JP6708907B2 - 鍛造装置及び鍛造方法 - Google Patents
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Description
また本発明の鍛造方法は、素材に歯形を鍛造成形する方法であって、昇降自在に保持された上型と、前記上型に回転自在に保持された上型回転部と、前記上型回転部に固定されて前記上型回転部とともに回動する上パンチと、下型に回転自在に保持される下型回転部と、前記下型回転部に回転自在に保持されるダイを備え、上ベアリングによって前記上パンチを回転させるとともに下ベアリングによって下型回転部を回転させながら素材を押圧することで素材成形をし、中間ベアリングによって前記ダイを回転させながらノックアウトすることを特徴とする。
また本発明の鍛造方法は、前記中間ベアリングは前記素材成形中には作動させずに前記素材成形を完了させ、前記上ベアリングと下ベアリングは前記ノックアウト中には作動させずに前記ノックアウトをすることで前記素材の成形品を得ることを特徴とする。
本発明の鍛造装置によれば、ダイが上部に配置された中間ベアリングを介して下型回転部に内嵌されて保持されることで、中間ベアリングはノックアウト中にのみ作用する。成形開始から成形完了まではダイが下型回転部とともに一体的に回転するが、成形完了(ノックアウト開始)からノックアウト完了までは内嵌されたダイが回転する。すなわち、ノックアウト時にはダイのみが回転するため、下型回転部とダイがともに一体となって回転する場合と比べて軽く、押圧力が低くとも回転力がつき、成形品や金型にかかる荷重が分散される。またこのようにダイのみが独立して回転できるため、ダイの大きさや重量を調節することで、素材成形時の下型回転部とダイが一体となった際の回転速度と、ノックアウト時の回転速度を独立して調整することができる。またダイは下型回転部に収納されて配置されて金型が一体化されるため、装置がコンパクトになる。
また本発明の鍛造方法は、歯筋誤差を小さくするために、サーボプレス方式によってノックアウト速度が成形速度よりも遅く設定されることを特徴とする。
また本発明によれば、ノックアウト速度が成形速度よりも遅く設定されることで、該温度差を調節することができる。
本発明の第1の実施の形態を適用した鍛造装置100を側面側から示す構造図を図1に示す。図1は素材Wの成形前の鍛造装置100を側面側から示しており、上パンチ1を加工させて素材Wに接触させた状態を示した構造図である。
このような成形品Gは従来、鍛造成形を行う際には大きな加工荷重が金型や素材Wに作用し、金型が破損或いは変形して金型の維持や成形品Gの加工精度の維持が困難であり、金型の寿命も短かったが、後述するように、成形時、摩擦力により温度が上昇しやすいことを利用して、下死点で冷却時間を設けることで成形時とノックアウト時に大きな温度差を生じさせ、ギヤ外径寸法収縮量を大きくすることで、加工精度を向上させることが可能となる。従って加工精度の維持が可能となるとともに、逆にその大きな加工荷重を利用して、加工精度を向上させることができる。
次に本実施の形態の製造方法を示す。図1は前述のように成形前の鍛造装置100の構造図であり、図2は図1のダイ5のキャビティ5a内を拡大した断面図である。図3は成形中の状態の鍛造装置100を示す構造図であり、素材Wの加工が始まり上パンチ1でヘリカルギヤを1/2成形した状態を示す。図4は成形中の状態のダイ5のキャビティ5a内を示す断面図である。
また、下型回転部6の外周面上部6cと下型外縁部14の内周面上部14aとの間には間隙17が予め設けられており、このことにより成形中、一体となったダイ5と下型回転部6は、少ない摩擦で回動することができる。
このように成形時には、中間ベアリング12には荷重が負荷されず、ダイ5を回転させる下ベアリング13と、上パンチ1を回転させる上ベアリング8に荷重が負荷されている。
また、下型回転部6が上方に押し上げられたことに伴い、間隙17によって隔てられていた下型外縁部14の内周面上部14aと下型回転部6の外周面上部6cとが接触して、下型回転部6が下型外縁部14に対して不動状態に保持される。
さらに、ダイ5の底部5fと下型回転部6の内部底面6bとの分離面18が、僅かに離れることで、ダイ5が回転する際、ダイ5と下型回転部6との間に生じる摩擦力が減少し、ダイ5の回転が容易となる。
加えて、下型回転部6と下ベアリング13との分離面19も、僅かに離れ、下ベアリング13には荷重がかからない構成となる。
これらのことにより、ノックアウト中には、下ベアリング13は作動しない構成となり、下型回転部6は下型外縁部14に対して固定されて一体となる。一方で、中間ベアリング12には荷重が作用することで、中間ベアリング12のみ作動し、ダイ5が下型回転部6に対して回転自在に保持され、回転する(図7)。このように、中間ベアリング12は、ノックアウト用ベアリングとして使用される。
ノックアウト時、中間ベアリング12のみ作動することで、ダイ5だけが独立して回転可能となり、成形品Gにかかるノックアウト荷重が減少し、従来生じていたノックアウトによる成形品Gの加工精度の劣化を防ぐことができる。またダイ5だけが回転するため、成形時より低い押圧力でノックアウトしても容易に回転できる。
本実施の形態では鍛造装置100は素材Wの冷却手段としてエア冷却装置90を備える。その他の構成は第1の実施形態と同様であるため省略する。図11は、本実施の形態におけるエア冷却装置90を備えた鍛造装置100を側面から示す構造図である。
本発明の実施例を以下に示す。図12は、加工条件、特に、成形速度(spm)及びBKO速度(spm)の違いによる歯形の精度を歯筋誤差によって示したグラフである。図12−Aは右歯面の歯筋誤差を示し、図12−Bは左歯面の歯筋誤差を示す。
このことから、ただ成形速度及びBKO速度を遅くすると歯筋誤差(μm)が小さくなるだけではなく、成形速度を速くするともにBKO速度を遅くすることにより、歯筋誤差がさらに小さくなることが明らかとなった。またBKO速度2.5spmの条件1と、BKO速度10spmの条件4とでは、歯筋誤差(μm)は条件4<条件1の順となったことから、BKO速度がある程度速くとも、成形速度とBKO速度との差があることで、歯筋誤差を小さくすることが可能であることが明らかとなった。従って、サーボプレスを用いて、成形速度とBKO速度を調整し、歯筋誤差を小さくすることが可能である。
図13や表2において後述するように、成形直後温度、ノックアウト直前温度、及び成形直後温度からノックアウト直前温度を差し引いた温度差が、歯筋誤差(μm)が決定される上で重要であることが明らかとなった。すなわち本発明では、成形速度(spm)やBKO速度(spm)は、成形直後温度、ノックアウト直前温度、及びその温度差を決める一つの要素であって、歯筋誤差(μm)が決定される上では、副次的要素であることが明らかとなった。
成形品Gの温度上昇を比較すると、遅い成形速度2.5spmの場合、成形直後温度(℃)は250℃、中間の成形速度10.0spmの場合、成形直後温度(℃)は300℃、速い成形速度50.0spmの場合、成形直後温度(℃)は400℃で、成形品Gの温度上昇を比較すると、成形速度が速くなるにつれて、温度上昇が大きくなることが確認された。なお「成形直後温度(℃)」とは上パンチ1が下死点まで到達した加工成形直後における、素材Wの加工表面の温度を示す。
また各々の条件において下死点で2秒停止した場合の成形品Gの温度分布を比較すると、遅い成形速度2.5spmの場合、ノックアウト直前温度(℃)は250℃、中間の成形速度10.0spmの場合、ノックアウト直前温度(℃)は280℃、速い成形速度50.0spmの場合、ノックアウト直前温度(℃)は320℃となり、成形速度が速い条件ほど温度が高いものの、上パンチ1が下死点まで到達した加工成形直後と2秒間経過後との温度差も大きいことが分かり、急激に温度が低下して温度変化が大きくなることが分かった。なお「ノックアウト直前温度(℃)」とは上パンチ1が下死点まで到達した加工成形直後から2秒間経過後、すなわちノックアウト直前の素材Wの加工表面の平均温度を示す。
従って成形速度が速いと温度上昇が大きく冷却したときの収縮が大きく型離れが良くなり、ノックアウト時に発生している歯形部分の変形が少なくなる。
一方サーボプレス方式であれば、成形速度を速くしてBKO速度をある程度遅くすることで、トータルで見た場合にはプレスサイクル数(rpm)が大きく向上し、生産性が向上する。またノックアウト時の温度が低いことで、メカニカルプレスのような成形速度及びBKO速度が速い鍛造装置よりも精度が向上する。さらに、成形時の温度が高くかつノックアウト時の温度差が低いことで温度差が生じるため型離れが良くなり、油圧プレスのように温度変化が少ない装置に比べて、生産性が向上する。
1 上パンチ、
2 上型回転部、
2a 上型回転部の外周面、
3 上型、
4 下パンチ、
5 ダイ、
5a ダイのキャビティ、
5b キャビティの内周面、
5c キャビティの歯形成形部、
5d キャビティの挿入部、
5e ダイの上部、
5f ダイの底部、
6 下型回転部、
6a 下型回転部の間隙、
6b 下型回転部の内部底面、
7 下型、
8 上ベアリング、
9 上型固定部、
10 上型外縁部、
10a 上型外縁部の内周面下部、
11 下型固定部、
12 中間ベアリング、
13 下ベアリング、
14 下型外縁部、
15 上型回転部の間隙、
16 中間ベアリングの間隙、
17 下型外縁部の間隙(密着部、可変部)、
18、19 分離面、
51 上型ホルダ、
52 下型ホルダ、
61 ダイセット上側、
62 ダイセット下側、
80 ダイセット、
90 冷却装置、
91、94 貫通孔、
92 ピース、
93、95 溝、
200 プレス機、
201 スライド、
202 ボルスタ、
203 ノックアウトピン、
A エア、
B 歯筋、
G 成形品、
W 素材、
Wa 素材の外周面、
Wb 素材の外周面頂端部、
Wc 素材の上面、
Wd 素材の先端、
We 素材のアプローチ
Claims (8)
- 素材に歯形を鍛造成形する鍛造装置であって、昇降自在に保持された上型と、前記上型に回転自在に保持された上型回転部と、前記上型回転部に固定されて前記上型回転部とともに回動する上パンチと、下型に回転自在に保持される下型回転部と、前記下型回転部に回転自在に保持されるダイを備えることを特徴とする鍛造装置。
- 前記ダイは、前記ダイの上部に配置された中間ベアリングを介して前記下型回転部に内嵌されて、上方からの圧力に対して前記下型回転部に固定されるとともに下方からの圧力に対して前記下型回転部に回転自在に保持されることを特徴とする請求項1記載の鍛造装置。
- 前記中間ベアリングと前記下型回転部との間には、前記素材成形中に前記中間ベアリングが作動せず、ノックアウト中に前記中間ベアリングが作動するための間隙が設けられていることを特徴とする請求項2記載の鍛造装置。
- ねじれ角35°以上のヘリカルギヤを鍛造成形するための請求項1から3のいずれか一項記載の鍛造装置。
- 素材に歯形を鍛造成形する方法であって、昇降自在に保持された上型と、前記上型に回転自在に保持された上型回転部と、前記上型回転部に固定されて前記上型回転部とともに回動する上パンチと、下型に回転自在に保持される下型回転部と、前記下型回転部に回転自在に保持されるダイを備え、上ベアリングによって前記上パンチを回転させるとともに下ベアリングによって下型回転部を回転させながら素材を押圧することで素材成形をし、中間ベアリングによって前記ダイを回転させながらノックアウトすることを特徴とする鍛造方法。
- 素材に歯形を鍛造成形する方法であって、上ベアリングによって上パンチを回転させるとともに下ベアリングによって下型回転部を回転させながら素材を押圧することで素材成形をし、中間ベアリングによってダイを回転させながらノックアウトするものであり、前記中間ベアリングは前記素材成形中には作動させずに前記素材成形を完了させ、前記上ベアリングと前記下ベアリングは前記ノックアウト中には作動させずに前記ノックアウトすることを特徴とする鍛造方法。
- 前記素材成形時の温度から前記ノックアウト時の温度を差し引いた温度差が100℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の鍛造方法。
- 歯筋誤差を小さくするために、サーボプレス方式によってノックアウト速度が成形速度よりも遅く設定されることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の鍛造方法。
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JP2018167295A JP2018167295A (ja) | 2018-11-01 |
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