JP6690092B2 - 熱源探知装置、熱源探知方法、及び熱源探知プログラム - Google Patents

熱源探知装置、熱源探知方法、及び熱源探知プログラム Download PDF

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Description

本発明は、熱源探知装置、熱源探知方法、及び熱源探知プログラム。
所定の探知エリア内の熱源を探知する熱源探知装置は、赤外線イメージセンサから出力される電気信号(センサ出力)を温度に換算して得られる探知エリア内の温度分布に基づいて、熱源の有無や大きさ等を探知する。この種の熱源探知装置において熱源の温度を精度良く測定する方法の1つとして、赤外線イメージセンサにおける各受光素子の感度に基づいてセンサ出力を補正し、センサ出力のばらつきによる温度のずれを抑制する方法が知られている。
また、対象物(熱源)から放射される、波長帯が異なる複数種類の赤外線の強度分布を検出し、それらの強度分布に基づいて対象物の表面温度を算出することで、表面温度の測定精度を向上させる方法が知られている。複数種類の赤外線の強度分布に基づいて対象物の表面温度を算出する方法の1つとして、3種類の赤外線の強度分布を検出し、三色法と呼ばれる方法により表面温度を算出する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、別の方法として、赤外線イメージセンサから出力された、波長帯が異なる2種類の出力の比に基づいて、対象物の温度を精度良く測定する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2009−47611号公報 特開2004−85391号公報
熱源の探知に用いる赤外線イメージセンサからのセンサ出力は、探知エリアから赤外線イメージセンサを含む赤外線カメラに到来する赤外線を、光学系により赤外線イメージセンサの受光面に結像させることで得られる。このとき、赤外線イメージセンサの受光面で結像した熱源の大きさが赤外線イメージセンサにおける1個の画素(受光素子)の大きさと略同一であると、熱源が結像した画素の周囲に熱源からの赤外線が漏れ出す。このように熱源からの赤外線が漏れ出すと、熱源が結像した画素に入射される熱源からの赤外線量が低下し、当該画素のセンサ出力が低下する。よって、熱源が結像した画素のセンサ出力に基づく当該画素の計測温度が実際の熱源の温度よりも低くなり、熱源を正確に探知できない可能性がある。
1つの側面において、本発明は、小さな熱源を正確に探知することを目的とする。
1つの態様では、熱源探知装置は、第1の温度算出部と、第2の温度算出部と、判定部と、を備える。第1の温度算出部は、第1の温度、第2の温度、及び第1の温度と第2の温度との平均値のいずれかを1波長温度として算出する。第1の温度は、第1の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが出力した第1の出力を温度に換算したものである。第2の温度は、第1の赤外波長域とは異なる第2の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが第1の出力とともに出力した第2の出力を温度に換算したものである。第2の温度算出部は、第1の出力と第2の出力との比を温度に換算した2波長温度を算出する。判定部は、2波長温度に基づいて熱源の温度を判定するとともに、1波長温度と2波長温度との比較結果に基づいて赤外線センサから熱源までの距離を判定する。
上述の態様によれば、小さな熱源を正確に探知することが可能となる。
第1の実施形態に係る熱源探知システムの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る熱源探知システムにおける撮像装置の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る熱源探知システムにおける熱源探知装置の機能的構成を示す図である。 第1の実施形態に係る熱源探知装置における1波長温度算出部の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る熱源探知装置における2波長温度算出部の構成を示す図である。 2波長温度算出部で参照する換算情報の例を示すグラフ図である。 第1の実施形態に係る熱源探知装置における情報設定部の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る熱源探知処理を説明するフローチャートである。 第1の実施形態に係る1波長温度算出処理の内容を説明するフローチャートである。 第1の実施形態に係る2波長温度算出処理の内容を説明するフローチャートである。 第1の実施形態に係る情報設定処理の内容を説明するフローチャートである。 熱源の有無及び熱源までの距離の判定に用いる判定テーブルの例を示す図である。 補正係数の設定方法を説明する図である。 熱源の大きさと熱源までの距離との関係の一例を示す図である。 センサ出力が1個である場合の熱源と換算温度との関係の例を説明する図である。 波長域の異なる2個のセンサ出力に基づく熱源と換算温度との関係の例を説明する図である。 第2の実施形態に係る熱源探知装置における1波長温度算出部の構成を示す図である。 第2の実施形態に係る1波長温度算出処理の内容を説明するフローチャートである。 第2の実施形態に係る1波長温度算出部の変形例を示す図である。 第2の実施形態に係る1波長温度算出処理の変形例を説明するフローチャートである。 第3の実施形態に係る熱源探知装置における情報設定部の構成を示す図である。 第4の実施形態に係る情報設定処理の内容を説明するフローチャートである。 コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る熱源探知システムの構成を示す図である。
図1に示すように、熱源探知システム1は、撮像装置2と、熱源探知装置3と、表示装置4と、を備える。撮像装置2は、探知エリア内の赤外線画像を撮像する装置である。熱源探知装置3は、撮像装置2で撮像した赤外線画像に基づいて、探知エリア内の熱源を探知する装置である。表示装置4は、熱源探知装置3の探知結果を表示する装置である。
図2は、第1の実施形態に係る熱源探知システムにおける撮像装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る撮像装置2は、2波長赤外線イメージセンサ(以下「2波長赤外線センサ」という)200と、冷却器210と、温度制御部220と、センサ駆動部230と、光学系240と、光学系制御部250と、を備える。
2波長赤外線センサ200は、赤外波長域における第1の波長域の赤外線量と、赤外波長域における第1の波長域とは異なる第2の波長域の赤外線量とを検出する赤外線センサである。2波長赤外線センサ200は、第1の波長域の赤外線量を検出する第1の検出素子と、第2の波長域の赤外線量を検出する第2の検出素子とを含む受光素子が二次元配置されている。2波長赤外線センサ200の受光素子には、例えば、量子井戸型赤外線センサ(QWIP)が用いられ、それぞれ井戸層厚さや障壁層組成などが異なる2種類の多重量子井戸層が積層された素子層構造を持つ。2波長赤外線センサ200は、各受光素子の第1の検出素子及び第2の検出素子において生じる光電流をそれぞれ電圧信号に変換し、各画素(受光素子)からの出力電圧を順次選択して時系列に外部へと出力する。
冷却器210は、2波長赤外線センサ200を所定の温度範囲内(例えば、70〜80K)で動作させるための熱交換器である。冷却器210の動作(言い換えると冷却器210と2波長赤外線センサ200との熱交換量)は、温度制御部220により制御される。2波長赤外線センサ200及び冷却器210の熱交換部211は、例えば、光学系240を透過した赤外線信号光の入射窓を有する真空容器内に収容される。
センサ駆動部230は、2波長赤外線センサ200の温度を含む2波長赤外線センサ200の駆動状態を制御するとともに、2波長赤外線センサ200が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換して熱源探知装置3に出力する。センサ駆動部230は、センサ制御部231と、第1のAnalog to Digital(A/D)変換部232と、第1のシリアライザ233と、第2のA/D変換部234と、第2のシリアライザ235と、を含む。
センサ制御部231は、2波長赤外線センサ200に、タイミングパルス信号(例えば、クロック信号、フレーム同期信号、シフタレジスタ制御信号等)や、アンプ電源、リセット電圧、入力ゲート電圧等のバイアスを印加する。また、センサ制御部231は、2波長赤外線センサ200の温度をモニタリングし、2波長赤外線センサ200の温度が所定の温度範囲に維持されるよう、温度制御部220に制御信号を出力する。
第1のA/D変換部232は、2波長赤外線センサ200における第1の検出素子のそれぞれが出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、例えば、14ビットのパラレル信号として第1のシリアライザ233に出力する。第1のシリアライザ233は、第1のA/D変換部232が出力したパラレル信号をシリアル化し、1系統の時系列デジタル信号として熱源探知装置3に出力する。第2のA/D変換部234は、2波長赤外線センサ200における第2の検出素子のそれぞれが出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、例えば、14ビットのパラレル信号として第2のシリアライザ235に出力する。第2のシリアライザ235は、第2のA/D変換部234が出力したパラレル信号をシリアル化し、1系統の時系列デジタル信号として熱源探知装置3に出力する。以下の説明では、第1のシリアライザ233が出力したデジタル信号を第1のセンサ出力といい、第2のシリアライザ235が出力したデジタル信号を第2のセンサ出力という。
光学系240は、探知エリアから撮像装置2に到来する赤外線を2波長赤外線センサ200の入射面で結像させ第1の検出素子及び第2の検出素子に入射させる。光学系240は、2波長赤外線センサ200の受光面からの距離を変更可能な1枚又は2枚以上の赤外線レンズを含む。光学系制御部250は、光学系240に含まれる赤外線レンズと2波長赤外線センサ200との位置関係等を制御し、2波長赤外線センサ200の入射面に結像させる探知エリア(撮像範囲)を調整する。
このように、本実施形態に係る撮像装置2は、2波長赤外線センサ200を用い、1つの探知エリア内の赤外線量として、第1の波長域の赤外線量と、第2の波長域の赤外線量とを同時に検出する。すなわち、撮像装置2は、1つの探知エリア内の赤外線画像として、第1の波長域の赤外線量に基づく第1の赤外線画像と、第2の波長域の赤外線量に基づく第2の赤外線画像とを撮像する。
図3は、第1の実施形態に係る熱源探知システムにおける熱源探知装置の機能的構成を示す図である。
図3に示すように、熱源探知装置3は、第1の補正部300と、第2の補正部305と、1波長温度算出部310と、2波長温度算出部330と、情報設定部350と、判定部360と、を備える。
第1の補正部300は、撮像装置2の2波長赤外線センサ200における第1の検出素子のそれぞれの感度特性に基づいて、撮像装置2が出力した第1のセンサ出力を補正する。第1の補正部300は、補正係数記憶部301と、補正出力算出部302と、を含む。補正係数記憶部301には、第1の検出素子のそれぞれの感度特性に基づいて設定された、センサ出力値に対する補正係数を記憶させている。補正出力算出部302は、補正係数記憶部301の補正係数に基づいて、第1のセンサ出力における各検出素子の出力値を補正する。以下の説明では、第1の補正部300で補正された第1のセンサ出力を、第1の補正出力という。
第2の補正部305は、撮像装置2の2波長赤外線センサ200における第2の検出素子のそれぞれの感度特性に基づいて、撮像装置2が出力した第2のセンサ出力を補正する。第2の補正部305は、補正係数記憶部306と、補正出力算出部307と、を含む。補正係数記憶部306には、第2の検出素子のそれぞれの感度特性に基づいて設定された、センサ出力値に対する補正係数を記憶させている。補正出力算出部307は、補正係数記憶部306の補正係数に基づいて、第2のセンサ出力における各検出素子の出力値を補正する。以下の説明では、第2の補正部305で補正された第2のセンサ出力を、第2の補正出力という。
1波長温度算出部310は、1つの波長域における補正出力を温度に換算して得られる値に基づいて、探知エリア内の温度分布を算出する。本実施形態に係る1波長温度算出部310は、第1の補正出力の換算温度と、第2の補正出力の換算温度との平均値を、探知エリア内の温度分布として算出する。
2波長温度算出部330は、第1の補正出力と、第2の補正出力との比を温度に換算して探知エリア内の温度分布を算出する。
情報設定部350は、1波長温度算出部310で算出した第1の温度分布と、2波長温度算出部330で算出した第2の温度分布とに基づいて、熱源の温度、熱源の有無、及び熱源までの距離を含む熱源についての情報を設定する。以下の説明では、1波長温度算出部310で算出した第1の温度分布を1波長温度ともいい、2波長温度算出部330で算出した第2の温度分布を2波長温度ともいう。
判定部360は、情報設定部350で設定した熱源についての情報に基づいて、熱源の探知結果を判定する。判定部360は、熱源の探知結果を表示装置4に出力する。
図4は、第1の実施形態に係る熱源探知装置における1波長温度算出部の構成を示す図である。
図4に示すように、本実施形態の熱源探知装置3における1波長温度算出部310は、第1の換算部311と、第2の換算部314と、平均値算出部317と、を含む。
第1の換算部311は、第1の補正部300で補正された第1の補正出力における各検出素子の出力値を温度に換算する。第1の換算部311は、換算情報記憶部312と、換算温度算出部313と、を含む。換算情報記憶部312には、第1の検出素子におけるセンサ出力値と温度との対応関係を表す換算情報を記憶させている。換算温度算出部313は、換算情報記憶部312の換算情報を参照し、第1の補正出力についての換算温度(第1の換算温度)を算出する。
第2の換算部314は、第2の補正出力における各検出素子の出力値を温度に換算する。第2の換算部314は、換算情報記憶部315と、換算温度算出部316と、を含む。換算情報記憶部315には、第2の検出素子におけるセンサ出力値と温度との対応関係を表す換算情報を記憶させている。換算温度算出部316は、換算情報記憶部315の換算情報を参照し、第2の補正出力についての換算温度(第2の換算温度)を算出する。
平均値算出部317は、第1の換算温度と、第2の換算温度との平均値を算出する。平均値算出部317は、2波長赤外線センサ200の画素毎(受光素子毎)に、第1の換算温度における第1の検出素子の換算温度Taと、第2の換算温度における第2の検出素子の換算温度Tbとの平均値{(Ta+Tb)/2}を算出する。平均値算出部317は、算出した換算温度の平均値を、1波長温度として情報設定部350に出力する。
図5は、第1の実施形態に係る熱源探知装置における2波長温度算出部の構成を示す図である。図6は、2波長温度算出部で参照する換算情報の例を示すグラフ図である。
図5に示すように、本実施形態の熱源探知装置3における2波長温度算出部330は、出力比算出部331と、換算温度算出部332と、換算情報記憶部333と、を含む。
出力比算出部331は、第1の補正出力と、第2の補正出力との出力比を算出する。出力比算出部331は、2波長赤外線センサ200の画素毎(受光素子毎)に、第1の補正出力における第1の検出素子の出力値Qaと、第2の補正出力における第2の検出素子の出力値Qbとの比(出力比)Qa/Qbを算出する。
換算温度算出部332は、出力比算出部331で算出した出力比Qa/Qbと、換算情報記憶部333に記憶させた換算情報とに基づいて、2波長赤外線センサ200の画素毎(受光素子毎)の換算温度を算出する。換算情報記憶部333には、例えば、図6のグラフのような換算情報を記憶させている。換算温度算出部332は、算出した換算温度を2波長温度として判定部360に出力する。
図6のグラフは、横軸が熱源の温度(℃)であり、縦軸が黒体放射の光量比Qa/Qbである。なお、黒体放射の光量比Qa/Qbにおいて、Qaは波長が3〜5μmである赤外線の熱源からの黒体放射量であり、Qbは波長が8〜10μmである赤外線の熱源からの黒体放射量である。図6からわかるように、熱源の温度と、黒体放射の光量比Qa/Qbとの間には1対1の関係がある。よって、熱源からの黒体放射の光量比Qがわかれば、図6の換算情報に基づいて、光量比Qを熱源の温度TQに換算することが可能となる。なお、換算情報は、図6に示した関係に限らず、撮像装置2に用いる2波長赤外線センサ200における出力比Qa/Qbと、熱源の温度とに基づいて適宜設定すればよい。
図7は、第1の実施形態に係る熱源探知装置における情報設定部の構成を示す図である。
図7に示すように、本実施形態の熱源探知装置2における情報設定部350は、距離情報設定部351と、熱源情報設定部352と、情報出力部353と、を含む。
距離情報設定部351は、1波長温度算出部310で算出した1波長温度と、2波長温度算出部330で算出した2波長温度とに基づいて、熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかを判定し、熱源までの距離を表す値(距離情報値)を設定する。例えば、距離情報設定部351は、1波長温度と2波長温度との差の絶対値に基づいて、距離情報値を設定する。本実施形態では、差の絶対値が所定の閾値以下である場合、距離情報設定部351は、熱源までの距離を近距離と判定して距離情報値を「0」に設定する。また、差の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、距離情報設定部351は、熱源までの距離が遠距離であると判定して距離情報値を「1」に設定する。
熱源情報設定部352は、2波長温度算出部330で算出した2波長温度に基づいて、探知エリア内に所定の温度よりも高温の熱源が存在するか否かを判定し、判定結果を表す値(熱源情報値)を設定する。例えば、2波長温度が所定の閾値よりも高い場合、熱源情報設定部352は、探索エリア内に高温の熱源が存在すると判定して熱源情報値を「1」に設定する。また、2波長温度が所定の閾値以下である場合、熱源情報設定部352は、探索エリア内に高温の熱源が存在しないと判定して熱源情報値を「0」に設定する。
情報出力部353は、距離情報設定部351で設定した距離情報値と、熱源情報設定部352で設定した値と、2波長温度とを統合して判定部360に出力する。
図8は、第1の実施形態に係る熱源探知処理を説明するフローチャートである。
本実施形態に係る熱源探知装置3は、動作を開始すると、所定の時間間隔で図8のステップS1〜S6の処理を繰り返す。
熱源探知装置3は、まず、第1のセンサ出力と、第2のセンサ出力とを取得する(ステップS1)。ステップS1において、熱源探知装置3は、撮像装置2から出力された第1のセンサ出力(第1の波長域のセンサ出力)と、第2のセンサ出力(第2の波長域のセンサ出力)とを取得する。熱源探知装置3は、取得した第1のセンサ出力を第1の補正部300に入力し、取得した第2のセンサ出力を第2の補正部305に入力する。
次に、熱源探知装置3は、各センサ出力の出力値を補正する(ステップS2)。ステップS2の処理は、第1の補正部300と、第2の補正部305とが行う。第1の補正部300は、補正係数記憶部301の補正係数を参照して第1のセンサ出力を補正し、補正後の第1のセンサ出力(第1の補正出力)を1波長温度算出部310及び2波長温度算出部330に出力する。第2の補正部305は、補正係数記憶部306の補正係数を参照して第2のセンサ出力を補正し、補正後の第2のセンサ出力(第2の補正出力)を1波長温度算出部310及び2波長温度算出部330に出力する。
次に、熱源探知装置3は、1波長温度算出処理(ステップS3)と、2波長温度算出処理(ステップS4)とを行う。ここで、図8における二重の横線の組は、ステップS3の処理と、ステップS4の処理とを並列に行うことを意味する。
1波長温度算出処理は、1波長温度算出部310が行う。1波長温度算出部310は、第1の補正出力と換算情報とに基づいて算出した第1の補正出力の換算温度と、第2の補正出力と換算情報とに基づいて算出した第2の補正出力の換算温度との平均値を、1波長温度として算出する。第1の補正出力の換算温度は、第1の換算部311で算出する。第2の補正出力の換算温度は、第2の換算部314で算出する。換算温度の平均値は、平均値算出部317で算出する。1波長温度算出部310は、算出した換算温度の平均値を、1波長温度として情報設定部350に出力する。
一方、2波長温度算出処理は、2波長温度算出部330が行う。2波長温度算出部330は、第1の補正出力と、第2の補正出力との出力比を算出し、算出した出力比と、換算情報(図6を参照)とに基づいて2波長温度を算出する。補正出力の出力比は、出力比算出部331で算出する。2波長温度は、換算温度算出部332で算出する。2波長温度算出部330は、算出した2波長温度を情報設定部350に入力する。
なお、ステップS3の処理とステップS4の処理とは、ステップS3の処理の後でステップS4の処理を行ってもよいし、ステップS4の処理の後でステップS3の処理を行ってもよい。
次に、熱源探知装置3は、情報設定処理(ステップS5)を行う。情報設定処理は、情報設定部350が行う。情報設定部350は、1波長温度と2波長温度とに基づいて熱源までの距離を表す距離情報値を設定するとともに、2波長温度に基づいて高温の熱源の有無を表す熱源情報値を抽出する。情報設定部350は、設定した情報と、2波長温度とを判定部360に出力する。
次に、熱源探知装置3は、設定した情報に基づいて熱源の有無及び熱源までの距離を判定し、判定結果及び熱源の温度を出力する(ステップS6)。ステップS6の処理は、判定部360が行う。判定部360は、熱源までの距離を表す距離情報値と、高温の熱源の有無を表す熱源情報値とに基づいて、報知すべき高温の熱源が探知エリア内に存在するか否かと、報知すべき熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかと、を判定する。その後、判定部360は、判定結果及び熱源の温度(2波長温度)を表示装置4等に出力する。
図9は、第1の実施形態に係る1波長温度算出処理の内容を説明するフローチャートである。
上記の処理における1波長温度算出処理(ステップS3)は、1波長温度算出部310が行う。本実施形態に係る1波長温度算出部310は、1波長温度算出処理として、図9に示したステップS301〜S304の処理を行う。
1波長温度算出部310は、まず、第1の補正出力(補正後の第1のセンサ出力)と、換算情報とに基づいて、第1の換算温度を算出する(ステップS301)。ステップS301の処理は、第1の換算部311が行う。
次に、1波長温度算出部310は、第2の補正出力(補正後の第2のセンサ出力)と、換算情報とに基づいて、第2の換算温度を算出する(ステップS302)。ステップS302の処理は、第2の換算部314が行う。
なお、ステップS301の処理と、ステップS302の処理とは、並列に行ってもよいし、ステップS302の処理の後でステップS301の処理を行ってもよい。
次に、1波長温度算出部310は、第1の換算温度と第2の換算温度との平均値を算出する(ステップS303)。ステップS303の処理は、平均値算出部317が行う。平均値算出部317は、2波長赤外線センサ200の画素毎(受光素子)の組毎に、第1の検出素子のセンサ出力に基づいて換算した換算温度と、第2の検出素子のセンサ出力に基づいて換算した換算温度との平均値を算出する。
ステップS303の処理の後、平均値算出部317(1波長温度算出部310)は、算出した平均値を1波長温度として情報設定部350に出力する(ステップS304)。ステップS304の処理を終えると、1波長温度算出部310は、1組の第1の補正出力と第2の補正出力とを用いた1波長算出処理を終了する。
図10は、第1の実施形態に係る2波長温度算出処理の内容を説明するフローチャートである。
上記の処理における2波長温度算出処理(ステップS4)は、2波長温度算出部330が行う。2波長温度算出部330は、2波長温度算出処理として、図10に示したステップS401〜S403の処理を行う。
2波長温度算出部330は、まず、第1の補正出力(補正後の第1のセンサ出力)と、第2の補正出力(補正後の第2のセンサ出力)との比(出力比)を算出する(ステップS401)。ステップS401の処理は、出力比算出部331が行う。出力比算出部331は、2波長赤外線センサ200の画素毎(受光素子毎)に、第1の検出素子の補正後のセンサ出力(第1の補正出力)Qaと、第2の検出素子の補正後のセンサ出力(第2の補正出力)Qbとの比Qa/Qbを算出する。
次に、2波長温度算出部330は、算出した出力の比と、換算情報記憶部333の換算情報とに基づいて、2波長赤外線センサ200における各受光素子(画素)のセンサ出力と対応する換算温度を算出する(ステップS402)。ステップS402は、換算温度算出部332が行う。換算温度算出部332は、ステップS401で算出した出力比Qa/Qbと、換算情報記憶部333の換算情報(図6を参照)とに基づいて、2波長赤外線センサ200における各受光素子(画素)のセンサ出力と対応する換算温度を算出する。
ステップS402の処理の後、換算温度算出部332(2波長温度算出部330)は、算出した換算温度を2波長温度として情報設定部350に出力する(ステップS403)。ステップS403の処理を終えると、2波長温度算出部330は、1組の第1の補正出力と第2の補正出力とを用いた2波長算出処理を終了する。
図11は、第1の実施形態に係る情報設定処理の内容を説明するフローチャートである。
上記の処理における情報設定処理(ステップS5)は、情報設定部350が行う。情報設定部350は、情報設定処理として、図11に示したステップS501〜S510の処理を行う。
情報設定部350は、まず、処理対象とする画素を選択する(ステップS501)。ステップS501は、距離情報設定部351と、熱源情報設定部352とが行う。ステップS501では、例えば、距離情報設定部351が処理対象とする画素を選択し、選択した画素を熱源情報設定部352に通知することで、両者で共通の画素を選択する。なお、ステップS501で選択する画素は、2波長赤外線センサ200における1個の受光素子である。
次に、情報設定部350は、選択した画素の2波長温度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502は、熱源情報設定部352が行う。2波長温度が閾値以上である場合(ステップS502;Yes)、熱源情報設定部352は、選択した画素の熱源情報値を、高温の熱源を探知したことを表す値(例えば「1」)に設定する(ステップS503)。一方、2波長温度が閾値よりも小さい場合(ステップS502;No)、熱源情報設定部352は、選択した画素の熱源情報値を、高温の熱源が探知されなかったことを表す値(例えば「0」)に設定する(ステップS504)。
ステップS503又はS504の後、情報設定部350は、選択した画素の1波長温度と2波長温度との差の絶対値を算出し(ステップS505)、差の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS505及びS506の処理は、距離情報設定部351が行う。算出した差の絶対値が閾値以上である場合(ステップS506;Yes)、距離情報設定部351は、選択した画素の距離情報値を、熱源までの距離が遠距離であることを表す値(例えば「1」)に設定する(ステップS507)。一方、算出した差の絶対値が閾値よりも小さい場合(ステップS506;No)、距離情報設定部351は、選択した画素の距離情報値を、熱源までの距離が近距離であることを表す値(例えば「0」)に設定する(ステップS508)。
ステップS507又はステップS508の後、情報設定部350は、未処理の画素があるか否かを判定する(ステップS509)。未処理の画素がある場合(ステップS509;Yes)、情報設定部350は、ステップS501〜S509の処理を繰り返す。未処理の画素がない場合、すなわち全ての画素に対する処理を行った場合(ステップS509;No)、情報設定部350は、熱源情報値、距離情報値、及び2波長温度を統合して判定部360に出力する(ステップS510)。ステップS510の処理は、情報出力部353が行う。ステップS510の処理を終えると、情報設定部350は、1組の1波長温度と2波長温度とを用いた情報設定処理を終了する。
なお、図11のフローチャートは、情報設定部350が行う処理の一例に過ぎない。情報設定部350は、ステップS505〜S508の処理の後、ステップS502〜S504の処理を行ってもよい。更に、情報設定部350は、ステップS502〜S504の処理と、ステップS505〜S508の処理とを並列に行ってもよい。ステップS502〜S504の処理と、ステップS505〜S508の処理とを並列に行う場合、ステップS502〜S504の処理における画素の選択順序と、ステップS505〜S508の処理における画素の選択順序とが異なっていてもよい。
図12は、熱源の有無及び熱源までの距離の判定に用いる判定テーブルの例を示す図である。
判定部360は、2波長赤外線センサ200の画素毎(受光素子毎)に設定した熱源情報値と、距離情報値とに基づいて、例えば、各画素の見張り角内に高温の熱源があるか否か、高温の熱源がある場合に当該熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかを判定する。このとき、判定部360は、例えば、図12に示したような判定テーブル361を用いて上記の判定を行う。
図11に示したフローチャートでは、2波長温度が閾値以上である画素の熱源情報値を「1」に設定し、2波長温度が閾値よりも小さい画素の熱源情報値を「0」に設定している。2波長温度が閾値よりも小さい画素の見張り角内には高温の熱源が存在しない。よって、判定対象の画素の熱源情報値が「0」である場合、判定部360は、図12に示す判定テーブル361に従い、距離情報値によらず当該画素の見張り角内に高温の熱源がないと判定する。
一方、2波長温度が閾値以上である画素の見張り角内には高温の熱源が存在する。この場合、判定部360は、判定テーブル361に従い、距離情報値に基づいて、熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかを判定する。
図11に示したフローチャートでは、1波長温度と2波長温度との差の絶対値が閾値以上である画素の距離情報値を「1」に設定し、差の絶対値が閾値よりも小さい画素の距離情報値を「0」に設定している。1波長温度と2波長温度との差の絶対値は、高温の熱源までの距離が長くなると大きくなる傾向がある。よって、判定対象の画素の熱源情報値が「1」であり、かつ距離情報値が「0」である場合、判定部360は、図12に示すように、当該画素の見張り角内に高温の熱源があり、当該熱源までの距離が近距離であると判定する。一方、判定対象の画素の熱源情報値が「1」であり、かつ距離情報値が「1」である場合、判定部360は、図12に示すように、当該画素の見張り角内に高温の熱源があり、当該熱源までの距離が遠距離であると判定する。
判定部360は、上記の判定を行った後、例えば、各画素の2波長温度に基づいて探知エリア内の赤外線画像を生成し、見張り角内に熱源がある画素を強調させて表示装置4に表示させる。
図13は、補正係数の設定方法を説明する図である。
1個の2波長赤外線センサ200では、各受光素子における第1の検出素子のセンサ感度(すなわち入射赤外線量とセンサ出力との対応関係)にばらつきがある。例えば、図13に示したように、1個の画素(受光素子)PXが第1の検出素子のみを含む赤外線センサ201に対し均等に赤外線5を入射させた場合、画素PX毎にセンサ出力値に違いが生じる。同様に、1個の2波長赤外線センサ200では、各受光素子における第2の検出素子のセンサ感度にもばらつきがある。このため、熱源探知装置3では、当該熱源探知装置3と組み合わせて用いる2波長赤外線センサ200の各受光素子における第1の検出素子のセンサ感度及び第2の検出素子のセンサ感度に基づいて補正係数を設定し、当該補正係数に基づいて各センサ出力を補正する。
第1の検出素子のセンサ感度に基づいて補正係数を設定する場合、例えば、まず、温度Taの赤外線を2波長赤外線センサの各受光素子に均等に入射させ、図13の上段に示した棒グラフのような、それぞれの第1の検出素子のセンサ出力を取得する。続けて、例えば、温度Tb(<Ta)の赤外線を2波長赤外線センサ200の各受光素子に均等に入射させ、図13の中段に示した棒グラフのように、それぞれの第1の検出素子のセンサ出力を取得する。
その後、温度Ta,Tbの赤外線を2波長赤外線センサ200の各受光素子に入射させたときの理論上のセンサ出力と、実際のセンサ出力とに基づいて、各検出素子のセンサ出力が一定値になるよう各検出素子のセンサ出力に対する補正係数を算出する。補正係数は、赤外線イメージセンサにおける既知の補正係数の算出方法(センサ出力の較正方法)に従って算出する。算出した第1のセンサ出力に対する補正係数は、熱源探知装置3における第1の補正部300の補正係数記憶部302に記憶させる。
また、本実施形態に係る熱源探知システムでは、各受光素子における第2の検出素子のセンサ出力に対する補正係数を同様の方法で算出し、熱源探知装置3における第2の補正部305の補正係数記憶部306に記憶させる。
以下、図14〜図16を参照し、本実施形態に係る熱源探知システムによる作用効果の一例を説明する。
図14は、熱源の大きさと熱源までの距離との関係の一例を示す図である。図15は、センサ出力が1個である場合の熱源と換算温度との関係の例を説明する図である。図16は、波長域の異なる2個のセンサ出力に基づく熱源と換算温度との関係の例を説明する図である。
本実施形態の熱源探知システム1は、光学系240を介して2波長赤外線センサ200の入射面に結像させた熱源が1画素程度の大きさであれば、当該熱源を探知可能である。すなわち、本実施形態の熱源探知システム1では、例えば、図14に示すように、2波長赤外線センサ200における1個の画素PXから見た熱源6の大きさが、当該画素PXの見張り角θに相当する面積と略同一の大きさの熱源を探知可能である。
ところが、2波長赤外線センサ200の入射面から距離L1の位置にある熱源6Aのように、画素PXから見た熱源6Aの大きさが画素PXの見張り角θに相当する面積よりも大きい場合、入射面で結像した熱源6Aは、1画素よりも大きくなる。この場合、図15の(a)に示すように、熱源6Aが結像した画素PXcと隣接した他の画素へと赤外線5Aが漏れ出す。このため、例えば、赤外線センサ201における熱源が結像した画素PXcのセンサ出力を換算した温度は、当該画素に熱源からの赤外線5Aが全て入射した場合のセンサ出力を換算した温度(実際の熱源の温度TR1)よりも低い値となる。
また、2波長赤外線センサ200の入射面から距離L2(>L1)の位置にある熱源6Bのように、画素PXから見た熱源6Bの大きさが画素PXの見張り角θに相当する面積よりも小さい場合、入射面で結像した熱源6Bは、1画素よりも小さくなる。この場合、図15の(b)に示すように、熱源6Bが結像した画素PXcに入射する赤外線5Bは、当該画素PXcの中央部分に集中する。このとき、熱源6Bが結像した画素PXcのセンサ出力は、当該画素PX(検出素子)の中央部分における光応答出力と、当該画素の外周部分における光応答出力とを平均化したセンサ出力となる。このため、赤外線センサ201における熱源が結像した画素PXcのセンサ出力を換算した温度は、当該画素の全域に熱源からの赤外線が均一に入射した場合のセンサ出力の換算温度(実際の熱源の温度TR2)よりも低い値となる。更に、結像した熱源6が1画素より小さくかつ熱源が遠距離にある場合、センサ出力に基づいて換算した熱源の温度と実際の温度TR2との差が、結像した熱源6が1画素よりやや大きくかつ熱源が近距離にある場合の差よりも大きくなる。このことは、2波長赤外線センサ200から出力された第1のセンサ出力に基づいて換算した熱源の温度、及び第2のセンサ出力に基づいて換算した熱源の温度のいずれにも当てはまる。
しかも、熱源6の温度によっては、図15に示したように、熱源が近距離にある場合と、熱源が遠距離にある場合とで、センサ出力に基づいて換算した温度が略同一になることがある。このような場合、センサ出力に基づいて換算した換算温度に基づいて、熱源までの距離を推定することが難しい。図15の(a)に示したように、センサ出力を換算した温度及び実際の熱源の温度TR1が、熱源があると判定する第1の閾値TH1と、高温の熱源であると判定する第2の閾値TH2との間にある場合、高温ではない熱源が存在することを正しく探知することができる。ところが、図15の(b)に示したように、センサ出力の換算温度が第1の閾値TH1と第2の閾値TH2との間にあり、かつ実際の熱源の温度TR2が第2の閾値TH2よりも大きい場合、センサ出力の換算温度のみでは高温の熱源を高温ではない熱源と認識してしまう。
これに対し、本実施形態に係る熱源探知装置3では、センサ出力に基づいて換算した温度と、センサ出力の比に基づいて換算した温度とに基づいて熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるを判定する(推定する)。
本実施形態に係る熱源探知装置3では、1波長温度算出部310において、第1の補正出力を温度に換算した第1の換算温度と、第2の補正出力を温度に換算した第2の換算温度との平均値を算出する(ステップS301,S302)。赤外線センサ201の入射面で結像した熱源が1画素よりやや大きくかつ熱源が近距離にある場合、第1の換算温度と第2の換算温度とには、それぞれ、図15の(a)に示した分布と同じ傾向が見られるが、熱源が結像した画素PXcにおける温度がわずかに異なる。そのため、第1の換算温度と第2の換算温度との平均値(第1波長温度)における熱源が結像した画素PXcの換算温度は、図16の(a)に示すように、実際の熱源の温度TR1よりもやや低い値となる。
また、本実施形態に係る熱源探知装置3では、2波長温度算出部330において、第1の補正出力と第2の補正出力との出力比を算出し、当該出力比と熱源の温度との関係に基づいて換算した2波長温度を算出する。この場合、熱源が結像した画素PXcにおける第1の補正出力及び第2の補正出力は、それぞれ、図15の(a)に示した分布と同じ傾向が見られるが、熱源が結像した画素PXcにおける温度がわずかに異なる。そのため、結像した熱源が1画素よりやや大きくかつ熱源が近距離にある場合、第1の補正出力と第2の補正出力との出力比に基づいて換算した2波長温度は、図16の(a)に示すように、センサ出力を換算した1波長温度と、略同一の値となる。
これに対し、結像した熱源が1画素より小さくかつ熱源が遠距離にある場合の1波長温度(換算温度の平均値)及び2波長温度(出力比の換算温度)は、それぞれ、図16の(b)に示したようになる。結像した熱源が1画素より小さくかつ熱源が遠距離にある場合の第1の補正出力及び第2の補正出力は、それぞれ画素内で平均化される。このため、画素の全域に熱源からの赤外線が均一に入射した場合のセンサ出力TR2よりも低い値となり、かつその差が大きい。したがって、赤外線センサ201,202の入射面に結像した熱源が1画素より小さくかつ熱源が遠距離にある場合、熱源が結像した画素PXcにおける1波長温度(換算温度の平均値)は、実際の熱源の温度TR2との差が大きくなる。よって、熱源の投影面積が1画素より小さくかつ熱源が遠距離にある場合、熱源が結像される画素における換算温度の平均値は、熱源の投影面積が1画素よりやや大きくかつ熱源が近距離にある場合の換算温度の平均値と略同一となることがある。
ところが、第1の補正出力及び第2の補正出力は、それぞれ、同程度の割合で低下する。そのため、第1の補正出力と第2の補正出力との比を換算した2波長温度(出力比の換算温度)では、図16の(b)に示すように、熱源が結像される画素の温度が1波長温度における換算温度よりも高くなり、実際の熱源の温度に近づく。このため、熱源の投影面積が1画素より小さくかつ熱源が遠距離にある場合、センサ出力を換算した1波長温度と、センサ出力の比を換算した2波長温度との差の絶対値が大きくなる。本実施形態の熱源探知システム1では、このような1波長温度と2波長温度との差の絶対値の違いに基づいて、熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかを判定する。更に、本実施形態の熱源探知システム1では、1波長温度よりも2波長温度のほうが実際の熱源の温度TR1,TR2に近いことを利用し、2波長温度に基づいて熱源が高温であるか否かを判定する。このように、実際の熱源の温度TR2に近い2波長温度に基づいて熱源が高温であるか否かを判定すると、図16の(b)に示したように、遠距離にある高温の熱源の温度が低く認識されることを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、判定部360における判定結果が、高温の熱源を探知しなかった場合、高温の熱源が近距離にある場合、及び高温の熱源が遠距離にある場合の3通りとなっている。しかしながら、判定部360は、これに限らず、例えば、熱源の大きさ、温度、熱源までの距離等をより詳細に判定してもよい。また、判定部360においてより詳細な判定をする代わりに、例えば、熱源の大きさ、温度、熱源までの距離等の解析を行う解析部を熱源探知装置3に設けてもよい。
また、本実施形態では、2波長温度が閾値以上である場合に探知エリア内に高温の熱源があると判定している。しかしながら、判定部360は、これに限らず、2波長温度が閾値よりも小さい場合に探知エリア内に報知すべき低温の熱源があると判定して判定結果を出力してもよい。
更に、本実施形態に係る熱源探知システムにおける撮像装置2は、例えば、図2に示した冷却器210及び温度制御部220が省略された装置であってもよい。
[第2の実施形態]
本実施形態では、1波長温度算出部310において算出する1波長温度を、第1の換算温度、第2の換算温度、及び換算温度の平均値から選択可能にした熱源探知装置3及び熱源探知方法について説明する。本実施形態に係る熱源探知システム1は、図1に示したように、撮像装置2と、熱源探知装置3と、表示装置4と、を備える。撮像装置2は、第1の実施形態で説明したように、2波長赤外線センサ200を含み、赤外波長域における第1の波長域のセンサ出力と、第2の波長域のセンサ出力とを出力する。また、熱源探知装置3は、第1の実施形態で説明したように、第1の補正部300と、第2の補正部305と、1波長温度算出部310と、2波長温度算出部330と、情報設定部350と、判定部360と、を備える。ただし、本実施形態に係る熱源探知装置3の1波長温度算出部310は、図17に示したような構成とする。
図17は、第2の実施形態に係る熱源探知装置における1波長温度算出部の構成を示す図である。
図17に示すように、本実施形態に係る1波長温度算出部310は、第1の換算部311と、第2の換算部314と、1波長温度選択部318と、を含む。第1の換算部311は、換算情報記憶部312と換算温度算出部311とを含み、第1の補正部300で補正した第1の波長域のセンサ出力(第1の補正出力)を温度に換算する。第2の換算部314は、換算情報記憶部315と換算温度算出部316とを含み、第2の補正部305で補正した第2の波長域のセンサ出力(第2の補正出力)を温度に換算する。
1波長温度選択部318は、第1の換算部311で換算した第1の換算温度、第2の換算部314で換算した第2の換算温度、及び第1の換算温度と第2の換算温度との平均値のいずれかを1波長温度に選択する。1波長温度選択部318は、図示しない選択情報入力部から入力される選択コマンドに従って、1波長温度を選択する。1波長温度として第1の換算温度と第2の換算温度との平均値を選択した場合、1波長温度選択部318は、第1の実施形態で説明した平均値算出部317と同様の処理を行って1波長温度を算出する。1波長温度選択部318は、選択した1波長温度を情報設定部350に出力する。
本実施形態に係る熱源探知装置3は、熱源探知処理として、図8に示したステップS1〜S6の処理を行う。このうち、ステップS1,S2,及びS4〜S6の処理は、それぞれ、第1の実施形態で説明した通りでよい。これに対し、本実施形態に係る熱源探知装置3は、ステップS3の処理(1波長温度算出処理)として、図18に示す処理を行う。
図18は、第2の実施形態に係る1波長温度算出処理の内容を説明するフローチャートである。なお、図18のフローチャートにおいて、第1の実施形態で説明した処理と同じ処理には、図8に付したステップ番号と同じステップ番号(例えばS301,S302等)を付している。
図18の1波長温度算出処理は、1波長温度算出部310が行う。1波長温度算出部310は、まず、補正後の第1のセンサ出力と、換算情報とに基づいて第1の換算温度を算出し(ステップS301)、補正後の第2のセンサ出力と、換算情報とに基づいて第2の換算温度を算出する(ステップS302)。ステップS301の処理は第1の換算部311が行い、ステップS302の処理は第2の換算部314が行う。なお、ステップS301の処理とステップS302の処理とは、処理の順序が逆であってもよいし、ステップS301の処理とステップS302の処理とを並列に行ってもよい。
次に、1波長温度算出部310は、入力された選択コマンドが第1の換算温度を選択するコマンド、第2の換算温度を選択するコマンド、及び換算温度の平均値を選択するコマンドのいずれであるかを判定する(ステップS311)。ステップS311の判定は、1波長温度選択部318が行う。
選択コマンドが換算温度の平均値を選択するコマンドである場合(ステップS311;平均値)、1波長温度選択部318は、第1の換算温度と第2の換算温度との平均値を算出する(ステップS303)。その後、1波長温度選択部318は、算出した換算温度の平均値を1波長温度として情報設定部350に出力する(ステップS304)。
これに対し、選択コマンドが第1の換算温度を選択するコマンドである場合(ステップS311;第1の換算温度)、1波長温度選択部318は、第1の換算温度を1波長温度として情報設定部350に出力する(ステップS312)。また、選択コマンドが第2の換算温度を選択するコマンドである場合(ステップS311;第2の換算温度)、1波長温度選択部318は、第2の換算温度を1波長温度として情報設定部350に出力する(ステップS313)。
ステップS304,S312,及びS313のいずれかにより1波長温度を情報設定部350に出力すると、1波長温度算出部310は、1組の第1の補正出力と第2の補正出力とに基づく1波長温度算出処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1の換算温度、第2の換算温度、及び第1の換算温度と第2の換算温度との平均値のいずれかを1波長温度として熱源を探知する。このため、第1の換算温度又は第2の換算温度を1波長温度とすることにより、1波長算出処理における演算量を低減させることが可能となる。
なお、本実施形態に係る1波長温度算出部310は、第1の換算温度、及び第2の換算温度のいずれかを1波長温度とするものであってもよい。この場合、1波長温度選択部318に入力可能な選択コマンドを第1の換算温度及び第2の換算温度の2種類に限定し、1波長温度選択部318では、選択コマンドに従って第1の換算温度又は第2の換算温度を出力する。また、第1の換算温度、及び第2の換算温度のいずれかを1波長温度とする場合、1波長温度算出部310は、例えば、図19に示すような構成であってもよい。
図19は、第2の実施形態に係る1波長温度算出部の変形例を示す図である。
図19に示すように、第1の換算温度、及び第2の換算温度のいずれかを1波長温度とする1波長温度算出部310は、1波長温度選択部319と、換算温度算出部320と、換算情報記憶部321と含む。1波長温度選択部319は、図示しない選択情報入力部から入力された選択コマンドに従い、第1の換算温度、及び第2の換算温度のいずれの1波長温度とするかを選択する。1波長温度選択部319は、第1の補正部300で補正した第1の補正出力と、第2の補正部305で補正した第2の補正出力とのうち、選択した1波長温度(換算温度)の算出に用いる補正出力のみを換算温度算出部320に出力する。換算温度算出部320は、換算情報記憶部321に記憶させた第1の換算情報322又は第2の換算情報323を参照し、1波長温度選択部319で選択した補正出力を温度に換算する。換算情報記憶部321に記憶させた第1の換算情報322は、第1の補正出力と温度との対応関係を含む情報である。また、換算情報記憶部321に記憶させた第2の換算情報323は、第2の補正出力と温度との対応関係を含む情報である。換算温度算出部320は、算出した第1の換算温度又は第2の換算温度を1波長温度として情報設定部350に出力する。
図19の1波長温度算出部310は、1波長温度算出処理(ステップS3)として、例えば、図20に示した処理を行う。
図20は、第2の実施形態に係る1波長温度算出処理の変形例を説明するフローチャートである。
図19の1波長温度算出部310では、まず、入力された選択コマンドが第1の換算温度、及び第2の換算温度のいずれを選択するコマンドであるかを判定する(ステップS321)。ステップS321の判定は、1波長温度選択部319が行う。
選択コマンドが第1の換算温度を選択するコマンドである場合(ステップS321;第1の換算温度)、1波長温度選択部319は、補正後の第1のセンサ出力(第1の補正出力)と、第1の補正出力を換算することを表す情報とを換算温度算出部320に出力する。この場合、1波長温度算出部319は、次に、第1の補正出力と、第1の換算情報322とに基づいて第1の換算温度を算出する(ステップS322)。ステップS322の処理は、換算温度算出部320が換算情報記憶部321の第1の換算情報322を参照して行う。
一方、選択コマンドが第2の換算温度を選択するコマンドである場合(ステップS321;第2の換算温度)、1波長温度選択部319は、補正後の第2のセンサ出力(第2の補正出力)と、第2の補正出力を換算することを表す情報とを換算温度算出部320に出力する。この場合、1波長温度算出部319は、次に、第2の補正出力と、第2の換算情報323とに基づいて第2の換算温度を算出する(ステップS323)。ステップS323の処理は、換算温度算出部320が換算情報記憶部321の第2の換算情報323を参照して行う。
ステップS322又はS323の処理の後、換算温度算出部320は、算出した換算温度を1波長温度として情報設定部350に出力する(ステップS324)。ステップS324の処理を終えると、1波長温度算出部310は、1組の第1の補正出力と第2の補正出力とに基づく1波長温度算出処理を終了する。
このように、1波長温度を第1の換算温度及び第2の換算温度のいずれにするかを先に選択し、選択した換算温度のみを算出することで、1波長温度算出処理における演算量をより低減させることが可能となる。
[第3の実施形態]
本実施形態では、情報設定部350が出力する換算温度を1波長温度及び2波長温度のいずれかから選択可能にした熱源探知装置3及び熱源探知方法について説明する。本実施形態に係る熱源探知システム1は、図1に示したように、撮像装置2と、熱源探知装置3と、表示装置4と、を備える。撮像装置2は、第1の実施形態で説明したように、2波長赤外線センサ200を含み、赤外波長域における第1の波長域のセンサ出力と、第2の波長域のセンサ出力とを出力する。また、熱源探知装置3は、第1の実施形態で説明したように、第1の補正部300と、第2の補正部305と、1波長温度算出部310と、2波長温度算出部330と、情報設定部350と、判定部360と、を備える。ただし、本実施形態に係る熱源探知装置3の情報設定部350は、図21に示したような構成とする。
図21は、第3の実施形態に係る熱源探知装置における情報設定部の構成を示す図である。
図21に示すように、本実施形態に係る情報設定部350は、距離情報設定部351と、熱源情報設定部352と、温度情報選択部354と、情報出力部353と、を含む。
距離情報設定部351は、1波長温度算出部310で算出した1波長温度と、2波長温度算出部330で算出した2波長温度とに基づいて、熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかを判定し、熱源までの距離を示す距離情報値を設定する。例えば、距離情報設定部351は、1波長温度と2波長温度との差の絶対値に基づいて、距離情報値を設定する。本実施形態では、差の絶対値が所定の閾値以下である場合、距離情報設定部351は、熱源までの距離を近距離と判定して距離情報値を「0」に設定する。また、差の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、距離情報設定部351は、熱源までの距離が遠距離であると判定して距離情報値を「1」に設定する。
熱源情報設定部352は、2波長温度算出部330で算出した2波長温度に基づいて、探知エリア内に所定の温度よりも高温の熱源が存在するか否かを判定し、判定結果を示す熱源情報値を設定する。例えば、2波長温度が所定の閾値よりも高い場合、熱源情報設定部352は、探索エリア内に高温の熱源が存在すると判定して熱源情報値を「1」に設定する。また、2波長温度が所定の閾値以下である場合、熱源情報設定部352は、探索エリア内に高温の熱源が存在しない判定して熱源情報値を「0」に設定する。
温度情報選択部354は、図示しない選択情報入力部から入力される選択コマンドに従い、1波長温度及び2波長温度のいずれの温度を、2波長赤外線センサ200のセンサ出力に基づく換算温度を表す情報として出力するかを選択する。
情報出力部353は、距離情報設定部351で設定した距離情報値と、熱源情報設定部352で設定した熱源情報値と、温度情報選択部354で選択した1波長温度又は2波長温度とを統合して判定部360に出力する。
本実施形態に係る熱源探知装置3は、熱源探知処理として、図8に示したステップS1〜S6の処理を行う。このうち、ステップS1〜S4、及びS6の処理は、それぞれ、第1の実施形態で説明した通りでよい。また、ステップS5の情報設定処理では、例えば、図11に示したステップS510の処理の代わりに、1波長温度及び2波長温度のいずれかの温度を選択する処理と、選択した温度、熱源情報値、及び距離情報値を統合して判定部360に出力する処理とを行う。温度を選択する処理は、温度情報選択部354が行う。温度情報選択部354は、入力された選択コマンドに従って、選択した1波長温度又は2波長温度を、2波長赤外線センサのセンサ出力と対応する温度として、情報出力部353に出力する。選択した温度、熱源情報値、及び距離情報値を統合して出力する処理は、情報出力部353が行う。
なお、本実施形態に係る情報設定部350が行う情報設定処理における各画素の熱源情報値を設定する処理と、各画素の距離情報値を設定する処理とは、第1の実施形態で説明したように、どちらの処理を先に行ってもよいし、当該2つの処理を並列に行ってもよい。更に、本実施形態に係る情報設定部350が行う情報設定処理では、各画素の熱源情報値を設定する処理と、各画素の距離情報値を設定する処理と、出力する換算温度を選択する処理との3つの処理を並列に行ってもよい。
[第4の実施形態]
本実施形態では、熱源探知装置3が行う情報設定処理の別の例を説明する。本実施形態に係る熱源探知システム1は、図1に示したように、撮像装置2と、熱源探知装置3と、表示装置4と、を備える。撮像装置2は、第1の実施形態で説明したように、2波長赤外線センサ200を含み、赤外波長域における第1の波長域のセンサ出力と、第2の波長域のセンサ出力とを出力する。また、熱源探知装置3は、第1の実施形態で説明したように、第1の補正部300と、第2の補正部305と、1波長温度算出部310と、2波長温度算出部330と、情報設定部350と、判定部360と、を備える。本実施形態に係る熱源探知装置3における情報設定部350は、例えば、第1の実施形態で説明したように、距離情報設定部351と、熱源情報設定部352と、情報出力部353とを含む(図7を参照)。本実施形態に係る情報設定部350に含まれる距離情報設定部351は、1波長温度と2波長温度との比に基づいて、熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかを表す距離情報値を設定する。
本実施形態に係る熱源探知装置3は、熱源探知処理として、図8に示したステップS1〜S6の処理を行う。このうち、ステップS1〜S4、及びS6の処理は、それぞれ、第1の実施形態で説明した通りでよい。これに対し、本実施形態に係る熱源探知装置3では、ステップS5の処理(情報設定処理)として、例えば、図22に示した処理を行う。
図22は、第4の実施形態に係る情報設定処理の内容を説明するフローチャートである。なお、図22のフローチャートにおいて、第1の実施形態で説明した処理(図11を参照)と同じ処理には、図11に付したステップ番号と同じステップ番号(例えばS501,S502等)を付している。
図22の情報設定処理(ステップS5)は、情報設定部350が行う。情報設定部350は、まず、処理対象とする画素を選択する(ステップS501)。ステップS501は、距離情報設定部351と、熱源情報設定部352とが行う。ステップS501では、例えば、距離情報設定部351が処理対象とする画素を選択し、選択した画素を熱源情報設定部352に通知することで、両者で共通の画素を選択する。なお、ステップS501で選択する画素は、2波長赤外線センサ200における1個の受光素子である。
次に、情報選択部250は、選択した画素の2波長温度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502は、熱源情報設定部352が行う。2波長温度が閾値以上である場合(ステップS502;Yes)、熱源情報設定部352は、選択された画素についての熱源情報値を、高温の熱源を探知したことを表す値(例えば「1」)に設定する(ステップS503)。一方、2波長温度が閾値よりも小さい場合(ステップS502;No)、熱源情報設定部352は、選択された画素についての熱源情報値を、高温の熱源が探知されなかったことを表す値(例えば「0」)に設定する(ステップS504)。
ステップS503又はS504の後、情報設定部350は、選択した画素の1波長温度と2波長温度との比を算出し(ステップS511)、算出した比が(1±閾値)の範囲内であるか否かを判定する(ステップS512)。ステップS511及びS512の処理は、距離情報設定部351が行う。算出した比が(1±閾値)の範囲内である場合(ステップS512;Yes)、距離情報設定部351は、選択された画素についての距離情報値を、熱源までの距離が近距離であることを表す値(例えば「0」)に設定する(ステップS508)。一方、算出した比が(1±閾値)の範囲外である場合(ステップS512;No)、距離情報設定部351は、選択された画素についての距離情報値を、熱源までの距離が遠距離であることを表す値(例えば「1」)に設定する(ステップS507)。なお、ステップS511で算出した比が1+閾値、又は1−閾値である場合に算出した比が(1±閾値)の範囲内であるとするか、範囲外であるとするかは、任意であり、予めどちらにするか定めておけばよい。
ステップS507又はステップS508の後、情報設定部350は、未処理の画素があるか否かを判定する(ステップS509)。未処理の画素がある場合(ステップS509;Yes)、情報設定部350は、ステップS501〜S509の処理を繰り返す。未処理の画素がない場合、すなわち全ての画素に対する処理を行った場合(ステップS509;No)、情報設定部は、熱源情報値、距離情報値、及び2波長温度を統合して判定部360に出力する(ステップS510)。ステップS510の処理は、情報出力部353が行う。ステップS510の処理を終えると、情報設定部350は、1組の1波長温度と2波長温度とを用いた情報抽出処理を終了する。
本実施形態に係る情報設定処理では、上記のように、1波長温度と2波長温度との比に基づいて、熱源までの距離が近距離であるか遠距離であるかを判定する。図16の(a)に示したように、熱源までの距離が近距離である場合、熱源が結像した画素における1波長温度(換算温度の平均値)と、2波長温度(出力比の換算温度)とは略同一の値となる。そのため、熱源までの距離が近距離である場合の1波長温度と2波長温度との比は、1に近い値となる。これに対し、熱源までの距離が遠距離である場合、図16の(b)に示したように、熱源が結像した画素における1波長温度と、2波長温度との差が大きくなる。そのため、1波長温度と2波長温度との比を算出すると、熱源までの距離が遠距離である場合の比と1との差は、熱源までの距離が近距離である場合の比と1との差よりも大きくなる。よって、1波長温度と2波長温度との比が(1±閾値)の範囲内であるか否か(言い換えると1波長温度と2波長温度との比が1を含む所定の範囲内であるか否か)に基づいて、熱源が遠距離にあるか近距離にあるかを判定する(推定する)ことが可能となる。
なお、図22のフローチャートは、本実施形態に係る情報設定部350が行う処理の一例に過ぎない。本実施形態に係る情報設定部350は、ステップS510,S511.S507,及びS508の処理の後、ステップS502〜S504の処理を行ってもよい。更に、情報設定部350は、ステップS502〜S504の処理と、ステップS510,S511.S507,及びS508の処理とを並列に行ってもよい。ステップS502〜S504の処理と、ステップS510,S511.S507,及びS508の処理とを並列に行う場合、ステップS502〜S504の処理での画素の選択順序と、ステップS505〜S508の処理での画素の選択順序とが異なっていてもよい。
また、本実施形態に係る情報設定部350は、第3の実施形態で説明した温度情報選択部354を含むものであってもよい。
更に、本実施形態に係る熱源探知装置3における1波長温度算出部310は、第2の実施形態で説明したように第1の換算温度又は第2の換算温度を1波長温度とするものであってもよい。また、本実施形態に係る熱源探知装置3における1波長温度算出部310は、第1の換算温度、第2の換算温度、及び第1の換算温度と第2の換算温度との平均値のいずれかを1波長温度とするものであってもよい。
上記の各実施形態に係る熱源探知装置3は、例えば、コンピュータと、当該コンピュータに実行させるプログラムとを用いて実現することが可能である。以下、図23を参照して、コンピュータとプログラムとを用いて実現される熱源探知装置3について説明する。
図23は、コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
図23に示すように、コンピュータ9は、プロセッサ901と、主記憶装置902と、補助記憶装置903と、入力装置904と、出力装置905と、入出力インタフェース906と、通信制御装置907と、媒体駆動装置908と、を備える。コンピュータ9におけるこれらの要素901〜908は、バス910により相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しが可能になっている。
プロセッサ901は、Central Processing Unit(CPU)やMicro Processing Unit(MPU)等である。プロセッサ901は、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムを実行することにより、コンピュータ9の全体の動作を制御する。また、プロセッサ901は、例えば、図8〜図11に示した熱源探知処理等を行う。
主記憶装置902は、図示しないRead Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)を含む。主記憶装置902のROMには、例えば、コンピュータ9の起動時にプロセッサ901が読み出す所定の基本制御プログラム等が予め記録されている。また、主記憶装置902のRAMは、プロセッサ901が、各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用する。主記憶装置902のRAMは、例えば、撮像装置2から取得した第1のセンサ出力及び第2のセンサ出力、センサ出力を補正する際に参照する補正係数、センサ出力を温度に換算する際に参照する換算情報の記憶に利用可能である。また、主記憶装置902のRAMは、補正されたセンサ出力、1波長温度及び2波長温度(換算温度)、情報設定部で設定した距離情報値や熱源情報値等の記憶に利用可能である。
補助記憶装置903は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ(Solid State Drive(SSD)を含む)やHard Disk Drive(HDD)である。補助記憶装置903は、プロセッサ901によって実行される各種のプログラムや各種のデータ等の記憶に利用可能である。補助記憶装置903は、例えば、各実施形態で説明した熱源探知処理を含むプログラム等の記憶に利用可能である。また、補助記憶装置903は、例えば、センサ出力、補正係数、換算情報、換算温度、熱源についての判定結果(探知結果)等の記憶に利用可能である。
入力装置904は、例えば、キーボード装置やタッチパネル装置等である。コンピュータ9のオペレータ(利用者)が入力装置904に対して所定の操作を行うと、入力装置904は、その操作内容に対応付けられている入力情報をプロセッサ901に送信する。入力装置904は、例えば、第2の実施形態及び第3の実施形態で説明した選択コマンドの入力(指定)に利用可能である。
出力装置905は、例えば、液晶表示装置等のディスプレイ装置を含む。出力装置905は、例えば、コンピュータ9の動作状態や、熱源探知処理の結果等の表示に利用可能である。すなわち、出力装置905は、図1の表示装置4として利用可能である。また、出力装置905は、例えば、スピーカやブザー等の音声出力装置を含んでもよい。音声出力装置は、例えば、高温の熱源を探知したことを音声で報知するのに利用可能である。
入出力インタフェース906は、コンピュータ9と、他の電子機器とを接続する。入出力インタフェース906は、例えば、Universal Serial Bus(USB)規格のコネクタ等を備える。入出力インタフェース906は、例えば、コンピュータ9と撮像装置2との接続に利用可能である。
通信制御装置907は、コンピュータ9を通信ネットワークに接続し、通信ネットワークを介したコンピュータ9と他の電子機器との各種通信を制御する装置である。通信制御装置907は、例えば、コンピュータ9と撮像装置2との通信、或いはコンピュータ9と、撮像装置2が出力したセンサ出力を蓄積するサーバ等との通信に利用可能である。また、通信制御装置907は、例えば、コンピュータ9と、コンピュータ9による熱源の探知結果を収集して管理するサーバ等との通信に利用可能である。
媒体駆動装置908は、可搬型記憶媒体10に記録されているプログラムやデータの読み出し、補助記憶装置903に記憶されたデータ等の可搬型記憶媒体10への書き込みを行う。媒体駆動装置908には、例えば、1種類又は複数種類の規格に対応したメモリカード用リーダ/ライタが利用可能である。媒体駆動装置908としてメモリカード用リーダ/ライタを用いる場合、可搬型記憶媒体10としては、メモリカード用リーダ/ライタが対応している規格、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)等を利用可能である。また、可搬型記録媒体10としては、例えば、USB規格のコネクタを備えたフラッシュメモリが利用可能である。更に、コンピュータ9が媒体駆動装置908として利用可能な光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識可能な各種の光ディスクを可搬型記録媒体10として利用可能である。可搬型記録媒体10として利用可能な光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標)等がある。可搬型記録媒体10は、上記の熱源探知処理を含むプログラム、補正係数、換算情報、熱源の探知結果等の記憶に利用可能である。
図8の熱源探知処理を開始する命令をコンピュータ9に入力すると、プロセッサ901が、補助記憶装置903等の非一時的な記録媒体に記憶させた熱源探知処理を含むプログラムを読み出して実行する。この際、プロセッサ901は、補正出力算出部302,307、1波長温度算出部310(換算情報記憶部を除く)、2波長温度算出部330(換算情報記憶部を除く)、情報設定部350、及び判定部360として機能する(動作する)。また、主記憶装置902のRAMや補助記憶装置903等は、補正係数記憶部301,306や換算情報記憶部312,315、1波長温度、2波長温度、距離情報値、熱源情報値等を記憶する図示していないバッファ等として機能する。
なお、熱源探知装置3として動作させるコンピュータ9は、図23に示した全ての要素901〜908を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の要素を省略することも可能である。例えば、コンピュータ9は、媒体駆動装置908が省略されたものであってもよい。
以上記載した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが出力した第1の出力を温度に換算した第1の温度、前記第1の赤外波長域とは異なる第2の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて前記赤外線センサが前記第1の出力とともに出力した第2の出力を温度に換算した第2の温度、及び前記第1の温度と前記第2の温度との平均値のいずれかを1波長温度として算出する第1の温度算出部と、
前記第1の出力と前記第2の出力との比を温度に換算した2波長温度を算出する第2の温度算出部と、
前記2波長温度に基づいて熱源の温度を判定するとともに、前記1波長温度と前記2波長温度との比較結果に基づいて前記赤外線センサから前記熱源までの距離を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする熱源探知装置。
(付記2)
前記判定部は、前記2波長温度と所定の温度閾値との大小関係に基づいて、前記熱源が所定の温度よりも高温であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の熱源探知装置。
(付記3)
前記判定部は、前記1波長温度と前記2波長温度との差の絶対値が所定の閾値以上である場合の前記熱源までの距離を、前記差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さい場合の前記熱源までの距離よりも長いと判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の熱源探知装置。
(付記4)
前記判定部は、前記1波長温度と前記2波長温度との比が1を含む所定の範囲内である場合の前記熱源までの距離を、前記比が前記所定の範囲外である場合の前記熱源までの距離よりも短いと判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の熱源探知装置。
(付記5)
前記第1の温度算出部は、前記1波長温度を前記第1の温度及び前記第2の温度のいずれにするかを選択する選択部と、選択した前記第1の温度又は前記第2の温度のみを算出する換算温度算出部と、
を含むことを特徴とする付記1に記載の熱源探知装置。
(付記6)
前記赤外線センサの感度に基づいて前記第1の出力及び第2の出力を補正する補正部を、更に備える、
ことを特徴とする付記1に記載の熱源探知装置。
(付記7)
コンピュータが、
第1の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが出力した第1の出力を温度に換算した第1の温度、前記第1の赤外波長域とは異なる第2の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて前記赤外線センサが前記第1の出力とともに出力した第2の出力を温度に換算した第2の温度、及び前記第1の温度と前記第2の温度との平均値のいずれかを1波長温度として算出するとともに、前記第1の出力と前記第2の出力との比を温度に換算した2波長温度を算出し、
前記2波長温度に基づいて熱源の温度を判定するとともに、前記1波長温度と前記2波長温度との比較結果に基づいて前記赤外線センサから前記熱源までの距離を判定する、
ことを特徴とする熱源探知方法。
(付記8)
第1の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが出力した第1の出力を温度に換算した第1の温度、前記第1の赤外波長域とは異なる第2の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて前記赤外線センサが前記第1の出力とともに出力した第2の出力を温度に換算した第2の温度、及び前記第1の温度と前記第2の温度との平均値のいずれかを1波長温度として算出するとともに、前記第1の出力と前記第2の出力との比を温度に換算した2波長温度を算出し、
前記2波長温度に基づいて熱源の温度を判定するとともに、前記1波長温度と前記2波長温度との比較結果に基づいて前記赤外線センサから前記熱源までの距離を判定する、
処理をコンピュータに実行させる熱源探知プログラム。
1 熱源探知システム
2 撮像装置
3 熱源探知装置
4 表示装置
5,5A,5B 赤外線
6,6A,6B 熱源
9 コンピュータ
10 可搬型記録媒体
200 2波長赤外線センサ(2波長赤外線イメージセンサ)
210 冷却器
220 温度制御部
230 センサ駆動部
240 光学系
250 光学系制御部
300 第1の補正部
305 第2の補正部
310 1波長温度算出部
311 第1の換算部
314 第2の換算部
317 平均値算出部
318,319 1波長温度選択部
330 2波長温度算出部
331 出力比算出部
332 換算温度算出部
350 情報設定部
351 距離情報設定部
352 熱源情報設定部
360 判定部

Claims (7)

  1. 第1の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが出力した第1の出力を温度に換算した第1の温度、前記第1の赤外波長域とは異なる第2の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて前記赤外線センサが前記第1の出力とともに出力した第2の出力を温度に換算した第2の温度、及び前記第1の温度と前記第2の温度との平均値のいずれかを1波長温度として算出する第1の温度算出部と、
    前記第1の出力と前記第2の出力との比を温度に換算した2波長温度を算出する第2の温度算出部と、
    前記2波長温度に基づいて熱源の温度を判定するとともに、前記1波長温度と前記2波長温度との比較結果に基づいて前記赤外線センサから前記熱源までの距離を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする熱源探知装置。
  2. 前記判定部は、前記2波長温度と所定の温度閾値との大小関係に基づいて、前記熱源が所定の温度よりも高温であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱源探知装置。
  3. 前記判定部は、前記1波長温度と前記2波長温度との差の絶対値が所定の閾値以上である場合の前記熱源までの距離を、前記差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さい場合の前記熱源までの距離よりも長いと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱源探知装置。
  4. 前記判定部は、前記1波長温度と前記2波長温度との比が1を含む所定の範囲内である場合の前記熱源までの距離を、前記比が前記所定の範囲外である場合の前記熱源までの距離よりも短いと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱源探知装置。
  5. 前記第1の温度算出部は、前記1波長温度を前記第1の温度及び前記第2の温度のいずれにするかを選択する選択部と、選択した前記第1の温度又は前記第2の温度のみを算出する換算温度算出部と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱源探知装置。
  6. コンピュータが、
    第1の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが出力した第1の出力を温度に換算した第1の温度、前記第1の赤外波長域とは異なる第2の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて前記赤外線センサが前記第1の出力とともに出力した第2の出力を温度に換算した第2の温度、及び前記第1の温度と前記第2の温度との平均値のいずれかを1波長温度として算出するとともに、前記第1の出力と前記第2の出力との比を温度に換算した2波長温度を算出し、
    前記2波長温度に基づいて熱源の温度を判定するとともに、前記1波長温度と前記2波長温度との比較結果に基づいて前記赤外線センサから前記熱源までの距離を判定する、
    ことを特徴とする熱源探知方法。
  7. 第1の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて赤外線センサが出力した第1の出力を温度に換算した第1の温度、前記第1の赤外波長域とは異なる第2の赤外波長域の赤外線の入射量に応じて前記赤外線センサが前記第1の出力とともに出力した第2の出力を温度に換算した第2の温度、及び前記第1の温度と前記第2の温度との平均値のいずれかを1波長温度として算出するとともに、前記第1の出力と前記第2の出力との比を温度に換算した2波長温度を算出し、
    前記2波長温度に基づいて熱源の温度を判定するとともに、前記1波長温度と前記2波長温度との比較結果に基づいて前記赤外線センサから前記熱源までの距離を判定する、
    処理をコンピュータに実行させる熱源探知プログラム。
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