JP6695823B2 - 換気装置 - Google Patents
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Description
作業によって発生する被換気媒体として、セグメントのシール貼り作業では、接着剤に含まれる有機溶剤による有機ガス、掘削土砂の搬出作業や資器材の搬出入作業による排気ガス、掘削土砂の改質作業による改質材の粉塵などが挙げられる。
特に、セグメントのシール貼り作業のような場合では、有機ガスを適切に換気することは安全上重要なことであるが、セグメントストックヤード内でシール貼り作業をしている箇所は移動し、しかもストックヤード内の一部であり、その箇所でもっとも有機ガスの発生が多くなる傾向となる。このような場合に、セグメントストックヤード全体を一律に換気すれば、過剰な設備にもなってしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、建屋内の作業から発生する被換気媒体を効率的に換気する換気装置を提供することを目的とする。
請求項2に係る発明は、前記設定作業領域のうち、換気を行う設定作業領域を指定する指定手段と、前記指定手段の指定に基づいて、前記排風機を稼働させることを特徴とする請求項1に記載の換気装置である。
請求項3に係る発明は、前記設定作業領域は、前記側壁に沿って水平方向で複数に設定された設定作業領域であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の換気装置である。
請求項4に係る発明は、前記設定作業領域は、前記側壁に沿って上下方向で複数に設定された設定作業領域であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の換気装置である。
請求項5に係る発明は、前記作業領域は、セグメントにシールを貼る作業を行う作業領域であって、稼働する前記排風機は、前記送風機より低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の換気装置である。
請求項6に係る発明は、前記作業領域は、掘削土砂搬出作業を行う作業領域であって、稼働する前記排風機は、前記送風機より低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の換気装置である。
請求項7に係る発明は、前記排風機の上方に、上段排風機が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の換気装置である。
また、別発明として、以下のものでもよい。
別発明1は、側壁を有する建屋内の作業領域から発生する被換気媒体を換気するための換気装置であって、前記側壁に沿って複数設けられた排風機と、前記排風機が設けられた側壁に沿って移動可能に設けられた送風機と、を備えたことを特徴とする換気装置である。
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面の図1乃至図7と共に説明する。
第1の実施形態は、本発明に係る換気装置をシールド工法の発進立坑基地におけるセグメントのシール貼り作業に適用したものである。
図1は、泥土圧シールド工法の発進立坑基地の平面図で、発進立坑基地は、防音ハウスである建屋1に覆われている。建屋1は、右側壁1a、左側壁1b、後側壁1c、前側壁1dおよび図示しない天井を備えている。前側壁1dは、車両出入部1eを備えている。
本実施形態では、建屋1は防音機能を備えたものとしているが、建屋は防音機能を備えていないものであっても良い。
セグメント4は、セグメント搬入車両5によって建屋1内に搬入され、天井走行クレーン3によって、図1に示すように右側壁1a寄りのセグメントストックヤード6にストックされる。セグメントストックヤード6にて、シールが貼り作業が行われる。シールが貼られたセグメント4は、発進立坑開口部2から搬入される。
図1に示すように、土砂ピット7の左方には、泥土圧シールド工法に用いられる掘削添加材を配合して供給する添加材設備10が配置されている。添加材設備10のさらに左方には、裏込注入設備11が配置されている。添加材設備10の前方には、濁水処理設備12が配置されている。裏込注入設備11の前方には、中央管理室13が配置されている。セグメントストックヤード6の前方には、資材置場14が配置されている。
セグメントストックヤード6の前後方向にわたった右側壁1aには、排風機30が複数(30a〜30jの10機)設けられている。排風機30a〜30jは、建屋1内の気体を建屋1外に排気する。排風機30a〜30jは、それぞれ独立して運転できるようになっている。
このようにストックされた状態で、各セグメント4にシールを貼る作業が行われる。シール貼り作業は、作業員がセグメント4に接着剤を塗布しシール材を貼る作業である。作業員は1リングごとに移動してシール貼り作業を行う。塗布する際には、小分けされた接着剤が入った容器と接着剤と塗布する刷毛が使用される。接着剤には、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンなど成分が含まれたクロロプレンゴム系溶剤形接着剤が用いられる。シール貼り作業では、これらの成分が蒸気となって有機ガス(被換気媒体)が発生する。
図2(A)では、設定作業領域B内でシール貼り作業が行われており、その左側に送風機20が配置されて送気し、排風機30d〜30gを斜線にてハッチングして、当該排風機30d〜30gが作動し排気していることが示されている。
この換気は、開放式プッシュプル型換気となるように設定される。
具体的には、図2(B)に示すように、送風機20の送風の中心線20Lは、地表面に平行に向けられている。そして、排風機30a〜30jは、右側壁1aの中心線20Lより低い位置に設けられている。このようにすることで斜め下に向かう換気流を発生させ、安全で効率的な換気を行っている。図2(B)の1fは、建屋1の基礎である。
本体フレーム21は、角度調整軸21aを備えており、機台フレーム23によって回転可能に軸支されている。これによって、送風の仰角が変更可能となっている。例えば、図3(B)に示すように、送風角度を斜め下向きとして排風機30a〜30jに向けた換気流を発生させることができる。このようにすると、図2(B)よりもさらに安全で効率的な換気を行うことができる。
機台フレーム23の側面には、換気装置操作盤25が設けられている。換気装置操作盤25を機台フレーム23に設けると、送風機20を設定作業領域に移動させた後にすぐその場で換気装置の操作が可能であるので、作業が効率的になる。
作業領域表示26は、設定作業領域A、B、Cを指定して換気装置の操作を行うための表示である。作動確認表示27は、設定作業領域A、B、Cごとの送風機20および排風機30の動作が確認できるようになっている。作動確認表示27aは、送風機20が稼働しているときは点灯し、送風機20が停止しているときは消灯する。作動確認表示27bは、対応する排風機30が稼働しているときは点灯し、対応する排風機30が停止しているときは消灯する。作動確認表示27cは、送風機20または対応する排風機30に異常があったときに点灯する。運転ボタン28は、設定作業領域A、B、Cごとに送風機20と対応する排風機30を稼働させるスイッチである。停止ボタン29は、送風機20と対応する排風機30を稼働させるスイッチである。
換気装置制御盤31は、設定作業領域A、B、Cに対応する運転ボタン28の操作によって換気装置操作盤25から設定作業領域を指定する信号を受信すると、異常がないか否かを確認し、異常がなければ、送風機20を稼働させるとともに指定された設定作業領域に対応する排風機30を稼働させ、作動確認表示27aおよび27bを点灯させる。また、異常があれば、送風機20および排風機30を稼働させず、作動確認表示27cを点灯させる。制御線32、33に代えて無線方式としてもよい。
図5は、設定作業領域A、Cに位置したときの送風機20を破線、設定作業領域Bに位置したときの送風機20を実線で示している。
図6(A)は、シール貼り作業が設定作業領域Aで行われるときの換気装置の稼働状態を示したものである。送風機20を設定作業領域Aに移動させた後に、換気装置操作盤25の作業領域表示26の「A」の下方にある運転ボタン28(指定手段)を押して、送風機20と排風機30a〜30dを稼働させる。換気装置操作盤25では、作業領域表示26の「A」の下方にある作動確認表示27aおよび27bが点灯する。図6(A)では、稼働する排風機30a〜30dを斜線にてハッチングして示している。
設定作業領域Aでのシール貼り作業が終了し換気する必要がなくなれば、換気装置操作盤25の作業領域表示26の「A」の下方にある停止ボタン29を押して、送風機20と排風機30a〜30dを停止させる。換気装置操作盤25では、作業領域表示26の「A」の下方にある作動確認表示27aおよび27bが消灯する。
設定作業領域Bでのシール貼り作業が終了し換気する必要がなくなれば、換気装置操作盤25の作業領域表示26の「B」の下方にある停止ボタン29を押して、送風機20と排風機30d〜30gを停止させる。換気装置操作盤25では、作業領域表示26の「B」の下方にある作動確認表示27aおよび27bが消灯する。
設定作業領域Cでのシール貼り作業が終了し換気する必要がなくなれば、換気装置操作盤25の作業領域表示26の「C」の下方にある停止ボタン29を押して、送風機20と排風機30g〜30jを停止させる。換気装置操作盤25では、作業領域表示26の「C」の下方にある作動確認表示27aおよび27bが消灯する。
また、必要のない排風機30を稼働させないので、省力化が図られる。
以下、本発明に係る第2の実施形態について図面の図7と共に説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第2の実施形態では、排風機30に加えて、さらにその上方に上段排風機34(34a〜34jの10台)を右側壁1aに設けたものである。上段排風機34は、送風機20の送風の中心線20Lよりも上方に位置している。この構成により、送風機20と排風機30とで行われるプッシュプル換気以外の乱れた気流によって、拡散した有機ガスや舞い上がってしまった塵埃なども換気できるようになっている。
なお、上段排風機34の排風量の一部を排風機30と同様にプッシュプル換気の補助としてもよい。
以下、本発明に係る第3の実施形態について図面の図8と共に説明する。なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第3の実施形態では、ステージ40を設けてセグメントストックヤード6を二階層とした場合に、本発明の換気装置を適用したものである。設定作業領域が第1の実施形態および第2の実施形態では水平方向に区分けされていたが、第3の実施形態ではさらに上下に区分けされている。図8において、ステージ40の柱の下部は省略して記載されている。ステージ40は、一階にセグメント4をストックする際には開口されるようになっているが、そのようなものでなくてもよい。
図8に示すように、送風機20は、リフト装置41によって一階部分と二階部分とに移動可能となっている。すなわち、本実施形態では送風機20は、右側壁1aの上下方向に沿っても移動することになる。
通常、立体的にストックされるセグメントストックヤード6は、特に一階部分のセグメントストックヤード6はステージ40によって滞留しやすくなるが、このような場合においても安全で効率的な換気を行うことができる。また、一階部分はステージ40が換気流のガイドとなり、開放型より密閉型に近いプッシュプル型換気を可能とすることができる。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
土砂ピットから土砂搬出車両に掘削土砂を積み込むバックホウや土砂搬出車両は、移動することも多く、そのような場合に本発明の換気装置を適用することは、効果的である。排気ガスも一般的には空気よりも重いので、排風機を送風機より下方に設けることも効果的である。また、排気ガスは内燃機関の熱により上昇したり、拡散することもある。これらも考慮して、第2の実施形態のように上段排風機を設けてもよい。この場合の排気ガスは、本発明の被換気媒体に相当する。
また、換気流も必ず斜め下の方向にするはない。
本願の実施形態では、設定作業領域を三つに区分して設定したが、これに限られず、各設定作業領域がそれぞれ重なるようにしてもよい。また、本願の実施形態では、一つの設定作業領域で建屋1内の前後方向に3列のセグメント4が含まれるように三つの設定作業領域が設定されていたが、これにも限られず、例えば1列のセグメントだけが含まれるように設定作業領域、すなわち九つの設定作業領域を設定するようにしてもよい。このようにすると、より作業に合わせた換気とすることができる。
また、人感センサーなどを用いて作業員の位置などを検出し、作業箇所を特定する手段(指定手段)を設けて、それに基づいて送風機を移動させ送風機および対応する排風機を稼働させるようにしてもよい。
2 発進立坑開口部
3 天井走行クレーン
4 セグメント
5 セグメント搬入車両
6 セグメントストックヤード
7 土砂ピット
8 バックホウ
9 土砂搬出車両
10 添加材設備
11 裏込注入設備
12 濁水処理設備
13 中央管理室
14 資材置場
20 送風機
21 本体フレーム
21a 角度調整軸
22a 回転羽根
22b 回転軸
23 機台フレーム
23a 車輪取付部
24 車輪
25 換気装置操作盤
26 作業領域表示
27 作動確認表示
28 運転ボタン
29 停止ボタン
30 排風機
31 換気装置制御盤
32、33 制御線
34 上段排風機
35 二階排風機
40 ステージ
41 リフト装置
Claims (7)
- 側壁を有する建屋内の作業領域から発生する被換気媒体を換気するための換気装置であって、
前記作業領域は、前記側壁に沿った方向で複数に設定された設定作業領域を備えており、
前記側壁に沿って前記複数に設定された設定作業領域にわたって複数前記側壁に固定して設けられ、建屋外に排気する排風機と、
前記排風機が設けられた側壁に沿った方向であって、前記複数に設定された設定作業領域にわたって移動可能な送風機と、
を備えたことを特徴とする換気装置。 - 前記設定作業領域のうち、換気を行う設定作業領域を指定する指定手段と、
前記指定手段の指定に基づいて、前記排風機を稼働させることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。 - 前記設定作業領域は、前記側壁に沿って水平方向で複数に設定された設定作業領域であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の換気装置。
- 前記設定作業領域は、前記側壁に沿って上下方向で複数に設定された設定作業領域であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の換気装置。
- 前記作業領域は、セグメントにシールを貼る作業を行う作業領域であって、
稼働する前記排風機は、前記送風機より低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の換気装置。 - 前記作業領域は、掘削土砂搬出作業を行う作業領域であって、
稼働する前記排風機は、前記送風機より低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の換気装置。 - 前記排風機の上方に、上段排風機が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の換気装置。
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