以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明は前述のように、自治体における介護保険事業を含む各種の業務や事業を包括的に実施運用する地域包括ケア事業システム及び地域包括ケア事業推進方法を得ることにあるので、図1で示すように、各種の業務や事業に関係するデータを一元化したデータベース10を作成する。図1は、データベース10に構成されるデータ種類、及びデータベース10と地域包括ケア事業システムが提供するソリューション機能15、及び地域包括ケア事業の対象事業領域16との関係を表す模式図である。
前述のように、市町村などの自治体の業務は、住民の生活に密接した各種事業を実現することであり、図1で示すように、基本データ11として、住民住所データ111、住民共通番号(仮称)112、地域特性データ113、地域別取組み事例114、などのデータを保有している。また、自治体では、介護保険事業を実施しており、介護保険データ12として、要介護認定データ121、介護レセプトデータ122、介護事業所台帳123、などのデータを保有している。さらに、医療保険に関するデータ13として、高齢者特定健診データ131、国保/後期高齢者医療レセプトデータ132、医療機関台帳133、などのデータも入手可能である。
上述した各種の業務及び事業は、長年にわたって実施されている定型のものであり、各種データ11,12,13は、個別ではあるが定型のフォーマットにより管理されている。
自治体では、これらのほかに、自治体固有の住民のケアに関する施策が実施されており、それに伴う施策等固有データ14として、基本チェックリスト(日常生活圏域ニーズ調査結果)141、小地域・事業者・利用者向けの施策計画・実績142、などのデータが発生し、これらを保有している。これらの施策等固有データ14は、それぞれの施策に応じた各種の形式のものであり、担当部署毎に固有のフォーマットで保管されているのが現状である。
そこで、この発明の実施の形態では、これらのデータ11,12,13,14を一元化したデータベース10を作成する。
すなわち、このデータベース10では、これらデータ11,12,13,14の関連する部分を、個人や事業者を特定するユニークな番号、又は個人や事業者を特定するユニークな番号を暗号化したコード(たとえば、ハッシュ変換による変換コード)により紐付けして一元化している。このため、基本データ11、介護関係のデータ12、医療関係のデータ13及び施策等固有データ14が一元化された分析用の基盤となるデータベース10が得られる。また、自治体固有の施策等固有データ14をデータベース化することにより、施策実施効果の定量的検証が可能となる。特に、従来困難だった小地域・事業者・利用者の状態像や投資実行してきた多種多様な施策の実施効果の定量的検証が可能になる。
地域包括ケア事業は図示のように対象事業領域16として複数の事業領域161,162,163,164,165,166を持っており、各事業領域161,162,163,164,165,166において各種の施策が実行される。このため、これら施策を達成させるための指標が各事業領域161,162,163,164,165,166別に設定されており、ソリューション機能15は、これら指標が登録された指標メニュー151を有する。
ソリューション機能15はコンピュータにより実現されるものであり、データベース10に一元化された各データ11,12,13,14を用いて、後述するように、各事業領域161,162,163,164,165,166において実行される施策の達成状況や実施状況を、施策ごとに設定された指標の値を集計して分析する。このために、集計単位152や各種の分析機能153が具備されている。すなわち、ソリューション機能15は、後述するやPDCAの各フェーズにおいて、それぞれのシステムの主体となって機能するものである。 なお、ソリューション機能15における指標メニュー151、集計単位152や各種の分析機能153は、フェーズPDCAを実行する後述のシステム21,22,23,24において、それぞれ固有の番号を付して説明している。
ここで、地域包括ケア事業は、図2で示すように事業計画策定フェーズP、施策実行フェーズD、課題抽出フェーズC、施策策定フェーズAからなるPDCAサイクルにより実施する。すなわち、各フェーズPDCAは、図1で示したデータベース10、及びフェーズPDCA毎に機能するコンピュータによるシステム21,22,23,24(図3乃至図6で示す)により実行される。
なお、通常、PDCAサイクルは文字通り事業計画策定フェーズPからスタートするが、介護保険事業や医療保険事業等が、個別ではあるが既に実施されているので、この発明の実施形態では、既実施部分の課題抽出フェーズCからスタートする。
先ず、課題抽出フェーズCを実行するチェックシステム21を説明する。課題抽出フェーズCは、図2で示したように、現状分析機能.課題抽出機能、及び優先施策洗い出し機能を有する。これらの機能を実現するために、チェックシステム21は、図3で示すように、現状分析部31、及び課題抽出部32(図1における分析機能153に対応)を有する。
ここで、地域包括ケア事業は、図1で説明したように、複数の事業領域161,162,163,164,165,166を持っており、これら事業領域毎に所定の施策を実行する。そして、これら施策を達成するために指標がそれぞれ設定され、指標メニュー211(図1の指標メニュー151に対応)に登録されている。
前述した現状分析部31は、所定の施策を達成するために予め設定された複数の指標による施策の達成度を集計単位メニュー212(図1の集計単位152に対応)に登録された集計単位毎に算出し、算出された指標別の達成度の値(以下、これを指標の値とする)から、指標毎に、集計単位間の格差、及び平均からの乖離の大きさを捉える。また、課題抽出部32は、現状分析部31で得られた格差の大きさから、格差が大きい指標を抽出し、かつ平均からの乖離の大きい指標を多く有する集計単位を抽出する。
以下、これらの詳細機能を説明する。
現状分析部31は、集計手段311により、指標メニュー211に登録されたた指標毎に、指標の値を集計単位別に算出する。この集計は、データベース10が有する一元化された自治体の住民に関する基本データ11、介護保険データ12、医療保険データ13、及び固有データ14を用いて実行される。また、集計単位は、集計単位メニュー212に登録された地域包括ケアを実施する小地域や事業者、或は地域包括ケア事業の利用者などが、指標の内容に応じて決められる。
集計手段311により、指標毎に、集計単位別に算出された指標の値から、分析手段312により、集計単位間の格差、及び指標の値の平均からの乖離の大きさが捉えられる。
集計単位間の格差は、格差算出部313により、集計単位別に算出された指標の値の最大値と最小値を用いて、格差=最大値/最小値 として指標毎に算出される。このとき、平均値及び標準偏差や値域幅等の値も合わせて算出する。算出された指標毎の格差の値は格差リスト314として纏められる。
平均からの乖離の大きさは、N分位算出部315により求める。このN分位算出部315の機能を以下説明する。
ここで、ある自治体の地域包括ケア事業の実施者、例えば介護保険事業を実施するケアマネ機関などの事業者(以下、集計単位として説明する)が200あるとする。また、ある指標Aの、集計単位別の最大値が35%、最小値%が5とする。そこで、この5%(最小値)から35%(最大値)までの分布をN等分して図7のN分位を設定する。すなわち、200の集計単位の分布をN等分して、この指標Aにおける第1N分位数と第(N−1)N分位数とを決定する。
すなわち、200の集計単位うち、第1N分位(例えば、第1十分位)の集計単位の指標Aの値が10%であれば、この場合の第1N分位数は10%となる。また、200の集計単位うち、第(N−1)N分位(例えば、第9十分位)の集計単位の指標Aの値が30%であれば、この場合の、第(N−1)N分位数は30%となる。
N分位算出部315は、さらに、複数の集計単位のうち、第1N分位の範囲または第NN分位の範囲に含まれる集計単位を特定し、かつその数を求め、これらを第1N分位リスト316、第NN分位リスト317として纏める。この第1N分位の範囲は、指標Aが小さな方向に大きく乖離した範囲であり、第NN分位の範囲は、指標Aが大きな方向に大きく乖離した範囲である。したがって、これら第1N分位の範囲または第NN分位の範囲に含まれている集計単位は、指標Aが平均から大きく乖離した集計単位である。
なお、格差算出部313により、算出された格差が設定値以下の場合、又は標準偏差が設定値以下の場合、又は値域幅(=最大値−最小値)と四分位範囲(=第3四分位−第1四分位)との比が設定値以下の場合、N分位算出部315による上述した乖離分析は実施しないように構成している。更に「中央値−最小値」と「中央値−第1四分位」との比が設定値以下の場合、値が小さい方向の乖離分析を実施しないようにし、「最大値−中央値」と「第3四分位−中央値」との比が設定値以下の場合、値が大きい方向の乖離分析を実施しないように構成することも可能である。
課題抽出部32は、前述のように現状分析部31で得られた格差の大きさから、格差が大きい指標を抽出し、かつ平均からの乖離の大きい指標を多く有する集計単位を抽出するものであるから、格差抽出部321及び乖離抽出部322を有する。
格差抽出部321には判定用の閾値が設定されており、格差算出部313で算出され、格差リスト314に出力された指標毎の格差を取り込み、これら格差を閾値と比較して、格差が閾値を超える指標を抽出し、格差大指標リスト325として纏める。
乖離抽出部322は、N分位算出部315から出力された第1N分位リスト316、第NN分位リスト317を取り込み、指標毎に、これら第1N分位の範囲または第NN分位の範囲に含まれている集計単位から、ベストプラクティス候補算出手段323により、ベストプラクティス候補を特定し、重点指導対象先候補算出手段324により重点指導対象先候補を特定する。そして、それらの結果をベストプラクティス候補リスト326、重点指導対象先候補リスト327として纏める。
例えば、ベストプラクティス候補算出手段323は、各指標の第1N分位の範囲に含まれる指標数が多い順に集計単位を並べ、並べられた集計単位の第1N分位の範囲に含まれる集計単位をベストプラクティス候補として、ベストプラクティス候補リスト326を作成する。また重点指導対象先候補算出手段324は、各指標の第NN分位の範囲に含まれる指標数が多い順に集計単位を並べ、並べられた集計単位の第NN分位の範囲に含まれる集計単位を重点指導対象先候補として、重点指導対象先候補リスト327を作成する。
なお、指標には、指標の値が大きい方が良い指標と、指標の値が小さい方が良い指標(例えば給付費率等)と、指標の値が大きくても小さくても良悪無関係な指標とがある。そこで、第1N分位リスト316、第NN分位リスト317にこれらの情報を与ええることにより、対応する指標の集計単位情報を、ベストプラクティス候補算出手段323、及び重点指導対象先候補算出手段324へ適切に送ることができる。
すなわち、第1N分位リスト316の情報のうち、値が小さい方が良い指標の集計単位情報はベストプラクティス候補算出手段323に送られ、値が小さい方が悪い指標の集計単位情報は重点指導対象先候補算出手段324へ送られる。また、第NN分位の範囲の情報のうち、値が大きい方が良い指標の集計単位情報はベストプラクティス候補算出手段323に送られ、値が小さい方が悪い指標の集計単位情報は重点指導対象先候補算出手段324へ送られる。
ベストプラクティス候補算出手段323は送られてきた情報を集計してベストプラクティスとなる集計単位及びその指標をまとめ、ベストプラクティス候補リスト326へ出力する。また、重点指導対象先候補算出手段324は送られてきた情報を集計して重点指導対象先候補となる集計単位及びその指標をまとめ、重点指導対象先候補リスト327へ出力する。
以上の第1N分位の範囲または第NN分位の範囲とは別に、良い方向への乖離の上位の割合(パーセンタイル)または悪い方向への乖離の下位の割合(パーセンタイル)を指定することで、「良い方向に乖離が大きい指標」または「悪い方向に乖離が大きい指標」を算出することも可能である。
また、第1N分位の範囲とは別に、「最小値」と「平均値−標準偏差×a」(aは正数の任意の設定値、例えば0.8から3.0までの任意の設定値)との2つの数値により範囲を設定し、第1分位リスト316に含まれる指標の値のリストを平均値からは乖離値(相対順位ではない乖離度合い)で抽出することも可能であり、同様に、第NN分位の範囲とは別に、「平均値+標準偏差×b」(bは正数の設定値、例えば0.8から3.0までの任意の設定値)と「最大値」との2つに数値により範囲を設定し、第NN分位リスト317に含まれる指標の値のリストを平均値からは乖離値(相対順位ではない乖離度合い)で抽出することも可能である。
また、これらの情報を用いて図8で示す注目指標リスト328を作成することもできる。この注目指標リスト328は、「良い方向に乖離が大きい指標」と「悪い方向に乖離が大きい指標」とを集権単位ごとにまとめたものである。
ここで、集計単位毎の「良い方向に乖離が大きい指標」と「悪い方向に乖離が大きい指標」間で相関係数を算出し、相関係数の絶対値が設定値(0.3から1.0までの任意の数)以上の組み合わせを抽出し、強調して表示することや集計単位毎の当該組み合わせのリストを作成することもできる。
前述した現状分析部31及び課題抽出部32による分析結果を纏めた表示例を図11に示す。図11は事業領域「予防給付・介護給付事業」における「心身状態維持・改善施策」についての現状分析・課題抽出結果を纏めたもので、縦軸方向に上記施策を達成するための指標が列記され、横軸方向に集計単位(この施策を実行する通所介護事業所(通所介護)1~5、通所リハビリテーション事業所(通所リハ)1〜5)が列記されている。これら縦軸と横軸とが交差するセルには、指標毎に、集計単位別に算出された指標の値が記されている。また、これら指標の値の平均値及び格差も、指標別のセルに記されている。格差の表示では、格差(=最大値/最小値)の大きい指標は、例えば、セルの背景をオレンジ色に、格差が中くらいの指標は黄色に色別表示する。
このようにすれば、表示列Aで示すように是正すべき指標が明確となる。また、平均から良い方向に大きく乖離している指標の値は、セルの背景を例えば青色に表示する。このようにすれば、表示列Bで示すように、青色の指標の値が多い事業者がベストプラクティス候補となる可能性があることを容易に判別できる。反対に、平均から悪い方向に大きく乖離している指標の値は、セルの背景をオレンジ色に表示する。このようにすれば表示列Cで示すようにオレンジ色が多い事業者が重点指導対象先候補となる可能性があることを容易に判別できる。
ここで、地域包括ケア事業は前述のように複数の事業領域161〜166を持っており、それぞれが各種の施策を実施している。この事業領域と利用者の関係を図9に示す。図9は、高齢者の健康と心身状態の維持・改善に向けた、各事業領域における取組例と利用者との関係を示している。
図9では縦軸方向に各事業領域を記し、横軸方向に利用者の心身状態を記している。利用者は、左側から非認定者で健康な人と虚弱な人との2グループを挙げている。また、右側2グループは、認定者(要支援)と認定者(要介護)である。すなわち、図示右側に行くほど心身状態が悪い利用者となる。
図9において、例えば、事業領域161「介護保険事業計画」についてみると、施策「予防給付サービス地域資源計画」は、認定者(要支援)が対象となり、施策「介護給付サービス地域資源計画」は、認定者(要介護)が対象となる。また、施策「新総合事業地域資源計画」は、非認定者(健康)、非認定者(虚弱)、及び認定者(要支援)が対象となる。
以下、同様に他の事業領域162〜166についても、それぞれの施策と、その対象となる利用者との関係が示されている。
図10は、事業領域別の分析対象データソース及び集計単位の関係を示している。すなわち、分析の対象となる事業領域と、各事業の利用者、集計単位、分析の基となるデータの関係を示す。この図は、「事務システムデータ」と「施策等固有データ」とを一元化して分析することを示す。その結果、従来困難だった小地域・事業者・利用者の状態像や投資実行してきた多種多様な施策の実施効果の定量的検証が可能となる。
これらの事業領域161〜166の下記施策毎に、それらを達成するための指標が、前述の図11で示したように設定されており、その達成度や実施状態を表す値が指標の値として集計単位別に集計される。したがって、この指標の値の集計結果を分析することで、各施策の状況を把握することができる。
以下同様に、図13では事業領域163「認知症施策」における「認知症の維持・改善施策(重症化予防施策)」についての現状分析・課題抽出結果を、図15は事業領域163「認知症施策」における「認知症の予防・早期発見施策」についての現状分析・課題抽出結果を、図17は事業領域164「介護予防・日常生活支援総合事業 (新総合事業)」における「認定者に対する介護予防・生活支援施策」についての現状分析・課題抽出結果を、図19は事業領域164「介護予防・日常生活支援総合事業 (新総合事業)」における「非認定者に対する介護予防・生活支援施策」についての現状分析・課題抽出結果を、図21は事業領域165「在宅医療・介護連携推進事業」における「入退院支援に係る医療介護連携」についての現状分析・課題抽出結果を、それぞれ纏めて表示している。
これらについても、格差(=最大値/最小値)の大きい指標は、例えば、セルの背景をオレンジ色に、格差が中くらいの指標は黄色に表示すれば是正すべき指標が明確となる。また、平均から良い方向に大きく乖離している指標の値は、セルの背景を例えば青色に表示する。このようにすれば、青色の指標の値が多い事業者がベストプラクティス候補となる可能性があることを容易に判別できる。反対に、平均から悪い方向に大きく乖離している指標の値は、セルの背景をオレンジ色に表示する。このようにすれば、オレンジ色が多い事業者が重点指導対象先候補となる可能性があることを容易に判別できる。
これらの表示例のほかに、図23で示すような表示形式にて画面表示するようにしてもよい。図23の例は、図11で示した表示例に対応しており、図23の表示領域αは、図11の表示内容と同じである。図23では、表示領域αの上方にモード切替領域βを設け、表示領域αの右方に横サマリ表示領域γを設け、表示領域αの下方に縦サマリ表示領域δを設け、表示領域αの右方に横サマリ表示領域γを設け、横サマリ表示領域γの下方で縦サマリ表示領域δの右方に多角的表示領域εを設けている。
モード切替領域βには図1で示した事業領域名とその施策名が表示される。横サマリ表示領域γは、表示領域αに、指標毎に表示されたデータの傾向が一目で分かり見比べられるように、一軸の散布図のように値を表し、偏りや傾向を可視化している。すなわち、最大値・平均値・最小値はその数値と共に大きい白抜き丸で明示する。その他の値は小さな塗り潰し丸で表示する。値が密集すると小さな塗り潰し丸が重なることで偏りを読み取ることができる。背景の横棒は、最小値〜最大値の幅を明確にするだけでなく、データのプロット軸を明確にするものである。
縦サマリ表示領域δは、表示領域αに、集計単位毎に表示されたデータの傾向が一目で分かり見比べられるように表示するもので、良い値の上位10%と悪い値の下位10%を
棒グラフに表して傾向の把握を容易にしている。良い項目が多いほど上側の棒が長くなり、優良な集計単位(事業者)であることが一目でわかる。反対に、悪い項目が多いほど下側の棒が長くなり、改善項目の多い集計単位(事業者)であることが一目でわかる。
多角的表示領域εは、分析視点を可視化するものであり、3つの分析視点と評価軸を立方体で表し、いま可視化されているデータの視点と評価軸の組み合わせが直感的に分かるように表現している。
このような表示構成を採ることにより、表示内容を視覚的に直感的に把握することが可能となる。
図3で示されるチェックシステム21は、このような分析結果から、格差が大きい指標の改善策を策定できると共に、小地域、事業者毎に是正すべき指標の改善策を策定できる。また、ベストプラクティス候補の洗出し、重点指導対象先候補の洗出しを行うことができ、その結果、指標別優先施策、及び集計単位別優先施策を策定できる。すなわち、課題洗い出しで、指標、集計単位毎に施策未実施、不十分な施策関係指標を洗い出し、優先施策とすることができる。
次に、図2で示したPDCAサイクルにおける施策策定フェーズAを実行する施策策定システム22を説明する。この施策策定フェーズAは、図2で示したように、指標整備機能、有効施策抽出機能、有効施策確定機能を有する。これらの機能を実現するために、施策策定システム22は、図4で示すように、有効施策抽出部41を有する。
この有効施策抽出部41では、まず、地域包括ケア事業の次期事業計画で用いる指標を整備する。この指標としては、地域包括ケア事業の実施者の施策実施状況を含むストラクチャ指標(以下S指標と呼ぶ)、実施者から利用者へのサービス提供状況を含むプロセス指標(以下P指標と呼ぶ)、及び利用者の心身状態の維持期間等の改善結果を表すアウトカム指標(以下O指標と呼ぶ)を整備する。
S指標は、小地域別または事業者別の施策実施状況や環境リスク等に関するもので、利用者に関係する(取り巻く)事業者単位や居住する地域単位で定義される。例えば、図11で示した「予防給付・介護給付事業」の「心身状態維持・改善施策」でのS指標は「心身状態維持・改善プロジェクト認知率」や「心身状態維持・改善セミナー研修参加率」などである。これらは、図1で示した施設等固有データ14に基づいて設定される。
P指標は、利用者のサービス利用状況や同人に対する医療介護等、多主体の連携状況等に関するもので、利用者単位に提供されるサービス提供データ(医療・介護レセプトデータ等)が、利用者、事業者、地域など、それぞれの集計単位で集計される。例えば、図11で示した「予防給付・介護給付事業」の「心身状態維持・改善施策」でのP指標は、「通所介護サービス提供強化加算種別(0〜4)」や「通所リハビリテーションサービス提供強化加算種別(0〜4)」などである。これらは、図1で示した事務システムデータ11,12,13の対応するものに基づいて設定される。
O指標は、要介護度・自立度・基本チェックリストスコアの期間延伸率等、利用者単位の心身状態や費用等の施策実施効果を表すデータ(認定データ等)を、利用者、事業者、地域など、それぞれの集計単位で集計するものである。例えば、図11で示した「予防給付・介護給付事業」の「心身状態維持・改善施策」でのO指標は、「全認定期間中の要介護度段階別 維持・改善期間比率」や「全認定期間中の障害自立度段階別 維持・改善期間比率」などである。これらは、図1で示した事務システムデータ11,12,13の対応するものに基づいて設定される。
これらの指標は、上述した事業領域162「予防給付・介護給付事業」における「心身状態維持・改善施策」だけでなく、他の事業領域における施策に対してもそれぞれ設定される。その具体例は図11〜図22に記載されている通りである。
ここで、前述したO指標はさらにO1指標:心身状態段階別平均継続期間、O2指標:新規認定率、O3指標:入退院前後の心身状態変化度に細分化することができる。
O1指標は、地域包括ケアの各事業領域の各施策の実施効果を検証する際の中心的な指標と位置付られる。事業領域別に注目すべき心身状態データは異なるが、それぞれの平均継続年月の延伸の有無や程度がその評価のバロメータになる。さらに、その期間に発生する平均給付費の推計(シミュレーション)にもスムーズに応用展開していくことができる。
集計対象は、集計時点から所定期間以前の期間内に、認定更新や調査が発生し、しかも心身状態段階に変化があった対象者のみとし、その更新や調査の前までの心身状態段階が同一の複数レコード全てを集計対象とする。
O2指標は、非認定者に対する各施策の実施効果を検証する際の中心的な指標と位置付けられる。集計は、ある期間(年度、半期、4半期)内で行う。所定期間における各地域の全高齢者に対する新規認定者数の比率とする。なお、前述したS指標を算出する際の集計対象期間は、新規認定を集計する期間を含む過去の所定期間内を、影響を与えた期間としてS指標の集計対象とする。
O3指標は、認定者に対する、そのケアサイクルにおいて、何らかの急性憎悪により、急性期病院へ入院した場合の、入退院前後の心身状態変化を検証する際の、中心的指標と位置づけられる。集計は、ある期間(ケアサイクルに相当する数年間等)内で入院イベントが発生した場合に、その入退院前後の心身状態の段階別変化度を集計する。なお、段階別とは、入院前の心身状態の各段階別に相当する。利用者ごとに分析対象期間内の入院イベントは医療レセプトから検出する。
これらSPOの各指標は、図4で示される指標メニュー221に登録されている。有効施策抽出部41の集計手段411は、指標メニュー221に登録されたた指標毎に、指標の値を、集計単位別に算出する。この集計は、データベース10が有する一元化された自治体の住民に関する基本データ11、介護保険データ12、医療保険データ13、及び固有データ14の、過去の所定期間のデータを用いて実行される。また、集計単位は、集計単位メニュー222に登録された地域包括ケアを実施する小地域や事業者、或は地域包括ケア事業の利用者などが、指標の内容に応じて決められる。
算出された各指標の値は、相関係数算出部412において相関係数の算出に用いられる。すなわち、各指標間の相関係数をそれぞれ算出する。算出された相関係数は相関係数判定部413において予め設定した閾値と比較され、この閾値を超えた高い相関係数の指標の組み合わせの中から、O指標との相関係数が高いS指標との組み合わせ、O指標との相関係数が高いP指標との組み合わせ、及びP指標との相関係数が高いS指標との組み合わせを有効施策として抽出する。例えば、相関係数の絶対値が0.7より大きい場合、強い相関すなわち高い効果が見込める施策であるといえる。
前述した有効施策抽出部41での相関係数算出結果を纏めた表示例を図12に示す。図12は事業領域162「予防給付・介護給付事業」における「心身状態維持・改善施策」についての相関係数算出結果を纏めたもので、縦軸方向に上記施策を達成するための指標が列記され、横軸方向には、縦軸方向に列記された指標と組み合わされる指標(縦軸方向に列記された指標と同じもの)が列記されている。これら縦軸と横軸とが交差するセルには、交差する縦軸と横軸とに記載された指標相互の組み合わせによる相関係数の値が記されている。図12では、枠線Dで囲んだ部分が、心身状態維持・改善取組の実施率が大きくなると、全認定期間中の心身状態維持・改善比率が大きくなる傾向がある場合であり。この2つの指標は正の相関(相関係数が+1に近づく)があるといえる。
以下同様に、図14は事業領域163「認知症施策」における「認知症の維持・改善施策(重症化予防施策)」についての相関係数算出結果を、図16は事業領域163「認知症施策」における「認知症の予防・早期発見施策」についての相関係数算出結果を、図18は事業領域164「介護予防・日常生活支援総合事業 (新総合事業)」における「認定者に対する介護予防・生活支援施策」についての有効施策抽出結果を、図20は事業領域164「介護予防・日常生活支援総合事業 (新総合事業)」における「非認定者に対する介護予防・生活支援施策」についての有効施策抽出結果を、図22は事業領域165「在宅医療・介護連携推進事業」における「入退院支援に係る医療介護連携」についての有効施策抽出結果を、それぞれ纏めて表示している。
このように、図4に示される施策策定システム22は、有効施策の抽出結果を過去の施策実施状況より判断し有効施策検討する。その結果、有効施策を確定し、有効施策一覧414の作成を実施する、
次に、図2で示したPDCAサイクルにおける事業計画策定フェーズPを実行する事業計画策定システム23を説明する。この業計画策定フェーズPは、図2で示したように、費用対効果シミュレーション機能、介護保険事業計画の策定機能を有する。これらの機能を実現するために、事業計画策定システム23は、図5で示すように、費用対効果シミュレーション部51を有する。
費用対効果シミュレーション部51は、施策策定システム22で策定された有効施策に係る投資額を整理し、各有効施策実施による介護給付費の抑制額を算出して、これら投資額及び抑制額を有効施策ごとに比較し、この比較結果により有効施策に優先順位をつける。以下、詳述する。
費用対効果シミュレーション部51は、施策策定システム22により作成された有効施策一覧414を取り込み、投資額管理部511により、有効施策一覧414に記された有効施策に掛かる投資額を、データベース10に保持されたデータから算出し、有効施策毎に整理する。
また、抑制額算出部512により、有効施策の実施によって介護給付費等がどれだけ抑制されるか、抑制額を有効施策別に算出する。例えば、各施策の実施有無(実施率)による、心身状態改善、及び維持期間平均を算出し、各段階の平均給付費を算出する。すなわち、利用者の要介護度が上の段階に変化することなく、現状の段階を維持する期間が長くなれば、その分、介護給付費の上昇を抑制することができる。この期間維持状態をO指標の値から算出する。これらの観点に立って有効施策別に護給付費の抑制額を算出する。
そして、費用比較部513により、これら有効施策に掛かる投資額とその実施による抑制額とを、有効施策毎に相互に比較し、その結果により、優先順位設定部514にて、各有効施策に優先順位をつける。すなわち、投資額と給付費等の抑制額の有意差を精査し、投資額に対して抑制額が有意に大きい(数倍以上)の施策を優先的に選定する。
図5に示される事業計画策定システム23は、このように優先順位が付けられた有効施策を用いて介護保険事業計画等の地域資源計画を策定する。すなわち、介護保険事業計画、高齢者保健福祉計画、地域包括ケア計画、医療介護総合確保市町村計画等を策定すると共に、これらの計画における有効施策への投資や実施に対する目標と時期を決定するなど有効施策実施計画の策定する。
次に、図2で示したPDCAサイクルにおける施策実行フェーズDを実行する施策実行システム24を説明する。施策実行フェーズDは、図2で示したように、実行内容の関係先への周知、 施策実行、 指標モニタリング、集計単位モニタリング、事業計画実行管理をそれぞれ行うが、施策実行システム24としては、図6で示すように、指標モニタリング部61及び集計単位モニタリング部62を設けて計画実行に伴う指標の値の変化を時系列に捉え、モニタリングするように構成した。
すなわち、指標モニタリング部61は、前述した事業計画策定システム23により策定された事業計画による施策実行により、注目する指標の値の変化を時系列に捉え、集計単位間の格差が大きい指標の格差がどのように変化するかをモニタリングする。また、集計単位モニタリング部62は、施策実行により平均からの乖離が大きい指標の乖離の大きさがどのように変化するかを集計単位別にモニタリングする。以下、これらについて詳述する。
指標モニタリング部61は、格差が大きい指標の格差がどのように変化するかをモニタリングするものであるから、図3で示されるチェックシステム21が作成した格差大指標リスト325を取り込み、モニタリング対象となる格差の大きな指標を選定する。設定部611は、モニタリング期間、モニタリング周期、基準値、目標値、目標値を達成したかを判定する判定値、をそれぞれ設定する。
モニタリング期間は、例えば、事業計画(3年とする)に合わせて、3年(36箇月)とする。モニタリング周期は、例えば、1箇月毎とする。基準値は、モニタリング結果の評価基準となるもので、モニタリングスタート以前の年月又は年度を指定し、年月の指標値、又は年度の指標値の月平均をそれぞれ基準値とする。目標値は、モニタリング期間中の複数時点にそれぞれ、達成目標時期、目標値を達成したかを判定する判定値とをセットで設定する、例えば、36箇月のモニタリング期間に対し、モニタリングスタート後、7箇月経過毎に第1から第5の目標値を設定する。第5の目標値を最終目標値とした場合、第1の目標値から第4の目標値まで、徐々に最終目標値に近づくように値を設定する。また、目標値は、複数の集計単位(例えば、50個の小地域とする)ごとにそれぞれ個別の値を設定する。
指標算出部612は、モニタリング対象となる格差の大きな指標について、モニタリングスタート後、モニタリング周期である1箇月毎に、複数の集計単位別に指標の値を算出する。
統計情報算出部613は、1箇月毎に算出された複数の集計単位別の指標の値から、対象数、平均値、標準偏差、最小値、第1四分位、中央値、第3四分位、最大値、格差(=最大値/最小値)、値域幅(=最大値−最小値)を計算する。
これら1箇月毎に算出される各種の時系列データ値は、複数の集計単位別に、それぞれ記憶部614に記憶させておく。
目標値に対しては、目標値を達成したかを判定する判定値として、目標値より所定範囲上側に乖離した上側判定値と、目標値より所定範囲下側に乖離した下側判定値とが設定されている。そして、目標値に対する達成目標時期の集計単位の指標の値が、上側判定値と下側判定値との間の範囲に入っていれば、その集計単位の指標は目標値を達成したものと判定される。
達成状況の表示として、下側判定値未満の指標は、例えば、セルの背景をオレンジ色、上側判定値超過の指標は、例えば、セルの背景を黄色、上側判定値と下側判定値との間の範囲に入っている指標は、例えば、セルの背景を青色に表示する。更に、目標値に対する達成目標時期以前のセルの背景を、下側判定値未満の指標はセルの背景を薄いオレンジ色、上側判定値超過の指標はセルの背景を薄い黄色、上側判定値と下側判定値との間の範囲に入っている指標はセルの背景を薄い青色に表示する。このようにすれば、目標値に対する達成状況が容易に判別できる。
上記は指標の値が大きい方が良い指標の例であるが、指標の値が小さい方が良い指標の場合、上記のセルの背景のオレンジ色及び薄いオレンジ色をそれぞれ黄色と薄い黄色に、上記のセルの背景の黄色と薄い黄色をそれぞれオレンジ色及び薄いオレンジ色を入れ替えることで、目標値に対する達成状況をより適切に表示することができる。
このようにモニタリング期間中、モニタリング周期毎にモニタリング対象の指標について、複数の集計単位毎に指標の値が算出される。また、集計単位毎の格差の大きさを含む各種の統計値が算出され、それらは時系列データとして記憶されている。このため、モニタリング期間中における、複数の集計単位別の指標の値の推移や、格差の推移、その他統計情報の推移、最終目標値を含む複数の目標値への達成状況等、事業計画中の施策の実施状況を定量的に把握することができる。
集計単位モニタリング部62は、施策実行により平均からの乖離が大きい指標の、乖離の大きさがどのように変化するかを集計単位別にモニタリングするものであるから、チェックシステム21が作成した重点指導対象先候補リスト327を取り込み、平均から悪い方に乖離の大きい指標を有する集計単位をモニタリング対象と選定する。
設定部621は、モニタリング期間、モニタリング周期、基準値、目標値、達成目標時期、目標値を達成したかを判定する判定値、をそれぞれ設定する。
モニタリング期間は、例えば、事業計画(3年とする)に合わせて、3年(36箇月)とする。モニタリング周期は、例えば、1箇月毎とする。基準値はモニタリング結果の評価基準となるもので、モニタリングスタート以前の年月又は年度を指定し、年月の指標値、又は年度の指標値の月平均をそれぞれ基準値とする。目標値は、モニタリング期間の複数時点にそれぞれ、達成目標時期、目標値を達成したかを判定する判定値をセットで設定する、例えば、36箇月のモニタリング期間に対し、モニタリングスタート後、7箇月経過毎に第1から第5の目標値を設定する。第5の目標値を最終目標値とした場合、第1の目標値から第4の目標値まで、徐々に最終目標値に近づくように値を設定する。また、目標値は、モニタリング対象の集計単位に対応する複数(例えば、50個)の指標毎にそれぞれ個別の値を設定する。
指標算出部622は、モニタリング対象となる複数の指標について、モニタリングスタート後、モニタリング周期である1箇月毎にそれぞれ指標の値を算出する。
時系列診断部623は、1箇月毎に算出された指標の値を、目標値にそれぞれ達したかを、複数の指標別に判断し、指標の推移状況を診断する。
目標値に対しては、目標値を達成したかを判定する判定値として、目標値より所定範囲上側に乖離した上側判定値と、目標値より所定範囲下側に乖離した下側判定値とが設定されている。そして、目標値に対する達成目標時期の集計単位の指標の値が、上側判定値と下側判定値との間の範囲に入っていれば、その指標は目標値を達成したものと判定される。
達成状況の表示として、下側判定値未満の指標は、例えば、セルの背景をオレンジ色、上側判定値超過の指標は、例えば、セルの背景を黄色、上側判定値と下側判定値との間の範囲に入っている指標は、例えば、セルの背景を青色に表示する。更に、目標値に対する達成目標時期以前のセルの背景を、下側判定値未満の指標はセルの背景を薄いオレンジ色、上側判定値超過の指標はセルの背景を薄い黄色、上側判定値と下側判定値との間の範囲に入っている指標はセルの背景を薄い青色に表示する。このようにすれば、目標値に対する達成状況が容易に判別できる。
上記は指標の値が大きい方が良い指標の例であるが、指標の値が小さい方が良い指標の場合、上記のセルの背景のオレンジ色及び薄いオレンジ色をそれぞれ黄色と薄い黄色に、上記のセルの背景の黄色と薄い黄色をそれぞれオレンジ色及び薄いオレンジ色を入れ替えることで、目標値に対する達成状況をより適切に表示することができる。
前記指標算出部622でモニタリング周期毎に算出された指標の時系列な値、及び時系列診断部623によりモニタリング周期毎に判断された指標の時系列な診断結果は、それぞれ記憶部624に記憶させておく。
このようにモニタリング期間中、モニタリング周期毎に、モニタリング対象の集計単位において、複数の指標毎に指標の値が算出され、算出された指標の値が予め設定された複数の目標値にそれぞれ達したか判断され、時系列データとして記憶されているので、モニタリング期間中における、複数指標の値の推移や、最終目標値を含む複数の目標値への達成状況、基準値との比較状況等、事業計画中の施策の実施状況を定量的に把握することができる。
これらの結果、モニタリング対象の集計単位毎に、指標が時系列にどのように変化したかをとらえることができるので、集計単位モニタリングの結果は図24で示すように纏めることができる。
図24は、集計単位モニタリングの結果、施策実行により、時間を追って良くなった指標と、時間を追って悪くなった指標とを注目集計単位毎にまとめているので、乖離度是正効果や、注目集計単位の指標別乖離度の発生経緯(原因)を明確化することができる。
以上のように、本発明の実施形態によれば、実行すべき施策が指標に組み込まれ、相関分析等、客観的かつ定量的なデータ分析により、施策の有効性が具体的に示される。また、
分析機能等が各フェーズPDCAに沿って用意されているため、継続性のある統一基準に基づく定量的事業検証が可能となる。すなわち。従来の単年度あるいは事業計画期間毎に実施する従来の調査分析事業と比較し、事業の評価検証の継続性が期待できる。さらに、各事業計画期間をまたがる指標のメンテナンスが平易となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。