JP6705584B2 - バイオマス由来のタンパク質リッチ食物原料及び調製方法 - Google Patents

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Description

関連出願に対する相互参照
この出願は、2014年7月25日に提出された米国仮特許出願第62/029,324号の利益を主張し、全ての表、図及び特許請求の範囲を含めた全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
背景
タンパク質は必須の栄養成分であり、タンパク質リッチ材料が、栄養素含量を増加させるために、種々のタイプの食品にしばしば添加される。現在のタンパク質材料の供給源として、種々の穀物及び動物源が挙げられるが、これらの利用可能性は、広い季節周期的な変動にしばしばさらされて、食品製造業者による商業用途を制限している。タンパク質生成のための穀物ベースの解決策もまた、別の方法ではより良好に利用されたであろう大量の豊かな土地及び水資源を消費している。これらの供給源もまた、持続可能なタンパク質供給物を必要な量で供給する能力が制限されている。増大する人類への供給及び家畜用の飼料としての供給の両方のために、タンパク質のさらなるより信頼できる供給源が必要とされている。
タンパク質または他の栄養材料の藻類源及び微生物源は、大きな可能性を有しており、季節周期的な変動を低減することができるが、それにもかかわらず一貫した経済的かつ持続可能な栄養材料を食品提供者に提供することができるため、かなり望ましい。これらの供給源によって生産されるタンパク質及び他の栄養材料は、シリアル、スナックバー、及び広範な他の食品を補給するのに使用され得る。さらに、エネルギーを光合成に依存する生物(例えば、藻類)に、使用可能なタンパク質を生成させることができると、食物生産におけるエネルギー方程式にかなり好影響をもたらすことになる。
しかし、タンパク質の藻類源及び微生物源は、感覚刺激的な風味及び匂い特性の点において激しく不快である物質を含有しているという重大な不利点にしばしば悩まされる。不快な感覚刺激特性を有さない藻類生物及び微生物生物からタンパク質を採取することができることがかなり有利である。かかるタンパク質は、食物、食物原料、及び栄養サプリメントとして非常に有用である。
本発明は、持続可能、経済的、かつ安定な供給源由来のタンパク性食物またはタンパク性食物原料、及びこれらを得るための方法を提供する。異なる実施形態において、タンパク性食物原料の供給源は、バイオマス源、例えば、藻類生物及び微生物生物である。異なる実施形態において、藻類、微生物バイオマス、藻類バイオマス、またはケルプが、かかる供給源として利用され得る。本発明は、バイオマスがタンパク質材料を得るための一連のステップに供され得ることを開示し、このタンパク質材料は、高いタンパク質栄養素含量を有し、かつこれらの供給源由来のバイオマスに典型的に付随する望ましくない感覚刺激的な風味及び匂い特性を有さない。これらのステップは、バイオマスを、低下したpHに曝露することを含む。
第一の態様において、本発明は、タンパク質材料を生成する方法を提供する。該方法は、プロトタンパク質を含有する脱脂されたバイオマスを、バイオマスのpHを4.5未満の低下したpHに調整しかつバイオマスのpHを前記低下したpHにおいて少なくとも10分間保持することによって、酸性条件に曝露して、プロトタンパク質をタンパク質材料に変換するステップを含む。一実施形態において、バイオマスのpHは、4.0未満の低下したpHに調整され得、かつバイオマスのpHが、前記低下したpHにおいて約30分間保持されるが、他の実施形態においては、バイオマスのpHが、約3.5に調整され、かつ当該pHが約30分保持される。一実施形態において、pHを4.0未満の低下したpHに調整した後、当該pHが4.0超の上昇したpHに調整されるが、別の実施形態においては、pHを4.0未満の低下したpHに調整した後、当該pHが、約4.5の上昇したpHに調整される。
バイオマスは、バイオマスを無機酸と接触させることによって酸性条件に曝露され得、種々の実施形態において、無機酸は硫酸または塩酸であり得る。バイオマスは、溶媒と接触しながら機械的均質化に供されることによって脱脂され得る。溶媒は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ならびにヘキサンとアセトンとの混合物からなる群から選択され得る。いずれの実施形態においても、バイオマスは、藻類バイオマスであり得る。
別の態様において、本発明は、本発明の方法によって生成されたタンパク質材料を食品材料と組み合わせて、食品を作製するステップによって、前記食品を製造する方法を提供する。食品は、朝食用シリアル、スナックバー、スープ若しくはシチュー、栄養バー、バルク人工肉(bulk artificial meat)用の結着剤、または人工チーズであり得る。食物生産物はまた、動物飼料でもあり得る。
いくつかの実施形態において、プロトタンパク質分子の25%未満が、15,000ダルトンより低い分子量を有する。本発明の方法は、タンパク質材料中に含まれるアルギニン、グルタミン酸(若しくはグルタミン酸及びグルタミン)、またはヒドロキシプロリンの比を、脱脂されたバイオマス中の比と比べて減少させることもできる。前記方法はまた、酸性条件への曝露後になされ得る、遠心分離ならびに遠心分離のペレット及び上澄みの生成のステップも含むことができ、ペレット/上澄み中のアルギニンの比が、1.0未満であり、かつ/またはペレット/上澄み中のグルタミン酸の比が、1.0未満である。
別の態様において、本発明は、バイオマスを酸性条件に曝露することによってバイオマスから得られ少なくとも65%(w/w)のタンパク質含量と;6%(w/w)未満の脂質含量と;8%未満の灰分とを有するタンパク質材料を含有する食物原料を提供する。脂質は脂肪酸であり得、脂肪酸はポリ不飽和脂肪酸であり得る。食物原料は、藻類バイオマスから得られ得る。食物原料は、少なくとも75%w/wのタンパク質と、5%w/w未満の脂質含量とを含有することができる。食物原料は、粉末の形態で存在し得る。
別の態様において、本発明は、タンパク質含有組成物を本発明の方法に供することによってタンパク質含有組成物の快不快(hedonic)特性を改良する方法を提供する。
以下に、本発明の基本的な諸特徴および種々の態様を列挙する。
[1]
プロトタンパク質を含有する脱脂されたバイオマスを、前記バイオマスのpHを4.5未満の低下したpHに調整しかつ前記バイオマスのpHを前記低下したpHにおいて少なくとも10分間保持することによって、酸性条件に曝露して、前記プロトタンパク質をタンパク質材料に変換するステップ
を含む、前記タンパク質材料を生成する方法。
[2]
前記バイオマスのpHが、4.0未満の低下したpHに調整され、かつ前記バイオマスのpHが、前記低下したpHにおいて約30分間保持される、[1]の方法。
[3]
前記バイオマスのpHが約3.5に調整され、かつ前記pHが約30分間保持される、[2]の方法。
[4]
前記pHを4.0未満の前記低下したpHに調整した後、前記pHが、4.0超の上昇したpHに調整される、[2]の方法。
[5]
前記pHを4.0未満の前記低下したpHに調整した後、前記pHが、4.0超の上昇したpHに調整される、[3]の方法。
[6]
前記pHが、約4.5の上昇したpHに調整される、[5]の方法。
[7]
前記バイオマスが、前記バイオマスを無機酸と接触させることによって前記酸性条件に曝露される、[2]の方法。
[8]
前記無機酸が硫酸または塩酸である、[7]の方法。
[9]
前記バイオマスが、溶媒と接触しながら機械的均質化に供されることによって脱脂される、[2]の方法。
[10]
前記溶媒が、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ならびにヘキサンとアセトンとの混合物からなる群から選択される溶媒を含む、[9]の方法。
[11]
前記バイオマスが藻類バイオマスである、[1]の方法。
[12]
前記バイオマスが藻類バイオマスである、[10]の方法。
[13]
[1]の方法によって生成されたタンパク質材料を食品材料と組み合わせて、食品を作製するステップを含む、前記食品を作製する方法。
[14]
前記食品が、朝食用シリアル、スナックバー、スープ若しくはシチュー、栄養バー、バルク人工肉(bulk artificial meat)用結着剤、人工チーズからなる群から選択される、[13]の方法。
[15]
前記食品が朝食用シリアルである、[14]の方法。
[16]
前記食品が動物飼料である、[13]の方法。
[17]
プロトタンパク質分子の25%未満が、15,000ダルトンより低い分子量を有する、[1]の方法。
[18]
前記タンパク質材料中に含まれているアルギニン、グルタミン酸、またはヒドロキシプロリンの比を、前記脱脂されたバイオマス中の比と比べて減少させる、[1]の方法。
[19]
遠心分離ならびに遠心分離のペレット及び上澄みの生成のステップをさらに含み、前記ペレット/前記上澄み中のアルギニンの比が1.0未満である、[1]の方法。
[20]
遠心分離ならびに遠心分離のペレット及び上澄みの生成のステップをさらに含み、前記ペレット/前記上澄み中のグルタミン酸の比が1.0未満である、[1]の方法。
[21]
バイオマスを酸性条件に曝露することによって前記バイオマスから得られ、少なくとも65%(w/w)のタンパク質含量と;6%(w/w)未満の脂質含量と;8%未満の灰分とを有する、タンパク質材料
を含む食物原料。
[22]
前記脂質が脂肪酸である、[21]の食物原料。
[23]
前記脂肪酸がポリ不飽和脂肪酸である、[22]の食物原料。
[24]
前記バイオマスが藻類バイオマスである、[21]の食物原料。
[25]
前記藻類タンパク質組成物が、少なくとも75%w/wのタンパク質と、5%w/w未満の脂質含量とを含有する、[24]の食物原料。
[26]
粉末の形態の[21]の食物原料。
本発明の処理のステップにおける脂質材料の除去を示す棒グラフである。
発明の詳細な説明
本発明は、タンパク性食物原料の安定かつ持続可能な供給源であって、光栄養及び/または従属栄養の藻類または微生物、例えば、微生物バイオマス、藻類バイオマス、藻類、ケルプ、及び海藻などによって生成されるバイオマスである、前記供給源を提供する。生物は、単細胞または多細胞のいずれの生物であることもできる。これらの供給源は、タンパク性食物原料の安定かつ持続可能な供給源として大きな可能性を有する。本発明は、したがって、食物、食物原料、または食物サプリメントとして有用な、かつ高い栄養価と許容されるまたは心地よい感覚刺激的な風味及び匂い特性とを有する、タンパク質材料を開示する。また、食物原料を製造する方法、及び本発明の食物原料を含有する食品を製造する方法も開示する。
本発明は、少なくとも50%w/w、若しくは少なくとも60%w/w、若しくは少なくとも65%w/w、若しくは少なくとも68%w/w、若しくは少なくとも70%w/w、若しくは少なくとも72%w/w、若しくは少なくとも75%w/w、若しくは少なくとも78%w/w、若しくは少なくとも80%w/w、若しくは少なくとも85%w/w、若しくは少なくとも90%w/w、または50%w/w〜70%w/w、若しくは65%w/w〜75%w/w、若しくは70%w/w〜80%w/w、若しくは70%w/w〜85%w/w、若しくは70%w/w〜90%w/w、若しくは75%w/w〜90%w/w、若しくは80%w/w〜100%w/w、若しくは90%w/w〜100%w/wのタンパク質含量を含有するタンパク性食物またはタンパク性食物原料を提供する。種々の実施形態において、前記食物または食物原料は、ヒト及び/または家畜及び/またはペットに必須の全てのアミノ酸を含有する。いくつかの例において、これらの動物は、畜牛、豚、馬、七面鳥、鶏、魚、または犬及び猫であり得る。
タンパク性食物またはタンパク性食物原料は、例えば、約5%の脂質、若しくは約6%の脂質、若しくは約7%の脂質、若しくは約8%の脂質、または8%未満、若しくは7%未満、若しくは6%未満、若しくは5%未満の脂質、若しくは4%未満の脂質、若しくは3%未満の脂質、若しくは2%未満の脂質、若しくは1%未満の脂質、または約1%〜約5%の脂質、若しくは2%〜約4%の脂質などの変動する脂質含量を有し得る。異なる実施形態において、非タンパク質窒素含量は、タンパク性食物またはタンパク性食物原料中12%未満、若しくは10%未満、若しくは8%未満、若しくは7%未満、若しくは6%未満、若しくは5%未満、若しくは4%未満、若しくは3%未満、若しくは2%未満、若しくは1%未満、または約1%〜約7%、若しくは2%〜約6%であり得る。特定の実施形態において、前記食物または食物原料は、タンパク質少なくとも80%w/wと脂質5%w/w未満とを含有する。タンパク性食物またはタンパク性食物原料の脂質含量は、本明細書において説明されているように、タンパク質材料源及び生成されるタンパク質材料の用途に応じて、ならびにその生成においてステップを変動させることによって操作され得る。前記食物または食物原料における脂質含量は、ポリ不飽和脂肪酸によって部分的にまたは完全に付与され得る。ポリ不飽和脂肪酸は、あらゆる組み合わせでの、ガンマ−リノレン酸、アルファ−リノレン酸、リノール酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、及びアラキドン酸(arachiconic acid)のいずれか1つ以上であり得る。組成物のいずれかにおいて、灰分は、10%(w/w)未満、または9%(w/w)未満、または8%(w/w)未満であり得る。
本発明のタンパク質材料は、広範な食物において利用され得る。当該材料は、サプリメントまたは食物代用物のいずれかとして使用され得る。例として、タンパク質材料は、シリアル(例えば、顆粒分を主に含有する朝食用シリアル)、スナックバー(タンパク質及び炭水化物を主に含有するバー形状のスナック)、栄養またはエネルギーバー(脂肪、炭水化物、タンパク質、ビタミン、及びミネラルの組み合わせを典型的には含有する、栄養素を供給すること及び/または体力を強化することを目的としたバー形状の食物)、缶詰または乾燥のスープまたはシチュー(スープ:水において調理されることが多い肉若しくは野菜またはこれらの組み合わせ;シチュー:スープと同様であるが、スープよりも水が少なく、また、より低温で調理される)、バルク及び/または人工肉用の結着剤として(人工肉は、ダイズまたは植物性タンパク質を通常ベースとする、タンパク質リッチ食物であるが、その中に動物由来の実際の肉を有さず、しかし、動物由来の肉に関する特徴を有する)、チーズ代用物、野菜「バーガー」、動物またはペット飼料(例えば、家畜及び/またはペットによる消費のための動物飼料または家畜飼料において、これらの飼料は、主に顆粒生成物であり得る)、ならびにその他において利用され得るかまたは組み込まれ得る。また、栄養サプリメント、例えば、タンパク質または植物性タンパク質粉末であることもできる。タンパク質材料はまた、食物原料、例えば、顆粒ベースの粉の代用物として有用なタンパク質リッチ粉末にも変換され得る。タンパク質材料は、ヒト及び動物の両方の消費者のための食物原料としてまたは食物として有用である。有利なタンパク質源を付与することに加えて、本発明のタンパク性材料はまた、他の栄養素、例えば、脂質(例えば、ω−3及び/またはω−6脂肪酸)、繊維、種々の微量栄養素、ビタミンB、鉄、ならびに単にいくつかの例である他のミネラルを付与することもできる。
本発明のタンパク質材料が得られるバイオマスを生成するのに有用である藻類生物または微生物生物は、変動され得、所望のタンパク質含有生成物を付与する任意の藻類または微生物であることもできる。いくつかの実施形態において、前記生物は、藻類(「ツボカビ」として分類されるものを含む)、微細藻類、シアノバクテリア、ケルプ、または海藻であり得る。前記生物は、天然であり得るか、またはタンパク質含量を増加するように、若しくはいくつかの他の望ましい特徴を有するように人工的に作り出され得る。特定の実施形態において、微生物源または藻類源が利用される。異なる実施形態において、多くの属及び種の藻類及び/またはシアノバクテリア、ケルプ、ならびに海藻が使用され得、単にいくつかの例として、以下の属:アルトロスピラ(Arthrospira)、スピルリナ(Spirulina)、コーラストラム(Coelastrum)(例えば、プロブジデウム(proboscideum))、海藻類、例えば、パルマリア(Palmaria)(例えば、パルマタ(palmata))(ダルスとも呼ばれる)、ポルフィラ(Porphyra)(スリーブック(Sleabhac))、褐藻綱(Phaeophyceae)、紅藻綱(Rhodophyceae)、緑藻綱(Chlorophyceae)、シアノバクテリア(Cyanobacteria)、珪藻(Bacillariophyta)、及び渦鞭毛藻綱(Dinophyceae)のものがある。藻類は、微細藻類(植物プランクトン、微小植物、プランクトン藻類)または海藻類であり得る。本発明において有用である微細藻類の例として、限定されないが、アクナンテス(Achnanthes)、アンフィラプロラ(Amphiprora)、アンフォーラ(Amphora)、アンキストロデスマス(Ankistrodesmus)、アステロモナス(Asteromonas)、ボエケロヴィア(Boekelovia)、ボリド藻綱(Bolidomonas)、ボロディネラ(Borodinella)、フウセンモ(Botrydium)、ボツリオコッカス(Botryococcus)、ブラクテオコッカス(Bracteococcus)、キートケロス(Chaetoceros)、カルテリア(Carteria)、クラミドモナス(Chlamydomonas)、クロロコッカム(Chlorococcum)、ヤリミドリ(Chlorogonium)、クロレラ(Chlorella)、クロオモナス(Chroomonas)、クリソスファエラ(Chrysosphaera)、クリコスファエラ(Cricosphaera)、クリプセコジニウム(Crypthecodinium)、クリプトモナス(Cryptomonas)、キクロテラ(Cyclotella)、ドゥナリエラ(Dunaliella)、エリプソイドン(Ellipsoidon)、円石藻(Emiliania)、エレモスファエラ(Eremosphaera)、エルノデスミウス(Ernodesmius)、ユーグレナ(Euglena)、ユースティグマトス(Eustigmatos)、フランセイア(Franceia)、フラギラリア(Fragilaria)、フラジラリオプシス(Fragilariopsis)、グロエオサムニオン(Gloeothamnion)、ヘマトコッカス(Haematococcus)(例えば、プラビアリス(pluvialis))、ハロカフェテリア(Halocafeteria)、ハンチア(Hantzschia)、ヘテロシグマ(Heterosigma)、ヒメノモナス(Hymenomonas)、イソクリシス(Isochrysis)、レポキンクリス(Lepocinclis)、ミクラ口ニウム(Micractinium)、モノダス(Monodus)、モノラフィディウム(Monoraphidium)、ナンノクロリス(Nannochloris)、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)、ナビクラ(Navicula)、ネオクロリス(Neochloris)、ネフロクロリス(Nephrochloris)、ネフロセルミス(Nephroselmis)、ニッチア(Nitzschia)、オクロモナス(Ochromonas)、サヤミドロ(Oedogonium)、オオキスティス(Oocystis)、オストレオコッカス(Ostreococcus)、パラクロレラ(Parachlorella)、パリエトクロリス(Parietochloris)、パスケリア(Pascheria)、パブロバ(Pavlova)、ペラゴモナス(Pelagomonas)、フェオダクチラム(Phaeodactylum)、ファガス(Phagus)、ピコクロラム(Picochlorum)、プラチモナス(Platymonas)、プレウロクリシス(Pleurochrysis)、プレウロコッカス(Pleurococcus)、チノリモ(Porphyridium)、プロトテカ(Prototheca)、シュードクロレラ(Pseudochlorella)、シュードネオクロリス(Pseudoneochloris)、シュードスタウラストラム(Pseudostaurastrum)、ピラミモナス(Pyramimonas)、ピロボツリス(Pyrobotrys)、イカダモ(Scenedesmus)(例えば、オブリクウス(obliquus))、シゾクラミデラ(Schizochlamydella)、スケレトネマ(Skeletonema)、アオミドロ(Spyrogyra)、スティココッカス(Stichococcus)、テトラクロレラ(Tetrachlorella)、テトラセルミス(Tetraselmis)、タラシオシラ(Thalassiosira)、トリボネマ(Tribonema)、フシナシミドロ(Vaucheria)、ビリジエラ(Viridiella)、ビスケリア(Vischeria)、及びボルボックス(Volvox)が挙げられる。
藻類生物または微生物生物は、限定されないが、以下の属:アプラノキトリウム属(Aplanochytrium)、オーランチオキトリウム属(Aurantiochytrium)、ボトリオキトリウム属(Botryochytrium)、ディプロフリス属(Diplophrys)、ジャポノキトリウム属(Japanochytrium)、ラビリンチュラ類属(Labrinthulomycetes)、ラビリンチュラ属(Labryinthula)、ラブリンサロイデス(Labryinthuloides)、シゾキトリウム属(Schizochytrium)、オブロンゴキトリウム(Oblongochytrium)属、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)、及びウルケニア属(Ulkenia)のメンバーを含めたツボカビであることもできる。本発明の目的で、ツボカビを含めた上記生物の全てが、「藻類」と見なされ、発酵または培養されたとき「藻類バイオマス」を生成する。しかし、所望のタンパク質を含む微生物バイオマスを生成するいずれの細胞または生物も、本発明において利用することができる。
なお、さらなる実施形態において、微生物生物は、限定されないが、カンジダ(Candida)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、リポマイシス(Lipomyces)、クサレケカビ(Mortierella)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、ロドトルラ(Rhodotortula)、トリコスポロン(Trichosporon)、またはヤロウウィア(Yarrowia)を含めた油性酵母であり得る。しかし、多くの他のタイプの藻類、シアノバクテリア、ケルプ、海藻、または酵母もまた、タンパク質リッチバイオマスを生成するのに利用することができる。これらだけがバイオマス源ではない。なぜなら、有意な栄養価の所望のタンパク性材料を含有するいずれの供給源由来のバイオマスを使用することもできるからである。
バイオマス
バイオマスは、生存するかまたは近年生存する生物から得られる(またはその供給源としてそれらを有する)生体材料である。藻類バイオマスは、藻類から得られ、微生物バイオマスは、微生物から得られる。本発明において利用されるバイオマスは、本明細書に記載されているものを含めたいずれの生物または生物のクラスからも得られ得る。微生物バイオマス(例えば、藻類バイオマス)は、天然水から採取され得るか、または培養され得る。培養される場合、この培養は、開放された池において、または任意の適切なサイズの光バイオリアクタ若しくは発酵容器においてもなされ得る。微生物または藻類は、光栄養性または従属栄養性のいずれかであることができる。いくつかの実施形態において、光及び二酸化炭素のみが付与されるが、栄養素、例えば、窒素、リン、カリウム、及び他の栄養素は、いずれの培養培地にも含まれ得る。他の実施形態において、糖及び他の栄養素が培養培地に含まれている。
十分なバイオマスが生成された場合に、培養由来のバイオマスが採取され得る。採取物は、培養液、懸濁液、若しくはスラリーの形態で取り出され得るか、またはこれらの形態にされ得る。バイオマスは、一般に、便利な体積の未加工バイオマスに遠心分離によって容易に減少され得る。
感覚刺激特性
感覚刺激的な風味及び匂いの特性は、風味及び/または匂いの感覚に関連した、特にヒトまたは動物消費者にとって心地よいまたは不快である風味または匂い特性に関した食物または食物原料それぞれのかかる特性を指す。食物の感覚刺激的な風味及び匂い特性を評価する方法は、当業者に公知である。
一般に、これらの方法は、数人のパネル、例えば、4人、または5人、または6人、または7人、または8人、または8人超の評価パネルの使用を含む。パネルには、「盲検」試験における数個のサンプル(例えば、3つ、または4つ、または5つ、または6つ、または7つ、または8つ、または8つ超のサンプル)が一般に提示され、そのため、パネルメンバーは、各サンプルの正体を知らないことになる。パネルは、次いで、各サンプルの風味及び/または匂い特性を説明する3、または4、または5、または6つ、または6つ超のカテゴリーを有することができる付与されたスケールにしたがってサンプルを格付けする。次いで、パネルメンバーの大部分の所見を利用して、サンプルが、付与された他のサンプルと比較して望ましい感覚刺激特性を有するか否かを判断することができる。
かかる食物特性を評価するかかる方法の一例が、「嗜好の程度」スケールとしても知られる9点の快不快尺度である(Peryam and Girardot,N.F.,Food Engineering,24,58−61,194(1952);Jones et alら、Food Research,20,512−520(1955))。この方法は、連続体に基づいて好みを評価し、参加している被検者の好き嫌いに基づいてカテゴリー化がなされる。9点法は、当業者に知られており、広く使用されており、食品の評価に有用であることが示されている。そのため、ある特定の食物が、より望ましいまたはあまり望ましくない風味及び/または匂い特性を有するか否かを評価することができる。風味及び匂いの両方の特性は、快不快尺度にしたがって評価され得る。一実施形態において、本発明の方法によって生成されるタンパク質食物またはタンパク質食物原料は、本発明の1つ以上のステップに供されていない同じ供給源由来のタンパク質生成物に対して、9点の快不快尺度においてより高く採点される。感覚刺激的な風味及び/または匂い特性を評価する他の方法を利用することもできる。
評価パネルによって利用される具体的な基準は、変動し得るが、サンプルの感覚刺激特性が心地よいか不快であるかに関するものである。評価され得る一般的な基準として、限定されないが、サンプルが、海水(塩様若しくは塩水の特質を有している)、魚臭(魚に関する特質を有している)、アンモニア様(アンモニアに関する若しくは似ている特質を有している)の匂いまたは風味を有しているか否かが挙げられる。これらは主観的決定であり得るが人々はこれらの感覚に精通しており、評価する人のパネルに付与されると有意義な結論がもたらされる。
望ましくない感覚刺激特性を引き起こすある特定の化学物質は、本明細書に記載されている方法によって除去される。これらの化学物質は、揮発性化合物である場合がある、多くの悪臭のする及び/または不快な味の化合物の1つ以上であり得る。望ましくない感覚刺激特性に寄与し得る脂質化合物の例として、飽和、不飽和、またはポリ不飽和脂肪酸(例えば、DHA)が挙げられ、これらは、酸化された形態(またはタンパク質の精製及び/若しくは単離の最中に酸化されることとなる)でも存在し得るため、食物または食物原料の望ましくない特性にも寄与し得る。
いくつかの実施形態において、望ましくない感覚刺激特性を与える化合物は、所望のタンパク質に共有結合し得るかまたは他の場合には材料のタンパク質含量に密に会合し得る、脂質材料である。脂質化合物は、非共有結合的であるが、当該化合物が従来の精製方法によってタンパク質から精製され得ないような方法でタンパク質に密に会合し得る。化学物質は、非脂質性でもあり得、例として、限定されないが、ジメチルスルフィド(DMS)、ジメチルスルホニオプロピオネート(DMSP)、ゲオスミン、メチル−イソボルネオール(isoborneol)(MIB)、及び飽和または不飽和脂肪酸部位が挙げられる。脂肪酸(または脂肪酸部位)は、限定されないが、ガンマ−リノレン酸、アルファ−リノレン酸、リノール酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、及びアラキドン酸、あらゆるω−3若しくはω−6脂肪酸、または酸化された形態の上記のいずれかを含み得る。本発明の方法は、本発明の方法に供されていないバイオマスからのタンパク質材料の量に対して少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%だけ、タンパク質材料中のこれらの化合物の1つ以上の量を低減することができる。悪臭のする及び/または不快な味の化合物(感覚刺激的に許容されない化合物)として、酸化された脂質(例えば、酸化された不飽和脂肪酸若しくは酸化されたω−3脂肪酸)ならびに悪臭のする及び/または不快な味の特性を与え得るタンパク質を挙げることもできる。悪臭のする及び/または不快な味の化合物は、タンパク性材料においてタンパク質に共有結合している、または他の場合にはこれに密に会合している脂質材料も含み得る。
方法
本発明の方法は、以下のステップのいずれか1つ以上を含むことができる。前記方法は、微生物バイオマスを形成するための、微生物、例えば、藻類または微細藻類の発酵ステップ;任意の好適な方法(例えば、機械的均質化)によってもなされ得、本明細書に列挙されている溶媒のいずれにおいてもなされ得る、微生物バイオマスの細胞を溶解及び/または均質化する1つ以上のステップ;本明細書に記載されているように任意の好適な溶媒においても実施され得、均質化ステップと同時またはその間になされ得る、微生物バイオマスを脱脂する1つ以上のステップ;微生物バイオマスにおいて酸洗浄の1つ以上のステップを実施するステップ;酸洗浄されたバイオマスを脱脂または溶媒洗浄する1つ以上のステップ;微生物バイオマスを乾燥すること;任意で、バイオマスを粒径分級器に通すステップ;ならびにタンパク性生成物材料の回収のステップを含むことができる。前記方法は、前記ステップを任意の順序で実施することも含み得、前記ステップの1つ以上を排除することができる。前記ステップの1つ以上を、例えば、1つ以上の脱脂ステップの繰り返しなど、バイオマスからのタンパク質材料の収率または質を最適化するように繰り返すことができる。
脱脂及び溶媒洗浄
いくつかの実施形態において、方法は、(限定されないが)ビーズ粉砕若しくは他の高剪断混合(例えばROTOSTAT(登録商標)ミキサ)または乳化を含むことができる、機械的均質化または混合の1つ以上のステップを含む。均質化ステップは、少なくとも5分、または少なくとも10分、または少なくとも15分、または少なくとも20分間実施され得る。これらの1つ以上のステップは、均質化または混合する(任意の)さらなるステップのために遠心分離のステップ及び(任意で)緩衝液中または溶媒中で再懸濁するステップが後に続くことができるか、または均質化または混合する(任意の)さらなるステップのために遠心分離のステップ及び(任意で)緩衝液中または溶媒中で再懸濁するステップによって分離されることができる。他の機械的ストレッサとして、限定されないが、超音波ホモジナイザまたはロータ/ステータホモジナイザが挙げられる。
一実施形態において、バイオマスは、酸洗浄に供する前に脱脂される。機械応力は、バイオマスを適切な溶媒に接触させながら適用することができる。このように、脱脂は、脂質抽出ステップまたは溶媒洗浄ステップを含むことができる。溶媒洗浄ステップは、少なくとも5分、または少なくとも10分、または少なくとも15分、または約15分であり得る適切な期間にわたってバイオマスを溶媒に曝露(または「洗浄」)することを含む)。溶媒は、任意の適切な溶媒であることもでき、いくつかの実施形態において、極性溶媒または極性プロトン性溶媒である。有用な極性プロトン性溶媒の例として、限定されないが、エタノール、ギ酸、n−ブタノール、イソプロパノール(IPA)、メタノール、酢酸、ニトロメタン、ヘキサン、アセトン、水、及びこれらの任意の組み合わせの混合物が挙げられる。例えば、一実施形態において、溶媒は、ヘキサン及びアセトン(例えば、75%のヘキサン及び25%のアセトン)の組み合わせであり得る。別の実施形態において、溶媒は、90%または100%エタノールである。いずれの好適な溶媒対バイオマス比、例えば、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、及び他の比を使用することもできる。しかし、当業者は、本発明における用途を見出す他の適切な溶媒または組み合わせを理解するであろう。
前記手技は、バイオマスを含む細胞の適切な溶解を確実にして、タンパク質抽出を最大にし、また、脂質材料をバイオマスからの抽出に利用可能にするはずである。機械的均質化後、バイオマスが遠心分離によって分離され得、上澄み中の脂質材料が除去される。溶媒によって脱脂または溶媒洗浄する1つ以上のさらなるステップは、脱脂を最大にするように実施され得る。いくつかの実施形態において、脱脂の第2またはその次のサイクルは、第1のサイクルにおいてまたはその前のサイクルにおいて使用されるのとは異なる溶媒を利用して、より望ましくない化合物を除去する機会を増大することができる。いくつかの実施形態において、第2の溶媒はまた、例えば、ヘキサン及び/若しくはアセトンを含んで、分離を付与するように含まれ得るか、または別の疎水性溶媒が分離を付与することにより、より望ましくない疎水性化合物を抽出することができる。均質化及び少なくとも1つの溶媒洗浄ステップ(溶媒洗浄は、溶媒の存在下での均質化による均質化と同時になされ得る)の後、混合物またはバイオマスは、脱脂されたバイオマスとも称され得る。バイオマスはまた、溶媒洗浄ステップの前の別個のステップとして機械的均質化に供されていてもよい。
いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、望ましくない感覚刺激的な風味及び匂い特性を有する多量の化合物は、1つ以上の脱脂若しくは溶媒洗浄ステップ、及び/または1つ以上の酸洗浄ステップ、及び/または1つ以上の酸洗浄ステップ後の1つ以上の溶媒洗浄ステップにおいて除去されると考えられる。望ましくない感覚刺激特性を有するさらなる物質は、前記ステップのいずれかを、1回、2回、3回または3回超の回数だけ繰り返すことによって除去され得る。本明細書に記載されているさらなる処理はまた、タンパク質材料を作製または合成する方法における1つ以上のステップとしても実施され得る。処理の結果として、タンパク質含量が高くバイオマスから得られた材料が得られる。
種々の実施形態において、本発明によって調製されるタンパク質材料は、低減された脂質含量を有する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、タンパク質生成物材料中に存在する、バイオマスの脂質含量を、10%w/w超、または8%w/w超、または7%w/w超、または6%w/w超、または5%w/w超から、5%w/w未満の脂質含量、または4%w/w未満の脂質含量、または3%w/w未満若しくは2%w/w未満の脂質含量、または1%w/w未満の脂質含量まで低減する。
酸洗浄
いくつかの実施形態において、バイオマスは、1つ以上の酸洗浄ステップに供される。一実施形態において、酸洗浄ステップは、脱脂されたバイオマスにおいて実施される。酸洗浄は、脱脂されたバイオマスを酸または低下したpHにある期間にわたって曝露することを含むことができる。バイオマス、したがってこれが含有するプロトタンパク質は、溶液、懸濁液、スラリー、またはいずれの好適な状態で酸洗浄に曝露することもできる。酸洗浄は、水に溶解されたときに水素イオンを形成する1つ以上の有機化合物から誘導される、いずれの好適な無機酸(または好適な有機酸)を利用することもできる。例として、限定されないが、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、及び過塩素酸が挙げられる。当業者は、本発明においても機能する他の無機酸を理解するであろう。脱脂されたバイオマスは、水と混合されて、水性混合物を生じさせることができる。酸溶液(例えば、1M硫酸)は、次いで、pHが、低下したpHに低減されるまで、混合物中にピペッティングされ得る。種々の実施形態において、pHは、約4.0、若しくは約3.8、若しくは約3.5、若しくは約3.3、若しくは約3.2、若しくは約3.0、若しくは約2.8、若しくは約2.5、または約2.0〜約2.5、若しくは約2.0〜約3.0、若しくは約2.0〜約4.0、若しくは約2.0〜約3.5、若しくは約2.2〜約2.8、若しくは約2.3〜約2.7、若しくは約2.2〜約3.8、若しくは約2.3〜約3.7、若しくは約2.5〜約3.0、若しくは約2.8〜約3.2、若しくは約3.0〜約3.5、若しくは約3.2〜約3.8の低下したpHに調整され得る。他の実施形態において、pHは、約pH4.0未満、または約pH3.7未満、または約pH3.6未満、または約pH3.5未満、または約pH3.3未満、または約pH3.0未満、または約pH2.7未満、または約pH2.5未満に調整され得る。混合物は、次いで、示されたpHである期間にわたって保持され得る。混合物はまた、当該期間にわたって、またはその一部で、混合、撹拌またはインキュベートされ得る。当該期間は、少なくとも10分、若しくは少なくとも20分、若しくは少なくとも30分、または約20分若しくは約30分、若しくは約40分、または10〜30分、若しくは10〜40分、若しくは20〜40分、若しくは20分〜1時間、若しくは10分〜90分、若しくは15分〜45分、または少なくとも1時間、若しくは約1時間、若しくは少なくとも90分、若しくは少なくとも2時間のいずれかであり得る。
バイオマスが、低下したpHに適切な期間にわたって曝露(及び任意の混合)された後、pHが、次いで、塩基性またはアルカリ性化合物、例えば、KOHの添加によって、上昇したpHに上昇され得る。当業者は、他の塩基性またはアルカリ性化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、または他の塩基性化合物を使用することもできることを理解するであろう。塩基性化合物は、任意の便利な濃度、例えば、約1Mまたは0.5〜1.5Mまたは0.75〜1.25Mでも添加され得る。塩基性化合物は、pHが約4.5の上昇したpHに調整されるまで添加され得る。しかし、他の実施形態において、上昇したpHは、約4.0、または約4.2、または約4.7、または約5.0であり得る。さらなる実施形態において、pHは、4.0超、または4.2超、または4.5超、または4.7超、または5.0超に上昇され得る。上昇したpHにpH調整後、混合物は、いくつかの実施形態において約30分、または約1時間、または約90分、または30分超、または1時間超である適切な期間にわたって撹拌またはインキュベートされ得る。
pHが低下したpHに調整されると、混合能力の乏しい粘性スラリー由来の混合物の粘度から、薄い水様の稠度の著しく低い粘度まで顕著な減少がある(すなわち、観察可能な粘度減少がある)。粘度減少は、例えば、一般的な実験室オーバーヘッドミキサが溶液を完全にブレンドすること(インペラにおけるキャビテーション)ができないことによって、酸添加の開始時に観察され得る。pHが低下するにしたがい、粘度の変化は、溶液の跳ね返りを回避するためにインペラ先端速度の低下を必要とする水様溶液と同様の粘度に変化することとして、観察され得る。そのため、粘度の変化は、粘度を測定する標準的な方法、例えば、粘度計によって測定されるとき、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%の減少であり得る。粘度を測定する方法の例として、限定されないが、ガラス細管粘度計または振動針粘度計、レオメータ、回転レオメータ、及び傾斜板試験が挙げられるが、任意の好適な方法を利用することもできる。pHが上昇したpHに上方に調整されるとき、混合物の粘度は増加するが、酸性条件への曝露前の粘度には到達しない。このことは、顕著な、不可逆的な、恒久的な化学変化が、バイオマスから得られた初期のタンパク質含有混合物から生じたことを明らかにしている。
酸洗浄ステップは、バイオマス中のタンパク質を真には加水分解しないが、むしろ、バイオマス中のタンパク質性(プロトタンパク質)分子から脂質部位を遊離させる。このステップは、タンパク質において構造変化を引き起こし、これにより、脂質部位を遊離し、また、当該部位を除去させることがある。いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、プロトタンパク質を本明細書に記載されている脱脂及び/若しくは酸洗浄ならびに/または他の処理に供することは、プロトタンパク質において構造変化を(場合によっては不可逆的に)させることにより結合脂質を遊離または解離することがあると考えられる。また、共有結合した脂質−タンパク質コンジュゲートの開裂を結果として生じさせることもある。これらの処理は、脂質種(または他の溶媒可溶性分子)を、溶媒洗浄及び/または抽出ステップの最中の除去に利用可能にすることがある。これらのステップ、および場合によっては本明細書に記載のさらなるステップとの組み合わせは、望ましくない感覚刺激特性を与えるプロトタンパク質をこのように除去し、また、このように採取される本発明における栄養対象の食物または食物原料である感覚刺激的に許容されるタンパク質含有材料をこのように付与すると考えられる。本明細書に記載の処理によって生成されるタンパク質含有食物またはタンパク質含有食品は、このように、当該処理を開始するプロトタンパク質とは著しく異なる分子である。
酸洗浄後の再洗浄(再生)ステップ
酸洗浄ステップに続いて、1つ以上の「再生」または溶媒洗浄ステップが存在することができ、それぞれに任意でその後、ペレットを得るための遠心分離のステップ、及び溶媒中での再懸濁のステップが続くことができる。溶媒は、溶媒洗浄及び/または脱脂ステップのための本明細書に記載されている任意の適切な溶媒であることもできる。酸洗浄後の1つ以上の再生または溶媒洗浄ステップ(実施される場合)の後、タンパク質混合物は、ロータリーエバポレータにおいて任意で乾燥されて、食物または食物原料として利用され得るタンパク質濃縮物を作製することができる。
プロトタンパク質
バイオマスは、脂質部位であり得る有意な非タンパク質部位も含有するタンパク質含有分子であるプロトタンパク質を含有する。プロトタンパク質は、その自然形態の微生物によって生成された、本明細書に記載の方法によって処理される前のタンパク質であり得る。プロトタンパク質は、その自然形態に近く、望ましくないまたは好ましくない感覚刺激的な風味及び匂い特性を有し、「嗜好の程度」スケール、または感覚刺激特性を評価する他の方法において、比較的低く採点される。種々の藻類及び微生物は、これらの特徴を有するタンパク質を生成し、いくつかの実施形態において、プロトタンパク質は、望ましくない感覚刺激特性を有する藻類タンパク質である。本発明の方法において、より望ましい感覚刺激特性を有し、かつ、かかる特性を評価する方法においてプロトタンパク質より高く採点される、タンパク質含有食物またはタンパク質含有食物原料に、プロトタンパク質は変換される。脂質部位に加えて(またはその代わりに)、プロトタンパク質は、これに望ましくない感覚刺激特性を有させる(または悪化させる)他の分子構成要素または部位を有し得る。
プロトタンパク質の分子量分布は、特定された1つ以上のサイズ範囲内の分子量を有するプロトタンパク質分子の百分率を指す。例えば、プロトタンパク質は、プロトタンパク質分子の少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%(重量基準)が約10,000〜約100,000ダルトンの間、または約10,000〜約50,000ダルトン、または約20,000〜約100,000ダルトン、または約20,000〜約80,000ダルトン、または約20,000〜約60,000ダルトン、または約30,000〜約50,000ダルトン、または約30,000〜約70,000ダルトンの分子量を有するような分子量分布を有してよい。他の実施形態において、プロトタンパク質分子の少なくとも70%または少なくとも80%が、約10,000〜約100,000ダルトンの間、または約20,000〜約80,000ダルトン、または約30,000〜約50,000ダルトン、または約30,000〜約70,000ダルトンの分子量を有する。他の実施形態において、プロトタンパク質の分子量分布は、プロトタンパク質分子の25%未満、または10%未満、または5%未満が、約20,000ダルトン未満、または約15,000ダルトン未満、または約10,000ダルトン未満の分子量を有するようになっていてよい。
本発明の方法は、プロトタンパク質を含有するバイオマスを、タンパク性またはタンパク質リッチ濃縮物に変換する。種々のステップにおけるバイオマスの脂肪酸メチルエステル(FAME)プロファイルは、処理の最中に除去される脂質材料の量を求めるのに評価され得る。表1及び図1は、本発明の処理ステップによるFAMEの除去パーセントを示す。
(表1)処理ステップによるFAMEの除去パーセント
Figure 0006705584
表1における値は、示されている処理ステップによって当該ステップにおける投入材料から除去される脂質の割合を反映している。「最終」は、出発バイオマスの脂質含量に対して除去された脂質全体の割合を示す。データは、図3におけるグラフに相当する。種々の実施形態において、方法を開始する発酵されたバイオマスにおける脂質含量の少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも75%が、本発明の方法によって除去される。
いくつかの実施形態において、バイオマス(またはプロトタンパク質)は、9%超、または10%超、または11%超、または12%超、または13%のFAME%を有する。本明細書に記載の方法の結果として、FAME%は、5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満に低減され得る。
脂質の二次酸化生成物に関する標準試験であるパラ−アニシジン試験(pAV)は、本発明の処理の後に存在する脂質の二次酸化生成物の量をモニタリングし、したがって、本発明の方法によって生成されるタンパク質生成物を特徴付けるのに使用することができる。いくつかの実施形態において、本発明の方法によって生成されるタンパク質生成物は、2.0未満、または1.0未満、または0.9未満、または0.8未満、または0.7未満、または0.6未満、または0.5未満のpAV値を有する。
さらなる方法
いくつかの実施形態において、本発明は、バイオマスのタンパク質含量を増加させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の生成物は、中間色及び改良された快不快特性を有する、元のバイオマスよりも高いタンパク質濃度を有するタンパク質含有生成物である。種々の実施形態において、本発明の処理に仕込むタンパク質含有バイオマスは、65%(w/w)未満、または50〜65%(w/w)、または40〜70%(w/w)、または45〜65%(w/w)、または45〜70%(w/w)のタンパク質含量を有することができ、方法の生成物のタンパク質含量は、65%超、若しくは68%超、若しくは70%超、若しくは72%超、若しくは75%超、若しくは77%超、若しくは80%超、または70〜90%、若しくは65〜90%、若しくは70〜90%、若しくは72〜87%、若しくは75〜85%、若しくは75〜80%に増加する。
本発明は、タンパク質材料のアルギニン及びグルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)含量を低下させる方法も提供する。アルギニン及びグルタミン酸(ならびにグルタミン)は、種々のタイプの食品において見出すことが一般に容易である2つのアミノ酸である。多くの実施形態において、一般的なこれらのアミノ酸の含量をより低くして、20の必須アミノ酸のよりバランスのとれた供給物を食物または食物原料において得ることができるようにされたタンパク質リッチ食物または食品を有することが望ましい。本発明の方法は、より低量のグルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)ならびにアルギニンを有するタンパク質生成物を生成する。種々の実施形態において、グルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)の割合は、(アミノ酸全体の%の)21%超または22%超から20%未満または19%未満に低下する。アルギニンの割合は、(アミノ酸全体の%の)9%超から9%未満に低下する。アルギニン及びグルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)含量を低下させる方法は、本明細書に記載の方法のいずれかを含む。
実施例1
この実施例は、藻類源からプロトタンパク質を含有する粉末を生成するための一般スキームを提供する。この実施例は、具体的な方法を示すが、この開示を用いる当業者は、当該方法の他の実施形態、ならびに本明細書に含まれるステップの1つ以上が排除され得ること及び/または繰り返され得ることを理解するであろう。
この実施例において、使用した藻類は、オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)種属のツボカビであり、有機炭素源を供給する、0.1Mグルコース及び10g/Lの酵母抽出物(またはペプトン代用物)を含有する海洋培地を含有する発酵槽において培養した。培地はまた、0.1MのNaCl、0.01MのCaCl、0.04MのNaSO、0.03MのKHPO、0.04Mの(NH4)SO、0.006MのKCl、0.02MのMgSO)を含めた主要栄養素、ならびにナノモル量のビタミンB12、チアミン及びビオチンも含有した。培養を、30Cで24時間、300〜80rpmの振とう、0.1vvm〜1.0vvmのエアレーション、50%の溶存酸素、及び30%NaOHを使用して6.3±0.1に制御されたpHによって維持した。採取後、発酵培養液を細胞から遠心分離を介して除去し、得られたバイオマスペレットを水で希釈し、再遠心分離した(細胞洗浄)。得られたペーストを抗酸化剤と混合して油および他の成分の酸化を防止し、次いでドラム洗浄して水を除去し、乾燥した細胞材料を生成した。次いで、乾燥細胞をビーズミルにおいて100%エタノール中に完全に溶解させた。溶媒は、可溶性物質、例えば、脂質を除去し、脱脂されたバイオマスを、遠心分離を使用してミセラから分離する。次いで、バイオマスを、pHを約3.5に酸性化するまで、1NのHSOの滴定を介した酸洗浄に供した。次いで、バイオマスを30分間混合した。次いで、pHを1NのNaOHによって約4.5まで上昇させ、バイオマスを1時間混合した。
次いで、酸洗浄した材料を遠心分離し、上澄みを除去した。次いで、ペレットを2つの再生ステップ:100%エタノール中への2回の懸濁、その後の高剪断混合及び遠心分離に供した。上澄みをデカントし、望ましくない化合物の抽出及び除去を最大にした。高剪断混合を、温度を氷浴によって<20℃で制御しながら、ロータステータ型ミキサ(例えば、IKA ULTRATORRAX(登録商標))によって実施した。次いで、得られたエタノール洗浄されたペレット(バイオマス)を、改造された回転蒸発フラスコに置くことによって乾燥し、中程度の真空下、室温にてタンブル乾燥を促進した。およそ4時間後、材料がペーストから粉末に変化した。この時点で、材料をロータリーエバポレータから除去し、乳鉢及びすりこぎによって微粉末に破砕した。次いで、この材料を、90℃の真空オーブン中のアルミニウムトレイにおよそ11時間置き、いずれの残存溶媒または水分も除去した。一旦乾燥したら、材料に粒径分級器を通過させ、300umを超えるサイズの粒子を除去した。これらの粒子は、所望により、最終生成物から完全に除去し、さらに破砕して最終生成物に戻すことができる。処理の最終結果として、ニュートラルな快不快の均一な中間色の粉末が得られた。これを窒素下で包装し、−80℃の冷凍庫において貯蔵することができる。
実施例2
実施例1と同様のリッチ培地中、オーランチオキトリウム(Aurantiochyrium)種属のツボカビにおいて3つの独立した発酵を実施し、酸洗浄上澄みストリームの質量を定量し、タンパク質を、ドュマ法(元素分析による窒素の定量化)によって求めた。以下の表2に示すように、酸洗浄は、初期の供給材料の質量の8.8%〜15.8%の間で除去した。計算(N6.25)により窒素含量をタンパク質含量に換算すると、酸洗浄固体のタンパク質含量が12.15%〜15.50%タンパク質であると見積もられる。酸洗浄ステップによって除去されるタンパク質の範囲は、原材料中の初期のタンパク質の2.01%〜3.4%であった。
(表2)酸洗浄上澄み質量及びタンパク質
Figure 0006705584
実施例3
アミノ酸組成に対する酸洗浄の影響のさらなる例を以下に示す。酸洗浄上澄みを透析及び乾燥し、アミノ酸組成について分析する2つの別個の処理を実施した。オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)ツボカビ株(#533)を上記のように処理し、酸洗浄上澄み及び藻類タンパク質濃縮物を初期の乾燥バイオマス原材料に対して分析及び比較した。グルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)ならびにアルギニンが酸洗浄中にバイオマスから選択的に除去されることが分かった。
いずれの特定の理論によって拘束されることも望まないが、酸洗浄ステップは、一般に望まれないアミノ酸(アルギニン、グルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)、ヒドロキシプロリン)の含量を未処理藻類タンパク質に対して最終タンパク質産物において低下させるような優先的なタンパク質除去のためにタンパク性材料を調製すると考えられる。酸洗浄後、サンプルを、さらなる2回の溶媒洗浄に供した。酸洗浄ステップは、除去し易いタンパク性材料中のある特定のタンパク質を曝露するとも、または他の場合には当該タンパク質を除去し易くするとも考えられており、これらの除去されるタンパク質は、これらの望まれないアミノ酸の含量が高い。アルギニン及びグルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)ならびにヒドロキシプロリンの含量は、上澄み中の含量に対する最終タンパク質生成物ペレット中の各アミノ酸の比を算出することによって測定される。このように、低い比は、アミノ酸が上澄み中のいたる所により多くあることを示唆している。以下の表3は、データを示し、3つのアミノ酸に関する比:アルギニンについては、2未満、または1未満、または0.75未満、グルタミン酸(またはグルタミン酸及びグルタミン)については、2未満、または1未満、または0.75未満、または0.60未満、ならびにヒドロキシプロリンについては、2未満、または1未満、または0.75未満、または0.55未満を示している。
(表3)
Figure 0006705584
実施例4−酸洗浄中の脂質除去
同じバイオマス源(ツボカビ#705)を使用した2つの処理を実施して、タンパク質濃縮物中のFAME含量に対する酸洗浄の効果を観察した。発酵槽からの初期バイオマスをドラム洗浄後、サンプルを、ビーズ粉砕による2回の機械的均質化に供し、続いて、100%イソプロピルアルコール中での溶媒洗浄のステップに供した。サンプル225−002/Aを実施例1に記載されているような酸洗浄ステップに供したが、サンプル225−002/A.2は供さなかった。次いで、各サンプルを、100%イソプロピルアルコール中での2回の再生溶媒洗浄ステップに供し、その後、ロータリーエバポレータにおいて乾燥した。結果は、タンパク質生成物中の最終FAME含量が2.19%の最終乾燥重量から0.89%の最終乾燥重量に低下したことを明確に示しており、このことは、酸洗浄ステップに起因し得る。
(表4)
Figure 0006705584
脂質の除去についての酸洗浄ステップの具体的寄与を調べるため、処理を通しての利用可能な脂質を除去する段階的効率を検査した。図1は、所定の培地において株#533を使用して実施した3つの独立した処理に関する結果を示す。エタノールを酸洗浄の前及び後に溶媒として使用した。酸洗浄ステップは、実施例1につき1NのHSOによるpH3.5への第1の調整、それに続いての1NのKOHによるpH4.5への調整を含んだ。それぞれ有意な処理ステップについて、図1に示されているように、得られた固体をFAME含量について分析し、ステップにおいて除去された利用可能なFAMEの割合を算出した。酸洗浄ステップにより、ビーズミル処理後バイオマス中に存在する脂質の26%、21%、及び24%が除去された(それぞれサンプル505−002、506−002、及び514−002)。データは、酸洗浄ステップが調製方法に含まれているとき、生成されるタンパク質産物中のFAMEの割合が0.89%、または1%未満まで低減することを示している。酸洗浄ステップが処理から省略されているとき、タンパク質産物中のFAMEパーセントは、2.19%、または2%超である。
実施例5
脂質の二次酸化生成物についての標準試験であるパラ−アニシジン試験(pAV)を使用して、方法のある特定のステップ後に存在する脂質の二次酸化生成物の量をモニタリングした。下流の処理における3つのステップで試験した、独立して発酵された4つのツボカビバイオマスバッチについてpAV値を求めた:発酵の終了後すぐに収集した水洗浄バイオマス(洗浄されたペレット);低温殺菌されたバイオマス;最終タンパク質濃縮物(酸洗浄及び2つの再生ステップの後)。下流の処理ステップを図1bの処理フロー図に示し、以下の表5に記載する。
(表5)ダイズタンパク質に対するpAV
Figure 0006705584
表5に示す値は、ダイズから生成した市販のタンパク質単離物(基準として使用する)について求めたpAV値と比較した、藻類タンパク質濃縮物のpAVの比である。データは、ビーズ粉砕/エタノール抽出及び酸洗浄の処理ステップの前には、藻類タンパク質濃縮物において、二次脂質酸化生成物の含量がダイズタンパク質単離物のそれよりも高いことを示している。しかし、2つのビーズ粉砕/エタノール溶媒洗浄ステップ、及び2つの再生溶媒洗浄ステップを伴う1つの酸洗浄ステップの後には、タンパク質生成物の4つのサンプルそれぞれにおいて、二次脂質酸化生成物の含量がダイズタンパク質単離物のそれよりも低いことを示している。このように、酸洗浄を含めた本発明のステップは、脂質含量(およびしたがって脂質酸化)に関してのタンパク質濃縮物の質、ならびに感覚刺激特性を改良する。
実施例6−官能パネル
タンパク質組成物の感覚刺激特性を評価するために選ばれた人から構成される官能パネルからの報告は、改良された感覚刺激(快不快)特質を結果として処理がもたらすことを実証している。不快な魚臭の匂い若しくは風味、またはアンモニア様の匂い若しくは風味の存在は、処理の結果として顕著に減少したが、タンパク質材料は高いタンパク質含量を維持した。
当業者は、信頼できる方法で、例えば、「嗜好の程度」スケールとしても知られている9点の快不快尺度で、どのようにして官能評価パネルを組み立てて食物サンプルを評価するかを利用することができるということを理解する(Peryam and Girardot,N.F.,Food Engineering,24、58−61,194(1952);Jonesら、Food Research,20,512−520(1955))。この実施例は、したがって、かかる評価を実施する唯一の科学的に妥当な方法を提供している。
6人の成人被検者(3人の男性及び3人の女性)のパネルによって、ツボカビバイオマスから得られた8つのタンパク質生成物の感覚刺激的な風味及び/または匂い特性を評価する。被検者に、識別文字A〜Fをランダムに割り当てる。8つのサンプルのうち4つを、1つの酸洗浄手順を含む実施例1の手順にしたがって調製する(「試験」サンプル)。他の4つのサンプルは対照サンプルであり、酸洗浄ステップに供さないことを除いて同様に調製されたものである(「対照」サンプル)。サンプルを乾燥して粉末形態で得た後、1gのタンパク質粉末を脱イオン水に溶解させ、プラスチックチューブにおいて10%溶液を作製する。8つのサンプルを、各被検者に、ランダムな順番で、いずれの被検者にもいずれのサンプルの正体をも知らせることなく付与する。
サンプルが感覚刺激的に心地よいかまたは不快であるかについてサンプルを評価する。被検者に、以下の5つのカテゴリースケールにしたがって「魚臭の風味及び/または匂い」ならびに「アンモニア様の風味及び/または匂い」を考察するよう求める:0−なし;1−僅か;2−中程度;3−強い;及び4−最も強い。被検者に、いずれのカテゴリーにおいても最低の格付けを得た(receive)サンプルを指定するように指示する。試験の方法は、まず、サンプルの匂いを評価する。被検者が匂いを3または4と格付けしたときには、サンプルを、感覚刺激的に不快であるとみなし、味見を必要としない。匂いが0〜2の間と格付けされたときには、被検者は、サンプルを1〜2秒間、口内に保持して、「口に含んで吐く」方法によってサンプルをさらに試験する。
検査の匂い評価部分において、6人のパネルメンバーのうち5人が、4つの対照サンプル全てを3、すなわち、強い魚臭の匂い及び強いアンモニア様の匂いであると格付けしている。そのため、これらの5人の被検者は、これらのサンプルについては検査の風味部分に進まず、サンプルを不快な感覚刺激特性を有するとして格付けした。6人目の被検者は、4つの対照サンプルのうち3つを「3」、残りの対照サンプルを「2」と格付けしている。この4つめの対照サンプルについては、この6人目の被検者が風味部分に進み、この残りの対照サンプルを3と格付けしている。
検査の匂い部分における4つの試験サンプルについて、6人の被検者のうち4人が、サンプルのうち3つを「0」、サンプルのうち1つを「1」と格付けしている。残りの2人の被検者は、全てのサンプルを「0」と格付けしている。被検者は、次いで、風味部分に進む。被検体のうち4人が、サンプルを「1」、被検者のうち2人が、サンプルを「0」と格付けしている。検査の風味部分では、6人の被検者のうち4人が、4つのサンプル全ての風味を「1」と格付けしている。残りの2人の被検者は、2つのサンプルを「0」、2つのサンプルを「1」と格付けしている。
データを表6にまとめる。データは、本発明にしたがって調製されたタンパク質含有食物またはタンパク質含有食物原料が、常套的な方法にしたがって調製されたサンプルよりも改良された感覚刺激特性を有することを示している。
(表6)感覚刺激的に心地よいまたは不快のいずれかとして評価されたサンプル
Figure 0006705584

Claims (23)

  1. ラビリンチュラ類(Labyrinthulomycetes)属の生物由来のプロトタンパク質を含有する脱脂されたバイオマスを、前記バイオマスのpHを4.5未満の低下したpHに調整しかつ前記バイオマスのpHを前記低下したpHにおいて少なくとも10分間保持することによって、酸性条件に曝露して、前記プロトタンパク質をタンパク質材料に変換するステップ
    を含む、前記タンパク質材料を生成する方法。
  2. 前記バイオマスのpHが、4.0未満の低下したpHに調整され、かつ前記バイオマスのpHが、前記低下したpHにおいて30分間保持される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バイオマスのpHが3.5に調整され、かつ前記pHが30分間保持される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記pHを4.0未満の前記低下したpHに調整した後、前記pHが、4.0超の上昇したpHに調整される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記pHを4.0未満の前記低下したpHに調整した後、前記pHが、4.0超の上昇したpHに調整される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記pHが、4.5の上昇したpHに調整される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記バイオマスが、前記バイオマスを無機酸と接触させることによって前記酸性条件に曝露される、請求項2に記載の方法。
  8. 前記無機酸が硫酸または塩酸である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記バイオマスが、溶媒と接触しながら機械的均質化に供されることによって脱脂される、請求項2に記載の方法。
  10. 前記溶媒が、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ならびにヘキサンとアセトンとの混合物からなる群から選択される溶媒を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の方法によって生成されたタンパク質材料を食品材料と組み合わせて、食品を作製するステップを含む、前記食品を作製する方法。
  12. 前記食品が、朝食用シリアル、スナックバー、スープ若しくはシチュー、栄養バー、バルク人工肉(bulk artificial meat)用結着剤、人工チーズからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記食品が朝食用シリアルである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記食品が動物飼料である、請求項11に記載の方法。
  15. プロトタンパク質分子の25%未満が、15,000ダルトンより低い分子量を有する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記タンパク質材料中に含まれているアルギニン、グルタミン酸、またはヒドロキシプロリンの比を、前記脱脂されたバイオマス中の比と比べて減少させる、請求項1に記載の方法。
  17. 遠心分離ならびに遠心分離のペレット及び上澄みの生成のステップをさらに含み、前記ペレット/前記上澄み中のアルギニンの比が1.0未満である、請求項1に記載の方法。
  18. 遠心分離ならびに遠心分離のペレット及び上澄みの生成のステップをさらに含み、前記ペレット/前記上澄み中のグルタミン酸の比が1.0未満である、請求項1に記載の方法。
  19. ラビリンチュラ類(Labyrinthulomycetes)属の生物由来のバイオマスを酸性条件に曝露することによって前記バイオマスから得られ、少なくとも65%(w/w)のタンパク質含量と;6%(w/w)未満の脂質含量と;8%未満の灰分とを有する、タンパク質材料
    を含む食物原料。
  20. 前記脂質が脂肪酸である、請求項19に記載の食物原料。
  21. 前記脂肪酸がポリ不飽和脂肪酸である、請求項20に記載の食物原料。
  22. 前記タンパク質材料が、少なくとも75%w/wのタンパク質と、5%w/w未満の脂質含量とを含有する、請求項19に記載の食物原料。
  23. 粉末の形態の請求項19に記載の食物原料。
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