以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るユーザ情報入力支援システムを詳細に説明する。なお、本実施形態では、ユーザ情報入力支援システムがクレジットカードのオンライン申し込みに適用される例を示すが、そのような例に限定されない。以下、本発明に係るユーザ情報入力支援サービスを提供する事業者を「サービス事業者」、サービスを受けかつオンライン申し込みにおいて情報を入力する申込者を「ユーザ」と称する。
図2は、本発明の一実施形態に係るユーザ情報入力支援システムを構成するコンピュータシステム全体の構成の例を示している。本実施形態に係るユーザ情報入力支援システムは、申し込み受付サーバ1および携帯端末(携帯電話など)2を備えている。申し込み受付サーバ1と携帯端末2とは、ネットワーク3(3GおよびLTEなどの通信方式を使用した無線ネットワークおよびインターネットなどの公衆回線の組み合わせ)を介して相互に接続されている。
申し込み受付サーバ1は、サービス事業者が管理・保有するサーバコンピューティングデバイスである。申し込み受付サーバ1は、携帯端末2から入力されたユーザ情報を受け付けて、データベースに登録する。
携帯端末2は、ユーザが保有し、本実施形態に係るユーザ情報入力支援システムを利用するのに使用するコンピュータデバイスである。ユーザは、携帯端末2の表示部に表示された申し込み画面からユーザ情報を入力する。携帯端末2は、通信機能および演算機能を有する、クライアントコンピュータデバイスであれば、特に機器は限定されない。
次に図3を参照して、本発明の一実施形態に係るユーザ情報入力支援システムを構成するコンピューティングデバイスの詳細な構成の例を説明する。
申し込み受付サーバ1は、通信部11、制御部12、主記憶部13、および補助記憶部14を備えており、それらの各要素が相互に内部バスで接続されている。
通信部11は、ネットワーク3を介して接続された携帯端末2との間で、ユーザデータなどのデータを送受信する。携帯端末2とのデータの送受信は、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)、時分割多元アクセス(TDMA:time division multiple access)、周波数分割多元アクセス(FDMA:frequency division multiple access)、または直交周波数分割多元アクセス(OFDMA:orthogonal frequency division multiple access)などの方式で通信されてもよい。
制御部12は、中央処理装置(CPU:central processing unit)とも称され、申し込み受付サーバ1全体を制御する。制御部12は、上記各構成要素の制御およびデータの演算などを実行し、また、補助記憶部14に格納されている各種プログラムを主記憶部13に読み出して実行する。
主記憶部13は、メインメモリまたは一時記憶装置とも称され、制御部12が直接アクセスすることができる記憶装置である。制御部12は、主記憶部13に記憶されている命令を読み取り、かつ実行する。また、制御部12が頻繁に操作しているデータも同様の方法で、主記憶部13に記憶される。
補助記憶部14は、ハードディスク(HDD:hard disk drive)などに代表される記憶装置であり、後述するユーザデータテーブルなどを記憶したデータ記憶部(データベーステーブル)14aを有している。また、補助記憶部14は、制御部12に、本実施形態に係る各種処理を実行させるためのプログラム(図示せず)を記憶している。なお、申し込み受付サーバ1は、データベースマネジメントシステム(DBMS:database management system)を実装し(図示せず)、当該DBMSを制御部12が実行することにより、利用者データテーブルなどのデータベーステーブルの読み出し、レコードの挿入・更新などが実行される。
携帯端末2は、通信部21、制御部22、主記憶部23、補助記憶部24、表示部25、カメラ26、スピーカ27およびマイクロフォン28を備えており、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。なお、カメラ26、スピーカ27およびマイクロフォン28は、携帯端末2に内蔵されていることを前提にするが、そのような構成に限定されず、単独のカメラ26、スピーカ27およびマイクロフォン28が携帯端末2に接続されていてもよい。
通信部21は、申し込み受付サーバ1から、ネットワーク3を介して、後述するユーザ情報入力支援プログラムを受信する。ユーザ情報入力支援プログラムは、本実施形態に係るユーザ情報入力支援サービスを受けるのに、携帯端末2上で実行されるアプリケーションプログラムである。ユーザ情報入力支援プログラムは、ASP(Application Service Provider)サービスとして、申し込み受付サーバ1から携帯端末2にダウンロードされ、補助記憶部24に記憶される。
制御部22は、中央処理装置であり、上述したユーザ情報入力支援プログラムを主記憶部23に読み出して、当該プログラムを実行し、また、上述した各要素の制御、データ演算などを実行する。
主記憶部23は、メインメモリであり、携帯端末2が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶している。
補助記憶部24は、ハードディスクなどの記憶装置であり、上述した、申し込み受付サーバ1からダウンロードしたユーザ情報入力支援プログラムを記憶している。また、補助記憶部24は、後述する属性判定ルールテーブル、および、後述する36の入力項目のそれぞれが、一般的にどの物理的カードに印字されているかを示す印字情報マトリクステーブルが記憶されている。
表示部25は、制御部22がユーザ情報入力支援プログラムを実行することによって、ユーザがユーザ情報を入力するための画面インタフェースを表示するディスプレイである。表示部25は、例えば、ユーザによるタッチ操作、フリック操作、およびスライド操作などの入力操作を、抵抗膜方式または静電容量方式などの技術を利用して検出する、タッチパネルディスプレイを備えてもよい。
カメラ26は、ユーザが保有する物理的カードを撮像する。カメラ26の解像度は、特に限定されないが、少なくとも、物理的カードに印字された氏名などの情報を読み取ることが可能な程度の解像度を有する必要がある。
スピーカ27は、オンライン申し込みに必要な入力項目に対する質問音声を出力する。
マイクロフォン28は、スピーカ27が出力した質問音声に対し、ユーザが発した音声を取得し、電気信号に変換する。
次に、図4のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態に係るユーザ情報入力支援システムが実行する、ユーザ情報入力支援サービスを含むオンライン申し込みに係る処理の例を説明する。本実施形態では、オンライン申し込みにおいて、図1で示した36の入力項目が必要であるものとする。
携帯端末2の制御部22が補助記憶部24に記憶されたユーザ情報入力支援プログラムを実行すると、表示部25に申し込み受付画面が表示される。
まず、ステップS401では、ユーザは、カード種別情報入力画面においてカード種別情報を入力する。カード種別情報は、物理的カードの中で、運転免許証および健康保険証などを示す情報であり、例えば、「1:運転免許証」、「2:キャッシュカード」、「3:健康保険証」、「4:名刺(社員証または学生証)」、「5:社員証」、「6:その他」などの値を有してもよい。本実施形態では、上述した値を有することにする。カード種別情報は、カード種別情報入力画面において、それらのいずれかであるかを選択することによって(例えば、プルダウンメニューなど)入力が受け付けられてもよい。
次に、ユーザは、カメラ26を使用して、ステップS401で入力されたカード種別情報に対応する物理的カードの情報が印字された面(情報印字面)を撮影する(ステップS402)。撮影された情報印字面は、画像データとして制御部22に送信される。この情報印字面を撮影する際に、ステップS401で入力されたカード種別情報に対応する物理的カードを撮影する旨のメッセージを表示してもよい(例えば、「運転免許証の表面をカメラで撮影してください。」など)。
ステップS401およびステップS402は、撮影される物理的カードの枚数に対応する回数だけ繰り返される。例えば、ユーザが運転免許証、キャッシュカード、健康保険証、および名刺を保持している場合、ユーザは、ステップS401およびステップS402を4回繰り返すことになる。本実施形態では、上述した4枚の物理的カードが撮影されるものとする。
次に、ステップS402で撮影された情報印字面の画像データから、印字された情報を認識してテキストデータを抽出する(ステップS403)。このテキストデータの抽出は、OCR(Optical Character Recognition)機能によって実行される。OCR機能は、ユーザ情報入力支援プログラムにおいて実装されてもよく、またはユーザ情報入力支援プログラムがOCR機能を有する別個のプログラムを呼び出してもよい。
ステップS403で実行されるテキストデータの抽出は、カード種別によって処理が異なる。図5を参照して、ステップS403の詳細を説明する。
まず、制御部22は、ステップS401で入力されたカード種別情報の値を判定する(ステップS403A)。そして、カード種別情報の値が運転免許証に対応する値である場合(ステップS403B)、ステップS403Cに遷移する。
運転免許証は、所定の位置に氏名、生年月日、住所および運転免許証番号が印字されている。よって、ステップS402で撮影された情報印字面の画像データから、氏名、生年月日、住所および運転免許証番号に対応するテキストデータを抽出する(ステップS403C)。このテキストデータは、氏名などが印字された位置に対応する座標情報に基づいて抽出される。抽出された氏名、生年月日、住所および運転免許証番号に対応するテキストデータは、ユーザ情報項目格納テーブルの対応する属性にそれぞれ記憶される。ユーザ情報項目格納テーブルは、物理的カード別に、図1で示した36項目をそれぞれの属性に対応するテキストデータを記憶したデータテーブルである。
上記に加え、運転免許証を読み込んだことによって、該当のユーザが運転免許証を保持していると判定され、ユーザ情報項目格納テーブルの属性「運転免許所有有無」には、例えば、「1:有」が記憶される。
なお、運転免許証には生年月日が昭和・平成などの元号の形式で印字されるが、オンライン申し込みにおいて西暦での生年月日の入力が必要な場合は、ユーザ情報項目格納テーブルに記憶する際に、抽出した生年月日のテキストデータを西暦に変換してもよい。また、抽出した住所をカタカナに変換し、ユーザ情報項目格納テーブルの属性「住所(フリガナ)」に記憶してもよい。なお、ユーザの住所が「△△ビル」などを含む場合、そのビル名などは固有名詞になるので、正確に平仮名・カタカナ変換ができない場合がある。このような場合は後述する。
次に、カード種別情報の値がキャッシュカードに対応する値である場合(ステップS403D)、ステップS403Eに遷移する。
キャッシュカードも運転免許証と同様に、所定の位置に氏名(カタカナ)、金融機関コード、支店コード、口座種別、および口座番号が印字されている。よって、ステップS402で撮影された情報印字面の画像データから、氏名(カタカナ)、金融機関コード、支店コード、口座種別、および口座番号に対応するテキストデータを抽出する(ステップS403E)。抽出された氏名(カタカナ)、金融機関コード、支店コード、口座種別、および口座番号は、ユーザ情報項目格納テーブルの対応する属性にそれぞれ記憶される。なお、キャッシュカードには氏名がカタカナで印字されるが、オンライン申し込みにおいて平仮名の氏名の入力が必要な場合は、ユーザ情報項目格納テーブルに記憶する際に、抽出したカタカナの氏名のテキストデータを平仮名に変換してもよい。
次に、カード種別情報の値が健康保険証に対応する値である場合(ステップS403F)、ステップS403Gに遷移する。
健康保険証は、加入している健康保険組合によって印字項目や印字位置が異なるものであり、運転免許証のようにどの項目がどの位置に印字されているかを明確に特定することができない。ステップS403Gでは、ステップS402で撮影された情報印字面の画像データ全体のテキストデータを抽出する。そして、抽出したテキストデータを複数のテキストデータに分割し、分割データ格納テーブルに記憶する。テキストデータの分割は、画像データ全体から抽出されたテキストデータの認識された文字間の空白が所定の距離以上であるか否かに基づいて判定される。図6は、撮影される健康保険証(6(a))、および分割データ格納テーブルに記憶された複数のテキストデータ(6(b))を示している。
図6(a)に示すように、本実施形態で示す健康保険証を保持するユーザは、印字された事業者に所属し、その事業者が特定の健康保険組合に加入していることが分かる。よって、ユーザは、印字された事業者に所属する会社員であり、図6(a)に示された事業者名称が、ユーザが所属する事業者名称であると判定することができる。よって、図6(b)に示す分割データ格納テーブルに記憶された各テキストデータのそれぞれは、表1に示す属性判定ルール(健康保険証)に従って、ユーザ情報項目格納テーブルの各属性に対応すると判定され、ユーザ情報項目格納テーブルに記憶される(ステップS403H)。
上記に加え、属性判定ルール(健康保険証)に従って勤務先名の属性が判定された場合、このユーザの職業が「会社員」であると判断することができる。よって、この場合は、ユーザ情報項目格納テーブルの属性「職業」には、例えば、「1:会社員」が記憶される。
一方で、ユーザが、国民健康保険に加入している場合、このユーザの職業が「自営業」であると判断することができる。この場合、文字列「国民健康保険」に対応するテキストデータが抽出されることになる(分割データ格納テーブルのうち、No.1には文字列「国民健康保険」のテキストデータが記憶される)。よって、ユーザ情報項目格納テーブルの属性「職業」には、例えば、「2:自営業」が記憶される。
次に、カード種別情報の値が名刺(社員証または学生証)に対応する値である場合(ステップS403I)、ステップS403Jに遷移する。
名刺についても健康保険証と同様に、印字項目や印字位置が異なるものであり、運転免許証のようにどの項目がどの位置に印字されているかを明確に特定することができない。よって、ステップS402で撮影された情報印字面の画像データ全体のテキストデータを抽出する。そして、抽出したテキストデータを複数のテキストデータに分割し、分割データ格納テーブルに記憶する(ステップS403J)。図7は、撮影される名刺(7(a))、および分割データ格納テーブルに記憶された複数のテキストデータ(7(b))を示している。
図7(a)に示すように、本実施形態で示す名刺を保持するユーザは、「○○株式会社」の「営業部 第一販売課」に所属していることが分かる。また、その名刺には、「○○株式会社」の電話番号やURLなどが印字されている。よって、図7(b)に示す分割データ格納テーブルに記憶された各テキストデータのそれぞれは、表2に示す属性判定ルール(名刺)に従って、ユーザ情報項目格納テーブルの各属性に対応すると判定され、ユーザ情報項目格納テーブルに記憶される(ステップS403K)。
上記以外にも、入力項目の属性に応じたルールに従って、当該属性に対応する文字列が含まれるテキストデータを抽出してもよい。また物理的カードは、上記に限定されず、他の種類の物理的カードを読み取るようにしてもよい。この場合、該当の物理的カードの属性に応じて属性判定ルールを定義してもよく、または該当の物理的カードの属性に関わらず、印字された文字列の一部の文字列を判定することによって属性を判定してもよい(例えば、文字列「会社」、「法人」、および「大学」など、一般的に事業者名を示す名称の一部の文字列が含まれる文字列に対応するテキストデータを、属性「勤務先名」として判定するなど)。
図4のフローチャートに戻ると、通信部21は、ステップS403Hおよび/またはステップS403Kでユーザ情報項目格納テーブルの属性「勤務先名」に記憶されたテキストデータ、および/またはステップS403Jで分割データ格納テーブルに記憶されたテキストデータのうち、文字列「URL」および「http://」など、一般的にURLを示す文字列の一部が含まれているテキストデータ(図7(b)のNo.9)を申し込み受付サーバ1に送信する(ステップS404)。
申し込み受付サーバ1の通信部11が、ステップS404で送信された勤務先名および/またはURLに対応するテキストデータを受信すると、制御部12は、当該テキストデータに基づいて、該当の勤務先のWEBページを自動検索する(ステップS405)。このWEBページの自動検索は、受信した勤務先名またはURLに基づいてインターネットブラウザと連動することによって実行してもよく、または申し込み受付サーバ1上でWEBクローラを実装してもよい。
該当のWEBページを取得すると、制御部12は、当該WEBページから、該当の勤務先情報(資本金、従業員数など)を取得する。これらの項目の取得は、例えば、文字列「企業概要」および/または「企業情報」など、一般的に事業者名を示す用語が含まれるページから、文字列「資本金」などと隣接する欄のテキストデータを取得することによって実施されてもよい。取得したテキストデータは、ユーザ情報項目格納テーブルの属性「資本金」および「従業員数」に記憶される(ステップS406)。
なお、属性「勤務先名(フリガナ)」については、名刺に印字されている場合、その印字された文字列からテキストデータを取得してもよい(文字列「会社」、「法人」、および「大学」など、一般的に事業者名を示す名称の一部の文字列を含まない文字列が存在する場合、その文字列に隣接する平仮名、カタカナまたはアルファベットの値を有するテキストデータを属性「勤務先名(フリガナ)」として取得する)。また、上記WEBページから該当にテキストデータを取得してもよく、または属性判定ルール(名刺)に従って抽出された属性「勤務先名」をカタカナに変換してもよい。なお、ユーザの勤務先が「△△ビル」などを含む場合、そのビル名などは固有名詞になるので、正確に平仮名・カタカナ変換ができない場合がある。このような場合は後述する。
次に、携帯端末2の制御部22は、携帯端末2のSIMカードを読み取って、携帯電話番号に対応するテキストデータを取得する。取得したテキストデータは、ユーザ情報項目格納テーブルの属性「携帯電話番号」に記憶される(ステップS407)。SIMカードの読み取りは、携帯端末2において公知のSIMカード読み取りアプリケーションを実装することによって実施されてもよい。
上述したように、4つの物理的カードから文字認識されたテキストデータの属性が判定されると(さらに、WEBページなどから情報が補足されると)、ユーザ情報項目格納テーブルに記憶されるが、その例を図8に示す。
図8に示すように、撮影した4つの物理的カードのそれぞれから、各属性に対応するテキストデータが記憶されている。ここで、例えば、属性「氏名」などに対応するテキストデータは、運転免許証、健康保険証および名刺の3つから抽出されている。
図4のフローチャートに戻ると、4つの物理的カードのそれぞれの属性に対応するテキストデータのうち、同一の属性に対応するテキストデータの値をそれぞれ比較する(ステップS407)。例えば、図8に示すように、運転免許証、健康保険証および名刺の3つから抽出された属性「氏名」に対応するテキストデータの値は一致するので、その値が該当の属性として確定する。一方で、これらのテキストデータの値が一致しない場合は後述する。
次に、携帯端末2の表示部25に、入力確認画面900が表示される(ステップS408)。入力確認画面900の例を図9に示す。
図9に示すように、入力確認画面900は、図1で示した36の入力項目の一部に対し、上述した処理によって、物理的カードなどから抽出されたテキストデータをそれぞれの属性に対応付けて、情報表示欄901に表示している。ここで、図4のステップS407でのテキストデータの値の比較において、一致しなかった場合(例えば、図8に示すように、健康保険証および名刺のそれぞれに印字された勤務先名が異なる場合)、属性不一致メッセージ903が該当の入力項目欄に表示される。また、この場合、情報元物理的カードインジケータ902が該当の入力項目欄に表示され、その物理的カードから取得された情報であるかを示す。
例えば、健康保険証に印字された事業者名は、ユーザが所属する勤務先の親会社などである場合があり、名刺に印字された会社名と異なる場合がある。また、免許証に印字された氏名は、結婚などにより、健康保険証などに印字された氏名と異なる場合がある。このような場合に、双方から取得された情報のそれぞれが、情報元を示す表示(情報元物理的カードインジケータ901)とともに表示されるので、ユーザは異なる情報元に印字された異なる氏名などを確認することができる。そして、選択ボタン904を押下することによって、いずれかの情報を選択することができる。
このようにして、同一の入力項目の属性について複数の物理的カードに異なる情報が印字されている場合でも、ユーザがそれぞれのテキスト抽出されたデータを確認し、正しい方を選択することができる。これは、例えば、1つの物理的カードからのOCRにより文字認識によって一部の文字が正確に認識できなかった場合でも、もう一方の物理的カードからの文字認識によって全ての文字が正確に認識されれば、やはりユーザは正しい方を選択することができる。
また、上述した印字情報マトリクステーブルを参照して、印字情報マトリクステーブルの値と一致しないテキストデータが取得された場合、警告メッセージ905が表示される。表3に印字情報マトリクステーブルの例を示す。表3に示すように、印字情報マトリクステーブルは、4つの物理的カードのそれぞれが、36の入力項目のうちのいずれかが印字されているかを定義するマトリクステーブルである。
例えば、入力項目「メールアドレス」は、通常、ユーザが個人的に使用しているパーソナルコンピュータまたは携帯端末のメールアドレスが入力されるものである。しかしながら、そのアドレスは、一般的に4つの物理的カードのいずれにも印字されないものであり、印字情報マトリクステーブルの4つの列の属性「メールアドレス」は、いずれも「0:印字なし」が定義されている。
上記処理では、名刺から取得された属性「メールアドレス」(勤務先の)に対応するテキストデータが取得されている。印字情報マトリクステーブルの名刺の属性「メールアドレスは、「0:印字なし」の値が定義されているので、印字情報マトリクスの定義値と一致しない。このような場合に、入力確認画面900において、その一致しなかった属性の欄に警告メッセージ905が表示され、取得された情報が正しいかをユーザに警告する。
上記警告メッセージ905は、上述した住所(フリガナ)および/または勤務先住所(フリガナ)を平仮名・カタカナ変換した場合に表示されてもよい。住所にビル名などが含まれる場合は、正確に変換できない可能性があるからである。
入力確認画面900は、36の入力項目を入力するための情報入力テンプレートでもあり、ユーザが認識・表示された情報を修正したい場合、情報表示欄901から直接情報を入力することができる。例えば、上述した勤務先のメールアドレスを、個人使用の携帯端末のメールアドレスなどに修正することができる。
この状態で、ユーザが確定ボタン906を押下すると、自動判定された入力項目、ユーザによって選択された入力項目(図9で示した選択ボタン903を押下することによって選択された入力項目)、およびユーザによって再入力された入力項目(図9で示した情報表示欄901から直接入力された入力項目)を含むユーザデータが、通信部21によって申し込み受付サーバ1に送信される(ステップS409)。
申し込み受付サーバ1の通信部11がユーザデータを受信すると、制御部12は、ユーザデータテーブルに新規レコードを追加する(ステップS410)。ユーザデータテーブルは、図示しないが、図1で示した36の入力項目を含み、ユーザIDを有するユーザの情報を記憶したデータベーステーブルである(ユーザIDは、このタイミングで新たに割り当てられる)。また、ユーザデータテーブルの各レコードは、ステータス情報を有し、ステップS409におけるレコード追加時には、例えば、値「1:申し込み受付途中」が設定される。
このような状態で、その後の任意のタイミングで(例えば、3日後、1週間後など)、ユーザへのプッシュ通知が実行される(例えば、日次バッチ処理などによって)。具体的には、申し込み受付サーバ1の制御部12は、ユーザデータテーブルから、ステータス情報に値「1:申し込み受付途中」が設定されたレコードを取得する(ステップS411)。
次に、制御部12が、ステップS410で取得したレコードに含まれるメールアドレスを取得し、通信部11が、当該アドレスにリマインダ通知を送信する(ステップS412)。このリマインダ通知は、ステップS410でユーザデータテーブルにレコードを追加した際に割り当てられたユーザIDを含む。
携帯端末2の通信部21が、リマインダ通知を受信すると、ユーザは、携帯端末2に実装された電子メールアプリケーションでリマインダ通知を参照し、申し込み受付画面に遷移することができる(例えば、リマインダ通知に含まれるURLをクリックすることによって)。この申し込み受付画面において、ユーザは、リマインダ通知に含まれるユーザIDを入力することによってログインすると、カード種別情報入力画面(図示せず)に遷移する。
次に、通信部21が、ユーザIDを申し込み受付サーバ1に送信すると(ステップS413)、申し込み受付サーバ1の制御部12がユーザデータテーブルから該当のレコードを取得し(ステップS414)、ユーザデータとして携帯端末2に送信する(ステップS415)。
携帯端末2の通信部11が、ユーザデータを受信すると、ステップS408において36の入力項目のうちの一部が表示された状態から再開することができる。この状態で、ユーザは、世帯家族など、物理的カードからは取得できない入力項目に情報を入力し(ステップS415)、情報入力を完了することができる。
なお、上述した、物理的カードからは取得できない入力項目について、携帯端末2のスピーカ27およびマイク28を使用して情報入力をすることができる。
具体的には、まず、制御部12が、申し込み受付サーバ1から送信されたユーザデータの未入力項目を判定し、図10に示すようにスピーカ27が判定された未入力項目についての質問音声を出力する。
上記質問音声に対し、ユーザがその回答について発声すると、マイクロフォン28が入力された音声を電気信号に変換し、制御部12がテキストデータに変換する。このテキストデータへの変換は、携帯端末2に音声認識アプリケーションを実装することによって実行される。このようにして、音声によって未入力項目の入力を完了することができる。
上述したようにして、ユーザが未入力項目全ての入力を完了すると、図9で示したような入力確認画面900が表示され、確認ボタン906を押下することによって、再度、ユーザとして通信部21によって申し込み受付サーバ1に送信される(ステップS416)。
申し込み受付サーバ1の通信部11がユーザデータを受信すると、制御部12は、ユーザデータテーブルの該当のレコードを、受信したユーザデータで更新する(ステップS417)。
以上のようにして、本発明に係るユーザ情報入力支援システムでは、複数の物理的カードに印字された文字列から、各属性に応じたテキストデータを判定するので、ユーザは従来の煩わしい入力の一部を省略しつつ、精度の高い属性判定をすることができる。
また、図4のステップS409およびステップS410において、ユーザデータテーブルにレコードが追加され、携帯端末2にリマインダ通知がされるので、ユーザは、入力項目の入力を完了しなくとも、その時点での入力を後日再開することができる。
なお、ステップS409乃至ステップS415は省略されてもよく、この場合は、ステップS408において、入力確認画面900から残りのみ入力項目を全て入力することによって(または音声認識を介して)情報入力を完了することになる。
また、本実施形態では、図4のステップS403におけるテキスト抽出、およびステップS407におけるテキストデータの値比較は、携帯端末2上で実行されるが、これらの処理は申し込み受付サーバ1上で実行されてもよい。
上記説明した処理の実行順序は例示的なものにすぎず、説明した順序とは異なる順序で実行されてもよい。また、入力項目における上述した属性判定ルールについても上述したものに限定されず、入力項目の属性に応じて様々な属性抽出ルールが使用されてもよい。