まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例でパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例で『実行』と『実施』とは同義である。図1は、本実施例のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。遊技盤2の遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示とを丸型の白色表示とする。尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。遊技領域下方の遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。上皿を形成する部材には、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの配置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図4に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。図6(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図6(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図6(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。
また、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、本実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。
尚、演出制御基板12の側でも、主基板11と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図7のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図7に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図8に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図8は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図9に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図10は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図11は、図10に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、本実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、図12に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否か及び予告演出の演出パターンを決定する(S277)。本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、先ず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、S291において特定した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S292)。S291において特定した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンでない場合、つまり、非リーチやノーマルリーチの変動パターンである場合は、予告演出を実行しないと判定して予告演出決定処理を終了し、S291において特定した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合は、予告演出を実行すると判定し、予告演出判定用乱数を抽出するとともに、図13に示す予告演出パターン決定用テーブルを用いて予告演出の演出パターンを決定する(S293)。尚、本実施例では、予告演出判定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出判定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出判定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出判定用乱数を生成するための予告演出判定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該予告演出判定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
予告演出パターン決定用テーブルは、図13に示すように、予告演出の演出パターンである「第1パターン」、「第2パターン」、「第3パターン」、「第4パターン」のそれぞれに対して、S291において特定した変動パターンがスーパーリーチ大当りの変動パターン(図4に示すPB1−2またはPB1−3)である場合とスーパーリーチはずれの変動パターン(図4に示すPA2−1またはPA2−2)である場合のそれぞれに異なる判定値が、図13に示す判定値数となるように割り当てられている。尚、図16(A)及び図16(B)に示すように、予告演出における第1演出パターンは、演出表示装置5においてプッシュボタン31Bの操作を受付けていることを示すボタン操作受付演出を実行し、該ボタン操作受付演出の実行中にプッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて、演出表示装置5にキャラクタAの画像5Aと変動表示結果が大当りとなる期待度が非リーチやノーマルリーチの変動パターンでの変動表示よりも高いことを吹き出しの画像5Fと該吹き出し内のセリフの画像5Sにおいて表示する結果演出を実行する演出パターンである。
また、図17(A)〜図17(E)に示すように、予告演出における第2演出パターンは、ボタン操作受付演出を実行し、該ボタン操作受付演出の実行中にプッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて、演出表示装置5にキャラクタAの画像5Aを結果演出での大きさに向けて漸次縮小表示していき、次いで吹き出しの画像5Fを結果演出での表示態様に向けて漸次更新表示していき、更にセリフの画像5Sを結果演出での表示態様に向けて漸次更新表示していく結果前演出を後述する第1態様にて実行し、最後に結果演出を実行する演出パターンである。また、図18(A)〜図18(H)に示すように、予告演出における第3演出パターンは、ボタン操作受付演出を実行し、該ボタン操作受付演出の実行中にプッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて、演出表示装置5にキャラクタAの画像5Aを結果演出での大きさに向けて漸次縮小表示していき、次いで吹き出しの画像5Fを結果演出での表示態様に向けて漸次更新表示していき、更にセリフの画像5Sを結果演出での表示態様に向けて漸次更新表示していく結果前演出を第2演出パターンとは異なる第2態様にて実行し、最後に結果演出を実行する演出パターンである。
尚、図15(A)に示すように、本実施例において結果前演出に用いられるデータとしては、予め1秒間に30枚の静止画像(フレーム)を表示するデータがROM121に記憶されている。これら1秒間に表示される静止画像には、順に1〜30までの番号が付されている。そして、結果前演出の第1態様とは、図15(B)に示すように、第2パターンに応じた予告演出用プロセスデータに基づいて、結果前演出に用いられる静止画像のうち、偶数番号が付されている静止画像のみを順に表示していく態様である。一方、結果前演出の第2態様とは、図15(C)に示すように、第3パターンの予告演出プロセスデータに基づいて、結果前演出に用いられる静止画像のうち、全ての静止画像を順に表示していく態様である。つまり、本実施例における第1態様の結果演出を通常の速度である第1速度にて演出を実行する態様であるとすると、第2態様の結果前演出とは、第1態様の結果前演出よりも2倍の時間、つまり、第1速度の半分の速度である第2速度にて画像(キャラクタ、吹き出し、セリフの各画像)を結果演出での表示態様に向けて漸次更新表示していく所謂スローモーションの演出である。
また、図19(A)〜図19(D)に示すように、予告演出における第4パターンは、ボタン操作受付演出を実行し、該ボタン操作受付演出の実行中にプッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて、結果前演出を第1態様にて実行するが結果演出を実行しない演出パターンである。つまり、第2態様にて結果前演出が実行される場合は、確実に結果演出が実行されて大当り期待度が高いことが示唆される一方で、第1態様にて結果前演出が実行されある場合は、結果演出が実行される場合、つまり、第2態様にて結果前演出が実行される場合に次いで大当り期待度が高いことが示唆される場合と、結果演出が実行されない場合、つまり、大当り期待度が低いことが示唆される場合とがあるので、結果前演出が第1態様と第2態様のどちらで実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。
また、S291において特定した変動パターンがスーパーリーチ大当りの変動パターンである場合については、「第1パターン」に対して20個の判定値が割り当てられ、「第2パターン」に対して30個の判定値が割り当てられ、「第3パターン」に対して40個のパターンが割り当てられ、「第4パターン」に対して10個のパターンが割り当てられている。また、S291において特定した変動パターンがスーパーリーチはずれの変動パターンである場合については、「第1パターン」に対して30個の判定値が割り当てられ、「第2パターン」に対して20個の判定値が割り当てられ、「第3パターン」に対して10個のパターンが割り当てられ、「第4パターン」に対して40個のパターンが割り当てられている。このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示結果が大当りとなる場合(当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチ大当りの変動パターンである場合)には、予告演出が第3パターン、第2パターン、第1パターン、第4パターンの順で実行されやすくなっており、当該変動表示結果がはずれとなる場合(当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチはずれの変動パターンである場合)には、予告演出が第4パターン、第1パターン、第2パターン、第3パターンの順で実行されやすくなっている。つまり、本実施例では、第1パターン〜第4パターンのうち、予告演出が第3パターンで実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる割合(大当り期待度)が高く、予告演出が第2パターンで実行される場合、第1パターンで実行される場合、第4パターンで実行される場合の順で変動表示結果が大当りとなる割合が低くなっていく(予告演出の演出パターン毎の大当り期待度:第3パターン>第2パターン>第1パターン>第4パターン)。更に、第2パターンと第3パターンに注目すると、第3パターンは、スローモーションであることによって結果前演出を第1態様よりも演出時間の長い第2態様にて実行する演出パターンである。つまり、本実施例では、結果前演出が第2態様にて実行される場合は、結果前演出が第1態様にて実行される場合よりも大当り期待度が高く設定されている。
尚、各演出パターンの大当り期待度(信頼度)とは、予告演出が各演出パターンにて実行されて大当りとなる確率を、予告演出が各演出パターンにて実行されて大当りとなる確率と予告演出が各演出パターンにて実行されてはずれとなる確率との和にて除算した数値である。
図12に戻り、S294においては、S293において決定した予告演出の演出パターンをRAM122の所定領域に記憶する。そして、予告演出の実行が決定されたことを示す予告演出実行決定フラグをセットして予告演出決定処理を終了する(S295)。更に図11に戻り、演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出をパターン1〜パターン4のいずれかで実行することを決定したか否かを判定する(S278)。予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として本実施例の予告演出であるキャラクタ予告演出に対応する期間を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進む。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279及びS280を経由することなくS281に進む。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。尚、演出制御用CPU120は、演出図柄変動中処理を実行する毎にプロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマの値を−1していくことでセットされているプロセステーブルに基づく演出や演出図柄の変動表示を実行していけばよい。更に、演出制御用CPU120は、演出図柄変動中処理を実行する毎に予告演出開始待ちタイマの値を−1していき、該予告演出開始待ちタイマの値が0となったことに基づいて予告演出を予告演出決定処理において決定した演出パターンに応じた予告演出用プロセスデータに基づいて実行すればよい。
具体的には、図14(A)に示すように、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチαの変動パターン(図4に示すPA2−2またはPB1−2)である場合、演出制御用CPU120は、変動開始5秒後から変動開始25秒後までの最長20秒間に亘って予告演出を実行する。該最長20秒間においは、演出制御用CPU120は、変動開始10秒後までの5秒間にかけてボタン操作受付演出を実行する。そして、該ボタン操作受付演出の実行期間中にプッシュボタン31Bが操作された場合(ボタン操作を受付けた場合)は、該プッシュボタン31Bが操作あれた時点でボタン操作受付演出を終了し、演出パターンに応じた演出を実行する。そして、変動開始30秒後のタイミングにおいて演出図柄をリーチの組み合わせで表示した後、変動終了時までスーパーリーチαのリーチ演出を実行し、最後に演出図柄を変動表示結果に応じた表示態様(大当りまたははずれの組み合わせ)で導出表示する。
また、図14(B)に示すように、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチβの変動パターン(図4に示すPA2−3またはPB1−3)である場合、演出制御用CPU120は、スーパーリーチαの変動パターンと同じく変動開始5秒後から変動開始25秒後までの最長20秒間に亘って予告演出を実行する。該最長20秒間においは、演出制御用CPU120は、変動開始10秒後までの5秒間にかけてボタン操作受付演出を実行する。そして、該ボタン操作受付演出の実行期間中にプッシュボタン31Bが操作された場合(ボタン操作を受付けた場合)は、該プッシュボタン31Bが操作あれた時点でボタン操作受付演出を終了し、演出パターンに応じた演出を実行する。そして、変動開始30秒後のタイミングにおいて演出図柄をリーチの組み合わせで表示した後、変動終了時までスーパーリーチβのリーチ演出を実行し、最後に演出図柄を変動表示結果に応じた表示態様(大当りまたははずれの組み合わせ)で導出表示する。
尚、本実施例では、予告演出の実行が決定されている場合、ボタン操作受付演出の実行中にプッシュボタン31Bが操作されることに基づいて、該プッシュボタン31Bが操作された時点から演出パターンに応じた結果演出や結果前演出が実行される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボタン操作受付演出の実行中にプッシュボタン31Bが操作されなかった場合は、ボタン操作受付演出の終了後から演出パターンに応じた結果演出や結果前演出を実行してもよいし、ボタン操作受付演出の終了後は演出パターンに応じた結果演出や結果前演出を実行しなくともよい。また、本実施例では、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチαの変動パターンである場合とスーパーリーチβの変動パターンである場合とで、変動開始から同一のタイミングから予告演出やスーパーリーチ演出を開始する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出やスーパーリーチ演出の開始タイミングは変動パターン毎に異なっていてもよい。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1においては、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて、結果前演出を実行した後に結果演出を実行する第2パターンや第3パターンの予告演出と、結果前演出を実行することなる結果演出のみを実行する第1パターンの予告演出とを実行可能となっているので、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて結果演出の前に結果前演出が実行されることによる意外性を遊技に与えることができ、遊技興趣を向上できる。尚、本実施例では、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて結果前演出や結果演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1にプッシュボタン31B以外の遊技者が操作可能な操作手段を設け、該操作手段が操作されたことに基づいて結果前演出や結果演出を実行してもよいし、また、パチンコ遊技機1にモーションセンサ等の遊技者の動作を検出可能な検出手段を設け、該検出手段によって遊技者の特定の動作を検出したことに基づいて結果前演出や結果演出を実行してもよい。
また、結果前演出を第1態様と該第1態様よりも実行速度の遅いスローモーションである第2態様にて実行可能となっているので、結果前演出が第1態様と第2態様のどちらで実行されるかに遊技者を注目させることができ、結果前演出の興趣を向上できる。特に本実施例では、結果前演出がスローモーションである第2態様にて実行された場合は、結果前演出が第1態様にて実行された場合よりも高い割合で変動表示結果が大当りとなるので、結果前演出が第1態様と第2態様のどちらで実行されるかにより一層遊技者を注目させることができる。
また、本実施例の結果前演出と結果演出とは、どちらもキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sを表示する演出であるので、結果前演出が結果演出に対応した演出であると遊技者が認識し易くできる。尚、本実施例では、結果前演出と結果演出をどちらもキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sを表示する演出とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、結果前演出の演出態様と結果演出の演出態様は全く異なっていてもよいし、また、一部の演出態様のみが同一であってもよい。また、予告演出としては、プッシュボタン31Bの操作に基づいて結果演出を実行する第1パターン〜第3パターンとは異なり、プッシュボタン31Bの操作に基づいて結果演出を実行しない第4パターンを実行可能であるので、遊技に対して意外性を与えて遊技興趣を向上できる。
また、本実施例の結果前演出では、該結果前演出の演出要素としてキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sの3種類の画像を表示することで結果前演出に対する遊技者の注目を高めている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、結果前演出の演出要素としては、2種類以下の画像または4種類以上の画像を表示してもよい。更に、本実施例では、結果前演出の演出要素を演出表示装置5に表示される画像としている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、結果前演出の演出要素としては、スピーカ8L,8Rから出力される音声、演出用LEDの発光等、演出表示装置5に表示される画像以外のものであってもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施例では、結果前演出としてキャラクタAの画像5Aと吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sを結果演出の表示態様に向けて漸次更新表示していく形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図20(A)〜図20(E)に示すように、キャラクタAの画像5Aと吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sのうち、1の画像(図20ではキャラクタAの画像5A)のみを結果演出の表示態様に向けて漸次更新表示していき、他の画像については結果演出の実行時に表示する、つまり、結果演出において表示される画像のうち、一部の画像のみを結果前演出において結果演出の表示態様に向けて漸次更新表示していくようにしてもよい。また、変形例2として図21(A)〜図21(C)に示すように、結果前演出において、一部の画像のみを最初から結果演出での表示態様にて表示し、結果演出において残りの画像を結果演出での表示態様にて表示してもよい。
また、前記実施例では、結果前演出として、キャラクタAの画像5Aと吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sを順に結果演出の表示態様に向けて漸次更新表示していく形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sは、結果前演出として同時に結果演出の表示態様に向けて漸次更新表示していくようにしてもよい。特に、結果前演出としてキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sを同時に結果演出の表示態様に向けて漸次更新表示していく場合は、変形例3として図22(A)〜図22(E)に示すように、これらキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sを結果演出の表示態様(大きさ)に向けて漸次拡大表示していくことによって、時間の経過に応じてキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sが遊技者に認識されやすくなるようにしてもよい。
また、前記実施例では、結果前演出の演出態様と結果演出の演出態様との少なくとも一部が同一である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、結果前演出の演出態様と結果演出の演出態様とは全く異なっていてもよい。具体的には、変形例4として図23(A)〜図23(E)に示すように、結果前演出としてキャラクタAの画像5Aが演出表示装置5の表示画面を通過する演出を実行し、該キャラクタAの画像5Aの表示が終了した後に結果演出として吹き出しの画像5Fとセリフの画像5Sとを表示すればよい。
また、前記実施例では、変動表示中に当該変動表示の変動表示結果が大当りとなることを示唆する予告演出として、結果演出と該結果演出に対応する対応演出として結果前演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、結果演出を実行する変動表示中に、該結果演出に対応しない非対応演出を実行可能としてもよい。特に結果前演出をスローモーションである第2態様にて実行する第3パターンで予告演出を実行する場合には、変形例5として図24(A)〜図24(H)に示すように、結果前演出(図24におけるキャラクタAの画像5A、吹き出しの画像5F、セリフの画像5Sを表示する演出)を第2態様にて実行する一方で、非対応演出(図24におけるキャラクタBの画像を表示する演出)を結果前演出と結果演出にかけて第1態様の結果前演出の速度で実行することによって、結果前演出が第2態様で実行されていることを強調できるようにし、結果前演出が第2態様で実行されていることを遊技者が認識し易いようにしてもよい。尚、結果前演出と結果演出にかけて実行する非対応演出としては、結果前演出が第2態様(スローモーション)で実行されることを強調することができる演出であれば、例えば、演出図柄の変動表示や、保留記憶表示の表示であってもよい。
結果演出を実行する変動表示中に更に非対応演出を実行する場合は、結果演出を含む予告演出よりも前或いは予告演出の後に非対応演出を実行しても良い。このように、結果演出を含む予告演出と非対応演出とを演出期間が重複しないように実行する場合は、後に実行する演出が前の演出において示唆した大当り期待度以上の大当り期待度を示唆することによって、後に実行する演出が前の演出において示唆した大当り期待度よりも低い大当り期待度を示唆することによる遊技興趣の低下を防止するようにしてもよい。また、非対応演出が結果演出よりも大当り期待度の高い演出である場合は、該非対応演出を結果演出の実行後に実行することにより、大当り遊技状態に制御されることへの期待感が低下して遊技興趣が低下してしまうことを防いでもよい。
また、前記実施例では、結果前演出を通常の速度である第1速度、該第1速度の半分の速度である第2速度のいずれかで実行可能であり、結果前演出が第2速度で実行される場合は、結果前演出が第1速度で実行される場合よりも変動表示結果が大当りとなる割合が高い(大当り期待度が高い)形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例6として、結果前演出が第1速度で実行される場合は、結果前演出が第2速度で実行される場合よりも変動表示結果が大当りとなる割合が高い、つまり、結果前演出の実行速度が早い方ほど大当り期待度が高いようにしてもよい。更に、結果前演出の実行速度として第2速度よりも更に演出の実行速度が遅い第3速度を設け、結果前演出が第3速度で実行される場合は、結果前演出が第2速度で実行される場合よりも変動表示結果が大当りとなる割合が高いようにしてもよい。このように、結果前演出の実行速度として第1速度〜第3速度までの3段階の速度を設け、結果前演出がいずれの実行速度で実行されるかによって変動表示結果が大当たりとなる割合が異なるので、結果前演出の実行速度に対する注目を高めることができる。
また、前記実施例では、予告演出が第2パターンまたは第3パターンにて実行が決定されている場合は、プッシュボタン31Bの操作受付中(ボタン操作受付演出の実行中)であればプッシュボタン31Bが操作されたタイミングに関わらず予め決定されている演出パターンに応じた演出態様にて結果前演出が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例7として、プッシュボタン31Bが操作されたタイミングに応じてその後に実行される結果前演出の演出態様が異なっていてもよい。このようにすることで、プッシュボタン31Bが操作されたタイミングに応じて異なる演出態様にて結果前演出が実行されるので、結果前演出に対する注目を高めることができる。
また、前記実施例では、結果演出として1の演出態様のみが実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例8として、結果演出の演出態様を複数設けてもよい。尚、このように結果演出の演出態様を複数設ける場合は、プッシュボタン31Bの操作受付中においてプッシュボタン31Bが操作されたタイミングに応じて結果演出を異なる演出態様で実行してもよい。このようにすることで、プッシュボタン31Bが操作されたタイミングに応じて異なる演出態様にて結果演出が実行されるので、結果演出に対する注目を高めることができる。
また、前記実施例では、予告演出を第2パターンまたは第3パターンにて実行する場合、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて結果前演出を第1態様または第2態様にて実行し、結果演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例9として、結果前演出が第2態様、つまり、第1態様よりも長期間に亘って実行された場合は、結果前演出が第1態様にて実行された場合よりも短い期間にて結果演出を実行してもよい。このようにすることで、予告演出が第2パターンで実行される場合と第3パターンで実行される場合とで予告演出の実行期間の変化幅を少なくし、例えば、結果演出の演出期間がリーチ演出等他の演出期間と重複することにより各演出の興趣が低下すること等を防ぐことができる。
また、前記実施例では、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合のみ予告演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該変動表示の変動パターンが非リーチやノーマルリーチの変動パターンである場合においても予告演出を実行してよいし、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであっても予告演出の非実行を決定する場合を設けてもよい。尚、変形例10として、変動パターンが非リーチやノーマルリーチの変動パターン等、スーパーリーチの変動パターンと比較して特図変動時間が短い変動パターンの変動表示中に予告演出を実行する場合は、結果前演出をスローモーションである第2態様にて実行することにより他の演出パターンよりも演出期間が長くなる第3パターンでの予告演出の実行を制限してもよい。更に、遊技状態が時短状態や確変状態に制御された場合においては、
結果前演出が実行されることによって第1パターンよりも演出期間が長くなる第2パターン〜第4パターンでの予告演出の実行を制限してもよい。
また、前記実施例では、予告演出として、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて結果前演出と結果演出の少なくとも一方が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告演出としては、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて結果前演出と結果演出のどちらも実行されない場合を設けてもよい。また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、予告演出におけるプッシュボタン31Bの操作から結果演出が遅れて実行される形態として、プッシュボタン31Bの操作に基づいて結果前演出を実行した後に結果演出をする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン31Bの操作から結果演出が遅れて実行される形態としては、プッシュボタン31Bの操作から結果演出が実行されるまでの期間を報知するカウントダウン演出や、複数段階のステップを経て結果演出を実行するステップアップ演出を実行してもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、所定の動作を検出可能な動作検出手段(例えば、プッシュボタン31B)と、前記動作検出手段により所定の動作が検出されたこと(例えば、プッシュボタン31Bが操作されたこと)に基づいて所定演出(例えば、結果演出)を実行可能な所定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が予告演出決定処理において予告演出を第1パターン〜第3パターンのいずれかで実行することを決定した後に演出図柄変動中を実行する部分)と、を備え、前記所定演出実行手段は、前記所定演出に対応した対応演出(例えば、結果前演出)を実行した後に前記所定演出を実行する第1パターン(例えば、図13に示す予告演出の第2パターン及び第3パターン)と、前記対応演出を実行することなく前記所定演出を実行する第2パターン(例えば、図13に示す予告演出の第1パターン)とを実行可能であり、さらに、第1位置(例えば、退避位置)と該第1位置とは異なる第2位置(例えば、第1進出位置や第2進出位置)との範囲内において変位可能に設けられた可動体(例えば、演出体90300)と、前記可動体が前記第1位置に位置していることを検出するための位置検出手段(例えば、第1フォトセンサ90203)と、前記可動体の変位を制御する手段であって、前記可動体を複数回に亘って反復変位させる反復変位制御を行うことが可能な変位制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が図52に示す前兆演出を実行する部分)と、を備え、前記変位制御手段は、前記可動体を前記第1位置から反復変位させる前記反復変位制御を行う場合には、該反復変位における少なくとも1回の変位において前記可動体を前記位置検出手段における検出領域外に変位させる(例えば、図50に示すように、前兆演出を演出パターンα〜演出パターンγのいずれかにて実行することによって、少なくとも1回は演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる部分)を備えた遊技機が挙げられる。
この構成によれば、所定の動作が検出されたことによる演出が実行される前に、対応演出が実行される場合があるので、遊技に対して意外性を与えて、遊技興趣を向上できる。また、第1位置の近傍において可動体を反復変位させても、可動体が反復変位を行ったことを検出することができる。
なお、所定演出や対応演出を、演出表示装置による表示演出に代えて、あるいは表示演出に加えて、可動体の動作による動作演出によって行うようにしてもよい。特に、演出表示装置による表示演出に加えて、可動体の動作による動作演出によって行うようにした場合には、演出パターンとして、例えば、演出表示装置による表示演出パターン、可動体の動作による動作演出パターン、演出表示装置による表示演出と可動体の動作による動作演出との複合演出パターンを設定することにより、演出パターンを豊富にすることができ、遊技興趣を向上できる。また、対応演出と所定演出とにおいて各演出パターンを組み合わせる(例えば、対応演出の演出パターンとして表示演出パターン・動作演出パターン・複合演出パターンを設定するとともに、所定演出の演出パターンとして表示演出パターン・動作演出パターン・複合演出パターンを設定し、対応演出と所定演出として各演出パターンを組み合わせる)ことによって、さらに演出パターンを豊富にすることができ、遊技興趣をさらに向上できる。そして、その演出パターンの組合せによって大当り期待度を異ならせる(例えば、対応演出として表示演出パターンが出現した後、所定演出として複合演出パターンが出現したときには、所定演出として表示演出パターンが出現したときよりも大当り期待度を高くする)ようにすれば、演出パターンの組合せによって大当り期待度が変化するので、遊技興趣をさらに向上できる。
さらに、遊技に対して意外性を与えて、遊技興趣を向上でき、また、第1位置の近傍において可動体を反復変位させても、可動体が反復変位を行ったことを検出することができる遊技機の形態の一例として、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、第1位置(例えば、退避位置)と該第1位置とは異なる第2位置(例えば、第1進出位置や第2進出位置)との範囲内において変位可能に設けられた可動体(例えば、演出体90300)と、前記可動体が前記第1位置に位置していることを検出するための位置検出手段(例えば、第1フォトセンサ90203)と、前記可動体の変位を制御する手段であって、前記可動体を複数回に亘って反復変位させる反復変位制御を行うことが可能な変位制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が図52に示す前兆演出を実行する部分)と、を備え、前記変位制御手段は、前記可動体を前記第1位置から反復変位させる前記反復変位制御を行う場合には、該反復変位における少なくとも1回の変位において前記可動体を前記位置検出手段における検出領域外に変位させる(例えば、図50に示すように、前兆演出を演出パターンα〜演出パターンγのいずれかにて実行することによって、少なくとも1回は演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。なお、以下の説明にて、図25の手前側をパチンコ遊技機901の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。なお、この他の形態例を「実施例」「実施の形態」ということがある。なお、この実施例でパチンコ遊技機901の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機901を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS901」と記載する箇所を「S901」と略記する場合がある。また、この実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図25は、この実施例のパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機901(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤902(ゲージ盤)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠903(台枠)とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技盤902の所定位置(図25に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器904Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902の遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器904Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像)との組合せなどであればよい。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置905は、遊技盤902よりも背面側に配設され、該遊技盤902に形成された開口902cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤902における開口902cには枠状のセンター飾り枠9051が設けられている。また、遊技盤902の背面と演出表示装置905との間には、演出ユニット90200(図26参照)が配置されており、該演出ユニット90200には、第1演出体90300Dと該第1演出体上に配置されている第2演出体90300Uとから構成された演出体90300を有している。図26〜図30に示すように、演出ユニット90200は、第1移動用モータ90201、第1フォトセンサ90203、アーム90210及びスライドレール90220を備えている。アーム90210の長手方向における一端部は、第1移動用モータ90201の回転軸に枢支されている。
また、アーム90210の長手方向における他端部には、該アーム90210の長手方向を向く長孔90210aが形成されている。尚、この実施例の第1移動用モータ90201には、該第1移動用モータ90201の回転数を測定可能な第1ロータリーエンコーダ90202が取り付けられている。スライドレール90220は、左下方から右上方に向けて傾斜して配置されており、第1フォトセンサ90203は、スライドレール90220の左方に配置されている。一方、第1演出体90300Dの背面側には、スライドレール90303が取り付けられている。該スライドレール90303は、スライドレール90220に対してもスライド移動可能に取り付けられている。
また、第1演出体90300Dの背面側には突出部90301が突出形成されており、該突出部90301は、アーム90210に形成された長孔90210a内に配置されている。更に、第1演出体90300Dの背面側には、第1フォトセンサ90203によって検出可能な検出子90302が取り付けられている。尚、演出体90300の正面側には演出用LED90207が配置されている。
また、演出用LED90207の背面側には、第2移動用モータ90204と、該第2移動用モータ90204の回転数を測定可能な第2ロータリーエンコーダ90205が設けられている。更に、第1演出体90300Dと第2演出体90300Uとの間には、第2移動用モータ90204の駆動によって第2演出体90300Uを第1演出体90300D上に載置されている載置位置から該載置位置よりも上方である上昇位置(図32(B)参照)に移動させるための図示しない駆動機構が設けられている。尚、第1演出体90300Dの上端部には、該第1演出体90300D上に第2演出体90300Uが載置されていること(第2演出体90300Uが載置位置に位置していること)を検出可能な第2フォトセンサ90206が設けられている。
以上のように演出ユニット90200に対して演出体90300が取り付けられていることによって、演出体90300は、図31、図32(A)及び図32(B)に示すように、第1移動用モータ90201の駆動力によるアーム90210の回動によって、遊技盤902の背面と演出表示装置905との間において演出表示装置905の左下方である退避位置から、該退避位置から演出表示装置905の左右幅方向の略中央部に向けて右上方に離間した第1進出位置と、該第1進出位置から更に演出表示装置905の左右幅方向の略中央部に向けて右上方に離間した第2進出位置と、に移動可能となっている。
退避位置に配置されているときの演出体90300は、センター飾り枠9051等によって外形の大部分が遊技者から隠蔽されているため、遊技者が視認可能な演出体90300の外形の領域が最も少なくなっている。また、第1進出位置に配置されているときの演出体90300は、センター飾り枠9051等によって外形の下端部が遊技者から隠蔽されているため、遊技者が視認可能な演出体90300の外形の領域は退避位置よりも広くなっている。更に、第2進出位置に配置されているときの演出体90300は、センター飾り枠9051等によって隠蔽されている部分が存在しないため、遊技者が視認可能な演出体90300の外形の領域が最も広くなっている。尚、図32(B)に示すように、第2進出位置は演出表示装置905の下部における左右幅方向の略中央部である。また、この実施例における第2進出位置は、第2演出体90300Uを載置位置から上昇位置に向けて移動させるための位置でもある。つまり、この実施例では、第2演出体90300Uが載置位置から上昇位置に移動することによって、演出体90300が第2進出位置に移動したことが遊技者に認識されやすくなっている。
尚、この実施例における演出体90300は、退避位置、第1進出位置及び第2進出位置のそれぞれにおいて停止可能となっており、該停止位置を第1移動用モータ90201のディテントトルクにて保持可能となっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、退避位置、第1進出位置及び第2進出位置のそれぞれにおいて演出体90300を保持可能な支持体を設けてもよい。尚、図28に示すように、この実施例における第1フォトセンサ90203は、演出体90300が退避位置に配置されたときに検出子90302を検出するようになっている。
演出表示装置905の表示領域の左上部には保留記憶表示エリア905Dが設定されており、演出表示装置905の表示領域の右上部には保留記憶表示エリア905Uが設定されている。保留記憶表示エリア905Dでは、第1特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われ、保留記憶表示エリア905Uでは、第2特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
尚、以下の説明では、保留記憶表示エリア905Dや保留記憶表示エリア905Uでの表示を保留表示と総称することがある。図25に示す例では、保留記憶表示エリア905D, 905Uとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。尚、この実施例では、後述する予告演出や前兆演出によって保留記憶表示が演出体90300によって隠蔽されることを防ぐために、演出表示装置905の表示領域の上部に保留記憶表示エリア905D, 905Uを設定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示エリア905D, 905Uは、予告演出や前兆演出における演出体90300によって隠蔽されない場所であれば、演出表示装置905の任意の場所に設定してもよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図26に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、LED制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。
主基板9011は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。
また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081,9082に伝送するソレノイド回路90111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R及び演出用LED909といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板9012は、演出表示装置905の表示動作や、スピーカ908L,908Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED909などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ908L,908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED909などの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの配置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ9035Bが設けられていればよい。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。図33は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図33に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O90105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。主基板9011では、図34に示す特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR4´の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路90104にてカウントしない乱数値については、CPU90103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図35は、この実施例の変動パターンを示している。この実施例では、図35に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図35に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。尚、この実施例では、前述したようにスーパーリーチγ、スーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。尚、スーパーリーチγのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンは、リーチ演出が実行される前に演出図柄が一旦仮停止された後に再変動する擬似連演出を実行する変動パターンでもある。
図26に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図35に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図36は、ROM90101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1´と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、この実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(この実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(この実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。尚、ROM90101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3´に基づいて変動パターンを、前述した図35に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図37(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図37(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図37(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。また、ROM90101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
図26に示すRAM90102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部と、を備えている。
図26に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。尚、演出制御基板9012の側でも、主基板9011と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
また、ROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施例では、始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)が設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)等のコマンドが1セットとして、主基板9011から演出制御基板9012へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
次に、この実施例のパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図示しない遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S9011)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S9012)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S9013)。次に、乱数値MR1´〜MR4´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9014)。この後、図38に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S9015)。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器9020での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S9016)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S9017)。図38は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。その後、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9029の処理のいずれかを選択して実行する。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、図39に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU90120は、まず、コマンド解析処理を行う(S9054)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図27参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU90120は、スイッチ処理を行う(S9055)。スイッチ処理では、プッシュセンサ9035Bから入力される信号であって、プッシュボタン9031Bが操作されたか否かを特定可能な検出信号の状態を判定する。尚、この実施例におけるプッシュボタン9031Bの検出信号は、図40に示すように、プッシュボタン9031Bの操作(押下操作)が開始された時点でのみONとなる信号であり、プッシュボタン9031Bの操作開始後は、新たにプッシュボタン9031Bが操作されるまでプッシュボタン9031Bの検出信号がONとなることはない。このため、後述する予告演出においてプッシュボタン9031Bが遊技者によって連打される際には、遊技者がプッシュボタン9031Bを継続操作(長押し)すること等によって1回のプッシュボタン9031Bの操作が複数回の操作であると判定されてしまうことが防止されている。また、プッシュボタン9031Bの検出信号はプッシュボタン9031Bの操作が開始された時点でのみONとなるので、演出制御用CPU90120は、プッシュボタン9031Bが操作された回数をプッシュボタン9031Bの検出信号がONとなった回数に基づいて正確にカウントすることができる。
スイッチ処理の実行後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9056)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。次いで、エラー報知処理(S9057)や大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S9056)、その後、S9052に移行する。尚、この実施例のエラー報知処理は、後述する前兆演出が演出パターンαまたは演出パターンβにて実行される場合に、演出開始位置である退避位置に演出体90300が位置していないことを報知するための処理である。
図41は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S9056)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の保留記憶表示エリア905Dでの保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S9072)。その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9079のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置905において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
図42は、図41に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S9074)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90120は、まず、S90271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S90271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は、始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S90272)。尚、バッファ番号「1−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
また、S90271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S90273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は、始動入賞時受信コマンドバッファにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S90274)。尚、バッファ番号「2−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
S90272またはS90274の実行後、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S90275)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S90276)。この場合、演出制御用CPU90120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU90120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU90120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU90120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU90120は、図43に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S90277)。尚、この実施例では、予告演出決定処理において、後述するように演出体90300が退避位置から第1進出位置や第2進出位置に移動する移動演出のみを決定しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、移動演出以外の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしてもよい。
この実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU90120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S90291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板9011から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。
そして、演出制御用CPU90120は、S90291において特定した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S90292)。S90291において特定した変動パターンがノーマルリーチや非リーチの変動パターンである場合は予告演出決定処理を終了し、S90291において特定した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合は、予告演出実行決定用乱数を抽出するとともに、図示しない予告演出実行決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無を決定する(S90293)。
尚、この実施例では、予告演出実行決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出実行決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出実行決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出実行決定用乱数を生成するための予告演出実行決定用乱数カウンタがRAM90122に設定されており、該予告演出実行決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
尚、この実施例におけるS90293においては、図44に示すように、変動表示結果が大当りである場合とはずれである場合とで異なる割合にて予告演出の実行を決定する。具体的には、図44に示すように、変動表示結果が大当りである場合は、90%の割合で予告演出の実行を決定し、10%の割合で予告演出の非実行を決定する。また、変動表示結果がはずれである場合は、20%の割合で予告演出の実行を決定し、80%の割合で予告演出の非実行を決定する。
そして、演出制御用CPU90120は、S90293において予告演出の実行を決定したか否かを判定する(S90294)。S90293において予告演出の非実行を決定した場合は予告演出決定処理を終了し、S90293において予告演出の実行を決定した場合は、更に、当該変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S90295)。変動表示結果が大当りである場合は、予告演出の演出パターンを第1演出パターンに決定して該第1演出パターンに決定した旨を記憶し(S90296)、変動表示結果がはずれである場合は、予告演出の演出パターンを第2演出パターンに決定して該第2演出パターンに決定した旨を記憶する(S90297)。
図45に示すように予告演出の第1演出パターンとは、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201を予め定められた量駆動することによって演出体90300を退避位置から第1進出位置に向けて移動させることを繰り返し、最終的には、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打によって演出体90300を第1進出位置に位置させる演出パターンである。また、第1演出パターンは、演出表示装置905に演出体90300の位置に応じたエフェクト画像を表示する演出パターンでもある。一方、予告演出の第2演出パターンとは、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201を予め定められた量駆動することによって演出体90300を退避位置から第2進出位置に向けて移動させることを繰り返し、最終的には、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打によって演出体90300を第2進出位置に位置させ、更に第2演出体90300Uを載置位置から上昇位置に移動させる演出パターンである。また、第2演出パターンは、演出表示装置905に演出体90300の位置に応じたエフェクト画像を表示する演出パターンでもある。
尚、この実施例の予告演出は、図48に示すように、後述する前兆演出とともにリーチ演出の実行期間中に実行される演出である。つまり、この実施例における第1演出パターンは、変動表示結果が大当りであることをスーパーリーチのリーチ演出中に報知する演出パターン(所謂確定演出の演出パターン)であり、第2演出パターンは、変動表示結果がはずれであることをスーパーリーチのリーチ演出中に報知する演出パターンであるが、この発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が大当りである場合に第2演出パターンを第1演出パターンよりも低い割合で決定したり、変動表示結果がはずれである場合に第1演出パターンを第2演出パターンよりも低い割合で決定することによって、第1演出パターンを変動表示結果が大当りとなることを示唆する演出パターンとしてもよい。
また、図49に示すように、予告演出において演出体90300がプッシュボタン9031Bの1回目の操作に応じた第1移動用モータ90201の駆動によって退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて移動する移動距離L2は、演出体90300が退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて移動することで演出体90300(より正確には検出子90302)が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に脱するまでの距離L1よりも長距離となっている。つまり、演出体90300は、予告演出におけるプッシュボタン9031Bの1回目の操作に応じて必ず退避位置から第1フォトセンサ90203の検出範囲外まで移動する。
そして、演出体90300は、予告演出におけるプッシュボタン9031Bの2回目以降の操作では、第1進出位置や第2進出位置に向けて距離L3−1、距離L3−2、距離L3−3・・・距離L3−n(nは任意の自然数)移動する。尚、距離L3−1、距離L3−2、距離L3−3・・・距離L3−nは、全て前述した距離L1よりも短い距離である。更に、予告演出における演出体90300は、図27〜図30に示すように、第1移動用モータ90201の回転駆動により第1移動用モータ90201の上方の退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて直線状に移動する。このため、第1移動用モータ90201の単位回転駆動量あたりの演出体90300の移動距離は、演出体90300が第1進出位置または第2進出位置に近づくにつれて短くなっていく。つまり、この実施例の予告演出においては、プッシュボタン9031Bの1回目の操作に応じた演出体90300の移動距離L2が最も長く、以降の演出体90300の第1進出位置または第2進出位置に向けての移動距離は、プッシュボタン9031Bが操作される毎に短くなっていく(L2>L1>L3−1>L3−2>L3−3>・・・>L3−n)。
図42に戻り、演出制御用CPU90120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出の実行が決定されているか否かを判定する(S90278)。予告演出実行決定フラグがセットされている場合は、予告演出開始待ちタイマに予告演出開始時までの期間に応じた値をセットするとともに、予告演出実行決定フラグをクリアしてS90281にすすみ(S90279,S90280)、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合は、S90279及びS90280を実行せずにS90281に進む。
S90281において演出制御用CPU90120は、予告演出を実行することを示唆する演出である前兆演出を実行するか否かを決定する前兆演出決定処理を実行する。
前兆演出決定処理において、演出制御用CPU90120は、図46に示すように、先ず、前兆演出の実行・非実行を特定する(S90501)。そして、当該変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S90503)。当該変動表示結果が大当りである場合は、前兆演出実行決定用乱数を抽出し、図示しない大当り用の前兆演出実行決定用テーブルを用いて前兆演出の実行の有無と演出パターンを決定する(S90504)。また、当該変動表示結果がはずれである場合は、前兆演出実行決定用乱数を抽出し、図示しないはずれ用の前兆演出実行決定用テーブルを用いて前兆演出の実行の有無と演出パターンを決定する(S90505)。
尚、この実施例では、前兆演出実行決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、前兆演出実行決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆演出実行決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら前兆演出実行決定用乱数を生成するための前兆演出実行決定用乱数カウンタがRAM90122に設定されており、該前兆演出実行決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
この実施例におけるS90504及びS90505においては、図47(A)及び図47(B)に示すように、予告演出を実行するか否かに基づいて、異なる割合で前兆演出の実行・非実行及び演出パターンを決定する。
具体的には、図47(A)に示すように、変動表示結果が大当りである場合、予告演出の実行が決定されていれば、0%の割合で前兆演出の非実行を決定し、10%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、20%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、70%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。一方で、予告演出の非実行が決定されていれば、10%の割合で前兆演出の非実行を決定し、15%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、25%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、50%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。
また、図47(B)に示すように、変動表示結果がはずれである場合、予告演出の実行が決定されていれば、0%の割合で前兆演出の非実行を決定し、80%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、15%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、5%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。一方で、予告演出の非実行が決定されていれば、80%の割合で前兆演出の非実行を決定し、15%の割合で前兆演出を演出パターンαで実行することを決定し、5%の割合で前兆演出を演出パターンβで実行することを決定し、0%の割合で前兆演出を演出パターンγで実行することを決定する。
このように、前兆演出の実行・非実行及び前兆演出の演出パターンを決定することで、予告演出を実行することが決定されている場合は、必ず前兆演出が実行される。また、変動表示結果が大当りである場合とはずれである場合とで前兆演出実行・非実行及び前兆演出の演出パターンの決定割合を異ならせることで、前兆演出が演出パターンγで実行される場合が最も変動表示結果が大当りとなる割合が高く設定され、次いで前兆演出が演出パターンβで実行される場合、前兆演出が演出パターンαで実行される場合、前兆演出が実行されない場合(非実行)の順に変動表示結果が大当りとなる割合を高く設定することができる。
尚、図50(A)に示すように、前兆演出の演出パターンαは、退避位置に配置されている演出体90300を、第1移動用モータ90201の駆動によって退避位置と第1フォトセンサ90203の検出範囲内(検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出される範囲内)の所定位置との間で複数回往復移動させた後、演出体90300を退避位置から第1フォトセンサ90203の検出範囲外(検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出される範囲外)の所定位置との間で1回往復移動させる演出パターンである。つまり、前兆演出の演出パターンαは、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲内で複数回往復移動させた後に、一旦第1フォトセンサ90203の検出範囲外の位置に移動させてから第1フォトセンサ90203の検出範囲内である退避位置まで戻す演出パターンである。
また、図50(B)に示すように、前兆演出の演出パターンβは、退避位置に配置されている演出体90300を、第1移動用モータ90201の駆動によって第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に移動させた後、該第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置と第1フォトセンサ90203の検出範囲内の所定位置との間で複数回往復移動させる。そして、最後に、第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に配置されている演出体90300を退避位置に移動させる演出パターンである。つまり、前兆演出の演出パターンβは、演出体90300の全ての往復移動において第1フォトセンサ90203の検出範囲内の位置と検出範囲外の位置との間を移動する演出パターンである。
また、図50(C)に示すように、前兆演出の演出パターンγは、退避位置に配置されている演出体90300を第1移動用モータ90201の駆動によって第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に移動させた後、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外において複数回往復移動させる。そして、最後に、第1フォトセンサ90203の検出範囲外の所定位置に配置されている演出体90300を退避位置に移動させる演出パターンである。つまり、前兆演出の演出パターンγは、演出体90300の最初の退避位置から第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動と最後の第1フォトセンサ90203の検出範囲外から退避位置への移動以外は、第1フォトセンサ90203の検出範囲外において演出体90300の往復移動を繰り返し行う演出パターンである。
S90504またはS90505の実行後、演出制御用CPU90120は、S90504またはS90505において前兆演出の実行を決定したか否かを判定する。前兆演出の実行を決定している場合は前兆演出実行決定フラグをセットして前兆演出決定処理を終了し(S90507)、前兆演出の実行を決定していない場合(前兆演出の非実行を決定した場合)は、S90507を実行せずに前兆演出決定処理を終了する。
図42に戻って、演出制御用CPU90120は、前兆演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、前兆演出の実行が決定されているか否かを判定する(S90282)。前兆演出実行決定フラグがセットされている場合は、前兆演出開始待ちタイマに前兆演出開始時までの期間に応じた値をセットするとともに前兆演出実行決定フラグをクリアしてS90285に進む(S90283,S90284)。尚、前兆演出実行決定フラグがセットされていない場合は、S90283及びS90284を実行せずにS90285に進む。
S90285において演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S90286)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン9031Bの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R、操作部(プッシュボタン9031B等))の制御を実行する(S90287)。例えば、演出表示装置905において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板9014に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板9013に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S90288)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S90289)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU90120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部90123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置905に出力し、演出表示装置905が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値にする(S90290)。
図51は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S9075)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S90301,S90302,S90303)。また、演出制御用CPU90120は、前兆演出開始待ちタイマまたは前兆演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、前兆演出の実行が決定されているか、前兆演出の実行中であるかを判定する(S90304)。前兆演出開始待ちタイマまたは前兆演出実行中フラグがセットされている場合は前兆演出処理を実行してS90306に進み(S90305)、前兆演出開始待ちタイマと前兆演出実行中フラグとがセットされていない場合にはS90305の前兆演出処理を実行せずにS90306に進む。
S90306において演出制御用CPU90120は、予告演出開始待ちタイマまたは予告演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出の実行が決定されているか、予告演出の実行中であるかを判定する。予告演出開始待ちタイマまたは予告演出実行中フラグがセットされている場合は予告演出処理を実行してS90308に進み(S90307)、予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合はS90307の予告演出処理を実行せずにS90308に進む。
S90308において演出制御用CPU90120は、予告演出終了フラグがセットされているか否か、つまり、既に予告演出が終了したか否かを判定する。予告演出終了フラグがセットされている場合は演出体退避処理を実行してS90310に進み(S90309)、予告演出終了フラグがセットされていない場合はS90309の演出体退避処理を実行せずにS90310に進む。
S90310において演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S90311)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90312)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90313)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90314)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S90315)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には、演出制御用CPU90120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S90316)。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部90123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置905に出力する。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットしてS90318に進む(S90317)。尚、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合は、S90316及びS90317を実行せずにS90318に進む。
S90318において演出制御用CPU90120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S90318)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新して演出図柄変動中処理を終了する(S90320)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S90319でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新する(S90315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S90310の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図52は、前兆演出処理の一例を示すフローチャートである。前兆演出処理において、演出制御用CPU90120は、先ず、前兆演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S90321)。前兆演出実行中フラグがセットされていない場合は、前兆演出開始待ちタイマの値を−1し(S90322)、前兆演出開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90323)。前兆演出開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合は前兆演出処理を終了し、前兆演出開始待ちタイマがタイマアウトした場合は、更に前兆演出の演出パターンが演出パターンγであるか否かを判定する(S90324)。前兆演出の演出パターンが演出パターンαまたは演出パターンβである場合は、第1フォトセンサ90203がONであるか否か、つまり、演出体90300が退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているか否かを判定する(S90325)。第1フォトセンサ90203がONでない場合、つまり、演出体90300が既に第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合は、前兆演出を演出パターンαまたは演出パターンβにて実行する際に演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置していないことを示す位置エラー報知フラグをセットして前兆演出処理を終了する(S90326)。尚、位置エラー報知フラグがセットされている場合、演出制御用CPU90120は、前述したエラー報知処理(図39参照)を実行することによって演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置していない旨のエラー報知を実行する。
S90324において演出パターンがγである場合や、S90325において第1フォトセンサがONである場合は、前兆演出実行中フラグをセットする(S90327)。そして、演出制御用CPU90120は、前兆演出期間タイマに前兆演出の期間に応じた値をセットし(S90328)、前兆演出の演出パターンに応じた前兆演出用のプロセステーブルを選択する(S90329)。そして、選択した前兆演出用のプロセステーブルのプロセスデータ1における前兆演出プロセスタイマをスタートさせる(S90330)。
尚、前兆演出用のプロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、前兆演出用のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R)の制御を実行して前兆演出処理を終了する(S90331)。例えば、演出表示装置905において演出パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板9014に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板9013に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
このように前兆演出処理では、S90324〜S90331に示すように、前兆演出が演出体90300の各往復動作の一部が必ず第1フォトセンサ90203の検出範囲内で実行される演出パターンである演出パターンαまたは演出パターンβにて実行されることが決定されている場合は、前兆演出の開始時における演出体90300の位置が第1フォトセンサ90203の検出範囲内(より正確には退避位置)でなければ演出体90300の各往復動作において演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内を移動しない虞があるため、前兆演出の実行を中止する。一方で、前兆演出が演出体90300の最初と最後の移動以外の往復動作が第1フォトセンサ90203の検出範囲外で実行される演出パターンである演出パターンγにて実行されることが決定されている場合は、既に演出体90300が往復動作の実行される予定地点である第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置しているため、前兆演出を実行するようになっている。
尚、この実施例では、前兆演出が演出パターンγで実行されることが決定されている場合、前兆演出開始時の演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合であっても前兆演出を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、前兆演出が演出パターンγで実行されることが決定されている場合であっても、前兆演出開始時の演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合は前兆演出の実行を中止してもよい。
また、S90321において前兆演出実行中フラグがセットされている場合、演出制御用CPU90120は、前兆演出プロセスタイマと前兆演出期間タイマの値を−1し(S90332,S90333)、前兆演出期間タイマがタイマアウト下か否かを判定する。前兆演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、更に前兆演出プロセスタイマがタイマあうとしたか否かを判定する(S90335)。前兆演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、前兆演出プロセスデータの切り替えを行う(S90336)。即ち、前兆演出用のプロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を前兆演出プロセスタイマに設定することによって次の前兆演出プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90337)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90338a)。一方、前兆演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、前兆演出プロセスタイマに対応する前兆演出プロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90338b)。
S90338aまたはS90338bの実行後、演出制御用CPU90120は、前兆演出プロセスデータ等から演出体90300の第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動期間中であるか否かを判定する(S90340)。演出体90300の第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動期間中でない場合は前兆演出処理を終了し、演出体90300の第1フォトセンサ90203の検出範囲外への移動期間中である場合は、第1フォトセンサ90203がONであるか否か、つまり、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているか否かを判定する(S90341)。第1フォトセンサ90203がOFFである、つまり、演出体90300が既に第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置している場合は前兆演出処理を終了し、第1フォトセンサ90203がONである場合は、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に向けて移動させるために第1移動用モータ90201を正転駆動させる第1移動用モータ正転駆動処理を実行して前兆演出処理を終了する(S90342)。
尚、S90334において前兆演出期間タイマがタイマアウトしている場合は、前兆演出実行中フラグをクリアして前兆演出処理を終了する(S90343)。
図53及び図54は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU90120は、先ず、位置エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する(S90351)。位置エラー報知フラグがセットされている場合は予告演出処理を終了し、位置エラー報知フラグがセットされていない場合は、予告演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S90352)。
予告演出実行中フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU90120は、予告演出開始待ちタイマの値を−1し(S90353)、予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90354)。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合は予告演出処理を終了し、予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしている場合は予告演出実行中フラグをセットし(S90355)、予告演出期間タイマに予告演出期間に応じた値をセットする(S90356)。
そして、演出制御用CPU90120は、予告演出の演出パターンに応じた予告演出のプロセステーブルを選択し(S90357)、第1移動用モータ90201が駆動(回動)した量を示す第1回動量カウンタの値を0にセットする(S90359)。また、S90357において選択した予告演出用のプロセステーブルのプロセスデータ1における予告演出プロセスタイマをスタートさせる(S90360)。
尚、前兆演出用のプロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU90120は、予告演出用のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R)の制御を実行して前兆演出処理を終了する(S90361)。例えば、演出表示装置905において演出パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板9014に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
一方、S90352において予告演出実行中フラグがセットされている場合、演出制御用CPU90120は、予告演出プロセスタイマの値と予告演出期間タイマの値を−1し(S90362,S90363)、予告演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90364)。予告演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、更に予告演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90365)。予告演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、予告演出プロセスデータの切り替えを行う(S90366)。即ち、予告演出用のプロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を予告演出プロセスタイマに設定することによって次の予告演出プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90367)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90368a)。一方、予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、予告演出プロセスタイマに対応する予告演出プロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90368b)。
S90368aまたはS90368bの実行後、演出制御用CPU90120は、第2移動用モータ90204が駆動中であることを示す第2移動用モータ駆動中フラグがセットされているか否かを判定する(S90369)。第2移動用モータ駆動中フラグがセットされている場合はS90391に進み、第2移動用モータ駆動中フラグがセットされていない場合は、更にプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201が駆動中であることを示す第1移動用モータ駆動中フラグがセットされているか否かを判定する(S90370)。第1移動用モータ駆動中フラグがセットされている場合はS90381に進む。また、第1移動用モータ駆動中フラグがセットされていない場合、つまり、第1移動用モータ90201が駆動していない場合、演出制御用CPU90120は、更にプッシュボタン9031Bの操作検出有りか否か、つまり、プッシュボタン9031Bが押下操作された時点において出力されたプッシュボタン検出信号を受信しているか否かを判定する(S90371)。プッシュボタン9031Bの操作検出が無い場合は、予告演出処理を終了し、プッシュボタン9031Bの操作検出が有る場合は、既に演出体90300が第1進出位置または第2進出位置への移動が終了していることを示す第1移動用モータ駆動終了フラグがセットされているか否かを判定する(S90372)。
第1移動用モータ駆動終了フラグがセットされている場合は予告演出処理を終了し、第1移動用モータ駆動終了フラグがセットされていない場合は、第1移動用モータ駆動中フラグをセットしてS90381に進む。
尚、S90364において予告演出期間タイマがタイマアウトした場合は、予告演出実行中フラグをクリアするとともに(S90376)、予告演出が終了したことを示す予告演出終了フラグをセットして予告演出処理を終了する。
S90381において演出制御用CPU90120は、演出体90300を第1進出位置または第2進出位置に向けて移動させるために第1移動用モータ90201を正転駆動させる第1移動用モータ正転駆動処理を実行する。そして、第1ロータリーエンコーダ90202から第1移動用モータ90201の回動量(駆動量)を特定し(S90382a)、第1移動用モータ90201がプッシュボタン9031Bの操作に応じた量を回動済みであるか否かを判定する(S90383)。第1移動用モータ90201がプッシュボタン9031Bの操作に応じた量を回動済みでない場合は予告演出処理を終了し、第1移動用モータ90201がプッシュボタン9031Bの操作に応じた量を回動済みである場合は、第1移動用モータ駆動中フラグをクリアする(S90384)。
そして、演出制御用CPU90120は、S90382において特定した第1移動用モータ90201の回動量を第1回動量カウンタに加算する(S90386a)。また、演出制御用CPU90120は、第1回動量カウンタの値から演出体90300の位置を特定し、該特定した位置に応じて演出表示装置905の表示及び演出用LED90207の発光色を更新する(S90386b)。S90386bにおいては、例えば、演出体90300の位置が第1進出位置や第2進出位置に近接していくことに応じて、演出表示装置905に表示しているエフェクトの色や演出用LED90207の発光色を青→緑→赤等の順に更新していけばよい。
そして、演出制御用CPU90120は、第1回動量カウンタの値が実行中の演出パターンの進出位置に応じた値となったか否か、つまり、演出体90300が演出パターンに応じた進出位置に到達したか否かを判定する(S90387)。第1回動量カウンタの値が実行中の演出パターンの進出位置に応じた値となっていない場合は予告演出処理を終了し、第1回動量カウンタの値が実行中の演出パターンの進出位置に応じた値となった場合は、実行中の予告演出における第1移動用モータ90201の全ての駆動を終了したことを示す第1移動用モータ駆動終了フラグをセットする(S90388a)。次いで、実行中の予告演出の演出パターンが第2演出パターンであるか否かを判定する(S90388b)。実行中の予告演出の演出パターンが第1演出パターンである場合は予告演出処理を終了し、実行中の予告演出の演出パターンが第2演出パターンである場合は、第2移動用モータ90204の駆動中であることを示す第2移動用モータ駆動中フラグをセットする(S90389)。
また、演出制御用CPU90120は、第2演出体90300Uを載置位置から上昇位置に向けて移動させるために第2移動用モータ90204を正転駆動させる第2移動用モータ正転駆動処理を実行する(S90391)。そして、演出制御用CPU90120は、第2フォトセンサ90206がONであるか否か、つまり、第2演出体90300Uが第2フォトセンサ90206の検出範囲内に位置しているか否かを判定する(S90392)。第2フォトセンサ90206がONである場合は予告演出処理を終了し、第2フォトセンサ90206がOFFである場合は、第2移動用モータ駆動中フラグをクリアして予告演出処理を終了する(S90395)。
図55及び図56は、演出体退避処理の一例を示すフローチャートである。演出体退避処理において、演出制御用CPU90120は、先ず、後述する第3退避動作完了フラグがセットされているか否かを判定する(S90401)。第3退避動作完了フラグがセットされていない場合は、更に後述する第2退避動作完了フラグがセットされているか否かを判定する(S90402)。第2退避動作完了フラグがセットされていない場合は、更に、実行した予告演出の演出パターンが第2演出パターンであるか否かを判定する(S90403)。
実行した予告演出の演出パターンが第2演出パターンである場合、演出制御用CPU90120は、更に、第2フォトセンサ90206がONであるか否かを判定する(S90404a)。第2フォトセンサ90206がOFFである場合は、第2演出体90300Uを載置位置に向けて移動させるために第2移動用モータ90204を逆転駆動させる第2移動用モータ逆転駆動処理を実行して演出体退避処理を終了する(S90405)。
S90403において実行した予告演出の演出パターンが第1演出パターンである場合、つまり、既に第2演出体90300Uが載置位置に位置している場合、もしくは、S90404において第2フォトセンサ90206がONである場合、演出制御用CPU90120は、後述する第1退避動作完了フラグがセットされているか否かを判定する(S90406)。第1退避動作完了フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU90120は、第1退避動作処理としての第1移動用モータ正転駆動処理を実行することで、予告演出が終了して第1進出位置または第2進出位置に位置している演出体90300を、第1退避動作として更に右上方に向けて移動させる(S90409)。
そして、演出制御用CPU90120は、第1ロータリーエンコーダ90202から第1移動用モータ90201の回動量(駆動量)を特定するとともに(S90410)、S90410において特定した第1移動用モータ90201の回動量を第1回動量カウンタに加算し(S90411)、第1回動量カウンタの値が第1退避動作に応じた値となったか否か、つまり、予告演出終了後の演出体90300が第1進出位置または第2進出位置から退避位置から離間する方向である右上方に向けて所定距離移動したか否かを判定する(S90412)。第1回動量カウンタの値が第1退避動作に応じた値となっていない場合は演出体退避処理を終了し、第1回動量カウンタの値が第1退避動作に応じた値となった場合は、予告演出が終了して第1進出位置または第2進出位置に位置している演出体90300の右上方に向けての移動が完了したことを示す第1退避動作完了フラグをセットして演出体退避処理を終了する(S90413)。
一方、S90406において第1退避動作完了フラグがセットされていると判定した場合、演出制御用CPU90120は、第2退避動作処理として第1移動用モータ90201を逆転駆動させるための第1移動用モータ逆転駆動処理を実行することで、演出体90300を退避位置に向けて移動させる(S90414)。そして、演出制御用CPU90120は、第1フォトセンサ90203がONとなっているか否か、つまり、演出体90300が退避位置を含む位置である検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出される範囲内(第1フォトセンサ検出範囲内)まで移動したか否かを判定する(S90415)。第1フォトセンサ90203がOFFとなっている場合は演出体退避処理を終了し、第1フォトセンサ90203がONとなっている場合は、演出体90300の退避位置に向けての移動が完了したことを示す第2退避動作完了フラグをセットして演出体退避処理を終了する。
また、S90402において第2退避動作完了フラグがセットされていると判定した場合、演出制御用CPU90120は、第3退避動作処理として第2移動用モータ90204を正転駆動させる第2移動用モータ正転駆動処理を実行することで、第2演出体90300Uを第3退避動作として一旦上昇位置に向けて所定距離移動させる(S90419)。
そして、演出制御用CPU90120は、第2フォトセンサ90206がONであるか否か、つまり、第2フォトセンサ90206の検出範囲内に第2演出体90300Uが位置しているか否かを判定する(S90420)。第2フォトセンサ90206がONである場合は演出体退避処理を終了し、第2フォトセンサ90206がOFFである場合は、予告演出の終了後に第1フォトセンサ90203の検出範囲内まで戻ってきた演出体90300において、載置位置に位置していた第2演出体90300Uの上昇位置に向けての移動が完了したことを示す第3退避動作完了フラグをセットして演出体退避処理を終了する(S90421)。
また、S90401において第3退避動作完了フラグがセットされていると判定した場合、演出制御用CPU90120は、第2フォトセンサ90206がONとなっているか否か、つまり、第3退避動作において上昇位置に向けて移動した第2演出体90300Uが再び載置位置まで移動したか否かを判定する(S90424)。第2フォトセンサ90206がOFFとなっている場合は、第4退避動作処理として第2移動用モータ90204を逆転駆動させる第2移動用モータ逆転駆動処理を実行することで、第2演出体90300Uを第4退避動作として再び載置位置に向けて移動させ、演出体退避処理を終了する(S90425)。また、S90424において第2フォトセンサがONとなっている場合は、第2演出体90300Uが再び載置位置に位置したこと、つまり、第4退避動作が終了したことに基づいて予告演出終了フラグ、第1退避動作完了フラグ、第2退避動作完了フラグ、第3退避動作完了フラグをクリアして演出体退避処理を終了する(S90426)。
次に、この実施例における前兆演出及び予告演出の実行時における演出体90300の動作態様及び演出表示装置905の表示態様について図57〜図59に基づいて説明する。先ず、スーパーリーチの変動パターンにおける変動表示において「左」と「右」の各演出図柄表示エリア905L,905Rに同一の演出図柄停止が停止してリーチ状態となると、図57(A)及び図57(B)に示すように、演出体90300が退避位置と第1進出位置との間で往復移動を繰り返す前兆演出が実行される場合がある。
予告演出の実行が決定されている場合は、図57(C)に示すように、前兆演出の終了後に演出表示装置905に遊技者に対してプッシュボタン9031Bの連打を指示する旨の画像と、予告演出の実行中における演出体90300の退避位置からの移動距離を示すメータ905Mの画像が表示され、予告演出が開始される。一方で、予告演出の実行が決定されていない場合は、図57(D)に示すように、前兆演出の終了後に演出表示装置905に遊技者に対してプッシュボタン9031Bの連打を指示する旨の画像やメータ905Mの画像が表示されることがない。
また、予告演出の開始後は、図58(E)〜図58(H)に示すように、遊技者がプッシュボタン9031Bを操作する毎に演出体90300が退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて右上方に向けて移動を繰り返す。このとき、メータ905Mの画像は、演出体90300が第2進出位置に向けて移動する毎に更新されていく(例えば、メータ905Mの表示量がMAXに向けて増加していく)。また、演出表示装置905には、演出体90300に重複するようにエフェクト905Eが画像(この実施例では図58(F)及び図58(G)に示す演出体90300を中心とした渦状のエフェクト画像)が表示される。該エフェクト905Eの画像は、演出体90300が第2進出位置に向けて移動する毎に演出体90300の移動に対応する位置に移動するとともに、漸次大きく表示されていく。更に、演出用LED90207の発光色は、演出体90300の移動に応じて(演出体90300が第2進出位置に近接していくことに応じて)青→緑→赤等の順に更新されていく。このようにこの実施例では、演出表示装置905に表示されているメータ905Mの画像やエフェクト905Eの画像、演出用LED90207の発光色によって予告演出中における演出体90300の位置を遊技者が容易に認識することが可能となっている。
そして、予告演出の演出パターンが第1演出パターンに決定されている場合は、図58(F)に示すように、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打に応じて演出体90300が第1進出位置まで到達する。一方、予告演出の演出パターンが第2演出パターンに決定されている場合は、図58(G)に示すように、遊技者のプッシュボタン9031Bの連打に応じて演出体90300が第2位置まで到達する。更に、演出体90300が第2位置に到達した場合には、第2演出体90300Uが載置位置から上昇位置に向けて移動する(第2演出体90300Uが第1演出体90300Dから離間する)。つまり、この実施例では、第2演出体90300Uが載置位置から上昇位置に移動することによって、演出体90300が第2進出位置に到達したことを遊技者が容易に認識可能となっている。
また、予告演出を第2演出パターンにて実行した場合は、図59(J)及び図59(K)に示すように、予告演出の終了後、先ず、第2演出体90300Uが上昇位置から載置位置に移動する。そして、予告演出を第1演出パターンにて実行した場合、または、第2演出体90300Uの載置位置への移動が完了した後は、図59(L)及び図59(M)に示すように、第1退避動作として演出体90300が各進出位置(第1進出位置または第2進出位置)から右上方に向けて所定距離更に移動した後、第2退避動作として退避位置に向けて移動を開始する。
次いで、図59(N)に示すように、演出体90300が退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内への移動が完了すると、第3退避動作として載置位置に位置している第2演出体90300Uが上昇位置に向けて移動する。そして、第2演出体90300Uが上昇位置に向けて所定距離移動したことに基づいて第3退避動作が完了した後は、第4退避動作として再び第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動する。第2演出体90300Uの載置位置への移動が完了することによって、予告演出の実行に基づいた演出体90300の全ての退避動作が完了する。尚、このように演出体90300の全ての退避動作が完了した後は、演出図柄の大当りまたははずれを示す組み合わせで導出表示される。
以上、この実施例におけるパチンコ遊技機901にあっては、演出体90300を退避位置と第2進出位置との間において移動可能に設け、演出制御用CPU90120は、予告演出においてプッシュボタン9031Bの1回目の操作に基づいて演出体90300を第1進出位置または第2進出位置に向けて距離L2移動させることにより、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に停止させる一方で、予告演出においてプッシュボタン9031Bの2回目以降の操作に基づいて演出体90300を第1進出位置または第2進出位置に向けて距離L2よりも短い距離である距離L3−n移動させるので、センサ等により演出体90300を監視しなくても、演出体90300を適切に移動させることができる。
また、演出体90300が移動する距離L2は距離L3−nよりも長い距離であり、演出体90300は、予告演出におけるプッシュボタン9031Bの1回目の操作に基づいて距離L2を移動するので、予告演出において演出体90300が最初に移動するときの移動距離が長くなるので、演出体90300が移動したことを遊技者が認識し易くなる。
また、距離L2は、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動するための距離であるので、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内である退避位置からの移動後において第1フォトセンサ90203によって演出体90300が未だ第1進出位置や第2進出位置に向けて移動していないと判定されてしまう等の演出体90300が検出されることによる不都合の発生を防止できる。
また、図53及び図54に示す予告演出処理においては、プッシュボタン9031Bの操作が検出されて第1移動用モータ90201の正転駆動が開始される(演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての距離L2または距離L3−nの移動が開始される)と、該第1移動用モータ90201の正転駆動が終了するまでは更にプッシュボタン9031Bの操作が検出されても新たに第1移動用モータ90201の正転駆動が開始されることがないので、演出体90300が不適切に移動してしまうことを防ぐことができる。
また、図40に示すように、この実施例では、プッシュボタン9031Bの検出信号はプッシュボタン9031Bが操作された時点でのみ出力されるので、演出制御用CPU90120は、プッシュボタン9031Bが操作された回数を正確に特定することができる。尚、この実施例では、プッシュボタン9031Bの検出信号をプッシュボタン9031Bが操作された時点でのみ出力される形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン9031Bの検出信号は、プッシュボタン9031Bの操作が終了した時点で出力されてもよい。
また、図53及び図54に示す予告演出処理では、演出体90300が演出パターンに応じた進出位置に到達した場合(S90387でY)は、それ以降はプッシュボタン9031Bの操作が検出されても更に演出体90300を移動させることがないので、演出体90300が第1進出位置や第2進出位置に位置しているにもかかわらず距離L2や距離L3−nの移動が実行されることにより演出体90300が破損してしまうことを防ぐことができる。
また、演出体90300が距離L2の移動や距離3−nの移動によって第1進出位置や第2進出位置に移動した後は、演出体退避処理が実行されることで、演出体90300が第1進出位置に位置しているか第2進出位置に位置しているかに応じて演出体90300を退避位置に向けて異なる距離移動させることができる。
また、演出体90300を第1進出位置や第2進出位置に移動させた後は、図55に示す演出体退避処理を実行することで、演出体90300を検出子90302が第1フォトセンサ90203にて検出される位置まで移動させることができる。
また、図58に示すように、予告演出の実行中は演出表示装置905にエフェクト905Eの画像を演出体90300に重複するように表示するとともに、該エフェクト905Eの画像の位置を演出体90300の移動に応じて更新表示することで、演出体90300の移動とエフェクト905Eの画像のずれによる演出効果の低下を防止できる。
また、この実施例では、図45に示すように、演出体90300が第1進出位置に到達可能な第1演出パターンと、演出体90300が第2進出位置に到達可能な第2演出パターンと、で予告演出を実行可能であり、変動表示結果が大当りとなる場合には、該予告演出が第2演出パターンにて実行されるので、予告演出が第1演出パターンと第2演出パターンのどちらで実行されるかに遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
また、図58に示すように、予告演出におけるメータ905Mの画像の表示態様やエフェクト905Eの画像の表示態様を演出体90300の移動に対応して更新表示させていくことにより、遊技者は、これらメータ905Mの画像の表示態様やエフェクト905Eの画像の表示態様によって演出体90300が移動したことを容易に認識することができる。
また、図49に示すように、演出体90300は、第1移動用モータ90201の回動によって直線状に移動することによって該演出体90300の位置に応じて移動量が変化していくので、演出体90300を該演出体90300の位置に応じて適切に移動させることができる。尚、この実施例では、演出体90300の移動量が該演出体90300の位置に応じて変化する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1移動用モータ90201の回動をラック・アンド・ピニオン等の複数のギアの構成によって直線移動に変換することによって、演出体の移動量が該演出体90300の位置にかかわらず一定となるようにしてもよい。
また、図50に示すように、この実施例の前兆演出では、少なくとも1回の演出体90300の移動において該演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外まで移動させるので、演出パターンαのように退避位置の近傍において演出体90300を往復移動させても、演出体90300が往復移動を行ったことを検出することができる。
また、前兆演出において演出体90300を往復移動させる場合は、少なくとも1回は演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲内に移動させるので、少なくとも1回以上の演出体90300の移動が第1フォトセンサ90203の検出範囲内への移動となり、演出体90300によって移動量の少ない往復移動を行うことができる。
また、図50(A)に示すように、この実施例の前兆演出を、演出体90300の最後の往復移動において該演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる演出パターンαにて実行することで、第1フォトセンサ90203によって演出体90300が検出されなくなったことに基づいて、演出体90300の複数回の往復移動が終了することを検出することができる。
また、図50(B)に示すように、この実施例の前兆演出を、演出体90300の全ての往復移動において該演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる演出パターンβにて実行することで、演出体90300の往復移動の状態を連続して検出することができる。
また、図50(C)に示すように、この実施例の前兆演出を演出体90300の1回目の移動と最後の移動を除く演出体90300の往復移動を第1フォトセンサ90203の検出範囲外にて実行する演出パターンγにて実行することで、演出体90300の1回目の移動と最後の移動によって演出体90300の往復移動の開始と終了を検出できる。
また、図52の前兆演出処理に示すように、演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外へ移動させる場合は、S90340〜S90342に示すように第1フォトセンサ90203がOFFとなるまで演出体90300を第1進出位置に向けて移動させるので、演出体90300を確実に第1フォトセンサ90203の検出範囲外まで移動させることができる。
また、図52に示す前兆演出の演出パターンが演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させて往復移動させる演出パターンγである場合は、第1フォトセンサ90203によって演出体90300が検出されているか否かにかかわらずエラー報知処理が実行されないので、不要なエラー報知の実行を防ぐことができる。
また、図52に示す前兆演出において演出パターンが演出パターンαまたは演出パターンβであり、且つ第1フォトセンサ90203によって演出体90300が検出されていない場合(第1フォトセンサ90203がOFFの場合)には、位置エラー報知フラグがセットされてエラー報知処理(図39参照)が実行されるので、前兆演出の実行前であるにもかかわらず既に演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に位置しているという状況を遊技者や遊技場の店員等が容易に認識できる。尚、この実施例では、前兆演出の開始時に第1フォトセンサがOFFである場合、前兆演出の演出パターンが演出パターンαまたは演出パターンβであればエラー報知処理を実行する一方で、前兆演出の演出パターンが演出パターンγであればエラー報知処理を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、前兆演出の開始時に第1フォトセンサ90203がOFFであれば、前兆演出の演出パターンに関わり無くエラー報知処理を実行してもよい。
また、演出体90300を第1移動用モータ90201の駆動によって退避位置と第2進出位置との間で移動可能な第1演出体90300Dと、該第1演出体90300D上に載置され、第2移動用モータ90204の駆動によって載置位置と上昇位置との間で移動可能な第2演出体90300Uとで構成し、第2演出体90300Uが載置位置に位置している状態で第1演出体90300Dが第1進出位置や第2進出位置から退避位置に向けて移動する場合は、該移動の終了後に第2演出体90300Uが載置位置に移動するので、第1演出体90300Dを第1進出位置や第2進出位置から退避位置に向けて移動させても、該第1演出体90300Dからの振動の伝搬により第2演出体90300Uが載置位置からずれたとしても、第2演出体90300Uを載置位置に確実に位置させることができる。
尚、この実施例では、この発明における『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』を第1演出体90300Dとする形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』は、第1演出体90300Dの移動に伴う振動を第2演出体90300Uに伝搬可能な部材であればパチンコ遊技機901を構成する他の部材であってもかまわない。つまり、この発明における『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』とは、自身は振動しないが第1演出体90300Dの移動に伴う振動を第2演出体90300Uに伝搬可能な部材や、第1演出体90300Dの移動に伴う振動により自身が振動することによって振動を第2演出体90300Uに伝搬可能な部材を指す。また、『第1可動体の変位に伴う振動を伝搬可能な部材』は、第1演出体90300Dの移動に伴う振動を第2演出体90300Uに伝搬可能であれば自身が移動可能であるか否かは問わない。
また、図59(P)及び図59(Q)に示すように、予告演出終了後は、第2演出体90300Uを第2フォトセンサ90206の検出範囲外である上昇位置に向けて一旦移動させた後に載置位置に移動させる制御(第4退避動作)を実行することで、第2演出体90300Uを載置位置に確実に位置させることができる。
また、図59(N)〜図59(Q)に示すように、予告演出の終了後に第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動するので、第1演出体90300Dを移動させる制御が終了してから第2演出体90300Uを載置位置に位置させることができる。尚、この実施例では、予告演出の終了後に第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、予告演出の終了後に第1演出体90300Dが退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内に向けて移動している間に第2演出体90300Uが載置位置に向けて移動してもよい。
また、図59(N)〜図59(Q)に示すように、予告演出の終了後の第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに、第2演出体90300Uを第2フォトセンサ90206の検出範囲外に一旦移動させた後に載置位置に移動させる制御(第4退避動作)を実行することで、第1演出体90300Dの移動制御が終了してから第2演出体90300Uを遊技者から演出の一部と誤認されること無く載置位置に確実に位置させることができる。
また、この実施例では、図55及び図56の演出体退避処理に示すように、第2演出体90300Uが第2フォトセンサ90206にて検出されるまで(S90404においてY)、第1演出体90300Dや第2演出体90300Uを移動させる次の制御(第1退避動作処理〜第4退避動作処理)を実行することがないので、第1演出体90300Dの移動や第2演出体90300Uの移動による不都合の発生を防止できる。
また、この実施例では、図55及び図56の演出体退避処理に示すように、第1演出体90300Dを退避位置に移動させる第2退避動作処理が終了していなければ第2演出体90300Uを上昇位置に向けて移動させる第3退避動作処理と、第2演出体90300Uを載置位置に向けて移動させる第4退避動作処理が実行されることがないので、退避位置以外の位置でこれら第3退避動作処理と第4退避動作処理とが実行されることにより第1演出体90300Dや第2演出体90300Uが破損してしまうことを防ぐことができる。
以上、この発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。例えば、前記実施例では、予告演出において演出体90300を退避位置と第1進出位置や第2進出位置との間で移動させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901の起動時に演出体90300を移動させることによって該演出体90300が正常に動作可能であるか否かを確認してもよい。
尚、このように、パチンコ遊技機901の起動時に演出体90300が動作可能であるか否かを確認する場合は、変形例1として図60及び図61に示す以下の動作を実行する。先ず、第1フォトセンサ90203によって演出体90300が退避位置に位置しているか否かを判定し、演出体90300が退避位置に位置していない場合は、図60に示すように、演出制御用CPU90120が、第1移動用モータ90201を駆動することによって非検出時動作として演出体90300を退避位置まで移動させる制御を実行する。また、演出体90300が退避位置に位置している場合、演出制御用CPU90120は、第1移動用モータ90201を駆動することによって検出時動作制御として、演出体90300を退避位置と第1進出位置または第2進出位置の間の位置である検出時動作位置に移動させた後、再び演出体90300を退避位置に移動させる。
更に、これら非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後は、演出制御用CPU90120は、図60に示すように、演出体90300を実際に退避位置から第2進出位置まで移動させた後、第2進出位置から再び退避位置に移動させる実動作確認動作制御を実行する。
尚、図61(A)〜図61(C)に示すように、演出制御用CPU90120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、退避位置から加速した後に減速して第2進出位置に停止させるとともに、第2進出位置から加速した後に減速して退避位置に停止させる制御を行う。すなわち、演出体90300が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、退避位置と第2進出位置との間において、演出体90300の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。
一方で、演出制御用CPU90120は、検出時動作制御を実行する場合、演出体90300を退避位置から第2進出位置まで移動させる期間及び第2進出位置から退避位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて演出体90300が動作するように制御する。更に、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御を実行する場合、演出体90300を退避位置まで移動させる期間において、常に動作確認用動作制御における最低速度にて演出体90300が動作するように制御する。
このように、演出制御用CPU90120が実動作確認用動作制御、検出時動作制御、非検出時動作制御をそれぞれ実行することによって、演出体90300は、非検出時動作制御の実行時に常に実動作確認用動作制御における最低速度にて動作することで、いかなるタイミングにおいても停止可能となるので、演出体90300を衝突等により破損させる虞無く退避位置に位置させることができる。
また、前記実施例では、予告演出として、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作毎に演出体90300を退避位置から第1進出位置または第2進出位置に向けて移動させる演出を実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例2として図62(A)〜図62(D)に示すように、予告演出の実行中に電断が発生した場合には、再び電源が投入された際に遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて演出体90300を第1進出位置や第2進出位置に向けて移動させないようにし、演出体90300を検出子90302が第1フォトセンサ90203によって検出されるまで、つまり、退避位置を含む第1フォトセンサ90203の検出範囲内まで戻すようにしてもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機901に電源が再投入された際に、第1進出位置や第2進出位置に向けて移動中であった演出体90300を退避位置に戻すことができる。このように予告演出の実行中に電断が発生した場合は、演出体90300を退避位置に移動させた後、再び予告演出が実行されるまでプッシュボタン9031Bの操作に応じて演出体90300を第1進出位置や第2進出位置に移動させないようにすることで、予告演出が実行される前に演出体90300が第1進出位置や第2進出位置に向けて移動してしまうことにより遊技興趣の低下や予告演出に対する不信感を遊技者に与えてしまう等の不都合を防ぐことができる。
また、前記実施例では、予告演出における最初の演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離L2を2回目以降の演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離L3−nよりも長距離とすることで、演出体90300が確実に第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動することができる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変形例3として図63に示すように、予告演出における2回目以降の演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動において演出体90300が演出表示装置905における保留記憶表示エリアや演出図柄が変動中であることを示す第4図柄等の前方を通過する際には、これら保留記憶表示エリアや第4図柄の前方にて演出体90300が停止することによって保留記憶表示エリアや第4図柄が遊技者から視認不能或いは視認困難な状態となることを回避するために演出体90300を他の移動距離(図63における距離L3)よりも長い距離(図63における距離L4)を移動させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、予告演出における演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動においては、遊技者のプッシュボタン9031Bの操作に応じて第1移動用モータ90201を予め定められた一定量駆動させることによって演出体90300を予め定められた距離移動させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、予告演出における演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離は、プッシュボタン9031Bの操作に応じて毎回ランダムであってもよい。尚、このように予告演出における演出体90300の第1進出位置や第2進出位置に向けての移動距離をプッシュボタン9031Bの操作に応じて毎回ランダムに決定する場合は、演出体90300の移動を開始する毎に該移動において演出体90300が保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置において停止するか否かを判定し、演出体90300が保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置において停止すると判定した場合には、演出体90300の移動距離を修正することによって演出体90300を保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置の直前にて停止させたり、保留記憶表示エリアや第4図柄の前方位置を通過した位置に停止させてもよい。
また、前記実施例では、前兆演出において演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる際、第1フォトセンサ90203がOFFになるまで、つまり、第1フォトセンサ90203が演出体90300(より正確には検出子90302)を検出しなくなるまで演出体90300を第1進出位置に向けて移動させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例4として、前兆演出において演出体90300を第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動させる際には、第1フォトセンサ90203が演出体90300を検出しているか否かにかかわらず演出体90300を予め定められた距離移動させてもよい。このようにすることで、演出制御用CPU90120は、第1フォトセンサ90203が演出体90300を検出しているか否かに応じて演出体90300の移動を制御する必要がないので、演出制御用CPU90120の制御負荷を軽減できる。また、このように、前兆演出において演出体90300を第1フォトセンサ90203が演出体90300を検出しているか否かにかかわらず予め定められた距離移動させる場合は、演出体90300の移動が終了した時点において第1フォトセンサ90203がONとなっているか否かを判定し、第1フォトセンサ90203がONとなっている場合には、演出体90300の移動が終了したにもかかわらず未だ演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置していることを報知するようにしてもよい。このようにすることで、演出体90300が第1フォトセンサ90203の検出範囲外に移動しなかったことを遊技者や遊技場の店員等が容易に認識できる。
また、前記実施例では予告演出の終了後の第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときに、第2演出体90300Uを第2フォトセンサ90206の検出範囲外に一旦移動させた後に載置位置に移動させる制御を実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例5として、前記実施例では予告演出の終了後の第1演出体90300Dが第1フォトセンサ90203の検出範囲内に位置しているときは、第2フォトセンサ90206が第2演出体90300Uを検出しているか否かにかかわらず、該第2演出体90300Uを載置位置とは異なる方向に予め定められた所定距離移動させた後、第2演出体90300Uを載置位置に移動させてもよい。このようにすることで、第2フォトセンサ90206による第2演出体90300Uの検出に基づいて第2演出体90300Uを移動させる必要がないので、低負荷の制御により第2演出体90300Uを載置位置に位置させることができる。
また、前記実施例では、予告演出の終了後、第1演出体90300Dを退避位置に移動させる第2退避動作処理が終了していなければ第2演出体90300Uを上昇位置に向けて移動させる第3退避動作処理や第2演出体90300Uを載置位置に向けて移動させる第4退避動作処理を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、変形例6として、これら第3退避動作処理や第4退避動作処理は、第2退避動作処理が終了していない状態、すなわち、第1演出体90300Dが退避位置に位置していない場合において実行してもよい。このようにすることで、第1演出体90300Dの位置にかかわらず、第2演出体90300Uを確実に載置位置に位置させることができる。
また、前記実施例では、予告演出においてプッシュボタン9031Bの押下操作を検出したことに基づいて演出体90300を移動させる形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、タッチセンサやモーションセンサ等、パチンコ遊技機901にプッシュボタン9031B以外の検出手段を設け、予告演出においてこれら検出手段によって遊技者の特定の動作が検出されたことに基づいて演出体90300を移動させてもよい。
また、前記実施例では、演出図柄や予告演出中おけるメータ905Mやエフェクト905Eの画像等を表示する演出表示装置905をパチンコ遊技機901に設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄や予告演出中におけるメータ905Mやエフェクト905Eの画像等を表示しない場合は、パチンコ遊技機901に演出表示装置905を設けなくともよい。
また、前記実施例では、演出体90300を退避位置と第1進出位置や第2進出位置に向けて移動可能である形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出体90300は、退避位置から第1進出位置や第2進出位置に向けて移動することによって形態が変化してもよい。
また、前記実施例では、第2演出体90300Uを第1演出体90300D上に載置された位置である載置位置と、該載置位置の上方である上昇位置との間で移動可能とする形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第2演出体90300Uは載置位置の左右方向或いは前後方向の位置との間で移動可能であってもよいし、第2演出体90300Uは、載置位置から上昇位置に移動することによって形態が変化してもよい。
また、前記実施例では、演出体90300を第1演出体90300Dと第2演出体90300Uとから構成する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出体90300は、これら第1演出体90300D及び第2演出体90300U以外の演出体(第3演出体、第4演出体等)を含んでいてもよい。
また、前記実施例では、予告演出や前兆演出において演出体90300が直線方向に移動可能な形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出体90300は、予告演出や前兆演出において回動可能であってもよい。つまり、この発明における変位とは、直線方向への移動の他、演出体90300の位置は変化しない一方で演出体90300の向きが変化するものも含んでいる。
また、前記実施例では、予告演出の終了後、第2演出体90300Uを一旦上昇位置に向けて移動させた後に載置位置に移動させる形態を例示しているがこの発明はこれに限定されるものではなく、予告演出の終了後は、第2演出体90300Uを一旦上昇位置に向けて移動させずに載置位置に移動させるのみであってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にもこの発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU90103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU90120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機901における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。