JP6680849B2 - 作業機械の制御システム、及び作業機械の制御方法 - Google Patents

作業機械の制御システム、及び作業機械の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、作業機械の制御システム、及び作業機械の制御方法に関する。
特許文献1に開示されているような、チルト式バケットを有する作業機を備える作業機械が知られている。
国際公開第2015/186179号
作業機械の制御に係る技術分野において、施工対象の目標形状を示す目標施工形状に対して、作業機のうちブーム、アーム、及びバケットの少なくとも一つの位置又は姿勢を制御する作業機制御が知られている。作業機制御が実行されることにより、バケットが目標施工形状を超えてしまうことが抑制され、目標施工形状に沿った施工が実現される。
チルト式バケットを有する作業機械においては、作業機械のオペレータによるチルト操作レバーの操作に介入して、目標施工形状にバケットが侵入しないようにバケットのチルト動作を停止させる制御が実行される。このような作業機械は、刃先の前方に存在する目標施工形状だけでなく、バケットの背面に存在する目標施工形状に対しても、チルト動作を停止させたい場合がある。また、チルト式バケットだけでなく、作業機械が有する部材の周囲に存在する目標施工形状に、作業機械の部材が侵入することを抑制したい場合がある。このような場合、部材の姿勢と目標施工形状との位置関係によっては、部材が目標施工形状を超えていても部材を停止させられないことがあり、部材の姿勢と目標施工形状との位置関係には制約があった。
本発明の態様は、目標施工形状に侵入しないように部材の動作を制御するにあたって、作業機械が有する部材の姿勢と目標施工形状との位置関係による制御の制約を低減することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、軸線を中心に回転する部材を備える作業機械を制御する作業機械の制御システムであって、前記作業機械の施工対象の目標形状を示す目標施工形状に対して前記作業機械が存在する側である空中側に前記部材が存在している場合には第1の情報を出力し、前記空中側に前記部材が存在しない場合には第2の情報を出力する判定部を含む作業機械の制御システムが提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様において、前記判定部から前記第1の情報が出力された場合には前記部材の回転を許容し、前記第2の情報が出力された場合には前記部材の回転を許容しない作業機制御部を有する、作業機械の制御システムが提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1の態様又は第2の態様において、前記作業機械の施工対象の目標形状を示す目標施工形状を生成する目標施工形状生成部を有し、前記目標施工形状生成部は、前記部材の周囲に複数の前記目標施工形状を生成し、前記判定部は、複数の前記目標施工形状に対して、前記第1の情報又は前記第2の情報を出力する作業機械の制御装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第1の態様から第3の態様のいずれか1つにおいて、前記部材に設定された規定点の位置データを求める候補規定点位置データ演算部と、前記規定点を通り前記軸線と直交する動作平面を求める動作平面演算部と、前記目標施工形状と前記動作平面とが交差する停止地形を求める停止地形演算部と、を有し、前記停止地形と前記規定点との距離、前記目標施工形状と直交する方向に延びる第1ベクトル及び前記軸線が延びる方向の第2ベクトルを用いて前記第1の情報又は前記第2の情報を出力する作業機械の制御システムが提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第1の態様から第3の態様のいずれか1つにおいて、前記作業機械において前記部材とは異なる部分の位置であり、かつ既知の基準点と、前記部材に設定された規定点の位置データを求める候補規定点位置データ演算部と、を有し、前記判定部は、前記基準点及び前記規定点を結ぶ線分と前記目標施工形状との交点の個数を求め、前記個数が偶数か奇数を用いて前記第1の情報又は前記第2の情報を出力する作業機械の制御システムが提供される。
本発明の第6の態様に従えば、上部旋回体と、前記上部旋回体を支持する下部走行体と、第1の軸を中心に回転するブームと第2の軸を中心に回転するアームと第3の軸を中心に回転するバケットとを含み、前記上部旋回体に支持される作業機と、第1の態様から第4の態様のいずれか1つに係る作業機械の制御システムと、を含み、前記部材は前記バケット、前記アーム、前記ブーム及び前記上部旋回体の少なくとも1つである、作業機械が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、第5の態様において、前記部材は前記バケットであり、前記軸線は前記第3の軸と直交する作業機械が提供される。
本発明の第8の態様に従えば、軸線を中心に回転する部材を備える作業機械を制御する作業機械を制御する作業機械の制御方法において、前記作業機械の施工対象の目標形状を示す目標施工形状に対して前記作業機械が存在する側である空中側に前記部材が存在している場合には第1の情報を出力し、前記空中側に前記部材が存在しない場合には第2の情報を出力する作業機械の制御方法が提供される。
本発明の態様によれば、目標施工形状に侵入しないように部材の動作を制御するにあたって、作業機械が有する部材の姿勢と目標施工形状との位置関係による制御の制約を低減することができる。
本実施形態に係る作業機械の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係るバケットの一例を示す側断面図である。 本実施形態に係るバケットの一例を示す正面図である。 油圧ショベルを模式的に示す側面図である。 油圧ショベルを模式的に示す背面図である。 油圧ショベルを模式的に示す平面図である。 バケットを模式的に示す側面図である。 バケットを模式的に示す正面図である。 チルトシリンダを動作させる油圧システムの一例を模式的に示す図である。 本実施形態に係る作業機械の制御システムの一例を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係るバケットに設定される規定点の一例を模式的に示す図である。 本実施形態に係る目標施工データの一例を示す模式図である。 本実施形態に係る目標施工形状の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るチルト動作平面の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るチルト動作平面の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るチルト停止制御を説明するための模式図である。 チルトバケットのチルト回転を動作距離に基づき停止させるため、動作距離と制限速度との関係の一例を示す図である。 チルト停止地形の位置を示す図である。 チルト停止地形の位置を示す図である。 チルト動作平面上でバケット及びチルト停止地形を見た状態を示す図である。 チルト動作平面上でバケット及びチルト停止地形を見た状態を示す図である。 空中側と地中側との位置関係を示す図である。 バケットとチルト停止地形及び目標施工形状との関係を示す図である。 バケットとチルト停止地形及び目標施工形状との関係を示す図である。 バケットとチルト停止地形及び目標施工形状との関係を示す図である。 バケットとチルト停止地形及び目標施工形状との関係を示す図である。 バケットとチルト停止地形との動作距離、及びチルト動作平面と目標施工形状とがバケットの刃先側又はチルトピン側のいずれで交差するかを求める方法を説明するための図である。 バケットとチルト停止地形との動作距離、及びチルト動作平面と目標施工形状とがバケットの刃先側又はチルトピン側のいずれで交差するかを求める方法を説明するための図である。 チルト動作平面と目標施工形状とがバケットの刃側又はチルトピン側のいずれで交差する場合においても、バケットが空中側又は地中側のいずれに存在するかを判定する方法を示す図である。 チルト動作平面と目標施工形状とがバケットの刃側又はチルトピン側のいずれで交差する場合においても、バケットが空中側又は地中側のいずれに存在するかを判定する方法を示す図である。 チルト動作平面と目標施工形状とがバケットの刃側又はチルトピン側のいずれで交差する場合においても、バケットが空中側又は地中側のいずれに存在するかを判定する方法を示す図である。 チルト動作平面と目標施工形状とがバケットの刃側又はチルトピン側のいずれで交差する場合においても、バケットが空中側又は地中側のいずれに存在するかを判定する方法を示す図である。 本実施形態に係る作業機械の制御方法の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る作業機械の制御方法において、動作距離を求める際の処理を示すフローチャートである。 バケットの周囲に複数の目標施工形状が存在する場合の一例を示す平面図である。 図35のA−A矢視図である。 軸線を中心に回転する部材がバケット以外である例を説明するための図である。 図37のB−B矢視図である。 部材が空中側にあるか地中側にあるかを判定する他の方法を説明するための図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下の説明においては、グローバル座標系(Xg−Yg−Zg座標系)及び車体座標系(X−Y−Z座標系)を設定して各部の位置関係について説明する。グローバル座標系とは、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)のような全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)により規定される絶対位置を示す座標系である。車体座標系とは、作業機械の基準位置に対する相対位置を示す座標系である。
本実施形態において、停止制御は、作業機械と作業機械の施工対象の目標施工形状との距離に基づいて、作業機械の少なくとも一部の動作を停止させる制御をいう。例えば、作業機械が有するバケットがチルト方式のバケットである場合、停止制御は、作業機械と目標施工形状との距離に基づいて、バケットのチルト動作を停止させる制御が挙げられる。
[作業機械]
図1は、本実施形態に係る作業機械の一例を示す斜視図である。本実施形態においては、作業機械が油圧ショベル100である例について説明する。作業機械は、油圧ショベル100に限定されない。
図1に示されるように、油圧ショベル100は、油圧により動作する作業機1と、作業機1を支持する車体である上部旋回体2と、上部旋回体2を支持する走行装置である下部走行体3と、作業機1を操作するための操作装置30と、作業機1を制御する制御装置50とを備える。上部旋回体2は、下部走行体3に支持された状態で旋回軸RXを中心に旋回可能である。
上部旋回体2は、オペレータが搭乗する運転室4と、エンジン及び油圧ポンプが収容される機械室5とを有する。運転室4は、オペレータが着座する運転席4Sを有する。機械室5は、運転室4の後方に配置される。
下部走行体3は、一対の履帯3Cを有する。履帯3Cの回転により、油圧ショベル100が走行する。下部走行体3がタイヤを有してもよい。
作業機1は、上部旋回体2に支持される。作業機1は、ブームピンを介して上部旋回体2に連結されるブーム6と、アームピンを介してブーム6に連結されるアーム7と、バケットピン及びチルトピンを介してアーム7に連結されるバケット8とを有する。バケット8は、刃8Cを有する。刃8Cは、バケット8の先端、すなわちバケットピンで連結されている部分から離れた部分に設けられた、板状の部材である。刃8Cの刃先9は、刃8Cの先端部であり、本実施形態では直線状の部分である。バケット8に複数の凸形状の刃が設けられている場合、刃先9は、凸形状の刃の先端部となる。
ブーム6は、第1の軸であるブーム軸AX1を中心に上部旋回体2に対して回転可能である。アーム7は、第2の軸であるアーム軸AX2を中心にブーム6に対して回転可能である。バケット8は、第3の軸であるバケット軸AX3及びバケット軸AX3に平行な軸と直交する軸線であるチルト軸AX4のそれぞれを中心にアーム7に対して回転可能である。バケット軸AX3とチルト軸AX4とは互いに交差しない。
ブーム軸AX1とアーム軸AX2とバケット軸AX3とは平行である。ブーム軸AX1、アーム軸AX2及びバケット軸AX3と旋回軸RXと平行な軸とは直交する。ブーム軸AX1、アーム軸AX2及びバケット軸AX3は、車体座標系のY軸と平行である。旋回軸RXは、車体座標系のZ軸と平行である。ブーム軸AX1、アーム軸AX2及びバケット軸AX3と平行な方向は、上部旋回体2の車幅方向を示す。旋回軸RXと平行な方向は、上部旋回体2の上下方向を示す。ブーム軸AX1、アーム軸AX2、バケット軸AX3及び旋回軸RXの両方と直交する方向は、上部旋回体2の前後方向を示す。運転席4Sを基準として作業機1が存在する方向が前方である。
作業機1は、油圧シリンダ10が発生する力により動作する。油圧シリンダ10は、ブーム6を作動させるブームシリンダ11と、アーム7を動作させるアームシリンダ12と、バケット8を作動させるバケットシリンダ13及びチルトシリンダ14とを含む。
作業機1は、ブームストロークセンサ16と、アームストロークセンサ17と、バケットストロークセンサ18と、チルトストロークセンサ19とを有する。ブームストロークセンサ16は、ブームシリンダ11の動作量を示すブームストロークを検出する。アームストロークセンサ17は、アームシリンダ12の動作量を示すアームストロークを検出する。バケットストロークセンサ18は、バケットシリンダ13の動作量を示すバケットストロークを検出する。チルトストロークセンサ19は、チルトシリンダ14の動作量を示すチルトストロークを検出する。
操作装置30は、運転室4に配置される。操作装置30は、油圧ショベル100のオペレータに操作される操作部材を含む。オペレータは、操作装置30を操作して、作業機1を動作させる。本実施形態において、操作装置30は、左操作レバー30L及び右操作レバー30Rと、チルト操作レバー30Tと、操作ペダル30Fとを含む。
中立位置にある右操作レバー30Rが前方に操作されると、ブーム6が下げ動作し、後方に操作されると、ブーム6が上げ動作する。中立位置にある右操作レバー30Rが右方に操作されると、バケット8がダンプ動作し、左方に操作されると、バケット8が掻き込み動作する。
中立位置にある左操作レバー30Lが前方に操作されると、アーム7が伸ばし動作し、後方に操作されると、アーム7が掻き込み動作する。中立位置にある左操作レバー30Lが右方に操作されると、上部旋回体2が右旋回し、左方に操作されると、上部旋回体2が左旋回する。
なお、右操作レバー30R及び左操作レバー30Lの操作方向と、作業機1の動作方向及び上部旋回体2の旋回方向との関係は、上述の関係でなくてもよい。
制御装置50は、コンピュータシステムを含む。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。
[バケット]
図2は、本実施形態に係るバケット8の一例を示す側断面図である。図3は、本実施形態に係るバケット8の一例を示す正面図である。本実施形態において、バケット8は、チルト式バケットである。チルト式バケットは、軸線であるチルト軸AX4を中心として動作、例えば回転するバケットである。本実施形態において、軸線を中心として回転する部材は、バケット8である。
バケット8はチルト式バケットに限定されない。バケット8は、例えば、ローテートバケットであってもよい。ローテートバケットは、バケット軸AX3と垂直に交わる軸線の周りを回転するバケットである。
図2及び図3に示されるように、バケット8は、バケットピン8Bを介してアーム7に回転可能に連結される。バケット8は、チルトピン8Tを介してアーム7に回転可能に支持される。バケット8は、接続部材90を介して、アーム7の先端部に接続される。バケットピン8Bは、アーム7と接続部材90とを連結する。チルトピン8Tは、接続部材90とバケット8とを連結する。バケット8は、接続部材90を介して、アーム7に回転可能に接続される。
バケット8は、底板81と、背板82と、上板83と、側板84と、側板85とを含む。バケット8は、上板83の上部に設けられたブラケット87を有する。ブラケット87は、上板83の前後位置に設置される。ブラケット87は、接続部材90及びチルトピン8Tと連結される。
接続部材90は、プレート部材91と、プレート部材91の上面に設けられたブラケット92と、プレート部材91の下面に設けられたブラケット93とを有する。ブラケット92は、アーム7及び第2リンクピン95Pと連結される。ブラケット93はブラケット87の上部に設置され、チルトピン8T及びブラケット87と連結される。
バケットピン8Bは、接続部材90のブラケット92とアーム7の先端部とを連結する。チルトピン8Tは、接続部材90のブラケット93とバケット8のブラケット87とを連結する。接続部材90及びバケット8は、アーム7に対してバケット軸AX3を中心に回転可能である。バケット8は、接続部材90に対してチルト軸AX4を中心に回転可能である。
作業機1は、第1リンクピン94Pを介してアーム7に回転可能に接続される第1リンク部材94と、第2リンクピン95Pを介してブラケット92に回転可能に接続される第2リンク部材95とを有する。第1リンク部材94の基端部が第1リンクピン94Pを介してアーム7に接続される。第2リンク部材95の基端部が第2リンクピン95Pを介してブラケット92に接続される。第1リンク部材94の先端部と第2リンク部材95の先端部とが、バケットシリンダトップピン96を介して連結される。
バケットシリンダ13の先端部は、バケットシリンダトップピン96を介して、第1リンク部材94の先端部及び第2リンク部材95の先端部と回転可能に接続される。バケットシリンダ13が伸縮すると、接続部材90はバケット8と共にバケット軸AX3を中心に回転する。
チルトシリンダ14は、接続部材90に設けられたブラケット97及びバケット8に設けられたブラケット88のそれぞれに接続される。チルトシリンダ14のロッドがピンを介してブラケット97に接続される。チルトシリンダ14の本体部がピンを介してブラケット88に接続される。チルトシリンダ14が伸縮すると、バケット8はチルト軸AX4を中心に回転する。チルトシリンダ14の接続の構造は一例であって、本実施形態の構造には限定されない。
このように、バケット8は、バケットシリンダ13が動作することにより、バケット軸AX3を中心に回転する。バケット8は、チルトシリンダ14が動作することにより、チルト軸AX4を中心に回転する。バケット8がバケット軸AX3を中心に回転すると、チルトピン8Tはバケット8と共に回転する。
[検出システム]
次に、油圧ショベル100の検出システム400について説明する。図4は、油圧ショベル100を模式的に示す側面図である。図5は、油圧ショベル100を模式的に示す背面図である。図6は、油圧ショベル100を模式的に示す平面図である。図7は、バケット8を模式的に示す側面図である。図8は、バケット8を模式的に示す正面図である。
図4、図5及び図6に示されるように、検出システム400は、上部旋回体2の位置を検出する位置検出装置20と、作業機1の角度を検出する作業機角度検出装置24とを有する。位置検出装置20は、上部旋回体2の位置を検出する車体位置演算器21と、上部旋回体2の姿勢を検出する姿勢演算器22と、上部旋回体2の方位を検出する方位演算器23とを含む。
車体位置演算器21は、GPS受信機を含む。車体位置演算器21は、上部旋回体2に設けられる。車体位置演算器21は、グローバル座標系で規定される上部旋回体2の絶対位置Pg、すなわちグローバル座標系(Xg−Yg−Zg)における位置を検出する。上部旋回体2の絶対位置Pgは、Xg軸方向の座標データ、Yg軸方向の座標データ及びZg軸方向の座標データを含む。
上部旋回体2に複数のGPSアンテナ21Aが設けられる。GPSアンテナ21Aは、GPS衛星から電波を受信して、受信した電波に基づいて生成した信号を車体位置演算器21に出力する。車体位置演算器21は、GPSアンテナ21Aから与えられた信号に基づいて、グローバル座標系で規定されるGPSアンテナ21Aが設置されている位置Prを検出する。車体位置演算器21は、GPSアンテナ21Aが設置されている位置Prに基づいて、上部旋回体2の絶対位置Pgを検出する。
GPSアンテナ21Aは、車幅方向に2個、設けられる。車体位置演算器21は、一方のGPSアンテナ21Aが設置されている位置Pra及び他方のGPSアンテナ21Aが設置されている位置Prbのそれぞれを検出する。車体位置演算器21は、位置Praと位置Prbとの少なくとも一方に基づいて演算処理を実行して、上部旋回体2の絶対位置Pgを検出する。本実施形態において、上部旋回体2の絶対位置Pgは、位置Praである。なお、上部旋回体2の絶対位置Pgは、位置Prbでもよいし、位置Praと位置Prbとの間の位置でもよい。
姿勢演算器22は、慣性計測装置(Inertial Measurement Unit:IMU)を含む。姿勢演算器22は、上部旋回体2に設けられる。姿勢演算器22は、グローバル座標系で規定される水平面、すなわちXg−Yg平面に対する上部旋回体2の傾斜角度を検出する。水平面に対する上部旋回体2の傾斜角度は、車幅方向における上部旋回体2の傾斜角度を示すロール角度θ1と、前後方向における上部旋回体2の傾斜角度を示すピッチ角度θ2とを含む。
方位演算器23は、一方のGPSアンテナ21Aが設置されている位置Praと他方のGPSアンテナ21Aが設置されている位置Prbとに基づいて、グローバル座標系で規定される基準方位に対する上部旋回体2の方位を検出する。方位演算器23は、位置Praと位置Prbとに基づいて演算処理を実行して、基準方位に対する上部旋回体2の方位を検出する。方位演算器23は、位置Praと位置Prbとを結ぶ直線を求め、求めた直線と基準方位とがなす角度に基づいて、基準方位に対する上部旋回体2の方位を検出する。基準方位に対する上部旋回体2の方位は、基準方位と上部旋回体2の方位とがなす角度を示すヨー角度θ3を含む。
図4、図7及び図8に示されるように、作業機角度検出装置24は、ブームストロークセンサ16で検出されたブームストロークに基づいて、車体座標系のZ軸に対するブーム6の傾斜角度を示すブーム角度αを求める。作業機角度検出装置24は、アームストロークセンサ17で検出されたアームストロークに基づいて、ブーム6に対するアーム7の傾斜角度を示すアーム角度βを求める。作業機角度検出装置24は、バケットストロークセンサ18で検出されたバケットストロークに基づいて、アーム7に対するバケット8の刃先9の傾斜角度を示すバケット角度γを求める。作業機角度検出装置24は、チルトストロークセンサ19で検出されたチルトストロークに基づいて、XY平面に対するバケット8の傾斜角度を示すチルト角度δを求める。作業機角度検出装置24は、ブームストロークセンサ16で検出されたブームストローク、アームストロークセンサ17で検出されたアームストローク、バケットストロークセンサ18で検出されたバケットストローク、及びチルトストロークセンサ19で検出されたチルトストロークに基づいて、XY平面に対するチルト軸AX4の傾斜角度を示すチルト軸角度εを求める。作業機1の傾斜角度は、ストロークセンサ以外の角度センサによる検出であってもよいし、ステレオカメラ及びレーザスキャナ等の光学的な計測手段による検出であってもよい。
[油圧システム]
図9は、チルトシリンダ14を動作させる油圧システム300の一例を模式的に示す図である。油圧システム300は、作動油を供給する可変容量型のメイン油圧ポンプ31と、パイロット油を供給するパイロット圧ポンプ32と、チルトシリンダ14に対する作動油の供給量を調整する流量制御弁25と、流量制御弁25に作用するパイロット圧を調整する制御弁37A,37B,39と、操作装置30のチルト操作レバー30T及び操作ペダル30Fと、制御装置50とを備える。チルト操作レバー30Tは、左操作レバー30L又は右操作レバー30Rの少なくとも一方に設けられるボタン等である。本実施形態において、操作装置30の操作ペダル30Fは、パイロット圧方式の操作装置である。操作装置30のチルト操作レバー30Tは、電子レバー方式の操作装置である。
操作装置30の操作ペダル30Fは、パイロット圧ポンプ32に接続される。操作ペダル30Fとパイロット圧ポンプ32との間には、制御弁39が設けられる。また、操作ペダル30Fは、制御弁37Aから送出されるパイロット油が流れる油路38Aにシャトル弁36Aを介して接続される。また、操作ペダル30Fは、制御弁37Bから送出されるパイロット油が流れる油路38Bにシャトル弁36Bを介して接続される。操作ペダル30Fが操作されることにより、操作ペダル30Fとシャトル弁36Aとの間の油路33Aの圧力、及び操作ペダル30Fとシャトル弁36Bとの間の油路33Bの圧力が調整される。
チルト操作レバー30Tが操作されることにより、チルト操作レバー30Tの操作により生成された操作信号が制御装置50に出力される。制御装置50は、チルト操作レバー30Tから出力された操作信号に基づいて制御信号を生成し、制御弁37A,37Bを制御する。制御弁37A,37Bは、電磁比例制御弁である。制御弁37Aは、制御信号に基づいて、油路38Aを開閉する。制御弁37Bは、制御信号に基づいて、油路38Bを開閉する。
チルト停止制御を実行しないとき、操作装置30の操作量に基づいて、パイロット圧が調整される。チルト停止制御を実行するとき、制御装置50は、制御弁37A,37B又は制御弁39に制御信号を出力して、パイロット圧を調整する。
[制御システム]
図10は、本実施形態に係る作業機械の制御システム200の一例を示す機能ブロック図である。以下において、作業機械の制御システム200を適宜、制御システム200と称する。図10に示されるように、制御システム200は、作業機1を制御する制御装置50と、位置検出装置20と、作業機角度検出装置24と、制御弁37(37A,37B),39と、目標施工データ生成装置70とを備える。
位置検出装置20は、上部旋回体2の絶対位置Pg、ロール角度θ1及びピッチ角度θ2を含む上部旋回体2の姿勢と、ヨー角度θ3を含む上部旋回体2の方位とを検出する。作業機角度検出装置24は、ブーム角度α、アーム角度β、バケット角度γ、チルト角度δ、及びチルト軸角度εを含む作業機1の角度を検出する。制御弁37(37A,37B)は、チルトシリンダ14に対する作動油の供給量を調整する。
制御弁37は、制御装置50からの制御信号に基づいて作動する。目標施工データ生成装置70は、コンピュータシステムを含む。目標施工データ生成装置70は、施工エリアの目標形状である目標地形を示す目標施工データを生成する。目標施工データは、作業機1による施工後に得られる3次元の目標形状を示す。
目標施工データ生成装置70は、油圧ショベル100の遠隔地に設けられる。目標施工データ生成装置70は、例えば施工管理施設に設置される。目標施工データ生成装置70と制御装置50とは無線通信可能である。目標施工データ生成装置70で生成された目標施工データは、無線で制御装置50に送信される。
目標施工データ生成装置70と制御装置50とが有線で接続され、目標施工データ生成装置70から制御装置50に目標施工データが送信されてもよい。目標施工データ生成装置70が目標施工データを記憶した記録媒体を含み、制御装置50が、記録媒体から目標施工データを読み込み可能な装置を有してもよい。
目標施工データ生成装置70は、油圧ショベル100に設けられてもよい。施工を管理する外部の管理装置から目標施工データが有線又は無線で油圧ショベル100の目標施工データ生成装置70に供給され、目標施工データ生成装置70が供給された目標施工データを記憶してもよい。
制御装置50は、処理部51と、記憶部52と、入出力部53とを含む。処理部51は、車体位置データ取得部51Aと、作業機角度データ取得部51Bと、候補規定点位置データ演算部51Caと、目標施工形状生成部51Dと、規定点位置データ演算部51Cbと、動作平面演算部51Eと、停止地形演算部51Fと、作業機制御部51Gと、制限速度決定部51Hと、判定部51Jと、を有する。記憶部52は、作業機データを含む油圧ショベル100の諸元データを記憶する。
処理部51が有する車体位置データ取得部51A、作業機角度データ取得部51B、候補規定点位置データ演算部51Ca、目標施工形状生成部51D、規定点位置データ演算部51Cb、動作平面演算部51E、停止地形演算部51F、作業機制御部51G、制限速度決定部51H及び判定部51Jのそれぞれの機能は、制御装置50のプロセッサによって実現される。記憶部52の機能は、制御装置50の記憶装置によって実現される。入出力部53の機能は、制御装置50の入出力インターフェース装置によって実現される。
車体位置データ取得部51Aは、位置検出装置20から入出力部53を介して車体位置データを取得する。車体位置データは、グローバル座標系で規定される上部旋回体2の絶対位置Pg、ロール角度θ1及びピッチ角度θ2を含む上部旋回体2の姿勢及びヨー角度θ3を含む上部旋回体2の方位を含む。
作業機角度データ取得部51Bは、作業機角度検出装置24から入出力部53を介して作業機角度データを取得する。作業機角度データは、ブーム角度α、アーム角度β、バケット角度γ、チルト角度δ及びチルト軸角度εを含む作業機1の角度である。
候補規定点位置データ演算部51Caは、バケット8に設定された規定点RPの位置データを求める。候補規定点位置データ演算部51Caは、車体位置データ取得部51Aで取得された車体位置データと、作業機角度データ取得部51Bで取得された作業機角度データと、記憶部52に記憶されている作業機データとに基づいて、バケット8に設定される規定点RPの位置データを求める。規定点RPについては後述する。
図4に示すように、作業機データは、ブーム長さL1、アーム長さL2、バケット長さL3、チルト長さL4、及びバケット幅L5を含む。ブーム長さL1は、ブーム軸AX1とアーム軸AX2との距離である。アーム長さL2は、アーム軸AX2とバケット軸AX3との距離である。バケット長さL3は、バケット軸AX3とバケット8の刃先9との距離である。チルト長さL4は、バケット軸AX3とチルト軸AX4との距離である。バケット幅L5は、側板84と側板85との距離である。
図11は、本実施形態に係るバケット8に設定される規定点RPの一例を模式的に示す図である。図11に示されるように、バケット8には、チルトバケット制御に使用される規定点RPの候補となる候補規定点RPcが複数設定される。候補規定点RPcは、バケット8の刃先9及びバケット8の外面に設定される。候補規定点RPcは、刃先9においてバケット幅方向に複数設定される。また、候補規定点RPcは、バケット8の外面において複数設定される。前述した規定点RPは、候補規定点RPcのうちの1つである。
作業機データは、バケット8の形状及び寸法を示すバケット外形データを含む。バケット外形データは、バケット幅L5を含む。バケット外形データは、バケット8の外面の輪郭データ、及びバケット8の刃先9を基準としたバケット8の複数の候補規定点RPcの座標データを含む。
候補規定点位置データ演算部51Caは、上部旋回体2の基準位置P0に対する複数の候補規定点RPcそれぞれの相対位置を算出する。また、候補規定点位置データ演算部51Caは、複数の候補規定点RPcそれぞれの絶対位置を算出する。
候補規定点位置データ演算部51Caは、ブーム長さL1、アーム長さL2、バケット長さL3、チルト長さL4、及びバケット外形データを含む作業機データと、ブーム角度α、アーム角度β、バケット角度γ、チルト角度δ、及びチルト軸角度εを含む作業機角度データに基づいて、上部旋回体2の基準位置P0に対するバケット8の複数の候補規定点RPcそれぞれの相対位置を算出することができる。図4に示すように、上部旋回体2の基準位置P0は、上部旋回体2の旋回軸RXに設定される。なお、上部旋回体2の基準位置P0は、ブーム軸AX1に設定されてもよい。
また、候補規定点位置データ演算部51Caは、位置検出装置20によって検出された上部旋回体2の絶対位置Pgと、上部旋回体2の基準位置P0とバケット8との相対位置とに基づいて、バケット8の絶対位置Paを算出可能である。絶対位置Pgと基準位置P0との相対位置は、油圧ショベル100の諸元データから導出される既知データである。候補規定点位置データ演算部51Caは、上部旋回体2の絶対位置Pgを含む車体位置データと、上部旋回体2の基準位置P0とバケット8との相対位置と、作業機データと、作業機角度データとに基づいて、バケット8の複数の候補規定点RPcそれぞれの絶対位置を算出することができる。候補規定点RPcはバケット8の幅方向の情報とバケット8の外面の情報とを含めば、点に限定されなくてもよい。
目標施工形状生成部51Dは、目標施工データ生成装置70から与えられる目標施工データに基づいて、施工対象の目標形状を示す目標施工形状CSを生成する。目標施工データ生成装置70は、目標施工データとして、3次元目標地形データを目標施工形状生成部51Dに与えてもよいし、目標形状の一部を示す複数のラインデータ又は複数のポイントデータを目標施工形状生成部51Dに与えてもよい。本実施形態において、目標施工データ生成装置70は、目標施工データとして、目標形状の一部を示すラインデータを目標施工形状生成部51Dに与えることとする。
図12は、本実施形態に係る目標施工データCDの一例を示す模式図である。図12に示されるように、目標施工データCDは、施工エリアの目標地形を示す。目標地形は、三角形ポリゴンによってそれぞれ表現される複数の目標施工形状CSを含む。複数の目標施工形状CSのそれぞれは、作業機1による施工対象の目標形状を示す。目標施工データCDにおいて、目標施工形状CSのうちバケット8との垂直距離が最も近い点APが規定される。また、目標施工データCDにおいて、点AP及びバケット8を通りバケット軸AX3と直交する作業機動作平面WPが規定される。作業機動作平面WPは、ブームシリンダ11、アームシリンダ12及びバケットシリンダ13の少なくとも一つの動作によりバケット8の刃先9が移動する動作平面であり、車体座標系(X−Y−Z)におけるXZ平面と平行である。
目標施工形状生成部51Dは、作業機動作平面WPと目標施工形状CSとの交線であるラインLXを取得する。また、目標施工形状生成部51Dは、点APを通り目標施工形状CSにおいてラインLXと交差するラインLYを取得する。ラインLYは、横動作平面と目標施工地形CSとの交線を示す。横動作平面とは、作業機動作平面WPと直交し、点APを通過する平面である。ラインLYは目標施工地形CSにおいてバケット8の側方方向に延在する。
図13は、本実施形態に係る目標施工形状CSの一例を示す模式図である。目標施工形状生成部51Dは、ラインLX及びラインLYを取得して、ラインLX及びLYに基づいて、施工対象の目標形状を示す目標施工形状CSを生成する。目標施工形状CSをバケット8で掘削する場合、制御装置50は、バケット8を通る作業機動作平面WPと目標施工形状CSとの交線であるラインLXに沿ってバケット8を移動させる。
本実施形態において、制御装置50は、ラインLYに基づくチルト制御により、バケット8がチルト動作した場合でも規定点RPとラインLY上とで垂直距離が取得され、バケット8の制御を行うことができる。また、制御装置50は、ラインLYだけではなく、規定点RPに対する目標施工形状CSとの最短距離に基づき、ラインLYに平行なラインに基づいてチルト制御を行ってもよい。
動作平面演算部51Eは、部材に設定された規定点を通り、軸線と直交する動作平面を求める。本実施形態において、軸線はチルト軸AX4であり、部材はバケット8なので、動作平面演算部51Eは、部材であるバケット8の規定点RPを通り、軸線であるチルト軸AX4と直交するチルト動作平面TPを求める。チルト動作平面TPは、前述した動作平面に相当する。
図14及び図15は、本実施形態に係るチルト動作平面TPの一例を示す模式図である。図14は、チルト軸AX4が目標施工形状CSと平行であるときのチルト動作平面TPを示す。図15は、チルト軸AX4が目標施工形状CSと非平行であるときのチルト動作平面TPを示す。
図14及び図15に示されるように、チルト動作平面TPとは、バケット8に規定されている複数の候補規定点RPcから選択された規定点RPを通りチルト軸AX4と直交する動作平面をいう。規定点RPは、複数の候補規定点RPcのうち、チルトバケット制御において最も有利であると判定されたで規定点RPである。チルトバケット制御において最も有利である規定点RPは、目標施工形状CSとの距離が最も近い規定点RPである。なお、チルトバケット制御において最も有利である規定点RPは、その規定点RPに基づいてチルトバケット制御を実行したとき、油圧シリンダ10のシリンダ速度が最も速くなる規定点RPでもよい。規定点位置データ演算部51Cbは、バケット8の幅と、外面情報である候補規定点RPcと、目標施工形状CSとに基づき、規定点RP、詳細にはチルトバケット制御において最も有利である規定点RPを求める。
図14及び図15は、一例として、刃先9に設定された規定点RPを通るチルト動作平面TPを示す。チルト動作平面TPは、チルトシリンダ14の作動によりバケット8の規定点RP(刃先9)が移動する動作平面である。ブームシリンダ11、アームシリンダ12、及びバケットシリンダ13の少なくとも一つが作動し、チルト軸AX4の向きを示すチルト軸角度εが変化すると、チルト動作平面TPの傾きも変化する。
前述したように、作業機角度検出装置24は、XY平面に対するチルト軸AX4の傾斜角度を示すチルト軸角度εを求める。チルト軸角度εは、作業機角度データ取得部51Bに取得される。また、規定点RPの位置データは、候補規定点位置データ演算部51Caによって求められる。動作平面演算部51Eは、作業機角度データ取得部51Bで取得されたチルト軸AX4のチルト軸角度εと、候補規定点位置データ演算部51Caによって求められた規定点RPの位置とに基づいて、チルト動作平面TPを求める。
停止地形演算部51Fは、目標施工形状CSと動作平面とが交差する停止地形を求める。本実施形態において、動作平面はチルト動作平面TPなので、停止地形演算部51Fは、目標施工形状CSとチルト動作平面TPとが交差する部分によって規定される停止地形を求める。この停止地形を、以下においては適宜、チルト停止地形STと称する。停止地形演算部51Fは、複数の候補規定点RPcから選択された規定点RPの位置データと目標施工地形CSとチルトデータとに基づいて、目標施工地形CSにおいてバケット8の側方方向に延在するチルト目標地形STを算出する。図14及び図15に示されるように、チルト停止地形STは、目標施工形状CSとチルト動作平面TPとの交線によって表される。チルト軸AX4の向きであるチルト軸角度εが変化すると、チルト停止地形STの位置が変化する。
作業機制御部51Gは、油圧シリンダ10を制御するための制御信号を出力する。チルト停止制御を実行する場合、作業機制御部51Gは、バケット8の規定点RPとチルト停止地形STとの距離を示す動作距離Daに基づいて、チルト軸AX4を中心とするバケット8のチルト動作を停止させるチルト停止制御を実行する。すなわち、本実施形態においては、チルト停止地形STを基準にチルト停止制御が実行される。チルト停止制御においては、作業機制御部51Gは、チルト動作するバケット8がチルト停止地形STを超えないように、チルト停止地形STでバケット8を停止させる。
作業機制御部51Gは、バケット8に設定された複数の候補規定点RPcのうち動作距離Daが最も短い規定点RPに基づいて、チルト停止制御を実行する。すなわち、作業機制御部51Gは、バケット8に設定された複数の候補規定点RPcのうちチルト停止地形STに最も近い規定点RPがチルト停止地形STを超えないように、チルト停止地形STに最も近い規定点RPとチルト停止地形STとの動作距離Daに基づいて、チルト停止制御を実行する。
制限速度決定部51Hは、動作距離Daに基づいて、バケット8のチルト動作速度についての制限速度Uを決定する。制限速度決定部51Hは、動作距離Daが閾値であるライン距離H以下のときに、チルト動作速度を制限する。
判定部51Jは、目標施工形状CSに対して油圧ショベル100が存在する側である空中側にバケット8が存在しているか否かを判定する。判定部51Jは、空中側にバケット8が存在する場合には第1の情報を出力し、空中側にバケット8が存在しない場合には第1の情報とは異なる第2の情報を出力する。第1の情報は、バケット8のチルト動作を許容することを示す情報である。第1の情報により、制御装置50はチルト停止制御を実行することができる。第2の情報は、バケット8のチルト動作を許容しないことを示す情報である。第2の情報により、制御装置50は、チルト停止制御を実行しない。本実施形態において、制限速度決定部51Hが判定部51Jを有してもよい。
図16は、本実施形態に係るチルト停止制御を説明するための模式図である。図16に示されるように、目標施工形状CSが規定されるとともに、速度制限介入ラインILが規定される。速度制限介入ラインILは、チルト軸AX4と平行であり、チルト停止地形STからライン距離Hだけ離れた位置に規定される。ライン距離Hは、オペレータの操作感が損なわれないように設定されることが望ましい。作業機制御部51Gは、チルト動作するバケット8の少なくとも一部が速度制限介入ラインILを超え、動作距離Daがライン距離H以下になったとき、バケット8のチルト動作速度を制限する。制限速度決定部51Hは、速度制限介入ラインILを超えたバケット8のチルト動作速度についての制限速度Uを決定する。図16に示される例では、バケット8の一部が速度制限介入ラインILを超え、動作距離Daがライン距離Hよりも小さいため、チルト動作速度が制限される。
制限速度決定部51Hは、チルト動作平面TPと平行な方向における規定点RPとチルト停止地形STとの動作距離Daを取得する。また、制限速度決定部51Hは、動作距離Daに応じた制限速度Uを取得する。作業機制御部51Gは、動作距離Daがライン距離H以下であると判定された場合、チルト動作速度を制限する。
図17は、チルトバケットのチルト回転を動作距離Daに基づき停止させるため、動作距離Daと制限速度Uとの関係の一例を示す図である。図17に示されるように、制限速度Uは、動作距離Daに応じて決められている速度である。制限速度Uは、動作距離Daがライン距離Hよりも大きいときには設定されず、動作距離Daがライン距離H以下のときに設定される。動作距離Daが小さくなるほど、制限速度Uは小さくなり、動作距離Daが零になると、制限速度Uも零になる。なお、図17では、目標施工形状CSに近付く方向を負の方向として表している。
制限速度決定部51Hは、操作装置30のチルト操作レバー30Tの操作量に基づいて、規定点RPが目標施工データCDによって特定される目標施工形状CS(チルト停止地形ST)に向かって移動するときの移動速度Vrを求める。移動速度Vrは、チルト動作平面TPと平行な面内における規定点RPの移動速度である。移動速度Vrは、複数の規定点RPのそれぞれについて求められる。
本実施形態においては、チルト操作レバー30Tが操作された場合、チルト操作レバー30Tから出力された電流値に基づいて、移動速度Vrが求められる。チルト操作レバー30Tが操作されると、チルト操作レバー30Tの操作量に応じた電流がチルト操作レバー30Tから出力される。記憶部52には、チルト操作レバー30Tから出力される電流値とパイロット圧との関係を示す第1相関データが記憶されている。また、記憶部52には、パイロット圧とスプールの移動量を示すスプールストロークとの関係を示す第2相関データが記憶されている。また、記憶部52には、スプールストロークとチルトシリンダ14のシリンダ速度との関係を示す第3相関データが記憶されている。
第1相関データ、第2相関データ、及び第3相関データは、実験又はシミュレーション等により事前に求められる既知データである。制限速度決定部51Hは、チルト操作レバー30Tから出力された電流値と、記憶部52に記憶されている第1相関データ、第2相関データ及び第3相関データとに基づいて、チルト操作レバー30Tの操作量に応じたチルトシリンダ14のシリンダ速度を求める。シリンダ速度は、実際のストロークセンサの検出値が用いられてもよい。チルトシリンダ14のシリンダ速度が求められた後、制限速度決定部51Hは、ヤコビアン行列式を使って、チルトシリンダ14のシリンダ速度をバケット8の複数の規定点RPそれぞれの移動速度Vrに変換する。
作業機制御部51Gは、動作距離Daがライン距離H以下であると判定された場合、目標施工形状CSに対する規定点RPの移動速度Vrを制限速度Uに制限する速度制限を実行する。作業機制御部51Gは、バケット8の規定点RPの移動速度Vrを抑えるために、制御弁37に制御信号を出力する。作業機制御部51Gは、バケット8の規定点RPの移動速度Vrが動作距離Daに応じた制限速度Uになるように、制御弁37に制御信号を出力する。この処理により、チルト動作するバケット8の規定点RPの移動速度は、規定点RPが目標施工形状CS(チルト停止地形ST)に近付くほど遅くなり、規定点RP(刃先9)が目標施工形状CSに到達したときに零になる。
本実施形態においては、チルト動作平面TPが規定され、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとの交線であるチルト停止地形STが導出される。作業機制御部51Gは、複数の候補規定点RPcのうちチルト停止地形STに最も近い規定点RPと目標施工形状CSとの動作距離Daに基づいて、その規定点RPが目標施工形状CSを超えないように、チルト停止制御を実行する。チルト停止制御が、垂直距離Dbよりも長い動作距離Daに基づいて実行されるため、垂直距離Dbに基づいてチルト停止制御が実行される場合に比べて、バケット8のチルト動作が不必要に停止されることが抑制される。本実施形態においては、バケット8がチルト動作するだけでは、チルト停止地形STの位置は変化しない。したがって、チルト動作可能なバケット8を使った掘削作業は円滑に実行される。
[チルト停止地形STの位置]
図18及び図19は、チルト停止地形STの位置を示す図である。図18は、バケット8の刃先9側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する例を示す。図19は、バケット8のチルトピン8T側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する例を示す。バケット8がチルト動作する場合、バケット8の刃先9側に存在する目標施工形状CSに対してだけでなく、バケット8のチルトピン8T側、すなわち背面側に存在する目標施工形状CSに対して、バケット8のチルト動作を停止させたい場合がある。
制御装置50は、バケット8の刃先9側に存在する目標施工形状CSに対してチルト停止制御を実行する場合、バケット8の刃先9側に存在するチルト停止地形STとバケット8の規定点RPとの動作距離Daに基づいて、バケット8のチルト動作を停止させる。制御装置50は、バケット8のチルトピン8T側に存在する目標施工形状CSに対してチルト停止制御を実行する場合、バケット8のチルトピン8T側に存在するチルト停止地形STとバケット8の規定点RPとの動作距離Daに基づいて、バケット8のチルト動作を停止させる。
図20及び図21は、チルト動作平面TP上でバケット8及びチルト停止地形STを見た状態を示す図である。図20及び図21は、いずれもチルトピン8Tと平行な方向、かつ目標施工形状CSからバケット8を見た状態を示している。図20は、バケット8の刃先9側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する場合を示す。この場合、チルト動作平面TP上のバケット8及びチルト停止地形STを見ると、バケット8はチルト停止地形STの上方、すなわち空中側に存在するため、制御装置50は、バケット8とチルト停止地形STとの動作距離Daに基づいてチルト停止制御を実行する。
図21は、バケット8のチルトピン8T側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する場合を示す。この場合、図21に示されるように、チルト動作平面TP上のバケット8及びチルト停止地形STを見ると、バケット8はチルト停止地形STの上方に存在するにも関わらず、バケット8はチルト停止地形STの下方、すなわち施工対象の内部にあるように見える。その結果、バケット8は、チルト停止地形STを掘り込んでいるように見える。このため、制御装置50は、バケット8が施工対象を掘り込んでいると誤認してチルト動作を停止させるため、バケット8が空中に存在してチルト動作が可能である場合であってもチルト動作ができなくなることがある。
図22は、空中側ASと地中側SSとの位置関係を示す図である。目標施工形状CSを基準として油圧ショベル100が存在する側を空中側ASとし、油圧ショベル100が存在しない側を地中側SSとする。バケット8、アーム7、ブーム6及び上部旋回体2は油圧ショベル100の一部なので、目標施工形状CSを基準としてバケット8、アーム7、ブーム6及び上部旋回体2が存在する側が空中側ASであり、バケット8、アーム7、ブーム6及び上部旋回体2が存在しない側が地中側SSである。目標施工形状CSは、目標施工データCDの一部であるので、空中側ASは、目標施工データCDを基準として油圧ショベル100が存在する側であり、地中側SSは、目標施工データCDを基準として油圧ショベル100が存在しない側である。
制御装置50は、バケット8が空中側ASに存在する場合にはバケット8の回転、すなわちチルト動作を許容し、バケット8が空中側ASに存在しない場合、すなわち地中側SSに存在する場合にはチルト動作を許容しない。制御装置50は、バケット8が空中側ASに存在する場合にはバケット8のチルト動作を許容するため、バケット8とチルト停止地形STとの動作距離Daに基づいてチルト停止制御を実行する。
図23から図26は、バケット8とチルト停止地形ST及び目標施工形状CSとの関係を示す図である。図23及び図25は、バケット8の刃先9側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する場合を示す。図23に示されるように、チルト停止地形ST及び目標施工形状CSとバケット8に設定された規定点RPとが対向する関係にある場合で、バケット8は空中側ASに存在する。しかし、図25に示されるように、チルト停止地形ST及び目標施工形状CSとバケット8に設定された規定点RPとが対向する関係にある場合でも、バケット8は空中側ASには存在せず、地中側SSに存在する。
図24及び図26は、バケット8のチルトピン8T側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する場合を示す。図24に示されるように、チルト停止地形ST及び目標施工形状CSとバケット8のチルトピン8T側とが対向する関係にある場合で、バケット8は空中側ASに存在せず、地中側SSに存在する。しかし、図26に示されるように、チルト停止地形ST及び目標施工形状CSとバケット8のチルトピン8T側とが対向する関係にある場合でも、バケット8は空中側ASに存在する。
バケット8の刃先9側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する場合であっても、バケット8のチルトピン8T側においてチルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する場合であっても、制御装置50は、バケット8が空中側ASに存在する場合にはチルト動作を許容し、バケット8が空中側ASに存在しない場合、すなわち地中側SSに存在する場合にはチルト動作を許容しない。
[空中側AS又は地中側SSを判定する処理]
図27及び図28は、バケット8とチルト停止地形STとの動作距離Da、及びチルト動作平面TPと目標施工形状CSとがバケット8の刃先9側又はチルトピン8T側のいずれで交差するかを求める方法を説明するための図である。図29、図30、図31及び図32は、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとがバケット8の刃先9側又はチルトピン8T側のいずれで交差する場合においても、バケット8が空中側AS又は地中側SSのいずれに存在するかを判定する方法を示す図である。制御装置50は、バケット8が空中側AS又は地中側SSのいずれに存在するかを判定するにあたって、バケット8とチルト停止地形STとの距離である動作距離Daを求める。本実施形態において動作距離Daは、制限速度決定部51Hによって求められる。
制限速度決定部51Hは、チルトピン座標系(Xt−Yt−Zt)において動作距離Daを求める。チルトピン座標系(Xt−Yt−Zt)は、チルトピン8Tのチルト軸AX4をXt軸とし、Xt軸と直交する2つの軸をYt軸及びZt軸とする。Yt軸とZt軸とは互いに直交する。Yt軸は、車体座標系(X−Y−Z)におけるXZ平面と平行な軸である。Yt軸は、バケット軸AX3を中心としてチルトピン8Tが回転したときに、Xt軸と共に車体座標系(X−Y−Z)におけるXZ平面内を回転する。
制限速度決定部51Hは、チルト停止地形ST上の任意の2つの点である始点Psと終点Peとを結ぶベクトルVaと、チルト停止地形ST上の始点Psとバケット8の規定点RPとを結ぶベクトルVbとを求める。図27に示される例において、規定点RPは刃先9の一部であり、図28に示される例において、規定点RPはチルトピン8T側におけるバケット8の一部である。
ベクトルVaは、始点Psから終点Peへ向かうベクトルである。ベクトルVbは、始点Psから規定点RPへ向かうベクトルである。動作距離Daは、ベクトルVa及びベクトルVbを用いると、式(1)によって求められる。式(1)において、Va×Vbは、ベクトルVaとベクトルVbとの外積である。式(1)の右辺のxは、動作距離Daが、車体座標系(X−Y−Z)におけるX方向の成分であることを意味する。
Da=[Va×Vb/|Va|]x・・・(1)
動作距離Daは正又は負を表す符号付きの距離である。式(1)から、動作距離DaはベクトルVaとベクトルVbとの外積によって求められるので、ベクトルVaに対するベクトルVbの位置によって、Va×Vbの方向は反転する。例えば、図27に示される状態のVa×Vbの方向を第1方向とすると、図28に示される状態のVa×Vbの方向は、第1方向とは180度異なる方向となる。第1方向における動作距離Daの符号を正(+)とすると、第2方向における動作距離Daの符号は負(−)となる。動作距離Daの符号は、本実施形態で示した定義には限定されない。
Va×Vbの方向が第1方向である場合、すなわち動作距離Daの符号が正である場合、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとがバケット8の刃先9側で交差する。Va×Vbの方向が第2方向である場合、すなわち動作距離Daの符号が負である場合、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとがバケット8のチルトピン8T側で交差する。
制御装置50は、動作距離Daを求め、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとがバケット8の刃先9側又はチルトピン8T側のいずれで交差するかを判定する。制御装置50は、それらの情報から、バケット8が空中側ASにあるか地中側SSにあるか、すなわち目標施工形状CSを掘り込んでいないか又は掘り込んでいるかを正しく判定する。制御装置50の判定部50Jは、目標施工形状CSと直交する方向に延びる第1ベクトルVnと、チルト軸AX4が延びる方向の第2ベクトルNとの外積であるVn×Nを求める。第1ベクトルVnは、目標施工形状CSから空中側ASに向かうベクトルである。第2ベクトルNは、チルトピン8Tの第1端部8TFから第2端部8TSに向かうベクトルである。チルトピン8Tの第1端部8TFは、チルトピン8Tが延びる方向に存在し、かつバケット8の開口部8HL側における端部である。第2端部8TSは、チルトピン8Tが延びる方向に存在し、かつ第1端部8TFとは反対側の端部である。第1ベクトルVnと第2ベクトルNとの外積は、車体座標系(X−Y−Z)において求められる。
第1ベクトルVnと第2ベクトルNとの外積であるVn×Nは、第1ベクトルVnに対する第2ベクトルNの位置によって、外積Vn×Nの方向は反転する。例えば、図29及び図31に示される状態の外積Vn×Nの方向を第1方向とすると、図30及び図32に示される状態の外積Vn×Nの方向は、第1方向とは180度異なる方向、すなわち第2方向となる。第1方向における外積Vn×Nの符号を正(+)とすると、第2方向における外積Vn×Nの符号は負(−)となる。外積Vn×Nの符号は、本実施形態で示した定義には限定されない。
判定部51Jは、外積Vn×Nの方向が予め定められた方向、本実施形態においては第1方向である場合、動作距離Daの符号を制限速度決定部51Hが求めた値に維持する。図29及び図31に示される例の場合、判定部51Jは、制限速度決定部51Hから動作距離Daを受け取り、その符号を維持した状態、すなわち符号が反転されない状態で出力する。本実施形態において、判定部51Jは、動作距離Daを作業機制御部51Gに出力するが、動作距離Daの出力先は限定されない。
この場合、動作距離Daの符号が正であれば、図29に示されるようにバケット8は空中側ASに存在し、動作距離Daの符号が負であれば、図31に示されるようにバケット8は地中側SSに存在する。
判定部51Jは、外積Vn×Nの方向が予め定められた方向でない場合、本実施形態においては第2方向である場合、動作距離Daの符号を制限速度決定部51Hが求めた値から反転させて出力する。図30及び図32に示される例の場合、判定部51Jは、制限速度決定部51Hから動作距離Daを受け取り、符号を反転して出力する。
外積Vn×Nの方向が予め定められた方向でない場合、動作距離Daの符号が正であれば、図32に示されるようにバケット8は地中側SSに存在し、動作距離Daの符号が負であれば、図30に示されるようにバケット8は空中側ASに存在する。この場合、動作距離Daの符号が反転すると、動作距離Daの符号が正であればバケット8は空中側ASに存在し、動作距離Daの符号が負であればバケット8は地中側SSに存在することになる。すなわち、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとがバケット8の刃先9側で交差する場合も、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとはバケット8のチルトピン8T側で交差する場合もともに、バケット8が空中側AS又は地中側SSのいずれに存在するかが判定される。
本実施形態において、判定部51Jは、目標施工形状CSに対して油圧ショベル100が存在する側である空中側ASにバケット8が存在している場合には第1の情報を出力し、空中側ASにバケット8が存在しない場合には第2の情報を出力する。詳細には、前述したように、判定部51Jは、チルト停止地形STと規定点RPとの距離である動作距離Da、目標施工形状CSと直交する方向に延びる第1ベクトルVn及び軸線であるチルト軸AX4が延びる方向の第2ベクトルNを用いて第1の情報又は第2の情報を出力する。作業機制御部51Gは、判定部51Jから第1の情報が出力された場合にはバケット8の回転、すなわちチルト動作を許容し、第2の情報が出力された場合にはバケット8の回転を許容しない。
このような処理により、制御システム200及び制御装置50は、バケット8とチルト停止地形ST及び目標施工形状CSとの位置関係によらず、バケット8が空中側ASにあるか地中側SSにあるか、すなわち目標施工形状CSを掘り込んでいないか又は掘り込んでいるかを正しく判定できる。その結果、制御システム200及び制御装置50は、バケット8の刃先9側に存在する目標施工形状CS及びバケット8のチルトピン8T側に存在する目標施工形状CSの両方に対して、チルト停止制御を実行してバケット8のチルト動作を停止させることができる。また、制御システム200及び制御装置50は、バケット8の刃先9側に存在する目標施工形状CS及びバケット8のチルトピン8T側に存在する目標施工形状CSの両方に対して、バケット8が目標施工形状CSを掘り込んでいる場合にはチルト動作を停止させることができる。このように、制御システム200及び制御装置50は、目標施工形状CSに侵入しないようにバケット8の動作を制御するにあたって、油圧ショベル100が有するバケット8の姿勢と目標施工形状CSとの位置関係による制御の制約を低減することができる。
[制御方法]
図33は、本実施形態に係る作業機械の制御方法の一例を示すフローチャートである。目標施工形状生成部51Dは、目標施工データ生成装置70から供給された目標施工データであるラインLX及びラインLYに基づいて、目標施工形状CSを生成する(ステップS10)。
候補規定点位置データ演算部51Caは、作業機角度データ取得部51Bで取得された作業機角度データと、記憶部52に記憶されている作業機データとに基づいて、バケット8に設定された複数の規定点RPそれぞれの位置データを求める(ステップS20)。
動作平面演算部51Eは、規定点RPを通りチルト軸AX4と直交するチルト動作平面TPを求める(ステップS30)。停止地形演算部51Fは、複数の候補規定点RPcからチルトバケットの制御において最も有利な規定点RPを選択し、選目標施工形状CSとチルト動作平面TPとが交差するチルト停止地形STを求める(ステップS40)。制限速度決定部51Hは、規定点RPとチルト停止地形STとの動作距離Daを求める(ステップS50)。次に、動作距離Daを求める処理を説明する。
図34は、本実施形態に係る作業機械の制御方法において、動作距離Daを求める際の処理を示すフローチャートである。ステップS501において、制限速度決定部51Hは、規定点RPとチルト停止地形STとの距離である動作距離Daを符号付きで求める。ステップS502において、判定部51Jは、第1ベクトルVnと第2ベクトルNとの外積Vn×Nを求める。ステップS503において、判定部51Jは、外積Vn×Nの向き、すなわち符号に応じて動作距離Daの符号を反転させて、作業機制御部51Gに出力する。
ステップS60において、動作距離Daの絶対値がライン距離H以下であり、かつ動作距離Daの符号が正である場合(ステップS60:Yes)、制限速度決定部51Hは、動作距離Daの絶対値に応じた制限速度Uを決定する(ステップS70)。
作業機制御部51Gは、チルト操作レバー30Tの操作量から求められるバケット8の規定点RPの移動速度Vrと、制限速度決定部51Hによって決定された制限速度Uとに基づいて、制御弁37に対する制御信号を決定する(ステップS80)。作業機制御部51Gは、制御信号を制御弁37に出力する。制御弁37は、作業機制御部51Gから出力された制御信号に基づいてパイロット圧を制御する。これにより、チルトシリンダ14が制御されるので(ステップS90)、バケット8の規定点RPの移動速度Vrが制限される。チルト動作するバケット8が目標施工形状CSに近付き、動作距離Daの絶対値が零になると、バケット8のチルト動作は停止する。
ステップS60において、動作距離Daの絶対値がライン距離Hよりも大きく、かつ符号が負であるか、動作距離Daの絶対値がライン距離Hよりも大きく、かつ符号が正であるか、動作距離Daの絶対値がライン距離H以下であり、かつ符号が負であるかのうちいずれかである場合(ステップS60:No)、制御装置50はチルト停止制御をしない(ステップS65)。この場合、作業機制御部51Gは、ステップS80において、バケット8の規定点RPの移動速度を、チルト操作レバー30Tの操作量から求められる移動速度Vrにする制御信号を生成し、制御弁37に出力する。これにより、バケット8の規定点RPが移動速度Vrになるようにチルトシリンダ14が制御される(ステップS90)。
このような処理により、制御システム200及び制御装置50は、バケット8とチルト停止地形ST及び目標施工形状CSとの位置関係によらず、バケット8が目標施工形状CSを掘り込んでいないか又は掘り込んでいるかを正しく判定できる。このため、制御システム200及び制御装置50は、バケット8の刃先9側に存在する目標施工形状CS及びバケット8のチルトピン8T側に存在する目標施工形状CSの両方に対して、チルト停止制御を実行してバケット8のチルト動作を停止させることができる。
[目標施工形状CSが複数存在する場合]
図35は、バケット8の周囲に複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4が存在する場合の一例を示す平面図である。図36は、図35のA−A矢視図である。バケット8によって穴HLが掘られる場合、制御装置50の目標施工形状生成部51Dは、バケット8の周囲に複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4を生成する。この場合、施工中のバケット8の周囲には、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4が存在する。
制限速度決定部51Hは、バケット8の規定点RPと目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4との距離である動作距離Daを求める。この場合、制限速度決定部51Hは、目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4の位置に応じて適切な規定点RPを選択して、動作距離Daを求める。例えば、制限速度決定部51Hは、目標施工形状CS1においては刃先9側の規定点RPを用い、目標施工形状CS2においてはチルトピン8T側の規定点RPを用い、目標施工形状CS3においては第1側面8L側の規定点RPを用い、目標施工形状CS4においては第2側面8R側の規定点RPを用いる。
制限速度決定部51Hは、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する部分であるチルト停止地形STと、第1側面8L側の規定点RPを用いて、目標施工形状CS3における動作距離Daを求める。また、制限速度決定部51Hは、チルト動作平面TPと目標施工形状CSとが交差する部分であるチルト停止地形STと、第2側面8R側の規定点RPを用いて、目標施工形状CS4における動作距離Daを求める。
判定部51Jは、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4に対して、第1の情報又は第2の情報、すなわち符号付きの動作距離Daを出力する。この場合、目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4を基準として穴HL側が空中側ASであり、穴HLとは反対側が地中側SSになる。
バケット8の周囲に存在する複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4に対して、第1の情報又は第2の情報が出力されることにより、制御システム200及び制御装置50は、バケット8とチルト停止地形ST及び目標施工形状CSとの位置関係によらず、バケット8が空中側ASにあるか地中側SSにあるか、すなわち目標施工形状CSを掘り込んでいないか又は掘り込んでいるかを正しく判定できる。その結果、制御システム200及び制御装置50は、バケット8の周囲に存在する目標施工形状CSに対して、チルト停止制御を実行してバケット8のチルト動作を停止させることができる。
[軸線を中心に回転する部材がバケット8以外である例]
図37は、軸線を中心に回転する部材がバケット8以外である例を説明するための図である。図38は、図37のB−B矢視図である。図37及び図38は、油圧ショベル100が閉鎖された空間で施工する状況を示している。この場合、油圧ショベル100の周囲には、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4,CS5,CS6,CS7,CS8,CS9が存在する。図37及び図38に示される例において、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4,CS5,CS6,CS7,CS8,CS9で囲まれる部分を基準とした内側が空中側ASであり、外側が地中側SSである。
前述した例において、軸線を中心に回転する部材はバケット8であり、軸線はチルト軸AX4であるとしたが、軸線を中心に回転する部材はバケット8に限定されない。例えば、軸線をブーム軸AX1とし、軸線を中心に回転する部材をブーム6としてもよいし、軸線をアーム軸AX2とし、軸線を中心に回転する部材をアーム7としてもよいし、軸線を旋回軸RXとし、軸線を中心に回転する部材を上部旋回体2としてもよい。また、部材がバケット8である場合、軸線をバケット軸AX3としてもよい。このように、本実施形態において、軸線を中心に回転する部材は、バケット8、アーム7、ブーム6及び上部旋回体2の少なくとも1つであればよい。
軸線をブーム軸AX1とし、軸線を中心に回転する部材をブーム6とした場合、ブーム軸AX1と直交し、かつブーム6の規定点RPbを通る平面が動作平面TPbとなる。動作平面TPbが、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4,CS5,CS6,CS7,CS8,CS9のうち少なくとも1つと交差する部分は、停止地形ST1b,ST5b等となる。判定部51Jは、停止地形ST1b,ST5b等と規定点RPbとの距離、目標施工形状CS1,CS5等と直交し、地中側SSから空中側ASに向かう方向に延びる第1ベクトル及びブーム軸AX1が延びる方向の第2ベクトルを用いて、第1の情報又は第2の情報、すなわち符号付きの動作距離Daを出力する。制御装置50は、符号付きの動作距離Daに基づいて、ブーム6を停止させる停止制御を実行する。
軸線をアーム軸AX2とし、軸線を中心に回転する部材をアーム7とした場合、アーム軸AX2と直交し、かつアーム7の規定点RPaを通る平面が動作平面TPaとなる。動作平面TPaが、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4,CS5,CS6,CS7,CS8,CS9のうち少なくとも1つと交差する部分は、停止地形ST1a,ST5a等となる。判定部51Jは、停止地形ST1a,ST5a等と規定点RPaとの距離、目標施工形状CS1、CS5等と直交し、地中側SSから空中側ASに向かう方向に延びる第1ベクトル及びアーム軸AX2が延びる方向の第2ベクトルを用いて、第1の情報又は第2の情報、すなわち符号付きの動作距離Daを出力する。制御装置50は、符号付きの動作距離Daに基づいて、アーム7を停止させる停止制御を実行する。
軸線を旋回軸RXとし、軸線を中心に回転する部材を上部旋回体2とした場合、旋回軸RXと直交し、かつ上部旋回体2の規定点RPrを通る平面が動作平面TPrとなる。動作平面TPrが、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4,CS5,CS6,CS7,CS8,CS9のうち少なくとも1つと交差する部分は、停止地形ST2,ST7,ST8,ST9等となる。判定部51Jは、停止地形ST2,ST7,ST8,ST9等と規定点RPrとの距離、目標施工形状CS2,CS7,CS8,CS9等と直交し、地中側SSから空中側ASに向かう方向に延びる第1ベクトル及び旋回軸RXが延びる方向の第2ベクトルを用いて、第1の情報又は第2の情報、すなわち符号付きの動作距離Daを出力する。制御装置50は、符号付きの動作距離Daに基づいて、上部旋回体2を停止させる停止制御を実行する。
軸線をバケット軸AX3とし、部材をバケット8とした場合、バケット軸AX3と直交し、かつバケット8の規定点RPkを通る平面が動作平面TPkとなる。動作平面TPkが、複数の目標施工形状CS1,CS2,CS3,CS4,CS5,CS6,CS7,CS8,CS9のうち少なくとも1つと交差する部分は、停止地形ST1k,ST5k等となる。判定部51Jは、停止地形ST1k,ST5k等と規定点RPkとの距離、目標施工形状CS1、CS5等と直交する方向に延びる第1ベクトル及びバケット軸AX3が延びる方向の第1ベクトルを用いて、第1の情報又は第2の情報、すなわち符号付きの動作距離Daを出力する。制御装置50は、符号付きの動作距離Daに基づいて、バケット8を停止させる停止制御を実行する。
このように、本実施形態において、制御システム200及び制御装置50は、バケット8以外の部材に対しても第1の情報又は第2の情報に基づいて動作を制御することができる。このため、制御システム200及び制御装置50は、油圧ショベル100の部材と、停止地形ST5b,ST5a,ST5k,ST2等との位置関係によらず、部材が目標施工形状CSを掘り込んでいないか又は掘り込んでいるかを正しく判定できる。このため、制御システム200及び制御装置50は、部材の周囲に存在する目標施工形状CSに対して、停止制御を実行してバケット8のチルト動作を停止させることができる。その結果、制御システム200及び制御装置50は、目標施工形状CSに侵入しないように油圧ショベル100が有する部材の動作を制御するにあたって、部材の姿勢と目標施工形状CSとの位置関係による制御の制約を低減することができる。
本実施形態において、判定部51Jは、停止地形と規定点との距離、目標施工形状CSと直交する方向に延びる第1ベクトルVn及び軸線が延びる方向の第2ベクトルNを用いて、油圧ショベル100の少なくとも一部の部材が空中側ASにあるか地中側SSにあるかを判定した。部材が空中側ASにあるか地中側SSにあるかを判定する方法はこれに限定されない。例えば、判定部51Jは、油圧ショベル100の少なくとも一部の部材を撮像することによって得られた部材と施工対象との位置関係から、部材が空中側ASにあるか地中側SSにあるかを判定してもよい。
図39は、部材が空中側ASにあるか地中側SSにあるかを判定する他の方法を説明するための図である。油圧ショベル100において、空中側ASであることが明らかな既知の位置を第1位置K1とする。第1位置K1は、例えば、運転室4の屋根4TPとする。第1位置K1は、油圧ショベル100において空中側ASに存在するか又は地中側SSに存在するかを判定したい部材とは異なる部分の位置であり、かつ既知の基準点である。
空中側ASに存在するか又は地中側SSに存在するかを判定したい部材の位置を第2位置K2とする。第2位置K2は、例えば、バケット8の刃先9の一部とする。第1位置K1と第2位置K2とを結ぶ線分を、判定線SLとする。第2位置K2は、前述した規定点RPのうちの1つである。第2位置K2は、前述した規定点RP候補規定点位置データ演算部51Caによって求められる。
判定部51Jは、第1位置K1と作業機1の姿勢から得られる第2位置K2とから、判定線SLを求める。判定線SLは、第1位置K1と第2位置K2とを結ぶ線分である。判定部51Jは、判定線SLと目標施工形状CSとの交点XPの個数を求め、得られた交点XPの個数から、第2位置K2が空中側ASに存在するか又は地中側SSに存在するかを判定する。詳細には、判定部51Jは、交点XPの個数が偶数である場合、第2位置K2は空中側ASに存在すると判定し、交点XPの個数が奇数である場合、第2位置K2は地中側SSに存在すると判定する。具体的には、判定線SL1は交点XPの個数が2個なので、判定部51Jは、第2位置K2が空中側ASに存在すると判定し、第1の情報を出力する。判定線SL2は交点XPの個数が3個なので、判定部51Jは、第2位置K2が地中側SSに存在すると判定し、第2の情報を出力する。すなわち、判定部51Jは、交点XPの個数が偶数か奇数を用いて第1の情報又は第2の情報を出力する。
本実施形態においては、作業機械が油圧ショベルであることとしたが、実施形態で説明した構成要素は、油圧ショベルとは別の、作業機を有する作業機械に適用されてもよい。また、本実施形態では、判定部51Jによって出力された第1の情報及び第2の情報に基づいて、作業機制御部51Gが作業機1を制御したが、このような態様には限定されない。判定部51Jによって出力された第1の情報及び第2の情報又はこれらに基づいた情報は、図1に示される運転室4内のモニタに表示されたり、スピーカから報知されたりしてもよい。例えば、第1の情報は、部材が空中側ASに存在している情報であるため、部材の動作を許容する旨の情報をモニタに表示したり、スピーカで報知したりする。また、第2の情報は、部材が地中側SSに存在している情報であるため、部材の動作を許容しない旨の情報をモニタに表示したり、スピーカで報知したりする。
本実施形態において、判定部51Jから出力された符号が正の動作距離Da、又は交点の個数が偶数であることを第1の情報とし、判定部51Jから出力された負の動作距離Da、又は交点の個数が奇数であることを第2の情報としたが、第1の情報及び第2の情報はこれに限定されるものではない。例えば、判定部51Jは、動作距離Daの符号が正の場合に0又はLow信号を出力し、動作距離Daの符号が負の場合に1又はHigh信号を出力してもよい。この場合、0又はLow信号が第1の情報であり、1又はHigh信号が第2の情報となる。また、判定部51Jは、動作距離Daの符号が正の場合に判定フラグFjを0として出力し、動作距離Daの符号が負の場合に判定フラグFjを1として出力してもよい。この場合、判定フラグFj=0が第1の情報であり、判定フラグFj=1が第2の情報となる。
本実施形態において、操作装置30の右操作レバー30R及び左操作レバー30Lは、パイロット油圧方式でもよい。また、右操作レバー30R及び左操作レバー30Lは、これらの操作量(傾動角)に基づいて電気信号を制御装置50に出力して、制御装置50の制御信号に基づいて流量制御弁25を直接制御する電子レバー方式でもよい。
以上、本実施形態を説明したが、前述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 作業機
2 上部旋回体
3 下部走行体
6 ブーム
7 アーム
8 バケット
8T チルトピン
8C 刃
8TF 第1端部
8TS 第2端部
9 刃先
10 油圧シリンダ
14 チルトシリンダ
20 位置検出装置
21 車体位置演算器
22 姿勢演算器
23 方位演算器
24 作業機角度検出装置
25 流量制御弁
30 操作装置
30T チルト操作レバー
50 制御装置
51 処理部
51A 車体位置データ取得部
51B 作業機角度データ取得部
51Ca 候補規定点位置データ演算部
51D 目標施工形状生成部
51Cb 規定点位置データ演算部
51E 動作平面演算部
51F 停止地形演算部
51G 作業機制御部
51H 制限速度決定部
51J 判定部
52 記憶部
53 入出力部
70 目標施工データ生成装置
100 油圧ショベル
200 制御システム
300 油圧システム
400 検出システム
AS 空中側
AX4 チルト軸
CD 目標施工データ
CS 目標施工形状
Da 動作距離
SS 地中側
TP チルト動作平面

Claims (3)

  1. 軸線を中心に回転する部材を備える作業機械を制御する作業機械の制御システムであって、
    前記作業機械の施工対象の目標形状を示す目標施工形状に対して前記作業機械が存在する側である空中側に前記部材が存在している場合には第1の情報を出力し、前記空中側に前記部材が存在しない場合には第2の情報を出力する判定部を含み、
    前記部材に設定された規定点を通り前記軸線と直交する動作平面を求める動作平面算出部と、
    前記目標施工形状と前記動作平面とが交差する停止地形を求める停止地形算出部と、を有し、
    前記判定部は、前記停止地形と前記規定点との関係に応じて前記第1の情報又は前記第2の情報を出力する、
    作業機械の制御システム。
  2. 前記判定部から前記第1の情報が出力された場合には前記部材の回転を許容し、前記第2の情報が出力された場合には前記部材の回転を許容しない作業機制御部を有する、
    請求項1に記載の作業機械の制御システム。
  3. 軸線を中心に回転する部材を備える作業機械を制御する作業機械の制御方法において、
    前記作業機械の施工対象の目標形状を示す目標施工形状に対して前記作業機械が存在する側である空中側に前記部材が存在している場合には第1の情報を出力し、
    前記空中側に前記部材が存在しない場合には第2の情報を出力し、
    前記部材に設定された規定点を通り前記軸線と直交する動作平面を求め、
    前記作業機械の施工対象の目標形状を示す目標施工形状と前記動作平面とが交差する停止地形を求め、
    前記停止地形と前記規定点と前記目標施工形状とに基づいて前記第1の情報又は前記第2の情報を出力する、
    作業機械の制御方法。
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