JP6688280B2 - 宇宙粒子により生じた画像欠陥を是正する時間遅延積分画像キャプチャ方法 - Google Patents

宇宙粒子により生じた画像欠陥を是正する時間遅延積分画像キャプチャ方法 Download PDF

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Description

本発明は、時間遅延積分およびデジタル合算画像キャプチャ方法、ならびに対応するセンサに関する。
線形時間遅延積分(TDI:time delay integration)センサが、例えば、地球観測衛星において、産業用モニタリング、および医療用途(歯科用パノラマ撮影、マンモグラフィ)で使用されている。
TDIセンサは、感光画素からなるN個の平行なラインを備える。なお、このときNは少なくとも2以上である。またTDIセンサは、センサの前を感光性のラインに垂直に移動する同一帯のシーンを連続的に観察する。観察されたシーン帯の画像は、次に、感光性のラインのそれぞれにより連続的にキャプチャされた画像を加算することによって、再構成される。この加算は、観察されたシーン帯の各点1つ1つに対して行われる。
特に対象となるのは、トランジスタ能動画素を有するTDIセンサである。それらの画素は、様々なピクセル制御位相をシーケンシングするために容量性蓄積ノードおよびトランジスタに接続された感光性エレメントで形成されている。特に、読み出す画素の選択時には、画素の容量性蓄積ノードに累積された電荷の量に対応する電圧が、読み出し回路に接続された列導体に印加される。この電圧レベルは、画素が受光した光の量を表す。
読み出し回路は、アナログ/デジタル変換器の入力にこのレベルを適用する。変換器は、例えば、ランプ変換器であり、線形電圧ランプに変換される電圧レベルを比較するためのコンパレータと、ランプの開始時からコンパレータが状態を変えるまで、高周波でカウントするカウンタと、を備える。状態変化時におけるカウンタの内容は、変換される電圧レベルのデジタル値を表す。この値は、画素が受光した輝度の測定値を表す。この測定値の信号対雑音比を高めるために、特に、画素の蓄積ノードの初期化レベルを表す信号を減算するデジタル技法またはアナログ技法を用いた手段が一般に講じられる。
センサがP個の画素からなるN個の感光性のラインを備えているとき、画素の各列に対して、および各積分期間に、N個の画素が共通の列導体に連続的に接続され、読み出し回路が、N個の連続したデジタル量であって、それぞれ、対応する画素が受光した輝度を表すデジタル量を供給する。
能動画素TDIセンサにするためには、N個の画素から得られたデジタル値だが、同一のシーン点のN個の連続した観察に対応するデジタル値、すなわち、N個の連続した積分期間のセットの1積分期間にわたってそれぞれ得られたデジタル値を合算することがまだ残っている。実際には、観察されたシーン帯の各点に対して、N個の連続した積分期間にわたって移動するセンサの速度と同期してこの合算を行うのは、デジタル処理回路である。そこでは、観察されたシーン帯の各点に対して測定された輝度を表すP個のデジタル値が、出力として生成されている。
例えば、このような能動画素TDIセンサの一例が、本出願人が出願した国際公開第2011/138374号パンフレットに記載されている。
国際公開第2011/138374号
画像センサによって生成された画像は、観察された画像ではなく、宇宙粒子のイオン化作用によって蓄積されたエネルギーに由来する光スポットを示す場合がある。
これらの宇宙粒子は、太陽または銀河系外を起源とするが、エネルギーがほぼ1ギガ電子ボルトと非常に大きく、質量が非常に小さいという特有の特徴を有する。これにより、宇宙粒子は電子機器を通り抜けることが可能になり、進行するにつれて、ある特定の数の電荷、すなわち電子−正孔ペアを生成する。
画像センサにおいて、このような粒子が画素の感光性領域を通り抜ける場合には、この粒子によって生成された電荷は、感光性エレメントによってキャプチャされ、光子と見なされることになり、画像中に偽情報を生成するスポットが、キャプチャされた画像に反映されるという影響を及ぼす。このスポットは、様々な大きさ、および様々な数の輝点として出現する場合がある。したがって、センサの複数の画素が同一の粒子による影響を受けている場合には、こうした粒子の入射角度によっては、このスポットは、ライン全体にわたって筋を形成する可能性がある。このような粒子による影響を受けた画素に対して、それに対応する影響は残留しない。対応する影響が残留するのは、粒子によって生成された電荷が、感光性エレメントによりキャプチャされる間だけである。画像に残ったスポットの明るさのレベルについていえば、レベルは、観察されたシーン自体の背景の明るさ、粒子のエネルギーおよびタイプ、粒子のセンサに対する入射角度、画素の幾何学的形状などに左右される。
宇宙粒子の通過した痕跡は、宇宙で使用するビデオカメラで生成された画像に見られるが、それらは、地上で使用するビデオカメラで生成された画像にもまた見られる。この場合、問題となる粒子は、概して、大気を通り抜ける際の大型の宇宙粒子の壊変によって生成されたミュー粒子である。
例として、地上で、産業界で、電子部品製造業者が生産ライン(製品チェック)を離れるときに用いる自動光学検査(AOI:Automated Optical inspection)システムで使用する画像センサによって供給された画像を考えられたい。
製品チェック画像において、部品の「真の」欠陥を、宇宙粒子との衝突により生じた「偽の」欠陥から識別するのは、概して簡単ではなかろう。痕跡が誤って真の欠陥であると見なされると、部品を修理のために不必要に返却したり、これに続いてチェックなどのために部品を返却したりすることに結びつく可能性もあるであろう。したがって、およそ10時間の間に、このような粒子により生じたおよそ10個の痕跡が存在する可能性があり、したがって、およそ10回の不必要な返却があり得る。したがって、生産性が低下する。この低下は、宇宙粒子の流れが密集した地理的区域の方が、より大きくなる。
したがって、本発明が対象とする技術的問題は、高エネルギー粒子との衝突によって生成された偽情報に相当するキャプチャされた画像中の痕跡を除去するために、それらを検出することである。
本発明は、TDIセンサにおいて、センサと衝突する高エネルギー粒子によって生じたこれら偽の事象の検出、およびこれら偽の事象の除去を可能にする技術的解決法を提案する。
この解決法は、以下のことに基づいている。
−これらの粒子のランダム性および希少性。特に、2個の粒子が同時にセンサと衝突することが統計上相対的に起こりそうもないこと、言いかえれば、同時に影響を受ける画素がほとんどなく、同じランクの2個の隣接した画素が、2個の異なる宇宙粒子によって連続的に、つまり、ある1つの積分期間にわたって最初の画素が、そして次の積分期間にわたってもう1個の画素が壊れる可能性はさらに低くなること。
−これらの粒子の非残留性の影響。粒子が画素の感光性の領域を所与の時間に通り抜ける場合には、この粒子の目に見える影響は、1つの積分期間にわたってだけ「見られ」、この積分期間の間に、感光性エレメントが、粒子によって生成された電荷をキャプチャすることになり、この影響は、次の積分期間のために画素の蓄積ノードをゼロにリセットすると消滅すること。
−誘起された電荷が残っているため、通常期待されるデジタル値よりも大幅に高いデジタル値に結びつく影響が及ぼされた画素上に生成された輝度の差異(無論、この状況は、この期待値が飽和から大きく離れた状況であり、そうでなければ粒子の通過は「無痛」になる)。
本発明の基本的な考え方は、同一のシーン点を観察した2個の画素によって供給された第1のデジタル値と第2のデジタル値との間の差を、第1の値から第2の値を減算し、それを所定の閾値と比較しながら、計算することである。この差が閾値を上回っている場合には、第1の値が過度に高いのである。それは、宇宙粒子の通過の影響を反映している。この場合、第1の値は、シーン点の輝度を確定する合算を行う際に無視される。この値は、様々なやり方で、すなわち、この値を訂正することにより、すなわち、この値を、この値と比較された値もしくは平均値に置き換えることにより、またはこの値を計算から除外することにより、無視することができる。
このように、センサを通り抜ける高エネルギー粒子によって生じた画像欠陥が除去される。これは、出力時の信号対雑音比またはシステムの復調伝達関数(コントラスト、解像度)を落とさずに達成される。なぜなら、本発明に従う方法は、出力信号にフィルタリングを適用するのではなく、上り検出を適用し、実行することは、壊れた画素からの値を無視するか、または訂正することだけだからである。
したがって、本発明は、画像センサのP個の感光画素からなる少なくとも2個のラインにより連続的に行われる同一のシーン帯の同期読み出し、および様々なラインにより読み出しされた信号の画素単位の合算のための、時間遅延積分シーン画像キャプチャ方法に関する。
本発明によれば、
−様々なラインの画素からの信号が、デジタル値であって、センサの様々なラインの同一のランクの画素に対して、同一のシーン点の輝度をそれぞれ表すデジタル値を確定しながら、デジタル化され、
−センサのラインの第1の画素からの第1のデジタル値と、センサの少なくとも1個の他のラインの同一のランクの画素または複数の画素からの第2のデジタル値との間で差が計算され、
−減算の結果が閾値と比較され、
−結果が閾値未満である場合には、第1のデジタル値が許容可能であると見なされ、センサの様々なラインの同一のランクの画素からのデジタル値が加算されて、シーン点の輝度を表す第3のデジタル値を供給し、
−結果が閾値を上回っている場合には、第1のデジタル値が許容不可であると見なされ、様々なラインの同一のランクの画素からのデジタル値の加算の際に第1のデジタル値を考慮に入れない第4のデジタル値を確定して、シーン点の輝度を表す。
第2のデジタル値は、(同一のランクの隣接した画素であることが好ましい)第2の画素によって供給されたデジタル値であってもよい。第1の値が許容不可であると判明した場合には、第1の値は、デジタル加算の際に第2の値に置き換えることができる。2個の画素の間の比較は、差の絶対値を閾値と比較し、その後、2個の画素の値の総和を、2個のうちの低い方の値の2倍に置き換えることにより行うことができる。
センサが2個よりも多くのラインを有している場合には、2個のラインの様々なペアに対して連続して差を確定し、閾値と比較してもよい。
さらに、センサが2個よりも多くのラインを含む場合には、さらに詳しく言えば、センサが2個よりもずっと多く(10〜20個またはそれ以上)のラインを含む場合には、第1の値を、好ましくはこの第1の値を除外している平均値に置き換えることが好ましい。
平均は、理論的には1個のラインにしか影響を及ぼさない宇宙粒子によって著しい影響を受ける可能性がほとんどないことから、第1の値を、別のラインによって供給された値と比較するのではなく、この別のラインによって供給された値の平均値と比較するか、またさらにはすべてのラインの平均値と比較することがさらに好ましい場合がある。
第1の値が許容不可であると判明した場合には、第1の値は、次いで、N個の値の加算の際に平均値に置き換えられ、シーン点の輝度を表す第4のデジタル値を確定する。
さらに第1の値は、ナル値(null value)に置き換えることができ、これにより疑わしい値を純粋かつ単純に排除した量になる。r個(rはNよりも小さい)の第1の値が疑わしいと判断され、ナル値に置き換えられている場合には、第4の値は、次いで、同一のランクのN個の画素から得られたN個のデジタル値のデジタル加算の結果に、係数N/N−rを乗算することにより確定される。
本発明は、この方法を実施するように特に適合されたセンサにもまた関する。このセンサは、P個の感光画素からなる少なくとも2個のラインにより連続的に行われる同一のシーン帯の同期読み出し、および様々なラインにより読み出しされた信号の画素単位の合算を可能にする時間遅延積分シーン画像センサであって、各画素によって供給された信号をデジタル化するための回路と、様々なラインに属する同一のランクの画素であって、同一のシーン点を調べた同一のランクの画素からのデジタル値を加算するように構成され、出力として供給された加算の結果が、シーン点の輝度を表すデジタル処理回路と、を含むとともに、デジタル処理回路が、
−第1の画素からの第1のデジタル値であって、シーン点の輝度を表す信号の第1のデジタル値と、少なくとも1個の他のラインの同一のランクの画素または複数の画素からの第2のデジタル値であって、同一のシーン点の輝度を表す第2のデジタル値との間で減算を行い、
−この減算の結果を閾値と比較し、
−減算の結果が閾値を超過する場合に、デジタル加算を修正し、置き換えとして、第1のデジタル値を考慮に入れない別のデジタル総和を供給するように構成されていることを特徴とする時間遅延積分シーン画像センサである。
本発明の他の特徴および利点を、以下の本発明に従う画像キャプチャ方法の実施形態の説明において、また添付の図面を用いて説明する。
双線形TDIセンサ、すなわち感光画素からなる2個の平行なラインを備えるTDIセンサに適用された、本発明に従うTDI画像キャプチャ方法を示す。 本発明に従う方法を用いた、P個の画素からなるN個の感光性のラインを有する時間遅延積分画像センサの簡略化されたブロック図である。なお、Nは、2以上の整数である。
最初に、双線形TDIセンサ、すなわち、2個の感光性のラインを備え、その前に観察対象のシーン帯を移動させるTDIセンサの状況について本発明を説明する。
図1は、本発明に従う方法を示す。
センサは、2個の感光性のラインlおよびlを備え、それぞれのラインは、ランク1,2,...i,...PのP個の画素を備える。
センサの移動方向に、およびセンサの移動速度で、ラインlにより、次いでラインlにより、連続的に観察されたシーン帯を考えられたい。
各ラインに対して、および各積分期間に、センサの読み出しおよびアナログ/デジタル変換回路は、ラインの画素によって供給されたP個のデジタル値の流れを出力としてデジタル処理回路CTに供給する。この回路は、ある積分期間、例えば、期間Δ=t1−にわたってラインlによって、および次の積分期間、この例ではΔ=t2−にわたってラインlによって連続的観察されたシーン帯のP個の点のそれぞれに対して、画素単位の合算を行う。
センサのラインlおよびlのランクiの画素Pxi,aおよびPxi,bによって連続的に観察されたシーン点を考えられたい。
i,a(t)と表示された、時間tにおいてラインlの画素Pxi,aによって供給されたデジタル値は、このシーン点に対して積分期間Δの間に、この画素によって受光された光量に対応し、pi,b(t)と表示された、時間tにおいてラインlの画素Pxi,bによって供給されたデジタル値は、同一のシーン点に対して次の積分期間Δの間に、この画素によって受光された光量に対応する。
各シーン点に対して、処理回路CTは、対応する2個の値pi,a(t)およびpi,b(t)を受け取り、関係するシーン点の輝度を表すそれらの総和Σ=pi,a(t)+pi,b(t)を計算する。
処理回路は、P個の輝度信号S(i)i=1〜Pを出力として供給するために観察されたラインのP個のシーン点のそれぞれに対してこの計算を実行し、また、センサ、読み出しおよびアナログ/デジタル変換回路、ならびに、図には示されてないシーケンサによってセンサの移動速度と同期して制御されているデジタル処理回路によって観察された各シーン帯に対してこれを実行する。
雑音、および不均一なセンサの応答にもかかわらず、2個の画素Pxi,aおよびPxi,bから、2個の同一のデジタル値pi,a(t)およびpi,b(t)が得られるはずである。
しかしながら、画素Pxi,aが、画素の感光性エレメントによるキャプチャの前、またはキャプチャ中に、積分期間Δにわたって、高エネルギー粒子による影響を受けている場合には、時間tにおいてこの画素によって供給されたデジタル値pi,a(t)が壊れる一方で、時間tにおいて画素Pxi,bによって供給されたデジタル値pi,b(t)が壊れない確率は通常、非常に高くなっている。
また、観察されたシーン点が、画素Pxi,aおよびPxi,bの感光性エレメントが飽和状態になり得るような輝度を有していない場合には、壊れた値pi,a(t)は、値pi,b(t)よりもはるかに大きくなる。
したがって、これらの2個の値pi,a(t)およびpi,b(t)の間の差を計算することにより、関係するシーン点の輝度を表す出力値S(i)を確定する前にこの差を閾値kと比較することにより、高エネルギー粒子との衝突によって壊れた画素を検出することが可能である。この閾値kは、読み出し雑音レベルよりも大きなデジタル値に設定される。読み出し雑音レベルは、センサの技術および用途によって決まる。
したがって、本発明に従う方法では、以下のことを考慮しなければならない。
−差pi,a(t)−pi,b(t)が、所定の閾値kを上回っているかどうか。上回っている場合には、第1の画素は、積分期間Δに壊れている。
−差pi,b(t)−pi,a(t)が、所定の閾値kを上回っているかどうか。上回っている場合には、第2の画素は、積分期間Δに壊れている。
−両方の場合において、差が閾値k未満である場合には、2個の画素がいずれも、すなわち第1の画素が期間Δに、第2の画素が期間Δに壊れた可能性がないという現実的な推定に基づいて、2個の画素はいずれも対応する積分期間に壊れていないと結論が下される。この場合、処理回路によって供給された出力信号S(i)は、2個の画素によって供給された2個のデジタル値pi,a(t)およびpi,b(t)の総和Σの通常の計算により確立される。
2個の画素のうちの1個が対応する積分期間に壊れている場合には、この画素から得られたデジタル値は、出力信号S(i)の生成の際に考慮に入れない。それは無視される(そしてそれが無視されるという事実を数値の合算の際に考慮に入れる)か、またはより適切な値に置き換えられる。
本発明の1つの実施態様に従って、壊れた画素からのデジタル値、したがって過度に高いデジタル値は、他の画素からのデジタル値に置き換えられる。次に、処理回路の出力信号S(i)が、訂正後の総和Σ’を計算することにより確定される。影響を受けているのが画素Pxi,aである例では、この総和Σ’は、Σ’=2xpi,b(t)に等しい。言いかえれば、2個の画素によって供給された2個のデジタル値の合算により得られたデジタル値Σは、過度に高い値を考慮に入れない総和に対応するデジタル値Σ’に置き換えられる。
要約すると、本発明は、同一のシーン点を観察する同一のランクの2個の画素だが、センサの異なる積分期間にわたって観察する2個の画素からのデジタル値を比較することを提案する。慣例によって、「第1のデジタル値」という表現は、2個のデジタル値のうちの高い方、例えば、pa,i(t)を指し、「第2のデジタル値」は、2個の値のうちの低い方を指す場合には、第1の値と第2の値との間の差が計算され、この差が、閾値k(粒子によって生じた過度の信号レベルに気付くことが問題にされているので、正であると仮定する)と比較される。差が閾値未満である場合には、シーン点の輝度は、同一のシーン点を調べた画素からの値の従来の総和Σである第3のデジタル値Σによって確定される。一方、差が閾値を上回っている場合には、第1の値は、取り除けられ、第3の値に代わって、シーン点の輝度を表すために、第4のデジタル値Σ’が確定される。これは、許容不可である第1の値を考慮に入れておらず、また第1の値は、直前に説明した例では、第2の値の2倍である。
実際には、必ずしも2個の画素のうちのどちらが壊れているかの検出を試みる必要はなく、むしろ、破壊の影響を是正することが必要である。
次に、2個のデジタル値間の差の絶対値を閾値kと比較することができる。それが閾値kを上回っている場合には、2個のデジタル値のうちの高い方を2個の値のうちの低い方に置き換えなければならない。閾値を「上回っている」という表現は、差がこの値kよりも大きいか、または、この値k以上であることを意味し得ることに留意されたい。これは、所与のセンサおよび所与の用途を実際に実施する際の慣例によって得られる選択である。
観察されたラインのP個のシーン点のそれぞれに対して、i=1〜Pである出力信号S(i)を生成するために適用された試験および加算ループBT1は、次いで、以下のように表記することができる。
(BT1):i=1〜Pに対して、
|Pi,a(t)−Pi,b(t)|<kである場合には、
S(i)=Σ=Pi,a(t)+Pi,b(t)であり、
そうでなければ、S(i)=Σ’=2xMin[Pi,b(t),Pi,a(t)]である。
このループは、実際には、図1に図式で示されているように、デジタル処理回路CTによって実施されている。このループは、FPGA型のプログラマブル回路において容易に実施することができる。この処理回路は、センサ自体に組み込むか、またはセンサの外部の、センサを利用する光学系に、例えば、ビデオカメラに配置してもよい。
この回路CTは、それぞれの感光性のラインから、デジタル値{(pi,ai=1,Pand{(pi,bi=1,P}の流れを、それらが読み出しおよびデジタル化回路により供給されるとそれが続く間、現行の積分期間にそれを受け取る。回路CTは、次の積分期間にわたって行われることになるデジタル処理が、対応するシーン帯の点のそれぞれの輝度を計算するように、このデータを一時的に記憶する。
各シーン点に対して、回路CTは、この同一のシーン点を調べたセンサの同一のランクの2個の画素によって供給された2個のデジタル値、すなわち、時間tにおいて供給された第1の値および時間tにおいて供給された第2の値に、試験および加算ループBT1を適用する。
試験および加算ループBT1の、シーン帯のP個の点のそれぞれに対する実際の実施は、以下のようにしてもよい。すなわち、試験回路は、同一のシーン点を観察した同一のランクの2個の画素から第1のデジタル値および第2のデジタル値を回収する。第1の値と第2の値との間の差の絶対値を計算する。閾値kとの比較試験COMPを行う。比較試験が負である場合には、2個の画素によって供給された2個のデジタル値の総和に等しい第3のデジタル値Σが計算される。また、出力S(i)として供給されるのはこの値Σである。比較試験が正である場合には、壊れた値を考慮に入れていない結果を提供する第4のデジタル値Σ’が計算される。第4のデジタル値は、この例では、2個の値のうちの低い方の2倍に等しい。出力S(i)として伝送されるのはこの値Σ’である。
正常値Σを系統的に計算してもまたよいし、これと並行して、試験ループBT1を実行してもまたよい。この場合、試験の結果は、出力(S(i))として、一方の値(Σ)またはもう一方の値(Σ’)が伝送されたことを確認する。
したがって、双線形TDIセンサのこの単純な例では、判別により、積分期間中に高エネルギー粒子との衝突が画素に及ぼす影響を検出し、この期間にわたってこの画素により観察されたシーン点の輝度を計算する際に、対応するデジタル値を無視することによって、その影響を除去することが可能であると実証されている。
このように、本方法は、画素のそれぞれからのデジタル値が使用可能であるという事実を好都合に活用する。したがって、本方法は、大体において、各画素からの信号がデジタル化されるあらゆるTDIセンサに適用される。したがって、本方法は、特に、能動画素TDIセンサにあてはまる。
Nが2以上である場合、本方法は、感光画素からなるN個のラインを含むTDIセンサに概括することができる。
この場合、観察されたシーン帯の各点に対して、N個の連続した積分期間Δ=t1−,Δ=t2−,....ΔN−1=tN−1−N−2,Δ=tN−N−1にわたるこの帯の同一のシーン点を連続的に観察したN個の画素によって供給されたN個のデジタル値に、1個以上の壊れた値があるかどうかを検出することが問題にされている。
各シーン点に対して、本発明に従う試験ループを適用して、このシーン点を連続的に観察したセンサのN個ラインの同一のランクのN個の画素によって供給されたN個のデジタル値を試験してもよい。
既知のやり方で、これらのN個の値が連続的に得られる。すなわち、時間tにおいて第1のラインのランクiの画素Pxi,1から第1の値pi,1(t),時間tにおいて第2のラインのランクiの画素Pxi,2から第2の値pi,2(t),...,時間tにおいて第N番目のラインのランクiの画素Pxi,Nから第N番目の値pi,N(t)が得られる。
センサのN個の感光性のラインによって観察されたシーン帯のP個の点の、それぞれの輝度を確定するために、様々な試験アルゴリズムを想定することができ、試験、および訂正のいずれにも多数のオプションが実施可能である。ランクi(i=1〜P)のシーン点、およびこのシーン点に対して時間t,t,...,tにおいてセンサのランクiのN個の画素Pxi,jによって得られた、N個のデジタル値pi,1,pi,2,...,pi,Nを考慮しながら、様々な例を以下に挙げる。
多線形センサに適用される本発明に従う試験ループの一般的原理は、所与の観察された帯のランクiの同一のシーン点の輝度を表すN個の値pi,jのそれぞれに対して、許容可能か許容不可かを判定し、許容不可である場合には、関係するシーン点の輝度S(i)を計算する際に、それを無視するか、または訂正することである。
したがって、N個の値のそれぞれに対して、慣例によって「第1のデジタル値」と呼ばれるこの値と、センサの少なくとも1個の他のラインの同一のランクの画素または複数の画素から得られ、かつ、同一のシーン点の輝度を表す第2のデジタル値との間で減算を行い、閾値kとの比較動作を行うことが問題にされている。
比較の結果に応じて、関係するシーン点の輝度を表す出力信号S(i)は、以下によって得られる。
−慣例によって「第3のデジタル値」と呼ばれる値であって、エラーが検出されていない場合には、画素によって供給されたN個のデジタル値pi,jの総和Σに等しい値、または、
−慣例によって「第4のデジタル値」と呼ばれる値であって、壊れているものとして検出された値を無視、または訂正して計算された値Σ’に等しい値。
第1のアルゴリズム例では、第2のデジタル値は、同一のランクの画素によって供給された値である。この例では、N個のデジタル値は、ラインのペアに対し2個単位で比較される。
この2個単位の比較は、隣接したラインのペアに対して行われることが好ましい。したがって、N個のデジタル値pi,jはそれぞれ、次の(隣接した)ラインの次の同一のランクiの画素によって供給された次のデジタル値pi,j+1と比較される。比較の結果が過度に高いというものである場合には、値pi,jは、次のデジタル値pi,j+1に置き換えられる。
これは暗黙的に、画素Pxi,jによって取得されたデジタル値pi,jの試験は、少なくとも、(次のラインの)同一のランクの次の隣接したピクセルPxi,j+1によって取得されたデジタル値pi,j+1が使用可能であるときに実行されていると仮定する。したがって、この条件であると仮定すると、積分期間によって規定されたタイミングにおいて、デジタル値が同一のシーン点の輝度に関して取得されているときに、試験を行なうことが可能である。なお、この試験は、関係するシーン点の輝度に関してN個のデジタル値が使用可能になれば行なうこともまた可能であり得ることに留意されたい。そのため、取得順序は、たいして重要ではない。
同一のシーン点の輝度を表すデジタル値が取得されるとそれが続く間、適用される試験ループの場合を考えられたい。
センサの第1のラインlの画素Pxi,1は、期間Δ=(t1−)の間にシーン帯の第i番目の点を観察する。それは、時間tにおいて、このシーン点の輝度を表すデジタル値pi,1を供給する。
センサの第1のラインlの画素Pxi,2は、次の期間Δ=(t2−)の間にこの第i番目のシーン点を観察する。それは、時間tにおいて、同一のシーン点の輝度を表すデジタル値pi,2を供給し、このデジタル値が記憶される。
時間tにおいて、この以前に取得した値pi,1と、画素Pxi,2によって供給された現在の値pi,2との間の差を計算し、この差(またはこの差の絶対値)を閾値kと比較することが可能となる。
以降、このシーン点に対する第N番目の値pi,Nが取得される時間tまで続く。この第N番目の最終の値pi,Nに対しては、直前の期間に取得した値pi,N−1の比較を用いることが可能であろう。
例えば、対応する試験ループBT2は、以下のように表記することができる。
(BT2):j=1〜Nに対して、
i,j−pi,j+1<kである場合には、pi,j=pi,jであり、
そうでなければ、pi,j=pi,j+1である。
この試験ループを終了すると、関係するシーン点の輝度を表す出力信号S(i)として、
−画素によって供給されたN個のデジタル値pi,jの総和Σであって、すべてが許容可能であると見なされた第3のデジタル値、または、
−この総和の計算の際に、許容不可であると見なされた値または複数の値に対する置き換え値または複数の置き換え値を考慮に入れた第4のデジタル値Σ’が供給される。
読み出し時、および時間tにおいてセンサの第N番目のラインをデジタル化するときに、すなわち、同一のシーン点に対応するN個の値がすべて使用可能であるときに適用される試験ループの場合、この試験ループは、読み出しの順序を問わず2個単位で得られたデジタル値に適用してもよい。「使用可能な値」とは、少なくとも処理時間の間にすでに取得され記憶された値、および、センサの画素を読み出し、デジタル化するための回路により供給されている途中である値を意味する。
第N番目の積分期間の終了時において、関係する第i番目のシーン点に対するN個の値が試験されていることになる。次に、試験回路は、このシーン点に対する輝度値S(i)を出力として供給することができる。輝度値S(i)は、試験ループが許容不可である値を発見しなかったのか、または許容不可である値の少なくとも1個を発見したのかによって、第3の値Σまたは第4の値Σ’に等しくなる。試験ループBT2の上記の例では、このループは次に、値Σ’を計算するための置き換え値または複数の置き換え値を供給する。
実際の実施は、以下のようにしてもよい。試験ループBT2が実行される。ループの各反復の終了時において、試験ループは、比較試験の結果に応じて、試験されたデジタル値pi,jまたはその訂正された値pi,j+1を、処理回路の累算器レジスタに伝送する。ループの終了時において、累算器レジスタは、必要に応じて訂正された、N個のデジタル値の合算の結果を包含している。関係する像点に対する出力値S(i)を形成するのは、この結果である。レジスタは、撮像素子のN個の取得ラインに対応するN個の合算ステージを包含している。
取得および試験の進行とともに、並行して第3の値および第4の値を計算してもまたよい。試験ループの第N番目の反復の終了時において、セレクタによって、(第3の値か、第4の値の)どちらの値を出力S(i)として伝送しなければならないかを選択することが可能になる。
双線形センサに適用された試験ループBT1について上述したように、閾値kと、差の絶対値との比較を適用することが同様に可能になることが示されている。次に、値のペアが好適に試験されるが、値のペアは、隣接したラインのペアに対応していることが好ましい。したがって、Nが偶数であると仮定して、N/2個のペアの値、すなわち、(pi,1,pi,2),(pi,3,pi,4),....(pi,N−1,pi,N)が試験されることになる。差の絶対値の閾値との比較に基づいたこのアルゴリズムにより、行われる比較の数を半分にすることが可能になる。閾値との比較試験に続いて、試験が負である場合には、2個の値の総和に等しい中間結果を、または、試験が正である場合には、小さい方の値の2倍に等しい中間結果を計算することもまた可能である(図1参照)。N/2個のペアの値が試験されると、次に、N/2個の中間結果の総和を計算することにより、最終結果が得られる。したがって、ここでは、いかなる壊れた値も考慮に入れることはない。この場合、累算器レジスタに連続的に累積されることになるのは、中間結果である。
同一のシーン点に対応するN個の値がすべて使用可能であるときに適用可能な、別のアルゴリズムの例では、次に、N個の値のそれぞれをN個の値の平均と、または好ましくはN−1個の他の値の平均、すなわち試験されたデジタル値を除外した平均と比較することもまた可能である。
減算の結果が所定の閾値以上になる場合には、試験されたデジタル値は、この計算された平均値に置き換えられる。
平均値の計算の際に、試験されたデジタル値を除外するかどうかは、一般的には、感光性のラインの数Nによって決まる。
この数が十分に大きい場合には、例えば、32、64またはそれ以上である場合には、N個のデジタル値に関して計算された平均値は、試験されているデジタル値が壊れていても、壊れていなくても、事実上変わらない。この場合、各シーン点に対して、N個のデジタル値の平均値が計算される。この平均値の計算は一般的には、N個の連続した積分期間の終了時において、N個のデジタル値を連続的に受け取るN個の累算器レジスタを使用して行うことができる。そして、この平均値が試験ループに供給される。
Nが小さい場合には、例えば、10、または20に等しい場合には、試験された値は、平均の計算から除外されることが好ましい。なぜなら、壊れているかどうかによって、計算された平均値が著しく異なってしまうので、検出試験の効果が不十分になるか、さらには効果がなくなってしまう。
要約すると、N個の感光性のラインを有するセンサに対して、本発明に従うキャプチャ方法により、その輝度を確定する前に、所与のシーン点に対して、同一のランクのN個の画素によって供給されたN個の値を試験することが可能になる。
慣例によって、「第1のデジタル値」は、試験対象の値である。「第2のデジタル値」は、同一のランクの別の画素からの値、または、第1のデジタル値をおそらく除外している平均値Vmとすることができるが、この第2のデジタル値が、第1のデジタル値から減算され、その差が閾値kと比較される。
この差が閾値を上回っている場合には、試験された値は許容不可であると見なされ、別の値に置き換えられるが、この別の値は、第2のデジタル値、すなわち他の画素からの値、または平均値Vmとすることができる。
たとえ減算された第2のデジタル値が、同一のランクの別の画素によって供給された値であっても、平均値を置き換え値として採用することが好ましい場合がある。
最後に、第1のデジタル値をN個のデジタル値のうちの別の値との比較により試験するのか、または平均値との比較により試験するのかは、この第1の値が許容不可であると見なされている場合には、訂正された総和を計算するために、第1の値をナル値に置き換える選択をすることもまた可能である。この場合、シーン点の輝度は、訂正された総和Σ’に係数N/N−1を乗算した結果から得られる。N個の値のうちの1個だけが壊れている場合には、これがあてはまる。画素によって供給されたN個の値のうちのr個の値が、壊れていると見なされ、ナル値に置き換えられる場合には、乗算係数はN/N−rになる。ただし、この変形例が対象となるのは、Nと比較してrの方が小さいことが前提である。
これまで説明してきた本発明は、P個の感光画素からなるN個のラインを有するあらゆる時間遅延積分線形画像センサに当てはまる。この場合、Nは2以上であり、観察されたシーン帯の各点に対して、同一のランクのN個の画素によって供給されたN個の信号のそれぞれが、デジタル化される。
図2は、本発明を実施する、P個の感光性エレメントPxi,j,i=1〜P,j=1〜NからなるN個のラインを備えるセンサCPTIの理論上の図を示す。センサは、画素を読み出して、各積分期間の終了時にセンサのNxP個の画素によって供給されたNxP個のデジタル値を出力として順に供給するアナログ/デジタル変換するための回路CLANを含む。これらの値は、メモリMに記憶され、本発明による試験ループBtestを適用して、宇宙粒子の衝撃に関連付けされた異常値を取り除けるか、または訂正することにより計算された、それぞれの観察された帯LzのP個の点のP個の輝度デジタル信号S(i)を、順に出力として供給するデジタル処理回路CTによって処理される。
従来のやり方では、このセンサでは、読み出しモードにおいて連続的に選択されたセンサの同一のランクiの画素は、観察されるシーンの移動と同期して、それぞれ連続的に、同一の列導体Ccに累積された電荷の量に対応する電圧信号を印加する。読み出しおよびデジタル化回路CLANは、読み出しのために選択された画素によって列導体Ccに印加された電圧信号を読み出しして、メモリMに記憶されるその電圧信号のデジタル値を供給するアナログ/デジタル変換器にその電圧信号を印加する。この変換器は、列導体ごとに固有であってもよいし、あるいはすべての列導体に共通であってもよい。
各積分期間の終了時において、例えば、第N番目の期間の後の時間tにおいて、センサのラインl1個当たりP個のデジタル値が、すなわち、センサのラインによってそれぞれ観察されたN個のシーン帯に対応するNxP個のデジタル値が収集される。この例では、回路CLANは、N個のラインlのそれぞれ、すなわちp1,1(t),...pP,1(t),....,p1,j(t),...pP,j(t),p1,N(t),...pP,N(t)によって供給された、P個の値p1,1(t),...pP,1(t)を出力として供給する。したがって、回路CLANは、メモリMに記憶され、デジタル処理回路CTに伝送されるNxP個のデジタル値を供給する。これらの読み出し動作、変換動作、記憶動作および伝送動作は、図には示されてないシーケンサによって、センサの移動速度と同期してなされる。
所与のシーン帯Lzの、センサの少なくともN個の連続した積分期間、すなわちΔ=t1−,Δ=t2−,....Δ=tN−N−1の後の、時間tを考えられたい。時間tにおいて、メモリMはこのとき、このシーン帯のP個の点のそれぞれに対して、N個の連続した積分期間にわたって、このシーン点に対してセンサの同一のランクのN個の画素によって供給されたN個のデジタル値であって、このシーン点の輝度を表すN個のデジタル値を包含している。したがって、例えば、示されているように、メモリMは、ランクiのシーン点に対してN個の値、pi,1(t),pi,2(t),....pi,N(t)を供給する。
実際には、そして上記で詳述したように、これらの値は、取得されるとそれが続く間、またはN個の値が実際に使用可能になったときに、供給することができる。
デジタル処理回路およびメモリは、実際にはセンサ自体に組み込むか、またはセンサの外部の、センサを利用する光学系に、例えば、ビデオカメラに位置決めしてもよい。これらは、大体において、FPGA型回路によって実施されることになる。
所与のシーン帯Lzに対して、処理回路をシーケンシングして、観察された帯LzのP個の点のそれぞれに対して得られたN個の値を試験してもよい。
実際には、試験ループは、P個のシーン点に対して並行して実行され、P個の試験ループのそれぞれが、試験対象の画素によって供給されたN個の値を受け取る。
N個の値が取得されるとそれが続く間、すなわち最初の2個の値が使用可能になり次第、または帯Lzのシーン点1個当たりN個のデジタル値がすべて使用可能になったときに、試験ループを実行することができる。この後の方の変形例は、さらに詳しく言えば、試験ループが、N個の値、または試験されている値を除外したN−1個の他の値に関して計算された平均値Vmとの比較を行うときに用いられる。
実際には、適切なシーケンスに従って、処理回路CTの試験回路および計算回路に、変換器回路CLANによって現行の積分期間に直接供給されたデジタル値を、およびメモリMによって他の積分期間に供給されたデジタル値を与えることができる。
デジタル処理回路CTは通常、試験ループBtestの出力の関数として、本発明に従って訂正された値Σまたは値Σ’を計算するように適合されている。
これらの計算回路および試験回路の実際の実施、ならびにそれらのシーケンシングは、当業者が実施する上で、特に困難を伴うものではない。それは、デジタル処理回路において、またはデジタル処理回路によって実施され、センサの各積分期間においてNxP個のデジタル値を取得して記憶するための、および、処理回路にデジタル値を供給して、センサの感光性のラインの前を移動するシーンの速度と同期して、観察されたそれぞれのシーン帯に対して計算された輝度値の流れを出力として得るための、通常のシーケンシングステップに組み込んでいる、通常のデジタル計算手段および試験手段、またはメカニズムを用いている。

Claims (12)

  1. シーンの1個または複数の画像を、能動画素時間遅延積分画像センサであって、前記画像センサのP個の感光画素からなる少なくとも2個のラインにより連続的に行われる同一のシーン帯の同期読み出し、および様々なラインにより読み出しされた信号の画素単位の合算を可能にする能動画素時間遅延積分画像センサを用いて、キャプチャするための方法であって、
    −前記様々なラインの前記画素からの前記信号が、デジタル値であって、前記センサの前記様々なラインの同一のランクの前記画素に対して、同一のシーン点の輝度をそれぞれ表すデジタル値を確定しながら、デジタル化され、
    −前記センサのラインの第1の画素からの第1のデジタル値と、前記センサの少なくとも1個の他のラインの前記同一のランクの前記画素または複数の前記画素からの第2のデジタル値との間で差が計算され、
    計算の結果が閾値(k)と比較され、
    −前記結果が前記閾値未満である場合には、前記第1のデジタル値が許容可能であると見なされ、前記センサの前記様々なラインの前記同一のランクの前記画素からの前記デジタル値が加算されて、前記シーン点の前記輝度を表す第3のデジタル値を供給し、
    −前記結果が前記閾値を上回っている場合には、前記第1のデジタル値が許容不可であると見なされ、前記様々なラインの前記同一のランクの前記画素からの前記デジタル値の加算の際に前記第1のデジタル値を考慮に入れない第4のデジタル値を確定して、前記シーン点の前記輝度を表すことを特徴とする方法。
  2. 前記センサが、Nが少なくとも2に等しいN個のラインを備え、前記第2のデジタル値が、画素からなる前記N個のラインの別のラインの同一のランクの第2の画素によって供給されたデジタル値である、請求項1に記載の画像キャプチャ方法。
  3. 前記第4のデジタル値が、前記センサの前記N個のラインの同一のランクの前記画素からの前記N個のデジタル値の加算の際に前記第1のデジタル値を、前記第2のデジタル値に置き換えることによって得られる、請求項2に記載の画像キャプチャ方法。
  4. 前記第4のデジタル値が、前記センサの前記N個のラインの前記同一のランクの前記画素からの前記N個のデジタル値の前記加算の際に前記第1のデジタル値を平均値に置き換えることによって得られるとともに、前記平均値が、前記同一のランクの前記画素からの、前記第1のデジタル値を除外しているデジタル値の平均値であることが好ましい請求項2に記載の画像キャプチャ方法。
  5. 前記第1のデジタル値および前記第2のデジタル値が、画素からなる2個の隣接したラインに属する同一のランクの2個の画素によって供給されたデジタル値である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像キャプチャ方法。
  6. 前記センサが、Nが2よりも大きいN個のラインを備え、計算動作および比較動作が、様々な隣接したラインのペアに対して連続的に行われることを特徴とする、請求項1に記載の画像キャプチャ方法。
  7. 前記計算の結果が、前記第1のデジタル値と、前記第2のデジタル値との間の前記差の絶対値の形式で供給されることを特徴とする、請求項1、2、3、5または6のいずれか一項に記載の画像キャプチャ方法。
  8. 前記センサが、Nが2よりも大きいN個のラインを備えるとともに、前記第2のデジタル値が、前記センサの前記N個のラインの前記同一のランクの前記画素によって供給された前記N個のデジタル値から計算された平均値であって、前記同一のシーン点の前記輝度を表す平均値であることを特徴とする、請求項1に記載の画像キャプチャ方法。
  9. 前記第2のデジタル値が、前記センサの前記N個のラインの前記同一のランクの前記画素によって供給された前記デジタル値の前記平均値であって、前記第1のデジタル値を除外している前記平均値である、請求項8に記載の画像キャプチャ方法。
  10. 前記第4のデジタル値が、前記センサの前記N個のラインの前記同一のランクの前記画素からの前記N個の値の前記加算の際に前記第1のデジタル値を、前記第2のデジタル値に置き換えることによって得られる、請求項8または9に記載の画像キャプチャ方法。
  11. 前記第4のデジタル値が、前記センサのN個のラインの前記同一のランクのN個の画素からのN個のデジタル値の総和に等しく、かつ、前記同一のシーン点の前記輝度を表し、前記第1のデジタル値がナル値に置き換えられる場合であって、rが、前記センサの前記同一のランクの画素の数であり、この画素の数に対して前記第1のデジタル値がナル値に置き換えられている場合に、係数N/(N−r)を乗算することを特徴とする、請求項1、2、8または9のいずれか一項に記載の画像キャプチャ方法。
  12. P個の感光画素からなるN個のラインを含み、かつ、P個の感光画素からなる少なくとも2個のラインにより連続的に行われる同一のシーン帯の同期読み出し、および様々なラインにより読み出しされた信号の画素単位の合算を可能にする能動画素時間遅延積分画像センサであって、各画素によって供給された前記信号をデジタル化するための回路(CAN)と、前記様々なラインに属する同一のランクの画素であって、同一のシーン点を調べた同一のランクの画素からのデジタル値のデジタル加算を行うように構成され、出力として供給された加算の結果が、像点によって受光された光を表すデジタル処理回路(CT)と、を備えるとともに、前記デジタル処理回路が、
    −前記センサのラインの画素からの第1のデジタル値であって、シーン点の輝度を表す前記信号の第1のデジタル値と、前記センサの少なくとも1個の他のラインの前記同一のランクの前記画素または複数の前記画素からの第2のデジタル値であって、前記同一のシーン点の輝度を表す第2のデジタル値との間で差を計算し
    −前記計算の結果を閾値(k)と比較し、
    −前記計算の前記結果が前記閾値を超過する場合には、前記デジタル加算を修正し、前記デジタル加算に対する置き換えの際に、前記第1のデジタル値を考慮に入れない別のデジタル総和を供給するようにさらに構成されていることを特徴とする、センサ。
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