[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域7には、遊技釘のうち一部の遊技釘が示されている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口13(ヘソとも称する)が設けられている。第1始動入賞口13は、演出表示装置9の下方に配置されている。第1始動入賞口13には、進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、内部に第1始動入賞口Aスイッチ13aが設けられている。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、ゲート32、可変入賞球装置160、第1作動装置130、および、第2作動装置140が設けられている。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが、可変入賞球装置160の内部には第1作動口スイッチ171aおよび第2作動口スイッチ172aが、第1作動装置130の内部には第1始動口Bスイッチ130aが、第2作動装置140の内部には第2始動口スイッチ140aが、それぞれ設けられている。以下では、第1始動入賞口13または第1作動装置130内に遊技球が入賞(進入)することを第1始動入賞、第2作動装置140内に遊技球が入賞(進入)することを第2始動入賞とも称する。
第1始動入賞口13は、変動表示手段(可変表示手段)としての第1特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄10が変動表示する。普通図柄については後述する。
可変入賞球装置160は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開放状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉鎖状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイド16により駆動される。可変入賞球装置160は、普通図柄の表示結果が当り(以下、普図当りと称する)になると一定期間(たとえば、1秒間の開放)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、可変入賞球装置160が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよく、閉鎖状態では、開放状態と比べ、遊技球が進入し難くなっていればよい。以下では、電動式のチューリップ状の可変入賞球装置160のことを電チューとも称する。
可変入賞球装置160の内部には、進入した遊技球が流下する経路が設けられている。当該経路は、遊技盤6の後方(遊技領域7に突出せず、奥側の位置)に設けられているが、説明のため実線で描かれている。また、当該経路は、途中で左側経路と右側経路とに分岐している。正面から向かって左側の経路を第1作動口(第1作動領域)171と称し、向かって右側の経路を第2作動口(第2作動領域)172と称する。なお、可変入賞球装置160に進入した遊技球が流下する様子が確認できるように、遊技盤6の一部または全部は透明の部材で形成されることが望ましい(特に、可変入賞球装置160の周囲は、透明になっている方が好ましい)。
可変入賞球装置160の内部には、経路の途中に設けられた遊技球を振分ける振分け装置(振分け部材)170が設けられている。振分け装置170は、ソレノイド17により駆動される。また、第1作動口171の下方には、第1作動口171に進入した遊技球を検出するための第1作動口スイッチ171aが設けられている。また、第2作動口172の下方には、第2作動口172に進入した遊技球を検出するための第2作動口スイッチ172aが設けられている。
可変入賞球装置160の内部に進入した遊技球は、経路の途中に設けられた遊技球を振分ける振分け装置(振分け部材)170により振分けられて、第1作動口171または第2作動口172のうちのいずれか一方に進入する。可変入賞球装置160の内部に進入した遊技球のうち振分け装置170によって第1作動口171に振分けられた遊技球は、第1作動口171の下方に設けられた第1作動口スイッチ171aにより検出される。また、可変入賞球装置160の内部に進入した遊技球のうち振分け装置170によって第2作動口172に振分けられた遊技球は、第2作動口172の下方に設けられた第2作動口スイッチ172aにより検出される。各作動口スイッチで遊技球が検出されることにより、所定個数の遊技球が払出される。また、各作動口スイッチを通過した遊技球は、遊技盤6の後方(遊技領域7の後方)へ流下し、遊技盤の前方へ流下することはない。
可変入賞球装置160の下方の位置には、第1作動装置130および第2作動装置140が設けられている。第1作動装置130および第2作動装置140のそれぞれは、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開放状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉鎖状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物である。第1作動装置130および第2作動装置140のそれぞれは、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備える。第1作動装置130および第2作動装置140のそれぞれにおいては、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、可変入賞球装置160の開成翼片のような電気式ではなく、開放条件の成立により開放する機械式の構造物である。以下では、第1作動装置130と第2作動装置140とをまとめて作動装置とも称する。なお、第2作動装置140は、第1作動装置130よりも上方に設けられているが、第1作動装置130と第2作動装置140の位置を逆にしてもよく、可変入賞球装置160が、各作動装置よりも下側の位置に設けられてもよい。
第1作動装置130は、第1作動口171内に遊技球が進入したことに基づいて機械的連動動作が行なわれることにより、開成翼片が閉鎖状態から開放状態に変化させられる。開成翼片が開放状態となった第1作動装置130は、所定個数(2個)の遊技球が進入したことに基づいて機械的連動動作が行なわれることにより、閉鎖状態に変化させられる。第2作動装置140は、第1作動口171内に遊技球が進入したことに基づいて機械的連動動作が行なわれることにより、開成翼片が閉鎖状態から開放状態に変化させられる。開成翼片が開放状態となった第2作動装置140は、所定個数(2個)の遊技球が進入したことに基づいて機械的連動動作が行なわれることにより、閉鎖状態に変化させられる。
第1作動口171内においては、遊技球の経路に一部が上下動(たとえば揺動)可能な態様で突出し、他部が第1作動装置130の開成翼片とリンク機構(図示省略)を介して連結される可動式の開放部材(図示省略)が設けられている。開放部材は、第1作動口171内において、流下する遊技球に接触可能な態様で突出した突出状態と、流下する遊技球が接触して自重により押下げられた押下げ状態とに変化可能な可動部材である。
第1作動装置130においては、一部が上下動(たとえば揺動)可能な態様で突出し、他部が第1作動装置130の開成翼片と所定の連結部材を介して連結された可動式の閉鎖部材(図示省略)が設けられている。閉鎖部材は、第1作動装置130内に進入した遊技球を乗せることが可能な態様で突出した突出状態と、所定個数(2個)の遊技球が乗ったときに遊技球の自重により押下げられた押下げ状態とに変化可能な可動部材である。第1作動装置130は、開成翼片が閉鎖状態のときに閉鎖部材が押下げ状態となり、開成翼片が開放状態のときに閉鎖部材が突出状態となるような連動態様で、開成翼片と閉鎖部材とが連動する。
第1作動口171内に遊技球が進入したことに応じて開放部材が押下げ状態となったことに連動して、第1作動装置130の開成翼片が閉鎖状態から開放状態に動作すると、その動作に連動して閉鎖部材が突出状態となる動作をする。これにより、第1作動装置130においては、開成翼片が開放状態となったときに、閉鎖部材が遊技球を乗せることが可能な状態となる。第1作動装置130において、開成翼片が開放状態となっている状態で、遊技球が2個進入すると、閉鎖部材が押下げ状態となり、その閉鎖部材に連動して開成翼片が閉鎖状態に動作する。開成翼片が閉鎖状態に動作すると、その動作に連動して、第1作動口171において、閉鎖部材が突出状態となる動作をする。
このように、第1作動装置130は、第1作動口171内に遊技球が進入したことに応じて開放条件が成立し、開成翼片が機械的動作により開放状態とされる。第1作動装置130は、開放状態において、第1作動装置130内に遊技球が2個進入したことに応じて閉鎖条件が成立し、開成翼片が機械的動作により閉鎖状態とされる。
また、第2作動口172内においては、遊技球の経路に一部が上下動(たとえば揺動)可能な態様で突出し、他部が第2作動装置140の開成翼片とリンク機構(図示省略)を介して連結される可動式の開放部材(図示省略)が設けられている。開放部材は、第2作動口172内において、流下する遊技球に接触可能な態様で突出した突出状態と、流下する遊技球が接触して自重により押下げられた押下げ状態とに変化可能な可動部材である。
第2作動装置140においては、一部が上下動(たとえば揺動)可能な態様で突出し、他部が第2作動装置140の開成翼片と所定の連結部材を介して連結された可動式の閉鎖部材(図示省略)が設けられている。閉鎖部材は、第2作動装置140内に進入した遊技球を乗せることが可能な態様で突出した突出状態と、所定個数(2個)の遊技球が乗ったときに遊技球の自重により押下げられた押下げ状態とに変化可能な可動部材である。第2作動装置140は、開成翼片が閉鎖状態のときに閉鎖部材が押下げ状態となり、開成翼片が開放状態のときに閉鎖部材が突出状態となるような連動態様で、開成翼片と閉鎖部材とが連動する。
第2作動口172内に遊技球が進入したことに応じて開放部材が押下げ状態となったことに連動して、第2作動装置140の開成翼片が閉鎖状態から開放状態に動作すると、その動作に連動して閉鎖部材が突出状態となる動作をする。これにより、第2作動装置140においては、開成翼片が開放状態となったときに、閉鎖部材が遊技球を乗せることが可能な状態となる。第2作動装置140において、開成翼片が開放状態となっている状態で、遊技球が2個進入すると、閉鎖部材が押下げ状態となり、その閉鎖部材に連動して開成翼片が閉鎖状態に動作する。開成翼片が閉鎖状態に動作すると、その動作に連動して、第2作動口172において、閉鎖部材が突出状態となる動作をする。
このように、第2作動装置140は、第2作動口172内に遊技球が進入したことに応じて開放条件が成立し、開成翼片が機械的動作により開放状態とされる。第2作動装置140は、開放状態において、第2作動装置140内に遊技球が2個進入したことに応じて閉鎖条件が成立し、開成翼片が機械的動作により閉鎖状態とされる。
このように、第1作動装置130の開成翼片および第2作動装置140の開成翼片は、遊技球が2個進入するまでは閉鎖されないようになっているため、遊技球が進入していない場合や遊技球が1個のみ進入している場合には開放状態が継続する。また、第1作動装置130および第2作動装置140には、開放と閉鎖とのタイミングにより2個以上の遊技球が進入する場合も想定される。ここで、第1作動装置130と第2作動装置140とは、機械式に開成翼片が開閉するため、非電動式の役物(非電動役物)とも称する。
また、第1作動装置130の開成翼片の開放状態を検出するための第1作動検出スイッチ161が遊技盤6における第1作動装置130の開成翼片が開放状態となったときの位置(正面から見て左側の開成翼片の開放位置)に設けられている。また、第2作動装置140の開成翼片の開放状態を検出するための第2作動検出スイッチ162が遊技盤6における第2作動装置140の開成翼片が開放状態となったときの位置(正面から見て左側の開成翼片の開放位置)に設けられている。第1作動検出スイッチ161および第2作動検出スイッチ162は、たとえば、前方の物体を赤外線により光学的に検出する光学式センサよりなる。第1作動検出スイッチ161および第2作動検出スイッチ162は、前方に向けて発光部から赤外線を発光し、反射した赤外線を受光部で検出し、その検出信号に基づいて、前方における物体が検出可能である。第1作動検出スイッチ161および第2作動検出スイッチ162は、開成翼片が閉鎖状態であるときに開成翼片を前方で検出せず、開成翼片が開放状態となっているときに開成翼片を前方で検出可能な位置に設けられ、開成翼片が閉鎖状態であるときに、オン状態となる。
なお、第1作動検出スイッチ161および第2作動検出スイッチ162は、開成翼片が閉鎖状態となったときに開成翼片を検出可能な位置に設けられ、開成翼片が開放状態となったときに非検出状態となることに基づいて、逆に開放状態を検出可能となるように設けてもよい。また、第1作動検出スイッチ161および第2作動検出スイッチ162は、遊技盤6側ではなく各作動装置の開成翼片側に設けてもよい。また、遊技盤6側および開成翼片側の両方に検出スイッチを設けてもよい。また、検出スイッチは、1つの作動装置に対し、2個以上設けられるようにしてもよい。また、各作動装置のうちのいずれか一方のみに検出スイッチが設けられるようにしてもよい。また、各作動検出スイッチに用いられる検出手段は、開成翼片の開放状態を検出可能なセンサであれば、光学式のセンサに限らず、磁気センサ、超音波センサ等どのようなものでもよい。
また、第1作動装置130には、第1作動装置130が開放されやすい状態(後述する高ベース1状態)となっていることを示す第1作動報知LED151が設けられている。また、第2作動装置140には、第2作動装置140が開放されやすい状態(後述する高ベース2状態)となっていることを示す第2作動報知LED152が設けられている。第1作動報知LED151または第2作動報知LED152は、通常状態(低確低ベース状態)では消灯しており所定条件の成立により点灯状態となる。
ここで、図1に示すように、遊技領域7の右側領域においては、上から順に、可変入賞球装置160、第2作動装置140、第1作動装置130が配置されている。よって、遊技球の流下経路の関係上、可変入賞球装置160、第2作動装置140および第1作動装置130の開放状態においては、上から順に遊技球が入賞しやすくなっている。また、以下では、第1始動入賞口13、第1作動装置130内の第1始動入賞口、第2作動装置140内の第2始動入賞口を総称して始動入賞口または始動口ということがある。
本実施の形態において、左遊技領域では、設けられた構造物のうち第1始動入賞口13に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口13に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、設けられた構造物のうち可変入賞球装置160(第1作動口171、第2作動口172)、および、ゲート32に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口、第1作動装置130(第1作動装置内の第1始動入賞口)、および第2作動装置140(第2作動装置内の第2始動入賞口)に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が第1始動入賞口13に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球が右側に設けられた各種の構造物に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右下側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示(可変表示とも呼ばれる)等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、特別可変入賞球装置20は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
特別可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21によって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。特別可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。特別可変入賞球装置20へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。
第1始動入賞口13、第1作動口171、第2作動口172、第1作動装置130の入賞口、および、第2作動装置140の入賞口のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、第1作動口171、第2作動口172、第1作動装置130の入賞口、および、第2作動装置140の入賞口のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
大当りは、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13または第1作動装置130内の第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表示される。また、第2作動装置140内の第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。
大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンドや4ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
本実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態とは別の小当り遊技状態に制御されるときがある。ここで小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では1秒間の開放を1回等)まで許容される当りである(開放期間が大当りと比較して短い当りでもある)。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、本実施の形態の小当りは、遊技球の払出しがある1種小当りである。1種小当りに対し、後述する第2実施形態に示すような特定領域(V入賞領域)を狙う小当りのことを2種小当りとも称する。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13、第1作動装置130内の第1始動入賞口、または、第2作動装置140内の第2始動入賞口を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技および小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、遊技球が通過するとは、作動口(遊技球が通過することで別の部材が開放するための領域)として定められている領域を遊技球が通過することも含まれる。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口13、第1作動装置130内の第1始動入賞口、または、第2作動装置140内の第2始動入賞口に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口13または第1作動装置130内の第1始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。また、第2特別図柄については、第2作動装置140内の第2始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2作動装置140内の第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13または第1作動装置130内の第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の左下側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置160が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図4参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図4参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図4参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図4参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図4参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される特別可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態中は、開口した特別可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態の終了後は、後述する高ベース1状態または高ベース2状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。ここで、ベースとは、可変入賞球装置160へ遊技球が進入し、第1作動口171または第2作動口172のいずれかに遊技球が通過することに応じて払出される遊技球、および、第1作動装置130内の第1始動入賞口または第2作動装置140内の第2始動入賞口に遊技球が進入して賞球として払出される遊技球数の割合のことである。そして、高ベースとは、このようなベースが高い状態となっていることである。また、高ベース1状態とは、第1作動装置130内の第1始動入賞口に遊技球が進入しやすい状態であり、高ベース2状態とは、第2作動装置140内の第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい状態である。
大当り遊技終了後、高ベース1状態または高ベース2状態となっていれば高ベース1状態または高ベース2状態が開始されることを報知する高ベース報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、高ベース1状態または高ベース2状態の開始時には、右打ち報知も行なわれる。高ベース1状態または高ベース2状態の終了後は、演出表示装置9の画面上で所定の右打ち終了条件の成立に基づいて遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち報知が行なわれる。そして、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。
このように、通常状態(低確低ベース状態)では、右打ちよりも左打ちの方が始動入賞が発生しやすく、高ベース1および高ベース2では、左打ちよりも右打ちの方が始動入賞が発生しやすくなるような遊技性とする。このような遊技性とすることで、遊技状態に応じて左打ちと右打ちとを打分けることによる遊技の興趣が向上する。
ここで、可変入賞球装置160における開成翼片および振分け装置170の制御について以下に説明する。詳細な制御の方法については、たとえば、特許文献1に示した図4に記載がある。ここでは、開成翼片および振分け装置170の制御について簡潔に説明する。可変入賞球装置160の開成翼片は、遊技状態や普通図柄当りの種類に応じた開放態様(開放パターン)で開放状態と閉鎖状態とになり得る動作を行なう。その一方で振分け装置170の動作態様は、遊技状態に関わらず可変入賞球装置160の開放態様(開放の種類)に応じた動作態様(動作パターン)により第1作動口171に遊技球が進入する第1位置と第2作動口172に遊技球が進入する第2位置とになり得る動作を行なう。また、普図当りが発生した際には、可変入賞球装置160の開成翼片の複数種類の開放パターンと振分け装置170の動作パターンとは、同じ時間を上限として制御される。
たとえば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)の場合には、普図当りが発生したとしても可変入賞球装置160の開成翼片が遊技球が進入することがほぼ不可能な短い時間のみ開放されるため遊技球が可変入賞球装置160内の作動口を通過する可能性が低い。それに対し高ベース状態では、普図当りが発生したときに、可変入賞球装置160の開成翼片が遊技球が進入可能となる時間開放される。また、仮に通常状態(低確低ベース)のときに、可変入賞球装置160に遊技球が入賞しても第1作動口171に振分けられるように制御される。
遊技状態が高ベース1状態であるときに普図当りが発生した際には、可変入賞球装置160の開成翼片が開放状態となっている場合の開成翼片の開放パターンと、振分け装置170が第1作動口171へ遊技球が進入する位置での振分け装置170の動作パターンとが一致するように制御される。よって、高ベース1状態では、高ベース2状態よりも第1作動口171に遊技球を進入しやすくすることができる。また、遊技状態が高ベース2状態であるときに普図当りが発生した際には、可変入賞球装置160の開成翼片が開放状態となっている場合の開放パターンと、振分け装置170が第2作動口172へ遊技球が進入する位置での動作パターンとが一致するように制御される。よって、高ベース2状態では、高ベース1状態よりも第2作動口172に遊技球を進入しやすくすることができる。
本実施の形態では、高ベース1中では、第1作動装置130が第2作動装置140よりも作動しやすいように制御される。また、高ベース2中では、第2作動装置140が第1作動装置130よりも作動しやすいように制御される。また、高ベース1では第1作動装置130が作動する割合が第2作動装置140が作動され割合よりも高いことが第1作動報知LED151を点灯することにより報知される。また、高ベース2では第2作動装置140が作動する割合が第1作動装置130が作動され割合よりも高いことが第2作動報知LED152を点灯することにより報知される。また、いずれの作動装置が開放する割合が高いのかを作動報知LEDで報知するとともに、開放している作動装置に対応して異なる態様(高速点滅、低速点滅、点灯等や異なる色等)で報知するようにしてもよい。
このように、可変入賞球装置160の開放パターンが複数設けられたことにより、遊技球を第1作動口171または第2作動口172のいずれか一方に通過させる処理を実行することが可能となる。このように、遊技球が第1作動口171または第2作動口172のいずれか一方を通過するようにしたので、第1作動装置130が開放されやすい状態(高ベース1状態)となっていることを示す第1作動報知LED151と第2作動装置140が開放されやすい状態(高ベース2状態)とになっていることを示す第2作動報知LED152とにより、可変入賞球装置160に進入した遊技球によって、いずれの作動装置が開放するのかを遊技者に示すことができる。
図2は、当り種別表を示す図である。図2(A)〜(C)は各遊技状態における大当りの種別表を示しており、図2(D)は、小当りの種別表を示している。図2(A)〜(C)の大当り種別表には、大当りにおける当りの種別ごとに、当り発生条件、当りの決定割合、当り後の制御状態(遊技状態)、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。また、図2(D)の小当り種別表には、小当りにおける当りの種別ごとに、当り発生条件、当りの発生確率、大入賞口への遊技球の通過期待度個数、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、当り種別として、高ベース2確変大当り、高ベース1確変大当り、高ベース2通常大当り、および、小当り(1種小当り)が設けられている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる4ラウンドまたは15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。
時短状態は、遊技者にとって有利な有利状態の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。また、時短状態では、可変入賞球装置160が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置160に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置160への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
高ベース状態では、可変入賞球装置160が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置160に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置160への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動表示時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置160の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置160の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置160が開状態となっている時間比率が高くなるので、可変入賞球装置160へ遊技球が進入しやすくなる。
このような電チューサポート制御により可変入賞球装置160への遊技球の進入頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。高ベース状態には、第1作動口171を遊技球が通過しやすいことにより第1作動装置130が作動し、第1始動入賞が発生しやすい高ベース1状態と、第2作動口172を遊技球が通過しやすいことにより第2作動装置140が作動し、第2始動入賞が発生しやすい高ベース2状態とが設けられている。また、このような電チューサポート制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース1状態(第1始動入賞が第2始動入賞よりも発生しやすい電チューサポート制御状態)」と、「高ベース2状態(第2始動入賞が第1始動入賞よりも発生しやすい電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「高確高ベース2状態」、「高確高ベース1状態」、「低確高ベース2状態」、および「低確低ベース状態」を用いる。「高確高ベース2状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース2状態であることを示す状態である。「高確高ベース1状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース1状態であることを示す状態である。「低確高ベース2状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース2状態であることを示す状態である。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態(通常状態)であることを示す状態である。
図2(A)に示すように、遊技状態が低ベースのときには、第1特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、25%の決定割合で高ベース2確変大当りに決定され、60%の決定割合で高ベース1確変大当りに決定され、15%の決定割合で高ベース2通常大当りに決定される。第1特別図柄の高ベース2確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース2状態が継続する。第1特別図柄の高ベース1確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース1確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース1状態が継続する。第1特別図柄の高ベース2通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2通常大当りが終了すると、特別図柄の変動表示回数が20回という終了条件が成立したときに低確高ベース2状態が終了する。ここで、高ベース2状態では、第2始動入賞が発生しやすくなっているため、第2特別図柄の変動表示が多く実行され、高ベース1状態では、第1始動入賞が発生しやすくなっているため、第1特別図柄の変動表示が多く実行される。
図2(B)に示すように、遊技状態が高ベース1のときには、第1特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、35%の決定割合で高ベース2確変大当りに決定され、50%の決定割合で高ベース1確変大当りに決定され、15%の決定割合で高ベース2通常大当りに決定される。第1特別図柄の高ベース2確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース2状態が継続する。第1特別図柄の高ベース1確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース1確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース1状態が継続する。第1特別図柄の高ベース2通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2通常大当りが終了すると、特別図柄の変動表示回数が20回という終了条件が成立したときに低確高ベース2状態が終了する。
また、図2(B)に示すように、遊技状態が高ベース1のときには、第2特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、85%の決定割合で高ベース2確変大当りに決定され、15%の決定割合で高ベース2通常大当りに決定される。第2特別図柄の高ベース2確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース2確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース2状態が継続する。第2特別図柄の高ベース2通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース2通常大当りが終了すると、特別図柄の変動表示回数が20回という終了条件が成立したときに低確高ベース2状態が終了する。
図2(C)に示すように、遊技状態が高ベース2のときには、第1特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、35%の決定割合で高ベース2確変大当りに決定され、50%の決定割合で高ベース1確変大当りに決定され、15%の決定割合で高ベース2通常大当りに決定される。第1特別図柄の高ベース2確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が15回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース2状態が継続する。第1特別図柄の高ベース1確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース1確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース1状態が継続する。第1特別図柄の高ベース2通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2通常大当りが終了すると、特別図柄の変動表示回数が20回という終了条件が成立したときに低確高ベース2状態が終了する。
また、図2(C)に示すように、遊技状態が高ベース2のときには、第2特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、85%の決定割合で高ベース2確変大当りに決定され、15%の決定割合で高ベース2通常大当りに決定される。第2特別図柄の高ベース2確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が15回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース2確変大当りが終了すると次回の大当りが発生するまで、高確高ベース2状態が継続する。第2特別図柄の高ベース2通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース2通常大当りが終了すると、特別図柄の変動表示回数が20回という終了条件が成立したときに低確高ベース2状態が終了する。
ここで、変動表示の表示結果を大当りとすることに決定された場合には、図2(A)〜(C)のような決定割合で大当りの種別を決定するための大当り種別決定テーブルが設けられている。大当り種別決定テーブルには、遊技状態に対応して第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルと第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルが設けられている。また、図2(A)に示すような、4ラウンドの高確率および高ベース2となる大当りのことを「4R高ベース2確変大当り」と示し、4ラウンドの高確率および高ベース1となる大当りのことを「4R高ベース1確変大当り」と示し、4ラウンドの低確率および高ベース2となる大当りのことを「4R(4R高ベース2)通常大当り」と示す。図2(B),(C)についても同様である。
また、図2(D)に示すように、小当りには、1種小当りAと1種小当りBとが設けられている。1種小当りBは、1種小当りAよりも遊技者にとって有利な小当りである。ここで、小当りは、第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって行なわれる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、所定の開放回数、および、所定の開放時間で特別可変入賞球装置20が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態は、小当り遊技状態の発生前と同じである。
図2(D)に示すように、第1特別図柄での小当り発生確率は、1/1000であり、第2特別図柄での小当り発生確率は、1/10である。このように、小当りは、第1特別図柄に比べ第2特別図柄での変動表示によって発生しやすい。また、第1特別図柄の小当りは、1種小当りAのみに決定される。1種小当りAとなったときには、特別可変入賞球装置20の開放回数が1回であり、1回のラウンドの開放時間が1秒である。1種小当りAとなったときには、大入賞口を狙い遊技球を発射することにより、約1個の遊技球が大入賞口を通過することが期待できるように、構造設定および制御設定がされている。また、第2特別図柄の小当りは、1種小当りAまたは1種小当りBに決定される。第2特別図柄での1種小当りAについては、第1特別図柄での1種小当りAと同様なので説明を省略する。第2特別図柄での1種小当りBとなったときには、特別可変入賞球装置20の開放回数が3回であり、1回のラウンドの開放時間が1秒である。1種小当りBとなったときには、大入賞口を狙い遊技球を発射することにより、約3個の遊技球が大入賞口を通過することが期待できる。
ここで、大当りは、高ベース1通常大当り<高ベース1確変大当り<高ベース2確変大当りの順で遊技者にとって有利となる。これは、大当り後の遊技状態が低確変よりも高確率の方が大当りが発生しやすいためである。また、高ベース2の方が高ベース1よりも第2特別図柄での変動が多く発生するためである。図2(C)に示すように、第1特別図柄(特図1)により大当りとなるときよりも第2特別図柄(特図2)により大当りとなるときの方が15ラウンド(R)大当りに決定されやすい。また、図2(B),(C)に示すように特図1により大当りとなるときよりも特図2により大当りとなるときの方が、遊技者に有利な高確高ベース2状態に決定されやすい。よって、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
また、図2(D)に示すように、特図1と特図2とで1種小当りに決定される割合が異なる。また、1種小当りの前後では、遊技状態が変化しない。また、図2(D)に示すように、特図1により1種小当りとなるときよりも特図2により1種小当りとなるときの方が大入賞口への通過期待個数が高い。また、図2(D)に示すように、1種小当りには、1種小当りAと1種小当りBという複数種類の1種小当りが設けられている。よって、遊技を多様化することができ、興趣が向上する。
なお、1種小当りAまたは1種小当りBの特別可変入賞球装置20の開放パターンと、特別図柄の変動表示が大当り図柄となったときに制御される大当りラウンド中の開放パターンとを同じにしてもよい。具体的には、大当り時のラウンドの開放態様として、ラウンド開始時の特別可変入賞球装置20の開放態様が小当りと同一であり、その後の開放態様が大当りの開放態様であるようにしてもよい。このようにすれば、小当りと思っていたにも関わらず実は大当りであったというような意外性ある遊技とすることができる。よって、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
図3は、入賞口(作動口)の種類と払出し賞球数との関係を示す図である。遊技球が進入する入賞口または作動口の種類により、払出される遊技球の個数(賞球数)が異なる。遊技球が入賞口(作動口)は、以下に示す種類がある。第1始動入賞口13に遊技球が入賞し、第1始動口Aスイッチに検出されることにより、3個の遊技球が払出される。第1始動入賞口13のことをヘソとも称する。また、可変入賞球装置160に進入した遊技球が、第1作動口171を通過し、第1作動口スイッチ171aに検出されることにより、3個の遊技球が払出される。また、可変入賞球装置160に進入した遊技球が、第2作動口172を通過し、第2作動口スイッチ172aに検出されることにより、3個の遊技球が払出される。可変入賞球装置160のことを電チューとも称する。
また、第1作動装置130内の第1始動入賞口に遊技球が入賞し、第1始動口Bスイッチ130aに検出されることにより、1個の遊技球が払出される。また、第2作動装置140内の第2始動入賞口に遊技球が入賞し、第2始動口スイッチ140aに検出されることにより、3個の遊技球が払出される。また、特別可変入賞球装置20の大入賞口に遊技球が入賞し、カウントスイッチ23に検出されることにより、15個の遊技球が払出される。
図3に示すように、第2作動装置140での払出し賞球数は3個であるのに対し、第1作動装置130での払出し賞球数は1個である。このように、第1作動装置130内の第1始動入賞口よりも第2作動装置140内の第2始動入賞口の方が払出し賞球数が多い。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かおよび小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口Aスイッチ13a、第1始動口Bスイッチ130a、第2始動口スイッチ140a、カウントスイッチ23、第1作動口スイッチ171a、第2作動口スイッチ172a、第1作動検出スイッチ161、および、第2作動検出スイッチ162のそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置160を開閉するソレノイド16、振分け装置170を動作させるソレノイド17、および、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21が遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、第1作動報知LED151の表示制御、第2作動報知LED152の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図5は、各乱数を示す説明図である。図5においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1:当りの種類(大当り種別、および、小当り種別)および当り図柄(大当り図柄、および、小当り図柄)を決定する(当り種別判定用、当り図柄決定用)。(3)ランダム2:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、大当りとして、高ベース2確変大当り(4Rまたは15R)、高ベース1確変大当り(4R)、高ベース2通常大当り(4R)という複数種類の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム1は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。このように、本実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図6は、当り判定テーブルを示す説明図である。図6(A)は、第1特別図柄の当り判定をするために設けられている第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。また、図6(B)は、第2特別図柄の当り判定をするために設けられている第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。当り判定テーブルには、表の上段に示す大当り判定テーブルと表の下段に示す小当り判定テーブルとが含まれている。また、第1特図当り判定テーブルおよび第2特図当り判定テーブルのそれぞれについては、通常状態である低確率時において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、確変状態である高確率時において用いられる高確率時大当り判定テーブルとが含まれている。
図6(A)の第1特図当り判定テーブルについて説明する。第1特図当り判定テーブルに含まれる低確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の低確率時の欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。また、第1特図当り判定テーブルに含まれる高確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の高確率時の欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。高確率時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、低確率時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値に、高確率時固有の大当り判定値が加えられたことにより、低確率時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態(高確率時)には、通常状態(低確率時)よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。また、図6(A)の小当り判定テーブルには、表に記載されている各数値が小当り判定値として設定されている。第1特別図柄では、小当りとなる確率が1/1000に設定されている。
図6(B)の第2特図当り判定テーブルについて説明する。第2特図当り判定テーブルに含まれる低確率時大当り判定テーブルには、図6(B)の低確率時の欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。また、第2特図当り判定テーブルに含まれる高確率時大当り判定テーブルには、図6(B)の高確率時の欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。高確率時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、低確率時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値に、高確率時固有の大当り判定値が加えられたことにより、低確率時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態(高確率時)には、通常状態(低確率時)よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。また、図6(B)の小当り判定テーブルには、表に記載されている各数値が小当り判定値として設定されている。第2特別図柄では、小当りとなる確率が1/10に設定されている。
CPU56は、第1始動入賞、または、第2始動入賞が発生すると、所定のタイミングで、乱数回路503のカウント値(ランダムR)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して小当りにすることに決定する。また、第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当り、小当り、はずれのいずれとするか、および、大当りとするときの大当り種別、小当りとするときの小当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A004(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A304(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞口13であるヘソでの第1始動入賞があったことを指定するヘソ第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第1作動装置130での第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA403(H)は、第2作動装置140での第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する確変状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース1状態であることを指定する高ベース1指定コマンドである。コマンドB003(H)は、遊技状態が高ベース2状態であることを指定する高ベース2指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
コマンドC3XX(H)およびコマンドC4XX(H)は、第1始動入賞または第2始動入賞時における当り判定、当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当り、小当り、はずれのいずれとなるか、および、当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当り、小当り、はずれのいずれとなるか、当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、当りとなることを指定する値、および、当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当り、小当り、はずれのいずれとなるか、および当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
このような始動入賞時における各種判定結果を指定するコマンドを用いるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100において、当該コマンドに基づいて、特別図柄の実際の変動表示順番よりも前のタイミングにおいて、将来の変動表示の表示結果を先読みし、当該先読みに基づいて、たとえば、大当りや小当りが発生することの予告(所謂先読み予告)を実行することが可能である。
コマンドD001(H)は、1種小当りAを開始することを示す小当り開始1指定コマンドである。コマンドD002(H)は、1種小当りBを開始することを示す小当り開始2指定コマンドである。コマンドD101(H)は、1種小当りAを終了することを示す小当り終了1指定コマンドである。コマンドD102(H)は、1種小当りBを終了することを示す小当り終了2指定コマンドである。
コマンドE001(H)は、作動装置(第1作動装置130または第2作動装置140)が開放状態であることを示す作動装置開放指定コマンドである。コマンドE002(H)は、作動装置第1作動装置130または第2作動装置140)が閉鎖状態であることを示す作動装置閉鎖指定コマンドである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞または第2始動入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞または第2始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、ヘソ第1始動入賞指定コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口Aスイッチ13a、第1始動口Bスイッチ130a、第2始動口スイッチ140a、カウントスイッチ23、第1作動口スイッチ171a、第2作動口スイッチ172a、第1作動検出スイッチ161、および、第2作動検出スイッチ162の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。次いで、CPU56は、パチンコ遊技機1において発生する各種エラー(異常)の判定を実行する処理であるエラー処理を実行する(S29A)。エラー処理については、図9において詳細に説明する。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口Aスイッチ13a、第1始動口Bスイッチ130a、第2始動口スイッチ140a、カウントスイッチ23、第1作動口スイッチ171a、および、第2作動口スイッチ172aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、図8のエラー処理(S29A)の一部処理である作動装置エラー処理を示すフローチャートである。作動装置エラー処理は、第1作動装置130または第2作動装置140が所定時間経過しても開放し続けている場合の不正や不具合を通知するための処理である。作動装置エラー処理について、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1作動フラグまたは第2作動フラグがセットされているか否かを判定する(S40)。第1作動フラグまたは第2作動フラグがセットされている場合は、S44の処理へ移行する。ここで、第1作動フラグは、第1作動装置130が作動中であることを示すフラグであり、第2作動フラグは、第2作動装置140が作動中であることを示すフラグである。
第1または第2作動フラグがセットされていない場合には、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなっているか否かを判定する(S41)。S41において、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなっていなければ、処理を終了する。S41において、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなっていれば、第1作動フラグまたは第2作動フラグをセットする(S42)。
次いで、第1作動タイマまたは第2作動タイマをセットする(S43)。ここで、第1作動タイマは、第1作動装置130の作動時間を計測するためのカウントダウン形式のカウンタである。また、第2作動タイマは、第2作動装置140の作動時間を計測するためのカウントダウン形式のカウンタである。第1作動タイマまたは第2作動タイマには、初期値として所定期間の値(たとえば5分)が設定される。次いで、第1作動タイマまたは第2作動タイマを−1する(S44)。次いで、計時中であった第1作動タイマまたは第2作動タイマがタイムアウト(タイマ値が「0」)したか否かを判定する(S45)。第1作動タイマまたは第2作動タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。
S45において、第1作動タイマまたは第2作動タイマがタイムアウトしていれば、第1作動フラグまたは第2作動フラグをリセットする(S46)。具体的には、第1作動タイマがタイムアウトしていれば第1作動フラグをリセットし、第2作動タイマがタイムアウトしていれば第2作動フラグをリセットする。次いで、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなっているか否かを判定する(S47)。S47において、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなっていれば、ホール管理コンピュータにエラーが発生していることを示すセキュリティ信号を送信する(S48)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100へ作動装置開放指定コマンドを送信し(S49)、処理を終了する。S47において、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなっていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100へ作動装置閉鎖指定コマンドを送信し(S50)、処理を終了する。
S45〜S49に示すように、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162が作動している期間が所定期間継続したときにセキュリティ信号が送信される。このようにすれば、作動装置が不正または何等かの異常により開放状態のままとなっていることをホール管理者に知らせることができる。よって、作動装置が所定期間継続したまま遊技が行なわれることを防止することができる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13または第1作動装置130内の第1始動入賞口への始動入賞に基づいて得られる当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2作動装置140内の第2始動入賞口への始動入賞に基づいて得られる当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口Aスイッチ13aまたは第1始動口Bスイッチ130aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ140aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか小当りとするかはずれとするかの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定、小当りとする場合の小当りの種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りまたは小当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中または小当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口Aスイッチ13aまたは第1始動口Bスイッチ130aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口Aスイッチ13aまたは第1始動口Bスイッチ130aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口Aスイッチ13aまたは第1始動口Bスイッチ130aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、当り判定用乱数(ランダムR)、当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞または第2始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果、小当り表示結果、はずれ表示結果のいずれとするかの決定、および、当り種別(大当り種別、小当り種別)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された当り判定値、および、当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞または第2始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、第1始動入賞または第2始動入賞が発生したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当り、小当り、はずれのいずれになるかの決定、当りの種別(大当り種別、小当り種別)の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された当り判定値、当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りや小当りとなること(大当りや小当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、ヘソ第1始動入賞指定コマンドまたは第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース1状態、高ベース2状態、低ベース状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞ごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、ヘソ第1始動入賞指定コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ140aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ140aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ140aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、当り判定用乱数(ランダムR)、当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース1状態、高ベース2状態、低ベース状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞ごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
S51で第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける保存領域の内容を消去する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、第2保留記憶情報については、保留記憶数の上限値が「1」であり、保存領域が1つであるので、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合には、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて、保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶情報のようにシフトせず、消去する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13または第1作動装置130内の第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2作動装置140内の第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダムR(当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや乱数バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図6参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図6(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、S61に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S60で大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S61)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、遊技状態(高ベース1、高ベース2、低ベース)に対応した第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルまたは第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する(S62)。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された当り種別判定用乱数を読出し、S62で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S63)。
ここで、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S64)。たとえば、大当り種別が「4R通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「4R高ベース1確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「4R高ベース2確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。大当り種別が「15R高ベース2確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「04」が設定される。そして、S65の処理へ移行する。
一方、S60において、読出された大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致していなければ、乱数バッファからランダムR(当り判定用乱数)を読出し、小当り判定モジュールを実行する(S70)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し、乱数バッファに格納した当り判定用乱数を読出し、小当り判定を行なう。小当り判定モジュールは、予め決められている小当り判定値(図6参照)と当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、小当り判定の処理を実行するプログラムである。
小当り判定の処理では、第1特別図柄については図6(A)に示すいずれかの小当り判定値に読出した当り判定用乱数が一致すると、第2特別図柄については図6(B)に示すいずれかの小当り判定値に読出した当り判定用乱数が一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(S70のY)、S71に移行する。小当りとするか否かを決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否かを決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を小当り図柄とするか否かを決定するということでもある。
S70で小当りとすることに決定した場合には(S70のY)、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S71)。なお、小当りフラグは、小当り遊技状態が終了するときにリセットされる。そして、小当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちいずれの特別図柄に対応しているかにより、第1特別図柄用の小当り種別判定用テーブルおよび第2特別図柄用の小当り種別判定用テーブルを選択する(S72)。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した小当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した小当り種別および小当り図柄を決定する(S73)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55に設けられた小当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、小当り種別が「1種小当りA」の場合には、小当り種別データとして「01」が設定される。また、小当り種別が「1種小当りB」の場合には、小当り種別データとして「02」が設定される。そして、S65の処理へ移行する。
S65において、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S65)。具体的には、大当りフラグや小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグや小当りフラグがセットされている場合には、大当り種別や小当り種別の決定結果に応じて、S63やS73により決定された大当り図柄や小当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S66)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100側で実行される処理について説明する。図13は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。
次いで、演出制御用CPU101は、遊技状態報知処理を行なう(S705)。遊技状態報知処理は、遊技者に遊技状態を報知するための処理である。遊技状態報知処理については、後述する図16において詳細に説明する。次いで、演出制御用CPU101は、促進表示処理を行なう(S706)。促進表示処理は、遊技者に左打ちまたは右打ちを指示するための処理である。また、促進表示処理は、第1作動装置130と第2作動装置140とのうちのいずれを狙い遊技を行なうかを遊技者に知らせる処理でもある。促進表示処理については、後述する図17において詳細に説明する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S707)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S708)。各種乱数は、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の増加、消去、移動等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S709)。S709の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示の表示制御も実行される。ここで、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図15参照)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の第1保留表示エリア5HLに第1保留表示として表示され、第2保留記憶数は右側の第2保留表示エリア5HRに第2保留表示として表示される(図15参照)。このように、第1保留表示エリア5HLと第2保留表示エリア5HRとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と、第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される(図15参照)。アクティブ表示エリアAHAにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様で表示される。
具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、第1保留記憶数指定コマンドまたは第2保留記憶数指定コマンドを受信したときに所定のフラグをセットする。そして、その所定のフラグがセットされていれば、S709の処理において、保留表示エリア(第1始動入賞保留表示エリア5HLまたは第2始動入賞保留表示エリア5HR)の保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつアクティブ表示エリアAHAの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新する。また、保留表示エリアから消去した保留表示をアクティブ表示エリアAHAに移動する(シフトする)態様で出現させることで、アクティブ表示の表示を更新する処理を行なえばよい。アクティブ表示エリアAHAでは、変動表示の実行中にアクティブ表示が消去される。よって、更新前にアクティブ表示エリアにはアクティブ表示に関する画像が表示されていない状態となっている。その後、S702に移行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S707)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出(図15参照)が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。なお、変動表示結果が小当りとなる場合にも、S804〜S807の処理が実行される。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当りまたは小当り遊技状態開始時から大当りまたは小当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次に、本実施の形態で実行される各種の演出のうち高ベース中の状態について説明する。図15は、高ベース中の演出表示装置9の表示画面を示す説明図である。高ベース状態には、高ベース1状態と高ベース2状態とが存在する。図15(A),(B)は、高ベース1中における表示画面を示し、図15(C),(D)は、高ベース2中における表示画面を示している。
図15(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面の中央には、3つの下向きの矢印により演出図柄の変動表示が示されている。演出図柄は、特別図柄の変動表示に同期して変動表示する図柄である。表示画面の左上には、演出図柄に対応する小図柄が表示される。小図柄は、演出図柄を縮小した態様で表示され、画面の中央で演出図柄が隠れるような派手な演出が実行された際も演出図柄が変動中であることを示すことのできるように、常時認識可能とした図柄である。
また、表示画面の右上の位置には、説明表示90が表示される。前述したように、高ベース1中では、第1作動装置130が第2作動装置140よりも作動しやすく、高ベース2中では、第2作動装置140が第1作動装置130よりも作動しやくなるように制御される。説明表示90は、高ベース中において、第1作動装置130と第2作動装置140とのうちいずれの作動装置が作動しやすい状態であるのかを示す画像である。図15(A)に示すように高ベース1中では、第1作動装置130が作動しやすくなっていることを示すため説明表示90には、「第1作動装置高開放中」と表示される。
表示画面の左下には、第1保留記憶数を示す第1保留表示エリア5HLに4つの第1保留記憶情報を示す保留表示が行なわれている。また、表示画面の右下には、第2保留記憶数を示す第2保留表示エリア5HRに保留表示が行なわれていない。第1保留表示エリア5HLにおいては、保留表示が丸で示す画像で表示され、第2保留表示エリア5HRにおいては、保留表示が四角で示す画像で表示される。また、第1保留表示エリア5HLと第2保留表示エリア5HRとの間には、アクティブ表示エリアAHAが設けられている。アクティブ表示エリアAHAに表示されるアクティブ表示は、現在変動している演出図柄の変動開始時にアクティブ表示エリアAHAで表示されたものである。図15(A)では、第1保留記憶情報に対応した丸型の画像でアクティブ表示が行なわれている。
第1保留表示エリア5HLにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに、右から左の方向へ順番に保留表示が表示されていき、第1保留記憶情報が消化されるごとに左から右の方向へ順番に保留表示がシフトされる。また、第2保留表示エリア5HRにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに、左から右の方向へ順番に保留表示が表示されていき、第2保留記憶情報が消化されるごとに右から左の方向へ順番に保留表示がシフトされる。
保留表示やアクティブ表示は、変動表示の表示結果が大当り表示結果となる期待度により異なる表示態様で表示可能である。ここで、期待度とは、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)である。大当りに対する期待度とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。なお、期待度は、確変に対する期待度であってもよい。
保留表示は、通常色(青色)<緑糸<赤色といった態様で大当り期待度を示す。図15(A)に示す白丸が通常の青色の保留表示であり、黒丸が赤色を示している。図15(A)では、高ベース1中において保留表示の色が変化する演出の例が示されている。たとえば、高ベース1中においては、第1保留表示エリア5HLのうち、3番目に消化される保留表示が大当り期待度の高い赤色で表示される。このように、高ベース1中は、第1保留記憶情報を示す保留表示について先読み演出(保留変化演出)を実行することが可能である。
また、図15(A)に示される説明表示90は、遊技者の動作により消去することが可能である。具体的には、図15(A)に示すような説明表示90が表示されているときに、遊技者がプッシュボタン120を押下げる操作(動作)をすることにより、図15(B)のように説明表示90が消去される。
次に、高ベース2中での表示画面について説明する。図15(C)では、高ベース2中において保留表示の色が変化する演出の例が示されている。図15(C)に示すように、高ベース2中では、表示画面の右上の位置に、第2作動装置140が作動しやすくなっていることを示すための説明表示90が表示される。図15(C)に示すように、説明表示90には、「第2作動装置高開放中」と表示される。また、第2保留表示エリア5HRには、第2保留記憶情報を示す保留表示が4つ表示され、第1保留表示エリア5HLには、第1保留記憶情報を示す保留表示が3つ表示されている。第2保留表示エリア5HRでは、3番目に消化される保留表示が大当り期待度の高い赤色で表示された例が示されている。また、図15(C)では、第2保留記憶情報に対応した四角型の画像でアクティブ表示が行なわれている。
また、図15(C)に示される説明表示90は、遊技者の動作により消去することが可能である。具体的には、図15(C)に示すような説明表示90が表示されているときに、遊技者がプッシュボタン120を押下げる操作(動作)をすることにより、図15(D)のように説明表示90が消去される。
また、図15(A),(B)に示す高ベース1状態と図15(C),(D)に示す高ベース2状態とでは、表示画面に示す背景の色が異なっている。たとえば、高ベース1状態では、昼間の明るい背景が表示され、高ベース2中では、夜を示す薄暗い背景が表示される。このようにすれば、高ベース1中と高ベース2中とで異なる演出を実行することができるので、各遊技状態に対する遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、第1始動入賞に基づく特図1の変動表示と第2始動入賞に基づく特図2の変動表示とでは、第2始動入賞に基づく特図2の変動表示が優先して消化される。よって、第1保留記憶情報を示す保留表示と第2保留記憶情報を示す保留表示とが存在する場合には、始動入賞順に関わらず第2保留記憶情報を示す保留表示の方が先に消化される。高ベース1状態においては、第1作動装置130を主として遊技が進められるので、第1始動入賞が多く発生する。高ベース1の途中で第2始動入賞が発生したとしても第2始動入賞に基づく特図2の変動表示が優先的に消化されるので、特図1の先読みをして大当りが発生しているものがあったとしても意図的に特図2の変動表示を止めることができない。よって、特図2の大当りが発生した場合にその大当り適当なタイミングで発生させるような意図的な狙い打ちが不可能なため、高ベース1中では図15(A)に示すような特図1での先読み演出が実行可能となる。
それに対し、高ベース2状態においては、第2作動装置140を主として遊技が進められるので、第2始動入賞が多く発生する。高ベース2の途中で第1始動入賞が発生してその変動表示が大当りとなることを先読みした場合には、特図2の変動表示を意図的に途切れさすことで、意図的に特図1の大当りを発生させることが可能となる。このように、高ベース2では、特図1に対して先読みを実行することは適さない。よって、本実施の形態では、高ベース1中においてのみ特図1の先読みを実行可能とし、高ベース2中においては、特図1の先読みを制限することで、高ベース1中で実行される演出を多様化し、遊技の興趣を向上させることができる。なお、高ベース1中では、特図2に対して先読み演出を実行することは可能である。
また、説明表示90により、第1作動装置130と第2作動装置140とのうち、いずれの作動装置が遊技者にとって有利な高開放中であるかを示すことができる。また、説明表示90は、遊技者の動作により消去することが可能である。よって、説明表示90が不要な遊技者に説明表示90を実行することで生じる興趣低下を防止することができる。
次に、現在の遊技状態を報知する処理について説明する。図16は、図13の遊技状態報知処理(S705)を示すフローチャートである。遊技状態報知処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。
まず、演出制御用CPU101は、現在の遊技状態を確認し、前回の遊技状態から変化していれば、設定済フラグをリセットする(S901)。設定済フラグは、各遊技状態における設定が完了したときにセットされるフラグである。現在の遊技状態は、RAM103の所定領域に記憶される遊技状態データを確認することにより判定される。RAM103の所定領域に記憶される遊技状態データには、遊技状態が変化した際に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる高ベース1指定コマンドのような各種のコマンドを受信した際にセットされる遊技状態データが記憶されている。また、前回の遊技状態もRAM103の所定領域に記憶しておき、現在の遊技状態が前回から変更されている場合には、各遊技状態において遊技状態を報知する設定のためにセットされる高ベース2設定済フラグ、高ベース1設定済フラグ、通常設定済フラグをリセットする。ここで、高ベース2設定済フラグは、高ベース2状態における設定が完了したときにセットされるフラグであり、高ベース1設定済フラグは、高ベース1状態における設定が完了したときにセットされるフラグであり、通常設定済フラグは、通常状態における設定が完了したときにセットされるフラグである。
そして、演出制御用CPU101は、RAM103の所定領域に記憶される遊技状態データにより、遊技状態が高ベース2状態であるか否かを確認する(S902)。S902において、遊技状態が高ベース2状態であると判定したときは、高ベース2設定済フラグがセットされているか否かを確認する(S903)。S903において、高ベース2設定済フラグがセットされているときには、S906の処理へ移行する。
S903で高ベース2設定済フラグがセットされていないときには、第2作動報知LED152を点灯し、第2作動装置高開放中表示を実行するとともに、高ベース2の背景に設定する(S904)。次いで、高ベース2設定済フラグをセットし(S905)、S906の処理へ移行する。
S902において、高ベース2状態でないと判定したときには、RAM103の所定領域に記憶される遊技状態データにより、遊技状態が高ベース1状態であるか否かを確認する(S909)。S909において、高ベース1状態であると判定したときは、高ベース1設定済フラグがセットされているか否かを確認する(S910)。S910において、高ベース1設定済フラグがセットされているときには、S906の処理へ移行する。
S910において、高ベース1設定済フラグがセットされていないときには、第1作動報知LED151を点灯し、第1作動装置高開放中表示を実行するとともに、高ベース1の背景に設定する(S911)。次いで、高ベース1設定済フラグをセットし(S912)、S906の処理へ移行する。
S909において、高ベース状態でないときには、高ベース2でも高ベース1でもない状態であるので通常状態である。この場合には、通常設定済フラグがセットされているか否かを確認する(S913)。S913で通常設定済フラグがセットされているときには、S906の処理へ移行する。
S913において、通常設定済フラグがセットされていないときには、高開放中表示を消去し、背景を通常背景に設定する(S914)。次いで、通常設定済フラグをセットし(S915)、S906の処理へ移行する。
S906の処理では、現在の遊技状態とは関係ない不要な作動報知LEDがあれば、設定済フラグ(高ベース2設定済フラグ、高ベース1設定済フラグ、通常設定済フラグ)がセットされていることに基づいて、そのLEDを消灯させる(S906)。次いで、S907の処理に移行する。S907においては、遊技者操作があるか否かを確認する。遊技者操作があるか否かを確認する処理とは、遊技者によりプッシュボタン120が操作されたか否かを確認する処理である。S907の処理では、遊技者がプッシュボタン120を操作した際にプッシュセンサ124から送信される検出信号を受信したか否かを判定することで、遊技者操作があったか否かを判定している。S907において、遊技者操作がなければ処理を終了する。S907において、遊技者操作があれば、RAM103の所定領域に記憶される遊技状態データにより、そのときの遊技状態を確認し、遊技状態が高ベース(第1高ベースまたは第2高ベース)中であれば、遊技者の操作に応じて高開放中表示を表示(図15(A)、(C))または、非表示に設定する(S908)。そして、遊技状態報知処理を終了する。
S904に示すように、高ベース2中では、第2作動装置140が開放しやすく制御されていることを示す、第2作動報知LED152が点灯される。また、第2作動装置高開放中表示が行なわれる。また、S911に示すように、高ベース1中では、第1作動装置130が開放しやすく制御されていることを示す、第1作動報知LED151が点灯される。また、第1作動装置高開放中表示が行なわれる。よって、遊技状態に応じて遊技者にいずれの作動装置が開放しやすい状態であるのかを示すことができる。また、第1作動装置130と第2作動装置140とでは異なる報知により高開放中であることが示されるので、いずれの作動装置が開放しやすい状態にあるのかを遊技者に示すことができる。
また、S904,S911に示すように、第2作動装置140が高開放中であることを示す第2作動装置高開放中表示や第1作動装置130が高開放中であることを示す第1作動装置高開放中表示により、いずれの作動装置が遊技者にとって有利な高開放中であることを示すことができる。また、S907,S908に示すように、遊技者の動作が検出されることにより、高開放中表示を非表示状態にすることができる。このようにすれば、説明表示90が不要な遊技者に説明表示90を実行することで生じる興趣の低下を防止することができる。
次に、左打ちまたは右打ちの報知を実行する促進表示処理について説明する。図17は、図13の促進表示処理(S706)を示すフローチャートである。促進表示処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。
まず、演出制御用CPU101は、RAM103の所定領域に記憶される遊技状態データにより、現在の遊技状態を確認する(S950)。そして、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認する(S951)。S951において、高ベース状態(高ベース1状態または高ベース2状態)であるときは、演出表示装置9の表示画面上に右打ち指示の画像を表示し(S960)、促進表示処理を終了する。
S951において、高ベース状態でないと判定されたとき、すなわち、低ベース状態であるときは、作動装置が開放中か否かが判断される(S952)。作動装置が開放中か否かは、作動装置開放指定コマンド、または、作動装置閉鎖指定コマンドを受信しているか否かにより判定すればよい。また、第1作動装置130または第2作動装置140の閉鎖条件は、遊技球が2個進入することである。よって、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態へと変化した場合であっても、作動装置に遊技球が2個入賞していなければ、作動装置は開放状態が維持されることとなる。S952において、作動装置が開放中でないときには、左打ち指示の画像を表示し、左打ち指示の表示時間を計時するタイマをセットする(S956)、後述するS957に進む。
一方、S952で作動装置が開放中であるときには、左打ち指示を制限し、作動報知LED(第1作動報知LED151または第2作動報知LED152)を点灯する(S953)。このとき、右打ち指示の画像は、表示しないようにすることが好ましい。次いで、作動装置閉鎖条件が成立しているか否かを判断する(S954)。ここで、作動装置閉鎖条件とは、作動装置が開放してから作動装置内において2個の遊技球が検出されたことである。作動装置内において2個の遊技球が検出されたことにより作動装置を閉鎖するデータが所定の記憶領域に記憶される。そして、その閉鎖データに基づいて作動装置の閉鎖条件の成立の有無が判定される。S954において、作動装置閉鎖条件が成立しないときには、S957に移行する。一方、作動装置閉鎖条件が成立しているときには、左打ち指示を表示し、左打ち指示の表示時間を計時するタイマをセットするとともに、点灯している作動報知LEDを消灯させる(S955)。次いで、S957の処理へ移行する。なお、S954の処理において、作動装置が閉鎖されるごとに作動装置閉鎖指定コマンドを送信し、当該作動装置閉鎖指定コマンドにより、作動装置が閉鎖されることが確認されるようにしてもよい。
S957では、タイマ計時処理を実行する。タイマ計時処理では、左打ち指示の表示時間を計時するタイマを−1する処理である。左打ち指示のタイマには、たとえば、最初に作動装置閉鎖条件が成立したときに10秒がセットされていて、S957の処理を通過する毎にタイマの値がカウントダウンされていく。次いで、左打ち指示表示時間がタイムアウトしたか否かを判定する(S958)。左打ち指示表示時間がタイムアウトしていなければ、処理を終了する。左打ち指示表示時間がタイムアウトしていれば、左打ち指示表示を消去するとともにタイマをリセットし(S959)、促進表示処理を終了する。
S951〜S953に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置(第1作動装置130または第2作動装置140)が開放中の場合には、左打ち指示の表示が制限される。このようにすれば、作動装置が開放したまま高ベース状態が終了してしまった状況においても、すぐに左打ちをする案内をしてしまうことを防止でき、作動装置を用いた遊技を好適に実現することができる。
また、S951〜S955に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合には、作動装置の閉鎖条件が成立したことに基づいて左打ち指示の表示が実行される。このようにすれば、作動装置が開放したまま遊技が行なわれることを防止することができるとともに、左打ちへの案内を好適に実現することができる。
また、S951〜S953に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合には、動作(開放)している第1作動装置130の第1作動報知LED151または第2作動装置140の第2作動報知LED152の点灯を継続させる。このようにすれば作動装置が開放したまま高ベース1状態または高ベース2状態が終了したとしても、第1作動報知LED151または第2作動報知LED152の点灯が継続されるため、遊技者が開放中であることを見逃すことなく、作動装置を用いた遊技を好適に実現することができる。
また、S951,S952,S956に示すように、作動装置が作動しておらず、高ベース状態が終了したことにより、左打ち指示が表示される。よって、遊技者に左打ちの案内を好適に実現することができる。
なお、S952においては、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162の動作に基づくコマンドにより作動装置が開放中か否かを判断するのではなく、可変入賞球装置160内の作動口への入賞が発生してから、対応する第1作動装置130または第2作動装置140への入賞が規定数(2個)あったか否かを各入賞スイッチの検出に基づいて判断するようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態で説明したパチンコ遊技機1に対してV入賞経由の大当りを設けた例を説明する。具体的には、図1に示したパチンコ遊技機1の構成にさらに、V判定入賞装置87(図18参照)が加えられている。V判定入賞装置87は、小当り(2種小当り)が発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。第2実施形態では、第1実施形態で行なわれる制御と共通する部分は記載を省略して説明する。
図18は、第2実施形態のパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。第2実施形態では、V入賞経由の大当りが設けられている。このようなV入賞経由の大当りは、特別図柄の変動表示の表示結果が2種小当りとなることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合に発生する。ここで、2種小当りとは、第1実施形態で説明した出玉を獲得できる小当りではなく、V判定入賞装置87の作動口を開放させ、V入賞経由の大当りを発生させるための小当りである。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅の通路が設けられ、その通過が右から左に向かって傾斜し左右方向に延在している。その通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられる。その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。誘導路の右側(入口側)には、2種小当りとなったときに所定期間に亘り開放されることにより遊技球が1個程度入賞可能な開口部としてのV判定入賞装置87の作動口が形成されている。誘導路におけるV判定入賞装置87の作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。V判定入賞装置87の作動口を開閉可能な位置には、V判定入賞装置87の作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、V判定入賞装置87の作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態によりV判定入賞装置87の作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態によりV判定入賞装置87の作動口が開放された状態においては、誘導路においてV判定入賞装置87の作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87の内部においては、V判定入賞装置87の作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870と、特定領域以外の非特定領域871とが底部側に設けられている。V入賞領域870は、V判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられている。非特定領域871は、V入賞領域870の両側に設けられている。
V判定入賞装置87の作動口とV入賞領域870とは、左右方向に離れた位置に設けられている。V判定入賞装置87の作動口が開状態のときに遊技球がV判定入賞装置87の作動口からV判定入賞装置87の内部に進入すると、V判定入賞装置87の内部において、たとえば、右上側から左下側へ向けて落下する。その落下するときの落下態様は、遊技球のV判定入賞装置87の作動口への進入時の運動量等の動作態様に応じて、不規則なものとなる。V判定入賞装置87の内部空間は、落下する遊技球のうち、1/10程度の遊技球がV入賞領域870に進入可能な構造となるように構成(設計)されている。これにより、V判定入賞装置87では、V判定入賞装置87の作動口に進入した遊技球が10球に1球程度の割合でV入賞領域870に進入可能である。
V判定入賞装置87の作動口からV判定入賞装置87の内部に進入した遊技球のうち、V入賞領域870に進入した遊技球はV入賞スイッチ87aによって検出される。また、V入賞スイッチ87aの下方側にV判定カウントスイッチ15aが設けられている。V入賞領域870に進入した遊技球と、V入賞領域をそれて非特定領域871に進入した遊技球とのすべてが、V判定カウントスイッチ15aによって検出される。このように、V判定入賞装置87の作動口からV判定入賞装置87の内部に進入したすべての遊技球は、V判定カウントスイッチ15aによって検出される。
2種小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。2種小当りとなったときのV入賞により発生する大当りは、複数種類設けられた大当りの中のいずれかの大当りである(図19参照)。
なお、1/10程度の遊技球がV入賞領域870に進入可能とする変形例としては、次のようなものがある。たとえば、V判定入賞装置87の内部に、進入した遊技球が1/10程度の割合でV入賞領域870に遊技球が誘導されるような所定の障害物(構造物)を設けてもよい。また、V判定入賞装置87の内部構造を、2種小当りが発生したときにV判定入賞装置87の内部に進入した遊技球が必ずV入賞領域870に進入する構成とし、2種小当りが発生したときに1/10程度の選択割合で、V判定入賞装置87の作動口の開放時間を遊技球がV判定入賞装置87の作動口に入賞可能な開放時間(たとえば、2秒間等)に制御するようにしてもよい(逆に9/10程度の選択割合でV判定入賞装置87の作動口に入賞不可能な開放時間(0.5秒等)で作動口を開放する)。また、V判定入賞装置87の内部にV入賞領域870と非特定領域871とに遊技球を振分ける振分け装置を設け、進入した遊技球が1/10程度の割合でV入賞領域870に振分けられるように振分け装置の動作を制御してもよい。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される特別可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態中は、開口した特別可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態の終了後は、高ベース1状態または高ベース2状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。大当り遊技終了後、高ベース1状態または高ベース2状態となっていれば高ベース1状態または高ベース2状態が開始されることを報知する高ベース報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、高ベース1状態または高ベース2状態の開始時には、右打ち報知も行なわれる。大当り遊技状態の終了後に高ベース1状態または高ベース2状態とならなければ、通常状態(低確低ベース状態)に制御されるので、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。高ベース1状態または高ベース2状態とならなかった場合には、演出表示装置9の画面上で所定の右打ち終了条件の成立に基づいて遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち報知が行なわれる。
遊技状態が高ベース1状態であるときに普図当りが発生した際には、可変入賞球装置160の開成翼片が開放状態となっている場合の開放パターンと、振分け装置170が第1作動口171へ遊技球が進入する位置での動作パターンとの関係により可変入賞球装置160へ進入した遊技球が第1作動口171へ進入するように制御される。よって、高ベース1状態では、第1作動口171に遊技球を進入しやすくすることができる。また、遊技状態が高ベース2状態であるときに普図当りが発生した際には、可変入賞球装置160の開成翼片が開放状態となっている場合の開放パターンと、振分け装置170が第2作動口172へ遊技球が進入する位置での動作パターンとの関係により可変入賞球装置160へ進入した遊技球が第2作動口172へ進入するように制御される。よって、高ベース2状態では、第2作動口172に遊技球を進入しやすくすることができる。
また、第1作動装置130内の第1始動入賞口または第1始動入賞口13を遊技球が通過することによる第1特別図柄変動では、大当りは発生するが2種小当りは発生しない。それに対して第2作動装置140内の第2始動入賞口を遊技球が通過することによる第2特別図柄変動では、大当りとともに2種小当りが発生することがある。よって、2種小当りは、右打ちにより第2始動入賞が発生した場合にのみ実行される。
高ベース状態(高ベース1状態または高ベース2状態)において、第2作動装置140内の第2始動入賞口を遊技球が通過することにより2種小当りが発生した場合には、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。小当り遊技状態の開始時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の開始時には、右打ち報知も行なわれる。この報知により、遊技者は、V判定入賞装置87の作動口が開放中に遊技球をV判定入賞装置87の内部に通過させることが可能となる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、大当りが発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時は、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって特別可変入賞球装置20が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま特別可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の非特定領域871に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置160を狙い遊技を行なう。また、時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。時短状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち報知とが行なわれる。
図19は、第2実施形態の当り種別表を示す図である。図19(A)〜(C)は各遊技状態における大当りの種別表を示しており、図19(D)は、小当りの種別表を示している。図19(A)〜(C)の大当り種別表には、大当りにおける当りの種別ごとに、当り発生条件、当りの決定割合、当り後の制御状態(遊技状態)、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。また、図19(D)の小当り種別表には、2種小当りについて、当り発生条件、小当りの発生確率、V入賞領域への通過割合、V入賞判定装置の作動口の開放回数(ラウンド数)、およびV入賞判定装置の作動口の開放時間が示されている。この実施の形態では、当り種別として、高ベース2時短大当り、高ベース1時短大当り、通常大当り、および、小当り(2種小当り)が設けられている。
図19(A)に示すように、遊技状態が低ベースのときには、第1特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、20%の決定割合で高ベース2時短大当りに決定され、30%の決定割合で高ベース1時短大当りに決定され、50%の決定割合で通常大当りに決定される。
第1特別図柄の高ベース2時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2時短大当り終了後は、高ベース2による時短状態が第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回という終了条件が成立したときに高ベース2状態が終了する。また、第1特別図柄の高ベース1時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース1時短大当り終了後は、高ベース1による時短状態が第1特別図柄の変動表示回数が100回、第2特別図柄の変動表示回数が10回、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回のうちのいずれかの終了条件が成立したときに高ベース1状態が終了する。また、通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。通常大当りの終了後は、時短状態に制御されず、低ベース状態となる(低ベース状態が維持される)。
図19(B)に示すように、遊技状態が高ベース1のときには、第1特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、50%の決定割合で高ベース2時短大当りに決定され、50%の決定割合で高ベース1時短大当りに決定される。また、遊技状態が高ベース1のときには、第2特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、60%の決定割合で高ベース2時短大当りに決定され、40%の決定割合で高ベース1時短大当りに決定される。
第1特別図柄の高ベース2時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2時短大当り終了後は、高ベース2による時短状態が第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回という終了条件が成立したときに高ベース2状態が終了する。また、第1特別図柄の高ベース1時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース1時短大当り終了後は、高ベース1による時短状態が第1特別図柄の変動表示回数が100回、第2特別図柄の変動表示回数が10回、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回のうちのいずれかの終了条件が成立したときに高ベース1状態が終了する。
また、第2特別図柄の高ベース2時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース2時短大当り終了後は、高ベース2による時短状態が第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回という終了条件が成立したときに高ベース2状態が終了する。また、第2特別図柄の高ベース1時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース1時短大当り終了後は、高ベース1による時短状態が第1特別図柄の変動表示回数が100回、第2特別図柄の変動表示回数が10回、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回のうちのいずれかの終了条件が成立したときに高ベース1状態が終了する。
図19(C)に示すように、遊技状態が高ベース2のときには、第1特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、50%の決定割合で高ベース2時短大当りに決定され、50%の決定割合で高ベース1時短大当りに決定される。また、遊技状態が高ベース2のときには、第2特別図柄の変動表示を大当り表示結果とすることが決定されたとき、70%の決定割合で高ベース2時短大当りに決定され、30%の決定割合で高ベース1時短大当りに決定される。
第1特別図柄の高ベース2時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が15回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース2時短大当り終了後は、高ベース2による時短状態が第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回という終了条件が成立したときに高ベース2状態が終了する。また、第1特別図柄の高ベース1時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第1特別図柄の高ベース1時短大当り終了後は、高ベース1による時短状態が第1特別図柄の変動表示回数が100回、第2特別図柄の変動表示回数が10回、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回のうちのいずれかの終了条件が成立したときに高ベース1状態が終了する。
また、第2特別図柄の高ベース2時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が15回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース2時短大当り終了後は、高ベース2による時短状態が第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回という終了条件が成立したときに高ベース2状態が終了する。また、第2特別図柄の高ベース1時短大当りでは、特別可変入賞球装置20の開放回数が4回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。第2特別図柄の高ベース1時短大当り終了後は、高ベース1による時短状態が第1特別図柄の変動表示回数が100回、第2特別図柄の変動表示回数が10回、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回のうちのいずれかの終了条件が成立したときに高ベース1状態が終了する。
また、図19(D)に示すように、第2特別図柄による小当り判定によって2種小当りが発生する。第2特別図柄による2種小当りの発生確率は、199/200であり、第2特別図柄の変動表示の表示結果はほぼ第2種小当りとなる。2種小当りが発生すると、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が、開放回数2回、1回の開放時間が0.5秒の間開放される。V判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入する割合は、1/10である。なお、小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態は、小当り前と同じである。
ここで、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)とでは、第2特別図柄により大当りが発生する方が有利な大当りに決定されやすい。たとえば、図19(C)の高ベース2状態について、第2特別図柄による大当りでは、第1特別図柄による大当りよりもラウンド回数が多い(15R)大当りに決定されやすい。高ベース2のときには、第2作動装置140が開放する割合が高くなっているので、第2特別図柄による変動表示が生じやすく、さらに、第1特別図柄による変動表示よりも第2特別図柄による変動表示が有利であるので、高ベース2は遊技者にとって最も有利な状態であると言える。そして、高ベース2の第2特別図柄の変動表示によって発生する大当りのうち、次回も高ベース2となる大当りが遊技者にとって最も有利な大当りである。よって、遊技者は、このような高ベース2状態において、最も有利な大当りとなることを目指して遊技を行なう。
また、図19(A)〜(C)に示すように、高ベース1と高ベース2とでは、時短の終了条件が異なる。このようにすれば、高ベース状態における遊技性を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、高ベース2では、第2作動装置140が開放する割合が高くなっているので、第1特別図柄と第2特別図柄との変動が100回という終了条件において、第2特別図柄が高い割合で変動することとなる。それに対し、高ベース1では、第1作動装置130が開放する割合が高くなっている。このような状況では、第1特別図柄の変動が100回、第2特別図柄の変動が10回、第1特別図柄と第2特別図柄との合計の変動が100回のうちのいずれかの終了条件が成立したときに、高ベース1が終了する。よって、高ベース2において、第2特別図柄による変動表示が実行されることが最も有利ではあるが、高ベース1においても、第2作動装置140がある程度開放し、第2特別図柄による変動表示が実行されることがあり、高ベース1中に第2特別図柄による変動が第1特別図柄よりも少ない回数変動することにより第1特別図柄の変動が終了しうるため、遊技性を多様化することができる。
図20は、第2実施形態の主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図20は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。また、第1実施形態と同様の働きをする部分については説明を省略する。
第1実施形態に加え、V入賞スイッチ87a、および、V判定カウントスイッチ15aが設けられている。V入賞スイッチ87a、および、V判定カウントスイッチ15aのそれぞれからの検出信号は、入力ドライバ回路58を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信される。また、V判定入賞装置87を開閉するソレノイド22が設けられている。ソレノイド22は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59により制御される。
図21は、第2実施形態の当り判定テーブルを示す説明図である。図21(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。また、図21(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。図21(A)の第1特図当り判定テーブルには、大当り判定テーブルがある。また、図21(B)の第2特図当り判定テーブルには、表の上段に示す大当り判定テーブルと表の下段に示す小当り判定テーブルとがある。
図21(A)の第1特図当り判定テーブルについて説明する。第1特別図柄の大当り判定テーブルには、図21(A)の表に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。また、図21(B)の第2特図当り判定テーブルについて説明する。第2特別図柄の大当り判定テーブルには、図21(B)の表の上段に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。また、第2特別図柄の小当り判定テーブルには、図21(B)の表の下段に記載されている各数値が小当り判定値として設定されている。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
また、第1特別図柄については、小当りする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図22は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する第2実施形態の演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図22においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図22に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。ここで、演出制御コマンドについては、第1実施形態と異なるものを中心に説明する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当り、小当り、はずれのいずれとするか、および、大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンドA001〜A003(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が高ベース1状態であることを指定する高ベース1指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース2状態であることを指定する高ベース2指定コマンドである。
コマンドD001(H)は、2種小当りを開始することを示す小当り開始指定コマンドである。コマンドD101(H)は、2種小当りを終了することを示す小当り終了指定コマンドである。
コマンドC200(H)は、V入賞が発生したことを指定するV入賞指定コマンドである。
図23は、第2実施形態の特別図柄プロセス処理(図8のS26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、大入賞口、および、V判定入賞装置87を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか小当りとするかはずれとするかの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、V判定入賞装置87において作動口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(大当り開始指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図24は、演出制御プロセス処理における第2実施形態の演出図柄変動開始処理(図14のS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、演出図柄決定用のSR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのうちいずれの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定するとともに大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、特別演出を実行するする処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図26を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図25は、第2実施形態の当り後の制御状態と特別演出の種類とを示す説明図である。ここで、特別演出とは、第2特別図柄の変動表示が実行される場合において、高ベース2状態へ移行するか否かを示唆する演出である。高ベース2状態は、高ベース1状態よりも第2始動入賞が発生しやすいので、遊技者にとって有利な状態である。よって、このような有利な状態を示唆する演出により遊技の興趣を向上させることができる。
図25においては、大当り遊技終了後の制御状態が高ベース2状態であるときと高ベース1状態であるときとのそれぞれについて、特別演出を実行するか否かおよび実行するときの特別の演出の種類を選択対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての特別演出選択用の乱数SR2(1〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
当り後の制御状態が高ベース2となる場合には、特別演出を実行しない<特別演出Aを実行する<特別演出Bを実行するという大小関係となるようにSR2の乱数値が割振られている。また、当り後の制御状態が高ベース1となる場合には、特別演出を実行しない>特別演出Aを実行する>特別演出Bを実行するという大小関係となるようにSR2の乱数値が割振られている。
図25に示すように、当り後の遊技状態が高ベース2となる場合には、特別演出が実行されやすい、また、特別演出のうちでも特別演出Aよりも特別演出Bの方が実行されやすい。また、当り後の遊技状態が高ベース1となる場合には、特別演出が実行されない場合が高い割合で選択される。さらに、当り後の遊技状態が高ベース1となる場合には、特別演出のうちでも特別演出Aの方が特別演出Bよりも実行されやすい。これらのことより、高ベース1よりも高ベース2の方が特別演出が実行されやすく、特別演出Aよりも特別演出Bの方が高ベース2へ制御される割合が高いということになる。よって、特別演出が実行された場合には、高ベース2へ制御されることに期待を持つことができる。また、特別演出の中でも特別演出Bが実行された場合には、高ベース2へ制御されることに期待を持つことができる。言い換えれば、ラウンド数の大きい大当りに期待させることができるとも言える。このようにすれば、特別演出の態様に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上されることができる。
図26は、第2実施形態の図24における演出設定処理(S616)の一部処理である特別演出処理を示すフローチャートである。特別演出処理において、演出制御用CPU101は、現在の遊技状態を確認する(S650)。次いで、演出制御用CPU101は、現在の遊技状態が高ベース1状態であるか否かを確認する(S651)。S651において、現在の遊技状態が高ベース1状態でないときは、処理を終了する。
S651において、現在の遊技状態が高ベース1状態であれば、今回の変動表示が、大当り表示結果であるか否かを確認する(S652)。S652において、大当り表示結果となる変動表示であるか否かは、たとえば、今回の変動表示に際して、表示結果2指定コマンド〜表示結果4指定コマンドを受信したことにより、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果2指定コマンド〜表示結果4指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。S652において、今回の変動表示が大当り表示結果でなければ、処理を終了する。
S652において、今回の変動表示が大当り表示結果であると判定された場合には、今回の変動表示が第2特別図柄による変動表示か否かを確認する(S653)。S653において、今回の変動表示が第2特別図柄による変動表示でないときには、処理を終了する。S653において、今回の変動表示が、第2特別図柄による変動表示であるときは、図25に示す特別演出実行決定テーブルにより、特別演出の実行の有無および特別演出の種類を決定する(S654)。特別演出の実行の有無と特別演出の種類とは、大当り後の遊技状態によって異なる。その後、特別演出処理を終了する。
図26のS651〜S654に示すように、高ベース1中に第2特別図柄による変動表示が実行されるときに特別演出が実行される。よって、高ベース2よりも不利な高ベース1中であっても、特別演出により遊技者に最も有利な遊技状態である高ベース2へ移行することに期待を持たせることができる。このように、遊技状態に応じた演出の興趣を向上させることができる。
また、図26のS651〜S654に示すように、特別演出は、高ベース1中に第1特別図柄による変動表示が実行されたときには実行されず、高ベース1中に第2特別図柄による変動表示が実行されるときに実行される、高ベース2へ移行するか否かを示す演出である。よって、遊技状態に応じた演出の興趣を向上させることができる。なお、特別演出は、大当り表示結果となるときに実行される大当りを示唆する演出でもある。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。第3実施例では、先読み演出の一例について説明する。図27は、第3実施形態の各種画像を表示させる具体的な設定の一例を示す図である。このような第3実施形態の技術は、第1実施形態および第2実施形態の遊技機に適用可能な技術である。
この実施の形態において、複数のレイヤには、小図柄表示レイヤと、変化演出表示レイヤと、飾り図柄表示レイヤとが含まれている。小図柄表示レイヤには、小図柄表示エリア(表示画面の左上の領域)にて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される。変化演出表示レイヤには、保留表示を変化させる演出(保留表示変化演出)やアクティブ表示を変化させる演出(アクティブ表示変化演出)で用いられるキャラクタなどを示す演出画像が描画される。飾り図柄表示レイヤには、「左」、「中」、「右」の飾り図柄(演出図柄)表示エリアにて変動表示される飾り図柄を示す演出画像が描画される。各表示レイヤに描画される演出画像の画像データには、それぞれの演出画像を重畳して描画するときに用いる奥行き値となるZ値が設定されている。小図柄表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、飾り図柄表示レイヤのそれぞれに描画される演出画像のZ値は、その演出画像が描画される表示レイヤに応じて異なる値となっている。
図27に示すように、小図柄表示エリアにて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される小図柄表示レイヤは、遊技者からみて最も前方側に配置されるように、Z値が設定される。したがって、演出表示装置9の画面上にて任意の演出画像を表示することによる表示演出が実行される場合でも、小図柄表示エリアにおける小図柄の表示は、常に遊技者から視認可能となる。
また、変化演出表示レイヤは、保留表示を変化させる演出(保留表示変化演出)やアクティブ表示を変化させる演出(アクティブ表示変化演出)で用いられる演出画像が表示される演出領域を提供する表示レイヤであり、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、飾り図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられる演出画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。このように、特定演出画像となる変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる飾り図柄(演出図柄)を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。
図28は、第3実施形態の演出の実行例を示す図である。図28では、一の保留表示に対して複数回の先読み予告演出が実行される場合が示されている。図28に示すように、保留表示に対して実行される先読み予告演出のことを特に保留変化演出と称する。図28に示す演出の実行例では、第1保留記憶数を示す第1保留表示エリア5HLと第2保留記憶数を示す第2保留表示エリア5HRとのうち、第1保留表示エリア5HLに対して保留変化演出が実行される。保留変化演出では、図14のS500に示す先読み予告処理において、保留変化演出を実行するか否かが決定される。さらに、先読み予告演出が実行される場合には、現在の保留記憶数に基づいて、いずれの保留表示が消化される段階で保留変化演出を実行するかやどのような保留表示の表示態様に変化させるか等の保留変化演出に関する詳細な演出の設定が決定される。なお、保留変化演出のためのキャラクタCH1を示す演出画像は表示されるが、保留変化を行わない、いわゆるガセの演出いついてもS500の処理内で決定される。
図28(A)に示すように、保留変化演出が実行される変動表示では、主基板31から伝送された図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、演出図柄(飾り図柄)や小図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄(飾り図柄)や小図柄の変動表示が開始されるときにキャラクタCH1を示す演出画像が表示され、その表示態様がアクション態様(動作する態様)になる。保留変化演出では、第1保留表示エリア5HLのうち、保留番号「3」(三番目に消化される保留記憶)に対応して保留変化演出が実行される。保留変化演出が実行される保留表示のことをターゲットの保留表示とも称する。
警告 1 そして、図28(B)に示すように、キャラクタCH1は、ターゲットの保留表示に対して、ビームを発射する。図28(B)に示す演出が実行された後には、ターゲットの保留表示の表示態様が、図28(C)に示すような「?」のメッセージを示す表示態様に変化する。次いで、図28(D)に示すように、演出図柄(飾り図柄)の最終停止図柄が停止表示されて確定表示されるとともに、小図柄が停止表示されることで、変動表示が終了する。図28(D)に示すように、演出図柄(飾り図柄)や小図柄における変動表示の表示結果が導出されるときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が停止態様となる。
図28(D)に示すような変動表示の終了に続いて、図28(E)に示すように、次の保留記憶に基づく演出図柄や小図柄の変動表示が開始される。今回の変動表示中には、保留変化演出が実行されない。また、図28(E)に示すような演出図柄や小図柄の変動表示が開始されるときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様がアクション態様になる。
図28(E)に示すような変動表示が開始された後、図28(F)に示すように、演出図柄の最終停止図柄が停止表示されて確定表示されるとともに、小図柄が停止表示されることで、変動表示が終了する。このときには、主基板31から伝送された図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が静止態様になる。続いて、次の保留記憶に基づいて図28(G)に示すような演出図柄や小図柄の変動表示が開始される。このとき、主基板31から伝送された変動指定コマンドを受信したことに応じて、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様はアクション態様になる。
そして、今回の変動表示の実行中に図28(H)に示すような保留変化演出が実行される。図28(H)では、キャラクタCH1が、ターゲットの保留表示に対して、ビームを発射する。図28(H)に示す演出が実行された後には、図28(I)に示すように、ターゲットの保留表示の表示態様が、赤色(図28(I)の黒丸)に変化する。そして、主基板31から伝送された図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が静止態様になる。
ここで、キャラクタCH1を示す演出画像は、演出図柄よりも前方の表示レイヤに表示される。よって、保留変化演出が演出図柄に隠れるようなことはない。しかし、キャラクタCH1を示す演出画像を常にアクション態様(動作する態様)としていると、演出図柄の表示結果が表示されるときに表示結果を誤認してしまう可能性がある。そこで、第3実施形態では、図28(D),(F),(I)に示すように演出図柄の変動表示の表示結果が導出表示される期間において、キャラクタCH1を示す演出画像を静止態様としている。このようにすることで、導出される表示結果を遊技者に認識しやすくすることができ、表示結果の誤認を確実に防止することができる。
図29は、第3実施形態の変動表示中の画面の表示例を説明するための図である。図29(A)に示すように、変動表示中(変動中)は、左,中,右の変動表示領域で演出図柄が変動する(図中の下向きの矢印)。画面の左下は、保留表示を示している。このような変動表示中にもスティックコントローラ122を操作することに応じて音量調整表示VLを表示することができる。音量調整表示VLを示す画像は、図27に示すレイヤのうち、最も前方に表示されている。なお、音量調整表示VLを示す画像は、小図柄表示レイヤと同一の階層に小図柄表示レイヤとは異なる位置に表示されるようにしてもよい。
図29(B)に示すように、変動中にスティックコントローラ122が操作された場合には、音量調整表示VLが変動中の演出図柄と一部が重なるように重畳表示される。このような音量調整表示VLは、3秒間の表示される。また、図29(C)に示すように、リーチ中であってもスティックコントローラ122が操作された場合には、音量調整表示VLが変動中のリーチ図柄と一部が重なるように重畳表示される。
しかしながら、図29(D)に示すように、変動表示が停止する際には、音量調整表示VLが表示されてから3秒が経過する前であっても音量調整表示VLは消去される。ここで、変動表示が停止する際の変動表示の表示結果は、遊技にとって重要な情報であるので、変動表示が停止し最終の図柄の表示結果が表示されている最中に音量調整表示VLが演出図柄の上に重畳表示されていては、表示結果を認識し難い。そこで、3秒の経過前に変動表示が終了したときには併せて音量調整表示VLを終了させることで、変動表示の表示結果を視認することを阻害しないようにすることができる。
ここで、変動表示中の音量調整表示VLは、デモ画面表示中に表示される音量調整表示VLよりも表示画像が大きくすることが好ましい。これは、遊技者に変動中の音量調整表示VLを分かり易くするためである。しかしながら、音量調整表示VLは、変動表示中とデモ画面表示中とで画像の大きさが同じになるようにしてもよいし、変動表示中よりもデモ画面表示中の方が画像が大きくなるようにしてもよい。また、変動表示中には、演出図柄と重ならない位置で音量調整表示VLが表示されるようにしてもよい。また、リーチからスーパーリーチへと発展した場合に、当該発展先では、音量調整表示VLがリーチとなる前よりも小さな画像で表示されるようにしてもよい。このように音量調整表示VLの表示位置や大きさは適宜変更することが可能である。
また、変動表示中での音量調整表示VLは、変動表示中に実行される予告が視認可能となるように透過させて表示し、後ろで表示されている予告が見える態様であることが望ましい。このようにすれば、変動表示中の予告が音量調整表示VLによりまったく見えなくなることを防ぐことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図16のS904に示すように、高ベース2中では、第2作動装置140が開放しやすく制御されていることを示す、第2作動報知LED152が点灯される。また、第2作動装置高開放中表示が行なわれる。また、S911に示すように、高ベース1中では、第1作動装置130が開放しやすく制御されていることを示す、第1作動報知LED151が点灯される。また、第1作動装置高開放中表示が行なわれる。よって、遊技状態に応じて遊技者にいずれの作動装置が開放するのかを示すことができる。
(2) 可変入賞球装置160の開放パターンにより、遊技球を第1作動口171または第2作動口172のいずれか一方に通過させるように制御することが可能である。そして、第1作動報知LED151または第2作動報知LED152によりいずれの作動装置が開放されやすいのかを示すことができる。よって、第1作動口171または第2作動口172のいずれか一方の作動口に遊技球を通過させることにより、いずれの作動装置が開放するのかを遊技者に示すことができる。
(3) 図16のS904,S911に示すように、第1作動装置130と第2作動装置140とでは異なる報知により高開放中であることが示されるので、いずれの作動装置が開放するのかを遊技者に示すことができる。このようにすれが、異なる報知態様により、いずれの作動装置が開放するのかを遊技者に示すことができる。
(4) 図15(A),(C)に示す説明表示90により、第1作動装置130と第2作動装置140とのうち、いずれの作動装置が遊技者にとって有利な高開放中であるかを示すことができる。
(5) 図15(B),(D)に示すように、説明表示90は、遊技者の動作により消去することが可能である。よって、説明表示90が不要な遊技者に説明表示90を実行することで生じる興趣を防止することができる。
(6) 図15(A),(C)に示すように、高ベース1と高ベース2とで異なる背景で表示される。このようにすれば、高ベース1中と高ベース2中とで異なる演出を実行することができるので、各遊技状態に対する遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 図15に示すように、高ベース2中では、第1特別図柄変動に対応する保留表示に対して保留変化演出を実行しないが、高ベース1中では、第1特別図柄変動に対応する保留表示に対して保留変化演出を実行することが可能である。このようにすれば、高ベース1中で実行される演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図1に示すように、高ベース1中および高ベース2中では、左打ちよりも右打ちの方が始動入賞が発生しやすい。よって、遊技状態に応じて左打ちと右打ちとを打分けることで、遊技の興趣が向上する。
(9) 図1に示すように、第1作動装置130の動作を検出可能な第1作動検出スイッチ161と第2作動装置140の動作を検出可能な第2作動検出スイッチ162が設けられている。このようにすれば、第1作動装置130および第2作動装置140の作動状態を検出することで、作動装置に対する不正や不具合を防止することができる。
(10) 図9のS45〜S49に示すように、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162が作動している期間が所定期間継続したときにセキュリティ信号が送信される。このようにすれば、作動装置が不正または何等かの異常により開放状態のままとなっていることを知らせることができる。よって、作動装置が所定期間継続したまま遊技が行なわれることを防止することができる。
(11) 図17のS951〜S953に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合には、左打ち指示の表示が制限される。このようにすれば、作動装置が開放したまま高ベース状態が終了してしまった状況においても、すぐに左打ちをする案内をしてしまうことを防止でき、作動装置を用いた遊技を好適に実現することができる。
(12) 図17のS951〜S955に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合には、作動装置の閉鎖条件が成立したことに基づいて左打ち指示の表示が実行される。このようにすれば、作動装置が開放したまま遊技が行なわれることを防止することができるとともに、左打ちへの案内を好適に実現することができる。
(13) 図17のS951〜S953に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合には、動作している第1作動装置130の第1作動報知LED151または第2作動装置140の第2作動報知LED152の点灯を継続させる。このようにすれば作動装置が開放したまま高ベース1状態または高ベース2状態が終了したとしても、第1作動報知LED151または第2作動報知LED152の点灯が継続されるため、作動装置を用いた遊技を好適に実現することができる。
(14) 図17のS951,S952,S956に示すように、作動装置が作動しておらず、高ベース状態が終了したことにより、左打ち指示が表示される。よって、遊技者に左打ちの案内を好適に実現することができる。
(15) 図3に示すように、第2作動装置140での払出し賞球数は3個であるのに対し、第1作動装置130での払出し賞球数は1個である。このように、第1作動装置130内の第1始動入賞口よりも第2作動装置140内の第2始動入賞口の方が払出し賞球数が多い。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
(16) 図2(D)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とで1種小当りに決定される割合が異なる。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上することができる。
(17) 1種小当りの前後では、遊技状態が変化しないようになっている。よって、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
(18) 図2(C)に示すように、第1特別図柄により大当りとなるときよりも第2特別図柄により大当りとなるときの方が遊技者に有利な15R大当りに決定されやすい。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
(19) 図2(D)に示すように、第1特別図柄により1種小当りとなるときよりも第2特別図柄により1種小当りとなるときの方が大入賞口への遊技球の通過期待度個数が多い。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
(20) 図3に示すように、第1始動入賞口よりも第2始動入賞口の方が払出し賞球数が多い。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
(21) 図2(D)に示すように、1種小当りには、1種小当りAと1種小当りBとが設けられている。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
(22) 大当りと1種小当りとは、ランプ運毎開始時の特別可変入賞球装置20の開放態様として同一の開放態様が設けられている。このようにすれば、遊技を多様化し、興趣を向上させることができる。
(23) 図26のS651〜S654に示すように、高ベース1中に第2特別図柄による変動表示が実行されるときに特別演出が実行される。よって、高ベース2よりも不利な高ベース1中であっても、特別演出により遊技者に最も有利な遊技状態である高ベース2へ移行することに期待を持たせることができる。このように、遊技状態に応じた演出の興趣を向上させることができる。
(24) 図26のS651〜S654に示すように、特別演出は、高ベース1中に第1特別図柄による変動表示が実行されたときには実行されず、高ベース1中に第2特別図柄による変動表示が実行されるときに実行される、高ベース2へ移行するか否かを示す演出である。よって、遊技状態に応じた演出の興趣を向上させることができる。
(25) 図25に示すように、特別演出Aよりも特別演出Bの方が実行されたときに高ベース2となりやすい。よって、特別演出の態様に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(26) 図19に示すように、高ベース1による時短状態が、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の合計回数が100回、第2特別図柄の変動表示回数が10回等の終了条件が成立したときに終了する。このようにすれば、高ベース状態における遊技性を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(27) 図28(D),(F),(I)に示すように、演出図柄の表示結果が導出表示される期間では、キャラクタCH1を示す演出画像を静止態様とする。このようにすれば、導出される表示結果を遊技者に認識しやすくすることができ、表示結果の誤認を確実に防止することができる。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、高ベース状態中であることを第1作動報知LED151、第2作動報知LED152、説明表示90により報知していた。しかし、高ベース状態中であることを音によりより報知するようにしてもよい。また、高ベース1中と高ベース2中とで高ベース中であることを示す音を変化させるようにしてもよい。また、作動報知LEDと説明表示と音とのうちのいずれか1つまたは複数の組合せにより、高ベース1中であることや高ベース2中であることを報知するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、高ベース状態中であることを報知するLEDが2つ設けられている場合を示した。しかし、高ベース状態中であることを報知するLEDは1つであってもよい。そして、LEDの報知態様(表示する色)により高ベース1中であるか高ベース2中であるかを報知してもよい。
(3) 前述した実施の形態では、高ベース1中であることを示す報知態様と高ベース2中であることを示す報知態様とが異なるようにしてもよい。たとえば、高ベース1中であることはLEDにより報知し、高ベース2中であることは、演出表示装置9の表示画面上で示すようにしてもよい。また、報知の態様が複数の報知態様の組合せであってもよい。このように、高ベース1中と高ベース2中とで報知の態様が異なれば、どのような報知態様であってもよい。
(4) 前述した実施の形態では、可変入賞球装置160の開成翼片は、複数の開放パターンが設けられ、開放パターンに合わせて振分け装置170が一定の動作をする場合を示した。しかし、振分け装置170は、電源投入時から常に一定の動作をしているものであってもよい。このような場合には、第1作動装置130を第2作動装置140よりも上方の位置に配置し、第2特別図柄へ始動入賞を発生させることが狙い打ちできない遊技性とすることが好ましい。
(5) 前述した実施の形態では、高ベース状態中であることを第1作動報知LED151、第2作動報知LED152、説明表示90により報知していた。しかし、高ベース中であることを演出表示装置9の表示画面において矢印で示すようにしてもよい。具体的には、演出表示装置9の表示画面を大きなものとした場合に、高ベース1中には、第1作動装置130に向けて矢印の態様の画像を表示し、高ベース2中には、第2作動装置140に向けて矢印の態様の画像を表示するようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、説明表示90により、第1作動装置130と第2作動装置140とのうち、いずれの作動装置が遊技者にとって有利な高開放中であるかを示し、説明表示90を遊技者の動作により消去することが可能であることを説明した。ここで、説明表示90を消去した状態で大当りとなった場合には、消去を継続するようにしてもよいし、大当りとなった後に説明表示90を再開するようにしてもよい。また、高ベース1状態において説明表示90を消去している場合には、大当り後も説明表示90の消去を維持するが、高ベース2状態において説明表示90を消去している場合には、大当り後に説明表示90を再開するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、S908において、遊技者の動作が検出されたときは、説明表示90を完全に消去する場合を説明した。しかし、遊技者の動作が検出されたときは、説明表示90を完全に消去するのではなく、他の演出の妨げにならない表示を小さくするようにしてもよい。また、遊技者の動作が検出されたときは、説明表示90の位置を他の演出の妨げにならない位置に移動させるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、高ベース1中と高ベース2中とで、背景が異なる場合を示した。しかし、高ベース1中と高ベース2中とで、背景以外の演出が異なるようにしてもよい。たとえば、大当り期待度を示唆する予告演出が高ベース1中と高ベース2中とで異なるようにしてもよい。また、高ベース1中と高ベース2中とで大当りの期待度を示唆しない演出図柄やキャラクタが異なるようにしてもよい。また、高ベース1中と高ベース2中とで変動中の楽曲が異なるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、高ベース1中と高ベース2中とで、背景が異なる場合を示した。しかし、高ベース1中と高ベース2中とは、一部の演出が異なるが、共通で実行される演出を設けてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、高ベース状態が終了したにも関わらず、作動装置が開放中の場合には、左打ち指示を制限し、開放している作動装置のLEDを点灯することについて説明した。しかし、高ベース状態が終了したにも関わらず、作動装置が開放中の場合には、演出表示装置9の画面上に「作動装置が開放しているので狙って下さい」というメッセージを表示するようにしてもよい。このようにすれば、作動装置が開放していることを遊技者に分かり易く知らせることができる。また、このような場合に、作動措置に遊技球が2個進入したにも関わらず作動装置の開放状態を検出するセンサがオン状態となっていれば、「エラーです。遊技を中止して下さい」のメッセージを表示するとともに、ホール管理者に対してエラーが報知されるようにしてもよい。また、エラー報知は、ホールコンピュータかパチンコ遊技機1のいずれか一方に報知されるようにしてもよいし、双方に報知されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなってから所定期間(たとえば、5分)経過することにより、セキュリティ信号が送信される場合を示した。しかし、エラーか否かの判定(セキュリティ信号の送信の判定)は、時間判定以外の方法であってもよい。たとえば、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなってから所定の変動回数が検出された場合にエラーとしてもよい。また、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなってから遊技領域7へ向けて発射する発射球が所定個数を超えた場合にエラーとしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなってから所定期間(たとえば、5分)経過することにより、セキュリティ信号が送信される場合を示した。しかし、作動装置に対し遊技球が2個進入したにも関わらず、第1作動検出スイッチ161または第2作動検出スイッチ162がオンとなることを条件(閉鎖条件)にセキュリティ信号が送信されるようにしてもよい。また、所定期間によるエラー報知と作動装置の閉鎖条件によるエラー報知とで、エラーの報知内容を異ならせてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、S951〜S953に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合に、左打ち指示を制限する場合を説明した。このような左打ち指示の制限方法は、左打ち指示を禁止するものではなく、作動装置が開放していな場合よりも見立たない態様(小さく表示等)で表示されるものでもよく、開放していない場合とは異なる位置で表示(通常は画面に中央に表示し、開放中は画面の隅に表示等)されるものであってもよい。
(14) 前述した実施の形態では、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合は、右打ち指示を行わない場合を説明した。しかし、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合に右打ち指示を継続して行なってもよい。また、右打ち指示を継続して行なうときには、第2作動装置140の閉鎖が検出された場合に左打ち指示を行なうようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、図17のS951〜S953に示すように、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合には、作動報知LEDの点灯を継続する制御を行なっていた。しかしながら、高ベース状態が終了したにも関わらず作動装置が開放中の場合には、作動装置が開放中であることを検出したときに、作動報知LEDを点灯してもよい。
(16) 前述した実施の形態では、図2に示す第1特別図柄と第2特別図柄とでラウンド数が異なることにより大当りの有利度合が異なっていることを説明した。しかし、第1特別図柄と第2特別図柄とで確変の継続率が異なることで大当りの有利度が異なるようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、高ベース1と高ベース2とを備えたパチンコ遊技機1について説明した。しかし、高ベース状態を3つ以上設けてもよい。たとえば、高ベース1は、第1作動装置130と第2作動装置140との作動割合が10対0とし、高ベース2は、第1作動装置130と第2作動装置140との作動割合が5対5とし、高ベース3は、第1作動装置130と第2作動装置140との作動割合が0対10としてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、図26のS651〜S654に示すように、特別演出は、高ベース1中に第1特別図柄による変動表示が実行されたときには実行されず、高ベース1中に第2特別図柄による変動表示が実行されるときに実行される、高ベース2へ移行するか否かを示す演出であった。このような特別演出は、大当り表示結果となるときに実行される大当りを示唆する演出であった。しかし、特別演出は、はずれ表示結果となるときに実行されるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、図18のようなV判定入賞装置87を用いたV入賞の大当りとして複数種類の大当りを設けるようにしてもよい。そして、小当りの種類(小当りの変動パターン)により、V入賞領域870を遊技球が通過したときの大当りの種類が異なるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、第1作動装置130の開放条件と第2作動装置140の開放条件が、同時に成立することがないようにしてもよい。つまり、一方の作動装置の開成翼片が開放状態に動作している場合には、動作している作動装置の開成翼片の閉鎖条件が終了するまで他方の作動装置の開成翼片が開放状態としないようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、第2特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りについて、第1特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りと比べて、遊技者にとって有利な大当りが選択されやすい例を説明した。第2特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りについて、第1特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りと比べて、遊技者にとって有利な大当りが選択されやすい例としては、たとえば、大当り遊技状態終了後の時短状態が継続する変動表示回数が多い、大当り遊技状態終了後の高ベース状態が継続する変動表示回数が多い、大当り遊技状態終了後の確変状態が継続する変動表示回数が多い、大当り遊技状態でのラウンド数が多い、および、大当り遊技状態での1ラウンドの入賞可能個数が多い等の各種遊技者にとって有利な事項のうち、いずれか1つ、または、いずれか複数の組合せによる有利な大当りであれば、どのようなものであってもよい。
(22) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(23) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(25) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(26) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(27) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(28) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(29) 上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示(変動表示)する例を示した。しかし、第1特別図柄表示器8a第2特別図柄表示器8bにおいて表示される可変表示結果(変動表示結果)や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。たとえば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(たとえばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、たとえば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」等)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示すること等も飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すこと等も普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
(30) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。