線通信で用いられる電波の波長の1/10以下とすることができる。
また、無線装置101の導電性のカバー300の内側には、第2の無線通信の電波を送受信するアンテナ(第2のアンテナ部)1102が設けられている。
好ましくは、アンテナ1102は、アンテナ1102の偏波方向1104と、第2のスリット部1101の長辺の方向1103とが、略直交するように設けられている。
このように、第2のスリット部1101、及び第2の無線通信の電波を送受信するアンテナ1102は、第1のスリット部302、及びアンテナ401と同様の構成を有している。
また、好ましくは、第2のスリット部1101は、第2のスリット部1101の長辺の方向1103が、第1のスリット部302の長辺の方向307と交差するように設けられている。これにより、第1のスリット部302と、第2のスリット部1101との間の干渉を低減させることができる。
なお、第1のスリット部302、及び第2のスリット部1101には、例えば、図6(b)に示すような誘電体部601が設けられていても良い。また、第1のスリット部302、及び第2のスリット部1101のうち、少なくとも一方は、例えば、図10の(a)〜(c)に示すような変形例の形状を有していても良い。
図12は、第2の実施形態に係る無線装置の設置方向の例を示す図である。図12において、無線装置101は、車両107の前後方向に通信を行うので、無線装置101は、通信方向306が車両107の前後方向となるように設置されることが望ましい。この場合、無線装置101は、図12に示すように、第1のスリット部302の長辺の方向307が、車両107の前後方向(通信方向306)と交差するように配置される。
図13は、第2の実施形態に係る無線装置のハードウェア構成例を示す図である。無線装置101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)1301、RAM(Random Access Memory)1302、フラッシュROM(Read Only Memory)1303、無線通信部1304、近距離無線通信部1305、及びバス1306等を有する。
CPU1301は、フラッシュROM1303等に格納された無線装置101用のプログラムを実行することにより、無線装置101の各機能を実現する演算装置である。RAM1302は、CPU1301のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュROM1303は、無線装置101用のプログラムや、識別情報等の様々な情報を記憶する不揮発性のメモリである。
無線通信部(第1の無線通信部)1304は、第1の無線通信により、ゲートウェイ103や他の無線装置101と通信するための無線通信装置であり、例えば、送受信回路、アンテナ等を含む。無線通信部1304は、例えば、無線LAN、Zigbee(登録商標)、又は、920MHz帯の特定省電力無線(IEEE802.15.4g)等、各種の無線通信方式の無線通信装置を用いることができる。ここでは、一例として、無線通信部1304が、920MHz帯の特定省電力無線を用いた無線通信装置であるものとして、以下の説明を行う。
近距離無線通信部(第2の無線通信部)1305は、第2の無線通信により、出力IDを含む電波を、車両107内に送信する無線通信装置である。ここでは、一例として、近距離無線通信部1305が、BLE通信を用いて、出力IDを含む電波を送信するものとして以下の説明を行う。
バス1306は、上記の各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(ゲートウェイのハードウェア構成例)
図14は、一実施形態に係るゲートウェイのハードウェア構成例を示す図である。ゲートウェイ103は、例えば、CPU1401、RAM1402、ROM1403、無線通信部1404、通信I/F(Interface)部1405、及びバス1406を有する。
CPU1301は、ROM1403等に格納されたプログラムを実行することにより、ゲートウェイ103の各機能を実現する演算装置である。RAM1402は、CPU1401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM1403は、ゲートウェイ103のプログラム等を記憶する不揮発性のメモリである。なお、ROM1403は、例えば、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリであっても良い。
無線通信部1404は、例えば、前述した無線装置101の無線通信部1304と同じ無線通信方式により第1の無線通信を行うための無線通信装置であり、例えば、送受信回路、アンテナ等が含まれる。
通信I/F部1405は、ゲートウェイ103をネットワーク106、又は通信装置109に接続するための通信インタフェースであり、例えば、LTE等の公衆無線通信や、所定の無線通信等が用いられる。
バス1406は、上記の各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(コンピュータのハードウェア構成)
管理サーバ102、及び情報端末104は、一般的なコンピュータの構成を有する情報処理装置である。ここでは、一般的なコンピュータのハードウェア構成について説明する。
図15は、第2の実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータ1500は、例えば、CPU1501、RAM1502、ROM1503、ストレージ部1504、入力部1505、表示部1506、通信I/F部1507、外部I/F部1508、近距離無線通信部1509、及びバス1510等を有する。
CPU1501は、ROM1503やストレージ部1504等に格納されたプログラムやデータをRAM1502上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ1500の各機能を実現する演算装置である。RAM1502は、CPU1501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM1503は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
ストレージ部1504は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置であり、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
入力部1505は、利用者がコンピュータに入力操作を行うための、例えば、ポインティングデバイス、キーボード、又はタッチパネル等の入力装置である。
表示部1506は、コンピュータ1500の処理結果等を表示するディスプレイ等の表示装置である。
通信I/F部1507は、コンピュータ1500をネットワーク106に接続するための有線/無線LAN等の通信インタフェースである。コンピュータ1500が、管理サーバ102である場合、通信I/F部1507は、例えば、有線/無線LANのインタフェース等である。また、コンピュータ1500が、情報端末104である場合、通信I/F部1507は、例えば、LTE等の公衆無線通信、又は無線LAN等のインタフェースである。
外部I/F部1508は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、例えば、通信装置109等が含まれる。
近距離無線通信部1509は、第2の無線通信により、無線装置101の近距離無線通信部と通信可能な無線通信装置である。なお、コンピュータ1500が、管理サーバ102である場合、コンピュータ1500には、近距離無線通信部1509が含まれていなくても良い。
バス1510は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
<機能構成>
図16は、第2の実施形態に係る情報提供システムの機能構成図である。図16に示す情報提供システム100の機能構成は、図1に示した情報提供システム100のシステム構成に対応している。
情報提供システム(情報処理システム)100は、複数の無線装置101−1、101−2、・・、及びゲートウェイ103を含む無線通信ネットワーク1650と、管理サーバ102と、情報端末104と、を有する。
(無線装置の機能構成)
無線装置101は、例えば、通信制御部1611、識別情報管理部1612、及びビーコン送信部1613等を有する。
通信制御部1611は、ゲートウェイ103、及び複数の無線装置101で構成される無線通信ネットワーク1650における第1の無線通信に関する制御を行う。通信制御部1611は、例えば、図13の無線通信部1304、及び図3のCPU1301で実行されるプログラム等によって実現される。
例えば、無線装置101−1の通信制御部1611は、管理サーバ102から、ゲートウェイ103を介して制御情報を受信すると、制御情報から必要な情報を取得し、受信した制御情報を無線装置101−2に転送する。
好ましくは、無線装置101−1の通信制御部1611は、管理サーバ102から、ゲートウェイ103を介して受信した制御情報に対する応答情報を、ゲートウェイ103を介して管理サーバ102に返信する。また、無線装置101−1の通信制御部1611は、無線装置101−2から管理サーバ102宛ての情報(応答情報等)を受信すると、受信した情報を、ゲートウェイ103を介して管理サーバ102に転送する。
識別情報管理部1612は、通信制御部1611が、管理サーバ102から受信した制御情報から自装置の出力IDを抽出して、例えば、図13のフラッシュROM1303等に記憶して、管理する。また、識別情報管理部1612は、自装置の識別情報である無線装置IDを、フラッシュROM1303等に記憶して、管理する。識別情報管理部1612は、例えば、図13のCPU1301で実行されるプログラムによって実現される。
ビーコン送信部1613は、識別情報管理部1612が管理する出力IDを含む電波を、第2の無線通信で送信する手段であり、例えば、図13の近距離無線通信部1305、及び図13のCPU1301で実行されるプログラム等によって実現される。ビーコン送信部1613は、例えば、管理サーバ102や、通信制御部1611等からの送信開始指示に応じて、出力IDを含む電波を、所定の時間間隔(例えば、100ms間隔)で送信を開始する。また、ビーコン送信部1613は、例えば、管理サーバ102や、通信制御部1611等からの送信停止指示に応じて、出力IDを含む電波の送信を停止する。
上記の構成により、無線装置101は、管理サーバ102から指定された出力IDを含む電波を、第2の無線通信を用いて車両107内に送信する。また、無線装置101は、管理サーバ102からの指示等に応じて、出力IDを含む電波の送信、又は送信の停止を行う。
(管理サーバの機能構成)
管理サーバ102は、第1の通信部1621、車両情報管理部1622、運行情報管理部1623、情報提供部1624、無線装置管理部1625、記憶部1626、及び第2の通信部1627等を有する。
第1の通信部1621は、ネットワーク106、又は通信装置109を介して、ゲートウェイ103と通信を行うための手段であり、例えば、図15のCPU1501で実行されるプログラムによって実現される。
第2の通信部1627は、ネットワーク106を介して、情報端末104と通信を行うための手段であり、例えば、図15のCPU1501で実行されるプログラムによって実現される。なお、第1の通信部1621と第2の通信部1627とは、1つの通信部であっても良い。
車両情報管理部1622は、複数の無線装置101が設置された列車及び車両107の情報と、各車両107に設置された無線装置の情報とを記憶した車両情報1631を、例えば、記憶部1626に記憶して、管理する。車両情報管理部1622は、例えば、図15のCPU1501で実行されるプログラムによって実現される。車両情報管理部1622が管理する車両情報1631の例を図17(a)に示す。
図17(a)の例では、車両情報1631には、列車ID、車両番号、無線装置ID、及び出力ID等の情報が含まれる。
列車IDは、列車を識別する識別情報である。車両番号は、列車IDと組み合わせて、車両107を識別するために用いられる情報である。無線装置IDは、無線装置101を識別する識別情報である。出力IDは、各無線装置101が送信する電波に含めて送信する識別情報である。出力IDは、例えば、無線装置管理部1625等によって設定、変更等が行われる。
図16に戻り、管理サーバ102の機能構成の説明を続ける。
運行情報管理部1623は、各列車の運行状態を示す運行情報1632を管理する手段であり、例えば、図15のCPU1501で実行されるプログラムによって実現される。運行情報管理部1623は、例えば、列車の運行を管理する運行管理サーバ等から、列車の運行情報1632を取得し、記憶部1626に記憶して、管理する。運行情報管理部1623が管理する運行情報1632の例を図17(b)に示す。
図17(b)の例では、運行情報1632には、列車ID、路線、行き先、次の停車駅、遅延情報、及び複数の停車駅における到着/出発時刻の情報等が含まれる。
列車IDは、列車を識別する識別情報であり、車両情報1631の列車IDに対応している。路線は、列車の路線を識別する識別情報、又は路線名等の情報である。行き先は、列車の終着駅を識別する識別情報、又は駅名等の情報である。
次の停車駅は、列車が次に停車する駅の識別情報、又は駅名等の情報であり、列車の現在位置に関する情報の一例である。遅延情報は、例えば、時刻表に対する列車の運行時刻の遅れ等を示す情報である。
複数の停車駅における到着/出発時刻の情報は、列車の各停車駅における到着時刻、発車時刻等の情報である。到着時刻、発車時刻等の情報は、時刻表の時刻であっても良いし、遅延情報等に基づいて予測される予定時刻の情報等であっても良い。
情報提供部1624は、情報端末104から送信された要求情報に応じて、情報端末104に提供情報(例えば、列車の運行情報等)を提供する手段であり、例えば、図15のCPU1501で実行されるプログラムによって実現される。
無線装置管理部1625は、管理サーバ102が管理する複数の無線装置101を管理する手段であり、例えば、図15のCPU1501で実行されるプログラムによって実現される。
無線装置管理部1625は、車両情報1631に記憶されている出力IDを、例えば、定期的に、或いは列車の起動時等に更新し、更新した出力IDを複数の無線装置101に、ゲートウェイ103を介して通知する。また、無線装置管理部1625は、複数の無線装置101による出力IDを含む電波の送信開始、送信停止等の制御も行う。
記憶部1626は、前述した車両情報1631、及び運行情報1632等を記憶する手段であり、例えば、図15のストレージ部1504、及び図15のCPU1501で実行されるプログラム等によって実現される。
上記の構成により、管理サーバ102は、複数の無線装置101−1、101−2、・・・の管理、及び制御を行うと共に、情報端末104からの要求情報に応じて、列車の運行情報等の提供情報を要求元の情報端末104に提供する。
(情報端末の機能構成)
情報端末104は、ビーコン受信部1641、通信部642、識別情報送信部1643、表示制御部1644、操作受付部1645、及び記憶部1646等を有する。
情報端末104は、記憶部1318に記憶された情報提供システム100に対応するプログラム(例えば、情報提供アプリ1647)を実行することにより、上記の各構成要素が実現される。
ビーコン受信部1641は、無線装置101から送信される第2の無線通信の電波を受信し、受信した電波に含まれる出力IDを取得する。ビーコン受信部1641は、例えば、図15の近距離無線通信部1509、及び図15のCPU1501で実行されるプログラム(情報提供アプリ1647)等によって実現される。
通信部1642は、情報端末104をネットワーク106に接続し、管理サーバ102等と通信を行うための手段である。通信部1642は、例えば、図15の通信I/F部1507、及び図15のCPU1501で実行されるプログラム等によって実現される。
識別情報送信部1643は、ビーコン受信部1641が取得した出力IDと、情報端末104の識別情報(アプリID等)とを含む要求情報を、通信部1642を介して管理サーバ102に送信する。識別情報送信部1643は、例えば、図15のCPU1501で実行されるプログラムによって実現される。
表示制御部1644は、例えば、情報提供アプリ1647による提供情報(例えば、列車の運行情報等)を、情報端末104に表示させる手段であり、例えば、図15の表示部1506、及び図15のCPU1501で実行されるプログラム等によって実現される。
操作受付部1645は、例えば、情報提供アプリ1647に対する、利用者の操作を受付ける手段であり、例えば、図15入力部1505、及び図15のCPU1501で実行されるプログラム等によって実現される。
上記の構成により、情報端末104は、無線装置101が第2の無線通信で送信する電波に含まれる出力IDを取得し、取得した出力IDと、情報端末104のアプリIDとを含む要求情報を管理サーバ102に送信する。また、情報端末104は、送信した要求情報に対して、管理サーバ102から送信される提供情報を、表示部1506に表示する。
<処理の流れ>
次に、管理サーバ102による無線装置101の制御方法、及び情報提供方法の処理の流れについて説明する。
(情報設定処理)
図18は、第2の実施形態に係る情報設定処理の例を示すシーケンス図である。ここでは、情報設定処理の一例として、管理サーバ102が、複数の無線装置101−1、101−2、101−3、・・・の出力IDを設定する処理について説明する。
なお、図18に示す処理の開始時点において、ゲートウェイ103、及び複数の無線装置101によって形成される無線通信ネットワークが起動され、各無線装置101は、第2の無線通信による電波(以下、ビーコンと呼ぶ)を、まだ送信していないものとする。
ステップS1801において、管理サーバ102の無線装置管理部1625は、ゲートウェイ103を介して、複数の無線装置101に、出力IDの設定を要求する情報設定要求を送信する。このスピーカIDの設定要求には、例えば、図17(a)に示す車両情報1631のうち、1つの車両ID(例えば、TR0001)に対応する複数の無線装置IDと、各無線装置IDに対応する出力IDとが含まれる。
ステップS1802において、ゲートウェイ103は、管理サーバ102から受信した情報設定要求を、無線装置101−1に転送する。
ステップS1803において、無線装置101−1の通信制御部1611は、ゲートウェイ103から情報設定要求を受信し、識別情報管理部1612は、受信した情報設定要求に含まれる自装置の出力IDを取得し、フラッシュROM1303等に記憶する。
ステップS1804において、無線装置101−1の通信制御部1611は、受信した情報設定要求を、隣接する無線装置101−2に送信(転送)する。
ステップS1805、S1806において、無線装置101−1の通信制御部1611は、無線装置101−1の出力IDの設定を完了したことを示す完了通知を、ゲートウェイ103を介して、管理サーバ102に送信する。この完了通知には、例えば、無線装置101−1の無線装置IDが含まれており、管理サーバ102は、無線装置101−1の出力IDの設定が完了したことを認識することができる。
ステップS1807において、無線装置101−2の通信制御部1611は、無線装置101−1から情報設定要求を受信し、識別情報管理部1612は、受信した情報設定要求に含まれる自装置の出力IDを取得し、フラッシュROM1303等に記憶する。
ステップS1808において、無線装置101−2の通信制御部1611は、受信した情報設定要求を、隣接する無線装置101−3に送信(転送)する。
ステップS1809〜S1811において、無線装置101−2の通信制御部1611は、無線装置101−2の出力IDの設定を管理したことを示す完了通知を、ゲートウェイ103、及び無線装置101−1を介して、管理サーバ102に送信する。この完了通知には、例えば、無線装置101−2の無線装置IDが含まれている。
ステップS1812において、無線装置101−3の通信制御部1611は、無線装置101−2から情報設定要求を受信し、識別情報管理部1612は、受信した情報設定要求に含まれる自装置の出力IDを取得し、フラッシュROM1303等に記憶する。
また、無線装置101−3に隣接する無線装置101がさらにある場合、無線装置101−3の通信制御部1611は、受信した情報設定要求を、隣接する無線装置101に送信(転送)する。
ステップS1813〜S1816において、無線装置101−3の通信制御部1611は、無線装置101−3の出力IDの設定を管理したことを示す完了通知を、ゲートウェイ103、及び無線装置101−1〜101−2を介して管理サーバ102に送信する。この完了通知には、例えば、無線装置101−3の無線装置IDが含まれている。
上記の処理により、管理サーバ102の無線装置管理部1625は、複数の無線装置101−1〜101−3に、出力IDが設定されたことを判断することができる。
ステップS1817において、管理サーバ102の無線装置管理部1625は、ゲートウェイ103を介して、各無線装置101にビーコンの送信開始を指示する送信開始指示を送信する。
ステップS1818において、ゲートウェイ103は、管理サーバ102から受信した送信開始指示を、無線装置101−1に転送する。
ステップS1819において、無線装置101−1の通信制御部1611は、ゲートウェイ103から送信開始指示を受信すると、ビーコン送信部1613にビーコンの送信開始を要求する。要求を受けたビーコン送信部1613は、識別情報管理部1612が管理する出力IDを取得し、取得した出力IDを含むビーコンの送信を開始する。
ステップS1820において、無線装置101−1の通信制御部1611は、ゲートウェイ103から受信した送信開始指示を、無線装置101−2に転送する。
ステップS1821において、無線装置101−2の通信制御部1611は、無線装置101−1から送信開始指示を受信すると、ビーコン送信部1613にビーコンの送信開始を要求する。要求を受けたビーコン送信部1613は、識別情報管理部1612が管理する出力IDを取得し、取得した出力IDを含むビーコンの送信を開始する。
ステップS1822において、無線装置101−2の通信制御部1611は、無線装置101−1から受信した送信開始指示を、無線装置101−3に転送する。
ステップS1823において、無線装置101−3の通信制御部1611は、無線装置101−2から送信開始指示を受信すると、ビーコン送信部1613にビーコンの送信開始を要求する。要求を受けたビーコン送信部1613は、識別情報管理部1612が管理する出力IDを取得し、取得した出力IDを含むビーコンの送信を開始する。
上記の処理により、管理サーバ102の無線装置管理部1625は、ゲートウェイ103を介して、複数の無線装置101−1、101−2、・・・の出力IDを設定し、ビーコンの送信開始を指示することができる。
なお、出力IDは、管理サーバ102が、無線装置101に設定する情報の一例である。管理サーバ102が、無線装置101に設定する情報は、例えば、ビーコンの出力レベル、出力周波数、送信間隔等の情報であっても良い。
また、送信開始指示は、管理サーバ102が、無線装置101に要求する指示の一例である。管理サーバ102が、無線装置101に要求する指示は、例えば、ビーコンの送信停止の指示等であっても良い。
(情報提供処理)
図19は、第2の実施形態に係る情報の提供処理の例を示すシーケンス図である。
ステップS1901において、無線装置101−1のビーコン送信部1613は、例えば、所定の時間間隔(100ms間隔等)でビーコンを継続的に送信しているものとする。
ステップS1902において、例えば、利用者105の操作により、情報端末104は、情報提供システム100に対応する情報提供アプリ1647を起動する。
ステップS1903において、情報端末104のビーコン受信部1641は、無線装置101−1から送信されるビーコンを受信し、ビーコンに含まれる出力IDを取得する。
ステップS1904において、情報端末104の識別情報送信部1643は、ビーコン受信部1641が取得した出力IDと、情報端末104のアプリIDとを含む要求情報を、通信部1642を介して、管理サーバ102に送信する。
ステップS1905において、管理サーバ102の第1の通信部1621は、情報端末104から要求情報を受信する。また、管理サーバ102の情報提供部1624は、記憶部1626に記憶された車両情報1631と、要求情報に含まれる出力IDとにより、情報端末104がビーコンを受信した列車の列車ID、車両番号等を取得する。
例えば、図17(a)に示す車両情報1631において、情報端末104から受信した出力IDが「OID1001」である場合、情報提供部1624は、情報端末104が、列車ID「TR0001」の車両番号「01」の車両で出力IDを受信したと判断する。
ステップS1906において、管理サーバ102の情報提供部1624は、取得された列車IDと、記憶部1626に記憶された運行情報1632とを用いて、取得された列車IDに対応する列車の運行情報を取得する。
ステップS1907において、管理サーバ102の情報提供部1624は、ステップS1905、S1906で取得した情報に基づいて、要求情報の要求元の情報端末104に、提供情報を送信する。この提供情報には、例えば、ステップ1905で取得した列車の情報や、ステップ1906で取得した列車の運行情報等が含まれる。
ステップS1908において、情報端末104の表示制御部1644は、管理サーバ102から受信した提供情報に基づく表示画面を、情報端末104の表示部1506に表示する。このとき、情報端末104が表示する表示画面の例を図20に示す。
図20は、第2の実施形態に係る情報端末の表示画面の例を示す図である。情報端末104の表示画面2001には、例えば、情報端末104の利用者105が乗車している列車、及び車両の情報2002、2003、列車が停車する停車駅の情報2004等が含まれる。
また、情報端末104の表示画面2001には、例えば、情報端末104の利用者105が乗車している列車が、次に到着する駅や、終点の駅等に到着する時刻の情報2005や、列車の運行状況を示す情報2006等も含まれている。
このような表示画面2001により、情報端末104の利用者は、現在乗車している列車の行き先、到着予定時刻、運行状況等の情報を得ることができる。
[第3の実施形態]
<システム構成>
第3の実施形態に係る情報提供システム100の構成は、図1に示す情報提供システム100と同様であるが、無線装置101の通信範囲が、図2に示す無線装置101の通信範囲と異なる。
図21は、第3の実施形態に係る無線装置の通信範囲の例を示す図である。図21は、車両107−2の天井等に設置された無線装置101−2の通信範囲を、上方から見た状態を示している。
図21において、無線装置101−2は、隣接する車両107−1に設置された無線装置101−1、及び隣接する車両107−3に設置された無線装置101−3と通信を行うための第1の通信範囲2101を有している。
また、無線装置101−2は、車両107−1に設けられたゲートウェイ103や、車両107−4に設けられた無線装置101−4と通信を行うための第2の通信範囲2102を有している。無線装置101−2は、例えば、第1の通信範囲2101の状態に対して、無線通信部1304の送信出力を高く設定することにより、第2の通信範囲2102を実現する。
これにより、無線装置101−2は、例えば、無線装置101−3が故障等により通信できないとき、無線通信部1304の送信出力をアップさせて、第2の通信範囲2102内にある無線装置101−4と通信を行うことができる。
このように、本実施形態では、各無線装置101は、1つの無線区間に対応する第1の通信範囲2101と、2つ以上の無線区間に対応する第2の通信範囲2102とを有する。
また、本実施形態では、ゲートウェイ103も、1つの無線通信区間に対応する第1の通信範囲と、2つ以上の無線通信区間に対応する第2の通信範囲とを有するものとして、以下の説明を行う。
<機能構成>
図22は、第3の実施形態に係る情報提供システムの機能構成図である。なお、管理サーバ102、及び情報端末104の機能構成は、図16に示す第2の実施形態に係る情報提供システム100の構成と同様なので、ここでは、第2の実施形態に係る情報提供システム100との相違点を中心に説明を行う。
(ゲートウェイの機能構成)
ゲートウェイ103は、例えば、図14のCPU1401で所定のプログラムを実行することにより、通信制御部2201、及び無線システム管理部2202を実現している。
通信制御部2201は、ゲートウェイ103の通信に関する制御を行う手段であり、例えば、管理サーバ102と複数の無線装置101との間の通信の中継を行う。また、本実施形態に係る通信制御部2201は、図14の無線通信部1404の送信出力を変更することにより、ゲートウェイ103の通信範囲を変更する。
例えば、通信制御部2201は、通常時には、隣接する無線装置101−1と通信するための第1の通信範囲となるように無線通信部1404の送信出力を制御する。また、通信制御部2201は、例えば、無線装置101−1と通信できないとき、無線装置101−2と通信するための第2の通信範囲となるように無線通信部1404の送信出力を制御する。
無線システム管理部2202は、無線通信ネットワーク1650に含まれる複数の無線装置101−1、101−2、101−3等を管理する。
例えば、無線システム管理部2202は、無線通信ネットワーク1650の起動時等に、複数の無線装置101−1、101−2、101−3に、各無線装置101の状態の報告を要求する状態報告要求を送信する。また、無線システム管理部2202は、各無線装置101から送信される状態情報を受信し、受信した状態情報に基づいて、無線通信ネットワーク1650の情報を管理サーバ102に通知する。
(無線装置の機能構成)
第3の実施形態に係る無線装置101は、図16に示す第2の実施形態に係る無線装置101の機能構成に加えて、装置制御部2203を有している。なお、その他の機能構成は、図16に示す第2の実施形態に係る無線装置101の機能構成と同様なので、ここでは、相違点を中心に説明を行う。
装置制御部2203は、例えば、図13の無線通信部1304の送信出力を変更することにより、無線装置101の通信範囲を変更する。
例えば、装置制御部2203は、通常時には、隣接する無線装置101と通信するための第1の通信範囲となるように無線通信部1304の送信出力を制御する。また、装置制御部2203は、例えば、隣接する無線装置101と通信できないとき、隣接する無線装置101に隣接する他の無線装置101と通信するための第2の通信範囲となるように無線通信部1404の送信出力を制御する。
また、装置制御部2203は、管理サーバ102、又はゲートウェイ103等からの要求に応じて、自装置の状態を確認し、確認した自装置の状態を示す状態情報を要求元に通知する。
<処理の流れ>
(情報設定処理)
図23は、第3の実施形態に係る情報設定処理の例を示すシーケンス図である。図23に示す情報設定処理の基本的な処理は、図18に示す第2の実施形態に係る情報設定処理と同様なので、ここでは、第2の実施形態との相違点を中心に説明を行う。
ステップS2301において、管理サーバ102は、ゲートウェイ103に、複数の無線装置101が出力する出力IDの設定を要求する情報設定要求を送信する。
ステップS2302において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、管理サーバ102から、出力IDの設定を要求する情報設定要求を受信すると、隣接する無線装置101に、情報設定要求を送信する。
ステップS2303において、無線装置101−1の通信制御部1611は、ゲートウェイ103から情報設定要求を受信し、識別情報管理部1612は、受信した情報設定要求に含まれる自装置の出力IDを取得して、フラッシュROM1303等に記憶する。
ステップS2304において、無線装置101−1の通信制御部1611は、受信した情報設定要求を、隣接する無線装置101−2に送信(転送)する。
ステップS2305において、無線装置101−1の通信制御部1611は、無線装置101−1の出力IDの設定を完了したことを示す完了通知を、ゲートウェイ103に送信する。この完了通知には、例えば、無線装置101−1の無線装置IDが含まれている。
ステップS2406において、無線装置101−2の通信制御部1611は、無線装置101−1から情報設定要求を受信し、識別情報管理部1612は、受信した情報設定要求に含まれる自装置の出力IDを取得して、フラッシュROM1303等に記憶する。
ステップS2407において、無線装置101−2の通信制御部1611は、受信した情報設定要求を、隣接する無線装置101−3に送信(転送)する。
ステップS12308〜S2309において、無線装置101−2の通信制御部1611は、無線装置101−2の出力IDの設定を管理したことを示す完了通知を、無線装置101−1を介して、ゲートウェイに送信する。この完了通知には、例えば、無線装置101−2の無線装置IDが含まれている。
ステップS2310において、無線装置101−3の通信制御部1611は、無線装置101−2から情報設定要求を受信し、識別情報管理部1612は、受信した情報設定要求に含まれる自装置の出力IDを取得して、フラッシュROM1303等に記憶する。
ステップS2311〜S2313において、無線装置101−3の通信制御部1611は、無線装置101−3の出力IDの設定を管理したことを示す完了通知を、無線装置101−1、101−2を介してゲートウェイ103に送信する。この完了通知には、例えば、無線装置101−3の無線装置IDが含まれている。
ステップS2314において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、複数の無線装置101−1〜101−3から送信される完了通知を集計する。
ステップS1215において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、完了通知を集計した設定完了通知を管理サーバ102に送信する。この設定完了通知には、例えば、無線装置101−1〜101−3の無線装置IDが含まれる。
上記の処理により、比較的不安定な、管理サーバ102とゲートウェイ103との間の通信を削減しつつ、管理サーバ102により、複数の無線装置101−1〜101−3の出力IDを設定することができる。
(無線装置の監視処理)
図24は、第3の実施形態に係る無線装置の監視処理の一例を示すシーケンス図である。ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、例えば、無線通信ネットワーク1650の起動時(電源投入時等)に、無線通信ネットワーク1650に含まれる各無線装置101の状態を取得する監視処理を行う。
ステップS2401において、無線通信ネットワーク1650が起動され、ゲートウェイ103、及び複数の無線装置101−1〜101−3に電源が投入されるものとする。
ステップS2402において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、各無線装置101の起動を待つため、所定の時間待機する。
ステップS2403において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、無線装置101−1に、各無線装置101の状態を示す状態情報の報告を要求する状態報告要求を送信する。
ステップS2404、S2405において、ゲートウェイ103が送信した状態報告要求は、無線装置101−2、101−3に、順次に転送される。
ステップS2406において、無線装置101−1の装置制御部2203は、自装置の動作状態等を確認する。
ステップS2407において、無線装置101−1の装置制御部2203は、自装置の動作状態等の確認結果を報告する状態情報をゲートウェイ103に通知する。なお、図24の例では、各無線装置101の状態は、「良好」であるものとする。
ステップS2408において、無線装置101−2の装置制御部2203は、自装置の動作状態等を確認する。
ステップS2409、S2410において、無線装置101−2の装置制御部2203は、自装置の動作状態等の確認結果を報告する状態情報を、無線装置101−1を介して、ゲートウェイ103に通知する。
ステップS2408において、無線装置101−3の装置制御部2203は、自装置の動作状態等を確認する。
ステップS2412〜S2414において、無線装置101−3の装置制御部2203は、自装置の動作状態等の確認結果を報告する状態情報を、無線装置101−1、101−2を介して、ゲートウェイ103に通知する。
ステップS2415において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、複数の無線装置101−1〜101−3から送信される状態情報を集計する。図24の例では、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、無線通信ネットワーク1650の各無線装置101−1〜101−3に異常がないと判断し、システムに異常がないことを示す起動完了報告を、管理サーバ102に通知する。
上記の処理により、無線通信ネットワーク1650が起動されると、無線通信ネットワーク1650の状態を示す起動完了報告が、自動的に管理サーバ102に通知されるようになる。
(別の一例)
図25は、第3の実施形態に係る無線装置の監視処理の別の一例を示すシーケンス図である。ここでは、例えば、故障等により、無線装置101−1が通信を行えない状態であるものとして、以下の説明を行う。
ステップS2501において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、無線装置101−1に状態報告要求を送信する。この処理は、図24のステップS2403の処理に対応している。
ここでは、無線装置101−1が通信を行えない状態なので、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202が送信した状態報告要求は、無線装置101−2、101−3には転送されない。
ステップS2502において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、所定の時間待機し、無線装置101−1〜101−3から状態情報を受信できない場合、ステップS1503において、状態報告要求のリトライを行う。
ステップS2504において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、再び所定の時間待機し、同様のリトライを所定のリトライ回数繰り返す。
ステップS2505において、ゲートウェイ103は、リトライ回数が満了すると、通信制御部2201により、ゲートウェイ103の送信出力を上げる。これにより、ゲートウェイ103は、隣接する無線装置101−1と通信するための第1の通信範囲から、無線装置101−1を介して隣接する無線装置101−2と通信するための第2の通信範囲に切り替える。
ステップS2505において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、状態報告要求を送信する。この状態報告要求は、第2の通信範囲内にある無線装置101−2まで到達するものとする。
ステップS2507において、無線装置101−2の通信制御部1611は、受信した状態報告要求を、無線装置101−3に転送する。
ステップS2508において、無線装置101−2の装置制御部2203は、自装置の状態を確認する。
ステップS2409において、無線装置101−2の装置制御部2203は、自装置の状態の確認結果を報告する状態情報をゲートウェイ103に通知する。このとき、無線装置101−2の装置制御部2203は、送信出力を上げて、通信範囲を第2の通信範囲に変更してから、状態情報を送信することが望ましい。
ステップS2510において、無線装置101−3の装置制御部2203は、自装置の状態を確認する。
ステップS2511、S1512において、無線装置101−3の装置制御部2203は、自装置の状態の確認結果を報告する状態情報を、無線装置101−2を介して、ゲートウェイ103に通知する。
ステップS2513において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、複数の無線装置101−1〜101−3から送信される状態情報を集計する。図25の例では、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、無線装置101−1からの状態報告を受信することができない。
ステップS2514において、ゲートウェイ103の無線システム管理部2202は、無線装置101−1から応答がないことを示す起動完了報告を、管理サーバ102に通知する。
このように、本実施形態に係る無線通信ネットワーク1650では、例えば、1つの無線装置101が故障しても、無線装置101の監視処理を実行し、故障している無線装置101を特定することができる。
[その他の実施形態]
上記の説明では、無線装置101が、列車等の車両107内に設置されるものとして説明を行ったが、本発明に係る無線装置101は、複数の無線装置101の間で第1の無線通信により順次に情報を伝送する様々な無線通信ネットワークに適用することができる。
図26は、その他の実施形態に係る無線装置の構成例を示す図である。
図26(a)は、貨物列車における金属製のコンテナ2611を、無線装置101の導電性のカバーとし、コンテナ2611の上面に第1のスリット部2612を設けた場合の例を示している。
この例では、管理サーバ102は、複数のコンテナ(無線装置)2611に対して、例えば、図18に示すような情報設定処理を実行することにより、列車に連結されているコンテナ2611の識別情報(無線装置ID)を管理することができるようになる。
図26(b)は、道路2621等に設置されたマンホールの蓋2622を、無線装置101の導電性のカバーとし、マンホールの蓋2622の上面に第1のスリット部2623を設けた場合の例を示している。
この例においても、管理サーバ102は、複数のマンホールの蓋(無線装置)2622に対して、図18に示すような情報設定処理を実行することにより、道路2621に設置されたマンホールの蓋2622等の識別情報を管理することができるようになる。
図26(a)、(b)に示す無線通信ネットワークにおいて、例えば、図1に示す管理サーバ102、及びゲートウェイ103を用いて、複数のコンテナ2611、マンホールの蓋2622等の複数の無線装置を管理することができる。
また、別の一例として、複数のコンテナ2611のうちの一のコンテナ2611、又は複数のマンホールの蓋2622のうちの一のマンホールの蓋2622と通信可能な端末装置を用いて複数の無線装置を管理することもできる。
図27は、その他の実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。図27の例では、複数の無線装置101−1、101−2、・・・は、例えば、建物や、船舶等の通路2701に順次に設置されている場合の例を示している。例えば、このように、情報提供システム100は、列車以外の様々な、輸送機器や、建物等の通路に適用することができる。
なお、導電性のカバー300、金属製のコンテナ2611、及びマンホールの蓋2622等は、導電性の収納部材の一例である。導電性の収納部材は、例えば、無線装置101の全体を覆う筐体等であっても良いし、無線装置101の少なくとも一部を覆うカバーや、蓋等であっても良い。また、導電性の収納部材は、例えば、金属製のコンテナ2611のように、無線装置101と共に、無線装置101以外の物や人等を収納可能なものであっても良い。