JP6686424B2 - バラスト水の制御装置及びバラスト水処理システムの制御方法 - Google Patents

バラスト水の制御装置及びバラスト水処理システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、バラスト水処理における塩素系殺滅剤の添加量を最適に決定してバラスト水を制御するための制御装置及び制御方法に関する。
一般に船舶、特に貨物船は、積載貨物などの重量を含めて設計されているため、空荷または積荷が少ない状態の船舶は、プロペラ没水深度の確保、空荷時における安全航行の確保等の必要性から、出港前に港において海水を取水して船舶のバランスを取るが、このバラストとして用いられる水のことを船舶バラスト水とよぶ。この船舶バラスト水は、無積載で出港するとき、その出港地で港の海水などをバラストタンクに積み込む一方、逆に港内で積荷をするときには、船舶バラスト水の排水を行う。
ところで、環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を往復する船舶によって船舶バラスト水の注排水が行われると、荷積み港と荷下し港における船舶バラスト水に含まれる微生物の差異により沿岸生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。そこで、船舶の船舶バラスト水管理に関する国際会議において2004年2月に船舶の船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約が採択され、船舶バラスト水の処理が義務付けられることとなった。
船舶バラスト水の処理基準として国際海事機構(IMO)が定める基準は、船舶から排出される船舶バラスト水に含まれる50μm以上の生物(主に動物プランクトン)の数が1m中に10個未満、10μm以上50μm未満の生物(主に植物プランクトン)の数が1ml中に10個未満、コレラ菌の数が100ml中に1cfu未満、大腸菌の数が100ml中に250cfu未満、腸球菌の数が100ml中に100cfu未満となっている。
このようなバラスト水の処理基準を満たすために、船舶バラスト水に次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムなどの塩素系殺滅剤を添加して、滞留時間を確保することにより微生物等を殺滅する船舶バラスト水の処理方法が提案されている。このバラスト水処理における塩素系殺滅剤の添加量は、IMO基本承認時に設定された最大許容添加量(MAD)を指標として決定される。
このようにバラスト水に塩素系殺滅剤を添加する場合、時間とともに塩素が消費されるので、塩素系活性物質の消費速度を算出して、バラスト水の排出時、すなわち航海の終了時までの必要量を添加するのが望ましい。そこで、このようなバラスト水の制御方法として特許文献1には、薬液供給装置から所定量の次亜塩素酸ナトリウムが供給されたバラスト水供給ライン中のバラスト水をサンプリングし、サンプリングした試料における次亜塩素酸ナトリウム濃度の減衰を測定し、該測定データに基づいて薬液供給装置から前記ラインへ供給する次亜塩素酸ナトリウムの供給量を調節することが開示されている。
特開2012−106224号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、次亜塩素酸ナトリウムが供給されたバラスト水供給ライン中のバラスト水をサンプリングしているが、次亜塩素酸ナトリウムが供給されたバラスト水は、混合直後はいまだ濃度が偏在化しているので次亜塩素酸ナトリウムの供給箇所からある程度離れた位置でサンプリングしなければならない。このため次亜塩素酸ナトリウムの供給装置とサンプリング及び次亜塩素酸ナトリウム濃度測定装置を船舶の内部に埋設されたバラスト水供給ラインの2か所で広い範囲で施工する必要があり、既存の船舶に設置する場合には工期が長くなるだけでなく、費用も嵩むという問題点がある。
本発明は、かかる課題を解決して、簡便な構造で塩素系殺滅剤の添加量を最適に決定してバラスト水を制御するための装置を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる装置を用いたバラスト水の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は第一に、取水されたバラスト水をバラストタンクに供給するためのバラスト水供給ラインと、前記バラスト水中の水生微生物を殺滅処理するための塩素系殺滅剤溶液を前記バラスト水供給ラインに供給する薬液供給装置と、前記バラスト水供給ライン内に設けられた前記塩素系殺滅剤溶液の混合部とを備えるバラスト水処理システムにおいて、前記バラスト水供給ライン内に前記混合部から該バラスト水供給ラインの直径(d)に対しバラストタンク側に3倍以上離間した位置にまで延在してサンプリング配管を設置するとともにこのサンプリング配管に接続して全残留酸化性物質濃度計測手段を設け、該全残留酸化性物質濃度計測手段の測定結果に基づいて前記薬液供給装置を制御する制御機構を備えたことを特徴とするバラスト水の制御装置を提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺滅剤をバラスト水供給ラインに供給した場合、その濃度が十分に均質化するためには、混合部の終端からバラスト水供給ラインの直径(d)に対して3倍以上の長さが必要であることがわかった。したがって、サンプリング配管の先端をバラスト水供給ラインの直径(d)に対しバラストタンク側に3倍以上離間した位置にまで延在させ、このサンプリング配管の先端からバラスト水をサンプリングすれば、バラスト水の塩素系殺滅剤濃度が均質となっているので、このバラスト水中の全残留酸化性物質濃度(TRO)を測定することで、塩素系殺滅剤の添加量を最適に決定することができる。しかも、薬液供給装置と混合部とは近接しているので、前記混合部の近傍にサンプリング配管を設けることにより、バラスト水供給ラインの一か所を施工するだけでよく、簡便な構造で経済的にも優れている。
上記発明(発明1)においては、前記サンプリング配管の径(d1)が前記バラスト水供給ラインの径(d)の1/5以下であるのが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、サンプリング配管の面積がバラスト水供給ラインの面積に対し十分に小さくなるので、バラスト水の流通に支障をきたすことがない。
上記発明(発明1、2)においては、前記薬液供給装置が前記バラスト水の排出時の中和剤を添加可能となっているのが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、排出する際のバラスト水をサンプリング配管から採取して全残留酸化性物質濃度(TRO)を計測することで、中和剤の添加量を最適に決定することができる。
また、本発明は第二に、取水されたバラスト水をバラストタンクに供給するバラスト水供給ラインに前記バラスト水中の水生微生物を殺滅処理するための塩素系殺滅剤溶液を薬液供給装置から供給して前記バラスト水供給ライン内に設けられた混合部で混合するバラスト水処理システムの制御方法であって、前記バラスト水供給ライン内を前記混合部から該バラスト水供給ラインの直径(d)に対してバラストタンク側に3倍以上離間した位置にまで延在したサンプリング配管の先端からバラスト水を採取し、この採取したバラスト水の全残留酸化性物質濃度(TRO)を前記混合部の近傍に設けた全残留酸化性物質濃度計測手段により測定し、該全残留酸化性物質濃度計測手段の測定結果に基づいて前記塩素系殺滅剤溶液の供給量を制御することを特徴とするバラスト水処理システムの制御方法を提供する(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺滅剤をバラスト水供給ラインに供給した場合、その濃度が十分に均質化するためには、混合部の終端からバラスト水供給ラインの直径(d)に対して、3倍以上の長さが必要である。したがって、サンプリング配管の先端をバラスト水供給ラインの直径(d)に対しバラストタンク側に3倍以上離間した位置にまで延在して設けて、このサンプリング配管の先端からバラスト水をサンプリングすれば、バラスト水の塩素系殺滅剤濃度が均質となっているので、このバラスト水中の全残留酸化性物質濃度(TRO)を測定することで、塩素系殺滅剤溶液の添加量を最適に決定することができる。
上記発明(発明4)においては、前記薬液供給装置が前記バラスト水の排出時の中和剤を添加可能となっているのが好ましい(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、排出する際のバラスト水をサンプリング配管から採取して全残留酸化性物質濃度(TRO)を計測することで、中和剤の添加量を最適に決定することができる。
本発明のバラスト水の制御装置によれば、サンプリング配管を前記バラスト水供給ライン内に前記混合部から該バラスト水供給ラインの直径(d)に対しバラストタンク側に3倍以上離間した位置にまで延在して設置しているので、バラスト水の塩素系殺滅剤濃度が均質となっている箇所でバラスト水をサンプリングすることができ、これにより塩素系殺滅剤の添加量を最適に決定することができる。さらに、しかも、薬液供給装置と混合部とは近接しているので、前記混合部の近傍にサンプリング配管を設けることにより、バラスト水供給ラインの一か所を施工するだけでよい。
本発明の一実施形態に係るバラスト水の制御装置を示す概略図である。 従来(比較例1)のバラスト水の制御装置を示す概略図である。
以下、本発明のバラスト水の制御装置及び制御方法について、一実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態によるバラスト水の制御装置を示しており、図1において、1は取水口から取り入れたバラスト水をバラストタンク(図示せず)に供給するための管状のバラスト水供給ラインであり、このバラスト水供給ライン1の途中には薬液供給装置2が薬液供給ライン3を介して接続されている。また、バラスト水供給ライン1内の薬液供給ライン3の接続箇所に始端4Aが位置するように静的混合デバイスなどの混合部4が設けられている。一方、混合部4の終端4B側には、全残留酸化性物質濃度計測手段たるTRO計5がサンプリング配管6を介して接続されていて、このサンプリング配管6はバラスト水供給ライン1内をバラストタンク側に延在している。この結果、薬液供給装置2とTRO計5とは近接することになる。なお、7は薬液供給装置からの薬液供給ポンプであり、8は流量調整弁であり、9はサンプリング配管6の吸入ポンプである。また、TRO計5としては、DPD吸光度法を用いた市販の高精度TRO計を用いることができる。
このバラスト水制御装置において、TRO計5はその計測結果をマイクロコンピュータなどの制御機構10に送信可能となっており、この制御機構10はTRO計5の計測値に基づいて薬液供給ポンプ7及び流量調整弁8を制御可能となっている。そして、本実施形態においては、制御機構10は薬液供給装置2にも接続しており、この薬液供給装置2は塩素系殺滅剤タンク2Aと中和剤タンク2Bとを備えていて、バラスト水の給水時には塩素系殺滅剤タンク2Aから塩素系殺滅剤を供給するとともに、バラスト水の排出時には中和剤タンク2Bから中和剤を供給することができるように両タンク2A、2Bを切り替え可能となっている。
上述したような装置において、混合部4としては特に制限はなく、スタテックミキサー、オリフィスなど汎用の静的混合デバイスを用いることができる。この混合部4の終端が後述するサンプリング配管6の延設起点となる。
塩素系殺滅剤タンク2Aに貯留する塩素系殺滅剤としては、次亜塩素酸(塩)、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸塩などの塩素化イソシアヌール酸、過酸化水素、二酸化塩素から選ばれた1種または2種以上を溶液として用いることができ、特に次亜塩素酸(塩)が好ましい。
また、中和剤タンク2Bに貯留する中和剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウムなどを溶液として用いることができる。
そして、本実施形態においては、サンプリング配管6は混合部4の終端4Bからバラスト水供給ライン1の直径(d)の3倍以上、好ましくは4〜6倍、特に約5倍程度バラストタンク側に延在させる。サンプリング配管6の延在する長さ(終端4Bからのサンプリング配管6の先端の位置)が直径(d)の3倍未満では、薬液供給装置2から供給した塩素系殺滅剤がバラスト水中に均質に分散しきれず濃度分布が偏在化するため、バラスト水中の塩素系殺滅剤濃度の測定精度が低くなり、塩素系殺滅剤の添加量の制御が好適でなくなる。なお、サンプリング配管6の延在する長さ(終端4Bからのサンプリング配管6の先端の位置)の上限については特に制限はないが、あまり長くしてもそれに見合う精度の向上が得られないばかりか、設置が困難となることから直径(d)の10倍以下程度とすればよい。
また、サンプリング配管6の直径(d1)は、バラスト水供給ライン1の直径(d)の1/5以下、特に1/8以下であるのが好ましい。バラスト水供給ライン1の直径(d)の1/5以下とすることにより、バラスト水供給ライン1の面積に対しサンプリング配管6の面積が十分に小さくなるので、バラスト水の流通に支障をきたすことがない。サンプリング配管6の直径の下限については、取水性の観点から6A(Aは配管のJIS規格の呼び径)以上とすればよい。
具体的には、バラスト水供給ライン1の直径(d)はバラスト水量により異なるが、例えばバラスト水供給ライン1の直径(d)が200Aのバラスト水供給ライン1の場合、サンプリング配管6の直径(d1)を25Aとすることにより、バラスト水供給ライン1の面積に対しサンプリング配管6の面積を1.6%程度とすることができるので、バラスト水の流通に対する影響をほとんど無視することができる。
従来のバラスト水の制御装置では、バラスト水供給ライン1に薬液供給装置2からある程度離れた位置に別途サンプリング箇所を設け、このサンプリング箇所の近傍にTRO計5を設置するため、バラスト水供給ライン1の広い範囲を施工する必要があるが、上述したような本実施形態のバラスト水の制御装置によれば、施工個所が一か所で済むのでバラスト水供給ライン1施工範囲を大幅に削減することができて経済的である。具体的には、バラスト水量3000m/hrの場合であって、バラスト水供給ライン1の径(d)が500Aでサンプリング箇所をバラスト水供給ライン1の径(d)に対して5倍離間した位置としたときには、従来の装置ではバラスト水供給ライン1の2500mm(500A×5)の範囲を施工する必要があるが、本実施形態では1か所で済むため施工範囲自体を約2500mm少なくすることができる。
次に上記バラスト水の制御装置を用いて、バラスト水の積込み時に細菌類やプランクトンの殺滅処理を行う際のバラスト水の制御方法について説明する。
まず、バラスト水Wの積込み時には、取水したバラスト水Wを、バラスト水供給ライン1を経由してバラストタンク(図示せず)に供給する。このとき塩素系殺滅剤タンク2Aには、あらかじめ十分な量の塩素系殺滅剤を貯留しておく。
そして、薬液供給ポンプ7を駆動するとともに、流量調整弁8を開成してバラスト水Wに塩素系殺滅剤を添加する。この塩素系殺滅剤は、混合部4の始端4Aから終端4Bにかけて混合され吐出されるが、終端4Bから吐出された直後では、まだ塩素系殺滅剤が十分に拡散しておらずその濃度が偏在化しており、バラスト水供給ライン1を流れるにしたがって濃度が均質化する。十分に均質化するにはバラスト水供給ライン1の直径(d)の3倍の長さが少なくとも必要である。
続いて本実施形態においては,バラスト水供給ライン1の直径(d)のサンプリング配管6の先端からバラスト水Wを採取し、TRO計5により全残留酸化性物質濃度を測定する。なお、全残留酸化性物質濃度とは、TRO(Total Residual Oxidants)のことであり、塩素系殺滅剤の添加による酸化性塩素濃度、及びこの酸化性塩素との反応により生じる他の酸化性成分が含まれる。
このTRO計5で計測されたTRO値は、制御機構10に伝達され記憶される。そして、このTRO値に基づき、TRO値が所定の基準値より低い時には塩素系殺滅剤の添加量を増やす一方、所定の基準値より高い時には塩素系殺滅剤の添加量を減らすように薬液供給ポンプ7及び流量調整弁8を制御する。この制御は例えば、あらかじめ測定しておいた塩素系殺滅剤の減衰データ等に基づいて適正TRO値を設定しておき、該TRO値が所定の範囲内となるようにPID制御などの周知の方法により塩素系殺滅剤の添加量を調整すればよい。
具体的には、塩素系殺滅剤の添加量は、前記バラスト水の中和後の全残留酸化性物質濃度(TRO)が、例えば0.5〜20mg/L(asCl)の基準値となるように船舶の運航日程等に応じて設定する。TRO値が0.5mg/L未満では、有害なプランク、バクテリア等を基準値以下にするのが困難となるか、あるいはバクテリア等の再増殖やプランクトンの卵の孵化を招いたりする。一方、20mg/Lを超えても、それ以上の有害なプランク、バクテリア等の殺滅効果が得られないばかりか、中和に必要な中和剤の量が多くなるか、あるいは排出時の環境負荷が増大するため好ましくない。
この際、本実施形態においては、前述したようにサンプリング配管6が混合部4の終端4Bからバラスト水供給ライン1の直径(d)の3倍以上離間させることによりTRO値を精度よく計測することができるので、TRO値の基準値の制御も正確となり、例えば基準値の±10%以内に維持することができる。これにより、塩素系殺滅剤を過不足なく添加することができるので、バラスト水W中のプランクトンや細菌類を確実に殺滅させることができ、かつ安価にIMOが定めるバラスト水基準を満たすバラスト水の処理が実現できる。
次にバラスト水Wを排出する際には、バラストタンク(図示せず)からバラスト水供給ライン1を経由して外部環境に放出する。このとき、中和剤タンク2Bには、あらかじめ十分な量の中和剤を貯留しておく。続いて薬液供給ポンプ7を駆動するとともに、流量調整弁8を開成して、バラスト水Wに中和剤を添加して、残留塩素濃度を目標残留塩素濃度にまで低減する。
このとき本実施形態においてはサンプリング配管6の先端からバラスト水Wを採取し、TRO計5により全残留酸化性物質濃度を測定する。このTRO計5で計測されたTRO値は、制御機構10に伝達され記憶される。そして、このTRO値に基づき、TRO値0.2mg/L(asCl)を基準値として、この基準値より高い時には中和剤の添加量を増やす一方、基準値より大幅に低い時には中和剤の添加量を減らすように薬液供給ポンプ7及び流量調整弁8を制御する。
このようにしてTRO値に基づき制御することにより、中和剤を過不足なく添加することができ、バラスト水W中の残留塩素濃度を目標残留塩素濃度以下にまで低減して外部環境に排出することができる。
以上、本発明について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、サンプリング配管6は、バラスト水供給ライン1の内壁面に沿って設けるのが好ましいが、バラスト水の流通を阻害しなければ種々の位置に設置可能である。また、全残留酸化性物質濃度計測手段は、DPD吸光度法を用いたTRO計を用いて測定することに限定されるものではなく、同様の測定値が得られるものであれば、種々の測定手段が適用可能である。
以下の具体的実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1に示す装置において、バラスト水供給ライン1の径(d)200A、サンプリング配管6の径(d1)20A、混合部4としてオリフィスを用い、このオリフィスの終端から1000mm(≒5×(d))の長さバラストタンク側にサンプリング配管6を延設した装置を用いて、バラスト水Wをバラストタンクに充填した。この際バラストWのTRO計5の測定値が15.0mg/L(asCl)となるように制御機構10により制御した。この間のTRO計5の測定値の最大値、最小値、平均値及び最大誤差(|最大値又は最小値−平均値|/平均値×100)(%)を表1に示す。
〔比較例1〕
図2に示すようにバラスト水供給ライン1の径(d)200Aで1000mm(≒5×(d))の位置にサンプリング部6AとTRO計5を設置した装置を用いて、バラスト水Wをバラストタンクに充填した。この際バラストWのTRO計5の測定値が15.0mg/L(asCl)となるように制御機構10により制御した。この間のTRO計5の測定値の最大値、最小値、平均値及び最大誤差(|最大値又は最小値−平均値|/平均値×100)(%)を表1にあわせて示す。
〔比較例2〕
実施例1において、バラスト水供給ライン1へのサンプリング配管6の接続箇所(混合部4の終端部4B)からバラスト水をサンプリングして、同様にTRO計5の測定値が15.0mg/L(asCl)となるように制御機構10により制御した。この間のTRO計5の測定値の最大値、最小値、平均値及び最大誤差(|最大値又は最小値−平均値|/平均値×100)(%)を表1にあわせて示す。
Figure 0006686424
表1から明らかなとおり、実施例1のバラスト水の制御装置では、従来例である比較例1と比べて最大誤差が同等以下であり、TRO計5の平均値が15.0mg/L(asCl)以上であり、かつ設定値に対して±10%以内で推移しており確実に制御できていることがわかる。これに対し、混合部4の終端部4Bでバラスト水をサンプリングした比較例2では、最大誤差が100%以上であり、平均値も15.0mg/L‐Clから大幅に逸脱しており、制御できていないことがわかる。
本発明のバラスト水の制御装置により、バラスト水供給ラインの一か所を施工するだけで、塩素系殺滅剤の添加量を最適に決定することができるので、既存の船舶に設置する際の経済性が向上し、結果的にバラスト水の制御装置の普及が容易となる。
1…バラスト水供給ライン
2…薬液供給装置
2A…塩素系殺滅剤タンク
2B…中和剤タンク
3…薬液供給ライン
4…混合部
4A…始端
4B…終端
5…TRO計(全残留酸化性物質濃度計測手段)
6…サンプリング配管
7…薬液供給ポンプ
8…流量調整弁
9…吸入ポンプ
10…制御機構
W…バラスト水
d…バラスト水供給ラインの径
d1…サンプリング配管の径

Claims (5)

  1. 取水されたバラスト水をバラストタンクに供給するためのバラスト水供給ラインと、前記バラスト水中の水生微生物を殺滅処理するための塩素系殺滅剤溶液を前記バラスト水供給ラインに供給する薬液供給装置と、前記バラスト水供給ライン内に設けられた前記塩素系殺滅剤溶液の混合部とを備えるバラスト水処理システムにおいて、
    前記薬液供給装置が薬液供給ラインを介して前記バラスト水供給ラインに接続し、この接続箇所に前記混合部の始端が位置しており、
    前記バラスト水供給ライン内に設置され、前記混合部の終端側から該バラスト水供給ラインの直径(d)に対しバラストタンク側に3倍以上離間した位置にまで延在するサンプリング配管と、
    前記混合部の終端側で前記サンプリング配管に接続する全残留酸化性物質濃度計測手段
    該全残留酸化性物質濃度計測手段の測定結果に基づいて前記薬液供給装置を制御する制御機構を備えた
    ことを特徴とするバラスト水の制御装置。
  2. 前記サンプリング配管の径(d1)が前記バラスト水供給ラインの径(d)の1/5以下であることを特徴とする請求項1に記載のバラスト水の制御装置。
  3. 前記薬液供給装置が前記バラスト水の排出時の中和剤を添加可能となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバラスト水の制御装置。
  4. 取水されたバラスト水をバラストタンクに供給するためのバラスト水供給ラインと、前記バラスト水中の水生微生物を殺滅処理するための塩素系殺滅剤溶液を前記バラスト水供給ラインに供給する薬液供給装置と、前記バラスト水供給ライン内に設けられた前記塩素系殺滅剤溶液の混合部とを備えるバラスト水処理システムの制御方法であって、
    前記バラスト水処理システムにおいて、前記薬液供給装置が薬液供給ラインを介して前記バラスト水供給ラインに接続され、この接続箇所に前記混合部の始端が位置しており、
    前記バラスト水処理システムが、
    前記バラスト水供給ライン内に設置され、前記混合部の終端側から該バラスト水供給ラインの直径(d)に対し前記バラストタンク側に3倍以上離間した位置にまで延在するサンプリング配管と、
    前記混合部の終端側で前記サンプリング配管に接続する全残留酸化性物質濃度計測手段と、
    該全残留酸化性物質濃度計測手段の測定結果に基づいて前記薬液供給装置を制御する制御機構を備え、
    記サンプリング配管の先端からバラスト水を採取し、
    この採取したバラスト水の全残留酸化性物質濃度(TRO)を前記全残留酸化性物質濃度計測手段により測定し、
    該全残留酸化性物質濃度計測手段の測定結果に基づいて前記制御機構により前記塩素系殺滅剤溶液の供給量を制御することを特徴とするバラスト水処理システムの制御方法。
  5. 前記薬液供給装置が前記バラスト水の排出時の中和剤を添加可能となっていることを特徴とする請求項4に記載のバラスト水処理システムの制御方法。
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