JP6687517B2 - アシル化方法 - Google Patents

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Description

本出願は、EP13188992.5号に対する優先権を主張するものであり、本出願の全内容はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物のアシル化方法、アミロースおよび/またはアミロペクチン生成物を含むアシル化ポリマー組成物、ならびにある特定の用途、好ましくはインクにおけるこのようなアシル化生成物の使用に関する。
アシル化デンプンのような、アシル化ポリマー組成物は、広範な工業適用ポリマーに使用され得る重要な処理された再生可能な原料である。それらは、例えば、インク(例えば、国際公開第2012059号パンフレット)、薬剤学における賦形剤(例えば、国際公開第11011217号パンフレット)および食品(例えば、米国特許出願公開第2013236624号明細書)に適用され得る。
アミロースおよび/またはアミロペクチン、例えば、デンプンを含むポリマー組成物のアシル化のための一般的な方法は、このようなポリマー組成物と、ポリマーのヒドロキシル官能基と反応してアシル化ポリマー組成物を形成するアシル化剤、例えば、カルボン酸無水物との反応である。アシル化ポリマー組成物、具体的にはアシル化デンプンの物理的特性は、アシル化方法で制御することが困難である。
したがって、本発明の目的は、アミロースおよび/またはアミロペクチン、例えば、デンプン、を含むポリマー組成物の改良されたアシル化方法を提供することである。優れた物理的特性を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物は、本発明の別の目的である。優れた物理的特性を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を原料として使用して、インク、ワニス、ラッカー、コーティング、増粘剤、接着剤またはバインダーを製造する方法を提供することも、本発明の目的である。好ましくは、これらのアシル化ポリマー組成物は、インクの製造における原料として使用され得る。
今や、アシル化ポリマー組成物、例えば、アシル化デンプンの物理的特性は、先にデンプンを、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸Aおよび酵素からなる群から選択される1種の添加剤、ならびに任意選択により、少なくとも1種のポリカルボン酸と組み合わせての少なくとも1種の塩、および少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を含む群から選択される1種以上の添加剤を含む水相で処理することによって有効に制御され得ることが見出された。物理的特性は、アシル化ポリマーを、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸A’で水の存在下で処理することによって、アシル化工程後の追加の工程でさらに制御され得る。
その結果として、その最も広い実施形態において、本発明は、10〜200mPas(25℃でEtOAc中35重量%)の粘度を有するアシル化ポリマー組成物の製造方法であって、
(a)アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物を、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸A、および酵素からなる群から選択される1種の添加剤ならびに任意選択により、少なくとも1種のポリカルボン酸と組み合わせての少なくとも1種の塩、および少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を含む群から選択される1種以上の添加剤を含む水相で前処理する工程と、
(b)前処理されたポリマー組成物をアシル化剤と反応させて、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を得る工程と
を含む方法に関する。
この方法における前処理工程は、ポリマー組成物の十分な膨潤を可能にし、したがって、効率的にアシル化され得る前処理ポリマーを与える。さらに、粘度の調整は、前処理工程で行うことができる。これは、以下にさらに詳述される。
アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む好ましいポリマー組成物は、デンプンである。
好ましい実施形態において、本発明は、10〜200mPas(25℃でEtOAc中35重量%)の粘度を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を製造する方法であって、
(a)アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物を、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸A、および酵素からなる群から選択される1種の添加剤ならびに任意選択により、少なくとも1種のポリカルボン酸と組み合わせての少なくとも1種の塩、および少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を含む群から選択される1種以上の添加剤を含む水相で前処理する工程と、
(b)前処理されたポリマー組成物をアシル化剤と反応させて、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を得る工程と、
(c)工程(b)で得られたアシル化ポリマーを、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸A’と水の存在下で反応させる工程と
を含む方法に関する。
好ましい実施形態における方法による工程(c)において、部分加水分解が行われ、それにより、DSが制御される。得られた生成物は、改善されたEtOH耐性を有する。DSおよびEtOH耐性は、以下にさらに説明される。
本発明はさらに、このような方法で得られ得る、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物に関する。
本発明の別の目的は、2.0〜2.9の範囲の置換度(DS)を有し(ここで、ポリマー組成物の粘度は10〜200mPas(25℃でEtOAc中35重量%)である)、かつ60%(v/v)以下のEtOH耐性を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物である。
本発明のさらなる目的は、2.0〜2.9の範囲の置換度(DS)(ここで、ポリマー組成物の粘度は10〜200mPas(25℃でEtOAc中35重量%)である)、1.3〜2.6の多分散性、120〜170℃のガラス転移オフセット温度および60%(v/v)以下のEtOH耐性を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物である。アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む好ましいアシル化ポリマー組成物は、デンプンである。
原料として、特許請求されるアシル化方法によって提供されたアシル化デンプン、ならびに/または特許請求される方法によって得られ得る、アミロースおよび/もしくはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー、ならびに/または2.0〜2.9の範囲の置換度(DS)(ここで、ポリマーの粘度は10〜200mPasの粘度である(25℃でEtOAc溶液中35重量%で測定された))を有し、かつ60%(v/v)以下のEtOH耐性を有する、アミロースおよび/もしくはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を使用して、インク、ワニス、ラッカー、コーティング、増粘剤、接着剤またはバインダー、好ましくはインク、を製造する方法も、本発明において特許請求される。EtOHは、エタノールを示すことが意図される。
別の態様において、原料として、特許請求されるアシル化方法によって提供されたアシル化デンプン、ならびに/または特許請求される方法によって得られ得る、アミロースおよび/もしくはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物、ならびに/または2.0〜2.9の範囲の置換度(DS)(ここで、ポリマーの粘度は10〜200mPas(25℃でEtOAc溶液中35重量%で測定された))、1.3〜2.6のポリマーの多分散性、120〜170℃のガラス転移オフセット温度を有し、かつ70%(w/w)以下のEtOH耐性を有する、アミロースおよび/もしくはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を使用して、インク、ワニス、ラッカー、コーティング、接着剤またはバインダー、好ましくはインク、を製造する方法も、本発明において特許請求される。本明細書において、複数形および単数形は、交換可能に使用される。したがって、本明細書で特に断りがないか、または文脈により明らかに矛盾しない限り、複数形は、単数形も含み、逆もまた同様であることが理解されるべきである。例えば、「酸(acid)」は、単一の酸、または2種以上の酸の混合物を示す。別の例として、「デンプン」は、単一の供給源からの単一のデンプン、アミロペクチン/アミロース組成物および/または変性物、ならびに異なる供給源の2種以上のデンプンの混合物、アミロペクチン/アミロース組成物、変性物など、を示す。
アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物は、一般的にはアミロースの単離部分もしくはアミロペクチンの単離部分、またはアミロースおよびアミロペクチンの混合物からなり得る。デンプンは、本質的にアミロースおよびアミロペクチンの混合物を含む好ましいポリマー組成物である。これらの物質のそれぞれは、α−(1−4)およびα−(1−6)連結を介して互いに連結されたD−グルコース単位から構成され、後者は分子の構造中の分岐に関与している。アミロースとアミロペクチンとの量の比は、ポリマー、例えば、デンプンの供給源に依存する。本発明によれば、アシル化方法のための出発物質として用いられるデンプンは、主としてアミロース、または逆に、主としてアミロペクチン(ワクシーデンプン)を含み得る。一般的に、全デンプンならびに/またはアミロースの単離部分および/もしくはアミロペクチンの単離部分が使用され得る。本発明によれば、用語「アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー」は、その好ましい形態、すなわち「デンプン」を包含する。デンプンは、いずれの天然源にも由来し得、ここで、天然は、前記デンプンが天然に見出されることに関係する。特に区別されない限り、本明細書でのデンプンへの言及は、それらの対応するフラワー(flour)を包含することが意味され、これらは、なおタンパク質、例えば、小麦グルテンを含有している(以下、「デンプン」)。本発明において、単一またはいくつかのデンプン供給源が使用され得る。デンプンはまた、いくつかの供給源、単離アミロース部分および/もしくはアミロペクチン部分、ならびに/または化学的もしくは物理変性デンプンのような誘導体から組み合わされてもよく、これは以下にさらに説明される。デンプンの典型的な供給源は、穀草、塊茎、根茎、豆、果実デンプンおよびハイブリッドデンプンである。好適な供給源には、限定されないが、ミレット、エンドウマメ、ジャガイモ、サツマイモ、メイズ、ソルガム、バナナ、オオムギ、コムギ、コメ、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコンおよびカンナイ(cannay)である。本発明による好ましい供給源は、塊茎、豆または穀草からなる群から選択される。さらにより好ましくは、デンプン供給源は、エンドウマメ、ジャガイモ、サツマイモ、コムギおよびメイズからなる群から選択される。最も好ましくは、高アミロペクチン含有量を有するメイズ(ワクシーメイズ)が、デンプン供給源として使用される。交配育種、転座、逆転、形質転換を含む育種技術、またはそれらの変異を含む遺伝子もしくは染色体工学のいかなる他の方法によって得られる植物由来のデンプンも好適である。
本発明の別の実施形態において、デンプンは化学的および/または物理的に変性されている出発物質として使用される。
「化学変性デンプン」は、特にアミロースおよび/またはアミロペクチン中のヒドロキシル基の部分化学変性物を示すことが意図される。一般的に、本発明による出発物質として選択され得る化学変性デンプンは、架橋デンプン、部分アセチル化デンプン、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化およびメチル化デンプンのような部分エーテル化デンプン、無機エステル化デンプン、カチオン性、アニオン性(カルボキシメチルデンプンのような)、酸化デンプン、両性イオンデンプン、酵素により変性されたデンプンと分類され得る。好ましい化学変性デンプンは、部分ヒドロキシプロピル化デンプンである。
本発明の一実施形態において、変性デンプンは、麦芽デキストリンである。
「物理変性デンプン」は、物理的方法によって変性されたデンプンを示すことが意図される。一般的には、デンプンの変性のための物理的方法には、加熱処理、熱水処理、アニーリング、レトログラデーション、凍結、機械的処理、超高圧処理、ゼラチン化、グロー放電プラズマ処理および浸透圧処理が含まれる。
本発明によれば、上述のデンプン、変性デンプンおよび/または任意の供給源に由来するフラワーの任意の混合物も、本発明の範囲内である。簡単のために、表現「デンプン」は、任意のアミロペクチン/アミロース比を有する任意の供給源に由来する、デンプンのいずれか、変性デンプン、フラワーおよび/またはそれらの混合物のいずれも等しく示すことが意図される。
本発明の一実施形態において、用いられるデンプンは、アミロースおよびアミロペクチンの重量の合計に基づいて、0%以上で、60%以下のアミロース含有量を有する。好ましくは、用いられるデンプンは、0%〜40%のアミロース含有量を有する。特に好ましくは、用いられるデンプンは、0%〜20%のアミロース含有量を有する。
用語「アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物のアシル化」は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物のグルコース単位の遊離ヒドロキシ基と、アシル化剤とが反応して、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む対応するアシル化ポリマー組成物を形成することを示すことが意図される。原理的には、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物は、式ST(OH)に対応し、式ST(OH)3−x(OC(O)R)のアミロースおよび/またはアミロペクチンを含む対応するアシル化ポリマー組成物へとアシル化剤と反応する。「ST」は、アミロースおよび/またはアミロペクチンポリマー主鎖を示す。式ST(OH)3−x(OC(O)R)において、xは、デンプン中のヒドロキシル基のDS(置換度)を示す。DSは、グルコース実体当たりのアシル化ヒドロキシル基の平均量である。一般的に、本発明によるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物のDSは、2.0〜2.9である。好ましくは、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物のDSは、2.05を超える。より好ましくは、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物のDSは、2.07以上である。最も好ましくは、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物のDSは、2.1以上である。好ましくは、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終ポリマー組成物のDSは、2.6以下である。より好ましくは、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物のDSは、2.5以下である。さらにより好ましくは、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物のDSは、2.4以下である。本発明の最も好ましい実施形態において、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物のDSは、2.1〜2.4である。
アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む部分化学変性ポリマー組成物が使用される場合、xは、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物の遊離ヒドロキシル基に関係する。この場合、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む変性ポリマー組成物ST(OR(OH)(3−z)(ここで、Rは、メチルなどの出発物質の化学変性基を示すことが意図される)は、式ST(OR(OH)(3−z)−x(OC(O)R)のアミロースおよび/またはアミロペクチンを含む対応するアシル化ポリマー組成物へとアシル化剤と反応する。この化学反応式において、Rは、化学変性基であり、これは、第1の態様において、ヒドロキシル基をもたない。したがって、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む化学的に変性されたポリマー組成物が出発物質として使用される場合、DSは、zおよびxの合計、DS=x+zを示すことが意味される。簡単のために、本明細書を通して、DSは、化学的に変性されていない出発物質、または第2の態様において、Rが1個のヒドロキシル基をもつ、例えば、ヒドロキシプロピルの場合の化学的に変性された出発物質についてx、およびRがヒドロキシル基をもたない化学的に変性された出発物質においてDS=x+zを示すことが意味される。
本発明によれば、Rは、1〜18個の炭素原子有する直鎖もしくは分岐の脂肪族もしくは脂環式基、7〜12個の炭素原子を有する芳香脂肪族または6〜12個の炭素原子を有する芳香族基である。Rは、任意選択により、1種以上のハロゲン、好ましくはフッ素、NO、フェニル、C(O)OR、ORまたはC1〜6脂肪族基により置換された〜12個の炭素原子を有する芳香族基で置換され得る。Rは、C〜Cアルキル基であり、これは、任意選択により、1個以上のハロゲン、好ましくはフッ素で置換され得る。
アシル化剤は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物のグルコース単位のヒドロキシル基と反応し、それによりアシル基−C(O)R、−C(O)R’および/または−C(O)R’’を移して、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を形成することができる反応物質を示すことが意図される。アシル化剤は、例えば、カルボン酸無水物(RC(O))O、しかしまた式(RC(O))(R’’C(O))Oに対応する非対称カルボン酸無水物であってもよい。他の好適なアシル化剤は、カルボン酸ハロゲン化物またはカルボニルイミダゾールを含む。
一実施形態によれば、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物は、工程(a)において25℃で4.8以下のpKaを有する酸A、ならびに任意選択により、少なくとも1個のポリカルボン酸と組み合わせての少なくとも1種の塩、および1種のヒドロキシカルボン酸を含む群から選択される1種以上の添加剤を含む水相で前処理される。一般的には、25℃で4.8以下のpKaを有する酸Aは、鉱酸、スルホン酸およびカルボン酸からなる群から選択される。酸Aは、一塩基性または多塩基性のいずれかであり得る。酸Aが多塩基酸である場合、少なくともpKaは、25℃で4.8以下である。好ましくは、酸Aは、硫酸、アミドスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはリン酸からなる群から選択される。最も好ましくは、酸Aは、硫酸およびベンゼンスルホン酸からなる群から選択される。一般的には、2種以上の酸Aが、工程(a)で存在し得る。この実施形態において、酸Aは、工程(a)で、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物の量に基づいて、0.001重量%以上の量で添加される。この目的のために、酸と、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物との比を計算する場合、工程(a)前にアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物中に存在するなんらかの水分の重量は、考慮されない。2種以上の酸Aが工程(a)で添加される場合、2種以上の酸Aの重量パーセントの合計は、単一の酸Aについて本明細書で示された重量パーセントと同じである。好ましくは、酸Aは、工程(a)で、0.01重量%以上の量で添加される。最も好ましくは、酸Aは、工程(a)において、0.1重量%以上の量で添加される。一般的には、酸Aは、工程(a)で、5重量%以下の量で添加される。好ましくは、酸Aは、工程(a)で、3重量%以下の量で添加される。最も好ましくは、酸Aは、工程(a)で、1.5重量%以下の量で添加される。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)で添加される酸Aの量は、0.3〜1.3重量%である。
本発明の代替の実施形態において、工程(a)で添加される酸Aの量は、0.1〜1.3重量%である。
別の実施形態によれば、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物は、工程(a)で、酵素ならびに任意選択により、少なくとも1個のポリカルボン酸と組み合わせての少なくとも1種の塩、および1種のヒドロキシカルボン酸を含む群から選択される1種以上の添加剤を含む水相で前処理される。一般的には、酵素は、ヒドロラーゼの群から選択される。好ましくは、酵素はアミラーゼである。アミラーゼは、ヒト、動物もしくは植物起源、細菌源、真菌源、または遺伝子操作微生物源のものであり得る。好ましくは、アミラーゼは、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼおよびγ−アミラーゼを含む群から選択される。非常に好ましい酵素は、アルファ−アミラーゼTermamyl(商標)である。工程(a)によって添加剤として使用される酵素は、ポリマー組成物1g当たり5U(酵素単位)以上の量で添加される。好ましくは、工程(a)で添加剤として使用される酵素は、ポリマー組成物1g当たり10U(酵素単位)以上の量で添加される。さらにより好ましくは、工程(a)で添加剤として使用される酵素は、ポリマー組成物1g当たり15U(酵素単位)以上の量で添加される。一般的には、工程(a)で添加剤として使用される酵素は、ポリマー組成物1g当たり200U(酵素単位)以下の量で添加される。好ましくは、工程(a)で添加剤として使用される酵素は、ポリマー組成物1g当たり150U(酵素単位)以下の量で添加される。より好ましくは、工程(a)で添加剤として使用される酵素は、ポリマー組成物1g当たり100U(酵素単位)以下の量で添加される。最も好ましくは、工程(a)で添加剤として使用される酵素は、20〜90U/1gポリマー組成物の量で添加される。一般的には、工程(a)における酵素分解は、1〜15%鉱酸水溶液、好ましくは塩酸水溶液の添加によって停止される。
本発明の一実施形態によれば、第2の群からの1種以上の添加剤が工程(a)で存在し、ここで、1種の添加剤または2種の添加剤の一方は、1種のポリカルボン酸と組み合わせての少なくとも1種の塩である。用語「ポリカルボン酸」は、少なくとも2個のカルボン酸基をもつカルボン酸を示すことが意図される。ポリカルボン酸は、少なくとも2個のカルボン酸基に加えて、第一級、第二級または第三級アミン、アミド(amide)、ニトロ、ニトリル、アミド(amido)、メルカプト、任意選択により置換されたまたは置換されていないアルキル、任意選択により置換されたまたは置換されていないアリール、ケト−基およびアルデヒド−基を含む群から選択される1個以上の置換基で置換され得る2〜12個の炭素原子を含む。−任意選択により置換されたまたは置換されていないポリカルボン酸が、1個以上の立体中心を有する場合、本発明で使用される場合の用語「ポリカルボン酸」は、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーのすべて、または前述のいずれかの混合物を包含する。一般的には、2種以上のポリカルボン酸が工程(a)で存在し得る。
好ましくは、工程(a)のポリカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸およびコハク酸、グルタル酸ならびにアジピン酸からなる群から選択される。最も好ましくは、ポリカルボン酸は、マロン酸である。本実施形態において、ポリカルボン酸は、工程(a)で、デンプンの量に基づいて、0.01重量%以上の量で添加される。この目的のために、工程(a)前にデンプン中に存在するいかなる水の重量も、ポリカルボン酸とデンプンとの比を計算する場合に考慮されない。2種以上のポリカルボン酸が工程(a)で添加される場合、2種以上のポリカルボン酸の重量パーセントの合計は、単一のポリカルボン酸について上に示された重量パーセントと同じである。好ましくは、ポリカルボン酸は、工程(a)で、0.1重量%以上の量で添加される。最も好ましくは、ポリカルボン酸は、工程(a)で、0.3重量%以上の量で添加される。一般的には、ポリカルボン酸は、工程(a)で、5重量%以下の量で添加される。好ましくは、ポリカルボン酸は、工程(a)で、2.5重量%以下の量で添加される。最も好ましくは、ポリカルボン酸は、工程(a)で、1重量%以下の量で添加される。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)で添加されるポリカルボン酸の量は、0.35〜0.9重量%である。本実施形態において、ポリカルボン酸は、工程(a)で塩と組み合わせて存在する。塩の金属カチオン種は、好ましくは周期系の1族、2族、11族または12族から選択される。好ましくは、塩カチオンは、Mg2+、K+、Zn2+、Na+、Li+、Cu2+およびCa2+からなる群から選択され、ここで、Mg2+が特に好ましい。塩のアニオン種は、鉱酸または有機酸に由来するアニオンから選択され、ここで、アニオンは、好ましくは硫酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩およびマロン酸塩からなる群から選択される。特に好ましいものは、炭酸塩である。この実施形態において非常に好ましい塩は、MgSOであり、別の好ましい塩は、MgCOである。本発明によれば、塩は、一般的には工程(a)で、デンプンの量に基づいて、0.005重量%以上の量で添加される。この目的のために、工程(a)前のデンプン中に存在するいかなる水の重量も、塩とデンプンとの比を計算する場合に考慮されない。2種以上の塩が工程(a)で添加される場合、2種以上の塩の重量パーセントの合計は、単一の塩の場合の上で示された重量パーセントと同じである。好ましくは、塩は、工程(a)で、0.05重量%以上の量で添加される。最も好ましくは、塩は、工程(a)で、0.15重量%以上の量で添加される。一般的には、塩は、工程(a)で、2.5重量%以下の量で添加される。好ましくは、塩は、工程(a)で、1.2重量%以下の量で添加される。最も好ましくは、塩は、工程(a)で、1重量%以下の量で添加される。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)で添加される塩の量は、0.2〜0.8重量%である。
本発明の別の実施形態によれば、第2の群からの1種以上の添加剤が、工程(a)で存在し、ここで、1種の添加剤、または2種以上の添加剤の1つは、少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸である。工程(a)で存在するヒドロキシカルボン酸は、少なくとも1つの位置で少なくとも1個の−OH基で置換されている2〜12個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸である。好ましくは、工程(a)のヒドロキシカルボン酸は、乳酸、グリコール酸およびヒドロキシ酪酸からなる群から選択される。最も好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は乳酸である。一般的には、2種以上のヒドロキシカルボン酸が、工程(a)で添加され得る。ヒドロキシカルボン酸は、−OHによる少なくとも1つの置換に加えて、第一級、第二級または第三級アミン、アミド(amide)、ニトロ、ニトリル、アミド(amido)、メルカプト、任意選択により置換されたまたは置換されていないアルキル、任意選択により置換されたまたは置換されていないアリール、ケト−基およびアルデヒド−基を含む群から選択される1個以上の置換基で置換され得る。任意選択により置換されたまたは置換されていないヒドロキシカルボン酸が1つ以上の立体中心を有する場合、本発明で使用される場合の用語「ヒドロキシカルボン酸」は、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーのすべて、または前述のいずれかの混合物、ならびに2個以上のOH基または他の置換基をもつ任意のヒドロキシカルボン酸を包含する。本発明によれば、ヒドロキシカルボン酸は、工程(a)で、デンプンの量に基づいて、1重量%以上の量で添加される。この目的のために、工程(a)前のデンプン中に存在するいかなる水の重量も、ヒドロキシカルボン酸とデンプンとの比を計算する場合に考慮されない。2種以上のヒドロキシカルボン酸が工程(a)で添加される場合、2種以上のヒドロキシカルボンの重量パーセントの合計は、単一のヒドロキシカルボン酸の場合の上に示された重量パーセントと同じである。好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は、工程(a)で、2重量%以上の量で添加される。最も好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は、工程(a)で、3重量%以上の量で添加される。一般的には、ヒドロキシカルボン酸は、工程(a)で、15重量%以下の量で添加される。好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は、工程(a)で、12重量%以下の量で添加される。最も好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は、工程(a)で、9重量%以下の量で添加される。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)で添加されるヒドロキシカルボン酸の量は、3.5〜8.5重量%である。
本発明の別の実施形態において、添加剤の第2の群からの添加剤は、工程(a)で存在しない。
本発明の一実施形態において、工程(a)およびその後の反応工程(b)(および工程(c)、適用可能な場合)は、カルボン酸RC(O)OHの存在下で行われる。この実施形態において、カルボン酸RC(O)OHは、反応媒体として添加される。好ましくは、カルボン酸RC(O)OHのアシル基は、アシル化剤によって移されるアシル基に対応する。より好ましくは、アシル化剤は、式(RC(O))Oの対称カルボン酸無水物であり、反応媒体として役立つカルボン酸は、式RC(O)OH(式中、Rは上で定義されている)を有し、RC(O)は、カルボン酸無水物および反応媒体として役立つカルボン酸において同じである。最も好ましくは、アシル化剤は、酢酸無水物であり、反応媒体として役立つカルボン酸は、酢酸である。この実施形態において、一般的には工程(a)で添加されるRC(O)OHの重量による量は、計算でデンプン中の潜在的に存在する水分をデンプンの量から減算して、おおよそデンプンの重量による量と等しい。好ましくは、RC(O)OHの量は、80重量%以上である。より好ましくは、RC(O)OHの量は、90重量%以上である。最も好ましくは、RC(O)OHの量は、95重量%以上である。好ましくは、RC(O)OHの量は、120重量%以下である。より好ましくは、RC(O)OHの量は、110重量%以下である。最も好ましくは、RC(O)OHの量は、105重量%以下である。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)で添加されるRC(O)OHの量は、95〜105重量%である。一般的には、2種以上のカルボン酸RC(O)OHが工程(a)で存在し得る。
本発明によれば、工程(a)で存在する水相中の水の量は、一般的には、デンプンの量に基づいて、5重量%以上である。この目的のために、工程(a)前のデンプン中に存在するいかなる水の重量も、塩とデンプンとの比を計算する場合に考慮されない。好ましくは、水の量は、6重量%以上である。最も好ましくは、水の量は、10重量%以上である。一般的には、工程(a)で存在する水相中の水の量は、30重量%以下である。好ましくは、水の量は、25重量%以下である。最も好ましくは、水の量は、20重量%以下である。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)で存在する水相中の水の量は、10%〜20%である。
本発明の代替の実施形態において、工程(a)で存在する水相中の水の量は、一般的には、デンプンの量に基づいて、1重量%以上である。この目的のために、工程(a)前のデンプン中に存在するいかなる水の重量も、塩とデンプンとの比を計算する場合に考慮されない。好ましくは、水の量は、1.5重量%以上である。最も好ましくは、水の量は、2重量%以上である。一般的には、工程(a)で存在する水相中の水の量は、30重量%以下である。好ましくは、水の量は、25重量%以下である。最も好ましくは、水の量は、20重量%以下である。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)で存在する水相中の水の量は、2%〜20%である。本発明によれば、工程(a)は、一般的には20℃以上の温度で行われる。好ましくは、工程(a)は、40℃以上の温度で行われる。最も好ましくは、工程(a)は、60℃以上の温度で行われる。一般的には、工程(a)は、120℃以下の温度で行われる。好ましくは、工程(a)は、110℃以下の温度で行われる。最も好ましくは、工程(a)は、100℃以下の温度で行われる。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)は、60〜80℃の温度で行われる。
本発明の代替の実施形態において、工程(a)は、60〜95℃の温度で行われる。
本発明によれば、工程(a)は、一般的には1分以上の反応時間の間行われる。好ましくは、工程(a)は、3分以上の時間の間行われる。最も好ましくは、工程(a)は、5分以上の時間の間行われる。一般的には、工程(a)は、8時間以下の時間の間行われる。好ましくは、工程(a)は、5時間以下の時間の間行われる。最も好ましくは、工程(a)は、3時間以下の間行われる。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(a)は、1分〜60分の時間の間行われる。
本発明の代替の実施形態において、工程(a)は、1分〜2時間の時間の間行われる。
特に、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の粘度は、工程(a)での温度および反応時間の選択によって影響される。アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の粘度が高い場合、より低い温度および/またはより短い反応時間が選択される。粘度が低い場合、より高い温度および/またはより長い反応時間が選択される。
本発明によれば、工程(a)のアミロースおよび/またはアミロペクチンを含む前処理ポリマー組成物は、工程(b)でアシル化剤と反応させる。上で概略されたとおり、アシル化剤は、デンプンのグルコース単位のヒドロキシル基と反応し、それにより、アシル基-C(O)R、-C(O)R’および/または−C(O)R’’を移して、アシル化デンプンを形成することができる反応物質を示すことが意図される。アシル化剤は、例えば、カルボン酸無水物(RC(O))O、しかしまた式(RC(O))(R’’C(O))Oに対応する非対称カルボン酸無水物であってもよい。他の好適なアシル化剤は、カルボン酸ハロゲン化物またはカルボニルイミダゾールを含む。一般的には、2種以上のアシル化剤が工程(b)で存在してもよい。
本発明はまた、混合アシル化デンプンの形成に関し、ここで、「混合された(mixed)」は、2種以上のアシル化剤が反応中に存在するか、またはカルボン酸R’C(O)OHが(R’’C(O))Oとのアシル化反応に存在することを示すことが意図される。一実施形態において、アシル化は、R’C(O)OHの存在下でアシル化剤(R’’C(O))によって行われて、ST(OH)3-x-y(OC(O)R’)(OC(O)R’’)を与える。再度、最終生成物におけるDS(x+y)は、通常2.0〜2.9である。R’およびR’’は、もう一方から独立して上記Rと同じものを示す。
一実施形態において、アシル化剤は、非対称カルボン酸無水物(RC(O))(R’’C(O))O(ここで、Rは、R”と同一ではない)であり、および通常2.0〜2.9である、DS=(y+x)を有する式ST(OH)3-x-y(OC(O)R’)(OC(O)R’’)から形成される混合アシル化デンプンは、最終生成物で形成され、ここで、RおよびR”は、上記のとおり定義される。
好ましい実施形態において、対称カルボン酸無水物が、アシル化剤として使用される。より好ましくは、(RC(O))O中のRは、−C、−CHCHF、−CHCHFまたは−CHCFであり、カルボン酸無水物は、酢酸無水物、ジフルオロ酢酸無水物およびトリフルオロ酢酸無水物を含む群から選択されることを意味する。最も好ましくは、アシル化剤は、酢酸無水物である。
本明細書において、用語「アシル化剤」は、用語「1種以上のアシル化剤」を包含することが意図される。
本発明によれば、アシル化剤は、一般的には、工程(b)で、40℃以上の反応温度で添加される。より好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、50℃以上の反応温度で添加される。最も好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、60℃以上の温度で添加される。一般的には、アシル化剤は、工程(b)で、100℃以下の反応温度で添加される。より好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、90℃以上の反応温度で添加される。最も好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、80℃以上の反応温度で添加される。最も好ましい実施形態において、アシル化剤は、工程(b)で62〜78℃の反応温度で添加される。発熱アシル化工程の間の温度を制御するために、アシル化剤は、反応混合物への添加前に、例えば、3〜10℃の温度に冷却されてもよい。
本発明による代替の実施形態において、アシル化剤は、一般的には、工程(b)で、40℃以上の反応温度で添加される。より好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、50℃以上の反応温度で添加される。最も好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、60℃以上の反応温度で添加される。一般的には、アシル化剤は、工程(b)で、100℃以下の反応温度で添加される。より好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、98℃以上の反応温度で添加される。最も好ましくは、アシル化剤は、工程(b)で、95℃以上の反応温度で添加される。最も好ましい態様において、アシル化剤は、工程(b)で、62〜95℃の反応温度で添加される。
本発明によれば、アシル化剤の添加後の工程(b)での反応混合物は、一般的には10分以上の間加熱される。より好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、20分以上の間加熱される。さらにより好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、30分以上の間加熱される。一般的には、アシル化剤の添加後の工程(b)での反応混合物は、5時間以下の間加熱される。より好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、4時間以下の間加熱される。さらにより好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、3時間以下の間加熱される。工程(b)でのアシル化反応混合物の加熱についての終点は、一般的には、工程(a)で初期に形成されたスラリーの完全または実質的に完全な溶解によって示され、工程(b)での2.8以上、好ましくは2.9以上のDSへのデンプン中のヒドロキシル基の完全または実質的に完全なアシル化を示す。最も好ましい実施形態において、工程(b)でのアシル化反応のための反応時間は、30分〜3時間である。
本発明による代替の実施形態において、アシル化剤の添加後の工程(b)での反応混合物は、一般的には10分以上の間加熱される。より好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、20分以上の間加熱される。さらにより好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、30分以上の間加熱される。一般的には、アシル化剤の添加後の工程(b)での反応混合物は、6時間以下の間加熱される。より好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、5時間以下の間加熱される。さらにより好ましくは、アシル化剤の添加後の工程(b)でのこの混合物は、4時間以下の間加熱される。工程(b)でのアシル化反応混合物の加熱のための終点は、一般的には、工程(a)で初期に形成されたスラリーの完全または実質的に完全な溶解によって示され、工程(b)における2.8以上、好ましくは2.9以上のDSへのデンプン中のヒドロキシル基の完全または実質的に完全なアシル化を示す。最も好ましい態様において、工程(b)でのアシル化反応のための反応時間は、30分〜3.5時間である。
本発明によれば、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、一般的には40℃以上である。より好ましくは、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、50℃以上である。さらにより好ましくは、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、55℃以上である。一般的には、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、120℃以下である。より好ましくは、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、110℃以下である。さらにより好ましくは、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、100℃以下である。最も好ましくは、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、60℃〜90℃である。
代替の態様において、反応混合物がアシル化剤の添加後の工程(b)で維持される反応温度は、60℃〜95℃である。
本明細書において、「アシル化剤の量」または「アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とアシル化剤とのモル比」はまた、2種以上のアシル化剤が使用される場合、工程(b)で使用されるアシル化剤の量の合計を示す。
本発明によれば、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物の完全または実質的に完全なアシル化は、2.8以上、より好ましくは2.95以上のDSとともに、工程(b)で達成することができる。したがって、アセチル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比が選択される。計算のために、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物のモル重量は、その繰り返し単位である無水グルコースのものと等しくされる。アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む未変性ポリマー組成物の場合、各モルの無水グルコースは、基本的にはアシル化される3個の遊離ヒドロキシル基をもつ。一般的には、工程(b)でのアシル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比は、3:1以上である。好ましくは、工程(b)でのアシル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比は、4:1以上である。さらにより好ましくは、工程(b)でのアシル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比は、4.5:1以上である。本発明によれば、工程(b)でのアシル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比は、19:1以下である。好ましくは、工程(b)でのアシル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比は、1:8以下である。さらにより好ましくは、工程(b)でのアシル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比は、7:1以下である。最も好ましくは、アシル化剤とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物とのモル比は、4:1〜5.5:1である。
追加のアシル化剤が、存在する水の量に対応して工程(b)で存在してもよく、このような過剰のアシル化剤は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物に対するそれぞれのモル比に加えて、それに応じて選択される。
本発明によれば、反応物質の完全または実質的に完全な溶解により示される、工程(b)でのアシル化反応の完了後、工程(b)の反応混合物は、好適には40℃〜70℃の温度に冷却される。より好ましくは、反応混合物は、45℃〜65℃の温度に冷却される。反応混合物に、好適にはカルボン酸RC(O)OH(ここで、カルボン酸のアシル残基は、工程(b)の少なくとも1種のアシル化剤の少なくとも1種のアシル残基に対応する)の水中溶液が添加される。これによって、いかなる過剰のアシル化剤も、その対応するカルボン酸に変換される。
一般的には、連続的な工程(a)および工程(b)により得られたとおりのアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物のDSは、2.8以上、しばしば2.95以上である。驚くべきことに、2.0〜2.9のDSを有するアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を得るための、連続的な工程(a)および工程(b)により得られるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の工程(c)での酸A’による処理は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の溶解度に対して有益な影響を有することが見出された。このようなアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物は、エステルなどの多様な非プロトン性溶媒に良好な溶解性を示す一方で、同時に高いEtOH耐性を有する。このことは、例えば、工程(b)での部分アシル化によっては達成され得ない、連続的な工程(a)、工程(b)および工程(c)により得られ得るアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の予想外の特性である。
その結果として、本発明の好ましい実施形態によれば、連続的な工程(a)および工程(b)の反応混合物中のアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物は、そのようにして工程(c)で少なくとも1種の酸A’と反応させる。本明細書において、「酸A’」は、2種以上の酸A’を含めて、「少なくとも1種の酸A’」も示すことが意図される。酸A’は、25℃で4.8以下のpKaを有する酸であると定義される。一般的には、25℃で4.8以下のpKaを有する酸A’は、鉱酸、スルホン酸およびカルボン酸からなる群から選択される。酸A’は、一塩基性または多塩基性のいずれかであり得る。酸A’が多塩基性である場合、少なくともpKaは、25℃で4.8以下である。好ましくは、酸A’は、硫酸、アミドスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはリン酸からなる群から選択される。最も好ましくは、酸A’は、硫酸およびベンゼンスルホン酸からなる群から選択される。一般的には、2種以上の酸A’が、工程(c)で添加され得る。
本発明によれば、工程(c)での酸A’は、反応混合物に40℃以上の温度で添加される。好ましくは、工程(c)での酸A’は、反応混合物に50℃以上の温度で添加される。さらにより好ましくは、工程(c)での酸A’は、反応混合物に60℃以上の温度で添加される。一般的には、工程(c)での酸A’は、反応混合物に100℃以下の温度で添加される。好ましくは、工程(c)での酸A’は、反応混合物に98℃以下の温度で添加される。さらにより好ましくは、工程(c)での酸A’は、反応混合物に95℃以下の温度で添加される。最も好ましい実施形態において、工程(c)での酸A’は、反応混合物に65℃〜95℃の温度で添加される。
本発明によれば、酸A’は、工程(c)で、工程(a)に対して得られるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物の量に基づいて、0.002重量%以上の量で添加される。この目的のために、工程(a)前のアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物中に存在するいかなる水分の重量も、酸とアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物との比を計算する場合に考慮されない。2種以上の酸A’が工程(c)で添加される場合、2種以上の酸A’の重量パーセントの合計は、単一の酸A’について本明細書で示された重量パーセントと同じである。好ましくは、酸A’は、工程(c)で、0.01重量%以上の量で添加される。最も好ましくは、酸A’は、工程(c)で、0.1重量%以上の量で添加される。一般的には、酸A’は、工程(c)で、5重量%以下の量で添加される。好ましくは、酸A’は、工程(c)で、2重量%以下で添加される。最も好ましくは、酸A’は、工程(c)で、1重量%以下で添加される。本発明の最も好ましい実施形態において、工程(c)で添加される酸A’の量は、0.2〜0.8重量%である。酸A’の添加後、反応混合物は、上で定義されたとおりの添加温度で、「添加後加熱時間」として以下に定義される時間維持される。
工程(c)での添加後加熱時間は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物の意図されるDSに従って選択される。添加後加熱時間が長ければ長いほど、より低いDS値をもたらす。一般的には、添加後加熱時間は、10分以上である。好ましくは、添加後加熱時間は、20分以上である。さらにより好ましくは、添加後加熱時間は、30分以上である。本発明によれば、添加後加熱時間は、10時間以下である。好ましくは、添加後加熱時間は、9時間以下である。さらにより好ましくは、添加後加熱時間は、8時間以下である。最も好ましい実施形態において、添加後加熱時間は、50分〜6時間である。
工程(c)において、反応時間、温度およびA’の量は、最終生成物のDSが2.05以上であるように選択される。好ましくは、工程(c)後のDSは、2.08以上である。さらにより好ましくは、工程(c)後のDSは、2.1以上である。本発明によれば、工程(c)後のDSは、2.9以下である。好ましくは、工程(c)後のDSは、2.6以下である。さらにより好ましくは、工程(c)後のDSは、2.5以下である。最も好ましい実施形態において、工程(c)後のDSは、2.1〜2.4である。
工程(c)での酸A’の添加前に反応混合物中に存在する水の合計量は、好ましくは5〜20%であり、既には達成されていない場合、それに応じて適切に調整されるべきことが留意されるべきである。
本発明によれば、アシル化生成物は、水中沈殿により工程(c)後に回収される。さらなる単離工程は、例えば、洗浄、濾過、スピニング、圧締、乾燥および/または粉砕を含み得る。
本発明の一実施形態において、工程(a)、工程(b)および工程(c)のいずれも、個別にまたは任意の組合せで追加の溶媒、反応物質または試薬、例えば、ジクロロメタンまたはトルエンのような有機溶媒の存在下で行われもよい。
別の実施形態によれば、本発明による方法の間のいずれの時間においても、溶媒、反応物質または試薬はさらなる使用のために本方法から回収される。
酸Aの、酸解離定数として知られるpKa値は、標準的な電位差滴定法の手順によって決定されてもよい。代替として、NMRまたはUV決定法を、pKa決定のために用いることができる。
DS値は、以下の方法によって測定される。アシル化ポリマーは、硫酸と18〜23℃の温度で15〜30時間の時間反応させる。反応混合物は、好ましくはVapodest 40s(Gerhardt Analytical Systems)などの自動蒸留装置で、水蒸気蒸留にかけられる。蒸留物は、NaOHで滴定される。DSは、蒸留物を中和するのに必要とされるNaOHの量から計算され得る。
EtOH耐性は、溶解度パラメータである。それは、生成物、この場合アシル化デンプン、の規定量を、アシル化デンプンが完全に溶解する規定濃度の溶液、好ましくは酢酸エチルなどの非プロトン性溶媒中の溶液から沈殿させるのに必要であるエタノールの量を記述する。EtOH耐性が高ければ高いほど、非プロトン性溶媒の存在下でプロトン性溶媒に対する生成物の耐性はより高い。一般的には、アシル化デンプンは、プロトン性または非プロトン性溶媒のいずれかに可溶性である。驚くべきことに、本発明による方法により得られるアシル化デンプンは、非プロトン性溶媒に対して良好な溶解度を示す一方で、同時にプロトン性溶媒に耐性があることが見出された。これは、本発明によるアシル化デンプンを、インク、ワニス、ラッカー、コーティング、増粘剤、接着剤またはバインダーにおける使用に非常に好適にさせ、これらはすべて、多種多様な異なる溶媒系を使用する。
EtOH耐性は、DP5−Phototrode付きのMettler ToledoのT70 Titration Excellence Lineを使用して濁度滴定で測定される。
滴定のために、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物のEtOAc中10%溶液が調製され、このEtOAc中10%溶液25mLの試料が25℃でEtOHで自動的に滴定される。
2.1〜2.45のDSを有するアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の場合、滴定の終点は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む沈殿アシル化ポリマー組成物の3.3%〜4.7%固体含有量である。本発明によるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の場合のこのDS範囲でのEtOH耐性は、53(v/v)〜63%(v/v)である。これは、33%〜4〜7%のアシル化ポリマーが、EtOAc中53%(v/v)のEtOH〜EtOAc中63%(v/v)のEtOHの溶液に沈殿することを示す。これはまた、アシル化ポリマーのEtOH−希釈性に関し、これは以下にさらに記載される。本発明によるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物について2.1〜2.45のDS範囲のEtOH希釈性は、1.12〜1.7である。
2.46〜2.9のDSを有するアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の場合、滴定の終点は、沈殿アシル化デンプンの4%〜9.5%の固体含有量である。このDS範囲におけるEtOH耐性は、60%(v/v)以下である。好ましくは、このDS範囲におけるEtOH耐性は、5%(v/v)〜57%(v/v)である。これはまた、アシル化ポリマーのEtOH希釈性に関し、これは以下にさらに記載される。本発明によるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物についての2.46〜2.9のDS範囲のEtOH希釈性は、1.5以下である。好ましくは、このDS範囲におけるEtOH希釈性は、0.05〜1.33である。
EtOH耐性は、「非溶媒希釈性」、ここでは、ポリマーを十分溶解することができる溶媒(これは、この場合EtOAcである)中のアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物のEtOH希釈性を記述する代替の仕方である。アシル化ポリマーおよびEtOAcからなる溶液は、極性溶媒、しばしば水であるが、本発明ではこのポリマーを溶解させず、非溶媒であるEtOHに対して滴定される。EtOAc中のアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物は、上に記載されたとおりに濁度が観察されるまでEtOHに対して滴定され、EtOAc中の滴定ポリマー組成物から沈殿するポリマーのフロック形成を示す。非溶媒希釈性は、文献、例えば、Vincentz Network GmbH(ISBN 3−87870−749−5)により刊行された、J.Prieto and J.Kiene,“Holzbeschichtung”,p.61,2007で公知の用語であり、ここでは、独語用語「Verschneidbarkeit」により特定されており、これは、フロック形成のゼラチン化が観察されるまで、ある量の溶媒(これは本発明ではEtOAcである)中のポリマーの溶液に添加され得る非溶媒(本発明ではEtOH)の量と定義される。例えば、1.12の希釈性は、沈殿が観察されるまで、1.12部までのEtOHが、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマーおよび1部のEtOAcを含有する溶液に添加され得ることを示す。本発明で使用される場合の希釈性は、所定のポリマーに対するだけでなく、所定の濃度および温度での非溶媒/溶媒系に対する溶媒の適切性、また、その溶媒中の非溶媒に対するポリマーの耐性も示す。この特性は、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物のDSに関連するだけでなく、恐らくはポリマー組成物のヒドロキシル基の置換パターンにも直接依存し、これは、本発明による方法で有効に制御される。
流体の粘度は、せん断応力または引張り応力による漸進的変形に対するその抵抗性の尺度である。流体の場合、それは、「増粘」の非公式概念に対応する。アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の溶液は、それらの粘度により特徴付けることができ、これは、同じ溶媒中、同じ温度で同じ濃度の粘度と比較される場合、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の物理的および化学的特性に主として依存する。驚くべきことに、本発明によるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の粘度は、それに応じて反応パラメータ、特に工程(a)のパラメータを設定することにより、所望の範囲で影響を与えることできる。これは、本発明によるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を、インク、ワニス、ラッカー、コーティング、増粘剤、接着剤またはバインダーにおける使用に非常に好適にさせ、これらはすべて、多種多様な異なる溶媒系を使用し、それらの溶媒系における様々な比粘度要件を有する。
本発明の方法により得られ得るアミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物は、回転粘度計、例えば、Rheomat R180(ProRheo)によって25℃でEtOAc中35%(w/w)溶液中で測定された、10〜200mPasの粘度を有する。好ましくは、粘度は、10mPas以上である。さらにより好ましくは、粘度は、12mPas以上である。好ましくは、粘度は、200mPas以下である。さらにより好ましくは、粘度は、190mPas以下である。最も好ましい実施形態において、粘度は、15〜180mPasである。
少なくとも1種の塩と少なくとも1種のポリカルボン酸との組合せが工程(a)における添加剤の第2の群から選択される場合、アシル化生成物の粘度は、30℃でトリアセチン中10重量%溶液として測定された、77mPas未満であることが好ましい。
少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸が工程(a)における添加剤の第2の群から選択される場合、アシル化生成物の粘度は、30℃でトリアセチン中10重量%溶液として測定された、50mPas未満であることが好ましい。
1つの好ましい態様によれば、本発明による方法は、連続様式で行われる。別の態様において、それは、本発明の1以上の工程をバッチ様式で操作するために有利であり得る。参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
実施例1
12.6重量%の水分量を有する1000kgのワクシーメイズを、900kgの氷酢酸、2.2kgの硫酸(72%w/w)および20kgの蒸留HOと、75〜95℃で1.5時間反応させた。
3250kgの無水酢酸(91.2%w/w、T=8℃)を1.5時間で少しずつ添加した。
反応温度は、75〜95℃に維持した。
3.5時間後、反応物質および生成物を完全に溶解させた。反応混合物を50℃まで冷却し、365kgの、水中40%酢酸を添加した。その後、反応混合物を水に沈殿させて、アセチル化デンプンを得た。
沈殿粉末を酢酸が検出できなくなるまで洗浄した。
酢酸デンプン粉末を約20重量%の固体含有量まで加圧し、約0.5〜3重量%の水分含有量まで乾燥させた。
実施例2
実施例1において、アセチル化反応後、反応を水中40%w/w酢酸の添加により停止させ、それにより、8〜12重量%の水含有量を反応混合物中で調整した。反応混合物をおよそ70〜95℃の温度まで加熱し、0.3重量%の濃硫酸(95〜98%w/w)を添加した。
70〜95℃で1〜17時間で、一連の異なるDS(2.9〜2.2)を得た。生成物は、置換度に依存して、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、アセトン、トリアセチン、クロロホルムに可溶性である。
13時間後に得られた酢酸デンプンの特性は、以下のとおりである:
粘度(酢酸エチル中35重量%、25℃):75mPas。
2.26のDSを有するこの特定の誘導体の固体組成物は、1.37g/cmの平均密度、9.5m/gの表面積、0.283の嵩密度、10〜100μmの主粒径分布および151.28℃のガラス転移オフセット温度を有する。
実施例3
13.6重量%の水分含有量を有する450gのワクシーメイズを、420gの氷酢酸、1.1gの硫酸(72%w/w)および4gの蒸留HOと75℃で1.0時間反応させた。
1.45kgの無水酢酸(91.2%w/w、T=8℃)をポンプによって連続的に3.5時間添加した。
反応温度は、75〜95℃に維持した。
3.5時間後、反応物質および生成物を完全に溶解させた。反応混合物を50℃まで冷却し、水中56.5%w/wの0.220lの酢酸を添加した。反応を56.5%w/wの酢酸の添加により停止させた後、10〜12重量%の水含有量を反応混合物中で調整し、反応混合物をおよそ70〜95℃の温度まで加熱し、0.002重量%の濃硫酸(95〜98%w/w)を添加する。
1〜10時間で、一連の異なるDS(置換度2.9〜1.6)を得た。
沈殿粉末を酢酸が検出できなくなるまで洗浄した。
酢酸デンプン粉末をおよそ20重量%の固体含有量まで加圧し、0.5〜3重量%の水分含有量に乾燥させた。
粘度(25℃でEtOAc中35w%)=28mPas(工程cによる処理4.5時間後)
酢酸エチル、トリアセチン、クロロホルムに可溶性である。

Claims (13)

  1. 10〜200mPas(25℃でEtOAc中35重量%)の粘度を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の製造方法であって、
    (a)アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物を、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸Aおよび酵素からなる群から選択される1種の添加剤を含む水相で前処理する工程と、
    (b)前記前処理されたポリマー組成物をアシル化剤と反応させて、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を得る工程と
    を含む方法。
  2. 10〜200mPas(25℃でEtOAc中35重量%)の粘度を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物の製造方法であって、
    (a)アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物を、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸Aおよび酵素からなる群から選択される1種の添加剤を含む水相で前処理する工程と、
    (b)前記前処理されたポリマー組成物をアシル化剤と反応させて、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を得る工程と、
    (c)工程(b)で得られた前記アシル化ポリマー組成物を、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸A’と水の存在下で反応させる工程と
    を含む方法。
  3. 工程(a)において、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む前記ポリマー組成物が、20℃〜85℃の範囲の温度で1分〜60分の範囲の前処理時間の間前処理される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(a)で使用される前記少なくとも1種の酸Aおよび工程(c)で使用される前記少なくとも1種の酸A’が、同じかまたは異なることができ、鉱酸、スルホン酸およびカルボン酸(それらのすべては一塩基性または多塩基性のいずれかである)からなる群から選択される、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記添加剤が、酵素であり、かつ工程()における酸A’が、鉱酸、スルホン酸およびカルボン酸(それらのすべては、一塩基または多塩基のいずれかである)からなる群から選択される、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記アシル化剤が、カルボン酸、対称または非対称カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物およびカルボン酸カルボニルイミダゾールからなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程(a)が、モノカルボン酸の存在下で行われ、前記モノカルボン酸は、前記アシル化剤の加水分解により得られる前記カルボン酸に対応する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(a)で前処理するために提供されるアミロースおよび/またはアミロペクチンを含む前記ポリマー組成物が、化学変性デンプン、未変性デンプン、ならびに化学変性デンプンおよび未変性デンプンの混合物からなる群から選択され、メイズデンプン、コムギデンプン、ジャガイモデンプン、コメデンプン、エンドウマメデンプン、ライムギデンプン、ミレットデンプンおよびマニオクデンプンからなる群から選択される化学未変性デンプンが提供されるか、または化学変性メイズデンプン、化学変性コムギデンプン、化学変性ジャガイモデンプン、化学変性コメデンプン、化学変性エンドウマメ、化学変性ライムギデンプン、化学変性ミレットデンプンおよび化学変性マニオクデンプンからなる群から選択される前記化学変性デンプンが提供される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記化学変性デンプンは、架橋デンプン、アシル化デンプン、ヒドロキシエチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、メチル化デンプン、酸化デンプン、およびカチオン性またはアニオン性デンプンからなる群から選択される、請求項に記載の方法。
  10. 前記前処理の時間および温度が、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む最終アシル化ポリマー組成物の粘度(25℃でEtOAc中35重量%溶液として測定された)が、10〜200mPasの範囲であるように選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(c)の反応時間および反応温度が、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含む前記アシル化ポリマー組成物の置換度(DS)が2.0〜2.9であるように選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 以下の工程:
    (a)アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むポリマー組成物を、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸A、および酵素からなる群から選択される1種の添加剤を含む水相で前処理する工程と、
    (b)前記前処理されたポリマー組成物をアシル化剤と反応させて、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物を得る工程と、
    (c)工程(b)で得られた前記アシル化ポリマー組成物を、25℃で4.8以下のpKaを有する少なくとも1種の酸A’と水の存在下で反応させる工程と
    を含む方法によって得られ得る、10〜200mPas(25℃でEtOAc中35重量%)の粘度を有する、アミロースおよび/またはアミロペクチンを含むアシル化ポリマー組成物。
  13. 料として請求項12のアミロースおよび/もしくはアミロペクチンを含む前記アシル化ポリマー組成物を使用する工程を含めて、インクを得るための原料を得る工程を含む、インクを製造する方法。
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