JP6697199B1 - 濁水処理装置及びその処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈降分離と浮上分離を併せ持ったコンパクトな処理装置にすることで、原水(濁水)の前処理が不要になり、狭小な設置場所でも稼働させることができ、しかも濁水の性状に応じて沈降分離と浮上分離の処理の順番を変えて、分離処理を円滑に行う。【解決手段】原水(濁水)をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽2と、沈降分離槽2の外周に多重筒形状に設けられた、底部に沈降処理水を排出する沈降処理水排水口13を有する、該沈降分離槽2の上縁から溢流した沈降分離後の処理水を一時的に貯留する貯留調整槽12と、原水(濁水)又は処理水をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽3と、原水(濁水)又は処理水をセンターウェル部7へ輸送する、沈降分離槽用輸送管8と、貯留調整槽12から沈降処理水を前記浮上分離槽3へ輸送する、浮上分離槽用輸送管14と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、建設工事等で生じる濁水を清浄に処理する技術に係り、特に濁水について沈降処理と浮上処理をコンパクトな装置で行うことができる濁水処理装置及びその処理方法に関する。
建設工事ではほぼ例外なく濁水が排出される。排出される濁水については、水質汚濁防止法ならびに各都道府県が設ける条例が定める基準を遵守することが必要である。水質汚濁防止法や条例による濁水の規制により厳しく規制されている。
従来では濁水等を処理する際に、凝集沈降処理設備(装置)と、浮上処理設備(装置)の2段階の処理設備(装置)を用いていた。凝集沈降処理(装置)は、建設工事で排出される濁水を原水槽に一旦貯留する。ここから凝集沈降装置に移送して、ここで濁水中の懸濁する固体粒子を重力沈降により液体から分離して濁水を浄化する。原水槽から凝集沈降装置に移送する途中に、無機凝集剤、有機凝集剤、炭酸ガス等が混合される。このとき急速混合器が利用される。
このように凝集剤を混合した原水を凝集沈降装置に入れて汚泥と分離水に沈降分離する。この分離水は後処理をして公共水域に放流する。
沈降した汚泥は、凝集沈降装置の下部のスクリュウコンベア等で排出される。この排出された汚泥は、濃縮装置で濃縮してケーキとする。このときに発生したろ過水は排水ピットに一旦貯留し、その後原水槽に移送される。
一方、浮上処理(装置)は、先ず、原水(濁水)を、原水槽に流入させて貯留する。原水(濁水)を均一にするために、原水調整槽に移す。この原水調整槽は必須の設備(装置)ではない。この次に、条件槽で薬品を投入してこの調査した原水(濁水)を浮上分離槽に投入する。この浮上分離槽では、濁水中の浮遊物質に微細な気泡を付着させて浮遊物質の見かけの比重を小さくして浮遊物質は水面に浮かし、スカムとして排出する。一方、原水(濁水)中の沈降した汚泥は、スラリーとして排出する。浮上分離槽において処理された、浮上処理水は中和槽に移送されて、pH調整して処理水として放流される。
このように濁水を処理する技術は多数提案されている。例えば、特許文献1の特開2008−119563号「濁水処理装置」には、可搬式の架台に、原水槽と、緩速攪拌槽と、前記原水槽内の原水を、緩速攪拌槽へ送給する第1送給手段と、この第1送給手段の途中の凝集剤注入部に凝集剤を供給する凝集剤供給手段と、緩速攪拌槽内の処理水を、沈降分離槽その他に送給する第2送給手段とを設けた濁水処理装置が提案されている。
特開2008−119563号公報
しかし、従来の沈降処理装置では、処理水にフロックがキャリーオーバーするような場合、または上乗せ排水基準などで更に処理水の高度処理を必要とされる場合に、砂ろ過などの別の処理装置を追加で設ける必要がある。その処理設備の設置に広い場所が必要になる。
沈降処理の前処理として浮上するものを事前に除去する必要があった。例えば、油分分離などの処理装置が必要であった。また浮上分離の前処理として、微砂などの沈降するものを事前に除去する必要があった。これらは重力のみによる分離が多く、処理設備の設置面積が広くなる傾向があった。
このような濁水処理の施設計画時に水処理の方式を選定する必要がある。原水の性状が変わった場合などで方式を変えた方が良い場合でも次の更新時期を待たないと変えることができないという問題があった。処理施設を運用していく中で処理量や水の性状が変わると対応することが難しかった。
特許文献1に記載の「濁水処理装置」は、原水槽と、緩速攪拌槽と、沈降分離槽とこれらにそれぞれ送給手段が必要となり処理設置場所が広くなりやすいという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、沈降分離と浮上分離を併せ持った一体型の処理装置にすることで、原水(濁水)の前処理が不要になり、狭小な設置場所でも稼働させることができ、しかも濁水の性状に応じて沈降分離と浮上分離の処理の順番を変えて、分離処理を円滑に行うことができる濁水処理装置及びその処理方法を提供することにある。
本発明の濁水処理装置は、建設工事、工事現場で生じる濁水について、沈降分離と浮上分離を併せ持ち、かつその処理順番を変えることができる濁水処理装置(1)であって、
下部にスラリーを排出させるスラリー排出口(4)を有する、処理対象物をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽(2)と、
前記沈降分離槽(2)の内側に上部から下方へ向けて取り付けられた、処理対象物を投入する筒形状のセンターウェル部(7)と、
前記沈降分離槽(2)の外周に重筒形状に設けられた、底部に沈降処理水を排出する開閉弁(5)が接続されている沈降処理水排水口(13)を有、該沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を該開閉弁(5)の開閉により一時的に貯留する貯留調整槽(12)と、
上部にスカムを排出するスカム排出口(15)と下部に処理対象物を投入する沈降処理水・原水投入口(16)とを有するスカム排出槽(17)と、これに隣接して隔壁(18)の下方で連通する浮上処理水排出槽(19)と、該浮上処理水排出槽(19)内の水位を調整するために、上下方向に長さを調節できるように上下方向に設けられた、浮上処理水を溢流排出するレベル調整排出筒(20)とから成る、処理対象物をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽(3)と、
処理対象物を、前記センターウェル部(7)へ輸送する、沈降分離槽用輸送管(8)と、
処理対象物を前記浮上分離槽(3)へ輸送する、前記貯留調整槽(12)の周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成された浮上分離槽用輸送管(14)と、を備え、
前記濁水処理装置(1)を用いて、処理対象物の原水(濁水)を沈降分離から浮上分離の順番に処理する際には、
前記沈降分離槽(2)内のセンターウェル部(7)に、原水(濁水)を投入し、
前記沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を前記貯留調整槽(12)に一時的に貯留し、該貯留調整槽(12)から沈降処理水を、前記浮上分離槽用輸送管(14)を用いて前記浮上分離槽(3)へ輸送し、
前記沈降分離槽(2)で処理した沈降処理水を、前記浮上分離槽(3)においてスカムと浮上処理水とに分離して排出し、
前記濁水処理装置(1)を用いて、処理対象物の原水(濁水)を浮上分離から沈降分離の順番に処理する際には、
原水(濁水)を、前記浮上分離槽用輸送管(14)を用いて前記浮上分離槽(3)に投入してスカムと浮上処理水とに分離し、
前記浮上分離槽(3)で処理した浮上処理水を、前記沈降分離槽(2)に投入してスラリーと沈降処理水とに分離し、
前記沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を、前記貯留調整槽(12)に一時的に貯留し、該貯留調整槽(12)から沈降処理水を排出するように構成した、ことを特徴とする。
本発明の濁水処理方法は、建設工事、工事現場で生じる濁水について、沈降分離と浮上分離を併せ持ち、かつその処理順番を変えることができる濁水処理装置(1)を用いて沈降分離から浮上分離の順番に処理する濁水処理方法であって、
下部にスラリーを排出させるスラリー排出口(4)を有する、処理対象物をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽(2)と、
前記沈降分離槽(2)の内側に上部から下方へ向けて取り付けられた、処理対象物を投入する筒形状のセンターウェル部(7)と、
前記沈降分離槽(2)の外周に二重筒形状に設けられた、底部に沈降処理水を排出する開閉弁(5)が接続されている沈降処理水排水口(13)を有し、該沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を該開閉弁(5)の開閉により一時的に貯留する貯留調整槽(12)と、
上部にスカムを排出するスカム排出口(15)と、下部に処理対象物を投入する沈降処理水・原水投入口(16)とを有するスカム排出槽(17)と、これに隣接して隔壁(18)の下方で連通する浮上処理水排出槽(19)と、該浮上処理水排出槽(19)内の水位を調整するために、上下方向に長さを調節できるように上下方向に設けられた、浮上処理水を溢流排出するレベル調整排出筒(20)とから成る、処理対象物をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽(3)と、
処理対象物を、前記センターウェル部(7)へ輸送する、沈降分離槽用輸送管(8)と、
処理対象物を前記浮上分離槽(3)へ輸送する、前記貯留調整槽(12)の周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成された浮上分離槽用輸送管(14)と、を備えた濁水処理装置(1)を用い、
先ず、原水(濁水)に凝集剤を添加して、前記沈降分離槽(2)内のセンターウェル部(7)に投入し、該センターウェル部(7)から原水(濁水)を前記沈降分離槽(2)において、沈降するスラリーと沈降処理水とに分離し、
次に、前記沈降分離槽(2)においてスラリーを排出した後の沈降処理水を、前記貯留調整槽(12)に輸送し、
最後に、前記貯留調整槽(12)に沈降処理水を一時貯留して処理量を調整してから、この沈降処理水を前記浮上分離槽(3)に輸送し、浮上するスカムと浮上処理水とに分離し、スカムはスカム排出口(15)から排出し、浮上処理水は浮上処理水排出口(21)から公共水域に排出して処理を完了させる、ことを特徴とする。
また、本発明の濁水処理方法は、建設工事、工事現場で生じる濁水について、沈降分離と浮上分離を併せ持ち、かつその処理順番を変えることができる濁水処理装置(1)を用いて浮上分離から沈降分離の順番に処理する濁水処理方法であって、
下部にスラリーを排出させるスラリー排出口(4)を有する、処理対象物をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽(2)と、
前記沈降分離槽(2)の内側に上部から下方へ向けて取り付けられた、処理対象物を投入する筒形状のセンターウェル部(7)と、
前記沈降分離槽(2)の外周に二重筒形状に設けられた、底部に沈降処理水を排出する開閉弁(5)が接続されている沈降処理水排水口(13)を有し、該沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を該開閉弁(5)の開閉により一時的に貯留する貯留調整槽(12)と、
上部にスカムを排出するスカム排出口(15)と、下部に処理対象物を投入する沈降処理水・原水投入口(16)とを有するスカム排出槽(17)と、これに隣接して隔壁(18)の下方で連通する浮上処理水排出槽(19)と、該浮上処理水排出槽(19)内の水位を調整するために、上下方向に長さを調節できるように上下方向に設けられた、浮上処理水を溢流排出するレベル調整排出筒(20)とから成る、処理対象物をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽(3)と、
処理対象物を、前記センターウェル部(7)へ輸送する、沈降分離槽用輸送管(8)と、
処理対象物を前記浮上分離槽(3)へ輸送する、前記貯留調整槽(12)の周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成された浮上分離槽用輸送管(14)と、を備えた濁水処理装置(1)を用い、
先ず、原水(濁水)を前記浮上分離槽(3)に投入し、ここでスカムと浮上処理水とに分離し、スカムはそのまま排出し、
次に、浮上分離槽(3)から沈降分離槽用輸送管(8)で浮上処理水を輸送し、これに凝集剤を添加して前記沈降分離槽(2)のセンターウェル部(7)に投入し、沈降するスラリーと沈降処理水とに分離し、
最後に、前記沈降分離槽(2)においてスラリーを排出した後の沈降処理水を、前記貯留調整槽(12)に一時貯留して、処理量を調整してから、そのまま沈降処理水は沈降処理水排出口(13)から公共水域に排出して処理を完了させる、ことを特徴とする。
前記浮上分離槽(3)内において浮上分離処理する際に、該浮上分離槽(3)内に気泡を発生させ、この気泡の気液界面に原水(濁水)中の汚濁物質を吸着させ、及び濃縮して浮上させて排出する、ことができる。
本発明の濁水処理装置(1)では、沈降処理と浮上処理を併せ持ったコンパクトな水処理装置になっているため、狭い設置面積でも利用することができる。作業現場にトレーラーなどの車両でこの濁水処理装置(1)を容易に運搬し、設置することができる。また、砂ろ過などが不要な準高度処理が可能になる。
貯留調整槽(12)により、処理の遅い沈降処理と処理の早い浮上処理のそれぞれの処理時間を調整しているので、全体の処理能力が高くなっている。
分離処理は沈降と浮上、どちらが先でも構わないので、濁水の性状に応じて沈降分離と浮上分離の処理の順番を変えて行うことができる。種々の性状の濁水について分離処理を円滑に行うことができる。
浮上分離槽用輸送管(14)が、貯留調整槽(12)周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成されたものは、原水(濁水)又は処理水の輸送距離が長くなる。この長い輸送管の輸送中に原水(濁水)又は処理水に添加した薬品類(凝集剤、pH調整剤、中和剤等)との反応が確実になる。
本発明の濁水処理方法では、沈降分離と浮上分離を併せ持ち、どちらが先でも構わないので、原水(濁水)の性状に合わせて各々の特徴を活かし注薬量の最適化を図ることができる。必要に応じて処理水を浮上分離又は沈降分離の処理をすることができ、無駄な薬剤の使用を避け、作業コストを低減することができる。
浮上分離槽(3)の処理時間が沈降分離槽(2)の処理時間と比較して速いため、沈降分離槽(2)で処理した沈降処理水を、この貯留調整槽(12)にある程度溜めて置き、その処理量を調整することができる。
本発明の濁水処理装置を示す縦断面図であり、一部系統図で表現している。 本発明の濁水処理装置を示す平面図である。 濁水処理装置を用いて沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法を示すフロー図である。 沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法を示す装置の縦断面図であり、図中の太い実線は原水(濁水)の輸送中、処理中を表し、(a)は沈降分離処理中の状態、(b)は浮上分離中の状態、(c)は分離処理後の処理水の排出の状態をそれぞれ示す。 濁水処理装置を用いて浮上分離処理し、次に沈降分離処理する処理方法を示すフロー図である。 浮上分離処理し、次に沈降分離処理する処理方法を示す装置の正断面図であり、図中の太い実線は原水(濁水)の輸送中、処理中を表し、(a)は浮上分離処理中の状態、(b)は沈降分離中の状態、(c)は分離処理後の処理水の排出の状態をそれぞれ示す。 沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法をする際の浮上分離槽に代えて分離スクリーンを用いた変形例を示す装置の縦断面図である。
本発明は、建設工事、工事現場で生じる原水(濁水)について、沈降処理と浮上処理を併せ持ったコンパクトな水処理装置であり、処理は沈降と浮上の何れも先にすることができる濁水処理装置である。
<濁水処理装置の全体構成>
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の濁水処理装置を示す縦断面図であり、一部系統図で表現している。図2は本発明の濁水処理装置を示す平面図である。
本発明の濁水処理装置1は、建設工事、工事現場で生じる濁水について、沈降分離処理と浮上分離処理をコンパクトな処理装置で順番に処理できる装置である。この濁水処理装置1は、主に処理の原水となる濁水をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽2と、この沈降処理水をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽3とから成る処理装置である。本発明の濁水処理装置1の材質は、処理する濁水の腐食性などが高いかどうかで決められる。例えば鉄、鋼又はステンレス鋼のような鉄を主成分とした合金、その他の非鉄金属が用いられる。更には、ポリエチレン(PE)、繊維強化プラスチック(FRP)のような合成樹脂、コンクリートを用いることも可能である。
スカムは、浮き汚泥と称され、原水(濁水)中の有機物が腐敗、発酵することにより発生するガスによって、濁水中の懸濁物質、繊維質、油脂質、細菌が浮上して、水表面にできるスポンジ質の厚い膜状の浮きかすである。処理装置の水面に浮いたもので、細かい粒子状のものから、30cmを超える大きな塊まで様々ある。
スラリーは、原水(濁水)の液体中に鉱物や汚泥などが混ざっている混合物のことであり、粘性の強い流動物であることが多い。
沈降処理水と浮上処理水は、本発明の濁水処理装置1により処理した処理水である。沈降処理水は、主に原水(濁水)からスラリーを分離した処理水である。浮上処理水は、主に原水(濁水)からスカムを分離した処理水である。これらの沈降処理水と浮上処理水は、そのまま公共水域に放流する場合と、再度処理してから公共水域に放流する場合とがある。
<沈降分離槽の構成>
沈降分離槽2は、原水(濁水)又は処理水をスラリーと沈降処理水とに分離する円筒形状の水槽である。この沈降分離槽2の下部に、沈降分離したスラリーを排出させるスラリー排出口4を有する。このスラリー排出口4の下流に開閉弁5とポンプ6が接続されている。
沈降分離槽2の内側に、凝集剤を添加した原水(濁水)を投入する筒形状のセンターウェル部7が、沈降分離槽2と同軸状に取り付けられている。このセンターウェル部7と、筒形状の沈降分離槽2とが2重筒形状に成る。これによりコンパクトな水処理装置となる。センターウェル部7は、沈降分離槽2の上部から下方へ向けて取り付けられている。図1に示すように、センターウェル部7の上縁部が、後述する浮上分離槽3の上縁部より高い位置にある。これは分離処理した処理水、スカム等が流入することを阻止するためである。
原水(濁水)は、沈降分離槽用輸送管8を用いてセンターウェル部7へ輸送する。この沈降分離槽用輸送管8の上流は原水槽(図示せず)などに接続している。この原水槽は、建設工事、工事現場で生じる濁水を一時貯留し、簡単に浮上するもの、沈降するものを除去して沈降水を原水とするものである。この沈降分離槽用輸送管8は、原水槽からの原水(濁水)を、これに凝集剤を添加してセンターウェル部7へ原水槽ポンプにより輸送する輸送管である。なお、この原水槽は必ずしも必須の装置(設備)ではない。
沈降分離槽2の底部は、図示するようにスラリーを集めやすいように船底形状に成っている。この船底形状の底部にスクリュウ形状のスラリーかき寄せ機11が取り付けられている。このスラリーかき寄せ機11は、沈降したスラリーを撹拌すると共に、スラリー排出口4から外部へ排出させる機能を有する。なお、沈降分離槽2の底部は、この船底形状に限定されないことは勿論である。また、スラリーかき寄せ機11もこのスクリュウ形状に限定されず、例えば回転羽根式の形状のものを用いることができる。
このセンターウェル部7は、図示していないが、その内側に撹拌具を備えることができる。この撹拌具は、シャフトに緩速撹拌羽根を取り付けたものである。この緩速撹拌羽根は、原水(濁水)を撹拌する機能を有する。
<貯留調整槽の構成>
沈降分離槽2の外周に、貯留調整槽12が多重筒形状に設けられている。多重筒形状によりコンパクトな水処理装置とするためである。この貯留調整槽12は、沈降分離槽2の上縁から溢流した沈降分離後の処理水を一時的に貯留する槽である。後述する浮上分離槽3は、その処理時間が沈降分離槽2と比較して速い。そのため、沈降分離槽2で処理した沈降処理水を、この貯留調整槽12にある程度溜めて置き、その処理量を調整する必要がある。
この貯留調整槽12の底部に、沈降処理水を排水する沈降処理水排水口13を有し、この沈降処理水排水口13の下流に開閉弁5が接続されている。この開閉弁5の開閉により、原水(濁水)を処理して清浄な処理水にして、河川、海などの公共水域に放流することができる。
この貯留調整槽12には、その周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成した浮上分離槽用輸送管14を備えている。この浮上分離槽用輸送管14は、貯留調整槽12周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成して長い輸送距離を有する。この長い輸送管を用いることで、原水(濁水)に添加した薬品類(凝集剤、pH調整剤、中和剤等)との反応を確実にできる、その後の分離処理の迅速化を図る機能を有する。図示例では3重のらせん形状であるが、これは例示であってこの数に限定されない。また、輸送管の中に凹凸などを形成し、更に原水(濁水)又は処理水と薬品類との反応性を高めることも可能である。
らせん形状の浮上分離槽用輸送管14は、その上流は開閉弁5とポンプ6を介して、下流の貯留調整槽12の下方位置で接続されている。浮上分離槽用輸送管14は、投入された原水(濁水)を、下方位置から上方位置へ輸送するようになっている。
<浮上分離槽の構成>
浮上分離槽3は、原水(濁水)又は処理水について、スカムと浮上処理水とに分離する処理装置である。浮上分離槽3は、上部にスカムを排出するスカム排出口15と下部に沈降処理水を投入する沈降処理水・原水投入口16とを有するスカム排出槽17と、これに隣接して隔壁18の下方で連通する浮上処理水排出槽19とから成る。この浮上処理水排出槽19は、その中心位置に浮上処理水を排出するレベル調整排出筒20が上下方向に設けられている。このレベル調整排出筒20下部の浮上処理水排出口21から浮上処理水を溢流排出する。このレベル調整排出筒20は、浮上処理水排出槽19内の水位を調整するために、上下方向に長さを調節できるようになっている。
なお、本発明の濁水処理装置1は、図2の平面図に示すように、正確な円筒形状に限定されない。平面視で楕円形状(長円形状)に構成したもの、又は多角形状に構成したものなど種々の形状にすることができる。
<濁水処理装置を用いた処理方法>
本発明の濁水処理装置1を用いて濁水を処理する際には、先に沈降分離処理し、次に浮上分離処理することができる。逆に、先に浮上分離処理し、次に沈降分離処理する2種類の方法がある。本発明の濁水処理装置1は、濁水の性状に応じて、沈降分離処理と浮上分離処理の順番を可変することが可能である。表1の「濁水の性状と処理の順番との関係」に示すように、例えば、濁水が、無機系の濁水、比重1.0t/m以上の粒子が多く、浮遊物の少ない濁水、又は沈降性の良い濁水の場合は、先に沈降分離処理し、次に浮上分離処理の順番が好ましい。この順番で処理を円滑に進めることができる。
逆に、濁水が、有機系の濁水、比重1.0t/m以下の粒子が多く、油分などの浮遊物が多い濁水、又は浮上性の良い濁水の場合は、先に浮上分離処理し、次に沈降分離処理の順番が好ましい。この順番で処理を円滑に進めることができる。
Figure 0006697199
<先に沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法>
図3は濁水処理装置を用いて沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法を示すフロー図である。図4は沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法を示す装置の縦断面図であり、図中の太い実線は原水(濁水)の輸送中、処理中を表し、(a)は沈降分離処理中の状態、(b)は浮上分離処理中の状態、(c)は分離処理後の処理水の排出の状態をそれぞれ示す。
図4(a)に示すように、原水(濁水)に凝集剤を添加し、この原水(濁水)をセンターウェル部7から沈降分離槽2に投入する。原水(濁水)をpH調整すると共に、このとき、水流を利用して撹拌しながらスラリーを沈降分離し、このスラリーはスラリーかき寄せ機11で排出する。
なお、前処理として、濁水を原水槽において、大きな塊を沈殿させ沈降原水に処理する。この原水槽は必須の処理工程ではない。
沈降分離槽2においてスラリーを分離除去した後の沈降処理水は、貯留調整槽12に一時貯留する。その処理時間が沈降分離槽2と比較して速い浮上分離槽3との処理量を調整するためである。
次に、図4(b)に示すように、沈降分離槽2において処理された沈降処理水を、らせん形状の浮上分離槽用輸送管14により浮上分離槽3に投入し、浮上するスカムはそのまま排出する。
最後に、図4(c)に示すように、浮上分離槽3において処理された、浮上処理水は、レベル調整排出筒20に溢流排出し、下部の浮上処理水排出口21から河川、海などの公共水域に排出する。
<先に浮上分離処理し、次に沈降分離処理する処理方法>
図5は濁水処理装置を用いて浮上分離処理し、次に沈降分離処理する処理方法を示すフロー図である。図6は浮上分離処理し、次に沈降分離処理する処理方法を示す装置の正断面図であり、図中の太い実線は原水(濁水)の輸送中、処理中を表し、(a)は浮上分離処理中の状態、(b)は沈降分離処理中の状態、(c)は分離処理後の処理水の排出の状態をそれぞれ示す。
濁水中に油脂、スカム等の浮上物質が多い場合に、先に浮上分離処理をして迅速に濁水処理をする。その後沈降分離処理をする。
先ず、図6(a)に示すように、原水(濁水)に凝集剤を添加して、らせん形状の浮上分離槽用輸送管14により浮上分離槽3に投入する。浮上分離槽3のスカム排出槽17において浮上するスカムはそのまま排出する。浮上分離処理された浮上処理水は浮上処理水排出槽19へ輸送される。この原水(濁水)の投入位置が、図4(a)とは異なる位置であるが、図6(a)では処理の順番が異なるためにこの位置を変えたものである。
次に、図6(b)に示すように、浮上分離槽3で分離された浮上処理水は、浮上処理水排出槽19中のレベル調整排出筒20に溢流排出し、下部の浮上処理水排出口21から沈降分離槽用輸送管8により、更に凝集剤を添加してセンターウェル部7に投入する。センターウェル部7から浮上処理水を、沈降分離槽2に投入し、沈降するスラリーと沈降処理水とに分離する。沈降分離槽2においてスラリーを排出する。
最後に、図6(c)に示すように、沈降分離槽2においてスラリーを排出した後の沈降処理水を、貯留調整槽12に貯留し、そのまま沈降処理水は沈降処理水排出口13から公共水域に排出して処理を完了する。
このときも、必要に応じて前処理として、濁水を原水槽において、大きな塊を沈殿させた浮上原水に処理する。浮上原水に空気と薬品を配合して、浮上原水を浮上分離槽3に投入する。
浮上分離槽3内において浮上分離処理する際に、浮上分離槽3内に気泡を発生させ、この気泡の気液界面に原水(濁水)中の汚濁物質を吸着させ、及び濃縮して浮上させて排出することも可能である。
<浮上分離槽に代えて分離スクリーンを用いた変形例>
図7は沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法をする際の浮上分離槽に代えて分離スクリーンを用いた変形例を示す装置の縦断面図である。
沈降分離処理し、次に浮上分離処理する処理方法の場合には、必ずしも浮上分離槽3を使用しなくても良い。例えば、浮上分離槽3に代えて分離スクリーン31を用いることができる。沈降分離槽2において処理された沈降処理水を、分離スクリーン31に投入し、スカムから処理水を分離して、落下する処理水(分離水)は落下させて排出する。分離スクリーン31のスクリーン上を滑り落ちたスカムも排出する。
<多重筒状に形成した濁水処理装置の構成>
実施例2の濁水処理装置は、図示していないが、処理装置を更にコンパクトに構成したものである。実施例2の濁水処理装置は、筒形状の沈降分離槽2と、この沈降処理水をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽とが多重筒形状に設けられた処理装置である。
実施例2の濁水処理装置は、実施例1で説明したような構成の沈降分離槽の外周に、貯留調整槽が多重筒形状に設けられている。この貯留調整槽の外周に、原水(濁水)又は処理水を、スカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽が更に多重筒形状に設けられている。これにより、濁水処理装置に沈降分離槽と浮上分離槽と、さらに貯留調整槽が一体化してコンパクトになり、その運搬と取り扱いが容易になる。この浮上分離槽の上部にスカムを排出するスカム排出口と、下部に沈降処理水を投入する沈降処理水・原水投入口とを有する。この実施例2の濁水処理装置も、濁水の性状に応じて、沈降分離処理と浮上分離処理の順番を可変することができる。
なお、実施例2の濁水処理装置は、1つの装置に沈降処理と浮上処理を併せ持った構成であり、多重筒形状であれば、平面視で正確な円筒形状に限定されない。平面視で楕円形状(長円形状)に構成したもの、又は多角形状に構成したものなど種々の形状にすることができる。
なお、本発明は、沈降分離と浮上分離を併せ持ったコンパクトな処理装置にすることで、原水の前処理が不要になり、狭小な設置場所でも稼働させることができ、しかも濁水の性状に応じて沈降分離と浮上分離の処理の順番を変えて、分離処理を円滑に行うことができる構成であれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の濁水処理装置及びその処理方法は、トンネル工事などの建設工事以外に工場や事業場、建設現場等で生じる濁水を処理する際にも利用できる。
1 濁水処理装置
2 沈降分離槽
3 浮上分離槽
4 スラリー排出口
7 センターウェル部
8 沈降分離槽用輸送管
12 貯留調整槽
13 沈降処理水排水口
14 浮上分離槽用輸送管
15 スカム排出口
16 沈降処理水・原水投入口
17 スカム排出槽
18 隔壁
19 浮上処理水排出槽
20 レベル調整排出筒
21 浮上処理水排出口

Claims (4)

  1. 建設工事、工事現場で生じる濁水について、沈降分離と浮上分離を併せ持ち、かつその処理順番を変えることができる濁水処理装置(1)であって、
    下部にスラリーを排出させるスラリー排出口(4)を有する、処理対象物をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽(2)と、
    前記沈降分離槽(2)の内側に上部から下方へ向けて取り付けられた、処理対象物を投入する筒形状のセンターウェル部(7)と、
    前記沈降分離槽(2)の外周に二重筒形状に設けられた、底部に沈降処理水を排出する開閉弁(5)が接続されている沈降処理水排水口(13)を有し、該沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を該開閉弁(5)の開閉により一時的に貯留する貯留調整槽(12)と、
    上部にスカムを排出するスカム排出口(15)と、下部に処理対象物を投入する沈降処理水・原水投入口(16)とを有するスカム排出槽(17)と、これに隣接して隔壁(18)の下方で連通する浮上処理水排出槽(19)と、該浮上処理水排出槽(19)内の水位を調整するために、上下方向に長さを調節できるように上下方向に設けられた、浮上処理水を溢流排出するレベル調整排出筒(20)とから成る、処理対象物をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽(3)と、
    処理対象物を、前記センターウェル部(7)へ輸送する、沈降分離槽用輸送管(8)と、
    処理対象物を前記浮上分離槽(3)へ輸送する、前記貯留調整槽(12)の周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成された浮上分離槽用輸送管(14)と、を備え、
    前記濁水処理装置(1)を用いて、処理対象物の原水(濁水)を沈降分離から浮上分離の順番に処理する際には、
    前記沈降分離槽(2)内のセンターウェル部(7)に、原水(濁水)を投入し、
    前記沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を前記貯留調整槽(12)に一時的に貯留し、該貯留調整槽(12)から沈降処理水を、前記浮上分離槽用輸送管(14)を用いて前記浮上分離槽(3)へ輸送し、
    前記沈降分離槽(2)で処理した沈降処理水を、前記浮上分離槽(3)においてスカムと浮上処理水とに分離して排出し、
    前記濁水処理装置(1)を用いて、処理対象物の原水(濁水)を浮上分離から沈降分離の順番に処理する際には、
    原水(濁水)を、前記浮上分離槽用輸送管(14)を用いて前記浮上分離槽(3)に投入してスカムと浮上処理水とに分離し、
    前記浮上分離槽(3)で処理した浮上処理水を、前記沈降分離槽(2)に投入してスラリーと沈降処理水とに分離し、
    前記沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を、前記貯留調整槽(12)に一時的に貯留し、該貯留調整槽(12)から沈降処理水を排出するように構成した、ことを特徴とする濁水処理装置。
  2. 建設工事、工事現場で生じる濁水について、沈降分離と浮上分離を併せ持ち、かつその処理順番を変えることができる濁水処理装置(1)を用いて沈降分離から浮上分離の順番に処理する濁水処理方法であって、
    下部にスラリーを排出させるスラリー排出口(4)を有する、処理対象物をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽(2)と、
    前記沈降分離槽(2)の内側に上部から下方へ向けて取り付けられた、処理対象物を投入する筒形状のセンターウェル部(7)と、
    前記沈降分離槽(2)の外周に二重筒形状に設けられた、底部に沈降処理水を排出する開閉弁(5)が接続されている沈降処理水排水口(13)を有し、該沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を該開閉弁(5)の開閉により一時的に貯留する貯留調整槽(12)と、
    上部にスカムを排出するスカム排出口(15)と、下部に処理対象物を投入する沈降処理水・原水投入口(16)とを有するスカム排出槽(17)と、これに隣接して隔壁(18)の下方で連通する浮上処理水排出槽(19)と、該浮上処理水排出槽(19)内の水位を調整するために、上下方向に長さを調節できるように上下方向に設けられた、浮上処理水を溢流排出するレベル調整排出筒(20)とから成る、処理対象物をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽(3)と、
    処理対象物を、前記センターウェル部(7)へ輸送する、沈降分離槽用輸送管(8)と、
    処理対象物を前記浮上分離槽(3)へ輸送する、前記貯留調整槽(12)の周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成された浮上分離槽用輸送管(14)と、を備えた濁水処理装置(1)を用い、
    先ず、原水(濁水)に凝集剤を添加して、前記沈降分離槽(2)内のセンターウェル部(7)に投入し、該センターウェル部(7)から原水(濁水)を前記沈降分離槽(2)において、沈降するスラリーと沈降処理水とに分離し、
    次に、前記沈降分離槽(2)においてスラリーを排出した後の沈降処理水を、前記貯留調整槽(12)に輸送し、
    最後に、前記貯留調整槽(12)に沈降処理水を一時貯留して処理量を調整してから、この沈降処理水を前記浮上分離槽(3)に輸送し、浮上するスカムと浮上処理水とに分離し、スカムはスカム排出口(15)から排出し、浮上処理水は浮上処理水排出口(21)から公共水域に排出して処理を完了させる、ことを特徴とする濁水処理装置を用いた濁水処理方法。
  3. 建設工事、工事現場で生じる濁水について、沈降分離と浮上分離を併せ持ち、かつその処理順番を変えることができる濁水処理装置(1)を用いて浮上分離から沈降分離の順番に処理する濁水処理方法であって、
    下部にスラリーを排出させるスラリー排出口(4)を有する、処理対象物をスラリーと沈降処理水とに分離する筒形状の沈降分離槽(2)と、
    前記沈降分離槽(2)の内側に上部から下方へ向けて取り付けられた、処理対象物を投入する筒形状のセンターウェル部(7)と、
    前記沈降分離槽(2)の外周に二重筒形状に設けられた、底部に沈降処理水を排出する開閉弁(5)が接続されている沈降処理水排水口(13)を有し、該沈降分離槽(2)の上縁から溢流した、スラリーを分離除去した後の沈降処理水を該開閉弁(5)の開閉により一時的に貯留する貯留調整槽(12)と、
    上部にスカムを排出するスカム排出口(15)と、下部に処理対象物を投入する沈降処理水・原水投入口(16)とを有するスカム排出槽(17)と、これに隣接して隔壁(18)の下方で連通する浮上処理水排出槽(19)と、該浮上処理水排出槽(19)内の水位を調整するために、上下方向に長さを調節できるように上下方向に設けられた、浮上処理水を溢流排出するレベル調整排出筒(20)とから成る、処理対象物をスカムと浮上処理水とに分離する浮上分離槽(3)と、
    処理対象物を、前記センターウェル部(7)へ輸送する、沈降分離槽用輸送管(8)と、
    処理対象物を前記浮上分離槽(3)へ輸送する、前記貯留調整槽(12)の周囲に巻き付けるようにらせん形状に形成された浮上分離槽用輸送管(14)と、を備えた濁水処理装置(1)を用い、
    先ず、原水(濁水)を前記浮上分離槽(3)に投入し、ここでスカムと浮上処理水とに分離し、スカムはそのまま排出し、
    次に、浮上分離槽(3)から沈降分離槽用輸送管(8)で浮上処理水を輸送し、これに凝集剤を添加して前記沈降分離槽(2)のセンターウェル部(7)に投入し、沈降するスラリーと沈降処理水とに分離し、
    最後に、前記沈降分離槽(2)においてスラリーを排出した後の沈降処理水を、前記貯留調整槽(12)に一時貯留して、処理量を調整してから、そのまま沈降処理水は沈降処理水排出口(13)から公共水域に排出して処理を完了させる、ことを特徴とする濁水処理装置を用いた濁水処理方法。
  4. 前記浮上分離槽(3)内において浮上分離処理する際に、該浮上分離槽(3)内に気泡を発生させ、この気泡の気液界面に原水(濁水)中の汚濁物質を吸着させ、及び濃縮して浮上させて排出する、ことを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の濁水処理装置を用いた濁水処理方法。
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