JP6704404B2 - ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを検出するためのセンサー、方法及びキット - Google Patents
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを検出するためのセンサー、方法及びキット Download PDFInfo
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Description
(1)NADH結合特性を有するRossmanドメインを含むポリペプチド、及び/或いは
(2)転写調節因子RexファミリーのNADH感受性タンパク質に由来するポリペプチド、又はその機能的断片若しくはNADH結合ドメインであり、
スペクトル特性の変化によって環境NADHを示すセグメントが、蛍光タンパク質配列又はその誘導体である、蛍光センサーを開示している。しかしながら、このセンサーはNADHを測定するだけであり、NADP(H)又はNAD(P)+濃度の測定を可能にしていない。それはまた、遅い動態を示す。
(i)所望の補因子結合特性を示す、野生型セピアプテリン還元酵素(SPR;EC1.1.1.153)又はその機能的相同体、断片、誘導体若しくはバリアントである、NADP+に対する結合タンパク質(BP)と、
(ii)前記検体の酸化型の存在下で前記BPと分子内結合できるSPRリガンド(SPR-L)と、
(iii)少なくとも1つのフルオロフォアと
を含む、センサー分子が提供される。
(i)所望の補因子結合特性を示す、変異型セピアプテリン還元酵素(SPR;EC 1.1.1.153)又はその機能的相同体、断片、誘導体若しくはバリアントである、NAD+に対する結合タンパク質(BP)と、
(ii)前記検体の酸化型の存在下で前記BPと分子内結合できるSPRリガンド(SPR-L)と、
(iii)少なくとも1つのフルオロフォアと
を含む、センサー分子が提供される。
(1)配列
MEGGLGRAVCLLTGASRGFGRTLAPLLASLLSPGSVLVLSARNDEALRQLEAELGAERSGLRVVRVPADLGAEAGLQQLLGALRELPRPKGLQRLLLINNAGSLGDVSKGFVDLSDSTQVNNYWALNLTSMLCLTSSVLKAFPDSPGLNRTVVNISSLCALQPFKGWALYCAGKAARDMLFQVLALEEPNVRVLNYAPGPLDTDMQQLARETSVDPDMRKGLQELKAKGKLVDCKVSAQKLLSLLEKDEFKSGAHVDFYDK(配列番号4)
によってコードされうる、ヒトSPRに由来するポリペプチドを含有する、
(2)少なくとも85アミノ酸残基において(1)に記載される配列と95%同一である相同又は非相同配列、
(3)少なくとも85アミノ酸残基において(1)に記載される配列と90%同一である任意の相同又は非相同配列、
(4)少なくとも85アミノ酸残基において(1)に記載される配列と70%同一である任意の相同又は非相同配列、
(5)少なくとも85アミノ酸残基において(1)に記載される配列と50%同一である任意の相同又は非相同配列、
(6)少なくとも85アミノ酸残基において(1)に記載される配列と40%同一である任意の相同又は非相同配列、又は
(7)少なくとも85アミノ酸残基において(1)に記載される配列と35%同一である任意の相同又は非相同配列。
(a)前記SPR-LのBP(例えばSPR又は変異型SPRを含む)との検体依存性結合が、フルオロフォアの分光学的特性又はセンサー分子の発光スペクトルを調節することを可能にする条件下で試料を本発明によるセンサー分子と接触させる工程と、
(b)フルオロフォアの分光学的特性又はセンサー分子の発光スペクトルの調節によって発生するシグナルの変化を分析する工程とを含み、任意選択にシグナル変化を試料中のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド検体の濃度と関連付ける工程を更に含む、方法もまた、提供される。
細胞代謝及びin vitroアッセイにおけるニコチンアミドアデニンヌクレオチドの多くの機能並びにin vitro及び生細胞においてそれらを定量するための信頼でき、正確な方法の欠如が、本発明者らが、確立されたSNIFIT設計原理(M. Brunら J Am Chem Soc 131、5873頁(2009年4月29日))を利用してレシオメトリックNADP(H)バイオセンサーを開発する動機になった。
しかしながら、分子内リガンドとしてスルファピリジン(SPY)を使用するセンサー応答は、補因子定量についてのその有用性を減少させるpH変化(6.8〜8.0)による影響を受けることが見出された(図1D)。例えば、サイトゾル及びミトコンドリア内の補因子比をモニターするために同じセンサーを使用することは、これらの細胞小器官が異なるpH、それぞれ7.2〜7.4及び8.0を有するので可能ではない。本発明者らは、分子内リガンドの親和性の見かけの変化がスルホンアミド部分のpKaに起因しうると仮定した。スルファピリジンについて、スルホンアミドプロトンのpKaは、スルホンアミドのアニオン型に対して、より高い親和性を有する8.4である。6未満のpKaを有する別のスルホンアミドを使用することは、生理学的pH範囲(6.8〜8.0)におけるセンサーのpH感受性を解決すると予想される。本発明者らは、スルファメトキサゾール(SMX)が約5.6のスルホンアミドpKa及び比較的類似の親和性を有するので、それを選択した。BG-TMR-C6-SMXで標識されたセンサーのNADPH/NADP+による滴定はpH非依存性の応答を示した(図1E)。
センサーの特異性は、いくつかのヌクレオチドがNADP(H)に構造的に近接し、センサーの応答に潜在的に影響を与える可能性のある複合試料(例えば溶解物、血清)中又は細胞中の重要なパラメーターである。特異性を試験するために、センサーを公知及び構造的に近いヌクレオチドを用いて生理学的に関連する(又は更により高い)濃度まで滴定した:NAD+、NADH、ADP、GTP及びATP(図2C、図2D)。全体的に、センサーは、NAD+等の非常に近い相対物と比較したとしてもNADP+に対して高い特異性を示す。NAD+のみが最も高い濃度(1mM)にてセンサーをわずかに閉鎖することができた。しかしながら、この濃度はin vitroアッセイ及び細胞において存在するには高すぎ、更にNAD+はNADP+と競合することはできない。
初期のセンサーSNAP-p30-EGFP-SPRは開放状態と閉鎖状態との間で1.8の最大のFRET比の変化を示した(図1C)。FRET比の変化を最大化し、in vitro及び細胞適用のために改善された感受性を有するセンサーを得るためにセンサーの形状を最適化した。このストラテジーは、分子内リガンドの結合部位に近いSPRのC末端に蛍光タンパク質を直接連結することによって閉鎖状態において2つのFRET対の間の距離を減少させることであった。この目的のために、2つの異なる構築物SPR-EGFP-p30-SNAP及びSNAP-p30-SPR-EGFPをクローニングし、大腸菌中で発現させ、精製した。分子内リガンド(BG-TMR-C6-SMX)での構築物の標識化後、FRET比の変化を定量するためにNADP+を用いて滴定実験を実施した(図2C)。この結果により、閉鎖状態においてFRET効率を増加させることによって新しいセンサーのFRET比の変化の有意な改善が示された(ΔRmax:それぞれ2.8及び3.5)。
NAD(H)のためのセンサーは部位特異的変異誘発法によってSPRの特異性を切り替えることにより開発された。SPRについて、2つのアルギニン(ヒトSPR配列におけるArg17及びArg42)は、それらが更なる2'-リン酸と直接相互作用するので、NADP(H)の特異性に不可欠である。短鎖脱水素酵素/還元酵素ファミリーの全てのNADP依存性酵素は、高度に保存されたアルギニン(Arg42)及び別の保存されたアルギニン又はリジン(Arg17又はLys17)を有する。しかしながら、同じファミリーのNAD依存性酵素は42位又は17位において保存された残基を有さないが、高度に保存されたアスパラギン酸(Asp41)を有する。結晶構造からの情報により、この特定のアスパラギン酸塩が二座様式でNAD(H)の2'-ヒドロキシル基に結合できることが示された。加えて、アスパラギン酸塩の負電荷は潜在的なリン酸塩の負電荷と反発し、NADP(H)を上回るNAD(H)に対する高い特異性を生じる。最初の試行として、Asp41及びAla42を有するSPR変異体は、低い親和性であるが、NAD+に対する高い特異性を有するセンサーをもたらす。補因子の親和性を増加させるために、42位において、バリン、イソロイシン又はトリプトファンのような疎水性残基の存在が、それらがアデニン部分と疎水性相互作用をすることができるので一般的であることが見出された。Trp42の存在はアデニンとの効果的なπスタッキングを形成することによってNADの親和性を増加させるように見える。したがって、本発明者らは部位特異的変異誘発法によってSPR(D41W42)-Halo-p30-SNAPを生成し、BG-TMR-C6-SMXでの標識化後、NADP+及びNAD+を用いてセンサーを滴定した。本発明者らは、野生型と比較して変異センサーの特異性の完全な切り替え及び以前のSPR変異体と比較してNAD+に対する増加した親和性を観測できた(図2C、図4A)。この場合、NADに基づいたFRETセンサーはHalo-タグをルシフェラーゼ(例えばNanoLuc;SPR(D41W42)-NLuc-p30-SNAP)と交換することによって容易にBRETセンサーに変換されうる。
センサー動態は比較的速い。NADPHが存在せずにNADP+(5mM)の添加によって観測されるセンサー(SPR-Halo-p30-SNAP)の閉鎖動態は約1秒(又は未満)の半減期(t1/2)を示した。しかしながら、開放速度を測定するために、センサーは低濃度のNADP+(20μM)で最初に閉鎖され、高濃度のNADPH(5mM)が測定の開始時に注入される。加えられたNADPHはSPRの補因子結合部位と競合し、約5秒の半減期でセンサーを開放する。本発明者らは、センサーが、慣用の臨床試験(例えば乳酸脱水素酵素)において測定された酵素活性に従う十分に速い動態を有するはずであると結論付けることができる。
上記に示されるように、異なるFRET及びBRET対を含むセンサーが生成されうる。FRETに基づいたNAD(P)H及びNAD(H)センサーについて、FRET対は以下の組合せによって構成されうる:(i)蛍光タンパク質並びにフルオロフォア及びリガンドを含有する合成分子と連結された自己標識化タグ(例えばSNAP-タグ、CLIP-タグ又はHalo-タグ)(例えばSPR-EGFP-p30-SNAP)、(ii)一方はフルオロフォア及びリガンドを含有する合成分子の結合のためであり、他方は第2のフルオロフォアに結合するためである、2つの直交自己標識化タグ(例えばSPR-Halo-p30-SNAP又はSNAP-p30-CLIP-SPR)、(iii)2つの蛍光タンパク質;その場合、自己標識化タグは、フルオロフォアを含有しない分子内リガンドと結合させるためだけに使用される(例えばSPR-TagGFP2-p30-SNAP-TagRFP)。一般に、タンパク質の部位特異的標識化(非天然アミノ酸、システイン標識化、酵素によって標識されたペプチド)を可能にする任意の方法が適切なセンサーを構築するために利用されうる。BRETに基づいたNAD(P)H及びNAD(H)センサーについて、BRET対はルシフェラーゼ及び蛍光アクセプターから構成されなければならない。とりわけ、使用されるルシフェラーゼは、ホタルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼ、Gaussiaルシフェラーゼ又はNanoLuc(商標)(NLuc)ルシフェラーゼが他のルシフェラーゼより明るく、より長いシグナル半減期を有するので、好ましくはNanoLuc(商標)(NLuc)ルシフェラーゼであってもよい。蛍光アクセプターは合成フルオロフォア又は蛍光タンパク質であってもよい。
A.酵素アッセイ
NADP(H)及びNAD(H)のための開発されたセンサーは、酵素活性を特徴付けるために340nmにおける吸光度によって一般にNADPH又はNADHの形成又は消費の後に続く任意の酵素アッセイにおいて実質的に使用されうる。これにより、研究分野(例えば多数の酵素活性の直接又は間接的な特徴付け)における用途に有用なだけでなく、多様な酵素、代謝産物又は他の分子の活性が診断目的のために測定される、慣用の臨床試験においても有用である。例として、吸光度によってNADPH又はNADHの濃度変化を測定する以下の酵素活性アッセイが、臨床検査室において血清又は他の体液中で慣用的に実施される:乳酸脱水素酵素LDH(肝機能、癌腫、心筋梗塞、髄膜炎/脳炎、急性膵炎)、クレアチンキナーゼCK(筋炎、横紋筋融解症、心臓発作)、クレアチンキナーゼの画分MB CK-MB(心臓発作)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼAST(肝障害)、アラニンアミノトランスフェラーゼALT(肝障害)、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(薬剤誘発性溶血性貧血、巨赤芽球性貧血)。以下の分子もまた、臨床検査室におけるNADPH又はNADH吸光度に依存する酵素カップリングアッセイによって血清又は他の体液(尿及びLCR)中で慣用的に測定される:グルコース(糖尿病(diabetis))、尿素(腎疾患又は障害)、アンモニア(肝障害、ライ症候群、肝性脳症)、エタノール(エタノール中毒症又はエタノール中毒)。
開発されたセンサーは、NADP+、NADPH、NAD+、NADH又はそれらの比を測定するハイスループットスクリーニングにおいて使用されるのに十分な感受性、信頼性及び安定性を有する。試料は一般的に細胞溶解物、血清又は他の体液に由来しうる。例として、センサーは、細胞中のNADP(H)又はNAD(H)を調節することが知られている治療を見出すために化合物のラージライブラリーのハイスループットスクリーニングのために使用されうる。治療薬剤を用いてNAD代謝をターゲティングすることは、最近、がん治療のための新しいストラテジーとみなされている。その合成の阻害によって引き起こされるNAD+の減少した利用可能性は、NAD+依存性シグナル伝達経路の活性(例えばDNA修復)を妨げ、更に、増殖のためのエネルギー資源を使い尽くすことが知られている。このことが、NAD+の生合成に関与する(ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ及びモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼのような)酵素の特異的阻害剤の開発及び使用が、がん療法におけるそれらの可能性を評価するために調査中である理由である(Chiarugiら Nat Rev Cancer. 2012年11月;12(11):741〜52頁)。別の例において、センサーは、治療薬剤の毒性プロファイルの検証のためのハイスループットスクリーニングにおいて使用されうる。NAD(H)又はNADP(H)のレベルを顕著に変化させる治療薬剤は、副作用として、重度の細胞毒性を有する場合がある。
これらのセンサーの別の関心を引く特徴は、異なる合成分子が細胞透過性であり、それにより(単離した)生細胞においてNADP/NAD-センサーの使用を可能にすることである。適切なベクターによる細胞トランスフェクション後、融合タンパク質構築物(例えばSPR-EGFP-p30-SNAP、SPR-Halo-p30-SNAP又はSPR-TagGFP2-p30-SNAP-TagRFP)は一般的な細胞培養物(例えばHEK293、U2OS)中で発現されうる。培養培地中への合成分子の簡単な添加により、活性センサーを形成する融合タンパク質の細胞内標識化が可能になる。次いでTMR/SiRの比が、TMR及びSiRについての適切な励起及び発光フィルターを備える広視野蛍光顕微鏡、共焦点蛍光顕微鏡又はFLIMシステムを使用して測定されうる。例として、試薬(例えばH2O2)の灌流がNADPH/NADP+の細胞間比を変化させるために加えられる、いくつかの実験が実施され、化合物が除去され、洗い流された場合、細胞がそれらのNADPH/NADP+の基礎レベルを回復した(図6B)。補因子比に対する変化はリアルタイムで測定されうる。加えて、適切な局在配列を構築物に加えることによって、融合タンパク質は、生細胞においてそれらのNADPH/NADP+及びNADH/NAD+の特定の比を測定するためにミトコンドリア、核、小胞体のような異なる細胞内区画に標的化されうる。
センサーは、有利には、in vitro用途のための市販のキットとして提供される。例示的なキットは、以下:緩衝液中で凍結乾燥若しくは溶解されたセンサー分子並びに比、すなわちNAD(P)/NAD(P)+の異なる比を定量するための適切な標準物及び/又はNADP+若しくはNAD+を有する溶液を含有しうる。生細胞用途について、キットは、好ましくは、哺乳動物発現のための(一過性及び/又は安定なトランスフェクションのための)適切なプラスミド、選択された細胞内局在(サイトゾル、ミトコンドリア、核、小胞体)及び/又は細胞内標識化のための異なる合成分子も含有する。異なる細胞透過性合成分子が、望まれる異なるFRET対に応じて提供されてもよい。
以下の実施例は、NADP(H)及びNAD(H)のための異なるSPRに基づいたセンサーの設計及び構築物を記載した。
この実施例は、NADP(H)の濃度を検知できる初期のFRETに基づいたセンサーの設計及び構築物を記載する。センサーは、NADP(H)特異的結合タンパク質としてヒトセピアプテリン還元酵素(SPR)及び分子内リガンドとしてスルファピリジン又はスルファメトキサゾールを含む。EGFP及びTMRはそれぞれFRETドナー及びアクセプターを形成する(図1A、図1B)。
Fmoc-6-アミノヘキサン酸(100mg、0.28mmol、1当量)の乾燥DMSO(1.0mL、280mM)中溶液に、DIPEA(52μL、0.31mmol、1.1当量)及びスルファピリジン(i-1)(200mg、0.8mmol、2.9当量)を加えた。HBTU(130mg、0.34mmol、1.2当量)を反応混合物に加え、室温にて2時間撹拌した。次いで、200μLのH2Oを反応混合物に加え、30分間撹拌した。最後に、反応物を80μLのAcOHでクエンチし、HPLCによって精製し、凍結乾燥させて白色固体(64.6mg、39%)を得た。
TMR(6-異性体)-COOMe(i-3)(6.1mg、11.8μmol、1当量)の乾燥DMSO(200μL)中溶液に、DIPEA(20μL、115μmol、10当量)及びHBTU(5.2mg、13.6μmol、1.15当量)を加えた。5分後、BG-NH2(i-4)を反応混合物に加えた。反応物を室温にて15分撹拌した。次いで、200μLの1M NaOHを加え、反応物を更に15分間撹拌した。50μLのAcOHを加え、反応物をHPLCによって精製し、凍結乾燥させて赤色固体(4mg、45%)を得た。
BG-TMR(6)-COOH1当量の乾燥DMSO中溶液に、10当量のDIPEA及び1.2当量のTSTUを連続して加えた。活性化をTLC(80/20 v/v ACN/H2O)によって確認した。約5分の活性化後、i-2を加え、反応物を室温にて1時間撹拌させた。反応混合物をH2O(100μL)で処理し、更に20分間撹拌して、残存しているNHSエステルを加水分解した。次いで、反応物をAcOHでクエンチし、HPLCによって精製し、凍結乾燥させて赤色の固体を得た。SNAP-タグの特異的標識化のためのO6-ベンジルグアニン(BG)部分、フルオロフォア(flurophore)テトラメチルローダミン(TMR)及び分子内SPRリガンドとしてスルファメトキサゾール(SMX)を含有する合成分子をスキーム2に従って合成した。
Fmoc-6-アミノヘキサン酸(100mg、0.28mmol、1当量)の乾燥DMSO(1.0mL、280mM)中溶液に、DIPEA(52μL、0.31mmol、1.1当量)及びスルファメトキサゾール(215mg、0.85mmol、3当量)を加えた。HBTU(130mg、0.34mmol、1.2当量)を加え、反応物を室温にて2時間撹拌した。次いで、200μLのH2Oを反応混合物に加え、30分間撹拌した。最後に、反応物を80μLのAcOHでクエンチし、HPLCによって精製し、凍結乾燥させて白色固体(54mg、33%)を得た。fmoc保護生成物を、アセトニトリル中のピペリジン20%の溶液混合物1mL中に溶解した。反応混合物を室温にて1時間撹拌し、0.2mLのAcOHでクエンチし、減圧下で蒸発させ、分取HPLCによって精製し、凍結乾燥させて白色固体(33.5mg、定量的)を得た。
BG-TMR(6)-COOH(220μL、0.58μmol、1当量)の乾燥DMSO(2.9mM)中溶液に、DIPEA(4μL、12μmol、41当量)及びTSTU(7μL、0.7μmol、1.2当量)を連続して加えた。活性化をTLC(80/20 v/v ACN/H2O)によって確認した。約5分の活性化後、ii-2(34μL、2.32μmol、4当量)を加え、反応物を室温にて1時間撹拌させた。反応混合物をH2O(100μL)で処理し、更に20分間撹拌してNHSエステルを加水分解した。次いで、反応物を20μLのAcOHの添加によりクエンチし、HPLCにより精製し、凍結乾燥させて赤色固体(0.4μmol、70%)を得た。
この実施例は、以前に記載されているFRETセンサーの代替の最適化された形状を記載する。
この実施例は、NADP(H)の濃度を検知できる最適化されたFRETに基づいたセンサーの設計及び構築物を記載する。センサーは、NADP(H)特異的結合タンパク質としてヒトセピアプテリン還元酵素(SPR)及び分子内リガンドとしてスルファメトキサゾールを含む。Halo-タグ、別の自己標識化タグをフルオロフォアSiRの特異的標識化のために使用する(図3A)。TMR及びSiRはそれぞれFRETドナー及びアクセプターを形成する。SNAP-タグを以前に記載されている合成分子BG-TMR-C6-SMXで標識する(図1B、スキーム2を参照のこと)。
この実施例は、NAD(H)の濃度を検知できる最適化されたFRETに基づいたセンサーの設計及び構築物を記載する。センサーは、NAD(H)特異的結合タンパク質としてSPRの変異体及びSPR-Lとしてスルファメトキサゾールを含む。Halo-タグ、別の自己標識化タグをフルオロフォアSiRの特異的標識化のために使用する。TMR及びSiRはそれぞれFRETドナー及びアクセプター対を形成する。SNAP-タグを以前に記載されている合成分子BG-TMR-C6-SMXで標識し、SiR-HaloをHalo-タグの特異的標識化のために使用する。2つの塩基を変化させるために、複数の点変異(すなわち、以下の変異A41D及びR42W)を行うための設計されたプライマーを用いたPCR部位特異的変異誘発法を使用することによって、SPR(D41W42)、Halo-タグ、30-プロリンリンカー及びSNAP-タグの変異体からなる融合タンパク質を構築し、SPR(D41W42)-Halo-p30-SNAPを得た。融合タンパク質を大腸菌株Rosetta-gami(商標)2(DE3)pLysS(Novagen社、Merck KGaA社、ダルムシュタット、ドイツ)中で発現させ、C末端His-タグ及びN末端Strep-タグIIを使用して精製して完全な構築物を得た。
溶解物中での測定のために、SPR-Halo-p30-SNAPを、実施例3に記載されるようにBG-TMR-C6-SMX及びSiR-Haloで標識した。懸濁液中のHEK293細胞を、GlutaMaxを補足した15mLのEx-cell 293培地中で4日間増殖させ(37℃、5%CO2、100rpm)、典型的に2×106細胞/mL、97%超の生存率(トリパンブルー試験)で3×107総細胞に到達させた。細胞を遠心分離(5分、750rpm、4℃)によってペレットにした。上清を除去し、細胞を1mLの冷PBS中に再懸濁した。細胞を凍結融解サイクルによって溶解させ(液体N2中で2分、37℃にて水浴中で2分)、短時間でボルテックスした。細胞残屑を13,000rpm、5分、4℃にて遠心分離し、上清を、10kDaのカットオフ膜(Amicon Ultra-0.5 Centrifugal Filter、Merck KGaA社、ダルムシュタット、ドイツ)を有する遠心濾過器スピンカラムによって濾過した。次いで標識したセンサーを100μLの溶解物中で50nMに希釈し、実施例3に記載されている同じパラメーターを使用して蛍光光度計(TECAN)により比(ration)を測定した。並行して、規定の比のNADPH/NADP+を含有する溶液中の標識したセンサーの滴定を較正(総補因子濃度:100μM)として実施した。更に、溶解物もまた、UV-Vis分光光度計において測定して、180〜270μMの濃度に相関した340nm(l=1cm、ε=6,220M-1 cm-1)にて吸光度1.1〜1.7を示す[NADPH]+[NADH]の濃度のおおよその推定値を得た。したがって溶解物は信頼できるセンサー測定のために十分に濃縮されている。
SPR-Halo-p30-SNAPをU2OS細胞中で発現させ、CP-TMR-C6-SMX及びSiR-Haloで標識した。CP-TMR-C6-SMX(図6A)を、CP-NH2で開始したことを除いて、BG-TMR-C6-SMXと同じ合成スキームに従って合成した。O4-ベンジル-2-クロロ-6-アミノピリミジン(CP)はSNAP-タグ標識化のための別の特異的反応部分であり、それは多くの細胞透過性化合物をもたらすことが見出されている。CP-NH2を以前に記載されている手順(Srikunら、J Am Chem Soc. 2010年3月31日;132(12):4455〜65頁)に従って合成した。
この実施例は、NADP+の濃度及びNADPH/NADP+の比を検知できる2つの蛍光タンパク質を使用したFRETに基づいたセンサーの設計及び構築物を記載する。センサーは、NADP(H)特異的結合タンパク質としてヒトSPR及び分子内リガンドとしてスルファメトキサゾールを含む。TagGFP2及びTagRFPはそれぞれFRETドナー及びアクセプターを形成する(図7A)。SNAP-タグの特異的標識化のためのO6-ベンジルグアニン(BG)部分を含有する合成分子、アルキルリンカー及び分子内SPRリガンドとしてのスルファメトキサゾール(SMX)をスキーム3に従って合成した(図7B)。
Boc-6-アミノヘキサン酸(150mg、0.65mmol、1当量)のDMF(2.0mL)中溶液に、EDC HCl(140mg、0.72mmol、1.1当量)及びHOBt(98mg、0.72mmol、1.1当量)を撹拌下で加えた。試薬の完全な溶解後、スルファメトキサゾール(494mg、1.9mmol、3当量)、続いてDIPEA(0.11mL、0.65mmol、1当量)を加えた。反応物を室温にて一晩撹拌した。最後に、反応物を酢酸(0.2mL)で酸性化し、HPLCによって精製し、凍結乾燥させて、白色固体(182.1mg、0.39mmol、59%)を得た。
BG-NH2(300mg、1.1mmol、1当量)の乾燥DMSO(6mL)中懸濁液に、撹拌下でDIPEA(0.4mL、2.4mmol、2.2当量)及び無水コハク酸(133mg、1.3、1.2当量)を加えた。反応のプロセスの間、反応混合物を清浄化した。1時間後、反応が完了したことが示された。1mLのH2Oを反応混合物に加えて無水コハク酸を加水分解した。最後に、反応物を0.5mLの酢酸でクエンチし、HPLCによって精製し、凍結乾燥させて白色固体(388mg、1.05mmol、95%)を得た。
化合物iii-1(19.5mg、52.7μmol、1当量)の乾燥DMSO(0.6mL)中溶液に、200μLのDMSO中のDIPEA(17.5μL、105.4μmol、2当量)及びTSTU(23.8mg、79μmol、1.5当量)を加えた。5分後、NHS-エステルの形成をTLC(9/1 DCM/MeOH)及びLC-MSによって確認した。次いで、DIPEA(17.5μL、105.4μmol、2当量)と共にアミンii-2(300μl、63.2μmol、1.2当量)を加え、30分間撹拌した。最後に、反応物を最初に200μLのH2O(15分)、次いで50μLのAcOHでクエンチした。生成物をHPLCによって精製し、凍結乾燥させて白色固体(7.1mg、9.9μmol、19%)を得た。
この実施例は、NAD+の濃度を検知できる最適化されたBRETに基づいたセンサーの設計及び構築物を記載する。センサーは、NAD(H)特異的結合タンパク質としてSPRの変異体及びSPR-LとしてBG-Peg11-Cy3-スルファメトキサゾールを含む。NanoLucを、Cy3とBRET対を形成するルシフェラーゼとして使用する。SNAP-タグを合成分子BG-Peg11-Cy3-スルファメトキサゾールで標識する(図8A)。
Claims (33)
- ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド検体の蛍光又は発光に基づいた検出のためのセンサー分子であって、前記センサーが、
(i)セピアプテリン還元酵素(SPR)である、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド検体に対する結合タンパク質(BP)であって、
前記SPRが、配列番号4のヒトセピアプテリン還元酵素(hSPR)、配列番号3のラットセピアプテリン還元酵素、配列番号2のマウスセピアプテリン還元酵素、あるいは配列番号4、配列番号3、または配列番号2に少なくとも95%の配列同一性を有するそれらのバリアントであり、ただし前記バリアントは、hSPRにおけるSer157、Tyr170、Lys174及びAsp257に対応する残基を含む、結合タンパク質(BP)と、
(ii)前記検体の酸化型の存在下で前記BPと分子内結合することができ、ベンゼンスルホンアミドに基づくSPRリガンド(SPR-L)と、
(iii)少なくとも1つのフルオロフォアと
を含む、センサー分子。 - 共鳴エネルギー移動(RET)に基づいた検体検出のための請求項1に記載のセンサー分子であって、前記センサーが、リンカーを介してセグメントBに接続されたセグメントAを含み、セグメントA及びセグメントBの各々が、ドナー部分及びアクセプター部分を含むRET対のメンバーを含み、更に、
(i)セグメントAが前記BPを含み、
(ii)セグメントBが前記SPR-Lを含み、
それにより、前記ドナー部分及び前記アクセプター部分が、SPR-LがBPと結合すると、RETシグナルを生じるように適切に並び、検体によって誘発されたSPR-LのBPとの結合の変化が、RET効率の変化をもたらすことを特徴とする、センサー分子。 - NADP+に結合することができるBPを含む、NADP+又はNADPH/NADP+比を検出するための、請求項1または2に記載のセンサー分子。
- BPがSPRを含み、前記hSPR配列(配列番号4)の17位及び42位に対応する残基が塩基性残基である、請求項3に記載のセンサー分子。
- 前記hSPR配列(配列番号4)の17位及び42位に対応する残基がArgである、請求項4に記載のセンサー分子。
- 前記BPが野生型SPRを含む、請求項4または5に記載のセンサー分子。
- NAD+に結合することができるBPを含む、NAD+又はNADH/NAD+比を検出するための、請求項1または2に記載のセンサー分子。
- BPが変異型SPRを含み、前記hSPR配列(配列番号4)の41位に対応する残基がAspであり、及び/又は前記hSPR配列の42位に対応する残基がVal、Ile、又はTrpである、請求項7に記載のセンサー分子。
- 前記SPR-Lが、スルファサラジン、スルファチアゾール、スルファメトキサゾール、スルファメチゾール、フタリルスルファチアゾール、スルファピリジン、スルファジアジン、スルファメラジン、スルファクロロピリダジン、スルファメーター、クロルプロパミド、グリベンクラミド、及びトルブタミドからなる群から選択されるベンゼンスルホンアミドである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサー分子。
- 前記SPR-Lが6未満又は9超のpKaを有するスルホンアミドである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセンサー分子。
- 前記RET対がFRET対である、請求項2〜10のいずれか一項に記載のセンサー分子。
- 前記FRET対が、
(i)蛍光タンパク質、及びフルオロフォアを含有する合成分子と連結した自己標識化タグ(例えばSNAP-タグ、CLIP-タグ、又はHalo-タグ)、
(ii)一方はドナー部分を含有する合成分子の結合のため、他方はアクセプター部分フルオロフォアと結合するための、2つの直交自己標識化タグ(例えばSPR-Halo-p30-SNAP又はSNAP-p30-CLIP-SPR)、
(iii)2つの蛍光タンパク質
から選択される、請求項11に記載のセンサー分子。 - 前記RET対がBRET対である、請求項2〜12のいずれか一項に記載のセンサー分子。
- 前記BRET対がルシフェラーゼ及び蛍光アクセプターを含む、請求項13に記載のセンサー分子。
- 前記ルシフェラーゼが、そのC末端において円順列変異させたジヒドロ葉酸還元酵素(cpDHFR)を備えるNanoLuc(商標)(NLuc)ルシフェラーゼである、請求項14に記載のセンサー分子。
- 前記リンカーが、タンパク質のリンカーである、請求項2〜15のいずれか一項に記載のセンサー分子。
- 固体担体に固定又は吸収されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載のセンサー分子。
- 固体担体が、ガラス、透明プラスチック、金表面、紙、又はゲルである、請求項17に記載のセンサー分子。
- 固体担体が、クロマトグラフィー又は濾紙である、請求項17または18に記載のセンサー分子。
- 試料中のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド検体の濃度の蛍光又は発光に基づいたin vitro検出のための方法であって、
(a)前記SPR-LのSPR又はSPR変異体への検体依存的結合が、前記フルオロフォアの分光学的特性又は前記センサー分子の発光スペクトルを調節することを可能にする条件下で、前記試料を請求項1〜19のいずれか一項に記載のセンサー分子と接触させる工程と、
(b)前記フルオロフォアの分光学的特性又は前記センサー分子の発光スペクトルの調節によって生成したシグナルの変化を分析し、前記シグナルの変化を前記試料中のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド検体の濃度と関連付ける工程と
を含む、方法。 - 試料中のNAD+、NADP+の濃度並びに/又はNAD+/NADH及びNADP+/NADPHの濃度比を検出するための、請求項20に記載の方法。
- 前記試料が、生物試料又はその画分である、請求項20又は21に記載の方法。
- 前記試料が、細胞溶解物又は体液である、請求項22に記載の方法。
- 前記試料が、血液、血清、唾液、尿、髄液、膿、汗、涙、母乳からなる群から選択される、請求項22又は23に記載の方法。
- 前記試料が、
(i)未知の濃度のNAD+、NADP+、NADH、
(ii)未知の濃度比のNAD+/NADH若しくはNADP+/NADPH、及び/又は
(iii)NADP+若しくはNAD+を生成若しくは消費する未知の濃度の酵素
を含む、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。 - 請求項1〜19のいずれか一項に記載のセンサー分子と固体担体とを含むパーツのキット。
- 前記固体担体が、紙又は透明物体である、請求項26に記載のキット。
- 前記固体担体が、クロマトグラフィー又は濾紙、ガラス、又は透明プラスチックである、請求項26または27に記載のキット。
- BRETに基づいたセンサーを含み、ルシフェラーゼ基質を更に含む、請求項26〜28のいずれか一項に記載のキット。
- ルシフェラーゼ基質が、セレンテラジン、フリマジン、又はそれらの誘導体である、請求項29に記載のキット。
- ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド検体の蛍光又は発光に基づいた検出のための、請求項1〜19のいずれか一項に記載のセンサー分子の使用。
- NAD+、NADP+の濃度並びに/又はNAD+/NADH及びNADP+/NADPHの濃度比を検出するための、請求項31に記載の使用。
- 以下:
(i) ex vivo臨床又は診断試験、
(ii)NADP+又はNAD+の形成又は消費が関与するex vivo酵素アッセイ、
(iii)細胞中でNADP(H)若しくはNAD(H)を調節することができる化合物の、又は治療薬剤の毒性プロファイルの検証のための、ex vivoハイスループットスクリーニング、
(iv)生細胞測定
の1つ以上における請求項1〜19及び26〜30のいずれか一項に記載のセンサー分子及び/又はキットの使用。
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