JP6700420B2 - ヘッドホン - Google Patents

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Description

この開示は、ヘッドホンに関する。
ヘッドホンは典型的には、耳の中に、耳の上に、または耳を覆って位置付けられる。1つの結果は、外部の音が塞がれるということである。これは、着用者が会話に参加する能力ならびに着用者の環境意識/状況認識に影響を及ぼす。それ故に、少なくともいくつかの状況においては、外部の音がヘッドホンを使用する人の耳に達することを可能にすることが望ましい。
ヘッドホンは、外部の音が着用者の耳に達することを可能にするために、耳から離れて位置するように設計されることもある。しかしながら、そのような場合、ヘッドホンによって発せられる音が、他の人に聞こえるようになる可能性がある。ヘッドホンが、耳の上または中に位置付けられないときには、ヘッドホンによって発せられる音が他の人に聞こえることを防ぐのが最良である。
本明細書で開示されるヘッドホンは、1つまたは複数の音響ドライバを有する。音は、ドライバ隔膜の前側および後側の両方から放射される。ドライバは、耳から離れて位置付けられ、その結果着用者は、会話および他の環境音を聞くことができる。単一ドライバ実施では、ドライバは、前方および後方に対称的に装着されるように配置される。ドライバの対称的装着は、それを低周波数において近似的に双極子のように振る舞わせ、それ故に音は、遠距離場において相殺する。高周波数においてより高次の指向性パターンを達成するために、抵抗メッシュが、ドライバに対称的に適用可能である。しかしながら、これは、その低周波数出力を低減する可能性がある。高周波数においては、対称的に装着されたドライバは、カージオイド(cardioid)またはハイパーカージオイド(hypercardioid)などのより高次の指向性パターンを示し、単一ドライバはそれ故に、高周波数において指向性を示すことができる。これは、音が他の人によって聞かれるのを防止しながら、ユーザが音を聞くことを可能にすることができる。
二重ドライバ構成では、高周波数ドライバは、低周波数ドライバよりも耳により近く位置決めされ、制御モジュールは、平均化するのに十分な出力および所望の周波数範囲においてより高次の指向性パターンを得るという目標の最適な組み合わせに基づいて選択されるクロスオーバ周波数において低周波数ドライバと高周波数ドライバとを切り替える。1つの特定の限定されない例では、このクロスオーバ周波数は、約500Hzである。低周波数ドライバは、双極子のように振る舞い、高周波数ドライバは、より高次の指向性パターンを有する。それ故に、この構成は、低周波数出力を維持しながら、単一ドライバ実施と同様の効果を効率的に達成する。そして、単一ドライバ実施でのように、高周波数ドライバおよび低周波数ドライバの両方は、耳の近くに浮いていることもあり得るし、またはそれらは、音を耳の方へ向けるポートを用いて耳の上方に/後方に位置決めされることもあり得る。
以下で言及されるすべての例および特徴は、任意の技術的に可能な方法で組み合わされてもよい。
一態様では、ヘッドホンは、ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられるように支持構造物によって担持される、音響ドライバとを含む。音響ドライバは、前側および後側を有し、音は、音響ドライバの両側から放射される。音響ドライバの前側に第1の音響室および音響ドライバの後側に第2の音響室を規定する構造物があり、第1の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有し、第2の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有する。低周波数においては、音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞い、高周波数においては、音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示す。より高次の指向性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含み得る。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ヘッドホンはさらに、音響ドライバに隣接するバッフルを備えてもよい。ヘッドホンはさらに、音響ドライバのための筐体を備えてもよく、音響ドライバは、筐体の内部に位置付けられる。筐体は、ユーザの耳の上方にまたは後方に位置付けられてもよい。筐体は、音響ドライバの前部に音響的に結合される第1のポートおよび音響ドライバの後部に音響的に結合される第2のポートを備えてもよい。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ドライバの前側、第1の音響室および第1の音響室内の少なくとも1つの開口は一緒に、第1の実効インピーダンスを有してもよく、ドライバの後側、第2の音響室および第2の音響室内の少なくとも1つの開口は一緒に、第2の実効インピーダンスを有してもよい。一例では、第2の実効インピーダンスに対する第1の実効インピーダンスの比は、約20Hzから約2kHzに及ぶ周波数においておよそ0.95からおよそ1.05に及ぶ。別の例では、第2の実効インピーダンスに対する第1の実効インピーダンスの比は、約2kHzを上回る周波数においておよそ0.95未満である。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ヘッドホンはさらに、第1および第2の音響室内の開口の1つもしくは複数、またはすべてに近接する音響抵抗材料を備えてもよい。音響抵抗材料は、プラスチック、テキスタイル、金属、透過性材料、織った材料、スクリーン材料、およびメッシュ材料の少なくとも1つを含んでもよい。音響抵抗材料は、約5MKSレイリー(Rayl)から約100MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有してもよい。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。第1および第2の音響室を規定する構造物は、ドライバの前側を取り囲む第1のデバイスおよびドライバの後側を取り囲む第2のデバイスを備えてもよい。第1および第2のデバイスはそれぞれ、バスケットを備えてもよい。音響ドライバの前側および後側の音響インピーダンスは、近似的に等しくてもよい。第1および第2の音響室はそれぞれ、複数の開口をその中に有してもよい。第1の音響室内の開口および第2の音響室内の開口は、音響ドライバが、対称的に装着されるように、近似的に同じ等価インピーダンスを有するように構成されてもよい。
別の態様では、ヘッドホンは、ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、音響ドライバであって、ユーザの耳から離れてかつ矢状面内に見るとき耳介の外部に位置付けられるように支持構造物によって担持される、音響ドライバと、第1の音響ドライバの前側に第1の音響室を規定する第1のデバイスであって、少なくとも1つの開口をその中に有する、第1のデバイスと、第1の音響ドライバの後側に第2の音響室を規定する第2のデバイスであって、少なくとも1つの開口をその中に有する、第2のデバイスと、第1のデバイスから延びるボディ部であって、矢状面から見るとき耳介の一部分を覆う、ボディ部とを含む。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。第1および第2のデバイス内の開口は、近似的に同じ全体的音響インピーダンスを有するように構成されてもよい。低周波数においては、音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞ってもよく、高周波数においては、音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示してもよく、より高次の指向性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含んでもよい。
別の態様では、ヘッドホンは、ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられるように支持構造物によって担持され、前側および後側を有し、音が音響ドライバの両側から放射される、音響ドライバと、音響ドライバの前側に第1の音響室および音響ドライバの後側に第2の音響室を規定する構造物であって、第1の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有し、第2の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有する、構造物とを含む。音響ドライバのための筐体があり、音響ドライバは、筐体の内部に位置付けられ、筐体は、音響ドライバの前部に音響的に結合される第1のポートおよび音響ドライバの後部に音響的に結合される第2のポートを備える。ドライバの前側、第1の音響室、および第1の音響室内の少なくとも1つの開口は一緒に、第1の実効インピーダンスを有し、ドライバの後側、第2の音響室、および第2の音響室内の少なくとも1つの開口は一緒に、第2の実効インピーダンスを有する。第2の実効インピーダンスに対する第1の実効インピーダンスの比は、約20Hzから約2kHzに及ぶ周波数においておよそ0.95からおよそ1.05に及ぶ。低周波数においては、音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞い、高周波数においては、音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示す。
別の態様では、ヘッドホンは、ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、低周波数音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられるように支持構造物によって担持され、前側および後側を有する、低周波数音響ドライバと、高周波数音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられかつ第1の音響ドライバよりも耳により近く位置付けられるように支持構造物によって担持され、前側および後側を有する、高周波数音響ドライバと、低周波数ドライバが、第1の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にし、高周波数ドライバが、第2の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にするように構成されるコントローラであって、第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲よりも高い、コントローラとを含む。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。低周波数音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞ってもよい。高周波数音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示してもよく、それは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含んでもよい。第1の周波数範囲は、約500Hzを下回る周波数を含んでもよく、第2の周波数範囲は、約500Hzを上回る周波数を含んでもよい。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。高周波数ドライバは、高周波数ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する筐体によって囲まれてもよい。ヘッドホンはさらに、後部室をヘッドホンの外部の環境に音響的に結合するポートを筐体の後側に備えてもよい。ヘッドホンはさらに、ポートに近接する音響抵抗材料を備えてもよい。音響抵抗材料は、プラスチック、テキスタイル、金属、透過性材料、織った材料、スクリーン材料、およびメッシュ材料の少なくとも1つを含んでもよい。音響抵抗材料は、約5MKSレイリーから約500MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有してもよい。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。低周波数ドライバは、低周波数ドライバの前側に音響的に結合される前部室、および低周波数ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する筐体によって囲まれてもよい。筐体は、前部室に音響的に結合される第1のポートおよび後部室に音響的に結合される第2のポートを備えてもよい。ヘッドホンはさらに、高周波数音響ドライバに隣接するバッフルを備えてもよい。クロスオーバ周波数は、低周波数ドライバの出力および高周波数ドライバからのより高次の指向性パターンの組み合わせに基づいて選択されてもよい。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。低周波数ドライバは、ユーザの耳から離れてかつ矢状面内に見るとき耳介の外部に位置付けられてもよい。ヘッドホンはさらに、矢状面から見るとき耳介の一部分を覆うボディ部を備えてもよい。高周波数ドライバは、ボディ部によって担持されてもよい。ボディ部は、バッフルであってもよい。
別の態様では、ヘッドホンは、ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、低周波数音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられるように支持構造によって担持され、低周波数音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞う、低周波数音響ドライバと、高周波数音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられかつ第1の音響ドライバよりも耳により近く位置付けられるように支持構造物によって担持され、高周波数音響ドライバの極性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含むより高次の指向性パターンを示す、高周波数音響ドライバとを含む。高周波数ドライバは、高周波数ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する筐体によって囲まれ、さらに後部室をヘッドホンの外部の環境に音響的に結合するポートを筐体の後側に備える。低周波数ドライバが、第1の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にし、高周波数ドライバが、第2の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にするように構成されるコントローラがあり、第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲よりも高い。ヘッドホンはさらに、ポートに近接する音響抵抗材料を備えてもよく、音響抵抗材料は、約5MKSレイリーから約500MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有する。
別の態様では、ヘッドホンは、ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、低周波数音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられるように支持構造物によって担持され、低周波数音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞う、低周波数音響ドライバとを含む。低周波数ドライバは、低周波数ドライバの前側に音響的に結合される前部室および低周波数ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する第1の筐体によって囲まれ、第1の筐体は、前部室に音響的に結合される第1のポートおよび後部室に音響的に結合される第2のポートを備える。高周波数音響ドライバであって、ユーザの耳から離れて位置付けられかつ第1の音響ドライバよりも耳により近く位置付けられるように支持構造物によって担持され、高周波数音響ドライバの極性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含むより高次の指向性パターンを示す、高周波数音響ドライバがある。高周波数ドライバは、高周波数ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する第2の筐体によって囲まれ、さらに後部室をヘッドホンの外部の環境に音響的に結合するポートを第2の筐体の後側に備える。コントローラは、低周波数ドライバが、第1の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にし、高周波数ドライバが、第2の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にするように構成され、第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲よりも高い。
実施形態は、次の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。低周波数ドライバは、矢状面内に見るとき耳介の外部に位置付けられてもよい。ヘッドホンはさらに、矢状面から見るとき耳介の一部分を覆うボディ部を備えてもよい。高周波数ドライバは、ボディ部によって担持されてもよい。
ヘッドホンの概略的な部分的横断面図である。 ヘッドホンのための音声ユニットの下面図である。 図2Aの線2B-2Bに沿った横断面図である。 従来技術の音響ドライバからの前方、後方およびオフアクシスの放射のプロットである。 図2の音声ユニットからの前方、後方およびオフアクシスの放射を例示する図である。 異なる周波数における図2の音声ユニットのドライバの出力の極性プロットである。 異なる周波数における図2の音声ユニットのドライバの出力の極性プロットである。 別のヘッドホンの概略的な部分的横断面図である。 図5のヘッドホンの低周波数ドライバの双極子挙動を例示するプロットである。 図5のヘッドホンの高周波数ドライバの指向性挙動を例示するプロットである。 図5のヘッドホンの2つの異なる構成について耳に受け取られる音のプロットであり、低周波数出力を増加させるためにバッフルを使用する利点を例示する。 図5のヘッドホンのための制御システムの概略的ブロック図である。
本明細書でのヘッドホンは、1つまたは複数の音響ドライバを有することができる。ドライバは、着用者が、会話および他の環境音を聞くことができるように、耳から離れて(典型的には、頭部から離れるがしかし耳の近くに、または首/上部胴体の上もしくはあたりに)位置付けられる。本明細書でのヘッドホンは、いくつかの例では、広い帯域幅の音声を演奏するように適合される。ヘッドホンが、スピーチ帯域だけに焦点を合わせるように設計される場合には、低周波数ドライバは、必要とされないこともある。ヘッドホンの単一ドライバ実施では、ドライバの前および後ろに構造物がある。これらの構造物は、ドライバが、対称的に装着されるように、同じまたは近似的に同じ等価音響インピーダンスを有する。ドライバの対称的装着は、双極子挙動をより高い周波数まで維持し、その周波数を上回るとドライバは、カージオイドまたはハイパーカージオイドなどのより高次の指向性パターンを示す。単一ドライバはそれ故に、高周波数において指向性を示すことができる。この設計は、音が他の人によって聞かれるのを防止しながら、ユーザがヘッドホンによって発せられる音を聞くことを可能にし、なおユーザが会話および環境音を聞くことを可能にする。
一例では、ドライバの対称的装着は、前部および後部の音響空洞を規定するためにドライバの前および後ろにバスケットを配置することによって成し遂げられる。各バスケット内に1つまたは複数の開口がある。前部および後部の開口は、近似的に同じ等価音響インピーダンスを有するように構成されてもよい。これは、例えば、開口の長さおよび断面積の1つもしくは複数を変更することによって、かつ/または開口内に音響抵抗材料を含むことによって達成されてもよい。両側での等価インピーダンスが、整合される限り、任意の数またはサイズの開口があってもよい。開口は、等価音響抵抗を調整するためにオプションの音響抵抗材料を担持することができる。この構成では、ドライバは、低周波数においては双極子のように振る舞い、高周波数においてはより高次の指向性パターンを有する。
一例では、筐体内でドライバの前部および後部にポートがあってもよい。対称的装着は、ポートのインピーダンスを整合させることによって容易にすることができる。これは、例えば、ポートの長さおよび断面積の1つもしくは複数を変更することによって、かつ/またはポート内に音響抵抗材料を含むことによって達成することができる。この実施では、ドライバは、耳の近くに浮いているまたはポートを用いて耳の上方に/後方に位置決めされることもあり得る。
2つのドライバを用いる実施では、低周波数ドライバは、単一ドライバ実施でのように、ドライバの前部および後部において整合される音響インピーダンスを有する必要はない。高周波数ドライバもまた、ドライバ隔膜の前面および後面の両方から音を放射する標準的なドライバとすることができる。高周波数ドライバは、筐体内に後部空洞ポートを有することができ、このポートは典型的には、音響インピーダンスを調整するために、音響メッシュ材料によって覆われるが、しかし必ずしもとは限らない。高周波数ドライバは、低周波数ドライバよりも耳により近く位置決めされてもよい。この実施では、制御モジュールは、平均化するのに十分な出力および所望の周波数範囲においてより高次の指向性パターンを得るという目標の最適な組み合わせに基づいて選択されるクロスオーバ周波数において低周波数ドライバと高周波数ドライバとを切り替えるということになる。場合によっては、クロスオーバ周波数を下回ると低周波数ドライバが、双極子のように放射するように設計される、低周波数ドライバと関連するポートがある。1つの特定の限定されない例では、クロスオーバ周波数は、約500Hzである。低周波数ドライバは、双極子のように振る舞い、高周波数ドライバは、より高次の指向性パターンを有する。それ故に、この構成は、所望の低周波数出力を維持しながら、単一ドライバ実施と同様の音放射効果を効率的に達成する。そして、単一ドライバ実施でのように、高周波数ドライバおよび低周波数ドライバの両方は、耳の近くに浮いていることもあり得る、またはそれらは、音を耳の方へ向けるポートを用いて耳の上方に/後方に位置決めされることもあり得る。
図1のヘッドホン10は、ユーザの頭部20、または別法として上部胴体もしくは首に位置するように適合される支持構造物12を含む。この限定されない例での支持構造物12は、頭部20に位置し、1つまたは両方の耳22および24を通じてユーザによって聞かれる音を発する音声ユニット30を担持するヘッドバンド14を含む。1つの音声ユニットが、1つの耳に近接して示されるが、しかし2つの音声ユニットが、各耳に近接して(典型的には離れて、上方にまたは後方に)1つずつあるということもあり得る。音声ユニット30は、耳24に触れないように担持される。1つの結果は、ユーザが、音声ユニット30から発する音もまた聞きながらでさえも、なお会話および他の環境音を聞くことができるということである。クッションまたはスタンドオフ16および18は、音声ユニット30の位置をそれが耳24から離れているように維持する1つの限定されない手段である。ボディ部に結合可能であり、音声ユニットを耳に比較的近いがしかし耳には触れずに維持する支持構造物12の他の構成は、当業者には明らかであるということになり、本開示の範囲内に含まれる。別のスタイルの支持構造物の1つの限定されない例は、音を耳の方へ投影する音声ユニットとともに、首/肩エリアの周りに着用されるように構成され、配置されるうなじバンドであるということになる。
音声ユニット30は、音響変換器(ドライバ)32を含む。ドライバ32は、前側および後側を有し、音は、ドライバ32の両側から放射される。ドライバ32は、前部および後部から音を放射することができる、現在知られているまたは今後開発される任意の種類のドライバとすることができる。ドライバ32は、構造物38の内部に位置付けられる。構造物38は、ドライバ32の前側に第1の音響室34およびドライバ32の後側に第2の音響室36を規定するように、十分に開いている。部屋34は、音が出ることができる1つまたは複数の前部開口40を有し、部屋36は、音が出ることができる1つまたは複数の後部開口42を有する。低周波数においては(典型的には約500Hzに至るまでのまたはおそらく1000Hz周辺の周波数を意味するが、しかし必ずしもとは限らない)、ドライバ32の極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞い、高周波数においては(典型的には約500Hzを超えるが、必ずしもとは限らない)、ドライバ32の極性パターンは、より高次の指向性パターンを示す。そのようなより高次の指向性パターンの例は、以下でさらに説明されるように、カージオイドおよびハイパーカージオイドのパターンを含む。全音声ユニット30は、筐体または他の構造物に囲まれてもよい。
いくつかの例では、ドライバ32の前側および後側の音響インピーダンスは、近似的に等しい。いくつかの例では、開口40および42は、近似的に同じ音響インピーダンスを有するように構成され、好ましくは第1および第2の開口またはポートは、およそ1.1未満の音響インピーダンス比を有するように構成される。開口40および部屋34は、「Zfront」の実効インピーダンスを有し、一方開口42および部屋36は、ドライバ32の背部空洞インピーダンスと一緒に、実効インピーダンス「Zback」を有する。1つの限定されない例では、音響インピーダンス比Zfront/Zbackは、約20Hzから約2kHzの周波数範囲においておよそ0.95からおよそ1.05におよび、約2kHzを上回るとおよそ0.95未満である。20〜2000Hzの比率範囲は、双極子挙動を維持し、従って遠距離場相殺の帯域幅を拡張するのに望ましい。より高い周波数では、これらの周波数において環境に放射される音は、よりうるさいと知覚されるので、背部からの放射を低減し、カージオイド/ハイパーカージオイドのパターンを達成することが、望ましい。いくつかの例では、開口40および42の各々に近接する(例えば、覆うまたは充填する)音響抵抗材料がある。限定されない例では、音響抵抗材料は、プラスチック、テキスタイル、金属、透過性材料、織った材料、スクリーン材料、およびメッシュ材料の少なくとも1つを含む。メッシュ材料は、音響インピーダンスを有する。音響インピーダンスは、高周波数において高い指向性を提供しながら、低周波数出力にわずかな影響しか及ぼさないようなものであるべきである。限定されない例では、特に単一ドライバとともに使用するために、音響抵抗材料は、約5MKSレイリーから約100MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有する。ドライバ32の前側および後側の等価音響インピーダンスを整合させることは、ドライバ32の低周波数双極子挙動を最大にするのに役立つ。
図2Aは、ヘッドホンに使用されてもよい音声ユニット50の下面図である。図2Bは、図2Aの線2B-2Bに沿った横断面図である。音声ユニット50は、隔膜/縁取り(surround)54、磁石/コイルアセンブリ62および構造物またはバスケット56を含むドライバ52を含む。後部音響室55は、隔膜54の後方に位置付けられる。開口58、60および81〜86は、バスケット56の後側に形成される。1つまたは複数のそのような開口があってもよい。各開口の面積、および全体での開口の面積は、ドライバの後部において所望の音響インピーダンスを達成するように選択される。開口はまた、管を備えてもよく、各管の長さは、ドライバの後部において所望の音響インピーダンスを達成するように選択されてもよい。限定されない例では、音響抵抗材料59は、開口58の中にまたは覆って位置付けられ、音響抵抗材料61は、開口60の中にまたは覆って位置付けられる。典型的には開口の各々は、ドライバの後部において特定の音響インピーダンスを開発するために、音響抵抗材料によって覆われるが、必ずしもとは限らない。
一例では、ドライバの後部および前部における音響インピーダンスは、より広い帯域幅の遠距離場相殺を達成するために近似的に同じである。これは、音響室65が、ドライバの前部に形成されるように、隔膜/縁取り54の前にかつ周囲に位置付けられる第2のバスケットまたは構造物66を含むことによって成し遂げることができる。バスケット66は、バスケット56と同じとすることができるが、同じである必要はなく、ドライバの前部および後部に同じ音響インピーダンスを生成するために、同じ開口および開口内に同じ音響抵抗材料を含むことができる。音響抵抗材料69および71を充填された開口68および70は、この態様を概略的に例示するために、図示される。音響抵抗材料は、低周波数においては双極子パターンおよび高周波数においてはより高次の指向性パターンを達成するために所望の音響インピーダンスを制御するのに役立つ。しかしながら、インピーダンスの増加は、低周波数出力の減少をもたらすこともある。
図3Aは、メッシュで覆われた開口を有する後部バスケットがあるが、しかしこの場合前部バスケット66はない(それは、ドライバの前部が開いているという結果になる)、図2Aのドライバ52などの例となる音響ドライバからの前方(曲線43)、後方(曲線44)および90度オフアクシス(曲線45)の放射を例示する。高周波数においては(この場合、約1,000Hzを上回る)、前方および後方の放射は、大きさが整合されず、90度において測定されるオフアクシスの放射は、比較的大きい大きさを有する。この状況では、音響ドライバから放射される音は、音響ドライバを着用していないが、音響ドライバの近くまたは周辺にいる人たちに聞こえるようになる可能性がより高いということになる。
図3Bは、図2Aおよび図2B(すなわち、前部バスケット66を含む)だが、しかし近似的に同じ等価インピーダンスを有する非封鎖の開口(すなわち、前部および後部の音響室の開口内にどんな音響抵抗材料もない)を有する前部および後部の両バスケット66、56がある、音声ユニット30からの前方(曲線46)、後方(曲線47)および90度オフアクシス(曲線48)の放射を例示する。前方および後方の放射は、4〜5kHz周辺に至るまで良く整合され、一方オフアクシスの放射は、より小さい大きさを有する。
図3Aおよび図3Bのデータは、ドライバの前部および後部における整合された音響インピーダンスが、より広い帯域幅について双極子パターンを維持しかつより高い周波数において指向性を示すのに役立ち、遠距離場における音出力の低減をもたらすということを例示する。データはまた、メッシュを使用することのトレードオフ(低周波数出力の損失、しかし高周波数におけるより高い指向性)も例示する。
低周波数において、音響ドライバはしばしば、双極子放射パターンを示し、その場合音は、反対方向に、180度位相がずれて放射される。図4Aおよび図4Bは、後部室開口を覆う音響抵抗メッシュ材料がある場合およびない場合の、図2Aのドライバ52などのドライバの出力の極性プロットである。図4Aのプロットは、200Hzにおいて取得され、メッシュのない場合(曲線90)およびメッシュのある場合(曲線91)の典型的な双極子放射を示す。図4Bのプロットは、4000Hzにおいて同じドライバから取得され、メッシュがある場合(曲線93)は、180度(後側)と比較して、0度(前側)において著しくより大きい放射を有するハイパーカージオイドパターンを示し、遠距離場へのより少ない放射をもたらす。メッシュがない場合(曲線92)、パターンは、双極子により近い。これは、主題のヘッドホンの単一ドライバ実施の例を示し、低周波数においては、音は、遠距離場において相殺され、高周波数においては、音エネルギーの大部分は、他の方向よりもむしろ着用者の耳の中に向けられる。
別の例となるヘッドホンは、図5に示され、それは、単一ドライバヘッドホンのための構成および二重ドライバヘッドホンのための構成の両方を例示する。ヘッドホン100は、頭部102に位置する支持構造物106を介して耳104から離れて保持される音声ユニット112を含む。他の例では、支持構造物106は、ユーザの上部胴体または首に位置するように適合されてもよい。音声ユニット112は、筐体111内に位置付けられる第1の音響ドライバ110を含む。筐体111は、耳104の上方または後方に位置付けられてもよいが、しかし必ずしもその必要はない。筐体111は、前部音響室114および後部音響室116を規定する。第1の音響ドライバ110の前部に音響的に結合され、それが一般に耳104に近く、それで音を耳の方へ向けるように位置付けられる第1のポート115、および第1の音響ドライバ110の後部に音響的に結合され、それが耳104からポート115よりも遠くに離れ、ポート115からの音と位相が180度ずれて放射するように位置付けられる第2のポート117があってもよい。ポート115および117は、近似的に同じ音響インピーダンスを有するように構成されてもよいが、しかし必ずしもその必要はない。これは、例えば、ポートの長さおよび断面積の1つもしくは複数を変更することによって、かつ/または音響抵抗材料をポート内に含むことによって達成されてもよい。ポート115および117は、ポートに近接する音響抵抗材料を有してもよいが、しかし必ずしもその必要はない。そのような材料が、使用されるとき、それは、プラスチック、テキスタイル、金属、透過性材料、織った材料、スクリーン材料、およびメッシュ材料の少なくとも1つとすることができる。そのような材料が、使用されるとき、それは、約5MKSレイリーから約500MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有することができる。
ヘッドホン100はまた、この限定されない例では、ドライバ110に隣接し、筐体111から耳の横断面に向かって下方にだが、しかし耳から最も離れたポート115の側に延びるボディ部またはバッフル120を含んでもよい(しかし必ずしもその必要はない)。1つの限定されない例では、バッフル120は、矢状面から見るとき耳介の一部分を覆うように筐体111から延びる。バッフルは、音響的に不透明である。この場合、バッフル120は、ポート115に隣接して位置付けられる。バッフル120は、ポート115から離れる放射を拘束し、向け直すのに有効である。バッフル120は、バッフルのないヘッドホンと比較して、ポート115から離れる放射のより多くを耳104の方に向けるのに有効である可能性がある。
この限定されない例でのヘッドホン100はまた、第2の音響ドライバ122を含んでもよい(しかし必ずしもその必要はない)。しかしながら、ヘッドホン100は、ポート115および117を有しかつバッフル120を含んでもよい(または含まなくてもよい)筐体111内にドライバ110だけを有する単一ドライバヘッドホンとして構成されてもよい。第2のドライバ122が、存在するとき、それは、第2の音響ドライバ122が、第1の音響ドライバ110よりも耳により近いように、支持構造物によって担持されてもよい。この結果を達成する1つの限定されない仕方は、第2のドライバ122が、バッフル120によって担持されるまたはさもなければバッフル120に機械的に結合されるように、ヘッドホンを配置することである。ドライバ122は好ましくは、耳104に向かって直接放射するように取り付けられる。なお好ましくは、ドライバ122のための筐体123は、抵抗メッシュ125を有する後部ポート124を含む。バッフル120が、耳104の約半分(例えば、図面に示されるように、上半分)を覆うように配置されるとき、ドライバ122は、耳104の前にだが耳104から間隔を置いて直接位置付けられてもよい。
一例では、第1の音響ドライバ110は、双極子放射パターンを示す低周波数ドライバであり、第2の音響ドライバ122は、カージオイドまたはハイパーカージオイドなどの、より高次の指向性パターンを示す高周波数ドライバである。コントローラまたはプロセッサは、ヘッドホン100によって出力されるべき音の周波数に基づいて2つのドライバ110、122を切り替えてもよい。例えば、低周波数(例えば、およそ500Hzでのまたはそれを下回る周波数)においては、コントローラまたはプロセッサは、音を音響的に出力するために低周波数ドライバ110を選択してもよい。そのような低周波数においては、低周波数ドライバ110は、双極子として振る舞い、音を反対方向に、位相が180度ずれて放射し、それは、遠距離場音相殺をもたらす。高周波数(例えば、およそ500Hzを上回る周波数)においては、コントローラまたはプロセッサは、音を音響的に出力するために高周波数ドライバ122を選択してもよい。そのような高周波数においては、高周波数ドライバ122は、より高次の指向性パターンを示し、それは、より多くの音エネルギーが、他の(望ましくない)方向(ヘッドホンを着用していないが、しかしヘッドホンの近傍内に位置する人たちに向かってなどの)よりもむしろヘッドホン100のユーザの耳の方に向けられるという結果になる。
図6Aは、前部ポート115から発する音(曲線152)、後部ポート117から発する音(曲線153)、および90度オフアクシスで測定される音(曲線154)を例示する。低周波数における双極子挙動は、明らかである。図6Bは、高周波数ドライバ122の前部から発する音(曲線156)、高周波数ドライバ122の後部ポート124から発する音(曲線157)、および90度オフアクシスで測定されるオフアクシスの音(曲線158)を例示する。高度に指向性の挙動は、明らかである。
図7は、図5のヘッドホン100などだが、単一ドライバ110だけを有する(すなわち、ドライバ122がない)ヘッドホンの2つの異なる構成について発せられる音を例示する。片方の構成は、バッフル120を有し、もう一方の構成は、バッフル120を有さない。曲線127は、バッフル120を有する構成についての音圧レベル対周波数のプロットである。曲線126は、バッフルのない場合である。図示されるように、バッフルは、特に約1000Hzから2000Hzに至るまでの周波数において、音出力の大きさを著しく増加させる。
図8は、2つのドライバのためのクロスオーバシステムを含む図5のヘッドホンのための制御システムの概略的ブロック図である。音声入力は、コントローラ132に提供される。コントローラ132は、クロスオーバ周波数において低周波数ドライバ110と高周波数ドライバ122とを切り替える。クロスオーバ周波数は、平均化するのに十分な出力および所望の周波数範囲においてより高次の指向性パターンを達成するという目標の最適な組み合わせに基づいて選択されてもよい。信号は、増幅器134および138によって増幅され、ドライバ110および122に提供される。1つの限定されない例では、クロスオーバ周波数は、約500Hzにある。約500Hzに至るまでの周波数において、低周波数ドライバ110は、双極子のように振る舞い、それ故に音は、遠距離場において相殺される。約500Hzよりも大きい周波数において、ドライバ122は、音エネルギーの大部分が、他の方向よりもむしろ耳104の中に向けられるように、より高次の指向性パターン(例えば、カージオイドまたはハイパーカージオイド)を有する。二重ドライバシステムは、広帯域音声について所望の低周波数出力を達成し、高周波数において高い指向性を維持する。
図8の制御システムは、ヘッドホンもしくは複数ヘッドホン内の、またはそれらと通信する、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)または任意の他の適切なプロセッサ上で動くソフトウェアコードによって、個別電子機器を用いて実施されてもよい。
図の要素は、ブロック図において個別要素として示され、述べられる。これらは、アナログ回路またはデジタル回路の1つまたは複数として実施されてもよい。別法として、または加えて、それらは、ソフトウェア命令を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサを用いて実施されてもよい。ソフトウェア命令は、デジタル信号処理命令を含むことができる。動作は、アナログ回路によってまたはアナログ動作の等価物を行うソフトウェアを実行するマイクロプロセッサによって行われてもよい。信号線は、個別のアナログもしくはデジタル信号線として、別個の信号を処理することができる適切な信号処理を有する個別のデジタル信号線として、かつ/または無線通信システムの要素として実施されてもよい。プロセスが、ブロック図において表されるまたは暗示されるとき、ステップは、1つの要素または複数の要素によって行われてもよい。ステップは、一緒にまたは異なる時間に行われてもよい。活動を行う要素は、互いに物理的に同じもしくは近くてもよく、または物理的に分離していてもよい。1つの要素は、2以上のブロックのアクションを行ってもよい。音声信号は、エンコードされてもまたはされなくてもよく、デジタルかまたはアナログの形で伝送されてもよい。従来の音声信号処理装置および動作は、場合によっては図面から省略される。
上で述べられたシステムおよび方法の実施形態は、当業者には明らかとなるコンピュータコンポーネントおよびコンピュータ実施ステップを含む。例えば、コンピュータ実施ステップが、コンピュータ実行可能命令として例えばフロッピーディスク(登録商標)、ハードディスク、光ディスク、フラッシュROM、不揮発性ROM、およびRAMなどのコンピュータ可読媒体上に記憶されてもよいことは、当業者には理解されるはずである。さらに、コンピュータ実行可能命令が、例えばマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、ゲートアレイ、その他などの、いろいろなプロセッサ上で実行されてもよいことは、当業者には理解されるはずである。説明を簡単にするために、上で述べられたシステムおよび方法のすべてのステップまたは要素が、コンピュータシステムの一部として本明細書で述べられるとは限らないが、しかし当業者は、各ステップまたは要素が、対応するコンピュータシステムまたはソフトウェアコンポーネントを有してもよいことを認識することになる。そのようなコンピュータシステムおよび/またはソフトウェアコンポーネントは従って、それらの対応するステップまたは要素(すなわち、それらの機能性)を述べることによって有効にされ、本開示の範囲内である。
いくつかの実施が、述べられている。それにもかかわらず、追加の変更が、本明細書で述べられる発明概念の範囲から逸脱することなくなされてもよく、それに応じて、他の実施形態が、次の請求項の範囲内であるということは、理解されよう。
10 ヘッドホン
12 支持構造物
14 ヘッドバンド
16 クッションまたはスタンドオフ
18 クッションまたはスタンドオフ
20 頭部
22 耳
24 耳
30 音声ユニット
32 音響変換器、ドライバ
34 第1の音響室
36 第2の音響室
38 構造物
40 前部開口
42 後部開口
50 音声ユニット
52 ドライバ
54 隔膜/縁取り
55 後部音響室
56 構造物またはバスケット、後部バスケット
58 開口
59 音響抵抗材料
60 開口
61 音響抵抗材料
62 磁石/コイルアセンブリ
65 音響室
66 第2のバスケットまたは構造物、前部バスケット
68 開口
69 音響抵抗材料
70 開口
71 音響抵抗材料
81〜86 開口
100 ヘッドホン
102 頭部
104 耳
106 支持構造物
110 第1の音響ドライバ、低周波数ドライバ
111 筐体
112 音声ユニット
114 前部音響室
115 第1のポート、前部ポート
116 後部音響室
117 第2のポート、後部ポート
120 ボディ部またはバッフル
122 第2の音響ドライバ、高周波数ドライバ
123 筐体
124 後部ポート
125 抵抗メッシュ
132 コントローラ
134 増幅器
138 増幅器

Claims (45)

  1. ヘッドホンであって、
    ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、
    低周波数音響ドライバであって、前記ユーザの耳から離れて位置付けられるように前記支持構造物によって担持され、前側および後側を有する、低周波数音響ドライバと、
    高周波数音響ドライバであって、前記ユーザの前記耳から離れて位置付けられかつ前記低周波数音響ドライバよりも前記耳により近く位置付けられるように前記支持構造物によって担持され、前側および後側を有する、高周波数音響ドライバと、
    前記低周波数音響ドライバが第1の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にし、前記高周波数音響ドライバが第2の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にするように構成されるコントローラであって、前記第2の周波数範囲は、前記第1の周波数範囲よりも高い、コントローラと
    を備える、ヘッドホン。
  2. 前記低周波数音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞う、請求項1に記載のヘッドホン。
  3. 前記高周波数音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示す、請求項1に記載のヘッドホン。
  4. 前記より高次の指向性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含む、請求項3に記載のヘッドホン。
  5. 前記第1の周波数範囲は、約500Hzを下回る周波数を含み、前記第2の周波数範囲は、約500Hzを上回る周波数を含む、請求項1に記載のヘッドホン。
  6. 前記高周波数音響ドライバは、前記高周波数音響ドライバの前記後側に音響的に結合される後部室を規定する筐体によって囲まれる、請求項1に記載のヘッドホン。
  7. 前記後部室を前記ヘッドホンの外部の環境に音響的に結合するポートを前記筐体の前記後側にさらに備える、請求項6に記載のヘッドホン。
  8. 前記ポートに近接する音響抵抗材料をさらに備える、請求項7に記載のヘッドホン。
  9. 前記音響抵抗材料は、プラスチック、テキスタイル、金属、透過性材料、織った材料、スクリーン材料、およびメッシュ材料の少なくとも1つを含む、請求項8に記載のヘッドホン。
  10. 前記音響抵抗材料は、約5MKSレイリーから約500MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有する、請求項8に記載のヘッドホン。
  11. 前記低周波数音響ドライバは、
    前記低周波数音響ドライバの前記前側に音響的に結合される前部室、および
    前記低周波数音響ドライバの前記後側に音響的に結合される後部室を規定する筐体によって囲まれ、
    前記筐体は、前記前部室に音響的に結合される第1のポートおよび前記後部室に音響的に結合される第2のポートを備える、請求項1に記載のヘッドホン。
  12. 前記高周波数音響ドライバに隣接するバッフルをさらに備える、請求項1に記載のヘッドホン。
  13. クロスオーバ周波数は、前記低周波数音響ドライバの出力および前記高周波数音響ドライバからのより高次の指向性パターンの組み合わせに基づいて選択される、請求項1に記載のヘッドホン。
  14. 前記低周波数音響ドライバは、前記ユーザの耳から離れてかつ矢状面内に見るとき耳介の外部に位置付けられる、請求項1に記載のヘッドホン。
  15. 前記矢状面から見るとき前記耳介の一部分を覆うボディ部をさらに備える、請求項14に記載のヘッドホン。
  16. 前記高周波数音響ドライバは、前記ボディ部によって担持される、請求項15に記載のヘッドホン。
  17. 前記ボディ部は、バッフルを備える、請求項16に記載のヘッドホン。
  18. ヘッドホンであって、
    ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、
    低周波数音響ドライバであって、前記ユーザの耳から離れて位置付けられるように前記支持構造物によって担持され、前記低周波数音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞う、低周波数音響ドライバと、
    高周波数音響ドライバであって、前記ユーザの前記耳から離れて位置付けられかつ前記低周波数音響ドライバよりも前記耳により近く位置付けられるように前記支持構造物によって担持され、前記高周波数音響ドライバの極性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含むより高次の指向性パターンを示し、
    前記高周波数音響ドライバは、前記高周波数音響ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する筐体によって囲まれ、前記後部室をヘッドホンの外部の環境に音響的に結合するポートを前記筐体の前記後側にさらに備える、高周波数音響ドライバと、
    前記低周波数音響ドライバが第1の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にし、前記高周波数音響ドライバが第2の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にするように構成されるコントローラであって、前記第2の周波数範囲は、前記第1の周波数範囲よりも高い、コントローラと
    を備える、ヘッドホン。
  19. 前記ポートに近接する音響抵抗材料をさらに備え、前記音響抵抗材料は、約5MKSレイリーから約500MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有する、請求項18に記載のヘッドホン。
  20. ヘッドホンであって、
    ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、
    低周波数音響ドライバであって、前記ユーザの耳から離れて位置付けられるように前記支持構造物によって担持され、前記低周波数音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞い、
    前記低周波数音響ドライバは、前記低周波数音響ドライバの前側に音響的に結合される前部室および前記低周波数音響ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する第1の筐体によって囲まれ、前記第1の筐体は、前記前部室に音響的に結合される第1のポートおよび前記後部室に音響的に結合される第2のポートを備える、低周波数音響ドライバと、
    高周波数音響ドライバであって、前記ユーザの前記耳から離れて位置付けられかつ前記低周波数音響ドライバよりも前記耳により近く位置付けられるように前記支持構造物によって担持され、前記高周波数音響ドライバの極性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含むより高次の指向性パターンを示し、
    前記高周波数音響ドライバは、前記高周波数音響ドライバの後側に音響的に結合される後部室を規定する第2の筐体によって囲まれ、さらに前記後部室をヘッドホンの外部の環境に音響的に結合するポートを前記第2の筐体の前記後側に備える、高周波数音響ドライバと、
    前記低周波数音響ドライバが第1の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にし、前記高周波数音響ドライバが第2の周波数範囲の音を音響的に出力することを可能にするように構成されるコントローラであって、前記第2の周波数範囲は、前記第1の周波数範囲よりも高い、コントローラと
    を備える、ヘッドホン。
  21. 前記低周波数音響ドライバは、矢状面内に見るとき耳介の外部に位置付けられる、請求項20に記載のヘッドホン。
  22. 前記矢状面から見るとき前記耳介の一部分を覆うボディ部をさらに備える、請求項21に記載のヘッドホン。
  23. 前記高周波数音響ドライバは、前記ボディ部によって担持される、請求項22に記載のヘッドホン。
  24. ヘッドホンであって、
    ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、
    音響ドライバであって、前記ユーザの耳から離れて位置付けられるように、前記支持構造物によって担持され、前側および後側を有し、音が前記音響ドライバの両側から放射される、音響ドライバと、
    前記音響ドライバの前記前側に第1の音響室および前記音響ドライバの前記後側に第2の音響室を規定する構造物と
    を備え、
    前記第1の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有し、前記第2の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有し、
    低周波数においては、前記音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞い、高周波数においては、前記音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示す、ヘッドホン。
  25. 前記音響ドライバに隣接するバッフルをさらに備える、請求項24に記載のヘッドホン。
  26. 前記音響ドライバのための筐体をさらに備え、前記音響ドライバは、前記筐体の内部に位置付けられる、請求項24に記載のヘッドホン。
  27. 前記筐体は、ユーザの耳の上方にまたは後方に位置付けられる、請求項26に記載のヘッドホン。
  28. 前記筐体は、前記音響ドライバの前部に音響的に結合される第1のポートおよび前記音響ドライバの後部に音響的に結合される第2のポートを備える、請求項26に記載のヘッドホン。
  29. 前記第1および第2のポートは、およそ1.1未満の音響インピーダンス比を有するように構成される、請求項28に記載のヘッドホン。
  30. 前記音響ドライバの前記前側、前記第1の音響室および前記第1の音響室内の前記少なくとも1つの開口は一緒に、第1の実効インピーダンスを有し、前記音響ドライバの前記後側、前記第2の音響室および前記第2の音響室内の前記少なくとも1つの開口は一緒に、第2の実効インピーダンスを有し、前記第2の実効インピーダンスに対する前記第1の実効インピーダンスの比は、約20Hzから約2kHzに及ぶ周波数においておよそ0.95からおよそ1.05に及ぶ、請求項24に記載のヘッドホン。
  31. 前記音響ドライバの前記前側、前記第1の音響室および前記第1の音響室内の前記少なくとも1つの開口は一緒に、第1の実効インピーダンスを有し、前記音響ドライバの前記後側、前記第2の音響室および前記第2の音響室内の前記少なくとも1つの開口は一緒に、第2の実効インピーダンスを有し、前記第2の実効インピーダンスに対する前記第1の実効インピーダンスの比は、約2kHzを上回る周波数においておよそ0.95未満である、請求項24に記載のヘッドホン。
  32. 前記第1および第2の音響室内の前記開口の各々に近接する音響抵抗材料をさらに備える、請求項24に記載のヘッドホン。
  33. 前記音響抵抗材料は、プラスチック、テキスタイル、金属、透過性材料、織った材料、スクリーン材料、およびメッシュ材料の少なくとも1つを含む、請求項32に記載のヘッドホン。
  34. 前記音響抵抗材料は、約5MKSレイリーから約100MKSレイリーに及ぶ音響インピーダンスを有する、請求項32に記載のヘッドホン。
  35. 前記より高次の指向性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含む、請求項24に記載のヘッドホン。
  36. 前記第1および第2の音響室を規定する前記構造物は、前記音響ドライバの前記前側を取り囲む第1のデバイスおよび前記音響ドライバの前記後側を取り囲む第2のデバイスを備える、請求項24に記載のヘッドホン。
  37. 前記第1および第2のデバイスはそれぞれ、バスケットを備える、請求項36に記載のヘッドホン。
  38. 前記音響ドライバの前記前側および前記後側の音響インピーダンスは、近似的に等しい、請求項24に記載のヘッドホン。
  39. 前記第1および第2の音響室はそれぞれ、複数の開口をその中に有する、請求項24に記載のヘッドホン。
  40. 前記第1の音響室内の前記開口および前記第2の音響室内の前記開口は、前記音響ドライバが、対称的に装着されるように、近似的に同じ等価インピーダンスを有するように構成される、請求項39に記載のヘッドホン。
  41. ヘッドホンであって、
    ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、
    音響ドライバであって、前記ユーザの耳から離れてかつ矢状面内に見るとき耳介の外部に位置付けられるように前記支持構造物によって担持される、音響ドライバと、
    記音響ドライバの前側に第1の音響室を規定する第1のデバイスであって、少なくとも1つの開口をその中に有する、第1のデバイスと、
    記音響ドライバの後側に第2の音響室を規定する第2のデバイスであって、少なくとも1つの開口をその中に有する、第2のデバイスと、
    前記第1のデバイスから延びるボディ部であって、前記矢状面から見るとき前記耳介の一部分を覆う、ボディ部と
    を備える、ヘッドホン。
  42. 前記第1および第2のデバイス内の前記開口は、近似的に同じ全体的音響インピーダンスを有するように構成される、請求項41に記載のヘッドホン。
  43. 低周波数においては、前記音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞い、高周波数においては、前記音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示す、請求項41に記載のヘッドホン。
  44. 前記より高次の指向性パターンは、カージオイドまたはハイパーカージオイドの1つを含む、請求項43に記載のヘッドホン。
  45. ヘッドホンであって、
    ユーザの頭部または上部胴体に位置するように適合される支持構造物と、
    音響ドライバであって、前記ユーザの耳から離れて位置付けられるように前記支持構造物によって担持され、前側および後側を有し、音が前記音響ドライバの両側から放射される、音響ドライバと、
    前記音響ドライバの前記前側に第1の音響室および前記音響ドライバの前記後側に第2の音響室を規定する構造物であって、前記第1の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有し、前記第2の音響室は、少なくとも1つの開口をその中に有する、構造物と、
    前記音響ドライバのための筐体であって、前記音響ドライバは、前記筐体の内部に位置付けられ、前記筐体は、前記音響ドライバの前部に音響的に結合される第1のポートおよび前記音響ドライバの後部に音響的に結合される第2のポートを備える、筐体と
    を備え、
    前記音響ドライバの前記前側、前記第1の音響室および前記第1の音響室内の前記少なくとも1つの開口は一緒に、第1の実効インピーダンスを有し、前記音響ドライバの前記後側、前記第2の音響室および前記第2の音響室内の前記少なくとも1つの開口は一緒に、第2の実効インピーダンスを有し、前記第2の実効インピーダンスに対する前記第1の実効インピーダンスの比は、約20Hzから約2kHzに及ぶ周波数においておよそ0.95からおよそ1.05に及び、
    低周波数においては、前記音響ドライバの極性パターンは、近似的に双極子のように振る舞い、高周波数においては、前記音響ドライバの極性パターンは、より高次の指向性パターンを示す、ヘッドホン。
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