以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の撮像装置の一実施形態であるカメラを背面上方から見た斜視図である。
カメラ10は、例えばデジタルカメラである。図1に示されるように、カメラ本体(光学装置本体)100の背面には、ライブビューや撮影画像、メニュー画面、各種機能の設定状況や画像情報などが表示されるLCDなどのモニタ(画像表示モニタ)12が配置され、モニタ12の上方には、ファインダ13が配置される。すなわち、ユーザは、モニタ12に表示されるライブビュー、あるいはファインダ13内の被写体像を見ながら撮影を行う。
ファインダ13の左隣りにはライブビューボタン(LV)14、測光切替ボタン15が配置され、ファインダ13の右斜め上には、ファインダ13の視度調整ダイヤル16が配置される。また、モニタ12の右側には、ホワイトバランス、ドライブ、カスタムイメージ、バックライトの各機能にも対応する4方向ボタン32L、32U、32R、32D、OKボタン33、INFOボタン34、MENUボタン35、測距点移動ボタン36、再生ボタン37、グリーンボタン38、などのスイッチ群17が配置される。背面において、スイッチ群17の上方であってカメラ本体100の頂面近くには、後電子ダイヤル(第1操作部材)18、およびAFボタン19、AE−Lボタン20が配置される。
なお、図1においてカメラ本体100の右側は、右手把持部21として構成され、スイッチ群17の右側周縁部には、滑り止めのグリップゴム21Rが貼られ、カメラ本体100の前面側には、親指以外の右手の指で握る、前方に突き出したグリップ部21Gが設けられる。
図1において、カメラ本体100の頂面左端には、モードダイヤル(第1項目選択手段)22が設けられる。一方、カメラ本体100の頂面右端には、背面側角部近くに設定ダイヤル23が設けられ、その前隣りには照明ボタン39、左隣りには、LCDなどのステータス表示器24が配置される。また、カメラ本体100の頂面において、ステータス表示器24の前方左側には、機能ダイヤル(第2項目選択手段)26と、機能ダイヤル26の同軸下側に動画/静止画切替レバー27が設けられている。
グリップ部21Gの頂面には、露出補正ボタン28とISOボタン29が並列して配置され、それらの前方には、シャッタボタン30が配置される。また、グリップ部21Gの前面であって、シャッタボタン30の直ぐ下には、前電子ダイヤル31が配置される。なお、図1において、カメラ10の撮影光軸は直線Lで示される。
図2は、図1のカメラ10の電気的な構成の概略を示すブロック図である。図2を参照してカメラ10の電気的な構成の概略について説明する。
カメラ10は、交換レンズ200とカメラ本体100から構成される。カメラ本体100は、シャッタボタン30、スイッチ群17などを含む操作スイッチ群(入力手段)102を備える。制御部(CPU)101は、ROM(不図示)等に保存される制御プログラムに従いデジタルカメラ10全体の制御を行う。
制御部101は、デジタルカメラ10に内蔵されたTTL露出計(図示せず)で測定された測光値に基づき、露出モードに応じて絞り/シャッタ駆動部104を介して絞り202やシャッタ105を駆動制御する。より詳細には、絞り202及びシャッタ105の駆動制御は、後述するプログラムAE、シャッタ速度優先AE、絞り優先AE、感度優先AEなど、ユーザにより選択されるAE機能に基づいて行われる。また、制御部101は、AE制御と併せてレンズ駆動部103を介して撮影レンズ201のAF制御を行う。AF制御には、アクティブ方式、位相差検出方式、コントラスト検出方式等が適用される。
被写体からの光束は、撮影レンズ201、絞り202、シャッタ105を通過してイメージセンサ106により受光される。イメージセンサ106は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサであり、画像信号は信号処理部107へ出力される。信号処理部107は、後述するように画像信号を設定されたISO感度に応じたゲインで増幅し、画像処理部(画像処理エンジン)108に出力する。
画像処理エンジン108は、信号処理部107より入力される信号に対して色補間、マトリクス演算、Y/C分離等の所定の信号処理を施して輝度信号Y、色差信号Cb、Crを生成し、JPEG等の所定のフォーマットで圧縮する。バッファメモリ109は、画像処理エンジン108による処理の実行時、処理データの一時的な保存場所として用いられる。
カードインタフェース(I/F)110のカードスロットには、メモリカード111が着脱可能に差し込まれている。画像処理エンジン108は、カードインタフェース110を介してメモリカード111と通信可能である。画像処理エンジン108は、生成された圧縮画像信号(撮影画像データ)をメモリカード111(又はデジタルカメラ10に備えられる不図示の内蔵メモリ)に保存する。撮影画像データの保存処理と共に画像処理エンジン108は、撮影画像データを所定のフォーマットの画像信号に変換し、画像表示モニタ制御部112に出力してもよい。画像表示モニタ制御部112は、画像処理エンジン108より入力される画像信号を基に撮影後の確認用画像を画像表示モニタ113に所定時間表示させる。画像表示モニタ113は、例えばLCDである。
また、画像表示モニタ113には、操作スイッチ群102の操作と連動する各種設定メニューが表示可能であり、ユーザは同メニューを見ながらスイッチ操作を行い、各種設定を行うことができ、設定されたパラメータ値等を画面に表示させることもできる。
本実施形態では、モードダイヤル22が露出モード選択用の回転操作部(第1項目選択手段)として機能し、機能ダイヤル26が後述する設定モード選択用の回転操作部材(第2項目選択手段)として機能する。また、モードダイヤル22で選択されるモードにおける露出決定因子の設定値(設定)や、機能ダイヤル26で選択される機能の挙動等を設定する設定値(設定)の変更を行う設定変更用の操作部材(第1または第2設定変更手段)116として、図1の後電子ダイヤル18、設定ダイヤル23、前電子ダイヤル31の内の1以上のダイヤルが機能する。
本実施形態のモードダイヤル22は、複数の露出モードの中から1つの露出モード(第1の項目群)が選択可能である。図示例において露出モードは、被写体の状況(シーン)を自動認識し、最適と思われるプログラムラインと露出値や画像処理を自動設定するオートモード(AUTO)、所定プログラムラインにしたがってシャッタ速度と絞り値を自動設定するプログラムモード(P)、任意に設定されたISO感度に合わせて絞り値とシャッタ速度を自動設定する感度優先モード(Sv)、任意に設定されたシャッタ速度に合わせて絞り値を自動設定するシャッタ優先モード(Tv)、任意に設定された絞り値に合わせてシャッタ速度を自動設定する絞り優先モード(Av)、任意に設定された絞り値とシャッタ速度に合わせてISO感度を自動設定するシャッタ&絞り優先モード(TAv)、シャッタ速度と絞り値をユーザが手動設定するマニュアルモード(M)、バルブモード(B)、フラッシュ同調モード(X)などである。また、図示例のモードダイヤル22には、ユーザがよく使う露出モードを含む設定を記憶可能なユーザモード(U1〜U5)が用意されている。つまり、本実施形態では、露出モードに関する設定のみがモードダイヤル22に割り当てられている。
例えば、第1実施形態では、後電子ダイヤル18を、モードダイヤル22により、Avモード、TAvモード、Mモード、Xモード、Bモードの何れかの項目が選択されているときに、ダイヤルを左右に回転させることで、選択中の露出モードに対応する変数として、絞り値(設定、設定値)の変更が行え、Svモードが選択されているときに、ISO感度の変更が行える操作部材(第1設定変更手段)として用い、Pモードが選択されているときに、プログラムシフトが行える操作部材(第1設定変更手段)として用い、更に、前電子ダイヤル31を、モードダイヤル22により、Tvモード、TAvモード、Mモードの何れかの項目が選択されているとき、ダイヤルを左右に回転させることでシャッタ速度(設定、設定値)の変更が行える操作部材(第1設定変更手段)としても用いる。なお、変更される設定(設定値)は、ファインダ13内や、画像表示モニタ113、ステータス表示器24等に表示される。
また、本実施形態では、カメラ10の様々な機能のうち、モードダイヤル22で選択される露出モードとは、別に設定変更可能な複数の機能(本明細書では設定モードと呼ぶ)、例えばモードダイヤル22で選択される露出モードに依存しない機能、すなわち独立した機能を1つ選択できる機能ダイヤル26を、モードダイヤル22とは別体として設けている。本実施形の機能ダイヤル26では、例えばWiFi機能(WI−FI)、画像サイズ選択機能(撮像素子の有効領域選択機能)(Crop)、手ぶれ補正機能(SR)、グリッド線表示機能(Grid)、HDR撮影機能(HDR)、ブラケット撮影機能(BKT)、連写撮影スピード設定機能(CH/CL)、感度設定機能(ISO)、露出補正機能(+/−)、無効機能(●)などの項目(第2の項目群)が選択できる。そして、第1実施形態では、設定ダイヤル23を、機能ダイヤル26で選択された機能(項目)の挙動等を設定する設定(値)を変更するためのダイヤル式の操作部材(第2設定変更手段)として用いる。なお、機能ダイヤル26においても、ユーザがよく使う所定の設定モードを割り付け可能な構成としてもよい。例えば、手振れ補正機能を転用したモアレ緩和機能(LPS)のOff/On(強)/On(弱)が選択できても良い。
例えば、機能ダイヤル26で、WiFi機能(WI−FI)、手ぶれ補正機能(SR)、グリッド線表示機能(Grid)の何れかが選択されているときには、ユーザは設定ダイヤル23を操作することにより、これらの機能のオン/オフを切り替えることができる。また画像サイズ選択機能(Crop)が選択されているときには、設定ダイヤル23を回転操作することで、画像サイズ(撮像素子の有効範囲)が例えばAuto/FF/APS−Cの間で循環的に選択され、HDR撮影機能(HDR)が選択されているときには、設定ダイヤル23を回転操作することで、HDR撮影が、例えばAuto/Type1/Type2/Type3/A−HDR/offの間で循環的に選択される。ブラケット撮影機能(BKT)が選択されているときには、設定ダイヤル23を回転操作すると、ΔEV値が変更され、連写撮影スピード設定機能(CH/CL)が選択されているときには、設定ダイヤル23を回転操作することで、連写スピードが例えばH/M/Lの3段階と連写停止(単写)から選択される。また感度設定機能(ISO)では、ISO値の変更、露出補正機能(+/−)では、露出補正値を変更する。なお、変更される設定値は、ファインダ13内や、画像表示モニタ113、ステータス表示器24等に表示される。
ユーザは、従来から撮影中に頻繁に変更されることが想定される露出モードとは別に、撮影中に頻繁に変更しつつ撮影したい機能があれば、その機能(項目)を機能ダイヤル26で選択し、設定ダイヤル23を操作することで、スイッチ群17等を利用した画像モニタ113上のメニュー操作による撮影中断を挟むことなく、シャッタボタン30による撮影指示の待機状態を維持したまま、所望の機能(項目)の設定値を変更することができる。
設定ダイヤル23は、ユーザがカメラを構えた状態で(撮影姿勢のまま)、親指のみを使用して(親指の腹を設定ダイヤル23に押しつけながら回転)操作されることを前提にしている。一方、機能ダイヤル26は、ユーザが構えを解き、ダイヤル部を複数の指で摘まんで回転操作することを前提としている。そのため設定ダイヤル23は、右手把持部21を握る右手親指で容易に操作できる位置、すなわちカメラ本体100の右手把持部21の頂面後方角部に設けられる。これに対して機能ダイヤル26は、撮影動作中に操作されるものではなく、複数の指で積極的にダイヤル部を摘まんで回転操作することを前提にしているので、設定ダイヤル23よりも撮影光軸Lより(右手把持部21に対して離れた側)に配置される。
一方、機能ダイヤル26は、ダイヤル部をユーザが摘み易いように、その位置を設定ダイヤル23よりも高くしている。また、摘み易いように、その厚さも設定ダイヤル23よりも厚く設定される。更に意図せずに機能選択が変更されないように、機能ダイヤル26の回転負荷は、設定ダイヤル23の回転負荷よりも相対的に大きい。上述の通り、設定ダイヤル23は、使いやすさを最優先させた位置に配置すべきであるが、そうすることによって不用意に(意図せず)設定が変更されてしまうというデメリットがある。そこで本実施形態の機能ダイヤル26では、設定ダイヤル23の機能(回転操作による設定値変更)を無効にする無効機能(無効位置)(●)の選択が可能である。これは何れの機能の設定変更も予定していないにもかかわらず、設定ダイヤル23が意図せず操作され、設定が変更されてしまうことを防止するためのものである。
後電子ダイヤル18も設定ダイヤル23と同様に、カメラを構えた状態で右手親指を用いて操作されることを前提としている。そのため後電子ダイヤル18も右把持部21を握る右手親指で簡単に操作できるように、設定ダイヤル23よりも撮影光軸L側、かつ低い位置に配置される。すなわち、設定ダイヤル23のポジションからユーザが親指を左側へ少し傾けると後電子ダイヤル18のポジションに親指が位置する。なお、後電子ダイヤル18と設定ダイヤル23の位置関係は、逆にすることも可能である。また、ここで「高い/低い」とは、長方形の撮像素子の受光面の短辺方向を上下方向、長辺方向が左右方向としている。
以上のように本実施形態では、モードダイヤル(第1項目選択手段)22と、機能ダイヤル(第2項目選択手段)26が別体として設けられ、かつモードダイヤル22では撮影に必要な露出モード(項目)を選択し、機能ダイヤル26では、露出モードとは独立した機能(項目)を選択する構成としたことで、機能ダイヤル26が操作中(設定モードの選択中)であっても、露出モードはモードダイヤル22より常に確定している。そのため、機能ダイヤル26を操作中にシャッタチャンスが訪れた場合には選択された露出モードの設定のみを有効として、シャッタボタン30を直ちに操作して、モードダイヤル22で選択されている露出モードで撮影が可能である。そして、露出モードとは独立し、競合しない機能ダイヤル26の設定モードの設定は、それぞれ常に有効とすることができる。
また、モードダイヤル22とは別体の機能ダイヤル26を設けることには、以下のような効果もある。すなわち、従来は単一のダイヤル上に露出モード設定のための回転位置(第1項目)と、その他の機能設定のための回転位置(第2項目)とが混在して設けられていた。これに対して本実施形態では、モードダイヤル22に露出モード設定を行うための回転位置(第1項目)のみを設け、モードダイヤル22とは別体の機能ダイヤル26に露出モード以外の機能設定を行うための回転位置(第2項目)を設けた。これにより、それまで混在していた露出設定とそれ以外の機能設定を、露出モード設定のための「軸」と露出モード以外の機能設定のための「軸」の2軸に分離し、従来よりもすっきりとユーザに両設定の違い(例えば独立性)を認識/実感させることができる。その結果、カメラのユーザインタフェース全体の世界観(例えば構成や仕様等)がよりシンプルとなり、ユーザが短時間で直感的に使用することができる「道具」となり得る。
なお図3に、第1実施形態におけるモードダイヤル22による露出モード選択と、機能ダイヤル26による設定モード選択と、後電子ダイヤル18、前電子ダイヤル31、設定ダイヤル23により変更可能な各設定値と、各状態においてシャッタボタン30が操作されたときに使用される露出モードとの関係を示す。また図4に、モードダイヤル22が、Tv(シャッタ優先)モードに対応する位置に合わせられ、機能ダイヤル26がホワイトバランス(WB)に対応する位置に合わせられた状態と、そのときのステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113の表示状態の表示状態を示す。
ステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113の表示状態には、モードダイヤル22により現在選択されている露出モードが、Tvモードであることと、同モードにおいて現在設定されているシャッタ速度が1/125、F値がF5.6、ISO感度が400、露出補正が+0.3EVであることが示されるとともに、機能ダイヤル26により現在選択されている設定モードがホワイトバランス(WB)で、その設定値がオートホワイトバランス(AWB)あることが示される。図4の例では、設定変更用の操作ダイヤル(18、31、23等)により現在設定変更可能な設定値が枠で囲まれてステータス表示器24に示される。すなわち、図4では、シャッタ速度(1/125)と、ホワイトバランス設定値(AWB)が枠で囲まれている。
なお、図4の例では、一例として2つの設定値が枠で囲まれているが、3つのダイヤル(18、31、23等)の回転操作が有効である場合には、3つの設定値が枠で囲まれる。また、図3、4の例では、図1の機能ダイヤル26に図示されていない、ホワイトバランス(WB)が選択項目として便宜的に例示され、他の幾つかの設定モードが省略されているが、当然のことながら、設定モードは図1の機能ダイヤル26に示されるものでもよいし、他の機能に対応するものであってもよい。
なお、モードダイヤル22と機能ダイヤル26とに、それぞれ別の設定値変更用の操作部材を割り当てた場合、設定ダイヤル23の機能を無効にする無効機能(無効位置)(●)は、必ずしも必要ではない。図5に、設定ダイヤル23に無効機能(無効位置)(●)の選択項目がない場合の図3に対応する表を示す。また、後電子ダイヤル18、前電子ダイヤル31の一方のみを選択された露出モードの設定値の設定変更用操作部材とすることもできる。
次に、図6、図7、図8、図9を参照して、本実施形態において機能ダイヤル26で選択される設定モードに対応する設定値を変更するための設定ダイヤル23を用いた設定値の変更処理について説明する。
本実施形態では、設定値などの設定のされ方(選択肢のバリエーション、設定を有効化する操作、設定後の挙動)が異なる4種類の設定モードA、B、B’、B”における設定変更動作を例示する(図6参照)。そのうち特に特徴的な挙動に着目すると、機能ダイヤル26によって選択することができる項目に、少なくとも、機能ダイヤル26で選択された項目に依らず設定が有効となる種類の設定値(第1項目種、設定ダイヤル23による設定を、当該位置以外でも維持する)と、機能ダイヤル26で選択された項目(位置)に対応する設定が当初設定されていた場合でも、機能ダイヤル26が当該位置に位置した時点では設定は有効化されず、設定ダイヤル23が操作された時点でその設定が有効になる種類の設定値(第2項目種)とが存在することである。
例えば機能ダイヤル26において、4つの設定モードA〜Dが選択可能である場合を例に説明する。なお、以下の説明では設定モードB’、B”は、設定モードBの代替的な変形例として説明するが、機能ダイヤル26において選択可能な別の設定モードとして設けることも可能である。図6に示すように設定モードAには、選択可能な4つの設定値a1〜a4が用意され、例えば設定値変更操作部材である設定ダイヤル23で、これら4つの設定値a1〜a4の全てが選択可能である。一方、設定モードB(設定モードB’、B”)には、選択可能な7つの設定値b1〜b7が用意されているものの、設定ダイヤル23で、選択可能なのは設定値b3、b7の2つ(用意されているものの一部)である。
これは例えば、設定モードB(設定モードB’、B”)の設定値b1〜b7のうち、頻繁に使用する設定値がb3とb7に限られている場合に、設定モードAのように設定モードB(設定モードB’、B”)に対する全ての設定値b1〜b7を設定ダイヤル23の操作に合わせて設定可能とすると、設定値は設定ダイヤル23の操作に応じて例えばb1→b2→b3→b4→b5→b6→b7→b1・・・(逆方向も可能)のようにフルセットが順番に切り替えられる。このような構成であると実際に選択されるのはb3、b7(サブセット)に限られるにも関わらず、所望の設定値に辿り着くまでの切り替え手順が多くなり設定作業が繁雑となる。そこで設定ダイヤル23で選択可能な設定値をb3とb7のみに限定することで、設定モードBを所望の設定値に迅速に設定できるようにしている。
まず図7を参照して設定モードBにおける機能ダイヤル26と設定ダイヤル23を用いた設定変更動作について説明する。設定モードBに対して設定ダイヤル23以外の操作部材によって、例えば設定値b1など設定値b3、b7以外の値が当初設定されている状態で、機能ダイヤル26が設定モードB以外から設定モードBに位置された場合、設定モードBの位置に合わせた時点で設定値b3、b7の何れかを選択する(有効化する)構成とすると、例えば設定モードBの設定値はb1に維持したまま機能ダイヤル26を設定モードAから設定モードCへ切り替えようとする際に、設定モードBの位置を通過した時点で設定値がユーザの意図に反してb3あるいはb7に変更されてしまう。
そのため本実施形態の設定モードBにおける機能ダイヤル26と設定ダイヤル23を用いた設定値の変更では、機能ダイヤル26が設定モードBの位置に合わせられただけでは設定値をb3、b7などに変更せず(当初の設定が有効のまま維持される)、更に設定ダイヤル23が操作されると設定値がb3やb7に変更され、その設定値が有効となる。
図7は、機能ダイヤル26の位置を設定モードAから設定モードBを経由して設定モードDへと順次変更した場合のステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113の表示と、設定ダイヤル23を操作して設定モードBの設定値の変更を行う際のステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113の表示例を示す図である。
図7には、例えばモードダイヤル22がTvモードに設定された状態で、機能ダイヤル26の選択が、設定モードAから設定モードB、C、Dの順で切り替えられた状態(a)〜(d)が図の左から右に示される。また、設定モードBが選択された状態(b)において、設定ダイヤル23が操作されて設定値がb3、b7間で変更されるときのステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113の表示切替の様子が下段の(e)、(f)に示される。
図7の状態(a)では、ステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113には、モードダイヤル22で選択されているTvモードの現在の設定値であるシャッタ速度(1/125)が枠で囲まれ、同設定値が例えば前電子ダイヤル31の操作により変更可能であることが示されている。また、同状態において設定モードA〜Dの設定値はそれぞれa1、b1、c1、d1であり、機能ダイヤル26の位置が設定モードAに合わされていることから、設定値a1が枠で囲まれ、同設定値が設定ダイヤル23を操作することによりa1〜a4の間で変更可能であることが示されている。
図7の状態(b)には、ユーザが機能ダイヤル26を時計回りに回転し、隣接する設定モードBの位置に機能ダイヤル26を合せた状態が示される。状態(b)では、設定値b1が枠で囲まれ、現在機能ダイヤル26により選択されている設定モードが設定モードBであることを示される。このとき同設定値は、設定ダイヤル23の操作により設定値b3、b7と、機能ダイヤル26により設定モードBが選択される前に設定されていた値(図7の例ではb1)との間でのみ変更可能である。なお、状態(b)において、Tvモードの設定値であるシャッタ速度(1/125)が枠で囲まれ、同設定値が例えば前電子ダイヤル31で変更可能なことは状態(a)と同じであり、これは以下に説明する状態(c)、(d)においても同様である。
状態(c)、(d)は、状態(b)からユーザが機能ダイヤル26を更に時計回りに回転し、順次隣接する設定モードC、Dの位置に機能ダイヤル26を合せた状態が示される。状態(c)では、設定値c1が枠で囲まれ、状態(d)では設定値d1が枠で囲まれる。これにより機能ダイヤル26により選択されている設定モードがそれぞれ設定モードC、Dであることを示される。このときそれぞれの状態(c)、(d)において枠で囲まれる設定値は、設定ダイヤル23の操作により変更可能である。
次に、機能ダイヤル26により設定モードBが選択された状態(b)において、設定ダイヤル23が、例えば所定方向に回転されると枠で囲まれた設定値b1が、例えば設定値b3に変更され、状態(e)となる。状態(e)において更に設定ダイヤル23が所定方向に回転される枠で囲まれた設定b3が設定値b7に変更され、状態(f)となる。状態(f)において設定ダイヤル23が更に所定方向に回転されると設定値が再びb1となり状態(b)に戻り、所定方向とは逆方向に回転されると設定値はb3に戻り、表示状態は状態(e)に戻る。
すなわち、機能ダイヤル26の設定モードBで選択(変更)可能な設定値はb3、b7のみであるが、設定モードBが選択された時点で選択されていた当初の設定がb3、b7以外であった場合、設定モードBが選択されただけで、設定値b3またはb7が有効となることはなく、設定ダイヤル23による設定値b3またはb7への変更が行われた後に初めてその選択された設定値が有効とされる。そして、一旦設定ダイヤル23が操作された後は、b3、b7に当初(b1)の設定を選択肢に加えて順次選択可能としている。
次に図8を参照して、設定モードB’における機能ダイヤル26と設定ダイヤル23を用いた設定変更動作について説明する。設定モードB’においても、設定モードBと同様に、設定モードB’における機能ダイヤル26と設定ダイヤル23を用いた設定値の変更では、機能ダイヤル26が設定モードB’の位置に合わせられただけでは設定値をb3、b7などに変更しない(当初の設定が有効のまま維持される)。すなわち、設定モードBと同様に、機能ダイヤル26を設定モードB’に合わせた後、設定ダイヤル23が操作されると初めて設定値がb3やb7に変更され、その設定値が有効となる。
しかし、設定モードB’では、設定モードBとは異なり、一旦設定ダイヤル23が操作されると、設定ダイヤル23の操作では、設定値b3、b7の間でのみ設定値の変更が可能となる。例えばb1が設定されている図8の状態(b)において、設定ダイヤル23が所定方向に回転されると、状態(e)となり設定値がb3に変更される。状態(e)において設定ダイヤル23が所定方向に回転されると、設定値がb7の状態(f)となり、更に設定ダイヤル23が所定方向に回転されると設定値がb3となり状態(e)に戻る。また、所定方向とは逆方向に回転されると設定値はb7に戻り、表示状態が状態(f)に戻るように設計しても良い。
機能ダイヤル26によって、設定モードB’から他の設定モードに位置変更されると、設定モードB’に対する設定は、設定モードB’の位置において最終的に(設定モードB’から設定モードCに機能ダイヤル26が回転させられる直前に)設定された設定値が有効とされる。例えば図8の設定値がb7の状態(f)で機能ダイヤル26が設定モードC、Dにまで回転されると、設定値がb7のまま、図8の状態(c)、状態(d)となり設定モードB’に対する設定値はb7が有効とされる。
次に図9を参照して、設定モードB”における機能ダイヤル26と設定ダイヤル23を用いた設定変更動作について説明する。設定モードB”では、設定モードB、B’とは異なり、機能ダイヤル26を設定モードB”に位置合わせした時点で設定値をb3、b7などに変更し、変更後の設定を有効とする。なお、機能ダイヤル26による設定モードB”選択時に、b3、b7の設定値のうち何れを選択するかは任意であるが、例えば、前回の設定を優先するか、デフォルトで設定される値を決めておいてもよい。
例えば、図9の状態(a)のように、機能ダイヤル26により設定モードAが選択され、設定モードB”の設定値がb1のときに、機能ダイヤル26が操作されて設定モードB”の位置に合わせられると、状態(b)となり、設定モードB”の設定値は、例えば直ちにb3に変更され、b3が有効とされる。機能ダイヤル26が設定モードB”に合わせられた状態で、設定ダイヤル23が操作されると、設定ダイヤル23が操作される毎に、b3、b7の間で設定値が交互に切り替えられる。機能ダイヤル26が、設定モードB”の位置から設定モードCなど他の位置に変更されると、設定モードB”の設定値は設定モードAにおいて有効とされていた値b1に戻される。すなわち、機能ダイヤル26を用いた設定モードB”では、同モードが機能ダイヤル26で選択されている間のみ、機能ダイヤル26の設定モードB”で設定可能なb3、b7の値を有効とすることができる。
設定モードB、B’、B”の典型例は、連写撮影スピード(CH/CL)設定位置である。単写/連写の設定は、通常「ドライブモード」と呼ばれる設定群に含まれる。ドライブモードには例えば、単写、連写(高速・中速・低速)、セルフタイマー(数種)など、シャッタボタン30の操作に応じた露光動作の様式が多数含まれる(設定値b1〜b7に相当)。そして上述した設定モードB、B’、B”において、b1=単写、b3=連写(低速)、b7=連写(高速)を対応させることができる。
次に、当初「単写b1」に設定がされた状態で、機能ダイヤル26が設定モードAから回転され、連写撮影スピード設定機能(設定モードB、B’、B”)が選択されたものとして、図7〜図9の操作における、より具体的な設定値の変更の様子を説明する。
設定モードBを示す図7は、機能ダイヤル26が連写撮影スピード設定に位置された当初は「単写b1」が有効であり、設定ダイヤル23の回転に応じて、単写b1、連写(低速)b3、連写(高速)b7が順次設定される。機能ダイヤル26が当該位置のまま、連写パターンを変更しつつ撮影を行い、最終的に「単写b1」に設定した状態で、設定ダイヤル26を設定モードCに回転させた状態までの遷移を示したものである。
設定モードB’を示す図8は、機能ダイヤル26が連写撮影スピード設定に位置された当初は「単写b1」が有効であり、設定ダイヤル23の回転に応じて、連写(低速)b3、連写(高速)b7が順次設定される(一旦設定ダイヤル23を操作した後は単写b1に戻ることはない)。機能ダイヤル26が当該位置のまま、連写パターンを変更しつつ撮影を行い、最終的に「連写(高速)b7」に設定した状態で、設定ダイヤル26を設定モードCに回転させた状態までの遷移を示したものである。
設定モードB”を示す図9は、機能ダイヤル26が連写撮影スピード設定に位置される前には「単写b1」が有効であるが、連写撮影スピード設定に位置されたら直ちに連写(低速)b3または連写(高速)b7が設定される。機能ダイヤル26が当該位置のまま、連写パターンを変更しつつ撮影を行い、最終的に「連写(高速)b7」に設定した状態でも、設定ダイヤル26を設定モードCに回転させた場合、連写撮影スピード設定に位置される以前の「単写b1」の設定に戻される状態までの遷移を示したものである。
設定モードB、B’、B”のいずれの挙動が最適かは、ユーザの好みや被写体の状況にも依存するので、一概には言えないので、ユーザが変更できるようにしても良い。
なお、図6中「他の設定モード下において矛盾が発生しない限り」との記載は、例えば設定モードCまたはDがHDR撮影設定位置やブラケット撮影機能(BKT)設定位置であった場合、連写撮影スピード設定位置による設定と競合してしまうが、そのような場合を指すものである。このような場合、後に設定された設定を優先して有効とするが、その場合、一旦無効にした設定を記憶しておけば、競合が解消する時に元の設定に戻すことができる。
以上のように、第1実施形態によれば、露出モードの各項目と設定モードの各項目とを、独立に設定・変更でき、設定モードを変更している最中や設定モードの設定値を変更している最中であっても、露出モードが確定しているので、シャッタボタンを操作すれば、直ちに撮影を行うことができる。すなわち項目の設定、変更が容易で、かつ操作性に優れた撮像装置が得られる。
次に、図10、図11を参照して、第2実施形態の撮像装置の構成について説明する。第1実施形態では、モードダイヤル22と機能ダイヤル26が、両ダイヤル22、26において選択されている項目の設定値を変更するために独立した操作部材(電子ダイヤル18、31と設定ダイヤル23)を備えていたが、第2実施形態では、設定値変更のための操作部材がモードダイヤル22と機能ダイヤル26とで共有される。例えば、以下の説明では、後電子ダイヤル18のみが設定値変更に使用されるとして説明を行なうが、これは設定ダイヤル23や前電子ダイヤル31など他の操作部材であってもよい。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
設定値変更用の操作部材がモードダイヤル22で選択される露出モードの設定値の変更と、機能ダイヤル26で選択される設定モードの設定値の変更とで共用されると、それぞれの変更処理が競合してしまう。そのため、第2実施形態では、第1実施形態の機能ダイヤル26において設定ダイヤル23の機能を無効にするために設けられた無効機能(無効位置)(●)を、モードダイヤル22で選択される露出モードの設定値の変更を後電子ダイヤル18において優先する露出モード設定優先機能とする。
図10には、モードダイヤル22による露出モード選択と、機能ダイヤル26による設定モード選択と、後電子ダイヤル(設定値変更用操作部材)18により変更可能な各設定値と、各状態においてシャッタボタン30が操作されたときに使用される露出モードとの関係を示す。図11(a)には、モードダイヤル22が、Tv(シャッタ優先)モードに対応する位置に合わせられ、機能ダイヤル26がホワイトバランス(WB)に対応する位置に合わせられた状態と、そのときのステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113の表示状態を示す。また図11(b)には、モードダイヤル22が、Tv(シャッタ優先)モードに対応する位置に合わせられ、機能ダイヤル26が露出モード設定優先機能(●)に対応する位置に合わせられた状態と、そのときのステータス表示器24あるいは画像表示モニタ113の表示状態を示す。
図11(a)に示されるように、機能ダイヤル26において、露出モード設定優先機能(●)以外の設定モードが選択されているときには、後電子ダイヤル18は、設定モードの設定値の変更に利用され、図11(a)の例では、オートホワイトバランス(AWB)に枠で囲まれ、設定モードとしてホワイトバランスが選択され、この設定値が変更可能であることが示される。一方、図11(b)のように機能ダイヤル26において、露出モード設定優先機能(●)が選択されると、表示枠はシャッタ速度(1/125)へ移り、モードダイヤル22がTvモードであり、シャッタ速度が後電子ダイヤル18の操作により変更可能であることが示される。
以上のように、第2実施形態のように設定値変更用の操作部材をモードダイヤルと機能ダイヤルで共用する場合においても、第1実施形態と略同様の効果が得られる。