JP6693003B1 - 養液栽培用分散液、及び養液栽培用分散液を使用する養液栽培方法。 - Google Patents

養液栽培用分散液、及び養液栽培用分散液を使用する養液栽培方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、養液栽培法において、より様々な作物に対して、養液を使い分けることなく、作物の収穫量や作物の品質を向上させ、かつ、栽培環境を維持することのできる養液栽培用栽培剤を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の養液栽培用栽培剤は、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素、ニッケルのうち、少なくとも一つを含む肥料成分とセルロースナノファイバーを含有すること又はセルロースナノファイバー分散液を特徴とする養液栽培用栽培剤である。【選択図】 図1

Description

本発明は、養液栽培において、肥料成分と共にセルロースナノファイバーを使用することで、収穫量を増加させることができ、かつ、栽培時における菌の増殖を抑え、腐敗や異臭等を防止し、栽培環境の維持をすることのできる養液栽培用分散液及び養液栽培用分散 を使用する養液栽培方法に関する。
従来、農業生産における課題として、植物の生長を促進させ単位面積当たりの収穫量を増やすこと、生産効率を向上させ、全体としての収穫量を増やすこと、病原菌や害虫又は気候変動に耐性のある植物を生産すること等が挙げられる。
収穫量を増やすためには、肥料を調製し、栽培期間を短くして植物の栽培効率や回転率を上げる必要がある。また、栽培期間が短い程、病原菌や害虫による被害を受ける可能性が減少する。このように植物の栽培期間を短くすることは、成長促進作用の関与するところであり、従来の栽培法をいかに改良して生育を促進するか或いは品質の高い作物を栽培するかが課題となっている。
一方、セルロースナノファイバー(以下、CNFということもある)は、地球温暖化対策として大気中のCO2の効率的な削減を図る目的から、カーボンニュートラルな素材として注目されている。一般的に、CNFは、直径が3〜100nmでアスペクト比(繊維長/繊維幅)が100以上のセルロースからなる繊維状物質であるとされている。CNFは、軽量、高強度、低熱膨張率等の優れた性質を有しており、今後、様々な分野において使用が期待される材料である。
一般に肥料として、作物、花卉類等の植物体の成長に必要な成分を補うために窒素、リン、カリウムの三大要素を含む複数の成分をバランスよく配合した複合肥料が用いられる。この複合肥料の形態として、肥料を固体として用いる固体肥料と肥料を水溶液とした液体肥料とがある。固体肥料として施肥する場合は、成分の過不足を招いたり、また、土壌において成分の濃度差が生じるおそれがあり、結果として作物の収穫量の減少を招くおそれがある。この点、 液体肥料(以下、液肥ということもある。)として施肥する場合は、成分の調製を正確に行うことにより、成分の過不足を招いたり、土壌における成分の濃度差が生じるおそれを少なくすることができる。
このような利点を有する液体肥料は、植物への施肥管理を行う養液栽培に広く使用されている。液体肥料は、その栽培作物に応じて最適の成分、成分濃度、pH、温度等が選択される。このとき、収穫量や作物の品質の向上を図るために選択される成分として下記の発明が開示されている。
特許文献1には、複数回施用するシクロプロペンと植物とを接触させることを含む、植物の収穫量を増加させる方法の発明が開示されている。
また、特許文献2には、基床に支持された植物に養液を供給する植物の栽培において、l〜500ppmのペタインを含む養液を供給する植物の栽培方法の発明が開示されている。
さらに、特許文献3には、合成LCO化合物であるテトラ−N−アシル−ベータ−D−メチル−グルコシド(TAMG)及びその関連化合物を含む組成物に関する発明が開示されている。
特許文献1〜3に記載されているシクロプロペンを複数回施用することによる方法、1〜500ppmのペタインを含んだ養液、及び、テトラ−N−アシル−ベータ−D−メチル−グルコシド(TAMG)とその関連化合物を含む組成物は、特定の植物の成長促進作用に対して役に立ちうる発明である。しかしながら、より様々な作物に対して、養液を使い分けることなく、作物の収穫量や品質の向上を図ることのできる有効な栽培剤が、依然として必要とされている。
特表2016−511762号公報 特開平1−228416号公報 特表2016−511757号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、養液栽培における栽培剤を提供することにあり、より詳しくは、植物の生育を促進し、作物の収穫量や品質の向上を図ることができる養液栽培用分散液、養液栽培方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、栽培環境の維持にも優れた養液栽培用分散液を提供することをさらなる目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、セルロースナノファイバーが有する広大な比表面積及びこれに起因する表面吸着力に着目した。すなわち、これを液体肥料と混合し、液体肥料中の植物の生長に必要な成分をセルロースナノファイバーに吸着させた状態で施肥することや、肥料成分存在下でセルロースナノファイバー分散液を噴霧し、セルロースナノファイバーに前記肥料成分を吸着させることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の養液栽培用分散液は、セルロースナノファイバーを含有することを特徴とする。
本発明により、植物の生育を促進し、作物の収穫量や品質の向上を図ることができる 液栽培用分散液及び養液栽培方法が提供される。また、栽培環境維持にも優れた養液栽培用分散液が提供される。
CNFの製造(解繊処理)装置の概念図である。 他のCNFの製造(解繊処理)装置の概念図である。 図2におけるCNFの製造(解繊処理)装置の一部を拡大して示す概念図である。 実施例1のカサブランカを栽培した結果を示す写真である。 比較例1のカサブランカを栽培した結果を示す写真である。 実施例2及び比較例2のトマトの収穫量の推移の結果を示す図である。 実施例2及び比較例2のトマトの収穫後の根の結果を示す写真である。 実施例3及び比較例3の二十日大根を栽培した結果を示す写真である。 実施例3の二十日大根の大根部分を示す写真である。 比較例3の二十日大根の大根部分を示す写真である。 実施例5及び比較例5の豆苗を栽培した結果を示す写真である。 実施例5及び比較例5のブロッコリースプラウトを栽培した結果を示す写真である。 菌測定結果を示す図である。 実施例7のキャベツ栽培の初期段階における結果を示す写真である。 比較例7のキャベツ栽培の初期段階における結果を示す写真である。 実施例8、比較例8のブロッコリー栽培の初期段階における結果を示す写真である。
次に、本発明の一実施形態の養液栽培用分散液を説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態の養液栽培用分散液は、液体肥料にCNF分散液を配合してなるものである。
まず、CNF分散液の調製方法について説明する。本発明において、CNFとしては例えば、木材繊維、広葉樹、針葉樹、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維、葉繊維、海藻類等の天然の植物を含む多糖由来のCNFが挙げられる。また、バガス、稲わら、茶殻、果汁の搾り粕等の植物の葉、花、茎、根、外皮等に由来する作物残渣から産出されるものであっても良い。これらCNFは一種を単独で又は二種以上を混合して用いてもよい。また多糖としてはα−セルロース含有率60%〜99質量%のパルプを原料として用いるのが好ましい。α−セルロース含有率60質量%以上の純度であれば繊維径及び繊維長さが調整しやすくなって繊維同士の絡み合いを抑えることができるために噴霧性が良好であり、腐敗して植物生長を阻害することなく生育環境を維持することができる。α−セルロース含有率60質量%未満のものを用いた場合は、セルロースの天然結晶が有する特性を十分に引き出せなくなるほか、腐敗等による保管時の経時劣化を引き起こす虞があり、一方、99質量%以上のものを用いた場合、繊維をナノレベルに解繊することが困難になる。
パルプとしては、入手しやすく安価である点から製紙用パルプを用いることができ、製造方法は特に限定されないが、例えば漂白クラフトパルプ、未晒クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ、サーモメカニカルパルプ、脱墨パルプ、古紙パルプ、溶解パルプ等のパルプが挙げられる。これらの中でも、より入手しやすいことから、漂白クラフトパルプ、未晒クラフトパルプが好ましい。
CNFの結晶化度は結晶化度50以上が好ましい。結晶化度については、X線回折法等によって測定することができ、結晶化度50未満の場合は、セルロースの天然結晶が有する特性を十分に引き出せなくなるほか、腐敗等による保管時の経時劣化を引き起こす虞がある。
本発明におけるCNFは、以下の解繊処理行うことによりCNF分散液(以下、含水状態のCNFということもある。)として得られる。
解繊処理は、図1に示した水中対向衝突法(以下、ACC法と言うこともある。)を用いて行う。これは、水に懸濁したパルプをチャンバー(図1:107)内で相対する二つのノズル(図1:108a,108b)に導入し、これらのノズルから一点に向かって噴射、衝突させる手法である。図1に示される装置は液体循環型となっており、タンク(図1:109)、プランジャ(図1:110)、対向する二つのノズル(図1:108a,108b)、必要に応じて熱交換器(図1:111)を備え、水中に分散させた微粒子を二つのノズルに導入し高圧下で合い対するノズル(図1:108a,108b)から噴射して水中で対向衝突させる。
前記解繊処理を実施する前に、前処理装置を使用して解繊処理を実施してもよい(図2、図3)。また、その他の解繊方法として、かかる前処理装置を使用してもよい。前記前処理装置を使用した解繊処理は、0.5〜10質量%の水混合液にした多糖に対し、50〜400MPa程度の高圧水を衝突させて行う。これは例えば図2に示す製造装置1を用いて行うことができる。製造装置1は、一のチャンバー2に対して多糖スラリを供給可能に配置される第1の液状媒体供給経路であるところの多糖スラリ供給経路3と、例えば水である非多糖スラリを一のチャンバー2を介して循環させる第2の液状媒体供給経路4とよりなる。一のチャンバー2内には第2の液状媒体供給経路4の非多糖スラリを多糖スラリ供給経路3からの多糖スラリ供給方向と交差する方向にオリフィス噴射するオリフィス噴射部5を備える。多糖スラリ供給経路3は、多糖スラリを一のチャンバー2を介して循環可能にされる。
多糖スラリ供給経路3と第2の液状媒体供給経路4とは一のチャンバー2内に相互の交差部6を有する。
多糖スラリ供給経路3は多糖スラリ供給部であり多糖スラリを貯留するタンク7、ポンプ8を循環路9に配置してなり、一方、第2の液状媒体供給経路4はタンク10、ポンプ11、熱交換器12、プランジャ13を循環路である液状媒体供給経路4に配置してなる。
なお非多糖スラリは、例えば水であり、当初タンク10に収納され、その後セルロースナノ繊維の製造装置1の作動に伴い交差部6を通過してタンク10に収納されたナノ微細化された多糖を操業の度合いに応じた濃度で含むことになった状態のものをも、包括的に指称する。
図3に示すようにチャンバー2を貫通する態様で多糖スラリ供給経路3の循環路9が配置され、これと交差する方向に非多糖スラリをオリフィス噴射して循環路9を貫通させることができるように第2の液状媒体供給経路4のプランジャ13に接続されるオリフィス噴射部5のオリフィス噴射口14がチャンバー2内側において開口する。チャンバー2のオリフィス噴射口14と対向する位置にチャンバー2の排出口15が設けられ、このチャンバー2の排出口15に第2の液状媒体供給経路4の循環路が接続されて、第2の液状媒体供給経路4が構成される。
一方、多糖スラリ供給経路3の循環路9は例えばビニルホース、ゴムホース、アルミパイプ等を用いて形成され、その循環路9のチャンバー2への入り側にはチャンバー2方向にのみ開弁される一方向弁16が取りつけられる。さらに循環路9のチャンバー2からの出側にはチャンバー2からの排出方向にのみ開弁される一方向弁17が取りつけられる。加えてチャンバー2と一方向弁17の間の循環路9にはエア吸入弁18が取りつけられ、このエア吸入弁18は外部から循環路9へエアを吸入する方向にのみ開弁される。
以上のセルロースナノ繊維の製造装置によれば以下のようにしてセルロースナノファイバーが製造される。
非多糖スラリーを、チャンバー2を介して第2の液状媒体供給経路4を循環させる。具体的にはポンプ11を用いてタンク10内の非多糖スラリを熱交換器12、プランジャ13を通過させて液状媒体供給経路4内を循環させる。一方、多糖スラリーを、チャンバー2を介して多糖スラリ供給経路3内を循環させる。具体的にはポンプ8を用いてタンク7内の多糖スラリをビニルホース、ゴムホース等を用いて形成された循環路9内を循環させる。
これにより、多糖スラリ供給経路3内を循環してチャンバー2内を流通する多糖スラリに対して第2の液状媒体供給経路4を循環する非多糖スラリがオリフィス噴射される。具体的にはプランジャ13に接続されるオリフィス噴射口14にプランジャ13から高圧水が供給され、これがオリフィス噴射口14から循環路9に向けて50〜400MPa程度の高圧でオリフィス噴射される。
その結果、例えばビニルホース、ゴムホース、アルミパイプ等を用いて形成された循環路9に予め形成された貫通孔26a、bを通過して、循環路9と交差する方向に循環路9内側を通過した非多糖スラリが循環路9内を循環する多糖スラリを巻き込みながらチャンバー2の排出口15に向けて排出され、第2の液状媒体供給経路4に流入する。これによって、非多糖スラリが第2の液状媒体供給経路4内を再度循環する。
以上のプロセスを反復する過程で多糖スラリ供給経路3内を循環してチャンバー2内を流通する多糖スラリ及び第2の液状媒体供給経路4を循環する非多糖スラリ中の多糖が徐々に解繊されて、用途に応じた解繊度合の均一性の高いCNF分散液が得られる。
パルプ繊維からCNFへの解繊度合は、CNF分散液の粘度値により評価することが出来る。すなわち、解繊度を高めたCNF分散液に含まれるCNFは繊維長さが短いものであるため、粘度値が低いものとなる。したがって、解繊度が高いCNF分散液は、粘度が低いものとなる。一方、これより粘度値が高いCNF分散液は、係るCNF分散液に含まれるCNFは繊維長さが長いものであるため、その粘度値が高いものとなる。したがって、前記CNF分散液と比較して解繊度が低いものとなる。
また、解繊後の繊維径に対する繊維長の比(アスペクト比)がパルプ繊維毎に異なるので、CNF分散液の粘度値はそれぞれ異なるものとなる。
さらに、例えば、異なる種類のパルプ繊維を組み合わせることにより、又は、前記解繊度合を調製することにより、CNF水分散液1wt%における粘度を概ね300〜10000mPa・sの範囲で調整することができる。
以上のようにして得るCNFは、天然セルロース繊維間の相互作用のみを解裂させることによってナノ微細化を行うためセルロース分子の構造変化がなく、以下の化学式1に表わされる構造式を有する。換言すると、本願発明で用いるCNFは、化学式1中のセロビオースユニット内に水酸基6個を有し、化学修飾されていないことを意味する。これは、FT-IRを使用してセルロースのIRスペクトルと本願発明に使用するCNFとを比較することで確認することができる。 本ACC法により、セルロース繊維の平均粒子長を10μmにまで粉砕することができ、その結果、平均太さ3〜200nmであり、平均長さ0.1μm以上であるCNFが得られる。平均太さと平均繊維長さの測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等を適宜選択し、CNFを観察・測定し、得られた写真から20本以上を選択し、これをそれぞれ平均化することにより求める。一方で、対向衝突処理においては、加えられるエネルギーが共有結合を切断するエネルギーには、はるかに及ばず(推定1/300以下)、セルロースの重合度の低下は生じにくい。本ACC法によって得られたセルロースナノファイバーは、親水サイトと疎水サイトが共存し、両親媒性を示す。
CNFを平均太さ3〜200nmまで解繊処理することで、流動性があって噴霧性に優れる。一方で、平均太さ3nm未満の場合には、脱水性に乏しく固形分濃度を高めることが難しくなる虞があり、平均太さ200nm超えの場合には、流動性が低下し、噴霧性が良好でなくなる他、繊維太さの分布が広くなり、均質な性質を示さない虞がある。
本発明におけるCNFは、 平均重合度が500〜900の範囲にあるものを使用することが好ましい。平均重合度については、銅エチレンジアミン溶液を用いた測定法等によって測定することができる。
CNF固形分量0.15gを30mLの0.5M銅エチレンジアミン溶液に溶解させ、キャノン・フェンスケ動粘度管を用いて、CNF・銅エチレンジアミン溶液の粘度ηを測定し、0.5M銅エチレンジアミン溶液の粘度をη0として、下記のSchulz−Blaschke式から極限粘度[η]を求めて、下記のMark−Houwink−Sakurada式から重合度DPを算出した。
比粘度 ηsp=η/η0−1
極限粘度[η]=ηsp/{c(1+A×ηsp)}
η0は0.5M銅エチレンジアミン溶液の粘度であり、cはCNF濃度(g/mL)であり、Aは溶液の種類によって決まる固有値であって0.5M銅エチレンジアミン溶液の場合にはA=0.28である。
重合度DP=[η]/Ka
Kとaは高分子と溶媒の種類によって決まる固有値であって、銅エチレンジアミン溶液に溶解したセルロースの場合としてK=0.57、a=1とした。
なお、本発明においては、他のセルロースナノファイバーの製造方法として公知であるTEMPO酸化触媒処理、リン酸エステル化処理、オゾン処理、酵素処理、マレイン酸処理、無水アルケニルコハク酸による疎水変性、アルキルケテンダイマーによる疎水変性、アセチル化による疎水変性などの化学的処理をする方法によって得られるセルロースナノファイバー又はグラインダー(石臼型粉砕機)、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナーなどの機械的作用を利用する湿式粉砕でセルロース系繊維を細くする物理的方法によって得られるセルロースナノファイバーであっても、本発明においてCNF分散液として使用することができる。また、化学的処理及び物理的処理を併用する方法によって得られたセルロースナノファイバーをもCNF分散液として使用することができる。
−養液栽培用分散液
本発明の養液栽培用分散液とは、肥料成分とCNF分散液とを含んでなるもの又はCNF分散液のことをいう。ここで、肥料成分の形態は、特に制限されず、液体或いは固体(固形)のいずれでもよい。
本発明における肥料成分は、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素、ニッケルのうち、少なくとも一つを含有していればよい。また、液体肥料或いは固体(固形)肥料は、前記肥料成分が有する諸機能を阻害しない範囲内であれば他の成分を含んでいてもよい。
さらに、前記液体肥料は、市販の液体肥料を用いてもよい。市販の液体肥料の具体例としては、尿素複合液肥、ホウ素・マンガン・苦土入り尿素複合液肥、硝安系複合液肥、硝酸石灰系液肥、有機入り液肥、リン安液肥、粉末液肥、無チッソ液肥、液体微量要素複合肥料などを挙げることができる。
また、前記固体(固形)肥料としては、油粕、骨粉、魚かす、鶏糞、米糠、草木灰等の植物性又は動物性の有機質肥料、又は、鉱物や石油などを原料とする無機質肥料(化学肥料)等、特に制限されることなく公知のものを使用することができる。
前記肥料成分又は前記液体肥料を溶解または分散する溶媒としては、水または有機溶剤を挙げることができ、水が好ましい。ただし、水道水は塩素を含有し殺菌作用を有するため、塩素除去水、井戸水、湧水などを使用することが好ましい。
前記液体肥料中の肥料成分の含有率の下限は、特には制限されないが、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましい。肥料成分が少なすぎると、液体肥料の効果が低減するからである。また、前記液体肥料中の肥料成分の含有率の上限は、特には制限されないが、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。肥料成分が多すぎると、異臭の原因となる場合があるからである。
前記液体肥料中の溶媒の含有率は、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がさらに好ましい。溶媒の含有率が少なくなりすぎると、液体肥料の粘度が高くなり、取扱いが悪くなる。また、溶媒の含有率が高すぎると、肥料成分の割合を低くする必要があるからである。
養液栽培用分散液中のCNF含有率は、特に制限されることなく使用することができるが、0.0001質量%以上10質量%以下が好ましい。CNFの含有率があまりにも少ない場合には、CNFによる効果が低減するからである。また、10質量%以上であると、養液栽培用分散液が高粘度となり、噴霧性が低下し、均質な施肥が困難となるからである。
本発明の養液栽培用分散液は、CNF分散液単体であっても使用することができる。CNFは、土壌中のセルラーゼなどの酵素で緩慢な速度で分解し、その分解物であるブドウ糖は、植物の根から速やかに吸収されるため、生育環境の悪化原因にはならず、成長促進の効果にも寄与するからである。 また、前記CNF分散液は、針葉樹、広葉樹及び竹繊維のうちいずれか一つを出発原料とし、かつ、ACC法により得られたCNFを使用すると、より作物の収穫量や品質の向上を図ることができる。これは、ACC法により得られたCNFは、両親媒性を有していること、及び、セロビオースユニット中の水酸基はいずれも化学変性されておらず6つ存在していることに起因すると推測される。
また、前記CNF分散液を液体肥料又は固体(固形)肥料等の肥料成分が施肥された土壌等の箇所へ噴霧することによっても生長を促進させることができる。噴霧されたCNF分散液中のCNFは、土壌中の肥料成分中の植物の生長に必要な成分を吸着し、植物根圏へ到達する。その結果、植物根圏に存在する肥料成分濃度が高いものとなり、肥料吸収が促進されるために、さらに生長が促進される。なお、肥料成分とCNF分散液とを含んでなる養液栽培用分散液を使用しても、CNF分散液単体である場合と同様の効果が得られること言うまでもない。
本発明の養液栽培用分散液は養液栽培において使用されるものである。本発明において、養液栽培とは、植物の成長に必要な成分を、液体肥料として与える栽培方法のことをいう。なお、液体肥料は、肥料成分等の各種成分が完全に溶解していることを必要としないため、固体の肥料成分が存在していてもよい。ここで、液体肥料を用いる栽培方法には、いくつかの栽培方式があり、その代表的なものとして、液体肥料の添加と灌水とを同時に行う養液土耕法、培地として土を使用しない水耕栽培等が挙げられる。また、その他の養液栽培の栽培方式として、れき、砂、ピート、バーミキュライト、軽石、オガクズ、ロックウール等の固形培地に作物を定植し、この作物に液体肥料を供給する固形培地耕法が挙げられる。
前記水耕栽培には、養液を満たして栽培する湛液水耕、養液を浅く流して栽培する薄膜水耕、養液を噴霧ポンプでミスト状にして根等に噴霧して栽培する噴霧水耕などが含まれる。また、水耕栽培は、現在、野菜工場や植物工場等の植物栽培施設において、一般的に使用される栽培方式である。本願発明の養液栽培用分散液も当然に植物工場において使用可能である。
本発明の栽培剤の施肥方法は特に限定されないが、農作業労力の軽減およびコストの面から、点滴灌水装置等の公知の機械的手段を用いる養液栽培装置を使用して施肥することが好ましい。
−対象植物−
本発明に係る養液栽培用分散液は、施肥後、比表面積が大きいCNFが養液栽培用分散 に含有する肥料成分を表面に吸着したまま、植物根圏へ到達する。その結果、植物根圏に存在する肥料成分濃度が高いものとなり、肥料吸収が促進される。すなわち、土壌を培地とする養液土耕法の場合には、土壌中に存在する肥料成分に加えて、液体肥料の肥料成分を効率よく利用できる。ここで、土壌中に存在する肥料成分としては、予め特定の箇所へ施肥した場合における肥料成分も含まれる。また、他の栽培方法においても同様の理由により効率よく利用できる。したがって、本発明の養液栽培用分散液を用いる対象となる植物は、特に限定されず、あらゆる種類の農園芸作物に対し用いることができる。あえて植物を例示するならば、レタス、ルバーブ、水菜、ハーブ、大根菜、わさび菜、べんり菜、青梗菜、パクチョイ、キャベツ、アブラナ、春菊、空芯菜、コマツナ、白菜、セルタス、ターサイ、ミツバ、野沢菜、ほうれん草、ネギ等などの葉菜類、唐辛子、パプリカ、メロン、ゴーヤ、スイカ、カボチャ、ブルーベリー、イチゴ、ナス、トマト、ブドウなどの果菜類、ブロッコリー、カリフラワー、フキノトウ等の花菜類、モヤシ、枝豆、豆苗、各種スプラウト等の豆類、バラ等の花卉類、稲、麦などの穀類、レンコン、大根などの根菜類、ヒヤシンス、クロッカス、チューリップ、カサブランカなどの球根類、ミシマサイコ、ニンジン、パセリなどのセリ科の植物等を例示することができる。
本発明に係る養液栽培用分散液は、菌の増殖を抑え、腐敗や異臭の発生防止効果を有しており、一般に使用されている防腐剤を新たに添加する必要がないか、又は添加する場合にはその添加量を少なくすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
<栽培作物;カサブランカ>
カサブランカの栽培を表1に示すスケジュールにおいて、同一の球根を使用して栽培を行った。ここで、2017年3月〜2017年10月の期間を1年目(比較例1)とし、2017年11月〜2018年9月の期間を2年目(実施例1)とした。
(実施例1)
竹パルプを原料とし、ACC法によるCNF分散液100cc(濃度0.4wt%、平均重合度800、結晶化度61)を得た。次いで、液体肥料(住友化学園芸株式会社製、花工場 生産業者保証票生第85095号 N:P:K=5:10:5 Mg:0.08
Mn:0.004 B:0.016)10cc及び前記CNF分散液100ccに水7000ccを加えて、全量7110ccとし、養液栽培用分散液とした。
次いで、1年目終了時のカサブランカの球根を掘り起こし、洗浄した後、植え直して、養液土耕法により栽培した。このとき、1回/週間の頻度で、CNF固形分量0.09g/回(施肥時濃度0.006%)となるようにし、全量で1500ccの養液栽培用分散 を施肥した。
(比較例1)
液体肥料(住友化学園芸株式会社製、花工場 生産業者保証票生第85095号 N:P:K=5:10:5 Mg:0.08 Mn:0.004 B:0.016)10ccに水7000ccを加えて、全量7010ccとした。
カサブランカの苗を購入し、養液土耕法により栽培した。このとき、1回/週間の頻度にて、全量で1500ccの養液栽培用分散液を施肥した。
実施例1及び比較例1の結果を表2に示す。また、カサブランカを栽培した結果を示す写真を図4及び図5に示す。
(結果の考察)
表2、図4及び図5の結果から、本願発明に係る養液栽培用分散液は、CNF分散液を配合しない液体肥料と比較して、約1.5倍の成長量があった。なお、一般的に、一度開花した後の球根を使用した2年目以降のカサブランカは徐々に背丈、蕾数が減少することが知られている。
<栽培作物;トマト(品種;桃太郎)>
(実施例2)
竹パルプを原料とし、ACC法によるCNF分散液100cc(濃度0.4wt%、平均重合度800、結晶化度61)を得た。次いで、液体肥料(住友化学園芸株式会社製、花工場 生産業者保証票生第85095号 N:P:K=5:10:5 Mg:0.08
Mn:0.004 B:0.016)10cc及び前記CNF分散液に水7000ccを加えて、全量7110ccとして、養液栽培用分散液とした。
次いで、2018年6月10日〜2018年7月31日の期間、トマトを養液土耕法により栽培した。このとき、1週間毎に、CNF固形分量0.14g/回となるように調製し、全量で2500ccの養液栽培用分散液を施肥した。
(比較例2)
液体肥料(住友化学園芸株式会社製、花工場 生産業者保証票生第85095号 N:P:K=5:10:5 Mg:0.08 Mn:0.004 B:0.016)10ccに水7000ccを加えて、全量7010ccとした。
他の条件は、実施例2と同様にしてトマトの栽培を行った。
実施例2及び比較例2において収穫したトマトそれぞれの重量を表3に示す。また、トマトの収穫量の推移の結果を図6に、トマトの収穫後の根を洗浄した後の様子を示す写真を図7に示し、それぞれの収穫後の根の重量を表4に示す。
(結果の考察)
表3及び図6の結果から本願発明に係る栽培剤は、CNF分散液を配合していない液体肥料と比較して、総収穫量は約1.3倍、1個当たりの重量は、約1.2倍及び成長量は約1.4倍となった。また、収穫後のトマトの根の重量は、表4から実施例2の方が少なかった。これより本願発明に係る養液栽培用分散液は、トマトの根の成長を抑えつつ、トマトの収穫量を増加させる効果があるといえる結果となった。
<栽培植物;二十日大根>
(実施例3)
広葉樹パルプを原料とし、ACC法によるセルロースナノファイバー分散液100cc(濃度0.2wt%、平均重合度770、結晶化度71)を得た。次いで、液体肥料(住友化学園芸株式会社製、花工場 生産業者保証票生第85095号 N:P:K=5:10:5 Mg:0.08 Mn:0.004 B:0.016)10ccに前記CNF分散液100ccに水7000ccを加えて、全量を7110ccとして、養液栽培用分散 とした。
次いで、2018年8月12日〜2018年9月8日の期間、二十日大根を養液土耕法により栽培した。このとき、発芽して2cm程に芽が成長してから4日毎に、CNF固形分量0.07g/回(施肥時濃度0.001%)となるように調製し、添加回数6回、全量300ccの養液栽培用分散液を施肥した。
(比較例3)
液体肥料(住友化学園芸株式会社製、花工場 生産業者保証票生第85095号 N:P:K=5:10:5 Mg:0.08 Mn:0.004 B:0.016)10ccに水7000ccを加えて、全量7010ccとした。
他の条件は、実施例3と同様にして二十日大根の栽培を行った。
実施例3及び比較例3において収穫した二十日大根の大根部分及び茎部分それぞれの重量を表4、表5に示す。また、実施例3及び比較例3の二十日大根を栽培した結果を示す写真を図8、図9及び図10に示す。
(結果の考察)
表5、表6及び図8〜図10の結果から、本発明に係る養液栽培用分散液を用いて栽培した二十日大根は、CNF分散液を配合しない液体肥料と比較して、大根部分は、2倍の成長量及び茎部分は約1.2倍の成長量であった。
<栽培植物;豆苗>
(実施例5)
竹パルプを原料とし、ACC法によるセルロースナノファイバー分散液100cc(濃度0.2wt%、平均重合度800、結晶化度61)を得た。次いで、2018年7月1日〜2018年7月13日の期間、豆苗を水耕栽培法により栽培した。このとき、水換えを毎日行い、かつ、1回/日の割合で根の部分に4側面から噴霧した。なお、前記期間中に噴霧したCNF固形分量の全量は、0.01gであった。
(比較例5)
CNF分散液を水に変え、実施例5と同様にして豆苗の栽培を行った。
実施例5及び比較例5の豆苗を栽培した結果を示す写真を図11に示す。なお、右側の豆苗が実施例5であり、左側の豆苗が比較例5である。
(結果の考察)
図11の結果から、実施例5の根部分は変色せず、異臭も発生しなかった。これに対して、比較例5の根部分は褐色に変色し、異臭が発生した。この結果より、CNF分散液は、腐敗や異臭を防止する効果がある事が分かった。
<栽培植物;ブロッコリースプラウト>
(実施例6)
針葉樹パルプを原料とし、ACC法によるセルロースナノファイバー分散液100cc(濃度0.2wt%、平均重合度700、結晶化度63)を得た。次いで、2018年8月12日〜2018年8月31日の期間、ブロッコリースプラウトを水耕栽培法により栽培した。8月12日に種植えを行い、8月16日に発芽した。このとき、水換えを毎日行い、かつ、発芽した8月16日から2回/日の割合で1.25ccを4側面から噴霧した。なお、前記期間中に噴霧したCNF固形分量の全量は、0.04gであった。前記期間中において、菌数の測定を以下の方法で実施した。
−菌数測定方法−
微生物簡易測定器具「サンアイバイオチェッカーTTC(総菌数測定用)」 (三愛石油株式会社製)を用いて、ディップスライドを検体液に浸し、その後恒温槽にて37℃で24時間培養後、対照表と比較評価した。
(比較例6)
CNF分散液を水に変え、実施例6と同様にしてブロッコリースプラウトの栽培を行い、菌数の測定を実施例6と同様の方法で測定した。
実施例5及び比較例5のブロッコリースプラウトを栽培した結果を示す写真を図12に示す。なお、左側のブロッコリースプラウトが実施例6、右側のブロッコリースプラウトが比較例6である。また、菌測定結果を図13に示す。
(結果の考察)
図12の結果から、実施例5の根部分は変色せず、異臭も発生しなかった。これに対して、比較例5の根部分は褐色に変色し、異臭が発生した。また、図13の結果から、CNF分散液は、菌数を抑える効果が有ること明らかとなった。この結果により、CNF分散液は、菌の増殖を抑え、腐敗や異臭を防止する効果がある事が分かった。
<栽培植物;キャベツ>
(実施例7)
竹パルプを原料とし、ACC法によるセルロースナノファイバー分散液1000cc(濃度1.7%、平均重合度830、結晶化度61)を得た。次いで、これを水20000ccを用いて希釈した(施肥時濃度0.081%)。次いで、2018年10月17日〜2019年1月24日の期間、早世キャベツ及びキャベツを以下の条件にて、畑栽培した。
CNF希釈液:作付け時1回、追肥1回の合計2回(期間中に噴霧したCNF固形分量の全量:34g、キャベツ1個あたりのCNF固形分量:0.34g)
固形肥料(化成肥料):作付け時1回、追肥2回 合計3回
農薬:1回/週
面積:縦35m×横0.4m×高さ0.2=2.8m(キャベツ100個分)
(比較例7)
CNF分散液を使用しないこと以外は、実施例7と同様にしてキャベツの栽培を行った。
実施例7及び比較例7において収穫したキャベツのそれぞれの重量(単位:kg)を表7〜9に示す。また、実施例7及び比較例7のキャベツを栽培した途中結果を示す写真を図14、図15に示す。
(結果の考察)
表7〜9の結果から、CNFを添加したキャベツは、CNFを添加しないキャベツより平均約1.2倍の成長量であった。また、図14、15の結果から、栽培初期段階におけるキャベツ(キャベツとなる部分)に明らかに差があることが分かった。この結果により、CNF分散液には、キャベツの成長を促進させ、収穫量を増大させる効果がある事が分かった。
<栽培植物;ブロッコリー>
(実施例8)
針葉樹パルプを原料とし、ACC法によるセルロースナノファイバー分散液600cc(濃度0.05%、平均重合度720、結晶化度63)を得た。次いで、2018年10月7日〜2019年2月28日の期間、ブロッコリーを以下の条件にて、畑栽培した。
CNF希釈液:作付け時1回、追肥2回の合計3回(期間中に噴霧したCNF固形分量の全量:0.9g)
固形肥料(朝日工業株式会社製 超速効早効き野菜の肥料 N:P:K=10:12:10 有機成分約30%):作付け時1回、追肥2回(10日おき)各6g 合計3回(期間中の添加量18g)
水:1回/日
(比較例8)
CNF分散液を使用しないこと以外は、実施例8と同様にしてブロッコリーの栽培を行った。
実施例8及び比較例8において収穫したブロッコリーの頂花蕾(可食部)収穫量(単位:g)を測定した結果を表10に示す。また、実施例8及び比較例8のブロッコリーを栽培した途中結果を示す写真を図16に示す。なお、右側のブロッコリーが実施例8であり、左側のブロッコリーが比較例8である。
(結果の考察)
表10の結果から、CNFを添加したブロッコリーは、CNFを添加しないブロッコリーより約1.5倍の成長量であった。この結果により、CNF分散液には、ブロッコリーの成長を促進させ、収穫量を増大させる効果がある事が分かった。

Claims (10)

  1. セルロースナノファイバーを含有することを特徴とする養液栽培用分散液
  2. 前記セルロースナノファイバーが、平均太さ3〜200nmであり、平均長さ0.1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の養液栽培用分散液
  3. 前記セルロースナノファイバーが、セロビオースユニット内に水酸基6個を有し、化学修飾されていないセルロースナノファイバーであることを特徴とする請求項1又は請求項 2に記載の養液栽培用分散液
  4. 前記セルロースナノファイバーが、平均太さが3〜200nmであり、結晶化度が50以上であり、かつ、原料のα―セルロース含有率が60〜99質量%であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の養液栽培用分散液
  5. 肥料成分と共に使用することで収穫量を増加させることを特徴とする請求項1から請求 項4の何れか1項に記載の養液栽培用分散液
  6. 湛液水耕、薄膜水耕、若しくは噴霧水耕のいずれかの栽培方式において、
    施肥するために使用することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の 養液栽培用分散液
  7. 請求項1から請求項何れか一項に記載の養液栽培用分散液植物に噴霧して使用す ることを特徴とする養液栽培方法。
  8. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の養液栽培用分散液に植物を満たして植物を 栽培することを特徴とする養液栽培方法。
  9. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の養液栽培用分散液を流して植物を栽培する ことを特徴とする養液栽培方法。
  10. 肥料成分を施肥した土壌へ請求項1から請求項何れか1項に記載の養液栽培用分散 噴霧することを特徴とする養液栽培方法。

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