JP6703121B2 - 複数の燃料タンクを有する航空機の触媒不活性化システム - Google Patents

複数の燃料タンクを有する航空機の触媒不活性化システム Download PDF

Info

Publication number
JP6703121B2
JP6703121B2 JP2018538114A JP2018538114A JP6703121B2 JP 6703121 B2 JP6703121 B2 JP 6703121B2 JP 2018538114 A JP2018538114 A JP 2018538114A JP 2018538114 A JP2018538114 A JP 2018538114A JP 6703121 B2 JP6703121 B2 JP 6703121B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ullage
gas
inert gas
fuel tank
catalyst deactivation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018538114A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019505435A (ja
Inventor
ジェンセン,ブライアン・デヴィッド
ヘイデン,ジョン・ウィリアム
Original Assignee
パーカー・ハニフィン・コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by パーカー・ハニフィン・コーポレーション filed Critical パーカー・ハニフィン・コーポレーション
Publication of JP2019505435A publication Critical patent/JP2019505435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6703121B2 publication Critical patent/JP6703121B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/26Drying gases or vapours
    • B01D53/265Drying gases or vapours by refrigeration (condensation)
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/74General processes for purification of waste gases; Apparatus or devices specially adapted therefor
    • B01D53/86Catalytic processes
    • B01D53/8671Removing components of defined structure not provided for in B01D53/8603 - B01D53/8668
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D37/00Arrangements in connection with fuel supply for power plant
    • B64D37/32Safety measures not otherwise provided for, e.g. preventing explosive conditions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2257/00Components to be removed
    • B01D2257/10Single element gases other than halogens
    • B01D2257/104Oxygen
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2259/00Type of treatment
    • B01D2259/45Gas separation or purification devices adapted for specific applications
    • B01D2259/4566Gas separation or purification devices adapted for specific applications for use in transportation means
    • B01D2259/4575Gas separation or purification devices adapted for specific applications for use in transportation means in aeroplanes or space ships

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

関連出願に対する相互引用
[0001] 本出願は、2016年1月22に出願され"Catalytic Inerting System for an Aircraft with Multiple Fuel Tanks"(複数の燃料タンクを有する航空機の触媒不活性化システム)と題する米国仮特許出願第62/281,757号の優先権を主張する。この出願をここで引用したことにより、あたかもその内容全体が本明細書においても明記されたかのように、本願にも含まれるものとする。
従来技術
[0002] 燃料タンクは、輸送機関の推進システムに使用される燃料を貯蔵するために輸送機関において使用される。燃料タンク内にある燃料の一部が液体状態から気体状態に変換される可能性があり、つまり、燃料蒸気が燃料タンク内の燃料の上部に形成する場合がある。燃料タンクにおいて液体燃料の上にある気体混合物をアレージ・ガスと呼ぶこともあり、燃料蒸気および空気の混合物を含むとして差し支えない。空気は酸素を含むことがあり、したがって、アレージ・ガスは、特定の条件下では可燃性となるおそれがある。
したがって、輸送機関に対するあらゆる火災の危険を排除するように、アレージ・ガスを可燃性でない不活性ガスに変換することが望ましいであろう。
[0003] 本開示は、複数の燃料タンクを有する航空機のための触媒不活性化システムに関する実施態様について説明する。第1実施態様例では、本開示は、アレージ再循環触媒不活性化システムについて説明する。このアレージ再循環触媒不活性化システムは、(i)複数の燃料タンクであって、(a)それぞれの燃料タンク内にある不活性ガスを排出するためのそれぞれの不活性ガス・ポートと、(b)それぞれの燃料タンクからアレージ・ガスを引き出すためのそれぞれのアレージ・ガス・ポートとを有し、複数の燃料タンクの内少なくとも1つの燃料タンクが、その内部の異なる位置に配置され、航空機の飛行のそれぞれのフェーズの間少なくとも1つの燃料タンクのそれぞれの高点に対応する複数のアレージ・ガス・ポートを含む、複数の燃料タンクと、(ii)不活性ガス生成システムであって、(a)それぞれのアレージ・ガス・ポートに流体結合されたアレージ・ガス流入ポートと、(b)それぞれの不活性ガス・ポートに流体結合された不活性ガス流出ポートと、(c)アレージ・ガス流入ポートを通じて受けたアレージ・ガスを、不活性ガス流出ポートを通じて排出するために、不活性ガスに化学的に変換する触媒反応器と、(d)不活性ガス生成システムを通してガスを移動させる原動機とを含む、不活性ガス生成システムとを含む。
[0004] 第2の実施態様例では、本開示はアレージ再循環触媒不活性化システムについて説明する。このアレージ再循環触媒不活性化システムは、
(i)複数の燃料タンクであって、(a)それぞれの燃料タンク内にある不活性ガスを排出するためのそれぞれの不活性ガス・ポートと、(b)それぞれの燃料タンクからアレージ・ガスを引き出すためのそれぞれのアレージ・ガス・ポートとを有する、複数の燃料タンクと、(ii)不活性ガス生成システムであって、(a)それぞれのアレージ・ガス・ポートに流体結合されたアレージ・ガス流入ポートと、(b)それぞれの不活性ガス・ポートに流体結合された不活性ガス流出ポートと、(c)アレージ・ガス流入ポートを通じて受けたアレージ・ガスを、不活性ガス流出ポートを通じて排出するために、不活性ガスに化学的に変換する触媒反応器と、(d)少なくとも2つの原動機であって、不活性ガス生成システムを通してガスを移動させ、不活性ガスを複数の燃料タンクの内第1部分集合の燃料タンクに供給する第1原動機と、不活性ガス生成システムを通してガスを移動させ、不活性ガスを複数の燃料タンクの内第2部分集合の燃料タンクに供給する第2原動機とを含む、原動機とを含む、不活性ガス生成システムとを含む。
[0005] 第3の実施態様例では、本開示はアレージ再循環触媒不活性化システムについて説明する。このアレージ再循環触媒不活性化システムは、(i)複数の燃料タンクであって、(a)それぞれの燃料タンク内にある不活性ガスを排出するためのそれぞれの不活性ガス・ポートと、(b)それぞれの燃料タンクからアレージ・ガスを引き出し、アレージ・ガスを、複数の燃料タンクに流体結合された複数のサージ・タンクの内1つのサージ・タンクに供給するためのそれぞれの燃料タンク・アレージ・ガス・ポートおよび配管網とを有する、複数の燃料タンクと、(ii)不活性ガス生成システムであって、(a)アレージ・ガス流入ポートと、(b)それぞれの不活性ガス・ポートに流体結合された不活性ガス流出ポートと、(c)アレージ・ガス流入ポートを通じて受け入れたアレージ・ガスを、不活性ガス流出ポートを通じて排出するために不活性ガスに化学的に変換する触媒反応器と、(d)不活性ガス生成システムを通してガスを移動させる原動機とを含む、不活性ガス生成システムとを含む。複数のサージ・タンクの各サージ・タンクは、(a)航空機の周囲環境におよびから流体を連通させるベント開口と、(b)それぞれの燃料タンクからアレージ・ガスを受け入れる第1アレージ・ガス・ポートと、(c)アレージ・ガスを引き出し、不活性ガス生成システムのアレージ・ガス流入ポートにアレージ・ガスを供給する第2アレージ・ガス・ポートとを含む。
[0006] 以上の摘要は例示に過ぎず、限定することは全く意図していない。以上で説明した例示的な態様、実施態様、および特徴に加えて、更に他の態様、実施態様、および特徴も、図および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
図1は、実施態様例によるアレージ再循環触媒不活性化システムを示す。 図2は、実施態様例にしたがって、3つの燃料タンクに分割され2つのベント開口を有する航空機の翼の模式平面図または上面図を示す。 図3Aは、実施態様例によるアレージ再循環不活性化システムの平面図を示す。図3Bは、実施態様例による、図3Aのアレージ再循環不活性化システムの部分背面図を示す。 図4は、実施態様例にしたがって、アレージ・ガスをサージ・タンクから除去するアレージ再循環不活性化システムの平面図を示す。 図5は、実施態様例による、ベント開口を制御するアレージ再循環不活性化システムの平面図を示す。 図6は、実施態様例にしたがって、触媒不活性化システムの下流側に配置された2つの原動機を有するアレージ再循環触媒不活性化システムを示す。 図7は、実施態様例にしたがって、2つの触媒不活性化システムを有するアレージ再循環触媒不活性化システムを示す。 図8は、実施態様例にしたがって、3つの触媒不活性化システムを有するアレージ再循環触媒不活性化システムを示す。 図9は、実施態様例にしたがって、アレージ再循環触媒不活性化システムを動作させる方法のフロー・チャートを示す。
[0017] 燃料タンクにおいて液体燃料の表面上の空間に溜まった(disposed)アレージ・ガス混合物に伴う火災または災害を防止するためには、アレージ・ガスを不活性化すればよい。例えば、高圧窒素濃厚空気を生成し、燃料タンクに注入して、アレージ・ガスにおける酸素を追い出すことができる。窒素濃厚気体が燃料タンクに入ると、アレージ空間に内在するガスの等価量が船外に流出する(例えば、燃料タンクからまたは燃料タンクを内蔵する輸送機関から)。このプロセスが継続するに連れて、窒素濃厚ガスが、アレージ空間内における酸素含有ガスを追い出すことによって、アレージ空間における酸素濃度を低下させ、事実上燃料タンクを不活性化する。
[0018] 例えば、高圧空気を航空機のエンジンから生成または抽出し、空気分離モジュール(ASM:air separation module)を基にした不活性化システムに空気圧システムを通じて供給することができる。一例では、加圧空気はエンジンからの抽出空気にすることができる。この例では、不活性化システムは、連続的に窒素濃厚空気を生成して、アレージ空間におけるガスを追い出し、内部の酸素濃度を効果的に低下させるように構成することができる。しかしながら、エンジンからの抽出空気を消費すると、エンジンの性能に影響を及ぼすおそれがあり、更に加圧空気を生成するときに費やされるエネルギのために、エンジンの効率を低下させるおそれもある。加えて、エンジンから抽出空気を得るのは、ターボシャフト(ヘリコプタに使用されるような)、小型ターボファン(商用ジェット機に使用されるような)、およびターボプロップ(短距離輸送に使用されるような)のような、抽出空気が殆どまたは全く得られないエンジンを動力源とする航空機には特に厄介となる可能性がある。
[0019] また、輸送機関の中には、抽出空気が利用できないように設計されたものもある。例えば、ある航空機システムでは、航空機の空気圧システムのための加圧空気を生成するのに電気コンプレッサが使用されるが、抽出空気は不活性化システムには利用可能ではない場合もある。したがって、用途によっては、エンジンからの加圧抽出空気を消費しない不活性化システムを有することが望ましい場合がある。触媒不活性化(catalytic inerting)は、エンジンからの抽出空気を使用することを回避する。
[0020] 図1は、実施態様例によるアレージ再循環触媒不活性化システム100を示す。システム100は、潜在的に可燃性であるアレージ・ガスを燃料タンク104から引き出し、それを非可燃性の状態で燃料タンク104に還流させるように構成された原動機102(例えば、ブローワまたはポンプ)を含むことができる。アレージ・ガスは、前述のように、燃料蒸気と空気との混合物を含み、空気は酸素を含む。システム100の目的は、アレージ・ガスにおける酸素を除去する、またはそのレベルを低下させ、それを不活性化し、不活性状態で燃料タンク104にそれを還流させ、こうして火災または爆発のあらゆる危険性を低下させることである。
[0021] 具体的には、システム100は、触媒反応器106によってアレージ・ガスを処理するように構成することができ、アレージ・ガス内に存在する酸素および燃料蒸気が化学的に反応し、二酸化炭素および水蒸気のような、比較的不活性な化学元素(chemical element)を生成する。このように、システム100はアレージ・ガスにおける酸素濃度を低下させる。アレージ・ガスにおける最大成分になる可能性がある窒素は、不活性であり、燃料蒸気と空気との間の反応には関与しない。
[0022] 水は燃料タンクにおいては望ましくないことがあるので、燃料タンクに還流される前に、生成された不活性ガスからその殆どを除去することができる。このため、システム100は更に熱交換機108を含むことができる。熱交換機108は、触媒反応器106から得られた反応アレージ・ガスを冷却および乾燥させて、その内部の水を凝縮し除去するように構成されている。この状態では、アレージ・ガスは不燃性となっているとして差し支えなく、火を持続させることはできず、システム100によって燃料タンクに還流される。
[0023] 配管網110が、システム100の種々のコンポーネントを接続し、アレージ・ガスをそれらの間で輸送するように構成されている。図1に図示するように、システム100は、アレージ・ガスの閉ループ・システムであり、別個の抽出空気は使用されない。したがって、システム100は、抽出空気を消費しないので、輸送機関のエンジンの効率を高めることができる。また、システム100は、抽出空気を利用できない輸送機関においても使用することができる。
[0024] ある車両は、1つの燃料コンテナではなく、複数の燃料タンクを含むこともあり、このために不活性ガス・システムを一層複雑にする。これらの燃料タンクは、輸送機関を駆動する複数のエンジンに燃料を供給するように構成することができる。一例として、商用航空機が、航空機の機体および翼に結合された複数の燃料タンクを含む場合もある。複数の燃料タンクは、内部パーティションおよび相互接続ベント・システムを有する場合もあり、不活性化システムの複雑さが増すことになる。
[0025] 本明細書において開示するのは、アレージ再循環触媒不活性化システムの例であり、抽出空気を消費せず、複数燃料タンク・システムの複雑さを考慮に入れるように構成されている。本明細書では、複数の燃料タンクを有する輸送機関の例として、航空機を使用する。しかしながら、開示するシステムは他の輸送機関にも同様に使用することができる。更に、第1側部燃料タンク、第2側部燃料タンク、および中央燃料タンクを有する航空機を、構成例として使用する。本明細書において説明するシステムおよび方法は、2つの側部燃料タンクを有し、中央燃料タンクがない航空機、または任意の他の構成でも使用することができる。
[0026] 図2は、実施態様例にしたがって、3つの燃料タンクに分割され、2つのベント開口を有する航空機の翼の模式平面または上面図を示す。航空機例は、その燃料の殆どまたは全てを翼の中に携行するように構成することができ、したがって、燃料タンクの形状は翼のそれに似る。本明細書ではこの構成を一例として使用し、開示する不活性化システムは、燃料タンクがこれらよりも少ない航空機、または多い航空機にも適用することができる。
[0027] 航空機は、航空機の機体の一方側に結合された第1翼に結合された第1(例えば、左)燃料タンク200、機体の他方側に結合された航空機の第2翼に結合された第2(例えば、右)燃料タンク202、および中央燃料タンク204を含むことができる。中央燃料タンク204は、燃料タンク200および202の各々と接し(abut)、航空機の機体を貫通するか、または結合されている。例では、燃料タンク200、202、および204は、内部で数個のコンパートメントに区分することができる。図2では、3つの燃料タンク200、202、および204は実線でその輪郭が示されており、一方その内部にある構造的パーティションは破線で示されている。例えば、破線206Aおよび206Bは中央燃料タンク204を3つのタンク208A、208B、および208Cに分割する。機外タンク(outboard tank)208Aおよび208Cを「チーク・タンク」(cheek tank)と呼ぶこともできる。
[0028] 例では、燃料は、中央燃料タンク204から燃料タンク200および202に、そして燃料タンク200および202からエンジンに圧送することができる。各翼の終端には、サージ・タンクがある。例えば、サージ・タンク210は、燃料タンク200に隣接して配置されるか、または燃料タンク200に結合され、サージ・タンク212は、燃料タンク202に隣接して配置されるか、または燃料タンク202に結合される。燃料タンク200、202、および204は、図2では模式的に別個であるように示されている。しかしながら、実施態様例では、2つの隣接する各燃料タンクの間に、バルクヘッドが配置される。同様に、燃料タンク200とサージ・タンク210との間、および燃料タンク202とサージ・タンク212との間にも、バルクヘッドを配置することができる。
[0029] サージ・タンク210および212は、ベント開口214および216を含むことができる。ベント開口214および216は、燃料タンク200、202、および204を、航空機の周囲環境に流体結合する。燃料タンク200、202、および204は、ベント開口214および216を通じて、航空機の周期環境に通気し、燃料タンク200、202、および204に「呼吸」(breeze)させる。このように、燃料タンク200、202、および204の内部と、航空機の周囲環境との間の圧力差は、容認可能に低いレベルに維持することができる。
[0030] 具体的には、航空機が上る、即ち、上昇するに連れて、周囲環境の圧力は低下する。つまり、圧力レベルを等化するまたは均衡するためには、燃料タンク200、202、および204内部において液体燃料の表面レベル上にあるアレージ・ガスがベント・ラインを通ってサージ・タンク201および212に流入すればよい。例えば、燃料タンク202内にあるアレージ・ガスがベント・ライン218および220を通ってサージ・タンク212に流入することができる。次いで、アレージ・ガスはベント・ライン222を通ってサージ・タンク212に流入し、ベント開口214を通って、アレージ・ガスよりも低い圧力を有する周囲環境に出ることができる。
[0031] 同様に、中央燃料タンク204内にあるアレージ・ガスは、ベント・ライン224、226、および228を通って流出することができ、ベント・ライン230および232を通ってサージ・タンク210に流入するように合流する(combine)ことができる。次いで、アレージ・ガスは、サージ・タンク210からベント・ライン234およびベント開口216を通って周囲環境に流出し、圧力レベルを等化することができる。同様に、燃料タンク200内にあるアレージ・ガスはベント・ライン236および238を通ってサージ・タンク212に流出することができる。次いで、アレージ・ガスはベント・ライン234を通って流出し、ベント開口216を通って周囲環境に出て、圧力レベルを等化することができる。
[0032] 逆に、航空機が下降するとき、周囲環境の圧力が上昇することによって、ベント開口214および216ならびにそれぞれのベント・ラインを通って、周囲の空気を燃料タンク200、202、および204に流入させる。この周囲空気の流入は、サージ・タンクおよび燃料タンクを再加圧する。このようにしなければ、圧力差が翼を崩壊させる可能性がある。
[0033] 実例をあげると、周囲空気は、ベント・ライン222ならびにベント・ライン218および220を通って流入し、燃料タンク202に入ることができる。また、周囲空気は、ベント・ライン234およびベント・ライン232を通って流入し、中央燃料タンク204に入ることができる。同様に、周囲空気は、ベント・ライン234ならびにベント・ライン236および238を通って流入し、燃料タンク200に流入することができる。次いで、周囲空気は、燃料タンク200、202、および204内部における液体燃料の表面レベル上にあるアレージ空間を加圧する。このように、ベント開口214および216は、航空機の飛行の種々のフェーズの間、燃料タンク200、202、および204の内側と、航空機の周囲環境との間において圧力レベルを等化または均等し易くする。
[0034] 図2に示す構成では、3つの燃料タンク200、202、および204、ならびに2つのベント開口214および216がある。中央燃料タンク204および燃料タンク200は、共通のベント・システムを共用し、一方燃料タンク202はそれ自体のベント・システムを有する。具体的には、中央燃料タンク204のベント・ライン224および228は、ベント・ライン230および232と接合し、アレージ・ガスをサージ・タンク210に連通させる。また、燃料タンク200からのアレージ・ガスも、ベント・ライン236および238を通じて、サージ・タンク210に連通する。
[0035] この燃料タンクおよびベント・ラインの構成は、アレージ・ガス、燃料、および周囲空気が燃料タンク200、202、204内を移動し、更にタンクの境界を越えてサージ・タンク210および212へおよびサージ・タンク210および212から移動することを可能にするベント配管の可能な配列(arrangement)の1つである。しかしながら、他の配列も可能である。例えば、中央燃料タンク204が、燃料タンク202と共通のベント・システムを有することもできる。他の例では、燃料タンク200、202、および204の各々が、それ自体のサージ・タンクおよびベント開口に接続されるのでもよい。
[0036] 図2に図示するように、ベント・ラインの各々はベント流入ポート(1つまたは複数)を有することができ、これを通ってアレージ・ガスはそれぞれのベント・ラインに入り、更にベント流出ポートを有することができ、これを通ってアレージ・ガスはそれぞれのベント・ラインを離れる。例えば、ベント・ライン218は、燃料タンク202内でその第1端部にベント流入ポート240を有し、サージ・タンク212内でベント・ライン218の第2端部においてベント流出ポート242を有する。同様に、ベント・ライン220は、燃料タンク202内でその第1端部においてベント流入ポート244を有し、サージ・タンク212内でベント・ライン220の第2端部においてベント流出ポート246を有する。
[0037] 図2に図示するように、他のベント・ラインも少なくとも1つのそれぞれのベント流入ポートおよびベント流出ポートを有する。ベント・ライン228は、アレージ・ガスを受け、それをベント・ライン232との接合部249に伝えるために、そのいずれかの端部において2つのベント流入ポート248Aおよび248Bを有することができる。
[0038] また、ベント・ライン222は、ベント流入ポート250Aを有することができ、これを通って、サージ・タンク212に送出されたアレージ・ガスがベント・ライン222に入る。更に、ベント・ライン222は、アレージ・ガスを排出するためのベント開口214に結合されたベント流出ポート250Bを有することができる。同様に、ベント・ライン234は、ベント流入ポート251Aを有することができ、これを通って、サージ・タンク210に送出されたアレージ・ガスがベント・ライン234に入る。更に、ベント・ライン234は、アレージ・ガスを排出するためのベント開口216に結合されたベント流出ポート251Bを有することができる。
[0039] 更に、図2に示すように、ベント・ラインは、燃料タンク200および202の前後の境界付近(例えば、前後の境界から閾値距離以内)に示されている。実例を挙げると、ベント・ライン218は燃料タンク202の前側の境界付近に位置し、一方ベント・ライン220はその後ろ側の境界付近に位置する。同様に、ベント・ライン236は、燃料タンク200の前側の境界付近に位置し、一方ベント・ライン238はその後ろ側の境界付近に位置する。
[0040] このベント・ラインの構成は、飛行の種々のフェーズおよび異なる飛行条件の間におけるアレージ気泡の移動も考慮することができる。低翼機の例には、翼が機体に結合する翼付け根(wing root)から翼端に向かって上に傾くように構成された上反翼を有するものもある。燃料タンク200、202、および204は、これらを内蔵するそれぞれの翼と同様に構成し、幾何学的に同様の形状にすることができる。したがって、燃料タンク200は、翼付け根から翼の先端に向かってある角度をなす外形を有することができ、燃料タンク202は、それぞれの翼のそれぞれの付け根からそれぞれの翼のそれぞれの先端に向かってある角度をなす外形を有する。
[0041] 上反型の外形の結果、航空機に燃料を搭載し地上に静止して(sitting)いるとき、アレージ・ガス気泡が位置すると考えられる燃料タンク200および202の高点(high point) が翼端に来る可能性がある。中央燃料タンク204については、高点はその船外部分に来ると考えられる。これは、気体の境界の外側、例えば、チーク・タンク208Aおよび208Cの内部に位置すると考えられる。航空機が急上昇中に機首を上に向けて傾く(pitch)と、アレージ気泡が翼端から船内に向かって、翼の付け根付近にある翼における最先端(forward most point)に移動する可能性がある。
[0042] 図2に示すベント・ラインの構成は、アレージ気泡がどこにあるか、そしてどの飛行フェーズにおいて航空機が動作しているかには関係なく、燃料タンク200、202、および204内のアレージ空間のサージ・タンク210および212との連通を維持するのに役立つ。具体的には、アレージ気泡が燃料タンク200、202、および204の船外端にあっても、またはその前側の境界における船内点にあっても、連通が維持される。例えば、ベント流入ポート244は燃料タンク202の船外端部に位置し、一方ベント流入ポート240はその船内端部における燃料タンク202の前側境界に位置する。この構成によって、燃料タンク202内にあるアレージ・ガスは、航空機が地上に静止しているか、または巡航しているか、または上昇しているかには関係なく、通気のために、掃気させ(scavenge) 、そしてサージ・タンク212に連通させることができる。
[0043] 例では、航空機が上昇中に機首を上げて傾くと、液体燃料が意図せずに後部ベント・ラインを通ってサージ・タンクに流入する可能性がある(例えば、ベント流入ポート244からベント・ライン220を通ってサージ・タンク212に移動する(migrate))。ベント・ラインを通る燃料の流れを制御するまたは排除するために、後部ベント・ラインのベント流入ポートに、浮子弁を設置することができる。例えば、燃料タンク202内においてベント・ライン220のベント流入ポート244に、浮子弁252を配置される。図2に示すように、浮子弁252と同様のその他の浮子弁を、他の燃料タンク内の後部ベント・ラインにおいて同様に設置することができる。浮子弁252のような浮子弁が燃料の下にあるとき、浮子弁は閉じることによって、燃料タンク200、202、および204からサージ・タンク210および212への望ましくない燃料移転(transfer)を防止する。
[0044] 例では、サージ・タンク210および212は燃料タンク200、202、および204と連通するが、これらは、認められ得る燃料が内部になく、乾いたままでいることができる。特定の極限または故障条件下では、液体燃料がサージ・タンク210および212内に存在する可能性がある。例えば、航空機の給油プロセス中に遮断弁が故障したとすると、一旦燃料タンク200、202、および204が液体燃料で満杯となると燃料は燃料タンク200、202、および204から流出し、ベント・ラインを通ってサージ・タンク210および212に流入するおそれがある。溢出(spilling)した燃料のサージ・タンク210および212への流入は、燃料タンクの容量、ピッチ、ロール、ヨー、および燃料が受ける加速によって変化する可能性がある。一例として、水平な静止航空機では、溢出は、燃料タンク200および202の容量の約97%および98%の間で発生する可能性がある。サージ・タンク210および212が十分に満たされて来たときには、液体燃料はベント開口214および216から溢れ出すことができる。これらの条件下では燃料を燃料タンク200、202、および204から流出させることによって、タンクが過剰加圧することを防止することができる。
[0045] 例では、チェック弁254および256を、それぞれ、サージ・タンク210および212とそれらに隣接する燃料タンク200および202との間にあるバルクヘッドに取り付けることができる。チェック弁254および256は、燃料タンク200および202内にある燃料が、通常の動作条件の下ではサージ・タンク210および212に入るのを防止することができる。また、チェック弁254および256は、燃料タンク200および202内における燃料のレベルがチェック弁254および256のレベルよりも下に低下したとき、サージ・タンク210および212への道を作ることができたあらゆる燃料を排出させ、燃料タンク200および202に戻すこともできる。このようにして、燃料がサージ・タンク210および212に取り込まれることも、船外に行くことも未然に防ぐ。例では、チェック弁254および256は、低クラッキング圧力を有するフラッパ型弁(flapper-type valve)を含むことができる。
[0046] 燃料タンク200、202、および204のような、内部がコンパートメントに別れている燃料タンクが複数個、ベント・システムを相互接続することによって結合され、種々の航空フェーズ中に異なる条件に遭遇することから、アレージ再循環不活性化システムの設計は複雑になる。次に開示するのは、このような燃料タンクのアーキテクチャの複雑さを考慮したアレージ再循環不活性化システムである。また、開示するシステムは、複数の燃料タンク・システムが航空機において使用される場合に種々の飛行フェーズ中に遭遇する異なる条件も考慮に入れる。
[0047] 航空機は、この航空機が動作している飛行フェーズによって、異なる方位(orientations)および慣性荷重条件を有する可能性がある。動作フェーズの例には、つまり、殆ど全ての飛行区間の一部には、飛行前、エンジン地上走行(taxi-out)、離陸、上昇、巡航、下降、接近、着陸、地上走行(taxi-in)、エンジン停止、および飛行後(post-flight)が含まれる。方位および慣性荷重は、燃料タンク内の高点の位置に影響を及ぼす。燃料タンク内の高点の位置は、これらの飛行フェーズの部分集合では同様になればよいが、他の飛行フェーズでは異なる場合がある。一例として、低翼航空機が地上で静止しているとき、地上走行しているとき、または巡航しているとき、翼の燃料タンクにおける高点は翼端に位置すると考えられる。上昇中では、航空機が機首を上げて傾き、アレージ・ガスの気泡が翼端から、翼の付け根付近にあるタンクの前方部に移動する可能性がある。本明細書において開示するシステムは、このような高点の位置変動に対処するように構成される。
[0048] 図3Aは、実施態様例によるアレージ再循環不活性化システム300の平面図を示し、図3Bは、アレージ再循環不活性化システム300の部分背面図を示す。システム300の燃料タンク200、202、および204は、アレージ・ガスをそれぞれの燃料タンクから引き出すためのアレージ・ガス・ポートを含むことができる。アレージ・ガス・ポートは、航空機の飛行の種々のフェーズ中における高点の位置変動に対処するために、それぞれの燃料タンク内の異なる位置に配置される。
[0049] 例えば、燃料タンク202は、アレージ・ガス・ライン306に結合されたアレージ・ガス・ポート302および304を含む。アレージ・ガス・ポート302は、燃料タンク202を内蔵する翼の翼端付近(例えば、翼端から閾値距離以内)に位置する。つまり、航空機が地上で静止しているときまたは巡航しているとき、アレージ・ガス・ポート302は、燃料タンク202からアレージ・ガスを掃気するまたは引き出すように構成することができる。アレージ・ガス・ポート304は、翼の付け根付近(例えば、付け根から閾値距離以内)、そして燃料タンク202の前側の境界307またはそれを内蔵する翼の前側の境界付近(例えば、境界から閾値距離以内)に位置する。つまり、アレージ・ガス・ポート304は、航空機の上昇中に、燃料タンク202からアレージ・ガスを掃気するまたは引き出すように構成することができる。閾値距離は、燃料タンクおよび航空機の型式に応じて、1インチから数フィートまでの範囲を取ることができる。
[0050] 同様に、燃料タンク200は、アレージ・ガス・ライン312に結合されたアレージ・ガス・ポート308および310を含む。アレージ・ガス・ポート308は、燃料タンク200を内蔵する翼の翼端付近(例えば、翼端から閾値距離以内)に位置する。つまり、アレージ・ガス・ポート308は、航空機が地上において静止しているときまたは巡航しているときに、燃料タンク200からアレージ・ガスを掃気するまたは引き出すように構成することができる。アレージ・ガス・ポート310は、翼の付け根付近(例えば、付け根から閾値距離以内)、そして燃料タンク200の前側の境界313またはそれを内蔵する翼の前側の境界付近(例えば、境界から閾値距離以内)に位置する。つまり、アレージ・ガス・ポート310は、航空機の上昇中に、燃料タンク200からアレージ・ガスを掃気するまたは引き出すように構成することができる。
[0051] アレージ・ガス・ライン306および312は、接合部314において合流し(combine)、次いで、アレージ・ガス・ライン316は、アレージ・ガスを触媒不活性化システム320のアレージ・ガス流入ポート318に連通させる。触媒不活性化システム320は、例えば、図1に図示したシステム100と同様であってもよい。
[0052] 中央燃料タンク204は、アレージ・ガス・ライン326に結合されたアレージ・ガス・ポート322および324を含む。アレージ・ガス・ポート322は、チーク・タンク208Cの船外境界付近に位置し、アレージ・ガス・ポート324は、チーク・タンク208Aの船外境界付近に位置する。アレージ・ガス・ポート322および324によって引き出されたアレージ・ガスは、アレージ・ガス・ライン326を通ってアレージ・ガス・ライン316に連通され、次いで触媒不活性化システム320のアレージ・ガス流入ポート318に連通される。
[0053] 航空機の翼の上反設計、および関連する燃料タンク200、202、および204の上反外形のために、アレージ・ガス・ポートは航空機の下腹部から、または中央燃料タンク204の底面327から異なる距離のところに配置される。例えば、図3Bを参照すると、アレージ・ガス・ポート302は底面327から距離「d」のところに配置されており、一方アレージ・ガス・ポート304は、底面327から距離「d」のところに配置されている。ここで、dはdよりも小さい。
[0054] 同様に、アレージ・ガス・ポート308は、底面327から距離「d」のところに配置されており、一方アレージ・ガス・ポート310は、底面327から距離「d」のところに配置されている。ここで、dはdよりも小さい。例では、dはdに等しくてもよく、dはdに等しくてもよい。しかしながら、他の例では、これらの距離は異なってもよい。アレージ・ガス・ポート322は、底面327から距離「d」のところに配置されており、一方アレージ・ガス・ポート324は、底面327から距離「d」のところに配置されている。例では、dはdに等しくてもよい。しかしながら、他の例では、これらの距離は異なってもよい。また、dおよびdはdおよびdよりも小さくてもよい。上反設計を用いた翼をここで使用したのは、例示のための一例に過ぎない。本明細書において開示するシステムおよび方法は、下反角設計を用いた翼、または直線翼にも適用することができる。
[0055] 例では、特定の条件下では燃料内に沈む可能性があるアレージ・ガス・ポートを通って、液体燃料が入るのを防止するために、アレージ・ガス・ポートに浮子弁を設置することができる。例えば、浮子弁328をアレージ・ガス・ポート302に結合するのでもよい。図3Aに図示するように、同様の浮子弁を他のアレージ・ガス・ポートにも同様に結合することができる。浮子弁は、それが液体燃料の表面レベルよりも低いときに閉じ、つまり液体燃料がそれぞれのアレージ・ガス・ポートに入るのを防止することができる。
[0056] ある例では、燃料タンク200、202、および204から触媒不活性化システム320に適正な相対量のアレージ・ガス流を割り当てるために、アレージ・ガス・ライン内に流量制御オリフィスを取り付けることができる。例えば、流量制御オリフィス330は、内部で圧力低下が生ずるように、アレージ・ガス・ライン306内に含まれてもよい。同様に、流量制御オリフィス332も、内部で圧力低下が生ずるように、アレージ・ガス・ライン312内に含まれてもよい。流量制御オリフィス330および332のサイズを決めることによって、その前後において特定の圧力低下を達成することができ、それらのそれぞれのアレージ・ガス・ラインにおける流量(amount of flow rate)を制御することができる。流量制御オリフィス330および332は、固定オリフィスにすることができ、または可変オリフィスにすることもできる。一例では、流量制御オリフィス330および332のような各流量制御オリフィスは、電子制御弁にすることができる。この例では、流量制御オリフィス330および332の前後における圧力低下は、システム300のコントローラからの信号によって電子的に制御することができる。
[0057] 触媒不活性化システム320は、アレージ・ガスを、アレージ・ガス・ライン316を通じて燃料タンク200、202、および204における種々のアレージ・ガス・ポートから引き出すように構成された原動機(例えば、原動機102と同様のブローワ)を含むことができる。また、原動機は、アレージ・ガスを触媒反応器(例えば、触媒反応器106)および熱交換機(例えば、熱交換機108)を通して押し出す。熱交換機から得られるガスは、不活性で、冷たく、そして乾いたガスであり、原動機はこのガスを逆に燃料タンク200、202、および204に排出して、ガスのサイクル即ち再循環を完成させる。
[0058] 図3Aに示すように、触媒不活性化システム320は、不活性ガス流出ポート334および336のような、1つ以上の不活性ガス流出ポートを含むことができ、これらを通じて、不活性ガスがガス・ライン338および340にそれぞれ排出される。不活性ガス・ライン338は、燃料タンク202まで達し、不活性ガスをそこに供給する。不活性ガス・ライン340は、3本の不活性ガス・ライン342A、342B、および344に分岐する。不活性ガス・ライン342Aおよび342Bは不活性ガスを燃料タンク204に供給し、一方不活性ガス・ライン344は燃料タンク200まで達し、不活性ガスをそこに供給する。
[0059] 例では、システム300は、不活性ガスがそれぞれの燃料タンクにおける高点に送出されるように構成される。例えば、燃料タンク202は、アレージ・ガス・ポート304付近の船内位置(例えば、アレージ・ガス・ポート304から閾値距離以内)において不活性ガス・ポート346を有するのでもよい。また、燃料タンク202は、アレージ・ガス・ポート302付近の翼端(例えば、アレージ・ガス・ポート302から閾値距離以内)にある船外位置に不活性ガス・ポート348を有してもよい。同様に、燃料タンク200は、アレージ・ガス・ポート310付近の船内位置(例えば、アレージ・ガス・ポート310から閾値距離以内)において不活性ガス・ポート350を有するとよく、更にアレージ・ガス・ポート308付近の翼端(例えば、アレージ・ガス・ポート308から閾値距離以内)にある船外位置に不活性ガス・ポート352を有してもよい。また、燃料タンク204も、その内部にある不活性ガスを排出するために、チーク・タンク208Aおよび208Cにおいて、それぞれ、不活性ガス・ポート354および356を有するのでもよい。例では、閾値距離は、特定の条件下におけるアレージ気泡の体積および形状に基づけばよい。
[0060] アレージ・ガス・ラインと同様、不活性ガス・ラインも、燃料タンク200、202、および204の各々への不活性ガス流の適正な分配(apportioning)を容易にするために、流量制御オリフィスを含むことができる。例えば、不活性ガス・ライン344は、流量制御オリフィス358を含むことができる。他の不活性ガス・ラインも、図3Aに図示するように、流量制御オリフィスを含むことができる。
[0061] ある例では、システム300は燃料タンク200、202、および204内の液体燃料の表面レベルよりも上にあるアレージ空間内に不活性ガスを排出するように構成される。これらの例では、燃料レベルが不活性ガス・ポートよりも下にあるときには不活性ガス・ポートを開かせ、不活性ガス・ポートが燃料よりも下にあるときには液体燃料が流入ガス・ポートに入るのを防止するために、浮子弁を不活性ガス・ポートに結合することができる。実例を挙げると、浮子弁360を燃料タンク202の不活性ガス・ポート346に結合すればよい。図3Aに示すように、浮子弁を他の不活性ガス・ポートに結合することもできる。
[0062] また、これらの例では、アレージ再循環配管網における圧力損失(即ち、不活性ガス・ラインにおける流量損失)を克服するために、触媒不活性化システム320の原動機(例えば、ブローワ)が十分な圧力の不活性ガスを供給する。一例として、それぞれの燃料タンクにおける液体燃料の上にあるアレージ空間に不活性ガスを排出することができるように、原動機が、1ポンド/平方インチ(psi)未満の圧力の不活性ガスを供給するのでもよい。
[0063] しかしながら、他の例では、高圧原動機(例えば、高圧ブローワ)が望ましい場合もある。例えば、それぞれの燃料タンク内において燃料の表面よりも下に不活性ガスを排出し、不活性ガスの気泡に燃料内を通って表面まで上らせることが望ましい場合もある。この例では、原動機は、不活性ガスの排出位置における燃料の圧力を克服するために、十分に高い圧力で不活性ガスを供給すればよい。排出位置における圧力は、排出位置の上におけるタンク内の燃料の量または高さ、および燃料の密度に基づけばよい。一例として、燃料の表面レベルが排出位置から高さ「h」にあり、燃料の密度が「p」であるとすると、排出位置における圧力「P」は、P=pghとして決定することができる。ここで、「g」は重力または慣性加速度である。次いで、ブローワは不活性ガスを「P」よりも高い圧力で供給すればよい。
[0064] 燃料の表面よりも低いところで不活性ガスを排出する利点は、高点の代わりに、または高点に加えて、それぞれの燃料タンク内の遙かに多くの領域に不活性ガスを排出できることである。この構成は、システム300のアーキテクチャの改良を、それぞれの燃料タンクにおいて使用するコンポーネントを削減して(例えば、浮子弁を使用しない)可能にすることができる。
[0065] また、高圧原動機が、それぞれの燃料タンクの底面またはその付近において不活性ガスを排出するのを可能にしてもよい。このようにすると、不活性ガスは、それぞれの燃料タンクにおける燃料表面レベルよりも上にあるアレージ空間に到達する前に、液体燃料内の長い経路を通過することができる。この構成により、燃料蒸気の一部を流れに載せて、燃料の自由表面からアレージ空間に放出することができ、こうしてシステム300は低燃料温度条件において一層高い性能を発揮することが可能になる。
[0066] 他の例では、高圧原動機は、高圧不活性ガスを燃料自由表面全域で排出しまたは送り出し、燃料蒸気を液体燃料から放出するように構成することもできる。この構成は、システム30が低燃料温度条件において一層高い性能を発揮することを可能にすることができる。
[0067] ある例では、システム300は、反応先端が触媒不活性化システム320の触媒反応器から離れるのを防止するために、火炎防止装置を含むこともできる。例えば、火炎防止装置362をアレージ・ガス・ライン316に結合するのでもよく、火炎防止装置364を不活性ガス・ライン340に結合するのでもよく、火炎防止装置366を不活性ガス・ライン338に結合するのでもよい。例では、火炎防止装置362、364、および366は、移動部品がないソリッド・ステート・デバイスを含むとよく、更に、内部にハニカム形状の格子を有し、ライン中を動くかもしれない反応先端を冷やして、化学反応の伝搬を停止させることもできる。火炎防止装置362、364、および366は、本質的に安全であり、いかなる反応先端であっても、燃料タンク200、202、および204に伝搬させず、触媒不活性化システム320の触媒反応器において化学反応が発生するのを防止する。
[0068] 図2に関して先に説明したように、燃料タンク200、202、および204は、内部の圧力を大気圧と均衡させる、または大気圧に関係する何らかの圧力に制御させる通気システムを有することができる。前述のように、航空機が地上から上昇して巡航高度に達するとき、航空機の周囲環境における圧力が低下する。周囲環境と燃料タンク200、202、および204の内側との間で最小圧力差を維持するために、通気システムは、燃料タンク200、202、および204からのアレージ・ガスをサージ・タンク210および212に流入させる。すると、アレージ・ガスは、ベント開口214および216を通って船外に流出し(例えば、周囲環境に排出される)、燃料タンク200、202、および204内部の圧力を、周囲環境のそれに近く維持する。
[0069] この構成によって、通気システムは、燃料タンク200、202、および204内にあるアレージ・ガスをサージ・タンク210および212に移動させるように構成される。つまり、サージ・タンク210および212は、アレージ・ガスを触媒不活性化システム(例えば、触媒不活性化システム320)に引き出すことができる望ましい場所である。
[0070] 図4は、実施態様例にしたがって、アレージ・ガスをサージ・タンク210および212から除去するアレージ再循環不活性化システム400の平面図を示す。通気システム(例えば、ベント・ライン218、220、226、230、232、236、および238、ならびにこれらに結合されたベント・ポート)は、燃料タンク200、202、および204内にあるアレージ・ガスをサージ・タンク210および212に転送する。システム400は、通気システムを通じて転送されたアレージ・ガスを引き出すために、サージ・タンク210および212内に配置されたアレージ・ガス・ポートを有してもよい。
[0071] 例えば、システム400は、サージ・タンク210内に配置されたアレージ・ガス・ポート402を含んでもよい。アレージ・ガス・ポート402において受け入れられたアレージ・ガスは、アレージ・ガス・ライン404およびアレージ・ガス・ライン406を通じて、触媒不活性化システム320のアレージ・ガス流入ポート318に引き出すことができる。
[0072] 同様に、システム400は、サージ・タンク212内に配置されたアレージ・ガス・ポート408を含んでもよい。アレージ・ガス・ポート408において受け入れられたアレージ・ガスは、アレージ・ガス・ライン410を通って引き出され、接合部412において、アレージ・ガス・ライン404におけるアレージ・ガスと合流し(combine)、アレージ・ガス・ライン406を通って触媒不活性化システム420のアレージ・ガス流入ポート318に流入することができる。図3Aに示すシステム300と同様、サージ・タンク210および212から触媒不活性化システム320へのアレージ・ガス流の適正な相対量を容易に得るために、流量制御オリフィス414および416を、それぞれ、アレージ・ガス・ライン404および410に含めることができる。
[0073] 一例では、アレージ・ガス・ポート402および408は、図3Aに示すアレージ・ガス・ポート302、304、308、310、322、および324に加えて使用されてもよい。他の例では、アレージ・ガス・ポート402および408は、アレージ・ガス・ポート302、304、308、310、322、および324の代わりに使用されてもよい。この例では、燃料タンク204は別個のアレージ・ガス・ポートを有さなくてもよい。何故なら、内部にあるアレージ・ガスは、通気システム(例えば、ベント・ライン226、230、および232)を通じてサージ・タンク210に送られ、次いでアレージ・ガスはサージ・タンク210から触媒不活性化システム320に転送されるからである。
[0074] 例では、再度図2を参照すると、サージ・タンク210および212が航空機の周りの周囲環境と連通することを可能にするために、ベント開口214および216を「開放」または「自由流」(free-flowing)にしてもよい。言い換えると、流量制限を行わずに、ベント流入ポート250Aを、ベント・ライン222を通じて直接ベント流出ポート250Bに結合し、流量制限を行わずに、ベント流入ポート251Aを、ベント・ライン234を通じてベント流出ポート251Bに直接結合する。
[0075] 例では、図2〜図4に図示するように、ベント開口214および216は、各々、アメリカ航空諮問委員会(NACA:National Advisory Committee for Aeronautics)スクープ(scoop)を含んでもよい。NACAスクープは、航空機の流線型機体の露出面に埋め込まれた湾曲壁を有する浅い傾斜路(ramp)を含むことができる。NACAスクープの外形は、小さな正圧力を生成し、アレージ空間において圧力状態を定めるのを補助し、燃料ポンプの性能を高める(benefit)。NACAスクープをここで使用したのは、例示のための一例に過ぎず、他のベント流入および流出設計も同様に使用することができる。
[0076] 一例では、この「自由流」非制約構成(unrestricted configuration)によって、ベント開口214および216は、周囲環境からの外気を本不活性化システムに入らせ、アレージ・ガスの不活性に対して望ましくない希釈効果を生ずる可能性がある。不活性化システムに入る周囲空気の量を低減するために、ベント開口214および216を通過する流れをそれぞれの流量オリフィスまたは弁によって制限または制御することができる。このようにして、サージ・タンク210および212と航空機の周りの周囲環境との間における流体連通を制御することができる。
[0077] 図5は、実施態様例にしたがって、ベント開口を制御するアレージ再循環不活性化システム500の平面図である。ベント流入ポート250Aをベント流出ポート250Bに接続することができ、ベント流出ポート250Bは、アレージ・ガスを、第1弁集合体(valve assembly)を介してベント開口214に送出する。一例では、図5に示すように、第1弁集合体は、第1弁502、第2弁504、および流量制御オリフィス506の内1つ以上を含むのでもよい。同様に、ベント流入ポート251Aをベント流出ポート251Bに接続することができ、ベント流出ポート251Bはアレージ・ガスを、第2弁集合体を介してベント開口216に送出する。第2弁集合体は、第1弁508、第2弁510、および流量制御オリフィス512の内1つ以上を含む。
[0078] 弁502、504、508、および510は、作動させたときに、流体が特定の流速で通過するように、特定のサイズの流体通路またはオリフィスを内部に形成する流量制御弁であれば、任意の型式にすることができる。弁502、504、508、および510は、システム500のコントローラによって電子的に制御することができ、または機械的に制御することができる。例えば、弁502、504、508、および510は、それぞれの弁の両側における圧力低下が閾値圧力を超えたときに、それぞれの弁が開くように、圧力放出弁を含むことができる。他の例では、弁502、504、508、および510は、それぞれのサージ・タンクと周囲圧力との間の圧力差が所定の閾値圧力を超えたことに応答して作動する「クライム・アンド・ダイブ」弁(climb and dive valve)にすることができる。他の弁構成も可能である。
[0079] 図5に示す構成は、例示のための例である。他の構成も可能である。例えば、第1および第2弁集合体は、各々、本質的に1つの弁(例えば、それぞれ、弁502および508)から成るのでもよい。一例では、これらの弁集合体は、各々、冗長性のために2つの弁を有してもよい。例えば、弁502は、弁504が故障した場合のバックアップ弁であってもよい。
[0080] 他の例では、各弁集合体の2つの弁が、異なる飛行条件に応答するために、少なくとも2つの流量領域を設けてもよい。例えば、弁502は、弁502が作動するときにその内部に形成される流路のサイズによって決定される第1流量容量を有することができる。弁504は、弁504が作動するときに内部に形成されるそれぞれの流路のサイズによって決定される第2流量容量を有することができる。弁502および作動時にその内部に形成される流路のサイズは、弁504および作動時にその内部に形成される流路のサイズよりも小さくしてもよい。そうすると、第1流量容量を第2流量容量よりも小さくすることができる。
[0081] この構成によって、弁502は、通気システムが、サージ・タンク212と航空機外部の周囲圧力との間における緩やかな圧力変化を補償することを可能にすることができる。このような緩やかな圧力変化は、例えば、飛行中における燃料の燃焼によって、または比較的緩やかな航空機の姿勢変化によって生ずる可能性があり、周囲圧力の緩やかな変動に至る可能性がある。このような緩やかな圧力変化を補償するベント開口214を通過する流量は、小さくてよく、このために弁502によって処理する(handle)ことができる。一方、弁504は、通気システムが、航空機の上昇または下降中における速い圧力変化を補償するために、そこを通過する大きな流量に対処することを可能にすることができる。第2弁集合体の弁508および510は、異なる流量容量を達成するために、弁502および504と同様に構成することができる。種々の弁502、504、508、および510のこれらの流速(flow rate)または容量は、アレージ空間のサイズ、燃料の流速、航空機の垂直速度および高度等に基づくことができる。
[0082] 例では、オリフィス506および512は、各々、固定オリフィス、可変オリフィス、または圧力レギュレータを含んでもよい。オリフィス506および512は、少量の漏れ流(leak flow)にそれらを通過させて、燃料およびサージ・タンクと周囲環境との間で圧力レベルの均衡を取りやすくすることができる。漏れ流速は、燃料の流速、および触媒不活性化システム320によって生成される不活性ガスの過剰または不足に基づけばよい。
[0083] 例えば、オリフィス506および512を通過する漏れ流は、体積流量の格差(volumetric flow disparity)を補償することができる。この格差は、触媒不活性化システム320への流入アレージ・ガス流ストリームと、触媒不活性化システム320からの排出不活性ガス流ストリームとの間で発生する可能性がある。体積流量の格差は、具体的には、アレージ・ガスが触媒不活性化システム320によって処理されるときの、アレージ・ガスからの水の除去によって起こる可能性がある。水を含む触媒不活性化システム320に入るアレージ・ガスの体積は、水の除去後に触媒不活性化システム320から出る不活性ガスよりも多いと言って差し支えない。燃料タンク200、202、および204から抽出されるアレージ・ガスの体積よりも少量のガスをこれらに還流することによって、これらを減圧することができる。
[0084] 潜在的に、減圧は、燃料タンク200、202、および204ならびに翼に損傷を与える可能性がある。オリフィス506および512は、少量の漏れ流を周囲環境からサージ・タンク210および212に、次いで燃料タンク200、202、および204に流入させることによって、体積流量の格差を補償する。オリフィス506および512を通過する漏れの量は、触媒不活性化システム320において除去される水蒸気の量に応じればよい。
[0085] また、オリフィス506および512を通過する漏れ流は、触媒不活性化システム320に入るアレージ・ガスと、触媒不活性化システム320から排出される不活性ガスとの間の温度差も補償することができる。触媒不活性化システム320から出て燃料タンク200、202,および204に還流される不活性ガスは、触媒不活性化システム320に入るアレージ・ガスとは異なる温度、そして対応して異なる密度を有すると言って差し支えない。更に、触媒不活性化システム320に入るアレージ・ガスの温度、つまり密度も、航空機の飛行中に変動する可能性がある。このような温度および密度の差は、触媒不活性化システム320に入るアレージ・ガスと、触媒不活性化システム320から出る不活性ガスとの間の体積に差を生ずる。オリフィス506および512は、少量の漏れ流を周囲環境に、または周囲環境からサージ・タンク210および212に、次いで燃料タンク200、202、および204に流入させて、このような体積差を補償する。
[0086] 更に、航空機が特定の飛行を継続する(progress through)に連れて、一層多くの燃料がエンジンによって消費される。したがって、燃料タンク200、202、および204内部の流体燃料体積は減少し、一方液体燃料上にあるアレージ空間の容積は増加する。アレージ空間の徐々に増加する容積を満たしやすくするために、オリフィス506および512は、漏れ流を周囲環境からサージ・タンク210および212に、そして燃料タンク200、202、および204に流入させる。
[0087] 図3A〜図5に示す実施態様例では、触媒不活性化システム320から排出された不活性ガスは、2本の流路(flow path)に分割される。第1流路(pass)は、不活性ガス・ポート334および不活性ガス・ライン338によって画成され、第2流路は、不活性ガス・ポート336および不活性ガス・ライン340によって画成される。第1流路は、燃料タンクの内第1部分集合(即ち、燃料タンク202)に繋がり(feed)、第2流路は燃料タンクの内第2部分集合(即ち、燃料タンク200および204)に繋がる。一例では、例えば、保守または安全性の目的で、燃料タンクの内所与の部分集合へのアレージ・ガスの流入を停止するように構成された隔離弁によって各流路を制御することができる。他の例では、1つの隔離弁を使用することができ、この隔離弁の下流において流れの分割が起こる。
[0088] 更に、例では、触媒不活性化システム320およびシステム100の双方が、それぞれのアレージ再循環不活性化システム(例えば、システム300、400、および500)を介してアレージ・ガスを循環させるように構成された1つの原動機(例えば、1つのブローワ)を有してもよいということから、触媒不活性化システム320はシステム100と同様にすることができる。この1つの原動機は、前述の2つの流路に繋ぐように構成される。しかしながら、他の実施態様例では、1つよりも多い原動機を使用することもできる。
[0089] 図6は、実施態様例にしたがって、触媒不活性化システム606の下流側に配置された2つの原動機(例えば、ブローワ)602および604を有するアレージ再循環触媒不活性化システム600を示す。触媒不活性化システム606は、触媒反応器(例えば、触媒反応器106)と、熱交換機(例えば、熱交換機108)とを含むことができる。2つの原動機602および604は、触媒不活性化システム606の下流に配置され、触媒不活性化システム606によって生成された不活性ガスを燃料タンク200、202、および204に供給するように構成されている。
[0090] 具体的には、原動機602は、燃料タンク200および204に不活性ガスを送り込む(feed)ために、不活性ガスを、不活性ガス・ライン340を通じて供給し(provide)、一方原動機604は、燃料タンク202に送り込むために、不活性ガスを、不活性ガス・ライン338を通じて供給する。望まれるときに、それぞれの原動機からそれぞれの燃料タンク(1つまたは複数)への流入を遮断するために、隔離弁608および610を使用することができる。
[0091] 一例では、2つの原動機を有するこの構成によって、1つの原動機を有する構成と比較して、原動機のサイズおよび容量を減らすことができる。他の例では、2つの原動機602および604の各々は、これらの原動機の内1つが故障した場合に、冗長性を設けるために、全ての燃料タンク200、202、および204にわたってアレージ・ガスを循環させるだけの容量を有するように構成することができる。
[0092] 更に、図3A〜図6の実施態様例では、1つの触媒不活性化システムが燃料タンク200、202、および204に流体結合される。他の例では、しかしながら、分散型システムを使用することができ、1つよりも多い触媒不活性化システムが、燃料タンク200、202、および204に流体結合される。
[0093] 図7は、実施態様例にしたがって、2つの触媒不活性化システム702および704を有するアレージ再循環触媒不活性化システム700を示す。2つの触媒不活性化システム702および704は、図1に示すシステム100と同様でもよい。以上で説明した構成では、1つの触媒不活性化システムからの配管が、燃料タンク202とは別個に燃料タンク200および204に繋ぐ(feed)ために、分割される。図7に示す構成では、2つの触媒不活性化システム702および704は、触媒不活性化システム702が燃料タンク200および204に繋がり、一方触媒不活性化システム704が燃料タンク202に繋がるように構成することができる。
[0094] 具体的には、触媒不活性化システム704は、アレージ・ガス・ライン706およびアレージ・ガス流入ポート708を通じて、燃料タンク202のアレージ・ガス・ライン306からアレージ・ガスを受け入れることができる。次いで、触媒不活性化システム704は、燃料タンク202に送り込むために(feed)、不活性ガス流出ポート710および不活性ガス・ライン712を通じて不活性ガスを不活性ガス・ライン338に供給することができる。一方、触媒不活性化システム702は、アレージ・ガス・ライン714およびアレージ・ガス流入ポート716を通じて、燃料タンク200のアレージ・ガス・ライン312および燃料タンク204のアレージ・ガス・ライン326からアレージ・ガスを受け入れることができる。次いで、触媒不活性化システム702は、燃料タンク200および204に送り込むために(feed)、不活性ガス流出ポート718および不活性ガス・ライン720を通じて不活性ガスを不活性ガス・ライン340に供給することができる。
[0095] 他の例では、燃料タンク毎に別個の触媒不活性化システムを使用することもできる。図8は、実施態様例にしたがって、3つの触媒不活性化システム802、804、および704を有するアレージ再循環触媒不活性化システム800を示す。燃料タンク200および204に繋がる第1触媒不活性化システム、および燃料タンク202に繋がる第2触媒不活性化システムを有する代わりに、触媒不活性化システム802、804、および704は、各々独立して別個の燃料タンクに繋がる。
[0096] 具体的には、触媒不活性化システム704は、図7に関して先に説明したように、燃料タンク202に繋がる。更に、触媒不活性化システム802は、アレージ・ガス・ライン806およびアレージ・ガス流入ポート808を通じて、燃料タンク200のアレージ・ガス・ライン312からアレージ・ガスを受け入れることができる。次いで、触媒不活性化システム802は、燃料タンク200に送り込むために、不活性ガス流出ポート810および不活性ガス・ライン812を通じて不活性ガスを不活性ガス・ライン344に供給することができる。
[0097] 一方、触媒不活性化システム804は、アレージ・ガス・ライン814およびアレージ・ガス流入ポート816を通じて、燃料タンク204のアレージ・ガス・ライン326からアレージ・ガスを受け入れることができる。次いで、触媒不活性化システム804は、燃料タンク204に送り込むために(feed)、不活性ガス流出ポート818および不活性ガス・ライン820を通じて不活性ガスを不活性ガス・ライン342Aおよび342Bに供給することができる。このように、燃料タンク204の不活性ガス・ライン342Aおよび342Bは、燃料タンク200の不活性・ガス・ライン344とは別個に繋がれる。このように、各触媒不活性化システムは、それに結合されるそれぞれの燃料タンクに合わせて独立して、サイズを決定し調整する(tune)ことができる。
[0098] 図9は、実施態様例にしたがって、アレージ再循環触媒不活性化システムを動作させる方法のフロー・チャート900である。フロー・チャート900に示される動作は、例えば、以上で説明したアレージ再循環触媒不活性化システムの内任意のもののコントローラによって実行することができる。
[0099] フロー・チャート900は、ブロック902〜908の内1つ以上によって例示されるように、1つ以上の動作またはアクションを含むことができる。これらのブロックは順番に(sequential order)示されているが、これらのブロックは、場合によっては、並列に実行すること、および/またはここで説明する順序とは異なる順序で実行することもできる。また、所望の実施態様に基づいて、種々のブロックを組み合わせて、もっと少ないブロックにすること、もっと多いブロック(additional blocks)に分割すること、および/または除去することもできる。
[00100] 加えて、フロー・チャート900ならびに本明細書において開示した他のプロセスおよび動作について、フロー・チャート900は、本例の1つの可能な実施態様の動作を示す。これに関して、各ブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラム・コードの一部を表すこともでき、プログラム・コードは、プロセスにおける特定の論理演算またはステップを実施するためにコントローラによって実行可能な1つ以上の命令を含む。プログラム・コードは、例えば、ディスクまたはハード・ドライブを含む記憶デバイスというような、任意の種類のコンピュータ読み取り可能媒体またはメモリに格納することができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、例えば、レジスタ・メモリ、プロセッサ・キャッシュ、およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の、データを短期間だけ格納するコンピュータ読み取り可能媒体のような、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体またはメモリを含むことができる。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、例えば、リード・オンリ・メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクト−ディスク・リード・オンリ・メモリ(CD−ROM)等の、二次ストレージまたは永続長期ストレージのような、非一時的媒体またはメモリも含むことができる。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであることもできる。コンピュータ読み取り可能媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能記憶媒体、有形記憶デバイス、または他の製品と見なすこともできる。加えて、フロー・チャート900ならびに本明細書において開示した他のプロセスおよび動作について、図9における1つ以上のブロックは、プロセスにおける特定の論理演算を実行するように構成された回路またはディジタル・ロジックを表すこともできる。
[00101] ブロック902において、フロー・チャート900は、複数の燃料タンクからアレージ・ガスを引き出すために、アレージ再循環触媒不活性化システムの原動機を動作させることを含む。アレージ再循環触媒不活性化システムは、システム200、300、400、500、600、700、または800の内任意のものにすることができる。したがって、アレージ再循環触媒不活性化システムは複数の燃料タンクを含んでもよい。各燃料タンクは、(i)それぞれの燃料タンク内部にある不活性ガスを放出するためのそれぞれの不活性ガス・ポートと、(ii)アレージ・ガスをそれぞれの燃料タンクから引き出すためのそれぞれのアレージ・ガス・ポートとを有することができる。複数の燃料タンクの内少なくとも1つの燃料タンクは、航空機の飛行のそれぞれのフェーズの間、少なくとも1つの燃料タンクのそれぞれの高点に対応する異なる位置に配置された複数のアレージ・ガス・ポートを内部に含む。また、アレージ再循環触媒不活性化システムは不活性ガス生成システムも含むことができる。不活性ガス生成システムは、(i)それぞれのアレージ・ガス・ポートに流体結合されたアレージ・ガス流入ポートと、(ii)それぞれの不活性ガス・ポートに流体結合された不活性ガス流出ポートと、(iii)アレージ・ガス流入ポートを通じて受け入れられたアレージ・ガスを、不活性ガス流出ポートを通じた排出のために不活性ガスに化学的に変換する触媒反応器と、(iv)不活性ガス生成システムを介してガスを移動させる原動機とを含むことができる。
[00102] アレージ再循環触媒不活性化システムのコントローラは、複数の燃料タンクからアレージ・ガスを引き出すように原動機を動作させる信号を送ることができる。原動機は、原動機の速度(例えば、原動機の回転速度)を示す情報をコントローラに提供するように構成された速度センサを有することができる。したがって、コントローラは、不活性ガス生成システムを通るアレージ・ガスの流速を制御するように、原動機の速度を制御することができる。更に、不活性ガス生成システムは、原動機の下流に、フロー・スイッチ(flow switch)も含むことができ、コントローラは、不活性ガス生成システムの動作状態に基づいて、フロー・スイッチがそこを通過する流れを許可または遮断する信号を送ることができる。
[00103] ブロック904において、フロー・チャート900は、アレージ・ガスから燃料蒸気を除去し不活性ガスを生成するために、原動機の下流に配置された触媒反応器を動作させることを含む。触媒反応器は、アレージ再循環触媒不活性化システムのコントローラによって制御される反応チェンバ内にヒータを含むことができる。また、触媒反応器は、ヒータを横切ってアレージ・ガスを吹き飛ばすように構成されたファンも含むことができる。更に、触媒反応器は、触媒反応器内部の温度を示す情報をコントローラに提供するように構成された温度センサも含むことができる。したがって、コントローラは、触媒反応器内において所定の温度を維持するために、ヒータ、触媒反応器内部における化学反応プロセス、およびファンを制御することができる。化学反応プロセスは、アレージ・ガスから酸素を除去すること、またはアレージ・ガス内におけるその濃度を低下させて不活性ガスを生成することができる。反応先端が触媒反応器から離れるのを防止するために、触媒反応器の上流および下流に火炎防止装置を設置してもよい。
[00104] ブロック906において、フロー・チャート900は、触媒反応器によって生成された不活性ガスの温度を下げるために、触媒反応器の下流に配置された熱交換機を動作させることを含む。熱交換機は、不活性ガスから、管内を通過する流体への熱移転を促進するために、熱交換機の管を横切って不活性ガスを吹き飛ばすように構成されたファンを含むことができる。この熱交換機の下流には、不活性ガス内の酸素濃度を示す情報をコントローラに提供するために、酸素センサを配置することができる。したがって、コントローラは、濃度が閾値を超えた場合に、酸素濃度を更に下げるために触媒反応器および熱交換機を制御することができる。
[00105] 不活性ガス内にある水を収集し、水を燃料タンクに逆流させるのを未然に防ぐために、熱交換機にコンデンサを流体結合することができる。不活性ガスの温度を示す情報をコントローラに提供するために、熱交換機の下流に温度センサを設置することができる。したがって、コントローラは、不活性ガスの温度を目標温度から閾値以内に維持するために、熱交換機におけるファンの速度を制御することができる。
[00106] ブロック908において、フロー・チャート900は、熱交換機から得られた不活性ガスを逆に複数の燃料タンクに供給することを含む。不活性ガス生成システムは、燃料タンクへの不活性ガスの逆流を許容または遮断するために、コンデンサと燃料タンクとの間に配置された隔離弁を含むことができる。また、不活性ガス生成システムは、燃料タンクから出るアレージ・ガス掃気ラインと原動機との間に配置された隔離弁も含むことができる。コントローラは、原動機へのアレージ・ガス流を許容または遮断するため、そしてコンデンサから逆に燃料タンクに発出される(emanate)不活性ガスの流れを許容または遮断するために信号を隔離弁に送ることができる。図3Aに関して説明したように、燃料タンク内の高点に配置された不活性ガス・ポートに、不活性ガスを逆送する(deliver back)ことができる。
[00107] 火炎防止装置は、原動機の上流にあるアレージ・ガス・ラインの下流に配置されてもよい。制御オリフィスは、不活性ガスを燃料タンクに送出する不活性ガス・ライン、およびアレージ・ガスを燃料タンクから原動機に送出するアレージ・ガス・ラインに配置されてもよい。例では、オリフィスは固定オリフィスでもよいが、他の例では、オリフィスは可変オリフィス、例えば、電子制御弁であってもよい。コントローラは、燃料タンクへの不活性ガス流、および燃料タンクからのアレージ・ガス流を適正に分配する(apportion)ように、信号を弁に供給するように構成することができる。
[00108] 以上の詳細な説明は、添付図面を参照して、開示したシステムの種々の特徴および動作について説明した。本明細書において説明した例示的な実施態様は、限定することを意図するのではない。開示したシステムの特定の態様は、多種多様な異なる構成に編成し組み合わせることができ、その全てが本願において想定されるものとする(contemplate)。
[00109] 更に、文脈が逆を示唆するのではない限り、図の各々において示した特徴は、互いに組み合わせて使用されてもよい。つまり、図は、総じて、1つ以上の総合的な実施態様の一部の態様(component aspect)として見なされ、図示する全ての特徴が各実施態様に必要であるという訳ではないことは、理解されてしかるべきである。
[00110] 加えて、本明細書または特許請求の範囲におけるエレメント、ブロック、またはステップの付番は、明確さを目的とするに限る。つまり、このような付番は、これらのエレメント、ブロック、またはステップが特定の配列(arrangement)に固執する(adhere)ことも、または特定の順序で実行されることを要求するとも、暗示するとも解釈してはならない。
[00111] 更に、図に示された(presented)機能を実行するために、デバイスまたはシステムを使用すること、または実行するように構成することもできる。場合によっては、デバイスおよび/またはシステムのコンポーネントがこれらの機能を実行するように構成され、これらのコンポーネントが、このような実行(performance)を可能にするように実際に構成されそして構造化されるように(ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって)してもよい。他の例では、デバイスおよび/またはシステムのコンポーネントは、特定の方法で動作させるときのように、機能を実行するのに適合するように、実行することができるように、または実行するのに適するように構成されて(arranged)もよい。
[00112] 「実質的に」(substantially)という用語は、記載される特性、パラメータ、または値が正確に達成される必要はなく、例えば、許容度、測定誤差、測定精度限界、および当業者には周知のその他の要因を含む偏差またはばらつきが、特性が与えることを意図した効果を排除しない量で起こってもよいことを意味する。
[00113] 本明細書において説明した構成(arrangement)は、例示することを目的とするに過ぎない。したがって、他の構成および他のエレメント(例えば、機械、インターフェース、動作、順序、および動作の集合体等)を代わりに使用することができ、所望の結果に応じて、一部のエレメントを纏めて省略してもよいことは、当業者には認められよう。更に、説明したエレメントの多くは、離散コンポーネントまたは分散型コンポーネントとして、あるいは他のコンポーネントと併せて、任意の適した組み合わせおよび場所で実現することができる機能的エンティティである。
[00114] 以上、本明細書では種々の態様および実施態様について説明したが、他の態様および実施態様も当業者には明白であろう。本明細書において開示した種々の態様および実施態様は、例示を目的とするのであり、限定することを意図しておらず、真の範囲は、以下の請求項、およびこのような請求項に権利が与えられる(entitled)均等の全範囲によって指示されることとする。また、本明細書において使用した用語は、特定の実施態様を説明することを目的とするに過ぎず、限定を意図するのではない。

Claims (25)

  1. 航空機のためのアレージ再循環触媒不活性化システムであって、
    (i)それぞれの燃料タンク内にある不活性ガスを排出するためのそれぞれの不活性ガス・ポートと、(ii)前記それぞれの燃料タンクからアレージ・ガスを引き出すためのそれぞれのアレージ・ガス・ポートと、を有する複数の燃料タンクであって、前記複数の燃料タンクの内少なくとも1つの燃料タンクが、その内部の異なる位置に配置され、前記航空機の飛行のそれぞれのフェーズの間前記少なくとも1つの燃料タンクのそれぞれの高点に対応する複数のアレージ・ガス・ポートを含む、燃料タンクと、
    不活性ガス生成システムであって、(i)前記それぞれのアレージ・ガス・ポートに流体結合されたアレージ・ガス流入ポートと、(ii)前記それぞれの不活性ガス・ポートに流体結合された不活性ガス流出ポートと、(iii)前記アレージ・ガス流入ポートを通じて受けたアレージ・ガスを、前記不活性ガス流出ポートを通じて排出するために、不活性ガスに化学的に変換する触媒反応器と、(iv)前記不活性ガス生成システムを通してガスを移動させる原動機と、を含む、不活性ガス生成システムと、
    を備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  2. 請求項1記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記複数の燃料タンクが、前記航空機の機体の第1側に結合された第1燃料タンクと、前記第1側とは逆側となる前記機体の第2側に結合された第2燃料タンクと、前記第1タンクと前記第2燃料タンクとの間に配置され、前記航空機の前記機体に結合された中央燃料タンクと、を含む、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  3. 請求項2記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記第1燃料タンクが、前記航空機の第1翼内に配置され、前記第1翼の付け根から前記第1翼の先端に向けて上向きに角度をなす外形を有し、前記第2燃料タンクが、前記航空機の第2翼内に配置され、前記第2翼のそれぞれの付け根から、前記第2翼のそれぞれの先端に向けて上向きに角度をなすそれぞれの外形を有し、前記第1燃料タンクおよび前記第2燃料タンクの内少なくとも1つが、2つのアレージ・ガス・ポートを含み、第1アレージ・ガス・ポートがそれぞれの翼の先端にあり、第2アレージ・ガス・ポートが、前記それぞれの翼の付け根から閾値距離以内、および前記それぞれの翼の前側の境界からそれぞれの閾値距離以内に位置する、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  4. 請求項3記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記第2アレージ・ガス・ポートが、前記第1アレージ・ガス・ポートと比較して、前記中央燃料タンクの底面に対して異なる高さに配置される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  5. 請求項2記載のアレージ再循環触媒不活性化システムであって、更に、
    前記第1燃料タンクに流体結合された第1サージ・タンクであって、前記航空機の周囲環境へおよび前記航空機の周囲環境から流体を連通する第1ベント開口を含む、第1サージ・タンクと、
    前記第2燃料タンクに流体結合された第2サージ・タンクであって、前記第2サージ・タンクが、前記航空機の周囲環境へおよび前記航空機の周囲環境から流体を連通する第2ベント開口を含み、前記中央燃料タンクが前記第1サージ・タンクおよび前記第2サージ・タンクの一方に流体結合される、第2サージ・タンクと、
    を備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  6. 請求項5記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記中央燃料タンクのそれぞれのアレージ・ガス・ポートが、前記第1ベント開口および前記第2ベント開口の内1つに流体結合される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  7. 請求項5記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記複数の燃料タンクの各燃料タンクが、前記それぞれのアレージ・ガス・ポートを通って入ったアレージ・ガスを、前記第1および第2サージ・タンクの内1つに供給するそれぞれの配管網を含み、前記第1および第2サージ・タンクの各々が、(i)前記それぞれの配管網から前記アレージ・ガスを受け入れる第1アレージ・ガス・ポートと、(ii)前記アレージ・ガスを引き出し、前記不活性ガス生成システムの前記アレージ・ガス流入ポートに前記アレージ・ガスを供給する第2アレージ・ガス・ポートと、を含む、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  8. 請求項5記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記第1および第2サージ・タンクの内少なくとも1つのサージ・タンクが、少なくとも1つの弁を有する弁集合体を含み、前記少なくとも1つの弁が、前記サージ・タンク内部の圧力レベルが前記航空機の周囲環境のそれぞれの圧力レベルよりも高いとき、前記サージ・タンクから前記航空機の周囲環境への流体の流れを許容すると共に、前記サージ・タンク内部の圧力レベルが前記航空機の周囲環境のそれぞれの圧力レベルよりも低いとき、前記航空機の周囲環境から前記サージ・タンクに空気を流入させる流路を内部に形成するように構成される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  9. 請求項8記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記弁集合体が、
    第1流速で空気を前記弁集合体に通過させる第1流路を内部に形成するように構成された第1弁と、
    前記第1弁と並列に配置され、前記第1流速よりも高い第2流速で空気を前記弁集合体に通過させる第2流路を内部に形成するように構成された第2弁と、
    を備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  10. 請求項9記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記弁集合体が、更に、
    前記第1弁および前記第2弁と並列に配置された流量制御オリフィスを備え、
    前記流量制御オリフィスが、前記第1流速および前記第2流速の双方よりも低い第3流速で、空気を前記弁集合体に通過させるように構成される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  11. 請求項8記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記弁集合体が、本質的に1つの弁から成る、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  12. 請求項1記載のアレージ再循環触媒不活性化システムであって、更に、
    前記それぞれのアレージ・ガス・ポートを通る燃料の流れを制御するように、前記それぞれのアレージ・ガス・ポートに結合された複数の浮子弁を備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  13. 請求項1記載のアレージ再循環触媒不活性化システムであって、更に、
    前記それぞれのアレージ・ガス・ポートのアレージ・ガス・ポートを前記不活性ガス生成システムのアレージ・ガス流入ポートに接続する配管網ライン内に配置され、それらの間における前記アレージ・ガスの流れを制御する流量制御オリフィスを備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  14. 請求項1記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記それぞれの不活性ガス・ポートにおける不活性ガス・ポートが、前記それぞれの燃料タンク内の燃料レベルより低く配置され、前記原動機が、前記不活性ガス・ポートにおける燃料圧力レベルよりも高い圧力レベルで前記不活性ガスを供給するように構成される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  15. 請求項1記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記複数の燃料タンクの内少なくとも1つの燃料タンクが、前記複数のアレージ・ガス・ポートから閾値距離以内で、前記航空機の飛行のそれぞれのフェーズ中における前記少なくとも1つの燃料タンクのそれぞれの高点に対応する異なる位置に配置された複数の不活性ガス・ポートを含む、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  16. 請求項1記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前前記原動機が、前記ガスを、前記不活性ガス生成システムを通して移動させ、前記不活性ガスを前記複数の燃料タンクの内第1部分集合の燃料タンクに供給する第1原動機であり、
    当該アレージ再循環触媒不活性化システムが、更に、
    前記不活性ガス生成システムを通してガスを移動させ、前記不活性ガスを前記複数の燃料タンクの内第2部分集合の燃料タンクに供給する第2原動機を備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  17. 請求項16記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記第1原動機および前記第2原動機が、前記触媒反応器の下流において、前記不活性ガス生成システム内に配置される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  18. 請求項17記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記複数の燃料タンクが、前記航空機の第1翼に結合された第1燃料タンクと、前記航空機の第2翼に結合された第2燃料タンクと、前記第1燃料タンクと前記第2燃料タンクとの間に配置され前記航空機の機体に結合された中央燃料タンクと、を含み、前記第1原動機が、前記不活性ガスを、前記第1燃料タンク、前記第2燃料タンク、および前記中央燃料タンクの内1つに供給するように構成され、前記第2原動機が、前記不活性ガスを残りのタンク双方に供給するように構成される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  19. 請求項1記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記不活性ガス生成システムが、前記不活性ガスを前記複数の燃料タンクの内第1部分集合の燃料タンクに供給する第1不活性ガス生成システムであり、当該アレージ再循環触媒不活性化システムが、更に、
    それぞれの不活性ガスを前記複数の燃料タンクの内第2部分集合の燃料タンクに供給する第2不活性ガス生成システムを備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  20. 請求項19記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記複数の燃料タンクが、前記航空機の第1翼に結合された第1燃料タンクと、前記航空機の第2翼に結合された第2燃料タンクと、前記第1燃料タンクと前記第2燃料タンクとの間に配置され、前記航空機の機体に結合された中央燃料タンクと、を含み、前記第1不活性ガス生成システムが、前記不活性ガスを前記第1燃料タンク、前記第2燃料タンク、および前記中央燃料タンクの内1つに供給するように構成され、一方、前記第2不活性ガス生成システムが、前記それぞれの不活性ガスを残りのタンク双方に供給するように構成される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  21. 請求項19記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記アレージ再循環触媒不活性化システムが、更に、第3不活性ガス生成システムを備え、
    前記第1不活性ガス生成システムが、前記不活性ガスを第1燃料タンクに供給するように構成され、前記第2不活性ガス生成システムが、前記不活性ガスを第2燃料タンクに供給するように構成され、前記第3不活性ガス生成システムが、前記不活性ガスを第3燃料タンクに供給するように構成される、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  22. 航空機のためのアレージ再循環触媒不活性化システムであって、
    (i)それぞれの燃料タンク内にある不活性ガスを排出するためのそれぞれの不活性ガス・ポートと、(ii)前記それぞれの燃料タンクからアレージ・ガスを引き出すためのそれぞれのアレージ・ガス・ポートと、を有する複数の燃料タンクと、
    不活性ガス生成システムであって、(i)前記それぞれのアレージ・ガス・ポートに流体結合されたアレージ・ガス流入ポートと、(ii)前記それぞれの不活性ガス・ポートに流体結合された不活性ガス流出ポートと、(iii)アレージ・ガス流入ポートを通じて受けた前記アレージ・ガスを、前記不活性ガス流出ポートを通じて排出するために、不活性ガスに化学的に変換する触媒反応器と、(iv)少なくとも2つの原動機であって、前記不活性ガス生成システムを通してガスを移動させ、前記不活性ガスを前記複数の燃料タンクの内第1部分集合の燃料タンクに供給する第1原動機と、前記不活性ガス生成システムを通してガスを移動させ、前記不活性ガスを前記複数の燃料タンクの内第2部分集合の燃料タンクに供給する第2原動機と、を含む、不活性ガス生成システムと、
    を備える、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  23. 請求項22記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記複数の燃料タンクの内少なくとも1つの燃料タンクが、その内部において、前記航空機の飛行のそれぞれのフェーズ中における前記少なくとも1つの燃料タンクのそれぞれの高点に対応する異なる位置に配置された複数の不活性ガス・ポートを含む、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  24. 航空機のためのアレージ再循環触媒不活性化システムであって、
    複数の燃料タンクであって、(i)それぞれの燃料タンク内にある不活性ガスを排出するためのそれぞれの不活性ガス・ポートと、(ii)それぞれの燃料タンクからアレージ・ガスを引き出し、前記アレージ・ガスを、前記複数の燃料タンクに流体結合された複数のサージ・タンクの内1つのサージ・タンクに供給するためのそれぞれの燃料タンク・アレージ・ガス・ポートおよび配管網と、を有する、複数の燃料タンクと、
    前記複数の燃料タンクの外側に配置される不活性ガス生成システムであって、(i)アレージ・ガス流入ポートと、(ii)前記それぞれの不活性ガス・ポートに流体結合された不活性ガス流出ポートと、(iii)前記アレージ・ガス流入ポートを通じて受け入れた前記アレージ・ガスを、前記不活性ガス流出ポートを通じて排出するために不活性ガスに化学的に変換する触媒反応器と、(iv)前記不活性ガス生成システムを通してガスを移動させる原動機とを含む、不活性ガス生成システムと、を備え、
    前記複数のサージ・タンクの各サージ・タンクが、(i)前記航空機の周囲環境におよび前記航空機の周囲環境から流体を連通させるベント開口と、(ii)前記それぞれの燃料タンクから前記アレージ・ガスを受け入れる第1アレージ・ガス・ポートと、(iii)前記アレージ・ガスを引き出し、前記不活性ガス生成システムのアレージ・ガス流入ポートに前記アレージ・ガスを供給する第2アレージ・ガス・ポートと、を含む、アレージ再循環触媒不活性化システム。
  25. 請求項24記載のアレージ再循環触媒不活性化システムにおいて、前記複数の燃料タンクの内少なくとも1つの燃料タンクが、その内部において、前記航空機の飛行のそれぞれのフェーズ中における前記少なくとも1つの燃料タンクのそれぞれの高点に対応する異なる位置に配置された複数のアレージ・ガス・ポートを含む、アレージ再循環触媒不活性化システム。
JP2018538114A 2016-01-22 2017-01-19 複数の燃料タンクを有する航空機の触媒不活性化システム Active JP6703121B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662281757P 2016-01-22 2016-01-22
US62/281,757 2016-01-22
PCT/US2017/014023 WO2017127478A1 (en) 2016-01-22 2017-01-19 Catalytic inerting system for an aircraft with multiple fuel tanks

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019505435A JP2019505435A (ja) 2019-02-28
JP6703121B2 true JP6703121B2 (ja) 2020-06-03

Family

ID=57915159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018538114A Active JP6703121B2 (ja) 2016-01-22 2017-01-19 複数の燃料タンクを有する航空機の触媒不活性化システム

Country Status (9)

Country Link
US (1) US10981664B2 (ja)
EP (1) EP3405393B1 (ja)
JP (1) JP6703121B2 (ja)
CN (1) CN108473212B (ja)
BR (1) BR112018014782A2 (ja)
CA (1) CA3009976C (ja)
ES (1) ES2950532T3 (ja)
RU (1) RU2706753C1 (ja)
WO (1) WO2017127478A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11628947B2 (en) 2018-10-04 2023-04-18 Hamilton Sundstrand Corporation Catalytic fuel tank inerting apparatus for aircraft
US11148824B2 (en) * 2018-11-02 2021-10-19 General Electric Company Fuel delivery system having a fuel oxygen reduction unit
US11254439B2 (en) 2018-12-11 2022-02-22 Hamilton Sundstrand Corporation Catalytic fuel tank inerting apparatus for aircraft
US10850861B2 (en) 2018-12-11 2020-12-01 Hamilton Sunstrand Corporation Catalytic fuel tank inerting apparatus for aircraft
US11618582B2 (en) * 2019-04-01 2023-04-04 Eaton Intelligent Power Limited Aircraft fuel tank inerting system
EP3960636A1 (en) * 2020-08-28 2022-03-02 The Boeing Company System and method for air separation module management
CN113799972B (zh) * 2021-10-26 2023-03-31 中国商用飞机有限责任公司 纠正飞机的左右翼的燃油量不平衡的系统以及方法
US11542870B1 (en) 2021-11-24 2023-01-03 General Electric Company Gas supply system

Family Cites Families (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB653667A (en) * 1948-06-10 1951-05-23 Rolls Royce Improvements in or relating to fuel tanks
US3732668A (en) * 1971-02-24 1973-05-15 Parker Hannifin Corp Fuel tank inerting system
US3847298A (en) 1972-03-20 1974-11-12 Garrett Corp Fuel tank inerting system
US3946755A (en) 1975-05-05 1976-03-30 Parker-Hannifin Corporation Climb and dive valve
US6585192B2 (en) 2000-12-21 2003-07-01 L'air Liquide - Societe Anonyme A'directoire Et Conseil De Surveillance Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude Vented compartment inerting system
US6634598B2 (en) 2001-11-28 2003-10-21 Kenneth Susko On-board fuel inerting system
US6843269B2 (en) 2002-06-05 2005-01-18 Sandeep Verma Fuel tank safety system
GB0409593D0 (en) 2004-04-29 2004-06-02 Airbus Uk Ltd Aircraft and fuel venting system therefor
US7459081B2 (en) 2004-11-30 2008-12-02 Phyre Technologies, Inc. Contacting systems and methods and uses thereof
US7694916B2 (en) 2005-07-08 2010-04-13 Phyre Technologies Inc. Catalytic reactive component reduction system and methods for the use thereof
US7735670B2 (en) 2006-10-17 2010-06-15 Honeywell International Inc. Oxygen removal system
US7628965B2 (en) 2006-11-03 2009-12-08 Honeywell International Inc Advanced carbon dioxide fuel tank inerting system with desulfurization
US7905259B2 (en) 2006-11-15 2011-03-15 Honeywell International Inc. Advanced carbon dioxide fuel tank inerting system
US7896292B2 (en) 2008-01-16 2011-03-01 Phyre Technologies, Inc. Reactive component reduction system and methods for the use thereof
RU86171U1 (ru) 2009-04-29 2009-08-27 Открытое Акционерное Общество "Государственное Машиностроительное Конструкторское Бюро "Радуга" Имени А.Я. Березняка" Топливная система летательного аппарата
US8074932B2 (en) 2009-09-21 2011-12-13 Hamilton Sundstrand Corporation NEA distribution system for OBIGGS applications
US8313061B2 (en) 2009-12-08 2012-11-20 Hamilton Sundstrand Corporation Inert gas distribution arrangement
GB201004837D0 (en) * 2010-03-23 2010-05-05 Airbus Uk Ltd Fuel system and method
GB201006213D0 (en) 2010-04-14 2010-06-02 Airbus Operations Ltd Fuel system and method
US8602362B2 (en) 2010-10-08 2013-12-10 Simmonds Precision Products, Inc. System and method for scavenging ullage from center wing tanks in an airplane
GB201101463D0 (en) 2011-01-28 2011-03-16 Airbus Operations Ltd Aircraft fuel system
GB201107545D0 (en) 2011-05-06 2011-06-22 Airbus Uk Ltd Fuel system inerting
US8499567B2 (en) 2011-06-27 2013-08-06 Honeywell International, Inc. Hybrid fuel tank inerting system
RU2502644C2 (ru) 2012-01-19 2013-12-27 Открытое акционерное общество "Военно-промышленная корпорация "Научно-производственное объединение машиностроения" Система наддува топливного бака
US9114886B2 (en) 2012-03-27 2015-08-25 The Boeing Company Method and system for reducing the flammability of fuel-tanks onboard an aircraft
GB201303527D0 (en) * 2013-02-28 2013-04-10 Airbus Uk Ltd Aircraft inerting system
US9096326B2 (en) * 2013-03-08 2015-08-04 Pratt & Whitney Canada Corp. Nitrogen bubbler system in fuel tank and method
JP6117647B2 (ja) 2013-08-05 2017-04-19 三菱航空機株式会社 航空機の燃料システム、航空機
CN104843189B (zh) * 2015-04-22 2017-09-05 南京航空航天大学 一种催化燃烧惰化油箱的装置及其方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3405393A1 (en) 2018-11-28
CA3009976A1 (en) 2017-07-27
US10981664B2 (en) 2021-04-20
ES2950532T3 (es) 2023-10-10
RU2706753C1 (ru) 2019-11-20
WO2017127478A1 (en) 2017-07-27
CA3009976C (en) 2020-08-04
CN108473212B (zh) 2021-12-24
EP3405393B1 (en) 2023-05-31
US20190002119A1 (en) 2019-01-03
BR112018014782A2 (pt) 2018-12-11
CN108473212A (zh) 2018-08-31
JP2019505435A (ja) 2019-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6703121B2 (ja) 複数の燃料タンクを有する航空機の触媒不活性化システム
EP3109165B1 (en) Continuous fuel tank level control
US9809319B2 (en) Aircraft fuel system
US9834314B2 (en) Aircraft fuel tank inerting system
US6830219B1 (en) Fuel inerting system
US20120193479A1 (en) Aircraft fuel system
US20140130894A1 (en) Nitrogen enriched air supply system and aircraft
US10934012B2 (en) Using a passive separator to separate air and fuel of a fuel mixture passively when delivering fuel to a combustion engine of an unmanned aerial vehicle
US11091273B2 (en) Noncombustible gas distribution methods and systems on aircraft
US11021260B2 (en) Aircraft fuel system
JP6125172B2 (ja) 燃料タンクの不活性ガス供給システム
US20170297734A1 (en) Fuel Manifold For An Aircraft Tank
EP2969767A1 (en) Aircraft fuel tank inerting systems
Goraj et al. Aircraft fuel systems and their influence on stability margin
STOCKEMER AH-56A onboard fueling capability.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190828

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191128

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6703121

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250