以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜図3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。図3は、図1における表示器4の拡大図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
パチンコ遊技機1は、上皿28と、上皿28の下方に設けられた下皿29とを備えている。上皿28は、発射装置(不図示)へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。下皿29は、パチンコ遊技機1から払い出された賞球としての遊技球を溜めるものである。この下皿29には取り出しボタン23が近接配置されており、取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、他の実施形態では、上皿28及び下皿29が1つの皿で構成されてもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28から発射装置へと案内された遊技球がレバー21の回転角度に応じた打球力で遊技領域10における上部位置へと発射される。遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がレバー21を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー21を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、第1大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞し得る。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて第1大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第1大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞されるラウンド遊技が所定回数実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
第2大入賞口19は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第2大入賞口19の開口部には、図1及び図4に例示されるように、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。後に詳述するが、大当たり遊技中は、上述した第1大入賞口13を開放するラウンド遊技に続いて、第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技、又は第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が実行される。
短開放ラウンド遊技では、例えば第2大入賞口19が開放されてから0.1秒が経過するといった所定条件が満たされるまで、第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される。一方の長開放ラウンド遊技では、例えば、第2大入賞口19が開放されてから29.5秒が経過するか、又は第2大入賞口19に9個の遊技球が入賞するといった所定条件が満たされるまで、第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1の実線を参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(図1の破線を参照)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、盤ランプ25、センターランプ30等が設けられている。また、図1には示されていないが、遊技盤2には、第1演出役物71〜第3演出役物73(図26参照)が設けられており、枠部材3には、枠ランプ37(図26参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この表示画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像(保留アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等の演出音を出力して音による演出を行う。
第1演出役物71〜第3演出役物73は、それぞれ、遊技盤2に対して可動に構成されており、各演出役物71〜73自体の動きと光との両方或いは一方によって各種の演出を行う。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出ボタン26は、その上面が枠部材3の上面と略同じ高さにある通常位置と、その上面が枠部材3の上面に対して所定の高さ(例えば10センチ)だけ上方に突出した突出位置との間でその高さを変更可能に構成されている。なお、演出ボタン26は、通常位置と突出位置との間におけるどの高さにあっても押下が可能である。
演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーであり、上を指示するための上キーと、下を指示するための下キーと、左を指示するための左キーと、右を指示するための右キーとから構成されている。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。また、演出ボタン26や演出キー27は、各種の設定操作にも使用される。
[表示器4の構成例]
図4は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図4に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中における第1大入賞口13及び第2大入賞口19の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[第2大入賞口19の内部構成例]
図4は、第2大入賞口19の構成例について説明するための概略図である。図1及び図4に例示されるように、第2大入賞口19の開口部には、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。第2大入賞口19は、通常はこの第1羽根部材191によって閉塞されている。これに対して、大当たり遊技中の所定ラウンドにおいて、第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技、又は第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が行われる。
また、第2大入賞口19の内部には、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、排出スイッチ118、第2羽根部材192等が設けられている。
第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に入賞した遊技球を検知するものである。V入賞口スイッチ117は、V領域195への遊技球の進入を検知するものである。排出スイッチ118は、ハズレ領域196への遊技球の進入を検知するものである。第2羽根部材192は、第2大入賞口スイッチ116を通過した遊技球をV領域195またはハズレ領域196へと案内するものである。
大当たり遊技が行われていないときには、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって閉塞されると共に、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている(図4(A)参照)。これに対して、大当たり遊技が開始されて第1大入賞口13を開放する所定回数のラウンド遊技が行われた後に、まず、第1羽根部材191が回動して第2大入賞口19が開放される(図4(B)参照)。これにより、第2大入賞口19が、遊技球が進入し難い進入困難状態から進入し易い進入容易状態へと一時的に変化する。図4(B)に示される状態では、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている。このため、第2大入賞口19内に進入した遊技球は、第2羽根部材192によってハズレ領域196へと案内される。
これに対して、第2大入賞口19の開放開始から所定時間(例えば3秒)が経過すると、第2羽根部材192が設定時間(例えば10秒)だけV領域195を開放した開姿勢(図4(C)参照)を維持した後にV領域195を閉塞する閉姿勢(図4(B)参照)に戻る。このため、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって開放されると共にV領域195が第2羽根部材192によって開放されている間に、遊技球のV領域195への進入(以下「V入賞」ともいう。)が可能となる。
このように、本実施形態では、V領域195は、第1羽根部材191及び第2羽根部材192の両方が同時期に動作することによって、V領域195に対して遊技球が通過し難い通過困難状態から通過し易い通過容易状態へと一時的に変化する。
図4に例示されるように、V領域195に進入する遊技球は、V入賞口スイッチ117によって検知される。このV入賞口スイッチ117は、確変スイッチとしての機能を有している。このため、第2大入賞口19に入賞した遊技球がこのV入賞口スイッチ117によって検知されると、大当たり遊技が終了した後に、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態からその確率が相対的に高い高確率状態へと移行する。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、この高確率状態への移行に伴い、第2始動口12に遊技球が入賞し易くなるいわゆる電チューサポート機能が付与される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、V領域195への遊技球の進入が困難な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「短開放当たり」と、V領域195への遊技球の進入が容易な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「長開放当たり」との2種類の大当たりが用意されており、基本的には、後者の大当たりに当選した場合にのみ、上述した高確率状態への移行が可能となる。
また、ハズレ領域196に進入する遊技球は、排出スイッチ118によって検知される。この排出スイッチ118を通過した遊技球は、必ずハズレ領域196を通過する。
なお、他の実施形態では、V入賞口スイッチ117がV領域195の下流或いはV領域195内に設けられていてもよいし、排出スイッチ118がハズレ領域196の下流或いはハズレ領域196内に設けられていてもよい。
ここまで、図1〜図4に基づいてパチンコ遊技機1の構成について説明したが、図1〜図4に示す構成は単なる一例であって、他の構成であってもよい。例えば、第2羽根部材192に代えて、V領域195を閉塞する位置とV領域195を開放する位置との間でスライド可能なスライド部材を設けるといった構成変更が一例として挙げられる。
[遊技の流れについて]
図5は、遊技の流れについて説明するための説明図である。図5に例示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、又は「時短遊技状態」で遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。すなわち、通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/399)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/110)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
「時短遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/399)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
なお、以下の説明では、電チューサポート機能が付与されていることによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、電チューサポート機能が付与されていないことによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易ではない状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口11及び第2始動口12のうち、基本的には、第2始動口12にしか入賞しない。そして、低ベース状態のときには、高ベース状態のときに比べて第2始動口12に遊技球が入賞し難くなっており、第1始動口11の方が第2始動口12よりも遊技球が入賞し易くなっている。このため、低ベース状態(通常遊技状態がこれに該当する)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口11を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
これに対して、通常遊技状態のときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄表示器41において特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。その際、大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、大当たり図柄が停止表示される。
上述した短開放当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された場合(図5(A)参照)、大当たり遊技中における所定ラウンドにおいて第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技が行われる。この短開放ラウンド遊技が行われる場合、基本的には遊技球がV入賞口スイッチ117を通過してV領域195に進入することはないため、大当たり遊技が終了した後は、特別図柄判定が例えば100回行われるまでの間、時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図5(B)参照)。
一方、上述した長開放当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された場合(図5(C)参照)、大当たり遊技中における所定ラウンドにおいて第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が行われる。この長開放ラウンド遊技が行われる場合、遊技者は、遊技球をV領域195に容易に進入させることが可能である。このため、遊技球がV入賞口スイッチ117を通過(V入賞)してV領域195に進入すると、大当たり遊技が終了した後は、特別図柄判定が例えば160回行われるまでの間、確変遊技状態で遊技が制御されることになる(図5(D)参照)。
なお、長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ117を通過(V入賞)しなかった場合には、大当たり遊技が終了した後は、時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図5(E)参照)。
このように、遊技状態が通常遊技状態から確変遊技状態(又は時短遊技状態)に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第1始動口11よりも第2始動口12の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(確変遊技状態と時短遊技状態がこれに該当する)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。
確変遊技状態のときに遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄判定が行われる。上述したように、確変遊技状態における普通図柄判定では、12/12の割合で第2始動口12を開放すると判定され、その上、第2始動口12の開放時間が相対的に長い(本実施形態では1.6秒×3回)。このため、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第2始動口12に容易に入賞して、高確率状態で第2特別図柄判定が行われることになる。このため、確変遊技状態においては、通常遊技状態のときに比べて、大当たりを容易に引き当て易い。
右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、長開放当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示され(図5(F)参照)、長開放ラウンド遊技中のV入賞を条件として、大当たり遊技終了後は、再び確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
一方、確変遊技状態に移行してから160回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、160回目の特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図5(G)参照)。
大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行した場合、確変遊技状態と同様に高ベース状態であるため、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。ここで、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、長開放当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示され(図5(H)参照)、長開放ラウンド遊技中のV入賞を条件として、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態で遊技が制御されることになる。一方、100回の特別図柄判定(主には第2特別図柄判定)が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合、100回目の特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図5(I)参照)。
[本実施形態の遊技機の特徴的な演出の概要]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の特徴的な演出の概要について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、特定のコンテンツ(映画、アニメ、漫画等の著作物)をテーマとした遊技機であり、例えば、特定の映画を題材とした遊技機である。遊技機1では、特別図柄の変動中や大当たり遊技中には、当該特定の映画から抜粋した映像や特定の映画に出現(出演)するキャラクタ(人物や仮想キャラクタ等)等の画像が、動画演出として表示される。パチンコ遊技機1には、動画演出を実行するための動画演出データが記憶されている。
具体的には、パチンコ遊技機1には、動画演出データとして、生映像データと、専用動画データとが含まれる。生映像データは、特定の映画に実際に用いられた映像の一部を抜き出した生映像のデータである。専用動画データは、当該特定の映画をモチーフにしてパチンコ遊技機用に作成された専用動画のデータである。ここで、特定の映画は、実際に実カメラで撮影された映画である実写映画であってもよいし、アニメの映画であってもよい。例えば特定の映画が実写映画である場合、「生映像」は、その実写映画の少なくとも一部を加工せずに又は加工して抜き出した映像であり、例えばその実写映画における特定のシーンを抜き出した映像である。また、特定の映画がアニメ映画である場合、「生映像」は、そのアニメ映画の少なくとも一部を加工せずに又は加工して抜き出した映像であり、例えばそのアニメ映画における特定のシーンを抜き出した映像である。すなわち、本明細書の「生映像」は、特定のコンテンツの少なくとも一部を用いた動画映像であり、特定のコンテンツの一部を加工せずに又は加工して抜き出した生の映像を意味し、特定のコンテンツそのままを素材とした映像を意味する。
一方、「専用動画」は、特定の映画の生の映像ではなく、パチンコ遊技機1用に当該特定の映画をモチーフにして2次的に作成された動画であり、例えば、CGによって作成された動画やアニメーションによって作成された動画等である。例えば、特定の映画が実写映画である場合は、「専用動画」は、その実写映画に出演する主人公等の人物をモチーフにして作成された3次元CG動画又は2次元のアニメーション動画であり、例えば、当該特定の映画のシーンを模して作成された動画である。また、特定の映画がアニメ映画である場合、「専用動画」は、そのアニメ映画に出演するキャラクタ等をモチーフにして作成されたアニメーション動画であり、例えば、当該特定の映画のシーンを模して作成された動画である。すなわち、「専用動画」は、特定のコンテンツそのままを素材とせずに、独自で作成された画像である。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動中に、特定の映画の「生映像」、又は、特定の映画をモチーフにして作成された「専用動画」が液晶表示装置5に表示される。「生映像」が表示された場合は、「専用動画」が表示された場合よりも、大当たりに対する期待度(大当たりになる確率。信頼度ともいう)が高い。
本実施形態では、特定のコンテンツとして特定の実写映画を題材としてパチンコ遊技機1が作成されるものとする。以下では、特定の実写映画の生の映像を示す「生映像」を「実写映像」と呼ぶ。なお、特定のコンテンツとしては映画に限らず、アニメや漫画、テレビ番組、ゲーム等でもよい。漫画等の静止画像コンテンツをテーマとしてパチンコ遊技機1が制作される場合、上記「生映像データ」は、当該漫画に掲載された実際の画像を加工せずに又は加工して抜き出した画像であり、上記「専用動画データ」は、当該漫画をモチーフにしてパチンコ遊技機1用に作成された動画である。
図6は、液晶表示装置5に表示される画像の一例を示す図である。図7は、第1特別図柄判定の権利の保留を示す保留表示の表示態様の一例を示す図である。
図6に示すように、液晶表示装置5には、装飾図柄51と、モード表示画像54と、保留フレーム画像55と、背景画像56とが表示される。また、液晶表示装置5には、保留表示領域551〜554と変動中表示領域550とが設けられる。
装飾図柄51は、特別図柄判定の結果を報知するための演出用の図柄である。装飾図柄51は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄の変動開始に応じて変動開始し、特別図柄の変動停止に応じて変動停止する。装飾図柄51は、左装飾図柄51a、中装飾図柄51bおよび右装飾図柄51cによって構成される。左装飾図柄51a、中装飾図柄51b、及び、右装飾図柄51cが変動表示されることで、特別図柄が変動中であることを示し、その停止態様によって特別図柄判定の結果が報知される。例えば、特別図柄の変動中に装飾図柄51を用いたリーチ演出(2つの同種の装飾図柄が停止して1つの装飾図柄が変動した状態)が行われ、リーチ演出の結果、3つの装飾図柄が同種の図柄で揃って停止した場合は、大当たりとなる。
遊技球が第1始動口11に入賞して第1特別図柄判定の権利が保留されると、当該権利の保留を示す保留表示が保留表示領域551〜554の何れかに表示される。図7に示すように、保留表示としては、通常、標準保留画像57が表示される。詳細は後述するが、図7に示すように、保留表示の表示態様としては、標準保留画像57の他に、特定保留画像59がある。
第1特別図柄判定の権利は最大で4つ保留されることが可能であり、第1特別図柄判定の権利を示す保留表示は最大で4つ表示され得る。図6では、1つの保留表示(標準保留画像57)が保留表示領域551に表示されている。保留表示は、特別図柄の変動が開始された後も変動中表示(標準保留画像57)として変動中表示領域550に表示される。すなわち、変動中表示は、保留表示と同様の画像であり、現在の特別図柄の変動に対応する画像である。なお、変動中表示と、保留表示とは異なる表示態様(形状、色、模様等が異なる)であってもよい。変動中表示は、特別図柄の変動開始から変動終了まで表示されてもよいし、特別図柄の変動開始から所定のタイミング(変動開始から所定時間が経過したタイミングや所定のリーチ演出が開始されるタイミング等)となるまで表示されてもよい。
図6に示すように、保留表示領域551〜554に表示された保留表示は、左から順に消化される。すなわち、現在の特別図柄の変動が終了すると、保留表示領域551に表示された保留表示に対応する特別図柄判定が行われ(保留が消化され)、保留表示領域551〜554に表示された各保留表示が左側に移動する。すなわち、保留表示領域551に表示された保留表示が、変動中表示領域550に移動して変動中表示として表示されるとともに、保留表示領域552に表示された保留表示は保留表示領域551に移動し、保留表示領域553に表示された保留表示は保留表示領域552に移動し、保留表示領域554に表示された保留表示は保留表示領域553に移動する。
なお、第2特別図柄判定の保留も液晶表示装置5に表示されてもよい。また、保留表示は、液晶表示装置5とは異なる画像表示装置において画像として表示されてもよいし、LEDによって表示されてもよい。
保留フレーム画像55は、保留表示および変動中表示が表示される領域を遊技者に分かりやすく示すための画像である。保留フレーム画像55は、保留表示および変動中表示を表示するためのフレームを形成する画像であり、保留表示領域551〜554および変動中表示領域550を形成する。保留フレーム画像55は、特別図柄が変動している間も変動していない間も液晶表示装置5の所定の領域(下方領域)に表示される。保留フレーム画像55は、通常は所定の領域に固定的に表示され、所定の期間(例えば、大当たり遊技中、特別図柄の変動中であって特定演出中(例えば大当たりを期待させるリーチ演出中)、特定演出が開始される前の所定期間、客待ち演出中等)を除いて、常に液晶表示装置5の所定の領域に表示される。
また、液晶表示装置5には、背景画像56が表示される。背景画像56は、通常、特別図柄が変動している間も変動していない間も液晶表示装置5に背景として表示される。背景画像56は、所定の期間(例えば、大当たり遊技中、特別図柄の変動中であって特定演出中(例えば大当たりを期待させるリーチ演出中)、特定演出が開始される前の所定期間、客待ち演出中等)を除いて、常に液晶表示装置5の所定の領域(全領域)に表示される。液晶表示装置5では、背景画像56、保留表示や保留フレーム画像55、装飾図柄51、その他大当たりを予告する予告画像等、各画像が階層状に配置され、最も手前の層に配置された画像が優先的に表示される。背景画像56は、その他の画像よりも優先度が低く、最下層に配置されて表示される。すなわち、上記装飾図柄51、保留表示、変動中表示、保留フレーム画像55、その他特別図柄判定に基づく演出画像は、背景画像56の上に重畳して表示される。
背景画像56は、現在の遊技状態や特別遊技が行われる期待度が高い特定の演出が行われていることを示す。例えば、通常遊技状態を示す背景画像であって、特別遊技に対する期待度を示さない通常背景画像として背景画像56a、背景画像56b、背景画像56cがある。また、特別遊技が行われる期待度が高いことを示す特殊背景画像が複数用意される。また、確変遊技状態を示す背景画像もある。背景画像56は、パチンコ遊技機1の遊技状態や特別図柄判定の結果に応じて変化し得る。
また、図6に示されるように、表示されている背景画像56に応じたモード表示画像54が液晶表示装置5に表示される。モード表示画像54は、現在の演出モードを示す画像であり、背景画像56と対応している。背景画像の変化に応じてモード表示画像54が切り替えられる。
図7に示されるように、保留表示(及び変動中表示)は、複数の表示態様に変化し得る。本実施形態では、保留表示は、大別して、標準保留画像57と特定保留画像59とがある。また、これらとは別の種類(形状や色、模様等が異なる画像)の保留表示があってもよい。
なお、以下では、特別図柄判定の権利の保留を概念的に示すものとして「保留表示」と表記する。標準保留画像57および特定保留画像59は、保留表示を具現化した画像であり、保留表示の具体例である。また、本実施形態では、上述のように、保留表示に係る特別図柄の変動開始に応じてその保留表示が変動中表示領域550に移動して「変動中表示」として表示される。
標準保留画像57は、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に通常表示される画像であり、例えば、円形の画像である。標準保留画像57には、複数の表示態様があり、通常色(例えば、白色)に加えて、青色、緑色、赤色、金色、虹色がある。標準保留画像57の色によって、特別遊技が行われることに対する期待度が示唆される。通常色は期待度を示唆しない色であり、特別図柄判定の権利が保留されると、通常は、この通常色の標準保留画像57が表示される。一方、青色、緑色、赤色、金色、および虹色は期待度を示唆する。例えば、青色の期待度(大当たりになる確率)は5%であり、緑色の期待度は10%であり、赤色の期待度は40%であり、金色の期待度は60%である。虹色は期待度が最高であることを示し、例えば100%である。すなわち、保留表示として虹色の標準保留画像57が表示された場合は、その虹色の標準保留画像57に対応する特別図柄の変動において、100%の確率で大当たりとなる。なお、標準保留画像57の表示態様として、上記の何れかの態様(青色、緑色、赤色、金色、虹色、特定保留画像59)に変化することを示唆する別の態様(例えば、点滅表示される態様)があってもよい。
一方、特定保留画像59は、標準保留画像57とは異なる画像であり、特殊な保留表示である。特定保留画像59は、例えば、フィルムの形状をした画像である。特定保留画像59は、パチンコ遊技機1が題材とする特定の映画の一部を抜き出した生映像(特定のコンテンツを素材とした映像)が表示されることを示し、その特定保留画像59に対応する特別図柄の変動において、実写映像の表示を伴う期待度の高い演出が行われることを示唆している。特定保留画像59には、期待度の異なる複数の表示態様(通常色、青、緑、赤、金、および虹)がある。
具体的には、パチンコ遊技機1は、遊技球が始動口(11,12)に入賞した際に各種乱数(後述する大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得し、取得した乱数に基づいて大当たりか否かや特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定する。特別図柄が変動開始すると、判定した変動パターンに応じた演出が行われる。例えば、上記生映像データを用いた実写映像や上記専用動画データを用いた専用動画が演出として表示される。パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動中に遊技球が始動口に入賞した場合、入賞時に取得した乱数に基づいて大当たりか否かや変動パターン等を事前判定する。そして、事前判定した変動パターンが実写映像を表示させる演出に対応する変動パターンである場合、保留表示として特定保留画像59を表示する。
図8は、保留表示として特定保留画像59が表示された場合の演出の一例を示す図である。図9は、図8に続く演出の一例を示す図である。
特別図柄の変動中(装飾図柄51の変動中)に、第1始動口11に遊技球が入賞すると、1つ目の特別図柄判定の権利が保留され、当該1つ目の権利に対する事前判定が行われる。図8(a)に示すように、当該事前判定の結果、保留表示として標準保留画像57が保留表示領域551に表示される。さらに、第1始動口11に遊技球が入賞すると、2つ目の特別図柄判定の権利が保留され、保留表示として標準保留画像57が保留表示領域552に表示される(図8(b))。
2つ目の権利が保留されると、その2つ目の権利に係る標準保留画像57が所定のタイミングで特定保留画像59に変化するとともに、1つ目の権利に対応する標準保留画像57も特定保留画像59に変化する(図8(c))。具体的には、2つ目の権利に対する事前判定の結果に基づいて、その2つ目の権利に対応する標準保留画像57、及び、それよりも先に保留された権利に対応する標準保留画像57が、特定保留画像59に変化する。この2つ目の権利のように、標準保留画像57を特定保留画像59に変化させる契機となった保留を「先読み対象」ということがある。また、図8(c)に示すように、変動中表示領域550には、映写機65が表示される。図8(c)の状態でさらに3つ目の遊技球が第1始動口11に入賞した場合は、標準保留画像57が保留表示領域553に表示され、4つ目の遊技球が第1始動口11に入賞した場合は、標準保留画像57が保留表示領域554に表示される。なお、図8(c)の状態でさらに3つ目および4つ目の遊技球が第1始動口11に入賞した場合、当該3つ目および4つ目に対応する保留表示として、特定保留画像59が保留表示領域553および554にそれぞれ表示されてもよい。
なお、2つ目の遊技球が第1始動口11に入賞した時点で、2つ目の保留表示として標準保留画像57が表示されずに、特定保留画像59が保留表示領域552に表示されてもよい。すなわち、図8(b)に示す画面を経由せずに、遊技球の始動口への入賞時に、図8(c)に示すように2つの保留表示が特定保留画像59に変化してもよい。
次に、図8(c)に示す特別図柄の変動が終了すると、1つ目の権利の保留が消化されて(特別図柄判定が行われて)当該権利に基づく特別図柄の変動が開始される。すると、保留表示領域551に表示された特定保留画像59が変動中表示領域550に移動するとともに、保留表示領域552に表示された特定保留画像59が保留表示領域551に移動する(図8(d))。ここで、図8(d)に示すように、変動中表示領域550に表示された映写機65から映像が投影されるようにして、装飾図柄51が変動表示されている領域に実写映像66が表示される。実写映像66は、本パチンコ遊技機1が題材とする映画の一部を抜き出した生の映像であり、上記生映像データに基づく映像である。実写映像66は、その後、液晶表示装置5の画面から消える。
次に、図8(d)に示す特別図柄の変動が終了すると、2つ目の権利の保留が消化されて当該権利に基づく特別図柄の変動が開始される(図8(e))。具体的には、特別図柄の変動開始に応じて、保留表示領域551に表示された特定保留画像59が変動中表示領域550に移動し、図8(e)と同様に、実写映像66が画面に表示される。実写映像66は、拡大と縮小を繰り返した後、図8(f)のように最大まで拡大表示される。なお、拡大表示後の実写映像66は、液晶表示装置5の全画面(保留フレーム画像55を除く全画面)に表示されてもよいし、図8(f)のように画面の一部の領域に表示されてもよい。
次に、図9(g)に示すように、拡大表示された実写映像66に重畳して装飾図柄51がリーチ状態(2つの同種の装飾図柄が揃った状態)となり、リーチ演出が行われる。ここで、リーチ演出とは、3つの装飾図柄のうちの2つの装飾図柄が同種の図柄で停止し、残り1つの装飾図柄が2つの図柄と同種の図柄で停止することを遊技者に期待させる演出である。装飾図柄51を用いたリーチ演出が行われた後、リーチ演出の結果として、大当たり(図9(h))又はハズレ(図9(i))の何れかが報知される。
図10は、図8および図9に示す演出のタイムチャートを示す図である。図10に示すように、特定保留画像59に対応する特別図柄の変動が開始されると、装飾図柄51が変動表示されるとともに、縮小された実写映像が表示される(図8(d)、図10のT1)。その後、特別図柄および装飾図柄51が停止して、さらに特定保留画像59に対応する特別図柄および装飾図柄51の変動が開始されると、縮小された実写映像が表示される(図8(e)、図10のT2)。図10の期間T2で表示される実写映像は、期間T1で表示された実写映像の続きの映像である。具体的には、期間T1の開始時点t0においてある実写映像の再生が先頭(再生時間0秒)から開始され、期間T1の終了時点t1において当該ある実写映像の再生が終了した場合、期間T2の開始時点t2においては、先頭からT1時間(t1−t0)が経過した時点から当該ある実写映像の再生が再開される。次に、期間T2において、実写映像は拡大と縮小を繰り返し、期間T2の終了時に、最大まで拡大される。そして、最大まで拡大された実写映像が表示される(図8(f)、図10のT3)。図10の期間T3で表示される実写映像は、期間T2で表示された実写映像の続きの映像である。実写映像が拡大された状態で表示される間、例えば装飾図柄51を用いたリーチ演出が行われる。実写映像はリーチ演出の終了まで継続して表示される。そして、リーチ演出の結果として最終的に大当たりか否かが報知される。なお、実写映像は、拡大表示された後の所定のタイミング(リーチ演出の途中、さらに期待度の高い他のリーチ演出へ発展する場合の発展時等)で終了してもよい。
なお、実写映像の縮小表示が開始された時点t0から拡大表示されるまで継続して実写映像が表示されてもよい。
このように、特定保留画像59に係る特別図柄の変動においては、実写映像が表示され、先読み対象に係る特別図柄の変動において、実写映像が拡大表示されるとともに、所定の演出に発展する。
図11は、保留表示として特定保留画像59が表示された場合の演出の一例を示す図であり、実写映像が最大まで拡大表示されない場合の演出の一例を示す図である。
図11(a)〜図11(e)は、図8(a)〜図8(e)と同様である。具体的には、図11(a)に示すように、特別図柄の変動中(装飾図柄51の変動中)に、第1始動口11に遊技球が入賞すると、1つ目の特別図柄判定の権利が保留され、保留表示として標準保留画像57が保留表示領域551に表示される。さらに、第1始動口11に遊技球が入賞すると、2つ目の特別図柄判定の権利が保留され、保留表示として標準保留画像57が保留表示領域552に表示される(図11(b))。
2つ目の権利が保留されると、1つ目の権利に係る保留表示、および、2つ目の権利に係る保留表示が特定保留画像59に変化する(図11(c))。具体的には、2つ目の権利に対する事前判定の結果に基づいて、その2つ目の権利に係る保留表示、及び、それよりも先に保留された権利に係る保留表示が特定保留画像59に変化する。
なお、2つ目の遊技球が第1始動口11に入賞した場合、2つ目の保留表示として標準保留画像57が表示されずに、特定保留画像59が表示されてもよい。すなわち、図11(b)に示す画面を経由せずに、遊技球の始動口への入賞時に、図11(c)に示すように2つの保留表示が特定保留画像59に変化してもよい。
次に、図11(c)に示す特別図柄の変動が終了すると、1つ目の権利の保留が消化されて当該権利に基づく特別図柄の変動が開始され、保留表示領域551に表示された特定保留画像59が変動中表示領域550に移動するとともに、保留表示領域552に表示された特定保留画像59が保留表示領域551に移動する(図11(d))。ここで、図11(d)に示すように、実写映像66が縮小表示される。
次に、図11(d)に示す特別図柄の変動が終了すると、2つ目の権利の保留が消化されて当該権利に基づく特別図柄の変動が開始され、保留表示領域551に表示された特定保留画像59が変動中表示領域550に移動し、実写映像66が縮小表示される(図11(e))。実写映像66は、拡大と縮小を繰り返した後、縮小して最終的には図11(f)のように表示されなくなる。図11(f)の後は、ハズレが報知されるか、実写映像66の表示を伴わない他の演出に発展してもよい。
複数の保留表示がある場合に、1の保留表示が特定保留画像59に変化する場合もある。図12は、1の特定保留画像59が表示された場合の演出の一例を示す図である。
図12(a)に示すように、特別図柄の変動中(装飾図柄51の変動中)に、第1始動口11に遊技球が入賞すると、1つ目の特別図柄判定の権利が保留され、保留表示として標準保留画像57が保留表示領域551に表示される。さらに、第1始動口11に遊技球が入賞すると、2つ目の特別図柄判定の権利が保留され、保留表示として標準保留画像57が保留表示領域552に表示される(図12(b))。
2つ目の権利が保留されると、その2つ目の権利に対応する標準保留画像57が特定保留画像59に変化する(図12(c))。具体的には、2つ目の権利に対する事前判定の結果に基づいて、その2つ目の権利に対応する標準保留画像57のみが特定保留画像59に変化する。すなわち、図12では、事前判定において、特定保留画像59に変化させると判定する契機となった権利(先読み対象)に対応する保留表示のみ、特定保留画像59に変化する。
なお、2つ目の遊技球が第1始動口11に入賞した時点で、2つ目の保留表示として標準保留画像57が表示されずに、特定保留画像59が表示されてもよい。
次に、図12(c)に示す特別図柄の変動が終了すると、1つ目の権利の保留が消化されて当該権利に基づく特別図柄の変動が開始され、所定の変動時間が経過すると特別図柄の変動は終了する(図12(d))。ここでは、図8(d)のように実写映像66は表示されなくてもよいし、実写映像66が表示されてもよい。
次に、2つ目の権利の保留が消化されて当該権利に基づく特別図柄の変動が開始される(図12(e))。具体的には、特別図柄の変動開始に応じて、保留表示領域551に表示された特定保留画像59が変動中表示領域550に移動し、図8(e)と同様に、実写映像66が画面に表示される。実写映像66は、拡大と縮小を繰り返した後、図12(f)のように最大まで拡大表示される。その後、図9と同様に例えばリーチ演出に発展する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、保留表示が特定保留画像59に変化し、特定保留画像59に対応する特別図柄の変動において、実写映像66が表示される。実写映像66は、複数の特別図柄の変動にわたって連続的に表示されることがあり、最終的に実写映像66が拡大表示されると、大当たりに対する期待度が比較的高い演出が行われる。
図13は、特定保留画像59を用いた演出の流れを示す図である。
図13に示すように、始動口に遊技球が入賞すると(A)、当該入賞に係る特別図柄判定の権利に対して事前判定が行われ、当該事前判定の結果に基づいて、保留表示が特定保留画像59に変化される。このとき、特定保留画像59に変化される契機となった権利(先読み対象)に対応する保留表示のみが、特定保留画像59に変化する場合がある(B)。また、特定保留画像59に変化される契機となった権利およびその権利よりも前に消化される権利に対応する保留表示の全てが、特定保留画像59に変化する場合もある(C)。
次に、特定保留画像59に対応する権利が消化される毎に、実写映像が縮小表示される(D,E)。そして、先読み対象に係る特別図柄の変動において、その実写映像が拡大表示されると、A演出、B演出、C演出の何れかに発展する(F〜H)。A演出、B演出、C演出の何れかが行われている間、実写映像は拡大表示されたままである。先読み対象に係る特別図柄の変動において、その実写映像が拡大表示されない場合は実写映像は消去される(I)。
なお、実写映像が消去されると、その後は、ハズレが報知されてもよいし、実写映像の表示を伴わない他の演出が行われてもよい。また、実写映像が拡大表示されずに消去された後に、実写映像の表示を伴わずに、A演出、B演出、C演出の何れかが行われる場合があってもよい。
A演出、B演出、C演出は、それぞれ演出の内容が異なる。例えば、A演出、B演出、C演出は、何れも大当たりに対する期待度が通常よりも高いことを示す演出であり、これらは同種の演出であって期待度が異なるものであってもよい。例えば、A演出は低期待度(例えば大当たりになる確率が5%程度)のリーチ演出で、B演出は中期待度(例えば大当たりになる確率が15%程度)のリーチ演出で、C演出は高期待度(例えば大当たりになる確率が50%程度)のリーチ演出であってもよい。例えば、C演出(高期待度のリーチ演出)に発展する場合において、それよりも期待度の低いリーチ演出であるA演出又はB演出が行われた後、C演出に発展してもよい。
また、A演出、B演出、C演出の期待度は同じであってもよい。また、A演出、B演出、C演出は、異なる種類の演出であってもよい。例えば、A演出はリーチ演出であり、B演出は疑似変動演出(装飾図柄51が擬似的に変動される演出)であり、C演出は演出役物7(演出役物71〜73の何れか)が作動する演出であってもよい。
例えば、実写映像が拡大表示されて疑似変動演出に発展する場合、実写映像が液晶表示装置5に継続して表示されたまま、2回目の装飾図柄51の疑似変動が行われることを示す画像が液晶表示装置5に表示され、2回目の疑似変動が開始される。2回目の装飾図柄51の疑似変動中も、実写映像が継続して表示される。その後、さらに3回目の装飾図柄51の疑似変動が行われてもよいし、疑似変動演出は2回目で終了してその後に所定の演出(例えば、リーチ演出やハズレを報知する演出)が行われてもよい。
本実施形態では、複数の実写映像を有しており、各実写映像は発展先の演出に対応付けられている。図14は、実写映像に対応する発展先の演出を示す図である。
図14に示すように、実写映像Aは、A演出に対応し、実写映像Bは、B演出に対応し、実写映像Cは、C演出に対応する。実写映像Aが拡大表示された場合は、A演出に発展し、実写映像Bが拡大表示された場合は、B演出に発展し、実写映像Cが拡大表示された場合は、C演出に発展する。図10を参照して説明したように、実写映像66が縮小表示される間も拡大表示される間も、1の実写映像が断続的又は継続的に表示される。したがって、例えば、実写映像Cが縮小表示された場合は、遊技者は、その後に実写映像Cが拡大されてC演出に発展するかもしれないといった期待を抱くことができる。すなわち、実写映像の縮小表示は、発展先の演出を示唆している。
なお、上記では、特別図柄判定の権利が保留されている間に、当該権利に対応する保留表示が特定保留画像59に変化する例について説明したが、特別図柄の変動開始後に、変動中表示が特定保留画像59に変化してもよい。
図15は、変動中表示が特定保留画像59に変化する場合の演出の一例を示す図である。
図15(a)に示すように、1の標準保留画像57が表示されている状態で、その標準保留画像57に対応する特別図柄判定が行われると、装飾図柄51の変動が開始するとともに、標準保留画像57が変動中表示領域550に移動して変動中表示として表示される(図15(b))。その後、変動中表示領域550に表示された標準保留画像57が特定保留画像59に変化するとともに、変動中表示領域550に映写機65が表示される(図15(c))。具体的には、特別図柄判定において実写映像を伴う演出を行うと判定された場合、変動中表示領域550に表示された標準保留画像57が特定保留画像59に変化される。すると、液晶表示装置5には縮小された実写映像66が表示される(図15(d)および(e))。そして、実写映像66が拡大表示され(図15(f))、上述のようにA演出、B演出、C演出の何れかに発展する。
このように、保留中に標準保留画像57から特定保留画像59に変化せずに、特別図柄の変動開始後に、変動中表示領域550に表示された標準保留画像57が特定保留画像59に変化し、実写映像が表示されてもよい。
以上のように、事前判定(又は特別図柄判定)の結果に基づいて、保留表示(又は変動中表示)として、実写映像が表示されることを示唆する特定保留画像59が表示される。特定保留画像59に対応する特別図柄の変動においては、実写映像が表示され、実写映像が拡大表示されると、特定の演出に発展する。すなわち、特定保留画像59は、実写映像の表示を伴って、大当たりに対する期待度の高い上記A演出、B演出、C演出の何れかが行われることを示唆している。
本実施形態では、実写映像の他に専用動画による演出が特別図柄の変動中に行われることがある。具体的には、保留表示および/または変動中表示が特定保留画像59に変化しなかった場合には、上記実写映像による演出は行われず、専用動画による演出が行われる。
上述のように、実写映像は、専用動画に比べて大当たりに対する期待度が高い。特定保留画像59は、実写映像が表示されることを示唆するものであり、実写映像が拡大表示されて期待度の高い演出(A演出〜C演出の何れか)に発展することを示唆するものである。このため、事前判定の結果に基づいて保留表示として特定保留画像59を表示させることで、遊技者の期待を高めることができる。また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、特定の映画をテーマとした遊技機であり、特定保留画像59が表示されると、その特定の映画の生映像が表示される。このため、特定保留画像59が表示されることで、遊技者は特定の映画の生映像が表示されることを事前に知ることができ、特定の映画の生映像を見逃さずに視聴することができる。
なお、標準保留画像57が、期待度の高い態様(例えば、赤や金)に変化した場合は、実写映像による演出は行われないものの、期待度の高い演出(例えば、上記A演出〜C演出の何れかの演出や他の演出)に発展することがある。例えば、標準保留画像57が期待度の高い態様に変化した場合において、実写映像の演出を伴わないC演出が行われた場合は、上述の実写映像の演出を伴うC演出が行われる場合と比べて、期待度が低くてもよいし同じでもよい。
なお、特定保留画像59には、図7に示すように、期待度の異なる複数の表示態様(青、緑、赤等)がある。特定保留画像59の表示態様によって、実写映像が拡大表示される可能性を示唆してもよい。例えば、特定保留画像59が赤色で表示された場合は、青色で表示された場合によりも実写映像が拡大表示される可能性が高い(すなわち、A演出〜C演出の何れかに発展し易い)。また、特定保留画像59の表示態様によって、特定保留画像59の表示態様によって、示唆される生映像の種類が異なっていてもよい。例えば、特定の映画の生映像として複数のシーンが用意されており、各シーンに応じて期待度が異なる。例えば、赤色の特定保留画像59が表示された場合は、高期待度のシーンが表示され易く、青色の特定保留画像59が表示された場合は、高期待度のシーンが表示され難くてもよい。
また、上記実施形態では、特定保留画像59に係る特別図柄の変動において、実写映像が拡大表示され、大当たりに対する期待度の高い演出が行われることとした。この場合において、大当たりが報知された後の大当たり遊技中にも、実写映像が継続して表示されてもよい。例えば、特定保留画像59に係る特別図柄の変動において、実写映像が拡大表示され、実写映像が表示されている間に大当たりに対する期待度の高いリーチ演出が行われ、当該リーチ演出の結果、装飾図柄51を用いて大当たりが報知される。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニング演出が行われた後に、大入賞口が開放されるラウンド遊技が行われる。このオープニング演出中、およびラウンド遊技中も、特別図柄の変動中に表示されていた実写映像が継続して液晶表示装置5において表示されてもよい。また、大当たり遊技中に表示される実写映像は、特別図柄の変動中に表示されていた実写映像と同じ映像であってもよいし、異なる映像であってもよい。例えば、特別図柄の変動中に実写映像Aが表示された場合において、その変動に係る大当たり遊技中には、実写映像Aの続きが表示されてもよいし、大当たり遊技の開始に応じて実写映像Aが最初から表示されてもよい。また、例えば、特別図柄の変動中に実写映像Aが表示された場合において、その変動が終了して大当たりが報知された後の大当たり遊技中には、実写映像Aとは異なる実写映像Bが表示されてもよい。また、大当たり遊技中に表示される実写映像の種類によって、大当たり遊技中にV領域195が長開放するか否か(大当たり遊技後に遊技者に有利な確変遊技状態に移行するか否か)が示唆されてもよい。例えば、実写映像Aが大当たり遊技中に表示された場合には実写映像Bが表示された場合よりも、V領域195が長開放する(大当たり遊技後に遊技者に有利な確変遊技状態に移行する)確率が高くてもよい。
さらに、大当たり遊技後においても、実写映像が表示されてもよい。例えば、特定保留画像59に係る特別図柄の変動において、実写映像が拡大表示され、実写映像が表示されている間に大当たりに対する期待度の高いリーチ演出が行われ、当該リーチ演出の結果、装飾図柄51を用いて大当たりが報知される。そして、特別図柄の変動中に表示されていた実写映像が大当たり遊技中も引き続き表示され、大当たり遊技の終了に応じて、確変遊技状態(又は時短遊技状態)に移行する。この大当たり遊技後の確変遊技状態(又は時短遊技状態)においても実写映像が引き続き表示されてもよい。この場合、大当たり遊技前の特別図柄の変動中、その変動が終了した後の大当たり遊技中、及び、大当たり遊技が終了した後の確変遊技状態(又は時短遊技状態)中の3つの期間において、同種の実写映像が表示されてもよいし、それぞれ異なる実写映像が表示されてもよい。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、特別図柄の変動中に遊技球が始動口に入賞すると、特別図柄判定の権利を保留し、当該権利に対応する保留表示を表示する。遊技機は、特別図柄の変動開始時に大当たり遊技を行うか否かの判定を行い、当該判定結果に基づいて、大当たり遊技が行われることに対する期待度の高い演出であって、特定のコンテンツの少なくとも一部を用いた生映像(実写映像66)による演出を行う。遊技機は、特別図柄の変動が開始される前に(始動口への入賞時に)、その特別図柄の変動において生映像による演出が行われるか否かを事前判定する。その特別図柄の変動において生映像による演出が行われると事前判定した場合、遊技機は、その判定に係る保留表示を、生映像による演出が行われることを示唆する態様(特定保留画像59)で表示する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における背景画像を用いた演出について説明する。本実施形態では、特別図柄の変動中に、大当たりを期待させる特定の演出として、背景画像56の切り替えを伴う演出が行われる。ここでは、背景画像56の切り替えを伴う特定の演出を「特殊ゾーン演出」と呼ぶ。
図16は、特殊ゾーン演出の一例を示す図である。図16(a)に示すように、特殊ゾーン演出が行われていない間は、通常の背景として、背景画像56aが表示されるとともに、その背景画像56aに対応するモード表示画像54が表示される。図16(b)に示すように、特別図柄の変動中に、特定の演出が開始されることを示す「特殊ゾーン突入」という文字が表示される。例えば、装飾図柄51がリーチ状態となった後(図16(a))、特殊ゾーン突入の文字が表示される図16(b)。これに伴い、背景画像56aから特殊ゾーン演出を示す背景画像56xに切り替わる。そして、図16(c)に示すように、特殊ゾーン演出が行われている間は、当該特殊ゾーン演出が行われていることを示す特定表示としてゾーン表示画像67が表示される。また、特殊ゾーン演出が行われると、モード表示画像54が、例えば「Aモード」から「特殊ゾーン」に切り替わる。なお、特殊ゾーン演出中は、モード表示画像54は表示されなくてもよい。
ここで、特殊ゾーン演出は、大当たり遊技が行われることに対する期待度が通常よりも高いことを示す演出であり、1回の特別図柄の変動においておこなわれる。なお、特殊ゾーン演出は、複数回の特別図柄の変動にわたって行われてもよい。具体的には、特殊ゾーン演出は、特別図柄の変動開始時の特別図柄判定の結果、又は、遊技球の始動口への入賞時の事前判定の結果に基づいて行われる。特殊ゾーン演出の結果、大当たりか否かが報知され、特殊ゾーン演出は終了する。
特殊ゾーン演出が行われていることを示す特定表示としては、図16に示すような画面を囲む円状の画像に限らず、帯状の画像やキャラクタの画像、文字等、任意の画像であってもよい。また、特殊ゾーン演出が行われていることを示す専用の演出役物を作動させることで、特殊ゾーン演出が行われていることを示してもよい。例えば、特殊ゾーン演出が行われていない間は、演出役物が遊技者が視認し難い又は視認不可能な位置(又は姿勢)に収納され、特殊ゾーン演出中は、遊技者が視認容易な位置(又は姿勢)に当該演出役物が変化してもよい。
また、特殊ゾーン演出は、装飾図柄51がリーチ状態となった後、特殊ゾーン演出に突入するか否かの煽り演出が行われ、煽り演出の後、特殊ゾーン演出に突入してもよい。例えば、煽り演出として演出役物が作動するか否かの演出が行われ、演出役物が作動すると特殊ゾーン演出に突入し、演出役物が作動しなければ特殊ゾーン演出に突入しなくてもよい。
本実施形態では、特殊ゾーン演出が行われている間、ゾーン表示画像67の表示態様が変化することがある。図17は、特殊ゾーン演出が行われている間のゾーン表示画像67の変化を示す図である。
図17(a)に示すように、特殊ゾーン演出が行われている間、ゾーン表示画像67が第1の態様(例えば、青色)で表示される。ゾーン表示画像67の表示態様は、例えば演出ボタン26が押下されたことに応じて、第1の態様から第2の態様(例えば、緑色)に変化する(図17(b))。具体的には、遊技者に演出ボタン26の押下を促す画像が液晶表示装置5に表示され、所定の有効期間内にボタンが押下されると、ゾーン表示画像67の表示態様が変化する。所定の有効期間内にボタンが押下されなければ、有効期間経過後にゾーン表示画像67は第1の態様から第2の態様に変化してもよいし、所定の有効期間内にボタンが押下されなければ、第1の態様から第2の態様に変化しなくてもよい。さらにその後、ゾーン表示画像67は、演出ボタン26が押下されたことに応じて、第2の態様から第3の態様(例えば、赤色)に変化する(図17(c))。
ゾーン表示画像67の表示態様は、大当たりに対する期待度を示唆する。例えば、第2の態様は第1の態様よりも期待度が高く、第3の態様は第2の態様よりも期待度が高い。ゾーン表示画像67の表示態様を変化させるか否かは、大当たりか否かの判定に基づいて決定される。具体的には、大当たりと判定された場合にはハズレと判定された場合よりも、ゾーン表示画像67の表示態様が変化し易い。
このように、特殊ゾーン演出が行われている間、特殊ゾーン演出が行われていることを示すゾーン表示画像67が継続して表示される。特殊ゾーン演出が行われている間、ゾーン表示画像67は、第1の態様から当該第1の態様よりも期待度の高い第2の態様に変化することがあり、さらに、第2の態様よりも期待度の高い第3の態様に変化することがある。これにより、特殊ゾーン演出が行われている間の遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上記では、遊技者による演出ボタン26の押下に応じてゾーン表示画像67の表示態様が変化することとしたが、他の入力手段に対する操作(例えば、他の入力部に対する操作、表示画面やガラス板に対するタッチ操作等)に応じて、ゾーン表示画像67の表示態様が変化してもよい。また、遊技者の操作によらずに、所定のタイミングでゾーン表示画像67の表示態様が変化してもよい。例えば、特殊ゾーン演出が複数の特別図柄の変動にわたって行われる場合には、特別図柄が変動する毎にゾーン表示画像67の表示態様が変化してもよい。また、特殊ゾーン演出が1回の特別図柄の変動において行われる場合において、段階的に期待度が高くなる疑似変動演出が行われ、疑似変動演出が行われる毎に(装飾図柄が疑似変動する毎に)ゾーン表示画像67の表示態様が変化してもよい。また、ゾーン表示画像67の表示態様の変化に伴って、演出役物が作動してもよいし、他の画像が表示されてもよい。
また、図17では、ゾーン表示画像67の表示態様が段階的に変化する場合について示したが、ゾーン表示画像67は、段階的に変化せずに、ゾーン表示画像67の表示態様が変化しない場合もある。例えば、初期的にゾーン表示画像67が第2の態様で表示されてもよい。この場合、遊技者に演出ボタン26の押下を促す画像が表示され、演出ボタン26が押下されても、ゾーン表示画像67は第2の態様から第3の態様に変化しないことがある。このように、ゾーン表示画像67の表示態様が第2の態様で表示される場合は、第3の態様で表示される場合よりも大当たりとなる可能性は低くなる。
本実施形態では、上述のように、上記特殊ゾーン演出中の背景画像を含む複数の背景画像が用意されている。具体的には、通常遊技状態において大当たりに対する期待度が高いことを示唆する背景画像(特殊背景画像)と、期待度が高いことを示唆しない背景画像(通常背景画像)とがある。上記特殊ゾーン演出中の背景画像56xは、特殊背景画像の一種である。通常背景画像としては、背景画像56aの他にも複数あり、特殊背景画像も背景画像56xの他に複数ある。それぞれの背景画像に応じて、モード表示画像54が表示される。
図18は、背景画像とモード表示画像の対応関係を示す図である。図18に示すように、背景画像に応じて、異なるモード表示画像54が表示される。例えば、通常背景画像として背景画像56aが表示されている場合は、モード表示画像54として「Aモード」と書かれた画像が表示され、通常背景画像として背景画像56bが表示されている場合は、モード表示画像54として「Bモード」と書かれた画像が表示される。また、特殊背景画像として背景画像56xが表示されている場合は、モード表示画像54として「特殊ゾーン」と書かれた画像が表示され、特殊背景画像として背景画像56yが表示されている場合は、モード表示画像54として「Yゾーン」と書かれた画像が表示される。このYゾーンは、特殊ゾーンと同様に、1又は複数の特別図柄の変動にわたって行われる演出であり、大当たりに対する期待度が通常よりも高く、特殊ゾーンよりは低い演出である。さらに、Yゾーン及び特殊ゾーンと同様に、1又は複数の特別図柄の変動にわたって行われる演出であって、大当たりに対する期待度が通常よりも高く、Yゾーンよりは低いZゾーン(特殊背景画像56zが表示される演出)があってもよい。これら何れのゾーン演出が行われるか(何れの背景画像に変化するか)は、事前判定によって判定された変動パターンに基づいて決定される。より具体的には、遊技球の始動口への入賞時に取得された大当たり乱数やリーチ乱数、変動パターン乱数等に基づいて、大当たりか否か及び変動パターンが事前判定される。例えば、事前判定において、特殊ゾーン演出を実行させる専用の変動パターンが判定された場合、比較的高い確率で特殊ゾーン演出が行われる。ここで、本実施形態では、例えば、大当たりとなる確率が比較的低い低期待度リーチ演出(例えば、専用動画の表示を伴うリーチ演出A)と、同確率が低期待度リーチ演出より高い中期待度リーチ演出(例えば、専用動画の表示を伴うリーチ演出B)と、同確率が中期態度リーチ演出より高い高期待度リーチ演出(例えば、専用動画の表示を伴うリーチ演出C)とがあり、それぞれのリーチ演出に対応した特別図柄の変動パターンが用意されている。大当たりとなる期待度が比較的高い中期待度リーチ演出あるいは高期待度リーチ演出に対応する変動パターンが判定された場合に、比較的高い確率で特殊ゾーン演出が行われてもよい。また、低期待度リーチ演出に対応する変動パターンが判定された場合には比較的期待度の低いZゾーン演出が行われやすくてもよい。なお、上述した実写映像が表示されることとなる変動パターンが事前判定された場合に、ゾーン演出が行われてもよく、この場合、3つのゾーン演出のうち期待度が最も高い特殊ゾーン演出が実行され易くてもよい。
なお、期待度の低いゾーンから高いゾーンに移行してもよい。例えば、Yゾーンに突入した後、特殊ゾーンに移行してもよい。これらのゾーン演出の変化は遊技球の始動口への入賞時にシナリオとして決定される。例えば、4つ目の保留入賞に応じて最終的に特殊ゾーンに突入すると決定された場合において、その決定の契機となった保留に係る特別図柄の変動が行われる前の変動(例えば3変動前)においてYゾーンに突入し、さらにその後に、特殊ゾーンに突入してもよい。そして、特殊ゾーンに突入した後は、上述のように、ゾーン表示画像67の表示態様が段階的に変化する。このゾーン表示画像67の態様の変化の仕方は、始動口への遊技球の入賞時にシナリオの一部として決定されてもよい。あるいは、始動口への遊技球の入賞時はどのゾーン演出をどのようなタイミングで行うかの大まかなシナリオだけが決定され、特殊ゾーンに突入した後のゾーン表示画像67の態様の変化の仕方は、特殊ゾーン演出中の抽選(後述する演出制御基板130によって行われる抽選であって変動パターンに基づく抽選)に基づいて決定されてもよい。
特殊背景画像に切り替わった場合は(ゾーン演出が行われた場合は)、特殊背景画像は、所定のタイミングで通常背景画像に戻る。例えば、低期待度リーチ演出から中期態度あるいは高期待度リーチ演出に発展する場合がある。具体的には、特別図柄の変動開始に応じて3つの装飾図柄51が変動開始し、左右に同種の装飾図柄が停止してリーチ状態となり、低期待度リーチ演出が行われた後、中図柄として左右とは異なる図柄が停止してハズレの態様で装飾図柄が仮停止する。この状態では、特別図柄の変動は継続しており、3つの装飾図柄51も微変動している。その後、装飾図柄の仮停止の状態から中期態度リーチ演出(又は高期待度リーチ演出)に発展するとともに中図柄が再び変動する。中期態度リーチ演出(又は高期待度リーチ演出)に発展すると、そのリーチ演出用の背景画像が画面に表示され、特殊背景画像は視認不可能な状態となる。そして、リーチ演出の結果として、中図柄として左右とは異なる図柄が停止されるとハズレになる。この場合、装飾図柄は仮停止した状態(微変動した状態)であり、その後に特別図柄の停止に応じて完全に停止(本停止)する。この装飾図柄がハズレの態様で仮停止されるとき、及び、本停止されるときには、リーチ演出用の背景画像から通常背景画像に戻り、次の特別図柄の変動においては、通常背景画像にて演出が行われる。なお、装飾図柄がハズレの態様で仮停止されるときに、リーチ演出用の背景画像から特殊背景画像に戻り、装飾図柄の本停止時も特殊背景画像が表示され、次の特別図柄の変動に応じて、通常背景画像に戻ってもよい。また、リーチ演出の結果として、大当たりが報知される場合には、装飾図柄が大当たりの態様で仮停止(及び本停止)される際に、リーチ演出用の背景画像から通常背景画像に戻ってもよいし、リーチ演出用の背景画像から特殊背景画像に戻ってもよいし、リーチ演出用の背景画像から大当たり専用の背景画像に切り替わってもよい。また、低期待度リーチ演出から中期態度(又は高期待度)リーチ演出に発展した場合に、背景画像が特殊背景画像からリーチ演出用の背景画像に切り替わる一方で、ゾーン表示画像67は表示されたままであってもよい。この場合、低期待度リーチ演出から中期態度(又は高期待度)リーチ演出に発展するタイミングで、ゾーン表示画像67は、より期待度の高い態様(第2の態様)に変化してもよい。また、中期態度リーチ演出からさらに高期待度リーチ演出に発展するタイミングでゾーン表示画像67は、さらに期待度の高い態様(第3の態様)に変化してもよい。また、低期待度リーチ演出から中期態度(又は高期待度)リーチ演出に発展した場合、その中期態度(又は高期待度)リーチ演出中に、ゾーン表示画像67が、段階的に期待度の高い態様に変化してもよい。
通常背景画像から特殊背景画像へ切り替わる場合は、大当たりに対する期待度が通常よりも高いことを示唆する一方で、通常背景画像から他の通常背景画像に切り替わる場合は、期待度が高いことを示唆しない。ある通常背景画像から他の通常背景画像へは、所定の条件(例えば、特別図柄の変動回数や演出制御基板130で行われる乱数を用いた抽選の結果)で切り替わる。例えば、特別図柄の変動回数が所定回数に達したことや所定の抽選結果に応じて、背景画像56aから背景画像56bに切り替わるとともに、モード表示画像54も「Aモード」から「Bモード」に切り替わる。このとき、モード表示画像54の文字は、通常、黒字である。
本実施形態では、通常は期待度を示唆しないモード表示画像54の表示態様を変化させることで、大当たりに対する期待度を示唆する場合がある。
例えば、通常背景画像として背景画像56aが表示されている間、特別図柄判定又は事前判定の結果に基づいて、期待度を示唆しない通常態様(例えば、黒字)の「Aモード」から、期待度を示唆する態様(例えば赤字)の「Aモード」に切り替わることがある。また、背景画像56aから背景画像56bに切り替える際に、「Bモード」の文字を通常態様(黒)から期待度を示唆する態様(赤)に変化させてもよい。このように、通常は期待度を示唆しない通常背景画像に対応するモード表示画像54の表示態様を変化させることで、大当たりに対する期待度が通常よりも高いことを示唆してもよい。
また、特殊ゾーン演出が行われている間に表示される「特殊ゾーン」と書かれたモード表示画像54の表示態様が、通常色から他の色に変化することで、期待度がより高いことを示唆してもよい。
このように、本実施形態では、特定の演出が行われている間に、当該特定の演出が行われていることを示す特定表示(ゾーン表示画像67等)が表示され、特定表示の表示態様によって大当たりに対する期待度が示唆される。例えば、特殊ゾーン演出が行われている場合において、ゾーン表示画像67が第1の態様で表示されている場合は、期待度は30%であり、ゾーン表示画像67が第2の態様で表示されている場合は、期待度は40%であってもよい。このように、大当たりに対する期待度が通常よりも高いことを示す特定の演出が行われている間に特定表示を表示し、特定表示の表示態様によって大当たりに対する期待度を示唆することにより、期待度が高いことを示唆するとともに、表示態様を変化させることで、更に期待度が高いことを示唆することができる。
なお、装飾図柄51を擬似的に変動させる疑似変動演出が行われている間に、当該疑似変動演出が行われていることを示す特定の表示を行い、当該特定の表示の表示態様を、上記特殊ゾーン演出と同様に、期待度に応じて第1の態様〜第3の態様に変化させてもよい。例えば、疑似変動演出が行われている間に、N回目の疑似変動演出中であることを示す「疑似N回目」という画像を表示させる場合に、「疑似N回目」という画像を期待度に応じて「青」、「緑」、「赤」のように変化させてもよい。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、特別遊技を行うか否かの判定結果に基づいて、特別遊技が行われることに対する期待度が通常よりも高いことを示す特定演出(特殊ゾーン演出)を実行可能であり、特定演出の実行中に当該特定演出が行われていることを示す特定表示(ゾーン表示画像67)を行う。パチンコ遊技機1は、複数の表示態様のうちの何れかの表示態様で特定表示を行うことが可能であり、特別遊技が行われることに対する期待度を当該特定表示の表示態様で示すことが可能である。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における演出役物7(71〜73の何れか)を用いた疑似変動演出(疑似連続予告演出)について説明する。
図19は、本実施形態の演出役物を用いた疑似変動演出の概要を示す図である。図19に示すように、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄が変動開始したことに応じて、液晶表示装置5に表示された3つの装飾図柄51が変動開始する。所定時間が経過すると、3つの装飾図柄のうちの少なくとも1つの装飾図柄が停止(疑似停止)し、その後、再び3つの装飾図柄が疑似変動する(疑似2回目)。すなわち、1回の特別図柄の変動中に、装飾図柄51が擬似的に2回変動する。この2回目の疑似変動が行われる際には、演出役物7(例えば、第1演出役物71)が所定の確率で作動する場合がある。そして、2回目の疑似変動において、3つの装飾図柄のうちの少なくとも1つの装飾図柄が停止(疑似停止)し、その後に再び3つの装飾図柄が疑似変動する(疑似3回目)。3回目の疑似変動が行われる際には、演出役物7は必ず作動する。そして、3回目の疑似変動においてリーチ演出が行われ、最終的に大当たりか否かの当落報知が行われる。本実施形態では、1回の特別図柄の変動中に、疑似変動が2回〜4回行われ、疑似変動の回数が多いほど大当たりとなる期待度は高くなる。
本実施形態では、装飾図柄51の2回目の疑似変動が行われる際に演出役物が作動した場合は、必ず、3回目の疑似変動が行われ、さらに4回目の疑似変動演出が行われる場合もある。すなわち、2回目の疑似変動の際の演出役物の作動は、3回目以上の疑似変動が行われることを示している。一方、2回目の疑似変動が行われる際に演出役物が作動しなかった場合は、3回目の疑似変動は行われる場合もあれば行われない場合もある。
図20は、演出役物71が作動していない状態と作動した状態とを示す図である。図20(a)に示すように、演出役物71が作動していない初期状態では、演出役物71は、遊技者が視認し難い位置(遊技者が僅かに視認可能な位置)に収納されている。例えば、演出役物71は、液晶表示装置5の下方であって液晶表示装置5と遊技盤2との間に収納されている。図20(b)に示すように、演出役物71が作動すると、演出役物71は上方に移動し遊技者が視認し易くなる。
以下、図21及び図22を参照して、本実施形態の疑似変動演出の一例について説明する。図21及び図22は、装飾図柄51の2回目の疑似変動が行われる際に、演出役物71が作動しない場合の疑似変動演出の一例を示す図である。
図21(a)に示すように、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動が開始すると、液晶表示装置5の3つの領域(左領域、中領域、右領域)おいて装飾図柄51が変動開始する。3つの装飾図柄51が変動開始してから所定時間が経過すると、例えば、左領域において「3」図柄がゆっくりとした速度で上方から下方に降下し、「3」図柄が停止するか否かの煽り演出が行われる(図21(b))。「3」図柄が左領域に停止すると(図21(c))、左領域に停止した「3」図柄が変形して、キャラクタ68に変化する(図21(d))。「3」図柄がキャラクタ68に変化すると、キャラクタ68は、画面の中央領域において拡大表示され(図21(e))、その後、装飾図柄51の2回目の疑似変動が開始される(図21(f))。
2回目の擬似変動が開始した後、図21(b)と同様に何れかの領域(例えば、左領域)に「3」図柄が停止するか否かの煽り演出が行われ、図22(a)に示すように、再び「3」図柄が左領域に停止してキャラクタ68に変化する。このとき、図22(b)に示すように、演出役物71が作動する。演出役物71が作動すると、3回目の擬似変動が開始される(図22(c))。
このように、「3」図柄が3つの領域の何れかに停止してキャラクタ68に変化した場合、装飾図柄51が擬似的に変動する擬似変動演出が行われる。すなわち、「3」図柄が3つの領域の何れかに停止してキャラクタ68に変化することは、次の擬似変動が行われることを示す。
図23は、装飾図柄51の2回目の疑似変動が行われる際に、演出役物71が作動する場合の疑似変動演出の一例を示す図である。
図23(a)〜(e)に示すように、図21(a)〜(e)と同様、「3」図柄が左領域に停止してキャラクタ68に変化し、2回目の疑似変動が行われることが報知される(図23(e))。次に、2回目の疑似変動が開始される際に、演出役物71が作動する(図23(f))。この2回目の疑似変動が開始される際の演出役物71の作動は、2回目の疑似変動演出の後にさらに3回目の疑似変動演出が行われることを示している。演出役物71が作動すると、図21(f)と同様、2回目の疑似変動が行われる(図23(g))。以降は、図22(a)〜(c)と同様の演出が行われ、3回目の疑似変動が行われる。
このように、本実施形態では、3回目の疑似変動が行われる際には、必ず演出役物71が作動し、2回目の疑似変動が行われる際には、演出役物71が作動する場合と作動しない場合とがある。2回目の疑似変動が行われる際に演出役物71が作動すると、その後に必ず3回目の疑似変動が行われる。このため、2回目の疑似変動が行われる際に演出役物71が作動した場合、遊技者は、2回目の疑似変動に続いてさらに3回目の疑似変動が行われることを事前に認識することができる。また、2回目の疑似変動が行われる際の演出役物71の動作態様は、3回目の疑似変動が行われる際の演出役物の動作態様と同一又は類似である。2回目の疑似変動が行われる際に演出役物71が3回目と同態様で作動されることにより、3回目の疑似変動が行われることを遊技者に直感的に認識させることができる。
なお、図21〜図23では、「3」図柄が左領域に停止してキャラクタ68に変化した後に疑似変動が行われることとしたが、「3」図柄が中領域又は右領域に停止した後に、疑似変動が行われてもよい。
また、上記では、2回目の疑似変動が行われる際に演出役物71を作動させることで、3回目の疑似変動が行われることを示したが、2回目の疑似変動が行われる際に他の方法により3回目の疑似変動が行われることを報知してもよい。例えば、図23(d)や(e)において表示されるキャラクタ68の表示態様(色、キャラクタの姿勢、キャラクタの表情等)によって、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。例えば、2回目の疑似変動が開始される前のキャラクタ68が第1表示態様である場合は、3回目の疑似変動が行われることを示さず、2回目の疑似変動が開始される前のキャラクタ68が第2表示態様である場合は、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。この場合において、2回目の疑似変動が開始される前のキャラクタ68が第2表示態様である場合は、2回目の疑似変動が開始され、その後、演出役物71が作動してさらに3回目の疑似変動が行われる。一方、2回目の疑似変動が開始される前のキャラクタ68が第1表示態様である場合は、2回目の疑似変動が開始され、さらにその後、演出役物71が作動する(3回目の疑似変動が行われる)場合もあれば、作動しない(3回目の疑似変動が行われない)場合もある。
また、装飾図柄の表示態様によって、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。例えば、2回目の疑似変動が開始される前に停止した装飾図柄の表示態様によって、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。具体的には、2回目の疑似変動が開始される前に、通常色の装飾図柄(上記「3」図柄)が表示された場合は、3回目の疑似変動が行われることを示さず、赤色の装飾図柄が表示された場合は、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。
また、疑似変動が行われることを示す専用の装飾図柄である疑似連図柄が用意され、当該疑似連図柄が停止した場合には、次の疑似変動が行われてもよい。この場合において、2回目の疑似変動が行われる際の疑似連図柄の表示態様が第1態様の場合には、3回目の疑似変動が行われることを示さず、2回目の疑似変動が行われる際の疑似連図柄の表示態様が第2態様の場合には、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。すなわち、2回目の疑似変動が行われる際の疑似連図柄の表示態様が第1態様の場合には、3回目の疑似変動が行われるときもあれば行われないときもあり、疑似連図柄の表示態様が第2態様の場合には、その後に必ず3回目の疑似変動が行われる。
また、2回目の疑似変動が行われる際の演出役物71の動作態様によって、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。例えば、2回目の疑似変動が行われる際に演出役物71が第1の動作態様で作動した場合には、3回目の疑似変動が行われることを示さず、第2の動作態様で作動した場合には、3回目の疑似変動が行われることを示してもよい。
次に、他の装飾図柄およびキャラクタを用いた疑似変動演出について説明する。図24は、疑似変動演出の他の例を示す図である。
図24(a)に示すように、特別図柄の変動が開始すると、液晶表示装置5の3つの領域おいて装飾図柄51が変動開始する。3つの装飾図柄51が変動開始してから所定時間が経過すると、例えば、中領域において「7」図柄がゆっくりとした速度で上方から下方に降下することにより、「7」図柄が中領域に停止するか否かの煽り演出が行われる(図24(b))。「7」図柄が中領域に停止すると(図24(c))、中領域に停止した「7」図柄が変形して、キャラクタ69に変化する(図24(d))。「7」図柄がキャラクタ69に変化すると、演出役物71が作動する(図24(e))。「7」図柄が中領域に停止すると、必ず演出役物71が作動する。そして、装飾図柄51の2回目の疑似変動が行われる(図24(f))。更にその後、図24(b)〜図24(d)と同様に、「7」図柄が中領域に停止して演出役物71が作動し、3回目の疑似変動が行われる。
このように、2回目の疑似変動が行われる際に「7」図柄が停止すると、その後、3回目の疑似変動が行われる。すなわち、2回目の疑似変動が行われる際に「7」図柄が中領域に停止することは、3回目の疑似変動が行われることを示している。
上記では、「3」図柄又は「7」図柄が停止するか否かの煽り演出が行われ、「3」図柄又は「7」図柄が停止した場合に次の疑似変動演出が行われることとした。煽り演出の結果として、「3」図柄又は「7」図柄が停止しなかった場合は、次の疑似変動演出は行われない。
なお、このような「3」図柄又は「7」図柄が停止するか否かの煽り演出は、他の態様で行われてもよい。例えば、「3」図柄又は「7」図柄が停止するか否かの煽り演出として、「3」図柄又は「7」図柄を遊技者が視認し難い態様(例えば、半透明)で表示してもよい。「3」図柄又は「7」図柄が視認し難い態様から視認し易い態様に変化した場合は、「3」図柄又は「7」図柄が停止して、次の疑似変動演出が行われる。「3」図柄又は「7」図柄が視認し易い態様に変化しなかった場合は、「3」図柄又は「7」図柄は停止せず、疑似変動演出も行われない。
上記のような疑似変動演出の流れを図25を参照して説明する。図25は、演出役物71の作動を伴う疑似変動演出の流れを示す図である。
図25に示すように、装飾図柄51が変動開始してから所定時間が経過すると、「3」図柄又は「7」図柄が3つの領域の何れかに停止するか否かの煽り演出が行われる(A)。煽り演出の結果、「3」図柄が何れかの領域(例えば左領域)に停止することがある(B)。「3」図柄が停止すると演出役物71が作動する場合があり(C)、演出役物71の作動後、2回目の疑似変動が行われ(D)、さらに3回目の疑似変動が行われる(E)。2回目の疑似変動が行われる際に演出役物71が作動した場合には(すなわち、3回目の疑似変動が行われることが確定報知された場合には)、3回目の疑似変動が行われる前に、上記煽り演出は行われなくてもよいし、行われてもよい。3回目の疑似変動では、他の演出(リーチ演出等)に発展する(F)。
一方、「3」図柄が何れかの領域に停止した後(B)、演出役物71が作動しなかった場合(G)、2回目の疑似変動が行われる(H)。2回目の疑似変動の後、3回目の疑似変動が行われるか否かの煽り演出が行われる。そして、煽り演出の後、演出役物71が作動せずに装飾図柄51の変動が終了する又は他の演出に発展する場合(I)と、演出役物71が作動して3回目の疑似変動が行われる場合(E)とがある。
一方、(A)の煽り演出の結果、「7」図柄が、例えば中領域に停止することがある(J)。「7」図柄が中領域に停止すると演出役物71が作動し(K)、2回目の疑似変動が行われる(L)。その後、さらに演出役物71が作動して3回目の疑似変動が行われる(M)。この3回目の疑似変動が行われる前には、上記煽り演出は行われなくてもよいし、行われてもよい。3回目の疑似変動では、他の演出(リーチ演出等)に発展し、最終的に大当たりか否かが報知される(N)。
(A)の煽り演出の結果、「3」図柄又は「7」図柄が停止しなかった場合は、装飾図柄51の変動が終了するか、又は、他の演出に発展する(O)。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾図柄51を擬似的に変動および停止させる疑似変動演出が複数回行われ、2回目の疑似変動が行われる際に3回目の疑似変動演出の確定を示す演出が行われる。このように、3回目の疑似変動演出の確定を示す演出が事前に行われることで、遊技者に2回目の疑似変動に続いて3回目の疑似変動演出が行われることを認識させることができ、期待感を抱かせることができる。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、特別遊技を行うか否かの判定結果に基づいて、複数の段階にわたって行われる演出であって、段階数が多いほど特別遊技が行われる期待度が高いことを示す多段階演出(疑似変動演出)を実行可能であり、多段階演出において所定数の段階の演出が行われることを示す示唆演出(演出役物71の作動)を、当該所定数の段階の演出が開始される前に実行することが可能である。
以下、図8〜図25に基づいて上述した演出を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図26は、パチンコ遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。図26に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、排出スイッチ118、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、V入賞口制御部121、普通入賞口スイッチ122、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ115は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口スイッチ117は、V領域195に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。排出スイッチ118は、ハズレ領域196に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部120は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する第1羽根部材191(図4参照)に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。V入賞口制御部121は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、V領域195を開閉する第2羽根部材192(図4参照)に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V領域195を開閉する。普通入賞口スイッチ122は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ122からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ122を備えているが、図26においては、普通入賞口スイッチ122を1つだけ表記している。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部119及び第2大入賞口制御部120を介して第1大入賞口13及び第2大入賞口19を開閉して大当たり遊技を実行する。また、第2大入賞口19に係るラウンド遊技に伴って、V入賞口制御部121を介してV領域195を開閉する。そして、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定し、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態に設定する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17に連結された電動ソレノイドを作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力(ランプ制御基板150から送信された入力情報)を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、演出役物71〜73、遊技盤2に設けられた盤ランプ25、枠部材3に内蔵された枠ランプ37、演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ等を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、演出役物71〜73に内蔵されているLED等の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物71〜73の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物71〜73の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26のボタンランプ等の各発光素子の発光を制御する。
また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物71〜73を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。
[画像音響制御基板140の構成例]
図27は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、図27に例示されるように、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データを液晶表示装置5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、フレームバッファ1493等を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファ1493は、液晶表示装置5に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。また、VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域1492に格納した画像データを用いて、フレームバッファ1493に対する描画処理を行う。また、VDP142は、フレームバッファ1493に記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示装置5に出力する。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147と、アンプ1431とが接続されている。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ1431を介して)スピーカ24に出力する。アンプ1431は、統括CPU141から音響DSP143を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ24に出力させる。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
[メインRAM103の構成例]
図28は、メインRAM103の構成例及びメインRAM103に格納される各種情報を示すブロック図である。図28(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。また、第2特別図柄判定は、第1特別図柄判定に対して優先消化される。このため、判定用記憶領域1030には、特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には第1保留記憶領域1035に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には第1保留記憶領域1031に記憶されている各種情報がシフトされる。
図28(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図33参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図28(B)に基づいて説明した5つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納され、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定を保留する情報として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図29を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図29は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図29に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図29以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図30に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図34に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を動作させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、及びV入賞口制御部121を制御して第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図30は、図29のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図30に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図31に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図32に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図31は、図30のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図31に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS213〜ステップS216)。
ステップS216の処理に続いて、メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS217)。メインRAM103には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口12に遊技球が入賞し難い状態に電動チューリップ17を制御する場合に「OFF」に設定され、逆に、第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態に電動チューリップ17を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU101は、ステップS217において、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS217:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図36参照)や変動パターン選択処理(図17参照)に先立って、ステップS213〜S216の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図33に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS218の処理を実行した場合、又は高ベース状態である(時短遊技フラグが「ON」に設定されている)と判断した場合(ステップS217:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図32は、図30のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図32に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS223〜ステップS226)。
ステップS226の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS217の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS227)。ここで、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS227:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS228)。この事前判定処理については、図33に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS228の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではない(時短遊技フラグが「OFF」に設定されている)と判断した場合(ステップS227:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図33を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図33は、図31,32のステップS218,S228における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図31のステップS217の処理で高ベース状態ではないと判断した場合、又は図32のステップS227の処理で高ベース状態であると判断した場合、大当たり判定処理を実行する(ステップS2181)。具体的には、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。そして、図31のステップS213の処理(又は図32のステップS223の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM103にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2181の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2182)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2182:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2183)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2182:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS2181の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2184:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後とでは第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
このため、リーチ演出が行われないと判定された場合には(ステップS2184:NO)、後述するステップS2186の変動パターン乱数判定処理が行われることなくステップS2187に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2186)。具体的には、ステップS2181の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる第1特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2186の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2184:NO)、事前判定情報を生成してメインRAM103に格納する(ステップS2187)。この事前判定情報が格納される領域については、図28に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU101は、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図34を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図34は、図29のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図34に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域1035〜1038に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域1031〜1034に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図35に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図36に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。
この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5における装飾図柄の変動表示等が開始されることになる。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示を開始する。一方、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図35は、図34のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。
具体的には、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。一方、第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
このように、メインCPU101は、大当たりの種類を決定することによって、V領域195への遊技球の入賞が困難な短開放当たり、又はV領域195への遊技球の入賞が容易な長開放当たりを選択する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されて、その特別図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図36は、図34のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図34のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[演出制御基板130による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御基板100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図37〜図41を参照して説明する。
図37は、演出制御基板130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図37〜図41に示す処理を演出制御基板130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、図37に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図37に示すように、演出制御基板130のサブCPU131は、コマンド受信処理を実行する(ステップS1001)。コマンド受信処理は、遊技制御基板100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、サブCPU131は、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に実行させるためのコマンドを生成する。これらコマンドが画像音響制御基板140及び/又はランプ制御基板150に送信されることで、コマンドに基づく演出が画像音響制御基板140及び/又はランプ制御基板150によって実行される。このコマンド受信処理の詳細については、図38に基づいて後に詳述する。
ステップS1001の処理に続いて、サブCPU131は、コマンド送信処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、サブCPU131は、ステップS1001で生成したコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。次に、サブCPU131は、データ転送処理を行う(ステップS1003)。例えば、サブCPU131は、ステップS1003において、ランプ制御基板150から送信された演出役物の作動に関するデータや演出ボタン26に対して行われた操作に関するデータを画像音響制御基板140に転送する。また、サブCPU131は、画像音響制御基板140から送信された演出役物を作動させるためのデータや演出ボタン26を作動させるためのデータをランプ制御基板150に転送する。このデータ転送処理が行われることで、液晶表示装置5に表示された画像と連動して演出役物が作動したり、演出ボタン26に対する操作に応じた画像が液晶表示装置5に表示されたりする。以上でサブCPU131は、図37に示す処理を終了する。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
以下、図38を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるコマンド受信処理について説明する。ここで、図38は、図37のステップS1001におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。
まず、サブCPU131は、遊技制御基板100から保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1301:YES)、サブCPU131は、保留コマンド処理を実行する(ステップS1302)。保留コマンド処理の詳細については後述する。
ステップS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1301:NO)、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1303:YES)、サブCPU131は、変動開始コマンド処理を実行する(ステップS1304)。ここでは、サブCPU131は、特別図柄の変動に伴って行われる変動演出を決定して実行する。変動開始コマンド処理の詳細については、後述する。
ステップS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1303:NO)、サブCPU131は、図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。
図柄確定コマンドを受信した場合(ステップS1305:YES)、サブCPU131は、図柄確定コマンド処理を実行する(ステップS1306)。図柄確定コマンド処理では、ステップS1304で開始された変動演出を終了する処理が行われる。例えば、サブCPU131は、変動している装飾図柄51を停止させて、変動演出を終了させる。
ステップS1306の処理を実行した場合、又は、図柄確定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1305:NO)、サブCPU131は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1307:YES)、サブCPU131は、オープニング処理を実行する(ステップS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出を実行するとともに、大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。
ステップS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1307:NO)、サブCPU131は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1309:YES)、サブCPU131は、エンディング処理を実行する(ステップS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定して実行する処理である。
ステップS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1309:NO)、サブCPU131は、図38に示す処理を終了する。
[演出制御基板130による保留コマンド処理]
以下、図38のステップS1302の保留コマンド処理の詳細について説明する。図39は、図38のステップS1302の保留コマンド処理の詳細フローチャートである。なお、以下では、第1特別図柄判定の権利が保留された場合を想定した処理について説明するが、第2特別図柄判定の権利が保留された場合においても同様の処理(先読み演出)が行われてもよい。
サブCPU131は、まず、RAM133に格納された保留数に「1」を加算する(ステップS1321)。具体的には、RAM133には第1特別図柄判定の保留数及び第2特別図柄判定の保留数が記憶されており、サブCPU131は、第1特別図柄判定の保留を示す保留コマンドを受信したことに応じて、第1特別図柄判定の保留数に1を加算する。
次に、サブCPU131は、受信した保留コマンドに基づいて先読み判定を行う(ステップS1322)。ここでは、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて、その保留コマンドに係る特別図柄判定が大当たりか否かを判定したり、大当たり図柄を判定したり、特別図柄の変動パターン等を判定したりする。
続いて、サブCPU131は、ステップS1322の先読み判定結果に基づいて、先読み演出判定処理を行う(ステップS1323)。ここで、先読み演出判定処理の詳細について、図40を参照して説明する。
図40は、ステップS1323の先読み演出判定処理の詳細フローチャートである。図40に示すように、サブCPU131は、ステップS1322で先読み判定された変動パターンが、実写映像による演出を行わせる変動パターン(後述する図42のP100〜P103)か否かを判定する(ステップS1331)。実写映像による演出を行わせる変動パターンと判定された場合(ステップS1331:YES)、サブCPU131は、今回保留された特別図柄判定に対応する保留表示として特定保留画像59を設定する(ステップS1332)。具体的には、ステップS1332において、サブCPU131は、特定保留画像59を設定するか否かを乱数を用いた抽選により決定し、その結果に応じて、今回保留された権利に対応する保留表示として特定保留画像59又は標準保留画像57を設定する。また、保留表示として特定保留画像59を設定する場合、サブCPU131は、特定保留画像59を表示するタイミングを決定する。例えば、サブCPU131は、次のステップS1324の保留表示処理で特定保留画像59を表示するか、保留表示処理では標準保留画像57を表示し、その後のタイミングでその標準保留画像57を特定保留画像59に変化させるかを決定する。
ここで、サブCPU131は、今回保留された特別図柄判定の権利に対応する保留表示と、既に保留されている特別図柄判定の権利に対応する保留表示とを含む全ての保留表示を特定保留画像59に設定する場合もある。全ての保留表示を特定保留画像59に設定するか、今回保留された権利に対応する保留表示のみを特定保留画像59に設定するかは、乱数を用いた抽選によって決定されてもよいし、先読み判定の結果によって決定されてもよい。例えば、全保留が特定保留画像59に変化した方が、1つのみ変化する場合よりも期待度が高くなるように、全ての保留表示を特定保留画像59に設定するか否かが決定されてもよい。
一方、実写映像による演出を行わせる変動パターンと判定されなかった場合(ステップS1331:NO)、サブCPU131は、その他の先読み演出を行うか否かを判定する(ステップS1333)。具体的には、サブCPU131は、先読み判定の結果に基づいて所定の抽選を行い、当該抽選結果に基づいて、保留表示の表示態様を変化させるか否かを判定したり、背景画像56を変化させるか否かを判定したりする。そして、その他の先読み演出を行うと判定した場合(ステップS1333:YES)、サブCPU131は、先読み演出の内容を設定する(ステップS1334)。例えば、保留表示の表示態様を変化させると判定した場合は、その表示態様を設定したり、変化のタイミング(入賞時に変化させるか入賞後の所定タイミングで変化させるか)を設定したり、変化させる際の演出の内容を設定する。また、サブCPU131は、背景画像を変化させると判定した場合は、変化後の背景画像を設定したり、変化のタイミングを設定したりする。また、サブCPU131は、保留表示や背景画像を用いた先読み演出以外にも、他の演出手段を用いた先読み演出を行うことが可能であり、例えば、先読み判定の結果に基づく先読み演出として演出役物7を作動させたり、その他の先読み予告画像を表示させたりすることができる。
ステップS1332の処理を行った場合、ステップS1334の処理を行った場合、又は、ステップS1333でNOと判定した場合、サブCPU131は、図40に示す処理を終了する。このようにして、変動パターンに基づいて先読み演出を行うか否かが判定され、先読み演出の内容が決定される。変動パターンの詳細については、後述する。
図39に戻り、ステップS1323の処理の後、保留表示処理が行われる(ステップS1324)。具体的には、サブCPU131は、ステップS1323の処理で設定した表示態様の保留表示を表示させるためのコマンドを画像音響制御基板140に送信する。これにより、今回受信した保留コマンドに対応する保留表示が、ステップS1323の処理で決定された態様で液晶表示装置5に表示される。例えば、入賞時に保留表示を通常とは異なる表示態様で表示させると決定された場合は、ステップS1324の処理が行われることで、当該決定された態様の保留表示が液晶表示装置5に表示される。また、入賞後の所定のタイミングで保留表示を通常とは異なる表示態様で表示させると決定された場合や通常とは異なる態様で表示させないと決定された場合は、ステップS1324の処理では、通常色の標準保留画像57が表示される。
[演出制御基板130による変動開始コマンド処理]
以下、図38のステップS1304の変動開始コマンド処理の詳細について説明する。図41は、図38のステップS1304の変動開始コマンド処理の詳細フローチャートである。
図41に示すように、サブCPU131は、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS1341)。ここでは、サブCPU131は、受信した変動開始コマンドに基づいて、大当たりか否か、図柄の設定情報、変動パターン、遊技状態等を判別する。
次に、サブCPU131は、ステップS1341の判別結果に基づいて、変動演出決定処理を行う(ステップS1342)。ここで、サブCPU131は、大当たりか否かを示す図柄の設定情報、変動パターンおよび遊技状態に基づいて、演出内容を決定する。具体的には、サブCPU131は、図42に示す変動パターンに基づいて、変動演出として、画像音響制御基板140によって行われる画像や音声を用いた演出、および、ランプ制御基板150によって行われるランプや演出役物等を用いた演出の内容を決定する。
図42は、特別図柄の変動パターンとそれに対応する変動演出の内容の一例を示す図である。図42に示すように、図34のステップS310の変動パターン選択処理によって決定される変動パターンには複数の変動パターンがあり、大当たり判定処理の結果に基づいて、何れかの変動パターンが決定される。各変動パターンに応じて、変動演出の内容が決定される。
例えば、変動パターンP100は、実写映像Aが縮小表示された後に、拡大表示され、A演出に発展する変動パターンである。変動パターンP100には最終的に大当たりが報知される変動パターンと、ハズレが報知される変動パターンとがある。また、変動パターンP101は、実写映像Bが表示された後にB演出に発展する変動パターンであり、変動パターンP102は、実写映像Cが表示された後にC演出に発展する変動パターンである。サブCPU131は、変動パターンに応じて、実写映像の種類を決定したり、発展先の演出を決定したり、演出役物を作動させるか否か、作動させる場合の作動タイミングを決定したりする。例えば、サブCPU131は、実写映像が拡大表示されて次の演出に発展する際に、演出役物を作動させると決定する。
また、変動パターンP103は、実写映像A〜Cの何れかが縮小表示され、所定時間経過後に実写映像が消滅する変動パターンであり、図11に示す演出が行われる変動パターンである。
また、変動パターン104〜P106に基づく変動演出は、疑似変動演出を含む変動演出である。変動パターン104〜P106は、それぞれ、2回の疑似変動、3回の疑似変動、4回の疑似変動が行われる変動パターンである。変動パターン104〜P106にも、それぞれ、最終的に大当たりが報知されるパターンと、ハズレが報知されるパターンがある。4回の疑似変動が行われる変動パターンP106では、比較的高い確率(例えば、65%)で大当たりとなる。また、3回の疑似変動が行われる変動パターンP105では、例えば30%の確率で大当たりとなる。また、2回の疑似変動が行われる変動パターンP104では、例えば10%の確率で大当たりとなる。サブCPU131は、変動パターンP104の場合には、2回目の疑似変動演出を行う際に演出役物を作動させないと決定し、変動パターンP105の場合には、2回目の疑似変動演出を行う際に所定の確率で演出役物を作動させると決定する。変動パターン104〜P106に基づく変動演出は、疑似変動演出を含む変動演出である。
また、図42に示すように、リーチ演出Aが行われる変動パターンP107、リーチ演出Bが行われる変動パターンP108、および、リーチ演出Cが行われる変動パターンP109もある。この変動パターンP107〜P109に基づく変動演出では、リーチ演出中に専用動画が表示される。また、サブCPU131は、例えばリーチ演出が開始される際に演出役物を作動させるか否かを決定する。
また、変動パターンP110は、特殊ゾーン演出が行われる変動パターンである。この変動パターンP110に基づく特別図柄の変動では、図16で示した特殊ゾーン演出が行われる。具体的には、サブCPU131は、大当たりか否かに基づいて特殊ゾーン演出中に表示されるゾーン表示画像67の表示態様を決定する。ゾーン表示画像67には第1の態様、第2の態様および第3の態様があり、サブCPU131は、大当たりか否かに基づいて抽選を行うことで、これら3つの態様のうちの何れかを決定する。大当たりの場合はハズレの場合よりも第3の態様の選択率が高い。また、大当たりの場合はハズレの場合よりも第1及び/又は第2の態様の選択率は低い。これにより、ゾーン表示画像67が第1の態様で表示された場合は、大当たりの期待度は低く、第3の態様で表示された場合は、大当たりの期待度は高くなる。なお、例えば、ゾーン表示画像67の表示態様として第3の態様が決定された場合、特殊ゾーン演出の開始時は第1の態様でゾーン表示画像67が表示され、その後、ゾーン表示画像67が第2の態様に変化し、さらに第3の態様に変化してもよい。
また、変動パターンP200は、ハズレが報知される変動パターンであり、例えば、12秒の変動パターン、8秒の変動パターン、2秒の変動パターンがある。この変動パターンP200に基づく変動演出では、装飾図柄51は変動開始した後、リーチ状態とならずハズレの態様で停止される。なお、今回の特別図柄の変動に対応する保留表示が、上記ステップS1332において特定保留画像59に変化されている場合、装飾図柄51の変動表示に伴って、実写映像が縮小表示される。
図42に示す変動パターンに基づく演出では、変動パターンP100〜P103を除いて、専用動画による演出が行われる。すなわち、変動パターンP100〜P103に基づく特別図柄の変動が行われる場合は、実写映像による演出が行われ、それ以外の変動パターンでは、実写映像による演出は行われない。
図41に戻り、サブCPU131は、ステップS1343で決定した変動演出を画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に開始させるための変動演出開始処理を行う(ステップS1343)。具体的には、サブCPU131は、決定した変動演出に基づくコマンドを画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に送信し、変動演出を開始させる。そして、サブCPU131は、保留数を「1」だけ減算し(ステップS1344)、図41に示す処理を終了する。
以上のように、遊技制御基板100からの保留コマンドに基づいて、先読み演出が行われ、遊技制御基板100からの変動開始コマンドに基づいて、変動演出が行われる。
例えば、始動口への遊技球の入賞時に遊技制御基板100によって変動パターンP100〜P102が決定された場合には、図8で示した演出が行われる。具体的には、画像音響制御基板140の統括CPU141は、ステップS1323の処理に応じて保留表示を特定保留画像59に変化させ、ステップS1343で保留が消化される毎に実写映像を縮小表示させる。変動パターンP100〜P102に基づく変動演出が行われる際には、統括CPU141は、実写映像を縮小表示させてから所定時間経過後に拡大表示させ、その後、実写映像に応じた演出を実行する。
また、例えば変動パターンP104〜P106に基づいて変動演出が行われる場合には、図21および図22で示した演出が行われる。例えば、統括CPU141は、変動パターンP105に基づいて変動演出を行う場合には、装飾図柄51を変動開始させた後、再び装飾図柄51を疑似変動(2回目の疑似変動)させる。この2回目の疑似変動の際に、統括CPU141は、演出役物71を作動させるためのデータを演出制御基板130に送信し、演出制御基板130がデータをランプ制御基板150に転送する。このデータを受信したことに応じて、ランプ制御基板150は演出役物71を作動させる。
また、例えば変動パターンP107〜P109に基づいて変動演出を行う場合には、統括CPU141は、専用動画を用いたリーチ演出A〜Cの何れかを行う。具体的には、統括CPU141は、変動演出として、装飾図柄51を変動開始させた後リーチ演出A〜Cを実行し、リーチ演出の結果として大当たりか否かを報知する。
また、例えば変動パターンP110に基づいて変動演出が行われる場合には、図16および図17で示した演出が行われる。具体的には、統括CPU141は、装飾図柄51を変動開始させた後に特殊ゾーン演出に突入したことを示す表示を行う。特殊ゾーン演出中は、ゾーン表示画像67が表示される。その後、統括CPU141は、リーチ演出(上記リーチ演出A〜Cの何れかであってもよいし、専用のリーチ演出であってもよい)を行い、大当たりか否かを報知する。なお、特殊ゾーン演出は、変動パターンP110を含む保留コマンドを受信したことに基づいて開始され、変動パターンP110に基づく変動演出において終了してもよい。すなわち、特殊ゾーン演出は、複数の特別図柄の変動にわたって行われてもよい。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、本実施形態では、先読み演出として実写映像を示唆する保留画像を表示するものとしたが、他の実施形態では、特定のコンテンツとしてアニメ、漫画、テレビ番組等を題材としたパチンコ遊技機が作成され、特定のコンテンツを用いた演出を示唆する保留画像を表示してもよい。また、保留画像に限らず、特定のコンテンツを用いた演出を示唆する他の画像を表示することで先読み演出を行ってもよい。また、保留表示としてLEDを用い、LEDの発光態様によって、特定のコンテンツを用いた演出を示唆してもよい。また、特定のコンテンツを用いた演出を示唆する先読み演出として演出役物を作動させてもよい。
また、上記では第1特別図柄判定の権利の保留に対して上記先読み演出を行ったが、第2特別図柄判定の権利の保留に対して同様の演出を行ってもよい。
また、本実施形態では特殊ゾーン演出が行われていることを示す特定表示としてゾーン表示画像67を表示したが、他の実施形態では、このような画像に限らず、他の演出手段(演出役物や盤ランプ等)を用いて特殊ゾーン演出が行われていることを示してもよい。この場合、例えば演出役物の演出態様(動作態様や発光態様)、盤ランプ25の発光態様等によって、大当たりに対する期待度を示唆してもよい。
また、本実施形態では、演出役物が作動を作動させることで、3回以上の疑似変動演出が行われることを示した。他の実施形態では、疑似変動演出に限らず、段階数が多いほど期待度が高くなる多段階演出が行われ、演出役物や他の画像を用いた所定の示唆演出を行うことで、所定数以上の段階の演出が行われることを示唆してもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄の変動中に演出役物を作動させることで、その特別図柄の変動において、3回以上の疑似変動演出が行われることを示した。他の実施形態では、特別図柄判定の権利に対する事前判定の結果に基づいて、事前判定演出(先読み演出)として、3回以上の疑似変動演出が行われることを示す演出を行ってもよい。例えば、特別図柄の変動中に始動口(11又は12)に遊技球が入賞した場合に、先読み判定が行われ、その先読み判定に係る特別図柄の変動が行われた場合に、3回以上の疑似変動演出が行われるか否かを事前判定する。その判定結果に基づいて、先読み演出として疑似変動演出が3回以上行われることを示す演出(演出役物を作動させたり、画像を表示したり、音声を出力したり、盤ランプを発光させたり、演出ボタン26を用いた演出等)を実行してもよい。
例えば、先読み演出として、その先読み判定の対象の権利に係る変動が開始される前は、例えば、遊技者に視聴しにくい(不明瞭な)音声を出力してもよい。ここで、不明瞭な音声とは、例えば、音量の小さい音声であったり、ノイズが加わった音声である。そして、その先読み判定の対象の権利に係る変動が行われたときに、不明瞭な音声が遊技者に視聴しやすい明瞭な音声に変化する。例えば、先読み判定の対象の権利に係る特別図柄の変動が開始されると(又は開始される前に)、不明瞭な音声が明瞭な音声に徐々に変化する。明瞭な音声に変化すると、その変動において必ず疑似変動演出が3回以上行われ、疑似変動演出の後、リーチ演出等が行われる。この場合において、明瞭な音声に変化しなかった場合には、疑似変動演出は3回以上行われず、ハズレとなる(又は他の期待度の低いリーチ演出が行われる)。
また、上記実施形態では、V入賞を条件として高確率状態に移行させるようにしたが、他の実施形態では、大当たり遊技が行われると100%の確率で高確率状態に移行させ、所定回数の特別図柄判定が行われると通常遊技状態に戻るように構成されてもよい。また、他の実施形態では、大当たり図柄によって高確率状態か低確率状態かに移行させ、高確率状態が次の大当たりがとなるまで継続するように構成されてもよい。
また、上述した演出は単なる一例であり、本発明は上述したものに限定されない。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
本発明に係る遊技機は、所定条件が成立(始動口に遊技球が入賞)すると、取得情報を取得する取得手段と、始動条件が成立すると、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)を行う判定手段(図34のS309)と、前記始動条件の成立に応じて、図柄表示手段において所定の図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄表示制御手段(図34のS312、S317)と、前記図柄が変動されているときに前記取得手段によって取得情報が取得された場合、当該取得情報を記憶して前記特別遊技判定の権利として保留する保留記憶手段(図31のS213〜S216)と、前記保留記憶手段に保留された特別遊技判定の権利に対応する保留表示(標準保留画像57、特定保留画像59等)を表示する保留表示制御手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、前記図柄の変動中に、特別遊技が行われることに対する期待度が通常よりも高いことを示す演出であって、特定のコンテンツ(特定の映画)の少なくとも一部を用いた動画映像(実写映像66)による演出を行う演出実行手段と、前記始動条件が成立する前に、前記取得手段によって取得された取得情報に基づいて、前記動画映像による演出が行われるか否かを判定する事前演出判定手段と、を備え、前記保留表示制御手段は、前記事前演出判定手段によって前記動画映像による演出が行われると判定された前記権利に対応する保留表示を、前記動画映像による演出が行われることを示唆する特定の態様(特定保留画像59)で表示することが可能である。
上記構成によれば、保留表示を特定の態様で表示することで、特定のコンテンツを用いた動画映像(生映像)による演出が行われることを示唆することができる。特定のコンテンツの少なくとも一部を用いた動画映像が表示される場合は、特別遊技が行われる期待度が高いため、遊技者の期待感を高めることができる。また、特定のコンテンツの映像が表示されることを事前に示唆することで遊技者は特定のコンテンツの映像を見逃さずに視聴することができる。
また、他の構成に係る遊技機は、始動条件の成立に基づいて、特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段(図34のS309)と、前記判定手段による判定結果に基づいて、特別遊技が行われることに対する期待度が通常よりも高いことを示す特定演出(特殊ゾーン演出)を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出の実行中に当該特定演出が行われていることを示す特定表示(ゾーン表示画像67)を行う特定表示制御手段とを備え、前記特定表示制御手段は、複数の表示態様のうちの何れかの表示態様で前記特定表示を行うことが可能であり、特別遊技が行われることに対する期待度を当該特定表示の表示態様で示すことが可能である(例えば、図17(a)〜(c))。
上記構成によれば、期待度の高い特定演出が行われていることを示す特定表示の表示態様によって、特別遊技が行われることに対する期待度を示唆することができる。特定演出を行うことにより、遊技者の期待感を高めるとともに、特定表示の表示態様によって遊技者の期待感をさらに高めることができる。
また、他の構成に係る遊技機は、始動条件の成立に基づいて、特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段(図34のS309)と、前記判定手段による判定結果に基づいて、複数の段階にわたって行われる演出であって、段階数が多いほど特別遊技が行われる期待度が高いことを示す多段階演出(疑似変動演出)を実行する演出実行手段と、前記多段階演出において所定数の段階の演出が行われることを示す示唆演出を、当該所定数の段階の演出が開始される前に実行する示唆演出実行手段(図23(f)において演出役物71を作動させる)とを備える。
上記構成によれば、示唆演出を行うことで、多段階演出における所定数の演出が行われることを示唆することができ、遊技者の期待感を高めることができる。