JP6680825B2 - 脳波の評価方法及び評価装置 - Google Patents

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Description

この発明は、脳波の評価方法に関するものであり、より具体的には被験者の脳波から、雑念によるマスキング効果を排除し、「雑念の排除」された状態の脳波を取得する手法、そして、その状態の脳波によって被験者の精神状態を評価する手法に関するものである。
従来から、脳波によって人の精神状態や生理状態を評価するための手法は種々提案されている。また、脳波によって意思を伝達する方法(例えば特許第4269827号)や、商品デザインを評価する手法(例えば特開2004−342119号)なども提案されている。
しかしながら、脳波によって意思を伝達したり、商品デザインを評価したりするためには、雑念によってマスキングされていない脳波を使用することが必要である。「マスキング」とは、視覚や聴覚その他の五感の各々により生じる特徴的な脳波や思考などにより、リラックスしているときのような微細な脳波などを覆ってしまう強度の脳波をいい、マスキングによって、脳波分析の結果を乱すという不都合が生じるのである。
マスキングによる脳波の乱れを排除するためには、リラックスした、雑念のない者の脳波を知らなければならない。しかしながら、従来の評価方法では、脳波によって被験者が「リラックスした、雑念のない状態」であることを評価することができない。なお、「雑念のない状態」とは、仏教において無我の境地といわれる状態であって、被験者が、静かで快適な場所でアイマスクを付けてリラックスし、何も考えず何も感じない状態を維持することに、少しだけ精神集中をした状態をいう。
従来から、リラックス時、安静時にはα波(8〜13Hz)が多く検出される、という仮説に基づいて、被験者の精神状態を推定している。
ところで、脳波は経時的に変化するものであるから、脳波によって精神状態を判定するためには、脳波の経時的な変化を重視する必要がある。
経時的な変化に着目した手法として、特開2009−297232号の発明がある。この発明は、周波数帯ごとに経時的なグラフを作成するが、計測中に現れるマスキングを排除することは考慮されていない。
特開2009−297232号公報
この発明は、被験者の脳波におけるマスキングを排除し、リラックスした雑念のない状態の脳波を取得することを第一の課題とし、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などを感受した時の、特徴的な脳波の検出の精度を向上させることを第二の課題とするものである。
この発明の脳波の評価方法は、以下のステップにより構成される。
脳波を測定する第1ステップと、
測定された脳波をデジタル変換してデジタル信号を出力する第2ステップと、
デジタル信号をFFT解析して周波数毎の経時的なパワー変化を表示する時間軸スペクトラムデータを生成する第3ステップと、
前記時間軸スペクトラムデータにおける注目すべき周波数帯のパワーを平均値に置き換えて、平均値時間軸スペクトラムデータを生成する第4ステップと、
平均値時間軸スペクトラムデータから特定の時間幅を複数取り出して、各時間幅毎に周波数を軸とした周波数軸スペクトラムデータを生成する第5ステップ。
上記中、可視情報として出力する必要があるのは、第4ステップにおける平均値時間軸スペクトラムデータ、第5ステップにおける周波数軸スペクトラムデータ、第7ステップにおける周波数軸スペクトラムデータであって、第2ステップ、第3ステップのデータはプログラム処理されればよく、可視情報として出力する必要はない。
また、特定の時間幅は、平均値時間軸スペクトラムデータにおいて、スペクトル値に急激な変化が現れる時間幅とすることが好ましい。
前記第5ステップに続いて、周波数軸スペクトラムデータから基準となる時間帯を選定する第6ステップと、基準となる時間帯の周波数軸スペクトラムデータを生成する第7ステップを行うことが好ましい。
予め用意された基準となる平均値時間軸スペクトラムデータ又は周波数軸スペクトラムデータと、被験者の平均値時間軸スペクトラムデータ又は周波数軸スペクトラムデータとを比較することにより、被験者の脳波を評価することができる。
この発明の脳波の評価装置は以下のように構成する。
測定された脳波をデジタル変換してデジタル信号を出力する手段と、デジタル信号をFFT解析して周波数毎の経時的なパワー変化を表示する時間軸スペクトラムデータを生成する手段と、前記時間軸スペクトラムデータにおける適当な時間範囲において、注目すべき周波数帯毎のパワー平均値の全時間範囲の平均値が基準値より低いか否かを判定するパワー比較手段と、基準値より低い状態を安定して保っている持続時間が、基準時間を超えるか否かを判定する持続時間比較手段と、特に注目すべき周波数解像度の高い領域におけるパワー平均値が基準値より小さいか否かを判定する周波数特性比較手段、とを備えた脳波の評価装置
この発明によれば、平均値時間軸スペクトラムデータに基づいて、時間幅毎の周波数軸スペクトラムデータを得ることにより、脳波の経時的な変化を、周波数帯ごとに把握することができる。
また、この発明の装置を使用することにより、前頭部皮膚上接触電極から得られた脳波信号をFFT解析し、時系列データに変換したパワーについて、(1)パワー強度、(2)持続性、(3)周波数特性という3つの特性を、ビジュアル化し数値化することにより、安静状態(空性)の達成度を評価することができる。したがって、安静状態を持続できる者を容易に選別することができると共に、訓練中の者が自己の到達レベルを把握することができる。
そして、この発明によって安静状態を持続できると判定された者を被験者として、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などを感受した時の特徴的な脳波を、この発明の方法によって評価すると、脳波評価の精度を向上させることができる。これは脳波スイッチ、リラクゼーション、睡眠導入、インスピレーションの発揚、心理学実験などにも応用できる。
この発明のフロー図 国際10−20法の電極配置 実施例における電極配置 熟達者の平均値スペクトラム 熟達者の時間軸スペクトラム 熟達者の平均値時間軸スペクトラム 熟達者の全周波帯での平均値時間軸スペクトラム 熟達者の各時間帯での平均値周波数スペクトラム 熟達者の持続時間グラフ 参照データの平均値時間軸スペクトラムと基準値 参照データの6分割平均値周波数レーダーグラフ 参照データの周波数特性レーダーグラフと基準値 参照データの平均値周波数スペクトラム 初心者の平均値時間軸スペクトラム 訓練後1の平均値時間軸スペクトラム 訓練後2の平均値時間軸スペクトラム 訓練後1の持続時間グラフ 訓練後2の持続時間グラフ 訓練後1の周波数特性レーダーグラフ 訓練後2と参照データの平均値周波数スペクトラムの比較 初心者と参照データの平均値時間軸スペクトラム 熟達者の青色光感受の平均値時間軸スペクトラム 熟達者の無感覚無思考時と暗算時の平均値時間軸スペクトラム
以下この発明の実施例を説明する。
第1ステップ
脳波の測定における電極配置は、国際10−20法(図2)が国際標準とされているが、この配置に限られるものではない。以下の実施例では図3に示す二カ所(EEG Measuring Device)に電極を配置して測定している。大脳の前頭前野が思考力や想像力などの知的活動に関係が深いとされるからである。
この測定では、無感覚で無思考を安定して続けるように訓練された「熟達者」を被験者としている。熟達者の脳波を知り、これを「非熟達者」の脳波を比較するための参照データ(Reference)とするためである。
第2ステップ
電極により取得された脳波信号は、フィルターでノイズが除去され、アンプで増幅され、ADコンバーターによりデジタル信号に変換されてパソコンなどの解析機器に出力される。
この過程は、従来行われている通常の手法により行う。例えばNeurosky社製の装置により脳波を測定し、デジタル変換してデジタル信号を出力する。
各図において縦軸の数値は出力される電圧(以下「パワー」という。)であるが、中間にノイズフィルターなどの回路が介在しているために、MKS単位など絶対的な数値ではなく、同じ装置で比較するための相対的な値である。
第3ステップ
入力されたデジタル信号をFFT解析することによって、細分化された周波数ごとの(例えば0.5刻み)細分化された時間ごとの(例えば0.5秒刻み)パワーが得られる。その一部を以下(表1)に示す。

この表で周波数毎の全時間の平均値を取り、グラフ化したのが周波数スペクトラムデータ(図4)である。この図では、周波数帯ごとのパワーの時系列変化を理解することができない。
これを時系列データに変換する。すなわち、表1のデータを、各周波数ごとの時系列データに変換する。FFTアナライザーによるEEGスペクトルは、ある時間範囲において、等間隔で細かくサンプリングされた時刻 (time[sec.])を横軸とし、細分化された周波数 (frequency[Hz]) ごとのレベル値を縦軸とて表現される。その一部を表2に示す。これをグラフとして出力したものが時間軸スペクトラムデータ(図5)である。
前記周波数スペクトラムデータの時系列データへの変換は、例えばLitlesoftware社製のアプリ(ソフトウェア)により行う。
時間を横軸とした図5においては、周波数帯ごとの時系列変化を理解することができる。
前記周波数スペクトラムデータは出力せずに、時間軸スペクトラムデータを直接出力するようにしてもよく、この時間軸スペクトラムデータの出力も必須ではない。
(第4ステップ)
第3ステップで得た時間軸スペクトラムデータは、詳細なために全体像を把握しにくい。そこで、注目すべき周波数帯のパワーを平均値に置き換えて、平均値時間軸スペクトラムデータを生成する。
注目すべき周波数帯は任意に設定してよいが、ここでは従来からの仮説にしたがい、δ波(1−3Hz)、θ波(4−7Hz)、α波(8−13Hz)、β波(14−27Hz)の4分割周波数帯、および全周波数帯(1−27Hz)とする。
これらの各周波数帯のパワーの平均値を経時的(0.5秒刻み)に取得したものが表3であり、これをグラフ化して出力したものが図6である。

図6のように熟達者であっても各周波数帯間でパワー平均値にバラつきがあるので、それらの代表値として設定したのが、全周波帯(1-27Hz)における平均値時間軸スペクトラムである(図7)。
(第5ステップ)
平均値時間軸スペクトラムデータから特定の時間幅を複数取り出して、各時間幅毎に周波数を軸とした周波数軸スペクトラムデータを生成する。
前記特定の時間幅とは、スペクトル値に急激な変化が現れる時間幅を意味する。
この図から、図4のスペクトラムデータからは読み取ることができないが、経時的に分析すると周波数帯ごとのパワーが変化していることが理解できる。
図7においては、3秒と54秒付近に急激な変化が見られる。そこで、時間幅として1〜2.5秒、3〜54秒、54.5〜58秒を取り出して、各時間帯における平均値周波数スペクトラムが図8である。
なお、「特定の時間幅」を上記のように取り扱う理由は、「スペクトル値に急激な変化が現れる時間幅」が、図8のとおり、五感からの刺激や思考の変化など、いわゆる「雑念」が生じている証拠だと考えられ、任意の時間幅を取り出すと平均化されて変化が埋もれてしまう恐れがあるためである。この図のPa(1-2.5sec.)とPa(54.5-58sec.)の同じような波形は、外部からの機械音である。
さらに、図7のグラフから、雑念のない3〜54秒の時間帯を取り出すことができる(図9)。
ここで、開始と終了の時刻をそれぞれt1とt2とすると、その間の持続時間Δ(デルタ)t(=t2-t1+0.5sec.)は52秒であり、それを可視化したのが熟達者の持続時間グラフである。
この時間帯の平均値時間軸スペクトラムを参照データ(Reference)として設定する(図10)。
ここで、安静状態を判定するために、時間軸の基準値(Par)を5000に設定する。その根拠は、3〜54秒における平均パワー値(Pa)の平均値(Pax)に標準偏差の3倍(3σ)を加えた値に近いためであるためである。
この参照データとなる熟達者の時間帯の周波数スペクトラムについて、特に注目すべ き周波数帯としてδ波(1-3.5Hz)、θ波(4-7.5Hz)、αL波(8-10.5Hz)、αH波(11-13.5Hz)、βL 波(14-20.5Hz)、βH波(21-27Hz)に6分割して、レーダーグラフとして表したのが図11である。
しかし、0.5秒刻みの線で描かれているために、全体像を把握するのが困難である。そこで、各周波数帯の時間(Δ(デルタ) t=52sec.)の平均値の平均値(Pa')を、周波数特性レーダーグラフとしたのが図12である。
ここで、安静状態を判定するための周波数特性レーダーグラフの基準特性(Pa'r)を4000と設定する。
このグラフにおいて、β LPa'だけが基準特性(Pa'r)4000えていて、その他は下回っている。これは図13のとおり平均値周波数軸スペクトラムが17〜18.5Hzに鋭いピークを持っているためであり、意志の働きで脳波をコントロールしていることを示していると考えられる。
この発明は、前頭部皮膚上接触電極から得られた脳波信号をFFT解析し、時系列データに変換したパワーについて、(1)パワー強度、(2)持続性、(3)周波数特性という3つの特性を数値化し、これを熟達者の数値と比較することにより、非熟達者が訓練によりどの程度安静状態を保つことができるようになったかを評価する評価装置として構成することができる。
図1のとおり、この評価装置は、被験者の脳波を解析するために以下の手段を備えている。なお、脳波は外部の測定装置から入力することもできるが、装置に組み込んでもよい。
測定された脳波をデジタル変換してデジタル信号を出力する手段(第2ステップに対応)。デジタル信号をFFT解析して周波数毎の経時的なパワー変化を表示する時間軸スペクトラムデータを生成する手段(第3ステップに対応)。前記時間軸スペクトラムデータにおける注目すべき周波数帯のパワーを平均値に置き換えて、平均値時間軸スペクトラムデータを生成する手段(第4ステップに対応)。
そして、被験者の脳波を評価するために、基準値となる熟達者の時間軸スペクトラムデータと平均値時間軸スペクトラムデータ、及び被験者の時間軸スペクトラムデータと熟達者の時間軸スペクトラムデータとの比較手段、被験者の平均値時間軸スペクトラムデータと熟達者の平均値時間軸スペクトラムデータとの比較手段を備えている。
以下具体的に説明する。
以下に示す表4は被験者の脳波の基礎データの一部である。
(パワー強度について)
適当な時間範囲において、各周波数帯のパワー平均値 (Pa)が、基準値(Par)より低いかを判定する。基準値よりも小さければパワー強度が熟達者と同じレベルにあると評価され、パワー強度のテストは合格となる。不合格の場合(No)は基礎的な訓練を繰り返す。
不合格者は、「初心者(Beginner)」、または「達成率0%」と評価され、合格の場合は、「中級者(Middler)」、または「達成率50%」と評価される。
初心者の平均値時間軸スペクトラム(図14)では、1〜27Hzの周波数帯におけるパワー平均値Pa(1-27Hz)が基準値(Par)5000をえているので不合格とされる。この被験者は、再度基礎的な訓練をする必要があるものと判定される。
以下の二つの図(図15,図16)では、パワー平均値Pa(1-27Hz)が基準値(Par)5000を下回る時間帯があるので、一定の安静状態が得られており、パワー強度テストは合格となる。
(持続性について)
図14は、初心者(Beginner)パワー平均値基準値より高い値のまま、測定時間が31秒を経過している。精神集中力が切れてしまったためである。そこで、持続性を判定する上での基準時間(tr)は32秒にするのが適当であり、これをえれば合格と評価される。
不合格(No)の場合は再度基礎的な訓練が必要と評価される。
訓練後1(Trained1)については図15において、パワー平均値Pa(1-27Hz)が基準値(Par) 5000より低い時点としてt1=3.5とt2=31が算定できて、その結果から持続時間Δ(デルタ)t (=31-3.5+0.5) は28秒であり、持続時間グラフは図17となる。これは基準時間(tr)30秒に満たないので不合格となる。これらの被験者は、再度基礎的な訓練をする必要があるものと判定される。
訓練後2(Trained2)については図16において、同様にしてパワー平均値Pa(1-27Hz)が基準値(Par) 5000より低い時点として、t1=24.5とt2=61が算定できて、Δ(デルタ)tは(=61-24.5+0.5)37秒である(図18)。これは基準時間(tr)32秒えるので合格となる。合格者は、「上級者(Senior)」、または「達成率80%」と評価される。
(周波数特性について)
図12における熟達者(Master)の状態は、「達人(Master)」、または「達成率100%」と評価され、参照データ(Reference)として位置付けられる。
それに対して、訓練後2(Trained2)について、各周波数帯平均値の全時間(Δ(デルタ)t=37sec.)の平均値を周波数特性レーダーグラフとしたのが図19である。これは、参照データ(Reference)と比較して、βLPa'以外にも基準特性(Pa'r)4000えているので、周波数特性は不合格となり、上級者(Sinior)に止まる。それは、図20のとおりパワー平均値(Pa)がβL (14-20.5Hz) 以外に複数のピークを持っているためであり、意志の働きで脳波をコントロールし切れていないことを示している。
この装置による脳波の評価は、以下の用途に活用できる。
1)リラクゼーション
脳波強度の低減は脳の活動を最小限にすることであるので、これを持続することは疲労した脳を休めてリフレッシュすることになる。
例えば、図21のとおり初心者(Beginner)は雑念のために脳波のパワー強度が大きい。
それに対して熟達者(Master)は最小限になっていて、疲労した脳を休めてリラックスすることになる。
2)睡眠導入
脳波強度の低減の持続に努力することを止めて、集中力を拡散することにより、自然と睡眠状態に導かれる。
図21において、精神集中に要する17〜18Hz付近のピークを取り去れば、自然と睡眠状態に導かれる。ただし、それを実現するには繰り返しの練習が必要となる。
3)インスピレーションの発揚
無感覚無思考の状態は、知性の束縛からの解放を与えて、インスピレーション(ひらめき(insight))を発揚させ、創造的なアイディアをもたらす可能性がある。
これは近年、「ぼんやりした」状態により「ひらめき」が獲得されるという説が、ジョン・クーニオス(John Kounios)他によりデフォルト・モード・ネットワーク(DMN:Default Mode Network)として報告されたが、それよりも本発明は積極的で具体的な方法である。
4)心理学実験
雑念のない心理学実験ができる。例えば、光の感受性についての実験。
応用例として、青色の光の感受性について、測定してみる。
静かな快適な部屋でリラックスした訓練後の前、1.5メートルに40型(inch)のディスプレーを置き、一面に明るめのマリーンブルーの画像が映し出されるように設定する。
熟達者が、アイマスクを装着して、開始から20秒の間を準備期間とし、その後40秒まで安静状態を保って無感覚無思考を続け、最後に61秒までアイマスクを外してディスプレーのマリーンブルーの画面を見つめたとき、注目すべき周波数帯(1-27Hz)における平均値時間軸スペクトラムデータが図22である。
ここにおいて、青色の光によるパワー平均値のピーク(Pa)は、43〜46秒、49〜52秒、56〜59秒と順に下がっているのは、心理学で「馴化」(Habituation)と呼ばれる現象と考えることができる。
ただし、ここでは20秒の準備期間(1-20sec.)は表示されていない。
この実験は、安静状態を保つことのできる訓練後を被験者としているので、被験者の脳波におけるマスキングが排除されている。すなわち、脳波の変化は、青色の光の感受に起因するものである。
この発明によれば、被験者が安静状態を保つことができる者であることを平均値時間軸スペクトラムデータ(図22)の40秒以前で確認することができるので、マスキングを排除した状態で視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などを感受した時の、特徴的な脳波の検出の精度を向上させることができる。
この発明は、脳波を時間要素と共に把握し、評価することのできるものであり、医療分野のみならず、電子機器の制御、嗜好の評価、社会環境の評価など広い分野で利用できるものである。
例えば、電子機器の制御におけるオン・オフのスイッチとして利用できる。すなわち、人間の意志によって脳波強度の大と小をコントロールできれば、その中間値を閾値 (Threshold)として、ロー(L)とハイ(H)のデジタル回路入力インターフェイスとすることが可能である。
図23は、無感覚無思考(No feeling no thinking)の時間軸パワー平均値をロー(L)、1から10までを順に足すという暗算(Mental calculation)を13秒間にわたった時の時間軸パワー平均値をハイ(H)とし、その中間値を閾値(Threshold)とすることができる。

Claims (4)

  1. 脳波を測定する第1ステップと、
    測定された脳波をデジタル変換してデジタル信号を出力する第2ステップと、
    デジタル信号をFFT解析して選定された全周波数帯の周波数毎の経時的なパワー変化を表示する時間軸スペクトラムデータを生成する第3ステップと、
    前記時間軸スペクトラムデータについて、全周波数帯を複数の周波数帯に分割し、分割された周波数帯ごとのパワー及び全周波数帯のパワーをそれぞれの平均値に置き換えて、平均値時間軸スペクトラムデータを生成する第4ステップと、
    全周波数帯の平均値時間軸スペクトラムデータからスペクトル値に急激な変化が現れる特定の時間幅を複数取り出して、各時間幅毎に周波数を軸とした周波数軸スペクトラムデータを生成する第5ステップと、
    よりなる、脳波情報の取得方法。
  2. 請求項1の方法で熟達者の脳波情報を取得した後、第4ステップで取得した平均値時間軸スペクトラムデータから、最初にスペクトル値に急激な変化が現れた後、次に急激な変化が現れるまでの時間帯を基準となる時間帯として選定する第6ステップと、
    基準となる時間帯の平均値時間軸スペクトラムデータを参照データとして設定する第7ステップ、
    とを行う、脳波の評価方法。
  3. 請求項2の方法で設定された参照データとしての平均値時間軸スペクトラムデータ又は請求項1の方法で取得した熟達者の周波数軸スペクトラムデータと、請求項1の方法で取得した被験者の平均値時間軸スペクトラムデータ又は周波数軸スペクトラムデータとを比較することにより、被験者の脳波を評価する、脳波の評価方法。
  4. 測定された脳波をデジタル変換してデジタル信号を出力する手段と、
    デジタル信号をFFT解析して選定された全周波数帯の周波数毎の経時的なパワー変化を表示する時間軸スペクトラムデータを生成する手段と、
    前記時間軸スペクトラムデータを、全周波数帯を複数の周波数帯に分割し、分割された周波数帯毎のパワー及び全周波数帯におけるパワーをそれぞれの平均値に置き換えて平均値時間軸スペクトラムデータを生成する手段と、
    前記平均値時間軸スペクトラムデータにおける適当な時間範囲において、分割された周波数帯毎のパワー又は全周波数帯のパワー平均値の全時間範囲の平均値が基準値より低いか否かを判定するパワー比較手段と、
    分割された周波数帯ごとのパワー又は全周波数帯のパワー平均値が基準値より低い状態を保っている持続時間が、基準時間を超えるか否かを判定する持続時間比較手段と、
    分割された周波数帯ごとのパワー又は全周波数帯のパワー平均値が基準値より小さいか否かを判定する周波数特性比較手段、
    とを備え、
    前記基準値を、請求項2の方法で設定された参照データとしての平均値時間軸スペクトラムデータ又は請求項1の方法で取得した熟達者の周波数軸スペクトラムデータとした、
    脳波の評価装置。

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