JP6684548B2 - チップ接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋸刃台金の鋸歯の先端側の台座に硬質チップを接合するためのチップ接合方法等に関する。
近年、帯鋸刃、丸鋸刃等の鋸刃において、合金鋼等の鋼材からなる鋸刃台金の鋸歯の先端側の台座に、超硬合金等の硬質材料からなる硬質チップを切れ刃として備えることが多くなっている。また、鋸刃台金の台座に硬質チップを接合する際には、通常、ロウ付け又は電気抵抗溶接が用いられている。ロウ付けは、鋸刃台金の台座と硬質チップとの間にロウ材をボンド材(中間材)として介在させて接合する方法であって、通常、鋸歯の歯数が比較的少ない丸鋸刃を製作する場合に用いられる。電気抵抗溶接は、鋸刃台金の台座と硬質チップとの境界部に発生するジュール熱(抵抗熱)によって接合する方法であって、通常、鋸歯の歯数が比較的多い帯鋸刃を製作する場合に用いられる。
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1から特許文献4に示すものがある。
特開2012−125181号公報 特開2011−255444号公報 特開2011−167807号公報 特開2001−277043号公報
ところで、ロウ付けによって鋸刃台金の台座に硬質チップを接合する場合には、硬質チップの安定した接合を得ることができるものの、前記境界部に鋼材と硬質材料の混合した層が形成されていないため、硬質チップの接合強度を十分に確保することが困難である。
一方、電気抵抗溶接によって鋸刃台金の台座に硬質チップを接合する場合には、前記境界部に鋼材と硬質材料の混合した混合溶融層が形成されているため、硬質チップの接合強度を十分に確保することができる。しかしながら、硬質チップの体積が鋸刃台金の体積に比較して極めて小さいため、接合時に硬質チップが高温になり易く、硬質チップにクラック等が発生することがある。
つまり、ロウ付け又は電気抵抗溶接による硬質チップの接合では、硬質チップの接合強度を十分に確保しつつ、硬質チップにおけるクラック等の発生を十分に防止することは困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成のチップ接合方法を提供することを目的とする。
本発明の態様は、鋸刃において、合金鋼又は炭素鋼からなる鋸刃台金の鋸歯の先端側の台座に、サーメットからなる硬質チップを接合するためのチップ接合方法であって、前記鋸刃台金の前記台座と前記硬質チップの間に別部材を介在させることなく、前記硬質チップを前記鋸刃台金の前記台座側へ押圧して、前記硬質チップを前記鋸刃台金の前記台座(前記鋸歯の前記台座)に直接的にセットするチップセット工程と、前記チップセット工程の終了後に、高エネルギービームの照射によって前記鋸刃台金に形成される円錐状のキーホール部が前記鋸刃台金の前記台座と前記硬質チップとの境界部に達することなく、かつ前記キーホール部からの伝熱によって溶融する溶融部が前記境界部に達するように、前記境界部の近傍の前記鋸刃台金側に前記高エネルギービームを前記境界部の輪郭に沿って照射することにより、前記鋸刃台金の前記台座、及び前記硬質チップの表面における前記鋸刃台金の前記台座に接触する部位を溶融させて、前記鋸刃台金の前記台座に前記硬質チップを接合するビーム照射工程と、を具備している。具体的には、前記ビーム照射工程では、前記キーホール部が前記境界部に達することなくかつ前記溶融部が前記境界部に達するように、前記境界部の輪郭に対する高エネルギービームの照射位置(照射軌跡)のオフセット量、及び高エネルギービームの入射方向(前記鋸刃台金の側面に垂直な面に対する高エネルギービームの入射角)が設定されていることを要旨とする。なお、前記キーホール部の先端は、前記鋸刃台金における高圧エネルギービームの照射側の反対側の側面に到達してもよい。
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において、高エネルギービームとは、ファイバレーザビーム,YAGレーザビーム,CO2レーザビーム等のレーザビーム、又は電子ビームのことをいう。また、高エネルギービームの照射位置とは、照射される高圧エネルギービームのビーム中心位置のことをいう。
本発明態様によると、前述のように、前記鋸刃台金の前記台座、及び前記硬質チップの表面における前記鋸刃台金の前記台座に接触する部位を溶融させて、前記鋸刃台金の前記台座に前記硬質チップを接合している。これにより、前記境界部に鋼材と硬質材料の混合材料からなる混合溶融層を形成することができる。
また、前述のように、前記ビーム照射工程では、前記キーホール部が前記境界部に達することなくかつ前記溶融部が前記境界部に達するようになっている。これにより、高圧エネルギービームの照射による前記硬質チップの急激な温度変化及び前記硬質チップ内部の溶融を抑制すると共に、前記境界部に前記混合溶融層を形成しつつ、接合時における前記硬質チップの高温化を十分に抑制することができる。
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において、鋸刃とは、帯鋸刃、丸鋸刃を含む意であって、鋸刃の切削対象が金属又は非金属(木材,ガラス,プラスチック等)である否かは問わない。
本発明によれば、高圧エネルギービームの照射による前記硬質チップの急激な温度変化及び前記硬質チップ内部の溶融を抑制すると共に、前記境界部に前記混合溶融層を形成しつつ、接合時における前記硬質チップの高温化を十分に抑制できる。よって、本発明によれば、前記硬質チップの接合強度を十分に確保しつつ、前記硬質チップにおけるクラック等の発生を十分に防止することができる。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法におけるチップセット工程を説明する模式図、図1(b)は、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法におけるビーム照射工程を説明する模式図である。 図2は、図1(b)におけるI-I線に沿った断面図である。 図3(a)は、帯鋸刃における鋸刃台金の台座に硬質チップが本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法等によって接合された様子を示す図、図3()は、本発明の第1実施形態に係る帯鋸刃の一部を示す図である。 図4(a)(b)(c)は、本発明の第1実施形態の変形例に係るチップ接合方法におけるビーム照射工程を説明する模式図である。 図5(a)は、本発明の第2実施形態に係るチップ接合方法におけるビーム照射工程を説明する模式図、図5(b)(c)(d)は、本発明の第2実施形態の変形例に係るチップ接合方法におけるビーム照射工程を説明する模式図である。 図6は、本発明の第3実施形態に係るチップ接合方法におけるビーム照射工程を説明する模式図であって、図2に対応する図である。 図7は、本発明の第4実施形態に係るチップ接合方法におけるビーム照射工程を説明する模式図であって、図2に対応する図である。 図8は、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法によって鋸刃台金の台座に硬質チップを接合した様子を示す写真である。 図9(a)は、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法によって鋸刃台金の台座に硬質チップを接合した様子を示す断面写真、図9(b)は、図9(a)における矢視部IIの拡大断面写真である。 図10(a)は、本発明の第4実施形態に係るチップ接合方法によって鋸刃台金の台座に硬質チップを接合した様子を示す断面写真、図10(b)は、図10(a)における矢視部IIIの拡大断面写真である。 図11は、鋸刃台金の台座に硬質チップを接合した際に、硬質チップにクラックが発生した様子を示す断面写真である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面中、「L」は、左方向、「R」は、右方向をそれぞれ指している。
[第1実施形態]
図3(a)(b)に示すように、本発明の第1実施形態に係る帯鋸刃10は、金属、又は木材,ガラス,プラスチック等の非金属を切削する際に用いられるものである。また、帯鋸刃10は、帯状の鋸刃台金12をベースとして具備しており、この鋸刃台金12は、例えば、合金鋼、炭素鋼等の鋼材からなるものである。更に、鋸刃台金12は、多数(複数)の鋸歯14を備えており、各鋸歯14は、その先端側に、例えば側面視円弧状の台座16を有している。
鋸刃台金12は、各鋸歯14の台座16に、切れ刃としての硬質チップ18を一体的に備えており、各硬質チップ18は、超硬合金又はサーメット等の硬質材料からなるものである。また、各硬質チップ18は、鋸刃台金12の台座16(鋸歯14の台座16)に後述の本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法等によって接合されている。なお、各硬質チップ18は、掬い面側、逃げ面側、左面側、及び右面側に対して研磨加工を行うことによって切れ刃形状(最終形状)に成形されている。
続いて、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法について説明する。
本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法は、鋼材からなる鋸刃台金12の鋸歯14の先端側の台座16に、硬質材料からなる硬質チップ18を接合するためのチップ接合方法である。また、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法は、チップセット工程と、ビーム照射工程とを具備している。そして、本発明の実施形態に係るチップ接合方法における各工程の具体的な内容は、次のようになる。
チップセット工程
まず、図1(a)に示すように、側面視円弧状の台座16を有した鋸刃台金12を治具(図示省略)に固定する。そして、円柱状の硬質チップ18の表面の一部を鋸刃台金12の台座16に接触させた状態で、シリンダ等のアクチュエータ(図示省略)の駆動により硬質チップ18を鋸刃台金12の台座16側へ押圧する。これにより、鋸刃台金12の台座16と硬質チップ18の間に別部材(図示省略)等を介在させることなく、硬質チップ18を鋸刃台金12の台座16に直接的にセットすることができる。
ビーム照射工程
チップ接合工程の終了後に、図1(b)及び図2に示すように、照射ヘッド20を鋸刃台金12に対して相対的に適宜方向へ移動させる。また、同時に、鋸刃台金12の厚み方向の一方側から照射ヘッド20により、鋸刃台金12の台座16と硬質チップ18との境界部Aの近傍における鋸刃台金12側にファイバレーザビームFBを境界部Aの輪郭に沿って照射する。これにより、鋸刃台金12の台座16、及び硬質チップ18の表面における鋸刃台金12の台座16に接触する部位を溶融させて、鋸刃台金12の台座16に硬質チップ18を接合することができる。更に、ファイバレーザビームFBの照射と併せて、照射ヘッド20により境界部Aの近傍における鋸刃台金12側に向かって窒素等の不活性ガスを噴出する。これにより、鋸刃台金12及び硬質チップ18の酸化を抑えることができる。
ここで、照射ヘッド20は、ファイバレーザビームFBを発振するファイバレーザ発振器(図示省略)に光学的に接続されており、ファイバレーザ発振器のレーザ出力は、例えばレーザ出力600〜900Wに設定されている。溶融溜まりによるアンダーカットを小さくするために、ファイバレーザビームFBの照射終了直前から照射終了時にかけて、ファイバレーザ発振器のレーザ出力を徐々に低減している。また、照射ヘッド20より照射されるレーザ光Lのスポット径は、例えば0.1mmに設定されている。更に、照射ヘッド20は、不活性ガスを供給するガス供給装置(図示省略)に接続されており、ガス供給装置の供給流量は、例えば15L/minに設定されている。
そして、キーホール部22が境界部Aに達することなくかつ溶融部24が境界部Aに達するように、境界部Aの輪郭に対するファイバレーザビームFBの照射位置(照射軌跡)のオフセット量k、及びファイバレーザビームFBの入射方向が設定されている。キーホール部22とは、ファイバレーザビームFBの照射によって鋸刃台金12に形成される円錐状の穴のことであり、溶融部24とは、キーホール部22からの伝熱によって溶融する部分のことである。また、境界部Aの輪郭に対するファイバレーザビームFBの照射位置BPのオフセット量kは、例えば、0.2〜1.0mmに設定されており、照射開始点BPsから照射終了点BPeにかけて略一定になっている。更に、鋸刃台金12の側面に垂直な面に対してファイバレーザビームFBの入射方向は、鋸刃台金12の側面に垂直な面(厚さ方向)に対して略平行になっている。換言すれば、鋸刃台金12の側面に垂直な面に対するファイバレーザビームFBの入射角θは、ゼロになっている。なお、溶融部24からの伝熱によって熱影響を受ける未溶融の熱影響部26は、境界部Aに達するようになっている。
以上により、鋸刃台金12の台座16に硬質チップ18を接合することができる。
なお、鋸刃台金12の台座16に硬質チップ18を接合した後に、鋸刃台金12の残りの台座16(残りの鋸歯14の台座16)に対しても硬質チップ18を接合する。また、鋸刃台金12の各台座16に硬質チップ18を接合した後に、各硬質チップ18の掬い面側、逃げ面側、左面側、及び右面側に対して研磨加工を行って、各硬質チップ18を切れ刃形状(最終形状)に成形する(仕上げる)。
続いて、本発明の第1実施形態の作用及び効果について説明する。
前述のように、鋸刃台金12の台座16、及び硬質チップ18の表面における鋸刃台金12の台座16に接触する部位を溶融させて、鋸刃台金12の台座16に硬質チップ18を接合している。これにより、境界部Aに鋼材と硬質材料の混合材料からなる混合溶融層28を形成することができる。
また、前述のように、キーホール部22が境界部Aに達することなくかつ溶融部24が境界部Aに達するように、境界部Aの輪郭に対するファイバレーザビームFBの照射位置(照射軌跡)のオフセット量k、及びファイバレーザビームFBの入射方向が設定されている。これにより、ファイバレーザビームFBの照射による硬質チップ18の急激な温度変化及び硬質チップ18内部の溶融を抑制すると共に、境界部Aに混合溶融層28を形成しつつ、接合時における硬質チップ18の高温化を十分に抑制することができる。
従って、本発明の第1実施形態によれば、硬質チップ18の接合強度を十分に確保しつつ、硬質チップ18におけるクラック等の発生を十分に防止することができる。
具体的には、図8及び図9(a)(b)に示すように、硬質チップにクラックが発生することなく、境界部に混合溶融層を形成しつつ、鋸刃台金の台座に硬質チップを接合できることが確認できた。一方、図11に示すように、キーホール部が境界部に達する場合には、硬質チップにクラックが発生することが確認できた。
(第1実施形態の変形例)
図4(a)に示すように、本発明の第1実施形態の変形例1においては、円柱形状の硬質チップ18(図1(a)参照)に代えて、三角柱形状の硬質チップ18(18A)を用いている。この場合には、鋸刃台金12の台座16(16A)は、平坦な形状(側面視直線状)を呈している。
図4(b)に示すように、本発明の第1実施形態の変形例2においては、円柱形状の硬質チップ18に代えて、角柱状の硬質チップ18(18B)を用いている。この場合には、鋸刃台金12の台座16(16B)は、側面視L字状を呈している。ビーム照射工程では、境界部Aの輪郭の曲がり箇所に応じて、境界部Aの近傍における鋸刃台金12側にファイバレーザビームFBを2回に分けて照射している。これにより、境界部Aの輪郭の曲がり箇所に熱がこもることを回避して、硬質チップ18におけるクラック等の発生を十分に防止することができる。
図4(c)に示すように、本発明の第1実施形態の変形例3においては、円柱形状の硬質チップ18に代えて、角柱状の硬質チップ18(18C)を用いている。この場合には、鋸刃台金12の台座16(16C)は、側面視J字状を呈している。ビーム照射工程では、境界部Aの長辺部分の近傍における鋸刃台金12側にファイバレーザビームFBを2回に分けて照射している。これにより、境界部Aの長辺部分に混合溶融層28を不連続に形成して、硬質チップ18と鋸刃台金12との熱膨張差によって硬質チップ18におけるクラック等の発生を十分に防止することができる。
[第2実施形態]
図5(a)に示すように、本発明の第2実施形態に係るチップ接合方法は、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法と同様の構成を有している。そして、本発明の第2実施形態に係るチップ接合方法の構成のうち、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法の構成と異なる部分についてのみ説明する。
ビーム照射工程では、境界部Aの輪郭に対するファイバレーザビームFBの照射位置BPのオフセット量kは、照射開始点BPsから照射終了点BPeにかけて徐々に大きくなっている。
従って、本発明の第2実施形態によれば、本発明の第1実施形態の作用及び効果を奏する他に、境界部Aの輪郭に沿って硬質チップ18の接合温度が過大になることを回避して、鋸刃台金12の台座16に硬質チップ18を安定的に接合することができる。
(第2実施形態の変形例)
図5(b)に示すように、本発明の第2実施形態の変形例1においては、円柱形状の硬質チップ18(図1(a)参照)に代えて、三角柱形状の硬質チップ18(18A)を用いている。この場合には、鋸刃台金12の台座16(16A)は、平坦な形状を呈している。
図5(c)に示すように、本発明の第2実施形態の変形例2においては、円柱形状の硬質チップ18に代えて、角柱状の硬質チップ18(18B)を用いている。この場合には、鋸刃台金12の台座16(16B)は、側面視L字状を呈している。ビーム照射工程では、境界部Aの輪郭の曲がり箇所に応じて、境界部Aの近傍における鋸刃台金12側にファイバレーザビームFBを2回に分けて照射している。これにより、境界部Aの輪郭の曲がり箇所に熱がこもることを回避して、硬質チップ18におけるクラック等の発生を十分に防止することができる。
図5(d)に示すように、本発明の第2実施形態の変形例3においては、円柱形状の硬質チップ18に代えて、角柱状の硬質チップ18(18C)を用いている。この場合には、鋸刃台金12の台座16(16C)は、側面視J字状を呈している。
[第3実施形態]
図6に示すように、本発明の第3実施形態に係るチップ接合方法は、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法と同様の構成を有している。そして、本発明の第3実施形態に係るチップ接合方法の構成のうち、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法の構成と異なる部分についてのみ説明する。
ビーム照射工程では、ファイバレーザビームFBの入射方向は、鋸刃台金12の側面に垂直な面(厚さ方向)に対して硬質チップ18側へ傾斜している。また、鋸刃台金12の側面に垂直な面に対するファイバレーザビームFBの入射角θは、キーホール部22が境界部Aに達しない程度の大きさに設定されている。
従って、本発明の第3実施形態によれば、本発明の第1実施形態の作用及び効果を奏する他に、鋸刃台金12の厚み方向における混合溶融層28の長さを十分に確保して、硬質チップ18の接合強度をより高めることができる。
[第4実施形態]
図7に示すように、本発明の第4実施形態に係るチップ接合方法は、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法と同様の構成を有している。そして、本発明の第4実施形態に係るチップ接合方法の構成のうち、本発明の第1実施形態に係るチップ接合方法の構成と異なる部分についてのみ説明する。
ビーム照射工程では、鋸刃台金12の厚み方向の両側(一方側及び他方側)から照射ヘッド20により、境界部Aの近傍における鋸刃台金12側にファイバレーザビームFBを境界部Aの輪郭に沿って照射する。なお、鋸刃台金12の厚み方向の一方側からのレーザ光LBの照射と、鋸刃台金12の厚み方向の他方側からのレーザ光LBの照射は、個別に行ってもよく、又は同時に行っても構わない。
鋸刃台金12の側面に垂直な面に対するファイバレーザビームFBの入射角θは、キーホール部22が境界部Aに達しない程度の大きさに設定されている。なお、鋸刃台金12の側面に垂直な面に対するファイバレーザビームFBの入射角θは略ゼロであっても構わない。
従って、本発明の第4実施形態によれば、本発明の第3実施形態の作用及び効果を奏する他に、鋸刃台金12の厚みが厚く(例えば1.6mm以上の厚み)になっても、境界部Aにおける鋸刃台金12の厚み方向の両端側に混合溶融層28をそれぞれ形成して、硬質チップ18の接合強度を十分に確保することができる。
具体的には、図10(a)(b)に示すように、硬質チップにクラックが発生することなく、境界部における鋸刃台金の厚み方向の両端側に混合溶融層を形成しつつ、鋸刃台金の台座に硬質チップを接合できることが確認できた。
なお、本発明は、前述の本発明の実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、照射ヘッド20によりファイバレーザビームFBを照射する代わりに、YAGレーザビーム,CO2レーザビーム等の別のレーザビーム(図示省略)、又は電子ビーム(図示省略)を照射する等、種々の態様で実施可能である。また、そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の本発明の実施形態に限定されないものでなく、硬質チップ18が鋸刃台金12の台座16に本発明の実施形態に係るチップ接合方法によって接合された丸鋸刃(図示省略)にも及ぶものである。
10 帯鋸刃
12 鋸刃台金
14 鋸歯
16 台座
18 硬質チップ
20 照射ヘッド
22 キーホール部
24 溶融部
26 熱影響部
28 混合溶融層
BP 照射位置(照射軌跡)
BPs 照射開始点
BPe 照射終了点
k オフセット量
θ 入射角

Claims (7)

  1. 鋸刃において、合金鋼又は炭素鋼からなる鋸刃台金の鋸歯の先端側の台座に、サーメットからなる硬質チップを接合するためのチップ接合方法であって、
    前記鋸刃台金の前記台座と前記硬質チップの間に別部材を介在させることなく、前記硬質チップを前記鋸刃台金の前記台座側へ押圧して、前記硬質チップを前記鋸刃台金の前記台座に直接的にセットするチップセット工程と、
    前記チップセット工程の終了後に、高エネルギービームの照射によって前記鋸刃台金に形成される円錐状のキーホール部が前記鋸刃台金の前記台座と前記硬質チップとの境界部に達することなく、かつ前記キーホール部からの伝熱によって溶融する溶融部が前記境界部に達するように、前記境界部の近傍の前記鋸刃台金側に前記高エネルギービームを前記境界部の輪郭に沿って照射することにより、前記鋸刃台金の前記台座、及び前記硬質チップの表面における前記鋸刃台金の前記台座に接触する部位を溶融させて、前記鋸刃台金の前記台座に前記硬質チップを接合するビーム照射工程と、を具備したことを特徴とするチップ接合方法。
  2. 前記ビーム照射工程では、前記キーホール部が前記境界部に達することなくかつ前記溶融部が前記境界部に達するように、前記境界部の輪郭に対する高エネルギービームの照射位置のオフセット量、及び高エネルギービームの入射方向が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のチップ接合方法。
  3. 前記ビーム照射工程では、前記境界部の近傍における前記鋸刃台金側に高エネルギービームを複数回に分けて照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチップ接合方法。
  4. 前記ビーム照射工程では、前記境界部の輪郭に対する高エネルギービームの照射位置のオフセット量は、照射開始点から照射終了点にかけて徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のチップ接合方法。
  5. 前記ビーム照射工程では、高圧エネルギービームの入射方向は、前記鋸刃台金の側面に垂直な面に対して前記硬質チップ側へ傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のチップ接合方法。
  6. 前記ビーム照射工程では、前記鋸刃台金の厚み方向の両側から、高エネルギービームを前記境界部の輪郭に沿って照射することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のチップ接合方法。
  7. 前記鋸刃台金の前記台座に前記硬質チップを接合した後に、前記硬質チップの掬い面側、逃げ面側、左面側、及び右面側に対して研磨加工を行って、前記硬質チップを切れ刃形状に成形することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載のチップ接合方法。
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