JP6708247B2 - フォトマスクブランク - Google Patents

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Description

本発明は、露光光を透過させてパターン転写を行うフォトマスクの素材であるフォトマスクブランクに関する。
高速動作と低消費電力化などのために、大規模集積回路の高集積化が進んでいるが、それに伴う回路パターンの微細化において、高度の半導体微細加工技術が極めて重要な要素技術となっている。例えば、回路を構成する配線パターンの細線化技術や、セルを構成する層間の配線のためのコンタクトホールパターンの微細化技術が必須となっている。
このような高度の微細加工は、フォトマスクを用いるフォトリソグラフィ技術によりなされ、フォトマスクは、露光装置やレジスト材料と共に、微細化のために重要な技術となっている。このため、前述の細線化された配線パターンや微細化されたコンタクトホールパターンを有するフォトマスクなどを実現する目的で、より微細、かつより正確なパターンをフォトマスクブランク上に形成するための技術開発が進められてきた。
高精度のフォトマスクパターンをフォトマスク基板上に形成するためには、フォトマスクブランク上に形成するレジストパターンを、高精度でパターニングすることが必要となる。半導体基板を微細加工する際のフォトリソグラフィは、縮小投影法が用いられるため、フォトマスクに形成されるパターンのサイズは、半導体基板上に形成するパターンサイズの4倍程度の大きさとされるが、このことは、フォトマスクに形成されるパターンの精度が緩和されることを意味するものではなく、高い精度でフォトマスクパターンを形成することが求められる。
また、現在では、フォトリソグラフィで半導体基板上に描画される回路パターンのサイズは、露光光の波長よりも、かなり小さなものとなってきているため、回路パターンをそのまま4倍に拡大したフォトマスクパターンが形成されたフォトマスクを使用して縮小露光を行っても、露光光の干渉などの影響により、フォトマスクパターンどおりの形状にはならない。
そこで、超解像マスクとして、いわゆる光近接効果補正(Optical Proximity Effect Correction:OPC)を行うことで、転写特性を劣化させる光近接効果の補正技術を適用したOPCマスクや、隣り合ったパターンの位相を180°変化させて入射光の強度分布を急峻にする位相シフトマスクが用いられている。例えば、OPCマスクには、回路パターンの1/2以下のサイズのOPCパターン(ハンマヘッドやアシストバーなど)を形成したものがある。また、位相シフトマスクには、ハーフトーン位相シフトマスクやレベンソン型、クロムレス型などがある。
マスクパターンを形成するためには、一般に、透明基板上に遮光性膜を有するフォトマスクブランク上にフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜に電子線や光を照射してパターン描画を行い、フォトレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを得る。そして、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして遮光性膜をパターニングすることで、フォトマスクパターンを得る。微細なフォトマスクパターンを得るためには、以下のような理由により、フォトレジスト膜を薄膜化することが有効である。
レジスト膜を薄くすることなくレジストパターンのみを微細化すると、遮光性膜のエッチングマスクとして機能するレジスト部のアスペクト比(レジスト膜厚とパターン幅との比)が高くなってしまう。一般に、レジストパターンのアスペクト比が高くなると、そのパターン形状が劣化しやすく、遮光性膜へのパターン転写精度が低下してしまう。また、極端な場合には、レジストパターンの一部が倒れたり剥離を起こしてパターン抜けが生じたりすることも起こる。そのため、フォトマスクパターンの微細化に伴って、遮光性膜パターニング用のエッチングマスクとして用いるレジストの膜厚を薄くして、アスペクト比が高くなりすぎないようにする必要がある。このアスペクト比は3以下であることが望ましいとされており、例えば、幅70nmのレジストパターンを形成するためには、レジスト膜厚を210nm以下とすることが望ましいことになる。
ところで、フォトレジストのパターンをエッチングマスクとしてパターニングを行う場合の遮光性膜材料については、多くの材料が提案されてきた。特に、クロム単体膜、又はクロムを含有し、窒素、酸素及び炭素の少なくとも1つを含有するクロム化合物膜は、一般的な遮光性膜の材料として用いられている。例えば、特開2003−195479号公報(特許文献1)、特開2003−195483号公報(特許文献2)及び登録実用新案第3093632号公報(特許文献3)には、ArFエキシマレーザ露光用のフォトマスクブランクに求められる遮光特性を有する遮光性膜を、クロム化合物膜で形成したフォトマスクブランクの構成例が開示されている。
クロム化合物膜である遮光性膜は、一般的には酸素を含む塩素系ドライエッチングによりパターニングされるが、フォトレジストなどの有機膜も無視できない程度エッチングされることが多い。このため、膜厚が比較的薄いレジスト膜をマスクとしてクロム系化合物膜である遮光性膜をエッチングすると、このエッチング中にレジストがダメージを受けてレジストパターンの形状が変化し、本来のレジストパターンを遮光性膜上に正確に転写することが困難となる。
このように、有機膜であるフォトレジストに、高い解像性及び高いパターニング精度と、エッチング耐性とを同時に両立させることには技術的障壁が高い。従って、高解像性を得るためには、フォトレジスト膜を薄膜化しなければならない反面、遮光性膜のエッチング工程におけるエッチング耐性を担保するためにはフォトレジスト膜の薄膜化が制限されることとなり、高解像性及び高パターニング精度と、エッチング耐性との間にトレードオフの関係が生じる結果となる。
このため、フォトレジストへの負荷を低減させて薄膜化を図り、より高精度のフォトマスクパターンを形成するためには、パターニング対象とされる遮光性膜の構造(膜厚や組成など)を改良することが必要となる。
遮光性膜材料については、既に多くの検討例があり、例えば、特開2001−312043号公報(特許文献4)には、ArFエキシマレーザ露光用の遮光性膜として、金属膜を用いた例が報告されている。例えば、遮光性膜としてタンタル、反射防止膜として酸化タンタルを用いたものがある。この2層をエッチングする際のフォトレジストへの負荷を低減するために、フォトレジストに対して比較的ダメージが少ないフッ素系のガスプラズマで、この2層のエッチングを行っている。しかしながら、このようなエッチング条件を選択したとしても、フォトレジストのみをエッチングマスクとして遮光性膜と反射防止膜の2層をエッチングするには、フォトレジストへの負荷低減にも限界があり、微細なフォトマスクパターンを高精度で形成するという要求を充分に満足することは困難である。
このように、従来のフォトマスクブランクの構造では、微細なフォトマスクパターンを遮光性膜上に高精度で形成するという要求に充分に応えることは困難である。このことは、露光波長が短く、高い解像度が求められる200nm以下の波長(ArFエキシマレーザ:193nm、F2レーザ:157nmなど)の光を露光光として用いるフォトリソグラフィにおいて特に深刻である。
フォトレジストへの負荷を低減して、微細なフォトマスクパターンを高精度で形成するために、塩素系ドライエッチングにおいて高いエッチングレートとなる遮光性膜として、クロムを主成分とし、軽元素であるO、Nを添加した遮光性膜が提案されている(特開2007−33470号公報(特許文献5))。また、塩素系ドライエッチングにおいて高いエッチングレートとなる遮光性膜としては、クロムを主成分とし、低融点金属であるSn、In等を添加したクロム化合物膜(特開2013−238777号公報(特許文献6))も提案されている。
一方、フォトマスクブランクの欠陥検査は、フォトマスクブランクの反射に基づいてなされるのが一般的である。微小な欠陥を検出するためには、検査波長を短くする必要があり、現在では257nmの波長の光が使用されている。ArFエキシマレーザ露光用フォトマスクブランクの欠陥検査を正確に行なうためには、この波長の光において10〜20%程度の反射率が必要とされる。
しかしながら、軽元素を含有するクロム化合物膜は、200nm以上の波長領域において、透過率が上昇し、反射率が低下する。そのため、アライメントマークの読取りに400nm以上の波長領域の透過光又は反射光を利用するフォトマスクの位置調整では、位置調整が不安定になるという問題があり、また、必要な光学濃度を得るためには厚い膜となるため、パターンの微細化にも不利となる。
更に、軽元素の含有量の増加に従い、遮光性膜の導電性が低下する。先端の技術では、フォトマスクにより転写されたウエハ上のパターンを微細化するため、フォトマスク製作時のレジストのパターニングにおいて、レーザービームによる露光方法に代わり、電子ビーム(EB)による露光方法が主流となっている。また、EBについては、より一層の微細化を可能とするため、高加速電圧50keVが採用されている。更に、レジストは高解像性を得るために低感度化へ進む一方で、生産性向上の観点から、電流密度は40A/cm2から400A/cm2へと著しい高密度化が検討されている。そのため、軽元素の含有量の増加により高エッチングレート化したクロム化合物膜においては、レジストのEBでの露光時にチャージアップが生じてしまい、描画精度の低下(CDの増加や、描画位置ずれ)を招く問題が生じる。
特開2003−195479号公報 特開2003−195483号公報 登録実用新案第3093632号公報 特開2001−312043号公報 特開2007−33470号公報 特開2013−238777号公報 特開昭63−85553号公報
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、遮光性膜としての必要な光学特性と、欠陥検査や、アライメントマークの読取りにおける高精度の位置調整に必要な反射率とを確保した上で、フォトレジストを用いたエッチングにおけるフォトレジストへの負荷を低減させることができる、薄膜化された光学膜を有するフォトマスクブランクを提供すること、更に、フォトレジストの電子ビームでの露光時のチャージアップが防止され、高精度の電子ビーム描画が可能なフォトマスクブランクを提供することを目的とする。
フォトマスクブランクの遮光膜などに用いるクロム膜は、より微細なパターンを正確に形成するためには、極力薄く、かつ必要な遮光度を確保した上でエッチング速度を速くする必要がある。エッチング速度を速くするためには、クロムに軽元素等を添加することが有効であるが、200nm以下の露光波長によりパターン形成をするフォトマスクブランクにおいては、露光波長より長波長で500nm以下の波長では、反射率が低下し透過率が増加する。また、クロム膜を用いたフォトマスクにおいては、マスクアライメントが困難となるため、膜厚を厚くして、必要な光学濃度を確保する必要がある。更に、軽元素等の添加により、導電性が乏しくなるという問題もある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、透過型フォトマスク用のフォトマスクブランクにおいて、露光光及び露光光より長波長の光に対する反射率を高めることで、実効的な光学濃度を高めることができることを知見し、フォトマスクブランクに形成される光学膜として、遮光膜と共に、金属を主成分として含有し、反射率を膜厚で除して求められる単位膜厚当たりの反射率が高い導電性反射膜を用いることで、高エッチングレート化を図った上で、膜厚を過大に増加させることなく、効率よく反射率と光学濃度とを高めることができること、また、このような反射率を膜厚で除して求められる単位膜厚当たりの反射率を指標とし、これを、光学膜を有するフォトマスクブランクの設計に適用することにより、前述した課題に対応した光学膜を効率よく選定できることを見出した。
そして、前述した導電性反射膜を、遮光膜に対して透明基板から離間する側、好ましくは遮光膜に接して配置することにより、表面側(透明基板から離間する側)の反射率を有効に高めることができ、更に、この導電性反射膜をフォトマスクブランクの最表層とすれば、フォトマスクブランクの最表層上に設けられるフォトレジストの電子ビーム描画時のチャージアップを改善できることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のフォトマスクブランクを提供する。
請求項1:
透明基板上に、200nm以下の波長の露光光に対する遮光部及び透光部を有する膜パターンが形成され、前記透光部から前記露光光を透過させて前記膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となるフォトマスクブランクであって、透明基板と、15原子%以上40原子%以下のクロムと、酸素、窒素及び炭素から選ばれる軽元素とからなるクロム化合物からなる遮光膜と、金属を60原子%以上含有し、膜厚が4nm以上であり、前記遮光膜に対向する側の前記露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上であり、シート抵抗が2,000Ω/□以下である導電性反射膜とを有することを特徴とするフォトマスクブランク。
請求項2:
透明基板上に、200nm以下の波長の露光光に対する遮光部及び透光部を有する膜パターンが形成され、前記透光部から前記露光光を透過させて前記膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となるフォトマスクブランクであって、透明基板と、15原子%以上40原子%以下のクロムと、酸素、窒素及び炭素から選ばれる軽元素とからなるクロム化合物からなる遮光膜と、金属を60原子%以上含有し、前記遮光膜に対向する側の前記露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率が10%以上であり、上記反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上であり、シート抵抗が2,000Ω/□以下である導電性反射膜とを有することを特徴とするフォトマスクブランク。
請求項3:
前記導電性反射膜の膜厚が2nm以上であることを特徴とする請求項2記載のフォトマスクブランク。
請求項
前記導電性反射膜の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項
前記導電性反射膜の組成が、窒素及び酸素の合計が15原子%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項
前記遮光膜が、前記透明基板と導電性反射膜との間に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項
前記遮光膜と導電性反射膜とが接して形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項
前記導電性反射膜が、フォトマスクブランクの前記透明基板から離間する側の最表層として形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項
フォトマスクブランクに含まれる金属を含有する膜の合計の光学濃度が2.0以上であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項10
前記透明基板と遮光膜との間に、更に、他の光学膜を有することを特徴とする請求項9記載のフォトマスクブランク。
請求項11
前記他の光学膜が位相シフト膜であることを特徴とする請求項10記載のフォトマスクブランク。
請求項12
前記遮光膜と位相シフト膜との合計の光学濃度が2.0以上であることを特徴とする請求項11記載のフォトマスクブランク。
請求項13
前記金属がクロムであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項14
前記遮光膜中の窒素と酸素の合計が30原子%以上であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
請求項15
前記遮光膜が、酸素含有塩素系ドライエッチングによりエッチングされる膜であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
また、本発明は、下記のフォトマスクブランクの設計方法及びフォトマスクブランクが関連する。
[1] 透明基板上に光学膜が形成されたフォトマスクブランクの設計方法であって、
前記フォトマスクブランクが、露光光を透過させて、透明基板上に形成された膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となるフォトマスクブランクであり、
前記光学膜を、その反射率を厚さで除した単位厚さあたりの反射率を指標として選定することを特徴とするフォトマスクブランクの設計方法。
[2] 前記フォトマスクブランクが、透明基板と、遮光膜と、金属を主成分として含有する導電性反射膜とを有し、前記光学膜として、前記遮光膜に対向する側の前記露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上であり、シート抵抗が2,000Ω/□以下である膜を、前記導電性反射膜として選定することを特徴とする[1]記載のフォトマスクブランクの設計方法。
[3] 透明基板上に、200nm以下の波長の露光光に対する遮光部及び透光部を有する膜パターンが形成され、前記透光部から前記露光光を透過させて前記膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となるフォトマスクブランクであって、透明基板と、遮光膜と、金属を主成分として含有し、前記遮光膜に対向する側の前記露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上であり、シート抵抗が2,000Ω/□以下である導電性反射膜とを有することを特徴とするフォトマスクブランク。
[4] 前記導電性反射膜の膜厚が10nm以下であることを特徴とする[3]記載のフォトマスクブランク。
[5] 前記導電性反射膜の組成が、金属が40原子%以上であり、窒素及び酸素の合計が15原子%以下であることを特徴とする[3]又は[4]記載のフォトマスクブランク。
[6] 前記遮光膜が、前記透明基板と導電性反射膜との間に形成されていることを特徴とする[3]乃至[5]のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
[7] 前記遮光膜と導電性反射膜とが接して形成されていることを特徴とする[3]乃至[6]のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
[8] 前記導電性反射膜が、フォトマスクブランクの前記透明基板から離間する側の最表層として形成されていることを特徴とする[3]乃至[7]のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
[9] フォトマスクブランクに含まれる金属を含有する膜の合計の光学濃度が2.0以上であることを特徴とする[6]乃至[8]のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
[10] 前記透明基板と遮光膜との間に、更に、他の光学膜を有することを特徴とする[9]記載のフォトマスクブランク。
[11] 前記他の光学膜が位相シフト膜であることを特徴とする[10]記載のフォトマスクブランク。
[12] 前記遮光膜と位相シフト膜との合計の光学濃度が2.0以上であることを特徴とする[11]記載のフォトマスクブランク。
[13] 前記金属がクロムであることを特徴とする[3]乃至[12]のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
本発明によれば、露光波長における十分な光学濃度と、露光波長より長波長側の波長域での十分な反射率とを確保し、遮光膜が薄膜化され、かつフォトレジストの電子ビーム描画時の帯電を抑制可能なフォトマスクブランクに最適な導電性反射膜等の光学膜を、効率よく選定できる。
また、本発明によれば、透過光によって微細なパターンを露光するフォトマスク用のフォトマスクブランクにおいて、反射率を膜厚で除して求められる単位膜厚あたりの反射率を2.5%/nm以上の導電性反射膜を設けることで、透明基板上に、必要な光学濃度が確保され、反射率が高く、膜厚が薄い光学膜を設けたフォトマスクブランクを提供することができる。
更に、本発明によれば、露光光と露光光より長波長の光に対して高反射率、更には高導電性も有するフォトマスクブランクを提供することができ、フォトマスク作製時及び使用時のアライメントが正確に行え、更には、フォトレジストの電子ビーム露光時のフォトマスクブランクのチャージアップを抑制することも可能であることから、微細なフォトマスクパターンを高精度に形成可能なフォトマスクブランクを提供することができる。
実施例1の金属クロム膜の膜厚と、金属クロム膜の表面側の反射率との関係を示す図である。 実施例1の金属クロム膜の膜厚と、該膜厚1nm当たりの反射率との関係を示す図である。 実施例1の金属クロム膜の膜厚と、シート抵抗との関係を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のフォトマスクブランクとしては、透明基板上に、200nm以下の波長の露光光に対する遮光部及び透光部を有する膜パターンが形成され、透光部から前記露光光を透過させて膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となるフォトマスクブランクが好適である。そして、本発明のフォトマスクブランクとしては、透明基板と、遮光膜と、金属を主成分として含有し、遮光膜に対向する側の露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上である導電性反射膜とを有するものが好適である。本発明における前記所定の波長の典型例としては、例えば、露光波長である193nm(ArFエキシマレーザ)、157nm(F2レーザ)、欠陥検査波長である257nm、アライメントマークの読取り波長の一例として405nm(固体レーザダイオード)などが挙げられる。
これにより、薄膜で導電性に優れ、高速エッチングが可能である遮光性膜、即ち、遮光性を与える光学膜を有するフォトマスクブランクを提供することができる。ここで導電性反射膜に含有される金属としては、遷移金属やケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)などが挙げられるが、好ましくはクロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)及びアルミニウム(Al)から選ばれる1種類以上の金属を主成分とし、より好ましくはクロムである。
クロムを主成分とする遮光性膜については、軽元素を添加することで、酸素含有塩素系ドライエッチングを実施した場合のエッチングレートを高めることができる。これにより、遮光性膜の高速エッチングが可能となり、フォトレジストを用いたエッチング時にマスクとして使用される化学増幅型レジスト等のフォトレジストへの負荷を軽減できる。
しかしながら、フォトマスクの製造工程及び使用工程において、アライメントマークの検出に露光光より長波長の光を使用することが一般的であるが、クロムを含有した遮光膜などの金属を主成分とする遮光膜への軽元素添加を行う場合、波長が200nm以上の光に対する透過率が高くなり、反射率が低下するため、これらの工程においてアライメントが困難となるデメリットとなり得る。
また、クロムを含有した遮光膜などの金属を主成分とする遮光膜への軽元素添加を行う場合、抵抗率が上昇し、導電性が乏しくなるため、フォトレジストの電子ビーム露光時にチャージアップが生じてしまい、描画精度の低下を招くことが問題となる。特に、酸素添加時は、抵抗率の上昇が著しく、絶縁膜になりやすい。
板状又は膜状材料に対して、厚さ方向に相当する表面の法線方向から光を入射させる場合に、材料の吸収率をα、反射率をr、透過率をtとすると、これらは1=α+r+tで表される式を満たす。そのため、光学濃度を高めたい場合、透過率を小さくすることになるので、t=1−α−rより、吸収率と反射率を高めることが必要である。
本発明の導電性反射膜を有するフォトマスクブランクでは、遮光膜と共に、金属を主成分として含有し、前記遮光膜に対向する側の前記露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上である導電性反射膜を用いることで、薄膜で導電性を有し、かつ十分な遮光性を有するものとなる。
また、より薄膜で反射率を高め、レジストの電子ビーム露光時のチャージアップを抑制するという観点から、遮光膜に対して、導電性反射膜を透明基板と離間する側、つまりフォトレジストが形成された場合にそれに近い遮光膜表層側に配置させることが好ましい。これは、換言すれば、遮光膜が、透明基板と導電性反射膜との間に形成されることを意味する。また、前記観点からは、遮光膜と導電性反射膜とが接して形成されていることが好ましく、導電性反射膜が、フォトマスクブランクの透明基板から離間する側の最表層として形成されていることが好ましい。更に、レジストの電子ビーム露光時のチャージアップを抑制するという観点からは、導電性反射膜のシート抵抗が2,000Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1,500Ω/□以下であり、更に好ましくは1,000Ω/□以下である。例えば、EBの電流密度が400A/cm2の場合、フォトマスクブランク最表層のシート抵抗が1,000Ω/□以下であれば、EB描画時のチャージアップに対し十分な効果を得ることができる。そのため、このようなフォトマスクブランクの導電性反射膜として適当な膜厚は、好ましくは2nm以上であり、より好ましくは4nm以上である。
導電性反射膜の形成においては、より高い導電性と反射率を確保するため、反応性ガスとしてN2ガスやO2ガスを使用せず、不活性ガスのみで成膜することが好ましい。また、導電性反射膜の形成において、成膜速度が著しく低下する化合物の成膜への遷移領域に進行しなければ、膜の応力を調整するために反応性ガスを添加してもよい。特に、O2ガスについては、スパッタ膜の導電性を著しく低下させるため、使用しないか、又は成膜に使用するスパッタリングガスを抑制し、導電性反射膜に含まれる酸素の含有量を15原子%以下とすることがより好ましい。また、導電性反射膜は、軽元素の含有率、例えば、酸素、窒素及び炭素の合計の含有率が、遮光膜の軽元素の含有率よりも低いものとすることが好ましく、特に、導電性反射膜中の窒素と酸素の合計を40原子%未満とすることが好ましく、特に20原子%以下、とりわけ15原子%以下とすることがより好ましい。
導電性反射膜に含有される金属としては、Cr、Zr、Ta、Ti、Mo、W、Fe、Ni、Co、Al及びSiから選ばれる1種類以上の金属が好ましく、より好ましくはCrである。導電性反射膜に含有される金属の合計の含有率が60原子%以上であることが好ましく、80原子%以上、特に85原子%以上であることがより好ましい。導電性反射膜としては、金属単体、金属に、酸素、窒素及び炭素から選ばれる軽元素、特に、酸素及び窒素から選ばれる軽元素を添加した金属化合物などが挙げられる。
導電性反射膜の膜厚は10nm以下であることが好ましく、例えば、酸素を含む塩素系ドライエッチングにおけるエッチングレートについては、軽元素を含むクロム化合物膜等の金属化合物膜に比べ、金属クロム膜等の金属膜のエッチングレートが低いため、導電性反射膜は、できるだけ薄くすることが好ましい。なお、導電性反射膜の効果を十分に得るためには、膜厚は2nm以上であることが好ましい。
一方、導電性反射膜と共に用いられる遮光膜は、フォトマスクブランクに形成される光学膜のうち、遮光性に最も寄与する膜(光学濃度が最も高い膜)であり、金属に、酸素、窒素及び炭素から選ばれる軽元素、特に、酸素及び窒素から選ばれる軽元素を添加した金属化合物であることが好ましい。この金属化合物の金属としては、導電性反射膜の金属として例示したものが好適であり、導電性反射膜に含まれる金属と同一の金属を含んでいることが好ましい。
遮光膜の金属含有率は15原子%以上、特に20原子%以上で、40原子%以下、特に37原子%以下であることが好ましい。遮光膜の酸素含有率は0.1原子%以上、特に3原子%以上で、65原子%以下、特に60原子%以下であることが好ましい。遮光膜の窒素含有率は15原子%以上、特に30原子%以上で、65原子%以下、特に60原子%以下であることが好ましい。更に、遮光膜中の窒素と酸素の合計が15原子%超、特に30原子%以上であることが好ましい。遮光膜の膜厚は、30nm以上、特に40nm以上で、70nm以下、特に60nm以下であることが好ましい。
本発明のフォトマスクブランクでは、フォトマスクブランクに含まれる金属を含有する膜の合計の光学濃度が2.0以上、特に3.0以上であることが好適である。
露光波長が短く、高い解像度が求められる200nm以下の波長の光(例えば、ArFエキシマレーザ:193nm、F2レーザ:157nm)を露光光として用いるフォトリソグラフィ用フォトマスクにおいては、微小な欠陥を検出するためには、200nm以上の波長領域の検査波長において、前記露光波長で使用する露光用マスクの欠陥検査を行なうが、フォトマスクブランクを前述のように構成することにより、この検査波長の光において露光用マスクの欠陥検査を正確に行なうために十分な反射率を得ることが可能である。また、シート抵抗が低減され、フォトレジストの電子ビームでの露光時にチャージアップが抑制される。更に、欠陥検査以外にもフォトマスクの位置制御のために、フォトマスクブランクを構成する膜にはアライメントマークが形成されるが、このアライメントマークの検出には、400nm以上の波長の光が使用され、この検出にも十分な反射率が必要であるが、フォトマスクブランクを前述のように構成することにより、このアライメントマークの検出においても十分な反射率を得ることが可能である。マスクの欠陥検査及びアライメントマークの検出において、反射率は、20%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上である。
本発明においては、フォトマスクブランクの抵抗率を下げるために、フォトマスクブランクの最表層に導電性反射膜が配置されている場合、導電性反射膜に、更に、膜厚が100nm以下の保護膜を設けてもよい。また、フォトマスク作製時に、電子ビームによる描画を行うためには、前記構成のフォトマスクブランクに化学増幅型レジストを配してパターニングする際、その表面上に有機導電性膜を設けることにより、電子ビーム描画時のチャージアップを更に抑制することができる。
また、この電子ビーム描画時のフォトマスクブランク表面上のチャージを逃すため、電子ビーム描画装置に設置したフォトマスクブランクの端部にはアース端子を付けるが、電子ビーム描画時の際の欠陥をより効果的に防止するためには、フォトマスクブランク端部のレジストを剥離すれば、導電性反射膜の効果により、チャージが速やかに除かれるため好ましい。この場合、例えば、フォトマスクブランクの端部のレジストを剥離し、その上に有機導電性膜を形成し、更に、この有機導電性膜の端部を剥離することにより、欠陥を効果的に抑制することができる。有機導電性膜は、直接導電性反射膜と接していること、特に、フォトマスクブランクの端部で接していることが好ましい。例えば、有機導電性膜の剥離幅を、フォトレジストの剥離幅よりも狭くすることにより、有機導電性膜が、導電性反射膜と直接接触する部分を形成できる。このようにすることにより、欠陥の防止にも、チャージアップ防止にも、望ましい効果が得られる。
また、アース端子の接続は、有機導電性膜をフォトマスクブランクの端部まで形成して、該端部の有機導電性膜を剥離せずに、この部分に電子ビーム露光機のアース端子を接続する構成とすることも、有機導電性膜を設けずに、導電性反射膜にアース端子を接続する構成とすることもできる。
導電性反射膜のエッチングのために、導電性反射膜の上にハードマスク膜を設けることも好ましい。ハードマスク膜を用いることで、フォトレジストを薄くすることができ、パターンの更なる微細化に対応することが可能となる。また、フォトレジストを薄くすることにより、電子ビーム描画の時間を短縮することができ、そのためチャージアップが抑制されるため好ましい。
ハードマスク膜としては、例えば、導電性反射膜の金属、特に、導電性反射膜及び遮光膜の金属としてクロムを用いた場合には、フッ素系ドライエッチングで速やかにエッチングされ、塩素系ドライエッチングではエッチング速度が極端に遅い膜を用いることができる。このようなハードマスク膜としては、ケイ素を含むものが好適であり、例えば、ケイ素単体、ケイ素と、酸素、窒素及び炭素から選ばれる少なくとも1種とを含む化合物、更に、これらに、クロム以外の遷移金属、例えば、Mo、Ta、W、Zr、Tiなどを添加した化合物が好適である。
また、透明基板と遮光膜との間には、更に、他の光学膜を設けることもできる。この他の光学膜としては、例えば、反射防止膜、ハーフトーン位相シフト膜等の位相シフト膜などが挙げられる。また、この他の膜には、フォトマスクとした後に、フォトマスク上に残して光学膜として機能させる膜であれば、エッチングストッパ膜やエッチングマスク膜なども含まれる。
位相シフト膜としては、例えば、導電性反射膜、好ましくは導電性反射膜及び遮光膜の金属としてクロムを用いた場合には、ケイ素を含むものが好適であり、例えば、ケイ素単体、ケイ素と、酸素、窒素及び炭素から選ばれる少なくとも1種とを含む化合物、更に、これらに、クロム以外の遷移金属、例えば、Mo、Ta、W、Zr、Tiなどを添加した化合物が好適である。この場合、位相シフト膜を用いないフォトマスクの場合に比べて、遮光膜の膜厚を更に薄く設定することができ、その結果、導電性反射膜の膜厚もより薄くすることができる。この場合、遮光膜と位相シフト膜との合計の光学濃度を2.0以上、好ましくは3.0以上とすることで、フォトマスクの遮光性が求められる領域の遮光性を担保することができる。
本発明によれば、軽元素の添加率の低い金属系薄膜、特に、軽元素の添加率の低いCr系薄膜を導電性反射膜とし、これをCr系遮光膜等の金属系遮光膜の透明基板と離間する側に設けることで、露光波長における十分な光学濃度と、露光波長より長波長の波長域、例えば、500nm以下の波長域での十分な反射率とを確保し、遮光膜が薄膜化され、かつフォトレジストの電子ビーム描画時の帯電を抑制可能なフォトマスクブランクを提供することができる。
更に、露光光を透過させて、透明基板上に形成された膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となる、透明基板上に光学膜が形成されたフォトマスクブランクの設計において、前述した導電性反射膜等の光学膜を選定する際、光学膜の反射率を厚さで除した単位厚さあたりの反射率を指標として選定することにより、露光波長における十分な光学濃度と、露光波長より長波長の波長域、例えば、500nm以下の波長域での十分な反射率とを確保し、遮光膜が薄膜化され、かつフォトレジストの電子ビーム描画時の帯電を抑制可能なフォトマスクブランクに最適な光学膜を、効率よく選定できる。
例えば、193nm(ArFエキシマレーザ)を露光波長とする金属クロム膜において、薄膜でより効率よく反射率を高めるには、30nm未満の膜厚で、導電性反射膜を設計するとよい。この場合、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上のものを選定すれば、反射率の増大を図るために導電性反射膜を設ける場合、膜厚の増大率に対して反射率を有利に増大できる。また、金属クロム膜であるため、膜厚10nmにおいても100Ω/□以下のシート抵抗に抑えられる。従って、フォトマスクブランクにおいて、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上の金属クロム膜の導電性反射膜を、例えば、軽元素を含む高エッチングレートの遮光膜であるクロム化合物膜の透明基板と離間する側に配置することで、フォトマスクブランクの遮光性と、反射率と導電性とを確保できる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
DCマグネトロンスパッタ成膜により、152mm角、厚さ6mmの石英基板に、金属クロムターゲットを用い、スパッタリングガスとして不活性ガスであるArガスを20sccm供給して、異なる膜厚の金属クロム膜をそれぞれ異なるスパッタリング時間で成膜した。不活性ガスのみで成膜された金属クロム膜の膜厚と、波長193nm、248nm及び488nmの光の反射率との関係を図1に示す。また、膜厚と、図1の反射率をそれぞれ膜厚で除して得られる、膜厚1nm当たりの反射率との関係を図2に示す。
図1より、金属クロム膜において、30nm以上の膜厚を有する膜においては、膜厚によらず一定の反射率を有している。一方で、30nm未満の膜厚においては、膜厚の減少に従い、反射率が低下していく。よって、図2にも示されるように、薄膜でより効率よく反射率を高めるには、30nm未満の膜厚で、導電性反射膜を設計するとよいことがわかり、この場合、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上のものを選定すれば、反射率の増大を図るために導電性反射膜を設ける場合、膜厚の増大率に対して反射率を有利に増大できることがわかる。
また、得られた金属クロム膜の膜厚とシート抵抗との関係を図3に示す。この場合、金属クロム膜であるため、膜厚10nmにおいても100Ω/□以下のシート抵抗に抑えられている。なお、シート抵抗値の測定には、四端子法による抵抗測定器(三菱化学アナリテック社製 ロレスタGP MCP−T610)を使用した。
[実施例2]
DCマグネトロンスパッタ成膜により、152mm角、厚さ6mmの石英基板上に、MoSiONからなる厚さ72nm、露光光(波長193nm)に対する透過率6.0%、位相差177°のハーフトーン位相シフト膜を成膜した。次に、このハーフトーン位相シフト膜の上に、DCマグネトロンスパッタ成膜により、金属クロムターゲットを用い、反応性ガスとして窒素ガス50sccm及びメタンガス5sccm、不活性ガスとしてArガス10sccmを供給して、遮光膜としてCrNC膜を46nmの厚さで成膜した。更に、この遮光膜の上に、DCマグネトロンスパッタ成膜により、金属クロムターゲットを用い、反応性ガスとして窒素ガス35sccm、不活性ガスとしてArガス20sccmを供給して、導電性反射膜としてCrN膜(Cr:N=9:1(原子比))を3nmの厚さで成膜した。
この導電性反射膜の露光光(波長193nm)に対する反射率は26.9%、波長500nmの光に対する反射率は38.2%であり、シート抵抗は598Ω/□であった。
[比較例1]
DCマグネトロンスパッタ成膜により、152mm角、厚さ6mmの石英基板上に、MoSiONからなる厚さ72nm、露光光(波長193nm)に対する透過率6.0%、位相差177°のハーフトーン位相シフト膜を成膜した。次に、このハーフトーン位相シフト膜の上に、DCマグネトロンスパッタ成膜により、金属クロムターゲットを用い、反応性ガスとして窒素ガス50sccm及びメタンガス5sccm、不活性ガスとしてArガス10sccmを供給して、遮光膜としてCrNC膜を46nmの厚さで成膜した。更に、この遮光膜の上に、DCマグネトロンスパッタ成膜により、金属クロムターゲットを用い、反応性ガスとして窒素ガス50sccm及び酸素ガス10sccm、不活性ガスとしてArガス10sccmを供給して、導電性反射膜としてCrON膜(Cr:O:N=5:6:3(原子比))を3nmの厚さで成膜した。
この導電性反射膜の露光光(波長193nm)に対する反射率は21.2%、波長500nmの光に対する反射率は35.9%であったが、シート抵抗は38,200Ω/□と高かった。この膜構成のままでは、シート抵抗が高く、フォトマスクブランクに電子線レジストを塗布し、描画を実施しても、基板が帯電するため、所望の高精度の描画位置精度を得ることができない。
以上の結果から、フォトマスクブランクにおいて、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上の金属クロム膜の導電性反射膜を、例えば、軽元素を含む高エッチングレートの遮光膜であるクロム化合物膜の透明基板と離間する側に配置することで、フォトマスクブランクの遮光性と、反射率と導電性とを確保できることがわかる。
以上、実施例により本発明について説明したが、前記実施例は、本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。この実施例を種々変形することは、本発明の範囲内にあり、更に、本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは、前記記載から自明である。

Claims (15)

  1. 透明基板上に、200nm以下の波長の露光光に対する遮光部及び透光部を有する膜パターンが形成され、前記透光部から前記露光光を透過させて前記膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となるフォトマスクブランクであって、透明基板と、15原子%以上40原子%以下のクロムと、酸素、窒素及び炭素から選ばれる軽元素とからなるクロム化合物からなる遮光膜と、金属を60原子%以上含有し、膜厚が4nm以上であり、前記遮光膜に対向する側の前記露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上であり、シート抵抗が2,000Ω/□以下である導電性反射膜とを有することを特徴とするフォトマスクブランク。
  2. 透明基板上に、200nm以下の波長の露光光に対する遮光部及び透光部を有する膜パターンが形成され、前記透光部から前記露光光を透過させて前記膜パターンを転写する透過型フォトマスクの素材となるフォトマスクブランクであって、透明基板と、15原子%以上40原子%以下のクロムと、酸素、窒素及び炭素から選ばれる軽元素とからなるクロム化合物からなる遮光膜と、金属を60原子%以上含有し、前記遮光膜に対向する側の前記露光光の波長以上で波長500nm以下の所定の波長の光に対する反射率が10%以上であり、上記反射率を膜厚で除して求められる、膜厚1nm当たりの反射率が2.5%/nm以上であり、シート抵抗が2,000Ω/□以下である導電性反射膜とを有することを特徴とするフォトマスクブランク。
  3. 前記導電性反射膜の膜厚が2nm以上であることを特徴とする請求項2記載のフォトマスクブランク。
  4. 前記導電性反射膜の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  5. 前記導電性反射膜の組成が、窒素及び酸素の合計が15原子%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  6. 前記遮光膜が、前記透明基板と導電性反射膜との間に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  7. 前記遮光膜と導電性反射膜とが接して形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  8. 前記導電性反射膜が、フォトマスクブランクの前記透明基板から離間する側の最表層として形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  9. フォトマスクブランクに含まれる金属を含有する膜の合計の光学濃度が2.0以上であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  10. 前記透明基板と遮光膜との間に、更に、他の光学膜を有することを特徴とする請求項記載のフォトマスクブランク。
  11. 前記他の光学膜が位相シフト膜であることを特徴とする請求項10記載のフォトマスクブランク。
  12. 前記遮光膜と位相シフト膜との合計の光学濃度が2.0以上であることを特徴とする請求項11記載のフォトマスクブランク。
  13. 前記金属がクロムであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  14. 前記遮光膜中の窒素と酸素の合計が30原子%以上であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
  15. 前記遮光膜が、酸素含有塩素系ドライエッチングによりエッチングされる膜であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
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