JP6696761B2 - 等速ジョイント構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用される等速ジョイント構造に関し、特に、駆動軸と従動軸との間で相対的に軸方向移動が可能な等速ジョイント構造に関する。
このような等速ジョイント構造を、鉄鋼の圧延工程にて各種ミル設備(例えば、ホットストリップミルやコールドストリップミル等)のロール駆動用に適用されることがある。このような場合、負荷条件が高い箇所であるため、用いる等速自在継手として摺動式等速自在継手を用いていた。そして、従来としては、特許文献1に記載する等速ジョイント構造が提案されている。
特許文献1に記載の等速ジョイント構造は、図6に示すように、一対の摺動式等速自在継手2,2と、この一対の摺動式等速自在継手2,2を連結するシャフト1とを備え、一方の摺動式等速自在継手が駆動側に連結され、他方の摺動式等速自在継手が従動側に連結される。
摺動式等速自在継手2は、図7に示すように、外側継手部材5と、内側継手部材6と、ボール7と、ケージ8とを備える。外側継手部材5は、大径筒部5aと小径筒部5bとを備える。外側継手部材5の大径筒部5aの内径面に周方向に沿って所定ピッチで複数個配設される軸心方向のトラック溝10が形成されている。また、外側継手部材5の小径筒部5bの内径面には、連結すべき動力伝達部材のスプライン軸が嵌合する雌スプライン11が形成されている。
内側継手部材6は、シャフト1を挿入して嵌合する挿入孔12を有する。挿入孔12の内周面には、シャフト1の端部外周に形成した雄スプライン1cと嵌合する雌スプライン13を形成して連結させている。内側継手部材6の外径面には、周方向に沿って所定ピッチで複数個配設される軸心方向のトラック溝14が形成されている。
ところで、この等速ジョイント構造は、摺動式等速自在継手(ジョイント部材)を連結側の動力伝達部材側へ弾発付勢する弾性力付与手段20を設けている。この弾性力付与手段20としては、シャフト端面1dから突設される小径突出部21に一端部22aが嵌合される圧縮コイルバネ22を備えている。
この場合、外側継手部材5の大径部5aの底面に凹窪部23が形成され、この凹窪部23に受け部材24が装着されている。また、圧縮コイルバネ22の他端部22bにはキャップ部材25が嵌着されている。このため、シャフト端面1dと受け部材24との間に介在される圧縮コイルバネ22の弾発力にて、キャップ部材25を介して受け部材24を押圧することになる。
また、シャフト1は、中間大径部1aと端部小径部1b、1bとからなり、両端部小径部1b、1bの端部に前記雄スプライン1cが形成されることになる。また、摺動式等速自在継手2には外側継手部材5の開口部を密封するためのブーツ27が付設されている。ブーツ27は、大径のバンド装着部27aと、小径のバンド装着部27bと、大径のバンド装着部27aと小径のバンド装着部27bとを連結する蛇腹部27cとからなる。ブーツ27の大径のバンド装着部27aは外側継手部材の開口部側の外径面に形成されるブーツ装着部28で締結バンド29により締め付け固定され、その小径のバンド装着部27bはシャフト1の所定部位(ブーツ装着部30)で締結バンド29により締め付け固定されている。
特開2008−115943号公報
ところで、負荷条件が高い箇所では、大型の摺動式等速自在継手を適用することになる。しかしながら、圧延ロールの交換時間の短縮のため、ロールスタンドを交換する仕様に代わっている。また、連結すべきロール軸は断面形状がいわゆる小判形形状とされる場合が多い。このような場合、比較的ルーズな嵌合であるため、装着時の軸方向の拘束が甘く、軸部の摩耗にも繋がる。このため、摺動式等速自在継手がロール軸を押し付ける仕様にする必要があり、この場合、前記図6及び図7に示すような圧縮コイルバネ22を有する弾性力付与手段20を設けることになる。
このような弾性力付与手段20では、キャップ付の圧縮コイルバネ22を、シャフト端面1dと受け部材24との間に介装すればよいので、この弾性力付与手段20の脱着を簡易に行うことができる。この場合、必要なばね荷重を作業者の力(人の力)で圧縮させる必要がある。しかしながら、作業者の力(人の力)で圧縮させることが困難となる場合がある。
そこで、本発明では必要な高荷重が瞬時に取り出せることが可能で、安定した荷重を発生し、スムーズに伸縮させることが出来る等速ジョイント構造を提供する。
本発明の等速ジョイント構造は、一対の摺動式等速自在継手と、この一対の摺動式等速自在継手を連結するシャフトとを備え、一方の摺動式等速自在継手が駆動側に連結され、他方の摺動式等速自在継手が従動側に連結される等速ジョイント構造であって、
一対の摺動式等速自在継手は、それぞれ、内径面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外径面に複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材とを備え、各内側継手部材には、外側継手部材を軸方向外方へ弾性的な荷重を付与する弾性力付与手段を設けるとともに、この弾性力付与手段は、前記荷重を設定荷重とすることが可能な調整機構を構成し、かつ、前記弾性力付与手段は、外側継手部材側に配設されて凹球面の受け部を有する受け部材と、凸球面とされた先端面を有するピン部材と、ピン部材の先端面を受け部材の受け部に押し付ける押圧力を付与する弾性部材と、前記ピン部材に設けられる雄ねじ部に対して螺進退可能に螺合するナット部材とを備え、前記ピン部材と弾性部材とナット部材とでユニット体を構成し、このユニット体が前記内側継手部材に装着され、前記ピン部材の雄ねじ部に対して螺進退するナット部材を締付けて設備にセットした状態にて、前記設定荷重となるものである。ここで、設定荷重としては、例えば、作業者の力(人の力)で圧縮できない荷重(例えば、20kgf以上)とすることができ、任意に設定することができる。
本発明によれば、作業者の力(人の力)で圧縮できない荷重(例えば、20kgf以上)を発生する等速ジョイント構造に対して、必要な荷重(設定荷重)を引き出すことができる。
弾性力付与手段として、受け部材とピン部材と弾性部材とナット部材とで構成でき、しかも、ナット部材の締付状態(受け部材とピン部材と弾性部材とナット部材との組み付け状態)にて必要な荷重を引き出すことができる。ここで、ナット部材としては、緩み防止機能に優れたハードロックナット(登録商標:ハードロック工業株式会社製)を用いるのが好ましい。
前記ピン部材と弾性部材とナット部材とでユニット体を構成し、このユニット体が前記内側継手部材に装着されるように設定できる。このようにユニット化することによって、弾性部材(ばねの長さ)を任意の長さにセットでき、必要な設定荷重を容易に引き出すことができ、しかも、弾性力付与手段の組み込み性及び取り外し性に優れる。
前記受け部材の凹球面の受け部の表面硬度及び前記ピン部材の凸球面の先端面の表面硬度をHRC50以上とするとともに、これらの硬度差を、HRCで5ポイント以内とすることができる。このように設定することによって、受け部材の凹球面及びピン部材の凸球面が耐摩耗性に優れる。特に、硬度差をHRCで5ポイント以内とすることによって、受け部材の凹球面とピン部材の凸球面との摩耗を有効に防止できる。
前記受け部材の凹球面の受け部の曲率半径を前記ピン部材の凸球面の先端面の曲率半径よりも大きく設定し、ピン部材の凸球面の曲率半径をRnとし、受け部材の凹球面の曲率半径を(Rn+α)としたときに、接触率((Rn+α)/Rn)を1.04〜1.08に設定するのが好ましい。
このように設定することによって、受け部材の凹球面とピン部材の凸球面との摺接面積を比較的小さく設定でき、受け部材の凹球面に対してピン部材の凸球面が滑らかに摺接する。また、受け部材の凹球面とピン部材の凸球面とが点接触にならず、安定した摺接が可能となる。
前記受け部材の凹球面の受け部に油溝を設けるのが好ましい。このように油溝を設けることによって、受け部材の凹球面とピン部材の凸球面との間の油切れを有効に防止できる。
前記内側継手部材は、前記トラック溝が形成された内輪構成部を有し、この内輪構成部が前記シャフトと一体化構造にて形成されてなるものであってもよい。このように、一体構造とすれば、シャフトと内側継手部材との間でスプライン嵌合させる必要がなくなる。これによって、組み立て性の向上を図ることができる。なお、スプライン嵌合が必要であれば、トルク伝達ボールのピッチ円を小さくした場合に内側継手部材のボール溝底(トラック溝底)からスプライン間の肉厚が不足して強度を確保できないおそれがある。これに対して、一体化構造では、強度不足とならずに、トルク伝達ボールのピッチ円を小さくすることができる。
本発明では、作業者の力(人の力)で圧縮できない荷重(例えば、20kgf以上)を発生する等速ジョイント構造に対して、必要な荷重(設定荷重)を引き出すことができる。このため、各種の設備に装着した際において、軸方向の拘束が甘くならず、従動軸及び駆動軸を安定して押し付けることができ、しかも、軸部等の摩耗を有効に防止できる。
また、従動軸及び駆動軸を安定して押し付けることができるので、この従動軸及び従動軸との連結作業・分離作業の容易化を図ることができる。
本発明の等速ジョイント構造の断面図である。 図1に示す等速ジョイント構造の要部拡大断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 受け部材の凹曲面の受け部を示し、(a)は複数の周方向の油溝が形成された受け部の簡略図であり、(b)は複数の周方向及び径方向の油溝が形成された受け部の簡略図である。 従来の等速ジョイント構造の断面図である。 図6に示す等速ジョイント構造の要部拡大断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1と図2とは本発明に係る等速ジョイント構造を示している。この等速ジョイント構造は、一対の摺動式等速自在継手31,32と、この一対の摺動式等速自在継手を連結するシャフト33とを備え、一方の摺動式等速自在継手31が駆動側(減速機側)に連結され、他方の摺動式等速自在継手32が従動側(ロール側)に連結される。
摺動式等速自在継手31,32は、内径面34に複数(例えば、6個)のトラック溝35が形成された外側継手部材36と、外径面37に複数(例えば、6個)のトラック溝38が形成された内側継手部材39と、前記外側継手部材36のトラック溝35と内側継手部材39のトラック溝38との間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材としての複数(例えば、6個)のトルク伝達ボール40と、前記外側継手部材36の内径面34と内側継手部材39の外径面37との間に介在してボール40を保持する保持器41とを備える。
前記シャフト33は、直線状の円筒体からなる本体42と、この本体42の両端部に連設される端部軸部材43、43とからなる。端部軸部材43は、大径基部44と、内側継手部材39を構成する軸部45とからなる。大径基部44は、本体42に嵌入する嵌入部44aと、後述するブーツが装着されるブーツ装着部44bと、嵌入部44aとブーツ装着部44bとの間に設けられる鍔部44cとからなる。このため、大径基部44の嵌入部44aが本体42に嵌入され、鍔部44cが本体42の端面に当接した状態で、溶接等の連結手段にて一体化される。
軸部材45の端部に外径側に膨出する内輪構成部46が形成される。すなわち、この内輪構成部46の外径面37に複数のトラック溝38が形成されることになる。このため、この内輪構成部46がシャフト33と一体化構造とされる。
一方の摺動式等速自在継手31の外側継手部材36には、スペーサ50を介してフランジ部材51が連結される。すなわち、スペーサ50は、内径面に大径部50aと、小径部50bとが形成されたリング体からなり、外側継手部材36側が溶接等の連結手段にて外側継手部材と一体化される。
フランジ部材51は、その内径面51aに図3に示すように、キー溝52が形成された本体部53と、この本体部53の継手側の端部に設けられた外鍔部54とからなり、ボルト部材49を介してスペーサ50に固着されている。また、スペーサ50の大径部50aの端部(継手側端部)側に球面座55を設けている。そして、この球面座55は保持器41の外径面のフランジ側の端部に摺接する。
外側継手部材36の反フランジ部材側の開口部はブーツ56にて密封されている。この場合、外側継手部材36の反フランジ部材側の端部に、ブーツ固定部材57が取付られている。すなわち、ブーツ固定部材57は、外側継手部材側の端面に凹部58aが形成されたリング状の本体部58と、この本体部58から反フランジ部材へ突出するブーツ装着用リング部59とからなる。
また、ブーツ56は、一対の短筒部56a、56bと、これらを連結する蛇腹部56cとからなる。そして、一方の短筒部56aがブーツ固定部材57のブーツ装着用リング部59に外嵌され、これにブーツバンドを締め付けることによって、ブーツ56をブーツ固定部材57に取付けることができる。他方の短筒部56bがシャフト33のブーツ装着部44bに外嵌され、これにブーツバンドを締め付けることによって、ブーツ56をシャフト33に固定することができる。
また、他方の摺動式等速自在継手32の外側継手部材36には、直接的にフランジ部材60が連結されている。フランジ部材60は、筒状の本体61とこの本体61に内装される一対の側板62,62(図4参照)とを有するものである。本体61の内径面は、継手側の大径部61aと、中径部61bと、小径部61cと、反継手側の開口部の面取り部61dとを有する。そして、一対の側板62,62は、小径部61c乃至面取り部61dに跨って配設されて、図4に示すように、相対面した状態で、ボルト部材63を介して本体61に固定される。このため、フランジ部材60に、その断面形状が長円形状(小判形状)となる軸嵌入部64が形成される。
この摺動式等速自在継手32においても、外側継手部材36の反フランジ部材側の開口部はブーツ56にて密封されている。この場合、外側継手部材36の反フランジ部材側の端部に、外側継手部材側の端面に凹部58aが形成されたリング状の本体部58と、この本体部58から反フランジ部材へ突出するブーツ装着用リング部59とからなるブーツ固定部材57が取付られている。
また、ブーツ56は、一対の短筒部56a、56bと、これらを連結する蛇腹部56cとからなる。そして、一方の短筒部56aがブーツ固定部材57のブーツ装着用リング部59に外嵌され、これにブーツバンドを締め付けることによって、ブーツ56をブーツ固定部材57に取付けることができる。他方の短筒部56bがシャフト33のブーツ装着部44bに外嵌され、これにブーツバンドを締め付けることによって、ブーツ56をシャフト33に固定することができる。
各内側継手部材39には、外側継手部材36を軸方向外方へ弾性的な荷重を付与する弾性力付与手段Sを設けている。弾性力付与手段Sは、図2に示すように、外側継手部材側に配設されて凹球面の受け部70を有する受け部材71と、凸球面とされた先端面72を有するピン部材73と、ピン部材73の先端面72を受け部材71の受け部70に押し付ける押圧力を付与する弾性部材74と、前記ピン部材73に設けられる雄ねじ部75に対して螺進退可能に螺合するナット部材76とを備える。なお、弾性部材74の外周部には、座屈防止のために円筒状カラー79が配設されている。
受け部材71は円盤体からなり、その内方端面中央部に凹曲面からなる受け部70が設けられている。一方の摺動式等速自在継手31では、この受け部材71がスペーサ50の大径部50aに嵌合される。この際、受け部材71は、大径部50aと小径部50bとの間の段付部50cに当接している。なお、受け部材71の外周面には、Oリング等のシール部材77が装着されている。また、反段付部側の大径部50aにおいて、止め輪78が装着され、受け部材71の抜けを防止している。
また、他方の摺動式等速自在継手32では、受け部材71はフランジ部材60の大径部61aに嵌合される。この際、受け部材71は、大径部61aと中径部61bとの間の段付部61eに当接している。なお、受け部材71の外周面には、Oリング等のシール部材77が装着されている。反段付部側の大径部61aにおいて、止め輪78が装着され、受け部材71の抜けを防止している。
ピン部材73は、外鍔部80aを有する先端大径部80と、外鍔部80aから反先端大径部側に延びる先端大径部80よりも小径の中間軸部81と、基端側の前記雄ねじ部75とからなる。先端大径部80の先端面、つまり、ピン部材73の先端面72は凸球面とされる。
この場合、受け部材71の凹球面の受け部70の曲率半径をピン部材73の凸球面の先端面72の曲率半径よりも大きく設定している。すなわち、ピン部材73の先端面(凸球面72)の曲率半径をRnとし、受け部材71の凹球面70の曲率半径を(Rn+α)としたときに、接触率((Rn+α)/Rn)を1.04〜1.08に設定した。
雄ねじ部75に螺合されるナット部材76は、緩みにくいハードロックナット(登録商標:ハードロック工業株式会社製)が用いられる。
ピン部材73の中間軸部81にはばね座82が装着され、このばね座82と先端大径部80の外鍔部80aとの間に圧縮コイルバネからなる弾性部材74を介在させている。また、ナット部材76は、間座83を介して雄ねじ部75に螺合されている。このため、ナット部材76は間座83を介して弾性部材74の弾性力を受けることになる。つまり、弾性力付与手段Sには、荷重を設定荷重とすることが調整機構Mを構成することになる。この場合、ピン部材73の雄ねじ部75に対して螺進退するナット部材76の締付状態(ユニット体U組み付け状態)にて、設定荷重を得ることができる。
ところで、ピン部材73と弾性部材74とナット部材76(ハードロックナットと間座83を含む)とでユニット体Uを構成し、このユニット体Uが内側継手部材39に装着されることになる。すなわち、内側継手部材39には、このユニット体Uが収納可能な孔部85が設けられている。そして、内側継手部材39の外端面39aに螺着されるボルト部材86を介してエンドプレート87が取付られる。これによって、ユニット体Uが内側継手部材39の孔部85に保持される。また、ピン部材73の先端面72が弾性部材74の弾性力に押圧されて、エンドプレート87の貫孔87aを介して、受け部材71側に突出する。これによって、ピン部材73の先端面72が受け部材71の受け部70に受けられることになる。なお、内側継手部材39に形成される孔部85は、軸部材43の軸部45乃至大径基部44の一部に対応する孔部本体85aと、大径基部44の鍔部44cから嵌入部に対応する開口部85bとからなる。
この場合、受け部材71の凹球面の受け部70の表面硬度及びピン部材73の凸球面の先端面72の表面硬度をHRC50以上とするとともに、これらの硬度差を、HRCで5ポイント以内とすることができる。HRC50以上には、高周波焼入れ等の熱硬化処理を行えばよい。なお、HRC50以上とする場合、受け部材71においては、全体であっても、受け部70のみであっても、ピン部材73においては、全体であっても、先端面72のみであってもよい。
ところで、本実施形態では、図5(a)(b)に示すように、受け部材71の受け部70には油溝90が形成されている。図5(a)では、同芯円の複数の円形溝90aからなり、図5(b)は同芯円の複数の円形溝90a及び径方向の直線溝90bが形成されている。
この等速ジョイント構造では、ユニット体Uを内側継手部材39に装着された状態では、弾性部材74が伸びきった状態(ピン部材73の先端面72が受け部材71の受け部70に干渉されている状態)になるが、この等速ジョイント構造を設備にセットした際には、規定寸法まで全長が圧縮され、このユニット体Uが縮められることにより、瞬時に狙っていた荷重(設定荷重)が発生することになる。ここで、設定荷重としては、例えば、作業者の力(人の力)で圧縮できない荷重(例えば、20kgf以上)とすることができる。
このため、作業者の力(人の力)で圧縮できない荷重(例えば、20kgf以上)を発生する等速ジョイント構造に対して、必要な荷重(設定荷重)を引き出すことができる。したがって、各種の設備に装着した際において、軸方向の拘束が甘くならず、従動軸及び駆動軸を安定して押し付けることができ、しかも、軸部等の摩耗を有効に防止できる。
弾性力付与手段Sとして、受け部材71とピン部材73と弾性部材74とナット部材76とで構成でき、しかも、ナット部材77の締付状態(受け部材71とピン部材73と弾性部材74とナット部材76との組み付け状態)にて必要な荷重を引き出すことができる。前記ピン部材73と弾性部材74とナット部材76とでユニット体Uを構成し、このユニット体Uが内側継手部材39に装着されるように設定できる。このようにユニット化することによって、弾性部材74(ばねの長さ)を任意の長さにセットでき、必要な設定荷重を容易に引き出すことができ、この設定荷重を任意の荷重に設定できる。しかも、弾性力付与手段Sの組み込み性及び取り外し性に優れる。
また、前記したように、受け部材71の凹球面の受け部70の表面硬度及びピン部材73の凸球面の先端面72の表面硬度をHRC50以上とすることができる。このように設定することによって、受け部材71の受け部70及びピン部材73の先端面72が耐摩耗性に優れる。特に、これらの硬度差をHRCで5ポイント以内とすることによって、受け部材71の凹球面(受け部70)とピン部材73の凸球面(先端面72)との摩耗を有効に防止できる。
ピン部材73の凸球面(先端面72)の曲率半径をRnとし、受け部材71の凹球面(受け部70)の曲率半径を(Rn+α)としたときに、接触率((Rn+α)/Rn)を1.04〜1.08に設定することによって、受け部材71の凹球面(受け部70)とピン部材73の凸球面(先端面72)との摺接面積を比較的小さく設定でき、受け部材71の凹球面(受け部70)に対してピン部材73の凸球面(先端面72)が滑らかに摺接する。また、受け部材71の凹球面(受け部70)とピン部材73の凸球面(先端面72)とが点接触にならず、安定した摺接が可能となる。
また、受け部材71の凹球面の受け部70に油溝を設けることによって、受け部材71の凹球面(受け部70)とピン部材73の凸球面(先端面72)との間の油切れを有効に防止できる。
内側継手部材39は、トラック溝38が形成された内輪構成部46を有し、この内輪構成部46がシャフト33と一体化構造にて形成されてなるものであるので、シャフト33と内側継手部材39との間でスプライン嵌合させる必要がなくなる。これによって、組み立て性の向上を図ることができる。なお、スプライン嵌合が必要であれば、トルク伝達ボール40のピッチ円を小さくした場合に内側継手部材39のボール溝底(トラック溝底)からスプライン間の肉厚が不足して強度を確保できないおそれがある。これに対して、一体化構造では、強度不足とならずに、トルク伝達ボール40のピッチ円を小さくすることができ、摺動式等速自在継手のコンパクト化が可能となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、前記実施形態では、弾性力付与手段の弾性部材に圧縮コイルばねを用いたが、板状のバネ線材を竹の子状に巻いた竹の子ばねを圧縮して用いるなど、他の圧縮ばねを用いても、ゴムなどの弾性作用を有する弾性部材を用いてもよい。また、ナット部材としても、ハードロックナットに限るものではない。摺動式等速自在継手として、前記実施形態では、シャフト33に内輪構成部46が形成された内側継手部材39とシャフト33とが一体化されたものを用いたが、シャフト33と内側継手部材39とが別体とされて、この内側継手部材39の孔部にシャフト33が嵌入される通常のダブルオフセットタイプ等であってもよい。この場合(内側継手部材とシャフトとが別体である場合)、シャフト33に、ピン部材73と弾性部材74とナット部材76とで構成されるユニット体Uを装着すればよい。なお、等速自在継手のトルク伝達部材としてのボールの数としても、6個に限るものではない。また、摺動式等速自在継手としてトリポード型等速自在継手であってもよい。
S 弾性力付与手段
U ユニット体
31,32 摺動式等速自在継手
33 シャフト
34 内径面
35 トラック溝
36 外側継手部材
37 外径面
38 トラック溝
39 内側継手部材
40 トルク伝達ボール
41 保持器
46 内輪構成部
70 受け部(凹球面)
71 受け部材
72 先端面(凸球面)
73 ピン部材
74 弾性部材
75 雄ねじ部
76 ナット部材
90 油溝
90a 円形溝
90b 直線溝

Claims (5)

  1. 一対の摺動式等速自在継手と、この一対の摺動式等速自在継手を連結するシャフトとを備え、一方の摺動式等速自在継手が駆動側に連結され、他方の摺動式等速自在継手が従動側に連結される等速ジョイント構造であって、
    一対の摺動式等速自在継手は、それぞれ、内径面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外径面に複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材とを備え、各内側継手部材には、外側継手部材を軸方向外方へ弾性的な荷重を付与する弾性力付与手段を設けるとともに、この弾性力付与手段は、前記荷重を設定荷重とすることが可能な調整機構を構成し、かつ、前記弾性力付与手段は、外側継手部材側に配設されて凹球面の受け部を有する受け部材と、凸球面とされた先端面を有するピン部材と、ピン部材の先端面を受け部材の受け部に押し付ける押圧力を付与する弾性部材と、前記ピン部材に設けられる雄ねじ部に対して螺進退可能に螺合するナット部材とを備え、前記ピン部材と弾性部材とナット部材とでユニット体を構成し、このユニット体が前記内側継手部材に装着され、前記ピン部材の雄ねじ部に対して螺進退するナット部材を締付けて設備にセットした状態にて、前記設定荷重となることを特徴とする等速ジョイント構造。
  2. 前記受け部材の凹球面の受け部の表面硬度及び前記ピン部材の凸球面の先端面の表面硬度をHRC50以上とするとともに、これらの硬度差を、HRCで5ポイント以内とすることを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント構造。
  3. 前記受け部材の凹球面の受け部の曲率半径を前記ピン部材の凸球面の先端面の曲率半径よりも大きく設定し、ピン部材の凸球面の曲率半径をRnとし、受け部材の凹球面の曲率半径を(Rn+α)としたときに、接触率((Rn+α)/Rn)を1.04〜1.08に設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速ジョイント構造。
  4. 前記受け部材の凹球面の受け部に油溝を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の等速ジョイント構造。
  5. 前記内側継手部材は、前記トラック溝が形成された内輪構成部を有し、この内輪構成部が前記シャフトと一体化構造にて形成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の等速ジョイント構造。
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