JP6706696B2 - 基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム - Google Patents

基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2017年2月1日に日本国に出願された特願2017−016433号に基づき、優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成する基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システムに関する。
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光後にレジスト膜の化学反応を促進させるために加熱するポストエクスポージャーベーキング処理(以下、「PEB処理」という。)、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。
ところで近年、半導体デバイスのさらなる高集積化に伴い、レジストパターンの微細化が求められている。そして、かかる微細化の中、レジストパターンは、下地の被処理膜のパターン形状を定めるものであり、厳格な寸法でウェハ面内均一に形成する必要がある。
そこで、特許文献1には、化学増幅型のレジストを使用するフォトリソグラフィー処理を行ってウェハ上にレジストパターンを形成し、レジストパターンの線幅などの寸法を測定した後、その寸法測定結果に基づいて、例えばPEB処理の加熱温度を補正して、レジストパターンの寸法の適正化を図ることが提案されている。かかる場合、加熱温度の補正は、例えばウェハを載置して加熱する熱板の温度を補正することにより行われる。すなわち、熱板温度とパターンプロファイル(特徴的な構成成分であるゼルニケ係数)との相関式を用いて、PEB処理の安定状態における熱板温度を調節する。
また、このようにPEB処理の加熱温度を補正するシステム、すなわち処理装置の処理条件を補正するシステムとして、従来、例えば製造ラインにおける処理装置の処理条件を自動制御して適正に補正変更するAPC(Advanced Process Control:先端プロセス制御)システムがある。
このAPCシステムに関し、特許文献2には、管理対象の選択と異常判定の定義設定を行うSPC(Statistical Proces Control:統計的傾向管理)手法を用いた工程管理が提案されている。具体的には、例えば品質特性(レジストパターンの寸法)に異常が発生した際に、予め定めた定義式を用いて処理装置の処理パラメータ(PEB処理の加熱温度)を修正する。
また、特許文献3には、ウェハの処理及び検査を行い、トライアンドチェックを繰り返すことで、ウェハの処理条件(PEB処理の加熱温度)を示すレシピを最適化する方法が提案されている。具体的には、複数の候補レシピをデータベース部に記憶させ、各候補レシピを順次に使用して、ウェハの処理および検査を行い、その検査結果に基づいて、複数の候補レシピの中から最良レシピを選択する。かかる場合、トライアンドチェックを自動的に繰り返すことで、オペレータの作業負担の軽減が図られている。
日本国特開2007−311690号公報 日本国特開2012−43245号公報 日本国特開2010−67812号公報
特許文献1に記載された方法では、最終仕上がりパターンからPEB処理で相殺可能なばらつき成分を求め、必要な分だけ熱板温度を操作するという考え方である。このため、フォトリソグラフィー処理を行うシステム内に並列処理可能な他の処理装置、例えばレジスト塗布処理装置や現像処理装置などが複数搭載されていて、それら処理装置間に機差が存在する場合には、PEB処理を含めたウェハ処理を行う一連の搬送経路が1パスに限られる。その結果、搬送経路に制限が生じたり、PEB装置の交換時の代替パス設定において汎用性が課題となると予想される。さらに、特許文献1に記載された方法では、熱板温度とパターンプロファイとの相関式を予め準備する工程が必要となり、ウェハ処理が煩雑となる。
特許文献2に記載された方法には、材料(レジスト材料)や装置状態が変化した場合の定義式をどのように定め、見直しを行うかまでは言及はなく、またその示唆もない。さらに、これら定義式の見直しにかかる手間についての言及も当然にない。
特許文献3に記載された方法では、オペレータの作業負担は軽減されるが、複数候補レシピを用いたウェハ処理と結果の検査、さらに候補レシピの見直しを繰り返すことから、処理条件の最適化に時間がかかる。
以上のように、従来の方法では、フォトリソグラフィー処理を行う処理装置間の機差を考慮しつつ、ウェハ面内でレジストパターンを均一に形成するには改善の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板上にレジストパターンを基板面内で均一に形成することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明の一態様は、基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成する基板処理方法であって、フォトリソグラフィー処理における熱処理を行う複数の熱処理装置において基板温度を経時的に測定し、熱処理装置間における基板温度の差を算出する温度差算出工程と、前記複数の熱処理装置を用いた熱処理を含むフォトリソグラフィー処理を基板に行い、当該基板上にレジストパターンを形成後、レジストパターン寸法を測定し、熱処理装置間におけるレジストパターン寸法の差を算出する寸法差算出工程と、前記基板温度の差と前記レジストパターン寸法の差を用いて、基板温度をレジストパターン寸法に変換するための反応速度を算出し、当該反応速度についての時間の関数である反応モデルを導出するモデル導出工程と、前記反応モデルを用いて基板処理の処理条件を設定する条件設定工程と、を有している。そして前記モデル導出工程において、熱処理開始時及び熱処理終了時の反応速度をゼロとし、前記反応速度が時間方向に連続し、且つ、前記基板温度の差と前記反応モデルの積和が前記レジストパターン寸法の差に近くなるように、評価関数を定めて前記反応モデルについて最適化問題を解き、当該反応モデルを決定する。
本発明の一態様によれば、温度差算出工程における基板温度の測定と寸法差算出工程におけるレジストパターン寸法の測定は、例えばフォトリソグラフィー処理を行う処理装置のセットアップやメンテナンス、或いはレジスト液など薬液投入後の処理条件を調整する際に収集することができる。すなわち、これら基板温度とレジストパターン寸法には、通常時の検査データを流用できる。そして、モデル導出工程においては、前記温度差と寸法差を用いて自動的に反応速度についての時間の関数、すなわち、熱処理工程における時々刻々のパターン潜像形成過程をモデル化することができる。このように、本発明の一態様における反応モデルを導出するには、特別なデータ収集や相関定式化など、通常時とは異なるイレギュラーな作業はほぼ必要がない。
そして、このように反応モデルが導出されると、条件設定工程において当該反応モデルを用いて基板の処理条件を設定することができる。この処理条件の詳細については後述するが、例えば熱処理装置個々に適用する熱処理レシピ(熱板温度)を自動的に調節することができる。また、かかる熱処理と、熱処理装置以外の処理装置、例えばレジスト塗布処理装置や現像処理装置などで行われる処理とを組み合わせた際、良好なレジストパターン寸法が得られるように、基板処理経路の選択を行うことができる。その結果、処理装置間の機差を軽減しつつ、基板上にレジストパターンを基板面内で均一に形成することができる。しかも、反応モデルの導出に際して、上述した従来技術のような手間をかける必要がないので、基板処理のスループットを向上させ、生産性を向上させることができる。
別な観点による本発明の一態様は、前記基板処理方法を基板処理システムによって実行させるように、当該基板処理システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体である。
また別な観点による本発明の一態様は、基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成する基板処理システムであって、基板に熱処理を行う複数の熱処理装置と、基板上のレジストパターン寸法を測定する寸法測定装置と、基板処理の処理条件を設定する制御部と、を有し、前記制御部は、前記複数の熱処理装置において基板温度を経時的に測定し、熱処理装置間における基板温度の差を算出する温度差算出工程と、前記複数の熱処理装置を用いて基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成後、前記寸法測定装置においてレジストパターン寸法を測定し、熱処理装置間におけるレジストパターン寸法の差を算出する寸法差算出工程と、前記基板温度の差と前記レジストパターン寸法の差を用いて、基板温度をレジストパターン寸法に変換するための反応速度を算出し、当該反応速度についての時間の関数である反応モデルを導出するモデル導出工程と、前記反応モデルを用いて基板処理の処理条件を設定する条件設定工程と、を有している。そして前記モデル導出工程において、熱処理開始時及び熱処理終了時の反応速度をゼロとし、前記反応速度が時間方向に連続し、且つ、前記基板温度の差と前記反応モデルの積和が前記レジストパターン寸法の差に近くなるように、評価関数を定めて前記反応モデルについて最適化問題を解き、当該反応モデルを決定する。
本発明の一態様によれば、処理装置間の機差を軽減しつつ、基板上にレジストパターンを基板面内で均一に形成することができる。また、基板処理のスループットを向上させ、生産性を向上させることができる。
本実施形態にかかる基板処理システムの構成の概略を模式的に示す平面図である。 本実施形態にかかる基板処理システムの構成の概略を模式的に示す正面図である。 本実施形態にかかる基板処理システムの構成の概略を模式的に示す背面図である。 熱処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。 熱処理装置の構成の概略を模式的に示す平面図である。 熱板に設けられる温度センサの配置(ウェハの測定点の配置)を示す説明図である。 PEB処理におけるウェハ温度の経時変化を測定点毎に示したグラフである。 ウェハの測定点に対応した位置におけるレジストパターン寸法を抽出する様子を示す説明図である。 ウェハ温度とレジストパターン寸法の関係を示す説明図である。 PEB装置間のウェハ温度差とレジストパターン寸法差を示す説明図である。 反応モデルを示す説明図である。 反応モデルの第1の利用方法において、PEB処理時間を短縮する様子を示す説明図である。 反応モデルの第2の利用方法において、PEB成分を算出する様子を示す説明図である。 反応モデルの第2の利用方法において、熱板温度の操作量とウェハ温度の変化量との相関を示す説明図である。 反応モデルの第3の利用方法において、ウェハ温度とレジストパターン寸法の関係を示す説明図である。 反応モデルの第3の利用方法において、PEB成分と他処理成分を算出する様子を示す説明図である。 反応モデルの第3の利用方法において、レジストパターン寸法を推定する様子を示す説明図である。 反応モデルの第3の利用方法において、レジストパターン寸法を推定した様子を示す説明図である。 実施例において、反応モデルを示す説明図である。 実施例において、第1のPEB装置の面内平均PEB成分を算出する様子を示す説明図である。 実施例において、第2のPEB装置の面内平均PEB成分を算出する様子を示す説明図である。 実施例において、PEB装置間の面内平均PEB成分の差分から第1のPEB装置における熱板温度を更新する様子を示す説明図である。 実施例において、熱板温度の操作量とウェハ温度の変化量との相関を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<基板処理システム>
先ず、本実施形態にかかる基板処理システムの構成について説明する。図1は、基板処理システム1の構成の概略を模式的に示す平面図である。図2及び図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、各々正面図と背面図である。本実施形態では、基板処理システム1が基板としてのウェハWに対してフォトリソグラフィー処理を行う塗布現像処理システムである場合を一例として説明する。
基板処理システム1は、図1に示すように複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
カセットステーション10には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロック、すなわち第1のブロックG1〜第4のブロックG4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(図1のX方向正方向側、図面の上側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(図1のY方向負方向側)には、既述の第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
例えば第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像処理装置30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下、「下部反射防止膜」という。)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下、「上部反射防止膜」という。)を形成する上部反射防止膜形成装置33が下からこの順に配置されている。
例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。
これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33では、例えばウェハW上に所定の処理液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に処理液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、処理液をウェハWの表面に拡散させる。
例えば第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの加熱や冷却といった熱処理を行う熱処理装置40〜43や、レジスト液とウェハWとの定着性を高めるために疎水化処理を行う疎水化処理装置44、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置45が上下方向と水平方向に並べて設けられている。これら熱処理装置40〜43、疎水化処理装置44、周辺露光装置45の数や配置についても、任意に選択できる。
熱処理装置40〜43において、熱処理装置40は、レジスト塗布処理後のウェハWを加熱処理するプリベーキング処理(以下、「PAB処理」という。)を行い、以下、PAB装置40という場合がある。熱処理装置41は、露光処理後のウェハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキング処理(以下、「PEB処理」という。)を行い、以下、PEB装置41という場合がある。熱処理装置42は、現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング処理(以下、「POST処理」という。)を行い、以下、POST装置42という場合がある。熱処理装置43は、その他の熱処理を行う装置である。なお、これら熱処理装置40〜43の構成については後述する。
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム70aを有する、ウェハ搬送装置70が複数配置されている。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
また、ウェハ搬送領域Dには、図3に示すように、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム90aを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム100aを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アーム100aにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置101及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
以上の基板処理システム1には、図1に示すように制御部200が設けられている。制御部200は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部200にインストールされたものであってもよい。
また、基板処理システム1の外部には、当該基板処理システム1においてウェハW上に形成されるレジストパターンの寸法を測定する寸法測定装置210が設けられている。寸法測定装置210は、例えばスキャトロメトリ(Scatterometry)法を用いてレジストパターン寸法を測定するものである。具体的には、例えばウェハWに対して斜方向から光を照射し、当該ウェハWで反射した光を検出する。この検出された光から得られるウェハ面内の光強度分布と、予め記憶されている仮想の光強度分布とを照合し、その照合された仮想の光強度分布に対応するレジストパターン寸法を求める。本実施形態においては、レジストパターン寸法として、例えばレジストパターンの線幅が測定される。
なお、寸法測定装置210は、基板処理システム1の内部に設けられていてもよい。かかる場合、寸法測定装置210は基板処理システム1の内部の任意の位置に配置される。例えばカセットステーション10と処理ステーション11の間に検査ステーション(図示せず)を設け、この検査ステーションに寸法測定装置210を配置してもよい。
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。
先ず、複数のウェハWを収納したカセットCが、基板処理システム1のカセットステーション10に搬入され、カセット載置板21に載置される。その後、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置53に搬送される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され温度調節処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、加熱処理が行われる。その後、ウェハWは、第3のブロックG3の受け渡し装置53に戻される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって同じ第3のブロックG3の受け渡し装置54に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の疎水化処理装置44に搬送され、疎水化処理が行われる。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハW上にレジスト液が塗布されレジスト膜を形成が形成される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってPAB装置40に搬送されて、PAB処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置55に搬送される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置43に搬送されて、加熱され、温度調節される。その後、ウェハWは、周辺露光装置45に搬送され、周辺露光処理される。
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置56に搬送される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置100によって露光装置12に搬送され、所定のパターンで露光処理される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってPEB装置41に搬送され、PEB処理される。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理装置30に搬送され、現像される。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によってPOST装置42に搬送され、POST処理される。
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置50に搬送され、その後カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。こうして、一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
<熱処理装置>
次に、熱処理装置であるPEB装置41の構成について説明するが、他の熱処理装置であるPAB装置40、POST装置42、熱処理装置43の構成もPEB装置41と同様である。図4は、PEB装置41の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。図5は、PEB装置41の構成の概略を模式的に示す平面図である。
PEB装置41は、内部を閉鎖可能な処理容器300を有している。処理容器300のウェハ搬送領域D側の側面には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器300の内部には、ウェハWを加熱処理する加熱部310と、ウェハWを冷却して温度調節する冷却部311が設けられている。加熱部310と冷却部311はY方向に並べて配置されている。
加熱部310は、上側に位置して上下動自在な蓋体320と、下側に位置して蓋体320と一体となって処理室Rを形成する熱板収容部321を備えている。
蓋体320は、下面が開口した略円筒形状を有している。蓋体320の上面中央部には、排気部320aが設けられている。処理室R内の雰囲気は、排気部320aから均一に排気される。
熱板収容部321は、熱板330を収容して熱板330の外周部を保持する環状の保持部材331と、その保持部材331の外周を囲む略筒状のサポートリング332を備えている。熱板330は、厚みのある略円盤形状を有し、ウェハWを載置して加熱することができる。また、熱板330には、例えば給電により発熱するヒータ333が内蔵されている。熱板330の加熱温度は例えば制御部200により制御され、熱板330上に載置されたウェハWが所定の温度に加熱される。
図6に示すように熱板330には、当該熱板330に載置されたウェハWの温度を測定する温度センサ334〜338が設けられている。温度センサ334は熱板330の中心部に配置され、温度センサ335〜338は熱板330の同心円上に等間隔(90度間隔)に配置されている。そして、温度センサ334はウェハWの中心部における測定点k1の温度を測定し、温度センサ335〜338はそれぞれウェハWの外周部における測定点k2〜k5の温度を測定する。なお、熱板330の温度センサ(ウェハWの測定点)の配置や数は本実施形態に限定されず、任意に設定できる。
図4及び図5に示すように熱板330の下方には、ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン340が例えば3本設けられている。昇降ピン340は、昇降駆動部341により上下動できる。熱板330の中央部付近には、当該熱板330を厚み方向に貫通する貫通孔342が例えば3箇所に形成されている。そして、昇降ピン340は貫通孔342を挿通し、熱板330の上面から突出可能になっている。
冷却部311は、冷却板350を有している。冷却板350は、略方形の平板形状を有し、熱板330側の端面が円弧状に湾曲している。冷却板350には、Y方向に沿った2本のスリット351が形成されている。スリット351は、冷却板350の熱板330側の端面から冷却板350の中央部付近まで形成されている。このスリット351により、冷却板350が、加熱部310の昇降ピン340及び後述する冷却部311の昇降ピン360と干渉するのを防止できる。また、冷却板350には、例えば冷却水やペルチェ素子などの冷却部材(図示せず)が内蔵されている。冷却板350の冷却温度は例えば制御部200により制御され、冷却板350上に載置されたウェハWが所定の温度に冷却される。
冷却板350は、支持アーム352に支持されている。支持アーム352には、駆動部353が取り付けられている。駆動部353は、Y方向に延伸するレール354に取り付けられている。レール354は、冷却部311から加熱部310まで延伸している。この駆動部353により、冷却板350は、レール354に沿って加熱部310と冷却部311との間を移動可能になっている。
冷却板350の下方には、ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン360が例えば3本設けられている。昇降ピン360は、昇降駆動部361により上下動できる。そして、昇降ピン360はスリット351を挿通し、冷却板350の上面から突出可能になっている。
次に、以上のように構成されたPEB装置41を用いて行われるPEB処理について説明する。
先ず、ウェハ搬送装置70によってPEB装置41にウェハWが搬入されると、ウェハWはウェハ搬送装置70から予め上昇して待機していた昇降ピン360に受け渡される。続いて昇降ピン360を下降させ、ウェハWを冷却板350に載置する。
次に、駆動部353により冷却板350をレール354に沿って熱板330の上方まで移動させ、ウェハWは予め上昇して待機していた昇降ピン340に受け渡される。その後、蓋体320が閉じられた後、昇降ピン340が下降して、ウェハWが熱板330上に載置される。そして、熱板330上のウェハWは、所定の温度に加熱される。
次に、蓋体320が開かれた後、昇降ピン340が上昇すると共に、冷却板350が熱板330の上方に移動する。続いてウェハWが昇降ピン340から冷却板350に受け渡され、冷却板350が搬入出口側に移動する。この冷却板350の移動中に、ウェハWは所定の温度に冷却される。
<PEB装置の反応モデル>
本発明者は、基板処理システム1における処理装置間の機差を低減しつつ、ウェハW上にレジストパターンをウェハ面内で均一に形成するため、化学増幅型レジストに対して高い操作感度を有するPEB処理に着目し、当該PEB処理の反応メカニズムを明らかにすべくモデル化を行った。具体的には、PEB処理において、経時的に変化するウェハ温度とレジストパターン寸法の相関をモデル化した。
そして、この反応モデルによればPEB処理中の反応進行が推定でき、反応モデルから得られる情報をウェハ処理にフィードバックすることができる。また、この反応モデルを用いることで、レジストパターン寸法に対する、PEB処理とそれ以外の工程(レジスト塗布処理、PAB処理、露光処理、現像処理など)の影響を分離することが可能となる。そうすると、ウェハ処理を最適化することも可能となる。
以下、反応モデルと、当該反応モデルの利用方法(第1の利用方法〜第3の利用方法)について説明する。先ず、反応モデルの導出方法について説明する。反応モデルは、PEB処理におけるウェハ温度と、フォトリソグラフィー処理を行って得られるレジストパターン寸法とを用いる。
PEB処理は、化学増幅型レジストを用いるフォトリソグラフィー処理において高精度な温度管理を必要とする。このため、図6に示したようにPEB装置41には、熱板330に載置されたウェハWの温度を測定する温度センサ334〜338が設けられている。そして、PEB装置41のセットアップやメンテナンスの際、これら温度センサ334〜338を用いてウェハWの測定点k1〜k5の温度を測定し、熱板330の温度プロファイルを調節している。また、基板処理システム1には複数のPEB装置41が設けられ、PEB装置41毎にウェハ温度が取得される。
図7は、上述のように取得したPEB処理におけるウェハ温度の経時変化を測定点k1〜k5毎に示したグラフである。図7の横軸は時間tを示し、横軸はウェハ温度θ[k、t]を示す。kはウェハWの測定点の番号である。通常、図7に示すウェハ温度θ[k、t]が予め設定された許容範囲内に収まるように、熱板温度プロファイルが調節される。この際取得したウェハ温度θ[k、t]を、熱板温度プロファイルが調節されたPEB装置41毎に紐づけて記録する。そして、これらPEB装置41毎のウェハ温度θ[k、t]を反応モデルの導出に用いる。
また、上述したようにPEB装置41における熱板温度プロファイルが調節され、レジスト液をはじめとする薬液が各処理装置に投入及び通液されると、続いて基板処理システム1における各処理装置の処理条件(処理レシピやパラメータ)の調節が行われる。そして、基板処理システム1において一連のフォトリソグラフィー処理を行い、ウェハW上にレジストパターンを形成した後、寸法測定装置210においてレジストパターン寸法を測定し、そのレジストパターンの仕上がりを確認する。
また、基板処理システム1には複数種の処理装置がそれぞれ複数設けられており、例えばPAB装置40が複数設けられ、PEB装置41が複数設けられている。そして、フォトリソグラフィー処理における各処理工程は、それぞれ複数の処理装置から1つの処理装置を選択して行われる。以下、このように各処理工程を行う際にウェハWが経由する処理装置の経路を「処理経路」という。そして、処理経路毎にレジストパターン寸法が取得される。
図8に示すようにレジストパターン寸法は、露光処理におけるショット毎に取得される。ウェハWの測定点k1〜k5と一致するショットがあれば、そのショットにおけるレジストパターン寸法l[k]を抽出する。また、ウェハWの測定点k1〜k5と一致するショットがなければ、例えば測定点k1〜k5の隣接最近傍のショットにおけるレジストパターン寸法を代用するか、或いは測定点k1〜k5の周囲のショットにおけるレジストパターン寸法を適当な2次元補完によって算出する。そして、ウェハWの測定点k1〜k5に対応するレジストパターン寸法l[k]を取得する。
このように取得したレジストパターン寸法l[k]を、処理経路毎に紐づけて記録する。そして、これらレジストパターン寸法l[k]を反応モデルの導出に用いる。
以上のように、ウェハ温度θ[k、t]とレジストパターン寸法l[k]はそれぞれ、PEB装置41のセットアップやメンテナンス、或いはレジスト液などの薬液投入後の処理条件を取得する際に取得することができる。すなわち、ウェハ温度θ[k、t]とレジストパターン寸法l[k]には、通常時に取得される検査データが用いられる。このため、反応モデルを導出するには、特別なデータ収集や相関定式化など、通常時とは異なるイレギュラーな作業はほぼ必要がない。
ウェハ温度θ[k、t]とレジストパターン寸法l[k]の一例を図9に示す。基板処理システム1にはフォトリソグラフィー処理を行う各種処理装置が複数設けられているが、ここでは、処理経路として、2つの第1のPAB装置40(A1)と第2のPAB装置40(A2)、2つの第1のPEB装置41(E1)と第2のPEB装置41(E2)、2つの第1の現像処理装置30(D1)と第2の現像処理装置30(D2)を組み合わせ、その他の処理装置を共通とした処理経路を例示している。
そして、図10に示すように第1のPEB装置41(E1)のウェハ温度θ[k、t]から第2のPEB装置41(E2)のウェハ温度θ[k、t]を差し引き、PEB装置41間におけるウェハ温度差Δθ[k、t]を算出する。
また、図9に示したレジストパターン寸法l[k]について、第1のPEB装置41(E1)と第2のPEB装置41(E2)のグループ単位で平均化する。その後、図10に示すように第1のPEB装置41(E1)の平均レジストパターン寸法l[k]から第2のPEB装置41(E2)の平均レジストパターン寸法l[k]を差し引き、PEB装置41間におけるレジストパターン寸法差Δl[k]を算出する。
そして、このように第1のPEB装置41(E1)と第2のPEB装置41(E2)の差分を取ることにより、PAB装置40や現像処理装置30の影響が排除され、直接的にPEB処理におけるウェハ温度と、PEB処理に起因するレジストパターン寸法の相関を得ることができる。
なお、以下の説明において、これらウェハ温度差Δθ[k、t]とレジストパターン寸法差Δl[k]を総称して「差分データ」という場合がある。
また、図9及び図10に示した処理経路は例示であり、処理経路の選択は任意に行うことができる。例えば上記例ではPEB装置41は2つであり、PEB装置41間の差分データは1つであるが、例えばPEB装置41が3つの場合、差分データは3つとなる。また、例えばPEB装置41が4つの場合、差分データは6つとなる。このように差分データの数は、PEB装置41の組み合わせの数となる。以下、この差分データの数をiとする。
反応モデルc[t]は、ウェハ温度差Δθ[k、t]とレジストパターン寸法差Δl[k]から導出される。この反応モデルc[t]は、ウェハ温度差Δθ[k、t]についての時間方向の重み係数である。具体的には、反応モデルc[t]とウェハ温度差Δθ[k、t]の積和、すなわち反応モデルc[t]とウェハ温度差Δθ[k、t]の積を時間tで積分した値が、レジストパターン寸法差Δl[k]に近くなるようにc[t]が定まれば、そのc[t]が反応モデルとなる。すなわち、反応モデルc[t]は、PEB処理中に経時推移するレジストパターンの潜像形成速度(以下、「反応速度」という。)の情報そのものである。なお、以下の説明では、c[t]について反応モデルと称呼する場合と、反応速度と称呼する場合があるが、いずれも意味としては同じである。
反応モデルc[t]の導出に際しては、制約条件として、熱処理開始時及び熱処理終了時の反応速度をゼロとし、すなわちc[0]=c[T]=0とする。Tは加熱及び冷却を含めたPEB処理時間である。そして、反応速度c[t]が時間方向に連続し、且つ、上述したように反応モデルc[t]とウェハ温度差Δθ[k、t]の積和がレジストパターン寸法差Δl[k]に近くなるように、反応モデルc[t]を決定する。
具体的には、下記式(1)で示される評価関数がゼロに近づくように最適化問題を解き、反応モデルc[t]を決定する。すなわち、反応モデルc[t]を数パターン用意し、制約条件を満たして、且つ、下記式(1)の評価関数がゼロに近づくところを最適化計算すると、反応モデルc[t]は1つに決定される。
Figure 0006706696
但し、F:評価関数、C[t]:反応モデル、Δθ[t、k]:ウェハ温度差、Δl[k]:レジストパターン寸法差、t:PEB処理開始をゼロとしたPEB処理の経過時間、T:PEB処理終了時の時間、k:ウェハ温度の測定点の番号(レジストパターン寸法の測定点の番号)、K:ウェハ温度の測定点の総数(レジストパターン寸法の測定点の総数)、i:複数のPEB装置から取得される差分データの総数(ウェハ温度の差の総数、レジストパターン寸法の差の総数)
上記式(1)の右辺第1項は、反応速度c[t]が時間方向に連続するという条件を示している。1つのデータ取得区間(サンプリング時区間)におけるc[t]の変化量の二乗和であって、その値が小さいとc[t]の時間変化が滑らかであることを示している。
上記式(1)の右辺第2項は、反応モデルc[t]とウェハ温度差Δθ[k、t]の積和がレジストパターン寸法差Δl[k]に近くなるという条件を示している。積和Σc[t]・Δθ[k、t]とΔl[k]の偏差二乗和であって、その値が小さいと、ウェハ温度から、PEB処理に起因するレジストパターンの寸法成分(以下、「PEB成分」という。)を予測する精度が高いことを示している。
また、上記式(1)に加えて、さらにレジスト液に関して、PEB処理を行った際の、ウェハ温度に対するレジストパターン寸法の変化率を示す感度情報γが予めわかっていれば、その感度情報γを評価関数に加えてもよい。感度情報γは、ウェハ温度が1℃変化するとレジストパターン寸法がどれだけ変化するかを示す情報である。
具体的には、下記式(2)で示される評価関数がゼロに近づくように最適化問題を解き、反応モデルc[t]を決定する。
Figure 0006706696
但し、γ:感度情報(単位はnm/℃)
上記式(2)の右辺第3項は、実感度情報γと、反応モデルc[t]から推定される感度、すなわち反応モデルc[t]の時間積分値との偏差の二乗和であって、反応モデルc[t]の時間積分値が感度情報γに近くなるという条件を示している。
以上の式(1)又は式(2)の評価関数を用いて自動的に、図11に示す反応モデルc[t]を導出することができる。図11の横軸は時間tを示し、縦軸は反応モデルc[t]を示す。そして、このように自動的にPEB処理の反応メカニズムがモデル化されるので、従来のように手間をかける必要がなく、ウェハ処理のスループットを向上させ、生産性を向上させることができる。
なお、本発明者が鋭意検討したところ、差分データ数iが大きいほど、確度の高い反応モデルc[t]が求まることが経験的に分かっている。
また、反応モデルc[t]はレジストの種類に対して一義的に決まるものである。したがって、反応モデルc[t]は、複数のPEB装置41に共通のモデルである。
<反応モデルの第1の利用方法>
次に、PEB処理の反応モデルc[t]の第1の利用方法について説明する。反応モデルc[t]がゼロに近い場合、反応速度がゼロに近いことを意味する。そして、PEB処理においてレジストパターンの潜像形成速度が遅い時間帯は、化学反応が進んでいないことを示し、PEB処理のプロセス上の観点からはあまり意味を持たない。特に加熱後の冷却過程において反応速度がゼロの時間は、プロセス上、無駄な時間であり、積極的にPEB処理から除外しても問題はない。
図12に示すようにPEB処理において冷却開始後、反応モデルc[t]がほぼゼロとなる時間帯tcをカットする。例えばPEB処理の熱処理条件(レシピ設定など)にウェハWの冷却時間が指定されている場合、当該冷却時間から時間帯tcをカットする。そうすると、PEB処理全体の処理時間が短縮され、ウェハ処理のスループットを向上させて、生産性を向上させることができる。
<反応モデルの第2の利用方法>
次に、PEB処理の反応モデルc[t]の第2の利用方法について説明する。ここでは、各PEB装置41における熱板330の温度操作量を導出し、PEB装置41間の機差をキャンセルしつつ、レジストパターンをウェハ面内で均一に形成する。
先ず、PEB装置41毎に記録されたウェハ温度θ[k、t]について面内平均を算出する。以下、No.pのPEB装置41における面内平均ウェハ温度をθpmean[t]とする。すなわち、第1のPEB装置41(E1)における面内平均ウェハ温度はθ1mean[t]となり、第2のPEB装置41(E2)における面内平均ウェハ温度はθ2mean[t]となる。
一方、図13に示すように反応モデルc[t]とPEB装置41毎に記録したウェハ温度θ[k、t]の積和、すなわち反応モデルc[t]とウェハ温度差θ[k、t]の積を時間tで積分した値を算出する。この積和は、レジストパターン寸法l[k]のうち、PEB処理に起因して形成されるレジストパターンの寸法成分(以下、「PEB成分」という。)l’[k]と推定される。以下、No.pのPEB装置41におけるPEB成分をl’p[k]とする。すなわち、第1のPEB装置41(E1)におけるPEB成分はl’1[k]となり、第2のPEB装置41(E2)におけるPEB成分はl’2[k]となる。
そして、各PEB装置41について、PEB成分の面内平均を算出する。以下、No.pのPEB装置41における面内平均PEB成分をl’pmeanとする。すなわち、第1のPEB装置41(E1)における面内平均PEB成分はl’1meanとなり、第2のPEB装置41(E2)における面内平均PEB成分はl’2meanとなる。
そして、PEB装置41間に機差がある場合、面内平均ウェハ温度θpmean[t]と、面内平均PEB成分l’pmeanと、反応モデルc[t]を用いれば、機差のキャンセルに必要なウェハ温度の操作量を導出することができる。
具体的には、例えば第2のPEB装置41(E2)に対する第1のPEB装置41(E1)の機差をキャンセルしたい場合、下記式(3)で求められるウェハ温度操作倍率を用いる。
Figure 0006706696
但し、G:ウェハ温度操作倍率、l’1mean:第1のPEB装置41(E1)における面内平均PEB成分、l’2mean:第2のPEB装置41における面内平均PEB成分、C[t]:反応モデル、θ1mean[t]:第1のPEB装置41(E1)における面内平均ウェハ温度、t:PEB処理開始をゼロとしたPEB処理の経過時間、T:PEB処理終了時の時間
そして、第1のPEB装置41(E1)におけるウェハ温度の操作量Δθ1meanは、下記式(6)で算出される。かかる場合、PEB装置41間の機差をキャンセルすることができ、第1のPEB装置(E1)における面内平均ウェハ温度θ1mean[t]を、第2のPEB装置41(E2)における面内平均ウェハ温度θ2mean[t]に近づけることができる。
Figure 0006706696
但し、Δθ1mean:第1のPEB装置41(E1)におけるウェハ温度の操作量、θ1mean[t]:第1のPEB装置41(E1)における面内平均ウェハ温度、θb:PEBの加熱温度、G:ウェハ温度操作倍率
さらに、図14に示すようにPEB装置41における熱板温度の操作量とウェハ温度の変化量との相関を予め求めておく。通常ごく狭い範囲であれば、熱板温度操作量xとウェハ温度変化量yの間には直線的な相関がある。そして、図14に示した相関式y=a・xに基づき、上記式(3)のウェハ温度操作倍率を用いて得られる第1のPEB装置41(E1)におけるウェハ温度操作量Δθ1meanを、熱板温度操作量に換算し、熱板330の温度を設定する。
本実施形態によれば、オペレータを介することなく、第1のPEB装置41(E1)における熱板330の温度を設定することができる。そして、面内平均PEB成分l’1meanとl’2meanの差分を用いて、PEB装置41間の機差をキャンセルすることができ、レジストパターンをウェハ面内で均一に形成することができる。
なお、上記実施形態では、式(3)において面内平均PEB成分l’1meanとl’2meanの差分を用いて、第2のPEB装置41(E2)に対する第1のPEB装置41(E1)の機差をキャンセルしたが、面内平均PEB成分l’1meanとl’2meanの平均値を用いてもよい。
具体的には、下記式(4)を用いてウェハ温度操作倍率Gを算出し、上記式(6)を用いて第1のPEB装置41(E1)におけるウェハ温度の操作量Δθ1meanを算出する。また、下記式(5)を用いてウェハ温度操作倍率Gを算出し、上記式(6)に相当する式を用いて第2のPEB装置41(E2)におけるウェハ温度の操作量Δθ2meanを算出する。
Figure 0006706696
かかる場合でも、オペレータを介することなく、PEB装置41間の機差をキャンセルすることができ、レジストパターンをウェハ面内で均一に形成することができる。
なお、この反応モデルc[t]の第2の利用方法については、後述する実施例においても説明する。
<反応モデルの第3の利用方法>
次に、PEB処理の反応モデルc[t]の第3の利用方法について説明する。ここでは、レジストパターンをウェハ面内で均一に形成するように処理経路を選択する。
図9に示したウェハ温度θ[k、t]とレジストパターン寸法l[k]において、現実的には時間的制約などがあり、すべての処理経路のレジストパターン寸法l[k]を測定できるとは限らない。例えば図15に示すように、第1のPEB装置41(E1)において第2のPAB装置(A2)を経由する処理経路のレジストパターン寸法l[k]が取得されていない場合や、第2のPEB装置41(E2)において第1のPAB装置(A1)を経由する処理経路のレジストパターン寸法l[k]が取得されていない場合がある。本実施形態では、このような処理経路のレジストパターン寸法l[k]を推定し、最適な処理経路を選択する。
先ず、図16に示すように第1のPEB装置41(E1)におけるPEB成分l’1[k]と、第2のPEB装置41(E2)におけるPEB成分l’2[k]とを算出する。これらPEB成分l’1[k]、l’2[k]の算出方法は、第2の利用法用における算出方法と同様であるので詳細な説明を省略する。
次に、第1のPEB装置41(E1)におけるレジストパターン寸法l[k]からPEB成分l’1[k]を差し引く。そうすると、第1のPEB装置41(E1)以外の処理、すなわち第1のPAB装置40(A1)に起因して起因されるレジストパターンの寸法成分(以下、他処理成分)l”1[k]が推定される。
同様に、第2のPEB装置41(E2)におけるレジストパターン寸法l[k]からPEB成分l’2[k]を差し引くと、第2のPEB装置41(E2)以外の処理、すなわち第2のPAB装置40(A2)に起因して起因されるレジストパターンの寸法成分(以下、他処理成分)l”2[k]が推定される。
そして、図17に示すようにPEB成分l’1[k]と他処理成分l”2[k]を足し合わせると、第1のPEB装置41(E1)と第2のPAB装置40(E2)を経由する処理経路のレジストパターン寸法が算出される。そうすると、図18に示すように第1のPEB装置41(E1)に対し、すべての処理経路のレジストパターン寸法l[k]が得られる。そして、レジストパターン寸法l[k]が面内均一になる最適な処理経路を選択することができる。図示の例においては、第1のPEB装置41(E1)に対し、第2のPAB装置40(A2)と第1の現像処理装置30(D1)が選択される。
同様に、図17に示すようにPEB成分l’2[k]と他処理成分l”1[k]を足し合わせると、第2のPEB装置41(E2)と第1のPAB装置40(E1)を経由する処理経路のレジストパターン寸法が算出される。そうすると、図18に示すように第2のPEB装置42(E2)に対し、すべての処理経路のレジストパターン寸法l[k]が得られる。そして、レジストパターン寸法l[k]が面内均一になる最適な処理経路を選択することができる。図示の例においては、第2のPEB装置41(E2)に対し、第1のPAB装置40(A1)と第2の現像処理装置30(D2)が選択される。
本実施形態によれば、予めすべての処理経路のレジストパターン寸法l[k]が取得されていない場合でも、すべての処理経路のレジストパターン寸法l[k]を推定することができる。したがって、できるだけ多くの処理経路の中から最適な処理経路を選択することができるので、レジストパターンの面内均一性を向上させることができる。
また、かかる場合、例えば1つのPEB装置41をメンテナンスや故障のために交換する場合でも、その代替となるPEB装置41で測定したウェハ温度を取得すれば、当該代替となるPEB装置41に対する最適な処理経路を選択することができる。したがって、ウェハ処理の効率性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以上の実施形態では、PEB装置41における熱板330の平均温度を調節して、レジストパターンを面内均一にしていた。この点、熱板330を複数の領域に区画し、各領域毎に上記実施形態を行って、当該領域毎に温度を調節してもよい。
上述した反応モデルc[t]の第2の利用方法について、具体的なデータを用いて説明する。なお、本実施例で示すデータは仮想のデータである。
図19に示すように、予め反応モデルc[t]を導出しておく。
図20に示すように第1のPEB装置におけるウェハ温度θ1[k、t]を取得する。そして、ウェハ温度θ1[k、t]から面内平均ウェハ温度をθ1mean[t]を算出し、さらにθ1mean[t]−θ1mean[0]を算出する。そして、図19に示した反応モデルc[t]を用いてPEB成分l’1[k]を算出し、さらに面内平均PEB成分l’1meanを算出する。こうして面内平均PEB成分l’1meanは113.6nmと算出される。
第2のPEB装置に対しても同様の工程を行う。図21に示すように第2のPEB装置におけるウェハ温度θ2[k、t]を取得する。そして、ウェハ温度θ2[k、t]から面内平均ウェハ温度をθ2mean[t]を算出し、さらにθ2mean[t]−θ2mean[0]を算出する。そして、図19に示した反応モデルc[t]を用いてPEB成分l’2[k]を算出し、さらに面内平均PEB成分l’2meanを算出する。こうして面内平均PEB成分l’2meanは113.364nmと算出される。
かかる場合、図22に示すようにPEB装置間の面内平均PEB成分の差分(=l’2mean−l’1mean)は、−0.236nmとなる。
次に、下記式(3)を用いて、第1のPEB装置におけるウェハ温度操作倍率Gは、0.997378と算出される。すなわち、第1のPEB装置においてウェハ温度θ1[k、t]を0.997378倍すると、第2のPEB装置におけるウェハ温度θ2[k、t]に近い値が得られる。
Figure 0006706696
次に、下記式(6)を用いて、第1のPEB装置におけるウェハ温度の操作量Δθ1meanは、−0.20978℃と算出される。すなわち、第1のPEB装置においてウェハ温度θ1[k、t]に−0.20978℃を足し合わせると、第2のPEB装置におけるウェハ温度θ2[k、t]に近い値が得られる。なお、本実施例において、第1のPEB装置におけるPEB処理の加熱温度θbは100℃である。
Figure 0006706696
ここで、図23に示すようにPEB装置における熱板温度の操作量とウェハ温度の変化量との相関を予め求めておく。本実施例では、(ウェハ温度変化量y)=(係数a)×(熱板温度操作量x)について、a=0.4317である。
そして、この相関式を用いて、図22に示すようにウェハ温度の操作量Δθ1meanである−0.20978℃を、係数aである0.4317で除して、熱板温度操作量Δθbに換算すると、Δθbは−0.48593℃と算出される。そして、θb+Δθbを計算し、第1のPEB装置における熱板の温度を更新する。以上のように本実施例では、第1のPEB装置における熱板の温度が、100℃から99.51407℃に更新される。
1 基板処理システム
12 露光装置
30 現像処理装置
32 レジスト塗布装置
40 PAB装置
41 PEB装置
42 POST装置
43 熱処理装置
200 制御部
210 寸法測定装置
310 加熱部
311 冷却部
330 熱板
334〜338 温度センサ
350 冷却板
W ウェハ

Claims (12)

  1. 基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成する基板処理方法であって、
    フォトリソグラフィー処理における熱処理を行う複数の熱処理装置において基板温度を経時的に測定し、熱処理装置間における基板温度の差を算出する温度差算出工程と、
    前記複数の熱処理装置を用いた熱処理を含むフォトリソグラフィー処理を基板に行い、当該基板上にレジストパターンを形成後、レジストパターン寸法を測定し、熱処理装置間におけるレジストパターン寸法の差を算出する寸法差算出工程と、
    前記基板温度の差と前記レジストパターン寸法の差を用いて、基板温度をレジストパターン寸法に変換するための反応速度を算出し、当該反応速度についての時間の関数である反応モデルを導出するモデル導出工程と、
    前記反応モデルを用いて基板処理の処理条件を設定する条件設定工程と、を有し、
    前記モデル導出工程において、
    熱処理開始時及び熱処理終了時の反応速度をゼロとし、
    前記反応速度が時間方向に連続し、且つ、前記基板温度の差と前記反応モデルの積和が前記レジストパターン寸法の差に近くなるように、評価関数を定めて前記反応モデルについて最適化問題を解き、当該反応モデルを決定する、基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記モデル導出工程において、前記評価関数は下記式(1)で表され、当該評価関数がゼロに近づくように前記反応モデルを決定することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
    Figure 0006706696
    但し、F:評価関数、C[t]:反応モデル、Δθ[t、k]:基板温度の差、Δl[k]:レジストパターン寸法の差、t:熱処理開始をゼロとした熱処理の経過時間、T:熱処理終了時の時間、k:基板温度の測定点の番号(レジストパターン寸法の測定点の番号)、K:基板温度の測定点の総数(レジストパターン寸法の測定点の総数)、i:複数の熱処理装置から取得される基板温度の差の総数(レジストパターン寸法の差の総数)
  3. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記熱処理を行った際の、基板温度に対するレジストパターン寸法の変化率を示す感度情報を予め取得し、
    前記モデル導出工程において、さらに前記反応モデルの時間積分値が前記感度情報に近くなるように、前記反応モデルについて最適化問題を解き、当該反応モデルを決定する。
  4. 請求項3に記載の基板処理方法において、
    前記モデル導出工程において、前記評価関数は下記式(2)で表され、当該評価関数がゼロに近づくように前記反応モデルを決定する。
    Figure 0006706696
    但し、F:評価関数、C[t]:反応モデル、Δθ[t、k]:基板温度の差、Δl[k]:レジストパターン寸法の差、t:熱処理開始をゼロとした熱処理の経過時間、T:熱処理終了時の時間、k:基板温度の測定点の番号(レジストパターン寸法の測定点の番号)、K:基板温度の測定点の総数(レジストパターン寸法の測定点の総数)、i:複数の熱処理装置から取得される基板温度の差の総数(レジストパターン寸法の差の総数)、γ:感度情報
  5. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記条件設定工程において設定される前記処理条件は、熱処理の処理時間であって、
    基板の冷却を開始後、前記反応モデルがゼロになる時間を除外して熱処理を終了する。
  6. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記条件設定工程において設定される前記処理条件は、前記熱処理装置の熱板の温度操作量であって、
    前記条件設定工程は、
    前記熱処理装置毎に基板温度を経時的に測定して、当該基板温度の面内平均である面内平均基板温度を算出する工程と、
    前記反応モデルと前記熱処理装置毎に測定した基板温度の積和を算出して、前記レジストパターン寸法のうち、当該熱処理装置での熱処理に起因して形成されるレジストパターンの寸法成分である熱処理成分を推定し、さらに当該熱処理成分の面内平均である面内平均熱処理成分を算出する工程と、
    第1の熱処理装置における前記面内平均基板温度及び前記面内平均熱処理成分と、第2の熱処理装置における前記面内平均基板温度及び前記面内平均熱処理成分と、を用いて、少なくとも前記第1の熱処理装置又は前記第2の熱処理装置における基板温度の操作量を算出する工程と、
    予め求められた熱板温度と基板温度の相関を用いて、前記基板温度の操作量に基づき、前記熱板温度の操作量を算出する工程と、を有する。
  7. 請求項6に記載の基板処理方法において、
    下記式(3)で求められる基板温度操作倍率に基づいて、前記第1の熱処理装置における基板温度の操作量を算出する。
    Figure 0006706696
    但し、G:基板温度操作倍率、l’1mean:第1の熱処理装置における面内平均熱処理成分、l’2mean:第2の熱処理装置における面内平均熱処理成分、C[t]:反応モデル、θ1mean[t]:第1の熱処理装置における面内平均基板温度、t:熱処理開始をゼロとした熱処理の経過時間、T:熱処理終了時の時間
  8. 請求項6に記載の基板処理方法において、
    下記式(4)で求められる基板温度操作倍率に基づいて、前記第1の熱処理装置における基板温度の操作量を算出し、
    下記式(5)で求められる基板温度操作倍率に基づいて、前記第2の熱処理装置における基板温度の操作量を算出する。
    Figure 0006706696
    但し、G:基板温度操作倍率、l’1mean:第1の熱処理装置における面内平均熱処理成分、l’2mean:第2の熱処理装置における面内平均熱処理成分、C[t]:反応モデル、θ1mean[t]:第1の熱処理装置における面内平均基板温度、θ2mean[t]:第2の熱処理装置における面内平均基板温度、t:熱処理開始をゼロとした熱処理の経過時間、T:熱処理終了時の時間
  9. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    フォトリソグラフィー処理は前記熱処理装置の他に複数種の処理装置を用いて行われ、
    前記条件設定工程において設定される前記処理条件は、前記熱処理装置に対する前記処理装置の選択方法であって、
    前記条件設定工程は、
    第1の熱処理装置と第1の処理装置を用いてフォトリソグラフィー処理を行って第1のレジストパターンを形成後、第1のレジストパターン寸法を測定する工程と、
    前記反応モデルと前記第1の熱処理装置で測定した基板温度の積和を算出して、前記第1のレジストパターン寸法のうち、当該第1の熱処理装置での熱処理に起因して形成される第1のレジストパターンの寸法成分である第1の熱処理成分を推定する工程と、
    前記第1のレジストパターン寸法から前記第1の熱処理成分を差し引いて、前記第1の熱処理装置での熱処理以外の他の処理に起因して形成される第1のレジストパターンの寸法成分である第1の他処理成分を推定する工程と、
    第2の熱処理装置と第2の処理装置を用いてフォトリソグラフィー処理を行って第2のレジストパターンを形成後、第2のレジストパターン寸法を測定する工程と、
    前記反応モデルと前記第2の熱処理装置で測定した基板温度の積和を算出して、前記第2のレジストパターン寸法のうち、当該第2の熱処理装置での熱処理に起因して形成される第2のレジストパターンの寸法成分である第2の熱処理成分を推定する工程と、
    前記第2のレジストパターン寸法から前記第2の熱処理成分を差し引いて、前記第2の熱処理装置での熱処理以外の他の処理に起因して形成される第2のレジストパターンの寸法成分である第2の他処理成分を推定する工程と、
    前記第1の熱処理成分と前記第2の他処理成分を足し合わせて、前記第1の熱処理装置と前記第2の処理装置を用いてフォトリソグラフィー処理を行った場合の第3のレジストパターン寸法を算出する工程と、
    前記第1のレジストパターン寸法と前記第3のレジストパターン寸法を比較して、前記第1の熱処理装置に対して前記第1の処理装置又は前記第2の処理装置を選択する工程と、
    前記第2の熱処理成分と前記第1の他処理成分を足し合わせて、前記第2の熱処理装置と前記第1の処理装置を用いてフォトリソグラフィー処理を行った場合の第4のレジストパターン寸法を算出する工程と、
    前記第2のレジストパターン寸法と前記第4のレジストパターン寸法を比較して、前記第2の熱処理装置に対して前記第1の処理装置又は前記第2の処理装置を選択する工程と、を有する。
  10. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記熱処理は、フォトリソグラフィー処理における露光処理後であって現像処理前に行われる加熱処理である。
  11. 基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成する基板処理方法を基板処理システムによって実行させるように、当該基板処理システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体であって、
    前記基板処理方法は、
    フォトリソグラフィー処理における熱処理を行う複数の熱処理装置において基板温度を経時的に測定し、熱処理装置間における基板温度の差を算出する温度差算出工程と、
    前記複数の熱処理装置を用いた熱処理を含むフォトリソグラフィー処理を基板に行い、当該基板上にレジストパターンを形成後、レジストパターン寸法を測定し、熱処理装置間におけるレジストパターン寸法の差を算出する寸法差算出工程と、
    前記基板温度の差と前記レジストパターン寸法の差を用いて、基板温度をレジストパターン寸法に変換するための反応速度を算出し、当該反応速度についての時間の関数である反応モデルを導出するモデル導出工程と、
    前記反応モデルを用いて基板処理の処理条件を設定する条件設定工程と、を有し、
    前記モデル導出工程において、
    熱処理開始時及び熱処理終了時の反応速度をゼロとし、
    前記反応速度が時間方向に連続し、且つ、前記基板温度の差と前記反応モデルの積和が前記レジストパターン寸法の差に近くなるように、評価関数を定めて前記反応モデルについて最適化問題を解き、当該反応モデルを決定する。
  12. 基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成する基板処理システムであって、
    基板に熱処理を行う複数の熱処理装置と、
    基板上のレジストパターン寸法を測定する寸法測定装置と、
    基板処理の処理条件を設定する制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記複数の熱処理装置において基板温度を経時的に測定し、熱処理装置間における基板温度の差を算出する温度差算出工程と、
    前記複数の熱処理装置を用いて基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板上にレジストパターンを形成後、前記寸法測定装置においてレジストパターン寸法を測定し、熱処理装置間におけるレジストパターン寸法の差を算出する寸法差算出工程と、
    前記基板温度の差と前記レジストパターン寸法の差を用いて、基板温度をレジストパターン寸法に変換するための反応速度を算出し、当該反応速度についての時間の関数である反応モデルを導出するモデル導出工程と、
    前記反応モデルを用いて基板処理の処理条件を設定する条件設定工程とを、実行し、
    前記モデル導出工程において、
    熱処理開始時及び熱処理終了時の反応速度をゼロとし、
    前記反応速度が時間方向に連続し、且つ、前記基板温度の差と前記反応モデルの積和が前記レジストパターン寸法の差に近くなるように、評価関数を定めて前記反応モデルについて最適化問題を解き、当該反応モデルを決定する、
    ように構成されている。


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